(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
ロボット工学は、製造、産業用途、医療用途、および同等物等の多くの産業において使用される。ソフトロボット工学は、軟質の共形適応性グリッパおよびアクチュエータを提供し、ロボットがヒトと類似様式において物体と相互作用することを可能にする、発展中のロボット工学の分野である。特に、そのようなロボットは、ヒトの手と同一様式で物体を操作可能である。例えば、ある部品が、棚、可動ベルト上にある、または棚からベルトに移動されている場合、エンドエフェクタが、「横方向からの取り上げ」または「上から下への取り上げ」等、種々の方向から物体を取り上げるように適合され得る。本同一グリッパはまた、ヒトの手が可能であるように、各タスクにおける様々な物体に適合し得る。
【0004】
「ハード」および「ソフト」ロボット工学を組み合わせるための磁気アセンブリは、A Hybrid Combining Hard and Soft Robotics, Stokes Adam A., Shepherd Robert F., Morin Stephen A., Ilievski Filip, and Whitesides George M., Soft Robotics. March 2014, 1(1):70−74.doi:10.1089/soro.2013.0002に開示されており、本記事は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。しかしながら、ハードおよびソフトロボットの提案されている組み合わせは、ヒトと同様に動作するために必要な多用途性を提供しない。
【0005】
特に、現在のエンドエフェクタは、様々な部品の場所(例えば、棚上、コンベヤベルト上、または同等物)に適合することが困難である。加えて、現在のエンドエフェクタは、様々な部品のサイズおよび幾何学形状に適合することが困難である。なおもさらに、現在のエンドエフェクタは、動作するために複雑な制御システムを必要とする。
【0006】
さらに、従来のソフトロボットアクチュエータは、シリコーンエラストマー等の単一エラストマー材料から構築される。いくつかのアクチュエータは、ある所望の挙動に対応するために、異なる剛度または壁厚のエラストマーを組み込む。様々な厚さまたは剛度の本層は、時として、歪み制限層と称される。いくつかのアクチュエータは、アクチュエータ自体のエラストマー本体内に組み込まれる、または共押出された繊維性材料を使用する。そのような共押出された繊維は、破裂に対する抵抗を改善し、アクチュエータを強化することが意図される。いくつかのアクチュエータは、細隙を伴う袋状布を使用して、アクチュエータの動作圧力範囲を増加させる。
【0007】
しかしながら、これらのアクチュエータは全て、いくつかの制限を有する。特に、類似するが、より堅性のエラストマーを使用して、薄化または厚化壁区分を用いて、アクチュエータを補強または抑制する、アクチュエータは、所望の挙動を達成するために必要とされる過剰材料の量のため、すぐに重く、かつ嵩張るようになる。これは、より堅性であるが、両材料が、依然として、類似化学性質のエラストマーであって、非常に制限された剛度差のみを達成し得るためである。その剛度が硬度と非常に相関する、シリコーンの場合、軟質アクチュエータのための有用材料は、典型的には、アクチュエータの選択領域間に最大で800%の剛度差をもたらす、10〜80A硬度の範囲内にある。これはまた、より高い剛度差が達成されると、多くの場合、より弱くおよび軟質のエラストマー領域内の強度を犠牲にすることを意味する。
【0008】
同様に、厚化壁または若干より堅性のエラストマーの亜種を介した補強を通してより高い機能を達成する、アクチュエータもまた、他の同等に重要な機械的特性の選択セットに制限される。その結果、これらのアクチュエータは、不良な機械的緩衝特性を有し、アクチュエータをだらりと垂れたように見えさせる、または不良に制御させる。加えて、そのようなアクチュエータは、破裂、急激な損傷、熱衝撃、または一般的摩損および疲労に耐えるためにより好適な材料と比較して、断裂または摩耗に対して制限された抵抗を有し得る。さらに、これらの構築材料の荷重応答は、ほぼ普遍的に等方性である。
【0009】
