(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6483122
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】商品の外観特性とマッチングするデジタル印刷表示を備えるRFIDラベル
(51)【国際特許分類】
G09F 3/00 20060101AFI20190304BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
G09F3/00 S
G06K19/077 220
G09F3/00 M
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-534840(P2016-534840)
(86)(22)【出願日】2014年8月14日
(65)【公表番号】特表2016-532901(P2016-532901A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(86)【国際出願番号】US2014051097
(87)【国際公開番号】WO2015023864
(87)【国際公開日】20150219
【審査請求日】2017年7月27日
(31)【優先権主張番号】13/966,831
(32)【優先日】2013年8月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514100751
【氏名又は名称】アベリー・デニソン・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】AVERY DENNISON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォスター,イアン・ジェイムズ
【審査官】
槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2004/0211510(US,A1)
【文献】
国際公開第2007/059049(WO,A2)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0055540(US,A1)
【文献】
特表2013−531849(JP,A)
【文献】
特開2011−126281(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3049123(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3186614(JP,U)
【文献】
特開2005−128063(JP,A)
【文献】
特開2002−222438(JP,A)
【文献】
特開2001−159866(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/007260(WO,A2)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0001176(US,A1)
【文献】
米国特許第6702185(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/00
G06K 19/077
B42D 25/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品アイテム用のラベルであって、
ラベル基板上に配置されるRFIDインレイと、
前記ラベル基板に、デジタルで規定されて適用されるパターンおよび/またはカラー印刷表示区域とを含み、
前記デジタルで規定されて適用されるパターンおよび/またはカラー表示区域は、商品アイテムのラベル配置位置で、前記商品アイテムのブランドパターンおよび/またはカラーと一致し、前記一致は、前記商品アイテムの視覚的美観に非干渉である、ラベル。
【請求項2】
前記ラベルパターンのデザインの細部は、前記ラベルが前記商品アイテムに適用される際に、前記商品アイテムのパターンの類似するデザインの細部に隣接して実質的に整列することにより、前記ラベルが前記商品アイテムのパターンを模倣することを特徴とする、請求項1に記載のラベル。
【請求項3】
前記ラベルは、前記ラベルが前記ラベル配置位置で、前記商品アイテムと一致する位置表示区域を有することを容易にする所定の周囲サイズと形状にデジタル切断されることを特徴とする、請求項1に記載のラベル。
【請求項4】
前記ラベル基板は、前記表示区域が前記ラベル基板にデジタル印刷される前記基板表面の反対の前記ラベル基板の表面にデジタル印刷される接着剤をさらに含み、前記接着剤は、前記デジタル切断された所定の周囲と実質的に一致するパターンで印刷されることを特徴とする、請求項3に記載のラベル。
