(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1のアダプターおよび第2のアダプターを含むアダプターを、二本鎖DNA断片に対して、リン酸基を持たない対合した平滑末端を各々が含む2つの末端それぞれに付加するための方法であって:
第1のアダプターおよび第2のアダプターを、二本鎖DNA断片に対して2つの末端それぞれに連結して、第1の連結された生成物を得る工程であって、
ここでは、第1のアダプターは第2のアダプターとは異なり;そして
第1のアダプターおよび第2のアダプターそれぞれが請求項1〜5のいずれか一項に記載の単離されたオリゴヌクレオチドである、工程;
第1のアダプターの第2のストランドを第1の一本鎖DNAにより置き換え、第2のアダプターの第2のストランドを第2の一本鎖DNAにより置き換える工程であって、
ここでは、第1の一本鎖DNAは第1のアダプターの第1のストランドと特異的に対合して第1の二本鎖構造を形成することができ、第2の一本鎖DNAは第2のアダプターの第1のストランドと特異的に対合して第2の二本鎖構造を形成することができる、工程;
第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAを二本鎖DNA断片に対して2つの末端それぞれに繋いで、第2の連結された生成物を得る工程、ならびに
第2の連結された生成物を第1のプライマーおよび第2のプライマーを用いて増幅して、増幅された生成物を得る工程であって、ここでは
増幅された生成物は、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片であり、
第1のプライマーは、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAの一方と同じ配列を含み、そして
第2のプライマーは、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAの他方と同じ配列を含み、そして第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAの他方と比較して5’末端にさらなるビオチンを含む、工程、
を含む、方法。
第1のアダプターの第2のストランドおよび第2のアダプターの第2のストランドがそれぞれ、熱変性−アニーリングによって、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAにより置き換えられる、請求項11〜16のいずれか一項に記載の方法。
第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAが、二本鎖DNA断片に対して2つの末端のそれぞれに、ニックトランスレーションによって繋がれる、請求項11〜18のいずれか一項に記載の方法。
一本鎖DNA断片が、予めスクリーニングされた、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片から単離される、請求項20〜24のいずれか一項に記載の方法。
2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片が、プローブとの接触によってスクリーニングされ、ここでは、プローブは予め決定された配列に特異的である、請求項25に記載の方法。
第1の領域は5’TCGAGCTTGTCT3’(配列番号6)の配列を有しており;そして第2の領域は5’TCCTAAGACCGC3’(配列番号7)の配列を有している、請求項29に記載の方法。
第1のアダプターおよび第2のアダプターを含むアダプターを、二本鎖DNA断片に対して、リン酸基を持たない対合した平滑末端を各々が含む2つの末端それぞれに付加するためのデバイスであって:
第1のアダプターおよび第2のアダプターを二本鎖DNA断片に対して2つの末端それぞれに連結して第1の連結された生成物が得られるように構成された第1の連結ユニットであって、
ここでは、第1のアダプターは第2のアダプターとは異なり、そして
第1のアダプターおよび第2のアダプターがそれぞれ、請求項1〜5のいずれか一項に記載の単離されたオリゴヌクレオチドである、第1の連結ユニット;
第1のアダプターの第2のストランドを第1の一本鎖DNAによって置き換え、そして第2のアダプターの第2のストランドを第2の一本鎖DNAによって置き換えるように構成された置き換えユニットであって、
ここでは、第1の一本鎖DNAは第1のアダプターの第1のストランドと特異的に対合して第1の二本鎖構造を形成することができ、そして第2の一本鎖DNAは第2のアダプターの第1のストランドと特異的に対合して第2の二本鎖構造を形成することができる、置き換えユニット;
第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAを二本鎖DNA断片に対して2つの末端それぞれに繋いで第2の連結された生成物が得られるように構成された第2の連結ユニット、ならびに
第2の連結された生成物を第1のプライマーおよび第2のプライマーを用いて増幅して増幅された生成物が得られるように構成された増幅ユニットであって、ここでは、
第1のプライマーは、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAの一方と同じ配列を含み、そして
第2のプライマーは、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAの他方と同じ配列を含み、そして第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAの他方と比較して5’末端にさらなるビオチンを含む、増幅ユニット、
を含有している、デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の実施形態が細部にわたり参照される。図面に関連して本明細書中に記載される実施形態は例示的であり、説明的であり、そして本開示を一般的に理解するために使用される。実施形態は本開示を限定するようには解釈されるべきではない。
【0021】
加えて、「第1」および「第2」のような用語は記述の目的のために本明細書中で使用され、相対的な重要性または有意性を示すまたは暗に意味するように意図するものではない。したがって、「第1」および「第2」で限定される特徴は、1つ以上の特徴を明示的または絶対的に含み得る。さらに、本開示の記述においては、特に明記されていない限りは、用語「複数の(a plurality of)」は、2以上を意味する。なおまた、本開示においては、用語「連結する(ligate)」、「連結(ligating)」、「連結された(ligated)」、または「連結(ligation)」は、一方の一本鎖核酸分子の5’末端にあるリン酸化基の存在が原因で、2つの一本鎖核酸分子が、ヌクレオチドとヌクレオチドが直接1つのより長い一本鎖核酸分子を形成することを意味する。一方、用語「繋ぐ(connect)」、「繋ぐ(connecting)」、「繋がれた(connected)」、または「繋ぐこと(connection)」は、2つの一本鎖核酸分子が、ニックトランスレーションに続く連結のような他の反応によって、1つのより長い一本鎖核酸分子を間接的に形成することを示す。
【0022】
単離されたオリゴヌクレオチドおよびキット
第1の態様では、本開示は複数の実施形態において、単離されたオリゴヌクレオチドを提供する。本開示の1つの実施形態においては、単離されたオリゴヌクレオチドは第1のストランドおよび第2のストランドを含有する。ここでは、第1のストランドの5’末端にある第1の末端ヌクレオチドがリン酸基を有しており、第1のストランドの3’末端にある第2の末端ヌクレオチドはジデオキシヌクレオチドであり、そして第2のストランドの5’末端にある第3の末端ヌクレオチドはリン酸基を有しておらず、第2のストランドの3’末端にある第4の末端ヌクレオチドはジデオキシヌクレオチドである。ここでは、第1のストランドの長さは第2のストランドの長さより長く、第1のストランドと第2のストランドとの間で二本鎖構造が形成される。上記オリゴヌクレオチドは、ジデオキシヌクレオチドが原因で第1および第2のストランドの3’末端で、またはリン酸基を持たない第2のストランドの5’末端で、他の核酸断片と繋がれることは不可能であり、これにより、オリゴヌクレオチドが互いに繋がることが回避される。したがって、このようなキットをライブラリーの構築のためのアダプターとして使用することができ、それによってライブラリーの構築の間に、異なるアダプターを核酸断片に対して2つの末端それぞれに連結することができる。これは、アダプターが互いに繋がることを避けるだけではなく、連結効率もまた改善し、その上、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下げる。
【0023】
本開示の1つの実施形態においては、第2のストランドと第1のストランドとの間でミスマッチのヌクレオチドの数は3を超えず、これによって、連結効率がさらに改善し、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下がる。
【0024】
本開示の1つの実施形態においては、単離されたオリゴヌクレオチドは、第1のストランドの3’末端に位置する第1の突出、および随意に、第2のストランドの5’末端に位置する第2の突出を含有し、これによって、連結効率がさらに改善し、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下がる。
【0025】
本開示の1つの実施形態においては、第1の突出の長さは第2の突出の長さより長く、これによって、連結効率がさらに改善し、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下がる。
【0026】
本開示の1つの実施形態においては、第1の突出の長さは約6ヌクレオチドから約12ヌクレオチドであり、これによって、連結効率がさらに改善し、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下がる。
【0027】
本開示の1つの実施形態においては、第2の突出の長さは0ヌクレオチドから4ヌクレオチドであり、これによって、連結効率がさらに改善し、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下がる。
