特許第6483146号(P6483146)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6483146アルツハイマー病治療用のBACE1阻害剤としての2−アミノ−3,5,5−トリフルオロ−3,4,5,6−テトラヒドロピリジン
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  • 特許6483146-アルツハイマー病治療用のBACE1阻害剤としての2−アミノ−3,5,5−トリフルオロ−3,4,5,6−テトラヒドロピリジン 図000083
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6483146
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】アルツハイマー病治療用のBACE1阻害剤としての2−アミノ−3,5,5−トリフルオロ−3,4,5,6−テトラヒドロピリジン
(51)【国際特許分類】
   C07D 211/72 20060101AFI20190304BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20190304BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20190304BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20190304BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20190304BHJP
   A61K 31/44 20060101ALI20190304BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20190304BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20190304BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20190304BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20190304BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   C07D211/72
   C07D401/12CSP
   C07D405/12
   C07D413/12
   C07D417/12
   A61K31/44
   A61K31/4439
   A61K31/444
   A61K31/497
   A61K31/506
   A61P25/28
【請求項の数】15
【全頁数】64
(21)【出願番号】特願2016-551851(P2016-551851)
(86)(22)【出願日】2015年2月17日
(65)【公表番号】特表2017-506237(P2017-506237A)
(43)【公表日】2017年3月2日
(86)【国際出願番号】EP2015053327
(87)【国際公開番号】WO2015124576
(87)【国際公開日】20150827
【審査請求日】2018年2月16日
(31)【優先権主張番号】PA201400086
(32)【優先日】2014年2月19日
(33)【優先権主張国】DK
(31)【優先権主張番号】PA201400349
(32)【優先日】2014年7月1日
(33)【優先権主張国】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】591143065
【氏名又は名称】ハー・ルンドベック・アクチエゼルスカベット
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100156476
【弁理士】
【氏名又は名称】潮 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ユール,カーステン
(72)【発明者】
【氏名】マリゴ,マウロ
(72)【発明者】
【氏名】タグモース,レナ
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン,トーマス
【審査官】 神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−519854(JP,A)
【文献】 特表2005−509622(JP,A)
【文献】 Journal of Medicinal Chemistry,2013年,Vol.56,p.3980-3995
【文献】 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2013年,Vol.23,p.4239-4243
【文献】 Expert Opinion on Drug Discovery,2009年,Vol.4, No.4,p.391-416
【文献】 Expert Opinion on Therapeutic Patents,2012年,Vol.22, No.5,p.511-540
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】
(Arは、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,4−トリアゾリル、チオフェニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、フラザニル、および1,2,4−チアジアゾリルからなる群から選択され、前記Arは、1個以上のハロゲン、CN、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CフルオロアルキルまたはC〜Cアルコキシで置換されていてもよく;
はC〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
は水素、ハロゲン、C〜Cフルオロアルキル、またはC〜Cアルキルであり;
はC〜Cアルキルである)の化合物;またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記化合物が、式Ia
【化2】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がCHである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
がFまたはHである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
がCHである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
Arが、1個以上のF、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜CフルオロアルキルまたはC〜Cアルコキシで置換されていてもよい、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
立体化学が(2R,5S)である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
前記化合物が:
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−フルオロピコリンアミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−フルオロピコリンアミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−クロロピコリンアミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノピコリンアミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−1−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;および
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミドまたはその薬学的に許容される塩、
からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
前記化合物が:
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−フルオロピコリンアミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−フルオロピコリンアミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−クロロピコリンアミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノピコリンアミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−1−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)チアゾール−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−メチルチアゾール−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピリミジン−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−2−(ジフルオロメチル)オキサゾール−4−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)オキサゾール−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)チアゾール−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピコリンアミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノ−3−メチルピコリンアミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシ−3−メチルピラジン−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−1−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピリミジン−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−メチルチアゾール−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)ピコリンアミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−2−(ジフルオロメチル)オキサゾール−4−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)オキサゾール−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)チアゾール−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノピコリンアミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−クロロピコリンアミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)チアゾール−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−1,4−ジメチル−1H−イミダゾール−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−3−メチルイソキサゾール−5−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メチルフラン−2−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−2−メチルオキサゾール−5−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシ−d)ピコリンアミド;
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−クロロベンズアミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−3−フルオロ−5−メトキシピコリンアミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−2,5−ジメチルオキサゾール−4−カルボキサミド;
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシ−d)ピコリンアミド;および
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−フルオロ−3−メチルピコリンアミド;
からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
前記化合物が:
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−フルオロピコリンアミド、
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド、
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピコリンアミド、
N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノ−3−メチルピコリンアミド、および
N−(3−((2R,5R)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド;
からなる群から選択される、請求項8または9に記載の化合物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物を治療有効量含む、アルツハイマー病の治療のための医薬組成物。
【請求項13】
アルツハイマー病を治療する医薬を製造するための請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
治療に使用される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項15】
アルツハイマー病の治療に使用される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物を含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、BACE1阻害剤として作用する化合物を提供する。本発明の別の態様は、前記化合物を含む医薬組成物、およびアルツハイマー病を治療するための化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
認知症は、通常の老化現象では説明できない複数の認知領域の障害と、機能の著しい低下と、せん妄がないこととを特徴とする臨床症候群である。さらに、神経精神症状および限局性の神経学的所見が通常認められる。認知症は病因に基づいて細分される。アルツハイマー病(AD)は、認知症の最も一般的な原因であり、ADと血管性認知症の混合、血管性認知症、レヴィー小体型認知症(DLB)、および前頭側頭葉型認知症がそれに続く。
【0003】
βアミロイドの沈着および神経原線維変化は、記憶、認知、論理的思考(reasoning)、判断力、および見当識の喪失を特徴とするADに関連する主な病理学的特徴であると考えられている。また、疾患が進行するにつれ、運動、感覚、および言語能力も冒され、ついに複数の認知機能の全般的な障害が起こる。βアミロイドの沈着は大部分、βアミロイド形成経路の一部であるアミロイド前駆体タンパク質(APP)のタンパク質分解の生成物であるAβペプチドの凝集体であり、Aβペプチドは1種以上のγセクレターゼによるAPPのC末端の切断、およびアスパルチルプロテアーゼ2としても知られるβセクレターゼ酵素(BACE1)によるN末端の切断により生じる。BACE1活性はAPPからのAβペプチドの生成に直接相関する。
【0004】
研究から、BACE1の阻害によりAβペプチドの産生が妨げられることが分かっている。さらに、BACE1はその基質であるAPPと共にゴルジ体および細胞内区画に共局在する(Willem M,et al.Semin.Cell Dev.Biol,2009,20,175−182)。マウスのノックアウト試験から、動物が健康で生殖能がある間はアミロイドペプチドが生成されないことが分かった(Ohno M,et al.Neurobiol.Dis.,2007,26,134−145)。APP過剰発現マウスでBACE1の遺伝的除去(genetic ablation)を行うと、プラークが形成されず、認知障害が抑制されることが分かった(Ohno M,et al.Neuron;2004,41,27−33)。散発性AD患者の脳内ではBACE1レベルが上昇する(Hampel and Shen,Scand.J.Clin.Lab.Invest.2009,69,8−12)。
