特許第6483179号(P6483179)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6483179高度在宅サービス調整プラットフォームをサポートする方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6483179
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】高度在宅サービス調整プラットフォームをサポートする方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20190304BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20190304BHJP
   G06Q 50/22 20180101ALI20190304BHJP
【FI】
   H04M11/00 301
   H04M11/04
   G06Q50/22
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-55559(P2017-55559)
(22)【出願日】2017年3月22日
(62)【分割の表示】特願2012-107379(P2012-107379)の分割
【原出願日】2012年5月9日
(65)【公開番号】特開2017-143549(P2017-143549A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2017年4月19日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 博覧会名:C&Cユーザフォーラム&iEXPO2011 開催日:2011年11月10−11日 集会名:モバイルワールドコングレス(MWC) 開催日:2012年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】517451940
【氏名又は名称】エヌイーシー ラボラトリーズ ヨーロッパ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】ジョアオ ジラオ
(72)【発明者】
【氏名】ブリギッタ ランゲ
(72)【発明者】
【氏名】ニルス グルーシュカ
(72)【発明者】
【氏名】ヒネス ドレラ トルモ
(72)【発明者】
【氏名】フェリクス ゴメス マルモル
【審査官】 加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−016189(JP,A)
【文献】 特開2004−070464(JP,A)
【文献】 特表2009−530700(JP,A)
【文献】 特開2001−052067(JP,A)
【文献】 特開平11−238190(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3159193(JP,U)
【文献】 特開2002−099623(JP,A)
【文献】 特開2001−256307(JP,A)
【文献】 特開2003−207260(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0209881(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0178016(US,A1)
【文献】 特開2006−072511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 11/00
G06Q 50/22
H04M 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
在宅サービスを調整する方法において、
ネットワークを通じて顧客から在宅サービスに対する要求を受信し、
ネットワークを通じて顧客からの要求を在宅サービスコーディネーターへ転送し
アイデンティティ管理コンポーネントによってシステムのユーザのアイデンティティを認証し、
顧客のニーズを満たすことができる訪問業者をサービス事業者が選択するのに十分な情報を、ネットワークを通じて、選択されたサービス事業者に提供し、
分散アクセス制御コンポーネントを用いて、ネットワークを通じて、顧客データへのアクセス許可および顧客物理システムへのアクセス許可を訪問業者に提供し、該顧客物理システムへのアクセス許可は、アイデンティティ管理コンポーネントを介して分散アクセス制御ポリシーに基づいて正しく認証が行われた後にバッジ、IDカード、携帯機器またはその他の電子IDに対して与えられ、前記分散アクセス制御ポリシーは、顧客の第1アクセスポリシーを該顧客が加入している在宅サービスコーディネーターの第2アクセスポリシーおよび前記選択されたサービス事業者の第3アクセスポリシーと組み合わせることによって階層的に適用されることで、該顧客は、訪問業者のアイデンティティを知らずに前記顧客物理システムへのアクセスを訪問業者に一時的に許可することが可能となり、
前記第1アクセスポリシー、前記第2アクセスポリシーおよび前記第3アクセスポリシーが、前記顧客、前記サービスコーディネーターおよび前記選択されたサービス事業者にそれぞれ設けられ、
前記第1、第2および第3アクセスポリシーあるいはそれらの組み合わせに従って、前記在宅サービスコーディネーター、前記選択されたサービス事業者および前記訪問業者のそれぞれに提供されるデータおよび物理アクセス許可を制限する、
ことを特徴とする、在宅サービスを調整する方法。
【請求項2】
