(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
I. 発明の化合物
第1の態様において、本発明は、とりわけ、式(I):
【化1】
[式中:
Xは、結合手、O、S、NH、N(C
1−4アルキル)、CH
2、CH
2CH
2、CH(C
1−4アルキル)、OCH
2、CH
2O、OCH
2CH
2、およびCH
2CH
2Oより独立して選択され;
環Aは、独立して、
【化2】
であり;
環Bは、独立して、炭素原子と、環Bにおいて示される窒素原子と、N、OおよびSより選択されるさらなるヘテロ原子(0−1個)とを含有する4ないし7員の飽和ヘテロサイクルであり;ここで該環Bは0−4個のR
2で置換され;
R
1は、独立して、
【化3】
フェニル、ベンジル、ナフチル、または炭素原子と、N、NR
11、OおよびSより選択される1−4個のヘテロ原子とを含有する5ないし10員のヘテロアリールであり;ここで該フェニル、ベンジル、ナフチルおよびヘテロアリールは、各々、0−3個のR
6で置換され;
R
2は、各々、=O、OH、ハロゲン、R
12(0−1個)で置換されるC
1−6アルキル、R
12(0−1個)で置換されるC
1−6アルコキシ、R
12(0−1個)で置換されるC
1−4ハロアルキル、R
12(0−1個)で置換されるC
1−4ハロアルコキシ、R
12(0−1個)で置換される−(CH
2)
m−C
3−6カルボサイクル、および−(CH
2)
m−(炭素原子と、N、NR
11、OおよびSより選択される1−4個のヘテロ原子とを含有する5ないし10員のヘテロアリール)より独立して選択され;ここで、該ヘテロアリールは0−1個のR
12で置換され;
2個のR
2基が2個の異なる炭素原子と結合する場合、それらは合わさって環Bを覆う1ないし3員の炭素原子のブリッジを形成してもよく;
2個のR
2基が同一の炭素と結合する場合、それらはその結合する炭素原子と一緒に合わさって3ないし6員の炭素原子を含有するスピロ環を形成してもよく;
R
3は、R
10で置換されるC
1−6アルキル、R
10で置換されるC
2−6アルケニル、R
10で置換されるC
2−6アルキニル、R
10で置換されるC
1−4ハロアルキル、−O(CH
2)
1−2O(CH
2)
1−4R
10、OR
9、SR
9、C(O)OR
9、CO
2R
9、S(O)R
9、SO
2R
9、およびCONHR
9より独立して選択され;
R
4およびR
4aは、H、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、および−(CH
2)
m−C
3−6カルボサイクルより独立して選択され;
R
5は、各々、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、C
1−6ハロアルキル、およびC
1−6ハロアルコキシより独立して選択され;
R
6は、各々、ハロゲン、OH、C
1−4アルキルチオ、CN、SO
2(C
1−2アルキル)、N(C
1−4アルキル)
2、C
1−4ハロアルキル、C
1−4ハロアルコキシ、R
7(0−1個)で置換されるC
1−8アルキル、R
7(0−1個)で置換されるC
1−6アルコキシ、−(O)
n−(CH
2)
m−(R
7(0−2個)で置換されるC
3−10カルボサイクル)、および−(CH
2)
m−(炭素原子と、N、NR
11、OおよびSより選択される1−4個のヘテロ原子とを含有する5ないし10員のヘテロアリール)より独立して選択され;ここで該ヘテロアリールは0−2個のR
7で置換され;
R
7は、各々、ハロゲン、OH、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
1−4アルコキシ、C
1−4アルキルチオ、C
1−4ハロアルキル、C
1−4ハロアルコキシ、SCF
3、CN、NO
2、NH
2、NH(C
1−4アルキル)、N(C
1−4アルキル)
2、SO
2(C
1−2アルキル)、およびフェニルより独立して選択され;
R
8は、HおよびC
1−4アルキルより独立して選択され;
R
9は、各々、R
10で置換されるC
1−6アルキル、およびR
10で置換されるC
1−4ハロアルキルより独立して選択され;
R
10は、各々、CN、C
1−4アルコキシ、C
1−4ハロアルコキシ、CO
2(C
1−4アルキル)、SO
2(C
1−4アルキル)、およびテトラゾリルより独立して選択され;
R
11は、各々、H、C
1−4アルキル、およびベンジルより独立して選択され;
R
12は、各々、OH、ハロゲン、CN、C
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、C
1−4ハロアルキル、C
1−4ハロアルコキシ、CO
2(C
1−4アルキル)、およびテトラゾリルより独立して選択され;
mは、各々、独立して0、1または2であり;および
nは、各々、独立して0または1である]
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を提供する。
【0015】
第2の態様において、本発明は、R
4が水素であり、R
8が水素である式(I)の化合物であって、さらには式(II):
【化4】
[式中:
Xは、O、N(CH
3)、CH
2、CH
2O、およびCH
2CH
2Oより独立して選択され;
環Aは、独立して、
【化5】
であり;
環Bは、独立して、炭素原子と、環Bにおいて示される窒素原子とを含有する4ないし7員の飽和ヘテロサイクルであり;ここで該環Bは0−4個のR
2で置換され;
R
1は、独立して、
【化6】
フェニル、ベンジル、ナフチル、または炭素原子と、N、NR
11、OおよびSより選択される1−4個のヘテロ原子とを含有する5ないし10員のヘテロアリールであり;ここで該フェニル、ベンジル、ナフチルおよびヘテロアリールは、各々、R
6(0−3個)で置換され;
R
2は、各々、=O、OH、ハロゲン、R
12(0−1個)で置換されるC
1−4アルキル、R
12(0−1個)で置換されるC
1−4アルコキシ、C
1−4ハロアルキル、C
1−4ハロアルコキシ、およびベンジルより独立して選択され;
2個のR
2基が2個の異なる炭素原子と結合する場合、それらは合わさって環Bを覆う1ないし3員の炭素原子のブリッジを形成してもよく;
2個のR
2基が同一の炭素と結合する場合、それらはその結合する炭素原子と一緒に合わさって3ないし6員の炭素原子を含有するスピロ環を形成してもよく;
R
3は、R
10で置換されるC
1−4アルキル、R
10で置換されるC
1−4アルコキシ、R
10で置換されるC
1−4ハロアルキル、R
10で置換されるC
1−4ハロアルコキシ、OR
9、および−O(CH
2)
1−2O(CH
2)
1−4R
10より独立して選択され;
R
4aは、H、ハロゲン、C
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、および−(CH
2)
m−C
3−6カルボサイクルより独立して選択され;
R
5は、各々、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、およびC
1−6ハロアルコキシより独立して選択され;
R
6は、各々、ハロゲン、OH、C
1−4アルキルチオ、CN、SO
2(C
1−2アルキル)、N(C
1−4アルキル)
2、C
1−4ハロアルキル、C
1−4ハロアルコキシ、R
7(0−1個)で置換されるC
1−8アルキル、R
7(0−1個)で置換されるC
1−4アルコキシ、−(O)
n−(CH
2)
m−(R
7(0−2個)で置換されるC
3−6カルボサイクル)、−(CH
2)
m−(R
7(0−2個)で置換されるナフチル)、および−(CH
2)
m−(炭素原子と、N、OおよびSより選択される1−4個のヘテロ原子とを含有する5ないし10員のヘテロアリール)(ここで該ヘテロアリールは0−2個のR
7で置換される)より独立して選択され;
R
7は、各々、ハロゲン、OH、C
1−4アルキル、C
2−4アルケニル、C
1−4アルコキシ、C
1−4アルキルチオ、C
1−4ハロアルキル、C
1−4ハロアルコキシ、SCF
3、CN、NO
2、NH
2、NH(C
1−4アルキル)、N(C
1−4アルキル)
2、SO
2(C
1−2アルキル)、およびフェニルより独立して選択され;
R
9は、各々、R
10で置換されるC
1−6アルキル、およびR
10で置換されるC
1−4ハロアルキルより独立して選択され;
R
10は、各々、CN、C
1−4アルコキシ、C
1−4ハロアルコキシ、CO
2(C
1−4アルキル)、SO
2(C
1−4アルキル)、およびテトラゾリルより独立して選択され;
R
11は、各々、H、C
1−4アルキル、およびベンジルより独立して選択され;
R
12は、各々、ハロゲン、CN、C
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、C
1−4ハロアルキル、C
1−4ハロアルコキシ、CO
2(C
1−4アルキル)、およびテトラゾリルより独立して選択され;
mは、各々独立して、0、1、または2であり;および
nは、各々独立して、0、または1である]
で特徴付けられる化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を提供する。
【0016】
第3の態様において、本発明は、第1または第2の態様の範囲内にある、式(I)または(II)で示される化合物であって、ここで:
環Aが、独立して、
【化7】
であり;
環Bが
【化8】
より独立して選択され;
R
1が、独立して、
【化9】
R
6(0−3個)で置換されるフェニル、またはR
6(0−2個)で置換されるヘテロアリールであり;ここで該ヘテロアリールは、フラニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、
【化10】
であり;
R
2が、各々、OH、ハロゲン、R
12(0−1個)で置換されるC
1−4アルキル、R
12(0−1個)で置換されるC
1−4アルコキシ、およびベンジルより独立して選択され;
R
3が、1個のR
10で置換されるC
1−4アルキル、1個のR
10で置換されるC
1−4アルコキシ、1個のR
10で置換されるC
1−4ハロアルキル、OR
9、および1個のR
10で置換されるC
1−4ハロアルコキシより独立して選択され;
R
4aが、H、ハロゲン、C
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、およびC
3−6シクロアルキルより独立して選択され;
R
6が、各々、ハロゲン、OH、OH(0−1個)で置換されるC
1−6アルキル、C
1−4アルコキシ、C
1−4アルキルチオ、C
1−4ハロアルキル、C
1−4ハロアルコキシ、CN、SO
2(C
1−2アルキル)、N(C
1−4アルキル)
2、C
1−4アルキル(0−2個)で置換されるC
3−6シクロアルキル、C
1−4アルキル(0−2個)で置換されるC
5−6シクロアルケニル、−O−C
3−6シクロアルキル、ベンジル、およびオキサゾリルより独立して選択され;
R
9が、各々、R
10で置換されるC
1−6アルキル、およびR
10で置換されるC
1−4ハロアルキルより独立して選択され;
R
10が、各々、CN、C
1−4アルコキシ、C
1−4ハロアルコキシ、CO
2(C
1−4アルキル)、SO
2(C
1−4アルキル)、およびテトラゾリルより独立して選択され;および
R
12が、各々、ハロゲン、CN、C
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、C
1−4ハロアルキル、C
1−4ハロアルコキシ、CO
2(C
1−2アルキル)、およびテトラゾリルより独立して選択される、
化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0017】
第4の態様において、本発明は、第1、第2または第3の態様の範囲内にある、式(I)または(II)の化合物であって、ここで:
R
1が、独立して、
【化11】
R
6(0−3個)で置換されるフェニル、またはR
6(0−2個)で置換されるヘテロアリールであり;ここで該ヘテロアリールがチアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、
【化12】
より選択される、
化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0018】
第5の態様において、本発明は、上記したいずれかの態様の範囲内にある、式(I)または(II)の化合物であって、ここで:
環Bが、
【化13】
より独立して選択され;
R
1が、独立して、R
6(0−3個)で置換されるフェニル、R
6(0−2個)で置換されるピリジニル、R
6(0−2個)で置換されるピラジニル、R
6(0−2個)で置換されるピリミジニル、R
6(0−2個)で置換されるチアゾリル、
【化14】
であり;および
R
2が、各々、OH、ハロゲン、CN(0−1個)で置換されるC
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、ベンジル、およびテトラゾリルメチルより独立して選択される、
化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0019】
第6の態様において、本発明は、上記したいずれかの態様の範囲内にある、式(I)または(II)の化合物であって、ここで:
環Bが、
【化15】
より独立して選択され;
R
1が、各々独立して、R
6(0−3個)で置換されるフェニル、またはR
6(0−2個)で置換されるピリジニルであり;
R
2が、各々、ハロゲン、C
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、およびテトラゾリルメチルより独立して選択され;
R
3が、各々、R
10で置換されるC
1−4アルキル、R
10で置換されるC
1−4アルコキシ、OR
9、および−O(CH
2)
1−2O(CH
2)
1−4R
10より独立して選択され;および
R
6が、各々、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−4アルコキシ、C
1−4ハロアルキル、C
1−4ハロアルコキシ、C
1−4アルキル(0−2個)で置換されるC
3−6シクロアルキル、C
1−4アルキル(0−2個)で置換されるC
5−6シクロアルケニル、およびベンジルより独立して選択され;
R
9が、各々、R
10で置換されるC
1−6アルキル、およびR
10で置換されるC
1−4ハロアルキルより独立して選択され;および
R
10が、各々、CN、C
1−4アルコキシ、C
1−4ハロアルコキシ、CO
2(C
1−4アルキル)、SO
2(C
1−4アルキル)、およびテトラゾリルより独立して選択される、
化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0020】
第7の態様において、本発明は、式(III)、(IIIa)、(IIIb)または(IIIc):
【化16】
[式中:
R
1は、各々独立して、R
6(0−3個)で置換されるフェニル、またはR
6(0−2個)で置換されるピリジニルであり;
R
2は、各々、ハロゲン、C
1−4アルキル、およびC
1−4アルコキシより独立して選択され;
R
3は、各々、C
1−4アルコキシで置換されるC
1−4アルキル、およびC
1−4アルコキシで置換されるC
1−4アルコキシより独立して選択され;
R
4aは、各々、H、ハロゲン、C
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、およびシクロプロピルより独立して選択され;
R
5は、各々、ハロゲン、C
1−4ハロアルキル、およびC
1−6アルコキシより独立して選択され;および
R
6は、各々、ハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−4アルコキシ、C
1−4アルキル(0−2個)で置換されるC
3−6シクロアルキル、およびC
1−4アルキル(0−2個)で置換されるC
5−6シクロアルケニルより独立して選択される]
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0021】
第8の態様において、本発明は、上記したいずれかの態様の範囲内にある、式(I)、(II)、(III)、(IIIa)、(IIIb)または(IIIc)の化合物であって、ここで:
R
1が、各々独立して、R
6(0−3個)で置換されるフェニル、またはR
6(0−2個)で置換されるピリジニルであり;
R
2が、各々、ハロゲン、およびC
1−2アルキルより独立して選択され;
R
3が、各々、C
1−4アルコキシで置換されるC
1−4アルキル、およびC
1−4アルコキシで置換されるC
1−4アルコキシより独立して選択され;
R
4aが、各々、H、およびメチルより独立して選択され;
R
5が、各々、ハロゲン、C
1−4ハロアルキル、およびC
1−6アルコキシより独立して選択され;および
R
6が、各々、ハロゲン、C
1−6アルキル、およびC
1−4アルコキシより独立して選択される、
化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0022】
第9の態様において、本発明は、例示として示される実施例より選択される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0023】
もう一つ別の態様において、本発明は、上記したいずれかの態様の範囲内にある、下位群の化合物より選択される一の化合物、または例示としての実施例から由来の単一の化合物を包含する。
【0024】
もう一つ別の実施態様において、本発明の化合物は、hGPR40のEC
50値が
<5μMである。
【0025】
もう一つ別の実施態様において、本発明の化合物は、hGPR40のEC
50値が
<1μMである。
【0026】
もう一つ別の実施態様において、本発明の化合物は、hGPR40のEC
50値が
<0.5μMである。
【0027】
もう一つ別の実施態様において、本発明の化合物は、hGPR40のEC
50値が
<0.2μMである。
【0028】
もう一つ別の実施態様において、本発明の化合物は、hGPR40のEC
50値が
<0.1μMである。
【0029】
II. 発明の他の実施態様
もう一つ別の実施態様において、本発明は、少なくとも1つの本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を含む組成物を提供する。
【0030】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、医薬的に許容される担体と、少なくとも1つの本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物とを含む医薬組成物を提供する。
【0031】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、医薬的に許容される担体と、治療的に効果的な量の少なくとも1つの本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物とを含む医薬組成物を提供する。
【0032】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物の製造方法を提供する。
【0033】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を製造するための中間体を提供する。
【0034】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、さらなる治療剤をさらに含む医薬組成物を提供する。本発明に係るさらなる治療剤の例として、以下に限定されるものではないが、抗糖尿病薬、抗高血糖薬、抗高インスリン血症剤、抗網膜症薬、抗神経障害薬、抗腎症薬、抗アテローム性動脈硬化薬、抗虚血薬、抗高血圧薬、抗肥満薬、抗脂質異常薬、抗高脂血症薬(anti-hyperglycemic agents)、抗高トリグリセリド血症薬、抗高コレステロール血症薬、抗再狭窄薬、抗腎臓薬、脂質低下薬、食欲減退薬および食欲抑制薬が挙げられる。
【0035】
好ましい実施態様において、本発明は、さらなる治療剤が、例えば、DPP4阻害剤(例えば、サキサグリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、リナグリプチン、およびアログリプチンより選択される阻害剤)である、医薬組成物を提供する。
【0036】
好ましい実施態様において、本発明は、さらなる治療剤が、例えば、SGLT2阻害剤(例えば、ダパグリフロジン、カナグリフロジン、エンパグリフロジンおよびレマグリフロジンより選択される阻害剤)である、医薬組成物を提供する。
【0037】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、GPR40に付随する複数の疾患または障害の治療方法であって、かかる治療を必要とする患者に治療的に効果的な量の少なくとも1つの本発明の化合物を単独で、あるいは所望により、本発明のもう一つ別の化合物および/または少なくとも1つの他の型の治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。
【0038】
本発明に従って防止、調整または治療され得る、GPR40の活性に付随する疾患または障害の例として、以下に限定されるものではないが、糖尿病、高血糖、耐糖能異常、妊娠性糖尿病、インスリン抵抗、高インスリン血症、網膜症、神経障害、腎症、糖尿病性腎疾患、急性腎損傷、心腎臓症候群、急性冠症候群、創傷治癒の遅れ、アテローム性動脈硬化症およびその後遺症、異常な心機能、鬱血性心不全、心筋虚血、発作、代謝性症候群、高血圧症、肥満、脂肪肝疾患、ジスリピデミア(dislipidemia)、脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低高密度リポタンパク質(HDL)、高低密度リポタンパク質(LDL)、非心虚血、膵炎、脂質障害、およびNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)、NAFLD(非アルコール性脂肪肝疾患)、肝硬変などの肝臓疾患、潰瘍性結腸炎およびクローン病を包含する炎症性腸疾患、セリアック病、骨粗鬆症、腎炎、乾癬、アトピー性皮膚炎および皮膚炎症が挙げられる。
【0039】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、糖尿病、高血糖症、妊娠性糖尿病、肥満症、脂質異常症、高血圧症、および認識機能障害の治療方法であって、かかる治療を必要とする患者に治療的に効果的な量の少なくとも1つの本発明の化合物を単独で、あるいは所望により、本発明のもう一つ別の化合物および/または少なくとも1つの他の型の治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。
【0040】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、糖尿病の治療方法であって、かかる治療を必要とする患者に治療的に効果的な量の少なくとも1つの本発明の化合物を単独で、あるいは所望により、本発明のもう一つ別の化合物および/または少なくとも1つの他の型の治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。
【0041】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、高血糖症の治療方法であって、かかる治療を必要とする患者に治療的に効果的な量の少なくとも1つの本発明の化合物を単独で、あるいは所望により、本発明のもう一つ別の化合物および/または少なくとも1つの他の型の治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。
【0042】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、肥満症の治療方法であって、かかる治療を必要とする患者に治療的に効果的な量の少なくとも1つの本発明の化合物を単独で、あるいは所望により、本発明のもう一つ別の化合物および/または少なくとも1つの他の型の治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。
【0043】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、脂質異常症の治療方法であって、かかる治療を必要とする患者に治療的に効果的な量の少なくとも1つの本発明の化合物を単独で、あるいは所望により、本発明のもう一つ別の化合物および/または少なくとも1つの他の型の治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。
【0044】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、高血圧症の治療方法であって、かかる治療を必要とする患者に治療的に効果的な量の少なくとも1つの本発明の化合物を単独で、あるいは所望により、本発明のもう一つ別の化合物および/または少なくとも1つの他の型の治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。
【0045】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、認識機能障害の治療方法であって、かかる治療を必要とする患者に治療的に効果的な量の少なくとも1つの本発明の化合物を単独で、あるいは所望により、本発明のもう一つ別の化合物および/または少なくとも1つの他の型の治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。
【0046】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、療法にて用いるための本発明の化合物を提供する。
【0047】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、GPR40に付随する複数の疾患または障害の治療用の療法にて用いるための本発明の化合物を提供する。
【0048】
もう一つ別の実施態様において、本発明はまた、GPR40に付随する複数の疾患または障害の治療用の医薬を製造するための本発明の化合物の使用を提供する。
【0049】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、GPR40に付随する複数の疾患または障害の治療方法であって、その必要とする患者に治療的に効果的な量の第1または第2の治療剤を投与することを含め、ここでその第1の治療剤が本発明の化合物であるところの、方法を提供する。第2の治療剤は、例えば、DPP4阻害剤(例えば、サキサグリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、リナグリプチンおよびアログリプチンより選択される構成員)であることが好ましい。
【0050】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、療法にて同時に、別々に、または連続的に使用するための本発明の化合物とさらなる治療剤との併用製剤を提供する。
【0051】
もう一つ別の実施態様において、本発明は、GPR40に付随する複数の疾患または障害の治療において同時に、別々に、または連続的に使用するための本発明の化合物とさらなる治療剤との併用製剤を提供する。
【0052】
必要に応じて、本発明の化合物は、1または複数の他の型の抗糖尿病剤、および/または1または複数の他の型の治療剤と組み合わせて使用されてもよく、それらは同じ剤形にて経口的に、別個の経口用剤形にて投与されてもよく、あるいは注射により投与されてもよい。所望によって本発明のGPR40受容体モジュレータと組み合わせて利用されてもよい他の型の抗糖尿病剤は、同じ剤形にて経口的に、別個の経口用剤形にて投与され、あるいは注射により投与されて、さらなる薬物学的利益をもたらし得る、1、2、3種またはそれ以上の抗糖尿病剤または高血糖治療剤であってもよい。
【0053】
本発明のGPR40受容体モジュレータと組み合わせて使用される抗糖尿病剤は、次に限定されるものではないが、インスリン分泌促進剤またはインスリン感作剤、他のGPR40受容体モジュレータ、あるいは他の抗糖尿病剤を包含する。これらの剤は、以下に限定されないが、DPP4阻害剤(例えば、シタグリプチン、サキサグリプチン、アログリプチン、リナグリプチンおよびビルダグリプチン)、ビグアニド(例えば、メトホルミンおよびフェンホルミン)、スルホニル尿素(例えば、グリブリド、グリメピリドおよびグリピジド)、グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、ミグリトール)、チアゾリジンジオンなどのPPARγアゴニスト(例えば、ロシグリタゾンおよびピオグリタゾン)、PPARα/γ二元的アゴニスト(例えば、ムラグリタザール、テサグリタザールおよびアレグリタザール)、グルコキナーゼアクチベータ、GPR119受容体モジュレータ(例えば、MBX−2952、PSN821およびAPD597)、GPR120受容体モジュレータ(例えば、Shimpukade,B.ら、J. Med. Chem., 55(9):4511-4515(2012)に記載)、SGLT2阻害剤(例えば、ダパグリフロジン、カナグリフロジン、エンパグリフロジンおよびレマグリフロジン)、MGAT阻害剤(例えば、Barlind,J.G.ら、Bioorg. Med. Chem. Lett., 23(9):2721-2726(2013)に記載)、プラムリンチドなどのアミリン類似体、および/またはインスリンを包含する。
【0054】
本発明のGPR40受容体モジュレータはまた、所望によって、糖尿病の合併症の治療剤と組み合わせて利用されてもよい。これらの剤はPKC阻害剤およびAGE阻害剤を包含する。
【0055】
本発明のGPR40受容体モジュレータはまた、所望によって、ジエチルプロピオン、フェンジメトラジン、フェンテルミン、オルリスタット、シブトラミン、ロルカセリン、プラムリンチド、トピラマート、MCHR1受容体アンタゴニスト、オキシントモデュリン、ナルトレキソン、アミリンペプチド、NPY Y5受容体モジュレータ、NPY Y2受容体モジュレータ、NPY Y4受容体モジュレータ、セチリスタット、5HT2c受容体モジュレータ等などの1または複数の食欲抑制剤および/または抗肥満薬と組み合わせて利用されてもよい。本発明のGPR40受容体モジュレータはまた、エクセナチド、リラグルチド、GLP−1(1−36)アミド、GLP−1(7−36)アミド、GLP−1(7−37)などのグルカゴン様ペプチド−1受容体(GLP−1R)のアゴニストと組み合わせて利用されてもよく、それらは注射により、鼻腔内に、あるいは経皮またはバッカル装置により投与されてもよい。
【0056】
さらなる実施態様において、次の構造式:
【化17】
【化18】
【化19】
を有する化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物が提供される。
【0057】
本発明のもう一つ別の実施態様は、構造式:
【化20】
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0058】
本発明のもう一つ別の実施態様は、構造式:
【化21】
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0059】
本発明のもう一つ別の実施態様は、構造式:
【化22】
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0060】
本発明のもう一つ別の実施態様は、構造式:
【化23】
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0061】
本発明のもう一つ別の実施態様は、構造式:
【化24】
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0062】
本発明のもう一つ別の実施態様は、構造式:
【化25】
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0063】
本発明のもう一つ別の実施態様は、構造式:
【化26】
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0064】
本発明のもう一つ別の実施態様は、構造式:
【化27】
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0065】
本発明のもう一つ別の実施態様は、構造式:
【化28】
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0066】
本発明のもう一つ別の実施態様は、構造式:
【化29】
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0067】
本発明のもう一つ別の実施態様は、構造式:
【化30】
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0068】
本発明のもう一つ別の実施態様は、構造式:
【化31】
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0069】
本発明のもう一つ別の実施態様は、構造式:
【化32】
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0070】
本発明のもう一つ別の実施態様は、構造式:
【化33】
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0071】
本発明のもう一つ別の実施態様は、構造式:
【化34】
で示される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、多形体または溶媒和物を包含する。
【0072】
本発明は、その発明の精神または本質的な属性を逸脱することなく、他の特異的な形態にて利用されてもよい。本発明は本明細書に記載の発明の好ましい態様のすべての組み合わせを包含する。本発明のあらゆる全ての実施態様と他のいずれかの実施態様とを併用してさらなる実施態様が記載されうることが理解される。実施態様の個々の各要素がそれ自体独立した実施態様であることも理解される。さらには、一の実施態様のいずれの要素もいずれかの実施態様からのあらゆる全ての他の要素と合わさって一のさらなる実施態様を記載するものとする。
【0073】
III. 化学
明細書、実施例および添付の特許請求の範囲を通して、所定の化学式および名称は、立体異性体および光学異性体ならびにそのような異性体が存在する場合のそのラセミ体のすべてを包含する。「立体異性体」なる語は、化学構成は同じであるが、原子または基の空間配置に関して異なる、化合物をいう。特に断りがなければ、すべてのキラル(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびラセミ体は本発明の範囲内にある。「キラル」なる語は、鏡像パートナーと重ね合わせることができない(non-superimposability)特性を有する分子をいうのに対して、「アキラル」なる語はその鏡像パートナーと重ね合わせることのできる分子をいう。「ラセミ混合物」および「ラセミ体」なる語は、2種のエナンチオマーが等モルで存在し、光学活性を欠く混合物をいう。
【0074】
化合物には、C=C二重結合、C=N二重結合、環系等の多数の幾何異性体も存在し得、そのような安定した異性体もすべて本発明に含まれるものとする。本発明の化合物のシス−およびトランス−(あるいはE−およびZ−)幾何異性体が記載され、異性体の混合物として、または分離した異性体の形態で単離されてもよい。
【0075】
本発明の化合物は光学活性な形態またはラセミ体で単離され得る。光学活性な形態は、ラセミ体を分割することにより、または光学活性な出発材料より合成することにより調製され得る。本発明の化合物を調製するのに使用されるすべての方法、その中で製造される中間体は、本発明の一部を構成すると考えられる。エナンチオマーまたはジアステレオマーの生成物が調製される場合、それらは、従来の方法、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶化により分離されてもよい。
【0076】
そのプロセス条件に応じて、本発明の最終生成物は、遊離(中性)形態または塩形態のいずれかで得られる。これらの最終生成物の遊離形態および塩は共に本発明の範囲内にある。必要とあれば、化合物の一の形態はもう一つ別の形態に変換されてもよい。遊離塩基または酸は塩に変換されてもよく;塩は遊離化合物またはもう一つ別の塩に変換されてもよく;本発明の化合物の異性体の混合物は個々の異性体に分離されてもよい。本発明の化合物、その遊離形態および塩は、複数の互変異性体型で存在してもよく、その場合、水素原子はその分子の他の部分に移動し、結果として、分子の原子間の化学結合が転位することとなる。互変異性体型はすべて、それらが存在する限り、本発明の範囲内に含まれると、認識すべきである。
【0077】
特に断りがなければ、原子価が満たされないヘテロ原子はいずれも原子価を満たすのに十分な水素原子を有するものとする。
【0078】
本明細書で用いる場合、「アルキル」または「アルキレン」なる語は、特定数の炭素原子を有する分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含するものとする。例えば、「C
1−C
6アルキル」または「C
1−6アルキル」は1〜6個の炭素原子を有するアルキルを意味する。アルキル基は、置換されていないか、あるいは少なくとも1個の水素が別の基と置き換えらるように置換され得る。アルキル基の例として、以下に限定されないが、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n−プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(例えば、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル)およびペンチル(例えば、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)が挙げられる。「C
0アルキル」または「C
0アルキレン」が使用される場合、それは直接結合を意味するものとする。
【0079】
「アルケニル」または「アルケニレン」なる語は、特定数の炭素原子を有し、鎖長に沿ってどの安定した点で生じてもよい1または複数の、好ましくは1または2個の炭素−炭素二重結合を有する、直鎖または分岐鎖構造のいずれの炭化水素鎖も包含するものとする。例えば、「C
2−C
6アルケニル」または「C
2−6アルケニル(またはアルケニレン)」はC
2、C
3、C
4、C
5およびC
6アルケニル基を包含するものとする。アルケニルの例として、以下に限定されないが、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、2−メチル−2−プロペニル、および4−メチル−3−ペンテニルが挙げられる。
【0080】
「アルコキシ」または「アルキルオキシ」なる語は−O−アルキル基をいう。例えば、「C
1〜C
6アルコキシ」または「C
1−6アルコキシ」(またはアルキルオキシ)はC
1、C
2、C
3、C
4、C
5、およびC
6アルコキシ基を含むものとする。アルコキシ基の例として、以下に限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n−プロポキシおよびイソプロポキシ)、およびブトキシ(例えば、n−ブトキシ、イソブトキシおよびt−ブトキシ)が挙げられる。同様に、「アルキルチオ」または「チオアルコキシ」は、硫黄架橋を介して連結した、所定の数の炭素原子を有する上記のアルキル基;例えばメチル−S−およびエチル−S−を表す。
【0081】
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを包含する。「ハロアルキル」は、1または複数のハロゲンで置換される、特定数の炭素原子を有する分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むものとする。ハロアルキルの例として、以下に限定されないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、およびヘプタクロロプロピルが挙げられる。ハロアルキルの例としてまた「フルオロアルキル」が挙げられ、1または複数のフッ素原子で置換される、特定数の炭素原子を有する分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むものとする。
【0082】
「ハロアルコキシ」または「ハロアルキルオキシ」は、酸素架橋を介して連結した、所定の数の炭素原子を有する上記のハロアルキル基を表す。例えば、「C
1−6ハロアルコキシ」はC
1、C
2、C
3、C
4、C
5、およびC