【0005】
これらの収束する知見から、BACE1の阻害はADならびにAβ沈着の低減が有効な障害を治療するための治療標的となり得ることが分かっている。
【0006】
2012 Alzheimer’s Association International Conference in Vancouverで、幾人かの薬物開発者らが臨床試験中のBACE1阻害剤を発表した。Eli Lillyの科学者らは、第II相試験に入ったLY2886721に関する前臨床研究を報告した。MerckはそのBACE阻害剤であるMK−8931の第I相試験について詳述する一連のポスターを提示し、この化合物を前駆アルツハイマー病を有する人で2年間試験する別の第III相試験の開始を発表した。過去数年間にわたり、BACE1阻害剤に関する多くの特許出願が公開されてきた。
【0007】
AstraZenecaは、2012年10月、ADを治療するための強力な選択されたBACE1阻害剤臨床候補である、AZD3839の発見を発表した(Jeppsson,F.,et al.JBC,2012,287,41245−41257)。AZD3839の発見に繋がる努力は、Ginman,T.,et al.Journal of Medicinal Chemistry,2013,56,4181−4205に詳細に記載された。Ginmanの刊行物は、AZD3839の発見および同定に関して克服された問題について記載している。これらの問題は、化合物の血液脳関門の透過性が低く、P糖タンパク質により排出されるため、脳が曝露されなくなることに関する。
【0008】
Ginmanの原稿では差が主にコア構造に起因すると仮定され、報告された化合物に関するin vitro特性をコアサブタイプにより4つの表に分けて記載した構造活性関係データが提供された。表4に、活性の点から興味深いと考えられた一連のアミジン含有化合物が記載されている。しかし、データから、アミジン含有コアは有利な血液脳関門透過性プロファイルを示さなかったことが示唆される。
【0009】
Hoffmann−La Roche and Siena Biotechの研究者らもアミジン含有化合物の発見を報告した(Woltering,T. J.,et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2013,23,4239−4243)。これらの化合物(論文中の化合物17および18)は、in vivo効果を有していない(野生型マウスの脳内でAβ40低減が認められない)ことが判明した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
GinmanらおよびWoltering,T.J.らの教示とは異なり、本発明者らは、脳透過性であり、従って、前記化合物の末梢投与後、脳内のBACE1を阻害することができる一連のアミジン化合物を発見した。従って、本発明は、BACE1阻害活性を有する新規な化合物、それらの製造、それらの医薬としての使用、およびそれらを含む医薬に関する。
【0011】
本発明の目的は、BACE1を阻害する化合物を提供することである。従って、本発明は、式I
【化1】
(Arは、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,4−トリアゾリル、チオフェニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、フラザニルおよび,1,2,4−チアジアゾリルからなる群から選択され、Arは、1個以上のハロゲン、CN、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CフルオロアルキルまたはC〜Cアルコキシで置換されていてもよく;
は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
は、水素、ハロゲン、C〜CフルオロアルキルまたはC〜Cアルキルであり;
は、C〜Cアルキルである)
の化合物;またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0012】
本発明はさらに、治療有効量の式Iの化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0013】
本発明は、アルツハイマー病に罹患している対象の治療方法であって、対象に治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0014】
本発明は、アルツハイマー病を治療する医薬を製造するための式Iで定義される化合物の使用に関する。
【0015】
本発明の他の実施形態を以下に提供する:
一実施形態では、化合物は、式Ia
【化2】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0016】
一実施形態では、RはCHである。
【0017】
一実施形態では、RはFまたはHである。
【0018】
一実施形態では、RはCHである。
【0019】
一実施形態では、Arは、1個以上のF、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜CフルオロアルキルまたはC〜Cアルコキシで置換されていてもよい。
【0020】
一実施形態では、立体化学は(2R,5S)である。
【0021】
一実施形態では、Arは置換されていてもよいフェニルである。
【0022】
一実施形態では、Arは置換されていてもよいピリジルである。
【0023】
一実施形態では、Arは置換されていてもよいピリミジルである。
【0024】
一実施形態では、Arは置換されていてもよいピラジニルである。
【0025】
一実施形態では、Arは置換されていてもよいイミダゾリルである。
【0026】
一実施形態では、Arは置換されていてもよいピラゾリルである。
【0027】
一実施形態では、Arは置換されていてもよい1,2,4−トリアゾリルである。
【0028】
一実施形態では、Arは置換されていてもよいチオフェニルである。
【0029】
一実施形態では、Arは置換されていてもよいオキサゾリルである。
【0030】
一実施形態では、Arは置換されていてもよいイソキサゾリルである。
【0031】
一実施形態では、Arは置換されていてもよい1,3,4−チアジアゾリルである。
【0032】
一実施形態では、Arは置換されていてもよいチアゾリルである。
【0033】
一実施形態では、Arは置換されていてもよいイソチアゾリルである。
【0034】
一実施形態では、Arは置換されていてもよい1,3,4−オキサジアゾリルである。
【0035】
一実施形態では、Arは置換されていてもよい1,2,4−オキサジアゾリルである。
【0036】
一実施形態では、Arは置換されていてもよいフラザニルである。
【0037】
一実施形態では、Arは置換されていてもよい1,2,4−チアジアゾリルである。
【0038】
本発明の他の実施形態では、化合物は、実験の項に開示されている例示の化合物の1つから選択される。
【0039】
別の実施形態は、化合物またはその薬学的に許容される塩と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物に関する。
【0040】
別の実施形態は、治療有効量の化合物を投与することを含むアルツハイマー病の治療方法に関する。
【0041】
さらに別の実施形態は、アルツハイマー病を治療する医薬を製造するための化合物の使用に関する。
【0042】
一実施形態は、治療に使用される化合物である。
【0043】
さらに別の実施形態は、アルツハイマー病の治療に使用される化合物に関する。
【0044】
1個以上の原子が通常天然に存在する原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられている、式Iで請求されるものと同一の同位体標識された化合物も本発明に含まれる。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、硫黄、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体、例えば、それぞれH、H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、35S、18F、36Cl、および125Iが挙げられる。前述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する、本発明の化合物、そのプロドラッグ、および前記化合物または前記プロドラッグの薬学的に許容される塩は本発明の範囲に入る。Hおよび14Cを含むが、これらに限定されるものではない放射性同位体が組み込まれているものなどの、特定の同位体標識された本発明の化合物は、薬物および/または基質の組織分布アッセイに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1図1は、結晶構造中に存在する非対称単位中の2つの分子を示す。使用したX線法では、水素(H)と重水素(DまたはH)を区別することができない。従って、d3−メトキシ基中の重水素原子は水素として示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明は、式Iの化合物がBACE1の阻害剤であり、そのようなものとして、関連障害の治療に有用であるという発見に基づく。本発明の特定の態様について以下で詳細に説明するが、この説明は、本発明を実施し得る全ての異なる方法、または本発明に追加し得る全ての特徴を詳細に列挙するものではない。従って、以下の明細書は、本発明の幾つかの実施形態を説明しようとするものであり、その全ての順列、組み合わせ、および変形を網羅的に明記するものではない。
【0047】
本発明で使用する場合、「C〜Cアルキル」という用語は、炭素数1〜6(両端値を含む)の直鎖または分岐の飽和炭化水素を指す。このような置換基の例としては、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−プロピル、n−ペンチル、およびn−ヘキシルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。同様に、「直鎖または分岐のC〜Cアルキル」という用語は、炭素数1〜3(両端値を含む)の飽和炭化水素を指す。このような置換基の例としては、メチル、エチル、およびn−プロピルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
同様に、「C〜Cアルコキシ」という用語は、酸素の結合価が空いている炭素数1〜6(両端値を含む)の直鎖または分岐の飽和アルコキシ基を指す。このような置換基の例としては、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシおよびn−ヘキシルオキシが挙げられるが、これらに限定されるものではない。「C〜Cアルコキシ」は、1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい。
【0049】
本発明で使用する場合、「C〜Cフルオロアルキル」という用語は、1個以上のフッ素原子で置換された炭素数1〜6(両端値を含む)の直鎖または分岐の飽和炭化水素を指す。このような置換基の例としては、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、1−フルオロエチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、1,2−ジフルオロエチルおよび3,4ジフルオロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。同様に、「直鎖または分岐のC〜Cフルオロアルキル」という用語は、炭素原子1個当たり1個以上のフッ素原子で置換された炭素数1〜3(両端値を含む)の飽和炭化水素を指す。
【0050】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を指す。
【0051】
「C2〜6アルケニル」という用語は、炭素数2〜6で二重結合を1個有する分岐または非分岐のアルケニル基を指し、エテニル、プロペニル、およびブテニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0052】
「C2〜6アルキニル」という用語は、炭素数2〜6で三重結合を1個有する分岐または非分岐のアルキニル基を意味するものとし、エチニル、プロピニル、およびブチニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
明細書および特許請求の範囲全体を通して、各化合物番号は、製造方法を開示している実験の番号に対応する。化合物4および18は、実施例4aおよび18aに開示する変更された製造方法を使用して新たに合成した。
【0054】
本発明で使用する場合、「有効量」という語句は本発明の化合物に適用するとき、目的とする生物学的効果を引き起こすのに十分な量を示すものとする。「治療有効量」という語句は本発明の化合物に適用するとき、障害もしくは疾患状態、または障害もしくは疾患の症状の進行を改善する、緩和する、安定化させる、抑制する、緩速化するまたは遅延させるのに十分な化合物の量を示すものとする。一実施形態では、本発明の方法は、化合物の組み合わせの投与を提供する。このような場合、「有効量」は、目的とする生物学的効果を引き起こすのに十分な組み合わせの量である。
【0055】
本発明で使用する「治療」または「治療すること」という用語は、疾患または障害の進行もしくは重症度を改善もしくは抑制すること、またはこのような疾患もしくは障害の1つ以上の症状もしくは副作用を改善もしくは抑制することを意味する。本発明で使用する「治療」または「治療すること」はまた、疾患または障害のシステム、病態、または状態の進行を阻害するまたはブロックする、例えば、遅延させる、阻止する、抑える、妨げるまたは妨害することも意味する。本発明の目的では、「治療」または「治療すること」はさらに、有利なまたは所望の臨床結果を得る方法を意味し、「有利なまたは所望の臨床結果」には、部分的であるかまたは全体的であるか、検知可能であるかまたは検知不可能であるかに関わらず、症状の軽減、障害または疾患の程度の減少、疾患または障害状態の安定化(即ち、状態が悪化しないこと)、疾患または障害状態の遅延または緩速化、疾患または障害状態の改善または緩和、および、疾患または障害の寛解が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
本発明はまた、本発明の少なくとも1種の化合物またはその薬学的に許容される塩を治療有効量、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む、疾患または障害の治療方法も提供し、疾患または障害は神経変性または認知疾患または障害である。
【0057】
本発明の一実施形態では、神経変性または認知疾患または障害は、アルツハイマー病、軽度認知障害、21トリソミー(ダウン症候群)、脳アミロイド血管症、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血(HCHWA−DT)、変性認知症、筋萎縮性側索硬化症,外傷性脳損傷または脳卒中である。
【0058】
一実施形態では、疾患または障害は、末梢性アミロイドーシス、例えば、アミロイドニューロパチー、または膵炎である。
【0059】
一実施形態では、疾患または障害は末梢神経損傷である。
【0060】
本発明は、患者のアルツハイマー病の治療方法であって、このような治療を必要とする患者に少なくとも1種の式Iの化合物を治療有効量投与することを含む方法を提供する。
【0061】
本発明はさらに、患者のBACE1を阻害する方法であって、それを必要とする患者に少なくとも1種の式Iの化合物を治療有効量投与することを含む方法を提供する。
【0062】
本発明はまた、アミロイド前駆体タンパク質のβセクレターゼによる切断を阻害する方法であって、このような治療を必要とする患者に少なくとも1種の式Iの化合物を治療有効量投与することを含む方法も提供する。
【0063】
他の実施形態では、本発明は、アルツハイマー病を治療する医薬を製造するための式Iの化合物の使用を提供する。本発明はまた、BACE1を阻害する医薬を製造するための式Iの化合物の使用も提供する。本発明はさらに、Aβペプチドの産生または蓄積を阻害する医薬を製造するための式Iの化合物の使用を提供する。
【0064】
本発明はまた、患者の治療に、例えば、アルツハイマー病の治療に、または患者の軽度認知障害のアルツハイマー病への進行を緩速化するために使用される式Iの化合物も提供する。
【0065】
別の実施形態では、本発明は、上記治療または使用のいずれかに適した医薬製剤を提供する。
【0066】
幾つかの実施形態では、本発明の方法の哺乳動物はヒトである。
【0067】
他の実施形態では、本発明の方法の患者はヒト患者である。
【0068】
本発明の幾つかの実施形態では、神経変性または認知疾患または障害の少なくとも1つの症状を治療する。
【0069】
薬学的に許容される塩
本発明はまた、本化合物の塩、典型的には薬学的に許容される塩も含む。このような塩には薬学的に許容される酸付加塩が含まれる。酸付加塩には無機酸および有機酸の塩が含まれる。
【0070】