【0028】
本開示の1つの実施形態においては、第1および第2のストランドはいずれもDNAである。
【0029】
本開示の1つの実施形態においては、第1のストランドの長さは約20ヌクレオチドから約25ヌクレオチドであり、これによって、連結効率がさらに改善し、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下がる。
【0030】
本開示の1つの実施形態においては、第2のストランドの長さは約10ヌクレオチドから約15ヌクレオチドであり、これによって、連結効率がさらに改善し、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下がる。
【0031】
本開示の1つの実施形態においては、第1のストランドが5’GGCTCCGTCGAAGCCCGACGC3’(配列番号1)の配列を有しており、第2のストランドが5’CTTCGACGGAGCC3’(配列番号2)の配列を有しているか、または第1のストランドが5’ACGTCGGGGCCAAGCGGTCGTC3’(配列番号3)の配列を有しており、第2のストランドが5’TTGGCCCCGGCTT3’(配列番号4)の配列を有している。これによって、連結効率がさらに改善し、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下がる。
【0032】
第2の態様では、本開示は複数の実施形態においてキットを提供する。本開示の1つの実施形態においては、キットは、第1のアダプターおよび第2のアダプター(各々が上記の単離されたオリゴヌクレオチドである)を含有し、ここでは、第1のアダプターは第2のアダプターとは異なる。
【0033】
上記のように、本開示の実施形態にしたがうオリゴヌクレオチドは、ジデオキシヌクレオチドが原因で第1および第2のストランドの3’末端で、またはリン酸基を持たない第2のストランドの5’末端で、他の核酸断片と繋がれることは不可能であり、これにより、オリゴヌクレオチドが互いに繋がることが回避される。したがって、このようなキットをライブラリーの構築のためのアダプターとして使用することができ、それによってライブラリーの構築の間に、異なるアダプターを核酸断片に対して2つの末端それぞれに連結することができる。これは、アダプターが互いに繋がることを避けるだけではなく、連結効率もまた改善し、その上、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下げる。本開示の実施形態にしたがう単離されたオリゴヌクレオチドの特徴および利点に関する記述はまた、ここではそれ以上詳細には記載されないキットにも適用することができる。
【0034】
本開示の1つの実施形態においては、キットは、第1のアダプターの第1のストランドと対合して第1の二本鎖構造を形成することができる第1の一本鎖DNA、および第2のアダプターの第1のストランドと対合して第2の二本鎖構造を形成することができる第2の一本鎖DNAをさらに含有する。したがって、第1のアダプターの第2のストランドおよび第2のアダプターの第2のストランドは、ライブラリーの構築の間に、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAによってそれぞれ置き換えられ、それにより、第1のアダプターの第1のストランドおよび第2のアダプターの第1のストランドを用いてより安定な構造が形成される。さらに、第2の連結された生成物が、プライマーとして使用される第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAが用いられるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅され、それによって、両方の末端に安定なアダプターを持つDNA断片が形成される。
【0035】
本開示の1つの実施形態においては、第1の二本鎖構造の長さは、第1のアダプターの第1のストランドと第1のアダプターの第2のストランドとを用いて形成された第3の二本鎖構造の長さより長く、第2の二本鎖構造の長さは、第2のアダプターの第1のストランドと第2のアダプターの第2のストランドとを用いて形成された第4の二本鎖構造の長さより長く、これによって、連結効率がさらに改善し、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下がる。
【0036】
本開示の1つの実施形態においては、キットはさらに、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAの一方と同じである第1のプライマー、および第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAの他方と比較して5’末端にさらなるビオチンを有している第2のプライマーを含有し、これによって、連結効率がさらに改善し、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下がる。さらに、一本鎖核酸分子は、ビオチンと特異的に結合することが可能である物質によって効率よく単離することができ、さらに、CGシーケンシングプラットフォーム用のライブラリーを構築するために使用することができる。
【0037】
本開示の1つの実施形態においては、第1のアダプターの第1のストランドは5’GGCTCCGTCGAAGCCCGACGC3’(配列番号1)の配列を有しており、第1のアダプターの第2のストランドは5’CTTCGACGGAGCC3’(配列番号2)の配列を有しており、第2のアダプターの第1のストランドは5’ACGTCGGGGCCAAGCGGTCGTC3’(配列番号3)の配列を有しており、第2のアダプターの第2のストランドは5’TTGGCCCCGGCTT3’(配列番号4)の配列を有しており、第1の一本鎖DNAは5’AGACAAGCTC(N)
mGATCGGGCTTCGACGGAG3’の配列を有しており(ここでは、(N)
mはmヌクレオチドの長さであるタグ配列を表し、mは4から10までの範囲の整数であり、そしてNは、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、またはシトシン(C)を表す)、そして第2の一本鎖DNAは5’TCCTAAGACCGCTTGGCCCCG3’(配列番号5)の配列を有しており、これによって、連結効率がさらに改善し、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下がる。さらに、一本鎖核酸分子は、ビオチンと特異的に結合することが可能である物質によって効率よく単離することができ、さらに、CGシーケンシングプラットフォーム用のライブラリーを構築するために使用することができる。
【0038】
核酸の配列決定における単離されたオリゴヌクレオチドの使用
第3の態様では、本開示は複数の実施形態において、アダプター(第1のアダプターおよび第2のアダプターを含む)を二本鎖DNA断片に対して2つの末端(各々がリン酸基を持たない対合した平滑末端を含む)それぞれに付加するための方法を提供する。
図4を参照すると、1つの実施形態では、上記方法は以下の工程S100からS400を含む。
【0039】
S100:第1のアダプターおよび第2のアダプターが、二本鎖DNA断片に対して2つの末端それぞれに連結される。
第1のアダプターおよび第2のアダプターが二本鎖DNA断片に対して2つの末端それぞれに連結されて、第1の連結された生成物が得られる。ここでは、第1のアダプターは第2のアダプターとは異なり、第1のアダプターおよび第2のアダプターは各々が上記の単離されたオリゴヌクレオチドである。
【0040】
本開示の1つの実施形態においては、第1のアダプターおよび第2のアダプターが、1つの工程で、二本鎖DNA断片に対して2つの末端それぞれに連結される。
【0041】
本開示の1つの実施形態においては、二本鎖DNA断片が以下の工程:DNA試料を断片化して断片化生成物を得る工程;断片化生成物を脱リン酸化して脱リン酸化された断片化生成物を得る工程;ならびに、脱リン酸化された断片化生成物を末端修復して二本鎖DNA断片を得る工程により得られ、それにより、ライブラリーの構築に適しているDNA断片が効率よく得られる。
【0042】
本開示の1つの実施形態においては、DNA試料がゲノムDNAまたはRNA逆転写生成物の少なくとも一部分であり、その結果、ゲノムDNAまたはRNAを配列決定するためのライブラリーを効率よく構築することができる。
【0043】
S200:第1のアダプターの第2のストランドは第1の一本鎖DNAによって置き換えられ、第2のアダプターの第2のストランドは第2の一本鎖DNAによって置き換えられる。
第1のアダプターの第2のストランドは第1の一本鎖DNAによって置き換えられ、第2のアダプターの第2のストランドは第2の一本鎖DNAによって置き換えられる。ここでは、第1の一本鎖DNAは第1のアダプターの第1のストランドと特異的に対合して第1の二本鎖構造を形成することができ、第2の一本鎖DNAは第2のアダプターの第1のストランドと特異的に対合して第2の二本鎖構造を形成することができる。
【0044】
本開示の1つの実施形態においては、第1の二本鎖構造の長さは、第1のアダプターの第1のストランドと第1のアダプターの第2のストランドとを用いて形成された第3の二本鎖構造の長さより長く、第2の二本鎖構造の長さは、第2のアダプターの第1のストランドと第2のアダプターの第2のストランドとを用いて形成された第4の二本鎖構造の長さより長く、これによって、配列決定の効率をさらに改善し、配列決定のコストを下げることができる。
【0045】
本開示の1つの実施形態においては、第1のアダプターの第1のストランドは5’GGCTCCGTCGAAGCCCGACGC3’(配列番号1)の配列を有しており、第1のアダプターの第2のストランドは5’CTTCGACGGAGCC3’(配列番号2)の配列を有しており、第2のアダプターの第1のストランドは5’ACGTCGGGGCCAAGCGGTCGTC3’(配列番号3)の配列を有しており、第2のアダプターの第2のストランドは5’TTGGCCCCGGCTT3’(配列番号4)の配列を有しており、第1の一本鎖DNAが5’AGACAAGCTC(N)
mGATCGGGCTTCGACGGAG3’の配列を有しており(ここでは、(N)
