特許第6483225号(P6483225)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6483225
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】ラッシング用フックおよび荷締め用紐体
(51)【国際特許分類】
   F16B 45/00 20060101AFI20190304BHJP
【FI】
   F16B45/00 F
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-231512(P2017-231512)
(22)【出願日】2017年12月1日
(62)【分割の表示】特願2014-10700(P2014-10700)の分割
【原出願日】2014年1月23日
(65)【公開番号】特開2018-54128(P2018-54128A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2017年12月4日
(31)【優先権主張番号】特願2013-257210(P2013-257210)
(32)【優先日】2013年12月12日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】510183730
【氏名又は名称】有限会社ファイバー浜松
(73)【特許権者】
【識別番号】507192781
【氏名又は名称】株式会社アライブテック
(74)【代理人】
【識別番号】100136674
【弁理士】
【氏名又は名称】居藤 洋之
(72)【発明者】
【氏名】安立 敦彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 只康
【審査官】 保田 亨介
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3136609(JP,U)
【文献】 実開平02−084013(JP,U)
【文献】 特開昭60−157495(JP,A)
【文献】 特開2002−347504(JP,A)
【文献】 実開昭51−014914(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B45/00−47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を固定するための紐体に設けられて棒状のフック支持体に引っ掛けられるラッシング用フックであって、
平板状のフック基部の一方の端部側に前記紐体が連結するフック連結部が設けられるとともに他方の端部側が折り返された引掛け部が形成されたフラットフック本体と、
前記フラットフック本体における前記フック基部に設けられて前記引掛け部における折り返し部分に向かって同折り返し部分に届かない量で弾性的に突出する突出部を有する規制体とを備えることを特徴とするラッシング用フック。
【請求項2】
請求項1に記載したラッシング用フックにおいて、
前記規制体は、
前記突出部が板状体を屈曲させた部分で構成されていることを特徴とするラッシング用フック。
【請求項3】
請求項1に記載したラッシング用フックにおいて、
前記突出部は、
前記フック基部に対して接触することなく離隔していることを特徴とするラッシング用フック。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載したラッシング用フックにおいて、
前記突出部は、
前記引掛け部内に嵌った前記フック支持体に接触することを特徴とするラッシング用フック。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載したラッシング用フックにおいて、
前記フック連結部を上側とし前記引掛け部を下側としたとき、前記フラットフック本体における前記引掛け部よりやや上方に位置するように前記フック基部上に同フック基部側に向かって押下可能に張り出すゲート体を備えることを特徴とするラッシング用フック。
【請求項6】
請求項5に記載したラッシング用フックにおいて、
前記ゲート体は、
先端上面が中心部から外側に向かって前記フック基部側に傾斜する球面で構成されており、
前記引掛け部は、
同引掛け部の先端部における前記球面の外周に面する部分が同外周に沿って凹状に凹んだ形状に形成されていることを特徴とするラッシング用フック。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載したラッシング用フックにおいて、
前記規制体は、
前記フラットフック本体における前記フック連結部とともに前記紐体が連結される規制体連結部が形成されていることを特徴とするラッシング用フック。
【請求項8】
物品を固定するための紐体と、
前記紐体に設けられて棒状のフック支持体に引っ掛けられる前記請求項1ないし前記請求項7のうちのいずれか1つに記載したラッシング用フックとを備えることを特徴とする荷締め用紐体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を固定するための紐体に設けられるラッシング用フックおよび同ラッシング用フックを備えた荷締め用紐体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パレットや荷台に物品を固定するための荷締め用紐体には、物品に掛けられる紐体をパレットや荷台に着脱自在に連結するためのラッシング用フックが設けられている。例えば、下記特許文献1には、荷台の枠に磁気的に吸着させるための磁石を備えることによって荷台の枠から脱落し難いフック固定装置(本願発明におけるラッシング用フックに相当)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3136609号公報