好適な無機酸の代表例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、スルファミン酸、および硝酸等が挙げられる。好適な有機酸の代表例としては、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ケイ皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、イタコン酸、乳酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、テオフィリン酢酸、および8−ハロテオフィリン(例えば、8−ブロモテオフィリン等)が挙げられる。薬学的に許容される無機酸付加塩または有機酸付加塩のその他の例としては、S.M.Berge,et al.,J.Pharm.Sci.1977,66,2に記載の薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0071】
さらに、本発明の化合物は、溶媒和していない形態でも、水およびエタノール等の薬学的に許容される溶媒と溶媒和した形態で存在してもよい。
【0072】
本発明の化合物は1つ以上の不斉中心を有してもよく、任意の光学異性体(即ち、鏡像異性体またはジアステレオマー)は、分離された、純粋な、または部分的に精製された光学異性体、および、ラセミ混合物、即ち立体異性体の混合物を含むその任意の混合物として本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0073】
これに関して、鏡像異性体を明記する場合、化合物はどちらかの鏡像異性体が過剰である、例えば、本質的に純粋な形態であるものと理解される。従って、本発明の一実施形態は、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、96%以上、好ましくは98%以上の鏡像体過剰率を有する本発明の化合物に関する。
【0074】
ラセミ体は、既知の方法で、例えば、光学活性な酸を用いてそのジアステレオマー塩を分離し、塩基を用いた処理により光学活性なアミン化合物を遊離することにより光学対掌体に分割することができる。このようなジアステレオマー塩の分離は、例えば、分別結晶により達成することができる。この目的に好適な光学活性な酸としては、d−またはl−酒石酸、マンデル酸、またはカンファースルホン酸を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ラセミ化合物を光学対掌体に分割する別の方法は、光学活性なマトリックスでのクロマトグラフィーに基づく。本発明の化合物はまた、キラルアルキル化またはキラルアシル化試薬などのキラル誘導体化試薬からジアステレオマー誘導体を生成・クロマトグラフィー分離した後、キラル補助剤を切断することにより分割されてもよい。上記方法のいずれかを適用して、本発明の化合物の光学対掌体自体を分割しても、または、後で本明細書に記載の方法により本発明の化合物である光学分割された最終生成物に変換することができる合成中間体の光学対掌体を分割してもよい。
【0075】
当業者に公知の他の光学異性体分割方法を使用することができる。このような方法には、J.Jaques,A.Collet and S.Wilen in Enantiomers,Racemates,and Resolutions,John Wiley and Sons,New York,1981で検討されたものが含まれる。光学活性な化合物は、光学活性な出発原料から製造することもできる。
【0076】
医薬組成物
本発明はさらに、治療有効量の式Iの化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。本発明はまた、実験の項などの本明細書に開示する特定の化合物の1種を治療有効量と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物も提供する。
【0077】
本発明の化合物は、単独で、または薬学的に許容される担体もしくは賦形剤と組み合わせて、単回投与または複数回投与のいずれかで投与することができる。本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される担体または希釈剤、ならびに他の任意の公知のアジュバントおよび賦形剤と共に、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21th Edition,Troy,Ed.,Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore,Maryland,USAに開示されているものなどの従来技術により製剤化することができる。
【0078】
経口投与用の医薬組成物には、カプセル剤、錠剤、糖衣錠、丸剤、ロゼンジ剤、散剤および顆粒剤などの固体剤形が含まれる。組成物は、適宜、腸溶性コーティングなどのコーティングで被覆して製造されてもよく、または組成物は、当技術分野で周知の方法により、有効成分を放出制御する、例えば、徐放または持続放出するように製剤化されてもよい。経口投与用の液体剤形には、溶液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。非経口投与用の医薬組成物には、水性および非水性の滅菌注射用溶液剤、分散液剤、懸濁剤または乳剤、および使用前に滅菌注射用溶液剤または分散液剤中で再構成される滅菌粉末も含まれる。他の好適な投与形態としては、坐剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、吸入剤、皮膚貼付剤および埋め込み剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
典型的な経口投与量は、一日当たり約0.01〜約100mg/kg体重の範囲である。
【0080】
本発明の化合物は、一般的に、遊離物質としてまたはその薬学的に許容される塩として使用される。一例としては、遊離塩基を用いた化合物の酸付加塩がある。式Iの化合物が遊離塩基を含有する場合、このような塩は、式Iの遊離塩基の溶液または懸濁液を1モル当量の薬学的に許容される酸で処理することによる従来の方法で製造される。好適な有機酸および無機酸の代表例は前述している。
【0081】
好適な医薬担体としては、不活性な固体希釈剤または充填剤、滅菌水溶液および様々な有機溶媒が挙げられる。固体担体の例としては、乳糖、白土、ショ糖、シクロデキストリン、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびセルロースの低級アルキルエーテルが挙げられる。液体担体の例としては、シロップ、ピーナッツ油、オリーブ油、リン脂質、脂肪酸、脂肪酸アミン、ポリオキシエチレンおよび水が挙げられるが、これらに限定されるものではない。同様に、担体または希釈剤は、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの当技術分野で公知の任意の徐放性材料を単独で含んでもまたはワックスと混合して含んでもよい。式Iの化合物と薬学的に許容される担体とを組み合わせることにより形成される医薬組成物は、開示されている投与経路に好適な、様々な剤形で容易に投与される。製剤は、好都合には、薬学の分野で公知の方法により単位剤形で提供することができる。
【0082】
経口投与用に固体担体を使用する場合、製剤は錠剤化されても、粉末もしくはペレットの形態で硬ゼラチンカプセルに封入されてもよく、または製剤はトローチ剤もしくはロゼンジ剤の形態であってもよい。固体担体の量は非常に様々となるが、投与単位当たり約25mg〜約1gの範囲となる。液体担体を使用する場合、製剤は、シロップ剤、乳剤、軟ゼラチンカプセル剤、または水性もしくは非水性の液体懸濁剤もしくは溶液剤などの滅菌注射用液剤の形態であってもよい。
【0083】
実験の項
一般式I(式中、R、R、RおよびArは上記定義の通りである)の本発明の化合物は、以下の反応スキーム1〜3および実施例に概説した方法で製造することができる。前述の方法では、それ自体、当該技術分野の化学者に公知の、または当業者に明らかとなり得る変形または変更を使用することも可能である。さらに、本発明の化合物を製造する他の方法が、以下の反応スキームおよび実施例に鑑みて当業者に容易に明らかとなるであろう。
【0084】
例えば、スキーム1〜2は、本発明の化合物の合成中の選択的保護基の使用について説明する。当業者であれば、特定の反応に適切な保護基を選択することができるであろう。さらに、式Iの化合物を合成する後述の合成方法に、アミノ基、アミド基、カルボアルデヒド基、およびヒドロキシル基などの置換基を保護・脱保護する方法を組み込むことが必要な場合がある。このような基を保護・脱保護する方法は当該技術分野で周知であり、T.Green,et al.,Protective Groups in Organic Synthesis,1991,2nd Edition,John Wiley & Sons,New Yorkに記載されている。
【0085】
2種以上の互変異性体の混合物または平衡として存在し得る化合物については、1種の互変異性体のみをスキームに示すが、それは最も安定な互変異性体ではないこともある。鏡像異性体、立体異性体、または幾何異性体として存在し得る化合物については、それらの幾何学的配置を明記し;さもなければ、構造は立体異性体の混合物を示す。
【0086】
以下の方法を用いて分析LC−MSデータを得た。
【0087】
方法A:
LC−MSは、カラムマネージャ、バイナリーソルベントマネージャ、サンプルオーガナイザ、PDA検出器(254nmで動作)、ELS検出器、および正イオンモードで動作するAPPI源を備えるTQ−MSを含むWaters AcquityからなるWaters Acquity UPLC−MSで行った。
【0088】
LC条件:カラムは、Acquity UPLC BEH C18 1.7μm;2.1×50mmで、60℃で操作し、水+0.05%トリフルオロ酢酸(A)と、アセトニトリル+5%水+0.05%トリフルオロ酢酸とからなる2液グラジエント1.2ml/分であった。勾配:0.00分:B10%;1.00分:B100%;1.01分:B10%;1.15分:B10%。総分析時間:1.15分。
【0089】
方法B:
LC−MSは、カラムマネージャ、2成分系溶媒マネージャ、サンプルオーガナイザ、PDA検出器(254nMで動作)、ELS検出器、および正イオンモードで動作するAPPI源を備えるSQ−MSを含むWaters AquityとからなるWaters Aquity UPLC−MSで行った。
【0090】
LC条件:カラムは、Acquity UPLC BEH C18 1.7μm;2.1×150mmで、60℃で操作し、水+0.05%トリフルオロ酢酸(A)と、アセトニトリル+5%水+0.03%トリフルオロ酢酸とからなる2液グラジエント0.6ml/分であった。勾配:0.00分:B10%;3.00分:B99.9%;3.01分:B10%;3.60分:B10%。総分析時間:3.60分。
【0091】
H NMRスペクトルは、Bruker Avance AV−III−600装置で600MHzで記録した。化学シフト値は、相対ppm値で表す。複数のNMRシグナルについて次の略称を使用する:s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、dd=ダブルダブレット、ddd=ダブルダブルダブレット、dt=ダブルトリプレット、br=ブロード、およびm=マルチプレット。
【0092】
がフェニル環のオルト位のフッ素である一例として、一般式XVIaおよびXVIbの化合物はスキーム1に示すように製造することができる。
【化3】
(式中、RおよびRは式Iで定義した通りであり、RおよびRはメチルまたはエチルなどのアルキル基であり、RおよびRはtert−ブトキシカルボニル基などの独立して選択されたアミン保護基である)。
【0093】
一般式IVの化合物(スキーム1)は、一般式IIの化合物をIIIなどのスルフィンアミドと、ルイス酸/乾燥剤、例えば、チタンテトラエトキシドの存在下で反応させることにより製造することができる。Zn粉末の存在下またはジエチル亜鉛およびトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロライドの存在下、一般式IVの化合物をブロモジフルオロ酢酸エチルなどの一般式Vの化合物で処理すると、一般式VIの化合物が得られる。一般式VIIの化合物は、一般式VIの化合物から、水素化ジイソブチルアルミニウムなどの還元剤で処理することにより得られる。幾つかの場合、化合物VIIは水和物の形態またはそのオリゴマーの形態であってもよい。一般式VIIの化合物を、塩化リチウムおよび塩基、例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下、2−(ジエトキシホスホリル)−2−フルオロ酢酸エチルなどの条件で処理すると、一般式VIIIの化合物が得られる。一般式IXの化合物は、一般式VIIIの化合物をパラジウム炭素などの触媒の存在下で水素化することにより得られる。一般式Xの化合物は、一般式IXの化合物を酸、例えば、塩酸のメタノール溶液で処理した後、炭酸カリウムのメタノール溶液で処理することにより得られる。一般式XIの化合物は、一般式Xの化合物を、触媒量のDMAP(N,N−ジメチル−4−アミノピリジン)の存在下、二炭酸ジ−tert−ブチルで処理することにより得られる。一般式XIIの化合物は、一般式XIの化合物をリチウムヘキサメチルジシラジドなどの塩基で処理した後、ハロゲン化アルキルでアルキル化することにより得られる。一般式XIIの化合物を脱保護すると一般式XIIIの化合物が得られ、それを、硝酸を用いてニトロ化すると、一般式XIVの化合物を得ることができる。一般式XIVの化合物のニトロ基を還元した後、生成したアニリン部分を保護すると、一般式XXの化合物が得られる。一般式XVの化合物をローソン試薬(2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド)などの試薬で処理した後、クロマトグラフィーで分離すると、一般式XVIaおよびXVIbの化合物が得られる。
【0094】
一般式Iの化合物は、スキーム2に示すように製造することができる。
【化4】
(式中、R、R、RおよびArは式Iで定義した通りであり、Rはtert−ブトキシカルボニル基などのアミン保護基である)。
【0095】
一般式XVIIの化合物(スキーム2)は、一般式XVIの化合物を脱保護することにより得ることができる。一般式XXの化合物は、一般式XVIIの化合物を一般式XVIIIのカルボン酸塩化物と反応させることにより、または当該技術分野の化学者に公知の方法を用いて一般式XIXのカルボン酸と反応させることにより製造することができる。一般式XXの化合物をアンモニアで処理すると、一般式Iの化合物が得られる。幾つかの場合、反応を促進するために、tert−ブチルヒドロペルオキシドなどの酸化試薬の添加が必要なことがある。
【0096】
一般式Iの化合物は、スキーム3に示すように製造することができる。
【化5】
(式中、R、R、RおよびArは式Iで定義した通りである。)
【0097】
一般式XXIの化合物(スキーム3)は、一般式XVIIの化合物をアンモニアで処理することにより得ることができる。一般式Iの化合物は、一般式XXIの化合物を一般式XVIIIのカルボン酸塩化物と反応させることにより、または当該技術分野の化学者に公知の方法を用いて一般式XIXのカルボン酸と反応させることにより製造することができる。
【実施例】
【0098】
中間体の製造
中間体:(R)−N−(1−(2−フルオロフェニル)エチリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド
【化6】
1−(2−フルオロフェニル)エタノン(15g、109mmol)および(R)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(15.79g、130mmol)を、還流冷却器を備えた丸底フラスコに入れた。テトラヒドロフラン(90ml)(4ÅのMSで乾燥)、続いてTi(OEt)(49.5g、217mmol)を添加し、得られた黄色溶液を終夜穏やかに還流撹拌した。反応を室温に冷却し、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解し、飽和食塩水(100mL)を激しく撹拌しながら滴下した。飽和食塩水を添加すると、直ぐに多量の白色沈殿が生じた。室温で10分撹拌した後、溶出に酢酸エチルを用いて懸濁液をセライトプラグで濾過した。濾液を分液漏斗に移し、層を分離し、有機層を飽和食塩水(150mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、CombiFlashシステム(330gSiO、グラジエント溶離;ヘプタン:酢酸エチル100:0→70:30)を用いて精製し、(R)−N−(1−(2−フルオロフェニル)エチリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(20.6g、収率70.8%)を得た。H NMR(600MHz,CDCl)δ7.69(t,J=7.1Hz,1H),7.43(dd,J=13.0,6.0Hz,1H),7.18(td,J=7.7,1.0Hz,1H),7.11(ddd,J=11.3,8.3,0.8Hz,1H),2.78(d,J=3.4Hz,3H),1.32(s,9H).
