(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
工程(i)及び/又は工程(vi)の前記布地が、自動洗濯機の洗浄サイクルにおいて洗濯洗剤組成物と接触し、かつ前記洗浄サイクルの長さが少なくとも30秒、少なくとも3分、あるいは少なくとも6分であるが、30分、45分、あるいは1時間以下である、請求項1、2に記載の方法。
工程(i)及び/又は工程(vi)の前記布地が、自動洗濯機の洗浄サイクルにおいて洗濯洗剤組成物と接触し、かつ前記洗浄サイクルが5℃〜50℃の間の温度、好ましくは10℃〜30℃の間にて継続する、請求項1〜3に記載の方法。
前記脂質エステラーゼが、E.C.分類3.1から選択され、好ましくはE.C.分類3.1.1.1、E.C.分類3.1.1.3、E.C.分類3.1.1.74又はこれらの組み合わせから選択される、請求項1〜4に記載の方法。
前記脂質エステラーゼが、分類E.C.3.1.1.3又はE.C.3.1.1.1若しくはこれらの組み合わせ、好ましくはE.C.3.1.1.3から選択される、請求項5に記載の方法。
前記脂質エステラーゼが、サーモマイセス ラヌゲノウス(Thermomyces lanuginosus)からの野生型リパーゼに対して少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ配列置換T231R及びN233Rを有する変異型、又は請求項5、欧州特許第1290150(B1)号のパート(u)に対応する変異型、若しくはこれらの組み合わせを含む、請求項1〜6に記載の方法。
工程(iii)において、前記布地が脂質エステラーゼと接触し、前記脂質エステラーゼが水性すすぎ液中に30〜55,000ng酵素/g布地との間の濃度で存在する、請求項1〜7に記載の方法。
洗浄性界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、好ましくは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、アルコキシル化アニオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせから選択されるアニオン性界面活性剤を含む、請求項1〜10に記載の方法。
工程(i)及び/又は工程(vi)の洗濯洗剤組成物が、0wt%〜10wt%の無水ベースのゼオライトビルダー、0wt%〜10wt%のホスフェートビルダー、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1〜12に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の方法は、以下の工程を含む。
i)洗剤組成物を含む水性洗浄液に布地を接触させることであり、本洗剤組成物は界面活性剤を含み、かつ洗浄液は0.05〜4g/lの界面活性剤を含む、また
ii)第1洗浄段階において、工程(i)の布地をすすぎ液に接触させること、
iii)第2洗浄段階において、工程(ii)の布地を脂質エステラーゼを含む第2水性すすぎ液に接触させること、
iv)布地を乾燥させること、
v)工程(iv)の布地を汚れに接触させること、
vi)工程(v)の布地を洗剤組成物の水性洗浄液に接触させることであり、洗剤組成物は界面活性剤を含み、かつ洗浄液は0.05〜4g/lの界面活性剤を含む。
【0009】
本発明の方法において、工程(i)の布地は、洗剤組成物の水への添加により水性洗浄液が形成される従来の洗浄工程で洗浄されてよい。水性洗浄液中の界面活性剤濃度は0.05〜4g/lである。工程(ii)において、布地は洗浄作業のすすぎ段階を受け、洗浄液は布地からほぼ除去される。工程(iii)において、布地が脂質エステラーゼに接触する更なるすすぎ段階が提供される。布地は次に、工程(iv)で乾燥され、かつ工程(v)において汚れを被る、即ち布地は次に消費者により着用されるか用途のため別の方法で使用される。布地の使用に続き、布地は次に、工程(vi)において更に水性洗浄液に接触され得る。理論に束縛されるものではないが、工程(iii)で布地と接触する脂質エステラーゼは、汚れ工程(v)の間に布地に接触する汚れ/染みの加水分解に対し「out of the wash」作用すると考えられている。これは、その後の洗浄工程(iv)における良好な汚れ除去及び工程(vi)における布地からの効果的な汚れ除去をもたらす。これにより、使用する界面活性剤量の低減が効果的な洗浄を提供することを可能にする。
【0010】
工程(i)
本発明の方法は、布地を水性洗浄液に接触させる工程(i)を含む。水性洗浄液は、洗濯洗剤組成物の水への添加により形成される。水性洗浄液を形成するために水に添加される洗剤組成物は、顆粒、液体又は1回分の容量を含む任意の好適な形状であってよい。1回分の容量形態の場合、組成物は水溶性フィルム内、例えばポリビニルアルコール系フィルム内に封入されていることが望ましい。布地は、手洗い洗浄工程における組成物あるいは機械洗浄サイクルにおける洗浄液に接触してよい。
【0011】
洗濯洗剤組成物は、典型的には、洗濯洗剤組成物の総重量を基準として1〜70重量%、又は2〜50重量%又は5〜40重量%の界面活性剤を含む。洗浄液中の界面活性剤の濃度は、0.05〜5g/l、又は0.1〜4g/lである。
【0012】
洗浄性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極イオン性界面活性剤、両性界面活性剤又はこれらの組み合わせであってよい。界面活性剤組成物は、1種の界面活性剤又は典型的には2種以上の界面活性剤の混合物を含んでよい。
【0013】
好ましいアニオン性洗浄界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸、アルコキシル化アニオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせである。好適なアニオン性洗浄性界面活性剤としては、サルフェート洗浄性界面活性剤及びスルホネート洗浄性界面活性剤が挙げられる。
【0014】
特に好ましいアルキルベンゼンスルホン酸は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、特に炭素鎖長C8〜C15を有するようなもの、又はC
10〜13アルキルベンゼンスルホン酸である。好適なアルキルベンゼンスルホン酸(LAS)は、市販の直鎖アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することにより入手可能であるか、あるいは入手され、好適なLABとしては商品名Isochem(登録商標)としてSasolにより供給されているもの又はPetrsaにより商品名Petrelab(登録商標)として供給されているものなどの低2−フェニルLAB、他の好適なLABとしては商品名Hyblene(登録商標)としてSasolにより供給されているものなどの高2−フェニルLABが挙げられる。別の好適なアニオン性洗浄界面活性剤は、DETAL触媒プロセスにより得られる、好ましくは8〜15個の炭素原子を有するアルキルベンゼンスルホン酸である。HFなどの他の合成経路もまた、好適であり得る。
【0015】
好適なサルフェート洗浄性界面活性剤としては、C
8〜18アルキルサルフェート、又は主にはC
12アルキルサルフェート等のアルキルサルフェートが挙げられる。アルキルサルフェートは、ココ及び/又はタロー等の天然源に由来してよい。あるいは、アルキルサルフェートは、C
12〜15アルキルサルフェート等の合成源に由来してもよい。
【0016】
界面活性剤組成物は更に、アルキルエトキシル化サルフェート、又はC
8〜18アルキルアルコキシル化サルフェート、又はC
8〜18アルキルエトキシル化スルフェート等のアルキルアルコキシル化サルフェートを含むことが好ましいことがある。好ましくは、アルキル鎖長は12〜16個の炭素原子であってよい。アルキルアルコキシル化サルフェートは、0.5〜20、又は0.5〜10、又は0.5〜7、又は0.5〜5、又は0.5〜3の平均アルコキシル化度を有し得る。実施例としては、モル当たりのエチレンオキシド平均3モルでエトキシル化された優性C12ラウリル硫酸エーテルナトリウムが挙げられる。
【0017】
アルキルサルフェート、アルキルアルコキシル化サルフェート、及びアルキルベンゼンスルホネートは、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、置換であっても非置換であってもよい。
【0018】
アニオン性洗浄界面活性剤は、中鎖分枝鎖アルキルサルフェート及び/又は中鎖分枝鎖アルキルベンゼンスルホネート等の中鎖分枝鎖アニオン性洗浄界面活性剤であってよい。中鎖分枝鎖は、典型的に、メチル基及び/又はエチル基等のC
1〜4アルキル基である。
【0019】
別の好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、アルキルエトキシカルボキシレートである。
【0020】
アニオン性洗浄性界面活性剤は、典型的にはその塩形態で存在し、典型的には好適なカチオンと錯体化している。好適な対イオンとしては、Na
+及びK
+、C
1〜C
6亜アルカノールアンモニウム等の置換アンモニウム、例えば、モノエタノールアミン(MEA)、トリエタノールアミン(TEA)、ジエタノールアミン(DEA)、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0021】
好ましくは、界面活性剤組成物は、アニオン性界面活性剤に加えて非イオン性界面活性剤を含む。好ましい非イオン性界面活性剤は、一級及び二級アルコール、特にエトキシレートである。好適な非イオン性洗浄界面活性剤としては、C
8〜18アルキルアルコキシル化アルコール、又はC
8〜18アルキルエトキシル化アルコール等のアルキルアルコキシル化アルコールが挙げられる。アルキルアルコキシル化アルコールは、0.5〜50、又は1〜30、又は1〜20、又は1〜10の平均アルコキシル化度を有し得る。アルキルアルコキシル化アルコールは、典型的には、1〜10、又は1〜7、又は1〜5、又は3〜7の平均エトキシル化度を有するC
8〜18アルキルエトキシル化アルコールであってよい。アルキルアルコキシル化アルコールは、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、置換であっても非置換であってもよい。
【0022】
非イオン性界面活性剤の好適例としては、ShellからNEODOL(登録商標)の名で販売されている非イオン性界面活性剤等の、C
8〜C
18アルキルエトキシレートからなる群から選択されるようなもの、任意にアルコキシレート単位がエチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位又はこれらの混合物である、C
6〜C
12アルキルフェノールアルコキシレートC
12〜C
18アルコール及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーとのC
6〜C
12アルキルフェノール縮合物(例えばBASFから販売されるPluronic(登録商標))、C
14〜C
22中鎖分枝鎖アルコール、典型的には、1〜30の平均アルコキシル化度を有するC
14〜C
22中鎖分枝鎖アルキルアルコキシレート、アルキルポリグリコシド等のアルキル多糖、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、エーテル末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。好適な非イオン性洗浄性界面活性剤はまた、アルキルポリグルコシド及び/又はアルキルアルコキシル化アルコールである。
【0023】
好適な非イオン性洗浄界面活性剤としては、次式を有する二級アルコール系洗浄性界面活性剤が挙げられる。
【0024】
【化1】
式中、R
1は、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換、飽和又は不飽和のC
2〜8アルキルであり、式中、R
2は、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換、飽和又は不飽和のC
2〜8アルキルであり、R
1+R
2部分中に存在する炭素原子の総数は7〜13の範囲である。EO/POは、エトキシ、プロポキシ、又はこれらの混合物から選択されるアルコキシ部分であり、任意で、EO/POアルコキシ部分はランダム又はブロック構造であり、nは、平均アルコキシル化度であり、4〜10の範囲である。
【0025】
他の好適な非イオン性洗浄界面活性剤としては、BASFから入手可能なPlurafac(登録商標)シリーズの界面活性剤等のEO/POブロックコポリマー界面活性剤、及びアルキルN−メチルグルコースアミド等の糖由来の界面活性剤が挙げられる。
【0026】
アニオン性界面活性剤対非イオン性界面活性剤の比は2:1〜1:2、あるいは1:1〜1:3、又は1:1〜1:2超であってよい。
【0027】
前記組成物は更に、好ましくは界面活性剤組成物の10重量%以下の量でアミンオキシドを含んでよい。好適なアミンオキシドは国際公開特許第2014/114570号に記載されており、特に好ましいアミンオキシドはラウリルジメチルアミンオキシドである。組成物は更に双極性界面活性剤を含んでもよい。好ましい双極性界面活性剤はべタイン界面活性剤、例えばハルツマン社から販売されているEmpigen(登録商標)等のカルボべタインである。アミンオキシド及び/又はべタイン界面活性剤が存在する場合、アミンオキシド及び/又はべタインに対するアニオン性及び/又は非イオン性界面活性剤の重量比は、典型的には10:1〜20:1である。
【0028】
本洗濯洗剤組成物は、脂質エステラーゼを含んでもよい。脂質エステラーゼは、任意の脂質エステラーゼであってよい。脂質エステラーゼは、リパーゼ、又はクチナーゼ、若しくはこれらの組み合わせであってよい。
【0029】
脂質エステラーゼは、以下から選択されてよい。
(1)トリアシルグリセロールリパーゼ(E.C.3.1.1.3)
(2)カルボン酸エステル加水分解酵素(E.C.3.1.1.1)
(3)クチナーゼ(E.C.3.1.1.74)
(4)ステロールエステラーゼ(E.C.3.1.1.13)
(5)ワックスエステル加水分解酵素(E.C.3.1.1.50)
【0030】