繊維性補強材を伴うアクチュエータが、繊維をアクチュエータに成形することによって、または繊維性「パルプ」を充填材として共押出することによって導入されている。そのような技法は、破裂抵抗および全体的強度増加に若干の改良を提供するが、本タイプのアクチュエータは、アクチュエータ全体を廃棄せずに、そのような補強材に対するモジュール性または修理を可能にすることはない。加えて、繊維性補強アクチュエータは、脆弱なゴム表面を環境に曝し、エラストマーからの繊維剥離、制限された疲労寿命、および不良な環境抵抗の問題が、一般的である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本開示の種々の実施例による、ハブアセンブリおよびソフトロボットアクチュエータの例示的実施形態を図示する、斜視図である。
【
図3-1】
図3A−3Eは、
図1のハブアセンブリおよびソフトロボットアクチュエータの組み立てられた図である。
【
図3-2】
図3A−3Eは、
図1のハブアセンブリおよびソフトロボットアクチュエータの組み立てられた図である。
【
図4】
図4A−4Dは、
図1のハブアセンブリのための例示的ツイストロックインターフェースを図示する、斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4A−4Dのツイストロックインターフェースの使用方法の例証である。
【
図6】
図6は、
図4A−4Dのツイストロックインターフェースの横断面図である。
【
図7-1】
図7A−7Gは、
図1のハブアセンブリのための例示的磁気インターフェースを図示する、斜視図である。
【
図7-2】
図7A−7Gは、
図1のハブアセンブリのための例示的磁気インターフェースを図示する、斜視図である。
【
図7-3】
図7A−7Gは、
図1のハブアセンブリのための例示的磁気インターフェースを図示する、斜視図である。
【
図8】
図8は、
図1のハブアセンブリのための例示的静電吸着インターフェースを図示する、斜視図である。
【
図9】
図9A−9Dは、
図1のハブアセンブリと、軟質アクチュエータを使用する、例示的グリッパを図示する、斜視図である。
【
図10】
図10A−10Cは、
図1のハブアセンブリと、電気機械的部分を有する軟質アクチュエータを使用する、例示的グリッパを図示する、斜視図である。
【
図11-1】
図11A−11Eは、
図1のハブアセンブリと、迎え角を変化させるように構成される側面アクチュエータを有する軟質アクチュエータとを使用する、グリッパを図示する、斜視図である。
【
図11-2】
図11A−11Eは、
図1のハブアセンブリと、迎え角を変化させるように構成される側面アクチュエータを有する軟質アクチュエータとを使用する、グリッパを図示する、斜視図である。
【
図11-3】
図11A−11Eは、
図1のハブアセンブリと、迎え角を変化させるように構成される側面アクチュエータを有する軟質アクチュエータとを使用する、グリッパを図示する、斜視図である。
【
図12-1】
図12A−12Dは、
図1のハブアセンブリと、物体を実質的に封入するように構成される異なる長さの軟質アクチュエータとを使用する、グリッパを図示する、斜視図である。
【
図12-2】
図12A−12Dは、
図1のハブアセンブリと、物体を実質的に封入するように構成される異なる長さの軟質アクチュエータとを使用する、グリッパを図示する、斜視図である。
【
図14】
図14−21は、補強アクチュエータの斜視図である。
【
図15】
図14−21は、補強アクチュエータの斜視図である。
【
図16】
図14−21は、補強アクチュエータの斜視図である。
【
図17】
図14−21は、補強アクチュエータの斜視図である。
【
図18】
図14−21は、補強アクチュエータの斜視図である。
【
図19】
図14−21は、補強アクチュエータの斜視図である。
【
図20】
図14−21は、補強アクチュエータの斜視図である。
【
図21】
図14−21は、補強アクチュエータの斜視図である。
【
図22】
図22−26は、軟質アクチュエータと併用するための補強ラップの斜視図である。
【
図23】
図22−26は、軟質アクチュエータと併用するための補強ラップの斜視図である。
【
図24】
図22−26は、軟質アクチュエータと併用するための補強ラップの斜視図である。
【
図25】
図22−26は、軟質アクチュエータと併用するための補強ラップの斜視図である。
【
図26】
図22−26は、軟質アクチュエータと併用するための補強ラップの斜視図である。
【
図27】
図27−28は、埋設される電磁石特性を有する、例示的軟質アクチュエータを描写する。
【
図28】
図27−28は、埋設される電磁石特性を有する、例示的軟質アクチュエータを描写する。
【
図29】
図29A−29Cは、軟質アクチュエータ内に埋設するために好適な例示的電気吸着構造を描写する。
【
図30-1】