6ハロアルコキシ基を含むものとする。ハロアルコキシの例として、以下に限定されないが、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、およびペンタフルオロエトキシが挙げられる。同様に、「ハロアルキルチオ」または「チオハロアルコキシ」は、硫黄架橋を介して連結した、所定の数の炭素原子を有する上記のハロアルキル基;例えばトリフルオロメチル−S−およびペンタフルオロエチル−S−を表す。
【0083】
「シクロアルキル」なる語は、単環式、二環式または多環式環系を含む、環状アルキル基をいう。例えば、「C
3ないしC
6シクロアルキル」または「C
3−6シクロアルキル」はC
3、C
4、C
5、およびC
6シクロアルキル基を含むものとする。シクロアルキル基の例として、以下に限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびノルボルニルが挙げられる。1−メチルシクロプロピルおよび2−メチルシクロプロピルなどの分岐したシクロアルキル基も「シクロアルキル」の定義に含まれる。「シクロアルケニル」なる語は環状アルケニル基をいう。C
4−6シクロアルケニルは、C
4、C
5およびC
6シクロアルケニル基を含むものとする。シクロアルケニル基の例として、限定されないが、シクロブテニル、シクロペンテニル、およびシクロヘキセニルが挙げられる。
【0084】
本明細書で用いられる際の「カルボサイクル」、「カルボシクリル」または「炭素環残基」は、安定したいずれの3、4、5、6、7または8員の単環または二環式環、または7、8、9、10、11、12または13員の二環または三環式環を意味するものとし、そのいずれも飽和、部分不飽和、不飽和または芳香族であってもよい。かかるカルボサイクルの例として、以下に限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン(デカリン)、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、アントラセニル、およびテトラヒドロナフチル(テトラリン)が挙げられる。上記されるように、架橋した環(例えば、[2.2.2]ビシクロオクタン)もカルボサイクルの定義に含まれる。好ましいカルボサイクルは、特記されない限り、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、インダニル、およびテトラヒドロナフチルである。「シクロヘキシル」なる語が使用される場合、それは「アリール」を包含するものとする。架橋した環は、1または複数の、好ましくは1ないし3個の炭素原子が隣接しない2個の炭素原子を連結する場合に、生じる。好ましい架橋は1または2個の炭素原子からなる。架橋は常に単環式環を三環式環に変換することを意味する。環を架橋させると、その環で列挙される置換基がその架橋の上にあってもよい。
【0085】
本明細書で用いられる際の「二環式カルボサイクル」または「二環式炭素環」または「二環式炭素環基」は、2個の縮合環を有し、炭素原子からなる、安定した9または10員の炭素環式環系を意味するものとする。2個の縮合環の内、1個の環は第2の環に縮合したベンゾ環であり;そして第2の環は飽和、部分不飽和または不飽和の5または6員の炭素環である。二環式炭素環基は、安定した構造をもたらす、いずれかの炭素原子でそのペンダント基に結合してもよい。本明細書に記載の二環式炭素環基は、得られる化合物が安定しているならば、いずれの炭素で置換されてもよい。二環式炭素環基の例は、以下に限定されないが、ナフチル、1,2−ジヒドロナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、およびインダニルである。
【0086】
「アリール」基は、例えば、フェニル、およびナフチルを含む、単環式または二環式芳香族炭化水素をいう。アリール部分は周知であり、例えば、Lewis,R.J.編、Hawley’s Condensed Chemical Dictionary, 13th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York(1997)に記載される。「C
6−10アリール」はフェニルおよびナフチルをいう。
【0087】
本明細書にて使用される際の「ベンジル」なる語は水素原子の一つがフェニル基で置換されるメチル基をいう。
【0088】
本明細書で使用される際の「ヘテロサイクル」、「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環基」なる語は、飽和、部分不飽和または完全に不飽和で、炭素原子ならびにN、OおよびSからなる群より独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有する、安定した3、4、5、6または7員の単環もしくは二環のヘテロ環式環、あるいは7、8、9、10、11、12、13または14員の多環のヘテロ環式環であって、上記したいずれかのヘテロ環式環が一のベンゼン環に縮合するいずれの多環基も含むことを意味するものとする。窒素および硫黄ヘテロ原子は所望により酸化されてもよい(すなわち、N→OおよびS(O)
p(ここでpは0、1または2である))。窒素原子は置換されても、されなくてもよい(すなわち、NまたはNRであり、ここでRは、定義されるとすれば、Hまたは別の置換基である)。ヘテロ環式環は、安定した構造をもたらす、いずれかのヘテロ原子または炭素原子でそのペンダント基に結合してもよい。本明細書に記載のヘテロ環式環は、得られる化合物が安定しているならば、炭素または窒素原子上で置換されてもよい。ヘテロシクリル中の窒素は所望により四級化されてもよい。そのヘテロサイクル中のSおよびO原子の総数が1より大きい場合、その時にはこれらのヘテロ原子は相互に隣接しないことが好ましい。ヘテロサイクル中のSおよびO原子の総数は多くて1であることが好ましい。「ヘテロサイクル」なる語が用いられる場合、それはヘテロアリールを含むものとする。
【0089】
ヘテロサイクルの例として、以下に限定されるものではないが、アクリジニル、アゼチジニル、アゾチニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、イミダゾロピリジニル、イミダゾピリダジニル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソチアゾロピリジニル、イソキサゾリル、イソキサゾロピリジニル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾロピリジニル、オキサゾリジニルペリミジニル、オキシインドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、フテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾロピリジニル、ピラゾロピリミジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾリル、ピリドイミダゾリル、ピリドチアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2−ピロリドニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラゾリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チアゾロピリジニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、およびキサンテニルが挙げられる。また、上記のヘテロサイクルを含む、縮合環およびスピロ化合物も含まれる。
【0090】
5ないし10員のヘテロサイクルの例として、以下に限定されないが、ピリジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、インドリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、モルホリニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、テトラヒドロフラニル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チアゾリル、トリアジニル、トリアゾリル、ベンズイミダゾリル、1H−インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンズテトラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズオキサゾリル、オキシインドリル、ベンズオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、イミダゾロピリジニル、イミダゾピリダジニル、イサチノイル、イソキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキサゾロピリジニル、キナゾリニル、キノリニル、イソチアゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、ピラゾロピリジニルおよびピラゾロピリミジニルが挙げられる。
【0091】
5ないし6員のヘテロサイクルの例として、以下に限定されないが、ピリジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリミジニル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、インドリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、モルホリニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、テトラヒドロフラニル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チアゾリル、トリアジニル、およびトリアゾリルが挙げられる。また、上記のヘテロサイクルを含む、縮合環およびスピロ化合物も含まれる。
【0092】
本明細書にて使用される際の「二環式ヘテロサイクル」または「二環式ヘテロ環基」なる語は、2つの縮合環を有し、炭素原子と、N、OおよびSからなる群より独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子とからなる、安定した9または10員のヘテロ環の環系を意味するものとする。2つの縮合環のうちの一つの環は、5員のヘテロアリール環、6員のヘテロアリール環またはベンゾ環を含む5員または6員の単環式芳香族環であり、その各々が第2の環に縮合している。第2の環は、飽和、部分不飽和または不飽和の5員または6員の単環式環であり、5員のヘテロサイクル、6員のヘテロサイクルまたはカルボサイクルを含む(ただし、第2の環がカルボサイクルの場合、第1の環はベンゾ以外の環である)。
【0093】
二環式ヘテロ環基は、安定した構造をもたらす、いずれかのヘテロ原子または炭素原子で、そのペンダント基に結合してもよい。本明細書に記載の二環式ヘテロ環基は、得られる化合物が安定しているならば、炭素または窒素原子上で置換されてもよい。ヘテロサイクル中のSおよびO原子の総数が1より大きい場合、その時にはこれらのヘテロ原子は相互に隣接しないことが好ましい。ヘテロサイクル中のSおよびO原子の総数は多くて1であることが好ましい。
【0094】
二環式ヘテロ環基の例として、以下に限定されるものではないが、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロキノリニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、クロマニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリニルが挙げられる。
【0095】
本明細書で使用される際の「芳香族ヘテロ環基」または「ヘテロアリール」なる語は、少なくとも1つの硫黄、酸素または窒素などのヘテロ原子の環原子を含む、安定した単環式または多環式の芳香族炭化水素を意味するものとする。ヘテロアリール基は、限定されるものではないが、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピロイル、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズチアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソチアゾリル、プリニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリニル、ベンゾジオキソラニルおよびベンゾジオキサンを包含する。ヘテロアリール基は置換されているか、されていないかである。窒素原子は置換されているか、されていないかである(すなわち、NまたはNRであり、ここでRは、定義されるとすれば、Hまたは別の置換基である)。窒素および硫黄原子は所望により酸化されてもよい(すなわち、N→OおよびS(O)
p(ここでpは0、1または2である))。
【0096】
5ないし6員のヘテロアリールの例として、以下に限定されないが、ピリジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラジニル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、テトラゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チアゾリル、トリアジニル、およびトリアゾリルが挙げられる。
【0097】
架橋環もヘテロサイクルの定義に含まれる。架橋環は、1または複数の、好ましくは1〜3個の原子(すなわち、C、O、NまたはS)が2個の隣接しない炭素または窒素原子を連結する場合に形成される。架橋環の例は、以下に限定されないが、1個の炭素原子、2個の炭素原子、1個の窒素原子、2個の窒素原子、および炭素−窒素基を包含する。架橋は常に単環式環を三環式環に変換することを意味する。環を架橋させると、その環で列挙される置換基がその架橋の上にあってもよい。
【0098】
「対イオン」なる語は、クロリド、ブロミド、ヒドロキシド、アセタート、およびサルファートなどの負に荷電した種を、あるいはナトリウム(Na
+)、カリウム(K
+)、カルシウム(Ca
2+)、アンモニウム(R
nNH
m+、ここでn=0−4で、m=0−4である)等などの正に荷電した種を表すのに使用される。
【0099】
本明細書で用いられる際の「アミン保護基」なる語は、アミン基の保護について、有機合成の分野で知られる基であって、エステル還元剤、二置換ヒドラジン、R4−MおよびR7−M、求核物質、ヒドラジン還元剤、アクチベータ、強塩基、ヒンダードアミン塩基および環化剤に対して安定しているいずれの基も意味する。これらの基準に適合するようなアミン保護基は、Wuts,P.G.M.ら、Protecting Groups in Organic Synthesis, 4th Edition, Wiley(2007) およびThe Peptide: Analysis, Synthesis, Biology, vol.3, Academic Press, New York(1981)(出典を明示することでその内容が本明細書に組み込まれる)に列挙される基を包含する。アミン保護基の例として、以下に限定されないが、次の基:(1)ホルミル、トリフルオロアセチル、フタリル、およびp−トルエンスルホニルなどのアシル型;(2)ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換ベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニル)−1−メチルエトキシカルボニル、および9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)などの芳香族カルバマート型;(3)tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、およびアリルオキシカルボニルなどの脂肪族カルバマート型;(4)シクロペンチルオキシカルボニルおよびアダマンチルオキシカルボニルなどの環状アルキルカルバマート型;(5)トリフェニルメチルおよびベンジルなどのアルキル型;(6)トリメチルシランなどのトリアルキルシラン;(7)フェニルチオカルボニルおよびジチアスクシノイルなどのチオール含有型;ならびに(8)トリフェニルメチル、メチルおよびベンジルなどのアルキル型;および2,2,2−トリクロロエチル、2−フェニルエチルおよびt−ブチルなどの置換アルキル型;およびトリメチルシランなどのトリアルキルシラン型が挙げられる。
【0100】
本明細書に言及される際の「置換される」なる語は、少なくとも1つの水素原子が水素以外の基と置換されることを意味する;ただし、規定の結合価は維持されており、置換が安定した化合物をもたらすものとする。本明細書で使用される際の環二重結合は、隣接する2個の環原子間で形成される二重結合(例えば、C=C、C=N、またはN=N)である。
【0101】
本発明の化合物に窒素原子がある場合(例えば、アミンの場合)には、これらの窒素は酸化剤(例えば、mCPBAおよび/または過酸化水素)と反応することでN−オキシドに変換され、本発明の別の化合物が得られてもよい。かくして、特定される窒素原子は、その示されている窒素とそのN−オキシド(N→O)誘導体の両方に及ぶと考えられる。
【0102】
可変基が化合物のいずれかの構成要素中または式中に2回以上現れる場合、その定義は、各々、他の出現毎にその定義から独立している。かくして、例えば、一の基が0〜3個のR基で置換して示される場合、その場合、該基は3個までのR基で所望により置換されてもよく、Rは、各々、Rの定義から独立して選択される。
【0103】
置換基との結合が環の2つの原子を連結する結合と交差して示される場合、その場合にはかかる置換基は環上の任意の原子に結合してもよい。置換基が、かかる置換基が所定の式で示される化合物の残基と結合する、その原子を特定することなく、記載される場合には、かかる置換基はその置換基にある任意の原子を介して結合してもよい。
【0104】
置換基および/または可変基の組み合わせは、かかる組み合わせが安定した化合物をもたらす場合にだけ、許容される。
【0105】
「医薬的に許容される」なる語は、本明細書にて、正当な医薬的判断の範囲内で、合理的な利益/危険の割合に見合うもので、過度の毒性、刺激、アレルギー応答および/または他の問題または合併症がなく、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適する、それらの化合物、材料、組成物および剤形をいうのに利用される。
【0106】
本発明の化合物は、本発明の範囲内でもある塩を形成しうる。特記されない限り、本発明の化合物への言及は1または複数のその塩への言及を包含すると理解される。医薬的に許容される塩が好ましい。しかし、他の塩も、例えば、調製の間に利用され得る、単離または精製工程において、有用である可能性があり、かくして本発明の範囲内にある考えられる。
【0107】
本明細書で用いられる際の「医薬的に許容される塩」は開示される化合物の誘導体をいい、ここで親化合物はその酸または塩基付加塩を製造することで修飾される。医薬的に許容される塩の例として、以下に限定されないが、アミノなどの塩基性基の鉱酸または有機酸塩;カルボン酸などの酸性基のアルカリまたは有機塩基塩が挙げられる。医薬的に許容される塩は、例えば、無毒の無機または有機酸より形成される、親化合物の一般的な無毒の塩または四級アンモニウム塩を包含する。例えば、かかる一般的な無毒の塩は、無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸および硝酸など)より誘導される塩;有機酸(酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸およびイセチオン酸等など)より調製される塩を包含する。
【0108】
本発明の医薬的に許容される塩は、従来の化学的方法により、塩基性または酸性の部分を含有する親化合物より合成され得る。一般に、かかる塩は、遊離した酸または塩基の形態のこれらの化合物を、化学量論量の適切な塩基または酸と、水または有機溶媒、あるいはその2種の混合液中で反応させることにより調製することができ;一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリル等の非水性媒体が好ましい。適当な塩の一覧は、Allen,L.V.Jr.編、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22nd Edition, Pharcaceutical Press, London, UK(2012) に記載されており、出典を明示することでその内容を本明細書に組み入れることとする。
【0109】
また、式Iの化合物はプロドラッグの形態であってもよい。インビボにて変換して生物活性剤(すなわち、式(I)の化合物)を提供する化合物はいずれも、本発明の範囲および精神内にあるプロドラッグである。種々の形態のプロドラッグが当該分野にて周知である。かかるプロドラッグ誘導体の例として、以下の文献を参照のこと:
a)Bundgaard,H.編, Design of Prodrugs, Elsevier(1985);
b)Widder,K.ら編, Methods in Enzymology, 112:309-396, Academic Press(1985);
c)Bundgaard,H.、Chapter 5, 「プロドラッグの設計および適用」(Design and Application of Prodrugs), A Textbook of Drug Design and Development、pp.113-191, Krosgaard-Larsen,P.ら編、Harwood Academic Publishers, pulb.(1991);
d)Bundgaard,H.、Adv. Drug Deliv Rev., 8:1-38(1992);
e)Nielsen,N.M.ら、J. Pharm. Sci., 77:285(1988);
f)Kakeya,N.ら、Chem. Pharm. Bull., 32:692(1984);および
g)Rautio,J.編、Prodrug and Targeted Delivery(Method and Principles in Medicinal Chemistry), Vol 47, Wiley-VCH(2011)
【0110】
カルボキシ基を有する化合物は、体内で加水分解されることにより、式(I)の化合物そのものを生成するプロドラッグとして役立つ、生理学的に加水分解され得るエステルを形成し得る。かかるプロドラッグは、加水分解が、大抵の場合で、主に消化酵素の影響下で生じるため、経口投与されるのが好ましい。非経口投与は、エステルそのものが活性であるか、または加水分解が血中で起こる場合に、使用され得る。式Iの化合物の生理学的に加水分解可能なエステルの例として、C
1−6アルキル、C
1−6アルキルベンジル、4−メトキシベンジル、インダニル、フタリル、メトキシメチル、C
1−6アルカノイルオキシ−C
1−6アルキル(例えば、アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチルまたはプロピオニルオキシメチル)、C
1−6アルコキシカルボニルオキシ−C
1−6アルキル(例えば、メトキシカルボニル−オキシメチルまたはエトキシカルボニルオキシメチル、グリシルオキシメチル、フェニルグリシルオキシメチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)−メチル)、ならびに、例えば、ペニシリンおよびセファロスポリンの分野にて使用される別の周知の生理学的に加水分解されるエステルである。かかるエステルは当該分野で公知の一般的技法により製造され得る。
【0111】
プロドラッグの調製は当該分野にて周知であり、例えば、King,F.D.編、Medicinal Chemistry: Principles and Practice, The Royal Society of Chemistry, Cambridge, UK(2nd edition, reproduced(2006);Testa,B.ら、Hydrolysis in Drug and Prodrug Metabolism. Chemistry, Biochemistry and Enzymology, VCHA and Wiley-VCH, Zurich, Switzerland(2003); Wermuth,C.G.編、The Practice of Medicinal Chemistry, 3rd edition, Academic Press, San Diego, CA(2008)に記載される。
【0112】
本発明はまた、1または複数の原子が、原子番号は同じであるが、自然界にて通常見られる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子と置き換えられている、本発明の同位体で標識された化合物も包含する。本発明の化合物に含まれるのに適する同位体の例として、
2H(重水素についての「D」としても表される)および
3Hなどの水素、
11C、
13Cおよび
14Cなどの炭素、
13Nおよび
15Nなどの窒素、
15O、
17Oおよび
18Oなどの酸素の同位体が挙げられる。本発明の同位体で標識された特定の化合物、例えば放射性同位体を組み入れた化合物は、薬物および/または基質の組織分布実験において有用である。放射性同位体の三重水素、
3H、および炭素−14、
14Cが、組み入れるのが容易であること、および検出手段が簡易であることに鑑みて、この目的にとって特に有用である。重水素、
2Hなどのより重い同位体との置換は、より大きな代謝安定性よりもたらされるある種の治療上の利点、例えば、インビボにおける半減期の増加、または必要とされる投与量の減少を付与する可能性があり、かくしてある環境においては好ましいかもしれない。
11C、
15Oおよび
13Nなどのポジトロンを放出する同位体との置換は、基質受容体占有率を試験するポジトロン放出型断層撮影(PET)実験にて有用であり得る。同位体で標識された本発明の化合物は、一般には、当業者に公知の慣用的技法により、あるいは本明細書の記載の技法と同様の技法によって、利用される非標識の試薬の代わりに同位元素で標識された試薬を用いて調製され得る。
【0113】
「溶媒和物」なる語は、本発明の化合物と、有機または無機溶媒のいずれかの、1または複数の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合は水素結合を包含する。ある場合には、溶媒和物は、例えば、1または複数の溶媒分子が結晶固体の結晶格子に組み込まれた場合に、単離可能となる。溶媒和物中の溶媒分子は、規則的配置および/または非規則的配置にて存在し得る。溶媒和物は化学量論量または非化学量論量の溶媒分子を含みうる。「溶媒和物」は液相および分離可能な溶媒和物の両方を包含する。典型的な溶媒和物は、以下に限定されないが、水和物、エタノール和物、メタノール和物、およびイソプロパノノール和物を包含する。溶媒和の方法は一般に当該分野で公知である。
【0114】
本明細書で用いる際の「多形体」は、結晶を形成する分子および/またはイオンの化学構造/組成は同じであるが、空間的配置が異なる結晶形態をいう。本発明の化合物は非晶質性固体または結晶性固体として提供され得る。凍結乾燥の操作を利用して本発明の化合物を固体として提供することができる。
【0115】
本明細書で用いる際の略語は次のように定義される:1回については「1x」と、2回については「2x」と、3回については「3x」と、オングストロームについては「Å」と、セルシウス度については「℃」と、当量については「eq」と、グラムについては「g」と、ミリグラムについては「mg」と、リットルについては「L」と、ミリリットルについては「mL」または「ml」と、マイクロリットルについては「μL」と、規定については「N」と、モルについては「M」と、ミリモルについては「mmol」と、分については「min」と、時間については「h」と、室温については「rt」と、保持時間については「RT」と、気圧については「atm」と、ポンド/平方インチについては「psi」と、濃縮については「conc.」と、水性については「aq」と、飽和については「sat」または「sat’d」と、分子量については「MW」と、融点については「mp」、質量分析については「MS」または「Mass Spec」と、電子噴射イオン化質量分析については「ESI」と、高分解能については「HR」と、高分解能質量分析については「HRMS」と、液体クロマトグラフィー質量分析については「LCMS」と、高圧液体クロマトグラフィーについては「HPLC」と、逆相HPLCについては「RP HPLC」と、逆相プレパラティブHPLCについては「RP−Prep.HPLC」と、薄層クロマトグラフィーについては「TLC」または「tlc」と、核磁気共鳴分光法については「NMR」と、核オーバーハウザー効果分光法については「nOe」と、プロトンについては「
1H」と、デルタについては「δ」と、一重項については「s」と、二重項については「d」と、三重項については「t」と、四重項については「q」と、多重項については「m」と、ブロードについては「br」と、ヘルツについては「Hz」と定義され、「α」、「β」、「R」、「S」、「E」および「Z」は当業者に馴染みの立体化学的記号である。
【0116】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0117】
本発明の化合物は有機合成の分野における当業者に公知の多くの方法にて調製され得る。本発明の化合物は、下記の方法を合成有機化学の分野にて公知の合成方法と一緒に用いて、あるいは当該分野における当業者に明らかなように該方法に変形を加えることにより合成され得る。好ましい方法は、限定されるものではないが、下記の方法を包含する。反応は、利用される試薬および材料に適し、その変換がなされるのに適切な溶媒または混合溶媒中で行われる。分子上にある官能基が提案される変換と整合性の取れるものでなければならないことは有機合成の分野の当業者であれば理解するであろう。このことは、時に、本発明の所望の化合物を得るために、合成工程の順序を修飾する判断、または一の特定のプロセススキームをもう一つ別のスキームに優先して選択する判断を要求するであろう。
【0118】
本発明の新規な化合物は、このセクションに記載の反応および技法を用いて調製されてもよい。また、下記の合成方法の記載にて、溶媒の選択、反応圧、反応温度、実験期間および後処理の操作を含め、提案されている反応条件はすべて、当業者によって容易に認識される、その反応に標準的な条件であるように選択される。反応条件と適合する置換基に対する制限は当業者に明らかであり、制限があった場合には別法が用いられなければならない。
【0119】
合成
式(I)の化合物は、以下のスキームおよび実施例に記載の典型的な方法により、ならびに当業者によって使用される関連する刊行物に記載の操作により調製されてもよい。これらの反応に典型的な試薬および操作は、後記および実施例にて明らかである。その方法における保護および脱保護は当該分野にて周知の操作により実施されてもよい(例えば、Wuts,P.G.M.ら、Protecting Groups in Organic Synthesis、Fourth Edition、Wiley(2007)を参照のこと)。有機合成および官能基変換の一般的方法は、Trost,B.M.ら編、Comprehensive Organic Synthesis:Selectivity, Strategy & Efficiency in Modern Organic Chemistry, Pergamon Press, New York, NY(1991);Smith,M.B.ら、March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions, Mechanisms and Structure. Sixth Edition、Wiley & Sons, New York, NY(2007);Katritzky,A.R.ら編、Comprehensive Organic Functional Groups Transformations II, Second Edition、Elsevier Science Inc., Tarrytown, NY(2004);Larock,R.C.、Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, NY(1999)およびそこに記載に参考文献にて見つけられる。
【0120】
本発明の化合物を調製するための出発材料として有用な多種多様な置換されたピロリジン化合物を合成する方法は当該分野にて周知である。例えば、ピロリジン材料の調製に有用な方法は下記の参考文献およびその中の引用文献を参照のこと:Katritzkyら編、Comprehensive Heterocyclic Chemistry, Pergamon Press Inc., New York(1996);Bellina,F.ら、Tetrahedron, 62:7213(2006);Wolfe,J.P.、Eur. J. Org. Chem., 571(2007);Deng,Q.-H.ら、Organic Letters, 10:1529(2008);Pisaneschi,F.ら、Synlett, 18:2882(2007);Najera,C.ら、Angewandte Chemie, International Edition, 44(39):6272(2005);Sasaki,N.A.、Methods in Molecular Medicine, 23(Peptidomimetics Protocols):489(1999);Zhou,J.-Q.ら、Journal of Organic Chemistry, 57(12):3328(1992);Coldham, I.ら、Tetrahedron Letters, 38(43):7621(1997);Schlummer,B.ら、Organic Letters, 4(9):1471(2002);Larock,R.C.ら、Journal of Organic Chemistry, 59(15):4172(1994);Galliford,C.V.ら、Organic Letters, 5(19):3487(2003);Kimura、M.ら、Angewandte Chemie, International Edition, 47(31):5803(2008);Ney,J.E.ら、Adv. Synth. Catal., 347:1614(2005);Paderes,M.C.ら、Organic Letters, 11(9):1915(2009);Wang,Y.-G.ら、Organic Letters, 11(9):2027(2009);Cordero,F.M.ら、Journal of Organic Chemistry, 74(11):4225(2009);Hoang,C.T.ら、Journal of Organic Chemistry, 74(11):4177(2009);Luly,J.R.ら、Journal of the American Chemical Society, 105:2859(1983);Kimball,F.S.ら、Bioorganic and Medicinal Chemistry, 16:4367(2008);Bertrand,M.B.ら、Journal of Organic Chemistry, 73(22):8851(2008);Browning,R.G.ら、Tetrahedron, 60:359(2004);Ray,J.K.ら、Bioorganic and Medicinal Chemistry, 2(12):1417(1994);Evans,G.L.ら、Journal of the American Chemical Society, 72:2727(1950);Stephens,B.E.ら、Journal of Organic Chemistry, 74(1):254(2009);Spangenberg,T.ら、Organic Letters, 11(2):261(2008);およびQiu,X.-L.ら、Journal of Organic Chemistry, 67(20):7162(2008)。
【0121】
式(I)の化合物は、スキーム1に記載されるように、ピロリジン
Aから出発し、例えば、CuIおよびNaOHを用いて中間体
Bとのカップリングを通して、プロリノールCを得るように合成されてもよい。中間体
Cを、例えば塩化メタンスルホニルおよび塩基を用いて活性化し、シアン化ナトリウムで置換することでニトリル
Dを得る。中間体
D上のP.G.を(P.G.がベンジルエーテルである場合に)水素化分解などで除去し、フェノール
Eを得る。中間体
JのR
1基は、中間体
FのL.G.を、S−Phosプレ触媒およびLiHMDSなどの塩基を用い、アミン
Hを通して置き換えることにより、あるいはL.G.を触媒を用いることなく置き換えることにより付加される。アミン
Jのヒドロキシルは、例えば、塩化p−トルエンスルホニルと、ピリジンなどの塩基とを用いて活性化され、トシラート
Kを得ることができる。中間体
Kとフェノール
EとをCs
2CO
3などの塩基を用いてカップリングさせ、中間体
Lを得ることができる。シアノまたはメチルエステル基は、例えば、NaOHを用いて加水分解され、式(I)の化合物を得ることができる。
【0123】
式(I)の化合物は、スキーム2に示されるように、アルコール
Jをフェノール
Eと、ADDPなどのアゾジカルボキシラート、およびホスフィン(例、Bu
3P)を用いる光延(MItsunobu)反応を介して反応させることにより合成され、化合物
Lを得ることができる。中間体
LはNaOHなどの塩基を用いる加水分解により式(I)の化合物に変換され得る。
【0125】
式(I)の化合物は、スキーム2.2に示されるように、ケトン
CCで開始し、それを水素化源によるか、または例えばグルコース脱水素酵素を用いる動的速度論的分割に供し、つづいてP.G.を(P.G.がベンジル基である場合に)水素化分解により脱保護に付してアルコール
Hに還元され得る。化合物
F上のクロリドなどのL.G.をK
2CO
3などの塩基を用いて置き換え、化合物
Jを得る。化合物
Jのヒドロキシルは、KOtBuなどの塩基を用いて中間体
DD上のL.G.と置き換わり、化合物
EEを得ることができる。ニトロ基は、例えば、FeおよびNH
4Clを通して還元され、アミン
FFを得ることができる。
【0126】
アシル化されたキラル補助基
HHを2,2−ジメトキシアセトアルデヒド
GGと、TiCl
4またはBu
2BOTfなどのルイス酸、DIPEAなどの塩基と一緒に用いて反応させてアルドール生成物
JJを得ることができる。そのキラル補助基はAlMe
3およびN,O−ジメチルヒドロキシルアミン・塩酸塩を用いて除去され、ワインレブアミド
KKを得る。中間体
KKは、NaHなどの塩基、およびTBAFなどの相間移動試薬を用い、中間体
LLでアルキル化され、中間体
MMを得ることができる。ワインレブアミド
MMはDIBAL−Hなどの水素化試薬と反応してアルデヒド
NNを得ることができる。中間体
NNをCBr
4およびPh
3Pと反応させてジブロミド
OOを得ることができる。そのジブロミド
OOをn−BuLiなどの塩基、およびクロロギ酸エチルなどのアシル化剤と反応させアルキン
PPを得ることができる。そのアルキンをリンドラー(Lindlar)触媒などのPd触媒を用いて水素添加してアルケン
QQを得ることができる。中間体
QQのアセタール基はHClなどの酸水溶液を用いて除去され、アルデヒド
RRを得ることができる。このアルデヒドはNaBH(OAc)
3などの水素化源を用いてアミン
FFで還元的アミノ化に供され、アミン
SSを得ることができる。アミン
SSは、NaOtBuなどの塩基を用いて中間体
Lへの環化に供され得る。エステル
Lを、例えば、LiOHを用いて加水分解に付し、式(I)の化合物を得ることができる。
【0128】
あるいはまた、式(I)の化合物は、スキーム3に示されるように、1−ベンジル−4−オキソピペリジン−3−カルボン酸エチル(中間体
M)で出発し、それをKOtBuなどの塩基を用い、R
2−L.G.を中間体
Nとして用いて反応させてβ−ケトエステル
Oを得てもよい。そのエステルは、酸、例えばHClを用いる脱カルボキシル化により除去され、ピペリジノン
Pを得ることができる。メチルヨードニウム塩
QはMeIを用いてピペリジノン
Pより形成され得る。その塩
Qはアミン
Rおよび塩基(例、K
2CO
3)と反応させることによりピペリジノン
Sに変換され得る。ケトン
SはNaBH
4などの水素化源を用いて還元され、アルコール
Jを得ることができる。アルコール
Jはスキーム1またはスキーム2に記載の反応式に従って、式(I)の化合物に変換され得る。
【0130】
式(IIIa)の化合物は、スキーム4に示されるように、ピロリジン
Tと、NaDCCとを反応させ、つづいて塩基(例、NEt
3)を用いて脱離させることにより合成されてもよい。得られた中間体
Uは保護基および塩基(例、2,6−ルチジン)を用いて保護され、