好適なトリアシルグリセロールリパーゼは、フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)(サーモマイセス・ラヌゲノウス、Thermomyces lanuginosus)のリパーゼ変異型から選択することができる。その他の好適なトリアシルグリセロールリパーゼは、例えばP.アルカリゲネス(P. alcaligenes)又はP.シュードアルカリゲネス(P. pseudoalcaligenes)(欧州特許第218,272号)、P.セパシア(P. cepacia)(欧州特許第331,376号)、P.スタッツエリ(P. stutzeri)(イギリス特許第1,372,034号)、P.フルオレセンス(P. fluorescens)、シュードモナスsp.株SD 705(国際公開特許第95/06720号及び国際公開特許96/27002号)、P.ウィスコンシネンシス(P. wisconsinensis)(国際公開特許96/12012号)等のシュードモナス・リパーゼ(Pseudomonas lipases)、例えばB.subtilis(Dartois et al.(1993)Biochemica et Biophysica Acta,1131,253〜360)、B.ステアロテルモフィルス(B. stearothermophilus)(日本特許第64/744992号)又はB.ピュミルス(B. pumilus)(国際公開特許第91/16422号)等のバチルスリパーゼの変異型から選択することができる。
【0031】
好適なカルボン酸エステル加水分解酵素は、B.グラジオリ(B. gladioli)、P.フルオレセンス(P. fluorescens)、P.putida、B.acidocaldarius、B.subtilis、B.ステアロテルモフィルス(stearothermophilus)、Streptomyces chrysomallus、S.diastatochromogenes及びSaccaromyces cerevisiaeに内生するカルボン酸エステル加水分解酵素の野生型又は変異型から選択することができる。
【0032】
好適なクチナーゼは、アスペルギルス株、特にAspergillus oryzae、Alternaria株、特にAlternaria brassiciola、フサリウム株、特にFusarium solani、Fusarium solani pisi、Fusarium oxysporum、Fusarium oxysporum cepa、Fusarium roseum culmorum、又はFusarium roseum sambucium、Helminthosporum株、特にHelminthosporum sativum、Humicola株、特にHumicola insolens、Pseudomonas株、特にPseudomonas mendocia、又はPseudomonas putida、Rhizoctonia株、特にRhizoctonia solani、Streptomyces株、特にStreptomyces scabies、Coprinopsis株、特にCoprinopsis cinerea、Thermobifida株、特にThermobifida fusca、Magnaporthe株、特にMagnaporthe grisea、又はUlocladium株、特にUlocladium consortialeに内生するクチナーゼの野生型又は変異型から選択することができる。
【0033】
好ましい実施形態において、クチナーゼは国際公開特許2003/076580号(ジェネンコア、Genencor)に記載されている三種の置換I178M、F180V、及びS205G変異型等の、Pseudomonas mendociaクチナーゼの変異型から選択される。
【0034】
別の好ましい実施形態では、クチナーゼは、H.Kontkanen et al,App Environ.Microbiology,2009,p2148〜2157に記載されているCoprinopsis cinereaに内生する,6種のクチナーゼの野生型又は変異型である。
【0035】
別の好ましい実施形態では、クチナーゼは、国際公開特許第2009007510号(VTT)に記載されているTrichoderma reeseiに内生する,2種のクチナーゼの野生型又は変異型である。
【0036】
最も好ましい実施形態において、クチナーゼは、Humicola insolens株,特にHumicola insolens DSM 1800株から誘導される。Humicola insolensクチナーゼは、参照として本明細書に組み込まれている国際公開特許第96/13580に記載されている。クチナーゼは、国際公開特許第00/34450号及び国際公開特許第01/92502号に開示されている変異型の1つなどの変異型であってよい。好ましいクチナーゼ変異型としては、国際公開特許第01/92502号の実施例2に記載されている変異型が挙げられる。好ましい商業用クチナーゼは、Novozym51032(Novozymes,Bagsvaerd,Denmarkから入手可能)を含む。
【0037】
好適なステロールエステラーゼは、オフィオストマ(Ophiostoma)株、例えばオフィオストマ・ピセアエ(Ophiostoma piceae)、シュードモナス(Pseudomonas)株、例えばシュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、又はメラノカルパス(Melanocarpus)株,例えばメラノカルパス・アルボミセス(Melanocarpus albomyces)から誘導してもよい。
【0038】
最も好ましい実施形態において、ステロールエステラーゼは、H.K Kontkanen et al,Enzyme Microb Technol.,39,(2006),265〜273に記載されているメラノカルパス・アルボミセス(Melanocarpus albomyces)ステロールエステラーゼである。
【0039】
好適なワックスエステルヒドロラーゼは、ホホバ(Simmondsia chinensis)から誘導してもよい。
【0040】
脂質エステラーゼは、酵素E.C.クラス3.1又は3.2若しくはこれらの組み合わせから選択されてよい。脂質エステラーゼは、酵素E.C.クラス3.1.1.1又は3.1.1.3若しくはこれらの組み合わせから選択されてよい。
【0041】
工程(i)の洗剤組成物は、後述のように、任意に1種以上の追加の洗剤成分を含有する。
【0042】
布地は、任意の好適な布地であってよい。布地は、天然又は合成材料、若しくはこれらの組み合わせを含んでよい。布地は、綿、ポリエステルと綿との混合織物、ポリエステル、又はこれらの組み合わせを含んでよい。布地は、綿を含んでよい。
【0043】
工程(ii)
工程(ii)において、工程(i)の洗浄した布地は、典型的には水性すすぎ液を使用してすすぎ段階を受ける。これは、工程(i)に存在する洗剤組成物をほぼ含まないすすぎ液中に、工程(i)の布地が置かれる手洗いすすぎ段階であるか、あるいは洗浄機械におけるすすぎ段階であり得る。典型的には、すすぎ液はその後従来の手段により布地から除去される。工程(ii)は、それぞれの段階において新鮮なすすぎ液が提供される、2つ又はそれ以上の分割したすすぎ段階を含んでもよい。洗浄工程ですすぎが全ての洗濯洗剤組成物を除去しないにもかかわらず、工程(ii)は少なくとも部分的に、好ましくはほぼ完全に、工程(i)の布地から洗濯洗剤組成物を除去することを目指す。
【0044】
工程(iii)
本発明の方法は、布地が脂質エステラーゼを含む第2のすすぎ液と接触する、第2のすすぎ工程(iii)を含む。
【0045】
脂質エステラーゼは、任意の好適な脂質エステラーゼであってよい。脂質エステラーゼは、少なくとも第1及び第2の脂質エステラーゼを含んでよい。脂質エステラーゼは、3種以上の脂質エステラーゼを含んでよい。脂質エステラーゼは、リパーゼ、又はクチナーゼ、若しくはこれらの組み合わせであってよい。
【0046】
脂質エステラーゼは、以下から選択されてよい。
(1)トリアシルグリセロールリパーゼ(E.C.3.1.1.3)
(2)カルボン酸エステル加水分解酵素(E.C.3.1.1.1)
(3)クチナーゼ(E.C.3.1.1.74)
(4)ステロールエステラーゼ(E.C.3.1.1.13)
(5)ワックスエステル加水分解酵素(E.C.3.1.1.50)
【0047】
本明細書でEnzyme Commission classを意味する「E.Cクラス」による。Enzyme Commission classは、酵素触媒化学反応に基づき国際的に公認された酵素分類表である。
【0048】
好適なトリシルグリセロールリパーゼは、フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)(サーモマイセス・ラヌゲノウス、Thermomyces lanuginosus)のリパーゼ変異型から選択することができる。その他の好適なトリアシルグリセロールリパーゼは、例えばP.アルカリゲネス(P. alcaligenes)又はP.シュードアルカリゲネス(P. pseudoalcaligenes)(欧州特許第218,272号)、P.セパシア(P. cepacia)(欧州特許第331,376号)、P.スタッツエリ(P. stutzeri)(イギリス特許第1,372,034号)、P.フルオレセンス(P. fluorescens)、シュードモナスsp.株SD705(国際公開特許第95/06720号及び国際公開特許96/27002号)、P.ウィスコンシネンシス(P. wisconsinensis)(国際公開特許96/12012号)等のシュードモナス・リパーゼ(Pseudomonas lipases)、例えばB.subtilis(Dartois et al.(1993)Biochemica et Biophysica Acta,1131,253〜360)、B.ステアロテルモフィルス(B.stearothermophilus)(日本特許第64/744992号)又はB.ピュミルス(B.pumilus)(国際公開特許第91/16422号)等のバチルスリパーゼの変異型から選択することができる。
【0049】
好適なカルボン酸エステル加水分解酵素は、B.グラジオリ(B.gladioli)、P.フルオレセンス(P.fluorescens)、P.putida、B.acidocaldarius、B.subtilis、B.ステアロテルモフィルス(stearothermophilus)、Streptomyces chrysomallus、S.diastatochromogenes及びSaccaromyces cerevisiaeに内生するカルボン酸エステル加水分解酵素の野生型又は変異型から選択することができる。
【0050】
好適なクチナーゼは、アスペルギルス株、特にAspergillus oryzae、Alternaria株、特にAlternaria brassiciola、フサリウム株、特にFusarium solani、Fusarium solani pisi、Fusarium oxysporum、Fusarium oxysporum cepa、Fusarium roseum culmorum、又はFusarium roseum sambucium、Helminthosporum株、特にHelminthosporum sativum、Humicola株、特にHumicola insolens、Pseudomonas株、特にPseudomonas mendocia、又はPseudomonas putida、Rhizoctonia株、特にRhizoctonia solani、Streptomyces株、特にStreptomyces scabies、Coprinopsis株、特にCoprinopsis cinerea、Thermobifida株、特にThermobifida fusca、Magnaporthe株、特にMagnaporthe grisea、又はUlocladium株、特にUlocladium consortialeに内生するクチナーゼの野生型又は変異型から選択することができる。
【0051】
好ましい実施形態において、クチナーゼは国際公開特許2003/076580号(ジェネンコア、Genencor)に記載されている三種の置換I178M、F180V、及びS205G変異型等の、Pseudomonas mendociaクチナーゼの変異型から選択される。
【0052】
別の好ましい実施形態では、クチナーゼは、H.Kontkanen et al,App Environ Microbiology、2009、P2148〜2157に記載されているCoprinopsis cinereaに内生する,6種のクチナーゼの野生型又は変異型である。
【0053】
別の好ましい実施形態では、クチナーゼは、国際公開特許第2009007510号(VTT)に記載されているTrichoderma reeseiに内生する,2種のクチナーゼの野生型又は変異型である。
【0054】
最も好ましい実施形態において、クチナーゼは、Humicola insolens株,特にHumicola insolens DSM1800株から誘導される。Humicola insolensクチナーゼは、参照として本明細書に組み込まれている国際公開特許第96/13580に記載されている。クチナーゼは、国際公開特許第00/34450号及び国際公開特許第01/92502号に開示されている変異型の1つなどの変異型であってよい。好ましいクチナーゼとしては、国際公開特許第01/92502号の例2に記載されている変異型を含む、変異型が挙げられる。
【0055】
好適なステロールエステラーゼは、オフィオストマ(Ophiostoma)株、例えばオフィオストマ・ピセアエ(Ophiostoma piceae)、シュードモナス(Pseudomonas)株、例えばシュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、又はメラノカルパス(Melanocarpus)株,例えばメラノカルパス・アルボミセス(Melanocarpus albomyces)から誘導してもよい。
【0056】
最も好ましい実施形態において、ステロールエステラーゼは、H.K Kontkanen et al,Enzyme Microb Technol.,39,(2006),265〜273に記載されているメラノカルパス・アルボミセス(Melanocarpus albomyces)ステロールエステラーゼである。
【0057】
好適なワックスエステルヒドロラーゼは、ホホバ(Simmondsia chinensis)から誘導してもよい。
【0058】