顧客データへのアクセス許可および顧客物理システムへのアクセス許可を訪問業者に提供することが、顧客宅の住所に関する情報および顧客宅に入ることができるように電子ロックを解錠するためのアクセス許可を訪問業者に提供することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
訪問業者から情報を受信し、監査および課金の目的で、提供されたサービスに関する情報を記録することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
在宅サービスに対する要求を受信することが、センサからの測定値に基づく自動要求を受信することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
在宅サービスに対する要求を受信することが、スケジュールに基づく自動要求を受信することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
在宅サービスに対する要求を受信することが、住宅緊急呼出システムからの住宅緊急呼出またはメッセージングシステムからのメッセージに基づく要求を受信することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
サービスを提供する訪問業者について、顧客にネットワークを通じて通知を送信することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
顧客データへのアクセス許可および顧客物理システムへのアクセス許可を訪問業者に提供することが、顧客宅の住所に関する情報および顧客宅に入ることができるように電子ロックを解錠するためのアクセス許可を訪問業者に提供することを含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項9】
在宅サービスが訪問医療介護を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
サービス事業者が、開業医、病院、薬局、看護事業者、医療補助サービス事業者、ソーシャルケア事業者、および救急医療サービス事業者の少なくともいずれかから選択された介護事業者を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項11】
訪問業者が、医師、看護師、医療補助者、理学療法士、および薬剤師から選択された介護員を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項12】
在宅サービスが食品宅配サービスを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
サービス事業者が食品配送サービスを含み、訪問業者が配送ドライバを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
在宅サービスが、ヘルスケアサービス、訪問介護サービス、訪問看護サービス、早期退院サービス、行動監視サービス、救急医療サービス、生活改善サービス、ダイエットサービス、フィットネス/運動関連サービス、施設管理サービス、住宅修繕サービス、ガーデニングサービス、買物サービス、宅配サービス、エネルギー使用監視・節減サービス、ケータリングサービス、警備サービス、消防サービス、およびセキュリティサービスの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
在宅サービス調整プラットフォームにおいて、
アイデンティティ管理コンポーネントおよび分散アクセス制御コンポーネントを含む、ネットワークに接続された1つ以上のサーバを備え、該1つ以上のサーバが、
ネットワークを通じて顧客から在宅サービスに対する要求を受信し、
ネットワークを通じて顧客からの要求を在宅サービスコーディネーターへ転送し
アイデンティティ管理コンポーネントによってシステムのユーザのアイデンティティを認証し、
顧客のニーズを満たすことができる訪問業者をサービス事業者が選択するのに十分な情報を、ネットワークを通じて、選択されたサービス事業者に提供し、
分散アクセス制御コンポーネントを用いて、ネットワークを通じて、顧客データへのアクセス許可および顧客物理システムへのアクセス許可を訪問業者に提供し、該顧客物理システムへのアクセス許可は、アイデンティティ管理コンポーネントを介して分散アクセス制御ポリシーに基づいて正しく認証が行われた後にバッジ、IDカード、携帯機器またはその他の電子IDに対して与えられ、前記分散アクセス制御ポリシーは、顧客の第1アクセスポリシーを該顧客が加入している在宅サービスコーディネーターの第2アクセスポリシーおよび前記選択されたサービス事業者の第3アクセスポリシーと組み合わせることによって階層的に適用されることで、該顧客は、在宅サービスコーディネーターのアイデンティティを知らずに前記顧客物理システムへのアクセスを訪問業者に一時的に許可することが可能となり、
前記第1アクセスポリシー、前記第2アクセスポリシーおよび前記第3アクセスポリシーが、前記顧客、前記サービスコーディネーターおよび前記選択されたサービス事業者にそれぞれ設けられ、
前記第1、第2および第3アクセスポリシーあるいはそれらの組み合わせに従って、前記在宅サービスコーディネーター、前記選択されたサービス事業者および前記訪問業者のそれぞれに提供されるデータおよび物理アクセス許可を制限する、
ように構成されたことを特徴とする、在宅サービス調整プラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、データ管理、分散アクセス制御、および評判管理を組み合わせた在宅サービス調整プラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の介護事業者ビジネスは非常に多様化しており、救急会社、訪問看護、家庭医、建設会社等の多くの異なる当事者からなる。この分野では、介護コーディネーターのように、他の会社への外注を通じてこれらのサービスを集約する主体が存在する。患者は、介護コーディネーターと請負/サービス契約を結び、介護コーディネーターが、実際の介護サービス事業者と個別のサービス契約を結ぶ。このようなことは、ハイデルベルク地域や他の多くの地域の赤十字で行われている。