【0099】
中間体:3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)−2,2−ジフルオロ−3−(2−フルオロフェニル)ブタン酸(R)−エチル
【化7】
トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロライド(1.50g、1.62mmol)を乾燥した丸底フラスコに入れた。フラスコを真空排気し、アルゴンを充填した(×3)。(R)−N−(1−(2−フルオロフェニル)エチリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(15.6g、64.6mmol)をテトラヒドロフラン(265ml)(4ÅのMSで乾燥)に溶解し、反応フラスコに添加した後、ブロモジフルオロ酢酸エチル(26.2g、16.6ml、129mmol)を添加した。暗赤色/橙色の反応混合物を、氷/水浴を用いて0℃に冷却した。ジエチル亜鉛(126ml、126mmol、1Mヘキサン溶液)を滴下した。添加終了後、反応を0℃でさらに1時間撹拌し、冷却を取り除き、反応を室温で終夜撹拌した。反応を酢酸エチル(250mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(100mL)で反応停止させた。得られた懸濁液をセライトプラグで濾過し、相を分離し、有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗製物を、CombiFlashシステム(330gSiO、グラジエント溶離;ヘプタン:酢酸エチル100:0→60:40)を用いて精製し、3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)−2,2−ジフルオロ−3−(2−フルオロフェニル)ブタン酸(R)−エチル(14.1g、収率59.7%)を得た。立体化学は文献の先例(国際公開第2012110459号パンフレット)に基づいて帰属した。H NMR(600MHz,CDCl)δ7.46(t,J=8.0Hz,1H),7.41−7.35(m,1H),7.19−7.14(m,1H),7.07(dd,J=13.0,8.2Hz,1H),4.65(d,J=2.6Hz,1H),4.25(q,J=7.2Hz,2H),2.07(s,3H),1.30−1.21(m,12H).
【0100】
中間体:5−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)−2,4,4−トリフルオロ−5−(2−フルオロフェニル)2−ヘキセン酸(R)−エチル
【化8】
3−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)−2,2−ジフルオロ−3−(2−フルオロフェニル)ブタン酸(R)−エチル(7.6g、20.8mmol)をトルエン(100ml)(4ÅのMSで乾燥)に溶解し、乾燥した丸底フラスコに移した。ドライアイス/アセトン浴を用いて溶液を−78℃に冷却した。シリンジポンプ(添加速度1mL/分)を用いて、DIBAL−H(41.6ml、41.6mmol、1Mトルエン溶液)を滴下した。添加終了後、反応を−78℃でさらに1時間20分撹拌した。酢酸エチル10mLを添加した後、酒石酸ナトリウムカリウムの飽和水溶液150mLを添加することにより反応を−78℃で反応停止させた。添加終了後、冷却を取り除き、反応を室温に昇温させ、この温度で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、溶出に酢酸エチルを用いてセライトプラグで濾過した。濾液を分液漏斗に移し、有機層を単離した。水相を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、合わせた有機物を飽和食塩水(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、中間体を得た。中間体は、さらに精製することなく直ぐに後の工程に使用した。塩化リチウム(2.20g、52.0mmol)を丸底フラスコに入れ、減圧下で加熱乾燥し、減圧下で室温に冷却した。アセトニトリル(87mL)を添加した後、2−(ジエトキシホスホリル)−2−フルオロ酢酸エチル(5.79g、23.9mmol)を添加した。氷/水浴を用いて溶液を0℃に冷却し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.03g、5.5ml、31.2mmol)を添加した。この温度で10分撹拌した後、前述の中間体のアセトニトリル(33ml)溶液を添加した。添加終了後、冷却を取り除き、反応を室温で終夜撹拌した。反応混合物を約50mLに(減圧下で)濃縮し、酢酸エチル(250mL)、水(50mL)および飽和NHCl水溶液(50mL)を添加した。相を分離し、水層を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機物をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗製物を、CombiFlashシステム(220gSiO、グラジエント溶離;ヘプタン:酢酸エチル100:0→60:40)を用いて精製し、5−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)−2,4,4−トリフルオロ−5−(2−フルオロフェニル)2−ヘキセン酸(R)−エチル(5.1g、収率60%)を得た。H NMR(600MHz,CDCl)δ7.45(tt,J=4.3,2.2Hz,1H),7.40−7.33(m,1H),7.16(tt,J=5.4,2.7Hz,1H),7.09(ddd,J=13.2,8.2,1.2Hz,1H),6.00(dt,J=20.3,14.5Hz,1H),4.98(d,J=4.1Hz,1H),4.30(q,J=7.1Hz,2H),2.03(s,3H),1.32(t,J=7.2Hz,3H),1.24(s,9H).
【0101】
中間体:(6R)−3,5,5−トリフルオロ−6−(2−フルオロフェニル)−6−メチルピペリジン−2−オン
【化9】
5−((R)−1,1−ジメチルエチルスルフィンアミド)−2,4,4−トリフルオロ−5−(2−フルオロフェニル)2−ヘキセン酸(R)−エチル(5.1g、12.5mmol)を酢酸エチル(200mmol)に溶解し、Parrフラスコに入れた。パラジウム炭素(2.65g、2.49mmol、10%)を添加し、ParrフラスコをParr振盪機(最初、H圧=2.8bar)に入れた。Parr振盪機で室温で16時間後、溶出に酢酸エチルを用いて反応混合物をセライトプラグで濾過した。濾液を減圧濃縮した。この物質を酢酸エチル(200ml、3494mmol)に溶解し、反応混合物を2つのParrフラスコに等分した。パラジウム炭素(2.65g、2.49mmol、10%)を2部に等分し、2つのParrフラスコに添加した。フラスコを2つの異なるParr振盪機(最初、H圧=2.8bar)に入れ、並行処理した。Parr振盪機で室温で16時間後、2つの懸濁液を合わせて、溶出に酢酸エチルを用いてセライトプラグで濾過した。濾液を減圧濃縮した。このようにして得られた物質をメタノール(330ml)に溶解した。HCl(4.7ml、19mmol、4M1,4−ジオキサン溶液)を添加し、反応を室温で1時間30分撹拌した。KCO(5.16g、37.4mmol)を添加し、反応を室温でさらに1時間30分撹拌した。反応を減圧下で濃縮乾固し、残渣を水(200mL)と酢酸エチル(250mL)との間で分配した。相を分離し、水層を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機物を飽和食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗製物を、CombiFlashシステム(120gSiO、グラジエント溶離;ヘプタン:酢酸エチル100:0→45:55)を用いて精製し、(6R)−3,5,5−トリフルオロ−6−(2−フルオロフェニル)−6−メチルピペリジン−2−オン(1.86g、収率57.2%)を半固体/泡状物として得た(ジアステレオマーの1:1混合物)。LC−MS(m/z)262.2(MH)t=0.57分(方法B).
【0102】
中間体:3,3,5−トリフルオロ−2−(2−フルオロフェニル)−2−メチル−6−オキソピペリジン−1−カルボン酸(2R)−tert−ブチル
【化10】
(6R)−3,5,5−トリフルオロ−6−(2−フルオロフェニル)−6−メチルピペリジン−2−オン(2.42g、9.26mmol)(ジアステレオマーの1:1混合物)を丸底フラスコに入れた。DMAP(0.283g、2.316mmol)を添加した後、二炭酸ジ−tert−ブチル(6.07g、27.8mmol)のテトラヒドロフラン(170ml)溶液を添加した。溶液を室温で1時間撹拌した。反応を酢酸エチル(200mL)で希釈し、水(50mL)と飽和NHCl水溶液(50mL)との溶液で洗浄した。相を分離し、水層を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機物を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗製物を、CombiFlashシステム(120gSiO、グラジエント溶離;ヘプタン:酢酸エチル100:0→55:45)を用いて精製し、3,3,5−トリフルオロ−2−(2−フルオロフェニル)−2−メチル−6−オキソピペリジン−1−カルボン酸(2R)−tert−ブチル(2.60g、収率78%)(ジアステレオマーの1:1混合物)を得た。
【0103】
中間体:(6R)−3,5,5−トリフルオロ−6−(2−フルオロフェニル)−3,6−ジメチルピペリジン−2−オン
【化11】
第1の工程について2つの反応を同一条件下で並行して行い、合計量は後述の通りであった。
【0104】
3,3,5−トリフルオロ−2−(2−フルオロフェニル)−2−メチル−6−オキソピペリジン−1−カルボン酸(2R)−tert−ブチル(1.30g、3.60mmol)(ジアステレオマーの1:1混合物)をテトラヒドロフラン(36mL)(4ÅのMSで乾燥)に溶解し、乾燥した丸底フラスコに添加した。ドライアイス/アセトン浴を用いて溶液を−78℃に冷却した。LiHMDS(リチウムヘキサメチルジシラジド)(4.50mL、4.50mmol、1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を滴下し、得られた溶液を−78℃で1時間撹拌した。ヨウ化メチル(2.55g、1.13mL、18mmol)を滴下し、溶液を−78℃で45分間撹拌した後、冷却を取り除き、溶液を室温でさらに15分間撹拌した。溶液を−78℃に再冷却し、飽和NHCl水溶液(25mL)で反応停止させた。冷却浴を取り除き、反応を室温に昇温させた。2つの反応混合物を合わせて、酢酸エチル(200mL)および水(50mL)を添加した。相を分離し、水層を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機物を飽和食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。このようにして得られた物質を全て1,2−ジクロロエタン(85ml)に溶解し、氷/水浴を用いて溶液を0℃に冷却した。TFA(21ml、273mmol)を添加し、反応混合物を撹拌しながら、冷却浴を一晩かけてゆっくり終了させた。反応をトルエン(50mL)で希釈し、約25mLに減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(150mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(50mL)で洗浄した。相を分離し、水層を酢酸エチル(2×75mL)で抽出した。合わせた有機物を飽和食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗製物を、CombiFlashシステム(80gSiO、グラジエント溶離;ヘプタン:酢酸エチル100:0→50:50)を用いて精製し、(6R)−3,5,5−トリフルオロ−6−(2−フルオロフェニル)−3,6−ジメチルピペリジン−2−オン(1.86g、6.76mmol、収率94%)(ジアステレオマーの1:1.8混合物)を得た。LC−MS(m/z)276.2(MH)t=0.62分(方法B).
【0105】
中間体:(6R)−3,5,5−トリフルオロ−6−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−3,6−ジメチルピペリジン−2−オン
【化12】
(6R)−3,5,5−トリフルオロ−6−(2−フルオロフェニル)−3,6−ジメチルピペリジン−2−オン(1.86g、6.76mmol)(ジアステレオマーの1:1.8混合物)をトリフルオロ酢酸(11.5ml、149mmol)に懸濁した。混合物を0℃に冷却し、濃HSO(2.86ml、52.0mmol、97%)を添加した。最後に、発煙HNO(0.33ml、7.4mmol)を滴下し、反応を0℃で10分間撹拌した。反応混合物を150gの氷に注ぎ、5M NaOHを用いてpH>11の塩基性にした。得られた懸濁液を酢酸エチル(250mL)で抽出した。相を分離し、水層を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機物を飽和NHCl水溶液(50mL)と水(50mL)との溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、(6R)−3,5,5−トリフルオロ−6−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−3,6−ジメチルピペリジン−2−オン(2.08g、6.50mmol、収率96%)(ジアステレオマーの1:1.8混合物)を得た。LC−MS(m/z)321.1(MH)t=0.62分(方法B).