Vを得ることができる。グリニャールまたはアルキルリチウム試薬
WとCuBr・SMe
2とのマイケル反応に付し、中間体
Xを得る。中間体
Xを脱保護してヒドロキシル
Yを曝し、それはアルコキシアルキル基
ZおよびNaHなどの塩基でアルキル化され、
AAを得ることができる。エステルはLiBH
4などの水素化源で還元され、ついで窒素上の保護基は除去され得る。得られた中間体
BBはスキーム1またはスキーム2に記載の反応式と類似する式を用いて式(IIIa)に変換され得る。
【0132】
IV. 生物学
糖尿病は世界中で100百万人以上の人々が罹患している重篤な疾患である。糖尿病はグルコース恒常性の異常により特徴付けられる一群の障害として診断され、高血糖をもたらす。糖尿病は、一般には、代謝性、血管性および神経因性成分が相互に関連する症候群である。代謝異常は、高血糖ならびにインスリン分泌の欠如または減少、および/または効果のないインスリン分泌により惹起される、炭水化物、脂肪およびタンパク質の代謝作用の変化により特徴付けられる。血管性症候群は、心血管、網膜、および腎臓の合併症に至る血管の異常からなる。末梢および自律神経系の異常は糖尿病性症候群の一部でもある。特筆すべきは、糖尿病は、全世界で病気による死亡の4番目の主たる原因であり、先進国における腎不全の最大の原因であり、工業国における失明の主たる原因であって、開発途上国にて罹患率が最も増加している。
【0133】
糖尿病患者の90%を占める2型糖尿病は、一定期間の代償性高インスリン血症の後の不適切なインスリン分泌に伴ってインスリン抵抗性が増加することにより特徴付けられる。β細胞の二次機能不全の理由は完全には理解されていない。後天性の膵島損傷または枯渇および/または膵島の分泌の不足に対して感受性を惹起する遺伝的因子が仮定されている。
【0134】
遊離脂肪酸(FFA)は、主にグルコース刺激のインスリン分泌(GSIS)を強化することにより、インスリンのβ細胞からの分泌に影響を及ぼすことが明らかにされた。グルコースはインスリンをβ細胞から分泌する主な刺激物質として認識されているが、アミノ酸、ホルモンおよびFFAなどの他の刺激物質もまたインスリン分泌を調節する。かくして、正常な環境下では、食物摂取に応答したβ細胞からのインスリン分泌は、グルコース、アミノ酸およびFFAなどの栄養素、ならびにインクレチン様ホルモンである、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)の集合的刺激により惹起される。脂肪酸はまた、コレシストキニン(cholocystokine)(CCK)、GLP−1およびペプチドYY(PYY)を含む、数種の胃腸満腹ホルモンの分泌を刺激することも知られている。
【0135】
β細胞にて発現されるG−タンパク質結合受容体(GPCR)は血漿中グルコース濃度の変化に応じてインスリンの放出を調節することが知られている。脂肪酸受容体1(FFAR1)としても知られるGPR40は膜結合FFA受容体であり、それは優先的には膵島で、具体的にはβ細胞にて発現される。GPR40(例えば、ヒトGPR40、Ref Seq mRNA ID NM_005303;例えば、マウスGPR40、Ref Seq mRNA ID NM_194057)は染色体19q13.12に存するGPCRである。GPR40は中鎖ないし長鎖脂肪酸により活性化され、それがシグナル伝達カスケードを作動させ、β細胞における[Ca
2+]
iの濃度を上昇させ、その後のインスリン分泌の刺激をもたらす(Itohら、Nature, 422:173-176(2003))。GPR40の選択的小型分子のアゴニストがマウスにてGSISを促進し、血中グルコースを減少させることが判明した(Tanら、Diabetes, 57:2211-2219(2008))。簡単に言えば、グルコース耐性試験の前に、正常なマウスまたは遺伝的変異のために糖尿病に罹患しやすいマウスのいずれかにGPR40のアクチベータを投与すると、グルコース耐性の改善が観察される。これらの処理に付したマウスでは、血漿中インスリン濃度の一時的な上昇も観察される。GPR40アゴニストは新生児STZラットから由来の膵臓β細胞においてGSISを回復させ、このことはβ細胞の機能と質量に障害のある糖尿病患者にてGPR40アゴニストが効果的であることを示唆する。脂肪酸は、コレシストキニン(CCK)、GLP−1およびペプチドYY(PYY)を含む、数種の胃腸満腹ホルモンの分泌を刺激することが知られており、GPR40がかかるホルモンを分泌する細胞と共局在化することがわかっている(Edfalkら、Diabetes, 57:2280-2287(2008);Luoら、PLoS ONE, 7:1-12(2012))。脂肪酸は神経発達および機能にて一の役割を果たすことも知られており、GPR40は脂肪酸のニューロンに対する効果をモジュレートする可能性があるものとして報告されている(Yamashima,T.、Progress in Neurobiology, 84:105-115(2008))。
【0136】
2型糖尿病に罹患した患者の集団が世界的に増加していることに鑑みて、有害事象が最小であって効果的である新規な療法に対する要求がある。血糖管理の強化を通して2型糖尿病の医療負担を軽減するために、本発明のGPR40モジュレータの化合物をGSISを促進するそのインクレチン効果について、ならびに広範な抗糖尿病薬との組み合わせの可能性について、ここでは研究する。
【0137】
「モジュレータ」なる語は、生物学的活性の機能特性または過程(例えば、酵素活性または受容体結合)を亢進する能力(例えば、「アゴニスト」活性)または部分的に亢進する能力(例えば、「部分アゴニスト」活性)あるいは阻害する能力(例えば、「アンタゴニスト」活性または「逆アゴニスト」活性)を有する化合物をいい;かかる亢進および阻害は、シグナル伝達経路の活性化、受容体の内在化などの特異的事象の発生に付随するものであってもよく、および/または特定の型の細胞だけで発現するものであってもよい。
【0138】
以下に例として挙げられ、それに限定されないものとする、1つまたは複数のカテゴリー:(a)経口バイオアベイラビリティ、半減期およびクリアランスを含む、薬物動態学的特徴;(b)薬理学的特徴;(c)必要な用量;(d)血中薬物濃度の最高最低間特性を低減する因子;(e)受容体で活性である薬物の濃度を上昇させる因子;(f)臨床における薬剤−薬剤間相互作用の不利益を低減する因子;(g)有害な副作用の可能性を低減する因子(他の生物学的標的に対する選択性を含む);および(h)それほど低血糖症の傾向がない改善された治療指数において、既知の抗糖尿病剤に比べて有利かつ改善された特性を有する化合物を見出すこともまた、望ましく、かつ好ましい。
【0139】
本明細書中で使用される際の「患者」なる語は全ての哺乳類を包含する。
【0140】
本明細書で使用される際の「対象」なる語は、ヒトまたはGPR40モジュレータでの治療から利益を受ける可能性のあるヒト以外の生物をいう。典型的な対象は代謝性疾患についての危険因子を有するどの年齢のヒトも包含する。共通する危険因子として、限定されないが、年齢、性別、体重、家族歴、あるいは黒色表皮症、高血圧症、脂質異常症または多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などのインスリン抵抗性の徴候が挙げられる。
【0141】
本明細書で使用される際の「治療する」または「治療」なる語は、哺乳類、特にヒトにおける病態の治療に及び、(a)その病態を阻害すること、即ち、その進行を停止させること;および/または(b)その病態を軽減すること、即ち、疾患状態の退縮を引き起こすこと;および/または(c)特にかかる哺乳類はその病態に罹りやすいが、まだ罹患していると診断されていない場合に、その病態の哺乳類における発症を防止すること、を包含する。
【0142】
本明細書で使用される際の「予防する」または「予防」なる語は、哺乳類、特にヒトにおける無症候性病態の、臨床的病態を発症する可能性の軽減を目的とした、予防的処置(すなわち、予防および/またはリスク軽減)にも及ぶ。患者は、一般的な集団に比べて臨床的な病態に罹患するリスクを増大させることが知られている因子に基づき、予防的治療を目的として選択されてもよい。「予防」的治療は、主に(a)一次予防および(b)二次予防に分類できる。一次予防は、未だに臨床的な病態を呈していない対象における治療と定義され、それに対して二次予防は、同じまたは類似の臨床的な病態の二度目の発症を予防するものとして定義される。
【0143】
本明細書で使用される際の「リスク軽減」なる語は、臨床的な病態の発症率を抑える治療にまで及ぶ。一次および二次予防の治療それ自体がリスク軽減の例である。
【0144】
「治療上の有効量」なる語は、GPR40をモジュレートし、および/または本明細書中にて列挙される障害を予防もしくは治療するために単独でまたは併用して投与された場合に効果的である本発明の化合物の量を包含するものとする。併用して投与される場合、該語は、組み合わせて、連続して、または同時に投与されるかどうかで予防または治療効果をもたらす活性成分の組み合わせた量をいう。
【0145】
インビトロGPR40アッセイ
FDSSを基礎とする細胞内カルシウムアッセイ
GPR40を発現する細胞系は、pDEST−3xFLAG遺伝子発現系を用いて生成され、それを以下の成分:F12(Gibco#11765)、脂質除去の10%ウシ胎児血清、250μg/mlのゼオシン(zeocin)および500μg/mlのG418を含む培地で培養する。蛍光画像化プレートリーダ(FLIPR)を基礎とするカルシウムフラックスアッセイを行い、細胞内Ca
2+応答を測定するために、GPR40を発現する細胞を384ウェルプレート(BD Biocoat#356697)にウェルに付きフェノールレッドおよび血清不含DMEM(Gibco#21063−029)中20,000個の細胞/20μLの培地の密度でプレートし、一夜インキュベートする。BDキット#80500−310または−301を用いる場合、細胞をウェル当たり20μLのハンクス緩衝塩溶液にて1.7mMのプロベネシドおよびフルオ(Fluo)−3と一緒に37℃で30分間インキュベートする。化合物をDMSOに溶かし、アッセイ緩衝液を用いて所望の濃度にまで希釈し、細胞に3x溶液として添加した(ウェルに付き20μL)。蛍光/発光リーダFDSS(Hamamatsu)を作動させ、細胞内Ca2+応答を読み取る。
【0146】
以下に開示の例示を、上記のヒトGRP40インビトロアッセイにて試験し、hGPR40モジュレート活性を有することが見出された。
【0147】
HEK293/GPR40誘発性細胞系でのGPR40IP−OneHTRFアッセイ
ヒト、マウスおよびラットのGPR40介在性細胞内IP−OneHTRFアッセイはテトラシクリン誘発のヒト、マウスまたはラットGPR40受容体で安定的にトランスフェクトされたヒト胎児腎臓細胞HEK294を用いて確立された。細胞を、規定通りに、DMEM(Gibco、Cat.#12430−047)、正規の10%FBS(Sigma、Cat.#F2442)、200μg/mL ヒグロマイシン(Invitrogen、Cat.#16087−010)および1.5μg/mL ブラストサイジン(Invitrogen、Cat.#R210−01)を含有する増殖培地にて培養した。約12−15百万個の細胞を増殖培地を含むT175組織培養フラスコ(BD Falcon353112)に入れ、37℃で16−18時間(一夜)5%CO
2と一緒にインキュベートした。翌日、アッセイ培地を増殖培地(1000ng/mLのテトラサイクリン(Fluka Analytical、Cat.#87128)を含有する)と交換し、5%CO
2を含む37℃のインキュベーター中にて18−24時間にわたってGPR40の発現を誘導した。誘導した後、細胞をPBS(Gibco、Cat.#14190−036)で洗浄し、セル・ストリッパー(Cellgro、Cat.#25−056−CL)で引き離した。10−20mLの増殖培地をフラスコに加え、細胞を50mLの遠心管(Falcon、Cat.#352098)に集め、5分間1000RPMで回転させた。培地を吸引し、細胞を10mLの1xIP−One スティムレーション・バッファー(Stimulation Buffer)(Cisbio IP−Oneキットから由来)(Cisbio、Cat.#62IPAPEJ)に懸濁させた。細胞を1mLのスティムレーション・バッファーに付き1.4x10
6細胞に希釈した。
【0148】
試験化合物を、バイオセル(Biocel)(Agilent)で、REMPアッセイプレート(Matrix、Cat.#4307)にてDMSO中に3xの11点で連続して希釈した。化合物をエコ(Echo)プレート(Labcyte、Cat.#LP−0200)に移し、20nLの希釈した化合物をアッセイプレート(パーキン・エルマー(Perkin Elmer)からのプロキシ・プレート(ProxiPlate)、Cat.#6008289)にエコ(Echo)アコースティック・ナノディスペンサー(Labcyte、モデルECHO550)を用いて移した。次に14μLの希釈細胞をサーモ(Thermo)(SN836330)コンビドロップ(CombiDrop)でアッセイプレートに加え、室温で45分間インキュベートした。ついで、CisbioIP−OneキットからのダイD2にカップリングさせた3μLのIP1をアッセイプレートに加え、つづいて該キットからのルミ(Lumi)4−TbクリプタートK(3μL)を添加した。該プレートを室温で1時間さらにインキュベートし、それからエンビジョン(Envision)(パーキン・エルマーモデル2101)でHTRFプロトコルを用いて読み取った。一連の濃度に及ぶ試験化合物についての活性化データを試験化合物の活性化割合(100%=最大応答)としてプロットした。バックグランドについて修正した後に[(試料の読み取り値−低対照の平均値)/(高対照の平均値−低対照の平均値)](低対照はどの化合物も不含のDMSOである)、EC
50値を決定した。EC
50は試験化合物が最大応答の50%を生じさせる濃度として定義され、そのデータを4パラメータロジスティックの計算式を用いて適合させて定量した。観察される最大Y値(%Ymax)は0.625μMの最終濃度でBMS標準対照化合物と比較して算定された。
【0149】
後記の実施例のいくつかを上記のヒトGRP40インビトロアッセイにて試験し、hGPR40 IP1 EC
50として報告されるhGPR40モジュレート活性を有することが見出された。
【0150】
本発明の化合物はGPR40のモジュレータとしての活性を有し、かくして、GRP40の活性に付随する疾患の治療に使用され得る。本発明の化合物は、好ましくは、GRP40のモジュレーションを通して、インスリン、および/またはGLP−1、GIP、CCKおよびアミリンなどの消化管ホルモンの産生/分泌をモジュレートするのに利用されてもよい。
【0151】
従って、本発明の化合物は、哺乳類、好ましくはヒトに、限定されるものではないが、糖尿病および関連する症状、糖尿病に付随する細小血管合併症、糖尿病に付随する大血管合併症、心血管疾患、代謝性症候群およびその構成要素による症状、炎症性疾患および他の病気を治療し、予防し、またはその進行を遅らせることを含め、種々の疾患または障害の治療用に投与され得る。結果として、本発明の化合物は、糖尿病、高血糖、耐糖能異常、妊娠性糖尿病、インスリン抵抗、高インスリン血症、網膜症、神経障害、腎症、糖尿病性腎疾患、急性腎損傷、心腎臓症候群、急性冠症候群、創傷治癒の遅れ、アテローム性動脈硬化症およびその後遺症(急性冠症候群、心筋梗塞、狭心症、末梢血管疾患、間欠性跛行、心筋虚血、発作、心不全)、代謝性症候群、高血圧症、肥満、脂肪肝疾患、脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL、高LDL、血管再狭窄、末梢動脈疾患、脂質障害、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)、NAFLD(非アルコール性脂肪肝疾患)および肝硬変などの肝臓疾患、神経変性疾患、認識機能障害、認知症を予防し、阻害し、または治療するのに使用されてもよく、糖尿病と関連する副作用、脂肪異栄養症およびコルチコステロイド療法より由来の骨粗鬆症の治療に使用されてもよいと思われる。
【0152】
代謝性症候群または「症候群X」は、Fordら、J. Am. Med. Assoc., 287:356-359(2002)およびArbeenyら、Curr. Med. Chem. -Imm., Endoc. & Metab. Agents, 1:1-24(2001)において記載される。.
【0153】
GPR40は、Yamashima,T.、Progress in Neurobiology, 84:105-115(2008)に記載されるように、神経細胞で発現し、脳内のニューロンの発達および調子の維持と関連付けられる。
【0154】
V.医薬組成物、製剤および合剤
本発明の化合物は、本明細書に記載されるいずれかの用途のために、いずれか適切な手段、例えば、錠剤、カプセル剤(それぞれ、徐放性製剤または持続放出型製剤を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁液(ナノ懸濁液、ミクロ懸濁液、噴霧乾燥分散液を含む)、シロップ剤および乳剤などの手段により経口的に;舌下的に;バッカル的に;皮下、静脈内、筋肉内または胸骨下注射、または注入技法(例えば、滅菌注射用水性または非水性溶液または懸濁液)によるなどの手段により非経口的に;吸入噴霧によるなどの鼻腔膜への投与を含め、経鼻的に;クリームまたは軟膏の形態のように局所的に;あるいは坐剤の形態のように経直腸的に投与され得る。該化合物はそれだけで投与されてもよいが、一般には、選択された投与経路および標準的な製剤学的基準に基づき選択される医薬的担体と一緒に投与されるであろう。
【0155】
「医薬組成物」なる語は、本発明の一の化合物を少なくとも1つのさらなる医薬的に許容される担体と組み合わせて含む組成物を意味する。「医薬的に許容される担体」は、投与方法および剤形の性質に応じて、動物、特に哺乳類への生理活性薬剤の送達の分野で一般的に許容される媒体、例えば、佐剤、希釈剤などの賦形剤もしくはベヒクル、保存料、増量剤、流動性制御剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味料、香料、芳香剤、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤および分散剤をいう。
【0156】
医薬的に許容される担体は当業者に周知の数多くの因子に従って製剤化される。これらは、限定されないが、製剤化される活性薬剤の種類および性質;薬剤を含む組成物が投与される対象;該組成物の意図される投与経路;目標の治療指標を包含する。医薬的に許容される担体は水性および非水性の液体媒体、ならびに様々な固形および半固形の剤形を含む。かかる担体は活性成分に加えて数多くの異なる成分および添加剤を含み得、かかるさらなる成分は、当業者に周知の様々な理由、例えば、活性薬剤の安定化、結合剤などの理由で該製剤に含まれる。適切な医薬的に許容される担体およびそれらの選択に関与する因子に関する記述は、容易に入手できる様々な情報源、例えば、Allen、L.V.,Jr.ら、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(2巻)、第22版、Pharmaceutical Press(2012)に見られる。
【0157】
本発明の化合物の用量レジメンは、当然のことながら、特定の薬剤の薬物動態学的性質ならびにその投与方法および経路;レシピエントの種、年齢、性別、健康状態、医学的状態、および体重;症状の性質および度合い;現在行われている治療の種類;治療頻度;投与経路、患者の腎機能および肝機能、ならびに目的とする効果といった周知の因子に依存して異なるであろう。
【0158】
一般的な指標として、各活性成分の1日あたりの経口投与量は、指示された効果に用いる場合、1日あたり約0.001から約5000mg、好ましくは1日に付き約0.01から約1000mg、最も好ましくは1日に付き約0.1から約250mgの範囲にある。静脈内投与の場合、最も好ましい用量は持続静注の間は約0.01から約10mg/kg/分の範囲にある。本発明の化合物は単回用量で毎日投与されてもよく、あるいは、1日あたりの総用量を1日2、3、または4回に分割した用量で投与してもよい。
【0159】
該化合物は、典型的には、意図される投与形態、例えば、経口用錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、およびシロップ剤に関して、一般的な製剤学的基準に一致して適切に選択される適切な医薬的希釈剤、賦形剤または担体(本明細書中では医薬的担体と総称する)との混合物で投与される。
【0160】
投与に適した剤形(医薬組成物)は単位用量当たり約1ミリグラムから約2000ミリグラムの活性成分を含んでいてもよい。これらの医薬組成物において、活性成分は、一般的に、該医薬組成物の総重量の約0.1−95重量%の量において存在するであろう。
【0161】
典型的な経口投与用のカプセルは、少なくとも1つの本発明の化合物(250mg)、ラクトース(75mg)およびステアリン酸マグネシウム(15mg)を含有する。その混合物を60メッシュのシーブに通し、No.1のゼラチンカプセルに詰め込む。
【0162】
典型的な注射用製剤は、少なくとも1つの本発明の化合物(250mg)を無菌状態でバイアルに入れ、無菌状態で凍結乾燥して密封することにより製造される。使用する場合、そのバイアルの中身を2mLの生理食塩水と混合し、注射用製剤を製造する。
【0163】
本発明は、その範囲内に、活性成分として、治療的に効果的な量の少なくとも1つの本発明の化合物を単独で、あるいは医薬的担体と組み合わせて含む医薬組成物を包含する。所望により、本発明の化合物は、単独で、発明の他の化合物と組み合わせて、あるいは1または複数の他の治療薬、例えば、抗糖尿病剤または他の治療的に活性な材料と組み合わせて使用され得る。
【0164】
本発明の化合物は、GRP40モジュレータ、あるいは上記の障害の治療に有用な1または複数の他の適当な治療薬(抗糖尿病薬、抗高血糖薬、抗高インスリン血症剤、抗網膜症薬、抗神経障害薬、抗腎症薬、抗アテローム性動脈硬化薬、抗虚血薬、抗高血圧薬、抗肥満薬、抗脂質異常薬、抗高脂血症薬、抗高トリグリセリド血症薬、抗高コレステロール血症薬、抗再狭窄薬、抗腎臓薬、脂質低下薬、食欲減退薬および食欲抑制薬を含む)と組み合わせて利用されてもよい。
【0165】
所望により、本発明の化合物は、1または複数の他の型の抗糖尿病薬、および/または1または複数の他の型の治療薬と組み合わせて使用されてもよく、それらは同じ剤形にて経口的に、別個の経口剤形にて、または注射により投与されてもよい。本発明のGRP40受容体モジュレータと所望により組み合わせて利用されてもよい、他の型の抗糖尿病薬は1、2、3種またはそれ以上の抗糖尿病薬または抗高血糖薬であってもよく、それらは同じ剤形にて経口的に、別個の経口剤形にて、または注射により投与され、さらなる薬理学的利益を生み出すこともできる。
【0166】
本発明の化合物と組み合わせて使用される抗糖尿病薬は、以下に限定されるものではないが、インスリン分泌促進剤またはインスリン増感剤、他のGPR40受容体モジュレータ、あるいは他の抗糖尿病薬を包含する。これらの薬剤は、以下に限定されるものではないが、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(DPP4i;例えば、シタグリプチン、サキサグリプチン、アログリプチン、ビルダグリプチン)、ビグアニド(例えば、メトホルミン、フェンホルミン)、スルホニル尿素(例えば、グリブリド、グリメピリド、グリピジド)、グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、ミグリトール)、チアゾリジンジオンなどのPPARγアゴニスト(例えば、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン)、PPARα/γ二元的アゴニスト(例えば、ムラグリタザール、テサグリタザール、アレグリタザール)、グルコキナーゼアクチベータ(Fyfe,M.C.T.ら、Drugs of the Future, 34(8):641-653(2009)およびその中に組み込まれている文献に記載されるアクチベータ)、他のGPR40受容体モジュレータ(例えば、TAK−875)、GPR119受容体モジュレータ(例えば、MBX−2952、PSN821、APD597)、GPR120受容体モジュレータ(例えば、Shimpukade,B.ら、J. Med. Chem., 55(9):4511-4515(2012)に記載)、ナトリウム−グルコース輸送体−2(SGLT2)阻害剤(例えば、ダパグリフロジン、カナグリフロジン、エンパグリフロジン、レマグリフロジン)、11b−HSD−1阻害剤(例えば、MK−0736、BI35585、BMS−823778、およびLY2523199)、MGAT阻害剤(例えば、Barlind,J.G.ら、Bioorg. Med. Chem. Lett.(2013)に記載)、doi:10.1016/j.bmcl.2013.02.084)、プラムリンチドなどのアミリン類似体、および/またはインスリンを包含する。糖尿病の治療についての最新および新興の療法の報告は:Mohler,M.L.ら、Medicinal Research Reviews, 29(1):125-195(2009)、およびMizuno, C.S.ら、Current Medicinal Chemistry, 15:61-74(2008)に記載され得る。
【0167】
式IのGPR40受容体モジュレータはまた、所望により、糖尿病の合併症を治療するための薬物と組み合わせて利用されてもよい。これらの薬物はPKC阻害剤および/またはAGE阻害剤を包含する。
【0168】
式IのGRP40受容体モジュレータはまた、ジエチルプロピオン、フェンジメトラジン、フェンテルミン、オルリスタット、シブトラミン、ロルカセリン、プラムリンチド、トピラマート、MCHR1受容体アンタゴニスト、オキシントモデュリン、ナルトレキソン、アミリンペプチド、NPY Y5受容体モジュレータ、NPY Y2受容体モジュレータ、NPY Y4受容体モジュレータ、セチリスタット、5HT2c受容体モジュレータ等などの1または複数の食欲抑制剤と組み合わせて利用されてもよい。構造式Iの化合物はまた、エクセナチド、リラグルチド、GLP−1(1−36)アミド、GLP−1(7−36)アミド、GLP−1(7−37)などのグルカゴン様ペプチド−1受容体(GLP−1R)のアゴニストと組み合わせて利用されてもよく(米国特許第5,614,492号(Habener)に開示されるように、その内容を出典明示により本明細書の一部とする)、それらは注射により、鼻腔内に、あるいは経皮またはバッカル装置により投与されてもよい。肥満症の治療についての最新および新興の療法の報告は:Melnikova,I.ら、Nature Reviews Drug Discovery, 5:369-370(2006);Jones,D.、Nature Reviews:Drug Discovery, 8:833-834(2009);Obici,S.、Endocrinology, 150(6):2512-2517(2009);およびElangbam,C.S.、Vet. Pathol., 46(1):10-24(2009)に記載され得る。
【0169】
上記した他の治療薬は、本発明の化合物と組み合わせて利用される場合に、例えば、the Physicians’ Desk Referenceに示される量で、上記した特許に示されるように、あるいは当業者によって決定される量で使用されてもよい。
【0170】
特に単一の投与単位で投与される場合に、その合わされる活性成分の間で化学的相互作用が存する可能性がある。こういう訳で、本発明の化合物と、別の治療薬が単一の投与単位で合わされる場合、それらは、活性成分が単一の投与単位にて合わされるが、その活性成分の間の物理的接触が最小となるように(すなわち、減少するように)処方される。例えば、一の活性な成分は腸溶被覆されてもよい。活性成分の一つを腸溶被覆することにより、合わされる活性成分の間の接触を最小にすることが可能であるだけでなく、これらの一の成分の消化管での放出を、これらの一の成分が胃で放出されることなく、むしろ腸で放出されるように、調節することも可能である。活性成分の一つはまた、消化管全体を通して徐放性に影響を及ぼし、併用される活性成分の間の物理的接触を最小にするのにも役立つ材料で被覆されてもよい。その上、徐放性成分は、この成分の放出が腸でだけ生じるように付加的に腸溶被覆され得る。さらに別の解決方法として、一方の成分を徐放性および/または腸内放出性ポリマーで被覆し、他方の成分も粘度低等級のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのポリマー、または活性成分をさらに分離するのに当該分野にて知られる他の適切な材料で被覆する、組み合わせ製品を処方することが挙げられる。そのポリマー被覆材は他の成分との相互作用に対してさらなるバリアーを形成するのに役立つ。
【0171】
本発明の併用製剤の成分間の接触を最小にするこれらの方法ならびに他の方法は、単一剤形にて投与されても、または同時ではないが、同じ方法で別個の形態にて投与されたとしても、本発明の開示を一度でも読めば、当業者にとって明らかであろう。
【0172】
本発明の化合物は、単独で、または1または複数のさらなる治療薬と組み合わせて投与され得る。「組み合わせて投与される」または「併用療法」とは、本発明の化合物と、1または複数のさらなる治療薬が同時に治療される哺乳類に投与されることを意味する。組み合わせて投与される場合、各成分は、同時に、あるいは異なる時点でいずれの順序で投与されてもよい。かくして、各成分は、別々であるが、所望の治療効果を得るのに時間的に十分に接近して投与されてもよい。
【0173】
本発明の化合物はまた、GRP40受容体の関与する試験またはアッセイにおいて、標準または対照化合物として、例えば属性の標準体または対照体として有用でもある。かかる化合物は、市販のキットにて、GRP40または抗糖尿病活性の関与する薬学研究にて用いるために提供されてもよい。例えば、本発明の化合物は、その既知の活性を未知の活性の化合物と比較するためのアッセイにて対照として使用され得る。このことは実験者に該アッセイが適切に実施されたことを保証し、特にもし試験化合物が対照となる化合物の誘導体である場合に、比較するための基準を提供することとなる。新たなアッセイまたはプロトコルを開発する場合に、その効能を試験するのに本発明の化合物を用いることができる。
【0174】
本発明の化合物はまた、GRP40の関与する診断アッセイにて使用されてもよい。
【0175】
本発明は製造品も包含する。本明細書中で用いられる場合、製造品は、限定されないが、キットおよびパッケージを包含するものとする。本発明の製造品は、(a)第1の容器;(b)第1の容器内に位置づける医薬組成物(ここで、該組成物は、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む第1の治療薬を含む);(c)該医薬組成物がGRP40に付随する多数の疾患または障害(上と同義)の治療に用いることができる旨を記載するパッケージ添付文書を含む。別の実施態様において、該パッケージ添付文書には、該医薬組成物が第2の治療薬と組み合わせて(上と同義)、GRP40に付随する多数の疾患または障害の治療に用いることができる旨が記載される。該製造品はさらに、(d)第2の容器(ここで、構成要素(a)および(b)は第2の容器内に位置し、構成要素(c)は第2の容器内または容器外に位置する)を含み得る。第1および第2の容器内に位置するとは、各容器が該アイテムをその領域内に保持することを意味する。
【0176】
第1の容器は、医薬組成物の保持に用いられるレセプタクルである。この容器は、製造、貯蔵、運搬、および/または個別/大量販売のためのものである。第1の容器は、ボトル、ジャー、バイアル、フラスコ、シリンジ、チューブ(例えば、クリーム製剤用のもの)、または医薬製剤の製造、保持、貯蔵、または流通に用いられる任意の別の容器に及ぶものとする。
【0177】
第2の容器は、第1の容器、および適宜パッケージ添付文書を保持するために用いられるものである。第2の容器の例は、限定されないが、箱(例えば、ダンボールまたはプラスチック製の箱)、木箱、紙箱(carton)、袋(例えば、紙またはプラスチックの袋)、ポーチ、および布袋(sack)を包含する。パッケージ添付文書は、テープ、接着剤、ホッチキス、または他の付着方法により第1の容器の外側に物理的に付着させることができ、または、第1の容器と物理的に付着する手段を用いることなく第2の容器内に入れておくこともできる。あるいは、パッケージ添付文書は第2の容器の外に位置していてもよい。第2の容器の外に位置する場合、パッケージ添付文書はテープ、接着剤、ホッチキス、または他の付着方法により物理的に付着していることが好ましい。あるいは、物理的に付着させることなくそれを第2の容器の外側に近接または接触させることもできる。
【0178】
パッケージ添付文書は、第1の容器内に位置する医薬組成物に関連する情報を記載したラベル、タグ、マーカーなどである。該情報は、通常、該製造品が販売される地域を管理する規制当局(例えば、アメリカ食品医薬品局)により決定されるであろう。好ましくは、パッケージ添付文書は、特に、該医薬組成物が認可された事柄の表示を記載したものである。パッケージ添付文書は人がその中にまたはその上に含まれる情報を読みうる任意の材料で作られていてもよい。好ましくは、パッケージ添付文書は、それ上に目的の情報が形成される(例えば、印刷または貼り付ける)印刷可能な材料(例えば、紙、プラスチック、ダンボール、ホイール、紙またはプラスチック製のシール等)である。
【0179】
本発明の別の特徴は、発明を説明する目的で提供され、本発明を限定するものではない、以下の典型的な実施態様の記載から明らかとなろう。
【0180】
実施例
以下の実施例は、本発明の例示としてのその部分的範囲および特定の実施態様を提供するものであり、本発明の範囲を限定することを意図としない。本発明の化合物は、1または複数の不斉中心を有してもよい。実施例および添付した特許請求の範囲を通して、所定の化学式または化学名はすべての立体異性体および光学異性体およびそのラセミ体(かかる異性体が存在する場合)を包含する。特記されない限り、すべてのキラル(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびラセミ体は本発明の範囲内にある。
【0181】
略語および化学的記号は、特記されない限り、その普通で慣用的な意義を有する。特記されない限り、本明細書に記載の化合物は、本明細書に開示のスキームおよび他の方法を用いて調製、単離、かつ特徴付けられるか、あるいはその同じスキーム等を用いて調製されてもよい。
【0182】
実施例の特徴付けまたは精製に利用されるHPLC/MSおよびプレパラトリー/分析HPLC方法
分析HPLC/MSは、(特記されない限り)以下の方法を用い、島津製(Shimadzu)SCL−10A液体クロマトグラフィー、およびウォーターズ(Waters)マイクロマス(MICROMASS)(登録商標)ZQ質量分析装置(脱溶媒和気体:窒素;脱溶媒和温度:250℃;イオン源温度:120℃;ポジティブエレクトロスプレー条件)で行われた:
【0183】
0%から100%までの溶媒Bの2分間に及ぶ線状勾配、および100%溶媒Bでの1分間の保持;
220nmでのUV可視化;
カラム:フェノメネックス(PHENOMENEX)(登録商標)ルナ(Luna)C18(2)30mm x 4.60mm;5μm粒子(40℃に加熱);
流速:5ml/分;
溶媒A:10%MeCN−90%H
2O−0.1%TFA;または、10%MeOH−90%H
2O−0.1%TFA;および
溶媒B:90%MeCN−10%H
2O−0.1%TFA;または、90%MeOH−10%H
2O−0.1%TFA
【0184】
プレパラトリーHPLCは、(特記されない限り)島津製SCL−10A液体クロマトグラフィーで、10分または30分間に及ぶ20−100%の溶媒Bの線状勾配、および100%の溶媒Bで(各々)2分または5分間のいずれかで保持して行われた:
220nmでのUV可視化;
カラム:フェノメネックス(登録商標)ルナ・アキシア(Luna Axia)5μ C18 30mm x 100mm;
流速:20mL/分;
溶媒A:10%MeCN−90%H
2O−0.1%TFA;および
溶媒B:90%MeCN−10%H
2O−0.1%TFA
【0185】
分析HPLCは、(特記されない限り)以下の方法を用い、島津製(Shimadzu)SIL−10Aで行われ、化合物を純度を測定した(特記されない限り、実施例にて列挙される保持時間はカラム1の保持時間をいう):
【0186】
10%から100%までの溶媒Bの15分間に及ぶ線状勾配;
220nmおよび254nmでのUV可視化;
カラム1:サン・ファイア(Sun Fire)C18 3.5μm、4.6x150mm;
カラム2:エクスブリッジ・フェニル(XBridge Phenyl)3.5μm、4.6x150mm;
流速:1ml/分(両カラムについて);
溶媒A:5%MeCN−95%H
2O−0.05%TFA;および
溶媒B:95%MeCN−5%H
2O−0.05%TFA
【0187】
あるいは
指摘される出発割合から100%までの溶媒Bの8分間に及ぶ線状勾配;
220nmでのUV可視化;
カラム:ゾルバックス(ZORBAX)(登録商標)SB C18 3.5μm、4.6x75mm;
流速:2.5ml/分;
溶媒A:10%MeCN−90%H
2O−0.2%H
3PO
4;および
溶媒B:90%MeCN−10%H
2O−0.2%H
3PO
4
【0188】
実施例の特徴付けに利用されるNMR
1H NMRスペクトルは、(特記されない限り)ジェオル(JEOL)(登録商標)またはブルカー・フーリエ(Bruker FOURIER)(登録商標)変換分光計を用いて400MHzまたは500MHzで操作して得られた。
1H−nOe実験は、立体化学を解明するためのいくつかのケースでは、400MHzのブルカー・フーリエ(登録商標)変換分光計を用いて行われた。
【0189】
スペクトルデータは化学シフト(多重度、水素の数、カップリング定数(Hz))として報告され、
1H NMRスペクトルについては内部標準(テトラメチルシラン=0ppm)に対するppm(δ単位)で報告されるか、または残留溶媒のピーク(CD
3SOCD
2Hでは2.49ppm、CHD
2CNでは1.94ppm、CHCl
3では7.26ppm、CDHCl
2では5.32ppm)に言及して報告されるかのいずれかである。
【0190】
実施例1
2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3R,4R)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化40】
【0191】
1A. (R)−1−ベンジル 2−メチル 4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1,2−ジカルボキシラート:(2S,4R)−メチル 4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキシラート・HCl(10.0g、55.3ミリモル)の室温でのCH
2Cl
2(76mL)中溶液に、イミダゾール(8.66g、127ミリモル)およびTBS−Cl(9.17g、60.8ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で一夜攪拌した。反応混合物を10%水性Na
2CO
3(75mL)で洗浄した。層を分離し、その水層をCH
2Cl
2(75mL)で抽出した。有機層を合わせ、濃縮して少容量とし、次にトルエンを添加し、フラクションを濃縮して約75mLとした。トルエン相を水で洗浄し、次にそれを次の工程にそのまま使用した。(2S,4R)−メチル 4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン−2−カルボキシラートの0℃に冷却したトルエン中溶液に、水(25mL)を、つづいてNaDCC(6.69g、30.4ミリモル)を添加した。30分後、該反応混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、トルエン(30mL)で洗浄し、相を分離した。有機相を水で洗浄し、0℃に冷却し、NEt
3(9.3mL、66ミリモル)を添加した。反応混合物を0℃で1時間、次に室温で一夜攪拌した。有機溶液を水で洗浄し(2x)、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。その粗物質を次の工程にさらに精製することなくそのまま用いた。(R)−メチル 3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−カルボキシラートの−10℃でのCH
2Cl
2(101mL)中溶液に、2,6−ルチジン(11.8mL、101ミリモル)を添加し、つづいてクロロギ酸ベンジル(7.9mL、56ミリモル)を滴下して加え、該反応混合物を加温して室温にし、一夜攪拌した。エチレンジアミン(0.50mL、7.4ミリモル)を該反応混合物に加え、それを室温で15分間攪拌し、次に1N水性クエン酸(60mL)および1N水性HCl(50mL)で洗浄した。有機層を水、1.5N水性KH