【0003】
介護コーディネーターは、患者と介護サービス事業者との間で活動を調整する必要がある。現在これは、非効率的で時間がかかる手作業であるため、不確実で(しばしば、サービスが提供されたかどうかを介護コーディネーターが知らないことさえあり得る)、高価となる場合がある。
【0004】
患者と介護サービス事業者との間での調整に加えて、介護コーディネーターは、患者宅へのアクセス制御を管理しなければならないことも多い。この手続きは、介護コーディネーターによって運営される施設内の保管室に各患者宅の鍵を保管することによって扱われることが多い。患者宅に出入するためには、介護員は、患者からの急患の訴えに対処するために、患者宅に到着する前に介護コーディネーターの施設へ行かなければならない。これは時間がかかり、このような状況においては危機的となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
同様の問題は、中心的コーディネーターがさまざまな請負サービス事業者を通じて在宅サービスを提供する他の分野でも起こり得る。このような分野の例としては、警察、消防、民間警備会社のような緊急サービスや、訪問看護、宅配、エネルギー管理、施設管理・住宅修繕、ケータリング、食品宅配等のサービスが挙げられる。これらの分野のすべてにおいて、問題が起こり得る原因としては、中心的コーディネーターと請負サービス事業者との間で情報を調整する際の困難や、物理的入退出の問題がある。物理的入退出に関しては、例えば顧客の住宅、オフィス、またはその他の施設への物理的入退出許可を請負サービス事業者に提供するために、中心的コーディネーターと請負サービス事業者との間でさらに調整が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の実施形態は、データ管理、評判システム、およびアクセス制御システムを組み合わせた、在宅サービスを調整する方法を提供する。アクセス制御システムは、在宅サービスを提供することに関与するさまざまな主体に、データおよび物理システム(例えば、患者やその他の顧客のドアの電子ロック)の両方への制御されたアクセス許可を提供する。例えば、訪問医療介護サービスを提供するプラットフォームの場合、このようなシステムを使用することにより、訪問介護員は、鍵および患者情報を取りに訪問介護事業者のオフィスに立ち寄る必要がなくなると考えられる。代わりに、介護員は、必要なときに携帯機器を通じてこの情報にアクセス可能であるため、貴重な時間の節約になる。分散アクセス制御による情報(介護文書および患者記録)の交換により、誤りを削減し、ヘルスケア処置およびその他の在宅サービス提供における効率および品質を改善することに役立つ場合がある。介護サービスおよび訪問の電子記録により、透明性、制御、および監査が可能となるため、法規遵守の確認や、課金等の必要な作業の扱いが容易になる。また、このような調整システムは、動的な職員スケジュール、患者ごとまたは顧客ごとの介護/サービスプラン、および現場での訪問/介護記録の文書化も可能にすると考えられる。
【0007】
アクセス制御およびサービス調整を評判システムと組み合わせることにより、調整プラットフォームは、介護あるいはサービスの品質をより良くするために、評判およびフィードバックに従ってサービス事業者および介護員または訪問業者への割当を調整することが可能となる。また、評判・フィードバックシステムは、個別にカスタマイズした、あるいは注文に応じたサービスを提供するためにも使用可能である。というのは、個々の顧客の選好を評判システムによって追跡し保存することができるからである。このような評判・フィードバックメカニズムは、顧客の獲得につながる可能性がある。
【0008】
実施形態において、在宅サービスを調整する方法が提供される。本方法は、ネットワークを通じて顧客から在宅サービスに対する要求を受信し、ネットワークを通じて顧客からの要求を在宅サービスコーディネーターへ転送することを含む。評判システムを用いて、在宅サービスコーディネーターが顧客のニーズ、顧客の選好、およびサービス事業者の評判に基づいてサービス事業者を選択することを支援する。顧客のニーズを満たすことができる訪問業者をサービス事業者が選択するのに十分な情報を、ネットワークを通じて、選択されたサービス事業者に提供する。ネットワークを通じて、顧客データへのアクセス許可および顧客物理システムへのアクセス許可を訪問業者に提供する。また、本方法は、サービスが提供された後に顧客に対してフィードバックを要求し、評判システムにおいて顧客のフィードバックを用いて、顧客の選好およびサービス事業者の評判を更新することも含む。
【0009】
実施形態において、顧客データへのアクセス許可および顧客物理システムへのアクセス許可を訪問業者に提供することは、顧客宅の住所に関する情報および顧客宅に入ることができるように電子ロックを解錠するためのアクセス許可を訪問業者に提供することを含む。この物理アクセス許可は、例えば、訪問業者が持ち運ぶバッジ、IDカード、携帯機器、またはその他の電子IDに対して、近距離無線通信(near field communication, NFC)ロックのような電子ロックへのアクセスを許可することによって提供してもよい。訪問業者は、自己の電子IDをNFCロックに呈示することができる。すると、在宅システムは、システムの分散アクセス制御コンポーネントを用いて、このIDがドアの出入を許可されているかどうかをチェックする。