脂質エステラーゼは、酵素E.C.クラス3.1又は3.2若しくはこれらの組み合わせから選択されてよい。脂質エステラーゼは、E.C.クラス3.1.1.1又は3.1.1.3又は3.1.1.74若しくはこれらの組み合わせから選択される酵素を含んでよい。好ましい脂質エステラーゼは、E.Cクラス3.1.1.3から選択される酵素を含んでよい。脂質エステラーゼは、サーモマイセスラヌゲノウス(Thermomyces lanuginosus)からの野生型リパーゼに対して少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ配列置換T231R及びN233Rを有する変異型、又は請求項5、EP1290150(B1)のパート(u)に対応する変異型、若しくはこれらの組み合わせを含んでよい。脂質エステラーゼは、サーモマイセスラヌゲノウス(Thermomyces lanuginosus)からの野生型リパーゼに対して少なくとも90%の配列同一性を有し、かつ配列置換T231R及びN233Rを有する変異型を含んでよい。
【0059】
布地は、30〜55,000ng酵素/g布地の間の濃度で脂質エステラーゼと接触させてよい。布地は、30〜2000ng酵素/g布地の間の濃度で脂質エステラーゼと接触させてよい。布地は、50〜1700ng酵素/g布地、あるいは80〜1600ng酵素/g布地の間の濃度で脂質エステラーゼと接触させてよい。布地は、100〜3000ng酵素/g布地、あるいは125〜2500ng酵素/g布地の間の濃度で脂質エステラーゼと接触させてよい。布地は、100〜35,000ng酵素/g布地、あるいは500〜30,000ng酵素/g布地の間の濃度で脂質エステラーゼと接触させてよい。理論に束縛されるものではないが、これらの濃度は布地から汚れを除去するのに最適であると考えられている。
【0060】
工程(ii)において、工程(ii)の布地は第2のすすぎ段階で脂質エステラーゼと接触する。これは、工程(i)に存在する洗剤組成物をほぼ含まないすすぎ水中に、工程(ii)の布地が置かれる手洗いすすぎ段階であるか、あるいは洗浄機械におけるすすぎ段階であり得る。布地が脂質エステラーゼに接触する工程(iii)では、それにより脂質エステラーゼを布地上に付着させる。
【0061】
第2すすぎ段階のすすぎ液は、四級アンモニウム界面活性剤又はシリコーンなどの柔軟仕上げ剤成分など、及び所望により、香料、染料、ポリマー、界面活性剤等のすすぎ段階において有用なその他の成分などの任意の追加すすぎ添加成分を含んでよい。
【0062】
好ましくは、工程(iii)の第2のすすぎ段階における水性すすぎ液は、防汚ポリマーを含む。防汚ポリマーは、すすぎ液中に約0.00001〜3g/l、0.0001〜2g/l、1g/l又は0.5g/l以下の量で水性すすぎ液中に存在してよい。すすぎ液は、水性すすぎ液を形成するために柔軟仕上げ剤組成物を水へ添加することにより提供されてよい。柔軟仕上げ剤組成物を介して、防汚ポリマーを加えてよい。このような柔軟化組成物において、防汚ポリマーは、防汚ポリマー(汚れ放出剤又は「SRA」としても知られる)組成物重量比で約0.01%〜約10.0%、典型的には約0.1%〜約5%、幾つかの実施形態では0.2%〜約3.0%の量で存在してよい。
【0063】
好適な防汚ポリマーは、典型的には、ポリエステル及びナイロンなどの疎水性繊維の表面を親水化する親水性セグメント、及び疎水性繊維上に堆積し、及び洗浄及びリンスサイクルの完結の間洗浄及びリンスサイクルの完結の間付着状態を保ち、それにより親水性セグメントに対する係留点としての働きをする疎水性セグメントを有する。これによって、汚れ放出剤による処理以降に生じる染みは、後の洗浄手順でより容易に洗浄することが可能となり得る。
【0064】
汚れ放出剤は、様々な帯電した、例えばアニオン性又はカチオン性(例えば、米国特許第4,956,447号を参照されたい)、並びに非帯電モノマー単位を含んでもよい。汚れ放出剤の構造は、直鎖状、分岐鎖状、又は星状形状であってもよい。防汚ポリマーは、キャップ部分を含んでもよく、これがポリマーの分子量の制御又はポリマーの物理的又は表面活性特性の改変において特に有効である。防汚ポリマーの構造及び電荷分布は、異なる繊維又はテキスタイルの形への適用及び異なる洗剤又は洗剤添加物製品中の配合に対して必要に応じて調整されてもよい。好適なポリエステル防汚ポリマーは、次の構造(III)、(IV)又は(V)の1つにより定義される構造を有する:
−[(OCHR
1−CHR
2)−O−OC−Ar−CO−]
d (III)
−[(OCHR
3 CHR
4)
b−O−OC−sAr−CO]
e (IV)
−[(OCHR
5−CHR
6),OR
7]
f (V)
式中、
a、b、及びcは、1〜200であり、
d、e、及びfは、1〜50であり、
Arは、1,4−置換フェニレンであり、
sArは、5位がSO
3Meにより置換されている1,3−置換フェニレンであり、
Meは、H、Na、Li、K、Mg+2、Ca+2、Al+3、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−若しくはテトラ−アルキルアンモニウム(アルキル基は、C1〜C18アルキル又はC2〜C10ヒドロキシアルキルである)、又はこれらの混合物であり、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、H又はC、−C18n−若しくはイソ−アルキルであり、R7は、直鎖状若しくは分岐状のC1〜C18アルキル、又は直鎖状若しくは分岐状のC2〜C30アルケニル、又は5〜9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC6〜C30アリール基、又はC6〜C30アリールアルキル基である。
【0065】
好適なポリエステル防汚ポリマーは、上記の構造(III)又は(IV)を有するテレフタレートポリマーである。他の好適な防汚ポリマーとしては、例えば末端キャップ及び非末端キャップのスルホン化及び非スルホン化PET/POETポリマーを挙げてもよい。好適なポリエステル防汚ポリマーの例は、Rhodiaにより供給されるポリマーのREPEL−O−TEX登録商標)ラインであり、REPEL−O−TEX(登録商標)SRP6及びREPEL−O−TEX(登録商標)SF−2が挙げられる。他の好適な防汚ポリマーとしては、Clariantにより供給されるTexCare(登録商標)SRA−100、TexCare(登録商標)SRA−300、TexCare(登録商標)SRN−100、TexCare(登録商標)SRN−170、TexCare(登録商標)SRN−240、TexCare(登録商標)SRN−300,及びTexCare(登録商標)SRN−325を含む、TexCare(登録商標)ポリマーが挙げられる。特に有用な防汚ポリマーは、国際公開第95/32997A号(Rhodia Chimie)に記載のスルホン化された非末端キャップポリエステルである。他の好適な防汚ポリマーはSasolにより供給されるMarloquest(登録商標)SLなどのMarloquest(登録商標)ポリマーである。SRAsの例は、米国特許第4,968,451号に記載されている。4,711,7304,721,5804,702,8574,877,8963,959,2303,893,9294,000,0935,415,8074,201,8244,240,9184,525,5244,201,8244,579,681及び4,787,989欧州特許出願第0219048号279,134A457,205A及びドイツ特許第2,335,044号及び国際公開特許第201419792号国際公開特許第2012104156/57/58号、国際公開特許第201419658号国際公開特許第20141965号国際公開特許第201429479号。
【0066】
所望により、第2すすぎ液は更に、ジエステル第四級アンモニウム化合物、ジアルキル第四級アンモニウム化合物、イミダゾリニウム第四級化合物、カチオンデンプン、ショ糖エステル系布地ケア物質、及びこれらの混合物を含む群から選択される布地柔軟剤活性物質を含む。一態様では、かかるエステル第四級アンモニウム布地柔軟剤活性物質、モノエステル、ジエステル、及びトリエステル第四級アンモニウム布地柔軟剤活性物質及びイオン対布地柔軟剤活性物質は、以下からなる群から選択される。
a)以下の式(1)の物質
【0067】
【化2】
式中、
(i)R
1及びR
2は、それぞれ独立してC
5〜C
23炭化水素である、
(ii)R
3及びR
4は、C
1〜C
4炭化水素、C
1〜C
4ヒドロキシ基置換炭化水素、ベンジル、yが1〜10の整数である−(C
2H
4O)
yHからなる群からそれぞれ独立して選択される、
(iii)Lは、−C(O)O−、−OC(O)−からなる群から選択される、
(iv)Zは、各nが独立して1〜4の整数である−(CH
2)
n、−CH
2C(CH
3)H−からなる群から選択される、
(v)X
−は柔軟剤相溶性アニオンである、
b)以下の式(2)の物質
【0068】
【化3】
式中、
(i)R
5はC
5〜C
23炭化水素である、
(ii)各R
6は、C
1〜C
4炭化水素、C
1〜C
4ヒドロキシ置換炭化水素、ベンジル、yが1〜10の整数である−(C
2H
4O)
yHからなる群から独立して選択される、
(iii)Lは、−C(O)O−、−C−(O)C−からなる群から選択される、
(iv)Zは、各nが独立して1〜4の整数である−(CH
2)
n、−CH
2C(CH
3)H−からなる群から選択される、
(v)X
−は柔軟剤相溶性アニオンである、
c)以下の式(3)の物質
【0069】
【化4】
式中、
(i)R
5はC
5〜C
23炭化水素である、
(ii)各R
6は、C
1〜C
4炭化水素、C
1〜C
4ヒドロキシ置換炭化水素、ベンジル、yが1〜10の整数である−(C
2H
4O)
yHからなる群から独立して選択される、
(iii)Lは、−C(O)O−、−C−(O)C−からなる群から選択される、
(iv)Zは、各nが独立して1〜4の整数である−(CH
2)
n、−CH
2C(CH
3)H−からなる群から選択される、
(v)X
−は、C
6〜C
24炭化水素を含むアニオン性界面活性剤である。
d)以下の式(4)の物質
【0070】
【化5】
式中、
(i)R
7、R
8及びR
9は、それぞれ独立してC
5〜C
23炭化水素である、
(i)各R
10は、C
1〜C
4炭化水素、C
1〜C
4ヒドロキシ置換炭化水素、ベンジル、yが1〜10の整数である−(C
2H
4O)
yHからなる群から選択される、
(ii)Lは、−C(O)O−、−O−(O)C−からなる群から選択される、
(iii)Zは、各nが独立して1〜4の整数である−(CH
2)
n、−CH
2C(CH
3)H−からなる群から選択される、
(iv)X
−が、柔軟剤相溶性アニオンである。
【0071】
一態様では、かかるジ末端柔軟仕上げ剤活性物質、モノ末端柔軟仕上げ剤活性物質及びイオン対柔軟仕上げ剤活性物質は、以下からなる群から選択される。
a)以下の式(1)の物質
【0072】
【化6】
式中、
(i)R
1及びR
2は、それぞれ独立して、C
11〜C
17炭化水素である、
(ii)R
3及びR
4は、C
1〜C
2炭化水素、C
1〜C
2ヒドロキシ基置換炭化水素からなる群からそれぞれ独立して選択される、
(iii)Zは、各nが独立して1〜2の整数である−(CH
2)
n、−CH
2C(CH
3)H−からなる群から選択される、
(iv)Lは、−C(O)O−、−O−(O)C−からなる群から選択される、
(v)X−は柔軟剤相溶性アニオンであって、ハロゲン化物、スルホン酸塩、硫酸塩、及び硝酸塩からなる群から選択される。
b)以下の式(2)の物質
【0073】
【化7】
式中、
(i)R
5はC
11〜C
17炭化水素である、
(ii)各R
6は、C
1〜C
2炭化水素、C
1〜C
2ヒドロキシ基置換炭化水素からなる群から独立して選択される。
(iii)Zは、各nが独立して1〜4の整数である−(CH
2)
n、−CH
2C(CH
3)H−からなる群から選択される、
(iv)Lは、−C(O)O−、−O−(O)C−からなる群から選択される、
(v)X
−は柔軟剤相溶性アニオンであって、ハロゲン化物、スルホン酸塩、硫酸塩、及び硝酸塩からなる群から選択される。
c)以下の式(3)の物質
【0074】
【化8】
式中、
(i)R
5はC
11〜C
17炭化水素である、
(ii)各R
6は、C
1〜C
4炭化水素、C
1〜C
4ヒドロキシ置換炭化水素、ベンジル、yが1〜10の整数である−(C
2H
4O)
yHからなる群から独立して選択される、
(iii)Lは、−C(O)O−、−O−(O)C−からなる群から選択される
(iv)Zは、各nが独立して1〜4の整数である−(CH
2)
n、−CH
2C(CH
3)H−からなる群から選択される、
(v)X−は、C
6〜C
24炭化水素を含むアニオン性界面活性剤である。
【0075】
一態様では、かかるジ末端柔軟仕上げ剤活性物質、モノ末端柔軟仕上げ剤活性物質及びイオン対柔軟仕上げ剤活性物質は、以下からなる群から選択される。
b)以下の式(1)の物質
【0076】
【化9】
式中、
(i)R
1及びR
2は、それぞれ独立して、C
11〜C
17炭化水素である、
(ii)R
3及びR
4は、C
1〜C
2炭化水素、C
1〜C
2ヒドロキシ基置換炭化水素からなる群からそれぞれ独立して選択される、
(iii)Zは、各nが独立して1〜2の整数である−(CH
2)
n、−CH
2C(CH
3)H−からなる群から選択される、
(iv)Lは、−C(O)O−、−O−(O)C−からなる群から選択される、
(v)X
−は柔軟剤相溶性アニオンであって、塩素、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル及びメチルスルホネートからなる群から選択される。
b)以下の式(2)の物質
【0077】
【化10】
式中、
(i)R
5はC
11〜C
17炭化水素である、
(ii)各R
6は、C
1〜C
2炭化水素、C
1〜C
2ヒドロキシ基置換炭化水素からなる群から独立して選択される。
(iii)Zは、各nが独立して1〜4の整数である−(CH
2)
n、−CH
2C(CH
3)H−からなる群から選択される、
(iv)Lは、−C(O)O−、−O−(O)C−からなる群から選択される、
(v)X−柔軟剤相溶性アニオンであって、塩素、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル及びメチルスルホネート又はC
6〜C
18炭化水素を含むアニオン性界面活性剤からなる群から選択される。
c)以下の式(3)の物質
【0078】
【化11】
式中、
(i)R
5はC
11〜C
17炭化水素である、
(ii)各R
6は、C
1〜C
2炭化水素、C
1〜C
2ヒドロキシ基置換炭化水素からなる群から独立して選択される。
(iii)Zは、各nが独立して1〜4の整数である−(CH
2)
n、−CH
2C(CH
3)H−からなる群から選択される、
(iv)Lは、−C(O)O−、−O−(O)C−からなる群から選択される、
(v)X−柔軟剤相溶性アニオンであって、塩素、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル及びメチルスルホネート又はC
6〜C
18炭化水素を含むアニオン性界面活性剤からなる群から選択される。