2PO
4、および塩水で洗浄した。有機層を乾燥(Na
2SO
4)させ、濾過して濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、1A(16.3g、41.6ミリモル、収率82%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
20H
29NO
5Siについての計算値:391.55、測定値[M+H]:392.0;
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ 7.40−7.29(m,5H)、5.69−5.62(m,1H)、5.20−5.11(m,2H)、4.94(dt,J=7.7、3.2Hz,1H)、3.98(dd,J=12.4、8.0Hz,1H)、3.79(dd,J=12.2、3.4Hz,1H)、3.71−3.62(m,3H)、0.88(s,9H)、0.07(d,J=3.3Hz,6H)
【0192】
1B. (2R,3S,4R)−1−ベンジル 2−メチル 4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−3−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシラート:CuBr・SMe
2(4.78g、23.2ミリモル)を無水Et
2O(51mL)に懸濁させ、−40℃に冷却した。MeLiのEt
2O中1.6M溶液(29.1mL、46.5ミリモル)を滴下漏斗を通して滴下して加えた。該溶液を1時間攪拌し、ついで1A(7.00g、17.9ミリモル)のEt
2O(20.4mL)中溶液を滴下漏斗を通して滴下して加えた。反応混合物を−45℃で45分間攪拌し、次にカニューレを通してNH
4Clの激しく攪拌した飽和水溶液に移し、30分間攪拌した。有機層を分離し、飽和水性NH
4Clで洗浄した。水層を合わせ、ヘキサンで抽出した。有機層を合わせ、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。その粗材料をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、1B(5.11g、12.5ミリモル、収率70%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
21H
33NO
5Siについての計算値:407.58、測定値[M+H]:408.2;
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ(2つの回転異性体) 7.40−7.27(m,5H)、5.21−5.00(m,2H)、4.01−3.90(m,1H)、3.87−3.80(m,1.6H)、3.77−3.71(sおよびm,1.8H)、3.57(s,1.6H)、3.36−3.28(m,1H)、2.33−2.25(m,1H)、1.11(dd,J=7.2、2.2Hz,3H)、0.86(s,9H)、0.08−0.01(m,6H)
【0193】
1C. (2R,3S,4R)−1−ベンジル 2−メチル 4−ヒドロキシ−3−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシラート:1B(5.10g、12.5ミリモル)のTHF(42mL)中溶液に、TBAFのTHF中1M溶液(19mL、19ミリモル)を添加し、その反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水および塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。その粗材料をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、1C(3.61g、12.3ミリモル、収率98%)を無色油状物として得、それを放置して結晶化させ白色固体とした。LC−MS分析:C
15H
19NO
5についての計算値:293.32、測定値[M+H]:294.0;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.41−7.27(m,5H)、5.25−4.97(m,2H)、4.09−3.96(m,1H)、3.95−3.87(m,1H)、3.86−3.70(m,3H)、3.69−3.57(m,2H)、3.10−2.83(m,1H)、2.37(td,J=6.9、2.9Hz,1H)、1.12(d,J=7.3Hz,3H)
【0194】
1D. (2R,3S,4R)−1−ベンジル 2−メチル 4−(アリルオキシ)−3−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシラート:1C(0.405g、1.38ミリモル)の0℃でのDMF(6.9mL)中溶液に、60%NaH(0.083g、2.1ミリモル)を添加した。反応混合物を30分間攪拌させ、次に臭化アリル(0.18mL、2.1ミリモル)を添加した。反応混合物を加温して室温にし、1時間攪拌した。反応混合物を水でクエンチさせ、EtOAcで希釈した。層を分離し、有機層を水(4x)で洗浄した。その有機層を塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、1D(0.446g、1.34ミリモル、収率97%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
18H
23NO
5についての計算値:333.38、測定値[M+H]:334.0;
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ(2つの回転異性体) 7.41−7.27(m,5H)、5.90−5.77(m,1H)、5.29−4.99(m,4H)、4.09−3.90(m,3H)、3.86および3.80(2dd,J=11.3、5.6Hz,1H)、3.73および3.57(2s,3H)、3.67−3.61(m,1H)、3.46(ddd,J=11.0、6.1、4.7Hz,1H)、2.59−2.44(m,1H)、1.14(dd,J=7.2、1.1Hz,3H)
【0195】
1E. (2R,3S,4R)−1−ベンジル 2−メチル 4−(3−ヒドロキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシラート:1D(2.74g、8.20ミリモル)の0℃でのTHF(4.1mL)中溶液に、BH
3・THF(2.8mL、2.8ミリモル)のTHF中1M溶液を添加した。15分後、反応混合物を室温で2.2時間攪拌した。さらなるBH
3・THF(THF中1M)(0.2mL、0.2ミリモル)を添加し、その反応混合物をさらに15分間攪拌した。水(4.1mL)および過ホウ酸ナトリウム・4H
2O(1.29g、8.37ミリモル)を添加した。2時間攪拌した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、1E(2.17g、6.18ミリモル、収率75%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
18H
25NO
6についての計算値:351.39、測定値[M+H]:352.0;
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ(2つの回転異性体) 7.43−7.27(m,5H)、5.26−5.00(m,2H)、4.18−3.98(m,1H)、3.84−3.76(m,1H)、3.75および3.61(2s,3H)、3.73−3.66(m,2H)、3.61−3.50(m,4H)、2.62−2.50(m,1H)、2.04−2.00(m,1H)、1.77(quind,J=5.7、2.9Hz,2H)、1.12(d,J=7.2Hz,3H)
【0196】
1F. (2R,3S,4R)−1−ベンジル 2−メチル 4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシラート:1E(2.17g、6.18ミリモル)のMeCN(7.7mL)中溶液に、Ag
2O(3.58g、15.4ミリモル)およびMeI(3.9mL、62ミリモル)を添加した。反応混合物を50℃で18時間攪拌した。混合物を濾過して濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、1F(2.71g、7.42ミリモル、収率81%)を得た。LC−MS分析:C
19H
27NO
6についての計算値:365.42、測定値[M+H]:367.0;
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ 7.41−7.27(m,5H)、5.24−4.99(m,2H)、4.08−3.94(m,1H)、3.89−3.76(m,1H)、3.73、3.58(2s,3H)、3.57−3.53(m,1H)、3.51−3.42(m,3H)、3.40(t,J=6.2Hz,2H)、3.32、3.3(2s,3H)、2.49(dtd,J=6.9、4.7、2.2Hz,1H)、1.76(quind,J=6.3、2.1Hz,2H)、1.13(dd,J=7.2、3.0Hz,3H)
【0197】
1G. (2R,3S,4R)−ベンジル 2−(ヒドロキシメチル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−1−カルボキシラート:1F(4.13g、11.3ミリモル)の0℃でのTHF(57mL)中溶液に、LiBH
4のTHF中2M溶液(11.3mL、22.6ミリモル)を添加した。反応混合物を加温して室温にし、17時間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、飽和水性NH
4Clで注意してクエンチし、EtOAc/水で希釈した。層を分離し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、1G(3.25g、9.15ミリモル、81%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
18H
27NO
5についての計算値:337.41、測定値[M+H]:338.0;
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ 7.40−7.28(m,5H)、5.14(s,2H)、4.41−4.31(m,1H)、3.85−3.70(m,3H)、3.69−3.61(m,1H)、3.57−3.47(m,3H)、3.46−3.39(m,2H)、3.34−3.26(m,3H)、2.06−1.94(m,1H)、1.81(quin,J=6.4Hz,2H)、1.09(dd,J=9.9、7.2Hz,3H)
【0198】
1H. ((2R,3S,4R)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)メタノール:1G(3.25g、9.63ミリモル)およびPd/C(0.820g、0.771ミリモル)のMeOH(193mL)中混合物をアルゴン(3x)で、ついでH
2(3x)でパージした。反応混合物をH
2(1気圧)下、室温で3.5時間攪拌した。混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、濃縮して1H(2.03g、9.99ミリモル、収率100%)を得た。LC−MS分析:C
10H
21NO
3についての計算値:203.28、測定値[M+H]:204.1;
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ 3.63(dd,J=11.1、3.4Hz,1H)、3.55−3.49(m,2H)、3.47(t,J=6.3Hz,2H)、3.43(td,J=6.3、2.1Hz,2H)、3.31(s,3H)、3.06−3.00(m,1H)、2.98−2.90(m,1H)、2.85−2.76(m,1H)、1.85(dt,J=6.9、3.4Hz,1H)、1.83−1.75(m,2H)、1.05(d,J=7.2Hz,3H)
【0199】
1I. 4−ブロモ−2−メトキシピリジン:4−ブロモ−2−フルオロピリジン(2.64mL、25.6ミリモル)およびNaOMe(8.29g、153ミリモル)のMeOH(36.5mL)中の不均一な反応混合物を圧力管中にて155℃で5時間反応させた。反応混合物を室温に冷却し、固体を濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を濃縮して白色固体と一緒に淡黄色の油状物を得た。その黄色の油状物をデカントし、水で希釈し、溶液をEtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせ、水および塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して濃縮し、1I(4.43g、21.20ミリモル、収率83%)を黄色の油として得た。LC−MS分析:C
6H
6BrNOについての計算値:188.02、測定値[M+H]:187.9、189.9;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.98(d,J=5.5Hz,1H)、7.02(dd,J=5.5、1.5Hz,1H)、6.94(d,J=1.8Hz,1H)、3.92(s,3H)
【0200】
1J. 4−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシピリジン:1I(2.00g、10.6ミリモル)のDMF(21mL)中溶液に、NCS(2.98g、22.3ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で一夜攪拌した。反応混合物を水でクエンチさせ、EtOAcで希釈し、層を分離した。水層をEtOAcで抽出し、有機抽出液を合わせ、塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、1J(2.15g、9.18ミリモル、収率86%)を白色の固体として得た。LC−MS分析:C
6H
5BrClNOについての計算値:220.92、測定値[M+H]:223.8;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 8.15(s,1H)、7.05(s,1H)、3.91(s,3H)
【0201】
1K. (3,4−シス)−1−ベンジル−3−メチルピペリジン−4−オール:1−ベンジル−3−メチルピペリジン−4−オン(24.8g、122ミリモル)の−78℃でのTHF(102mL)中溶液に、L−セレクトライド(L-Selectride)のTHF中1M溶液(183mL、183ミリモル)を滴下して加えた。反応混合物を−78℃で90分間攪拌した。EtOH(22mL)、水(55mL)、および1M水性NaOH(55mL)を連続して添加した。反応混合物を0℃に加温し、30%水性H
2O
2(55mL)を滴下して加えた。冷却浴を取り外し、反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、不溶性の白色の固体を処分した。有機層を飽和水性NaHCO
3および塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)させて濃縮し、粗生成物を油状物として得た。シリカクロマトグラフィーを介して精製し、1K(22.2g、収率88%)を白色の固体として得た。LC−MS分析:C
13H
19NOについての計算値:205.30、測定値[M+H]:206.2;
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ 7.40−7.20(m,5H)、3.84(s,1H)、3.55(s,2H)、2.60−1.73(m,7H)、0.97(d,3H)
【0202】
1L. (3,4−シス)−1−ベンジル−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−3−メチルピペリジン:1K(21.86g、106.5ミリモル)およびNEt
3(44.5mL、320ミリモル)の0℃でのCH
2Cl
2(107mL)中溶液に、TBSOTf(29.4mL、128ミリモル)を添加した。反応混合物を0℃で1時間攪拌した。飽和水性NaHCO
3(180mL)をその反応混合物にゆっくりと添加した。混合物を濃縮し、EtOAcで希釈し、水および塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。シリカクロマトグラフィーに付して精製し、1L(31.48g、収率92%)を油状物として得た。LC−MS分析:C
19H
33NOSiについての計算値:319.56、測定値[M+H]:320.3
【0203】
1M. (3,4−シス)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−3−メチルピペリジン:1L(15.7g、49.3ミリモル)および10%Pd/C(3.15g)のMeOH(493mL)中混合物をアルゴン(3x)およびH
2(3x)でパージした。反応混合物をH
2(1気圧)下の室温で24時間攪拌した。混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、濾液を濃縮して1M(11.3g、49.3ミリモル、収率100%)を得た。
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ 3.80(s,1H)、2.90(m,1H)、2.70−2.50(m,4H)、1.60−1.50(m,3H)、0.86(s,9H)、0.80(d,3H)、0.00(s,6H)
【0204】
1N. 4−((3,4−シス)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−3−メチルピペリジン−1−イル)−5−クロロ−2−メトキシピリジン:1J(9.70g、43.6ミリモル)、1M(10.0g、43.6ミリモル)、およびK
2CO
3(12.0g、87.0ミリモル)のDMSO(14.5mL)中混合物を110℃で一夜激しく攪拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。シリカクロマトグラフィーに付して精製し、1N(14.3g、38.6ミリモル、収率77%)を油状物として得た。LC−MS分析:C
18H
31ClN
2O
2Siについての計算値:370.18、測定値[M+H]:371.2;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.94(s,1H)、6.27(s,1H)、3.90−3.85(m,4H)、3.25(dtd,J=11.7、3.9、1.8Hz,1H)、3.14−3.02(m,2H)、2.84(t,J=11.0Hz,1H)、2.00−1.88(m,1H)、1.88−1.81(m,1H)、1.80−1.71(m,1H)、0.94−0.89(m,12H)、0.06(s,6H)
【0205】
1O. (3,4−シス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−オール:1O(10.0g、27.0ミリモル))のTHF(27mL)中溶液に、TBAFのTHF中1M溶液(81mL、81ミリモル)を添加した。反応混合物を23℃で16時間攪拌した。飽和水性NaHCO
3(100mL)を該反応混合物にゆっくりと添加した。該混合物をEtOAc(2x100mL)で抽出し、有機抽出液を合わせ、水(50mL)および塩水(50mL)で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)させ、濾過して濃縮した。シリカクロマトグラフィーに付して精製し、1O(7.00g、27.0ミリモル、収率99%)を白色の泡沫体として得た。LC−MS分析:C
12H
17ClN
2O
2についての計算値:256.10、測定値[M+H]:257.0;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.96(s,1H)、6.27(s,1H)、3.98−3.91(m,1H)、3.88(s,3H)、3.26−3.18(m,1H)、3.16−3.06(m,2H)、2.90(dd,J=11.7、9.9Hz,1H)、2.11−2.00(m,1H)、2.00−1.84(m,2H)、1.40(d,J=3.7Hz,1H)、1.03(d,J=6.8Hz,3H)
【0206】
1P. (3,4−シス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−オール(異性体1および異性体2):1O(8.8g、34.2ミリモル)をキラルSFCに付して分離し、1Pを単一異性体として得た。1P(異性体1、3.00g、11.7ミリモル、収率34%)を無色の油状物として単離した。LC−MS分析:C
12H
17ClN
2O
2についての計算値:256.10、測定値[M+H]:257.0;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.96(s,1H)、6.27(s,1H)、3.97−3.91(m,1H)、3.88(s,3H)、3.27−3.17(m,1H)、3.16−3.04(m,2H)、2.90(dd,J=11.7、9.9Hz,1H)、2.05(dd,J=6.9、2.9Hz,1H)、2.00−1.83(m,2H)、1.42(d,J=3.8Hz,1H)、1.03(d,J=7.0Hz,3H);1P(異性体2、3.00g、11.7ミリモル、収率34%)を無色の油状物として単離した。LC−MS分析:C
12H
17ClN
2O
2についての計算値:256.10、測定値[M+H]:257.0;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.96(s,1H)、6.27(s,1H)、3.97−3.91(m,1H)、3.88(s,3H)、3.27−3.17(m,1H)、3.16−3.04(m,2H)、2.90(dd,J=11.7、9.9Hz,1H)、2.05(dd,J=6.9、2.9Hz,1H)、2.00−1.83(m,2H)、1.42(d,J=3.8Hz,1H)、1.03(d,J=7.0Hz,3H)
【0207】
1Q. 5−クロロ−4−((3,4−トランス)−4−(4−ヨードフェノキシ)−3−メチルピペリジン−1−イル)−2−メトキシピリジン:1P(異性体1、0.519g、2.02ミリモル)、4−ヨードフェノール(0.579g、2.63ミリモル)、およびBu
3P(0.80mL、3.2ミリモル)のトルエン(25mL)中溶液に、ADDP(0.817g、3.24ミリモル)を添加した。その反応混合物を超音波処理に99分間付した。反応混合物をヘキサンに注ぎ、濾過して濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、1Q(0.482g、1.05ミリモル、収率52%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
18H
20ClIN
2O
2についての計算値:458.72、測定値[M+H]:459.0;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.98(s,1H)、7.61−7.50(m,2H)、6.75−6.66(m,2H)、6.27(s,1H)、3.99−3.90(m,1H)、3.89(s,3H)、3.56−3.46(m,2H)、2.93−2.82(m,1H)、2.65(dd,J=12.3、9.0Hz,1H)、2.23−2.08(m,2H)、1.82(dtd,J=13.1、9.7、3.9Hz,1H)、1.10(d,J=6.6Hz,3H)
【0208】
1R. ((2R,3S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)メタノール:1Q(0.191g、0.416ミリモル)、1H(0.0770g、0.379ミリモル)、CuI(0.014g、0.076ミリモル)、およびNaOH(0.045g、1.1ミリモル)をマイクロ波管中で合わせ、それをアルゴンでパージした。n−BuOH(1.9mL)を添加し、反応混合物を90℃で一夜加熱した。反応混合物を室温に冷却し、飽和水性NH
4Clでクエンチさせた。生成物をCH
2Cl
2(3x)で抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、1R(0.144g、0.269ミリモル、収率71%)を琥珀色の油状物として得た。LC−MS分析:C
28H
40ClN
3O
5についての計算値:534.09、測定値[M+H]:534.2;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.96(s,1H)、6.86(d,J=9.0Hz,2H)、6.59(d,J=9.0Hz,2H)、6.26(s,1H)、3.95−3.89(m,1H)、3.88(s,3H)、3.77(td,J=8.6、4.1Hz,1H)、3.74−3.67(m,2H)、3.65−3.54(m,3H)、3.54−3.49(m,3H)、3.48−3.40(m,3H)、3.33(s,3H)、2.86−2.77(m,2H)、2.62(dd,J=12.1、9.2Hz,1H)、2.46(q,J=7.3Hz,1H)、2.20−2.07(m,2H)、1.89−1.75(m,3H)、1.14(d,J=6.6Hz,3H)、1.05(d,J=7.3Hz,3H)
【0209】
1S. 2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)アセトニトリル:1R(0.144g、0.269ミリモル)をCH
2Cl
2(2.7mL)に溶かし、その溶液を0℃に冷却した。MsCl(0.031mL、0.40ミリモル)およびNEt
3(0.075mL、0.54ミリモル)を連続して添加し、反応混合物を0℃で40分間攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、1N水性HCl、飽和水性NaHCO
3、および塩水で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物を再びDMSO(2.7mL)に溶かし、NaCN(0.053g、1.1ミリモル)を添加した。反応混合物を50℃で一夜攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水でクエンチさせた。その生成物をEtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、1S(0.1294g、0.238ミリモル、収率88%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
29H
39ClN
4O
4についての計算値:543.10、測定値[M+H]:543.2;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.97(s,1H)、6.90(d,J=9.0Hz,2H)、6.49(d,J=9.0Hz,2H)、6.26(s,1H)、3.89(s,3H)、3.83−3.72(m,2H)、3.69(dd,J=9.1、3.4Hz,1H)、3.63−3.46(m,6H)、3.44(t,J=6.2Hz,2H)、3.35−3.32(m,3H)、2.90−2.71(m,3H)、2.68−2.49(m,2H)、2.22−2.08(m,2H)、1.89−1.74(m,3H)、1.14(d,J=6.6Hz,3H)、1.05(d,J=7.3Hz,3H)
【0210】
1T. 2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)アセタート:約3MのHCl/MeOH/CH
2Cl
2の溶液[25.2mL、AcCl(5.2mL)を3/2のCHCl
2/MeOH溶液(20mL)に0℃で添加し、ついで室温で20分間攪拌することにより調製される]を1S(0.129g、0.238ミリモル)に添加した。得られた溶液を室温で72時間放置した。反応混合物を濃縮し、MeOHと一緒にロータリーエバポレータ(2x)に供した。次に約3MのHCl/MeOHの溶液[25.2mL、AcCl(5.2mL)を3/2のCHCl
2/MeOHの溶液(20mL)に0℃で添加し、次に室温で20分間攪拌することにより調製される]を残渣に添加し、それを攪拌することなく40℃で一夜加熱した。反応混合物を濃縮し、飽和水性Na
2CO
3で中和した。生成物をCH
2Cl
2で抽出した(3x)。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに、つづいてRP−Prep HPLCに付して精製し、飽和水性NaHCO
3で中和し、1T(0.0809g、0.140ミリモル、収率59%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
30H
42ClN
3O
6についての計算値:576.12、測定値[M+]576.3;
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ 7.97(s,1H)、6.88(d,J=9.1Hz,2H)、6.51(d,J=9.1Hz,2H)、6.26(s,1H)、3.88(s,3H)、3.80−3.74(m,2H)、3.72(br.s,1H)、3.71(s,3H)、3.60−3.48(m,4H)、3.47−3.42(m,4H)、3.34−3.31(m,3H)、2.85−2.77(m,2H)、2.75−2.67(m,1H)、2.62(dd,J=12.4、9.4Hz,1H)、2.36(q,J=7.4Hz,1H)、2.19−2.08(m,2H)、1.87−1.76(m,3H)、1.14(d,J=6.6Hz,3H)、1.01(d,J=7.4Hz,3H)
【0211】
実施例1:1T(0.0809g、0.140ミリモル)のTHF(3.9mL)、i−PrOH(0.39mL)および水(0.39mL)中溶液に、1M水性LiOH(0.70mL、0.70ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で一夜攪拌した。反応混合物の大部分を濃縮し、次に水/ヘキサンで希釈した。層を分離し、水層を1M水性HClを用いてpH2の酸性にした。生成物をCH
2Cl
2で抽出した(3x)。有機層を合わせ、乾燥(MgSO
4)させて濃縮し、実施例1(0.0773g、0.136ミリモル、収率97%)を単一の異性体の白色の泡沫体として得た。LC−MS分析:C
29H
40ClN
3O
6についての計算値:562.10、測定値[M+]562.2;
1H NMR(500MHz、CD
2Cl
2) δ 7.95(s,1H)、6.89(d,J=9.1Hz,2H)、6.63(d,J=8.8Hz,2H)、6.29(s,1H)、3.86(s,3H)、3.81(td,J=8.7、4.0Hz,1H)、3.75−3.70(m,1H)、3.65(br.s,1H)、3.60−3.54(m,1H)、3.54−3.40(m,7H)、3.30(s,3H)、2.87−2.80(m,1H)、2.80−2.68(m,2H)、2.63(dd,J=12.1、9.4Hz,1H)、2.39−2.32(m,J=7.2Hz,1H)、2.20−2.13(m,1H)、2.13−2.05(m,1H)、1.86−1.79(m,2H)、1.79−1.72(m,1H)、1.12(d,J=6.6Hz,3H)、1.04(d,J=7.2Hz,3H);HPLC分析:RT=10.0分、HI:98.9%;hGPR40 EC
50=56nM;hGPR40 IP1 EC
50=5nM
【0212】
1U. (3R,4R)−1−ベンジル−3−メチルピペリジン−4−オール:20Lの反応装置を2.0LのMeOHおよび2.0LのミリQ(MILLI-Q)(登録商標)水で連続して濯いだ。その反応装置に、1.0kgの1−ベンジル−3−メチルピペリジン−4−オンおよび7.8Lの水を窒素雰囲気下の25℃で入れた。容器に1.2kgのD−(+)−グルコース、1.0Lのリン酸緩衝液(pH7.0)、および0.5Lのトリス−クロリド緩衝液(pH7.4)を入れた。混合物を10分間攪拌した。その溶液に、6.64gのニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド、および20gのグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH−105、Codexis)を添加した。反応温度を徐々に30℃にまで上げ、該溶液を36時間かき混ぜた。反応混合物を10℃に冷却し、そのpHをNaOHで11に調整した。得られた溶液を1時間攪拌し、次に10μmのフィルタークロスを通して濾過した。固体を水で洗浄し、3時間真空乾燥させた。残渣を20LのMTBEに溶かし、不溶物質を濾過で取り除いた。有機層を濃縮して3.0kg重とし、5.0Lのヘプタンを添加した。該溶液を45℃で濃縮して5kg重とし、つづいて結晶化する間で1時間攪拌した。混合物を濾過し、固体を乾燥させて0.785kg(収率78%)の1Uを淡黄色の固体として得た。LC−MS分析:C
13H
19NOについての計算値:205.30、測定値[M+H]:206.1;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.33−7.24(m,5H)、3.48(s,2H)、3.14−3.13(m,1H)、2.88−2.77(m,2H)、2.05(dd,J=2.8、12Hz,1H)、1.99−1.87(m,1H)、1.73−1.58(m,4H)、0.95(d,J=6.4、3H)
【0213】
1V. (3R,4R)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−オール・MSA塩:MeOH(23.9kg)を250Lの水添装置に入れた。1U(2.92kg)をMeOH(14.6kg)に溶かし、上記の水添装置に入れた。窒素ガス圧力(0.5kg/cm
2)を適用した。反応混合物を5分間攪拌し、つづいて窒素ガス圧力を開放した。この操作を繰り返した(3x)。10%Pd(OH)
2(290g)/MeOH(10.8L)のスラリーを室温で上記の水添装置に入れた。窒素ガス圧力(0.5kg/cm
2)を加えた。反応混合物を5分間攪拌し、つづいて窒素ガス圧力を開放した。この操作を繰り返した(3x)。酢酸(0.15L)およびMeOH(4.0L)を上記の水添装置に入れた。窒素ガス圧力(0.5kg/cm
2)を適用した。反応混合物を5分間攪拌し、つづいて窒素ガス圧力を開放した。この操作を繰り返した(3x)。該水添装置を4.7kg/cm
2の水素ガス圧力で加圧した。反応混合物を4.0−5.0kg/cm
2の水素ガス圧力下にて室温(20−35℃)で16時間攪拌した。水素ガス圧力を開放した。窒素ガス圧力(0.5kg/cm2)をその水素化物に適用した。反応混合物を5分間攪拌し、つづいて窒素ガス圧力を開放した。この操作を繰り返した(4x)。反応混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、MeOH(69.29kg)で洗浄した。濾液を合わせ、カートリッジフィルターを通してハラー・ラインド・リアクター(hallar lined reactor)に入れ、温度を60℃未満に維持しながら、真空下で9Lに濃縮した。トルエン(25.31kg)を入れ、その粗生成物を温度を60℃未満に維持しながら濃縮した。この操作を繰り返した(2x)。ジメチルスルホキシド(25.5kg)を温度を70℃未満に維持しながら上記のリアクターに入れ、その反応混合物を温度を70℃未満に維持しながら真空下で26.5Lに濃縮した。反応混合物を室温に冷却した。1J(3.8kg、1.2当量)およびK
2CO
3(7.0kg、3.5当量)を外界温度(20−35℃)で上記の反応混合物に入れた。反応混合物を115−120℃で20時間加熱した。反応混合物を外界温度(30℃未満)に冷却した。水(53.0kg)を温度を30℃未満に維持しながら反応混合物に加え、該反応混合物を30分間攪拌した。EtOAc(21.0kg)を入れ、反応混合物を15分間攪拌した。層を分離した。EtOAc(21.0kg)を水層に加え、混合物を15分間攪拌した。層を分離した。有機層を集め、それに1.5N水性HCl(18kg)を添加し、混合物を10分間攪拌した。層を分離した。その有機層に1.5N水性HCl(12.55kg)を添加し、該溶液を10分間攪拌した。層を分離した。酸性の水層を合わせ、10%水性NaHCO
3(16.5kg)を入れることでpH0.8からpH8.1の塩基性にした。その水溶液にEtOAc(26.2kg)を添加し、該溶液を10分間攪拌した。層を分離した。この操作を繰り返した(2x)。有機層を合わせ、それに34重量%の水性NaCl(15kg)を添加し、混合物を10分間攪拌した。層を分離し、有機層をNa
2SO
4(292g)上で乾燥させ、ヌッチェフィルター(nutsche filter)を通して濾過し、濾液をハラー・ラインド・リアクターに入れた。混合物を温度を60℃未満に維持しながら真空下で15Lに濃縮し、暗褐色の粘性液体を得た。EtOAc(26.2kg)を温度を60℃未満に維持しながら上記のリアクターに入れた。EtOAc交換をK−F滴定により水含量が<1.0%に達するまで続けた。反応混合物を45−50℃に続けた。MSA(1.5kg、1.1当量)/EtOAc(14.0kg)を反応混合物に45−50℃で1時間にわたって添加した。該反応混合物を45−50℃で20分間攪拌した。反応混合物を外界温度(20−35℃)に冷却し、30分間攪拌した。反応混合物を加圧式ヌッチェフィルターを通して濾過し、その固体をEtOAc(6.0L)で洗浄し、20分間真空乾燥させた。ついで該生成物を50−55℃で真空下で15時間乾燥させて1V(2.89kg、収率56%)を淡褐色の固体として得た。
1H NMR(400MHz、DMSO) δ 8.08(s,1H)、6.42(s,1H)、3.87(s,3H)、3.64−3.43(m,2H)、3.22−3.09(m,1H)、2.92−2.78(m,1H)、2.59−2.51(m,1H)、2.44(s,3H)、1.95−1.83(m,1H)、1.66−1.42(m,2H)、0.94(d,J=7.0Hz,3H)
【0214】
1W. 5−クロロ−2−メトキシ−4−((3R,4R)−3−メチル−4−(4−ニトロフェノキシキシ)ピペリジン−1−イル)ピリジン:1V(100g、283ミリモル)の水(500mL)およびEtOAc(500mL)中攪拌溶液を10%水性NaHCO
3で塩基性にし、そのpHを約7.5に調整した。反応混合物を室温で15分間攪拌した。層を分離し、水層をEtOAc(200mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(250mL)および塩水(200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させて濃縮し、粗(3R,4R)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−オール(74g)を得、それをさらに精製することなく用いた。(3R,4R)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−オール(74g)の窒素雰囲気下にあるTHF(1.25L)中攪拌溶液に、KOtBuのTHF中1M溶液(595mL、595ミリモル)を27℃で15分間にわたって滴下して加えた。1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(44.0g、312ミリモル)のTHF(250mL)中溶液を該反応混合物に15分間にわたって滴下して加えた。反応混合物を27℃で1時間攪拌した。反応物を水(3.0L)でクエンチさせ、生成物をEtOAc(2x2.0L)で抽出した。有機層を合わせ、塩水(500mL)で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、1W(80.0g、210ミリモル、収率74%)を黄色の固体として得た。LC−MS分析:C
18H
20ClN
3O
4についての計算値:377.11、測定値[M+H]:378.0;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 8.28−8.17(m,2H)、8.02(s,1H)、7.09−6.88(m,2H)、6.31(s,1H)、4.17(td,J=8.5、4.1Hz,1H)、3.92(s,3H)、3.56(dq,J=12.3、1.9Hz,2H)、2.96(ddd,J=12.5、10.1、2.9Hz,1H)、2.72(dd,J=12.4、9.1Hz,1H)、2.35−2.18(m,2H)、1.96−1.83(m,1H)、1.15(d,J=6.6Hz,3H)
【0215】
1X. 4−((3R,4R)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イルオキシ)アニリン:1W(6.23g、16.5ミリモル)のMeOH(100mL)中懸濁液に、NH
