(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1記載のオーラルリトラクション装置であり、患者の口部内に配置されるオーラルリトラクション装置であって、当該口部を介し前記患者の内部領域へのアクセスを提供可能に構成及び調整されているオーラルリトラクション装置。
請求項1記載のオーラルリトラクション装置であり、患者の口中に配置されるオーラルリトラクション装置であって、1回又は複数回の医療手順中における前記患者の内部部位へのアクセスを提供すべく前記舌押さえ篦で前記患者の舌に力を加えるオーラルリトラクション装置。
請求項1記載のオーラルリトラクション装置であって、前記アーティキュレーションアセンブリが第1部分及びその第1部分と連携する第2部分を備え、当該第1部分が前記支持アームに対しアーティキュレートするオーラルリトラクション装置。
請求項5記載のオーラルリトラクション装置であって、更に、前記支持アームから延びるアクスルを備え、当該アクスルを中心に回動させるため当該アクスルを中心にして前記第1部分が位置決めされるオーラルリトラクション装置。
請求項5記載のオーラルリトラクション装置であって、前記第1部分に対し回動しうるよう前記アーティキュレーションアセンブリの前記第2部分が構成されているオーラルリトラクション装置。
請求項10記載のオーラルリトラクション装置であって、前記アーティキュレーションアセンブリが、前記複数個のギアと係合する複数のノブを含むオーラルリトラクション装置。
請求項10記載のオーラルリトラクション装置であって、前記複数個のギアが、回動位置決めギア、高さ位置決めギア及び角度位置決めギアのうち少なくとも1個を含むオーラルリトラクション装置。
請求項12記載のオーラルリトラクション装置であって、前記回動位置決めギア、前記高さ位置決めギア及び前記角度位置決めギアのうち1個又は複数個の組合せの連携により、患者の口部へのアクセスを可能化するオーラルリトラクション装置。
請求項12記載のオーラルリトラクション装置であって、前記舌押さえ篦が一組のギア状歯を備え、それらギア状歯が、軸沿いに延びるアクスルに結合された前記複数軸ギアアセンブリのギアと摩擦係合可能に構成されているオーラルリトラクション装置。
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2013年12月30日付米国暫定特許出願第61/921858号の利益を享受する。
【0002】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2013年11月27日付米国暫定特許出願第61/909605号の利益を享受する。
【0003】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2014年9月19日付米国暫定特許出願第62/052736号の利益を享受する。
【0004】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2014年6月5日付米国暫定特許出願第62/008453号の利益を享受する。
【0005】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2010年10月22日付米国暫定特許出願第61/406032号に関連する。
【0006】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2011年10月21日付国際特許出願第PCT/US2011/057282号に関連する。
【0007】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2013年4月19日付米国特許出願第13/880525号に関連する。
【0008】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2011年6月2日付米国暫定特許出願第61/492578号に関連する。
【0009】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2012年6月1日付国際特許出願第PCT/US12/40414号に関連する。
【0010】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2013年11月21日付米国特許出願第14/119316号に関連する。
【0011】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2010年11月11日付米国暫定特許出願第61/412733号に関連する。
【0012】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2011年11月10日付国際特許出願第PCT/US2011/060214号に関連する。
【0013】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2013年5月9日付米国特許出願第13/884407号に関連する。
【0014】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2011年4月6日付米国暫定特許出願第61/472344号に関連する。
【0015】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2012年4月5日付国際特許出願第PCT/US12/32279号に関連する。
【0016】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2013年9月30日付米国特許出願第14/008775号に関連する。
【0017】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2011年9月13日付米国暫定特許出願第61/534032号に関連する。
【0018】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2012年9月12日付国際特許出願第PCT/US12/54802号に関連する。
【0019】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2014年3月10日付米国特許出願第14/343915号に関連する。
【0020】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2010年7月28日付米国暫定特許出願第61/368257号に関連する。
【0021】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2011年7月21日付国際特許出願第PCT/US2011/044811号に関連する。
【0022】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2013年1月25日付米国特許出願第13/812324号に関連する。
【0023】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2011年12月21日付米国暫定特許出願第61/578582号に関連する。
【0024】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2012年12月20日付国際特許出願第PCT/US12/70924号に関連する。
【0025】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2014年6月10日付米国特許出願第14/364195号に関連する。
【0026】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2012年8月9日付米国暫定特許出願第61/681340号に関連する。
【0027】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2013年8月9日付国際特許出願第PCT/US13/54326号に関連する。
【0028】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2013年1月11日付米国暫定特許出願第61/751498号に関連する。
【0029】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2014年1月9日付国際特許出願第PCT/US14/01808号に関連する。
【0030】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2012年6月7日付米国暫定特許出願第61/656600号に関連する。
【0031】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2013年6月3日付国際特許出願第PCT/US13/43858号に関連する。
【0032】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2014年11月19日付米国特許出願第14/402224号に関連する。
【0033】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2013年5月20日付米国暫定特許出願第61/825297号に関連する。
【0034】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2014年5月20日付国際特許出願第PCT/US13/38701号に関連する。
【0035】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2013年5月2日付米国暫定特許出願第61/818878号に関連する。
【0036】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2014年5月2日付国際特許出願第PCT/US14/36571号に関連する。
【0037】
本願は、この参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2006年12月20日付米国特許出願第11/630279号、即ち特許文献1として公開された出願に関連する。
【0038】
(技術分野)
本発明は大まかには手術具の分野に関し、より具体的にはオーラルリトラクタ(oral retractor:開口腔器)に関する。
【発明の概要】
【0041】
ある態様に係るオーラルリトラクション装置(oral retraction device:開口腔装置)は、舌押さえ篦(tongue depressor blade)と、その舌押さえ篦を少なくとも三自由度に亘りアーティキュレート可能に構成及び調製されたアーティキュレーションアセンブリと、舌押さえ篦のアーティキュレート中にそのアーティキュレーションアセンブリに対し安定化力を供給可能に構成及び調製された支持要素と、を備える。
【0042】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクション装置が患者の口部内に配置され、その口部を介し患者の内部領域へのアクセスを提供可能にオーラルリトラクション装置が構成及び調製される。
【0043】
ある種の実施形態では、上掲の内部領域が鼻腔、喉、中咽頭、食道、声帯及び胃のうち少なくとも1個を含み、及び/又は、患者の鼻腔、喉、中咽頭、食道、声帯又は胃に近い身体領域に直接又は間接的にアクセス可能とされる。
【0044】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクション装置が、アーティキュレーティングロボットプローブを少なくとも患者の口部へと導入するのに用いられる。
【0045】
ある種の実施形態では、安定化状態であるときオーラルリトラクション装置が患者の口部に力を加えて口部の幾何形状を制御する。
【0046】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクション装置が、上掲の口部にある唇、舌、歯及び頬のうち少なくとも1個に力を加える。
【0047】
ある種の実施形態では、医療手順の前又は最中における患者の頭部の再位置決めが最小限化又は回避されるよう、上掲の口部に力を加える。
【0048】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクション装置の構成要素のうち1個又は複数個のアーティキュレート又は幾何学的変形が片手操作に従い実行される。
【0049】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクション装置が患者の口中に配置され、1回又は複数回の医療手順中における患者の内部部位へのアクセスを提供すべく舌押さえ篦がその患者の舌に力を加える。
【0050】
ある種の実施形態では、舌押さえ篦がアーティキュレーションアセンブリに可除結合される。
【0051】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクション装置が患者の口中に配置されている間に、舌押さえ篦をアーティキュレーションアセンブリから除去可能である。
【0052】
ある種の実施形態では、舌押さえ篦を片手操作に従い除去可能である。
【0053】
ある種の実施形態では、支持要素が、直線位置決めアセンブリに結合された支持アームを備え、その直線位置決めアセンブリがその支持要素を直線方向にアーティキュレートさせる。
【0054】
ある種の実施形態では、支持要素が、直線位置決めアセンブリに結合されたフレームを備え、その直線位置決めアセンブリがその支持要素を直線方向にアーティキュレートさせる。
【0055】
ある種の実施形態では、支持要素が、直線位置決めアセンブリの一部分に可摺動結合された第1支持要素と、その直線位置決めアセンブリの他部分に固定結合された第2支持要素と、を備え、第1支持要素が支持アームを備え、第2支持要素がフレームを備え、直線位置決めアセンブリが支持要素を直線方向にアーティキュレートさせる。
【0056】
ある種の実施形態では、直線位置決めアセンブリの直線並進に応じフレームが支持アームに対し動く。
【0057】
ある種の実施形態では、支持アーム及びフレームがオーラルリトラクション装置の両端にて支持力をもたらす。
【0058】
ある種の実施形態では、支持アームが、更に、安定化力を供給すべくオーラルリトラクション装置の一端で支持構造に取付可能に構成及び調製された取付部を備える。
【0059】
ある種の実施形態では、取付部が、支持構造の管状部を部分的に取り巻く等してその支持構造に係合することにより、支持アームのポジションを安定化させ及び/又は保持する。
【0060】
ある種の実施形態では、支持構造が、安定な構造物に結合された支持ロッドを備える。
【0061】
ある種の実施形態では、支持アームが、オペレータにより安定化可能に構成及び調製されたハンドルを備える。
【0062】
ある種の実施形態では、オペレータがそのハンドルを用いオーラルリトラクション装置を患者の口にて安定化させる。
【0063】
ある種の実施形態では、フレームがある軸に沿った延長方向に沿い延びていて、そのフレームがその軸に沿い支持アームに対し並進すると、同じくその軸に沿い患者の口に開口力が加わる。
【0064】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクション装置が、更に、複数個のチークリトラクタ(cheek retractor:頬退縮器)と、支持要素のフレームに結合された複数個の臼歯支持体(molar support)と、を備える。
【0065】
ある種の実施形態では、複数個あるチークリトラクタのうち少なくとも1個が一種類又は複数種類の力を患者の頬に加える。
【0066】
ある種の実施形態では、臼歯支持体のうち少なくとも1個が一種類又は複数種類の力を患者の歯に加える。
【0067】
ある種の実施形態では、フレームが、チークリトラクタそれぞれに対応する頬位置決めスロットと、臼歯支持体それぞれに対応する臼歯調整スロットと、を有する。
【0068】
ある種の実施形態では、頬位置決めスロットが、フレームのうち第1軸沿いに延びる部分に沿いチークリトラクタを位置決め可能に構成及び調製され、臼歯調整スロットが、そのフレームのうち第1軸に対し垂直な第2軸沿いに延びる部分に沿い臼歯支持体を位置決め可能に構成及び調製される。
【0069】
ある種の実施形態では、フレームから見てオーラルリトラクション装置の逆端にある支持アームが第1軸沿いに並進すると第1軸に沿い患者の口が押し広げられるよう、臼歯支持体がそのフレーム向けに抵抗力を供給し、且つ、第2軸に沿い患者の口が押し広げられるようチークリトラクタが抵抗力を供給する。
【0070】
ある種の実施形態では、臼歯支持体及びチークリトラクタのうち少なくとも1個がフレームに可除結合される。
【0071】
ある種の実施形態では、患者の臼歯の所在を容れるべくフレーム上における臼歯支持体の位置を調整可能である。
【0072】
ある種の実施形態では、フレームが臼歯調整アーチを有し、臼歯調整スロットがその臼歯調整アーチにあり、その臼歯調整アーチが、患者の臼歯その他の歯又は患者の上顎に備わる部分に対し臼歯支持体を整列可能に構成される。
【0073】
ある種の実施形態では、アーティキュレーションアセンブリが、支持要素の支持アームに対し直線方向に沿いその支持要素のフレームをアーティキュレートさせる直線位置決めアセンブリを備える。
【0074】
ある種の実施形態では、直線位置決めアセンブリの動きを通じもたらされるフレームのオペレータ由来並進により、そのフレームに結合されている臼歯支持体と舌押さえ篦との間の距離が変化する。
【0075】
ある種の実施形態では、直線位置決めアセンブリが、一方向又は複数方向に沿い並進を制限可能に、且つその直線位置決めアセンブリを一連の直線位置に保持可能に、構成及び調製される。
【0076】
ある種の実施形態では、直線位置決めアセンブリが、フレームが結合された端を有するベースと、その直線位置決めアセンブリの第1軸沿い並進を制御するラチェットアセンブリと、を備える。
【0077】
ある種の実施形態では、ラチェットアセンブリが、ラチェットロック部(ratchet locking portion)を有するレバーを備え、実施形態に更にスプリングアセンブリが備わり、ラチェットアセンブリがそのスプリングアセンブリにより付勢される。
【0078】
ある種の実施形態では、それらレバー及びロック部が、上掲の自由度のうち一つを有効化可能且つラチェットアセンブリの制御下に直線位置決めアセンブリの直線方向沿い並進を許容可能に構成及び調製され、且つ、それらレバー及びロック部の作動により、第1軸沿いの少なくとも一方向に沿った直線位置決めアセンブリの動きが妨げられて自由度のうち上掲の一つが阻害される。
【0079】
ある種の実施形態では、レバーの基端に力が加わるとロック部が分離され直線位置決めアセンブリが第1軸に沿い運動自在となる。
【0080】
ある種の実施形態では、ラチェットアセンブリが、レバーに力が加わるのに応じ患者の臼歯に印加中の力が迅速解放され、その患者の口からのオーラルリトラクション装置の迅速除去等がそれにより可能となるよう、構成される。
【0081】
ある種の実施形態では、支持アームが一組の歯を備え、直線位置決めアセンブリが、それらの歯と可作動的に係合するギアを有し、第1ポジションたる係合ポジションではラチェットロック部がそれらの歯と係合し、第2ポジションたる分離ポジションではラチェットロック部がそれらの歯から分離されて上記並進アセンブリ(translating assembly)が運動自在となる。
【0082】
ある種の実施形態では、直線位置決めノブの回動がその軸を中心としたギアの回動、ひいては支持要素に対する直線位置決めアセンブリの直線並進に変換されるよう、そのギアがその直線位置決めノブに取り付けられる。
【0083】
ある種の実施形態では、アーティキュレーションアセンブリが、舌押さえ篦を回動的にアーティキュレート可能に構成及び調製される。
【0084】
ある種の実施形態では、アーティキュレーションアセンブリが、複数軸ギアアセンブリと、上記少なくとも三自由度に亘り舌抑え篦をアーティキュレートさせる複数個のノブと、を有する。
【0085】
ある種の実施形態では、それらのノブが、回動位置決めノブ、高さ位置決めノブ及び角度位置決めノブのうち少なくとも1個を含む。
【0086】
ある種の実施形態では、角度位置決めノブの回動により、舌抑え篦の曲線方向沿いアーティキュレートであって第1軸を巡る一自由度を伴うものが御される。
【0087】
ある種の実施形態では、高さ位置決めノブの回動により、舌抑え篦の直線方向沿いアーティキュレートであって第1軸に対し垂直な第2軸に対する一自由度を伴うものが、その舌抑え篦の挿入長を調整すべく御される。
【0088】
ある種の実施形態では、回動位置決めノブの回動により、舌抑え篦の曲線方向沿いアーティキュレートであって第1軸及び第2軸に対し垂直な第3軸を巡る一自由度を伴うものが御される。
【0089】
ある種の実施形態では、回動位置決めノブ、高さ位置決めノブ及び角度位置決めノブのうち1個又は複数個の組合せの連携により、患者の口部へのアクセスを可能化する。
【0090】
ある種の実施形態では、直線位置決めノブの回動、ひいては直線位置決めアセンブリと連携するフレームがそれにより並進することを通じ、付加的な自由度を提供可能である。
【0091】
ある種の実施形態では、患者の歯に加わる力を直線位置決めノブを回動させることで調整すると、直線位置決めアセンブリに連携するフレームとの間の距離が舌押さえ篦を基準として変化し、それにより口を通じた開口が調整される。
【0092】
ある種の実施形態では、直線位置決めノブ及びラチェットアセンブリレバーのうち少なくとも1個に力を加えることでフレームの片手調整を実行可能である。
【0093】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクション装置が、更に、複数個あるノブのうち少なくとも1個を中心に配置可能な器具を備える。
【0094】
ある種の実施形態では、その器具が、複数個あるノブのうち係合している少なくとも1個を回動させるに当たりオペレータの手の指1本又は複数本で把持可能に構成及び調製される。
【0095】
ある種の実施形態では、その器具が、複数個あるノブのうち係合している少なくとも1個を回動させるためのモータに結合可能に構成及び調製される。
【0096】
ある種の実施形態では、ノブのうち少なくとも1個を回すことで舌押さえ篦の片手調整が実行される。
【0097】
ある種の実施形態では、アーティキュレーションアセンブリが第1部分及びその第1部分と連携する第2部分を備え、第1部分が支持要素の支持アームに対しアーティキュレートする。
【0098】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクション装置が、更に、支持アームから延びるアクスルを備え、そのアクスルを中心に回動させるため同アクスルを中心にして第1部分が位置決めされる。
【0099】
ある種の実施形態では、回動位置決めノブの回動により、そのアクスルを中心にした第1部分のアーティキュレートが御される。
【0100】
ある種の実施形態では、第1部分に対し回動しうるようアーティキュレーションアセンブリの第2部分が構成される。
【0101】
ある種の実施形態では、そのアクスルを中心に第2部分が回動しているときにストップロックとして振る舞いうるよう角度位置決めノブが構成される。
【0102】