【0079】
一態様では、式2について、X−は、アニオン性界面活性剤であるC
6〜C
24炭化水素である。
【0080】
一態様では、かかる布地ケア活性物質はN、N−ジ(水素添加タローオイルオキシエチル)−N、N−ジメチルアンモニウムクロライドからなる群から選択される柔軟仕上げ剤活性物質を含む。N,N−ジ(タローオイルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド、N,N−ジ(水素添加タローオイルオキシイソプロピル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド、N,N−ジ(タローオイルオキシイソプロピル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド、N,N−ジ(ステアロイルオキシイソプロピル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド、N,N−ジ(palmoyloxyisopropyl)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド、ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルアンモニウムクロライドステアリン酸ジエステル、部分的水素添加ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルアンモニウムクロライドパルチミン酸ジエステル、及びこれらの混合物。
【0081】
本明細書のカチオン性窒素含有塩において、アニオンA
−は、柔軟剤に相溶性のある任意のアニオンであり、電気的中性をもたらす。ほとんどの場合、これらの塩において電気的中性を付与するために使用されるアニオンは、強酸由来のものであり、特に、塩化物、臭化物、又はヨウ化物のようなハロゲン化物由来のものである。しかし、硫酸メチル、硫酸エチル、酢酸、ギ酸、硫酸、炭酸等の他のアニオンを使用してもよい。クロライド及び硫酸メチルは、本明細書ではアニオンAが好ましい。また、アニオンは、好ましさは幾分劣るが、A
−が基の半分を表す場合には、二重荷電を運搬することができる。
【0082】
工程(iv)
工程(iv)において布地を乾燥させる。これは、空気乾燥又は従来の洗濯乾燥機における機械乾燥等の、任意の乾燥常法であり得る。
【0083】
工程(v)
本発明の方法は、工程(iv)の布地を汚れに接触させる工程(v)を含む。「汚れ」による、とは、ここでは消費者が布地を汚すものと認知する、布地上に沈着する任意の有機又は無機物質を意味する。汚れは染み、例えば脂肪性又は油性食品の染み、若しくは汗又は血液等の体の汚れであり得る。その他の一般的な染みとしては、赤色系食品の染み、泥系の染み、草染みが挙げられる。あるいは、汚れは化学的汚染物質、埃又は煤煙等の大気の汚れであり得る。汚れは、水溶性又は非水溶性であってよい。これらは非限定的例である。当業者は、本発明の内容における「汚れ」が何を意味するかを周知であろう。布地の汚れとの接触は、通常の布地物品の使用において、例えば消費者による布地衣類又はその他の布地物品の典型的な使用により生じる。
【0084】
工程(vi)
工程(vi)において、工程(v)の布地は洗剤組成物の水性洗浄液と接触し、洗剤組成物は界面活性剤を含み、洗浄液は0.05〜4g/lの界面活性剤を含む。工程(vi)は独立しているが、上記工程(i)に記載の通りである。
【0085】
工程(i)、(ii)、(iii)及び/又は(vi)のいずれかにおいて、60℃以下、あるいは40℃以下の温度にて、布地とそれぞれの液とを接触させてよい。特に、工程(i)、及び/又は(vi)のそれぞれの洗浄液と、5℃〜50℃の間の温度、好ましくは10℃〜30℃にて布地を接触させてよい。家庭用洗濯機の洗浄サイクルにおいて、これらの温度で布地を接触させてよい。特に、本発明は、10〜30℃の間の低い洗浄温度であっても、工程(vi)において良好な染み/汚れ除去を可能にする。
【0086】
工程(i)及び/又は工程(vi)において、自動洗濯機の洗浄サイクル中で布地と洗濯洗剤組成物とを接触させてよく、かつ洗浄サイクルの長さは少なくとも30秒、少なくとも3分、あるいは少なくとも6分であってよいが、30分、45分、あるいは1時間以下である。
【0087】
他の成分
工程(iii)の洗濯洗剤組成物は、更に洗濯洗剤成分を含んでよい。工程(iii)の洗濯洗剤組成物は、色相剤、ポリマー、又はこれらの組み合わせを含んでよい。好適な洗浄界面活性剤としては、色相剤、アニオン性洗浄界面活性剤、非イオン性洗浄界面活性剤、カチオン性洗浄界面活性剤、双極性イオン洗浄界面活性剤、両性洗浄界面活性剤を含む洗浄性界面活性剤、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。ポリマーとしては、カルボキシレートポリマー、ポリエチレングリコールポリマー、テレフタレートポリマーなどのポリエステル防汚ポリマー、アミンポリマー、セルロース系ポリマー、移染防止ポリマー、イミダゾールとエピクロロヒドリンの縮合によって生成される縮合オリゴマーなどの染料固定ポリマー、任意に1:4:1の比率で、ヘキサメチレンジアミン誘導体ポリマー、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。ビルダーとしては、ゼオライト、リン酸塩、クエン酸塩、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。緩衝剤及びアルカリ源としては、炭酸塩及び/又はケイ酸塩が挙げられる。充填剤としては、硫酸塩及び/又はバイオ充填剤材料が挙げられる。漂白剤としては、漂白活性化剤、有効酸素の供給源、予形成過酸、漂白触媒、還元漂白剤、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。キレート剤。光漂白剤。色相剤。光沢剤。酵素としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、キシログルカナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、漂白酵素、クチナーゼ、及びこれらの組み合わせが挙げられる。柔軟仕上げ剤としては、粘土、シリコーン、四級アンモニウム柔軟仕上げ剤、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。ポリエチレンオキシド等の凝集剤。香料としては、デンプン封入香料アコード、香料マイクロカプセル、香料装填ゼオライト、ケトン香料原材料のシッフ塩基反応生成物及びポリアミン、ブルーミング香料、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられる。審美剤としては、ソープリング、層状審美的粒子、ゼラチンビーズ、炭酸塩及び/又は硫酸塩のスペックル、色土、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0088】
布地色相剤−この組成物は布地色相剤(シェーディング剤、青味剤、又は白色剤と呼ばれることもある)を含んでもよい。典型的には、色相剤は布地に青又は紫の色合いをもたらす。色相剤は、単独又は組み合わせで使用して、特定の色合いを作り出すことができ、及び/又は異なる種類の布地に色合いをつけることができる。これは、例えば赤と緑−青の染料とを混合して青又は紫の色合いを生じさせることにより提供され得る。色相剤は、任意の既知の化学分類の染料から選択されてよく、これらは、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、予備金属化(premetallized)されたアゾを含むアゾ(例えば、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、並びにこれらの混合物を含むが、限定はされない。
【0089】
好適な布地色相剤としては、染料、染料−粘土複合体(dye-clayconjugate)、並びに有機及び無機顔料が挙げられる。好適な染料としては、小分子染料及びポリマー染料が挙げられる。好適な小分子染料としては、例えば、青、紫、赤、緑、又は黒に分類され、単独で又は組み合わせで所望の色合いをもたらす、酸性染料、直接染料、反応性染料、若しくは加水分解した反応性染料、溶媒染料、又は分散染料の色指数(C.I.:Colour Index)分類に分類される染料からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。別の態様では、好適な小分子染料としては、色指数(染料及び着色料技術者協会(Society of Dyers and Colourists)、(Bradford、UK))番号ダイレクトバイオレット染料(9、35、48、51、66、及び99など)ダイレクトブルー染料(1、71、80、及び279など)、アシッドレッド染料(17、73、52、88及び150など)、アシッドバイオレット染料(15、17、24、43、49、及び50など)、アシッドブルー染料(15、17、25、29、40、45、75、80、83、90、及び113など)、アシッドブラック染料(1など)、ベーシックバイオレット染料(1、3、4、10及び35など)、ベーシックブルー染料(3、16、22、47、66、75及び159など)、分散又は溶媒染料(米国特許出願公開第2008/034511(A1)号、又は米国特許出願公開第8,268,016(B2)号又は染料米国特許出願公開第7,208,459(B2)号に記載される通りのものなど)、及びこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。別の態様では、好適な小分子染料としては、C.I.番号が、アシッドバイオレット17、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトブルー1、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー29、アシッドブルー113又はこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。
【0090】
好ましい染料としては、染料基が、任意に連結基を介してポリマー基に結合している染料ポリマーが挙げられる。好適なポリマー基としては、(1)アルコキシル化ポリエチレンイミン(例えば国際公開特許第2012119859号に開示されている)、(2)ポリビニルアルコール(例えば国際公開特許第2012130492号に開示されている)、又は(3)アルキレンオキシドで末端保護されたポリエチレングリコールのジアミン誘導体(例えば、国際公開特許第2012126665号、特に
図24に開示されている)、又はポリアルコキシル化アルコール(例えば、国際公開特許第2011/011799号、国際公開特許第2012/054058号、国際公開特許第2012/166699号又は国際公開特許第2012/166768号に開示されている)が挙げられる。染料ポリマーの好ましい1つのクラスは、NH2基を含有する青色又は紫色の染料をポリマーと反応させ、反応した青色又は紫色の染料のNH2基を介して共有結合を形成することにより得ることができ、かつ染料ポリマーは、平均0〜30、好ましくは2〜20、最も好ましくは2〜15の同様の繰り返し単位を有する。好ましい実施形態において、モノマー単位はアルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドから選択される。通常、染料ポリマーは、ポリマー鎖中に多数のモノマー基分布を有する分子の混合物、例えばアルキレンオキシドポリマーの場合にアルコキシル化反応がもたらされるような、適切な有機合成経路により直接的に生成された混合物等が存在する、染料ポリマー混合物の形態である。このような染料ポリマーは、典型的には青色又は紫色であり、230〜345、より好ましくは250〜330、最も好ましくは270〜300の色相角を布に与える。染料ポリマーの合成において、青色又は紫色の非結合有機染料は、最終染料ポリマー生成物との混合物中に存在してよい。青色又は紫色の染料の発色団は、好ましくはアゾ、アントラキノン、フタロシアニン、トリフェノジオキサジン、及びトリフェニルメタンからなる群から選択される。一態様では、染料ポリマーは、NH[2]基を含有する染料とポリマー又はその場でポリマーを形成する好適なモノマーとの反応により得ることができる。好ましくは、NH[2]は染料の芳香環に共有結合している。非結合染料は、染料がポリマーと反応しない場合に形成される。このような反応のために[2]基を含有する好ましい染料は、アシッドバイオレット1、アシッドバイオレット3、アシッドバイオレット6アシッドバイオレット11、アシッドバイオレッド13、アシッドバイオレット14、アシッドバイオレット19、アシッドバイオレット20、アシッドバイオレット36、アシッドバイオレット36:1、アシッドバイオレット41、アシッドバイオレット42、アシッドバイオレット43、アシッドバイオレット50、アシッドバイオレット51、アシッドバイオレッド63、アシッドバイオレット48、アシッドブルー25、アシッドブルー40、アシッドブルー40:1アシッドブルー41、アシッドブルー45、アシッドブルー47、アシッドブルー49、アシッドブルー51、アシッドブルー53、アシッドブルー56、アシッドブルー61、アシッドブルー61:1、アシッドブルー62、アシッドブルー69、アシッドブルー78、アシッドブルー81:1、アシッドブルー92、アシッドブルー96、アシッドブルー108、アシッドブルー111、アシッドブルー215、アシッドブルー230、アシッドブルー277、アシッドブルー344、アシッドブルー117、アシッドブルー124、アシッドブルー129、アシッドブルー129:1、アシッドブルー138、アシッドブルー145、ダイレクトバイオレット99、ダイレクトバイオレット5、ダイレクトバイオレット72、ダイレクトバイオレット16、ダイレクトバイオレット78、ダイレクトバイオレット77、ダイレクトバイオレット83、フッドブラック2、ダイレクトブルー33、ダイレクトブルー41、ダイレクトブルー22、ダイレクトブルー71、ダイレクトブルー72、ダイレクトブルー74、ダイレクトブルー75、ダイレクトブルー82、ダイレクトブルー96、ダイレクトブルー110、ダイレクトブルー111、ダイレクトブルー120、ダイレクトブルー120:1、ダイレクトブルー121、ダイレクトブルー122、ダイレクトブルー123、ダイレクトブルー124、ダイレクトブルー126、ダイレクトブルー127、ダイレクトブルー128、ダイレクトブルー129、ダイレクトブルー130、ダイレクトブルー132、ダイレクトブルー133、ダイレクトブルー135、ダイレクトブルー138、ダイレクトブルー140、ダイレクトブルー145、ダイレクトブルー148、ダイレクトブルー149、ダイレクトブルー159、ダイレクトブルー162、ダイレクトブルー163、フッドブラック2、酸アミド基がNH[2]で置換されるフッドブラック1、塩基性バイオレット2、塩基性バイオレット5、塩基性バイオレット12、塩基性バイオレット14、塩基性バイオレット8、塩基性ブルー12、塩基性ブルー16、塩基性ブルー17、塩基性ブルー47、塩基性ブルー99、ディスパースブルー1、ディスパースブルー5、ディスパースブルー6、ディスパースブルー9、ディスパースブルー11、ディスパースブルー19、ディスパースブルー20、ディスパースブルー28、ディスパースブルー40、ディスパースブルー56、ディスパースブルー60、ディスパースブルー81、ディスパースブルー83、ディスパースブルー87、ディスパースブルー104、ディスパースブルー118、ディスパースバイオレット1、ディスパースバイオレット4、ディスパースバイオレット8、ディスパースバイオレット17、ディスパースバイオレット26、ディスパースバイオレット28、ソルベントバイオレット26、ソルベントブルー12、ソルベントブルー13、ソルベントブルー18、ソルベントブルー68、から選択される。更なる好ましい染料は、それ自体に共有結合したNH[2]基を有し、アゾ基に直接結合したフェニル基を含有するモノアゾ染料から選択される。例えば、チオフェンモノアゾ染料である。ポリマー鎖は、ポリアルキレンオキシドから選択されてよい。ポリマー鎖及び/又は染料発色団基は、所望によりアニオン基又はカチオン基を運搬し得る。ポリオキシアルキレンオキシド鎖の例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、グリシドールオキシド、ブチレンオキシド、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0091】