【請求項5】
前記ラベル基板は、前記表示区域が前記ラベル基板にデジタル印刷される前記基板表面の反対の前記ラベル基板の表面にデジタル印刷される接着剤をさらに含み、前記接着剤は、ドライタブ区域が提供されるように、前記デジタル印刷される表示区域より小さな表面積を有するパターンで印刷されることを特徴とする、請求項3に記載のラベル。
【請求項6】
商品アイテムにRFIDのラベルを付ける方法であって、
前記アイテムのラベル配置位置で、ブランドパターンおよび/またはカラーを表示する商品アイテムを提供するステップと、
RFIDインレイを有するラベルを提供するステップと、
前記ブランドパターンおよび/またはカラーと一致するパターンおよび/またはカラーの表示区域を前記ラベルにデジタル印刷するステップと、
RFIDインレイを有する前記印刷されたラベルを前記ラベル配置位置に適用するステップとを含み、
前記ラベルは、全般的に前記商品アイテム上で肉眼で感知できないことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記アイテム上の前記ラベル配置位置で、前記ラベルは、肉眼で容易に識別できず、前記ラベルは、前記アイテムの視覚的美観に非干渉な外観を表示することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ラベルは、前記ラベルが前記商品アイテム上で非干渉な外観を有することにより、前記商品の表示されたパターンおよび/またはカラーと調和することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
関連出願の相互参照
本出願は、その全体の内容が本願に参照として含まれる2013年8月14日付米国特許出願第13/966,831号の優先権を主張する。
【0002】
開示の分野
本開示の対象は、商品の在庫管理および/またはセキュリティラベルおよび/またはタグに関するものである。より具体的に、本開示の対象は、インレイ、タグまたはラベルのような無線周波数識別(RFID)装置を有し、一部あるいは全ての製作、加工、入庫および販売中に商品のための非干渉なRFID機能を提供し、特に、小型および高価な商品に適したラベルおよび/またはタグに関するものである。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
RFID技術を含む装置は、在庫管理、追跡、監視およびセキュリティシステムを含む様々な異なる適用例に広く用いられる。かかるシステムは、衣類および商品の在庫管理、盗難およびその他の潜在的損失からのセキュリティに関するものを含めて、商売業界でよく知られている。
【0004】
RFID装置は、様々な集積素子を有することができ、そのうちのRFIDチップは、製品類型と、さらには、固有識別コードに係る商品の正確な部分に対する識別符号などのデータを含む。他のコンポーネントは、RFIDチップに電気的に連結されたアンテナを含むが、これは、例えば、RFIDリーダシステムなどの他のRFID装置へ信号を伝送することおよび/またはこれから信号を受信することを担当するものである。通常、アンテナとRFIDチップは、プラスチックなどの基板上に提供され、品物に取り付けるか、タグまたはラベルなどの他の構造に含み得る。
【0005】
一例において、RFIDリーダは、小売商業施設の売場位置またはレジカウンタに関しており、物品、消費者商品、または商品アイテムや他の部分に関するラベルやタグ内のチップ(該アイテムの帳簿または販売価格を含み得る)を感知することができる。また、他の例において、RFID読取り可能ラベルまたはタグは、小売商業施設で個別商品に貼り付けられ、該ラベルやタグは、RFIDリーダを用いてスキャンされることにより、製品在庫の適正数量を保持し、そして/またはいわゆるガードラベルやタグとして機能するセキュリティ措置に活用される。
【0006】
Ludwig等、米国特許公開第2010/0245112号明細書は、ラベルフィルムまたはパッケージングフィルムとしての特定用途を提示する多層のフレキシブルフィルム体を記述している。装飾層(decorative layer)は、RF磁界送信機の使用などを含む交互磁界のような外部活性信号を検出するためのセンサー要素を含み得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
要約