【0106】
中間体:(6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−オン
【化13】
(6R)−3,5,5−トリフルオロ−6−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−3,6−ジメチルピペリジン−2−オン(2.08g、6.50mmol)(ジアステレオマーの1:1.8混合物)をメタノール(28ml)に溶解した。ギ酸アンモニウム(2.05g、32.5mmol)を添加した後、パラジウム炭素(1.38g、1.30mmol、10%)を滴下した。反応は僅かに発熱性であり、反応混合物を氷/水浴に短時間浸漬して温度上昇を制御した。最初の温度上昇が収まった後、反応を室温でさらに10分間撹拌した。溶出にメタノールを用いて反応をセライトプラグで濾過した。濾液を減圧濃縮し、酢酸エチル(100mL)と飽和NaHCO水溶液(50mL)との間で分配した。相を分離し、水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機物をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、(6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−オン(1.73g、5.96mmol、収率92%)(ジアステレオマーの1:1.8混合物)を得た。LC−MS主ピーク(Major):(m/z)291.0(MH−tert−ブチル)t0.40分(方法B);小ピーク(Minor):(m/z)291.0(MH)t=0.41分(方法B)。粗製物は、さらに精製することなく次の反応工程に使用した。
【0107】
中間体:(4−フルオロ−3−((2R)−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−6−オキソピペリジン−2−イル)フェニル)カルバミン酸tert−ブチル
【化14】
(6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−オン(1.73g、5.96mmol)(ジアステレオマーの1:1.8混合物)を丸底フラスコに入れ、二炭酸ジ−tert−ブチル(1.56g、7.15mmol)のテトラヒドロフラン(25ml)(4ÅのMSで乾燥)溶液を添加した。溶液を50℃に加熱し、この温度で終夜撹拌した。反応を減圧濃縮し、粗製物を、CombiFlashシステム(80gSiO、グラジエント溶離;ヘプタン:酢酸エチル100:0→50:50)を用いて精製し、(4−フルオロ−3−((2R)−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−6−オキソピペリジン−2−イル)フェニル)カルバミン酸tert−ブチル(2.1g、5.38mmol、収率90%)(ジアステレオマーの1:1.7混合物)を得た。LC−MS主ピーク:(m/z)335.0(MH−tert−ブチル)t0.74分(方法B);小ピーク:(m/z)391.2(MH)t=0.76分(方法B)。
【0108】
中間体:(4−フルオロ−3−((2R,5S)−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−6−チオキソピペリジン−2−イル)フェニル)カルバミン酸tert−ブチルおよび(4−フルオロ−3−((2R,5R)−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−6−チオキソピペリジン−2−イル)フェニル)カルバミン酸tert−ブチル
【化15】
(4−フルオロ−3−((2R)−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−6−オキソピペリジン−2−イル)フェニル)カルバミン酸tert−ブチル(2.1g、5.38mmol)(ジアステレオマーの1:1.7混合物)を丸底フラスコに入れ、トルエン(60ml)(4ÅのMSで乾燥)に溶解した。アルゴンを反応に10分間バブリングした後、ローソン試薬(2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン2,4−ジスルフィド)(2.18g、5.38mmol)を添加した。反応を慎重に真空排気し、アルゴンを新たに充填した(×3)。懸濁液を80℃に加熱した。反応をこの温度で3時間30分撹拌した。反応を室温に冷却し、減圧濃縮した。粗製物をCHClに懸濁し、濾過した。濾液を減圧濃縮し、粗製物を、CombiFlashシステム(120gSiO、グラジエント溶離;ヘプタン:酢酸エチル100:0→80:20)を用いて精製し、(4−フルオロ−3−((2R,5S)−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−6−チオキソピペリジン−2−イル)フェニル)カルバミン酸tert−ブチル(1.15g、収率52.6%)(溶出の速い異性体)を得た。LC−MS(m/z)407.4(MH)t=0.83分(方法B)および(4−フルオロ−3−((2R,5R)−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−6−チオキソピペリジン−2−イル)フェニル)カルバミン酸tert−ブチル(0.816g(純度60%)、収率22.4%)(溶出の遅い異性体)。LC−MS(m/z)407.4(MH)t=0.82分(方法B).
【0109】
中間体:(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオン
【化16】
(4−フルオロ−3−((2R,5S)−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−6−チオキソピペリジン−2−イル)フェニル)カルバミン酸tert−ブチル(1.15g、2.83mmol)をジクロロメタン(13ml)に溶解した。溶液を0℃に冷却し、TFA(6.5ml、84mmol)を添加した。溶液を0℃で1時間20分撹拌した。反応をトルエン(25mL)で希釈し、約10mLに減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(25mL)で洗浄した。相を分離し、水層を酢酸エチル(2×25mL)で抽出した。合わせた有機物をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオン(548mg(純度70%)、収率63.2%)を得た。粗生成物は、さらに精製することなく、次の反応工程に使用した。
LC−MS(m/z)307.2(MH)t=0.49分(方法B).H NMR(600MHz,CDCl)δ7.93(bs,1H),6.93−6.88(m,1H),6.66−6.61(m,1H),6.59−6.55(m,1H),2.62−2.57(m,2H),1.90(s,3H),1.86(d,J=22.4Hz,3H)[α]20,D=−211°(589nm,c=0.1g/100mL、MeOH
【0110】
中間体:(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオン
【化17】
(4−フルオロ−3−((2R,5R))−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−6−チオキソピペリジン−2−イル)フェニル)カルバミン酸tert−ブチル(816mg、2.01mmol)をジクロロメタン(9.2mL)に溶解した。溶液を0℃に冷却し、TFA(4.6mL、59.5mmol)を添加した。溶液を0℃で1時間20分撹拌した。反応をトルエン(15mL)で希釈し、約10mLに減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(25mL)で洗浄した。相を分離し、水層を酢酸エチル(2×25mL)で抽出した。合わせた有機物をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオン(587mg、(純度50%)、収率47.7%)を得た。この物質は、さらに精製することなく、次の反応工程に使用した。
LC−MS(m/z)307.0(MH)t=0.47分(方法A).H NMR(600MHz,CDCl)δ8.18(bs,1H),6.92(dd,J=12.0,8.7Hz,1H),6.69−6.63(m,1H),6.52−6.45(m,1H),2.78−2.66(m,1H),2.56−2.43(m,1H),1.91(s,3H),1.79(dd,J=20.3,12.5Hz,3H).
【0111】
中間体:5−(メトキシ−d)ピコリン酸
【化18】
5−ヒドロキシピコリン酸メチル(2.88g、18.81mmol)をDMF(108mL)に溶解した。炭酸カリウム(7.20g、52.1mmol)を添加し、懸濁液を室温で45分間撹拌した。ヨウ化メチル−d(3.27g、1.40ml、22.6mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。
【0112】
水と酢酸エチルを添加した。混合物を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。
【0113】
生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、5−(メトキシ−d)ピコリン酸メチル(2.17g、収率68%)を得た。
【0114】
5−(メトキシ−d)ピコリン酸メチル(0.58g、3.41mmol)を水(4ml)および1,4−ジオキサン(12mL)に溶解した。LiOH(0.20g、8.5mmol)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を6M HCl(水溶液)でpH2の酸性にした。反応混合物を減圧濃縮した後、残留水をトルエンで2回共沸留去し、5−(メトキシ−d)ピコリン酸を得た。さらに精製することなく次の工程に使用した。LC−MS(m/z)157.1(MH)t=0.19分(方法A)
【0115】
本発明の化合物の製造
実施例1:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−フルオロピコリンアミド
【化19】
5−フルオロピコリン酸(269mg、1.906mmol)および1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)(797mg、2.10mmol)を丸底フラスコに入れ、DMF(5.2mL)に溶解し、室温で5分間撹拌した。(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオン(292mg、0.953mmol)を添加した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(830μl、4.77mmol)を添加し、反応を室温で5分間撹拌した。反応を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水(25mL)と飽和NHCl水溶液(25mL)との混合物で洗浄した。相を分離し、水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機物をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。中間体5−フルオロ−N−(4−フルオロ−3−((2R,5S)−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−6−チオキソピペリジン−2−イル)フェニル)ピコリンアミドを、CombiFlashシステム(40gSiO、グラジエント溶離;ヘプタン:酢酸エチル100:0→60:40)を用いて精製した。中間体(225mg、0.523mmol)を2部に等分し、2つの別々の反応バイアルに入れた。アンモニア(14.6mL、102mmol、7Mメタノール溶液)も2部に等分し、2つのバイアルに添加した。バイアルに蓋をし、油浴を用いて65℃に加熱した。この温度で6時間撹拌した後、反応を室温に冷却し、混合物を合わせて減圧濃縮した。粗製物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し(溶離液;ヘプタン:酢酸エチル=50:50→0:100)、N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−フルオロピコリンアミド(124mg、収率57%)を得た。
LC−MS(m/z)413.2(MH+);t0.54(方法A).H NMR(600MHz,CDCl)δ9.78(br s,1H),8.45(d,J=2.7Hz,1H),8.33(dd,J=8.7,4.6Hz,1H),7.89(ddd,J=8.8,3.8,2.9Hz,1H),7.59(ddd,J=8.6,8.0,2.8Hz,1H),7.57(dd,J=6.8,2.7Hz,1H),7.09(dd,J=11.8,8.8Hz,1H),4.74(br s,2H),2.60−2.37(m,2H),1.79(t,J=2.8Hz,3H),1.76(d,J=23.6Hz,3H).
【0116】
以下の化合物は、実施例1と同様に製造した:
【0117】
実施例2:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−フルオロピコリンアミド
【化20】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−フルオロピコリン酸から製造
LC−MS(m/z)413.1(MH)t=0.55分(方法A).H NMR(600MHz,CDCl)δ9.78(br s,1H),8.45(d,J=2.8Hz,1H),8.34−8.31(m,1H),7.84(ddd,J=8.8,3.8,2.9Hz,1H),7.61−7.57(m,2H),7.08(dd,J=11.6,8.8Hz,1H),4.69(br s,2H),2.75−2.62(m,1H),2.47−2.40(m,1H),1.82(s,3H),1.75(d,J=23.9Hz,3H).
【0118】
実施例3:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−クロロピコリンアミド
【化21】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−クロロピコリン酸から製造
LC−MS(m/z)429.2(MH)t=0.57分(方法A).H NMR(600MHz,CDCl)δ9.81(br s,1H),8.56(dd,J=2.4,0.7Hz,1H),8.24(dd,J=8.4,0.7Hz,1H),7.91−7.85(m,2H),7.59(dd,J=6.9,2.7Hz,1H),7.09(dd,J=11.8,8.8Hz,1H),2.61−2.35(m,2H),1.80(t,J=2.8Hz,3H),1.76(d,J=23.6Hz,3H).
【0119】
実施例4:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノピコリンアミド
【化22】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−シアノピコリン酸から製造
LC−MS(m/z)420.0(MH)t=1.79分(方法B).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.82(br s,1H),9.20(dd,J=2.0,0.8Hz,1H),8.58(dd,J=8.1,2.0Hz,1H),8.28(dd,J=8.2,0.7Hz,1H),7.94(dd,J=7.2,2.7Hz,1H),7.89−7.83(m,1H),7.15(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.22(br s,2H),2.74−2.59(m,1H),2.49−2.38(m,1H),1.67(d,J=22.7Hz,3H),1.62(s,3H).
【0120】
実施例5:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド
【化23】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−メトキシピラジン−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)426.3(MH)t=0.51分(方法A).H NMR(600MHz,CDCl)δ9.50(br s,1H),9.00(d,J=1.3Hz,1H),8.13(d,J=1.3Hz,1H),7.88(ddd,J=8.8,3.8,2.9Hz,1H),7.58(dd,J=6.8,2.7Hz,1H),7.08(dd,J=11.8,8.8Hz,1H),4.80(br s,2H),4.06(s,3H),2.59−2.35(m,2H),1.79(t,J=2.8Hz,3H),1.75(d,J=23.6Hz,3H).
【0121】
実施例6:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−1−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化24】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび1−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)434.2(MH)t=0.49分(方法A).H NMR(600MHz,CDCl)δ8.66(br s,1H),7.86(d,J=2.7Hz,1H),7.78(ddd,J=8.8,3.7,2.9Hz,1H),7.58(dd,J=6.8,2.7Hz,1H),7.18(t,J=60.3Hz,1H),7.07(dd,J=11.7,8.8Hz,1H),7.03(d,J=2.7Hz,1H),4.57(br s,2H),2.59−2.34(m,2H),1.80(t,J=2.8Hz,3H),1.74(d,J=23.6Hz,3H).