好適なポリマー染料としては、例えばポリマーと色原体とを共重合してポリマーの主鎖にしたもの等の、共有結合した(共役したと呼ばれることもある)色原体を含有するポリマー(染料−ポリマー共役体)、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。ポリマー染料としては、国際公開第2011/98355号、米国特許出願公開第2012/225803(A1)号、同第2012/090102(A1)号、米国特許第7,686,892(B2)号、及び国際公開第2010/142503号に記載されるものが挙げられる。
【0092】
別の態様では、好適なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)(Milliken(Spartanburg,South Carolina,USA))の名称で販売されている布地直接着色剤、及び少なくとも1つの反応染料と、ヒドロキシル部分、一級アミン部分、二級アミン部分、チオール部分及びこれらの混合物からなる群から選択される部分を含む高分子からなる群から選択される高分子と、から形成される染料−高分子共役体からなる群から選択される高分子染料が挙げられる。更に別の態様では、好適な高分子染料としては、Liquitint(登録商標)バイオレットCT、Megazyme(Wicklow,Ireland)から商品名AZO−CM−CELLULOSE、商品コードS−ACMCで販売されているC.I.Reactive Blue19と共役しているCMC等のリアクティブブルー、リアクティブバイオレット、又はリアクティブレッドの染料に共有結合しているカルボキシメチルセルロース(CMC)、アルコキシル化トリフェニール−メタン高分子着色料、アルコキシル化チオフェン高分子着色料、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。
【0093】
好ましい色相染料としては、国際公開第08/87497 A1号、国際公開第2011/011799号及び米国特許出願公開第2012/129752 A1号に見出だされる白色剤が挙げられる。本発明で使用するために好適な色相剤は、国際公開第WO2011/011799号の表5の実施例1〜42から選択される染料を含む、これらの参考文献に開示されている好適な染料であってよい。その他の好ましい染料は、米国特許第8,138,222(B2)号、特に米国特許第8,138,222(B2)号の請求項1に開示されている。その他の好適な染料は、米国特許第7,909,890(B2)号に開示されている。
【0094】
好適な染料粘土共役体としては、少なくとも1つのカチオン性/塩基性染料及びスメクタイト粘土、並びにこれらの混合物を含む群から選択される染料粘土共役体が挙げられる。別の態様では、好適な染料粘土複合体として、C.I.ベーシックイエロー1〜108、C.I.ベーシックオレンジ1〜69、C.I.ベーシックレッド1〜118、C.I.ベーシックバイオレット1〜51、C.I.ベーシックブルー1〜164、C.I.ベーシックグリーン1〜14、C.I.ベーシックブラウン1〜23、CIベーシックブラック1〜11からなる群から選択された1つのカチオン性/塩基性染料と、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、サポナイト粘土、及びこれらの混合物からなる群から選択される粘土と、からなる群から選択される、染料粘土複合体が挙げられる。更に別の態様では、好適な染料粘土複合体としては、モンモリロナイトベーシックブルーB7 C.I.42595複合体、モンモリロナイトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、モンモリロナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、モンモリロナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、モンモリロナイトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、モンモリロナイトC.I.ベーシックブラック2複合体、ヘクトライトベーシックブルーB7 C.I.42595共役体、ヘクトライトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、ヘクトライトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、ヘクトライトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、ヘクトライトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、ヘクトライトC.I.ベーシックブラック2複合体、サポナイトベーシックブルーB7 C.I.42595複合体、サポナイトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、サポナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、サポナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、サポナイトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、サポナイトC.I.ベーシックブラック2複合体、及びこれらの混合物からなる群から選択される染料粘土複合体が挙げられる。
【0095】
好適な顔料としては、フラバントロン、インダントロン、1〜4個の塩素原子を有する塩素化インダントロン、ピラントロン、ジクロロピラントロン、モノブロモジクロロピラントロン、ジブロモジクロロピラントロン、テトラブロモピラントロン、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド(イミド基は置換されていないか、あるいは、C1〜C3アルキル若しくはフェニル又は複素環式ラジカルで置換されていてもよく、このフェニル及び複素環式ラジカルは更に、水溶性を付与しない置換基を有していてもよい)、アントラピリミジンカルボン酸アミド、ビオラントロン、イソビオラントロン、ジオキサジン顔料、銅フタロシアニン(1分子当たり2個以下の塩素原子を有していてもよい)、ポリクロロ−銅フタロシアニン、又はポリブロモクロロ−銅フタロシアニン(1分子当たり14個以下の臭素原子を有する)、及びこれらの混合物からなる群より選択される顔料が挙げられる。
【0096】
別の態様では、好適な顔料としては、ウルトラマリンブルー(C.I.ピグメントブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット15)、及びこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。
【0097】
前述の布地色相剤は、組み合わせて使用することができる(布地色相剤の任意の混合物を使用することができる)。
【0098】
ポリマー:好適なポリマーとしては、カルボキシレートポリマー、ポリエチレングリコールポリマー、テレフタレートポリマー等のポリエステル防汚ポリマー、アミンポリマー、セルロース系ポリマー、移染阻害ポリマー、所望により1:4:1の比率のイミダゾールとエピクロロヒドリンとの縮合によって生成される縮合オリゴマー等の染料固定ポリマー、ヘキサメチレンジアミン誘導体ポリマー、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0099】
カルボキシレートポリマー:好適なカルボキシレートポリマーとしては、マレエート/アクリレートランダムコポリマー、又はポリアクリレートホモポリマーが挙げられる。カルボキシレートポリマーは、4,000Da〜9,000Da、又は6,000Da〜9,000Daの分子量を有するポリアクリレートホモポリマーであり得る。他の好適なカルボキシレートポリマーは、マレイン酸とアクリル酸とのコポリマーであり、4,000Da〜90,000Daの範囲内の分子量を有し得る。
【0100】
その他の好適なカルボキシレートポリマーは以下を含むコポリマーである。(i)50重量%以上98重量%未満の、カルボキシル基を含む1つ以上のモノマーに由来する構造単位と、(ii)1重量%以上49重量%未満の、スルホネート部分を含む1つ以上のモノマーに由来する構造単位と、(iii)式(I)及び(II)で表される、エーテル結合を含有するモノマーから選択される1種以上のモノマーから誘導される、1重量%〜49重量%の構造単位。
【0101】
【化12】
式(I)中、R
0は、水素原子又はCH
3基を表し、Rは、CH
2基、CH
2CH
2基、又は単結合を表し、Xは、0〜5の数を表すが、Rが単結合であるとき、Xは、1〜5の数を表し、R
1は、水素原子又はC
1〜C
20有機基である。
【0102】
【化13】
式(II)中、R
0は、水素原子又はCH
3を表し、Rは、CH
2、CH
2CH
2、又は単結合を表し、Xは、0〜5の数を表し、R
1は、水素原子又はC
1〜C
20有機基である。
【0103】
ポリエチレングリコールポリマー:好適なポリエチレングリコールポリマーとしては、(i)ポリエチレングリコールを含む親水性骨格鎖、及び(ii)C
4〜C
25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C
1〜C
6モノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC
1〜C
6アルキルエステル、及びこれらの混合物からなる群より選択される疎水性側鎖、とを含むランダムグラフトコポリマーが挙げられる。好適なポリエチレングリコールポリマーは、ランダムグラフトポリ酢酸ビニル側鎖を有するポリエチレングリコール骨格鎖を有する。ポリエチレングリコール骨格鎖の平均分子量は、2,000Da〜20,000Da、又は4,000Da〜8,000Daの範囲であり得る。ポリエチレングリコール骨格のポリ酢酸ビニル側鎖に対する分子量比は、1:1〜1:5、又は1:1.2〜1:2の範囲内であってよい。エチレンオキシド単位当りのグラフト部位の平均数は、1未満、又は0.8未満であってもよく、エチレンオキシド単位当りのグラフト部位の平均数は、0.5〜0.9の範囲内であってもよく、あるいはエチレンオキシド単位当りのグラフト部位の平均数は、0.1〜0.5、又は0.2〜0.4の範囲内であってもよい。好適なポリエチレングリコールポリマーは、Sokalan HP22である。
【0104】
ポリエステル防汚ポリマー:好適なポリエステル防汚ポリマーは、以下の構造(I)、(II)、又は(III)のうちの1つによって定義される構造を有する。
(I)−[(OCHR
1−CHR
2)
a−O−OC−Ar−CO−]
d
(II)−[(OCHR
3−CHR
4)
b−O−OC−sAr−CO−]
e
(III)−[(OCHR
5−CHR
6)
c−OR
7]
f
式中、
a、b、及びcは、1〜200であり、
d、e、及びfは、1〜50であり、
Arは、1,4−置換フェニレンであり、
sArは、5位がSO
3Meにより置換されている1,3−置換フェニレンであり、
Meは、H、Na、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−若しくはテトラ−アルキルアンモニウム、又はこれらのいずれかの混合物であり、ここで、アルキル基は、C
1〜C
18アルキル又はC
2〜C
10ヒドロキシアルキルであり、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、H又はC
1〜C
18 n−若しくはイソ−アルキルから選択され、また
R
7は、直鎖状若しくは分岐鎖状C
1〜C
18アルキル、又は直鎖状若しくは分岐鎖状C
2〜C
30アルケニル、又は炭素原子を5〜9個有するシクロアルキル基、又はC
8〜C
30アリール基、又はC
6〜C
30アリールアルキル基である。好適なポリエステル防汚ポリマーは、上記の式(I)又は式(II)の構造を有する、テレフタレートポリマーである。
【0105】
好適なポリエステル防汚ポリマーとしては、Repel−o−tex SF2(Rhodia)などのRepel−o−texシリーズのポリマー、及び/又はTexcare SRA300(Clariant)などのTexcareシリーズのポリマーが挙げられる。
【0106】
アミンポリマー:好適なアミンポリマーとしては、所望によりポリエチレン及び/又はポリプロピレンオキシドブロックを含む、アルコキシル化ポリアルキレンイミン等のポリエチレンイミンポリマーが挙げられる。
【0107】