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたフック固定装置においては、フック固定装置が引っ掛けられる荷台の枠などのフック支持体が磁性体以外の材料で構成された場合においては、フック固定装置がフック支持体から脱落して荷締め作業が行い難いという問題があった。
【発明の概要】
【0005】
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、荷締め作業を容易かつ迅速に行うことができるラッシング用フックおよび同ラッシング用フックを備えた荷締め用紐体を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、物品を固定するための紐体に設けられて棒状のフック支持体に引っ掛けられるラッシング用フックであって、平板状のフック基部の一方の端部側に紐体が連結するフック連結部が設けられるとともに他方の端部側が折り返された引掛け部が形成されたフラットフック本体と、フラットフック本体におけるフック基部に設けられて引掛け部における折り返し部分に向かって同折り返し部分に届かない量で弾性的に突出する突出部を有する規制体とを備えることにある。
【0007】
このように構成した本発明の特徴によれば、ラッシング用フックは、平板状のフック基部に屈曲した状態で引掛け部が形成されたフラットフック本体における引掛け部の内側に弾性的に突出した規制体が設けられているため、引掛け部内に位置したフック支持体の位置ずれおよび外れを規制体によって抑制することができる。これにより、ラッシング用フックは、荷締め作業時におけるフック支持体からの脱落をフック支持体の材質に関わらず防止することができ、荷締め作業を容易かつ迅速に行うことができる。
【0008】
また、このように構成した本発明の特徴によれば、ラッシング用フックは、規制体がフラットフック本体の引掛け部における折り返された部分に対向するフック基部上に設けられているため、引掛け部内に配置されたフック支持体を押圧することによって引掛け部内におけるフック支持体の振動や位置ずれを効果的に防止することができる。
【0009】
また、本発明の他の特徴は、前記ラッシング用フックにおいて、規制体は、突出部が板状体を屈曲させた部分で構成されていることにある。
【0010】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、ラッシング用フックは、規制体における突出部を板状体を屈曲させて構成しているため、簡単に突出部を成形することができる。
【0011】
また、本発明の他の特徴は、前記ラッシング用フックにおいて、突出部は、フック基部に対して接触することなく離隔していることにある。
【0012】
また、本発明の他の特徴は、前記ラッシング用フックにおいて、規制体における突出部は、引掛け部内に嵌ったフック支持体に接触することにある。
【0013】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、ラッシング用フックは、規制体における突出部が引掛け部内に嵌ったフック支持体に接触するため、引掛け部内におけるフック支持体の振動や位置ずれを防止することができる。この場合、突出部のフック支持体への接触には、単に接触している場合の他、突出部がフック支持体に対して密着または押圧している場合を含むものである。
【0014】
また、本発明の他の特徴は、前記ラッシング用フックにおいて、フック連結部を上側とし引掛け部を下側としたとき、フラットフック本体における引掛け部よりやや上方に位置するようにフック基部上に同フック基部側に向かって押下可能に張り出すゲート体を備えることにある。
【0015】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、ラッシング用フックは、フラットフック体における屈曲部に対向する開口部分に同開口部分を開閉するゲート体が設けられている。これにより、ラッシング用フックは、フックにおけるフラットフック体の開口部にゲート体が設けられているため、フックがフック支持体から外れることを防止することができる。特に、荷締め用紐体で荷物を縛る際においては、紐の一時的な緩みによるフックの脱落を防止できるため荷締め作業を効率的に行うことができる。
【0016】
また、本発明の他の特徴は、前記ラッシング用フックにおいて、ゲート体は、先端上面が中心部から外側に向かってフック基部側に傾斜する球面で構成されており、引掛け部は、同引掛け部の先端部における前記球面の外周に面する部分が同外周に沿って凹状に凹んだ形状に形成されていることにある。
【0017】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、ラッシング用フックは、ゲート体の先端上面が傾斜面からなる球面で形成されているため、フック支持体を円滑に引掛け部の内側に導くことができる。また、ラッシング用フックは、引掛け部の先端部がゲート体の先端上面の外周部に沿った形状に形成されているため、ゲート体と引掛け部の先端部との対向する長さが長くなってフック支持体が引掛け部内から外れることを効果的に防止することができる。
【0018】
また、本発明の他の特徴は、前記ラッシング用フックにおいて、規制体は、フラットフック本体におけるフック連結部とともに紐体が連結される規制体連結部が形成されていることにある。