mはmヌクレオチドの長さであるタグ配列を表し、mは4から10までの範囲の整数であり、Nは、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、またはシトシン(C)を表す)、そして第2の一本鎖DNAは5’TCCTAAGACCGCTTGGCCCCG3’(配列番号5)の配列を有しており、これによって、配列決定の効率がさらに改善し、配列決定のコストも下がる。さらに、一本鎖核酸分子は、ビオチンと特異的に結合することが可能である物質によって効率よく単離することができ、さらに、CGシーケンシングプラットフォーム用のライブラリーを構築するために使用することができる。
【0046】
本開示の1つの実施形態においては、第1のアダプターの第2のストランドおよび第2のアダプターの第2のストランドがそれぞれ、熱変性−アニーリングによって、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAにより置き換えられる。本開示の特別な実施形態では、熱変性が約60℃で行われ、これによって、連結効率がさらに改善し、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下がる。
【0047】
S300:第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAが二本鎖DNA断片に対して2つの末端それぞれに繋がれる。
第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAが二本鎖DNA断片に対して2つの末端それぞれに繋がれて、第2の連結された生成物が得られる。
【0048】
本開示の1つの実施形態においては、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAが、二本鎖DNA断片に対して2つの末端のそれぞれに、ニックトランスレーションによって繋がれる。
【0049】
S400:第2の連結された生成物が第1のプライマーおよび第2のプライマーを用いて増幅される。
第2の連結された生成物が第1のプライマーおよび第2のプライマーを用いて増幅されて、増幅された生成物が得られる。ここでは、増幅された生成物は、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片であり、第1のプライマーは、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAの一方と同じ配列を含み、第2のプライマーは、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAの他方と同じ配列を含み、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAの他方と比較して5’末端にさらなるビオチンを含む。
【0050】
上記のように、本開示の実施形態にしたがうオリゴヌクレオチドは、ジデオキシヌクレオチドが原因で第1および第2のストランドの3’末端で、またはリン酸基を持たない第2のストランドの5’末端で、他の核酸断片と繋がれることは不可能であり、これにより、オリゴヌクレオチドが互いに繋がることが回避される。したがって、このようなオリゴヌクレオチドをライブラリーの構築のためのアダプターとして使用することができ、それによってライブラリーの構築の間に、異なるアダプターを核酸断片に対して2つの末端それぞれに連結することができる。これは、アダプターが互いに繋がることを避けるだけではなく、連結効率もまた改善し、その上、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下げる。本開示の実施形態にしたがう単離されたオリゴヌクレオチドの特徴および利点に関する記述はまた、ここではそれ以上詳細には記載されない方法にも適用することができる。加えて、第1のアダプターの第2のストランドおよび第2のアダプターの第2のストランドは、ライブラリーの構築の間に、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAによってそれぞれ置き換えられ、それにより、第1のアダプターの第1のストランドおよび第2のアダプターの第1のストランドを用いてより安定な構造が形成される。さらに、第2の連結された生成物が、プライマーとして使用される第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAが用いられるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅され、それによって、両方の末端に安定なアダプターを持つDNA断片が形成される。
【0051】
第4の態様では、本開示は複数の実施形態において、2つの末端(各々がリン酸基を持たない対合した平滑末端を含む)を持つ二本鎖DNA断片を配列決定するためのライブラリーを構築する方法を提供する。本開示の1つの実施形態においては、上記方法は以下の工程を含む。
【0052】
最初に、第1のアダプターおよび第2のアダプターが、上記のアダプターを付加する方法によって、二本鎖DNAに対して2つの末端それぞれに連結されて、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片が得られる。
【0053】
第2に、一本鎖DNA断片が2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片から単離される。本開示の1つの実施形態においては、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片を一本鎖DNA断片に分離する工程はさらに、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片を磁性ビーズと接触させて、磁性ビーズ−DNA複合体を形成させる工程(ここでは、磁性ビーズがストレプトアビジンでコーティングされている)、ならびに、磁性ビーズ−DNA複合体をpH値が7より高い溶液に対して暴露して、一本鎖DNA断片を得る工程を含み、それにより、一本鎖DNA断片が効率よく単離され、その結果、ライブラリーの構築の効率が改善され、ライブラリーの構築のためのコストが下がる。本開示の1つの実施形態においては、pH値が7より高い溶液は水酸化ナトリウム溶液である。本開示の1つの実施形態においては、水酸化ナトリウム溶液は約0.5Mから2Mの濃度の溶液である。本開示の1つの実施形態においては、水酸化ナトリウム溶液は約1Mの濃度の溶液である。本開示の1つの実施形態においては、一本鎖DNA断片が、予めスクリーニングされた、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片から単離され、これにより、予め決定された領域を配列決定するためのライブラリーが構築される。本開示の1つの実施形態においては、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片が、プローブとの接触によってスクリーニングされる。ここでは、プローブは予め決定された配列に特異的である。本開示の1つの実施形態においては、予め決定された配列は、少なくとも1つのエキソンを含む。本開示の1つの実施形態においては、プローブがマイクロチップアレイの形態で提供される。したがって、一本鎖DNA断片が効率よく環化され得る。
【0054】
その後、一本鎖DNA断片が環化されて一本鎖DNAループが得られる。ここでは、一本鎖DNAループが、2つの末端を持つ二本鎖DNA断片を配列決定するためのライブラリーを構成する。本開示の1つの実施形態においては、一本鎖DNA断片が、一本鎖核酸分子を用いて環化される。ここでは、一本鎖核酸分子は第1の領域および第2の領域を含み、第1の領域は、一本鎖DNA断片の5’末端および3’末端に位置する末端ヌクレオチドと対合することができ、そして第2の領域は、一本鎖DNA断片の5’末端または3’末端に位置する末端ヌクレオチドと対合することができ、これにより、環化の効率がさらに改善する。本開示の1つの実施形態においては、第1の領域は第2の領域に隣接して繋げられる。本開示の1つの実施形態においては、第1の領域は5’TCGAGCTTGTCT3’(配列番号6)の配列を有しており、第2の領域は5’TCCTAAGACCGC3’(配列番号7)の配列を有している。
【0055】
上記のように、本開示の実施形態にしたがうオリゴヌクレオチドは、ジデオキシヌクレオチドが原因で第1および第2のストランドの3’末端で、またはリン酸基を持たない第2のストランドの5’末端で、他の核酸断片と繋がれることは不可能であり、これにより、オリゴヌクレオチドが互いに繋がることが回避される。したがって、このようなオリゴヌクレオチドをライブラリーの構築のためのアダプターとして使用することができ、それによってライブラリーの構築の間に、異なるアダプターを核酸断片に対して2つの末端それぞれに連結することができる。これは、アダプターが互いに繋がることを避けるだけではなく、連結効率もまた改善し、その上、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下げる。本開示の実施形態にしたがう単離されたオリゴヌクレオチドの特徴および利点に関する記述はまた、ここではそれ以上詳細には記載されない方法にも適用することができる。加えて、第1のアダプターの第2のストランドおよび第2のアダプターの第2のストランドは、ライブラリーの構築の間に、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAによってそれぞれ置き換えられ、それにより、第1のアダプターの第1のストランドおよび第2のアダプターの第1のストランドを用いてより安定な構造が形成される。さらに、第2の連結された生成物が、プライマーとして使用される第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAが用いられるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅され、それによって、両方の末端に安定なアダプターを持つDNA断片が形成される。続いて、一本鎖DNA断片が単離され、環化され、それにより、ライブラリー(例えば、CGシーケンシングプラットフォーム用のライブラリー)を効率よく得ることができる。
【0056】