ある種の実施形態では、第2部分が、チャネル内で舌抑え篦と接触可能且つそのチャネル内にその舌抑え篦を可摺動的に受容可能に構成された1本又は複数本のアームを備える。
【0103】
ある種の実施形態では、舌押さえ篦が一組のギア状歯を備え、それらギア状歯が、軸沿いに延びるアクスルに結合された複数軸ギアアセンブリのギアと摩擦係合可能に構成される。
【0104】
ある種の実施形態では、そのギアが高さ位置決めノブに結合され、その高さ位置決めノブの回動に応じ同じくそのギアがそのアクスルを中心にして回動し、その回動によりそのギアがギア状歯と係合する結果、ある直線経路に沿いチャネル内で舌押さえ篦が動き、それにより、アーティキュレーションアセンブリのアームに対するその舌押さえ篦の縦位置が調整される。
【0105】
ある種の実施形態では、高さ位置決めノブにより舌押さえ篦を縦方向に並進させる。
【0106】
ある種の実施形態では、アーティキュレーションアセンブリがロックアセンブリ(locking assembly)を備え、そのロックアセンブリが、ロックポジションにて舌押さえ篦の横位置をロック可能に且つアンロックポジションにて舌押さえ篦の深さ位置の調整を許容可能に構成及び調製される。
【0107】
ある種の実施形態では、ロックアセンブリがレバーを備え、そのレバーがクイックリリース機構、例えばオペレータの指1本又は片手で解放される機構として構成される。
【0108】
他の態様に係る方法は、本願記載の諸例に係る手術具を用い医療手順を実行する方法である。
【0109】
他の態様に係るオーラルリトラクション装置は、舌押さえ篦と、その舌押さえ篦を回動的にアーティキュレート可能に構成及び調製されたアーティキュレーションアセンブリと、舌押さえ篦のアーティキュレート中にそのアーティキュレーションアセンブリに対し安定化力を供給可能に構成及び調製された支持要素と、を備える。
【0110】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクション装置が患者の口部内に配置され、その口部を介し患者の内部領域へのアクセスを提供可能にオーラルリトラクション装置が構成及び調製される。
【0111】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクション装置の構成要素のうち1個又は複数個のアーティキュレート又は幾何学的変形が片手操作に従い実行される。
【0112】
ある種の実施形態では、支持要素が、直線位置決めアセンブリに結合された支持アームを備え、その直線位置決めアセンブリがその支持要素を直線方向にアーティキュレートさせる。
【0113】
ある種の実施形態では、支持要素が、直線位置決めアセンブリに結合されたフレームを備え、その直線位置決めアセンブリがその支持要素を直線方向にアーティキュレートさせる。
【0114】
ある種の実施形態では、支持要素が、直線位置決めアセンブリの一部分に可摺動結合された第1支持要素と、その直線位置決めアセンブリの他部分に固定結合された第2支持要素と、を備え、第1支持要素が支持アームを備え、第2支持要素がフレームを備え、直線位置決めアセンブリがその支持要素を直線方向にアーティキュレートさせる。
【0115】
ある種の実施形態では、支持要素が、更に、安定化力を供給すべくオーラルリトラクション装置の一端で支持構造に取付可能に構成及び調製された取付部を備える。
【0116】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクション装置が、更に、複数個のチークリトラクタと、支持要素のフレームに結合された複数個の臼歯支持体と、を備える。
【0117】
ある種の実施形態では、フレームが、チークリトラクタそれぞれに対応する頬位置決めスロットと、臼歯支持体それぞれに対応する臼歯調整スロットと、を有する。
【0118】
ある種の実施形態では、頬位置決めスロットが、フレームのうち第1軸沿いに延びる部分に沿いチークリトラクタを位置決め可能に構成及び調製され、臼歯調整スロットが、フレームのうち第1軸に対し垂直な第2軸沿いに延びる部分に沿い臼歯支持体を位置決め可能に構成及び調製される。
【0119】
ある種の実施形態では、フレームから見てオーラルリトラクション装置の逆端にある支持アームが第1軸沿いに並進すると第1軸に沿い患者の口が押し広げられるよう、臼歯支持体がフレーム向けに抵抗力を供給し、且つ、第2軸に沿いその患者の口が押し広げられるようチークリトラクタが抵抗力を供給する。
【0120】
ある種の実施形態では、臼歯支持体及びチークリトラクタのうち少なくとも1個がフレームに可除結合される。
【0121】
ある種の実施形態では、患者の臼歯の所在を容れるべくフレーム上における臼歯支持体の位置を調整可能である。
【0122】
ある種の実施形態では、アーティキュレーションアセンブリが、支持要素の支持アームに対し直線方向に沿いその支持要素のフレームをアーティキュレートさせる直線位置決めアセンブリを備える。
【0123】
ある種の実施形態では、直線位置決めアセンブリの動きを通じもたらされるフレームのオペレータ由来並進により、そのフレームに結合されている臼歯支持体と舌押さえ篦との間の距離が変化する。
【0124】
ある種の実施形態では、直線位置決めアセンブリが、一方向又は複数方向に沿い並進を制限可能に且つその直線位置決めアセンブリを一連の直線位置に保持可能に、構成及び調製される。
【0125】
ある種の実施形態では、直線位置決めアセンブリが、フレームが結合された端を有するベースと、その直線位置決めアセンブリの第1軸沿い並進を制御するラチェットアセンブリと、を備える。
【0126】
ある種の実施形態では、ラチェットアセンブリが、ラチェットロック部を有するレバーを備え、更にスプリングアセンブリが備わり、ラチェットアセンブリがそのスプリングアセンブリにより付勢される。
【0127】
ある種の実施形態では、それらレバー及びロック部が、上掲の自由度のうち一つを有効化可能且つラチェットアセンブリの制御下に直線位置決めアセンブリの直線方向沿い並進を許容可能に構成及び調製され、且つ、それらレバー及びロック部の作動により、第1軸沿いの少なくとも一方向に沿った線位置決めアセンブリの動きが妨げられて自由度のうち上掲の一つが阻害される。
【0128】
ある種の実施形態では、支持アームが一組の歯を備え、直線位置決めアセンブリがそれらの歯と可作動的に係合するギアを有し、第1ポジションたる係合ポジションではラチェットロック部がそれらの歯と係合し、第2ポジションたる分離ポジションではラチェットロック部がそれらの歯から分離されて上記並進アセンブリが運動自在となる。
【0129】
ある種の実施形態では、アーティキュレーションアセンブリが、舌押さえ篦を回動的にアーティキュレート可能に構成及び調製される。
【0130】
ある種の実施形態では、アーティキュレーションアセンブリが、複数軸ギアアセンブリと、上記少なくとも三自由度に亘り舌抑え篦をアーティキュレートさせる複数個のノブと、を有する。
【0131】
ある種の実施形態では、それらのノブが、回動位置決めノブ、高さ位置決めノブ及び角度位置決めノブのうち少なくとも1個を含む。
【0132】
ある種の実施形態では、角度位置決めノブの回動により、舌抑え篦の曲線方向沿いアーティキュレートであって第1軸を巡る一自由度を伴うものが御される。
【0133】
ある種の実施形態では、高さ位置決めノブの回動により、舌抑え篦の直線方向沿いアーティキュレートであって第1軸に対し垂直な第2軸に対する一自由度を伴うものが、その舌抑え篦の挿入長を調整すべく御される。
【0134】
ある種の実施形態では、回動位置決めノブの回動により、舌抑え篦の曲線方向沿いアーティキュレートであって第1軸及び第2軸に対し垂直な第3軸を巡る一自由度を伴うものが御される。
【0135】
ある種の実施形態では、回動位置決めノブ、高さ位置決めノブ及び角度位置決めノブのうち1個又は複数個の組合せの連携により、患者の口部へのアクセスを可能化する。
【0136】
ある種の実施形態では、直線位置決めノブの回動、ひいては直線位置決めアセンブリと連携するフレームがそれにより並進することを通じ、付加的な自由度を提供する。
【0137】
ある種の実施形態では、患者の歯に加わる力を直線位置決めノブを回動させることで調整すると、直線位置決めアセンブリに連携するフレームとの間の距離が舌押さえ篦を基準として変化し、それにより口を通じた開口が調整される。
【0138】
ある種の実施形態では、直線位置決めノブ及びラチェットアセンブリレバーのうち少なくとも1個に力を加えることでフレームの片手調整を実行可能である。
【0139】
他の態様に係る方法は、本願記載の諸例に係るオーラルリトラクション装置を用い医療手順を実行する方法である。
【0140】
他の態様に係るシステムは、対人インタフェースデバイス(HID)と、コントローラと、ロボット的に操作可能なオーラルリトラクタと、を備え、そのリトラクタがアーティキュレーションアセンブリを有し、そのアーティキュレーションアセンブリが、舌押さえ篦を少なくとも三自由度に亘りアーティキュレートさせること及びその舌押さえ篦を回動的にアーティキュレートさせることのうち少なくとも一方を実行可能に構成及び調製される。
【0141】
ある種の実施形態では、コントローラが、オーラルリトラクタに可作動的に取り付けられた1本又は複数本のワイヤその他の電力及び/又は信号搬送路を含むワイヤ束を備える。
【0142】
ある種の実施形態では、HIDが、電力及び/又は情報を介しコントローラがオーラルリトラクタの一部分又は複数部分を制御するためのコマンドをワイヤ束経由でオペレータが送れるようにするユーザインタフェースを備える。
【0143】
ある種の実施形態では、上掲のリトラクタを調整その他制御するため、例えばそのリトラクタに備わる1個又は複数個の制御要素を作動させるため、オペレータがHIDとやりとりする。
【0144】
ある種の実施形態では、その制御要素が、オーラルリトラクタに備わる直線位置決めモータ、回動位置決めモータ、高さ位置決めモータ及び角度位置決めモータのうち少なくとも1個を含む。
【0145】
ある態様に係る器具支持体(tool support)は、支持装置の長尺部を取り巻く開口を有するカムと、そのカムを取り巻く外殻(outer shell)と、医用装置のシャフト部を受容する通路と、を備える。この器具支持体は、上掲の支持装置長尺部に沿い上掲の通路を並進させること及びその支持装置長尺部を中心にその通路を回動させることのうち、少なくとも一方を実行可能に構成及び調製される。
【0146】
ある種の実施形態では、器具支持体が、支持装置長尺部に沿った並進及びその支持装置長尺部を中心とする回動の双方を実行可能に構成及び調製される。
【0147】
ある種の実施形態では、器具支持体が、支持装置長尺部に事前取付される。
【0148】
ある種の実施形態では、器具支持体が、支持装置長尺部に取り付けること及びその支持装置長尺部から取り外すことのうち、少なくとも一方を実行可能に構成及び調製される。この器具支持体は、支持装置長尺部に対し側方取付可能である。
【0149】
ある種の実施形態では、カムが上掲の通路の少なくとも一部分を有する。
【0150】
ある種の実施形態では、カムが、圧縮可能且つそのカムを変形可能な構成のスロットを有する。
【0151】
ある種の実施形態では、カムが少なくとも1個の可圧縮部分を備える。可圧縮部分にはエラストマ素材を含ませうる。
【0152】
ある種の実施形態では、カムが、上掲の医用装置シャフト部を上掲の通路に摩擦係合させるべく圧縮可能に構成及び調製される。器具支持体には、その止めネジの回動によりカムが圧縮されるよう、更に止めネジを具備させることができる。上掲の通路に対する医用装置のシャフト部の摩擦係合により、その通路内での医用装置の並進及び/又はその通路内での医用装置の回動を妨げることが可能である。
【0153】
ある種の実施形態では、カムが、支持装置長尺部を器具支持体と摩擦係合させるべく圧縮可能に構成及び調製される。器具支持体には、その止めネジの回動によりカムが圧縮されるよう、更に止めネジを具備させることができる。器具支持体には、その止めネジの回動によりカムが圧縮されるよう、更に止めネジを具備させることができる。支持装置長尺部の摩擦係合により、支持装置に沿った器具支持体の並進及び支持装置を中心とした器具支持体の回動のうち、少なくとも一方を妨げることが可能である。
【0154】
ある種の実施形態では、カム開口が非円形開口である。
【0155】
ある種の実施形態では、支持装置長尺部がリトラクタ装置のフレームの一区画を構成する。このリトラクタ装置には、本願記載のオーラルリトラクション装置を具備させうる。
【0156】
ある種の実施形態では、外殻が通路の少なくとも一部分を有する。
【0157】
ある種の実施形態では、外殻が、カムに対し回動可能に構成及び調製される。外殻は、少なくとも360°に亘り回動可能に構成及び調製することが可能である。外殻は、360°未満に亘り回動可能に構成及び調製することが可能である。
【0158】
ある種の実施形態では、外殻が、器具支持体が支持装置に取り付けられるときに支持装置長尺部を側方受容可能に構成及び調製された開口を有する。
【0159】
ある種の実施形態では、外殻が、使用中にその形状を相対的に保持可能に構成及び調製される。
【0160】
ある種の実施形態では、通路が、外殻内に位置するルーメンを有する。
【0161】
ある種の実施形態では、通路が、カム内に位置するルーメンを有する。
【0162】
ある種の実施形態では、通路が、カム内に位置するルーメンを有する。
【0163】
ある種の実施形態では、通路が、その直径が約5mm以下のルーメンを有する。
【0164】
ある種の実施形態では、通路が、その直径が約5mmに上る器具シャフトを受容可能に構成及び調製される。
【0165】
ある種の実施形態では、通路が第1通路及び第2通路を有する。第1通路は第1直径、第2通路はその第1直径と異なる第2直径を有しうる。
【0166】
ある種の実施形態では、通路が、医用装置シャフト部の回動を防止可能に構成及び調製された非円形断面を有する。
【0167】
ある種の実施形態では、医用装置が、第2の医用装置のシャフトを摺動受容可能に構成及び調製された器具案内体(tool guide)を備える。器具案内体は中空管を有しうる。器具案内体は、グラスパ、クロー、鋏、カッタ、ナイフ、アブレータ、焼灼器、給薬器、輻射源、レーザ輻射器、エネルギ送給素子例えばRF電極、センサ例えば圧力センサ又は血液センサ、カメラ、磁石、加熱素子、低温素子、リトラクタ、リトラクタブレード例えばチークリトラクタ及びそれらの組合せを元とする集合から選択された器具のシャフトを受容可能に構成及び調製可能である。
【0168】
ある種の実施形態では、医用装置が、グラスパ、クロー、鋏、カッタ、ナイフ、アブレータ、焼灼器、給薬器、輻射源、レーザ輻射器、エネルギ送給素子例えばRF電極、センサ例えば圧力センサ又は血液センサ、カメラ、磁石、加熱素子、低温素子、リトラクタ、リトラクタブレード例えばチークリトラクタ及びそれらの組合せを元とする集合から選択された医用装置を以て構成される。
【0169】
ある種の実施形態では、医用装置がチークリトラクタを備える。
【0170】
ある種の実施形態では、器具支持体が更に止めネジを備える。この止めネジは、その止めネジを締めることでカムを支持装置長尺部に対しロック可能に構成及び調製可能である。止めネジを締めると、その止めネジの働きでカムに加わる力により、そのカムが支持装置長尺部に対し摩擦係合するようにするとよい。止めネジは、更に、その止めネジを締めることで医用装置を通路に対しロック可能に構成及び調製可能である。止めネジを締めると、その止めネジの働きでカムに加わる力により、そのカムの一部分が通路内へと動いて医用装置シャフト部と摩擦係合するようにするとよい。止めネジは、その止めネジを締めることで医用装置を通路に対しロック可能に構成及び調製可能である。止めネジを締めると、その止めネジの働きでカムに加わる力によりそのカムの一部分が通路内へと動いて医用装置シャフト部と摩擦係合するようにするとよい。止めネジは、その止めネジを締めると外殻に対するカムの回動が妨げられるよう構成可能である。
【0171】
ある種の実施形態では、器具支持体が、更に、2本の止めネジを備える。第1の止めネジは、当該第1の止めネジを締めることでカムを支持装置長尺部に対しロック可能に構成及び調製可能であり、第2の止めネジは、当該第2の止めネジを締めることで医用装置を通路に対しロック可能に構成及び調製可能である。
【0172】
ある態様に係るオーラルリトラクション装置は、本願記載のオーラルリトラクション装置であり、本願記載の器具支持体を少なくとも1個備える。このオーラルリトラクションは、鼻腔、喉、中咽頭、食道、声帯、胃及びそれらの組合せを元とする集合から選択された部位にアクセス可能に構成及び調製可能である。このオーラルリトラクション装置は閉境界フレームを備えうる。このオーラルリトラクション装置は開境界フレームを備える。このオーラルリトラクション装置は、更に、本オーラルリトラクション装置を安定化可能に構成及び調製された歯係合部材(tooth engaging member)を具備しうる。歯係合部材は、患者の歯及び歯茎のうち少なくとも1個と接触するよう構成可能である。歯係合部材は堅固部分及び可撓部分を備えうる。
【0173】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクション装置が、本願記載の器具支持体を少なくとも2個、或いは少なくとも3個備える。
【0174】
ある態様に係るオーラルリトラクションシステムは、本願記載の器具支持体と、支持装置長尺部に沿い器具支持体の通路を並進させる機能、支持装置長尺部を中心にして器具支持体の通路を回動させる機能、通路内で医用装置シャフト部を並進させる機能、支持装置に対する通路の向きをロックする機能、通路内で医用装置シャフト部をロックする機能、並びにその組合せ、を元とする集合から選ばれた移動機能を実行するコントローラと、を備える。
【0175】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクションシステムが更に少なくとも1個のモータを備え、コントローラが、移動機能を実行すべくそれら少なくとも1個のモータを作動させるよう構成される。それら少なくとも1個のモータは、器具支持体の外殻に固定可能であり、またカムに対し外殻を回動させるよう構成可能である。それら少なくとも1個のモータは、器具支持体の外殻に固定可能であり、また通路に対し医用装置シャフト部を並進させるよう構成可能である。それら少なくとも1個のモータは、器具支持体のカムに固定可能であり、また支持装置に対し器具支持体を並進させるよう構成可能である。
【0176】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクションシステムが更に少なくとも1個のリニアアクチュエータを備え、コントローラが、移動機能を実行すべくそれら少なくとも1個のリニアアクチュエータを作動させるよう構成される。それら少なくとも1個のリニアアクチュエータはソレノイドを備えうる。それら少なくとも1個のリニアアクチュエータは、外殻に固定可能であり、またカムに対する外殻の回動を妨げるように構成可能である。
【0177】
ある態様に係るオーラルリトラクションシステムは、少なくとも1個の舌押さえ篦と、それら少なくとも1個の舌押さえ篦の少なくとも一部分に沿い配置されており且つ少なくとも1個の開口を有する管と、それら少なくとも1個の開口に通流する流体アタッチメントポートと、を有する舌押さえアセンブリであって、それら少なくとも1個の開口を通じ流体を導入及び/又は排出するよう構成された舌押さえアセンブリを備える。
【0178】
ある種の実施形態では、管が、それら少なくとも1個の舌押さえ篦に取付可能に構成及び調製される。
【0179】
ある種の実施形態では、それら少なくとも1個の舌押さえ篦が複数個の舌押さえ篦を含む。
【0180】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクションシステムが更に機能要素を備える。この機能要素は、上掲の少なくとも1個の舌押さえ篦、管、流体アタッチメントポート及びそれらの組合せを元とする集合から選択された部材上に配置されうる。機能要素はセンサを備えうる。センサは、圧力センサ、煙センサ、pHセンサ、血液ガスセンサ、血糖値センサ、呼吸センサ、EEGセンサ、温度センサ、電極及びそれらの組合せを元とする集合から選択されたセンサで構成されうる。機能要素はトランスデューサを備えうる。トランスデューサは、光源、赤外光源、可視光源、輻射素子、超音波発生素子、電極、カメラ及びそれらの組合せを元とする集合から選択されたトランスデューサで構成されうる。
【0181】
他の態様に係る方法は、医療手順中に患者の口を退縮させる方法であって、舌押さえ篦をオーラルリトラクション用アーティキュレーションアセンブリに結合させるステップと、舌押さえ篦を口中に挿入するステップと、舌押さえ篦をオーラルリトラクション用アーティキュレーションアセンブリに対し直線方向に動かすステップと、舌押さえ篦を望ましい直線位置でロックするステップと、舌押さえ篦をオーラルリトラクション用アーティキュレーションアセンブリに対し角度方向に動かすステップと、舌押さえ篦を望ましい角度位置でロックするステップと、舌押さえ篦を口から取り除くステップと、上掲のアーティキュレーションアセンブリをフレームに結合させるステップと、フレームを口付近に配置するステップと、舌押さえ篦を口中に再挿入するステップと、舌押さえ篦をオーラルリトラクション用アーティキュレーションアセンブリに対し回動方向に動かすステップと、を有する。
【0182】
本発明の諸実施形態の目的、特徴及び効果は、上述のものもそれ以外のものも含め、諸図を通じ同一要素に同様の参照符号が付されている別紙図面に描出されている好適な実施形態に関する、より具体的な説明からより明らかになろう。図面は実寸に対し均等縮尺されているとは限らず、寧ろ、好適な実施形態の仕組みを描写する点に重きが置かれている。
【発明を実施するための形態】
【0184】
本願で採用している用語法の役目は本発明の具体的実施形態を説明することにあり、本発明を限縮することを意図していない。本願中、単数形「ある」、「1個の」及び「その」は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、複数形をも包含する趣旨のものである。これもご理解頂けるように、語「備える」、「有する」、「含む」及び/又は「伴う」は、本願では記述対象たる特徴、事物、ステップ、動作、要素及び/又は部材の存在を示すのに用いられているのであって、他の1個又は複数個の特徴、事物、ステップ、動作、要素、部材及び/又はその集合の存在又は付加を忌んでいるのではない。
【0185】
ご理解頂けるように、本願では第1、第2、第3等の語を用い種々の条件、要素、部材、領域、層及び/又は区画が記述されることがあるが、それらの語を以てそれらの条件、要素、部材、領域、層及び/又は区画が制限されるべきものではない。それらの語は個別の条件、要素、部材、領域、層又は区画を他の条件、要素、部材、領域、層又は区画から弁別するためのにみ用いられている。即ち、以下の説明で第1の条件、要素、部材、領域、層又は部分とされているものを第2の条件、要素、部材、領域、層又は部分と呼び変えたとしても、本願による教示から逸脱するわけではない。
【0186】
これもまたご理解頂けるように、ある要素が他の要素に「接触」し又は「連結」若しくは「結合」されると記述されている場合は、当該ある要素が当該他の要素に対し直に「接触」し又は「連結」若しくは「結合」されることも介在部材が存在することもありうる。対するに、ある要素が他の要素に「直に接触」し又は「直に連結」若しくは「直に結合」されていると記述されている場合は介在部材が存在しない。他の要素間関係記述語も同様に解されるべきである(例.「挟まれている」対「直に挟まれている」、「面している」対「直に面している」等)。本願中である要素が他の要素の「そば」にあると記述されている場合、当該ある要素は当該他の要素の上方及び下方のいずれにもあり得、当該他の要素に直に結合されていることもあり得、介在部材が存在していることもあり得、両要素が空間や間隙で隔てられていることもありうる。