【0019】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、ラッシング用フックは、規制体にフラットフック本体における紐体フック連結部とともに紐体が連結される規制体連結部が形成されているため、規制体のフラットフック本体に対する位置ずれが防止されるとともに万一、規制体がフラットフック本体から外れた場合でもあってフラットフック本体からの離脱を防止することができる。
【0020】
これらの場合、前記ラッシング用フックにおいて、規制体は、フラットフック本体の内側面にて少なくともフック基部から引掛け部の先端部に掛けて形成されるとともに突出部がフック基部側に突出した状態で形成することができる。
【0021】
これによれば、ラッシング用フックは、規制体がフラットフック本体の内側面にてフック基部から引掛け部の先端部に掛けて形成されるとともに突出部がフック基部側に突出した状態で形成されているため、フック基部に規制体を固定し易くラッシング用フックの製作が容易となる。
【0022】
また、本発明はラッシング用フックの発明として実施できるばかりでなく、このラッシング用フックを備えた荷締め用紐体の発明としても実施できるものである。
【0023】
具体的には、荷締め用紐体は、物品を固定するための紐体と、紐体に設けられて棒状のフック支持体に引っ掛けられる上記各ラッシング用フックとを備えるようにすればよい。これによれば、上記ラッシング用フックと同様の作用効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る荷締め用紐体の外観構成の概略を示す平面図である。
図2図1に示した荷締め用紐体を用いて荷物をパレット上に固定した使用状態を示す斜視図である。
図3】(A)〜(E)は図1に示した荷締め用紐体におけるラッシング用フックの外観構成の概略を示しており、(A)はラッシング用フックの正面図であり、(B)はラッシング用フックの平面図あり、(C)はラッシング用フックの底面図であり、(D)はラッシング用フックの左側面図あり、(E)はラッシング用フックの右側面図ある。
図4】(A),(B)は図3に示したラッシング用フックの使用状態を示しており、(A)はラッシング用フックにフック支持体を挿入する際の状態を示した正面図であり、(B)はラッシング用フックにフック支持体を挿入した保持状態を示した正面図である。
図5】(A)〜(C)は本発明の変形例に係るラッシング用フックの外観構成の概略をそれぞれ示した正面図である。
図6】本発明の他の変形例に係るラッシング用フックの外観構成の概略を示した正面図である。
図7】(A),(B)は本発明の他の変形例に係るラッシング用フック外観構成の概略を示しており、(A)はラッシング用フックの正面図であり、(B)はラッシング用フックの右側面図である。
図8】(A)〜(E)は本発明の他の変形例に係るラッシング用フックの外観構成の概略を示しており、(A)はラッシング用フックの正面図であり、(B)はラッシング用フックの平面図あり、(C)はラッシング用フックの底面図であり、(D)はラッシング用フックの左側面図あり、(E)はラッシング用フックの右側面図ある。
図9】(A),(B)は図8に示したラッシング用フックの使用状態をそれぞれ示しており、(A)はラッシング用フックにフック支持体を挿入する際の状態を示した正面図であり、(B)はラッシング用フックにフック支持体を挿入してロックした状態を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係るラッシング用フックおよび同ラッシング用フックを備えた荷締め用紐体の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るラッシング用フック200を備えた荷締め用紐体100の外観構成の概略を示す平面図である。また、図2は、図1に示した荷締め用紐体100を用いて荷物WKをパレット90上に固定した使用状態を示す斜視図である。この荷締め用紐体100は、荷役用のパレット90上に載置された物品を荷物WKとして縛ってパレット90上に固定するための荷役用の道具である。
【0026】
(ラッシング用フック200および荷締め用紐体100の構成)
荷締め用紐体100は、主として、可変長ベルト体110、固定長ベルト体130およびバックル140で構成されている。可変長ベルト体110は、荷締め用紐体100の全体の長さ調整を可能としつつ固定長ベルト体130およびバックル140と協働して荷物WKを荷役用のパレット90上に固定するためのものであり、主として、ベルト111、保護スリーブ120およびラッシング用フック200によって構成されている。
【0027】
これらのうち、ベルト111は、荷物WK上に掛けられる長尺に延びる部材であり、樹脂材(例えば、ナイロンやポリプロピレンなど)を引っ張り強度に優れた幅広の帯状に形成して構成されている。このベルト111は、一方の端部にラッシング用フック200が取り付けられているとともに他方の端部が何も取り付けられていない自由端で構成された挿込み部111aとなっている。
【0028】
この場合、ベルト111における他方の端部である挿込み部111aは、バックル140に対して最初に挿し込まれる部分であり、先端部が鋭角に尖って形成されている。そして、このベルト111は、様々な形状および大きさの荷物WKに対応するために、想定される標準的な大きさの荷物WKに対して十分に長い長さに形成されている。
【0029】
保護スリーブ120は、ベルト111が荷物WKを縛る際にベルト111の損傷を防止するための部品であり、長尺に延びるベルト111における長手方向の一部の範囲の外周部を覆う筒状に形成されている。この場合、保護スリーブ120は、ベルト111上を自由に移動可能な大きさの内径に形成されている。この保護スリーブ120は、本実施形態においては、樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル)製のシート材を筒状に形成して構成されている。