【0122】
実施例7:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド
【化25】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび2−メチルオキサゾール−4−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)399(MH)t=0.46分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.12(br s,1H),8.62(s,1H),7.82(dd,J=7.1,2.5Hz,1H),7.75(dt,J=8.5,3.2Hz,1H),7.09(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.19(br s,2H),2.71−2.57(m,1H),2.51(s,3H),2.47−2.35(m,1H),1.66(d,J=22.8Hz,3H),1.61(s,3H).
【0123】
実施例8:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)チアゾール−2−カルボキサミド
【化26】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよびチアゾール−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)401(MH)t=0.49分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.83(br s,1H),8.13(d,J=3.1Hz,1H),8.10(d,J=3.1Hz,1H),7.97(dd,J=7.2,2.7Hz,1H),7.78(dt,J=8.7,3.4Hz,1H),7.14(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.22(br s,2H),2.73−2.59(m,1H),2.49−2.37(m,1H),1.68(d,J=22.7Hz,3H),1.63(s,3H).
【0124】
実施例9:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボキサミド
【化27】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)475.9(MH)t=0.55分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.42(br s,1H),7.83(dd,J=7.2,2.7Hz,1H),7.76−7.72(m,1H),7.63(s,1H),7.09(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.20(br s,2H),3.96(s,3H),2.72−2.58(m,1H),2.49−2.36(m,1H),1.67(d,J=22.7Hz,3H),1.61(s,3H).
【0125】
実施例10:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−メチルチアゾール−2−カルボキサミド
【化28】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび4−メチルチアゾール−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)415(MH)t=0.53分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.74(br s,1H),7.95(dd,J=7.2,2.7Hz,1H),7.78(dt,J=8.7,3.4Hz,1H),7.68(d,J=0.8Hz,1H),7.12(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.22(br s,2H),2.72−2.59(m,1H),2.50(s,3H),2.49−2.36(m,1H),1.67(d,J=22.8Hz,3H),1.62(s,3H).
【0126】
実施例11:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)ピコリンアミド
【化29】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−(トリフルオロメチル)ピコリン酸から製造
LC−MS(m/z)463(MH)t=0.61分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.81(br s,1H),9.13−9.11(m,1H),8.49(dd,J=8.3,2.1Hz,1H),8.34(d,J=8.2Hz,1H),7.95(dd,J=7.1,2.7Hz,1H),7.90(dt,J=8.7,3.4Hz,1H),7.16(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.25(br s,2H),2.74−2.61(m,1H),2.51−2.38(m,1H),1.69(d,J=22.7Hz,3H),1.64(s,3H).
【0127】
実施例12:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピリミジン−2−カルボキサミド
【化30】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−メトキシピリミジン−2−カルボン酸(Scott,Jack D.ら、国際公開第2011044181号パンフレットに記載のように製造)から製造
LC−MS(m/z)426(MH)t=0.45分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.60(br s,1H),8.72(s,2H),7.90−7.86(m,1H),7.83(dd,J=7.1,2.7Hz,1H),7.14(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.23(br s,2H),4.02(s,3H),2.74−2.59(m,1H),2.49−2.37(m,1H),1.67(d,J=22.7Hz,3H),1.63(s,3H).
【0128】
実施例13:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−2−(ジフルオロメチル)オキサゾール−4−カルボキサミド
【化31】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび2−(ジフルオロメチル)オキサゾール−4−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)435(MH)t=0.51分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.42(br s,1H),9.01(s,1H),7.81(dd,J=7.1,2.7Hz,1H),7.76(dt,J=8.5,3.3Hz,1H),7.33(t,J=51.9Hz,1H),7.12(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.20(br s,2H),2.74−2.58(m,1H),2.48−2.36(m,1H),1.67(d,J=22.7Hz,3H),1.62(s,3H).
【0129】
実施例14:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)オキサゾール−2−カルボキサミド
【化32】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび4−(フルオロメチル)オキサゾール−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)417(MH)t=0.46分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ11.04(br s,1H),8.56(d,J=5.0Hz,1H),7.88(dd,J=7.2,2.7Hz,1H),7.80−7.75(m,1H),7.14(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.21(br s,2H),5.43(d,J=48.0Hz,2H),2.74−2.58(m,1H),2.48−2.35(m,1H),1.67(d,J=22.8Hz,3H),1.62(s,3H).
【0130】
実施例15:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)チアゾール−2−カルボキサミド
【化33】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび4−(フルオロメチル)チアゾール−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)433(MH)t=0.52分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.90(br s,1H),8.25(d,J=3.2Hz,1H),7.94(dt,J=11.2,5.6Hz,1H),7.81−7.73(m,1H),7.13(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.21(br s,2H),5.57(d,J=47.7Hz,2H),2.72−2.57(m,1H),2.48−2.36(m,1H),1.67(d,J=22.8Hz,3H),1.62(s,3H).
【0131】
実施例16:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド
【化34】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−(ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)446(MH)t=0.52分(方法A).H NMR(600MHz,CDCl)δ9.63(br s,1H),9.53(s,1H),8.92(s,1H),7.90−7.86(m,1H),7.63(dd,J=6.8,2.7Hz,1H),7.11(dd,J=11.6,8.8Hz,1H),6.80(t,J=54.5Hz,1H),4.76(br s,2H),2.64−2.34(m,2H),1.80(t,J=2.7Hz,3H),1.77(d,J=23.5Hz,3H).
【0132】
実施例17:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピコリンアミド
【化35】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−メトキシピコリン酸から製造
LC−MS(m/z)425(MH)t=0.52分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.42(br s,1H),8.39(dd,J=2.9,0.4Hz,1H),8.13−8.11(m,1H),7.91−7.85(m,2H),7.61(dd,J=8.8,2.9Hz,1H),7.16−7.09(m,1H),6.27(br s,2H),3.93(s,J=2.9Hz,3H),2.73−2.59(m,1H),2.49−2.38(m,1H),1.68(d,J=22.7Hz,3H),1.63(s,3H).
【0133】
実施例18:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノ−3−メチルピコリンアミド
【化36】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−シアノ−3−メチルピコリン酸(Badiger,Sangameshら、PCT国際公開第2012095469号パンフレットに記載のように製造)から製造
LC−MS(m/z)434(MH)t=0.53分(方法A).
【0134】
実施例19:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシ−3−メチルピラジン−2−カルボキサミド
【化37】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−メトキシ−3−メチルピラジン−2−カルボン酸(吉澤一洋ら、PCT国際公開第2013162065号パンフレットに記載のように製造)から製造
LC−MS(m/z)440.1(MH)t=0.58分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.42(s,1H),8.23(s,J=0.5Hz,1H),7.88−7.83(m,1H),7.76(dd,J=7.1,2.7Hz,1H),7.12(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.23(s,2H),3.99(s,3H),2.75(s,3H),2.73−2.58(m,1H),2.49−2.38(m,1H),1.67(d,J=22.7Hz,3H),1.63(s,3H).
【0135】
実施例20:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキサミド
【化38】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)400.1(MH)t=0.42分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ11.51(d,J=37.6Hz,1H),11.40(s,1H),10.01(s,1H),9.89(s,1H),8.06−8.01(m,1H),7.97(dd,J=7.3,2.5Hz,1H),7.35(dd,J=12.3,9.0Hz,1H),3.18−3.04(m,1H),2.93−2.80(m,1H),2.64(s,3H),1.94−1.89(m,6H).
【0136】
実施例21:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−カルボキサミド
【化39】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)400(MH)t=0.46分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ11.54(s,1H),11.40(s,1H),10.01(s,1H),9.89(s,1H),8.06−8.00(m,1H),7.97(dd,J=7.3,2.5Hz,1H),7.34(dd,J=12.3,9.0Hz,1H),3.19−3.04(m,1H),2.92−2.79(m,1H),2.64(s,3H),1.92(m,6H).
【0137】
実施例22:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド
【化40】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)399(MH)t=0.39分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.40(s,1H),8.68(s,1H),7.84(dd,J=7.2,2.7Hz,1H),7.82−7.76(m,1H),7.12(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.50−6.03(s,2H),3.98(s,3H),2.75−2.60(m,1H),2.49−2.35(m,1H),1.68(d,J=22.8Hz,3H),1.62(s,3H).
【0138】
実施例23:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−1−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化41】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび1−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)434(MH)t=0.5分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.49(s,1H),8.41(t,J=3.4Hz,1H),7.92(t,J=58.7Hz,1H),7.80−7.64(m,2H),7.13(dd,J=11.9,8.7Hz,1H),7.01(d,J=2.7Hz,1H),6.32(s,2H),2.63−2.45(d,J=23.4Hz,1H),2.28−2.11(m,1H),1.69(d,J=23.3Hz,3H),1.67(s,3H).
【0139】
実施例24:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボキサミド
【化42】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−(ジフルオロメチル)ピラジン−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)446(MH)t=0.52分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ11.03(s,1H),9.37(t,J=2.4Hz,1H),9.09(s,1H),7.89−7.80(m,2H),7.26(t,J=53.9Hz,1H),7.18(dd,J=11.9,8.7Hz,1H),6.34(s,2H),2.62−2.51(m,1H),2.29−2.14(m,1H),1.71(d,J=23.2Hz,3H),1.68(s,3H).
【0140】
実施例25:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド
【化43】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−メトキシピラジン−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)426(MH)t=0.5分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.63(s,1H),8.88(d,J=1.3Hz,1H),8.41(d,J=1.3Hz,1H),7.82(dd,J=7.2,2.6Hz,1H),7.78(dt,J=8.6,3.4Hz,1H),7.14(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.31(s,2H),4.02(s,3H),2.60−2.49(m,1H),2.28−2.13(m,1H),1.70(d,J=23.0Hz,3H),1.67(s,3H).
【0141】
実施例26:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メトキシピリミジン−2−カルボキサミド
【化44】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−メトキシピリミジン−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)426(MH)t=0.45分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ11.65(s,1H),10.99(s,1H),10.20(s,1H),10.08(s,1H),8.74(s,2H),8.13(m,1H),8.05(d,J=7.1Hz,1H),7.34(t,J=10.6Hz,1H),4.04(s,3H),3.13−2.99(m,1H),2.76−2.60(m,1H),1.97−1.86(m,6H).
【0142】
実施例27:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−メチルチアゾール−2−カルボキサミド
【化45】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび4−メチルチアゾール−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)415(MH)t=0.54分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.89(s,1H),7.83−7.76(m,2H),7.69(d,J=0.9Hz,1H),7.15(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.40(s,2H),2.59−2.52(m,1H),2.50(s,3H),2.19(m,1H),1.74−1.67(m,6H).
【0143】
実施例28:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)ピコリンアミド
【化46】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−(トリフルオロメチル)ピコリン酸から製造
LC−MS(m/z)463(MH)t=0.61分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.96(s,1H),9.18−9.09(m,1H),8.48(dd,J=8.3,2.1Hz,1H),8.33(d,J=8.2Hz,1H),7.89−7.81(m,2H),7.17(dd,J=11.9,8.7Hz,1H),6.58−6.29(m,2H),2.62−2.52(m,1H),2.31−2.16(m,1H),1.77−1.66(m,6H).
【0144】
実施例29:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−2−(ジフルオロメチル)オキサゾール−4−カルボキサミド
【化47】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび2−(ジフルオロメチル)オキサゾール−4−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)435(MH)t=0.51分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.52(s,1H),9.03(s,1H),7.73(dd,J=7.2,2.6Hz,1H),7.72−7.68(m,1H),7.33(t,J=51.9Hz,1H),7.14(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.31(s,2H),2.58−2.48(m,1H),2.25−2.11(m,1H),1.72−1.64(m,6H).