【0010】
実施形態において、本方法は、訪問業者および/またはサービス事業者から情報を受信し、監査および課金の目的で、提供されたサービスに関する情報を記録することを含む。この情報は、例えば、携帯機器、コンピュータ、端末、またはその他の電子機器を用いて、訪問業者またはサービス事業者によって提供されることが可能である。
【0011】
実施形態において、本方法は、アクセスポリシーに従って、在宅サービスコーディネーター、サービス事業者、および訪問業者のそれぞれに提供されるデータおよび物理アクセス許可を制限することを含む。実施形態において、このようなアクセスポリシーが、顧客によって設定されてもよい。アクセスポリシーは、階層的に適用されてもよい。それにより、顧客のアクセスポリシーが、サービスコーディネーター、サービス事業者等のアクセスポリシーと組み合わされて、どの情報が各主体に利用可能であるかが決定される。
【0012】
実施形態において、在宅サービスに対する要求を受信することは、センサからの測定値に基づく自動要求、または、電話トリガ、緊急呼出システム、および関連する装置(例えば、緊急呼出ブレスレットあるいはネックレス)に基づく自動要求を受信することを含む。インターネットアクセスに対応した装置やメッセージングシステムを用いて要求をトリガしてもよい。実施形態において、在宅サービスに対する要求を受信することは、スケジュールに基づく自動要求を受信することを含む。
【0013】
実施形態において、本方法は、サービスを提供する訪問業者について、顧客にネットワークを通じて通知を送信することをさらに含む。この通知は、訪問業者に関する写真やその他の情報を含んでもよい。それにより、顧客は、訪問業者の到着を予想し、訪問業者が顧客宅に到着するときに訪問業者を確認することができる。
【0014】
実施形態において、在宅サービスは訪問医療介護である。このような実施形態において、サービス事業者は、開業医、病院、薬局、看護事業者、医療補助サービス事業者、ソーシャルケア事業者、および救急医療サービス事業者の少なくともいずれかから選択された介護事業者であってもよい。訪問業者は、医師、看護師、医療補助者、および薬剤師から選択された介護員であってもよい。
【0015】
実施形態において、在宅サービスは食品宅配サービスである。このような実施形態において、サービス事業者は食品配送サービスであってもよく、訪問業者は配送ドライバであってもよい。
【0016】
実施形態において、在宅サービスは、ヘルスケアサービス、訪問介護サービス、訪問看護サービス、早期退院サービス、行動監視サービス、救急医療サービス、生活改善サービス、ダイエットサービス、フィットネス/運動関連サービス、施設管理サービス、住宅修繕サービス、ガーデニングサービス、買物サービス、宅配サービス、エネルギー使用監視・節減サービス、ケータリングサービス、警備サービス、消防サービス、およびセキュリティサービスの少なくともいずれかであってもよい。
【0017】
実施形態において、在宅サービス調整プラットフォームが提供される。在宅サービス調整プラットフォームは、評判サービスコンポーネントおよびアクセス制御コンポーネントを含む、ネットワークに接続された1つ以上のサーバを含む。実施形態は、アイデンティティ管理コンポーネントをさらに含んでもよい。1つ以上のサーバは、ネットワークを通じて顧客から在宅サービスに対する要求を受信し、ネットワークを通じて顧客からの要求を在宅サービスコーディネーターへ転送するように構成される。サーバは、さらに、評判システムコンポーネントを用いて、在宅サービスコーディネーターが顧客のニーズ、顧客の選好、およびサービス事業者の評判に基づいてサービス事業者を選択することを支援し、顧客のニーズを満たすことができる訪問業者をサービス事業者が選択するのに十分な情報を、ネットワークを通じて、選択されたサービス事業者に提供するように構成される。サーバは、さらに、アクセス制御コンポーネントを用いて、ネットワークを通じて、顧客データへのアクセス許可および顧客物理システムへのアクセス許可を訪問業者に提供するように構成される。サーバは、さらに、サービスが提供された後に顧客に対してフィードバックを要求し、評判システムコンポーネントにおいて顧客のフィードバックを用いて、顧客の選好およびサービス事業者の評判を更新するように構成される。
【0018】
実施形態において、前記1つ以上のサーバは、アクセス制御コンポーネントを用いて、顧客宅への物理アクセス許可を提供するように構成される。
【0019】
図面において、同一参照符号は一般的に、相異なる図を通じて同一部分を指す。図面は必ずしも正確な縮尺ではなく、その代わり一般的に、本発明の原理を例示するように強調がなされる。以下の説明において、添付図面を参照しながら本発明のさまざまな実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態による介護調整システムの動作の概略図である。
図2】本発明の実施形態による在宅サービスまたは介護調整プラットフォームのコンポーネントおよびサービスを例示する図である。
図3図3Aおよび図3Bは、クラウド型SaaS(software-as-a-service)モデルを用いた、本発明の実施形態による在宅サービスまたは介護調整プラットフォームを提供する2つの可能な構造を示す図である。
図4】本発明の実施形態による食品宅配「ミールズオンホイールズ(meals on wheels)」サービスの調整プラットフォームの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