【0187】
図1Aは、本発明の諸実施形態に係るオーラルリトラクタ(oral retractor;開口腔器)100の等角図である。
図1Bは、本発明の諸実施形態に係り
図1Aに示されているオーラルリトラクタ100の上面図である。
図1Cは、本発明の諸実施形態に係り
図1A及び
図1Bに示されているオーラルリトラクタ100の破断側面図である。オーラルリトラクタ100はX軸、Y軸及びZ軸、別の言い方をすればそれぞれ正面軸、縦方軸及び矢状軸に沿って配置されている。本願では、X+軸が患者の左側に向かい延ばしうる軸、X−軸が患者の右側に向かい延ばしうる軸、Y+軸が患者の頭部に向かい延ばしうる軸、Y−軸が患者の足に向かい延ばしうる軸、Z+軸が患者の上方に向かい延ばしうる軸、そしてZ−軸が患者の下方に向かい延ばしうる軸を表している。
【0188】
オーラルリトラクタ100は、医療手順中に患者の口を開保持可能且つ患者の口の少なくとも一部分を退縮可能に構成及び調製されている。リトラクタ100は(口を介し)鼻腔、喉又は関連する口腔、中咽頭、咽頭、食道、声帯、胃へのアクセスを提供可能、及び/又は、鼻腔、喉、中咽頭、咽頭、食道、声帯及び/又は胃に近い身体領域への直接又は間接的なアクセスを提供可能、に構成及び調製することができる。リトラクタ100はアーティキュレーティングロボットプローブ及び/又は関連する手術具、例えば2013年1月24日付付で特許文献2として公開されておりこの参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの国際特許出願に記載のプローブの、導入に用いることができる。手術具の例としては、これらに限られないが、クロー、鋏、カッタ、ナイフ、アブレータ、焼灼器、給薬器、輻射源、レーザ輻射器、エネルギ送給素子例えばRF電極、光源、センサ例えば圧力センサ又は血液センサ、カメラ、磁石、加熱素子、低温素子又はそれらの組合せがある。
【0189】
オーラルリトラクタ100は人体内の部位を露出させるものであり、これは、オペレータ例えば頭部外科医、頸部外科医その他の医療従業者がオーラルリトラクタ100を通じ唇、舌、歯及び/又は頬に力を加えて患者の口の幾何形状例えば口の開口サイズを制御することによって、行われる。好ましくはリトラクタ100が安定化状態であるときに力を加える。本発明の諸実施形態に係るリトラクタ100の特徴は、オペレータ例えば外科医が(患者の口を介した)中咽頭、咽頭、下咽頭その他の身体内部領域への単純及び/又は迅速なアクセス及び露出を享受できることであり、その一因は、オーラルリトラクタ100に備わる複数個の退縮要素(retraction element)の顕著なオペレータ可調性及び挿入容易性に加え、オーラルリトラクタ100の構成がロープロファイルであることや、例えば
図3に示す如く様々な形状の舌押さえ篦を利用できることにある。オーラルリトラクタ100に備わる1個又は複数個の位置決め可能部材をアーティキュレート(articulate;関節動・自在動)させることで、より深いところにある部位その他、到達困難な体内部位の可視化及び/又はそこへのアクセスを、高度なアーティキュレート無しの場合に実現できるであろうそれに比べ良好に実現・提供することができる。
【0190】
例示されているオーラルリトラクタ100は、アーティキュレーションアセンブリ200と、支持アーム120を有する支持要素とを備えている。アーティキュレーションアセンブリ200は直線位置決めアセンブリ110及び主支持フレーム130を備えている。主支持フレーム130は位置決めアセンブリ110に取り付けられており、位置決めアセンブリ110は、支持アーム120に対する主支持フレーム130の直線並進(linear translation)が位置決めアセンブリ110の動作で引き起こされるよう、支持アーム120に可操作的に取り付けられている。オーラルリトラクタ100は更に舌押さえ篦(tongue depressor blade)140を有しており、舌押さえアーティキュレーションアセンブリ200を介しその舌抑え篦が支持アーム120に可作動的に取り付けられている。オーラルリトラクタ100には少なくとも1個のチークリトラクタ(cheek retractor;頬退縮器)150a,150b(まとめて150)を具備させることができる。
【0191】
支持アーム120は第1支持要素たる取付部121、例えば本願中で詳示の通りオーラルリトラクタ100に安定化力を供給可能な構成のそれを備えている。主支持フレーム130は、オーラルリトラクタ100の第2支持要素として構成することができ、それにより、例えばリトラクタ100の両端付近に支持力を供給することができる。本願記載の通り、オーラルリトラクタ100に備わる舌押さえ篦140、チークリトラクタ150及び/又は1個又は複数個の他部材は、例えば1回又は少数回の臨床手順後に使い捨てられるような、使い捨て型にすることができる。ある種の実施形態では、オーラルリトラクタ100に備わる1個又は複数個の舌押さえ篦140及び/又は他部材が、非導電性素材、例えば非導電性プラスチック又は非導電性被覆付金属で構成されよう。
【0192】
直線位置決めアセンブリ110は、ベース111、ラチェットアセンブリ115及び1個又は複数個のギア319を備えている。主支持フレーム130は、直線位置決めアセンブリ110に備わるベース111の先端にある取付ポイント112に結合されている。主支持フレーム130はステンレス鋼、プラスチックその他、構造的堅固性をもたらす周知素材で形成することができ、そうした構造的堅固性は、患者の頭部及び口を位置決めしまた
図4の如く口を開ポジションに保つ上で役立つ。主支持フレーム130には、口部の諸部位を退縮させる部材、例えばチークリトラクタ150を結合することができる。他の部材例えば1個又は複数個の臼歯支持体(molar support)160、マウスガード及びそれに類するものも、主支持フレーム130に結合させることができる。主支持フレーム130上における臼歯支持体160の位置は、患者の臼歯の所在、例えば臼歯の非対称的な所在を容れるべく調整することができる。
【0193】
主支持フレーム130には、2個以上の頬位置決めスロット131a,131b(まとめて131)、臼歯調整アーチ132及び2個以上の臼歯調整スロット133a,133b(まとめて133)を設けることができる。主支持フレーム130は、その周を中心にして諸方向に沿い延びる複数個の区画を有する構成にすることができる。例えば、頬位置決めスロット131と臼歯調整スロット133を、
図1Aに示す如く、支持フレーム130の別区画に所在させることができる。その際、頬位置決めスロット131は、主支持フレーム130に沿いY軸沿いでチークリトラクタ150を位置決めしうるよう構成及び調製可能であり、また臼歯調整スロット133はX軸に沿った方向に沿い延設することができる。
【0194】
主支持フレーム130の臼歯調整アーチ132には、可除去な臼歯支持体160a,160b(まとめて160)を1個又は複数個、結合させることができる。主支持フレーム130のうち臼歯調整アーチ132の部分には、その部分を縦貫して臼歯調整スロット133を延設することができる。臼歯調整アーチ132は、患者の臼歯その他の歯のように患者の上顎に備わる部分に対し、或いは適応コネクタに対し、臼歯支持体160を整列させうるように構成されている。
【0195】
直線位置決めアセンブリ110は、(例えば臼歯支持体160・舌押さえ篦140間距離を変化させるため)オペレータが主支持フレーム130をY軸沿いに並進可能に構成及び調製されている。支持アーム120は複数個の可係合畝を有しており、その上面には図示の如く歯122が設けられている。位置決めアセンブリ110は、歯122と可作動的に係合するギア319を有している。ギア319は、直線位置決めノブ119の回動によってその軸を中心としたギア319の回動、ひいては支持アーム120に対する位置決めアセンブリ110の直線並進が生じるよう、直線位置決めノブ119に取り付けられている。ある種の実施形態では、位置決めアセンブリ110が、一方向又は複数方向に沿い並進を制限できるよう構成される。例えば、位置決めアセンブリ110に、ロック部(locking portion)118付のレバー116を備えるラチェットアセンブリ115と、スプリングアセンブリ117とを設けることができる。ラチェットアセンブリ115は、ロック部118が歯122と係合するようスプリングアセンブリ117によって付勢される。レバー116及びロック部118は、位置決めアセンブリ110の(例えば爪かみ合い形態での)Y+軸沿い並進を許容可能だがY−軸沿い運動を防止可能に、構成及び調製されている。オペレータがZ−軸沿いに加圧する等することで、レバーの基端116に力が加わると、ロック部118が解放、即ち歯122から分離されるため、位置決めアセンブリ110がY軸沿いのどちらの方向にも運動自在となる。ある種の実施形態では、位置決めアセンブリ110が、位置決めアセンブリ110及び支持アーム120に互いに逆方向の力、即ち歯122に沿ったギア319の回動を引き起こすのに十分な力を手動で加えたときに、直線位置決めノブ119を手動で回動させずとも並進するよう構成される。
【0196】
支持アーム120の取付部121は、支持ロッドその他の支持構造50に取り付けうるよう構成することができる。取付部121は、(
図1Aの如く)支持構造50の管状部を部分的に取り巻く等して支持構造50と係合し、支持アーム120のポジションをそれにより安定化及び/又は保持するよう工夫された、部分周回形状にすることができる。或いは、取付部121を、オーラルリトラクタ100のオペレータによる安定化用のハンドルとして構成することもできる。
【0197】
支持アーム120は、アーティキュレーションアセンブリ200を介し舌押さえ篦140、別称舌押さえに取り付けることができる。舌押さえ篦140は、アーティキュレーションアセンブリ200に可除結合されている。舌押さえ篦140は使い捨て型にすることが可能であり、例えば1回又は複数回の医療手順で使用可能に舌押さえ篦140を構成及び調製することができる。少なくとも直線位置決めアセンブリ110、支持アーム120、主支持フレーム130及び/又はアーティキュレーションアセンブリ200を含め、リトラクタ100のその他の構成要素は、1回又は複数回の医療手順で使用可能に構成及び調製すること、とりわけ複数種類の舌押さえ篦140例えば
図3に示す様々な舌押さえ篦をリトラクタ100に可除取付可能なことを踏まえ例えば舌押さえ篦140より多回数の医療手順で使用可能に構成及び調製することができる。例えば、
図3に示した舌押さえ篦140のうち相応な1個をリトラクタ100に組み付けたものを、ある患者を対象にした1回又は複数回の医療手順で用いることができる。その篦140をリトラクタ100から取り除き、
図3に示されていて1回又は複数回の医療手順で用いられる別の篦140、例えば別の患者の口に挿入される篦に交換することができる。
図3の舌押さえ篦は使い捨て可能であり、それぞれ特定の形状又は機能向けに構成することで、オーラルリトラクタ100を装着している患者の口腔に対する露出を増強することができる。
【0198】
アーティキュレーションアセンブリ200は、一自由度又は複数自由度に従い舌押さえ篦140をアーティキュレートさせるべく、回動位置決めノブ125、高さ位置決めノブ126及び角度位置決めノブ127によって制御される複数軸ギアアセンブリを有している。角度位置決めノブ127を用いX軸周りで舌押さえ篦140を枢動させること、高さ位置決めノブ126を用い篦140の挿入長を調整すること、及び/又は、回動位置決めノブ125を用いZ軸周りで篦140を回動させることができる。回動位置決めノブ125を回動させると、例えば
図2Bに示す如く、舌押さえ篦140の曲線方向沿いアーティキュレート、特にZ軸を巡る一自由度を伴うそれが御される。フレーム130は好ましくもアーティキュレーションアセンブリ200に結合されており、篦140の望ましい回動位置を決定するに当たっては安定性に鑑み患者の口付近に配置される。
【0199】
高さ位置決めノブ126を回動させると、アーティキュレーションアセンブリ200に対する舌押さえ篦140の直線方向沿いアーティキュレート、特にZ軸に沿った一自由度を伴うそれが御される。従って、舌押さえ篦140を患者の口中に挿入しユーザが患者の口中で舌押さえ篦140を上下動させることで、アーティキュレーションアセンブリ200へのフレーム130への結合に先立ち、篦140の直線位置を決めることができる。角度位置決めノブ127を回動させると、舌押さえ篦140の曲線方向沿いアーティキュレート、特にX軸を巡る一自由度を伴うピッチが御される。従って、舌押さえ篦140を患者の口中に挿入しユーザが患者の口中で舌押さえ篦140を上下動させることで、アーティキュレーションアセンブリ200へのフレーム130の結合に先立ち、篦140の望ましい角度位置即ちピッチを決めることができる。回動位置決めノブ125、高さ位置決めノブ126及び角度位置決めノブ127のうち1個又は複数個の組合せの連携により、一、二及び/又は三自由度に亘る舌押さえ篦140のアーティキュレートを引き起こすことができ、ひいては(例えば顕著なネックエクステンション無しで及び/又は患者の頭部の強倒下が必要とされることなく)医療手順中の経口による秀逸な対患者アクセスが可能となる。後述の通り、直線位置決めノブ119の回動により臼歯支持体160及びチークリトラクタ150を含む主支持フレーム130の並進を引き起こすことで、露出幾何の更なる修正(例えば自由度の追加)を実現することができる。
【0200】
例えば、オーラルリトラクタ100を孕む動作の途上で、篦140をアーティキュレーションアセンブリ200に結合させて口腔内に入れる。オペレータは、高さ位置決めノブ126を回動させ、ひいてはアーティキュレーションアセンブリ200に対し篦140をZ軸沿いに上下動させることで、望ましい直線位置を決めることができる。オペレータは、篦140の直線位置をその場でロックし、角度位置決めノブ127を回動させることで、篦140の望ましいピッチを決めることができる。篦140の望ましい直線位置及び角度位置が決まったら、アセンブリ200に対し篦140をその場でロックした上で、篦140を口腔から取り除きフレーム130に結合させればよい。フレーム130は、例えば、篦140を安定化できるよう、患者の顔上且つ患者の口腔付近に配置する。篦140は、既決定の高さ位置及び角度位置にて口腔内に再挿入する。オペレータは、回動位置決めノブ125を回動させることで軸心的に、即ちZ軸周りで篦140を回動させることができる。
【0201】
リトラクタ100には2個以上のチークリトラクタ150a,150b(まとめて150)を具備させることができる。チークリトラクタ150aには溝151a及びクランプ152aを設けることができる。チークリトラクタ150bには溝151b及びクランプ152bを設けることができる。クランプ152a,152b(まとめて152)は、それぞれ、溝151a,151b(まとめて151)を介しチークリトラクタ150を主支持フレーム130に取付しうるよう構成することができる。クランプ152は、締めたときにチークリトラクタ150が主支持フレーム130に対しセットポジションに保たれるよう、言い換えれば緩めたときにチークリトラクタ150が主支持フレーム130に対し運動自在になるよう構成することができる。具体的には、クランプ152それぞれにノブ、ネジ及び/又はその他の結合機構、即ち主支持フレーム130に設けられた頬位置決めスロット131に対し対応するチークリトラクタ150をY軸沿いに直線並進可能にする機構を設けることができる。クランプ152は、それぞれ、対応する溝151内に通し主支持フレーム130と結合させることができる。この溝151はX軸沿いに延設しうる。従って、チークリトラクタ150は、その溝151内に位置するクランプ152に対しチークリトラクタ150の溝151を摺動させることにより、上掲の動きに加え又は代え、X軸沿いに直線並進させることができる。チークリトラクタ150は、上掲の動きに加え又は代え、クランプ152の位置にありZ軸に対し平行な軸の周りで回動させることができる。
【0202】
本願記載の通り、チークリトラクタ150は主支持フレーム130に対し可除結合させること及び使い捨てることができる。チークリトラクタ150は1回又は複数回の医療手順で使用可能に構成及び調製されている。少なくとも直線位置決めアセンブリ110、支持アーム120、主支持フレーム130及びアーティキュレーションアセンブリ200を含め、リトラクタ100の他の構成要素は、1回又は複数回の医療手順で使用可能に、例えばチークリトラクタ150のそれに比し少なく、等しく又は多い回数の医療手順で使用可能に構成及び調製されている。例えば、リトラクタ100に相応のチークリトラクタ150を一組組み付け、一人の患者を対象にした1回又は複数回の医療手順で用いることができる。チークリトラクタ150をリトラクタ100から取り除き、別の患者を対象にして1回又は複数回の医療手順で用いられるチークリトラクタ150と交換することができる。この例では、リトラクタ100の他の構成要素例えば位置決めアセンブリ110等が両患者の手順、即ち両組のチークリトラクタ150の使用を孕む手順で使用される。
【0203】
上述の通り、リトラクタ100に2個以上の臼歯支持体160a,160b(まとめて160)を設けること、X軸沿いに延びるアーチ132にて主支持フレーム130の臼歯調整スロット133内に配置できるようその臼歯自体を構成すること、またそれを患者の臼歯その他の歯等、患者の上顎に備わる部分に対し整列させることができる。臼歯支持体160aにはクランプ161aを具備させうる。臼歯支持体160bにはクランプ161bを設けることができる。クランプ161は、それぞれ、その主支持フレーム130に設けられた臼歯調整スロット133を介し、対応する臼歯支持体160を主支持フレーム130に可動結合できるよう、ひいては臼歯支持体160がX軸沿いに直線並進可能となるよう構成されている。クランプ161には、それぞれ、締めたときに臼歯支持体160が主支持フレーム130に対しセットポジションに保たれうるよう構成されたノブ、ネジ及び/又はその他の結合機構を設けることができ、それを緩めることで臼歯支持体160を主支持フレーム130に対し運動自在とすることができる。
【0204】
従って、支持アーム120がY+軸沿いに並進すると例えば
図4の如く患者の口がY軸沿いに押し拡がるように、臼歯支持体160により主支持フレーム130向けに抵抗力を供給することができる。同様に、患者の口がX軸沿いに押し拡がるように、チークリトラクタ150により抵抗力を供給することができる。
【0205】
1個又は複数個ある臼歯支持体160のポジションを(例えばクランプ161を用い)調整すること及び/又は1個又は複数個あるチークリトラクタ150のポジションを(例えばクランプ152を用い)調整することによって、露出幾何の更なる修正を実現できる。
【0206】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクタ100が更に、係合部176を有する器具175を1個又は複数個備える。係合部176は、回動位置決めノブ125、高さ位置決めノブ126、角度位置決めノブ127及び直線位置決めノブ119のうち1個又は複数個と摩擦係合可能な構成の幾何形状を有している。器具175は、オペレータの片手の指1本又は複数本で把持可能に、且つその係合中の部材を回す上で機械的長所を提供可能に構成及び調製されている。このように、器具175は延長材として設けることが可能であり、これがノブ125,126,127,119に結合されていれば、ユーザは、アーティキュレーティングアセンブリ200以外の場所、例えばフレーム130周縁の外側から、そのノブ125,126,127,119を回動させることができる。
【0207】
オーラルリトラクタ100の一部分又は複数部分の幾何学的変形例えばアーティキュレートは、片手操作で行うことができる。例えば、(後掲の
図4に示す如く)患者の口に係合され且つ取付部121を介し支持構造50により安定化されているときに、オペレータの片手で1個又は複数個の調整要素を操作することができる。舌押さえ篦140の片手調整は、回動位置決めノブ125、高さ位置決めノブ126及び/又は角度位置決めノブ127を回すことで達成できる。主支持フレーム130の片手調整は、直線位置決めノブ119を回すこと及び/又はレバー116を押すことで達成できる。チークリトラクタ150の片手調整は、対応するクランプ152を緩め、チークリトラクタ150を配置し直し、更にクランプ152を締め直すことで達成できる。臼歯支持体160の片手調整は、(例えば患者の歯と接していないときに)対応するクランプ161を緩め、臼歯支持体160を配置し直し、更にクランプ161を締め直すことで達成できる。
【0208】
図2は、本発明の諸実施形態に係るオーラルリトラクタに備わるアーティキュレーションアセンブリ200の第1ポジション時接写破断側面図である。
図2Aは、
図2に示されているアーティキュレーションアセンブリ200の第2ポジション時接写破断側面図である。
図2Bは、本発明の諸実施形態に係り
図2及び
図2Aに示されている位置決めアセンブリの接写図、特に舌押さえ篦140の回動調整が描かれている図である。このアーティキュレーションアセンブリ200は、
図1A〜
図1Cを参照して説明したオーラルリトラクタ100の一部分として構成及び調製可能である。そこで、オーラルリトラクタ100の構成要素に関しては簡略化のため説明を繰り返さないことにする。アーティキュレーションアセンブリ200は、
図1A〜
図1Cで参照したX軸、Y軸及び/又はZ軸に沿い配置されている。
【0209】
アーティキュレーションアセンブリ200は、第1部分201と、その第1部分201に連携する第2部分202とを備えている。第1部分201は、更に、Z軸沿いに延びるアクスル205を介し支持アーム120に結合されている。
【0210】
図2Bに示すように、回動位置決めノブ125は、第1部分201の基端に結合されているギア301と可回動的に係合するギア325を備えている。位置決めノブ125の回動により、Z軸沿いに延びるアクスル205を中心とした第1部分201のアーティキュレートが御される。
【0211】
アーティキュレーションアセンブリ200の第2部分202は、X軸沿いに延び(紙面貫通方向に延びてい)るアクスル210を中心にして第1部分201に対し回動させうるように構成されている。角度位置決めノブ127は、第2部分202が例えば
図2Aに示す如くアクスル210周りで回動しているときにストップロックとして振る舞えるように構成されている。第2部分202は1本又は複数本のアーム203を備えており、チャネル141内で舌押さえ篦140と接しそのチャネル内にその舌抑え篦を可摺動的に受容することができるようそのアームが構成されている。舌押さえ篦140は一組のギア状歯142を備えており、X軸沿いに延びるアクスルに結合されている複数軸ギアアセンブリのギア326と摩擦係合させうるようにそれらギア状歯が構成されている。ギア326は高さ位置決めノブ126に結合可能であり、高さ位置決めノブ126の回動に応じそのアクスル周りで同ギアを回動させることができる。その際には、回動するギア326をギア状歯142と係合させ、チャネル141越しに舌押さえ篦140を直線経路に沿って動かすことで、アーティキュレーションアセンブリ200の第2部分202に備わるアーム203を基準にして舌押さえ篦140の縦位置が調整される。