第5の態様では、本開示は複数の実施形態において、核酸を配列決定する方法を提供する。いくつかの実施形態では、上記方法は、二本鎖DNA断片を配列決定するためのライブラリーを構築する方法によりライブラリーを構築する工程、ならびに、ライブラリーを配列決定する工程を含む。本開示の1つの実施形態においては、ライブラリーはComplete Genomics(CG)シーケンシングプラットフォーム上で配列決定された。
【0057】
上記のように、本開示の実施形態にしたがうオリゴヌクレオチドは、ジデオキシヌクレオチドが原因で第1および第2のストランドの3’末端で、またはリン酸基を持たない第2のストランドの5’末端で、他の核酸断片と繋がれることは不可能であり、これにより、オリゴヌクレオチドが互いに繋がることが回避される。したがって、このようなオリゴヌクレオチドをライブラリーの構築のためのアダプターとして使用することができ、それによってライブラリーの構築の間に、異なるアダプターを核酸断片に対して2つの末端それぞれに連結することができる。これは、アダプターが互いに繋がることを避けるだけではなく、連結効率もまた改善し、その上、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下げる。本開示の実施形態にしたがう単離されたオリゴヌクレオチドの特徴および利点に関する記述はまた、ここではそれ以上詳細には記載されない方法にも適用することができる。加えて、第1のアダプターの第2のストランドおよび第2のアダプターの第2のストランドは、ライブラリーの構築の間に、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAによってそれぞれ置き換えられ、それにより、第1のアダプターの第1のストランドおよび第2のアダプターの第1のストランドを用いてより安定な構造が形成される。さらに、第2の連結された生成物が、プライマーとして使用される第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAが用いられるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅され、それによって、両方の末端に安定なアダプターを持つDNA断片が形成される。続いて、一本鎖DNA断片が単離され、環化され、それにより、ライブラリー(例えば、CGシーケンシングプラットフォーム用のライブラリー)を効率よく得ることができ、これによって、配列決定の効率をさらに改善し、配列決定のコストを下げることができる。
【0058】
第6の態様では、本開示は複数の実施形態において、アダプター(第1のアダプターおよび第2のアダプターを含む)を二本鎖DNA断片に対して2つの末端(各々がリン酸基を持たない対合した平滑末端を含む)それぞれに付加するためのデバイスを提供する。
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、デバイス100は、第1の連結ユニット101、置き換えユニット102、第2の連結ユニット103、および増幅ユニット104を含む。
【0059】
第1の連結ユニット101は、第1のアダプターおよび第2のアダプターを二本鎖DNA断片に対して2つの末端それぞれに連結させて第1の連結された生成物が得られるように構成されており、ここでは、第1のアダプターは第2のアダプターとは異なり、第1のアダプターおよび第2のアダプターは各々が上記の単離されたオリゴヌクレオチドである。本開示の1つの実施形態においては、第1のアダプターおよび第2のアダプターが、1つの工程で、二本鎖DNA断片に対して2つの末端それぞれに連結される。
【0060】
置き換えユニット102は、第1のアダプターの第2のストランドを第1の一本鎖DNAによって置き換え、そして第2のアダプターの第2のストランドを第2の一本鎖DNAによって置き換えるように構成されており、ここでは、第1の一本鎖DNAは第1のアダプターの第1のストランドと特異的に対合して第1の二本鎖構造を形成することができ、第2の一本鎖DNAは第2のアダプターの第1のストランドと特異的に対合して第2の二本鎖構造を形成することができる。本開示の1つの実施形態においては、第1の二本鎖構造の長さは、第1のアダプターの第1のストランドと第1のアダプターの第2のストランドとを用いて形成された第3の二本鎖構造の長さより長く、第2の二本鎖構造の長さは、第2のアダプターの第1のストランドと第2のアダプターの第2のストランドとを用いて形成された第4の二本鎖構造の長さより長く、これによって、連結効率がさらに改善し、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下がる。本開示の1つの実施形態においては、第1のアダプターの第1のストランドは5’GGCTCCGTCGAAGCCCGACGC3’(配列番号1)の配列を有しており、第1のアダプターの第2のストランドは5’CTTCGACGGAGCC3’(配列番号2)の配列を有しており、第2のアダプターの第1のストランドは5’ACGTCGGGGCCAAGCGGTCGTC3’(配列番号3)の配列を有しており、第2のアダプターの第2のストランドは5’TTGGCCCCGGCTT3’(配列番号4)の配列を有しており、第1の一本鎖DNAが5’AGACAAGCTC(N)
mGATCGGGCTTCGACGGAG3’の配列を有しており、ここでは、(N)
mはmヌクレオチドの長さであるタグ配列を表し、mは4から10までの範囲の整数であり、Nは、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、またはシトシン(C)を表し、そして第2の一本鎖DNAが5’TCCTAAGACCGCTTGGCCCCG3’(配列番号5)の配列を有しており、これによって、連結効率がさらに改善し、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下がる。さらに、一本鎖核酸分子は、ビオチンと特異的に結合することが可能である物質によって効率よく単離することができ、さらに、CGシーケンシングプラットフォーム用のライブラリーを構築するために使用することができる。
【0061】
本開示の1つの実施形態においては、置き換えユニット102は、熱変性−アニーリングによって、第1のアダプターの第2のストランドおよび第2のアダプターの第2のストランドを、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAによりそれぞれ置き換えるように構成されている。本開示の1つの実施形態においては、熱変性が約60℃で行われ、これによって、連結効率がさらに改善し、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下がる。
【0062】
第2の連結ユニット103は、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAを二本鎖DNA断片に対して2つの末端それぞれに繋いで第2の連結された生成物が得られるように構成されている。本開示の1つの実施形態においては、第2の連結ユニット103は、ニックトランスレーションによって、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAが二本鎖DNA断片に対して2つの末端それぞれに繋がれるように構成されている。
【0063】
増幅ユニット104は、第2の連結された生成物を第1のプライマーおよび第2のプライマーを用いて増幅して増幅された生成物が得られるように構成されている。ここでは、第1のプライマーは、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAの一方と同じ配列を含み、第2のプライマーは、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAの他方と同じ配列を含み、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAの他方と比較して5’末端にさらなるビオチンを含む。
【0064】
本開示の1つの実施形態においては、上記デバイスは、二本鎖DNA断片を得るユニット(図には示されていない)をさらに含み、二本鎖DNA断片を得るユニットは、DNA試料を断片化して断片化生成物が得られるように構成された断片化アセンブリ、断片化生成物を脱リン酸化して脱リン酸化された断片化生成物が得られるように構成された脱リン酸化アセンブリ、および脱リン酸化された断片化生成物を末端修復して二本鎖DNA断片が得られるように構成された末端修復アセンブリを含み、これにより、ライブラリーの構築のための二本鎖DNA断片が効率よく得られる。
【0065】
本開示の1つの実施形態においては、二本鎖DNA断片を得るユニットは、生物学的試料からゲノムDNAを抽出するように構成されたゲノムDNA抽出アセンブリ、および/またはRNA試料を逆転写させて逆転写生成物が得られるように構成された逆転写アセンブリ(ここでは、ゲノムDNAおよび/または逆転写生成物の少なくとも一部がDNA試料を構成する)をさらに含み、これにより、ゲノムDNAまたはRNAを配列決定するためのライブラリーが効率よく構築される。
【0066】
上記のように、本開示の実施形態にしたがうオリゴヌクレオチドは、ジデオキシヌクレオチドが原因で第1および第2のストランドの3’末端で、またはリン酸基を持たない第2のストランドの5’末端で、他の核酸断片と繋がれることは不可能であり、これにより、オリゴヌクレオチドが互いに繋がることが回避される。したがって、このようなオリゴヌクレオチドをライブラリーの構築のためのアダプターとして使用することができ、それによってライブラリーの構築の間に、異なるアダプターを核酸断片に対して2つの末端それぞれに連結することができる。これは、アダプターが互いに繋がることを避けるだけではなく、連結効率もまた改善し、その上、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下げる。本開示の実施形態にしたがう単離されたオリゴヌクレオチドの特徴および利点に関する記述はまた、ここではそれ以上詳細には記載されないデバイスにも適用することができる。加えて、第1のアダプターの第2のストランドおよび第2のアダプターの第2のストランドは、ライブラリーの構築の間に、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAによってそれぞれ置き換えられ、それにより、第1のアダプターの第1のストランドおよび第2のアダプターの第1のストランドを用いてより安定な構造が形成される。さらに、第2の連結された生成物が、プライマーとして使用される第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAが用いられるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅され、それによって、両方の末端に安定なアダプターを持つDNA断片が形成される。