以下で記述且つ請求されている装置とシステムでは、それぞれ別個に、または、共に実施可能な本開示対象の一部の側面がある。かかる側面は、単独で、あるいは、ここで記載されている開示の対象の他の側面と結合して用いることができ、かかる側面の記載は、ここで添付されているクレームで提示し得るように、単独でかかる側面を使用すること、あるいは、単独でまたは異なる組み合わせでかかる側面を請求することを排除しようとするものではない。
【0008】
一側面において、非干渉な商品ラベル、タグ等は、RFIDインレイを形成し、その上に印刷されるデジタルで規定された表示を有する、RFIDチップおよびそれに連結されたアンテナを備える基板を含む。デジタルで規定された表示は、ラベル若しくはタグと近接するパッケージング、またはパッケージングと併置されるタグ若しくはラベルなどの商品アイテムの表示またはカラーと一致するか、またはこれと相補関係になり、それによってRFIDラベルまたはタグと商品アイテムおよびそれに隣接するパッケージングの表示との外観差異を実質的に最小化させるか、または肉眼に対して外観差異を最大限に取り除く。
【0009】
また他の側面において、非干渉な商品ラベルまたはタグ等は、RFIDインレイを形成するアンテナに連結されたRFIDチップを有する基板を含み、アンテナは,スロットループ(slot−loop)ハイブリッドアンテナおよびその上に印刷されるデジタルで規定された表示を含む。デジタルで規定された表示は、RFIDラベルまたはタグと隣接したり、RFIDタグまたはラベルが並行する商品アイテムやそのパッケージングの表示若しくはカラーと一致するか、またはそれと相補関係になり、それによってラベルまたはタグと、それに隣接する商品アイテムの表示との、肉眼に対する外観差異を実質的に最小化またはできるだけ取り除く。
【0010】
また他の側面において、非干渉な商品ラベル、タグ等は、RFIDインレイを形成するアンテナに連結されたRFIDチップ有する基板を含み、選択的にスロットループハイブリッドアンテナおよびその上に印刷されるデジタルで規定されたパターンおよび/またはカラーを含む。デジタルで規定されたパターンおよび/またはカラーは、ラベルまたはタグに近接する、あるいは、その上に組み立てられる際にラベルまたはタグがパッケージングに並列する位置で、商品アイテムまたはそのパッケージングのパターンおよび/またはカラーと実質的に一致するか、または相補関係になり、それによってRFIDラベルまたはタグと、組み立てられたラベルまたはタグに隣接する商品アイテムまたはそのパッケージングのパターンおよび/またはカラーとの外観差異を、肉眼に対して最小化または実質的に取り除く。ラベルまたはタグは、パッケージングとタグのマッチングを補助する所定の周囲に沿ってデジタルで切断される。切断は、商品のパッケージングまたはアイテムへの相補的な形態の形成を助けることができる。
【0011】
さらなる側面において、非干渉な商品ラベル、タグ等は、印刷によってデジタル的に強化され、基板に適用され、その上にデジタルで規定される表示が印刷されるRFIDラベルまたはタグを含む。デジタルで規定された表示は、RFIDラベルまたはタグと隣接する商品アイテムの表示またはパッケージングと一致するか、または相補関係をなし、それによってラベルまたはタグと、商品アイテムとの外観差異を、特に、商品アイテム上に組み立てられる際に、ラベルまたはタグに隣接する該表示との外観差異を、肉眼に対して最小化するかまたは実質的に取り除く。
【0012】
さらなる側面において、非干渉な商品ラベル、タグ等は、その上にデジタルで印刷されるRFIDタグまたはラベルを備え、また、デジタルで規定された表示がその上に印刷される基板を含む。デジタルで規定された表示は、ラベルまたはタグと隣接する商品アイテムの表示と一致し、それによってRFIDラベルまたはタグと、商品アイテムまたはそのパッケージングとの外観差異を、特に、商品アイテムまたはパッケージングに組み立てられる際に、ラベルまたはタグに隣接する該表示との外観差異を、肉眼に対して最小化または実質的に取り除く。ラベルまたはタグは、ラベルまたはタグでアイテムにUV「照明」を提供するためのIDコードまたは2Dコードを規定する紫外線(UV)インクを含む。
【0013】
さらなる実施例において、非干渉な商品ラベル、タグ等は、デジタルでその上に印刷されるRFIDインレイを備え、またその上にデジタルで規定される表示が印刷される基板を含む。デジタルで規定された表示は、ラベルまたはタグに隣接する商品アイテムまたはそのパッケージングの表示と一致し、それによってラベルまたはタグと、商品アイテムとの外観差異を、特に、商品アイテムに組み立てられる際に、ラベルまたはタグと隣接する表示との外観差異を、肉眼に対して最小化または実質的に取り除く。デジタル設定された表示を有するラベルまたはタグは、前記マッチングを助けるために、所定の周囲サイズとパターンにより、デジタル切断される。ドライタグは、少なくとも部分的な接着剤のコーティングとドライインレイ区域を有するウェットインレイの使用を含み、かかるラベルに関して提供することができる。