【0030】
ラッシング用フック200は、図3(A)〜(E)にそれぞれ示すように、ベルト111の一方の端部をパレット90のフック支持体92に着脱自在に引っ掛けるための金属製の部品であり、主として、フラットフック本体201および規制体210によって構成されている。これらのうち、フラットフック本体201は、ベルト111に連結される部分であるとともにフック支持体92に引っ掛けられる部分であり、金属製の平板を略J字状に折り曲げて形成されている。
【0031】
より具体的には、フラットフック本体201は、平板状に延びるフック基部202の一方の端部側が幅広に形成されて長孔状のフック連結部203が形成されるとともに、他方の端部側が前記幅広の部分より狭い幅で延びた後、屈曲して折り返された引掛け部204が形成されて構成されている。これらのうち、フック連結部203は、ベルト111が接続される部分であり、ベルト111が貫通する幅の貫通孔によって構成されている。
【0032】
また、引掛け部204は、フック支持体92が引っ掛けられる部分であり、フック支持体92の外径よりも小さな曲率で屈曲した後、先端部がフック基部202に対して離隔する方向に延びる傾斜面で構成されている。この場合、引掛け部204の先端部分と同先端部分に対向する規制体基部211との間の間隔は、フック支持体92の太さよりも十分に広く形成されている。また、引掛け部204の先端部分と同先端部分に対向するフック基部202との間の空間がフック支持体92が出入りする開口部205となっている。
【0033】
規制体210は、フラットフック本体201における引掛け部204の内側に引掛けられたフック支持体92が引掛け部204から外れることを防止するためのものであり、フラットフック本体201の内側面に対応する形状の金属製の板状体で構成されている。具体的には、規制体210は、平板状に延びる規制体基部211の一方の端部側が幅広に形成されて長孔状の規制体連結部212が形成されるとともに、他方の端部側が前記幅広の部分より狭い幅で延びた後、屈曲した屈曲部213および同屈曲部213から延びてさらに屈曲した突出部214が形成されて構成されている。
【0034】
これらのうち、規制体連結部212は、ベルト111が接続される部分であり、ベルト111が貫通する幅の貫通孔によって構成されている。また、屈曲部213は、フラットフック本体201の引掛け部204の屈曲部分に沿って密着しながら屈曲する部分である。この屈曲部213の先端部は、引掛け部204から離隔するように延びた後、突出部214が形成されている。
【0035】
突出部214は、引掛け部204内に配置されたフック支持体92が引掛け部204内から外れることを防止するため部分であり、フラットフック本体201における開口部205の開口間隔をフック支持体92の太さ以下の間隔に狭める突出量で形成されている。この場合、突出部214は、突出部214に対向する規制体基部211との間隔、すなわち、開口部205の開口間隔がフック支持体92の太さ以上となる範囲で弾性変形可能に形成されている。
【0036】
本実施形態においては、突出部214は、規制体210を構成する板状体を規制体基部211側に張り出すように屈曲させた後、同規制体基部211から離隔する方向、換言すれば、引掛け部204の先端部に接近する方向に延びて形成されている。この場合、突出部214の先端部は、引掛け部204の先端部に対して接触しない離隔した状態を保って延びている。すなわち、突出部214は、引掛け部204から浮いた状態で形成されている。
【0037】
この規制体210は、規制体基部211がフラットフック本体201のフック基部202に対してリベット220によって固定されている。そして、この規制体210は、フラットフック本体201のフック連結部203と規制体210の規制体連結部212とにそれぞれベルト111が通されることによってベルト111の端部に留められている。
【0038】
固定長ベルト体130は、可変長ベルト体110およびバックル140と協働して荷物WKを荷役用のパレット90上に固定するためのものであり、主として、ベルト131、保護スリーブ120およびラッシング用フック200によって構成されている。
【0039】
これらのうち、ベルト131は、前記ベルト111と同様に、荷物WK上に掛けられる長尺に延びる部材であり、樹脂材(例えば、ナイロンやポリプロピレンなど)を引っ張り強度に優れた幅広の帯状に形成して構成されている。このベルト131は、一方の端部がバックル140に接続された状態で他方の端部にラッシング用フック200が設けられている。また、ベルト131には、ベルト131を保護するための保護スリーブ120が設けられている。これらのラッシング用フック200および保護スリーブ120は、前記可変長ベルト体110におけるラッシング用フック200および保護スリーブ120と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0040】
バックル140は、荷締め用紐体100の全体の長さ調整を可能としつつ可変長ベルト体110および固定長ベルト体130と協働して荷物WKを荷役用のパレット90上に固定するための留め具である。このバックル140は、バックル140内に通される可変長ベルト体110のベルト111を作業者の任意の位置で固定することができる。より具体的には、バックル140は、ローレット加工が施された図示しない押圧片を図示しないトーションコイルスプリングの弾性力でベルト111に押し付けてベルト111を固定する所謂スプリングバックルで構成されている。