【0067】
第7の態様では、本開示は複数の実施形態において、2つの末端(各々がリン酸基を持たない対合した平滑末端を含む)を持つ二本鎖DNA断片を配列決定するためのライブラリーを構築するデバイスを提供する。
図6を参照すると、いくつかの実施形態では、デバイスは、アダプターを付加するためのデバイス100、一本鎖DNA断片を単離するデバイス200、および環化デバイス300を含有する。
【0068】
アダプターを付加するためのデバイス100は、第1のアダプターおよび第2のアダプターを二本鎖DNAに対して2つの末端それぞれに連結して、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片が得られるように構成される。一本鎖DNA断片を単離するデバイス200は、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片から一本鎖DNAを単離するように構成される。環化デバイス300は、一本鎖DNA断片を環化して一本鎖DNAループが得られるように構成され、ここでは、一本鎖DNAループは、2つの末端を持つ二本鎖DNA断片を配列決定するためのライブラリーを構成する。
【0069】
本開示の1つの実施形態においては、一本鎖DNA断片を単離するデバイス200は、磁性ビーズを伴って提供される、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片を磁性ビーズと接触させて、磁性ビーズ−DNA複合体を形成させるように構成された捕捉ユニット(ここでは、磁性ビーズはストレプトアビジンでコーティングされている)、ならびに、pH値が7より高い溶液を伴って提供され、磁性ビーズ−DNA複合体を溶液に対して暴露して一本鎖DNA断片が得られるように構成された溶解ユニットをさらに含み、これにより、一本鎖DNA断片が効率よく単離され、その結果、ライブラリーの構築の効率が改善し、ライブラリー構築のためのコストが下がる。本開示の1つの実施形態においては、pH値が7より高い溶液は水酸化ナトリウム溶液である。本開示の1つの実施形態においては、水酸化ナトリウム溶液は約0.5Mから2Mの濃度の溶液である。本開示の別の実施形態では、水酸化ナトリウム溶液は約1Mの濃度の溶液である。
【0070】
本開示の1つの実施形態においては、デバイスは、スクリーニングデバイス(図には示されていない)をさらに含む。スクリーニングデバイスは、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片をスクリーニングするように構成され、その後、それから一本鎖DNA断片が単離される。本開示の1つの実施形態においては、スクリーニングデバイスがプローブを伴って提供され、ここでは、プローブは予め決定された配列に特異的である。本開示の1つの実施形態においては、予め決定された配列は、少なくとも1つのエキソンを含む。本開示の1つの実施形態においては、プローブがマイクロチップアレイの形態で提供される。
【0071】
本開示の1つの実施形態においては、環化デバイス300が一本鎖核酸分子を伴って提供される。ここでは、一本鎖核酸分子は、第1の領域および第2の領域を含み、第1の領域は、一本鎖DNA断片の5’末端および3’末端に位置する末端ヌクレオチドと対合することができ、第2の領域は、一本鎖DNA断片の5’末端または3’末端に位置する末端ヌクレオチドと対合することができる。本開示の1つの実施形態においては、第1の領域は第2の領域に隣接して繋げられる。本開示の1つの実施形態においては、第1の領域は5’TCGAGCTTGTCT3’(配列番号6)の配列を有しており、第2の領域は5’TCCTAAGACCGC3’(配列番号7)の配列を有している。したがって、一本鎖DNA断片が効率よく環化され得る。
【0072】
上記のように、本開示の実施形態にしたがうオリゴヌクレオチドは、ジデオキシヌクレオチドが原因で第1および第2のストランドの3’末端で、またはリン酸基を持たない第2のストランドの5’末端で、他の核酸断片と繋がれることは不可能であり、これにより、オリゴヌクレオチドが互いに繋がることが回避される。したがって、このようなオリゴヌクレオチドをライブラリーの構築のためのアダプターとして使用することができ、それによってライブラリーの構築の間に、異なるアダプターを核酸断片に対して2つの末端それぞれに連結することができる。これは、アダプターが互いに繋がることを避けるだけではなく、連結効率もまた改善し、その上、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下げる。本開示の実施形態にしたがう単離されたオリゴヌクレオチドの特徴および利点に関する記述はまた、ここではそれ以上詳細には記載されないデバイスにも適用することができる。加えて、第1のアダプターの第2のストランドおよび第2のアダプターの第2のストランドは、ライブラリーの構築の間に、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAによってそれぞれ置き換えられ、それにより、第1のアダプターの第1のストランドおよび第2のアダプターの第1のストランドを用いてより安定な構造が形成される。さらに、第2の連結された生成物が、プライマーとして使用される第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAが用いられるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅され、それによって、両方の末端に安定なアダプターを持つDNA断片が形成される。続いて、一本鎖DNA断片が単離され、環化され、それにより、ライブラリー(例えば、CGシーケンシングプラットフォーム用のライブラリー)を効率よく得ることができる。
【0073】
第8の態様では、本開示は複数の実施形態において、核酸を配列決定するシステムを提供する。
図7を参照すると、いくつかの実施形態では、システム10000は、上記二本鎖DNA断片を配列決定するためのライブラリーを構築するデバイス1000、およびライブラリーを配列決定するように構成された配列決定デバイス2000を含む。本開示の1つの実施形態においては、配列決定デバイス2000はCGシーケンシングプラットフォームである。
【0074】
上記のように、本開示の実施形態にしたがうオリゴヌクレオチドは、ジデオキシヌクレオチドが原因で第1および第2のストランドの3’末端で、またはリン酸基を持たない第2のストランドの5’末端で、他の核酸断片と繋がれることは不可能であり、これにより、オリゴヌクレオチドが互いに繋がることが回避される。したがって、このようなオリゴヌクレオチドをライブラリーの構築のためのアダプターとして使用することができ、それによってライブラリーの構築の間に、異なるアダプターを核酸断片に対して2つの末端それぞれに連結することができる。これは、アダプターが互いに繋がることを避けるだけではなく、連結効率もまた改善し、その上、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下げる。本開示の実施形態にしたがう単離されたオリゴヌクレオチドの特徴および利点に関する記述はまた、ここではそれ以上詳細には記載されないシステムにも適用することができる。加えて、第1のアダプターの第2のストランドおよび第2のアダプターの第2のストランドは、ライブラリーの構築の間に、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAによってそれぞれ置き換えられ、それにより、第1のアダプターの第1のストランドおよび第2のアダプターの第1のストランドを用いてより安定な構造が形成される。さらに、第2の連結された生成物が、プライマーとして使用される第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAが用いられるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅され、それによって、両方の末端に安定なアダプターを持つDNA断片が形成される。続いて、一本鎖DNA断片が単離され、環化され、それにより、ライブラリー(例えば、CGシーケンシングプラットフォーム用のライブラリー)を効率よく得ることができ、これによって、配列決定の効率をさらに改善し、配列決定のコストを下げることができる。
【0075】
第9の態様では、本開示は複数の実施形態において、ゲノムDNAを配列決定するためのライブラリーを構築するデバイスを提供する。いくつかの実施形態では、デバイスは以下を含有する:ゲノムDNA試料を断片化して断片化生成物が得られるように構成された第1のユニット、断片化生成物を脱リン酸化して脱リン酸化された断片化生成物が得られるように構成された第2のユニット、脱リン酸化された断片化生成物を末端修復して二本鎖DNA断片が得られるように構成された第3のユニット、第1のアダプターおよび第2のアダプターを二本鎖DNA断片に対して2つの末端それぞれに連結して第1の連結された生成物が得られるように構成された第4のユニット(ここでは、第1のアダプターは第2のアダプターとは異なり、第1のアダプターおよび第2のアダプターは各々が上記の単離されたオリゴヌクレオチドである)、第1のアダプターの第2のストランドを第1の一本鎖DNAによって置き換え、そして第2のアダプターの第2のストランドを第2の一本鎖DNAによって置き換えるように構成された第5のユニット(ここでは、第1の一本鎖DNAは第1のアダプターの第1のストランドと特異的に対合して第1の二本鎖構造を形成することができ、第2の一本鎖DNAは第2のアダプターの第1のストランドと特異的に対合して第2の二本鎖構造を形成することができる)、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAを二本鎖DNA断片に対して2つの末端それぞれに繋いで第2の連結された生成物が得られるように構成された第6のユニット、第2の連結された生成物を第1のプライマーおよび第2のプライマーを用いて増幅して増幅された生成物が得られるように構成された第7のユニット(ここでは、増幅された生成物は、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片であり、第1のプライマーは、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAの一方と同じ配列を含み、第2のプライマーは、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAの他方と同じ配列を含み、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAの他方と比較して5’末端にさらなるビオチンを含む)、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片から一本鎖DNA断片を単離するように構成された第8のユニット、ならびに、一本鎖DNA断片を環化して一本鎖DNAループが得られるように構成された第9のユニット(ここでは、一本鎖DNAループはゲノムDNAを配列決定するためのライブラリーを構成する)。