【0014】
また他の側面において、非干渉な商品ラベル、タグ等は、その上にデジタルで印刷されるRFIDインレイを備え、また、デジタルで規定される表示がその上に印刷される基板を含む。デジタルで規定された表示は、ラベルまたはタグに隣接する商品アイテムの表示と一致し、それによってラベルまたはタグと、商品アイテムとの外観差異、特に、商品アイテム上に組み立てられる際に、ラベルまたはタグと隣接する該表示との外観差異を、肉眼に対して最小化または実質的に取り除く。ラベルは、一般に、ラベルまたはタグの周囲の形状に沿うデジタルで印刷される接着剤のパターンをさらに含む。
【0015】
また他の側面において、商品アイテムは、非干渉なRFIDラベルまたはタグを備える。前記アイテムまたは商品は、パターンおよび/またはカラー若しくはカラーの組み合わせなどの表示、あるいはマーチャンダイジング表示を有する。非干渉な商品ラベル、タグ等は、商品ラベルまたはタグのため指定された位置または位置に近接する位置で、かかるマーチャンダイジング表示またはパッケージングと一致する。商品アイテムは、曲線などの三次元(3D)の表面を含む、商品アイテムの隣接する商品化位置にさらによく適するRFIDラベルまたはタグを有し、それによって商品アイテムの製品ブランド付け(branding)との干渉を最小化する。
【0016】
また他の側面において、非干渉なRFIDのラベル付けのための方法は、商品アイテム、一般には、相対的に小型および/または高価なアイテムに提供され、アイテムのブランドに関連するパターンおよび/またはカラーを表示する。本方法は、RFIDインレイを有するラベルと、商品アイテムのパターンおよび/またはカラーのスキーム(scheme)と実質的に一致するパターンおよび/またはカラーをラベル基板にデジタルで印刷することを提供する。印刷されたラベルをアイテム上に適用することは、商品アイテムのブランド付けの目的に有害でないラベルまたはタグを提供する。ラベルが物品アイテムの表示されたパターンおよび/またはカラースキームと混ざることにより、前記ラベルは商品アイテムに非干渉な外観を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、商品アイテムと一致するためにパターニングおよびカラーリングされたラベルのデジタル印刷、および前記カラーやパターンを示す商品アイテムに適用されるRFIDラベル含む概略図である。
【
図2】
図2は、前記適用されたRFIDラベルのための「発光する」、または検出可能なコードを提供するためにUVインクドットを用いるさらなる特徴を有する
図1のラインに沿った概略図である。
【
図3】
図3は、RFIDインレイを備えたシートに表示をデジタル印刷すること、および商品アイテムのパターンマッチングの適用に先立ってこれをデジタル切断することを含む概略図である。
【
図4】
図4は、デジタルで規定された接着剤パターンをさらに含む
図3のラインに沿った概略図である。
【
図5】
図5は、デジタル接着剤印刷とデジタルで規定された切断を用いたスループ型(sloop−type)のアンテナを含む完全デジタル方式の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発明の詳細な説明
必要に応じて、本開示に本発明の詳細な実施例が開示される。しかし、記載されている実施例は、単に本発明の例示であり、これは様々な形態で具現し得ることを勘案すべきである。従って、ここに記載されている具体的な細部事項は、制限的なものとしてではなく、単にクレームの根拠として、そして、事実上任意の適切な方式で本発明を多様に活用するために当業者に提示するための代表的な基礎として解釈すべきである。
【0019】
本開示では、ラベルという用語、または時折タグという用語は、かかる種類の「カメレオン」RFID部材を指定するために用いられるが、これは、商品アイテムまたは該包装の一部以外のものとして肉眼で区別することができない場合もあるかもしれない。従って、ラベルという用語がここで用いられても、一般的にラベルに関連する意味合い、即ち、それ自体に対して注目を集めようとする領域という条件を充足しない場合がある。ここに記載のラベルは、非干渉且つブランド親和的に商品アイテムにRFID機能を提供する。ここに開示される方式によって、RFID機能は、アイテム毎に変わり得る方法で、また、商品アイテムの特定表示によって変わる細部事項と共に、商品アイテムに付けられる。タグだけでなく、ラベルはインレイまたはRFID装置をもまた含み得る。インレイは、変換工程によってタグまたはラベルに含まれ得るか、必要な任意のまた他の変換ステップなしに表面に適用され得る。RFID装置は、ストラップ、インレイ、タグおよびラベルなどのさらに大きなアイテムのカテゴリを含む。