4Cl(8.82g、165ミリモル)および水(25mL)を、つづいて鉄粉末(4.6g、82ミリモル)を添加した。その懸濁液を窒素流で2分間パージし、次に95℃で2時間激しく攪拌した。室温に冷却した後、該反応混合物は濃厚な黒色のスラリーとなり、それをセライト(登録商標)パッドを通して濾過した。該パッドをMeOHおよびEtOAcで洗浄し、濾液を合わせて濃縮し、大半のMeOHを除去した。残りの水相をEtOAc(x3)で抽出した。有機抽出液を合わせ、水および塩水で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)かつ濃縮させた。得られた残渣を高真空下で2時間乾燥させ、1X(5.73g、16.3ミリモル、収率99%)を明褐色の泡沫体として得た。LC−MS分析:C
18H
22ClN
3O
2についての計算値:347.14、測定値[M+H]:348.1;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.99(s,1H)、6.90−6.76(m,2H)、6.71−6.59(m,2H)、6.29(s,1H)、4.15(d,J=7.0Hz,1H)、3.91(s,3H)、3.81(td,J=8.6、4.1Hz,1H)、3.60−3.47(m,3H)、2.91−2.77(m,1H)、2.67−2.59(m,1H)、2.22−2.11(m,2H)、1.82(dd,J=13.1、2.8Hz,1H)、1.16(d,J=6.8Hz,3H)
【0216】
1Z. (R)−4−ベンジル−3−((2R,3R)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメトキシ−2−メチルブタノイル)オキサゾリジン−2−オン:1Lのフラスコに、2,2−ジメトキシアセトアルデヒド(250g、1441ミリモル)の60%水溶液およびベンゼン(300mL)を添加した。混合物をディーン−スターク・トラップで還流させて水を取り除いた。130mLの水を3時間にわたって除去した。窒素下で冷却した後、そのベンゼン溶液を4Åモレキュラーシーブと共にきれいな1Lフラスコに移し、無水CH
2Cl
2(300mL)で希釈し、2,2−ジメトキシアセトアルデヒドの14.6重量%溶液を得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 9.49(d,J=1.3Hz,1H)、4.50(d,J=1.5Hz,1H)、3.48(s,6H)。(R)−4−ベンジル−3−プロピオニルオキサゾリジン−2−オン(10.0g、42.9ミリモル)を乾燥した500mLの3つ口フラスコ中の無水CH
2Cl
2(50.0mL)に溶かした。該溶液を−20℃未満に冷却した。TiCl
4のCH
2Cl
2中1M溶液(45.0mL、45.0ミリモル)をゆっくりと添加した。添加した後、反応混合物を加温して0℃にした。内部温度が0℃に達したら、反応混合物を再び−20℃に冷却した。TMEDA(9.70mL、64.3ミリモル)をゆっくりと添加した。DIPEA(7.49mL、42.9ミリモル)をゆっくりと添加した。反応混合物を加温して5−10分間0℃にした。その暗赤色溶液を再び−40℃に冷却した。2,2−ジメトキシアセトアルデヒド(45.6mL、72.9ミリモル)の冷却した14.6重量%溶液を滴下漏斗を通して一定の流れで添加した。添加後、内部温度を0℃にまで上げ、次に慎重に15℃にまで上げた。反応混合物を再び−20℃に冷却し、飽和水性NH
4Cl(150mL)でクエンチさせ、次に室温で30分間攪拌した。透明なCH
2Cl
2相の大半を除去した。黄色で粘性の沈殿物の残りの溶液をセライト(登録商標)パッドを通して濾過した。濾液をCH
2Cl
2で抽出した。CH
2Cl
2相を合わせ、飽和水性NH
4Cl(2x50mL)および塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。ヘキサン(400mL)を加え、反応混合物を30分間攪拌させた。生成物が析出した。固体を濾過し、次に少量のCH
2Cl
2(約30mL)に溶かした。ヘキサン(400mL)を攪拌しながら添加し、生成物を再結晶化させた。固体を濾過して1Z(10.5g、31.1ミリモル、収率73%)を白色の固体として得た。LC−MS分析:C
17H
23NO
6についての計算値:337.37、測定値[M−MeOH+H]306.1;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.36−7.30(m,2H)、7.30−7.27(m,1H)、7.23−7.18(m,2H)、4.74−4.63(m,1H)、4.33(d,J=6.0Hz,1H)、4.23−4.14(m,2H)、4.07−3.95(m,2H)、3.42(s,3H)、3.38(s,3H)、3.27(dd,J=13.4、3.1Hz,1H)、2.78(dd,J=13.3、9.5Hz,1H)、2.55(d,J=3.5Hz,1H)、1.32(d,J=6.8Hz,3H)
【0217】
1AA. (2R,3R)−3−ヒドロキシ−N,4,4−トリメトキシ−N,2−ジメチルブタンアミド:N,O−ジメチルヒドロキシルアミン・塩酸塩(147g、1510ミリモル)の−40℃でのTHF(750mL)中懸濁液に、トリメチルアルミニウムのトルエン中2M溶液(756mL、1510ミリモル)を添加した。添加後、該反応混合物を−78℃に冷却し、1Z(170g、504ミリモル)のTHF(750mL)中溶液を添加した。反応混合物を加温して0℃にし、1時間攪拌した。ドライアイスで冷却したロッシェル塩の飽和水溶液を入れた5Lのビーカーに、反応混合物を少しずつ添加した。15分間攪拌した後、飽和水性NH
4Clを添加した。混合物をCH
2Cl
2で希釈し、層を分離した。水層をCH
2Cl
2で抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥かつ濃縮させた。粗生成物をキラルSFC(カラム:ラクスセルロース(Luxcellulose)−2(250x30mm、5μM);70%CO
2、移動相:0.25%DEA/MeOH;全流量:100g/分;背圧:100バール;25℃;試料調製物:173mg/mL)に付して精製した。生成物を集め、濃縮して1AA(85g、38ミリモル、収率75%)を得た。LC−MS分析:C
9H
19NO
5についての計算値:221.25、測定値[M−MeOH+H]190.1;
1H NMR(300MHz、CDCl
3) δ 4.31(d,J=6.0Hz,1H)、3.94−3.85(m,1H)、3.70(s,3H)、3.43(s,3H)、3.40(s,3H)、3.23(d,J=2.6Hz,1H)、3.18(s,3H)、3.15−3.04(m,1H)、1.22(d,J=6.8Hz,3H)
【0218】
1BB. (2R,3R)−N,4,4−トリメトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)−N,2−ジメチルブタンアミド:5Lの丸底フラスコに、1AA(104g、470ミリモル)、THF(800mL)、3−メトキシプロピル メタンスルホナート(158g、940ミリモル)、THF(200mL)、およびTBAFのTHF中1M溶液(705mL、705ミリモル)を添加した。該溶液を0℃に冷却し、次に60%NaH(75.0g、1800ミリモル)を少しずつ添加した。添加終了後、該反応混合物を温度を20℃未満に保持しながら1時間攪拌した。その混合物を氷/水を含有する5Lのビーカーに注いだ。pHが約8になるまで、NH
4Cl飽和水溶液を添加した。生成物をEtOAcおよびCH
2Cl
2(3x250mL)で抽出した。有機層を合わせ、Na
2SO
4上で乾燥かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、1BB(125g、426ミリモル、収率91%)を赤色の油状物として得た。LC−MS分析:C
13H
27NO
6についての計算値:293.36、測定値[M−MeOH+H]262.1;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 4.24(d,J=4.8Hz,1H)、3.82(dt,J=9.1、6.2Hz,1H)、3.68(s,3H)、3.66−3.56(m,2H)、3.47(t,J=6.4Hz,2H)、3.40(s,3H)、3.38(s,3H)、3.32(s,3H)、3.17(s,3H)、3.15−3.07(m,1H)、1.92−1.75(m,2H)、1.20(d,J=7.0Hz,3H)
【0219】
1CC. (2R,3R)−4,4−ジメトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)−2−メチルブタナール:1BB(240g、818ミリモル)のTHF(2500mL)中溶液に、DIBAL−HのTHF中1M溶液(1227mL、1227ミリモル)を−78℃で10分間にわたって添加した。反応混合物を2時間攪拌した。ロッシェル塩の0℃での飽和水溶液を該反応混合物に添加した。反応混合物をEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させて濃縮し、1CC(170g、726ミリモル、収率89%)を得、それをさらに精製することなく使用した。
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 9.78−9.51(m,1H)、4.29(d,J=5.9Hz,1H)、3.81−3.75(m,1H)、3.72(dd,J=6.1、4.7Hz,1H)、3.55−3.48(m,2H)、3.46(s,3H)、3.40(s,3H)、3.41(t,J=6.3Hz,1H)、3.31(s,3H)、2.67−2.57(m,1H)、1.84−1.74(m,2H)、1.14(d,J=7.0Hz,3H)
【0220】
1DD. (3S,4R)−1,1−ジブロモ−5,5−ジメトキシ−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルペンタ−1−エン:CBr
4(299g、901ミリモル)の0℃でのCH
2Cl
2(2000mL)中溶液に、Ph
3P(472g、1800ミリモル)を小分けして添加した。該溶液を0℃で10分間攪拌し、次に1CC(176g、751ミリモル)のCH
2Cl
2(1000mL)中溶液を滴下して加えた。反応混合物を0℃で1時間激しく攪拌した。過剰量のジブロモホスホランは、Et
3N(253mL、1800ミリモル)を、つづいてMeOH(76mL、1900ミリモル)を連続して添加することでクエンチし、その溶液を室温で攪拌した。次に該溶液をヘキサン:Et
2O(5:1)(1800mL)溶液に加え、トリフェニルホスフィンオキシドの沈殿物を得た。明褐色固体を濾過により取り出し、ヘキサン(750mL)で洗浄した。濾液を蒸発させ、シリカクロマトグラフィーに付して精製し、1DD(212g、543ミリモル、収率72%)を赤色の油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 6.39(d,J=9.7Hz,1H)、4.22(d,J=6.4Hz,1H)、3.82(dt,J=9.2、5.9Hz,1H)、3.45(s,3H)、3.55−3.43(m,3H)、3.39(s,3H)、3.34(s,3H)、3.22(dd,J=6.4、4.2Hz,1H)、2.75(dqd,J=9.6、6.8、4.2Hz,1H)、1.89−1.75(m,2H)、1.03(d,J=6.8Hz,3H);
13C NMR(126MHz、CDCl
3) δ 141.5、105.6、87.7、81.0、69.5、69.5、58.6、55.7、54.1、39.8、30.4、13.2
【0221】
1EE. (4S,5R)−エチル 6,6−ジメトキシ−5−(3−メトキシプロポキシ)−4−メチルヘキサ−2−イノアート:1DD(212g、543ミリモル)の−78℃でのTHF(2000mL)中溶液に、n−BuLiのヘキサン中2.5M溶液(456mL、1141ミリモル)を添加した。反応混合物を−78℃で30分間攪拌し、次にクロロギ酸エチル(110mL、1140ミリモル)を添加した。反応混合物を加温して室温にし、1時間攪拌した。反応混合物を飽和水性NH
4Clでクエンチさせ、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、1EE(142g、446ミリモル、収率82%)を無色の油状物として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 4.31(d,J=5.5Hz,1H)、4.20(q,J=7.3Hz,2H)、3.86−3.76(m,1H)、3.69(dt,J=9.4、6.3Hz,1H)、3.46(s,3H)、3.49−3.43(m,2H)、3.39(s,3H)、3.41−3.37(m,1H)、3.31(s,3H)、2.88(qd,J=7.0、4.6Hz,1H)、1.89−1.79(m,2H)、1.29(t,J=7.1Hz,3H)、1.23(d,J=7.0Hz,3H);
13C NMR(126MHz、CDCl
3) δ 153.7、105.2、91.0、81.2、73.8、69.8、69.6、61.7、58.5、55.9、55.0、30.3、27.7、14.6、14.0
【0222】
1FF. (4S,5R,Z)−エチル 6,6−ジメトキシ−5−(3−メトキシプロポキシ)−4−メチルヘキサ−2−エノアート:1EE(53.0g、175ミリモル)のTHF(500mL)およびピリジン(42.5mL、526ミリモル)中溶液に、リンドラー触媒(44.8g、21.0ミリモル)を添加した。反応混合物を脱気処理に付し、室温のH
2(1気圧)下で8時間攪拌した。反応混合物をセライト(登録商標)を通して濾過して濃縮した。その粗材料をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、1FF(45.5g、148ミリモル、収率84%)を無色の油状物として得た。
1H NMR(300MHz、CDCl
3) δ 6.18(dd,J=11.7、10.2Hz,1H)、5.71(dd,J=11.7、1.1Hz,1H)、4.24(d,J=6.8Hz,1H)、4.15(q,J=7.1Hz,2H)、3.84−3.69(m,2H)、3.52−3.44(m,3H)、3.43(s,3H)、3.37(s,3H)、3.32(s,3H)、3.22(dd,J=6.8、4.2Hz,1H)、1.86−1.75(m,2H)、1.27(t,J=7.2Hz,3H)、1.03(d,J=6.8Hz,3H);
13C NMR(101MHz、クロロホルム−d) δ 166.2、152.6、118.3、105.9、82.1、77.2、69.7、69.5、59.8、58.5、55.5、53.9、34.3、30.5、14.2
【0223】
1GG. (4S,5R,Z)−エチル 5−(3−メトキシプロポキシ)−4−メチル−6−オキソヘキサ−2−エノアート:1FF(9.91g、32.6ミリモル)のTHF(65mL)中溶液に、1N水性HCl(67.8mL、67.8ミリモル)を添加した。反応混合物を50℃で一夜加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈した。層を分離した。水層をEtOAcで抽出した。有機抽出液を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)させて濃縮し、1GG(8.41g、32.6ミリモル、収率100%)を無色の油状物として得、それをさらに精製することなく使用した。LC−MS分析:C
13H
22O
5についての計算値:258.31、測定値[M+H]:259.0;
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ 9.64(d,J=1.9Hz,1H)、6.12(dd,J=11.4、10.0Hz,1H)、5.80(dd,J=11.4、1.0Hz,1H)、4.17(q,J=7.0Hz,2H)、4.05−3.92(m,1H)、3.69(dt,J=9.3、6.1Hz,1H)、3.58(dd,J=5.6、2.1Hz,1H)、3.54−3.44(m,3H)、3.33(s,3H)、1.92−1.82(m,2H)、1.29(t,J=7.2Hz,3H)、1.08(d,J=6.9Hz,3H);
13C NMR(101MHz、CDCl
3) δ 202.9、165.9、149.6、120.3、87.4、69.3、68.3、60.1、58.6、34.0、30.1、15.1、14.2
【0224】
1HH. エチル 2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3R,4R)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)アセタート:NaBH(OAc)
3(11.0g、51.9ミリモル)および1X(12.0g、34.6ミリモル)のCH
2Cl
2(176mL)中溶液に、室温で激しく攪拌しながら、1GG(9.11g、35.3ミリモル)のCH
2Cl
2(88mL)中溶液を50分間にわたって滴下して加えた。反応混合物を室温で20分間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、1.5M水性K
2HPO
4(150mL)を滴下漏斗を通して滴下して加えた。反応混合物を室温で15分間攪拌し、CH
2Cl
2(3x)で抽出した。CH
2Cl
2抽出液を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)させて濃縮し、その結果として粗生成物の(4S,5R,Z)−エチル 6−((4−(((3R,4R)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)アミノ)−5−(3−メトキシプロポキシ)−4−メチルヘキサ−2−エノアートを暗褐色の油状物として得、それを次の工程にそのまま用いた。(4S,5R,Z)−エチル 6−((4−(((3R,4R)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)アミノ)−5−(3−メトキシプロポキシ)−4−メチルヘキサ−2−エノアートの室温でのTHF(346mL)中溶液に、NaOtBu(3.66g、38.0ミリモル)を数回に分けて添加した。添加終了後、該反応混合物を室温で5分間攪拌した。反応混合物を飽和水性NH
4Clでクエンチした。生成物をEtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、エチル 2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3R,4R)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)アセタート(14.9g、25.2ミリモル、収率73%)を黄色の油状物として得た。137g(232ミリモル)の該物質をキラルSFC(ラックス・セルロース(Lux Cellulose)−4カラム(3x25cm、5μm);100バール;50℃;160mL/分;移動相:CO
2/MeOH(67/33);検出器波長:220nm;分離プログラム:シーケンスインジェクション;インジェクション:サイクル時間4.55分で3.0mL;サンプル調製物:137g/900mL 3:1 MeOH:CH
2Cl
2(15.2mg/mL))に付してさらに精製し、エチル 2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3R,4R)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)アセタート(120g、203ミリモル、収率88%)を明橙色の油状物として得た。該物質をシリカクロマトグラフィーに付して再び精製し、1HH(120g)を定量的な収量で明黄色の油状物として得た。LC−MS分析:C
31H
44ClN
3O
6についての計算値:589.29、測定値[M+H]:590.1;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.96(s,1H)、6.88(d,J=9.0Hz,2H)、6.51(d,J=9.0Hz,2H)、6.26(s,1H)、4.17(q,J=7.2Hz,2H)、3.88(s,3H)、3.80−3.73(m,2H)、3.72−3.68(m,1H)、3.61−3.55(m,1H)、3.55−3.48(m,3H)、3.48−3.39(m,4H)、3.36−3.28(m,3H)、2.86−2.73(m,2H)、2.73−2.55(m,2H)、2.36(q,J=7.1Hz,1H)、2.21−2.05(m,2H)、1.88−1.73(m,3H)、1.28(t,J=7.0Hz,3H)、1.14(d,J=6.6Hz,3H)、1.00(d,J=7.3Hz,3H);
13C NMR(101MHz、CDCl
3) δ 172.6、164.1、157.6、148.8、146.6、141.8、118.8、118.2、112.5、100.4、84.7、80.9、69.6、65.9、62.3、60.3、58.6、55.0、53.6、52.9、48.3、43.3、37.2、36.1、30.1、29.8、18.6、15.7、14.3
【0225】
実施例1:1HH(21.5g、36.4ミリモル)の、0℃での脱気処理に供したTHF(260mL)、IPA(52mL)、および水(52mL)中の攪拌溶液に、1M水性LiOH(109mL、109ミリモル)を滴下して加えた。反応混合物をゆっくりと加温して室温にし、16時間攪拌した。反応混合物を水(500mL)とヘキサン(600mL)の間に分配し、層を分離した。水層を0℃に冷却し、次に1M水性HClをpHが約4−5になるまで攪拌しながら滴下して加えることで酸性にした。生成物をCH
2Cl
2(3x250mL)で抽出した。有機抽出液を合わせ、乾燥(MgSO
4)させ、ロータリーエバポレーターを用いて室温で濃縮し、ついで高真空下で光から保護しながら16時間乾燥させ、実施例1(20.5g、36.5ミリモル、収率100%)を灰白色の泡沫体として得た。LC−MS分析:C
29H
40ClN
3O
6についての計算値:561.26、測定値[M+H]:562.2;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.97(s,1H)、6.90(d,J=9.0Hz,2H)、6.58(d,J=9.0Hz,2H)、6.26(s,1H)、3.88(s,3H)、3.79(td,J=8.7、4.0Hz,1H)、3.76−3.69(m,2H)、3.63−3.41(m,8H)、3.34(s,3H)、2.89−2.70(m,3H)、2.62(dd,J=12.1、9.2Hz,1H)、2.40(q,J=7.1Hz,1H)、2.22−2.06(m,2H)、1.89−1.75(m,3H)、1.14(d,J=6.8Hz,3H)、1.04(d,J=7.3Hz,3H);
13C NMR(126MHz、DMSO−d
6) δ 173.2、163.7、157.2、148.4、146.3、141.6、118.3、117.2、112.3、100.3、83.8、79.7、68.9、65.3、62.2、57.8、54.2、53.3、52.6、47.8、42.8、37.0、36.0、29.7、29.6、18.4、15.3
【0226】
実施例1のMSA塩:実施例1(28.8g、51.2ミリモル)をCH
3CN(256mL)に溶かした。溶液を0℃に冷却し、MSA(4.92g、51.2ミリモル)を滴下して加えた。添加後、該溶液を濃縮した。得られた残渣をCH
2Cl
2(60mL)に溶かし、ヘキサン(約240mL)を滴下して加えた。ガム状の固体が形成され、溶液をデカントした。そのガム状の固体を濃縮し、高真空下で光から保護しながら乾燥させ、実施例1のMSA塩(33.0g、50.1ミリモル、収率98%)を明ベージュ色の固体として得た。LC−MS分析:C
29H
40ClN
3O
6についての計算値:561.26、測定値[M+H]:562.2;
1H NMR(500MHz、CH
3CN−d
3) δ 8.04(s,1H)、7.17(brd,J=8.0Hz,2H)、7.01(d,J=9.1Hz,2H)、6.40(s,1H)、4.13−4.06(m,1H)、3.94(s,3H)、3.92−3.87(m,1H)、3.82−3.75(m,1H)、3.75−3.66(m,3H)、3.66−3.60(m,1H)、3.53(td,J=6.4、1.2Hz,2H)、3.43(t,J=6.3Hz,2H)、3.27(s,3H)、3.10(ddd,J=13.0、10.5、2.9Hz,1H)、2.88(dd,J=12.9、9.6Hz,1H)、2.82−2.74(m,1H)、2.73−2.65(m,1H)、2.63(s,3H)、2.38−2.31(m,1H)、2.25−2.16(m,1H)、2.11−2.01(m,1H)、1.78(quin,J=6.3Hz,2H)、1.75−1.66(m,1H)、1.13(d,J=7.2Hz,3H)、1.08(d,J=6.9Hz,3H);
13C NMR(126MHz、120℃、DMSO−d
6) δ 172.1、163.4、156.8、148.9、145.6、140.8、135.6、117.9、116.5、113.0、99.4、83.4、79.5、68.6、65.3、62.4、57.2、53.7、53.0、52.9、47.2、43.0、36.4、35.5、29.3、29.2、17.5、14.6
【0227】
実施例2
2−((2S,3S,4R)−1−(6−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸・HCl
【化41】
【0228】
2A. 5−クロロ−4−((3,4−トランス)−4−((5−ヨードピリジン−2−イル)オキシ)−3−メチルピペリジン−1−イル)−2−メトキシピリジン:1P(異性体1、494mg、1.92ミリモル)および5−ヨードピリジン−2−オール(340mg、1.54ミリモル)のトルエン(8mL)中溶液に、Bu
3P(0.58mL、2.3ミリモル)を添加した。ADDP(582mg、2.31ミリモル)を3回に分けて11分間にわたって反応混合物に添加し、反応混合物は濃厚なスラリーとなった。反応混合物を1時間にわたって超音波処理に付し、60℃で2時間攪拌し、次に室温で16時間攪拌した。反応混合物をヘキサン(50mL)で処理した。5分間攪拌した後、その混合物を濾過して濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、2A(534mg、1.05ミリモル、収率68%)を白色の固体として得た。LC−MS分析:C
17H
19ClIN
3O
2についての計算値:459.71、測定値[M+H]:460.1、461.9;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 8.29(dd,J=2.4、0.7Hz,1H)、7.96(s,1H)、7.77(dd,J=8.8、2.4Hz,1H)、6.58(dd,J=8.7、0.6Hz,1H)、6.26(s,1H)、4.82(td,J=9.3、4.3Hz,1H)、3.88(s,3H)、3.60−3.46(m,2H)、2.99−2.84(m,1H)、2.61(dd,J=12.3、9.7Hz,1H)、2.33−2.22(m,1H)、2.20−2.07(m,1H)、1.84−1.73(m,1H)、1.02(d,J=6.6Hz,3H)
【0229】
2B. 2−((2S,3S,4R)−1−(6−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)アセトニトリル:2Bは、実施例1の操作に従って、2Aより調製された。LC−MS分析:C
28H
38ClN
5O
4についての計算値:544.09、測定値[M+]544.2;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.97(s,1H)、7.47(d,J=2.9Hz,1H)、6.94(dd,J=9.0、3.1Hz,1H)、6.70(d,J=8.8Hz,1H)、6.28(s,1H)、4.73(td,J=9.3、4.3Hz,1H)、3.89(s,3H)、3.77(d,J=2.0Hz,1H)、3.65(dd,J=9.1、3.6Hz,1H)、3.62−3.50(m,4H)、3.49−3.40(m,4H)、3.33(s,3H)、2.99−2.88(m,1H)、2.87−2.77(m,1H)、2.76−2.67(m,1H)、2.66−2.51(m,2H)、2.35−2.24(m,1H)、2.20−2.07(m,1H)、1.89−1.71(m,3H)、1.06(d,J=3.5Hz,3H)、1.04(d,J=2.9Hz,3H)
【0230】
実施例2:2B(33mg、0.061ミリモル)のEtOH(0.5mL)中溶液に6M水性KOH(0.20mL、1.2ミリモル)を添加した。反応混合物を密封したマイクロ波バイアルにて125℃で5時間加熱し、次に室温に冷却した。反応混合物を濃縮し、1N水性HClを用いて酸性にし、CH
2Cl
2で抽出した。有機層を合わせ、水および塩水で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をRP−プレパラティブHPLCに付して精製し、生成物を含有するフラクションを凍結乾燥させた。生成物をCH
3CN(0.5mL)および3N水性HCl(0.5mL)で処理して濃縮した。その操作を繰り返し(2x)、実施例2(11mg、0.018ミリモル、収率29%)を緑色の粉末として得た。LC−MS分析:C
28H
39ClN
4O
6についての計算値:562.2、測定値[M+H]:563.2;
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6) δ 8.03(s,1H)、7.55−7.35(m,1H)、7.25−7.04(m,1H)、6.95−6.76(m,1H)、6.43(s,1H)、4.73−4.61(m,1H)、3.82(s,3H)、3.79−3.71(m,1H)、3.66−3.57(m,1H)、3.55−3.30(m,8H)、3.21(s,3H)、2.99−2.84(m,1H)、2.74−2.64(m,1H)、2.63−2.53(m,2H)、2.39−2.24(m,1H)、2.22−2.12(m,1H)、2.04−1.86(m,1H)、1.73(s,2H)、1.67−1.50(m,1H)、0.96(dd,J=17.3、6.9Hz,6H);HPLC分析:RT=8.15分、HI:95.7%;hGPR40 EC
50=180nM;hGPR40 IP1 EC
50=27nM
【0231】
実施例3
2−((2S,3S,4R)−1−(4−((1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸・HCl
【化42】
【0232】
3A. 1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)ピペリジン−4−オール:4−エトキシ−1,2−ジフルオロベンゼン(17.5mL、126ミリモル)、ピペリジン−4−オール(39.2g、379ミリモル)、DMSO(42mL)、およびピリジン(21.1mL)の混合物を、還流冷却器を装着したフラスコ中、窒素下にて140℃で48時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、4/1 ヘキサン/EtOAcで希釈し、2%水性NaHCO
3、水、および塩水で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、3A(10.6g、44.2ミリモル、収率35%)を黄色の油状物として得た。LC−MS分析:C
13H
18FNO
2についての計算値:239.29、測定値[M+H]:240.1;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 6.90(dd,J=12.3、8.8Hz,1H)、6.51(dd,J=7.4、3.0Hz,1H)、6.39(dt,J=8.8、3.2Hz,1H)、3.97(q,J=7.0Hz,2H)、3.89−3.78(m,1H)、3.41−3.30(m,2H)、2.82(ddd,J=12.2、9.5、3.0Hz,2H)、2.04−1.95(m,2H)、1.74(dtd,J=12.9、9.2、3.7Hz,2H)、1.53−1.46(m,1H)、1.39(t,J=6.9Hz,3H)
【0233】
3B. 1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)ピペリジン−4−イル 4−メチルベンゼンスルホナート:3A(10.4g、43.4ミリモル)および4−メチルベンゼン−1−スルホニルクロリド(12.4g、65.1ミリモル)のCH
2Cl
2(108mL)中溶液に、ピリジン(35.1mL、434ミリモル)を滴下して加えた。反応混合物を室温で一夜攪拌した。該反応混合物をEtOAcで希釈し、水および塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、3B(13.4g、34.1ミリモル、収率79%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
20H
24FNO
4Sについての計算値:393.47、測定値[M+H]:394.1;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.86−7.78(m,2H)、7.39−7.31(m,2H)、6.88(dd,J=12.1、8.8Hz,1H)、6.46(dd,J=7.4、3.0Hz,1H)、6.39(dt,J=8.9、3.2Hz,1H)、4.69(tt,J=7.4、3.8Hz,1H)、3.96(q,J=6.9Hz,2H)、3.22(ddd,J=11.8、7.3、4.0Hz,2H)、2.90(ddd,J=11.8、7.6、3.9Hz,2H)、2.46(s,3H)、2.03−1.86(m,4H)、1.38(t,J=6.9Hz,3H)
【0234】
3C. 1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)−4−(4−ヨードフェノキシキシ)ピペリジン:4−ヨードフェノール(5.62g、25.6ミリモル)、3B(6.704g、17.04ミリモル)、およびCs
2CO
3(16.7g、51.1ミリモル)の無水DMF(43mL)中溶液を55℃で16時間加熱した。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈し、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせ、水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、3C(3.99g、9.04ミリモル、収率53%)を白色の固体として得た。LC−MS分析:C
19H
21FINO
2についての計算値:441.28、測定値[M+H]:442.0;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.61−7.51(m,2H)、6.91(dd,J=12.1、8.8Hz,1H)、6.76−6.67(m,2H)、6.53(dd,J=7.4、3.0Hz,1H)、6.40(dt,J=8.8、3.2Hz,1H)、4.42(tt,J=7.2、3.6Hz,1H)、3.98(q,J=6.9Hz,2H)、3.31(ddd,J=11.6、7.8、3.5Hz,2H)、2.98(ddd,J=11.8、8.0、3.5Hz,2H)、2.17−2.05(m,2H)、2.02−1.90(m,2H)、1.39(t,J=6.9Hz,3H)
【0235】
実施例3(緑色の粉末、13mg)が実施例1の操作に従って3Cより調製された。LC−MS分析:C
30H
41FN
2O
6についての計算値:544.3、測定値[M+H]:545.3;
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6) δ 7.01(dd,J=12.5、8.8Hz,1H)、6.90(d,J=8.8Hz,2H)、6.60−6.42(m,4H)、4.30(br.s,1H)、3.97(q,J=7.0Hz,2H)、3.74(d,J=4.0Hz,1H)、3.62(d,J=9.5Hz,1H)、3.54−3.40(m,3H)、3.37(t,J=6.3Hz,2H)、3.30−3.22(m,2H)、3.21(s,3H)、2.90(t,J=8.8Hz,2H)、2.70−2.57(m,1H)、2.27(d,J=7.0Hz,1H)、2.27−2.20(m,1H)、2.27−2.20(m,1H)、2.07−1.93(m,2H)、1.80−1.66(m,4H)、1.30(t,J=6.9Hz,3H)、0.95(d,J=7.0Hz,3H);HPLC分析:RT=10.0分、HI:94.8%;hGPR40 EC
50=200nM
【0236】
実施例4
2−((2S,3S,4R)−1−(4−((1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化43】
【0237】
4A. 1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)ピペリジン−4−オール:1J(2.80g、12.6ミリモル)、ピペリジン−4−オール(1.40g、13.8ミリモル)、およびK
2CO
3(8.70g、62.9ミリモル)のDMSO(30mL)中溶液を110℃で14時間攪拌した。反応混合物を水(150mL)とEtOAc(150mL)との間に分配した。有機層を分離し、水(2x100mL)および塩水(100mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させて、濾過して濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、4A(2.70g、11.1ミリモル、収率88%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
11H
15ClN
2O
2についての計算値:242.70、測定値[M+H]:243.0;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.97(s,1H)、6.27(s,1H)、3.94−3.84(m,4H)、3.51−3.37(m,2H)、2.90(ddd,J=12.3、9.2、3.0Hz,2H)、2.07−1.95(m,2H)、1.84−1.66(m,2H)
【0238】
実施例4(白色の粉末、28mg)は実施例1の操作に従って4Aより調製された。LC−MS分析:C
28H
38ClN
3O
6についての計算値:547.2、測定値[M+H]:548.2;
1H NMR(400MHz、CD
3CN) δ 7.96(s,1H)、6.87(d,J=9.0Hz,2H)、6.54(d,J=9.0Hz,2H)、6.35(s,1H)、4.48−4.14(m,1H)、3.82(s,3H)、3.75−3.70(m,1H)、3.68−3.61(m,1H)、3.57−3.43(m,2H)、3.40(t,J=6.3Hz,4H)、3.24(s,3H)、3.07−2.90(m,2H)、2.73−2.51(m,2H)、2.37−2.24(m,1H)、2.20−1.98(m,4H)、1.76(t,J=6.3Hz,4H)、0.96(d,J=7.3Hz,3H);HPLC分析:RT=9.26分、HI:98.2%;hGPR40 EC
50=73nM;hGPR40 IP1 EC
50=13nM
【0239】
実施例5
2−((2S,3S,4R)−1−(6−((1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化44】
【0240】
実施例5(ベージュ色の固体、59mg)は実施例2の操作に従って3Aおよび5−ヨードピリジン−2−オールより調製された。LC−MS分析:C
29H
40FN
3O
6についての計算値:545.64、測定値[M+H]:546.3;
1H NMR(400MHz、CD
3CN) δ 7.48(d,J=3.1Hz,1H)、7.04(dd,J=8.9、3.2Hz,1H)、6.93(dd,J=12.4、8.9Hz,1H)、6.64(d,J=8.8Hz,1H)、6.54(dd,J=7.4、3.0Hz,1H)、6.42(dt,J=8.9、3.2Hz,1H)、4.97(tt,J=8.2、4.0Hz,1H)、3.97(q,J=6.9Hz,2H)、3.77−3.72(m,1H)、3.71−3.64(m,1H)、3.57−3.44(m,2H)、3.43−3.35(m,4H)、3.34−3.26(m,2H)、3.25(s,3H)、2.92(ddd,J=12.0、9.1、3.1Hz,2H)、2.75−2.58(m,2H)、2.34(q,J=7.1Hz,1H)、2.15−2.02(m,2H)、1.88−1.70(m,4H)、1.32(t,J=7.0Hz,3H)、0.97(d,J=7.3Hz,3H);HPLC分析:RT=8.1分、HI:99.1%;hGPR40 EC
50=170nM
【0241】
実施例6