図30A−30Fは、軟質アクチュエータを補強するための例示的補強構造を描写する。
【
図30-2】
図30A−30Fは、軟質アクチュエータを補強するための例示的補強構造を描写する。
【
図30-3】
図30A−30Fは、軟質アクチュエータを補強するための例示的補強構造を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明が、ここで、本発明の好ましい実施形態が示される、付随の図面を参照して、以下により完全に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が綿密かつ完全であって、本発明の範囲を当業者に完全に伝達するように提供される。図面中、同一番号は、全体を通して同一要素を指す。
【0018】
本開示によると、ソフトロボットアクチュエータをハードロボットアセンブリとインターフェースをとらせるためのハブおよび/またはグリッパアセンブリが、提供される。加えて、補強アクチュエータが、説明される。補強アクチュエータは、ハブおよび/またはグリッパアセンブリと併用されてもよい。しかしながら、便宜上、それらは、別個に論じられる。特に、
図1−13は、本開示の実施形態による、ハブまたはグリッパアセンブリの実施例を描写する一方、
図14−27Cは、本開示の実施形態による、アクチュエータの実施例を描写する。
【0019】
図1を参照すると、本開示による例示的ハブ100が、示される。ハブ100は、マスタ側アセンブリ10と、ツール側アセンブリ20とを含む。一般に、マスタ側アセンブリ10は、ロボットアーム、ロボットマニピュレータ、または一般に、ロボット(例えば、ハードロボット)アセンブリの任意のエンドエフェクタ等の機械的アセンブリに接続される、または接続可能であってもよい。ツール側アセンブリ20は、種々の軟質アクチュエータ30−aを動作可能に接続するように構成されてもよい(ここでは、aは、正の整数である)。特に、ツール側アセンブリ20は、アクチュエータ取付部分20−bを具備してもよい(ここでは、bは、正の数である)。ツール側アセンブリ20が任意の数の軟質アクチュエータ30−aを接続するように構成されてもよいことに留意することは、重要である。しかしながら、便宜上および明確にするために、いくつかの軟質アクチュエータ30−a(例えば、30−1、30−2、30−3、および30−4)およびいくつかのアクチュエータ取付部分20−a(例えば、20−1、20−2、20−3、および20−4)が、図に描写される。加えて、アクチュエータ取付部分20−bの数がツール側アセンブリ20に接続されるアクチュエータ30−aの数と異なってもよいことに留意することは、重要である。
【0020】
一般に、マスタ側アセンブリ10およびツール側アセンブリ20はそれぞれ、アセンブリ10および20を相互に取り外し可能に結合するように構成される、インターフェースを含む。特に、ツール側アセンブリ20は、インターフェース部分21を含む一方、マスタ側アセンブリは、インターフェース部分11を含む(視認角度によって隠されている)。インターフェース部分11および21は、アセンブリ10および20を結合し、膨張ライン(例えば、空気圧、油圧、または同等物)接続、電気接続、または他の接続のためのシールを提供するように構成されることができる。
【0021】
図2A−2Cは、種々の視点からのハブ100の分解図を描写する。特に、
図2Aは、側面から真っ直ぐ見たときのハブ100を図示し、マスタ側アセンブリ10と、ツール側アセンブリ20とを示す。さらに、アクチュエータ取付部分22−1は、ツール側アセンブリ20に示される。加えて、インターフェース部分11および21も、示される。
図2Bは、角度を付けて下から見上げた視点からのハブ100を図示し、マスタ側アセンブリ10と、ツール側アセンブリ20とを示す。さらに、アクチュエータ取付部分22−1および22−2が、ツール側アセンブリ20に示される。
図2Bは、角度を付けて下から見上げた視点からのハブ100を図示し、マスタ側アセンブリ10と、ツール側アセンブリ20とを示す。さらに、アクチュエータ取付部分22−1および22−2が、ツール側アセンブリ20に示される。加えて、インターフェース部分11および21も、示される。
図2Cは、角度を付けて上から見下ろした視点からのハブ100を図示し、マスタ側アセンブリ10と、ツール側アセンブリ20とを示す。さらに、アクチュエータ取付部分22−1および22−2が、ツール側アセンブリ20に示される。加えて、インターフェース部分11および21も、示される。
【0022】
インターフェース部分11および21の面積は、単に、
図1および