【0020】
本開示は相対的に小さく、一般に高価な商品アイテムの非干渉なRFIDのタグ付け(tagging)またはラベル付け(labeling)に特に適している。本開示は、それ自体がおよび/または係るパッケージングを介して、ブランディングまたはマーケティングの目的を有する外観を示す種類の商品アイテムに特に適している。かかるブランデ資産の所有者は、強化された在庫管理、盗難と改ざんからのセキュリティおよびRFID技術が提供できる他の目的と同様のRFID機能を用いるために、重要なブランド資産を潜在的に損傷させること、または高価なパッケージングの構成を毀損することを渋る場合がある。これは、本開示が、万引き犯が商業アイテムからRFIDタグやラベルの位置を探し出し取り除くことをさらに困難にするために、RFIDタグまたはラベルの最低限の視覚的影響が要望される箇所、例えば、予め指定された表示、パターン、ロゴ、ブランドの特性または複合ビジュアルを有する予め印刷されたカートン(carton)などを含む箇所よりもさらに大きなアイテムに適さないということを意味するものではない。それにもかかわらず、本開示の大部分は、電子装置、香水容器、化粧品容器や、宝石や貴金属製品のパッケージングなどのブランドの持続性が特に重要な、小さくて高価な商品アイテムに対する本技術の適用に焦点を合わせている。
【0021】
本開示の多くの実施例の一側面は、小型の製品または商品アイテム、あるいはかかるアイテムに関するパッケージングなどの、それらの使用目的の環境と調和を成し得る程度に、特にサイズが小さく、表示、カラーおよび形態の細部事項が精密になり得るRFIDラベルを案出するデジタル印刷または画像技術の使用である。この精度は、表示、例えば、ブランドネーム、トレードドレス、または意図したブランド環境のパターン、カラーおよびテクスチャなどのパッケージングとの調和を成す目標を成し遂げる能力を可能にする。ここで用いられているように、「表示」は、カラー、テクスチャー等といったパッケージングの特性だけでなく、アルファベットおよび数字からなる文字を集合的に示し得る。一般的に言えば、商品アイテム上への意図した環境の一つ以上の表示は、RFIDラベルの準備中に一致する。デジタル技術の使用は、該結果を得るのに必要な正確度を向上させ、これは費用が高騰することなく、相対的に少ない量で多数のバージョンの精密ラベルを含み得る。代表的なデジタル技術は、「Hewlett Packard Company of Ness Ziona,Isreal」で入手できる「HP Indigo(登録商標) digital printing press」と、「Xeikon,NV of The Netherlands」で入手できる「Xeikon(登録商標)」とを含む。
【0022】
本開示のかかる応用のためのデジタル技術は、デジタルプリンタの活用、デジタル可変印刷、デジタル制御ラベル切断動作、コンピュータ制御レーザー切断、デジタル可変印刷およびデジタル接着剤印刷を含み得る。本発明のラベルは、ラベルの対象となる商品のパッケージングやアイテムの曲面に、そして他の三次元(「3D」)の様態にさらに適している。本発明は、ブランドの観点から極めて望ましくないRFID機能を有する白色ラベルなどの、目障りなラベルであると考えられるものを用いる必要性を回避する。代わりに、ラベルは、商品のブランド環境に「調和」され、周辺のパッケージング環境に隠れていると見なされることもある。
【0023】
代案として、RFIDラベルは、成分などの製造情報と、特定アイテムの使用または管理指針とを重ねて印刷することができる。従って、RFIDラベルは、生産者または配給者が他に用いることができる任意の利用可能な印刷「ランドスケープ」を台無しにしない。
【0024】
本開示は、従来のRFIDラベルがパッケージの外観を歪曲し、ブランド効果を損なう恐れがあるため、印刷されたバーコードまたはその他の情報、あるいは在庫のためにRFID機能を用いることが、極めて問題となる電子製品、化粧品、個人生活用品および家庭用品のための超小型ラベルまたはタグを提供することに特に適用され得る。典型的な先行技術のラベルがどの程度魅力的かどうかに関係なく、ブランドまたはマーケティングの対象と干渉しない位置に配置することは困難であったり、ラベルは、即ち、成分などの重要な製造情報、使用または管理情報を覆ったり、または隠すことがある。それらは、デジタル技術の活用に必要とされるラベル付けのための、比較的短期間に設定するために多くの費用がかかる製造投資を回避することができるデジタル技術の利用を含む、本開示によって最も有用することができる製品の形態である。