【0145】
実施例30:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)オキサゾール−2−カルボキサミド
【化48】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび4−(フルオロメチル)オキサゾール−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)417(MH)t=0.47分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ11.15(s,1H),8.57(d,J=5.0Hz,1H),7.81−7.71(m,2H),7.16(dd,J=11.9,8.7Hz,1H),6.34(s,2H),5.43(d,J=48.0Hz,2H),2.58−2.48(m,1H),2.23−2.09(m,1H),1.73−1.64(m,6H).
【0146】
実施例31:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)チアゾール−2−カルボキサミド
【化49】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび4−(フルオロメチル)チアゾール−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)433(MH)t=0.52分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ11.03(s,1H),8.25(d,J=3.2Hz,1H),7.85−7.75(m,2H),7.16(dd,J=11.9,8.7Hz,1H),6.35(dd,J=22.8,15.9Hz,1H),5.58(d,J=47.7Hz,2H),2.61−2.52(m,1H),2.19(m,1H),1.76−1.64(m,6H).
【0147】
実施例32:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノピコリンアミド
【化50】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−シアノピコリン酸から製造
LC−MS(m/z)420(MH)t=0.52分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.96(s,1H),9.20(dd,J=2.0,0.8Hz,1H),8.57(dd,J=8.2,2.1Hz,1H),8.31−8.26(m,1H),7.87−7.78(m,2H),7.16(dd,J=11.9,8.7Hz,1H),6.34(s,2H),2.62−2.52(m,1H),2.28−2.13(m,1H),1.73−1.65(m,6H).
【0148】
実施例33:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−クロロピコリンアミド
【化51】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−クロロピコリン酸から製造
LC−MS(m/z)429(MH)t=0.55分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.80(s,1H),8.80−8.76(m,1H),8.18(dd,J=8.4,2.4Hz,1H),8.15(d,J=8.4Hz,1H),7.85−7.77(m,2H),7.15(dd,J=11.9,8.7Hz,1H),6.31(d,J=25.7Hz,2H),2.58−252(m,1H),2.28−2.15(m,1H),1.75−1.66(m,6H).
【0149】
実施例34:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−2−メチルオキサゾール−4−カルボキサミド
【化52】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび2−メチルオキサゾール−4−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)399(MH)t=0.46分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.29(br s,1H),7.79(m,1H),7.72(m,1H),7.59(s,1H),7.13(dd,J=11.7,9.0Hz,1H),6.40(br s,2H),2.55(m,1H),2.44(s,3H),2.20(m,1H),1.71(d,J=23.4Hz,3H),1.69(s,3H).
【0150】
実施例35:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−カルボキサミド
【化53】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)400(MH)t=0.43分(方法A).
【0151】
実施例36:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)チアゾール−2−カルボキサミド
【化54】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよびチアゾール−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)401(MH)t=0.47分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.97(br s,1H),8.14(d,J=3.1Hz,1H),8.10(d,J=3.1Hz,1H),7.79(m,2H),7.15(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.33(br s,2H),2.55(m,1H),2.18(m,1H),1.70(d,J=23.0Hz,3H),1.67(s,3H).
【0152】
実施例37:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボキサミド
【化55】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび4−ブロモ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)476(MH)t=0.53分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.59(br s,1H),7.74(dt,J=8.7,3.3Hz,1H),7.69(dd,J=7.2,2.6Hz,1H),7.63(s,1H),7.11(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.32(br s,2H),3.95(s,3H),2.55(m,1H),2.18(m,1H),1.69(d,J=23.1Hz,3H),1.66(s,3H).
【0153】
実施例38:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−1,4−ジメチル−1H−イミダゾール−2−カルボキサミド
【化56】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび1,4−ジメチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)412.3(MH)t=0.46分(方法B).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.39(s,1H),7.74−7.71(m,1H),7.68(dd,J=7.2,2.6Hz,1H),7.14(s,J=15.0Hz,1H),7.12−7.07(m,1H),6.30(s,2H),3.91(s,3H),2.58−2.52(m,1H),2.26−2.15(m,1H),2.17(s,3H),1.69(d,J=23.0Hz,3H),1.66(s,3H)..
【0154】
実施例39:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化57】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)398(MH)t=0.42分(方法B).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ9.93(br s,1H),8.31(s,1H),8.00(t,J=2.3Hz,1H),7.63(m,1H),7.61(m,3H),6.31(br s,2H),2.56(m,1H),2.21(m,1H),1.69(d,J=23.3Hz,3H),1.67(s,3H).
【0155】
実施例40:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−3−メチルイソキサゾール−5−カルボキサミド
【化58】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび3−メチルイソキサゾール−5−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)399.1(MH)t=0.47分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.84(br s,1H),7.73(m,1H),7.70(dd,J=7.1,2.7Hz,1H),7.16(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),7.11(s,1H),6.35(br s,2H),2.55(m,1H),2.34(s,3H),2.20(m,1H),1.68(d,J=22.6Hz,3H),1.67(s,3H).
【0156】
実施例41:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−メチルフラン−2−カルボキサミド
【化59】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−メチルフラン−2−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)398.3(MH)t=0.52分(方法B).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.16(br s,1H),7.67(dd,J=7.2,2.7Hz,1H),7.63(ddd,J=8.7,3.8,2.9Hz,1H),7.23(m,1H),7.12(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.32(dd,J=3.4,1.0Hz,1H),6.31(br s,2H),2.55(m,1H),2.38(s,3H),2.19(m,1H),1.69(d,J=23.1Hz,3H),1.66(s,3H).
【0157】
実施例42:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−2−メチルオキサゾール−5−カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩
【化60】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび2−メチルオキサゾール−5−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)399(MH)t=0.43分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ11.64(s,1H),10.62(s,1H),10.17(s,1H),10.07(s,1H),7.90−7.85(m,3H),7.36−7.31(m,1H),3.14−3.02(m,1H),2.77−2.62(m,1H),2.54(s,3H),1.92(s,3H),1.89(d,J=23.0Hz,4H).
【0158】
実施例43:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(メトキシ−d)ピコリンアミド
【化61】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−(メトキシ−d)ピコリン酸から製造
LC−MS(m/z)428.2(MH)t=0.54分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.58(s,1H),8.39(d,J=2.9Hz,1H),8.12(d,J=8.7Hz,1H),7.84−7.81(m,1H),7.78(d,J=8.1Hz,1H),7.60(dd,J=8.7,2.9Hz,1H),7.13(dd,J=11.8,8.9Hz,1H),6.32(s,2H),2.59−2.45(m,1H),2.36−2.10(m,1H),1.71(d,J=23.0Hz,3H),1.67(s,3H).
【0159】
実施例44:N−(3−((2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−4−クロロベンズアミド
【化62】
(3R,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび4−クロロ安息香酸から製造
LC−MS(m/z)428.1(MH)t=0.58分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.46(s,1H),7.96(d,J=8.4Hz,2H),7.76−7.65(m,2H),7.60(d,J=8.4Hz,2H),7.15(dd,J=11.7,8.9Hz,1H),6.37(s,2H),2.61−2.49(m,1H),2.29−2.14(m,1H),1.70(d,J=22.2Hz,3H),1.68(s,3H).
【0160】
実施例45:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−(ジフルオロメトキシ)ピコリンアミド
【化63】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸から製造
LC−MS(m/z)461.1(MH)t=0.55分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.59(s,1H),8.62(d,J=2.8Hz,1H),8.22(dd,J=8.7,0.5Hz,1H),7.93−7.89(m,2H),7.89−7.85(m,1H),7.50(t,J=72.9Hz,1H),7.14(dd,J=11.9,8.8Hz,1H),6.23(s,2H),2.74−2.59(m,1H),2.55(s,3H),2.49−2.38(m,1H),1.68(d,J=22.7Hz,3H),1.63(s,3H).
【0161】
実施例46:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−3−フルオロ−5−メトキシピコリンアミド
【化64】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび3−フルオロ−5−メトキシピコリン酸から製造
LC−MS(m/z)443.1(MH)t=0.51分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.40(s,1H),8.28(dd,J=2.3,0.8Hz,1H),7.84−7.81(m,1H),7.78(dd,J=7.2,2.7Hz,1H),7.62(dd,J=12.7,2.4Hz,1H),7.12(dd,J=12.0,8.8Hz,1H),6.22(s,2H),3.94(s,3H),2.72−2.59(m,1H),2.49−2.36(m,1H),1.67(d,J=22.7Hz,3H),1.62(s,3H).
【0162】
実施例47:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4フルオロフェニル)−2,5−ジメチルオキサゾール−4−カルボキサミド
【化65】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび2,5−ジメチルオキサゾール−4−カルボン酸から製造
LC−MS(m/z)413.1(MH)t=0.51分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ9.90(s,1H),7.80(dd,J=7.2,2.7Hz,1H),7.75(ddd,J=8.7,3.8,2.9Hz,1H),7.08(dd,J=12.0,8.8Hz,1H),6.21(s,2H),2.71−2.60(m,1H),2.57(s,3H),2.47−2.40(m,1H),2.45(s,3H),1.67(d,J=22.8Hz,3H),1.61(s,3H).
【0163】
実施例48:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−5−(メトキシ−d3)ピコリンアミド
【化66】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−(メトキシ−d)ピコリン酸から製造
LC−MS(m/z)428.1(MH)t=0.51分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.41(s,1H),8.39(dd,J=2.9,0.5Hz,1H),8.12(dd,J=8.7,0.5Hz,1H),7.88−7.85(m,2H),7.61(dd,J=8.7,2.9Hz,1H),7.15−7.09(m,1H),6.22(s,2H),2.72−2.59(m,1H),2.48−2.38(m,1H),1.67(d,J=22.7Hz,3H),1.62(s,3H).
【0164】
実施例49:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−フルオロ−3−メチルピコリンアミド
【化67】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−フルオロ−3−メチルピコリン酸から製造
LC−MS(m/z)427.1(MH)t=0.54分(方法A).H NMR(600MHz,DMSO−d)δ10.51(s,1H),8.53(dd,J=2.7,0.4Hz,1H),7.89−7.84(m,1H),7.81(ddd,J=9.8,2.7,0.6Hz,1H),7.75(dd,J=7.2,2.7Hz,1H),7.12(dd,J=12.0,8.8Hz,1H),6.22(s,2H),2.75−2.61(m,1H),2.58(s,3H),2.49−2.37(m,1H),1.67(d,J=22.7Hz,3H),1.62(s,3H).
【0165】
実施例18a:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノ−3−メチルピコリンアミド
【化68】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオン(750mg、2.44mmol)をアンモニアの7Mメタノール溶液(36ml、252mmol)に溶解した。反応混合物を密封バイアル内で、60℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮し、(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−アミン(708mg、2.448mmol、収率100%)を淡黄色固体として得、それをさらに精製することなく次の反応に使用した。
【0166】
5−シアノ−3−メチルピコリン酸(232mg、1.432mmol)(Badiger,Sangameshら、PCT国際公開第2012095469号パンフレットに記載のように製造)を丸底フラスコに入れ、DMF(7mL)に溶解した。HATU(669mg、1.760mmol)を添加し、反応を室温で5分間撹拌し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.7mL、4.1mmol)を添加した。反応混合物を0℃に冷却し、(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−アミン(470mg、1.63mmol)のDMF(7mL)溶液に0℃で滴下した。反応混合物を0℃で30分間、次いで室温で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水で洗浄した。相を分離し、水層を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗製物を、RediSep Automatedフラッシュシステムを用いて80gシリカゲル(溶離液:酢酸エチル/ヘプタン)で精製した。生成物を次の手順でさらに精製した:生成物を酢酸エチル(50mL)に溶解し、飽和NaHCO水溶液/水(1/1)の溶液で洗浄した。合計15回(各回10mLを用いて)有機相を洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発させて、N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノ−3−メチルピコリンアミド(153mg、収率26%)を得た。
LC−MS(m/z)434(MH)t=0.53分(方法A).