セルロース系ポリマー:組成物は、アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキル、及びこれらの任意の組み合わせから選択されるポリマー等のセルロース系ポリマーを含んでよい。好適なセルロース系ポリマーは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物から選択される。カルボキシメチルセルロースは、0.5〜0.9のカルボキシメチル置換度、及び100,000Da〜300,000Daの分子量を有し得る。別の好適なセルロース系ポリマーは、Finnfix SH−1(CP Kelco)などの疎水変性カルボキシメチルセルロースである。
【0108】
他の好適なセルロース系ポリマーは、0.01〜0.99の置換度(DS)と、DS+DBが少なくとも1.00であるか、又はDB+2DS−DS
2が少なくとも1.20であるかのいずれかとなるようなブロック度(DB)とを有し得る。置換セルロース系ポリマーは、少なくとも0.55の置換度(DS)を有し得る。置換セルロース系ポリマーは、少なくとも0.35のブロック度(DB)を有し得る。置換セルロース系ポリマーは、1.05〜2.00のDS+DBを有し得る。好適な置換セルロース系ポリマーは、カルボキシメチルセルロースである。
【0109】
別の好適な置換セルロース系ポリマーは、カチオン変性ヒドロキシエチルセルロースである。
【0110】
移染防止剤(DTI)ポリマー:洗濯洗剤組成物は、DTIポリマーを含んでよい。好適なDTIとしては、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、及びポリビニルイミダゾール、又はこれらの混合物が挙げられる。上述のDTIポリマーは当該技術分野で周知であり、市販のもの、例えば、PVP−K15及びK30(Ashland)、Sokalan HP165、HP50、HP53、HP59、HP56K、HP56、HP66(BASF)、Chromabond S−400、S403E、及びS−100(Ashland)、並びにPolyquart FDI(Cognis)である。
【0111】
ビルダー:好適なビルダーとしては、ゼオライト、リン酸塩、クエン酸塩、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0112】
ゼオライトビルダー:組成物は、ゼオライトビルダーを実質的に含まなくてよい。ゼオライトビルダーを実質的に含まないとは、典型的に、0重量%〜10重量%のゼオライトビルダー、あるいは8重量%以下、又は6重量%以下、又は4重量%以下、又は3重量%以下、又は2重量%以下、又は更には1重量%以下のゼオライトビルダーしか含まないことを意味する。ゼオライトビルダーを実質的に含まないとは、好ましくは、ゼオライトビルダーが「意図的に添加されない」ことを意味する。典型的なゼオライトビルダーとしては、ゼオライトA、ゼオライトP、ゼオライトMAP、ゼオライトX、及びゼオライトYが挙げられる。
【0113】
リン酸ビルダー:組成物は、リン酸ビルダーを実質的に含まなくてよい。リン酸ビルダーを実質的に含まないとは、典型的に、0重量%〜10重量%のリン酸ビルダー、あるいは8重量%以下、又は6重量%以下、又は4重量%以下、又は3重量%以下、又は2重量%以下、又は更には1重量%以下のリン酸ビルダーしか含まないことを意味する。ゼオライトビルダーを実質的に含まないとは、好ましくは、リン酸ビルダーが「意図的に添加されない」ことを意味する。典型的なリン酸塩ビルダーは、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)である。
【0114】
クエン酸塩:好適なクエン酸塩は、クエン酸ナトリウムである。しかし、洗浄液中でクエン酸塩を形成することができるクエン酸を組成物中に配合してもよい。
【0115】
緩衝剤及びアルカリ源:好適な緩衝剤及びアルカリ源としては、炭酸塩及び/又はケイ酸塩及び/又はバーカイト等の複塩が挙げられる。
【0116】
炭酸塩:好適な炭酸塩は、炭酸ナトリウム及び/又は重炭酸ナトリウムである。炭酸塩は、100〜500マイクロメートルの重量平均粒径を有し得る。あるいは、炭酸塩は、10〜25マイクロメートルの重量平均粒径を有し得る。
【0117】
ケイ酸塩:ケイ酸塩は、結晶質又は非晶質であってよい。好適な結晶質ケイ酸塩としては、SKS−6等の結晶質層状ケイ酸塩が挙げられる。他の好適なケイ酸塩としては、1.6Rケイ酸塩及び/又は2.0Rケイ酸塩が挙げられる。好適なケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウムである。別の好適なケイ酸塩は、メタケイ酸ナトリウムである。
【0118】
硫酸塩:好適な硫酸塩は、硫酸ナトリウムである。硫酸塩は、100〜500マイクロメートルの重量平均粒径を有し得るか、又は硫酸塩は、10〜45マイクロメートルの重量平均粒径を有し得る。
【0119】
漂白活性化剤:好適な漂白活性化剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)と、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸(NOBS)、カプリルアミドノナノイルオキシベンゼンスルホン酸(NACA−OBS)、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸(Iso−NOBS)、ドデシルオキシベンゼンスルホン酸(LOBS)等のオキシベンゼンスルホン酸及びこれらの混合物、カプロラクタム、ペンタアセテートグルコース(PAG)、ニトリル四級アンモニウム、N−ノナノイル−N−メチルアセトアミド等のイミド漂白活性化剤及びそれらの混合物が挙げられる。
【0120】
有効酸素の供給源:好適な有効酸素(AvOx)の供給源は、過炭酸塩及び/又は過ホウ酸塩等の過酸化水素の供給源、例えば、過炭酸ナトリウムである。過酸素の供給源は、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、ホウケイ酸、又はこれらの混合塩を含むこれらの任意の混合物等のコーティング成分によって、少なくとも部分的にコーティングしてもよく、又は更には完全にコーティングしてもよい。好適な過炭酸塩は、流動床プロセスによって、又は結晶化プロセスによって調製することができる。好適な過ホウ酸塩としては、過ホウ酸ナトリウム一水和物(PB1)、過ホウ酸ナトリウム四水和物(PB4)、及び発泡性過ホウ酸ナトリウムとしても既知の無水過ホウ酸ナトリウムが挙げられる。他の好適なAvOxの供給源としては、オキソン等の過硫酸塩が挙げられる。別の好適なAvOxの供給源は、過酸化水素である。
【0121】
予形成過酸:好適な予形成過酸は、N,N−フタロイルアミノ過酸化カプロン酸(PAP)である。
【0122】
漂白触媒:好適な漂白触媒としては、オキサジリジニウム系漂白触媒、遷移金属漂白触媒、及び漂白酵素が挙げられる。
【0123】
オキサジリジニウム系漂白触媒:好適なオキサジリジニウム系漂白触媒は、以下の式を有する。
【0124】
【化14】
式中、R
1は、H、3〜24個の炭素原子を含む分枝状アルキル基、及び1〜24個の炭素原子を含む直鎖アルキル基からなる群から選択される。R
1は6〜18個の炭素原子を含む分枝状のアルキル基、又は5〜18個の炭素原子を含む直鎖アルキル基であり、R
1は、2−プロピルヘプチル、2−ブチルオクチル、2−ペンチルノニル、2−ヘキシルデシル、n−へキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、イソ−ノニル、イソ−デシル、イソ−トリデシル、及びイソ−ペンタデシルからなる群から選択される。R
2は独立してH、3〜12個の炭素を含む分枝状アルキル基、及び1〜12個の炭素を含む直鎖アルキル基からなる群から選択され、任意に、R
2は独立してH及びメチル基から選択され、かつnは0〜1の整数である。
【0125】
遷移金属漂白触媒:組成物は、典型的には、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、及び/又はマンガンのカチオンを含む、遷移金属漂白触媒を含み得る。好適な遷移金属漂白触媒は、マンガン系遷移金属漂白触媒である。
【0126】
還元漂白剤:組成物は、還元漂白剤を含み得る。しかし、組成物は還元漂白剤を実質的に含まなくてよい。実質的に含まない、とは「意図的に添加されない」という意味である。好適な還元漂白剤としては、亜硫酸ナトリウム及び/又は二酸化チオ尿素(TDO)が挙げられる。
【0127】
共漂白剤粒子:組成物は、共漂白剤粒子を含み得る。典型的には、共漂白剤粒子は、漂白活性化剤、及び過酸化物の供給源を含む。過酸化水素の供給源に対して大量の漂白活性化剤が共漂白剤粒子中に存在することが、非常に好適であり得る。漂白剤粒子中の過酸化水素源に対する漂白活性化剤の重量比は、少なくとも0.3:1、少なくとも0.6:1、少なくとも0.7:1、少なくとも0.8:1、少なくとも0.9:1、又は少なくとも1.0:1.0あるいは少なくとも1.2:1であり得る。
【0128】
漂白剤粒子は、(i)TAED等の漂白活性化剤、及び(ii)過炭酸ナトリウム等の過酸化水素源を含むことができる。漂白活性化剤は、少なくとも部分的に、又は更には完全に、過酸化水素の供給源を封入することができる。
【0129】
共漂白剤粒子は、結合剤を含み得る。好適な結合剤は、ポリアクリレートポリマー等のカルボキシレートポリマー、並びに/若しくは非イオン性洗浄界面活性剤及び/又は直鎖C
11〜C
13アルキルベンゼンスルホネート等のアニオン性洗浄界面活性剤などの界面活性剤である。
【0130】
共漂白剤粒子は、オキサジリジニウム系漂白触媒等の漂白触媒を含み得る。
【0131】
キレート剤:好適なキレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチルホスホン酸)、エチレンジアミン−N’N’−二コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエタンジ(メチレンホスホン酸)、及びこれらの任意の組み合わせから選択される。好適なキレート剤は、エチレンジアミン−N’N’−二コハク酸(EDDS)及び/又はヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)である。洗濯洗剤組成物は、エチレンジアミン−N’N’−二コハク酸、又はその塩を含み得る。エチレンジアミン−N’N’−二コハク酸は、S,Sエナンチオマー形態であってよい。組成物は、4,5−ジヒドロキシ−m−ベンゼンジスルホン酸二ナトリウム塩を含み得る。また、好適なキレート剤は、カルシウム結晶成長抑制剤であってもよい。
【0132】
カルシウム結晶成長抑制剤:組成物は、1−ヒドロキシエタンジスルホン酸(HEDP)及びそれらの塩、N、N−ジカルボキシメチル−2−アミノペンタン−1、5−二酸及びそれらの塩、2−ホスホノブタン−1、2、4−トリカルボン酸及びそれらの塩、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つの炭酸カルシウム結晶成長抑制剤を含み得る。
【0133】
光漂白剤:好適な光漂白剤は、スルホン化フタロシアニン亜鉛及び/又はアルミニウムである。
【0134】
増白剤:洗濯洗剤組成物は、蛍光増白剤を含んでよい。好ましい蛍光増白剤の部類は、例えばTinopal(商標)CBS−Xなどのジスチリルビフェニル化合物、Tinopal(商標)DMS pure Xtra及びBlankophor(商標)HRHなどのジアミノスチルベンジスルホン酸、並びにBlankophor(商標)SNなどのピラゾリン化合物である。好ましい蛍光剤は、ナトリウム2(4−スチリル−3−スルホフェニル)−2H−ナフトール[1,2−d]トリアゾール、二ナトリウム4,4’−ビス{[(4−アニリノ−6−(Nメチル−N−2ヒドロキシエチル)アミノ1,3,5−トリアジン−2−イル)];アミノ}スチルベン−2−2’ジスルホネート、ナトリウム4,4’−ビス{[(4−アニリノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)]アミノ}スチルベン−2−2’ジスルホネート、及び二ナトリウム4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルである。
【0135】
特に好ましい蛍光増白剤は、次の構造を有するC.I.蛍光増白剤260である。固体洗剤組成物のために、この増白剤はβ又はα結晶形若しくはこれらの形態の混合物において使用されてよい。
【0137】
酵素:好適な酵素としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、キシログルカナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、漂白酵素、クチナーゼ、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0138】
酵素について、Genbank、EMBL及び/又はSwiss−Protのデータベース中の項目番号を示すため、アクセッション番号及びIDを括弧内に示す。いずれかの突然変異については、標準的な1文字アミノ酸コードが欠損表示と共に使用される。DSMが前に付くアクセッション番号は、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(Mascheroder Weg 1b,38124 Brunswick)(DSMZ)に寄託されている微生物を指す。
【0139】
プロテアーゼ:本組成物は、プロテアーゼを含み得る。好適なプロテアーゼとしては、サブチリシン(EC 3.4.21.62)等の中性又はアルカリ性の微生物セリンプロテアーゼを含むメタロプロテアーゼ及び/又はセリンプロテアーゼが挙げられる。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物起源のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝子学的に改変された突然変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼ等のセリンプロテアーゼであり得る。適切な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下のものが挙げられる:
(a)Bacillus lentus、Bacillus alkalophilus(P27963,ELYA_BACAO)、Bacillus subtilis、Bacillus amyloliquefaciens(P00782,SUBT_BACAM)、Bacillus pumilus(P07518)、及びBacillus gibsonii(DSM14391)等のBacillusに由来するものを含むサブチリシン(EC3.4.21.62)。