2−((2S,3S,4R)−1−(6−((1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化45】
【0242】
実施例6は実施例2の操作に従って4Aおよび5−ヨードピリジン−2−オールより調製され、実施例6(白色の固体、21mg)を得た。LC−MS分析:C
27H
37ClN
4O
6についての計算値:549.06、測定値[M+H]:549.2;
1H NMR(400MHz、CD
3CN) δ 7.96(s,1H)、7.48(d,J=3.1Hz,1H)、7.04(dd,J=9.0、3.1Hz,1H)、6.64(d,J=8.8Hz,1H)、6.35(s,1H)、5.04(tt,J=7.8、3.9Hz,1H)、3.83(s,3H)、3.75(dt,J=4.6、1.7Hz,1H)、3.68(ddd,J=9.1、4.0、1.2Hz,1H)、3.58−3.46(m,2H)、3.46−3.34(m,6H)、3.25(s,3H)、3.04(ddd,J=12.2、8.7、3.1Hz,2H)、2.75−2.59(m,2H)、2.34(q,J=7.3Hz,1H)、2.15−2.04(m,2H)、1.89−1.80(m,2H)、1.77(quin,J=6.3Hz,2H)、0.97(d,J=7.3Hz,3H);HPLC分析:RT=7.2分、HI:97.9%;hGPR40 EC
50=200nM;hGPR40 IP1 EC
50=19nM
【0243】
実施例7
2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)−3−フルオロフェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化46】
【0244】
実施例7(黄色の油、31.9mg)は実施例1の操作に従って2−フルオロ−4−ヨードフェノールおよび1P(異性体1)より単一の異性体として調製された。LC−MS分析:C
29H
39ClFN
3O
6についての計算値:579.2、測定値[M+H]:580.3;
1H NMR(400MHz、CD
2Cl
2) δ 7.94(s,1H)、6.96(t,J=9.1Hz,1H)、6.36(dd,J=14.0、2.8Hz,1H)、6.30(d,J=2.6Hz,1H)、6.28(s,1H)、3.85(s,3H)、3.78−3.65(m,3H)、3.64−3.36(m,8H)、3.30(s,3H)、2.85−2.72(m,3H)、2.60(dd,J=12.2、9.6Hz,1H)、2.41(q,J=7.0Hz,1H)、2.16−2.03(m,2H)、1.88−1.73(m,3H)、1.16(d,J=6.8Hz,3H)、1.00(d,J=7.3Hz,3H);HPLC分析(ZORBAX(登録商標)、溶媒B0%から開始):RT=8.6分、HI:100%;hGPR40 EC
50=97nM
【0245】
実施例8
2−((2S,3S,4R)−1−(4−((1−(5−クロロ−2−エチルピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸・HCl
【化47】
【0246】
8A. 8−(2−クロロピリジン−4−イル)−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン:2−クロロ−4−フルオロピリジン(2.63g、20.0ミリモル)および1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン(3.01g、21.0ミリモル)のDMF(8mL)中溶液に、NEt
3(3.1mL、22ミリモル)を得た。反応混合物を室温で40時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、8A(4.78g、18.8ミリモル、収率94%)を得た。LC−MS分析:C
12H
15ClN
2O
2についての計算値:254.08、測定値[M+H]:255.1;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 8.03(d,J=6.1Hz,1H)、6.69(d,J=2.5Hz,1H)、6.6(dd,J=6.1、2.5Hz,1H)、4.02(s,4H)、3.52−3.50(m,4H)、1.80−1.58(m,4H)
【0247】
8B. 8−(2−エチルピリジン−4−イル)−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン:8A(1.90g、7.48ミリモル)のジオキサン(19mL)中溶液に、PdCl
2(dppf)(0.14g、0.19ミリモル)を、つづいてジエチル亜鉛の溶液(7.9mL、7.9ミリモル)(ヘキサン中1M)を添加した。反応混合物を70℃で1時間攪拌した。反応混合物を飽和水性NaHCO
3でクエンチさせ、EtOAcで希釈した。層を分離し、有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。シリカクロマトグラフィーに付して精製し、8B(1.9g、7.5ミリモル、収率100%)を得た。LC−MS分析:C
14H
20N
2O
2についての計算値:248.15、測定値[M+H]:249.1;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 8.19(d,J=6.1Hz,1H)、6.56−6.51(m,2H)、3.99(s,4H)、3.49−3.47(m,4H)、2.73−2.68(m,2H)、1.78−1.76(m,4H)、1.28(t,J=7.6、7.6Hz,3H)
【0248】
8C. 8−(5−クロロ−2−エチルピリジン−4−イル)−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン:8B(150mg、0.60ミリモル)の室温でのCH
3CN(2.3mL)中溶液に、K
2CO
3(142mg、1.03ミリモル)を、つづいてNCS(137mg、1.03ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で3.5時間攪拌した。K
2CO
3(25mg、0.18ミリモル)およびNCS(24.2mg、0.18ミリモル)を加え、反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和水性NaHCO
3、水、および塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。シリカクロマトグラフィーに付して精製し、8C(52mg、収率30%)を得た。LC−MS分析:C
14H
19ClN
2O
2についての計算値:282.11、測定値[M+H]:283.0;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 8.31(s,1H)、6.72(s,1H)、4.01(s,4H)、3.29−3.27(m,4H)、2.76−2.71(m,2H)、1.90−1.88(m,4H)、1.29−1.26(m,3H)
【0249】
8D. 1−(5−クロロ−2−エチルピリジン−4−イル)ピペリジン−4−オン:8C(68mg、0.24ミリモル)のアセトン(4.2mL)および水(1.8mL)中溶液に、TsOH(140mg、0.72ミリモル)を添加した。反応混合物を60℃で19時間加熱して濃縮した。反応混合物を固体のNaHCO
3で処理し、EtOAcで希釈した。有機層を飽和水性NaHCO
3、水、および塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。シリカクロマトグラフィーに付して精製し、8D(37.4mg、0.157ミリモル、収率65%)を得た。LC−MS分析:C
12H
15ClN
2Oについての計算値:238.09、測定値[M+H]:239.1;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 8.37(s,1H)、6.74(s,1H)、3.51−3.48(m,4H)、2.78−2.73(m,2H)、2.66−2.64(m,4H)、1.31−1.27(m,3H)
【0250】
8E. 1−(5−クロロ−2−エチルピリジン−4−イル)ピペリジン−4−オール:8D(37mg、0.16ミリモル)の0℃でのMeOH(1mL)およびTHF(0.6mL)中溶液に、NaBH
4(18mg、0.47ミリモル)を小分けして加えた。反応混合物を0℃で30分間、室温で10分間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、飽和水性NaHCO
3(2mL)でクエンチさせた。MeOHおよびTHFを蒸発させた。残渣をEtOAcで抽出した。抽出液を合わせ、水および塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)させて濃縮し、8E(38mg、0.16ミリモル、収率100%)をガム状物として得、それをさらに精製することなく使用した。LC−MS分析:C
12H
17ClN
2Oについての計算値:240.103、測定値[M+H]:241.1
【0251】
8F. 5−クロロ−2−エチル−4−(4−(4−ヨードフェノキシキシ)ピペリジン−1−イル)ピリジン:8E(180mg、0.75ミリモル)および4−ヨードフェノール(330mg、1.5ミリモル)のトルエン(12mL)中溶液に、Bu
3P(0.30mL、1.2ミリモル)を、つづいてADDP(300mg、1.2ミリモル)を添加した。反応混合物を50℃で3時間、ついで室温で一夜攪拌した。反応混合物を2:1 トルエン/ヘキサン(10mL)で処理し、濾過し、その固体を2:1 トルエン/ヘキサンで洗浄した。濾液を濃縮した。その粗生成物をシリカクロマトグラフィーを通して精製し、8F(186mg、0.420ミリモル、収率56%)を得た。LC−MS分析:C
18H
20ClIN
2Oについての計算値:442.031、測定値[M+H]:443.0;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 8.31(s,1H)、7.58−7.55(m,2H)、6.74−6.70(m,3H)、4.51−4.48(m,1H)、3.42−3.37(m,2H)、3.16−3.10(m,2H)、2.76−2.71(m,2H)、2.14−2.09(m,4H)、1.28(t,J=7.7、7.7Hz,3H)
【0252】
8G. ((2R,3S,4R)−1−(4−((1−(5−クロロ−2−エチルピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)メタノール:8F(180mg、0.41ミリモル)および1H(70mg、0.34ミリモル)のn−BuOH(1.7mL)中溶液に、NaOH(48mg、1.2ミリモル)およびCuI(6.6mg、0.034ミリモル)を添加した。反応混合物をアルゴンでパージし、反応バイアルを密封し、90℃で17時間攪拌した。混合物を飽和水性NH
4Clに注ぎ、CH
2Cl
2で抽出した。抽出液を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。シリカクロマトグラフィーに付して精製し、8G(140mg、0.270ミリモル、収率78%)を得た。LC−MS分析:C
28H
40ClN
3O
4についての計算値:517.271、測定値[M+H]:518.3
【0253】
8H. ((2R,3S,4R)−1−(4−((1−(5−クロロ−2−エチルピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)メチル メタンスルホナート:8G(160mg、0.31ミリモル)の0℃でのCH
2Cl
2(3.1mL)中溶液に、NEt
3(0.11mL、0.77ミリモル)を、つづいてMsCl(0.040mL、0.53ミリモル)を添加した。反応混合物を0℃で0.5時間攪拌した。反応混合物をCH
2Cl
2で希釈した。有機層を水および塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して濃縮してメシラートを得、それを精製することなく次の工程に使用した。その粗物質のDMSO(1.5mL)中溶液に、NaCN(45mg、0.93ミリモル)を加えた。反応混合物を50℃で3時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水性NaHCO
3、水、および塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。シリカクロマトグラフィーに付して精製し、8H(131mg、0.249ミリモル、収率81%)を得た。LC−MS分析:C
29H
39ClN
4O
3についての計算値:526.271、測定値[M+H]:527.3;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 8.31(s,1H)、6.92−6.89(m,2H)、6.72(s,1H)、6.51−6.49(m,2H)、4.35(br.s,1H)、3.76−3.42(m,10H)、3.33(s,3H)、3.11−2.71(m,6H)、2.09−1.82(m,6H)、1.30−1.27(m,4H)、1.06(d,J=7.4Hz,3H)
【0254】
8I. メチル 2−((2S,3S,4R)−1−(4−((1−(5−クロロ−2−エチルピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)アセタート:3M HCl/MeOH/CH
2Cl
2/MeOAc溶液[25.2mL、AcCl(5.2mL)を3/2 CH
2Cl
2/MeOH溶液(20mL)に0℃で添加し、ついで室温で20分間攪拌することにより調製される]を8H(130mg、0.25ミリモル)に添加した。反応混合物を室温で16時間放置させた。反応混合物を濃縮し、MeOH(2x)と共にロータリーエバポレートに供した。次に3M HCl/MeOH溶液[25.2mL、AcCl(5.2mL)を3/2 CHCl
2/MeOH溶液(20mL)に0℃で添加し、ついで室温で20分間攪拌することにより調製される]を該混合物に加え、それを攪拌することなく40℃で24時間加熱した。反応混合物を濃縮し、EtOAcで希釈した。有機層を水性NaHCO
3、水、および塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。シリカクロマトグラフィーに付して精製し、8I(118mg、0.211ミリモル、収率85%)を得た。LC−MS分析:C
30H
42ClN
3O
5についての計算値:559.28、測定値[M+H]:560.4;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 8.30(s,1H)、6.91−6.88(m,2H)、6.72(s,1H)、6.53−6.51(m,2H)、4.32(br.s,1H)、3.72−3.42(m,13H)、3.33(s,3H)、3.10−2.70(m,6H)、2.08−1.81(m,7H)、1.30−1.26(t,J=7.6、7.6Hz,3H)、1.02−1.00(m,3H)
【0255】
実施例8:8I(70mg、0.13ミリモル)のTHF(3.5mL)中溶液に、1N水性LiOH(0.75mL、0.75ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で24時間攪拌した。混合物を0℃に冷却し、1N水性HClで中和しpHを<7とし、CH
2Cl
2で抽出した。有機層を合わせ、乾燥(MgSO
4)させ、濾過して濃縮した。残渣をRP−プレパラティブHPLCに付して精製した。生成物をCH
3CN(5mL)および1N水性HCl(0.3mL)で処理して濃縮した。該操作を繰り返し(2x)、実施例8(0.011g、0.018ミリモル、収率14%)を灰白色の固体として得た。LC−MS分析:C
29H
40ClN
3O
5についての計算値:545.266、測定値[M+H]:546.3;
1H NMR(400MHz、D
2O) δ 8.20(s,1H)、7.47−7.45(d,J=8.3Hz,2H)、7.15−7.14(d,J=9.1Hz,2H)、7.04(s,1H)、4.79(br.s,1H)、4.09(br.s,1H)、3.95−3.80(m,5H)、3.60−3.51(m,6H)、3.33(s,3H)、2.79−2.69(m,4H)、2.31(m,1H)、2.17−2.13(m,2H)、1.93−1.82(m,4H)、1.25−1.22(m,6H);HPLC分析:RT=5.8分、HI:97.0%;hGPR40 EC
50=1100nM
【0256】
実施例9
2−((2S,3S,4R)−1−(6−(((3,4−トランス)−1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸・HCl
【化48】
【0257】
9A. 5−エトキシ−2−フルオロアニリン:(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)ボロン酸(10.1g、55.0ミリモル)のMeOH(220mL)中溶液に、14.8M水性NH
4OH(18.6mL、275ミリモル)を、ついで酸化第一銅(1.57g、11.0ミリモル)を添加した。反応混合物を大気下で7時間攪拌した。反応混合物を濃縮した。粗生成物をEtOAc/ヘキサン(2:1)に溶かした。該物質をセライト(登録商標)を通して濾過して濃縮した。その粗材料をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、9A(4.10g、26.4ミリモル、収率48%)を褐色の油状物として得た。LC−MS分析:C
8H
10FNOについての計算値:155.17、測定値[M+H]:156.1;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 6.86(dd,J=10.9、8.8Hz,1H)、6.32(dd,J=7.5、2.9Hz,1H)、6.20(dt,J=8.8、3.3Hz,1H)、3.94(q,J=6.9Hz,2H)、3.68(br.s,2H)、1.37(t,J=6.9Hz,3H)
【0258】
9B. ヨウ化1−ベンジル−1,3−ジメチル−4−オキソピペリジン−1−イウム塩:1−ベンジル−3−メチルピペリジン−4−オン(14.0g、68.9ミリモル)の室温でのアセトン(68.9mL)中溶液に、MeI(8.61mL、138ミリモル)を滴下して加えた。反応混合物を室温で一夜攪拌し、次に濃縮して9B(24.0g、69.5ミリモル、収率101%)を明黄色の泡沫体として得た。LC−MS分析:C
14H
20NOについての計算値:218.15、測定値[M+H]:219.2
【0259】
9C. 1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)−3−メチルピペリジン−4−オン:9A(7.87g、50.7ミリモル)のEtOH(103mL)中溶液に、K
2CO
3(1.05g、7.61ミリモル)、9B(26.3g、76.0ミリモル)、および水(46.6mL)を添加した。反応混合物を95℃で一夜加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc/水で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、9C(10.1g、40.3ミリモル、収率79%)を無色の油状物として得、それを一夜にわたって固化させた。LC−MS分析:C
14H
18FNO
2についての計算値:251.13、測定値[M+H]:252.2;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 6.95(dd,J=12.1、8.8Hz,1H)、6.52(dd,J=7.5、2.9Hz,1H)、6.44(dt,J=8.8、3.2Hz,1H)、3.98(q,J=7.3Hz,2H)、3.75−3.64(m,2H)、3.12(td,J=11.7、3.5Hz,1H)、2.85−2.69(m,3H)、2.49(dt,J=14.1、3.3Hz,1H)、1.40(t,J=6.9Hz,3H)、1.09(d,J=6.1Hz,3H)
【0260】
9D. (3,4−シス)−1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)−3−エチルピペリジン−4−オール:9C(4.920g、19.58ミリモル)の−78℃でのTHF(98mL)中溶液に、L−セレクトライドのTHF中1M溶液(23.5mL、23.5ミリモル)を添加した。1時間後、該反応混合物を1M水性NaOH(23.5mL、23.5ミリモル)でクエンチさせ、加温して0℃にした。30%水性H
2O
2(7.4mL、72ミリモル)を滴下して加え、反応混合物を加温して室温にし、1時間攪拌した。反応混合物をEtOAc/水で希釈し、層を分離した。水層をEtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。その粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、9D(4.453g、17.58ミリモル、収率90%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
14H
20FNO
2についての計算値:253.31、測定値[M+H]:254.0;
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ 6.89(dd,J=12.1、8.8Hz,1H)、6.52(dd,J=7.3、2.9Hz,1H)、6.37(dt,J=8.8、3.2Hz,1H)、3.97(q,J=7.1Hz,2H)、3.90(br.s,1H)、3.13−3.02(m,2H)、3.02−2.95(m,1H)、2.84(dd,J=11.4、9.8Hz,1H)、2.05(dqt、J=10.1、6.7、3.6Hz,1H)、2.00−1.91(m,1H)、1.91−1.83(m,1H)、1.50(br.s,1H)、1.38(t,J=6.9Hz,3H)、1.03(d,J=6.9Hz,3H)
【0261】
9E. (3,4−シス)−1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)−3−メチルピペリジン−4−オール(異性体2):9D(29.2g、115ミリモル)をキラルSFCに付して精製し、9Eを単一の異性体として得た。9E(異性体2、13.5g、53.5ミリモル、収率47%)は濃縮した後に無色の油状物として得られた。LC−MS分析:C
14H
18FNO
2についての計算値:251.13、測定値[M+H]:252.2;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 6.95(dd,J=12.1、8.8Hz,1H)、6.52(dd,J=7.5、2.9Hz,1H)、6.44(dt,J=8.8、3.2Hz,1H)、3.98(q,J=7.3Hz,2H)、3.75−3.64(m,2H)、3.12(td,J=11.7、3.5Hz,1H)、2.85−2.69(m,3H)、2.49(dt,J=14.1、3.3Hz,1H)、1.40(t,J=6.9Hz,3H)、1.09(d,J=6.1Hz,3H)
【0262】
実施例9(黄色の固体、29.3mg)は、実施例2の操作に従って、9Eおよび5−ヨードピリジン−2−オールより単一の異性体として調製された。LC−MS分析:C
30H
42FN
3O
6についての計算値:559.67、測定値[M+H]:560.2;
1H NMR(500MHz、CD
3CN) δ 8.01(br.s,1H)、7.77(d,J=6.4Hz,1H)、7.53(br.s,1H)、7.38(d,J=7.0Hz,1H)、7.28(dd,J=11.6、9.4Hz,1H)、7.03(d,J=8.6Hz,1H)、5.01−4.83(m,1H)、4.05(q,J=6.8Hz,2H)、4.00−3.89(m,1H)、3.88−3.78(m,3H)、3.72(d,J=9.7Hz,1H)、3.64−3.45(m,5H)、3.40(t,J=6.3Hz,2H)、3.25(s,3H)、3.09−2.93(m,1H)、2.74(d,J=6.2Hz,2H)、2.70−2.58(m,1H)、2.58−2.47(m,1H)、2.46−2.37(m,1H)、1.76(quin,J=6.2Hz,2H)、1.37(t,J=6.7Hz,3H)、1.14(d,J=5.7Hz,3H)、0.98(d,J=7.3Hz,3H);HPLC分析:RT=9.1分、HI:95.5%;hGPR40 EC
50=170nM;hGPR40 IP1 EC
50=35nM
【0263】
実施例10
2−((2R,4R)−1−(4−((1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロピル)ピロリジン−2−イル)酢酸・TFA
【化49】
【0264】
10A.(R)−1−ベンジル 2−メチル 4−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシラート:(2R,4R)−1−ベンジル 2−メチル 4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシラート(16.7g、59.7ミリモル)のCH
2Cl
2(149mL)中溶液に、TCCA(13.9g、59.7ミリモル)を加え、つづいてTEMPO(0.093g、0.60ミリモル)を添加した。反応混合物を加温して室温にし、15分間攪拌した。反応混合物を濾過し、飽和Na
2CO
3、0.1M水性HCl、および塩水で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。該物質をシリカゲルのプラグを通して濾過し、10A(12.6g、45.3ミリモル、収率76%)を無色の油状物として得、それを放置して固化させて淡黄色の固体とした。LC−MS分析:C
14H
15NO
5についての計算値:277.27、測定値[M+H]:278.0;
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ 7.43−7.28(m,5H)、5.27−5.20(m,1H)、5.19−5.08(m,1H)、4.92−4.78(m,1H)、4.07−3.88(m,2H)、3.81−3.56(m,3H)、3.03−2.87(m,1H)、2.61(dd,J=18.8、2.6Hz,1H)
【0265】
10B. (R)−7−ベンジル 8−メチル 1,4−ジオキサ−7−アザスピロ[4.4]ノナン−7,8−ジカルボキシラート:10A(12.6g、45.3ミリモル)およびエタン−1,2−ジオール(2.5mL、45ミリモル)をトルエン(450mL)に溶かした。TsOH(1.01g、5.89ミリモル)を添加した。得られた混合物を加熱して18時間還流させた。該反応混合物を室温に冷却し、氷水中に注ぎ、EtOAc(3x)で抽出し、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、10B(8.58g、26.7ミリモル、収率59%)を淡黄色の油状物として得、それを放置して固化させた。LC−MS分析:C
16H
19NO
6についての計算値:321.33、測定値[M+H]:322.0;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.42−7.27(m,5H)、5.25−4.99(m,2H)、4.60−4.42(m,1H)、4.02−3.87(m,4H)、3.82−3.53(m,5H)、2.48−2.34(m,1H)、2.29−2.17(m,1H)
【0266】
10C. (S)−2−(7−(4−((1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−1,4−ジオキサ−7−アザスピロ[4.4]ノナン−8−イル)アセトニトリル:10Cは、実施例1の操作に従って、10Bおよび3Cより調製された。LC−MS分析:C
27H
32FN
3O
4についての計算値:481.56、測定値[M+H]:482.2;
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ 6.95−6.87(m,3H)、6.53(dd,J=7.4、3.0Hz,1H)、6.51−6.45(m,2H)、6.40(dt,J=8.8、3.2Hz,1H)、4.29(tt,J=7.4、3.6Hz,1H)、4.23−4.16(m,1H)、4.10−4.05(m,1H)、4.05−4.01(m,1H)、4.01−3.95(m,4H)、3.47−3.43(m,1H)、3.42−3.37(m,1H)、3.37−3.30(m,2H)、2.94(ddd,J=11.8、8.3、3.3Hz,2H)、2.80−2.75(m,1H)、2.75−2.68(m,1H)、2.46(dd,J=13.3、8.1Hz,1H)、2.22(dd,J=13.2、1.4Hz,1H)、2.12−2.05(m,2H)、1.99−1.90(m,2H)、1.39(t,J=7.0Hz,3H)
【0267】
10D. (S)−2−(1−(4−((1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−オキソピロリジン−2−イル)アセトニトリル:10C(1.36g、2.82ミリモル)のアセトン(39mL)および水(17mL)中溶液(アルゴンで10分間パージした)に、TsOH(2.14g、11.3ミリモル)を添加した。反応混合物を56℃で30時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc/水で希釈した。1.5M水性K
2HPO
4を添加して反応混合物を塩基性にし、層を分離した。水層をEtOAcで抽出し、有機層を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。10D(1.16g、2.66ミリモル、収率94%)が明褐色の固体として単離され、さらに精製することなく使用された。LC−MS分析:C
25H
28FN
3O
3についての計算値:437.51、測定値[M+H]:438.1;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.00−6.95(m,2H)、6.91(dd,J=12.1、8.8Hz,1H)、6.67−6.61(m,2H)、6.54(dd,J=7.4、3.0Hz,1H)、6.40(dt,J=8.8、3.1Hz,1H)、4.58(tt,J=8.0、2.9Hz,1H)、4.34(tt,J=7.4、3.7Hz,1H)、3.98(q,J=6.9Hz,2H)、3.86−3.71(m,2H)、3.39−3.28(m,2H)、3.05(dd,J=18.6、8.5Hz,1H)、2.96(ddd,J=11.9、8.1、3.3Hz,2H)、2.72(ddd,J=17.6、12.3、2.5Hz,2H)、2.57(dd,J=16.8、7.6Hz,1H)、2.16−2.06(m,2H)、2.02−1.89(m,2H)、1.40(t,J=6.9Hz,3H)
【0268】
10E. (S)−5−(シアノメチル)−1−(4−((1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−イル・トリフルオロメタンスルホナート:NaHMDS(0.75mL、0.75ミリモル)の−78℃でのTHF(3.4mL)中1M溶液に、10D(0.300g、0.686ミリモル)のTHF(3.4mL)中溶液を滴下して加えた。反応混合物を30分間攪拌し、次に1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−(トリフルオロメチル)スルホニルメタンスルホンアミド(0.294g、0.823ミリモル)のTHF(3.4mL)中溶液を滴下して加えた。反応混合物を−78℃で2時間攪拌した。該反応混合物を1.5M水性K
2HPO
4でクエンチし、EtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、10E(0.309g、0.543ミリモル、収率79%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
26H
27F
4N
3O
5Sについての計算値:569.57、測定値[M+H]:570.0;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 6.98−6.86(m,3H)、6.58−6.49(m,3H)、6.40(dt,J=8.8、3.2Hz,1H)、5.93(q,J=1.8Hz,1H)、4.93−4.83(m,1H)、4.53(ddd,J=13.3、6.7、1.9Hz,1H)、4.36−4.27(m,1H)、4.22−4.15(m,1H)、3.98(q,J=7.0Hz,2H)、3.39−3.28(m,2H)、2.95(ddd,J=11.8、8.2、3.3Hz,2H)、2.82−2.78(m,2H)、2.15−2.05(m,2H)、2.01−1.88(m,2H)、1.40(t,J=6.9Hz,3H)
【0269】
10F. (S,E)−2−(1−(4−((1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロパ−1−エン−1−イル)−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−2−イル)アセトニトリル:10E(0.035g、0.062ミリモル)、および(E)−2−(3−メトキシプロパ−1−エン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(0.013mL、0.062ミリモル)のジオキサン(0.63mL)中溶液に、Na
2CO
3(0.016g、0.16ミリモル)の水(0.063mL)中溶液を添加した。反応混合物をアルゴンで10分間パージし、次にPd(Ph
3P)
4(1.4mg、1.2マイクロモル)を添加した。該反応混合物を150℃で3分間マイクロ波処理に供した。該反応混合物をEtOAc/水で希釈し、層を分離した。有機層を塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、10F(0.011g、0.023ミリモル、収率37%)を得た。LC−MS分析:C
29H
34FN
3O
3についての計算値:491.60、測定値[M+H]:492.2;
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ 6.96−6.87(m,3H)、6.57−6.52(m,3H)、6.48(d,J=16.0Hz,1H)、6.40(dt,J=8.8、3.2Hz,1H)、5.90(s,1H)、5.80(dt,J=16.0、5.6Hz,1H)、4.84−4.78(m,1H)、4.49(ddd,J=12.9、5.6、1.4Hz,1H)、4.29(tt,J=7.4、3.7Hz,1H)、4.14(d,J=12.9Hz,1H)、4.04(d,J=5.8Hz,2H)、3.98(q,J=7.1Hz,2H)、3.38(s,3H)、3.37−3.31(m,2H)、2.95(ddd,J=11.8、8.2、3.2Hz,2H)、2.81(dd,J=16.6、3.2Hz,1H)、2.64(dd,J=16.6、7.0Hz,1H)、2.10(tdd,J=7.5、3.6、1.8Hz,2H)、2.00−1.92(m,2H)、1.40(t,J=7.0Hz,3H)
【0270】
実施例10:10E(0.011g、0.023ミリモル)のMeOH(2mL)およびEtOAc(2mL)中溶液に、10%Pd/C(2.4mg、2.3マイクロモル)を添加した。反応混合物をアルゴン(3x)で、ついでH
2(3x)でパージし、H
2(1気圧)下の室温で一夜攪拌した。反応混合物を濾過し、濃縮して9G(0.0100g、0.020ミリモル、収率89%)を淡黄色の油状物として得た。その粗材料をEtOH(0.28mL)に溶かし、KOH(0.092mL、0.55ミリモル)の6M水溶液を添加した。反応物を密封し、120℃で2時間加熱した。反応混合物を濃縮し、EtOAcに再び溶かした。該溶液を1N水性HClでpH2の酸性にし、該生成物をEtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をRP−プレパラティブHPLCに付して精製した。HPLCフラクションをロータリーエバポレーターに付してCH
3CNを除去し、次に水層をCH
2Cl
2(3x)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。残渣をCH
3CNに溶かし、0.5mLの3N水性HClを添加した。反応混合物を濃縮し、その操作を繰り返した(2x)。水層を一夜にわたって凍結乾燥させ、実施例10(0.0044g、6.7マイクロモル、収率24%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
29H
39FN
2O
5についての計算値:514.63、測定値[M+H]:515.3;
1H NMR(500MHz、CD
3CN) δ 7.41(d,J=8.0Hz,2H)、7.10(d,J=9.1Hz,2H)、7.00(dd,J=12.4、8.8Hz,1H)、6.64(dd,J=7.2、3.0Hz,1H)、6.52(dt,J=8.9、3.3Hz,1H)、4.58(br.s,1H)、4.18−4.08(m,1H)、4.02(q,J=6.9Hz,2H)、3.67(d,J=6.9Hz,2H)、3.43−3.33(m,4H)、3.30(s,3H)、3.05(ddd,J=12.0、8.5、3.2Hz,2H)、2.81−2.72(m,1H)、2.72−2.57(m,3H)、2.21−2.11(m,2H)、1.94−1.86(m,2H)、1.74−1.65(m,1H)、1.65−1.53(m,4H)、1.36(t,J=7.0Hz,3H);HPLC分析:RT=7.1分、HI:95.1%;hGPR40 EC
50=380nM;hGPR40 IP1 EC
50=47nM
【0271】
実施例11
2−((2R,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)ピロリジン−2−イル)酢酸・HCl
【化50】
【0272】
11A.(2R,4R)−tert−ブチル 4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシラート:(2R,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸(6.98g、30.2ミリモル)を無水THF(123mL)に溶かし、−10℃に冷却した。次に4−メチルモルホリン(3.5mL、32ミリモル)およびクロロギ酸イソブチル(4.2mL、32ミリモル)を添加し、反応混合物を−10℃で45分間攪拌した。反応混合物を濾過し、NaBH
4(2.28g、60.4ミリモル)の0℃に冷却した水(16mL)中溶液に滴下して加えた。反応混合物を2時間攪拌し、ゆっくりと加温して室温にした。反応混合物を飽和水性NH
4Clでクエンチさせ、その生成物をEtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、11A(5.98g、27.5ミリモル、収率91%)を無色の油状物として得、それを放置して固化させ、白色の固体とした。LC−MS分析:C
10H
19NO
4についての計算値:217.26、測定値[M+H]:218.0;
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ 4.35−4.09(m,2H)、4.09−3.88(m,2H)、3.67−3.33(m,3H)、2.44−2.24(m,1H)、2.07−1.71(m,2H)、1.53−1.40(m,9H)
【0273】
11B. (2R,4R)−tert−ブチル 2−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシラート:11A(3.00g、13.8ミリモル)のDMF(69mL)中溶液に、TBDPS−Cl(3.9mL、15ミリモル)およびイミダゾール(1.41g、20.7ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水(5x)で洗浄した。有機層を塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、11B(2.58g、5.66ミリモル、収率41%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
26H
37NO
4Siについての計算値:455.66、測定値[M+H]:456.1;
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ 7.72−7.60(m,4H)、7.48−7.34(m,6H)、4.78(d,J=11.0Hz,0.5H)、4.50(d,J=10.2Hz,0.5H)、4.37−4.20(m,1.5H)、4.01(br.s,1H)、3.89(d,J=9.4Hz,0.5H)、3.62−3.42(m,3H)、2.45−2.29(m,1H)、2.12−1.96(m,1H)、1.54−1.43(s,4.5H)、1.29(s,4.5H)、1.08(s,9H)