現在の在宅サービス調整システムは、手作業で煩雑である。例えば、救急医療サービスの分野では、緊急呼出時に、介護員は一般的に、患者宅の鍵をもらうために、介護コーディネーターの運営する施設あるいはオフィスへ行かなければならない。このため、緊急事態の管理および扱いが非効率的なプロセスとなる。また、各患者宅の鍵が介護コーディネーターのオフィスに保管されているため、管理がさらに複雑になる。
【0022】
また、従来の訪問介護サービス調整システムには通常、情報交換や、相異なる訪問介護事業者の領域にわたるステータスの更新がほとんどまたは全くない。このため、患者の健康・介護記録の交換およびそれに対するセキュアなアクセスは、より良い品質およびより効率的な介護を可能にする。
【0023】
本発明の実施形態によれば、プロセスをより軽快かつより効率的にする在宅サービス調整システムが提供される。本発明の実施形態によれば、分散アクセス制御を用いて住宅への物理アクセス許可を提供可能であるため、介護員等の在宅サービス事業者は、クライアントあるいは患者の家へ直接行くことができる。また、在宅サービス事業者は、クライアントあるいは患者に関する情報を取得することができ、クライアントあるいは患者は、介護および/または在宅サービスを提供する予定の人に関する情報を提供されることが可能である。また、在宅サービス事業者の選択は、各在宅サービス事業者の評判を考慮して、ユーザの選好に従って行うことができる。
【0024】
アクセス制御に関して、アクセス制御ポリシーを施行するための分散メカニズムの多くの例を文献に見ることができる。しかし、それらは一般的に、情報またはデータへのアクセスに関するものである。物理アクセスは一般的にローカルに管理される。その場合、関与者は事前に既知であり、ローカルポリシーを直接に設定することができる。すなわち、この環境では、システム管理者がこれらのポリシーの管理を担当し、特定の期間中における特定の個人へのアクセスを許可または拒否する。本発明の実施形態によれば、代わりに、物理アクセスは分散方式で管理される。これにより、例えば、患者が必ずしも事前に介護員が誰であるかを知らなくても、介護員は、緊急事態が生じたら直ちに患者宅に出入することができる。
【0025】
以下の例では、特に緊急時に、訪問医療介護を提供する場合について説明することがほとんどであるが、言うまでもなく、同様のシステムおよび方法を広範囲の在宅サービスあるいは訪問介護の場面に適用可能である。例えば、同様のシステムおよび方法は、警察、消防、民間警備会社のような緊急サービスや、訪問看護、宅配、エネルギー管理、施設管理・住宅修繕、ケータリング、食品宅配等のサービスのような分野に適用可能である。
【0026】
次に、図1を参照して、本発明の実施形態による介護調整システム100の動作の概略を説明する。本システムは、患者102等の複数の主体を含む。患者102は、一般的に、自宅103に位置する。患者102としては、例えば、訪問介護を必要とし、自宅環境における自立生活支援(ambient assisted living, AAL)アプリケーションを利用し、またはこれに頼っている人(例えば高齢者)が挙げられる。患者102は、介護コーディネーター104を通じて提供される救急医療サービスに加入している。
【0027】
介護コーディネーター104は、住宅緊急呼出/遠隔監視/遠隔介護インフラストラクチャを提供し維持する。一般的に、介護コーディネーター104はコールセンターを有し、援助・訪問介護サービス(例えば、医師、救急車両、看護サービス等)を調整する。介護コーディネーター104は、多くの介護事業者106と関係を維持する。
【0028】
介護事業者106は、患者102の地域において訪問介護サービスを提供し(ただし、介護事業者106自体が患者102の地域に位置する必要はない)、移動介護員を調整する。医療介護を提供する場合、介護事業者は、訪問介護、ソーシャルケア、看護サービス、理学療法、および医薬品の宅配を提供する病院、開業医、薬局、看護事業者、理学療法事業者等のような主体を含んでもよい。介護事業者106は、多くの移動/訪問介護員108との関係を維持する。
【0029】
移動介護員は、患者102の自宅において介護を提供する態勢にある。移動介護員は、例えば、医師、看護師、医療補助者、理学療法士等であってもよい。移動介護員は、患者宅で訪問介護サービスを提供し、コーディネーターと通信するための携帯機器を有する。
【0030】
患者データ110も、本発明のさまざまな実施形態によるシステムにおいて重要である。患者データ110は、システムにおいて分散方式で扱われる。これにより、患者102がデータへのアクセスに対するルールを最終的に制御し、他の各主体(介護コーディネーター104、介護事業者106、および訪問介護員108)は、それぞれのサービスを提供するために必要な情報をそれぞれ受信する。なお、患者データ110は図1では単一の項目として表されているが、実際には、患者データ110は分散していてもよく、さまざまな場所に保存されていてもよい。また、言うまでもなく、実施形態において、法的またはその他の要件のために患者データのアクセスおよび交換を行うルールのように、患者によって制御されないアクセスルールがあってもよい。例えば、緊急時には、救急医は、介護コーディネーターによって保管され制御される関連する患者データへのアクセスを許可されてもよい。もちろん、患者102、介護コーディネーター104、介護事業者106、および介護員108を含むさまざまな利害関係者はすべて、患者データ110以外のさまざまなデータ、および/または、課金、会計、および/または保険のための介護文書のような患者102によって必ずしも統制されないデータのアクセスまたは交換が可能である。
【0031】
図1は、本発明の実施形態によるシステム100の使用場面の事例における通信も示している。この事例の最初に、患者102は、緊急呼出またはスケジュールされた自宅呼出を行う。150で、介護コーディネーター104には、患者102によってサービスが要求されたことが通知される。この通知は、患者102の住宅103内のセンサ、パターン認識、患者による明示的なトリガ(例えば、患者が救急または非常ボタンを押す)、またはスケジュールされたイベント(例えば治療の一部として)基づくことが可能である。