【0212】
アーティキュレーションアセンブリ200はロックアセンブリ(locking assembly)250を備えており、そのロックアセンブリはレバー251、アクスル252、ピン253及びスプリング254を有している。ロックアセンブリ250は、
図2Aの如くロックポジションにあるときにピン253をギア326と摩擦係合させることで舌押さえ140の横位置をロック可能に構成及び調製されている。
図2に示すアンロックポジションでは、レバー251がアクスル252を中心に(図中時計回りに)回った位置にあるため、スプリング254によってピン253がギア326とは逆方向に引っ張られ、そのギアから分離している。このアンロックポジションではギア326が回動自在であり、例えば医療手順にて口腔内に挿入された舌押さえ140の深さ位置をその回動により調整すること等ができる。ある種の実施形態では、レバー251がクイックリリース機構、例えばオペレータの片手又は指1本で解放される機構として構成されうる。
【0213】
ある種の実施形態では、オーラルリトラクタ100が患者の口中に位置している間に除去可能に舌押さえ篦140が構成及び調製される。舌押さえ篦140は、高さ位置決めノブ126を十分に回動させることで舌押さえ篦140を縦方向に並進させ、それによりギア状歯142をギア326から分離させることによって、取り除くことができる。これに代え又は加え、オペレータが(例えば片手で)舌押さえ篦140を握り十分な力を加えることでギア326が回動してギア状歯142がギア326から分離されるよう、即ちギア326の直接操作の有無によらず分離されるよう、ギア326、ギア状歯142及び/又はアーティキュレーションアセンブリ200を構成及び調製することが可能である。
【0214】
図4は、本発明の諸実施形態に係り患者の口中に位置しているオーラルリトラクタの図である。オーラルリトラクタ100は、上述の通り1回又は複数回の医療手順中に患者の内部部位にアクセスできるようにすべく、患者の口中に配置されている。オーラルリトラクタ100の一端は、支持ロッド50に係合された第1支持要素たる取付部121により支持されており、他端は患者の口に係合された第2支持要素たる主支持フレーム130により支持されている。支持ロッド50は1個又は複数個の安定な構造物、例えば患者台や床に取り付けることができる。医療手順を目的とした露出は、図示の通り、舌押さえ篦140で患者の舌に力を加えること、1個又は複数個のチークリトラクタ150で患者の頬に一種類又は複数種類の力を加えること、及び/又は、1個又は複数個の臼歯支持体160で患者の歯に一種類又は複数種類の力を加えることによって実行される。
【0215】
オーラルリトラクタ100には、オペレータがそれを回動させると舌押さえ篦140を基準とした主支持フレーム130との間の距離が上述の如く変化し、患者の歯に加わる力がそれにより調整される(例えば口を通じた開口が調整される)よう、直線位置決めノブ119を設けることができる。オーラルリトラクタ100にはラチェットアセンブリ115を設けることができ、上述の如くY軸沿いの一方向又は双方向に沿ったオペレータ可選択並進が許容されるようそのラチェットアセンブリを構成することができる。ある種の実施形態では、ラチェットアセンブリ115が、患者の臼歯に加わっている力を(例えばレバー116を押すことで)迅速に解放できるよう、ひいては患者の口からのオーラルリトラクタ100の迅速な除去等が可能なように構成される。
【0216】
オーラルリトラクタ100は、例えば
図1を参照して上述した如く、片手操作で幾何調整及び/又は患者に加わる力の調整を実行可能に構成及び調製することができる。
【0217】
図5は、本発明の諸実施形態に係りロボット的に操作可能なオーラルリトラクタを備えるシステムの図である。システム10は対人インタフェースデバイス(HID)11、コントローラ12及びリトラクタ100を備えている。リトラクタ100は、上掲の
図1〜
図5を参照して説明した如く構成及び調製することができる。コントローラ12は、1本又は複数本のワイヤその他の電力及び/又は信号搬送路、即ちワイヤ束332を有しており、そのワイヤ束がリトラクタ100に可作動的に取り付けられている。HID11はユーザインタフェースを備えており、電力及び/又は情報を介しコントローラ12がオーラルリトラクタ100の一部分又は複数部分を制御するためのコマンドを、オペレータがそのユーザインタフェースを利用しワイヤ束332経由で送ることができる。システム10は、オペレータがHID11とやりとりしてリトラクタ100を調整その他制御すること、例えば上掲の
図1〜
図5のオーラルリトラクタ100に備わる直線位置決めノブ119、回動位置決めノブ125、高さ位置決めノブ126及び/又は角度位置決めノブ127等のようにリトラクタ100に備わる1個又は複数個の制御要素を作動させることができるように、構成することができる。オーラルリトラクタ100には、コントローラ12から送給される電力及び/又は情報に応答可能に構成された1個又は複数個のモータその他の駆動要素、例えば
図5A〜
図5Cを参照して後述するものを設け、その駆動要素により、例えばオーラルリトラクタ100に備わる1個又は複数個の制御要素を回動その他調整させることができる。
【0218】
システム10にはアーティキュレーティングプローブ機器、例えばプローブフィーダ13及びアーティキュレーティングプローブ14を有する装置を具備させることができる。システム10には、更に、1個又は複数個の器具例えば器具15a及び/又は15bを具備させることができる。図中の器具15aは、フィーダ13内に挿入されプローブ14の先端から出ている。図中の器具15bは、プローブ14の先端部分にあるサイドチャネル内に通されている。ある種の実施形態では、HID11、コントローラ12、プローブフィーダ13及び/又はアーティキュレーティングプローブ14が、この参照を以てそれぞれの内容が本願に繰り入れられるところの、2013年1月24日付で特許文献2として公開された国際特許出願及び/又は2013年1月11日付米国暫定特許出願第61/751498号に記載の如く、構成及び調製される。
【0219】
図5Aは、本発明の諸実施形態に係り
図1〜
図5に示されている例示的なオーラルリトラクタ100の一部分の側断面図である。モータその他の回動駆動アセンブリ、ここではモータ330aは、1個又は複数個の熔接部331を介し支持アーム120に取り付けられている。モータ330aは、
図5に示したワイヤ束332の一部分たるワイヤ332aに接続されている。モータ330aは、モータ330によるギア325の回動によって、舌押さえ篦140の曲線方向沿いアーティキュレートでありZ軸沿いの一自由度を伴うもの、例えば
図2Bに示されているものが御されるよう、ギア325に連結されている。
【0220】
図5Bは、本発明の諸実施形態に係り
図1〜
図5に示されている他の例示的なオーラルリトラクタ100の一部分の側断面図である。モータその他の回動駆動アセンブリ、ここではモータ330b又は330cは、それぞれ、1個又は複数個の熔接部331を介しアーティキュレーションアセンブリ200の第2部分202又は直線位置決めアセンブリ110のベース111に取り付けられている。モータ330b,cは、それぞれ、
図5に示したワイヤ束332の一部分たるワイヤ332b又は332cに接続されている。モータ330b,cはそれぞれギア319又は326に連結されている。モータ330bによるギア319の回動によって、位置決めアセンブリ110のY軸沿い直線並進が御される。モータ330cによるギア326の回動によって、舌押さえ篦140の直線方向沿いアーティキュレートでありY軸沿いの一自由度を伴うものが御される。
【0221】
図5Cは、本発明の諸実施形態に係り
図1〜
図5に示されている例示的なオーラルリトラクタ100の一部分の側断面図である。モータその他の回動駆動アセンブリ、ここではモータ330dは、1個又は複数個の熔接部331を介し第2部分202に取り付けられている。モータ330dは、
図5に示したワイヤ束332の一部分たるワイヤ332dに接続されている。モータ330dは、ギア327a及びそれとめあうネジ付ロッド327bを備える特定構成の角度位置決めノブ127に連結されている。モータ330dによるギア327aの回動によって、舌押さえ篦140の曲線方向沿いアーティキュレートでありX軸周りの一自由度を伴うものが御される。
【0222】
モータ330a〜dのうち1個又は複数個を、ワイヤ束332を介しコントローラ12からコマンドを受け取るよう構成し、オペレータがオーラルリトラクタ100の構成を調整できるようにしてもよい。
【0223】
図6は、本発明の諸実施形態に係るオーラルリトラクタ100’の等角図である。オーラルリトラクタ100’は、
図1を参照して上述したオーラルリトラクタ100と同様に構成及び調製することができる。例えば、オーラルリトラクタ100’に直線位置決めアセンブリ110、ラチェットアセンブリ115、支持アーム120、アーティキュレーションアセンブリ200を具備させることや、それらをそれぞれ
図1のオーラルリトラクタ100に備わる類似部材と同様に構成及び調製することができる。オーラルリトラクタ100’は、患者の口を開口状態に保持可能且つ医療手順中に患者の口の少なくとも一部分を退縮可能に構成及び調製されている。オーラルリトラクタ100’は、鼻腔、喉、中咽頭、食道、声帯、胃及びそれらの組合せを元とする集合から選ばれた部位に対する直接的な(即ち口を通じた)及び/又は間接的なアクセスを提供可能に構成及び調製することができる。オーラルリトラクタ100’は、アーティキュレーティングロボットプローブ及び/又はその他の手術具、例えばこの参照を以てその全内容が本願に繰り入れられるところの2013年1月24日付で特許文献2として公開された国際特許出願に記載のあるプローブを、導入及び/又は支持するのに用いることができる。利用可能な手術具には、グラスパ、クロー、鋏、カッタ、ナイフ、アブレータ、焼灼器、給薬器、輻射源、レーザ輻射器、エネルギ送給素子例えばRF電極、センサ例えば圧力センサ又は血液センサ、カメラ、磁石、加熱素子、光源、低温素子、リトラクタ、リトラクタブレード例えばチークリトラクタ150及びそれらの組合せを元とする集合から選択された1個又は複数個の器具が含まれうる。
【0224】
オーラルリトラクタ100’は、閉境界フレーム(図面参照)又は開境界フレームを構成可能な主支持フレーム130’を有している。主支持フレーム130’及び/又は1個又は複数個のツールホルダ400構成部材は、一種類又は複数種類の堅固素材で構成すること、例えばステンレス鋼、チタン等の金属や堅固プラスチックで構成することができる。主支持フレーム130’が位置決めアセンブリ110に取り付けられており、位置決めアセンブリ110が支持アーム120に可作動的に取り付けられているので、位置決めアセンブリ110の動作により、上述の如く、支持アーム120に対する主支持フレーム130’の直線並進を引き起こすことができる。主支持フレーム130’は、約0.125”(”はインチ;1インチ=約0.025m)の厚み及び約0.5”の幅を有するものにするとよい。
図6の例では、締められている保持ノブ421を介し主支持フレーム130’が位置決めアセンブリ110に可除的に取り付けられている。保持ノブ421を緩めることで、主支持フレーム130’を摺動させ位置決めアセンブリ110から取り除くことができる。
【0225】
オーラルリトラクタ100’には1個又は複数個のツールホルダ例えばツールホルダ400a及び400bを具備させることができ、
図6ではそれらツールホルダが主支持フレーム130’に取り付けられている。ツールホルダ400a及び/又は400bは、主支持フレーム130’に可摺動的に取り付ける(例えば事前に取り付ける又はオペレータによる着及び/又は脱を可能にする)ことができる。ある種の実施形態では、ツールホルダ400が、
図8を参照して後述する通り主支持フレーム130’に側方取付されうる。ツールホルダ400a及びツールホルダ400b(単体で又はまとめてツールホルダ400)は、それぞれ、主支持フレーム130’の長尺部を取り巻くスロット406を有している。ツールホルダ400a及びツールホルダ400bはそれぞれ対応する通路401a及び401b(単体で又はまとめて通路401)を有しており、その通路は、チークリトラクタのシャフト部(例えば後述するシャフト部500a又は500b)、器具案内体(tool guide)(例えば器具のシャフトを可摺動的に受容可能に構成及び調製されている中空管)、或いはシャフト部を備えるその他の医用装置を、可摺動的に受容できるように構成されている。通路401及び/又はシャフト部500は器具案内体を備えており、グラスパ、クロー、鋏、カッタ、ナイフ、アブレータ、焼灼器、給薬器、輻射源、レーザ輻射器、エネルギ送給素子例えばRF電極、センサ例えば圧力センサ又は血液センサ、カメラ、磁石、加熱素子、低温素子、リトラクタ、リトラクタブレード例えばチークリトラクタ150及びそれらの組合せを元とする集合から選ばれた1個又は複数個の器具を受容可能に構成及び調製することができる。ある種の実施形態では、通路401が、例えば最大直径が約5mm以下のシャフトを可摺動的に受容しうるよう、約5mmに上る直径を有する。通路401には、ツールホルダ400内に収まる孔その他の通路を設けることができる。通路401は円形断面にすることも、非円形断面にすること例えば挿入されたシャフト部500の回動を防止可能に構成及び調製された非円形断面にすることもできる。
【0226】
各ツールホルダ400は、締めることで個々のツールホルダ400を主支持フレーム130’に対しロックすること、例えば
図7を参照して後述する如くロックすることが可能な止めネジ402(例えば図中の止めネジ402a及び402b)を有している。止めネジ402は、約8〜32個又は10〜24個のネジ山を有する止めネジとすることができる。止めネジ402が緩められている状態では、対応するツールホルダ400それぞれの少なくとも一部分が主支持フレーム130’の一区画を中心に回動する(例えば図中でツールホルダ400の現在位置付近にある軸A
SFを中心に回動する)。ある種の実施形態では、主支持フレーム130’を中心に少なくとも360°に亘り回動しうるようツールホルダ400が構成される。他の実施形態では、360°未満、例えば180°未満又は90°未満しか回動しないようツールホルダ400が構成される。これに代え又は加え、止めネジ402が緩められている状態では、対応するツールホルダ400それぞれを、主支持フレーム130’に沿い摺動的に並進させうる。ある種の実施形態では、同じく例えば
図7を参照して後述される通り、個々の止めネジ402が、更に、対応する通路401内を通る長尺部材(例えば後述のシャフト部500a又は500b)をその場でロックしうるように構成されうる。
【0227】
図6の例では、シャフト部500aがツールホルダ400aの通路401a内に既に配置されており、シャフト部500bがツールホルダ400bの通路401b内に既に配置されている。シャフト部500aが器具案内体(例えば中空管)を有していて、1個又は複数個の器具に備わるシャフトその他の長尺部例えば上述した1個又は複数個の手術具に備わるそれを支持するのに、その器具案内体が使用されるようにしてもよい。或いは、シャフト部500aが器具(例えば上述した1個又は複数個の手術具)のシャフトを有していて、挿入された器具シャフトが通路401aによって案内され一定の向きで支持される構成にしてもよい。シャフト部500bはチークリトラクタ150のシャフト区画であるので、ツールホルダ400bでチークリトラクタ150を位置決めすることができる。上述の通り、止めネジ402a及び402bを緩め、シャフト部500a及び500bそれぞれを主支持フレーム130’に対し位置決めし直すこと(例えば対応するツールホルダ400を位置決めし直すこと)ができるように、することができる。これに代え又は加え、止めネジ402a及び402bを緩め、シャフト部500a及びシャフト部500b(即ちチークリトラクタ150)それぞれを対応する通路401に対し位置決めし直すこと(例えば対応する通路401内で摺動させること及び/又は回動させること)ができるように、することができる。ある種の実施形態では、通路401内で少なくとも360°に亘り回動可能にシャフト部500が構成される。他の実施形態では、360°未満、例えば180°未満又は90°未満しか回動しないようにシャフト部500が構成される。
【0228】
他の実施形態では、止めネジ402のうち第1止めネジを用いて主支持フレーム130’に対しツールホルダ400を位置決め及びロックし、第2止めネジを用いて通路401で長尺部材を位置決め及びロックする不図示のデュアル止めネジ構成が、オペレータがツールホルダ400と通路401内に位置する長尺部材とを相独立にロックできるよう構成される。
【0229】
ある種の実施形態では、通路401のうち第1通路を第1長尺部材を可摺動受容可能に、また第2通路を第2長尺部材を可摺動受容可能に構成した不図示のデュアル通路構成が、その断面形状が互いに類似又は非類似な2本の長尺部材を支持できるよう構成される。この種の実施形態では、別々の止めネジ402を用い、個々の通路401で対応する長尺部材の位置を固定することができる。
【0230】
オーラルリトラクタ100’には歯係合部材として
図6に示す顎支持体(jaw support)160’を設けることができ、その顎支持体は例えば患者の歯のうち1本又は複数本(例えば患者の前歯のうち1本又は複数本)と接触及び摩擦係合可能に構成することができ、それによって例えば患者に対しオーラルリトラクタ100’を安定化させることができる。顎支持体160’等の歯係合部材は、主支持フレーム130’に対し固定し及び/又は可着脱とすることができる。ある種の実施形態では、図示しないが顎支持体160’に止めネジが設けられ、顎支持体160’を選別的に主支持フレーム130’に固定(例えば主支持フレーム130’に対する顎支持体160’の回動及び/又は並進を許容)できるようその止めネジが構成される。ある種の実施形態では、顎支持体160に堅固な部分及びより可撓な部分、例えば患者の歯及び/又は歯茎と接触する可撓部分(例えば軟質プラスチック又はガーゼ)が設けられる。
【0231】
オーラルリトラクタ100’には図示の如く舌押さえアセンブリ140’を設けることができる。舌押さえアセンブリ140’は、
図1を参照し上述した舌押さえ篦140・アーティキュレーションアセンブリ200間取付と類似した要領で、アーティキュレーションアセンブリ200に取り付けることができる。アーティキュレーションアセンブリ200は回動位置決めノブ125、高さ位置決めノブ126及び角度位置決めノブ127を有しており、これらにより舌押さえ篦140を一自由度又は複数自由度に亘りアーティキュレートさせることができる。1個又は複数個のノブを中心にして器具175と同一又は類似のノブエクステンションを配置し、アーティキュレーションアセンブリ200から離れた場所からユーザが相応のノブを回動させうるようにしてもよい。
【0232】
舌押さえアセンブリ140’は舌押さえ篦140、例えば
図3を参照して上述した1個又は複数個の可取付舌押さえ篦を以て構成されている。ある種の実施形態では、オーラルリトラクタ100’に可作動的に取付可能な5種類以上又は7種類以上の舌押さえ篦140が舌押さえアセンブリ140’に備わる。各舌押さえ篦140は例えば50mm〜120mmの長さを有する。ある種の実施形態では、1個又は複数個の舌押さえ篦が例えば約150mm、170mm又は200mmの長さを有する。例えば、その長さが50〜80mmで幅が約32mmの下顎篦(mandible blade)を以て篦140とすることができる。他種の篦例えば咽頭篦(laryngeal blade)も、リトラクタ100’を用い実行される手順に応じ遜色なく適用できる。
【0233】
舌押さえアセンブリ140’には、更に、その長手方向の少なくとも一部分に沿い(例えば舌押さえ篦140の長手方向の少なくとも一部分に沿い)管145を設けることができる。ある種の実施形態では、管145が1個又は複数個の舌押さえ篦140に取付可能とされ、その手段としては1個又は複数個の連結要素、例えば図中にないが番をなす複数個のスナップ又は番をなす突起と溝が使用される。管145には流体アタッチメントポートたるポート146を設けることができ、またそのポートは真空源及び/又は灌水源に可作動的に取付可能に構成及び調製することができる。管145には、1個又は複数個の開口たる孔147を設けることができる。管145及び孔147は、それぞれ、灌水源及び/又は真空源から及び/又はへと一種類又は複数種類の流体(例えば液体又は気体)を供給及び/又は除去可能に構成及び調製することができる。ある種の実施形態では、管145に2本以上のルーメン、例えば互いに同じ及び/又は別の孔147につながる2本以上のルーメンが備わる。
【0234】
ある種の実施形態では、舌押さえアセンブリ140’に機能要素148を設けること、例えば1個又は複数個のセンサ又はトランスデューサを舌押さえ140の表面上又は表面付近に配置することができる。これに代え又は加え、1個又は複数個の機能要素148を流体アタッチメントポート156及び/又は管145に接し又はその付近に配置することができる。機能要素148は、圧力センサ、煙センサ、pHセンサ、血液ガスセンサ、血糖値センサ、呼吸センサ、EEGセンサ、温度センサ、電極及びそれらの組合せを元とする集合から選択されたセンサを以て構成することができる。これに代え又は加え、機能要素148を、光源、赤外光源、可視光源、輻射素子、超音波発生素子、電極、カメラ及びそれらの組合せを元とする集合から選択されたトランスデューサを以て構成することができる。
【0235】
図7は、本発明の諸実施形態に係り支持フレーム上に位置しているツールホルダの破断斜視図である。この図ではツールホルダ400が主支持フレーム130を巡り配置されており、
図6を参照して上述した止めネジ402及び通路401を有している。ツールホルダ400が主支持フレーム130に恒久的に取り付けられていてもよいし、例えば
図8を参照して後述する如く、オペレータが主支持フレーム130に取り付けること及び/又はそこから取り除くことが可能なようにツールホルダ400が構成されていてもよい。ツールホルダ400は、外ハウジングとして殻403を備えており、使用中にその形状を(例えば不変形で)相対的に保持可能にその殻が構成及び調製されている。殻403の内側には内ハウジングたるカム404が可回動配置されている。カム404は、カム404の一部分又は複数部分が例えば後述の如く使用中に形状変化例えば圧縮を引き起こしうるよう構成及び調製することができる。カム404が一種類又は複数種類の可圧縮素材(例えばエラストマ素材)を含有していてもよいし、及び/又は、ツールホルダ400を主支持フレーム130及び/又はシャフト部500を中心に圧縮させてそれに摩擦係合させることが可能なよう構成及び調製された1個又は複数個の可圧縮スロットその他の形状変化凹部(例えば図中のスロット405)をカム404が有していてもよい。通路401が、図示の通り、殻403を貫通するルーメンを有していてもよい。これに代え又は加え、通路401が、カム404を貫通するルーメンを有していてもよい。これに代え又は加え、通路401が別体な管、例えば図示しないが殻403及び/又はカム404に取り付けられている1本又は複数本の中空管を有していてもよい。
【0236】