(b)フサリウムプロテアーゼ、及びCellumonas(A2RQE2)に由来するキモトリプシンプロテアーゼを含む(例えば、ブタ起源又はウシ起源の)トリプシン等のトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ。
(c)Bacillus amyloliquefaciens(P06832,NPRE_BACAM)に由来するものを含むメタロプロテアーゼ。
【0140】
好適なプロテアーゼとしては、サブチリシン309(P29600)及び/又はDSM5483(P29599)等のバチルス・ギブソン又はバチルス・レンタスに由来するものが挙げられる。
【0141】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)及びEsperase(登録商標)の商標名にてNovozymes A/S(Denmark)により販売されているもの、Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)の商標名にてGenencor Internationalにより販売されているもの、Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)の商標名にてSolvay Enzymesにより販売されているもの、Henkel/Kemiraから入手可能もので、即ちBLAP(次の突然変異S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sを有するP29599)並びにHenkel/Kemiraから全て入手可能なBLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを伴うBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+VV205Iを伴うBLAP)及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P、V199M+V205I+L217Dを伴うBLAP)を含むそれらの変異型、及び花王により入手可能なKAP(A230V+S256G+S259Nの突然変異を伴うバチルス・アルカロフィラス(Bacillus alcalophilus))が挙げられる。
【0142】
その他の好適なプロテアーゼは、真菌セリンプロテアーゼである。好適な酵素は、リコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)株QM9414、マルブランケア・シナモメア(Malbranchea cinnamomea)株ALK04122、フザリウムグラミネアラム(Fusarium graminearum)株ALK01726、フザリウム・エクイセチ(Fusarium equiseti)株CBS119568及びフザリウム・アクミナタム(Fusarium acuminatum)株CBS124084に対して内生である真菌セリンプロテアーゼ変異型又は野生型である。市販の真菌セリンプロテアーゼの例は、どちらもAB Enzymes、Darmstadt、Germanyより供給されているBiotouch ROC及びBiotouch Noviaである。
【0143】
アミラーゼ:好適なアミラーゼは、細菌由来又は真菌由来のものを含むα−アミラーゼである。化学的に又は遺伝的に修飾された突然変異体(変異体)が含まれる。好適なアルカリ性α−アミラーゼは、バチルスの菌株、例えば、Bacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus stearothermophilus、Bacillus subtilis、又は他のBacillus種、例えばBacillus種、NCIB 12289、NCIB 12512、NCIB 12513、sp 707、DSM 9375、DSM 12368、DSMZ no.12649、KSM AP1378、KSM K36、若しくはKSM K38などの、バチルスの菌株に由来する。好適なアミラーゼとしては、以下のものが挙げられる。
(a)Bacillus licheniformis(P06278、AMY_BACLI)に由来するα−アミラーゼ、並びにその変異体、特に15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408、及び444のうちの1つ以上の位置で置換されている変異体。
(b)AA560アミラーゼ(CBU30457,HD066534)、及びその変異体、特に、位置26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、203、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484のうちの1つ以上に置換を有し、また所望によりD183
*及びG184
*の欠失も含む変異体。
(c)バチルス菌種722(CBU30453、HD066526)由来の野生型酵素と、少なくとも90%の相同性を呈する変異型、特に、183及び184の位置での欠失を有する変異型。
【0144】
好適な市販のα−アミラーゼは、Duramyl(登録商標)、Liquezyme(登録商標)、Termamy(登録商標)、Termamyl Ultra(登録商標)、Natalase(登録商標)、Supramyl(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、Stainzyme Plus(登録商標)、Fungamyl(登録商標)、及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S)、Bioamylase(登録商標)及びその変異体(Biocon India Ltd.)、Kemzym(登録商標)AT9000(Biozym Ges.m.b.H,Austria)、Rapidase(登録商標)、Purastar(登録商標)、Optisize HT Plus(登録商標)、Enzysize(登録商標)、Powerase(登録商標)、及びPurastar Oxam(登録商標)、Maxamyl(登録商標)(Genencor International Inc.)並びにKAM(登録商標)(花王、日本)である。好適なアミラーゼは、NATALASE(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、及びStainzyme Plus(登録商標)である。
【0145】
セルラーゼ:本組成物は、セルラーゼを含み得る。好適なセルラーゼとしては、細菌由来又は真菌由来のセルラーゼが挙げられる。化学修飾又はタンパク質操作された突然変異体が含まれる。好適なセルラーゼとしては、Bacillus属、Pseudomonas属、Humicola属、Fusarium属、Thielavia属、Acremonium属由来のセルラーゼ、例えば、Humicola insolens、Myceliophthora thermophila、及びFusarium oxysporumから生成される、真菌セルラーゼが挙げられる。
【0146】
市販のセルラーゼとしては、Celluzyme(登録商標)及びCarezyme(登録商標)(Novozymes A/S)、Clazinase(登録商標)及びPuradax HA(登録商標)(Genencor International Inc.)、並びにKAC−500(B)(登録商標)(花王)が挙げられる。
【0147】
セルラーゼとしては、バチルス菌種属AA349の員及びそれらの混合物に内因する細菌性ポリペプチドを含む、エンド−β−1,4−グルカナーゼ活性(E.C.3.2.1.4)を呈する微生物由来のエンドグルカナーゼが挙げられる。好適なエンドグルカナーゼは、Celluclean(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S、Bagsvaerd、Denmark)という商品名で販売されている。
【0148】
本組成物は、17kDa〜30kDaの分子量を有する、グリコシルヒドロラーゼのファミリー45に属する洗浄セルラーゼ、例えば、Biotouch(登録商標)NCD、DCC、及びDCL(AB Enzymes,Darmstadt,Germany)の商標名で販売されるエンドグルカナーゼを含み得る。
【0149】
また、Whitezyme(登録商標)等の好適なセルラーゼは、キシログルカナーゼ活性も呈し得る。
【0150】
キシログルカナーゼ:好適なキシログルカナーゼ酵素は、キシログルカン基質及び非晶質セルロース基質の双方に対して酵素活性を有し得る。この酵素は、グリコシドヒドロラーゼ(GH)ファミリー5、12、44、又はファミリー74から選択されるグリコシドヒドロラーゼであってよい。GHファミリー44から選択されるグリコシルヒドロラーゼが、特に好適である。GHファミリー44から選択される好適なグリコシルヒドロラーゼは、パエニバチルス・ポリキシマ(Paenibacillus polyxyma)(ATCC 832)由来のXYG1006グリコシルヒドロラーゼ、及びその変異型である。
【0151】
ペクチン酸リアーゼ:好適なペクチン酸リアーゼは、Pectawash(登録商標)、Pectaway(登録商標)、及びX−Pect(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))の商品名で販売されている、バチルス由来のペクチン酸リアーゼの野生型若しくは変異型(CAF05441、AAU25568)のいずれかである。
【0152】
マンナナーゼ:好適なマンナナーゼは、商品名Mannaway(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、及び商品名Purabrite(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto,California))で販売されている。
【0153】
漂白酵素:好適な漂白酵素としては、酸化還元酵素、例えば、グルコースオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、又は炭水化物オキシダーゼ等のオキシダーゼ、オキシゲナーゼ、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ(ハロペルオキシダーゼ、クロロペルオキシダーゼ、ブロモペルオキシダーゼ、リグニンペルオキシダーゼ、グルコースペルオキシダーゼ、又はマンガンペルオキシダーゼ等)、ジオキシゲナーゼ、又はラッカーゼ(フェノールオキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ)が挙げられる。好適な市販製品は、Novozymesから商品名Guardzyme(登録商標)及びDenilite(登録商標)として販売されている。追加の有機化合物、特に芳香族化合物を、漂白酵素と共に配合することが有利であり得、これら化合物は、漂白酵素と相互作用して、酸化還元酵素の活性を増強する(増強剤)か、又は酸化酵素と汚れとの間の、典型的には大きく異なる酸化還元電位にわたる電子流を促進する(媒介剤)。
【0154】
他の好適な漂白酵素としては、エステル基質及び過酸素源からの過酸の形成を触媒するペルヒドロラーゼが挙げられる。好適なペルヒドロラーゼとしては、マイコバクテリウム・スメグマチス(Mycobacterium smegmatis)のペルヒドロラーゼの変異体、いわゆるCE−7ペルヒドロラーゼの変異体、及びペルヒドロラーゼ活性を保有する野生型サブチリシンCarlsbergの変異体が挙げられる。
【0155】
相同性:2つのアミノ酸配列の相関性は、「相同性」というパラメータによって表される。本発明の目的上、2つのアミノ酸配列のアラインメントは、エンボス(EMBOSS)パッケージ(http://emboss.org)バージョン2.8.0のニードル(Needle)プログラムを用いることにより決定される。ニードル(Needle)プログラムは、Needleman,S.B.and Wunsch,C.D.(1970)J.Mol.Biol.48,443〜453に記載のグローバルアラインメントアルゴリズムを実行する。用いる置換マトリクスは、BLOSUM62、ギャップオープニングペナルティは10、ギャップエクステンションペナルティは0.5である。
【0156】
柔軟仕上げ剤:好適な布地柔軟化剤としては、粘土、シリコーン、及び/又は四級アンモニウム化合物が挙げられる。好適な粘土としては、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、及び/又はラポナイト粘土が挙げられる。好適な粘土は、モンモリロナイト粘土である。好適なシリコーンとしては、アミノシリコーン及び/又はポリジメチルシロキサン(PDMS)が挙げられる。好適な柔軟仕上げ剤は、モンモリロナイト粘土及びPDMSを含む粒子等の粘土及びシリコーンを含む粒子である。
【0157】
凝集剤:好適な凝集剤としては、例えば300,000Da〜900,000Daの平均分子量を有するポリエチレンオキシドが挙げられる。
【0158】
抑泡剤:好適な抑泡剤としては、シリコーン、及び/又はステアリン酸等の脂肪酸が挙げられる。
【0159】
香料:好適な香料としては、香料マイクロカプセル、シッフ塩基香料/ポリマー複合体を含むポリマー支援香料送達システム、デンプンにカプセル化された香料アコード、香料充填ゼオライト、ブルーミング香料アコード、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。好適な香料マイクロカプセルは、メラミンホルムアルデヒド系であり、典型的には、メラミンホルムアルデヒドを含むシェルによってカプセル化される香料を含む。このような香料マイクロカプセルは、ポリビニルホルムアミド(PVF)及び/又はカチオン変性ヒドロキシエチルセルロース(catHEC)等のカチオン性材料及び/又はカチオン性前駆体材料をシェル内に含むことが非常に好適であり得る。
【0160】
審美剤:好適な審美剤粒子としては、ソープリング、層状審美粒子、ゼラチンビーズ、炭酸塩及び/又は硫酸塩のスペックル、色土粒子、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【実施例】
【0161】
(実施例1)
本発明の方法の改善された汚れ除去効果を、以下の実験において実証する。
【0162】
表1に詳細に記載されている、西洋液体洗剤を含む組成物を調製した。本組成物を前件組成物1と標識した。
【0163】
前件組成物1と同一ではあるが、表2に詳細に記載されている洗浄添加剤と共に使用もされる第2の前件組成物を調整した。