H NMR(600MHz,CDCl)δ9.97(s,1H),8.72(dd,J=1.9,0.6Hz,1H),7.99−7.90(m,2H),7.44(dd,J=6.8,2.8Hz,1H),7.09(dd,J=11.7,8.8Hz,1H),4.71(s,2H),2.86(s,3H),2.48(m,2H),1.81−1.74(m,6H).
【0167】
以下の化合物は、実施例18aと同様に製造した:
【0168】
実施例4a:N−(3−((2R,5S)−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン−2−イル)−4−フルオロフェニル)−5−シアノピコリンアミド
【化69】
(3S,6R)−6−(5−アミノ−2−フルオロフェニル)−3,5,5−トリフルオロ−3,6−ジメチルピペリジン−2−チオンおよび5−シアノピコリン酸から製造
LC−MS(m/z)420.0(MH)t=1.79分(方法B).
【0169】
立体化学
ヘプタンと酢酸エチルとの混合物から化合物48を再結晶することにより結晶を得た。化合物48の構造は、前記結晶をX線結晶構造解析することにより解明した。化合物48のX線構造中に存在する非対称単位中の2つの分子を図1に示し、それから立体配置が(2R,5S)であることが分かる。
【0170】
このようにして例示の本発明の化合物の絶対配置を合理化することができる。実施例は全て、中間体XVIaまたはXVIb(式中R=R=メチル、R=tert−ブトキシカルボニル)から合成した。
【化70】
【0171】
中間体XVIa(R=R=メチル、R=tert−ブトキシカルボニル)の相対および絶対立体化学は、実施例48のX線構造に基づいて(2R,5S)と帰属した。中間体XVIa(R=R=メチル、R=tert−ブトキシカルボニル)の2位の絶対立体化学は、絶対配置の帰属を文献の先例(国際公開第2012110459号パンフレット)に基づいて行った中間体XV(R=メチル、R=エチル)の絶対配置に基づいて(2R)と帰属した。5位の立体化学の2つの帰属方法は一致している。
【0172】
中間体XVIb(R=R=メチル、R=tert−ブトキシカルボニル)の絶対立体化学は、絶対配置の帰属を文献の先例に基づいて行った中間体XV(R=メチル、R=エチル)の絶対配置に基づいた。6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン部分構造の5位の立体化学は、中間体XVIa(R=R=メチル、R=tert−ブトキシカルボニル)のその位置での立体化学と反対である、従って、中間体XVIbの立体化学は(2R,5S)である。
【0173】
(2R,5R))−6−アミノ−3,3,5−トリフルオロ−2,5−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン部分構造を含有する例示の化合物、例えば、実施例2の立体化学は、中間体XVIb(R=R=メチル、R=tert−ブトキシカルボニル)の立体化学に基づく。
【0174】
薬理学的試験
BACE1結合アッセイ
結合アッセイは、Freestyle HEK293細胞から組換え発現させた後、精製したビオチン化型のヒトBACE1を用いるSPAベースのアッセイとして行った。結合アッセイは、白色透明底384プレート(Corning ♯3653)内の50mM NaClおよび0.03%Tween−20を含有する50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)中で行った。10nM(最終濃度)放射性リガンド([H]−N−((1S,2R)−1−ベンジル−3−シクロプロピルアミノ−2−ヒドロキシプロピル)−5−(メタンスルホニルメチルアミノ)−N−((R)−1−フェニルエチル)イソフタルアミド)(GE Healthcareから購入したTRQ11569)を、所定の濃度の試験化合物、6nM(最終濃度)ヒトBACE1、および25μgストレプトアビジン被覆PVTコアSPAビーズ(RPNQ0007、GE Healthcare Life Sciences)と全容積40μlとなるように混合した。C50測定アッセイでは幾つかの濃度の各試験化合物を試験した。プレートを室温で1時間インキュベートし、Wallac Triluxカウンターで計数した。全結合および非特異的結合は、バッファーおよび1μM(最終濃度)の高親和性BACE1参照阻害剤(S)−6−[3−クロロ−5−(5−プロパ−1−イニルピリジン−3−イル)チオフェン−2−イル]−2−イミノ−3,6−ジメチルテトラヒドロピリジン−4−オンをそれぞれ用いて、測定した。各試験化合物について、IC50値(放射性リガンドの特異的結合の50%阻害をもたらす濃度)は濃度反応曲線から求め、式K=IC50/(1+L/K)(式中、LおよびKは、それぞれ、アッセイに使用した放射性リガンドの最終濃度および放射性リガンドの解離定数である)からKを算出するのに使用した。放射性リガンドのKは飽和結合実験から求めた。
【0175】
【表1】
【0176】
【表2】
【0177】
BACE1有効性アッセイ
有効性アッセイは、市販のBACE1キット(Life Technologies,P2985)を用いるFRETベースのアッセイとして行った。10μM(最終濃度)の試験化合物2μlとキットのBACE1酵素(最終濃度3nM)15μlとを室温で15分間予備インキュベートした後、キットの基質(最終濃度250nM)15μlを添加し、室温でさらに90分間インキュベートした。その後、Pherastar(Ex540/Em590)でアッセイプレートを読み取った。試験化合物の存在下で観測された酵素活性を、それぞれバッファーおよび10μM(最終濃度)の高親和性BACE1参照阻害剤(S)−6−[3−クロロ−5−(5−プロパ−1−イニルピリジン−3−イル)チオフェン−2−イル]−2−イミノ−3,6−ジメチルテトラヒドロピリジン−4−オンの存在下で観測された酵素活性に対して標準化した。試験化合物の有効性は10μM(最終濃度)で評価し、式、%阻害=100%−標準化した酵素活性(単位:%)を用いて酵素活性の阻害率と定義した。
【0178】
【表3】
【0179】
【表4】
【0180】
BACE1阻害後のラットの脳および血漿中のAβレベルの評価
動物
全てのラットの世話および実験手順は、デンマーク立法府に従い、Lundbeck Veterinary Staffにより承認された。ラットは、12/12時間の明/暗サイクルで、食餌と水を自由摂取できるようにしてバリア施設内で飼育した。
【0181】
未処置ラットの治療
体重約250gの若齢成体雄性スプラーグドーリー(Sprague Dawley)ラットはCharles Riverから購入し、溶媒(10%HPβCD+1M MeSO、pH2.5)または試験化合物(溶媒に溶解)0〜30mg/kgを強制経口投与(p.o)のみで与えた。化合物は5ml/kgの量で投与する。各治療条件について、5〜10匹の動物のコホート研究を行った。
【0182】
獣医スタッフは、治療を受ける動物の毒性の徴候を注意深く監視した。監視パラメータには、体重、身体的外観、外被外観の変化、非誘発挙動の発生、および外部刺激に対する反応の鈍化または過剰反応が含まれた。
【0183】
組織採取
最初に投与した後T=180分の時点で、動物を気絶させ、ギロチンで断頭した。動物の断頭後、体幹血液をEDTAコートしたチューブに採取した。血液を2200Gで、4℃で15分間遠心分離し、血漿を採取し、−80℃で凍結した。血液をAβ ELISAおよびDMPK分析用のアリコートに分けた。犠牲にした直後に、脳を摘出し、2つに分割した。右脳半球はドライアイスで急速凍結し、−80℃で貯蔵した。左半分は切断し;前脳前部(front forebrain)はAβ ELISA用に取り、残部はDMPK分析用に使用した。これらの試料もドライアイスで急速凍結し、分析に使用するまで−80℃で貯蔵した。
【0184】
組織処理
皮質試料を氷上で少し解凍した後、それらを、約5〜7秒間速度5に設定した少量用分散装置(T10 basic ULTRA−TURRAX(登録商標))を用いてホモジナイズした。組織をその重量の10倍の容積中で処理した、例えば、組織100mgをホモジナイズバッファー1000μL中でホモジナイズした。ホモジナイズバッファー:50mlMilli Q水+50nM NaCl+0.2%ジエチルアミン(DEA)+Complete Protease inhibitor cocktail、1錠+1nM フッ化4−(2−アミノエチル)ベンゼンスルホニル塩酸塩不可逆的セリンプロテアーゼ阻害剤(AEBSF)。
【0185】
ホモジナイズした後、試料を450μLずつ1.5mlエッペンドルフ管に採取し、氷上に置き、0.5%NP−40(50ul)を全ての試料に添加した後、それらを氷上で30分間インキュベートした。その後、全ての試料を、超音波ホモジナイザを用いて20kHzの均質な音(SONOPLUS HD2070,Bandelin Electronic)10パルス、12〜13%の出力設定で音波処理し、Aβ種を全て抽出した。次いで、試料を20000Gで、4℃で20分間遠心分離した(Ole Dich 157 MPRF Micro centrifuge)。遠心分離した後、上清285μLをピペットで600μLマイクロチューブに移し、1M Tris−HCLバッファー15μLで中和した。
【0186】
ELISAプロトコル
WAKO294−62501ヒト/ラットAベータアミロイド(40)キットを全てのELISA分析に使用した。血漿試料30μLまたは前述のように作成した皮質上清30μLを、氷上で600μLマイクロチューブに入れた。これに8M尿素(AppliChem A1049,9025)30μLを添加し、2倍希釈した。血漿上清と皮質上清の両方を氷上で30分間インキュベートした。標準列は、キットに提供された標準ペプチドストック溶液と、1.6M尿素(8M尿素200μL+標準希釈剤800μL)および0.8M尿素(8M尿素400μL+標準希釈剤3600μL)を含有する標準希釈剤とから調製した。100pmol/ml〜0pmol/LのAβ40の2倍系列希釈をアッセイ用に調製した。
【0187】
尿素と共にインキュベートした後、キットの5倍標準希釈剤を添加することにより全ての試料をさらに希釈した。これは、標準希釈剤240μLを試料/尿素混合物60μLに添加した後、それを十分混合することにより行った。希釈した各試料100μLをピペットでELISAプレートの指定されたウェルにデュプリケートで移した。次いで、プレートを被覆して、4℃で終夜インキュベートした。翌日、使用する前にELISAキットを室温にした。インキュベートしたプレートは、Milli Q水で希釈した20×洗浄液で5回洗浄した。HRPコンジュゲート100μLを各ウェルに加え、プレートを被覆し、4℃で1時間インキュベートした。洗浄を再び5回繰り返した。3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)溶液100μLを各ウェルに加え、プレートを被覆し、暗所にて室温で30分間インキュベートした。次に、停止液100μLを各ウェルに加え、ウェルに停止液を添加して30分以内にプレートを分光光度計(Labsystems Multiscan Ascent)で、450nmの波長で読み取った。
【0188】
既知の濃度の合成Aβ40を含有する標準物質から作成した標準曲線に基づいて、試料中のAβの濃度を測定した。当業者には、ジエチルアミン(DEA)および尿素での抽出により、それぞれ可溶性Aβおよび不溶性Aβが遊離されることが分かるであろう。ELISAキットはバリデーションが行われ、広く使用されているため、治療条件およびアッセイ条件が各被検化合物について同じである限り、アッセイは被検化合物について一貫性のあるロバストなデータが得られ、不一致が最小限になるものと認められている。
【0189】
データ解析
試料中のAβ40の濃度を求めるために、プレートに添加した試料の補間値に20を乗じるが、それはDEA、尿素、および中和溶液の容積を合計したときの希釈に相当する。値は、溶媒処理された動物と比較したAβ40の変化率として算出される。
【0190】
化合物1、5、17、18、および24を10mg/kgまたは30mg/kgの用量で経口投与し、投与して3時間後に脳試料および血漿試料を採取し、以下の曝露およびAβ40レベルの低下を前述のように測定した。
【0191】
【表5】
【0192】
【表6】
【0193】
【表7】
【0194】
【表8】
【0195】
【表9】
【0196】
表3〜7に示すように、本発明の化合物は血液脳関門を透過することができ、動物の脳のAβ40レベルの低下に有効である。
図1