【0025】
図1は、例えば、感圧接着剤、もろいボンド(frangible bond)、締結具またはRFID装置を表面に取り付けることに適した他の手段の使用などを通じて取り付けられる商品アイテムと一致するか、または相補するデジタル印刷されるラベルを図示している。例示的なRFIDインレイ、ラベルおよびタグは、「Avery Dennison Retail Information Services, LLC, of Westborough, MA」または「Avery Dennison RFID Company of Clinton, SC」から入手することができる。
【0026】
RFIDラベル21は、シートフィードまたはロールtoロールのデジタル画像プレス機などの、当該技術分野の周知の印刷技術によって22でデジタル印刷され、デジタルで印刷されたRFIDラベル23になる。商品アイテム24は、特定のブランドパターン25を示し、前記ブランドパターンは、単に例示の目的で
図1に図示されている。デジタルパターンは、パッケージングそのものの中、または上に、デザイン、テーマ、パターン等の美学的特徴だけでなく、トレードドレス、商品名、商標、英数字(alphanumeric)の文字を含み得ることに留意すべきである。そのうえ、かかる商品アイテムとブランドパターンは、所定の表示を提供するため、特定のカラーまたはカラースキーム(color scheme)および/または特定のテクスチャーと関連付けることができる。一般的に、かかる表示は、商品アイテムの製造者および/またはマーケティングの担当者に対してブランドの重要性を有している。図示されている商品アイテム24は、アウトライン26を用いて
図1に示されている。しかし、かかるアウトラインは、単にデジタルで印刷されたラベルの位置を示すために提供される。本開示の重要な考慮事項は、RFIDラベル23が商品アイテム24に固定されると、デジタルで印刷されたRFIDラベルと前記アイテムとの間に任意の種類の境界の表示を最小化しようとしたり、実質的に減少しようとしたり、または、さらに完全に取り除こうとすることであることが分かる。
【0027】
図2は、
図1の基本コンセプトの変化を示している。ここで、RFIDラベル31は、ブランドパターン35を有する商品アイテム34に固定するためのデジタル印刷されるラベルを準備する際にデジタル印刷32が行われる。RFIDラベル31は、商品アイテム34の外部表面または外向きのパッケージングの壁に併置されることが図示されている。アウトライン36は、商品アイテム34にデジタル印刷されたラベルの位置を示すために
図2に図示されており、それらの間の境界の可視ラインを示さない。
図2に図示されている方式で、デジタル印刷は、デジタル印刷されたラベル33に「発光」コードを与える特徴を追加する。分解図に示された細部事項37は、デジタル印刷32中に、RFIDラベルに印刷される表示を図示する。また、紫外線(「UV」)インク付着物38が印刷され、これはUVインクドットの形態を有し得る。ファントム(phantom)区域39は、印刷中、UVインク付着物38が配置される位置を示す。他のインクまたはセキュリティの特徴が、UVインクの代わりに用いられ、特別なスキャナ等で検出することができる蛍光インク、希土類元素インクなどの、RFIDラベルのための同様のハイライトまたは指標効果を提供することができる。
【0028】
ブランドパターン35とUVインク付着物38の印刷は、単一印刷、または実質的に同時に若しくは順次に実行可能なことが分かる。代案として、ブランド35が、まず、RFIDラベル31およびその後の別個のステップで、デジタルで印刷されたファントム区域39に示されるUVインク付着物38にデジタルで印刷することができる。UVインク付着物38がまず置かれて、次にブランドパターン35が置かれる場合に、任意のかかる別個の印刷ステップの逆転が行われることもある点にも留意すべきである。
【0029】