ツールホルダ400及びカム404は、止めネジ402を締めることで少なくとも二種類の機能を実行可能に構成及び調製することができる。第1の機能の例は、主支持フレーム130を中心にカム404の一部分を圧縮することで(例えばスロット405が狭まり)ツールホルダ400の主支持フレーム130周り位置を固定する機能である。もう一つの機能の例は、カム404がシャフト部500と摩擦係合するようカム404の一部分を通路401内へと撓ませシャフト部500を通路401内に捕捉することで、ツールホルダ400に対するシャフト部500の位置を固定する機能である。もう一つの機能の例は、殻403に対するカム404の回動角を固定する(即ち回動を妨げる)機能である。止めネジ402を緩めることで1個又は複数個の機能を反転させること、例えば主支持フレーム130を中心にしたツールホルダ400の並進及び/又は回動を可能にすること、及び/又は、通路401内でのシャフト部500の並進及び/又は回動を可能にすることができる。
【0237】
図8は、本発明の諸実施形態に係りその中にシャフト部500が挿入されているツールホルダ400の斜視図である。ツールホルダ400は通路401を有しており、シャフト部500は通路401内に配置されている。ツールホルダ400は更に殻403、カム404及び止めネジ402を有している。通路401、殻403、カム404及び止めネジ402は、
図7の殻403及びカム404と類似した構成及び調製にすることができる。
図8の殻403は、更に、オペレータがツールホルダ400を支持フレーム、例えば上述の支持フレーム130及び130’に側方取付しうるよう構成されたアクセススロット407を有している。ツールホルダ400は、支持フレームの一区画がスロット407を貫通しカム404のスロット406と係合する向きにすることができる。スロット406は、例えば主支持フレーム130に対するカム404の回動が制約され又は防止されるよう、非円形的な形状、例えば図示の如く長円状にすることができる。カム404には、更に、挿入されたフレーム130を中心にしてカム404を圧縮させうるようそれぞれ構成されているスロット405を、図示の如く1個又は複数個設けることができる。
【0238】
図9は、本発明の諸実施形態に係りロボット的に操作可能なツールホルダ400’を備えるシステムの図である。ツールホルダ400’は支持フレーム、例えば上述の支持フレーム130及び/又は130’に可作動的に取り付けることができる。ツールホルダ400’は殻403及びカム404を備えている。殻403及びカム404は、
図7の殻403及びカム404と類似の構成及び調製にすることができる。殻403には、ユーザが支持フレームの周りにツールホルダ400’を側方適用して支持フレームをスロット406と係合させることができるよう構成及び調製されたスロット407を、設けることができる。カム404には1個又は複数個の圧縮可能化スロット、例えば図中のスロット405を設けることができる。ツールホルダ400’には、更に、シャフト部500例えば上述したそれを受容可能な構成の通路401を設けることができる。
【0239】
ツールホルダ400’には、フレームを中心にツールホルダ400’を位置決めし直せるよう又はツールホルダ400’を中心にシャフト部500を位置決めし直せるよう構成されたロボット制御型運動伝達アセンブリを、1個又は複数個具備させることができる。ツールホルダ400’には、モータ414aと、アクスル413aを介しモータ414aに可作動的に取り付けられているギア412aとを、具備させることができる。モータ414aは殻403に固定的に取り付けられている。ギア412aは、アクスル413aを介しモータ414aがギア412aを回動させるとカム404を中心にして(例えば一方向又は双方向に)殻403が回動することとなるよう、カム404の歯411aと可作動的に係合されている。モータ414aには、コントローラ12によりモータ414aに対し選択的に電力を供給することができるよう、コントローラ12に接続可能なケーブル416aが接続されている。コントローラ12は、例えば、コントローラ12が対人インタフェースデバイスに接続されているときに(例えばフレームを中心にツールホルダ400’を回動させるべく)カム404に対する殻403の回動をロボット制御可能なよう、上述した
図5のコントローラ12と類似の構成及び調製にすることができる。
【0240】
ツールホルダ400’には、モータ414bと、アクスル413bを介しモータ414bに可作動的に取り付けられたギア412bとを、具備させることができる。モータ414bは殻403に固定的に取り付けられている。ギア412bは、アクスル413bを介しモータ414bによりギア412bを回動させるとシャフト部500が通路401内で並進するよう、シャフト部500の歯411bに可作動的に係合されている。モータ414bには、コントローラ12によりモータ414bに選択的に電力を供給することができるよう、コントローラ12に接続可能なケーブル416bが接続されている。コントローラ12は、通路401内におけるシャフト部500の並進をロボット制御できるよう、対人インタフェースデバイスに接続することができる。
【0241】
ツールホルダ400’には、1個又は複数個(図では2個)のモータ414cと、それぞれアクスル413cを介しモータ414cに可作動的に取り付けられた対応するギア412cとを、具備させることができる。1個又は複数個あるギア412cは、それぞれ、アクスル413cを介しモータ414cによりギア412cを回動させるとツールホルダ400’がフレーム沿いに(例えば一方向又は二方向に)並進するよう、スロット406内に位置するフレームの表面と可作動的(例えば摩擦的)に係合されている。各モータ414cは、コントローラ12により各モータ414cに選択的に電力を供給することができるよう、それぞれコントローラ12に接続可能なケーブル416cに接続することができる。コントローラ12は、フレームに沿ったツールホルダ400’の並進をロボット制御できるよう、対人インタフェースデバイスに接続することができる。
【0242】
ツールホルダ400’には、
図7を参照し上述した止めネジ402によりカム404に印加される力に倣いカム404に力を選択的に印加できるよう構成されたアクチュエータ415を、具備させることができる。アクチュエータ415は、ソレノイド、リニア駆動アセンブリ、液体圧ピストン、気体圧ピストン、形状記憶部材及びそれらの組合せを元とする集合から選択された部材を備える構成にすることができる。アクチュエータ415によるカム404への力の印加により、1個又は複数個の機能を同時に又は順次的に実行することができる。アクチュエータ415によるカム404への力の印加により、スロット406内に位置する支持フレーム、例えば上述の主支持フレーム130又は130’にカム404を摩擦係合させることができる。これに代え又は加え、アクチュエータ415によるカム404への力の印加により、カム404を通路401の一部分内で撓ませ、(例えばシャフト部500の回動及び/又は並進を妨げるべく)例えば通路401内シャフト部500と摩擦係合させる(例えばロックする)ことができる。アクチュエータ415はケーブル416dを介しコントローラ12に接続することができる。
【0243】
モータ414a、414b及び/又は414cは、ACモータ、DCモータ、ステッパモータ及びそれらの組合せを元とする集合から選択されたモータを以て構成することができる。ギア412a及び412bはワームギアを以て構成できる。ギア412cは摩擦係合式駆動輪を以て構成できる。
【0244】
図6〜
図9を参照して述べたツールホルダ400及び400’につき、本発明の主支持フレーム130及び130’への取付との関連で説明してきたが、各種堅固又は半堅固構造への取付も実行可能なことをご理解頂きたい。ツールホルダ400又は400’には、各種医用支持具その他の医用装置の安定化長尺部に取付可能なサイズを有する取付部(例えば上述のスロット106及び/又は107)を設けることができる。
【0245】
ツールホルダ400及び400’は、消毒を1回又は複数回施すことができ、例えば複数人の患者で再使用可能な構成にすることができる。ある種の実施形態では、ツールホルダ400又は400’に備わる部材のうち1個又は複数個が(使い捨て可能な)単回使用向け部材、他の部材が(例えば再消毒可能な)複数回使用向け部材として構成される。
【0246】
本発明につき、その例示的実施形態を参照して上述し具体的に示してきたが、本件技術分野で習熟を積んだ者(いわゆる当業者)には、前掲請求項のうち後続する少なくとも一項によって記述及び定義されている本発明の神髄及び技術的範囲から逸脱することなく形態及び細部に様々な変更を施しうることを、ご理解頂けよう。
なお、以下に本発明の構成の一例を付記として示す。
(付記1)
舌押さえ篦(tongue depressor blade)と、
上記舌押さえ篦を少なくとも三自由度に亘りアーティキュレート可能に構成及び調製されたアーティキュレーションアセンブリと、
上記舌押さえ篦のアーティキュレート中に上記アーティキュレーションアセンブリに対し安定化力を供給可能に構成及び調製された支持要素と、
を備えるオーラルリトラクション装置(oral retraction device)。
(付記2)
付記1記載のオーラルリトラクション装置であり、患者の口部内に配置されるオーラルリトラクション装置であって、当該口部を介し患者の内部領域へのアクセスを提供可能に構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記3)
付記2記載のオーラルリトラクション装置であって、上記内部領域が鼻腔、喉、中咽頭、食道、声帯及び胃のうち少なくとも1個を含み、及び/又は、患者の鼻腔、喉、中咽頭、食道、声帯又は胃に近い身体領域への直接又は間接的なアクセスを提供するオーラルリトラクション装置。
(付記4)
付記2記載のオーラルリトラクション装置であって、アーティキュレーティングロボットプローブを少なくとも患者の口部へと導入するのに用いられるオーラルリトラクション装置。
(付記5)
付記2記載のオーラルリトラクション装置であって、安定化状態であるとき、患者の口部に力を加えて当該口部の幾何形状を制御するオーラルリトラクション装置。
(付記6)
付記5記載のオーラルリトラクション装置であって、上記口部にある唇、舌、歯及び頬のうち少なくとも1個に力を加えるオーラルリトラクション装置。
(付記7)
付記5記載のオーラルリトラクション装置であって、医療手順の前又は最中における患者の頭部の再位置決めが最小限化又は回避されるよう、上記口部に力を加えるオーラルリトラクション装置。
(付記8)
付記1記載のオーラルリトラクション装置であって、その構成要素のうち1個又は複数個のアーティキュレート又は幾何学的変形が片手操作に従い実行されるオーラルリトラクション装置。
(付記9)
付記1記載のオーラルリトラクション装置であり、患者の口中に配置されるオーラルリトラクション装置であって、1回又は複数回の医療手順中における患者の内部部位へのアクセスを提供すべく上記舌押さえ篦で患者の舌に力を加えるオーラルリトラクション装置。
(付記10)
付記1記載のオーラルリトラクション装置であって、上記舌押さえ篦が上記アーティキュレーションアセンブリに可除結合されているオーラルリトラクション装置。
(付記11)
付記10記載のオーラルリトラクション装置であって、本オーラルリトラクション装置が患者の口中に配置されている間に、上記舌押さえ篦を上記アーティキュレーションアセンブリから除去可能なオーラルリトラクション装置。
(付記12)
付記10記載のオーラルリトラクション装置であって、上記舌押さえ篦を片手操作に従い除去可能なオーラルリトラクション装置。
(付記13)
付記1記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持要素が、直線位置決めアセンブリに結合された支持アームを備え、その直線位置決めアセンブリが、当該支持要素を直線方向にアーティキュレートさせるオーラルリトラクション装置。
(付記14)
付記1記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持要素が、直線位置決めアセンブリに結合されたフレームを備え、その直線位置決めアセンブリが、当該支持要素を直線方向にアーティキュレートさせるオーラルリトラクション装置。
(付記15)
付記1記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持要素が、直線位置決めアセンブリの一部分に可摺動結合された第1支持要素と、その直線位置決めアセンブリの他部分に固定結合された第2支持要素と、を備え、当該第1支持要素が支持アームを備え、当該第2支持要素がフレームを備え、当該直線位置決めアセンブリが当該支持要素を直線方向にアーティキュレートさせるオーラルリトラクション装置。
(付記16)
付記15記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めアセンブリの直線並進に応じ上記フレームが上記支持アームに対し動くオーラルリトラクション装置。
(付記17)
付記15記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持アーム及び上記フレームが本オーラルリトラクション装置の両端にて支持力をもたらすオーラルリトラクション装置。
(付記18)
付記15記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持アームが、更に、上記安定化力を供給すべく本オーラルリトラクション装置の一端で支持構造に取付可能に構成及び調製された取付部を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記19)
付記18記載のオーラルリトラクション装置であって、上記取付部が、上記支持構造の管状部を部分的に取り巻く等して当該支持構造に係合することにより、上記支持アームのポジションを安定化させ及び/又は保持するオーラルリトラクション装置。
(付記20)
付記18記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持構造が、安定な構造物に結合された支持ロッドを備えるオーラルリトラクション装置。
(付記21)
付記15記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持アームが、オペレータにより安定化可能に構成及び調製されたハンドルを備えるオーラルリトラクション装置。
(付記22)
付記21記載のオーラルリトラクション装置であって、オペレータが上記ハンドルを用い本オーラルリトラクション装置を患者の口にて安定化させるオーラルリトラクション装置。
(付記23)
付記15記載のオーラルリトラクション装置であって、上記フレームがある軸に沿った延長方向に沿い延びており、当該フレームがその軸に沿い上記支持アームに対し並進すると当該軸に沿い患者の口に開口力が加わるオーラルリトラクション装置。
(付記24)
付記1記載のオーラルリトラクション装置であって、更に、複数個のチークリトラクタ(cheek retractor)と、上記支持要素のフレームに結合された複数個の臼歯支持体(molar support)と、を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記25)
付記24記載のオーラルリトラクション装置であって、上記複数個のチークリトラクタのうち少なくとも1個のチークリトラクタが一種類又は複数種類の力を患者の頬に加えるオーラルリトラクション装置。
(付記26)
付記24記載のオーラルリトラクション装置であって、上記臼歯支持体のうち少なくとも1個が一種類又は複数種類の力を患者の歯に加えるオーラルリトラクション装置。
(付記27)
付記24記載のオーラルリトラクション装置であって、上記フレームが、上記チークリトラクタそれぞれに対応する頬位置決めスロットと、上記臼歯支持体それぞれに対応する臼歯調整スロットと、を有するオーラルリトラクション装置。
(付記28)
付記27記載のオーラルリトラクション装置であって、上記頬位置決めスロットが、上記フレームのうち第1軸沿いに延びる部分に沿い上記チークリトラクタを位置決め可能に構成及び調製されており、上記臼歯調整スロットが、当該フレームのうち当該第1軸に対し垂直な第2軸沿いに延びる部分に沿い上記臼歯支持体を位置決め可能に構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記29)
付記28記載のオーラルリトラクション装置であって、上記フレームから見て本オーラルリトラクション装置の逆端にある支持アームが上記第1軸沿いに並進すると当該第1軸に沿い患者の口が押し広げられるよう、上記臼歯支持体が当該フレーム向けに抵抗力を供給し、且つ、上記第2軸に沿い患者の口が押し広げられるよう上記チークリトラクタが抵抗力を供給するオーラルリトラクション装置。
(付記30)
付記24記載のオーラルリトラクション装置であって、上記臼歯支持体及び上記チークリトラクタのうち少なくとも1個が上記フレームに可除結合されているオーラルリトラクション装置。
(付記31)
付記24記載のオーラルリトラクション装置であって、患者の臼歯の所在を容れるべく上記フレーム上における上記臼歯支持体の位置を調整可能なオーラルリトラクション装置。
(付記32)
付記24記載のオーラルリトラクション装置であって、上記フレームが臼歯調整アーチを有し、上記臼歯調整スロットがその臼歯調整アーチにあり、当該臼歯調整アーチが、患者の臼歯その他の歯又は患者の上顎に備わる部分に対し上記臼歯支持体を整列可能に構成されているオーラルリトラクション装置。
(付記33)
付記1記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アーティキュレーションアセンブリが、上記支持要素の支持アームに対し直線方向に沿い当該支持要素のフレームをアーティキュレートさせる直線位置決めアセンブリを備えるオーラルリトラクション装置。
(付記34)
付記33記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めアセンブリの動きを通じもたらされる上記フレームのオペレータ由来並進により、当該フレームに結合されている臼歯支持体と上記舌押さえ篦との間の距離が変化するオーラルリトラクション装置。
(付記35)
付記33記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めアセンブリが、一方向又は複数方向に沿い並進を制限可能に、且つ当該直線位置決めアセンブリを一連の直線位置に保持可能に、構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記36)
付記33記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めアセンブリが、上記フレームが結合された端を有するベースと、当該直線位置決めアセンブリの第1軸沿い並進を制御するラチェットアセンブリと、を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記37)
付記36記載のオーラルリトラクション装置であって、上記ラチェットアセンブリが、ラチェットロック部を有するレバーを備え、本オーラルリトラクション装置が更にスプリングアセンブリを備え、当該ラチェットアセンブリが当該スプリングアセンブリにより付勢されるオーラルリトラクション装置。
(付記38)
付記37記載のオーラルリトラクション装置であって、上記レバー及び上記ロック部が、上記自由度のうち一つを有効化可能且つ上記ラチェットアセンブリの制御下に上記直線位置決めアセンブリの直線方向沿い並進を許容可能に構成及び調製されており、且つ、当該レバー及び当該ロック部の作動により、上記第1軸沿いの少なくとも一方向に沿った当該直線位置決めアセンブリの動きが妨げられて上記自由度のうち上記一つが阻害されるオーラルリトラクション装置。
(付記39)
付記37記載のオーラルリトラクション装置であって、上記レバーの基端に力が加わると上記ロック部が分離され上記直線位置決めアセンブリが上記第1軸に沿い運動自在となるオーラルリトラクション装置。
(付記40)
付記37記載のオーラルリトラクション装置であって、上記ラチェットアセンブリが、患者の臼歯に加わっている力が上記レバーに力が加わるのに応じ迅速解放され、患者の口からの本オーラルリトラクション装置の迅速除去等がそれにより可能となるよう、構成されているオーラルリトラクション装置。
(付記41)
付記37記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持アームが一組の歯を備え、上記直線位置決めアセンブリが、それらの歯と可作動的に係合するギアを有し、第1ポジションたる係合ポジションでは上記ラチェットロック部がそれらの歯と係合し、第2ポジションたる分離ポジションでは当該ラチェットロック部がそれらの歯から分離されて上記並進アセンブリが運動自在となるオーラルリトラクション装置。
(付記42)
付記41記載のオーラルリトラクション装置であって、直線位置決めノブの回動がその軸を中心とした上記ギアの回動、ひいては上記支持要素に対する上記直線位置決めアセンブリの直線並進に変換されるよう、上記ギアが直線位置決めノブに取り付けられているオーラルリトラクション装置。
(付記43)
付記1記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アーティキュレーションアセンブリが、上記舌押さえ篦を回動的にアーティキュレート可能に構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記44)
付記1記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アーティキュレーションアセンブリが、複数軸ギアアセンブリと、上記少なくとも三自由度に亘り上記舌抑え篦をアーティキュレートさせる複数個のノブと、を有するオーラルリトラクション装置。
(付記45)
付記44記載のオーラルリトラクション装置であって、上記ノブが、回動位置決めノブ、高さ位置決めノブ及び角度位置決めノブのうち少なくとも1個を含むオーラルリトラクション装置。
(付記46)
付記45記載のオーラルリトラクション装置であって、上記角度位置決めノブの回動により、上記舌抑え篦の曲線方向沿いアーティキュレートであって第1軸を巡る一自由度を伴うものが御されるオーラルリトラクション装置。
(付記47)
付記46記載のオーラルリトラクション装置であって、上記高さ位置決めノブの回動により、上記舌抑え篦の直線方向沿いアーティキュレートであって上記第1軸に対し垂直な第2軸に対する一自由度を伴うものが、当該舌抑え篦の挿入長を調整すべく御されるオーラルリトラクション装置。
(付記48)
付記47記載のオーラルリトラクション装置であって、上記回動位置決めノブの回動により、上記舌抑え篦の曲線方向沿いアーティキュレートであって上記第1軸及び第2軸に対し垂直な第3軸を巡る一自由度を伴うものが御されるオーラルリトラクション装置。
(付記49)
付記45記載のオーラルリトラクション装置であって、上記回動位置決めノブ、上記高さ位置決めノブ及び上記角度位置決めノブのうち1個又は複数個の組合せの連携により、患者の口部へのアクセスを可能化するオーラルリトラクション装置。
(付記50)
付記45記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めノブの回動、ひいては上記直線位置決めアセンブリと連携するフレームがそれにより並進することを通じ、付加的な自由度を提供可能なオーラルリトラクション装置。
(付記51)
付記45記載のオーラルリトラクション装置であって、上記患者の歯に加わる力を直線位置決めノブを回動させることで調整すると、上記直線位置決めアセンブリに連携するフレームとの間の距離が上記舌押さえ篦を基準として変化し、それにより口を通じた開口が調整されるオーラルリトラクション装置。