【0041】
なお、このバックル140は、ベルト111を作業者の任意の位置で固定することができる留め具であればよく、スプリングバックル以外のバックル、例えば、ラチェットバックルやオーバセンタバックルの他、スプリングの弾性力を利用しないバックル、例えば、カムバックルやラダーバックルで構成することもできる。
【0042】
そして、このバックル140における一方(図示右側)の端部には、固定長ベルト体130のベルト131が接続されている。また、バックル140の下面には、荷物保護体150が取り付けられている。荷物保護体150は、バックル140が荷物WKに接触して損傷を与えることを防止するための部品であり、人手で屈曲変形可能な素材(例えば、前記ベルト111および前記ベルト131と同じ素材)を少なくともバックル140における荷物WK側の面を覆う大きさおよび形状に形成して構成されている。
【0043】
この荷物保護体150は、バックル140の下面に同バックル140の長手方向に直交する方向に延びる2つの長方形状の荷物保護体150が並べられて設けられている。これにより、互いに隣接配置された2つの荷物保護体150間には切れ目151が形成されている。これらの2つの荷物保護体150は、バックル140の幅方向における長さがバックル140の両側面部を包囲した後、バックル140の上面で荷物保護体150の両端部が少なくとも互いに接し合う長さ、すなわち、バックル140の上面を覆うことができる長さにそれぞれ形成されている。また、これらの2つの荷物保護体150は、バックル140の長手方向の両端部からそれぞれバックル140の長手方向の両端部を覆うことができる長さだけ張り出して形成されている。
【0044】
(ラッシング用フック200および荷締め用紐体100の作動)
次に、上記のように構成したラッシング用フック200および荷締め用紐体100の作動について説明する。この荷締め用紐体100は、荷役用のパレット90上に載置された荷物WKをパレット90に固縛するために用いられるものである。この場合、パレット90は、荷物WKを載置可能な大きさの平面視で方形状に形成された平たい台である。このパレット90における4つの側面のうち、互いに対向する2つの側面からなる1組の側面にはフォークリフトの爪を挿入するためのフォーク挿入孔91が貫通した状態で形成されている。
【0045】
また、パレット90における4つの側面のうちの前記1組の側面とは異なる互いに対向する残りの2つの側面からなるもう1組の側面にはラッシング用フック200を引っ掛けるためのフック支持体92がそれぞれ張り出した状態で設けられている。この場合、フック支持体92は、ラッシング用フック200における引掛け部204内に収まる外径の丸棒で構成されており、各側面の長手方向に沿って延びて形成されている。なお、図2においては、互いに対向する2つの側面にそれぞれ形成されるフック支持体92のうちの一方(図示手前側)のみ示している。
【0046】
パレット90上に荷物WKを固縛する作業者は、まず、パレット90上に荷物WKを載置した後、荷締め用紐体100を用意する。この場合、作業者は、バックル140に対して予め可変長ベルト体110が連結された状態の荷締め用紐体100を用意することができるが、荷物WKの大きさや形状に合った荷締め用紐体100を調製して用意することもできる。すなわち、作業者は、予め複数種類の長さの可変長ベルト体110を製作しておき、固縛作業時に荷物WKの大きさや形状に合った長さの可変長ベルト体110を選択してバックル140とともに用意することができる。
【0047】
次に、作業者は、可変長ベルト体110およびバックル140をそれぞれ個別に用意した場合には、バックル140に対して可変長ベルト体110を連結する。具体的には、作業者は、バックル140内に可変長ベルト体110におけるベルト111を通す。これにより、バックル140に対して可変長ベルト体110が連結されて一体となった荷締め用紐体100が形成される。
【0048】
次に、作業者は、荷締め用紐体100を荷物WKを介してパレット90に掛ける。具体的には、作業者は、固定長ベルト体130におけるラッシング用フック200をパレット90におけるフック支持体92に引っ掛ける。より具体的には、作業者は、図4(A)に示すように、ラッシング用フック200における開口部205を形成する突出部214にフック支持体92を押し付ける。これにより、ラッシング用フック200は、突出部214がフラットフック本体201における引掛け部204側に弾性的に変位および変形することによって開口部205の開口間隔が拡張されてフック支持体92を通過させることができる。
【0049】
そして、引掛け部204内にフック支持体92が位置した場合には、図4(B)に示すように、突出部214は再び規制体基部211側に復帰して開口部205の開口間隔が狭められる。この場合、突出部214は、引掛け部204内に配置されたフック支持体92を屈曲部213側に押圧する。これにより、フック支持体92は、引掛け部204内にて突出部214および屈曲部213によって挟まれた状態で保持される。なお、本実施形態においては、図1および図3(A),(B)にそれぞれ示すように、ラッシング用フック200をフック支持体92の外側から掛ける所謂外掛けで引っ掛けたが、ラッシング用フック200をフック支持体92の内側から掛ける所謂内掛けで引っ掛けることもできる。
【0050】