商品アイテム34に適用されたデジタル印刷されたラベル33と共に、UVインク付着物は、39aで指定された発光コードを提供する。発光コードをさらに特に参照すると、商品アイテム34に追加コードまたは読取り区域を提供している。該UVインク付着物またはドットは、デジタル印刷されたラベル33に内蔵される1Dまたは2Dコードを有し得る。UVインクの例示は、「DAW Ink」の「UV Cured Gravure Ink,No.982−64」を含む。該UVインクは、ここに参照として含まれる米国特許第7,332,205号で見付けることができる。UV検出可能な蛍光発光剤として機能する発光コード要素39aの細部事項は、例えば、ここに参照として含まれる米国特許出願公開第2013/0055555号で見付けることができる。かかるインクまたはドットは、マシンビジョンスキャニングなどのシステムによって検出し得るか、あるいは「可視的な」登録記号として機能し得る。発光素子の登録記号は、UVインク付着物38の印刷動作により、プリンタによってパターニングされ、該パターンは検出のために、パターンが保持される点に留意すべきである。デジタル印刷されたラベルが、商品アイテムにラベルを固定するための接着剤を含む場合、かかる発光コードの位置が見える。
【0030】
例えば、シートフィードデジタルプリンタに用いられる印刷可能なシート上に提供されるRFIDインレイ41が
図3に図示されている。シートは、デジタル印刷42を経て、デジタル印刷されるプレラベル(pre−label)43を形成するものである。プレラベル43は、商品アイテム44のブランドパターン45aと略同一の形態、サイズ、カラーおよびスペースを有するブランドパターン45を含むプレラベルの内部にRFIDインレイ41を有する。
【0031】
該実施例の該段階で、デジタル切断は、
図3に示されているように、規定された形状ラベル46を準備するために実行される。該デジタル切断47により、結果としてデジタル切断で規定された形状ラベル46は、商品アイテム44の表面に一致させるか、またはパッケージングのデザインあるいはパターンの特定区域内に合わせるために、ラベルの形状が正確に決定されるようにする。これは、デジタルラベル切断を含み、該形状が三次元の表面形状または商品アイテムの輪郭に正確に一致することができるように、重要且つ有利な結果は、商品アイテムへの上記規定された形状RFIDラベル46の貼り付けをさらに容易にすることができ、それによって肉眼に対してラベルの「不可視性(invisibility)」または偽装に寄与する。
【0032】
図4に図示する実施例は、RFIDインレイ51を有する印刷可能なシートと共に開始される。デジタル印刷52を経て、デジタル印刷されたプレラベル53は、商品アイテム54のブランドパターン55aによるブランドパターン55を含むために、一般的にここで論議されているとおり、準備される。
【0033】
該実施例において、デジタル適用された接着剤を特徴とする規定された形状ラベル56が準備される。図示する実施例において、デジタル接着剤印刷58は、接着剤パターン59をデジタル印刷されたプレラベル53上に適用してラベル基板の一面上に前記ブランドパターンおよびカラーを有し、プレラベル53aの基板の反対表面上に接着剤を有するようにデジタル印刷されたプレラベル53aを提供する。
【0034】
接着剤の塗布の程度と、接着剤で覆われた基板と接着剤がない基板との区域間の相対的な区域のサイジングは、いわゆるドライタブ(dry tab)の形成を許容する。
図4に示されている該プレラベル53aは、デジタルラベル切断を経て、規定された形状ラベル56が、商品アイテム54への接着のために準備される。ドライタブが必要とされると、要望どおりドライタブ領域を受容または形成するために該デジタル切断がなされる。そうすることで、工程中のラベルの印刷された部分と完成したラベルは、「ドライインレイ」を作成および提供し、接着剤の塗布は、接着されていない端、角、周囲、または他の形状や区域の形態といった、ドライタブの形成を可能にするために位置する、いわゆる「ウェットインレイ」を提供することを考慮することができる。ラベルの配置を図示するために、そして前に述べたとおり、規定された形状ラベル56のアウトラインが説明のために商品アイテム54に図示され、かかる目的は、肉眼で見えない商品アイテムに対する適用後に規定された形状ラベル56と、ラベル56を取り囲むパッケージングと、あるいは商品アイテム54との区域間にインタフェースを有し得るということが分かるはずである。
【0035】
印刷可能なシートは、いわゆる「スループ(sloop)」型のRFIDインレイ61と共に
図5に示されている。該アンテナコンポーネントは、時折「スループ」アンテナと称するハイブリッドループスロットアンテナまたはスロットループハイブリッドアンテナの形態をとる。ハイブリッドループ開口アンテナは、変形である。かかるタイプのハイブリッドまたはスループアンテナの構成は、ここに参照として全て含まれる米国特許第7,298,343号および第8,072,334号に示されている。ここで示されているスロットの構成は、導電シートの開口構成として用い得ることが分かる。