【0032】
介護コーディネーター104は、患者のニーズに基づいて介護事業者106を選択する。これは、選択されるべき介護事業者の種類(例えば看護事業者)、およびその種類の事業者のうちサービスを提供する特定の事業者の両方を決定することを含む。この選択は、システムの評判管理機能を用いて行われてもよい。これにより、利用可能な介護事業者106との患者の過去の経験に部分的に基づいて、介護事業者106が選択されることが可能となる。最終的な選択は、患者102による介護事業者106の過去の経験およびスコアリングに基づいて自動的に行うことも可能である。別法として、介護事業者106の選択は、例えば、患者102によって必要とされる種類の複数の介護事業者106を評価するスコアを用いて、介護コーディネーター104によって手動で行われてもよい。介護事業者106が選択された後、154で、介護コーディネーター104は、選択された介護事業者106に対して、新規呼出が存在することを通知する。
【0033】
156で、介護事業者は、看護師、医師、ドライバ等のような介護員108を一人以上割り当てて派遣する。この事例では、選択された介護員108は、介護事業者106を通じて介護調整プラットフォームに認証がすでに済んでいると仮定する。158で、介護員108は、介護事業者106、介護コーディネーター104、および/または患者102を通じてすべての必要なシステムへのアクセス許可が与えられる。これらのシステムは、介護コーディネーター104やその他の機関によって所持される患者記録のようなデータへのアクセス許可、および、患者102の住宅103へのアクセス許可のような物理システムへのアクセス許可を提供してもよい。物理システムへのアクセス許可は、例えば、介護員のIDカード、バッジ、携帯機器、またはその他の電子IDやRFID型IDを用いて解錠可能な、近距離無線通信(NFC)方式のドアロックを通じて行われる。これらのシステムへのアクセスは、セキュリティおよび課金の目的で適切に記録されることが可能である。また、以下で説明するように、介護員108は、必要な介護を患者102に提供し終えた後は、ドアへのアクセス許可をもはや有しない。
【0034】
実施形態によれば、システムへのアクセスが要求されるとき、その要求はまず介護コーディネーター104に対してなされる。介護コーディネーター104は、介護事業者106を識別し、アクセスに関する自己の決定を、介護事業者106からの決定応答と組み合わせる。介護事業者106は、ポリシー決定要求を受信すると、その対象(例えば介護員108)を識別し、そのポリシーでアクセス許可を確認する。
【0035】
また、実施形態において、介護員108が介護事業者106によって割り当てられた後、患者102は、割り当てられた介護員108とその予想される到着を患者102に通知するメッセージをシステム100から受信する。このような実施形態の一部において、メッセージは、例えば介護員108の写真を含んでもよい。それにより、介護員108は、到着時に患者102によって認識されることが可能である。
【0036】
160で、サービスが提供された後、介護員108は、例えば自己の携帯機器またはその他の電子機器を用いて、処置が終了したことを通知する。介護員108は、例えば物理アクセス(例えば患者宅への)およびデータアクセス(例えば患者のデータへの)を含めて、処置に関するシステムへのすべてのアクセスを失う。処置に関する詳細(例えばタイムスタンプを含む)が、後で監査(所管によっては要求されることがある)を可能にするため、および、提供された処置およびサービスに対する課金において使用される可能性があるため、システムによって記録される。
【0037】
162で、評判管理システムにおいて使用するため、患者102は、いま受けた処置を評価するフィードバック/品質管理要求を受信する。このフィードバックは、例えば、物理書式または電子書式(例えばインターネットまたはウェブ経由で)への記入、口頭、または自然言語で、行われることが可能である。そして、フィードバックは、介護事業者106に関する残りのフィードバックに追加される。実施形態において、スコアが計算され、介護事業者106の新たな評価が介護事業者106のプロファイルに追加される。これは、介護事業者を選択する際に介護コーディネーター104によって使用されてもよい。
【0038】
システム100は、患者102のプライバシーを尊重する。例えば、介護事業者106は患者が誰であるかを知る必要はなく、介護コーディネーター104および介護員108だけが知る必要があり、介護コーディネーター104はどの介護員108が処置に関与したかを直接知る必要はない。仮想アイデンティティ(仮名)を割り当てるために、アイデンティティ管理コンポーネント(後述)を使用可能である。アクセス制御ポリシーは分散され、正しいデータを有する主体によってローカルにリモートで施行されることが可能である。システム100は、自動的な介護事業者選択のために患者のフィードバックを利用して、物理システムともオンラインシステムともインタフェースをとることが可能である。システム100は、分散方式で物理アクセス制御を管理する。このため、患者は、緊急訪問介護に訪れる介護員が誰であるかを知らなくても介護員に出入を一時的に許可することができる。
【0039】