次いで、作業者は、可変長ベルト体110におけるラッシング用フック200を固定長ベルト体130におけるラッシング用フック200と同様の要領でパレット90のフック支持体92に引っ掛ける。この場合、作業者は、既にパレット90における一方のフック支持体92に固定長ベルト体130のラッシング用フック200における規制体210によって保持されているため、可変長ベルト体110のラッシング用フック200をパレット90における他方のフック支持体92に引掛ける際に固定長ベルト体130のラッシング用フック200がフック支持体92から外れることが防止される。
【0051】
次に、作業者は、荷締め用紐体100で荷物WKをパレット90に対して固縛する。具体的には、作業者は、可変長ベルト体110のベルト111の自由端である挿込み部111a側を引っ張ることによってバックル140が固定するベルト111の位置を変化させてバックル140から可変長ベルト体110のラッシング用フック200までのベルト111の長さを短くしていく。この可変長ベルト体110を締めていく過程において作業者は、バックル140および保護スリーブ120の位置を適宜調整してバックル140およびベルト111,131が荷物WKに損傷を与えることを防止することができる。この場合、作業者は、荷物保護体150に切れ目151が形成されているため、換言すれば、荷物保護体150が2枚で構成されているため荷物WKの形状に合わせてバックル140と荷物WKとの接触を避けることができる。
【0052】
これらの作業を経て作業者は、荷締め用紐体100を用いて荷物WKをパレット90に対して固縛することができる。なお、作業者は、荷締め用紐体100を用いて荷物WKをパレット90に対して固縛する作業において、可変長ベルト体110のラッシング用フック200をフック支持体92に掛けた後に固定長ベルト体130のラッシング用フック200をフック支持体92に掛けるようにしてもよいことは当然である。
【0053】
次に、作業者は、パレット90上に荷締め用紐体100によって固縛された荷物WKを輸送または保管する。この場合、荷締め用紐体100は、バックル140を介した可変長ベルト体110および固定長ベルト体130によって荷物WKを固定するため、荷物WKを安定的に固定することができる。また、荷締め用紐体100は、ラッシング用フック200のフック基部202、引掛け部204、規制体基部211、屈曲部213および突出部214がそれぞれ平板状に形成されてラッシング用フック200がフック支持体92の長手方向に沿って引っ掛かっているとともに、フック支持体92が屈曲部213および突出部214によって保持されているため、外部から振動や突発的な力が作用した場合であってもフック支持体92上での位置ずれおよび引掛け部204からの外れが防止されて緊縛力を維持することができる。
【0054】
次に、荷締め用紐体100による固縛状態を解く場合には、作業者は、バックル140を操作して可変長ベルト体110におけるベルト111の固定状態を解除した後、可変長ベルト体110および固定長ベルト体130における各ラッシング用フック200をフック支持体92からそれぞれ取り外す。この場合、作業者は、引掛け部204内のフック支持体92に対してラッシング用フック200を突出部214の弾性力に抗しながら引き抜くことによってラッシング用フック200をフック支持体92から取り外すことができる。
【0055】
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、ラッシング用フック200は、平板状のフック基部202に屈曲した状態で引掛け部204が形成されたフラットフック本体201の内側に引掛け部204の開口間隔を弾性的に狭める規制体210が設けられているため、引掛け部204内に位置したフック支持体92の位置ずれおよび外れを規制体210によって抑制することができる。これにより、ラッシング用フック200は、荷締め作業時におけるフック支持体92からの脱落をフック支持体92の材質に関わらず防止することができ、荷締め作業を容易かつ迅速に行うことができる。
【0056】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、下記各変形例の説明においては、参照する図における上記実施形態と同様の部分については同じ符号を付すとともに重複する部分の説明は省略する。
【0057】
例えば、上記実施形態においては、規制体210における突出部214は、フラットフック本体201における引掛け部204から浮いた状態で形成した。これにより、突出部214は、フック支持体92の引掛け部204に対する出し入れの際において弾性変形し易くなっている。しかし、突出部214は、フラットフック本体201における引掛け部204の内側面に設けられて同引掛け部204の内側に向かって弾性的に突出するとこによって開口部205の開口間隔または引掛け部204内の領域がフック支持体92の太さ未満から同太さ以上の範囲で弾性変形可能に形成されていればよい。したがって、突出部214は、例えば、図5(A)に示すように、フラットフック本体201における引掛け部204に一部が接触した状態で形成することもできる。この場合、突出部214は、フック支持体92が出入りする際、突出部214を構成する屈曲部分が弾性的に開くことによって開口部205が拡がる。
【0058】
また、上記実施形態においては、規制体210における突出部214は、屈曲部213から延びて屈曲した後、引掛け部204の先端部に接近する方向に延びて形成されている。しかし、突出部214は、前記した通り、フラットフック本体201における引掛け部204の内側面に設けられて同引掛け部204の内側に向かって弾性的に突出して形成されていればよい。したがって、突出部214は、例えば、図5(B)に示すように、屈曲部213から規制体基部211に接近する方向に曲線状または直線状に延びて形成することもできる。
【0059】