【0274】
11C. (2R,4R)−tert−ブチル 2−(((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−4−(3−メトキシプロポキシ)ピロリジン−1−カルボキシラート:11B(0.098g、0.22ミリモル)の0℃でのTHF(2.2mL)中溶液に、60%NaH(0.060g、1.5ミリモル)を添加した。反応混合物を30分間攪拌させ、次に1−ブロモ−3−メトキシプロパン(0.17mL、1.5ミリモル)を加えた。反応混合物を加温して室温にし、一夜還流させた。反応混合物を水でクエンチさせ、EtOAcで希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、11C(0.028g、0.053ミリモル、収率25%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
30H
45NO
5Siについての計算値:527.77、測定値[M+H]:528.3;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.73−7.60(m,4H)、7.46−7.30(m,6H)、3.99(br.s,1H)、3.94−3.74(m,2H)、3.71−3.59(m,2H)、3.52−3.36(m,4H)、3.36−3.31(m,1H)、3.30(s,3H)、2.49−2.22(m,1H)、2.15−2.02(m,1H)、1.83−1.70(m,2H)、1.49−1.25(m,9H)、1.06(s,9H)
【0275】
11D. (2R,4R)−tert−ブチル 2−(ヒドロキシメチル)−4−(3−メトキシプロポキシ)ピロリジン−1−カルボキシラート:11C(0.367g、0.696ミリモル)の室温でのTHF(3.5mL)中溶液に、TBAF(1.0mL、1.0ミリモル)のTHF中1M溶液を添加した。反応混合物を室温で一夜攪拌した。反応混合物をEtOAc/水で希釈し、層を分離した。水層をEtOAcで抽出し、有機層を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、11D(0.187g、0.647ミリモル、収率93%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
14H
27NO
5についての計算値:289.37、測定値[M+H]:290.1;
1H NMR(500MHz、CDCl
3) δ 4.43(d,J=6.9Hz,1H)、4.11−4.02(m,1H)、4.02−3.90(m,1H)、3.87−3.58(m,2H)、3.57−3.47(m,3H)、3.47−3.37(m,3H)、3.33(s,3H)、2.18(m,1H)、1.82(quin,J=6.3Hz,2H)、1.46(s,9H)
【0276】
11E. ((2R,4R)−4−(3−メトキシプロポキシ)ピロリジン−2−イル)メタノール・HCl:HCl(1.00mL、4.00ミリモル)のジオキサン中4N溶液を11D(0.079g、0.27ミリモル)に加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、MeOH(2x)と一緒にロータリーエバポレーターに供し、11E(0.062g、0.27ミリモル、収率100%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
9H
19NO
3についての計算値:189.25、測定値[M+H]:190.0
【0277】
11F. (3,4−トランス)−1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)−4−(4−ヨードフェノキシキシ)−3−メチルピペリジン:9E(0.511g、2.02ミリモル)、4−ヨードフェノール(0.577g、2.62ミリモル)、およびBu
3P(0.80mL、3.2ミリモル)のトルエン(25mL)中溶液に、ADDP(0.815g、3.23ミリモル)を添加した。反応混合物を99分間のわたって超音波処理に供した。反応混合物をヘキサンに注ぎ、濾過して濃縮した。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、11F(0.643g、1.41ミリモル、収率70%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
20H
23FINO
2についての計算値:455.31、測定値[M+H]:456.2;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.62−7.49(m,2H)、6.91(dd,J=12.1、8.8Hz,1H)、6.76−6.67(m,2H)、6.50(dd,J=7.5、2.9Hz,1H)、6.40(dt,J=8.8、3.2Hz,1H)、3.98(q,J=6.9Hz,2H)、3.89(td,J=9.0、4.0Hz,1H)、3.51−3.36(m,2H)、2.81(td,J=11.5、2.8Hz,1H)、2.57(dd,J=12.1、9.6Hz,1H)、2.22−2.08(m,2H)、1.90−1.75(m,1H)、1.40(t,J=6.9Hz,3H)、1.08(d,J=6.6Hz,3H)
【0278】
実施例11(ベージュ色の固体、25mg)は、実施例1の操作に従って、11Eおよび11Fから単一の異性体として調製された。LC−MS分析:C
30H
41FN
2O
6についての計算値:544.66、測定値[M+H]:545.3;
1H NMR(500MHz、CD
3CN) δ 7.80(br.s,1H)、7.74(d,J=8.8Hz,2H)、7.21(dd,J=12.1、9.1Hz,1H)、7.11(d,J=9.1Hz,2H)、6.92(dt,J=9.0、3.1Hz,1H)、4.50−4.43(m,1H)、4.33(td,J=9.8、4.7Hz,1H)、4.21−4.12(m,1H)、4.03(q,J=6.9Hz,2H)、3.83(dd,J=12.4、3.3Hz,1H)、3.74−3.63(m,3H)、3.62−3.56(m,1H)、3.51(tq,J=6.3、3.0Hz,2H)、3.46−3.41(m,2H)、3.37(t,J=12.1Hz,1H)、3.27(s,3H)、3.01−2.92(m,1H)、2.92−2.84(m,1H)、2.78(dt,J=13.4、6.6Hz,2H)、2.46−2.28(m,2H)、2.15−2.05(m,1H)、1.77(quin,J=6.3Hz,2H)、1.36(t,J=6.9Hz,3H)、1.08(d,J=6.6Hz,3H);HPLC分析:RT=10.5分、HI:97.3%;hGPR40 EC
50=100nM;hGPR40 IP1 EC
50=16nM
【0279】
実施例12
2−((2R,4R)−1−(4−((1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)ピロリジン−2−イル)酢酸・HCO
2H
【化51】
【0280】
実施例12(9.5mg)は、実施例1の操作に従って、11Eおよび3Cより調製された。LC−MS分析:C
29H
39FN
2O
6についての計算値:530.63、測定値[M+H]:531.2;
1H NMR(500MHz、DMSO−d
6) δ 7.00(dd,J=12.0、9.2Hz,1H)、6.88(d,J=8.0Hz,2H)、6.52(d,J=7.7Hz,1H)、6.50(d,J=8.3Hz,2H)、6.47−6.43(m,1H)、4.31−4.24(m,1H)、4.16−4.11(m,1H)、4.01−3.93(m,3H)、3.52−3.42(m,2H)、3.41−3.22(m,6H)、3.21(s,3H)、2.91−2.83(m,2H)、2.62(d,J=15.1Hz,1H)、2.43(dd,J=15.0、10.6Hz,1H)、2.14(dt,J=13.4、6.6Hz,1H)、2.04−1.95(m,J=13.2Hz,3H)、1.78−1.67(m,4H)、1.29(t,J=6.9Hz,3H);HPLC分析(アクイティ(Acquity)方法:RT=1.8分、HI:98.3%;hGPR40 EC
50=160nM;hGPR40 IP1 EC
50=39nM
【0281】
実施例13
2−((2R,4R)−1−(4−((1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(2−メトキシエトキシ)ピロリジン−2−イル)酢酸・TFA
【化52】
【0282】
実施例13(黄色の油、13.6mg)は、実施例11の操作に従って、1−ブロモ−2−メトキシエタンおよび3Cより調製された。LC−MS分析:C
28H
37FN
2O
6についての計算値:516.26、測定値[M+H]:517.1;
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6) δ 7.01(dd,J=8.8、12.5Hz,1H)、6.89(d,J=9.0Hz,2H)、6.56−6.44(m,4H)、4.32−4.24(m,1H)、4.19(t,J=4.9Hz,1H)、4.03−3.95(m,1H)、3.97(q,J=7.0Hz,2H)、3.63−3.50(m,2H)、3.49−3.44(m,2H)、3.30−3.23(m,3H)、3.28(s,3H)、2.92−2.84(m,2H)、2.69−2.58(m,1H)、2.48−2.43(m,2H)、2.19−2.10(m,1H)、2.06−1.95(m,3H)、1.77−1.67(m,2H)、1.30(t,J=7.0Hz,3H);HPLC分析(12分間の勾配、15分間の停止):RT=10.1分、HI:98.0%;hGPR40 EC
50=1000nM
【0283】
実施例14
2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸・HCl
【化53】
【0284】
実施例14(黄褐色の固体、38.0mg)は、実施例1の操作に従って、11Fから単一の異性体として調製された。LC−MS分析:C
31H
43FN
2O
6についての計算値:558.68、測定値[M+H]:559.2;
1H NMR(500MHz、CD
3CN) δ 8.04(dd,J=6.1、3.0Hz,1H)、7.83(d,J=9.1Hz,2H)、7.27(dd,J=12.1、9.1Hz,1H)、7.13(d,J=9.1Hz,2H)、7.02(dt,J=9.2、3.4Hz,1H)、4.41(td,J=10.2、4.1Hz,1H)、4.11−4.01(m,3H)、3.93(dt,J=11.3、5.6Hz,1H)、3.87(td,J=12.4、2.6Hz,1H)、3.83−3.75(m,2H)、3.72(d,J=12.1Hz,1H)、3.68−3.61(m,1H)、3.58−3.49(m,3H)、3.43(td,J=6.3、1.1Hz,2H)、3.26(s,3H)、3.05−2.97(m,1H)、2.97−2.88(m,1H)、2.81(dd,J=17.3、5.5Hz,1H)、2.58−2.46(m,1H)、2.45−2.33(m,2H)、1.77(quin,J=6.3Hz,2H)、1.37(t,J=7.0Hz,3H)、1.20(d,J=6.9Hz,3H)、1.09(d,J=6.6Hz,3H);HPLC分析:RT=11.2分、HI:95.8%;hGPR40 EC
50=51nM;hGPR40 IP1 EC
50=7nM
【0285】
実施例16
2−((2S,3S,4R)−1−(4−((1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)ピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−3−メチル−4−(3−(メチルスルホニル)プロポキシ)ピロリジン−2−イル)酢酸
【化54】
【0286】
16A. 3−(メチルチオ)プロピル 4−メチルベンゼンスルホナート:3−(メチルチオ)プロパン−1−オール(0.97mL、9.4ミリモル)、NEt
3(2.0mL、14ミリモル)、およびN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン(0.20mL、0.94ミリモル)のトルエン(9.4mL)中溶液を0℃に冷却した。TsCl(2.69g、14.1ミリモル)のトルエン(9.4mL)中溶液を滴下して加えた。反応混合物を加温して室温にし、3時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、16A(2.17g、8.31ミリモル、収率88%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
11H
16O
3S
2についての計算値:260.37、測定値[M+H]:261.0
【0287】
16B. 3−(メチルスルホニル)プロピル 4−メチルベンゼンスルホナート:16A(2.16g、8.31ミリモル)の0℃に冷却したMeOH(44mL)中溶液に、オキソン(OXONE)(登録商標)(10.2g、16.6ミリモル)の水(44mL)中溶液を添加した。その氷浴を徐々に室温にまで加温させ、反応混合物を3時間攪拌した。MeOHを減圧下で取り除き、反応混合物を水で希釈した。水層をEtOAc(3x)で抽出し、有機層を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)させて濃縮し、16B(2.39g、8.17ミリモル、収率98%)を白色の固体として得た。LC−MS分析:C
11H
16O
5S
2についての計算値:292.37、測定値[M+H]:293.0
【0288】
実施例16(8.4mg)は、実施例1の操作に従って、16Bおよび3Cより調製された。LC−MS分析:C
30H
41FN
2O
7Sについての計算値:592.72、測定値[M+H]:593.2;
1H NMR(500MHz、DMSO−d
6) δ 7.00(t,J=10.5Hz,1H)、6.88(d,J=7.4Hz,2H)、6.56−6.50(m,1H)、6.50−6.42(m,3H)、4.32−4.23(m,1H)、4.00−3.91(m,2H)、3.75(br.s,1H)、3.60(d,J=10.2Hz,1H)、3.54(d,J=6.6Hz,2H)、3.43−3.39(m,2H)、3.24(br.s,2H)、3.14(br.s,2H)、2.97(br.s,3H)、2.92−2.81(m,2H)、2.61(d,J=15.4Hz,1H)、2.48−2.41(m,1H)、2.32−2.22(m,1H)、2.04−1.96(m,2H)、1.95−1.88(m,2H)、1.77−1.66(m,J=8.3Hz,2H)、1.32−1.26(m,3H)、0.94(d,J=6.3Hz,3H);HPLC分析(アクイティ):RT=1.7分、HI:100%;hGPR40 EC
50=980nM
【0289】
実施例18(異性体1および異性体2)
2−((2S,3S,4R)−1−(6−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−イソブチルピペリジン−4−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化55】
【0290】
18A. エチル 1−ベンジル−3−イソブチル−4−オキソピペリジン−3−カルボキシラート:エチル 1−ベンジル−4−オキソピペリジン−3−カルボキシラート・HCl(9.27g、31.1ミリモル)のi−PrOH(31mL)中溶液に、KOtBu(72mL、72ミリモル)(i−PrOH中1M)および1−ヨード−2−メチルプロパン(5.4mL、47ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で20分間、次に75℃で12時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、飽和水性NH
4Cl中に注いだ。生成物をEtOAcで抽出し、塩水で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、18A(4.70g、14.8ミリモル、収率48%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
19H
27NO
3についての計算値:317.42、測定値[M+H]:318.2;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.35−7.29(m,4H)、7.29−7.27(m,1H)、3.58(s,2H)、3.44(dd,J=11.6、2.8Hz,1H)、3.07−2.93(m,1H)、2.92−2.78(m,1H)、2.47−2.33(m,2H)、2.23(d,J=11.4Hz,1H)、2.04(s,1H)、1.82−1.75(m,1H)、1.74−1.63(m,1H)、1.45(dd,J=13.9、5.9Hz,1H)、1.30−1.22(m,4H)、0.88(d,J=6.6Hz,3H)、0.83(d,J=6.6Hz,3H)
【0291】
18B. 1−ベンジル−3−イソブチルピペリジン−4−オン:18A(4.70g、14.8ミリモル)を入れたフラスコに、6M水性HCl(49mL、300ミリモル)を添加した。反応混合物を100℃で12時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、5N NaOH/氷水中に注ぎ、そのpHが約8になるまでさらなる5N NaOHを添加した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水および塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、18B(2.11g、8.60ミリモル、収率58%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
16H
23NOについての計算値:245.36、測定値[M+H]:246.2;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.38−7.31(m,4H)、7.30−7.27(m,1H)、3.72−3.62(m,1H)、3.60−3.50(m,1H)、3.05−2.91(m,2H)、2.63−2.46(m,3H)、2.44−2.35(m,1H)、2.23(dd,J=11.1、9.4Hz,1H)、1.72(ddd,J=13.9、7.9、6.2Hz,1H)、1.59−1.45(m,1H)、1.09(dt,J=13.8、6.8Hz,1H)、0.87(d,J=6.6Hz,3H)、0.84(d,J=6.6Hz,3H)
【0292】
18C. (3,4−シス)−1−ベンジル−3−イソブチルピペリジン−4−オール: 18B(1.51g、6.15ミリモル)の−78℃でのTHF(31mL)中溶液に、L−セレクトライド(9.2mL、9.2ミリモル)のTHF中1M溶液を添加した。反応混合物を−78℃で1.5時間攪拌し、次に1M水性NaOH(9.2mL、9.2ミリモル)でクエンチさせ、室温に加温した。30%水性H
2O
2(9.4mL、92ミリモル)を添加し、反応混合物を室温で0.5時間攪拌した。反応混合物をEtOAc/水で希釈し、層を分離した。水層をEtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、18C(0.66g、2.7ミリモル、収率43%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
16H
25NOについての計算値:247.38、測定値[M+H]:248.1;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.33−7.28(m,4H)、7.26−7.21(m,1H)、3.87(br.s,1H)、3.59−3.50(m,1H)、3.49−3.42(m,1H)、2.55(d,J=11.0Hz,1H)、2.47(d,J=8.6Hz,1H)、2.41−2.28(m,1H)、2.10(t,J=10.7Hz,1H)、1.87−1.70(m,3H)、1.65−1.55(m,2H)、1.24−1.17(m,2H)、0.87(d,J=6.6Hz,6H)
【0293】
18D. (3,4−シス)−3−イソブチルピペリジン−4−オール:18C(0.66g、2.7ミリモル)のMeOH(18mL)中溶液に、10%Pd/C(0.142g、0.133ミリモル)を添加した。混合物を抜き取り、H
2(3x)でパージし、次にH
2バルーン下で4時間攪拌した。反応混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、濃縮して18D(0.39g、2.480ミリモル、収率93%)を白色の固体として得た。LC−MS分析:C
9H
19NOについての計算値:157.25、測定値[M+H]:158.1;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 3.93(q,J=3.4Hz,1H)、3.04−2.90(m,1H)、2.77(dt,J=12.2、4.1Hz,1H)、2.72−2.67(m,2H)、1.76(br.s,2H)、1.74−1.67(m,3H)、1.67−1.57(m,1H)、1.24−1.08(m,2H)、0.89(d,J=6.6Hz,6H)
【0294】
18E. (3,4−シス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−イソブチルピペリジン−4−オール:18D(320mg、2.04ミリモル)およびK
2CO
3(1130mg、8.14ミリモル)のDMSO(4.1mL)中溶液に、1J(475mg、2.14ミリモル)を添加した。反応混合物を110℃で1時間、ついで90℃で一夜攪拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、有機層を水および塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、18E(493mg、1.65ミリモル、収率81%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
15H
23ClN
2O
2についての計算値:298.81、測定値[M+H]:299.1;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.93(s,1H)、6.26(s,1H)、3.97(d,J=3.3Hz,1H)、3.86(s,3H)、3.29−3.22(m,1H)、3.19(ddd,J=11.9、3.9、1.7Hz,1H)、3.06(td,J=11.8、3.1Hz,1H)、2.77(t,J=11.2Hz,1H)、1.99−1.88(m,2H)、1.88−1.80(m,1H)、1.70(br.s,1H)、1.68−1.58(m,1H)、1.23−1.18(m,2H)、0.91(d,J=4.0Hz,3H)、0.89(d,J=4.2Hz,3H)
【0295】
実施例18(異性体1および異性体2)は、実施例2の操作に従って、18Eより調製され、つづいてキラルSFCに付して2つの異性体を分離した。実施例18(異性体1、19.4mg);LC−MS分析:C
31H
45ClN
4O
6についての計算値:605.17、測定値[M+]:605.30;
1H NMR(500MHz、DMSO−d
6) δ 8.02(s,1H)、7.43(br.s,1H)、7.04(d,J=8.8Hz,1H)、6.70(d,J=8.8Hz,1H)、6.43(s,1H)、4.72(br.s,1H)、3.81(s,3H)、3.73(br.s,1H)、3.66−3.54(m,3H)、3.51−3.37(m,6H)、3.21(s,3H)、2.99−2.83(m,2H)、2.58(d,J=15.1Hz,2H)、2.36−2.23(m,1H)、2.17(d,J=11.6Hz,1H)、2.01−1.86(m,1H)、1.78−1.50(m,4H)、1.39(t,J=10.9Hz,1H)、1.13(d,J=9.1Hz,1H)、1.00−0.77(m,9H);HPLC分析(アクイティ):RT=1.9分、HI:97.4%;hGPR40 EC
50=1300nM。実施例18(異性体2、19.2mg);LC−MS分析:C
31H
45ClN
4O
6についての計算値:605.17、測定値[M+]:605.30;
1H NMR(500MHz、DMSO−d
6) δ 8.02(s,1H)、7.52−7.33(m,1H)、7.11−6.96(m,1H)、6.77−6.69(m,1H)、6.43(s,1H)、4.83−4.58(m,1H)、3.81(s,3H)、3.74−3.70(m,1H)、3.63−3.44(m,4H)、3.41−3.30(m,5H)、3.21(s,3H)、2.89(s,2H)、2.63−2.51(m,2H)、2.31−2.24(m,1H)、2.21−2.09(m,1H)、2.00−1.86(m,1H)、1.77−1.68(m,2H)、1.65−1.57(m,2H)、1.46−1.31(m,1H)、1.21−1.06(m,1H)、1.01−0.69(m,9H);HPLC分析(アクイティ):RT=1.9分、HI:97.7%;hGPR40 EC
50=290nM
【0296】
実施例19(異性体1および異性体2)
2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−イソブチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化56】
【0297】
実施例19(異性体1および異性体2)は、実施例18の操作に従って、4−ヨードフェノールより調製された。実施例19(異性体1、12.6mg);LC−MS分析:C
32H
46ClN
3O
6についての計算値:604.18、測定値[M+]:604.3;
1H NMR(500MHz、DMSO−d
6) δ 8.02(s,1H)、6.87(d,J=8.0Hz,2H)、6.47(d,J=8.3Hz,2H)、6.41(s,1H)、3.95−3.85(m,1H)、3.80(s,3H)、3.72(br.s,1H)、3.62−3.52(m,2H)、3.50−3.44(m,3H)、3.34−3.25(m,3H)、3.20(s,3H)、2.95−2.83(m,1H)、2.65−2.52(m,3H)、2.26(q,J=6.8Hz,1H)、2.11−2.01(m,1H)、1.94−1.85(m,1H)、1.77−1.55(m,4H)、1.50(t,J=10.6Hz,1H)、1.26−1.15(m,2H)、0.93(d,J=7.2Hz,3H)、0.88(d,J=6.3Hz,6H);HPLC分析(アクイティ):RT=2.2分、HI:94.3%;hGPR40 EC
50=1500nM。実施例19(異性体2、12.9mg);LC−MS分析:C
32H
46ClN
3O
6についての計算値:604.18、測定値[M+]:604.4;
1H NMR(500MHz、DMSO−d
6) δ 8.02(s,1H)、6.87(d,J=8.0Hz,2H)、6.47(d,J=8.0Hz,2H)、6.41(s,1H)、3.94−3.87(m,1H)、3.80(s,3H)、3.72(d,J=3.0Hz,1H)、3.61−3.41(m,6H)、3.34−3.28(m,2H)、3.20(s,3H)、2.93−2.85(m,1H)、2.64−2.51(m,3H)、2.30−2.23(m,1H)、2.08(d,J=11.0Hz,1H)、1.88(d,J=4.4Hz,1H)、1.77−1.55(m,4H)、1.49(t,J=10.9Hz,1H)、1.26−1.16(m,2H)、0.93(d,J=6.9Hz,3H)、0.88(d,J=6.3Hz,6H);HPLC分析(アクイティ):RT=2.2分、HI:96.6%;hGPR40 EC
50=230nM
【0298】
実施例20
2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−エトキシ−2−フルオロフェニル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)−3−フルオロフェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化57】
【0299】
実施例20(白色の固体、43mg)は、実施例14の操作に従って、2−フルオロ−4−ヨードフェノールより単一の異性体として調製された。LC−MS分析:C
31H
42F
2N
2O
6についての計算値:576.67、測定値[M+H]:577.3;
1H NMR(400MHz、CD
2Cl
2) δ 6.97−6.83(m,2H)、6.47(dd,J=7.4、3.0Hz,1H)、6.40−6.30(m,2H)、6.27(dd,J=8.8、1.8Hz,1H)、3.94(q,J=7.0Hz,2H)、3.73(d,J=4.0Hz,2H)、3.62(td,J=9.1、4.2Hz,1H)、3.59−3.34(m,9H)、3.28(s,3H)、2.85−2.73(m,1H)、2.67(td,J=11.6、2.5Hz,1H)、2.49(dd,J=12.1、9.9Hz,1H)、2.45−2.36(m,1H)、2.12−1.99(m,2H)、1.87−1.71(m,3H)、1.35(t,J=7.0Hz,3H)、1.12(d,J=6.6Hz,3H)、0.99(d,J=7.0Hz,3H);HPLC分析(ZORBAX(登録商標)、0%Bで開始):RT=8.5分、HI:100%;hGPR40 EC
50=110nM
【0300】
実施例21(異性体1および異性体2)
2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシ−2−メチルプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化58】
【0301】
実施例21は、実施例1の操作に従って、3−ブロモ−2−メチルプロパ−1−エンより調製された。2つの異性体はキラルSFCにより分離された。実施例21(異性体1、27.4mg);LC−MS分析:C
30H
42ClN
3O
6についての計算値:576.12、測定値[M+]:576.3;
1H NMR(500MHz、DMSO−d
6) δ 8.01(br.s,1H)、6.88(d,J=7.7Hz,2H)、6.47(d,J=7.7Hz,2H)、6.40(br.s,1H)、3.92−3.83(m,1H)、3.80(br.s,3H)、3.70(br.s,1H)、3.59(d,J=9.4Hz,1H)、3.35−3.22(m,7H)、3.20(br.s,3H)、3.17(br.s,1H)、2.88−2.80(m,1H)、2.69−2.61(m,1H)、2.60−2.52(m,1H)、2.27(d,J=7.2Hz,1H)、2.08(d,J=12.1Hz,1H)、1.91(d,J=6.1Hz,2H)、1.57(d,J=11.0Hz,1H)、1.29−1.19(m,1H)、1.04(d,J=5.8Hz,3H)、0.92(d,J=6.3Hz,3H)、0.87(d,J=6.3Hz,3H);HPLC分析(アクイティ):RT=2.0分、HI:94.6%;hGPR40 EC
50=120nM。第2の異性体はRP−プレパラティブHPLCに付して再び精製され、実施例21(異性体2・TFA、26.8mg)を得た。LC−MS分析:C
30H
42ClN
3O
6についての計算値:576.12、測定値[M+]:576.3;
1H NMR(500MHz、DMSO−d
6) δ 8.02(br.s,1H)、6.88(d,J=7.2Hz,2H)、6.49(d,J=7.4Hz,2H)、6.40(br.s,1H)、3.86(br.s,1H)、3.80(br.s,3H)、3.71(br.s,1H)、3.43−3.23(m,8H)、3.21(br.s,3H)、3.17(br.s,1H)、2.87−2.81(m,1H)、2.69−2.53(m,3H)、2.26(d,J=6.6Hz,1H)、2.08(d,J=12.4Hz,1H)、1.92(d,J=4.7Hz,2H)、1.58(d,J=10.7Hz,1H)、1.05(d,J=4.7Hz,3H)、0.93(d,J=6.1Hz,3H)、0.87(d,J=5.0Hz,3H);HPLC分析(アクイティ):RT=2.0分、HI:94.6%;hGPR40 EC
50=100nM
【0302】
実施例22
2−((2S,3S,4R)−1−(6−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)−5−フルオロピリジン−3−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)
酢酸
【化59】
【0303】
22A. 2−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)−3−フルオロ−5−ヨードピリジン:1P(異性体1、410mg、1.60ミリモル)の0℃でのDMF(7mL)中溶液に、60%NaH(96mg、2.4ミリモル)を添加した。反応混合物を0℃で10分間攪拌し、次に室温で20分間加温した。反応混合物を再び0℃に冷却し、2,3−ジフルオロ−5−ヨードピリジン(385mg、1.60ミリモル)を加えた。反応混合物を加温して室温にし、105分間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、飽和水性NH
4Clでクエンチした。反応混合物をEtOAc/水の間に分配した。水相をEtOAc(2x)で抽出した。有機抽出液を合わせ、水および塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、22A(532mg、1.11ミリモル、収率70%)をベージュ色の固体として得た。LC−MS分析:C
17H
18ClFIN
3O
2についての計算値:477.70、測定値[M+H]:478.0;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 8.08(d,J=1.8Hz,1H)、7.99(s,1H)、7.61(dd,J=9.1、1.9Hz,1H)、6.28(s,1H)、4.91(td,J=9.2、4.4Hz,1H)、3.92(s,3H)、3.64−3.53(m,2H)、3.01−2.90(m,1H)、2.68(dd,J=12.3、9.7Hz,1H)、2.34−2.19(m,2H)、1.95−1.81(m,1H)、1.06(d,J=6.6Hz,3H)
【0304】
22B. ((2R,3S,4R)−1−(6−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)−5−フルオロピリジン−3−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)メタノール、および((2R,3S,4R)−1−(5−ブトキシ−6−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)メタノール:22A(72.8mg、0.153ミリモル)を含む圧力バイアルに、1H(31mg、0.15ミリモル)、CuI(5.8mg、0.031ミリモル)とNaOH(18.3mg、0.458ミリモル)、およびn−BuOH(1mL)を添加した。得られた懸濁液にアルゴンを2分間通気して密封し、90℃で16時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈し、CH
2Cl
2(3x)で抽出した。有機抽出液を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。残渣をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、((2R,3S,4R)−1−(6−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)−5−フルオロピリジン−3−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)メタノール(54mg、0.083ミリモル、収率54%)および((2R,3S,4R)−1−(5−ブトキシ−6−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)メタノール(約13%)を分離できない混合物として得た。((2R,3S,4R)−1−(6−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)−5−フルオロピリジン−3−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)メタノール;LC−MS分析:C
27H
38ClFN
4O
5についての計算値:553.07、測定値[M+]:553.3。((2R,3S,4R)−1−(5−ブトキシ−6−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)メタノール. LC−MS分析:C
31H
47ClN
4O
6についての計算値:606.32、測定値[M+H]:607.3
【0305】
実施例22(灰白色の固体、22.1mg)は、実施例1の操作に従って、22Bの分離できない混合物より単一の異性体として調製された。LC−MS分析:C
28H
38ClFN
4O
6についての計算値:581.08、測定値[M+]:581.3;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.98(s,1H)、7.28(d,J=2.6Hz,1H)、6.77(dd,J=12.3、2.6Hz,1H)、6.28(s,1H)、4.76(td,J=9.1、4.1Hz,1H)、3.90(s,3H)、3.76(br.s,1H)、3.73(dd,J=8.3、5.4Hz,1H)、3.64−3.42(m,8H)、3.33(s,3H)、2.94(t,J=10.5Hz,1H)、2.84−2.78(m,2H)、2.71−2.61(m,1H)、2.45(q,J=7.2Hz,1H)、2.33−2.18(m,2H)、1.92−1.79(m,3H)、1.07(d,J=6.8Hz,3H)、1.02(d,J=7.3Hz,3H);HPLC分析(ZORBAX(登録商標)、50%Bで開始):RT=7.3分、HI:96.3%;hGPR40 EC
50=89nM
【0306】
実施例23
2−((2S,3S,4R)−1−(5−ブトキシ−6−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)ピリジン−3−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸・TFA
【化60】
【0307】
実施例23(灰色の固体、2.6mg)は、実施例22の調製の間に、単一の異性体の副生成物として単離された。LC−MS分析:C
32H
47ClN
4O
7についての計算値:635.19、測定値[M+]:635.4;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 8.11(s,1H)、7.21(s,1H)、6.88(s,1H)、6.30(d,J=13.0Hz,1H)、4.90−4.76(m,1H)、4.09(br.s,1H)、4.01(s,3H)、3.89−3.64(m,3H)、3.61−3.43(m,5H)、3.34(s,3H)、3.30(br.s,1H)、3.23−3.02(m,1H)、2.99−2.68(m,2H)、2.61−2.43(m,2H)、2.41−2.16(m,2H)、2.02−1.70(m,7H)、1.58−1.42(m,2H)、1.13(d,J=6.6Hz,3H)、1.05−0.97(m,6H);HPLC分析(ZORBAX(登録商標)、50%Bで開始):RT=8.0分、HI:93.5%;hGPR40 EC
50=110nM
【0308】
実施例24
2−((2S,3S,4R)−1−(6−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化61】
【0309】
24A.(3,4−トランス)−1−ベンジル−3−メチルピペリジン−4−オール:1−ベンジル−3−メチルピペリジン−4−オン(27.0g、133ミリモル)のMeOH(80mL)および水(200mL)中溶液に、10℃でリン酸(10.0mL、146ミリモル)を添加した。この混合物に、NaBH
4(10.1g、266ミリモル)を1時間にわたって小分けして加えた。反応混合物をゆっくりと加温して室温にし、一夜攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、10%水性NaOH(5mL)で塩基性にした。生成物をEtOAc(3x150mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥(Na
2SO
4)させて濃縮し、24A(27.3g、133ミリモル、収率100%)を褐色のガム状物として得た。LC−MS分析:C