(付記52)
付記51記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めノブ及びラチェットアセンブリレバーのうち少なくとも1個に力を加えることで、上記フレームの片手調整を実行可能なオーラルリトラクション装置。
(付記53)
付記44記載のオーラルリトラクション装置であって、更に、上記複数個のノブのうち少なくとも1個を中心に配置可能な器具を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記54)
付記53記載のオーラルリトラクション装置であって、上記複数個のノブのうち係合している上記少なくとも1個を回動させるに当たりオペレータの手の指1本又は複数本で把持可能に、上記器具が構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記55)
付記53記載のオーラルリトラクション装置であって、上記複数個のノブのうち係合している上記少なくとも1個を回動させるためのモータに結合可能に、上記器具が構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記56)
付記44記載のオーラルリトラクション装置であって、上記ノブのうち少なくとも1個を回すことで上記舌押さえ篦の片手調整が実行されるオーラルリトラクション装置。
(付記57)
付記1記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アーティキュレーションアセンブリが第1部分及びその第1部分と連携する第2部分を備え、当該第1部分が上記支持要素の支持アームに対しアーティキュレートするオーラルリトラクション装置。
(付記58)
付記57記載のオーラルリトラクション装置であって、更に、上記支持アームから延びるアクスルを備え、当該アクスルを中心に回動させるため当該アクスルを中心にして上記第1部分が位置決めされるオーラルリトラクション装置。
(付記59)
付記58記載のオーラルリトラクション装置であって、回動位置決めノブの回動により、上記アクスルを中心にした上記第1部分のアーティキュレートが御されるオーラルリトラクション装置。
(付記60)
付記57記載のオーラルリトラクション装置であって、上記第1部分に対し回動しうるよう上記アーティキュレーションアセンブリの上記第2部分が構成されているオーラルリトラクション装置。
(付記61)
付記57記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アクスルを中心に上記第2部分が回動しているときにストップロックとして振る舞いうるよう角度位置決めノブが構成されているオーラルリトラクション装置。
(付記62)
付記57記載のオーラルリトラクション装置であって、上記第2部分が、チャネル内で上記舌抑え篦と接触可能且つそのチャネル内にその舌抑え篦を可摺動的に受容可能に構成された1本又は複数本のアームを備えるオーラルリトラクション装置。
(付記63)
付記62記載のオーラルリトラクション装置であって、上記舌押さえ篦が一組のギア状歯を備え、それらギア状歯が、軸沿いに延びるアクスルに結合された複数軸ギアアセンブリのギアと摩擦係合可能に構成されているオーラルリトラクション装置。
(付記64)
付記63記載のオーラルリトラクション装置であって、上記ギアが高さ位置決めノブに結合されており、当該高さ位置決めノブの回動に応じ当該ギアがそのアクスルを中心にして回動し、回動している当該ギアが上記ギア状歯と係合する結果、ある直線経路に沿い上記チャネル内で上記舌押さえ篦が動き、それにより、上記アーティキュレーションアセンブリの上記アームに対する当該舌押さえ篦の縦位置が調整されるオーラルリトラクション装置。
(付記65)
付記64記載のオーラルリトラクション装置であって、上記高さ位置決めノブにより上記舌押さえ篦を縦方向に並進させるオーラルリトラクション装置。
(付記66)
付記64記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アーティキュレーションアセンブリがロックアセンブリを備え、ロックポジションにて舌押さえ篦の横位置をロック可能に且つアンロックポジションにて舌押さえ篦の深さ位置の調整を許容可能にそのロックアセンブリが構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記67)
付記66記載のオーラルリトラクション装置であって、上記ロックアセンブリがレバーを備え、そのレバーがクイックリリース機構、例えばオペレータの指1本又は片手で解放される機構として構成されているオーラルリトラクション装置。
(付記68)
付記1記載の手術具を用い医療手順を実行する方法。
(付記69)
舌押さえ篦と、
上記舌押さえ篦を回動的にアーティキュレート可能に構成及び調製されたアーティキュレーションアセンブリと、
上記舌押さえ篦のアーティキュレート中に上記アーティキュレーションアセンブリに対し安定化力を供給可能に構成及び調製された支持要素と、
を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記70)
付記69記載のオーラルリトラクション装置であり、患者の口部内に配置されるオーラルリトラクション装置であって、当該口部を介し患者の内部領域へのアクセスを提供可能に構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記71)
付記69記載のオーラルリトラクション装置であって、その構成要素のうち1個又は複数個のアーティキュレート又は幾何学的変形が片手操作に従い実行されるオーラルリトラクション装置。
(付記72)
付記69記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持要素が、直線位置決めアセンブリに結合された支持アームを備え、その直線位置決めアセンブリが、当該支持要素を直線方向にアーティキュレートさせるオーラルリトラクション装置。
(付記73)
付記69記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持要素が、直線位置決めアセンブリに結合されたフレームを備え、その直線位置決めアセンブリが、当該支持要素を直線方向にアーティキュレートさせるオーラルリトラクション装置。
(付記74)
付記69記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持要素が、直線位置決めアセンブリの一部分に可摺動結合された第1支持要素と、その直線位置決めアセンブリの他部分に固定結合された第2支持要素と、を備え、当該第1支持要素が支持アームを備え、当該第2支持要素がフレームを備え、当該直線位置決めアセンブリが当該支持要素を直線方向にアーティキュレートさせるオーラルリトラクション装置。
(付記75)
付記69記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持要素が、更に、上記安定化力を供給すべく本オーラルリトラクション装置の一端で支持構造に取付可能に構成及び調製された取付部を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記76)
付記69記載のオーラルリトラクション装置であって、更に、複数個のチークリトラクタと、上記支持要素のフレームに結合された複数個の臼歯支持体と、を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記77)
付記76記載のオーラルリトラクション装置であって、上記フレームが、上記チークリトラクタそれぞれに対応する頬位置決めスロットと、上記臼歯支持体それぞれに対応する臼歯調整スロットと、を有するオーラルリトラクション装置。
(付記78)
付記77記載のオーラルリトラクション装置であって、上記頬位置決めスロットが、上記フレームのうち第1軸沿いに延びる部分に沿い上記チークリトラクタを位置決め可能に構成及び調製されており、上記臼歯調整スロットが、当該フレームのうち当該第1軸に対し垂直な第2軸沿いに延びる部分に沿い上記臼歯支持体を位置決め可能に構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記79)
付記77記載のオーラルリトラクション装置であって、上記フレームから見て本オーラルリトラクション装置の逆端にある支持アームが上記第1軸沿いに並進すると当該第1軸に沿い患者の口が押し広げられるよう、上記臼歯支持体が当該フレーム向けに抵抗力を供給し、且つ、上記第2軸に沿い患者の口が押し広げられるよう上記チークリトラクタが抵抗力を供給するオーラルリトラクション装置。
(付記80)
付記76記載のオーラルリトラクション装置であって、上記臼歯支持体及び上記チークリトラクタのうち少なくとも1個が上記フレームに可除結合されているオーラルリトラクション装置。
(付記81)
付記76記載のオーラルリトラクション装置であって、患者の臼歯の所在を容れるべく上記フレーム上における上記臼歯支持体の位置を調整可能なオーラルリトラクション装置。
(付記82)
付記69記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アーティキュレーションアセンブリが、上記支持要素の支持アームに対し直線方向に沿い当該支持要素のフレームをアーティキュレートさせる直線位置決めアセンブリを備えるオーラルリトラクション装置。
(付記83)
付記82記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めアセンブリの動きを通じもたらされる上記フレームのオペレータ由来並進により、当該フレームに結合されている臼歯支持体と上記舌押さえ篦との間の距離が変化するオーラルリトラクション装置。
(付記84)
付記82記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めアセンブリが、一方向又は複数方向に沿い並進を制限可能に且つ当該直線位置決めアセンブリを一連の直線位置に保持可能に、構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記85)
付記82記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めアセンブリが、上記フレームが結合された端を有するベースと、当該直線位置決めアセンブリの第1軸沿い並進を制御するラチェットアセンブリと、を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記86)
付記85記載のオーラルリトラクション装置であって、上記ラチェットアセンブリが、ラチェットロック部を有するレバーを備え、本オーラルリトラクション装置が更にスプリングアセンブリを備え、当該ラチェットアセンブリが当該スプリングアセンブリにより付勢されるオーラルリトラクション装置。
(付記87)
付記86記載のオーラルリトラクション装置であって、上記レバー及び上記ロック部が、上記自由度のうち一つを有効化可能且つ上記ラチェットアセンブリの制御下に上記直線位置決めアセンブリの直線方向沿い並進を許容可能に構成及び調製されており、且つ、当該レバー及び当該ロック部の作動により、上記第1軸沿いの少なくとも一方向に沿った当該直線位置決めアセンブリの動きが妨げられて上記自由度のうち上記一つが阻害されるオーラルリトラクション装置。
(付記88)
付記82記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持アームが一組の歯を備え、上記直線位置決めアセンブリが、それらの歯と可作動的に係合するギアを有し、第1ポジションたる係合ポジションでは上記ラチェットロック部がそれらの歯と係合し、第2ポジションたる分離ポジションでは当該ラチェットロック部がそれらの歯から分離されて上記並進アセンブリが運動自在となるオーラルリトラクション装置。
(付記89)
付記69記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アーティキュレーションアセンブリが、上記舌押さえ篦を回動的にアーティキュレート可能に構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記90)
付記69記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アーティキュレーションアセンブリが、複数軸ギアアセンブリと、上記少なくとも三自由度に亘り上記舌抑え篦をアーティキュレートさせる複数個のノブと、を有するオーラルリトラクション装置。
(付記91)
付記90記載のオーラルリトラクション装置であって、上記ノブが、回動位置決めノブ、高さ位置決めノブ及び角度位置決めノブのうち少なくとも1個を含むオーラルリトラクション装置。
(付記92)
付記91記載のオーラルリトラクション装置であって、上記角度位置決めノブの回動により、上記舌抑え篦の曲線方向沿いアーティキュレートであって第1軸を巡る一自由度を伴うものが御されるオーラルリトラクション装置。
(付記93)
付記92記載のオーラルリトラクション装置であって、上記高さ位置決めノブの回動により、上記舌抑え篦の直線方向沿いアーティキュレートであって上記第1軸に対し垂直な第2軸に対する一自由度を伴うものが、当該舌抑え篦の挿入長を調整すべく御されるオーラルリトラクション装置。
(付記94)
付記93記載のオーラルリトラクション装置であって、上記回動位置決めノブの回動により、上記舌抑え篦の曲線方向沿いアーティキュレートであって上記第1軸及び第2軸に対し垂直な第3軸を巡る一自由度を伴うものが御されるオーラルリトラクション装置。
(付記95)
付記91記載のオーラルリトラクション装置であって、上記回動位置決めノブ、上記高さ位置決めノブ及び上記角度位置決めノブのうち1個又は複数個の組合せの連携により、患者の口部へのアクセスを可能化するオーラルリトラクション装置。
(付記96)
付記91記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めノブの回動、ひいては上記直線位置決めアセンブリと連携するフレームがそれにより並進することを通じ、付加的な自由度を提供するオーラルリトラクション装置。
(付記97)
付記91記載のオーラルリトラクション装置であって、上記患者の歯に加わる力を直線位置決めノブを回動させることで調整すると、上記直線位置決めアセンブリに連携するフレームとの間の距離が上記舌押さえ篦を基準として変化し、それにより口を通じた開口が調整されるオーラルリトラクション装置。
(付記98)
付記97記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めノブ及びラチェットアセンブリレバーのうち少なくとも1個に力を加えることで、上記フレームの片手調整を実行可能なオーラルリトラクション装置。
(付記99)
付記69記載のオーラルリトラクション装置を用い医療手順を実行する方法。
(付記100)
対人インタフェースデバイス(HID)と、
コントローラと、
ロボット的に操作可能なオーラルリトラクタと、
を備え、上記リトラクタがアーティキュレーションアセンブリを有し、舌押さえ篦を少なくとも三自由度に亘りアーティキュレートさせること及び当該舌押さえ篦を回動的にアーティキュレートさせることのうち少なくとも一方を実行可能に、そのアーティキュレーションアセンブリが構成及び調製されているシステム。
(付記101)
付記100記載のシステムであって、上記コントローラが、上記オーラルリトラクタに可作動的に取り付けられた1本又は複数本のワイヤその他の電力及び/又は信号搬送路を含むワイヤ束を備えるシステム。
(付記102)
付記100記載のシステムであって、上記HIDが、電力及び/又は情報を介し上記コントローラがオーラルリトラクタの一部分又は複数部分を制御するためのコマンドを上記ワイヤ束経由でオペレータが送れるようにするユーザインタフェースを備えるシステム。
(付記103)
付記100記載のシステムであって、上記リトラクタを調整その他制御するため、例えば当該リトラクタに備わる1個又は複数個の制御要素を作動させるため、オペレータが上記HIDとやりとりするシステム。
(付記104)
付記103記載のシステムであって、上記制御要素が、上記オーラルリトラクタに備わる直線位置決めモータ、回動位置決めモータ、高さ位置決めモータ及び角度位置決めモータのうち少なくとも1個を含むシステム。
(付記105)
付記100記載のシステムを用い医療手順を実行する方法。
(付記106)
舌押さえ篦と、
上記舌押さえ篦を少なくとも三自由度に亘りアーティキュレート可能に構成及び調製されたアーティキュレーションアセンブリと、
上記舌押さえ篦のアーティキュレート中に上記アーティキュレーションアセンブリに対し安定化力を供給可能に構成及び調製された支持要素と、
を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記107)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であり、患者の口部内に配置されるオーラルリトラクション装置であって、当該口部を介し患者の内部領域へのアクセスを提供可能に構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記108)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記内部領域が鼻腔、喉、中咽頭、食道、声帯及び胃のうち少なくとも1個を含み、及び/又は、患者の鼻腔、喉、中咽頭、食道、声帯又は胃に近い身体領域への直接又は間接的なアクセスを提供するオーラルリトラクション装置。
(付記109)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、アーティキュレーティングロボットプローブを少なくとも患者の口部へと導入するのに用いられるオーラルリトラクション装置。
(付記110)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、安定化状態であるとき、患者の口部に力を加えて当該口部の幾何形状を制御するオーラルリトラクション装置。
(付記111)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記口部にある唇、舌、歯及び頬のうち少なくとも1個に力を加えるオーラルリトラクション装置。
(付記112)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、医療手順の前又は最中における患者の頭部の再位置決めが最小限化され又は回避されるよう、上記口部に力を加えるオーラルリトラクション装置。
(付記113)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、その構成要素のうち1個又は複数個のアーティキュレート又は幾何学的変形が片手操作に従い実行されるオーラルリトラクション装置。
(付記114)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であり、患者の口中に配置されるオーラルリトラクション装置であって、1回又は複数回の医療手順中における患者の内部部位へのアクセスを提供すべく上記舌押さえ篦で患者の舌に力を加えるオーラルリトラクション装置。
(付記115)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記舌押さえ篦が上記アーティキュレーションアセンブリに可除結合されているオーラルリトラクション装置。
(付記116)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、本オーラルリトラクション装置が患者の口中に配置されている間に、上記舌押さえ篦を上記アーティキュレーションアセンブリから除去可能なオーラルリトラクション装置。
(付記117)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記舌押さえ篦を片手操作に従い除去可能なオーラルリトラクション装置。
(付記118)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持要素が、直線位置決めアセンブリに結合された支持アームを備え、その直線位置決めアセンブリが、当該支持要素を直線方向にアーティキュレートさせるオーラルリトラクション装置。
(付記119)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持要素が、直線位置決めアセンブリに結合されたフレームを備え、その直線位置決めアセンブリが、当該支持要素を直線方向にアーティキュレートさせるオーラルリトラクション装置。
(付記120)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持要素が、直線位置決めアセンブリの一部分に可摺動結合された第1支持要素と、その直線位置決めアセンブリの他部分に固定結合された第2支持要素と、を備え、当該第1支持要素が支持アームを備え、当該第2支持要素がフレームを備え、当該直線位置決めアセンブリが当該支持要素を直線方向にアーティキュレートさせるオーラルリトラクション装置。
(付記121)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めアセンブリの直線並進に応じ上記フレームが上記支持アームに対し動くオーラルリトラクション装置。
(付記122)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持アーム及び上記フレームが本オーラルリトラクション装置の両端にて支持力をもたらすオーラルリトラクション装置。
(付記123)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持アームが、更に、上記安定化力を供給すべく本オーラルリトラクション装置の一端で支持構造に取付可能に構成及び調製された取付部を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記124)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記取付部が、上記支持構造の管状部を部分的に取り巻く等して当該支持構造に係合することにより、上記支持アームのポジションを安定化させ及び/又は保持するオーラルリトラクション装置。
(付記125)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持構造が、安定な構造物に結合された支持ロッドを備えるオーラルリトラクション装置。
(付記126)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持アームが、オペレータにより安定化可能に構成及び調製されたハンドルを備えるオーラルリトラクション装置。
(付記127)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、オペレータが上記ハンドルを用い本オーラルリトラクション装置を患者の口にて安定化させるオーラルリトラクション装置。
(付記128)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記フレームがある軸に沿った延長方向に沿い延びており、当該フレームがその軸に沿い上記支持アームに対し並進すると当該軸に沿い患者の口に開口力が加わるオーラルリトラクション装置。