また、上記実施形態においては、規制体210における突出部214は、フラットフック本体201の引掛け部204内に位置するフック支持体92を屈曲部213側に押さえるように構成した。しかし、突出部214は、前記した通り、フラットフック本体201における引掛け部204の内側面に設けられて同引掛け部204の内側に向かって弾性的に突出して形成されていればよい。したがって、突出部214は、例えば、図5(C)に示すように、フラットフック本体201の引掛け部204内に位置するフック支持体92に対して接しないように構成することもできる。なお、突出部214は、フラットフック本体201の引掛け部204内に位置するフック支持体92に接するように構成することでも引掛け部204内における位置ずれおよび外れを抑制することができる。
【0060】
また、上記実施形態においては、規制体210における突出部214は、フラットフック本体201におけるフック基部202側に突出するように引掛け部204における折り返された部分に形成された。しかし、突出部214は、例えば、図6に示すように、フラットフック本体201における引掛け部204における折り返し部分に向かって突出するようにフック基部202上に設けることもできる。この場合、規制体210は、フラットフック本体201に対してリベット220などの金具を用いて固定することができる。これによれば、屈曲部213を省略して規制体210を小さく構成できるため、ラッシング用フック200の構成を簡単化できるとともに軽量化することができる。
【0061】
また、上記実施形態においては、規制体210における突出部214は、引掛け部204における開口部205付近に設けた。これにより、引掛け部204内に配置されたフック支持体92を効果的に保持することができる。しかし、規制体210における突出部214は、引掛け部204における開口部205よりも内側に設けることも可能である。なお、引掛け部204内において突出部214を設ける位置は、引掛け部204内に配置されるフック支持体92の中心(例えば、軸線や重心)よりも開口部205側が保持精度上好適である。
【0062】
また、上記実施形態においては、規制体210は、規制体基部211から突出部214までを連続する中実の板状体で構成した。しかし、規制体210は、例えば、図7(A),(B)にそれぞれ示すように、屈曲部213の一部に貫通孔213aを設けることによって突出部214の弾性力を抑えることもできる。なお、規制体210は、屈曲部213の一部に貫通孔213aに代えてまたは加えて図示しない切欠きを設けることによって突出部214の弾性力を抑えることもできる。
【0063】
また、上記実施形態においては、ラッシング用フック200は、引掛け部204に対するフック支持体92の入出を規制体210によって規定した。しかし、ラッシング用フック200は、規制体210に加えてより効果的に引掛け部204に対するフック支持体92の入出を規定することができる。
【0064】
例えば、図8(A)〜(E)にそれぞれ示すように、ラッシング用フック200は、フラットフック本体201に対して規制体210に加えてゲート体230を備えて構成することができる。このラッシング用フック200は、フラットフック本体201に対して前記図6に示した規制体210を介してゲート体230が設けられている。
【0065】
ゲート体230は、フラットフック本体201における引掛け部204の内側に引掛けられたフック支持体92が引掛け部204から外れることを防止するためのものであり、引掛け部204の前方下のフック基部202上に同フック基部202側に向かって押下可能に張り出して形成されている。このゲート体230は、主として、ピン体231およびスプリング232によって構成されている。
【0066】
これらのうち、ピン体231は、金属製の棒体であり、フラットフック本体201のフック基部202および規制体210の規制体基部211をそれぞれ摺動可能な状態で貫通して設けられている。このピン体231は、円柱状に延びるピン本体231aの両端部がそれぞれフランジ状に張り出して形成されるとともに、これらの両端部のうちの引掛け部204側の先端部231bが上面中心部から外側に向かってフック基部202側に傾斜する傾斜面で構成されている。
【0067】
本実施形態においては、ピン体231における先端部231bは、球面によって構成されている。また、ピン体231は、先端部231bの上面がフラットフック本体201における引掛け部204の上面よりも低いとともに先端部231bの下面が引掛け部204の先端部の下面よりも低い位置に位置するように形成されている。なお、ピン体231における先端部231bとは反対側の端部は、カシメ加工によってフランジ状に成形されることによりフック基部202からの抜け防止となっている。
【0068】
スプリング232は、ピン体231の先端部231bをフック基部202および規制体基部211からそれぞれ離隔する方向に弾性的に押すための部品であり、先端部231bと規制体基部211の上面との間におけるピン本体231aの外周部上に設けられている。すなわち、スプリング232は、本実施形態においては、コイルスプリングによって構成されている。これにより、規制体210における規制体基部211は、常にフック基部202に対して押し付けられた状態となっている。
【0069】
次に、このように構成した図8(A)〜(E)にそれぞれ示したラッシング用フック200の使用においては、作業者は、ラッシング用フック200をフック支持体92に引掛ける。より具体的には、作業者は、図9(A)に示すように、ラッシング用フック200におけるピン体231の先端部231bにフック支持体92を押し付ける。これにより、ラッシング用フック200におけるピン体231は、スプリング232の弾性力に抗しながらスライドして先端部231bが規制体基部211側に向かって変位する(図において破線矢印参照)。