【0164】
前件組成物2と同一ではあるが、サーモマイセスラヌゲノウス(Thermomyces lanuginosus)からの野生型リパーゼに対して少なくとも90%配列同一性を有し、かつ配列置換T231R及びN233Rを有する変異型をも含む、第3の前件組成物を調整した。
【0165】
前件組成物2と同一ではあるが、防汚ポリマー(SRP)と共に使用もされる第4の前件組成物を調製した。
【0166】
前件組成物4と同一ではあるが、サーモマイセスラヌゲノウス(Thermomyces lanuginosus)からの野生型リパーゼに対して少なくとも90%配列同一性を有し、かつ配列置換T231R及びN233Rを有する変異型をも含む、第5の前件組成物を調製した。
【0167】
まとめると、
1.前件組成物のみ
2.洗浄添加剤と組み合わされる前件組成物のみ
3.洗浄添加剤と組み合わされる、Lipex(登録商標)を含む前件組成物のみ
4.洗浄添加剤と組み合わされる、SRPを含む前件組成物のみ
5.洗浄添加剤と組み合わされる、SRP及びLipex(登録商標)を含む前件組成物のみ
【0168】
標準的な布地の見本であるTF7436−Mポリコットン(ポリエステルと綿の混合織物、25×20cm)及びDacron 64ポリエステルをWestlairdsから入手した。2.5kgの綿生地及び追加のバラストとして試験布地より供給された綿タオルと共に、これらの各2種を洗濯機へ添加した。
【0169】
見本を次に、短時間綿サイクル(short cotton cycle)(30℃)、1600rpmにて、13リットルの洗浄液が2692ppmの洗剤を含むように、表1に詳細に記載されている洗剤組成物と共に洗浄した。表2に詳細に記載されている洗浄添加剤の適用量30gを、洗濯機サイクルのすすぎ段階の間に添加されるように、洗濯機引き出しのすすぎコンパートメントに加えた。洗濯機サイクルのすすぎ段階の間に1ppmの活性酵素タンパク質濃度がもたらされるように、脂質エステラーゼを洗濯機引き出しのすすぎコンパートメントに加えた。洗濯機サイクルのすすぎ段階の間に送達されるように、防汚ポリマーを0.2% w/wの濃度で洗濯機引き出しのすすぎコンパートメントに加えた。すすぎコンパートメントへの添加の順番は、洗浄添加剤、次に、脂質エステラーゼ、次に防汚ポリマーである。洗浄サイクルが完了した後、次に布地を一列に乾燥させた。洗浄の間に全ての見本が同じ前条件処理組成物と共に4回洗浄されるようにこれを繰り返し、また洗浄添加剤、脂質エステラーゼ及び防汚ポリマーをすすぎ時にわたって添加した。
【0170】
各前条件処理のTF7436−M及びDacron 64の見本5×5cmを調製し、SV13−染色ラード(Asda lard batch 130R7、SV13%、バッチSPt001013)200Lで着色し、32℃/80%にて一晩保存した。
【0171】
着色された見本を、次に表1に詳細に記載されている西洋液体洗剤(総濃度2692ppm)の存在下において、Tergotometer(0.8Lポット)内で洗浄した。メリヤス綿布地で構成されているバラストファブリック(Ballast fabric)も、全体で26.7gの布地荷重にて追加した。Tergotometerにおける洗浄条件は、200rpm、30℃で洗浄時間20分及びすすぎ時間5分である。布地を次に、金属棚上で一晩乾燥した。
【0172】
【表1】
【0173】
【表2】
【0174】
脂質エステラーゼを1ppmの濃度にてすすぎ液に添加した(活性酵素タンパク質)。防汚ポリマーTexcare(登録商標)SRA300を0.2% w/wにて添加した。
【0175】
市販のデジアイ(Digieye)ソフトウェア使用して染み除去を定量化し、L
*a
*b値から染み除去率を計算した。ソフトウェアはL値、a値、b値を生成し、次の等式を使用して染み除去率を計算した。
%SR(染み除去)=100
*((E
b−E
a)/E
b)
ΔE
b=√((L
c−L
b)
2+(a
c−a
b)
2+b
c−b
b)
2)
ΔE
a=√((L
c−L
a)
2+(a
c−a
a)
2+b
c−b
a)
2)
添字「b」は洗浄前の染みのデータを意味する
添字「a」は洗浄後の染みのデータを意味する
添字「c」は染みのない布地のデータを意味する
【0176】
したがって、L
*a
*b値は染みのない布地、洗浄前の染みのある布地及び洗浄後の染みのある布地から採られている。
【0177】
結果は、表3で見ることができる。
【0178】
【表3】
(標準誤差をSE=SD/√n、SD=標準偏差、及びn=外部反復として計算した。)
【0179】
洗浄添加剤又は防汚ポリマーの添加、即ち前件組成物2及び4がそれぞれ汚れ除去率を著しく改善することを、データは明らかに示している。更にこのことに対し、洗浄添加剤又は防汚ポリマーのどちらか一方と組み合わされた脂質エステラーゼの添加により、即ち前件組成物3及び5のそれぞれにより高汚れ除去率がもたらされる。したがって、本発明に従った前提条件のすすぎ段階の間において、洗浄添加剤又は防汚ポリマーのどちらか一方と組み合わされた脂質エステラーゼの含有は、脂質エステラーゼを伴わない前提条件を有する布地と比較して、汚れ低減率における驚くべき改善を示した。
【0180】
(実施例3〜8)
以下の実施例は、工程(i)に適した洗浄添加剤組成物のものである。
【0181】
【表4】
【0182】
(実施例9〜27)
以下の実施例は、工程(i)及び(iii)に適した洗濯洗剤組成物のものである。
【0183】
(実施例9〜14)
手洗い又はトップローディング式洗濯機向けに設計された顆粒洗濯洗剤組成物は、処理しようとする表面に直接接触させるためのペーストを形成するのに十分な水に添加して、濃縮洗浄組成物を形成してよい。
【0184】
【表5】
【0185】
(実施例15〜20)
フロントローディング式洗濯機向けに設計された顆粒洗濯洗剤組成物は、処理しようとする表面に直接接触させるためのペーストを形成するのに十分な水に添加して、濃縮洗浄組成物を形成してよい。
【0186】
【表6】
【0187】
上記の組成物のいずれかを用いて、水中濃度7000〜10000ppm、20〜90℃及び水対布比、5対1で布地を洗濯する。典型的なpHは約10である。続いて、布地を乾燥する。一態様では、布地は、乾燥機を用いて能動的に乾燥する。一態様では、布地は、アイロンを用いて能動的に乾燥する。別の態様では、布地は、空気及び任意に日光に暴露されるように一列に並べて乾燥させる。
【0188】
実施例21〜26重質液体洗濯洗剤組成物
【0189】
【表7】
【0190】
(実施例27)
本組成物は、ポリビニルアルコールパウチに封入されてよい。
【0191】
【表8】
* 洗浄及び/又は処理組成物の総重量に基づいて、合計7%以下の水
1 ランダムグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリ酢酸ビニル側鎖とを有する、ポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド骨格の分子量は、約6000であり、ポリエチレンオキシドのポリ酢酸ビニルに対する重量比は、約40〜60であり、50エチレンオキシド単位当たり1グラフト点を超えない。
2 −NHにつき、20個のエトキシレート基を有するポリエチレンイミン(MW=600)。
* 注:いずれの酵素濃度も、酵素原料の割合(%)として表されている。
【0192】
実施例3〜8の組成物の原料及び注記
Wacker Chemical Corporation,Adrian,Michigan,USAから供給されるシリコーンHC306
ポリ(アクリルアミド−メタアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(PAMMAPTAC)
ブチルカルビトール
平均エトキシル化度80を有するタローアルキルエトキシ化アルコール
Proxel(商標)GXL
香料Best B
【0193】
実施例9〜27の組成物の原料及び注記
Stepan,Northfield,Illinois,USAにより供給される平均脂肪族炭素鎖長C
11〜C
12を有する直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩
C
12〜14塩化ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムは、Clariant GmbH,Sulzbach(Germany)から供給されている。
AE3Sは、Stepan(Northfield,Illinois,USA)から供給されているC
12〜15アルキルエトキシ(3)硫酸塩である。
AE7は、Huntsman(Salt Lake City,Utah,USA)から供給されている、平均エトキシル化度が7のC
12〜15エトキシル酸アルコールである。
AE9は、Huntsman(Salt Lake City,Utah,USA)から供給されている、平均エトキシル化度が9のC
12〜13エトキシル酸アルコールである。
HSASは、炭素鎖長が約16〜17の、中鎖分枝状一級アルキルサルフェートである。
トリポリリン酸ナトリウムは、Rhodia(Paris,France)から供給されている。
ZeoliteAは、IndustrialZeolite(UK)Ltd,Grays,Essex,UKにより供給されるものである。
1.6RSilicateは、Koma,Nestemica,Czech,Republicにより供給されるものである。
炭酸ナトリウムはSolvay,Houston,Texas,USAにより供給されるものである。
ポリアクリレートMW4500は、BASF,Ludwigshafen,Germanyから供給されている。
カルボキシメチルセルロースは、CP Kelco,Arnhem,Netherlandsから供給されているFinnfix(登録商標)Vである。
好適なキレート化剤は、例えばDow Chemical,Midland,Michigan,USAにより供給されるジエチレンテトラアミン五酢酸(DTPA)又はSolutia,St Louis,Missouri,USA Bagsvaerd,Denmarkにより供給されるヒドロキシエタンジホスホネート(HEDP)である。
Savinase(登録商標)、Natalase(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、Lipex(登録商標)、Celluclean(商標)、Mannaway(登録商標)、及びWhitezyme(登録商標)はいずれも、Novozymes(Bagsvaerd,Denmark)の製品である。
Biotouch(登録商標)ROCは、AB Enzymes(Darmstadt,Germany)の製品である。
米国特許第6,312,936(B1)号に記載の細菌プロテアーゼ(実施例8〜13)は、Genencor International(Palo Alto,California,USA)から供給された。
米国特許第4,760,025号に記載の細菌プロテアーゼ(実施例14〜20)は、Genencor International(Palo Alto,California,USA)から供給された。
蛍光増白剤1は、Tinopal(登録商標)AMS、蛍光増白剤2は、Tinopal(登録商標)CBS−X、スルホン化亜鉛フタロシアニン及びダイレクトバイオレット9は、Pergasol(登録商標)バイオレットBN−Zであり、これらは全てCiba Specialty Chemicals(Basel,Switzerland)から供給されるものである。
炭酸ナトリウムは、Solvay,Houston,Texas,USAにより供給されるものである。
過ホウ酸ナトリウムは、Degussa,Hanau,Germanyから供給されているものである。
NOBSは、Future Fuels,Batesville,Arkansas,USAから供給されているノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムである。
TAEDはClariant Gmbh,Sulzbach,Germanyにより商品名Peractive(登録商標)で供給されるテトラアセチルエチレンジアミンである。
S−ACMCは、Megazyme(Wicklow,Ireland)からアゾ−CM−セルロース(AZO−CM−CELLULOSE)という製品名(製品コードS−ACMC)で販売されている、C.I.リアクティブブルー19で共役されているカルボキシメチルセルロースである。
汚れ放出剤はRhodia,Paris,Franceにより供給されるRepel−o−tex(登録商標)PFである。
アクリル酸/マレイン酸コポリマーは、分子量70,000であり、かつアクリレート:マレエート比が70:30であり、BASF,Ludwigshafen,Germanyから供給されている。
エチレンジアミン−N,N’−二コハク酸、(S,S)異性体(EDDS)のNa塩は、Octel,Ellesmere Port,UKから供給されているものである。
ヒドロキシエタンジホスホン酸塩(HEDP)は、Dow Chemical,Midland,Michigan,USAから供給されているものである。
泡抑制剤疑集体は、Dow Corning,Midland,MIchigan,USAから供給されているものである。
HSASは、米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号で開示されているような中鎖分枝状アルキル硫酸塩である。
C
12〜14ジメチルアミンオキシドは、Procter & Gamble Chemicals,Cincinnati,Ohio,USAから供給されているものである。
Liquitint(登録商標)バイオレットCTは、Milliken,Spartanburg,South Carolina,USAから供給されているものである。
【0194】
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0195】
本明細書で引用されているあらゆる文献は、あらゆる相互参照特許又は関連特許を含め、明示的に除外されたり、別段に限定されたりしている場合を除き、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と競合する程度に、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0196】
以上、本発明の特定の諸実施形態を図示、説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を行いうる点は当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。