(付記129)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、更に、複数個のチークリトラクタと、上記支持要素のフレームに結合された複数個の臼歯支持体と、を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記130)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記複数個のチークリトラクタのうち少なくとも1個のチークリトラクタが一種類又は複数種類の力を患者の頬に加えるオーラルリトラクション装置。
(付記131)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記臼歯支持体のうち少なくとも1個が一種類又は複数種類の力を患者の歯に加えるオーラルリトラクション装置。
(付記132)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記フレームが、上記チークリトラクタそれぞれに対応する頬位置決めスロットと、上記臼歯支持体それぞれに対応する臼歯調整スロットと、を有するオーラルリトラクション装置。
(付記133)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記頬位置決めスロットが、上記フレームのうち第1軸沿いに延びる部分に沿い上記チークリトラクタを位置決め可能に構成及び調製されており、上記臼歯調整スロットが、当該フレームのうち当該第1軸に対し垂直な第2軸沿いに延びる部分に沿い上記臼歯支持体を位置決め可能に構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記134)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記フレームから見て本オーラルリトラクション装置の逆端にある支持アームが上記第1軸沿いに並進すると当該第1軸に沿い患者の口が押し広げられるよう、上記臼歯支持体が当該フレーム向けに抵抗力を供給し、且つ、上記第2軸に沿い患者の口が押し広げられるよう上記チークリトラクタが抵抗力を供給するオーラルリトラクション装置。
(付記135)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記臼歯支持体及び上記チークリトラクタのうち少なくとも1個が上記フレームに可除結合されているオーラルリトラクション装置。
(付記136)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、患者の臼歯の所在を容れるべく上記フレーム上における上記臼歯支持体の位置を調整可能なオーラルリトラクション装置。
(付記137)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記フレームが臼歯調整アーチを有し、上記臼歯調整スロットがその臼歯調整アーチにあり、当該臼歯調整アーチが、患者の臼歯その他の歯又は患者の上顎に備わる部分に対し上記臼歯支持体を整列可能に構成されているオーラルリトラクション装置。
(付記138)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アーティキュレーションアセンブリが、上記支持要素の支持アームに対し直線方向に沿い当該支持要素のフレームをアーティキュレートさせる直線位置決めアセンブリを備えるオーラルリトラクション装置。
(付記139)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めアセンブリの動きを通じもたらされる上記フレームのオペレータ由来並進により、当該フレームに結合されている臼歯支持体と上記舌押さえ篦との間の距離が変化するオーラルリトラクション装置。
(付記140)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めアセンブリが、一方向又は複数方向に沿い並進を制限可能に、且つ当該直線位置決めアセンブリを一連の直線位置に保持可能に、構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記141)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めアセンブリが、上記フレームが結合された端を有するベースと、当該直線位置決めアセンブリの第1軸沿い並進を制御するラチェットアセンブリと、を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記142)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記ラチェットアセンブリが、ラチェットロック部を有するレバーを備え、本オーラルリトラクション装置が更にスプリングアセンブリを備え、当該ラチェットアセンブリが当該スプリングアセンブリにより付勢されるオーラルリトラクション装置。
(付記143)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記レバー及び上記ロック部が、上記自由度のうち一つを有効化可能且つ上記ラチェットアセンブリの制御下に上記直線位置決めアセンブリの直線方向沿い並進を許容可能に構成及び調製されており、且つ、当該レバー及び当該ロック部の作動により、上記第1軸沿いの少なくとも一方向に沿った当該直線位置決めアセンブリの動きが妨げられて上記自由度のうち上記一つが阻害されるオーラルリトラクション装置。
(付記144)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記レバーの基端に力が加わると上記ロック部が分離されて、上記直線位置決めアセンブリが上記第1軸に沿い運動自在となるオーラルリトラクション装置。
(付記145)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記ラチェットアセンブリが、患者の臼歯に加わっている力が上記レバーに力が加わるのに応じ迅速解放され、患者の口からの本オーラルリトラクション装置の迅速除去等がそれにより可能となるよう、構成されているオーラルリトラクション装置。
(付記146)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持アームが一組の歯を備え、上記直線位置決めアセンブリが、それらの歯と可作動的に係合するギアを有し、第1ポジションたる係合ポジションでは上記ラチェットロック部がそれらの歯と係合し、第2ポジションたる分離ポジションでは当該ラチェットロック部がそれらの歯から分離されて上記並進アセンブリが運動自在となるオーラルリトラクション装置。
(付記147)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、直線位置決めノブの回動がその軸を中心とした上記ギアの回動、ひいては上記支持要素に対する上記直線位置決めアセンブリの直線並進に変換されるよう、上記ギアが直線位置決めノブに取り付けられているオーラルリトラクション装置。
(付記148)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アーティキュレーションアセンブリが、上記舌押さえ篦を回動的にアーティキュレート可能に構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記149)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アーティキュレーションアセンブリが、複数軸ギアアセンブリと、上記少なくとも三自由度に亘り上記舌抑え篦をアーティキュレートさせる複数個のノブと、を有するオーラルリトラクション装置。
(付記150)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記ノブが、回動位置決めノブ、高さ位置決めノブ及び角度位置決めノブのうち少なくとも1個を含むオーラルリトラクション装置。
(付記151)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記角度位置決めノブの回動により、上記舌抑え篦の曲線方向沿いアーティキュレートであって第1軸を巡る一自由度を伴うものが御されるオーラルリトラクション装置。
(付記152)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記高さ位置決めノブの回動により、上記舌抑え篦の直線方向沿いアーティキュレートであって上記第1軸に対し垂直な第2軸に対する一自由度を伴うものが、当該舌抑え篦の挿入長を調整すべく御されるオーラルリトラクション装置。
(付記153)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記回動位置決めノブの回動により、上記舌抑え篦の曲線方向沿いアーティキュレートであって上記第1軸及び第2軸に対し垂直な第3軸を巡る一自由度を伴うものが御されるオーラルリトラクション装置。
(付記154)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記回動位置決めノブ、上記高さ位置決めノブ及び上記角度位置決めノブのうち1個又は複数個の組合せの連携により、患者の口部へのアクセスを可能化するオーラルリトラクション装置。
(付記155)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めノブの回動、ひいては上記直線位置決めアセンブリと連携するフレームがそれにより並進することを通じ、付加的な自由度を提供可能なオーラルリトラクション装置。
(付記156)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記患者の歯に加わる力を直線位置決めノブを回動させることで調整すると、上記直線位置決めアセンブリに連携するフレームとの間の距離が上記舌押さえ篦を基準として変化し、それにより口を通じた開口が調整されるオーラルリトラクション装置。
(付記157)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めノブ及びラチェットアセンブリレバーのうち少なくとも1個に力を加えることで、上記フレームの片手調整を実行可能なオーラルリトラクション装置。
(付記158)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、更に、上記複数個のノブのうち少なくとも1個を中心に配置可能な器具を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記159)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記複数個のノブのうち係合している上記少なくとも1個を回動させるに当たりオペレータの手の指1本又は複数本で把持可能に、上記器具が構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記160)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記複数個のノブのうち係合している上記少なくとも1個を回動させるためのモータに結合可能に、上記器具が構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記161)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記ノブのうち少なくとも1個を回すことで上記舌押さえ篦の片手調整が実行されるオーラルリトラクション装置。
(付記162)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アーティキュレーションアセンブリが第1部分及びその第1部分と連携する第2部分を備え、当該第1部分が上記支持要素の支持アームに対しアーティキュレートするオーラルリトラクション装置。
(付記163)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、更に、上記支持アームから延びるアクスルを備え、当該アクスルを中心に回動させるため当該アクスルを中心にして上記第1部分が位置決めされるオーラルリトラクション装置。
(付記164)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、回動位置決めノブの回動により、上記アクスルを中心にした上記第1部分のアーティキュレートが御されるオーラルリトラクション装置。
(付記165)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記第1部分に対し回動しうるよう上記アーティキュレーションアセンブリの上記第2部分が構成されているオーラルリトラクション装置。
(付記166)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アクスルを中心に上記第2部分が回動しているときにストップロックとして振る舞いうるよう角度位置決めノブが構成されているオーラルリトラクション装置。
(付記167)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記第2部分が、チャネル内で上記舌抑え篦と接触可能且つそのチャネル内にその舌抑え篦を可摺動的に受容可能に構成された1本又は複数本のアームを備えるオーラルリトラクション装置。
(付記168)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記舌押さえ篦が一組のギア状歯を備え、軸沿いに延びるアクスルに結合された複数軸ギアアセンブリのギアと摩擦係合するようそれらギア状歯が構成されているオーラルリトラクション装置。
(付記169)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記ギアが高さ位置決めノブに結合されており、当該高さ位置決めノブの回動に応じ当該ギアがそのアクスルを中心にして回動し、回動している当該ギアが上記ギア状歯と係合する結果、ある直線経路に沿い上記チャネル内で上記舌押さえ篦が動き、それにより、上記アーティキュレーションアセンブリの上記アームに対する当該舌押さえ篦の縦位置が調整されるオーラルリトラクション装置。
(付記170)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記高さ位置決めノブにより上記舌押さえ篦を縦方向に並進させるオーラルリトラクション装置。
(付記171)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アーティキュレーションアセンブリがロックアセンブリを備え、ロックポジションにて舌押さえ篦の横位置をロック可能に且つアンロックポジションにて舌押さえ篦の深さ位置の調整を許容可能にそのロックアセンブリが構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記172)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記ロックアセンブリがレバーを備え、そのレバーがクイックリリース機構、例えばオペレータの指1本又は片手で解放される機構として構成されているオーラルリトラクション装置。
(付記173)
舌押さえ篦と、
上記舌押さえ篦を回動的にアーティキュレート可能に構成及び調製されたアーティキュレーションアセンブリと、
上記舌押さえ篦のアーティキュレート中に上記アーティキュレーションアセンブリに対し安定化力を供給可能に構成及び調製された支持要素と、
を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記174)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であり、患者の口部内に配置されるオーラルリトラクション装置であって、当該口部を介し患者の内部領域へのアクセスを提供可能に構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記175)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、その構成要素のうち1個又は複数個のアーティキュレート又は幾何学的変形が片手操作に従い実行されるオーラルリトラクション装置。
(付記176)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持要素が、直線位置決めアセンブリに結合された支持アームを備え、その直線位置決めアセンブリが、当該支持要素を直線方向にアーティキュレートさせるオーラルリトラクション装置。
(付記177)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持要素が、直線位置決めアセンブリに結合されたフレームを備え、その直線位置決めアセンブリが、当該支持要素を直線方向にアーティキュレートさせるオーラルリトラクション装置。
(付記178)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持要素が、直線位置決めアセンブリの一部分に可摺動結合された第1支持要素と、その直線位置決めアセンブリの他部分に固定結合された第2支持要素と、を備え、当該第1支持要素が支持アームを備え、当該第2支持要素がフレームを備え、当該直線位置決めアセンブリが当該支持要素を直線方向にアーティキュレートさせるオーラルリトラクション装置。
(付記179)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持要素が、更に、上記安定化力を供給すべく本オーラルリトラクション装置の一端を支持構造に取付可能に構成及び調製された取付部を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記180)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、更に、複数個のチークリトラクタと、上記支持要素のフレームに結合された複数個の臼歯支持体と、を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記181)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記フレームが、上記チークリトラクタそれぞれに対応する頬位置決めスロットと、上記臼歯支持体それぞれに対応する臼歯調整スロットと、を有するオーラルリトラクション装置。
(付記182)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記頬位置決めスロットが、上記フレームのうち第1軸沿いに延びる部分に沿い上記チークリトラクタを位置決め可能に構成及び調製されており、上記臼歯調整スロットが、当該フレームのうち当該第1軸に対し垂直な第2軸沿いに延びる部分に沿い上記臼歯支持体を位置決め可能に構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記183)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記フレームから見て本オーラルリトラクション装置の逆端にある支持アームが上記第1軸沿いに並進すると当該第1軸に沿い患者の口が押し広げられるよう、上記臼歯支持体が当該フレーム向けに抵抗力を供給し、且つ、上記第2軸に沿い患者の口が押し広げられるよう上記チークリトラクタが抵抗力を供給するオーラルリトラクション装置。
(付記184)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記臼歯支持体及び上記チークリトラクタのうち少なくとも1個が上記フレームに可除結合されているオーラルリトラクション装置。
(付記185)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、患者の臼歯の所在を容れるべく上記フレーム上における上記臼歯支持体の位置を調整可能なオーラルリトラクション装置。
(付記186)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アーティキュレーションアセンブリが、上記支持要素の支持アームに対し直線方向に沿い当該支持要素のフレームをアーティキュレートさせる直線位置決めアセンブリを備えるオーラルリトラクション装置。
(付記187)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めアセンブリの動きを通じもたらされる上記フレームのオペレータ由来並進により、当該フレームに結合されている臼歯支持体と上記舌押さえ篦との間の距離が変化するオーラルリトラクション装置。
(付記188)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めアセンブリが、一方向又は複数方向に沿い並進を制限可能に、且つ当該直線位置決めアセンブリを一連の直線位置に保持可能に、構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記189)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めアセンブリが、上記フレームが結合された端を有するベースと、当該直線位置決めアセンブリの第1軸沿い並進を制御するラチェットアセンブリと、を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記190)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記ラチェットアセンブリが、ラチェットロック部を有するレバーを備え、本オーラルリトラクション装置が更にスプリングアセンブリを備え、当該ラチェットアセンブリが当該スプリングアセンブリにより付勢されるオーラルリトラクション装置。
(付記191)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記レバー及び上記ロック部が、上記自由度のうち一つを有効化可能且つ上記ラチェットアセンブリの制御下に上記直線位置決めアセンブリが直線方向沿いに並進可能となるよう構成及び調製され、且つ、当該レバー及び当該ロック部の作動により、上記第1軸沿いの少なくとも一方向に沿った当該直線位置決めアセンブリの動きが妨げられて上記自由度のうち上記一つが阻害されるオーラルリトラクション装置。
(付記192)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記支持アームが一組の歯を備え、上記直線位置決めアセンブリが、それらの歯と可作動的に係合するギアを有し、第1ポジションたる係合ポジションでは上記ラチェットロック部がそれらの歯と係合し、第2ポジションたる分離ポジションでは当該ラチェットロック部がそれらの歯から分離されて上記並進アセンブリが運動自在となるオーラルリトラクション装置。