13H
19NOについての計算値:205.30、測定値[M+H]:206.2;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.36−7.28(m,4H)、7.26−7.21(m,1H)、3.48(s,2H)、3.20−3.09(m,1H)、2.91−2.83(m,1H)、2.82−2.75(m,1H)、2.03(td,J=11.8、2.5Hz,1H)、1.94−1.85(m,1H)、1.76−1.68(m,1H)、1.67−1.57(m,2H)、1.37(d,J=5.0Hz,1H)、0.96(d,J=6.0Hz,3H)
【0310】
24B. (3,4−トランス)−1−ベンジル−3−メチルピペリジン−4−オール(異性体1および異性体2):24A(37.0g、180ミリモル)はキラルSFCに供して精製され、24B(異性体1および異性体2)を褐色の油状物として得た。24B(異性体1、16.0g、78.0ミリモル、収率43%);LC−MS分析:C
13H
19NOについての計算値:205.30、測定値[M+H]:206.0;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.36−7.29(m,4H)、7.26−7.21(m,1H)、3.48(s,2H)、3.15(br.s,1H)、2.91−2.83(m,1H)、2.79(dt,J=11.0、3.0Hz,1H)、2.03(td,J=11.8、2.5Hz,1H)、1.90(ddt,J=12.5、4.5、3.0Hz,1H)、1.75−1.67(m,1H)、1.67−1.57(m,2H)、1.38(br.s,1H)、0.96(d,J=6.0Hz,3H)。24B(異性体2、14.0g、68.2ミリモル、収率38%);LC−MS分析:C
13H
19NOについての計算値:205.30、測定値[M+H]:206.2;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.35−7.29(m,4H)、7.26−7.22(m,1H)、3.48(s,2H)、3.14(td,J=9.9、4.8Hz,1H)、2.91−2.83(m,1H)、2.79(dt,J=10.9、2.8Hz,1H)、2.03(td,J=11.8、2.5Hz,1H)、1.90(ddt,J=12.4、4.8、2.9Hz,1H)、1.75−1.67(m,1H)、1.67−1.56(m,3H)、0.95(d,J=6.0Hz,3H)
【0311】
24C. (3,4−トランス)−3−メチルピペリジン−4−オール:24B(異性体2、14.0g、68.2ミリモル)のMeOH(150mL)中溶液に、10%Pd/C(3.63g)を添加した。反応混合物をH
2(1気圧)の室温下で一夜にわたって攪拌した。反応混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、濾液を濃縮し、24C(7.50g、65.1ミリモル、収率95%)を灰白色の固体として得た。
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 3.21(td,J=10.1、4.4Hz,1H)、3.09(ddt,J=12.6、4.2、2.4Hz,1H)、3.00(ddd,J=12.7、4.2、1.6Hz,1H)、2.62(td,J=12.5、2.8Hz,1H)、2.31−2.18(m,1H)、1.99−1.88(m,1H)、1.48−1.31(m,2H)、0.97(d,J=6.5Hz,3H)
【0312】
24D. (3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−オール:24C(7.50g、65.1ミリモル)の0℃でのDMSO(50mL)中溶液に、K
2CO
3(14g、98ミリモル)を添加した。15分間攪拌した後、1J(14.5g、65.1ミリモル)を加え、反応混合物を110℃で一夜加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(3x100mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥(Na
2SO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、24D(13.2g、51.4ミリモル、収率79%)を褐色の油状物として得た。LC−MS分析:C
12H
17ClN
2O
2についての計算値:256.73、測定値[M+H]:257.0;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.96(s,1H)、6.25(s,1H)、3.88(s,3H)、3.63−3.53(m,1H)、3.49(ddd,J=12.3、4.0、2.8Hz,1H)、3.34(tt,J=9.7、4.8Hz,1H)、2.76(td,J=11.8、2.5Hz,1H)、2.43(dd,J=12.0、10.5Hz,1H)、2.08−2.01(m,1H)、1.86−1.67(m,2H)、1.49(d,J=5.5Hz,1H)、1.06(d,J=7.0Hz,3H)
【0313】
24E. 2−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)−5−ヨード−3−(トリフルオロメチル)ピリジン:24D(220mg、0.857ミリモル)の室温でのDMF(4mL)中溶液に、60%NaH(103mg、2.57ミリモル)を添加し、反応混合物を15分間攪拌した。2−クロロ−5−ヨード−3−(トリフルオロメチル)ピリジン(277mg、0.900ミリモル)を加え、得られた混合物を120℃で12時間攪拌した。その反応物を飽和水性NaHCO
3でクエンチさせ、EtOAc(3x25mL)で抽出した。有機抽出液を合わせ、水(3x)および塩水で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)させて濃縮し、粗生成物を得た。シリカクロマトグラフィーに付して精製し、24E(260mg、0.493ミリモル、収率58%)を白色の油状物として得た。LC−MS分析:C
18H
18ClF
3IN
3O
2についての計算値:527.71、測定値[M+H]:528.2;
1H NMR(400MHz、CD
2Cl
2) δ 8.56−8.43(m,1H)、8.19−8.07(m,1H)、7.96(s,1H)、6.30(s,1H)、4.98(td,J=9.0、4.3Hz,1H)、3.86(s,3H)、3.52(dt,J=12.2、1.9Hz,2H)、2.95(ddd,J=12.6、10.3、2.9Hz,1H)、2.69(dd,J=12.3、9.2Hz,1H)、2.32(dtd,J=12.7、4.6、3.1Hz,1H)、2.27−2.13(m,1H)、1.93−1.77(m,1H)、1.06(d,J=6.6Hz,3H)
【0314】
実施例24(白色の固体、14mg)は、実施例1の操作に従って、24Eより単一の異性体として調製された。LC−MS分析:C
29H
38ClF
3N
4O
6についての計算値:631.08、測定値[M+H]:631.3;
1H NMR(400MHz、CD
2Cl
2) δ 7.95(s,1H)、7.68(d,J=2.4Hz,1H)、7.20(d,J=2.6Hz,1H)、6.29(s,1H)、4.84(td,J=8.8、4.2Hz,1H)、3.86(s,3H)、3.77(br.s,2H)、3.63−3.55(m,1H)、3.54−3.38(m,7H)、3.29(s,3H)、2.98−2.87(m,1H)、2.76(br.s,2H)、2.66(dd,J=12.2、9.4Hz,1H)、2.45(q,J=6.2Hz,1H)、2.34−2.25(m,1H)、2.22−2.09(m,1H)、1.88−1.73(m,3H)、1.04(d,J=6.6Hz,3H)、1.01(d,J=7.0Hz,3H);HPLC分析:RT=12.5分、HI:95.4%;hGPR40 EC
50=65nM
【0315】
実施例25
2−((2S,3S,4R)−1−(6−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)−5−メチルピリジン−3−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化62】
【0316】
実施例25(黄色の油、5mg)は、実施例24の操作に従って、2−クロロ−5−ヨード−3−メチルピリジンより単一の異性体として調製された。LC−MS分析:C
29H
41ClN
4O
6についての計算値:577.11、測定値[M+]:577.4;
1H NMR(400MHz、CD
2Cl
2) δ 7.93(s,1H)、7.36(br.s,1H)、6.89(br.s,1H)、6.28(s,1H)、4.74(td,J=9.0、4.1Hz,1H)、3.85(s,3H)、3.77−3.69(m,1H)、3.65(d,J=6.4Hz,1H)、3.59−3.38(m,9H)、3.28(s,3H)、2.99−2.84(m,2H)、2.64(dd,J=12.2、9.6Hz,1H)、2.36(br.s,1H)、2.32−2.23(m,1H)、2.17(s,3H)、2.13−2.05(m,1H)、1.86−1.66(m,3H)、1.06−0.97(m,6H);HPLC分析(ZORBAX(登録商標)、0%Bで開始):RT=8.6分、HI:95.6%;hGPR40 EC
50=300nM
【0317】
実施例26
2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)−2−フルオロフェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化63】
【0318】
実施例26(無色の油、25mg)は、実施例1の操作に従って、3−フルオロ−4−ヨードフェノールより単一の異性体として調製された。LC−MS分析:C
29H
39ClFN
3O
6についての計算値:580.09、測定値[M+]:580.4;
1H NMR(500MHz、CD
2Cl
2) δ 7.96(s,1H)、6.99(t,J=9.1Hz,1H)、6.79−6.67(m,2H)、6.29(s,1H)、3.93(td,J=8.8、4.1Hz,1H)、3.86(s,3H)、3.72−3.64(m,1H)、3.57−3.48(m,5H)、3.47−3.42(m,3H)、3.31(s,3H)、3.24(dd,J=10.5、6.6Hz,1H)、2.94−2.84(m,1H)、2.65(dd,J=12.4、9.4Hz,1H)、2.59(dd,J=16.8、5.5Hz,1H)、2.52(dd,J=16.8、2.5Hz,1H)、2.23−2.16(m,1H)、2.16−2.09(m,2H)、1.87−1.74(m,3H)、1.18(d,J=6.9Hz,3H)、1.10(d,J=6.6Hz,3H);HPLC分析:RT=11.4分、HI:99.0%;hGPR40 EC
50=110nM
【0319】
実施例27
2−((2R,3S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)−2−フルオロフェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化64】
【0320】
実施例27(黄色の油、6.6mg)は、実施例26の調製の間に、少量の副生成物の単一の異性体として得られた。LC−MS分析:C
29H
39ClFN
3O
6についての計算値:580.09、測定値[M+]:580.4;
1H NMR(500MHz、CD
2Cl
2) δ 7.96(br.s,1H)、7.00(t,J=9.4Hz,1H)、6.75−6.66(m,2H)、6.29(s,1H)、4.18−4.10(m,1H)、3.92−3.87(m,2H)、3.86(s,3H)、3.71−3.67(m,1H)、3.54−3.48(m,3H)、3.48−3.43(m,1H)、3.40−3.35(m,2H)、3.24(s,3H)、2.99(d,J=11.0Hz,1H)、2.92−2.78(m,1H)、2.69−2.61(m,1H)、2.59−2.49(m,2H)、2.43(dd,J=16.8、8.0Hz,1H)、2.24−2.16(m,1H)、2.15−2.07(m,1H)、1.84−1.73(m,3H)、1.10(d,J=6.9Hz,3H)、1.07(d,J=7.4Hz,3H);HPLC分析:RT=11.3分、HI:99.0%;hGPR40 EC
50=2000nM
【0321】
実施例28
2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−((2−メトキシエトキシ)メトキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化65】
【0322】
実施例28(灰白色の泡沫体、8mg)は、実施例2の操作に従って、2−メトキシエトキシメチルクロリドより単一の異性体として調製された。LC−MS分析:C
29H
40ClN
3O
7についての計算値:578.10、測定値[M+]:578.4;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.97(s,1H)、6.90(d,J=9.0Hz,2H)、6.63(d,J=9.0Hz,2H)、6.27(s,1H)、4.79(d,J=1.1Hz,2H)、4.03(dt,J=5.0、2.4Hz,1H)、3.89(s,3H)、3.81(td,J=8.6、4.1Hz,1H)、3.75−3.71(m,2H)、3.68(dt,J=8.8、3.0Hz,1H)、3.60−3.55(m,2H)、3.55−3.45(m,4H)、3.40(s,3H)、2.88−2.72(m,3H)、2.63(dd,J=12.3、9.2Hz,1H)、2.40−2.32(m,1H)、2.22−2.08(m,2H)、1.87−1.76(m,1H)、1.14(d,J=6.8Hz,3H)、1.08(d,J=7.3Hz,3H);HPLC分析:RT=9.4分、HI:99.0%;hGPR40 EC
50=180nM
【0323】
実施例29
2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−エトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸・TFA
【化66】
【0324】
実施例29(褐色の固体、45mg)は、実施例1の操作に従って、ヨウ化エチルより単一の異性体として調製された。LC−MS分析:C
30H
42ClN
3O
6についての計算値:576.12、測定値[M+]:576.2;
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6) δ 8.02(s,1H)、6.88(d,J=9.0Hz,2H)、6.48(d,J=9.0Hz,2H)、6.40(s,1H)、3.86(td,J=8.8、4.0Hz,2H)、3.81(s,3H)、3.73(d,J=5.0Hz,2H)、3.62−3.57(m,3H)、3.51−3.43(m,3H)、3.42−3.31(m,4H)、2.94−2.80(m,1H)、2.69−2.57(m,2H)、2.30−2.23(m,1H)、2.12−2.05(m,1H)、2.00−1.89(m,1H)、1.72(quin,J=6.4Hz,2H)、1.65−1.53(m,1H)、1.09(t,J=7.0Hz,3H)、1.05(d,J=6.5Hz,3H)、0.94(d,J=7.5Hz,3H);HPLC分析:RT=12.9分、HI:99.0%;hGPR40 EC
50=220nM
【0325】
実施例30
2−((2S,3S,4R)−1−(6−((1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)オキシ)−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化67】
【0326】
実施例30(白色の固体、4mg)は、実施例24の操作に従って、4Aより調製された。LC−MS分析:C
28H
36ClF
3N
4O
6についての計算値:617.06、測定値[M+]:617.3;
1H NMR(400MHz、CD
2Cl
2) δ 7.94(s,1H)、7.67(d,J=2.6Hz,1H)、7.18(d,J=3.1Hz,1H)、6.30(s,1H)、3.85(s,3H)、3.77(br.s,2H)、3.58(dt,J=9.0、6.4Hz,1H)、3.53−3.42(m,5H)、3.41(s,3H)、3.36−3.30(m,1H)、3.29(s,3H)、3.17−3.09(m,2H)、2.76(br.s,1H)、2.47−2.38(m,1H)、2.15−2.06(m,2H)、2.01−1.93(m,2H)、1.81(quin,J=6.2Hz,2H)、1.00(d,J=7.3Hz,3H);HPLC分析:RT=11.8分、HI:98.0%;hGPR40 EC
50=61nM
【0327】
実施例31
2−((2S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3,3−ジメチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化68】
【0328】
31A.(R)−2−ベンジル 1−tert−ブチル 3,3−ジメチル−4−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシラート:(R)−2−ベンジル 1−tert−ブチル 4−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシラート(3.00g、9.39ミリモル)の−78℃でのTHF(35mL)中溶液に、LiHMDSのTHF中1M溶液(10.3mL、10.3ミリモル)を添加した。反応混合物を−78℃で1時間攪拌した。MeI(2.9mL、47ミリモル)を一度に添加した。冷却浴を取り外し、反応混合物をゆっくりと加温して室温にし、2時間攪拌した。反応物を飽和水性NH
4Clでクエンチし、EtOAcで希釈し、水および塩水で洗浄し、乾燥かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、31A(506mg、1.46ミリモル、収率16%)を白色の泡沫体として得た。LC−MS分析:C
19H
25NO
5についての計算値:347.41、測定値[M+H−Boc]:248.2;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.18(br.s,5H)、5.17−4.86(m,2H)、4.34−4.11(m,1H)、3.98−3.72(m,2H)、1.33−1.20(m,9H)、1.14−1.09(m,3H)、0.87−0.82(m,3H)
【0329】
31B. (2R)−2−ベンジル 1−tert−ブチル 4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルピロリジン−1,2−ジカルボキシラート:31A(500mg、1.44ミリモル)のTHF(5mL)中溶液に、NaBH
4(218mg、5.76ミリモル)の0℃でのMeOH(5mL)中懸濁液を添加した。反応混合物を0℃で1.5時間攪拌した。反応物を飽和水性NH
4Clでクエンチし、EtOAc/水で希釈した。層を分離し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、31B(453mg、1.30ミリモル、収率90%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
19H
27NO
5についての計算値:349.42、測定値[M+H−Boc]:250.2;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.48−7.29(m,5H)、5.42−5.06(m,2H)、4.07−3.87(m,1H)、3.85−3.59(m,3H)、1.52−1.31(m,9H)、1.12(d,J=4.4Hz,3H)、1.03(d,J=12.1Hz,3H)
【0330】
実施例31(白色の固体、17mg)は、実施例1の操作に従って、31Bより単一の異性体として調製された。LC−MS分析:C
30H
42ClN
3O
6についての計算値:576.12、測定値[M+]:576.5;
1H NMR(500MHz、メタノール−d4) δ 7.91(s,1H)、6.88(d,J=8.8Hz,2H)、6.52(d,J=9.1Hz,2H)、6.36(s,1H)、3.85(s,3H)、3.84−3.78(m,2H)、3.63(dt,J=9.1、6.1Hz,1H)、3.55−3.47(m,5H)、3.45(dt,J=9.1、6.0Hz,1H)、3.41−3.37(m,2H)、3.32(s,3H)、2.90−2.82(m,2H)、2.63(dd,J=12.2、9.7Hz,1H)、2.52(dd,J=16.7、2.3Hz,1H)、2.20−2.13(m,1H)、2.09−1.98(m,1H)、1.82(quin,J=6.2Hz,2H)、1.75−1.65(m,1H)、1.16(s,3H)、1.13(d,J=6.6Hz,3H)、0.98(s,3H);HPLC分析(ZORBAX(登録商標)、0%Bで開始):RT=8.6分、HI:99.0%;hGPR40 EC
50=310nM
【0331】
実施例32
2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−シアノプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化69】
【0332】
32A.(2R,3S,4R)−1−ベンジル 2−メチル 4−(3−(メトキシメトキシ)プロポキシ)−3−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシラート:1E(0.130g、0.370ミリモル)の−10℃でのCH
2Cl
2(3mL)中攪拌溶液に、DIPEA(0.32mL、1.9ミリモル)およびクロロメチルメチルエーテル(0.070mL、0.93ミリモル)を窒素下で連続して添加した。反応混合物を加温して室温にし、一夜攪拌した。反応混合物をCH
2Cl
2(2x)で抽出し、飽和水性NaHCO
3、水、および塩水で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、32A(0.100g、0.253ミリモル、収率68%)をガム状の油状物として得た。LC−MS分析:C
20H
29NO
7についての計算値:395.45、測定値[M+H
2O]:413.0;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.43−7.27(m,5H)、5.26−4.97(m,2H)、4.71−4.56(m,2H)、4.13−3.94(m,1H)、3.74(s,3H)、3.61−3.53(m,4H)、3.53−3.39(m,3H)、3.34(d,J=3.5Hz,3H)、2.57−2.42(m,1H)、1.88−1.70(m,2H)、1.13(dd,J=7.0、2.0Hz,3H)
【0333】
32B. 2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−(メトキシメトキシ)プロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸:32Bは、実施例2の操作に従って、32Aより調製された。LC−MS分析:C
30H
42ClN
3O
7についての計算値:592.12、測定値[M+]:592.4;
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6) δ 12.20(br.s,1H)、8.01(s,1H)、6.92−6.85(m,2H)、6.48(d,J=9.0Hz,2H)、6.40(s,1H)、4.56−4.50(m,2H)、3.86(td,J=8.9、4.3Hz,1H)、3.81(s,3H)、3.73(d,J=4.0Hz,1H)、3.60(d,J=7.5Hz,1H)、3.56−3.42(m,6H)、3.42−3.34(m,2H)、3.27−3.20(m,3H)、2.94−2.78(m,1H)、2.75−2.56(m,2H)、2.32−2.21(m,1H)、2.15−2.02(m,1H)、2.00−1.91(m,2H)、1.76(quin,J=6.3Hz,2H)、1.65−1.51(m,1H)、1.05(d,J=6.5Hz,3H)、0.94(d,J=7.5Hz,3H)
【0334】
32C. エチル 2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−ヒドロキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)アセタート:32B(0.035g、0.059ミリモル)のEtOH(2mL)中溶液に、H
2SO
4(0.032mL、0.59ミリモル)を添加した。反応混合物を80℃で2時間加熱した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(3x)で抽出した。有機抽出液を合わせ、乾燥(Na
2SO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をシリカクロマトグラフィーに付して精製し、32C(0.017g、0.030ミリモル、収率50%)を褐色のガム状の油状物として得た。LC−MS分析:C
30H
42ClN
3O
6についての計算値:576.12、測定値[M+]:576.4
【0335】
32D. エチル 2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−3−メチル−4−(3−((メチルスルホニル)オキシ)プロポキシ)ピロリジン−2−イル)アセタート:32C(0.015g、0.026ミリモル)の0℃でのCH
2Cl
2(10mL)中溶液に、NEt
3(11μl、0.078ミリモル)、MsCl(4.1μl、0.052ミリモル)、およびDMAP(3.2μg、0.026マイクロモル)を加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、CH
2Cl
2で抽出した。有機層を1.5N水性HCl、10%水性NaHCO
3、および塩水で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)させて濃縮し、32D(0.016g、0.024ミリモル、収率94%)を褐色の油状物として得、それをさらに精製することなく使用した。LC−MS分析:C
31H
44ClN
3O8Sについての計算値:654.21、測定値[M+]:654.2
【0336】
32E. エチル 2−((2S,3S,4R)−1−(4−(((3,4−トランス)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)フェニル)−4−(3−シアノプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)アセタート:32D(0.016g、0.024ミリモル)のDMSO(10mL)中溶液に、NaCN(0.012g、0.25ミリモル)を添加した。反応混合物を50℃で一夜加熱した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)させ濃縮し、32E(0.0080g、0.014ミリモル、収率56%)を褐色の油状物として得た。LC−MS分析:C
31H
41ClN
4O
5についての計算値:585.13、測定値[M+]:585.2
【0337】
実施例32(褐色の固体、15mg)は、実施例1の操作に従って、32Eより調製された。LC−MS分析:C
31H
41ClN
4O
5についての計算値:585.13、測定値[M+]:585.2;
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6) δ 8.01(s,1H)、6.88(d,J=9.0Hz,2H)、6.48(d,J=9.0Hz,2H)、6.40(s,1H)、3.86(td,J=8.9、4.3Hz,1H)、3.81(s,3H)、3.76(d,J=4.5Hz,1H)、3.61(d,J=10.5Hz,1H)、3.56−3.48(m,2H)、3.47(d,J=3.5Hz,1H)、3.44(d,J=2.5Hz,1H)、3.42−3.38(m,1H)、3.35(br.s,2H)、2.86(t,J=10.3Hz,1H)、2.71−2.56(m,2H)、2.55−2.52(m,1H)、2.47−2.38(m,1H)、2.28(q,J=7.4Hz,1H)、2.14−2.02(m,1H)、2.00−1.87(m,1H)、1.86−1.74(m,2H)、1.68−1.49(m,1H)、1.05(d,J=6.5Hz,3H)、0.94(d,J=7.0Hz,3H);HPLC分析(25分間の勾配):RT=18.9分、HI:97.0%;hGPR40 EC
50=190nM
【0338】
実施例33
2−((2S,3S,4R)−1−(2−(((3R,4R)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)pyrimidin−5−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)酢酸
【化70】
【0339】
33A.(2R,3S,4R)−ベンジル 2−(ヒドロキシメチル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−1−カルボキシラート:((2R,3S,4R)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)メタノール(0.950g、4.67ミリモル)および炭酸水素ナトリウム(0.491g、5.84ミリモル)の室温でのDCM(10mL)および水(10mL)の混合溶媒中攪拌懸濁液に、クロロギ酸ベンジル(0.843mL、5.61ミリモル)を5分間にわたって滴下して加えた。添加後、該混合物を室温で1時間激しく攪拌し、LC−MSは反応が完了していないことを示した。約0.2mLのクロロギ酸ベンジルを添加した。さらに1時間攪拌した後、反応物を水でクエンチした。混合物をEtOAc(3x)で抽出した。有機抽出液を合わせ、水および塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗生成物をヘキサン/EtOAc(0%−50%、20分;50%、10分;50−100%、15分;100%、10分)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーに付して精製した。所望のフラクションをプールし、濃縮して真空下で乾燥させて33A(0.954g、2.80ミリモル、収率60%)を褐色の油状物として得た。LC−MS分析:C
18H
27NO
5についての計算値:337.19、測定値[M+H]:338.1;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.43−7.32(m,5H)、5.20−5.14(m,2H)、4.43(dd,J=7.9、3.1Hz,1H)、3.86−3.76(m,2H)、3.71−3.64(m,1H)、3.59−3.50(m,3H)、3.48−3.42(m,2H)、3.34(s,2H)、2.06−1.96(m,1H)、1.83(quin,J=6.1Hz,2H)、1.14−1.07(m,3H)、1.16−1.07(m,3H)
【0340】
33B. (2R,3S,4R)−ベンジル 4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−(((メチルスルホニル) オキシ)メチル)ピロリジン−1−カルボキシラート:33A(0.954g、2.83ミリモル)の0℃に冷却したDCM(12mL)中攪拌溶液に、Et
3N(0.788mL、5.65ミリモル)を添加し、つづいて塩化メタンスルホニル(0.330mL、4.24ミリモル)を5分間にわたって滴下して加えた。添加後、得られた混濁溶液を0℃で1時間攪拌した。LC−MSは反応が完了していることを示した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水(2x)、飽和水性NaHCO
3、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。得られた油性残渣を高真空下で乾燥させ、33Bを油性残渣として得、それを直ちに実験工程33Cにて用いた。
【0341】
33C. (2S,3S,4R)−ベンジル 2−(シアノメチル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−1−カルボキシラート:33BのDMSO(9mL)中溶液に、NaCN(555mg、11.32ミリモル)を添加した。添加後、該混合物を50℃で攪拌した。16時間攪拌した後、LC−MSは反応が完了していることを示した。反応物を室温に冷却し、次に水でクエンチした。混合物をEtOAc(3x)で抽出した。抽出液を合わせ、水(2x)、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)させて濃縮乾固体させた。粗生成物をEtOAc/ヘキサン(0−60%、15分;60%、10分;60−100%、10分)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーに付して精製し、35C(830mg、2.372ミリモル、収率84%)を無色の油状物として得た。LC−MS分析:C
19H
26N
2O
4についての計算値:346.189、測定値[M+H]:347.1;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.49−7.32(m,5H)、5.30−5.06(m,2H)、3.85−3.41(m,8H)、3.35(s,3H)、3.04−2.71(m,2H)、2.53−2.34(m,1H)、1.84(quin,J=6.2Hz,2H)、1.19−0.96(m,3H)
【0342】
33D. 2−((2S,3S,4R)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)アセトニトリル:33C(430mg、1.241ミリモル)のEtOAc(25mL)中溶液に、Pd/C(210mg、0.099ミリモル)(5%ドライベース、デグサ(Degussa)型)を添加した。水素(3x)でパージした後、該懸濁液を水素バルーン下の室温で16時間激しく攪拌した。LC−MSは反応が完了していることを示した。混合物を濾過し、触媒を集め、EtOAcで洗浄した。濾液を濃縮乾固させ、高真空下で30分間乾燥させ、35D(251mg、1.123ミリモル、収率90%)を淡黄色の油状物として得た。LC−MS分析:C
11H
20N
2O
2についての計算値:212.152、測定値[M+H]:213.4;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 3.48(m,1H)、3.43−3.34(m,4H)、3.29−3.22(m,4H)、3.09−3.01(m,1H)、2.99−2.85(m,2H)、2.58−2.37(m,2H)、1.88−1.69(m,3H)、1.05−1.01(m,3H)
【0343】
33E. 5−ブロモ−2−(((3R,4R)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)ピリミジン:(3R,4R)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−オール(350mg、1.363ミリモル)の0℃に冷却したDMF(6mL)中攪拌溶液に、NaH(鉱油中60%)(82mg、2.045ミリモル)を一度に添加した。得られた懸濁液を0℃で10分間、ついで室温で20分間攪拌した。得られた淡黄色の溶液を再び0℃で冷却し、5−ブロモ−2−クロロピリミジン(264mg、1.363ミリモル)を添加した。得られた褐色がかった混合物を室温で攪拌した。LC−MSは反応が1.5時間後に完了していないことを示した。反応物を室温で一夜、ついで50℃でさらに4時間にわたって継続して攪拌させた。反応混合物を0℃で冷却し、NH
4Cl飽和水溶液を添加することでクエンチさせた。混合物をEtOAcと水の間に分配した。分離した水相をEtOAc(2x)で抽出した。抽出液を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)かつ濃縮させた。粗製物をEtOAc/ヘキサン(0−20%、20分;20%、5分;20−40%、10分)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーに付して精製した。所望のフラクションをプールし、濃縮し、高真空下で乾燥させ、33E(205mg、0.496ミリモル、収率36.3%)を白色の固体として得た。LC−MS分析:C
16H
18BrClN
4O
2についての計算値:412.03、測定値[M+H]:412.9、414.9(臭素同位体)
【0344】
33F. 2−((2S,3S,4R)−1−(2−(((3R,4R)−1−(5−クロロ−2−メトキシピリジン−4−イル)−3−メチルピペリジン−4−イル)オキシ)ピリミジン−5−イル)−4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピロリジン−2−イル)アセトニトリル:33E(35mg、0.085ミリモル)、35D(21.55mg、0.102ミリモル)、(2−ビフェニル)ジ−tert−ブチルホスフィン(5.05mg、0.017ミリモル)、ナトリウムtert−ブトキシド(9.76mg、0.102ミリモル)およびPd
2(dba)
3(3.87mg、4.23マイクロモル)の反応混合物を75℃のアルゴン下で16時間攪拌した。LC−MSは反応が完了していないことを示した。さらなる量のPd
2(dba)
3(3.87mg、4.23マイクロモル)および(2−ビフェニル)ジ−tert−ブチルホスフィン(5.05mg、0.017ミリモル)を該反応混合物に添加し、それを110℃でさらに4時間加熱した。室温に冷却した後、該反応混合物を水で希釈し、DCM(3x)で抽出した。有機液を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)させて濃縮し、暗色の油性残渣を得た。その粗生成物をEtOAc/ヘキサン(0−30%、15分;30%、8分;30−50%、10分、50%、15分)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーに付して精製した。所望のフラクションをプールし、濃縮乾固させて33F(11mg、純度60%)をガラス状残渣として得た。LC−MSはその生成物が(所望の生成物に対して約2:3の割合で)(2−ビフェニル)ジ−tert−ブチルホスフィンの酸化物で汚染されていることを示した。LC−MS分析:C
27H
37ClN
6O
4についての計算値:544.256、測定値[M+H]:545.3
【0345】
実施例33:33F(6mg、0.011ミリモル)を含有するマイクロ波バイアルに、EtOH(0.2mL)およびKOHの6M溶液(0.037mL、0.220ミリモル)を添加した。反応バイアルを密封し、120℃で2.5時間攪拌した。LC−MSは該反応が完了していることを示した。反応物を冷却して室温にさせ、濃縮して大部分のEtOHを除去した。残りの水相を1N水性HClで調整してpH=6にし、次にDCM(3x)で抽出した。抽出液を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)させ、濃縮乾固させて粗生成物を得、それをプレパラトリーHPLCに付して精製した。所望のフラクションをプールし、濃縮して揮発性物質を除去した。残りの水性懸濁液をNaHCO
3飽和水溶液で中和してpH=6とし、次にDCM(3x)で抽出した。そのDCM抽出液を塩水で洗浄し、乾燥(MgSO
4)させて濃縮し、ガラス状残渣を得、それをAcCN/水中にて凍結乾燥させ、実施例33の所望の生成物(2.05mg、3.63マイクロモル、収率33.0%)を灰白色の凍結乾燥体として得た。LC−MS分析:C
27H
38ClN
5O
6についての計算値:563.251、測定値[M+H]:564.3;
1H NMR(400MHz、CDCl
3) δ 7.89(m,3H)、6.21(s,1H)、4.63(d,J=4.0Hz,1H)、3.82(s,3H)、3.71(d,J=3.1Hz,2H)、3.61−3.34(m,8H)、3.31−3.22(m,3H)、2.95−2.80(m,1H)、2.78−2.67(m,2H)、2.58(s,1H)、2.40(d,J=7.3Hz,1H)、2.31−2.09(m,2H)、1.79(dt,J=12.3、6.1Hz,4H)、1.01(d,J=6.6Hz,3H)、0.96(d,J=7.3Hz,3H);hGPR40 EC
50=101nM