例えば、患者102によって設定されるアクセス制御ポリシーとしては、「ボブ、キャロルに、および、介護コーディネーターによって送られてきた人にドアの出入を許可する」といったものが挙げられる。このポリシーは、ドアの出入許可を有する特定の人(ボブおよびキャロル)を選択するとともに、出入許可決定を介護コーディネーター104に委任する。介護コーディネーター104は、患者のドアおよび患者の情報に対する次のようなアクセス制御ポリシーを有してもよい:「患者内の警報が依然としてアクティブであり介護員が介護事業者によって送られてきた場合にはアクセスを許可する」。このように、介護コーディネーター104は、介護員108の介護調整情報を管理する必要はなく、プライバシーが向上する。介護事業者106は、「アリスがxx時yy分に救急で往診」のようなアクセスポリシーを有してもよい。このポリシーは、介護事業者106がこのようなアクセス許可を提供する能力を有すると仮定して、特定の介護員108にアクセス許可を提供している。介護事業者106は、一般的に、同意なしに患者情報を管理することはできない。
【0040】
次に図2を参照して、システムの基本構造を説明する。高度介護調整プラットフォーム200は、3つの主要なコンポーネント、すなわち、アイデンティティ管理コンポーネント202、アクセス制御コンポーネント204、および評判システム206を有する。アイデンティティ管理コンポーネント202は、複雑なID仲介場面、プロトコル間シングルサインオンをサポートし、認証およびプライバシーのための仮想アイデンティティを管理する。アイデンティティ管理コンポーネント202は、システムにおける次のようなサービス220を提供する。すなわち、サービス220としては、システムのユーザ(患者、介護コーディネーター、介護事業者、介護員)に対する認証サービス222、通知サービス224(例えば、アイデンティティが正しく認証されている適切な個人へメッセージを送る)、および、分散した電子健康記録(electronic health records, EHR)へのアクセス提供のような情報交換サービス226が挙げられる。
【0041】
アクセス制御コンポーネント204は、階層的アクセス要求と、他の正式なドメインへの動的参照をサポートすることにより、透明性および機密性を提供する。患者宅への物理アクセスを制御するドア出入制御サービス230のようなサービスは、アクセス制御コンポーネント204およびアイデンティティ管理コンポーネント202を利用する。実施形態において、類似のサービス(図示せず)として、システムが使用されている分野に応じて、セキュリティカメラ、センサの読み、家電製品の制御、暖房、照明等のような、顧客あるいは患者に関連するさまざまな他の物理的装置にアクセスするために、アクセス制御コンポーネント204を使用してもよい。介護文書化サービス232のような他のサービスや、例えば上記の情報交換サービス226等の、患者データにアクセスする他のサービス(図示せず)もまた、個人データへのアクセスを制御するためにアクセス制御コンポーネント204を利用してもよい。
【0042】
実施形態において、アクセス制御コンポーネント204によって使用されるポリシーは、システムの一部である各主体によってローカルに保存され、ローカルに、ただし階層的に評価されてもよい。アクセス制御コンポーネント204においてアクセスを制御するために使用されるポリシーは、実施形態において必要なときにのみ評価されてもよい。このように、各患者は、自宅のドアのような物理システムへのアクセスのために自己のポリシーを設定することができ、誰が、またはどの種類の人がアクセス許可を有し得るかを指定することができる。例えば、患者は、特定の介護事業者のみアクセス可能、あるいは、すべての医師がアクセス可能、あるいは、特定の人のみアクセス可能、あるいは、患者が設定したいと考える任意のポリシーを指定することが可能である。これらのポリシー(または必要に応じてこれらのポリシーを評価した結果)は、システム内の他の主体のポリシーとともに階層的に扱われる。例えば、特定の介護員に対してデータまたは物理システムへのどのような種類のアクセスを許可するかを決定するために、患者のポリシーは、患者が契約している介護コーディネーター、および、介護を提供するように選択されている介護事業者に関連するアクセスポリシーと組み合わされてもよい。実施形態において、アクセスポリシーがローカルデータ保護やプライバシーの法律に準拠するように設定される際等には、ある特定のポリシーは強制的な場合もある。
【0043】
評判システムコンポーネント206は、カスタマイズされた、評判に基づくサービス選択をサポートする。例えば、評判システムコンポーネントは、介護事業者の評判を管理し、顧客あるいは患者のフィードバックメカニズムに従って評判情報を更新してもよい。サービス選択サービス240のように、例えば介護事業者を選択する際に介護コーディネーターを支援するサービスが、評判システムコンポーネント206を使用してもよい。他のサービスとして、顧客あるいは患者が自己の選好をシステムに提供することを可能にする顧客選好サービス242や、顧客あるいは患者からフィードバック情報を取得する顧客フィードバックサービス244等も、評判システムコンポーネント206を使用する。
【0044】
実施形態において、さらに他のコンポーネント(図示せず)として、自立生活支援(AAL)システムや自動化住宅のセンサ等のコンポーネントを管理したり、さまざまなAAL関連サービスを提供したりするコンポーネント等が、高度介護調整プラットフォーム200に含まれてもよい。
【0045】
実施形態において、上記のコンポーネントおよびサービスは、クラウド型SaaS(software-as-a-service)モデルを通じて提供されてもよい。このようなモデルでは、さまざまなコンポーネントおよびサービスがインターネットを通じて提供される。それらのコンポーネントおよびサービスは、インターネットに接続され、SaaSプロバイダ250によって運営される1つ以上のサーバコンピュータ(例えば、プロセッサ、メモリ、ストレージ等を有する)上で動作してもよい。このようなSaaSモデルを使用することにより、介護コーディネーターおよび介護事業者は、限られたITインフラストラクチャだけでシステムを動作させることができる。一般的に、介護コーディネーター、介護員および患者は、ウェブブラウザアクセスがあればよく、実施形態においては、ウェブ経由でシステムと対話すればよい。