【0036】
図5のRFIDの配置は、一般的に「スループ」アンテナとして言及されるハイブリッドループスロットアンテナタイプのアンテナを含む。図示されているRFID装置は、電気的導電性材料で作製された導電体シート内に位置するスロット62を有する。これは、可能な限り薄く、例えば、導電ホイルである。図示されているように、スロット62は、導電体シートの内部に閉端63を有するが、例外的に、スロットは導電体シートに対して閉じたり、短絡していない開端64を有する。スロット62は、図示されているように、様々な位置で導電体シートの導電性材料のシートから切断することができる。無線RFIDチップは、導電体シートに電気的に結合することができる。
【0037】
デジタル印刷65は、パッケージングまたは商品アイテム68のブランドパターン67aおよびカラーを模倣したブランドパターン67およびカラーを有するプレラベル66を準備する。デジタル接着剤印刷69は、印刷された接着パターン71を含むデジタル印刷されたプレラベル66aの準備につながる。図で示した実施例において、プレラベル66aは、ラベルの片側のブランドパターンとカラー67、およびラベルの反対面に印刷された接着パターンを特徴とする。デジタル切断72は、規定された形状ラベル73ができる。同一のものが商品アイテム68上で組み立てられることが図示され、これは商品アイテムのブランドスキームと対象に干渉しないように適切に位置する。
【0038】
本開示に沿って、提供されるラベルや回路等は、商品アイテムまたは関連のパッケージングの視覚的属性と干渉しない、または否定的な影響を与えない。オールデジタル方式は、量販店だけでなく、専門メーカーのために費用−効率的支出で相対的に少量になり得るラベルの配置を準備するにあたって、特定のマーケティングまたはブランドテーマに合うようにRFIDラベルをより調整しやすくする。これは、少量の商品アイテムまたはコンテナの視覚的審美性が、かかる審美性や特徴と符合するRFID機能で補われるようにしている。これは、外観とブランドが重要な商品アイテムとパッケージングとに重要な利点をもたらす。
【0039】
ここに記載される印刷基盤方式は、デジタルで印刷される接着剤の選択を可能にする。これは、ラベルへの「ドライタブ」の付加などの特徴を容易に統合できるようにする。デジタル可変印刷の側面は、本開示の重要な目標を成し遂げることにおいて有用である。デジタル印刷された接着剤は、全区域が接着剤でコーティングされる必要がないように、ラベルの別個の区域における接着剤の選択適用を可能にする。
【0040】
また、他の実施例において、ラベルのためのデジタル印刷の概念は、RFIDアンテナに用いられる導電性材料のパターンを含むまで拡張される。これは、上述のとおり、視覚的影響を最小化するだけでなく、製品の性能を最適化するためのアンテナデザインの費用効果的なカスタマイズを可能にする。例えば、アンテナを形成するために用いられる既存の導電性パターンは、前記アンテナが特定のチューニングおよび最終使用用途を充足するように適応することができるように、シルバーインクなどの導電性の材料を印刷することにより、デジタルで補うことが可能である。
【0041】
ここに開示した以外に、他の実施例も本開示の範囲から逸脱することなく採択することができる。例えば、ラベルは、事前印刷されたカートンまたは他の形態のパッケージングに置かれたRFIDタグの視覚的影響を減少させるために有用であり得る。視覚的影響の減少は、透明原料や、可能な限り透明な接着剤を用いることなどで、インレイの最大面積を透明にすることを含み得る。他のオプションは、伝導体が位置し、パッケージングの一般的な色彩をマッチングする領域を有色インクで事前印刷することを含み、同様に着色された領域上に伝導性シルバーインクを印刷する前に同一になり得る。また別のオプションは、支持体を色合わせすることとインクに微小なガラス球体などの内蔵された光学エレメントを提供すること、または導電性インクのビューを目立たなくするように拡大によって表面下のイメージを上面に伝達する、微小複製(micro−replication)によって形成される光学構造にフィルムベースを含ませることによるものを含む。
【0042】
上記に記載した実施例は、本発明の対象の原理の一部適用の例示であることを理解するであろう。多くの変形は、本発明の対象の意味と開示範囲から逸脱することなく、ここで個別に記載且つ請求されている特徴の組み合わせを含んで当業者によってなされ得る。このため、この記載範囲は前記記載に限定されることなく、以下のクレームで提案され、クレームはここで個別に開示、または請求されている特徴の組み合わせを含み、ここの特徴に関するものであり得ることに留意すべきである。