【0076】
上記のように、本開示の実施形態にしたがうオリゴヌクレオチドは、ジデオキシヌクレオチドが原因で第1および第2のストランドの3’末端で、またはリン酸基を持たない第2のストランドの5’末端で、他の核酸断片と繋がれることは不可能であり、これにより、オリゴヌクレオチドが互いに繋がることが回避される。したがって、このようなオリゴヌクレオチドは、ライブラリーの構築のためのアダプターとして使用され得、それによってライブラリーの構築の間に、異なるアダプターを核酸断片に対して2つの末端それぞれに連結することができる。これは、アダプターが互いに繋がることを避けるだけではなく、連結効率もまた改善し、その上、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストも下げる。本開示の実施形態にしたがう単離されたオリゴヌクレオチドの特徴および利点に関する記述はまた、ここではそれ以上詳細には記載されないデバイスにも適用することができる。加えて、第1のアダプターの第2のストランドおよび第2のアダプターの第2のストランドは、ライブラリーの構築の間に、第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAによってそれぞれ置き換えられ、それにより、第1のアダプターの第1のストランドおよび第2のアダプターの第1のストランドを用いてより安定な構造が形成される。さらに、第2の連結された生成物が、プライマーとして使用される第1の一本鎖DNAおよび第2の一本鎖DNAが用いられるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅され、それによって、両方の末端に安定なアダプターを持つDNA断片が形成される。続いて、一本鎖DNA断片が単離され、環化され、それにより、ライブラリー(例えば、CGシーケンシングプラットフォーム用のライブラリー)を効率よく得ることができる。
【0077】
本開示の1つの実施形態においては、第1のアダプターおよび第2のアダプターが、1つの工程で、二本鎖DNA断片に対して2つの末端それぞれに連結される。
【0078】
本開示の1つの実施形態においては、デバイスは、生物学的試料からゲノムDNAを抽出するように構成された第10のユニット、および/またはRNAを逆転写させて逆転写生成物が得られるように構成された第11のユニットをさらに含み、ここでは、ゲノムDNAおよび/または逆転写生成物の少なくとも一部がDNA試料を形成する。
【0079】
本開示の1つの実施形態においては、第8のユニットは、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片を磁性ビーズと接触させて、磁性ビーズ−DNA複合体を形成するように(ここでは、磁性ビーズがストレプトアビジンでコーティングされている)、ならびに、磁性ビーズ−DNA複合体をpH値が7より高い溶液に暴露して一本鎖DNA断片が得られるようにさらに構成され、これにより、一本鎖DNA断片が効率よく単離され、その結果、ライブラリーの構築の効率が改善し、ライブラリーの構築のコストが下がる。
【0080】
本開示の1つの実施形態においては、デバイスは、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片をスクリーニングするように構成された第12のユニットをさらに含む。その後、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片から一本鎖DNA断片が単離される。本開示の1つの実施形態においては、2つの末端それぞれに第1および第2のアダプターが連結されたDNA断片が、プローブとの接触によってスクリーニングされる。ここでは、プローブは予め決定された配列に特異的である。本開示の1つの実施形態においては、予め決定された配列は、少なくとも1つのエキソンを含む。本開示の1つの実施形態においては、プローブがマイクロチップアレイの形態で提供される。
【0081】
本開示の1つの実施形態においては、第9のユニットは、一本鎖DNA断片を、1つの一本鎖核酸分子(ここでは、一本鎖核酸分子は第1の領域および第2の領域を含み、第1の領域は一本鎖DNA断片の5’末端および3’末端に位置する末端ヌクレオチドと対合することができ、第2の領域は一本鎖DNA断片の5’末端または3’末端に位置する末端ヌクレオチドと対合することができる)を用いて環化させるようにさらに構成され、それにより、一本鎖DNA断片が一本鎖核酸分子を用いて効率よく環化させられる。
【0082】
結論として、本開示の実施形態による技術的解決は、以下の利点のうちの少なくとも1つを有する。
【0083】
第1に、本開示の実施形態による技術的解決によって、Complete Genomicsシーケンシングプラットフォーム用のライブラリーを構築するための既存の方法において一般的に重複して行われるアダプターの連結工程が減少する。
【0084】
本開示の様々な実施形態においては、従来法で一般的に使用されるそれぞれの複数の工程の代わりに、1つの工程で様々なアダプターをDNA断片に対して2つの末端それぞれに付加する新しい方法が提供される。
【0085】
本開示の様々な実施形態においては、2種類の異なるアダプターをDNA断片に対して2つの末端それぞれに同時に連結させることを考慮したとしても、アダプター自身が繋がること、断片が互いに繋がることなどを回避することがまた必要である。しかし、本開示で使用されるアダプターは、特有の配列で設計され、断片が互いに繋がることおよびアダプター自身が繋がることを防ぎ、連結の効率を改善し、タグ配列が導入される位置を提供する新規の方法により連結され、それによりアダプターの連結の工程が大幅に減り、アダプターの連結のための時間が短くなり、そしてコストが有意に下がる。
【0086】
本開示の様々な実施形態においては、この最初のアダプターの連結方法が、プローブで核酸を捕捉する技術と組み合わせられる。Complete Genomicsシーケンシングプラットフォーム用のライブラリーを構築する従来のプロトコールをさらに改変および調整する際には、様々なアダプターが、2つの工程ではなく1つの工程において、DNA断片に対して2つの末端それぞれに連続して連結され、それにより、ライブラリーの構築のための時間が有意に短くなり、対応するコストも下がる。さらに、CGシーケンシングプラットフォームに基づく1つのアダプターをともなうエキソーム全体を配列決定する製品は、作製が成功している。
【0087】
したがって、本開示のいくつかの実施形態では、
図1を参照すると、ライブラリーが以下の工程のように構築される:
1.ゲノム核酸を断片化して断片を得る工程;
2.標的断片を脱リン酸化して標的断片の5’末端をブロックし、その結果、断片が互いに連結することを防ぐ工程;
3.標的断片のそれぞれの末端を末端修復して、対合した平滑末端(
図1に示されるように2で表される)を生じさせる工程;
4.アダプターA(
図1に示されるように3で表される)およびアダプターB(
図1に示されるように4で表される)を標的断片に対して2つの末端それぞれに連結させる工程(ここでは、アダプターAおよびアダプターBはそれぞれ、長いストランド(第1のストランド)および短いストランド(第2のストランド)からなるポリヌクレオチドである。5’末端にリン酸基を有しているので、長いストランドを末端修復した断片に連結することができる。一方、短いストランドは相補的な塩基の対合により長いストランドと対合するが、しかし、短いストランドの両方の末端がブロッキング配列であることの理由から、短いストランドは末端修復された断片には連結されないであろう);
5.一本鎖核酸C(
図1に示されるように5で表される)および一本鎖核酸D(
図1に示されるように7で表される)を付加する工程(ここでは、一本鎖核酸Cはタグ配列(
図1に示されるように6で表される)を有しており、一本鎖核酸Cの残りの部分はアダプターAの長いストランドと対合させられる。一方、一本鎖核酸DはアダプターBの長いストランドと対合させられる。アニーリングプロセスの後、弱い様式で結合しているそれぞれのアダプターの短いストランドが除去される。そして、一本鎖核酸CおよびDがアダプターのそれぞれの長いストランドと相補的に対合させられ、その結果、一本鎖核酸CおよびDは、伸長および連結の後に標的断片に連結される);
6.(鋳型としての)工程4で得た生じた生成物を、プライマーとして一本鎖核酸CおよびDを用いてポリメラーゼ連鎖反応により増幅し、それによりタグ配列を持つ生成物を富化させる工程;
7.工程5で得た生じた生成物を、オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズさせ(具体的には、プローブとハイブリダイズさせることを含む)、ハイブリダイズした生成物を溶離させ、そして、ハイブリダイズした生成物を富化させ、その間に核酸ストランドの一方の中にビオチン修飾を導入することにより、捕捉する工程;
8.その長さに基づくハイブリダイゼーションによる捕捉後に二本鎖核酸をスクリーニングする工程(随意);