【0046】
SaaSモデルによるシステムの2つの可能な構成を図3Aおよび図3Bに示す。図3Aでは、在宅顧客302が、電話会社、ケーブル会社、インターネットプロバイダ等のような通信サービスプロバイダ304に接続する。通信サービスプロバイダ304は、本発明の実施形態による高度在宅サービス調整プラットフォーム305を有する。訪問介護事業者306a、ヘルスケア事業者306b、施設管理事業者306cおよびエネルギー管理事業者306dのようなさまざまな在宅サービス事業者306a〜306dもまた通信サービスプロバイダ304に接続され、通信サービスプロバイダ304を通じて、高度在宅サービス調整プラットフォーム304に接続され参加する。通信サービスプロバイダは、在宅サービス調整プラットフォーム304を運営し、在宅顧客302から、およびさまざまな在宅サービス事業者306a〜306dから、個別の有料契約として、または基本通信契約またはサービスの一部として、または追加パッケージ契約またはサービスの一部として、プラットフォームへの契約を受け入れる。
【0047】
図3Bでは、高度在宅サービス調整プラットフォーム350が別個のサービスとして動作し、例えば、第1の在宅顧客群354aに接続された通信またはインターネットサービスプロバイダ352のような第三者サービスプロバイダと通信する。高度在宅サービス調整プラットフォーム350は、在宅サービス群356にも接続され、これは第2の在宅顧客群354bに直接接続されてもよい。第1および第2の在宅顧客群354aおよび354bは、それらのサービスプロバイダを通じて提供されるサービスを利用してもよい。そして、サービスプロバイダは、高度在宅サービス調整プラットフォーム350を用いてこれらのサービスを提供する。それぞれの在宅契約者群(図示せず)を有する他のサービスプロバイダ(図示せず)もまた、クラウド型高度在宅サービス調整プラットフォーム350に接続され、自己の在宅顧客にさまざまな価格でさまざまなサービス群を提供しながら、上記のように調整機能を利用してもよい。
【0048】
図4は、システム400の例を示している。この例では、本発明のさまざまな実施形態による高度在宅サービス調整プラットフォームが、宅配「ミールズオンホイールズ」サービスのために使用される。このシステムは、上記の緊急ヘルスケアシステムと同様に動作する。このシステムにおいて、在宅顧客402が、在宅サービスコーディネーター404を通じて食事配送サービスを要求する。このサービス要求は、手動で行われても、または例えばスケジュールに従って自動で行われてもよい。次に、在宅サービスコーディネーター404は、顧客データ410からの在宅顧客402の個人的な選好に関するデータおよび食品配送サービス406の評判スコアを用いて、注文を扱うべき食品配送サービス406を選択する。在宅サービスコーディネーター404を通じて注文を受信したとき、食品配送サービス406は、在宅顧客402の選好、ダイエット要求等にアクセスしてもよい。実施形態において、これは、在宅顧客402の現在の血糖レベルのようなセンサデータにアクセスすることを含んでもよい。この情報は、在宅顧客402のニーズを満たすメニューを選択するために、食品配送サービス406によって使用される。次に、食品配送サービス406は、在宅顧客402に送るべき食品を用意(あるいは取得)し、配送ドライバ408を派遣する。配送ドライバ408は、在宅顧客の住所に関する情報を提供され、用意された食事を配送するために在宅顧客402のドアを開けるためのアクセス許可を受けてもよい。食事が配送された後、配送ドライバ408は、監査および課金の目的で、この情報を記録する。また、システムは、配送ドライバ408が在宅顧客402の自宅あるいはドアに対して有するアクセス許可があればそれを停止し、完了した配送のためのデータへのアクセスを停止する。最後に、フィードバック要求が在宅顧客402へ送られ、在宅顧客402はサービスおよび品質に関するフィードバックを提供することが可能である。このフィードバックは、在宅顧客の選好および食品配送サービス406の評判スコアを調整するために使用可能である。これらは、食品配送サービスの将来の選択において、在宅サービスコーディネーター404によって使用される。
【0049】
図4は「ミールズオンホイールズ」サービスのためのシステムの使用を示しているが、言うまでもなく、他の多くの可能なサービスが、同じ高度在宅サービスプラットフォームを使用可能である。上記のように、このようなプラットフォームは、訪問介護、早期退院、行動監視、および救急医療サービスのようなヘルスケアサービスを提供するために使用可能である。同様のプラットフォームが、ダイエットおよびフィットネス/運動関連サービスのような生活改善サービスや、住宅修繕やガーデニングのような施設管理サービス、ならびに、買物・宅配サービス、エネルギー使用監視・節減サービス、セキュリティサービス等、さまざまなサービスを提供するために使用可能である。
【0050】
以上、本発明について、具体的実施形態を参照して図示し説明したが、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の技術思想および技術的範囲から逸脱することなく、形式および細部においてさまざまな変更が可能であることは言うまでもない。したがって、本発明の技術的範囲は添付の特許請求の範囲によって示される通りである。よって、特許請求の範囲の意味および均等の範囲内に入るすべての変更が含まれることが意図されている。
図1
図2
図3
図4