【0070】
この場合、フック支持体92は、ピン体231の先端部231bが頂上部から外側に向かってフック基部202側に傾斜する傾斜面で構成されているため、ラッシング用フック200の引掛け部204内に円滑に案内される。また、この場合、ラッシング用フック200は、ラッシング用フック200におけるフック基部202、規制体基部211および引掛け部204が幅方向に平板状に形成されているため、フック支持体92における屈曲部やこの屈曲部からパレット90の側面に延びる引掛け部204の幅より短い部分に引掛け部204を誤って引っ掛けるというミスを未然に防止することができる。
【0071】
そして、作業者は、ゲート体230を通過させたフック支持体92を規制体210の突出部214に当てて同突出部214をフック基部202側に弾性変形させることによってフック支持体92を引掛け部204内に位置させる。これにより、フック支持体92は、図9(B)に示すように、引掛け部204内にて規制体210の突出部214によって押さえられた状態で保持される。また、ラッシング用フック200はピン体231がスプリング232の弾性力によって先端部231bが規制体基部211から離隔して引掛け部204に接近する方向に変位するため、引掛け部204内がピン体231によって閉じられる(図示において破線矢印参照)。これにより、ラッシング用フック200は、引掛け部204内に位置させたフック支持体92が引掛け部204内から外れることが防止されたロック状態となる。
【0072】
なお、図8(A)〜(E)および図9(A),(B)にそれぞれ示したラッシング用フック200においては、規制体210における突出部214をフラットフック本体201における引掛け部204における折り返し部分に向かって突出するようにフック基部202上に設けた。しかし、ラッシング用フック200は、上記実施形態のように、規制体210における突出部214をフラットフック本体201におけるフック基部202側に突出するように引掛け部204における折り返された部分に形成して構成できることは当然である。
【0073】
また、上記実施形態においては、規制体210は、フラットフック本体201の内側面に対応する形状に形成した。しかし、規制体210は、フラットフック本体201における引掛け部204の内側面に設けられて同引掛け部204の内側に向かって弾性的に突出する突出部214を備えていればよい。したがって、規制体210は、フラットフック本体201の内側面に突出部214を備えていればよいが、例えば、少なくともフラットフック本体201のフック基部202から引掛け部204の先端部に掛けて形成されるとよい。すなわち、この場合、規制体210は、規制体連結部212を省略して構成することができる。
【0074】
また、上記実施形態においては、規制体210は、リベット220によってフラットフック本体201に固定されている。しかし、規制体210は、リベット220以外の固定方法、例えば、溶接、接着剤、ビス、プレス加工または磁石によって固定することもできる。
【0075】
また、上記実施形態においては、規制体210は、金属材料(例えば、ステンレス鋼やバネ鋼)で構成した。しかし、規制体210は、金属材料以外の材料、例えば、樹脂材やゴム材などで構成することもできる。
【0076】
また、上記実施形態においては、荷締め用紐体100は、バックル140に荷物保護体150を備えて構成した。しかし、荷締め用紐体100は、荷物WKへの損傷を考慮する必要がない場合には荷物保護体150を省略して構成することもできる。また、荷物保護体150は、一枚の荷物保護体150で構成、すなわち切れ目151を省略して構成してもよいし、3枚以上の荷物保護体150で構成することもできる。また、荷物保護体150は、人手で変形可能な素材(例えば、織物、不織布、ゴム材など)以外の素材、すなわち、人手では変形が困難な素材、例えば、樹脂製やゴム製のプレート体で構成することもできる。
【0077】
また、上記実施形態においては、荷締め用紐体100は、ベルト111,131を幅広の帯状に形成した。しかし、荷締め用紐体100が荷物WKを固定するための紐体は、荷物を固定できればよく、ベルト以外の紐体、例えば、ロープや鎖などであってもよい。
【0078】
また、上記実施形態においては、荷締め用紐体100は、荷物WKをパレット90上に固定した。しかし、荷締め用紐体100は、荷物WKを運搬や保管のために固定する際に用いられれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、荷締め用紐体100は、パレット90の他に、例えば、車両の荷台やアンカーが設置された床面に荷物WKを固定することができる。
【符号の説明】
【0079】
WK…荷物、
90…パレット、91…フォーク挿入孔、92…フック支持体、
100…荷締め用紐体、
110…可変長ベルト体、111…ベルト、
120…保護スリーブ、
130…固定長ベルト体、131…ベルト、
140…バックル、
150…荷物保護体、151…切れ目、
200…ラッシング用フック、201…フラットフック本体、202…フック基部、203…フック連結部、204…引掛け部、205…開口部、
210…規制体、211…規制体基部、212…規制体接続部、213…屈曲部、213a…貫通孔、214…突出部、
220…リベット、
230…ゲート体、231…ピン体、231a…ピン本体、231b…先端部、232…スプリング。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9