9.核酸の二本鎖のうちの一方にのみ存在するビオチンによって、スクリーニングした二本鎖核酸を2つの一本鎖核酸断片に分離する工程;
10.一本鎖核酸断片を環化し、環化されていない一本鎖核酸断片を取り除く工程。
【0088】
核酸の長さに基づくスクリーニング工程が、配列決定についての具体的な要件および様々な工程により生じた断片の実際のサイズに応じて、スクリーニングされた二本鎖核酸を2つの一本鎖核酸断片に分離する工程9の前の他の工程の後で行われ得ることに留意されなければならない。様々な工程により生じた断片が常に長さの要件を満たす場合は、工程8は省略することができる。
【0089】
エキソーム全体の配列決定は、工程7を導入することにより達成することができる。
【0090】
本開示の1つの実施形態においては、工程2および3での脱リン酸化による末端のブロッキング処理の後、標的核酸断片は2つのブロックされた末端(各々が平滑末端の対である)を有している断片となり、これにより、断片が互いに完全に連結することが妨げられ、連結の前の断片の高度なユニット化が確実となる。
【0091】
本開示の1つの実施形態においては、本明細書中で使用されるアダプターは、5’末端にある長いストランドの中にリン酸基が導入され、さらに、3’末端にある長いストランドと短いストランドの両方の末端の中にブロッキング配列が導入されるように設計される。ブロッキング配列が原因で、これらのブロックされた末端は、標的核酸断片または付加された他のアダプターに対して同時に連結されることは不可能であり、その結果、アダプターが標的断片の3’末端に対して正確に、そして工程4においてアダプターを連結させる場合には5’末端だけに連結させられることが担保され、これによって、アダプターが互いに連結することを効率よく妨げて、異なるアダプターを同時に連結することを可能にし、連結の効率を担保する。
【0092】
本開示のいくつかの実施形態では、上記のような長いストランドと短いストランドからなるアダプターが、短いストランドが比較的穏やかな温度で長いストランドから、それらの間で相補的に対合した塩基のうちの少数との不安定な組み合わせが原因で分離される方法でユニット化される。ゆっくりとしたアニーリングの後、長いストランドが、より長い配列が原因でより優れた相補的対合の能力を有している一本鎖核酸CまたはDと対合させられ、そして認識タグが、一本鎖核酸Cの中にタグ配列を導入することにより同時に提供される。中程度の反応条件だけを要件とする上記様式で設計されたアダプターを用いて、断片の置き換え、連結、および伸長を、反応システム、反応時間、および反応順序を適切であるように調整することによって(例えば、工程5に示されるように)1つの工程で行うことができ、単純な操作および迅速な反応が生じ、これは処理時間を大幅に短くする。
【0093】
本開示の様々な実施形態においては、2つの異なるアダプターが、従来の5つの工程の代わりに3つの工程(すなわち、アダプターの連結、ニックトランスレーション、およびポリメラーゼ連鎖反応)でDNA断片に対して2つの末端それぞれに連結され、これにより操作が大幅に減少し、余分な2つの工程に使用される様々な試薬が減少し、それによって多量の時間およびコストを節約する。
【0094】
本開示の様々な実施形態にしたがうと、アダプターを連結させるための特異的な工程が完全に変更されるだけではなく、CGシーケンシングプラットフォーム用のライブラリーの構築のための従来のプロトコールもまた、一本鎖核酸(
図1に示されるように8で表される)からなる新規のライブラリーを提供するように壊滅的なまでに変更されており、その結果、従来のプロトコールにおける2回のアダプターの連結から単純化された、1つの工程で2つの異なるアダプターがDNA断片に対して2つの末端それぞれに連結され、これによってポリメラーゼ連鎖反応の回数が減少し、配列決定の質が改善する。さらに重要であるのは、工程の単純化により、ライブラリーの構築のための時間を3〜4日短くすることができ、コストのかなりの削減が得られる。これは、ライブラリーの構築のための従来のプロトコールと比較してとてつもなく大きな利点を有する。
【0095】
本開示の様々な実施形態にしたがうと、CGシーケンシングプラットフォーム用のヒトのエキソーム全体についてのライブラリーの構築のための高効率のプロトコールは、CGシーケンシングプラットフォーム用のライブラリーの構築のための従来のプロトコールを改変し、補い、そして上記アダプターの連結の新規方法を組み合わせることによって、開発および提供に成功している。加えて、CGシーケンシングプラットフォーム上でヒトのエキソーム全体を配列決定するための新規の製品もはじめて提供され、これにより、ゼロからのCGシーケンシングプラットフォーム上でエキソーム全体を配列決定することの新発見が達成された。
【0096】
本開示の実施例が詳細に参照される。以下の実施例は例示であり、本開示の範囲を限定するようには解釈され得ないことは当業者に明らかである。特定の技術または条件が実施例の中で具体的に述べられていない場合は、工程は、当該分野の文献に記載されている技術または条件にしたがって(例えば、J.Sambrook,et al.(Huang PTによって翻訳された),Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第3版,Science Pressを参照のこと)または製品の説明書にしたがって行われる。試薬または機器の製造業者が特定されていない場合は、試薬または機器は市販されているものでよい。
【0097】
一般的方法
図1を参照すると、本開示の1つの実施形態においては、ライブラリーは以下の工程にしたがって構築される:
1.ゲノム核酸を断片化して断片を得る工程;
2.標的断片を脱リン酸化して標的断片の5’末端をブロックし、その結果、断片が互いに連結することを防ぐ工程;
3.標的断片のそれぞれの末端を末端修復して、対合した平滑末端(
図1に示されるように2で表される)を生じさせる工程;
4.アダプターA(
図1に示されるように3で表される)およびアダプターB(
図1に示されるように4で表される)を標的断片に対して2つの末端それぞれに連結させる工程(ここでは、アダプターAおよびアダプターBはそれぞれ、長いストランド(第1のストランド)および短いストランド(第2のストランド)からなるポリヌクレオチドである。5’末端にリン酸基を有しているので、長いストランドを末端修復した断片に連結することができる。一方、短いストランドは、相補的な塩基の対合により長い鎖と対合するが、しかし、短いストランドは、ブロックされた末端が原因で末端修復された断片に対して連結されない);
5.一本鎖核酸C(
図1に示されるように5で表される)および一本鎖核酸D(
図1に示されるように7で表される)を付加する工程(ここでは、一本鎖核酸Cはタグ配列(
図1に示されるように6で表される)を有しており、一本鎖核酸Cの残りの部分はアダプターAの長いストランドと対合させられる。一方、一本鎖核酸DはアダプターBの長いストランドと対合させられる。アニーリングプロセス後、弱い様式で結合しているそれぞれのアダプターの短いストランドが除去される。そして、一本鎖核酸CおよびDがアダプターのそれぞれの長いストランドと相補的に対合させられ、その結果、一本鎖核酸CおよびDは、伸長および連結の後に標的断片に連結される);
6.(鋳型としての)工程4で得た生じた生成物を、プライマーとして一本鎖核酸CおよびDを用いてポリメラーゼ連鎖反応により増幅し、それによりタグ配列を持つ生成物を富化させる工程;
7.工程5で得た生じた生成物をオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズさせ(具体的には、プローブとハイブリダイズさせることを含む)、ハイブリダイズした生成物を溶離させ、そして、ハイブリダイズした生成物を富化させ、その間に核酸ストランドの一方の中にビオチン修飾を導入することにより、捕捉する工程;
8.その長さに基づくハイブリダイゼーションによる捕捉後に二本鎖核酸をスクリーニングする工程(随意);
9.核酸の二本鎖のうちの一方にのみ存在するビオチンによって、スクリーニングした二本鎖核酸を2つの一本鎖核酸断片に分離する工程;
10.一本鎖核酸断片を環化し、環化されていない一本鎖核酸断片を取り除く工程。
【0098】
核酸の長さに基づくスクリーニング工程が、配列決定についての具体的な要件および様々な工程により生じた断片の実際のサイズに応じて、スクリーニングされた二本鎖核酸を2つの一本鎖核酸断片に分離する工程9の前の他の工程の後で行われ得ることに留意されなければならない。様々な工程により生じた断片が常に長さの要件を満たす場合は、工程8を省略することができる。
【0099】
エキソーム全体の配列決定は、工程7を導入することにより達成することができる。
【0100】
実施例1
1.ゲノムDNAの断片化
ゲノムDNAは、物理的な超音波処理および酵素消化(これらはいずれも、市販されている十分に確立されている手順である)のようないくつかの方法で断片化することができる。本実施例では、物理的な超音波処理を断片化に使用した。
【0101】
96ウェルPCRプレートに、1つのポリテトラフルオロエチレンワイヤー、1μgのゲノムDNA、およびTris−EDTA(TE)緩衝液またはヌクレアーゼを含まない水を、それぞれのウェルについて80μlまで添加した。保存用フィルムで封をした後、96ウェルPCRプレートを、以下のような条件下での断片化のためにE220超音波処理機上に置いた。
【表1】
【0102】
2.断片化したDNAの選択
断片化したゲノムDNAは、磁性ビーズによる精製またはゲル回収によって選択することができる。本実施例では、磁性ビーズによる精製を選択に使用した。
【0103】
断片化したゲノムDNAを80μlのAmpure XP磁性ビーズと均質になるように混合し、続いて7分から15分間、fを静置した。しばらく磁気分離装置上に置いた後に回収した最初の上清を40μlの新しいAmpure XP磁性ビーズと均質になるように混合し、続いて7分から15分間、fを静置した。また別に磁気分離装置上にしばらく置いた後に回収した第2の上清を、75%のエタノールで2回洗浄した。乾燥させた後、得られたものを50μlのTE緩衝液またはヌクレアーゼを含まない水と均質になるように混合し、続いて、回収した生成物を溶解させるために、7分から15分間、fを静置した。
【0104】
3.脱リン酸化
第1の反応溶液を以下のように処方した。
【表2】
【0105】