(付記193)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アーティキュレーションアセンブリが、上記舌押さえ篦を回動的にアーティキュレート可能に構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記194)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記アーティキュレーションアセンブリが、複数軸ギアアセンブリと、上記少なくとも三自由度に亘り上記舌抑え篦をアーティキュレートさせる複数個のノブと、を有するオーラルリトラクション装置。
(付記195)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記ノブが、回動位置決めノブ、高さ位置決めノブ及び角度位置決めノブのうち少なくとも1個を含むオーラルリトラクション装置。
(付記196)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記角度位置決めノブの回動により、上記舌抑え篦の曲線方向沿いアーティキュレートであって第1軸を巡る一自由度を伴うものが御されるオーラルリトラクション装置。
(付記197)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記高さ位置決めノブの回動により、上記舌抑え篦の直線方向沿いアーティキュレートであって上記第1軸に対し垂直な第2軸に対する一自由度を伴うものが、当該舌抑え篦の挿入長を調整すべく御されるオーラルリトラクション装置。
(付記198)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記回動位置決めノブの回動により、上記舌抑え篦の曲線方向沿いアーティキュレートであって上記第1軸及び第2軸に対し垂直な第3軸を巡る一自由度を伴うものが御されるオーラルリトラクション装置。
(付記199)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記回動位置決めノブ、上記高さ位置決めノブ及び上記角度位置決めノブのうち1個又は複数個の組合せの連携により、患者の口部へのアクセスを可能化するオーラルリトラクション装置。
(付記200)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めノブの回動、ひいては上記直線位置決めアセンブリと連携するフレームがそれにより並進することを通じ、付加的な自由度を提供するオーラルリトラクション装置。
(付記201)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記患者の歯に加わる力を直線位置決めノブを回動させることで調整すると、上記直線位置決めアセンブリに連携するフレームとの間の距離が上記舌押さえ篦を基準として変化し、それにより口を通じた開口が調整されるオーラルリトラクション装置。
(付記202)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、上記直線位置決めノブ及びラチェットアセンブリレバーのうち少なくとも1個に力を加えることで、上記フレームの片手調整を実行可能なオーラルリトラクション装置。
(付記203)
付記106記載のオーラルリトラクション装置を用い医療手順を実行する方法。
(付記204)
図面を参照して説明されているシステム。
(付記205)
図面を参照して説明されている医療手順実行方法。
(付記206)
舌押さえ篦と、
上記舌押さえ篦を少なくとも三自由度に亘りアーティキュレート可能に構成及び調製されたアーティキュレーションアセンブリと、
上記舌押さえ篦のアーティキュレート中に上記アーティキュレーションアセンブリに対し安定化力を供給可能に構成及び調製された支持要素と、
を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記207)
舌押さえ篦と、
上記舌押さえ篦を回動的にアーティキュレート可能に構成及び調製されたアーティキュレーションアセンブリと、
上記舌押さえ篦のアーティキュレート中に上記アーティキュレーションアセンブリに対し安定化力を供給可能に構成及び調製された支持要素と、
を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記208)
舌押さえ篦と、
上記舌押さえ篦を少なくとも三自由度に亘りアーティキュレート可能に構成及び調製されたアーティキュレーションアセンブリと、
上記舌押さえ篦のアーティキュレート中に上記アーティキュレーションアセンブリに対し安定化力を供給可能に構成及び調製された支持要素と、
を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記209)
舌押さえ篦と、
上記舌押さえ篦を回動的にアーティキュレート可能に構成及び調製されたアーティキュレーションアセンブリと、
上記舌押さえ篦のアーティキュレート中に上記アーティキュレーションアセンブリに対し安定化力を供給可能に構成及び調製された支持要素と、
を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記210)
医用装置用の器具支持体(tool support)であって、
支持装置の長尺部を取り巻く開口を有するカムと、
上記カムを取り巻く外殻(outer shell)と、
医用装置のシャフト部を受容する通路と、
を備え、上記支持装置長尺部に沿い上記通路を並進させること及び当該支持装置長尺部を中心に当該通路を回動させることのうち、少なくとも一方を実行可能に構成及び調製されている器具支持体。
(付記211)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記支持装置長尺部に沿った並進及び当該支持装置長尺部を中心とする回動の双方を実行可能に構成及び調製されている器具支持体。
(付記212)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記支持装置長尺部に事前取付されている器具支持体。
(付記213)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記支持装置長尺部に取り付けること及び当該支持装置長尺部から取り外すことのうち、少なくとも一方を実行可能に構成及び調製されている器具支持体。
(付記214)
付記213記載の器具支持体であって、上記支持装置長尺部に対し側方取付可能な器具支持体。
(付記215)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記カムが上記通路の少なくとも一部分を有する器具支持体。
(付記216)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記カムが、圧縮可能且つ当該カムを変形可能に構成されたスロットを有する器具支持体。
(付記217)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記カムが少なくとも1個の可圧縮部分を備える器具支持体。
(付記218)
付記217記載の器具支持体であって、上記可圧縮部分がエラストマ素材を含む器具支持体。
(付記219)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記カムが、上記医用装置シャフト部を上記通路に摩擦係合させるべく圧縮可能に構成及び調製されている器具支持体。
(付記220)
付記219記載の器具支持体であって、更に止めネジを備え、その止めネジの回動により上記カムが圧縮される器具支持体。
(付記221)
付記219記載の器具支持体であって、上記医用装置に備わる上記シャフト部の上記通路に対する上記摩擦係合により、当該通路内での当該医用装置の並進及び当該通路内での当該医用装置の回動のうち少なくとも一方が妨げられる器具支持体。
(付記222)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記カムが、上記支持装置長尺部を本器具支持体と摩擦係合させるべく圧縮可能に構成及び調製されている器具支持体。
(付記223)
付記222記載の器具支持体であって、更に止めネジを備え、その止めネジの回動により上記カムが圧縮される器具支持体。
(付記224)
付記222記載の器具支持体であって、更に止めネジを備え、その止めネジの回動により上記カムが圧縮される器具支持体。
(付記225)
付記222記載の器具支持体であって、上記支持装置長尺部の上記摩擦係合により、上記支持装置に沿った本器具支持体の並進及び当該支持装置を中心とした本器具支持体の回動のうち、少なくとも一方が妨げられる器具支持体。
(付記226)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記カム開口が非円形開口を構成する器具支持体。
(付記227)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記支持装置長尺部が、リトラクタ装置のフレームの一区画を構成する器具支持体。
(付記228)
付記227記載の器具支持体であって、上記リトラクタ装置が、記載済の付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置を有する器具支持体。
(付記229)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記外殻が上記通路の少なくとも一部分を有する器具支持体。
(付記230)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記外殻が、上記カムに対し回動可能に構成及び調製されている器具支持体。
(付記231)
付記230記載の器具支持体であって、上記外殻が、少なくとも360°に亘り回動可能に構成及び調製されている器具支持体。
(付記232)
付記230記載の器具支持体であって、上記外殻が、360°未満に亘り回動可能に構成及び調製されている器具支持体。
(付記233)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記外殻が、本器具支持体が上記支持装置に取り付けられるときに上記支持装置長尺部を側方受容可能に構成及び調製された開口を有する器具支持体。
(付記234)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記外殻が、使用中にその形状を相対的に保持可能に構成及び調製されている器具支持体。
(付記235)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記通路が、上記外殻内に位置するルーメンを有する器具支持体。
(付記236)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記通路が、上記カム内に位置するルーメンを有する器具支持体。
(付記237)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記通路が、上記外殻及び上記カムのうち少なくとも一方に取り付けられた中空管を有する器具支持体。
(付記238)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記通路が、その直径が約5mm以下のルーメンを有する器具支持体。
(付記239)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記通路が、その直径が約5mmに上る器具シャフトを受容可能に構成及び調製されている器具支持体。
(付記240)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記通路が第1通路及び第2通路を有する器具支持体。
(付記241)
付記240記載の器具支持体であって、上記第1通路が第1直径を有し、上記第2通路が当該第1直径と異なる第2直径を有する器具支持体。
(付記242)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記通路が、上記医用装置シャフト部の回動を防止可能に構成及び調製された非円形断面を有する器具支持体。
(付記243)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記医用装置が、第2の医用装置のシャフトを摺動受容可能に構成及び調製された器具案内体を備える器具支持体。
(付記244)
付記243記載の器具支持体であって、上記器具案内体が中空管を有する器具支持体。
(付記245)
付記243記載の器具支持体であって、上記器具案内体が、グラスパ、クロー、鋏、カッタ、ナイフ、アブレータ、焼灼器、給薬器、輻射源、レーザ輻射器、エネルギ送給素子例えばRF電極、センサ例えば圧力センサ又は血液センサ、カメラ、磁石、加熱素子、低温素子、リトラクタ、リトラクタブレード例えばチークリトラクタ及びそれらの組合せを元とする集合から選択された器具のシャフトを受容可能に構成及び調製されている器具支持体。
(付記246)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記医用装置が、グラスパ、クロー、鋏、カッタ、ナイフ、アブレータ、焼灼器、給薬器、輻射源、レーザ輻射器、エネルギ送給素子例えばRF電極、センサ例えば圧力センサ又は血液センサ、カメラ、磁石、加熱素子、低温素子、リトラクタ、リトラクタブレード例えばチークリトラクタ及びそれらの組合せを元とする集合から選択された医用装置を有する器具支持体。
(付記247)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、上記医用装置がチークリトラクタを有する器具支持体。
(付記248)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、更に止めネジを備える器具支持体。
(付記249)
付記248記載の器具支持体であって、上記止めネジが、その止めネジを締めると上記カムが上記支持装置長尺部に対しロックされるよう構成及び調製されている器具支持体。
(付記250)
付記249記載の器具支持体であって、上記止めネジを締めると、その止めネジの働きで上記カムに加わる力により、そのカムが上記支持装置長尺部に対し摩擦係合する器具支持体。
(付記251)
付記250記載の器具支持体であって、上記止めネジが、更に、その止めネジを締めると上記医用装置が上記通路に対しロックされるよう構成及び調製されている器具支持体。
(付記252)
付記251記載の器具支持体であって、上記止めネジを締めると、その止めネジの働きで上記カムに加わる力により、そのカムの一部分が上記通路内へと動いて上記医用装置シャフト部と摩擦係合する器具支持体。
(付記253)
付記248記載の器具支持体であって、上記止めネジが、その止めネジを締めると上記医用装置が上記通路に対しロックされるよう構成及び調製されている器具支持体。
(付記254)
付記253記載の器具支持体であって、上記止めネジを締めると、その止めネジの働きで上記カムに加わる力によりそのカムの一部分が上記通路内へと動いて上記医用装置シャフト部と摩擦係合する器具支持体。
(付記255)
付記248記載の器具支持体であって、上記止めネジが、その止めネジを締めると上記外殻に対する上記カムの回動が妨げられるよう構成されている器具支持体。
(付記256)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体であって、更に、2本の止めネジを備える器具支持体。
(付記257)
付記256記載の器具支持体であって、第1の止めネジが、当該第1の止めネジを締めると上記カムが上記支持装置長尺部に対しロックされるよう構成及び調製されており、第2の止めネジが、当該第2の止めネジを締めると上記医用装置が上記通路に対しロックされるよう構成及び調製されている器具支持体。
(付記258)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体を少なくとも1個備えるオーラルリトラクション装置。
(付記259)
付記258記載のオーラルリトラクション装置であって、鼻腔、喉、中咽頭、食道、声帯、胃及びそれらの組合せを元とする集合から選択された部位に対するアクセスを提供可能に構成及び調製されているオーラルリトラクション装置。
(付記260)
付記258記載のオーラルリトラクション装置であって、閉境界フレームを備えるオーラルリトラクション装置。
(付記261)
付記258記載のオーラルリトラクション装置であって、開境界フレームを備えるオーラルリトラクション装置。
(付記262)
付記258記載のオーラルリトラクション装置であって、更に、本オーラルリトラクション装置を安定化可能に構成及び調製された歯係合部材(tooth engaging member)を備えるオーラルリトラクション装置。
(付記263)
付記262記載のオーラルリトラクション装置であって、上記歯係合部材が、患者の歯及び歯茎のうち少なくとも1個と接触するよう構成されているオーラルリトラクション装置。
(付記264)
付記262記載のオーラルリトラクション装置であって、上記歯係合部材が堅固部分及び可撓部分を有するオーラルリトラクション装置。
(付記265)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体を少なくとも2個備えるオーラルリトラクション装置。
(付記266)
先行する付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクション装置であって、記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体を少なくとも3個備えるオーラルリトラクション装置。
(付記267)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載の器具支持体と、
支持装置長尺部に沿い上記器具支持体の上記通路を並進させる機能、
上記支持装置長尺部を中心にして上記器具支持体の上記通路を回動させる機能、
上記通路で上記医用装置シャフト部を並進させる機能、
上記支持装置に対する上記通路の向きをロックする機能、
上記通路内で上記医用装置シャフト部をロックする機能、
並びにその組合せ、
を元とする集合から選ばれた移動機能を実行するコントローラと、
を備えるオーラルリトラクションシステム。
(付記268)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクションシステムであって、更に少なくとも1個のモータを備え、上記コントローラが、上記移動機能を実行すべく当該少なくとも1個のモータを作動させうるよう構成されているオーラルリトラクションシステム。
(付記269)
付記268記載のオーラルリトラクションシステムであって、上記少なくとも1個のモータが上記器具支持体の上記外殻に固定されていて、上記カムに対し当該外殻を回動させうるよう当該少なくとも1個のモータが構成されているオーラルリトラクションシステム。
(付記270)
付記268記載のオーラルリトラクションシステムであって、上記少なくとも1個のモータが上記器具支持体の上記外殻に固定されていて、上記通路に対し上記医用装置シャフト部を並進させうるよう当該少なくとも1個のモータが構成されているオーラルリトラクションシステム。
(付記271)
付記268記載のオーラルリトラクションシステムであって、上記少なくとも1個のモータが上記器具支持体の上記カムに固定されていて、上記支持装置に対し当該器具支持体を並進させうるよう当該少なくとも1個のモータが構成されているオーラルリトラクションシステム。
(付記272)
記載済の付記のうちいずれか一項に記載のオーラルリトラクションシステムであって、更に少なくとも1個のリニアアクチュエータを備え、上記コントローラが、上記移動機能を実行すべく当該少なくとも1個のリニアアクチュエータを作動させうるよう構成されているオーラルリトラクションシステム。
(付記273)
付記272記載のオーラルリトラクションシステムであって、上記少なくとも1個のリニアアクチュエータがソレノイドを有するオーラルリトラクションシステム。
(付記274)
付記272記載のオーラルリトラクションシステムであって、上記少なくとも1個のリニアアクチュエータが上記外殻に固定されていて、上記カムに対する当該外殻の回動を妨げるように当該少なくとも1個のリニアアクチュエータが構成されているオーラルリトラクションシステム。
(付記275)
少なくとも1個の舌押さえ篦と、
上記少なくとも1個の舌押さえ篦の少なくとも一部分に沿い配置されており且つ少なくとも1個の開口を有する管と、
上記少なくとも1個の開口に通流する流体アタッチメントポートと、
を有する舌押さえアセンブリを備え、
上記舌押さえアセンブリが、上記少なくとも1個の開口を通じ流体を導入及び/又は排出させうるよう構成されているオーラルリトラクションシステム。
(付記276)
付記275記載のオーラルリトラクションシステムであって、上記管が、上記少なくとも1個の舌押さえ篦に取付可能に構成及び調製されているオーラルリトラクションシステム。
(付記277)
付記275記載のオーラルリトラクションシステムであって、上記少なくとも1個の舌押さえ篦が複数個の舌押さえ篦を含むオーラルリトラクションシステム。
(付記278)
付記275記載のオーラルリトラクションシステムであって、更に機能要素を備えるオーラルリトラクションシステム。
(付記279)
付記278記載のオーラルリトラクションシステムであって、上記機能要素が、上記少なくとも1個の舌押さえ篦、上記管、上記流体アタッチメントポート及びそれらの組合せを元とする集合から選択された部材上に配置されているオーラルリトラクションシステム。
(付記280)
付記278記載のオーラルリトラクションシステムであって、上記機能要素がセンサを備えるオーラルリトラクションシステム。
(付記281)
付記280記載のオーラルリトラクションシステムであって、上記センサが、圧力センサ、煙センサ、pHセンサ、血液ガスセンサ、血糖値センサ、呼吸センサ、EEGセンサ、温度センサ、電極及びそれらの組合せを元とする集合から選択されたセンサを以て構成されるオーラルリトラクションシステム。
(付記282)
付記278記載のオーラルリトラクションシステムであって、上記機能要素がトランスデューサを以て構成されるオーラルリトラクションシステム。
(付記283)
付記282記載のオーラルリトラクションシステムであって、上記トランスデューサが、光源、赤外光源、可視光源、輻射素子、超音波発生素子、電極、カメラ及びそれらの組合せを元とする集合から選択されたトランスデューサを以て構成されるオーラルリトラクションシステム。
(付記284)
医療手順中に患者の口を退縮(retract)させる方法であって、
舌押さえ篦をオーラルリトラクション用アーティキュレーションアセンブリに結合させるステップと、
上記舌押さえ篦を上記口中に挿入するステップと、
上記舌押さえ篦を上記オーラルリトラクション用アーティキュレーションアセンブリに対し直線方向に動かすステップと、
上記舌押さえ篦を望ましい直線位置でロックするステップと、
上記舌押さえ篦を上記オーラルリトラクション用アーティキュレーションアセンブリに対し角度方向に動かすステップと、
上記舌押さえ篦を望ましい角度位置でロックするステップと、
上記舌押さえ篦を上記口から取り除くステップと、
上記アーティキュレーションアセンブリをフレームに結合させるステップと、
上記フレームを上記口を中心にして位置決めするステップと、
上記舌押さえ篦を上記口中に再挿入するステップと、
上記舌押さえ篦を上記オーラルリトラクション用アーティキュレーションアセンブリに対し回動方向に動かすステップと、
を有する方法。