上記工程2で得た回収した生成物を、以下の条件下での反応のために、12μlの第1の反応溶液と均質になるように混合した。得られた生じた生成物を続く工程に直接使用した。0.1℃/秒の速度での4℃への冷却の工程は義務ではなく、反応時間を正確に制御するためには必要ない。本明細書中以後は含む。
【表3】
【0106】
4.末端修復
第2の反応溶液を、均質になるように以下のように処方した。
【表4】
【0107】
上記工程3で得た脱リン酸化した生成物を第2の反応溶液と均質になるように混合し、続いて12℃で20分間インキュベーションし、80μlのPEG32磁性ビーズを用いて精製し、そして40μlのTE緩衝液中に溶解させることにより回収した。生じた生成物はいくつかの方法で、すなわち、磁性ビーズを使用して、カラムを通過させて、ゲルに泳動させて、およびそれらから標的生成物を単離することにより(これらは交換可能に使用される)精製することができる。本実施例では、生じた生成物を、特に明記しない限りは、磁性ビーズを用いて精製した。
【0108】
5.アダプターAおよびアダプターBの連結
本実施例では、使用したアダプターは、以下のようなそれぞれの配列を有する。配列が左から右に5’末端から3’末端へと記載され、「//」は、その中の基が末端ヌクレオチドについての修飾基であること、またはその中の末端ヌクレオチドが修飾されていることを意味し、「phos」はリン酸化を示し、「dd」はジデオキシを示し、そして「bio」はビオチンを示すことに留意されなければならない。
アダプターA:
長いストランド:/Phos/GGCTCCGTCGAAGCCCGACG/ddC/
短いストランド:GCTTCGACGGAGC/ddC/
アダプターB:
長いストランド:/phos/ACGTCGGGGCCAAGCGGTCGT/ddC/
短いストランド:TTGGCCCCGGCT/−ddT/。
【0109】
第3の反応溶液を均質になるように以下のように処方した。
【表5】
【0110】
第4の反応溶液を均質になるように以下のように処方した。
【表6】
【0111】
上記工程4で得た末端修復した生成物を第3の反応溶液と混合し、次に、第4の反応溶液と均質になるように混合し、続いて20℃で20分間インキュベーションし、100μlのAmpure XP磁性ビーズを用いて精製し、そして40μlのTE緩衝液中に溶解させることにより回収した。
【0112】
アダプターAおよびアダプターBを、この工程の後に標的断片に連結した。
図2は、アダプターの連結の前後の電気泳動図を示す。
図2から見ることができるように、DNA断片は、工程5でのアダプターの連結の後には明らかに長いサイズの断片であり、本実施例にしたがう現行法が非常にうまくいっていることを示している。特に、スクリーニングおよび富化の効果は、工程5でのポリメラーゼ連鎖反応後のより強いバンドによってさらに明らかである。
【0113】
6.一本鎖核酸Cおよび一本鎖核酸Dとの結合
一本鎖核酸C:
/phos/AGACAAGCTCxxxxxxxxxxGATCGGGCTTCGACGGAG(中間部に位置している「x」は交換可能なヌクレオチドからなるタグ配列を意味する)
一本鎖核酸D:/bio/TCCTAAGACCGCTTGGCCCCGA。
【0114】
第5の反応溶液を、均質になるように以下のように処方した。
【表7】
【0115】
第6の反応溶液を、均質になるように以下のように処方した。
【表8】
【0116】
アダプターAおよびアダプターBを2つの末端それぞれに連結させた回収した生成物を1μlの一本鎖核酸C(10μM)と均質になるように混合し、次にこれを65℃で5分間インキュベートし、0.1℃/秒の速度で37℃に冷却し、この温度で、さらに8μlの第5の反応溶液を、さらなる20分間のインキュベーションのために添加した。
【0117】
このようにして得た生じた生成物を96μlのAmpure XP磁性ビーズを用いて精製し、25μlのTE緩衝液中に溶解させることにより回収した。
【0118】
7.ポリメラーゼ連鎖反応
第7の反応溶液を、均質になるように以下のように処方した。
【表9】
【0119】
25μlまでのヌクレアーゼを含まない水またはTE緩衝液中に溶解させた後、一本鎖核酸Cおよび一本鎖核酸Dを伴う30ngから40ngの生じた生成物を第7の反応溶液と均質になるように混合し、続いて、以下の条件下で反応させた。
【表10】
【0120】
反応後、増幅させた生成物を120μlのAmpure XP磁性ビーズを用いて精製し、続いて、25μlのヌクレアーゼを含まない水の中に溶解させることにより回収した。
【0121】
8.ハイブリダイゼーションによる捕捉
第8の反応溶液を、以下のように処方した。
【表11】
【0122】
濃縮および蒸発の後、増幅後に得られた500ngから1μgの回収した生成物を第8の反応溶液と均質になるように混合し、続いて、95℃で5分間インキュベートし、次に65℃で保持した(第1の反応システム)。
【0123】
第9の反応溶液を以下のように処方した。
【表12】
【0124】
次に、第9の反応溶液を65℃での継続的なインキュベーションのために第1の反応システムに添加した(第2の反応システム)。
【0125】
第10の反応溶液を以下のように処方した。
【表13】
【0126】
第10の反応溶液を第2の反応システムに添加し、続いて65℃で20時間から24時間インキュベーションした(第3の反応システム)。
【0127】
反応後、第3の反応システム中の生じた生成物を、ストレプトアビジンでコーティングされた磁性ビーズと接触させ、その後、磁性ビーズを50μlのヌクレアーゼを含まない水の中に溶解させた。
【0128】
第11の反応溶液を以下のように処方した。
【表14】
【0129】
次に、ヌクレアーゼを含まない水の中に溶解させた磁性ビーズを第11の反応溶液と混合し、続いて、以下の条件下で反応させた。
【表15】
【0130】
反応後、生じた生成物を240μlのAmpure XP磁性ビーズを用いて精製した。
【0131】
9.スクリーニングした二本鎖核酸の2つの一本鎖核酸断片への分離
先の工程8で得た生じた磁性ビーズ−DNA複合体を0.1Mの水酸化ナトリウムに対して暴露して、ビオチンを含まない、したがってストレプトアビジンでコーティングされた磁性ビーズと結合しない一本鎖核酸断片を単離し、続いて、中和のために酸性緩衝液を添加した。中和後、全量は112μlであった。
【0132】
10.一本鎖核酸断片の環化
第12の反応溶液を以下のように処方した。ここでは、一本鎖核酸Eは、繋ぐための先の工程9で得た一本鎖核酸断片の2つの末端に相補的な配列を有する。
【0133】
一本鎖核酸EはTCGAGCTTGTCTTCCTAAGACCGC(配列番号8)の配列を有している。
【表16】
【0134】
第12の反応溶液に、先の工程9で得た一本鎖核酸断片を添加し、均質になるように混合した(第4の反応システム)。
【0135】
第13の反応溶液を以下のように処方した。
【表17】
【0136】
第13のシステムを第4の反応システムに添加し、均質になるように混合し、続いて、37℃で1.5時間インキュベーションした。
【0137】
11.エキソヌクレアーゼ1およびエキソヌクレアーゼ2を用いた処理
第14の反応溶液を以下のように処方した。
【表18】
【0138】
23.7μlの第14の反応溶液を先の工程9において生じた環化生成物と均質になるように混合し、続いて、インキュベーションのために37℃で1.5時間静置し、次に、これに15.4μlの500mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を添加した。このようにして得た生じた生成物を500μlのPEG32磁性ビーズを用いて精製し、40μlから80μlのヌクレアーゼを含まない水/TE緩衝液中に再度溶解させ、それにより最終生成物を得た。
【0139】
本実施例で説明したように得た最終生成物は以下の濃度および全量を有している。
【表19】
【0140】
電気泳動の結果を
図3に示す。これは、6%のポリアクリルアミド改変ゲル電気泳動による工程11による最終生成物の電気泳動図である。
図3に示すように、最終生成物1、3、および5をハイブリダイゼーション後にゲル電気泳動によって長さによるスクリーニングを行い、一方、最終生成物2、4、および6については長さによるスクリーニングを行わなかった。
図3から見ることができるように、長さによるスクリーニングを行った後の最終生成物はより集中的なサイズを有するであろう。最終生成物の全てについて、長さによるスクリーニングを行ったか行っていないかとは無関係に、配列決定に成功し、このことは本開示のこの解決方法が完全に成功していることを示している。
【0141】
産業上の利用可能性
本開示の実施形態にしたがうと、単離されたオリゴヌクレオチドをライブラリーの構築のためのアダプターとして効率よく使用することができる。その上、本明細書中で提供される方法は異なるアダプターを核酸断片に対して2つの末端それぞれに同時に連結させることができ、これはアダプターが互いに互いに繋がることを回避し、これによって連結効率を改善し、ライブラリーの構築のための経済的および時間的コストを下げる。
【0142】
本明細書全体を通じて、「実施形態」、「いくつかの実施形態」、「1つの実施形態」、「別の実施例」、「実施例」、「特別な実施例」、または「いくつかの実施例」という言及は、実施形態または実施例と組み合わせて記載される特定の特徴、構造、材料、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態または実施例に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通じて様々な場所にある「いくつかの実施形態においては」、「1つの実施形態においては」、「実施形態では」、「別の実施例においては」、「1つの実施例では」、「特別な実施例では」または「いくつかの実施例では」のような表現が現れることは、本開示の同じ実施形態または実施例について必ずしも記載しているのではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性を、1つ以上の実施形態または実施例において任意の適切な様式で組み合わせることができる。
【0143】
例示的な実施形態が示され、記載されてきたが、上記実施形態が本開示を限定するように解釈されることはなく、変更、代替え、および改変を、本開示の精神、原理、および範囲から逸脱することなく実施形態において行うことができることが当業者に理解されるであろう。