図2A−2Cに描写されていることを理解されたい。しかしながら、インターフェース部分は、種々の構成を有してもよく、インターフェース部分は、
図1および
図2A−2Cに描写されるものによって限定されるべきではないことを理解されたい。
【0023】
図3A−3Eは、種々の視点からのハブ100および取り付けられたアクチュエータ30の組み立てられた図を描写する。特に、
図3Aは、側面から真っ直ぐ見たときのハブ100を図示し、マスタ側アセンブリ10と、ツール側アセンブリ20とを示す。さらに、アクチュエータ30−2および30−3が、ツール側アセンブリ20に取り付けられて示される。アクチュエータ30−2および30−3は、「中立」位置(例えば、膨張されていない、収縮された、または同等物)に描写される。
図3Bは、側面から真っ直ぐ見たときのハブ100を図示し、マスタ側アセンブリ10と、ツール側アセンブリ20と、膨張された状態における取り付けられたアクチュエータ30−2および30−3とを示す。
図3Cは、角度を付けて側面から見たときのハブ100を図示する一方、
図3Dおよび3Eは、角度を付けて下から見上げた視点と、上から見下ろした視点(それぞれ)とからのハブ100を示す。特に、アセンブリ10および20は、ツール側アセンブリに取り付けられ、膨張されて描写される、アクチュエータ30−1、30−2、30−3、および30−4とともに結合されて示される。
【0024】
故に、ハブアセンブリ100は、ツール側アセンブリ20を変更することによって、種々のグリッパアセンブリ間で迅速に切り替えるために使用されることができる。例示的グリッパアセンブリが、ここで説明される。システムが、1つのマスタ側アセンブリ10と、それぞれ、異なるグリッパ構成を伴う、複数のツール側アセンブリ20とともに実装されてもよいことに留意することは、重要である。したがって、システムは、異なるグリッパまたは軟質アクチュエータを必要とする異なる動作を行うように迅速に再構成および使用されることができる。
【0025】
図4A−4Dは、ツイストロックインターフェースを含む、ハブアセンブリ100の実施例を描写する。特に、
図4Aは、ハブアセンブリ100の分解され、上から見下ろした斜視図を図示し、マスタ側アセンブリ10と、ツール側アセンブリ20とを示す。さらに、アクチュエータ取付部分(例えば、22−1)が、ツール側アセンブリ20に示される。さらに、インターフェース部分11および21の詳細も、示される。特に、インターフェース部分11は、ペグ15と、接続ポート16とを含む一方、インターフェース部分21は、スロット25と、接続ポート26とを含む。ペグおよびスロットは、取り外し可能に相互に固着されるように構成される。特に、スロット25は、様々な直径を有してもよく、各スロットの一端は、ペグ15の対応する1つの端部を受容するように釣り合わせられる。いったんペグ15がスロット25の中に嵌合されると、アセンブリ10またはアセンブリ20のいずれかは、ペグ15を定位置に係止するように捻転され、それによって、アセンブリ10をアセンブリ20に固着させてもよい。
【0026】
図4B−4Cは、ツール側アセンブリ20の上部斜視図および上から見下ろした図(それぞれ)を図示する。図から分かるように、ツール側アセンブリ20は、アクチュエータ取付部分(例えば、20−1)と、スロット25と、接続ポート26とを含む。
図4Dは、ツール側アセンブリ20の側面図を図示する。図から分かるように、ツール側アセンブリ20は、マスタ側アセンブリ10のインターフェース部分11内の対応する陥凹付き部分の中に嵌合するように構成される、上部段付きまたは陥凹付き部分22を含んでもよい。
【0027】
加えて、接続ポート16および26は、アセンブリ10および20がともに固着されると、シールする、またはシールを形成してもよい(例えば、
図6参照)。したがって、膨張ライン(例えば、空気圧、油圧、または同等物)ならびに電気信号ラインのためのシールされた経路または接続点が、接続点16および26を通して提供されることができる。
【0028】
図5は、ツール側アセンブリ20をマスタ側アセンブリ10に固着するための方法を図示する。特に、510では、マスタ側アセンブリ10のインターフェース部分11は、ツール側アセンブリ20のインターフェース部分21上に降下(または落下)される。特に、インターフェース部分11および21は、ペグ15がスロット25の中に嵌合するようにともに合体される。本図が、ツール側アセンブリ上に配置されるペグと、マスタ側アセンブリ上のスロットとを描写していることに留意することは、重要である。実施例は、本状況に限定されない。520では、マスタ側アセンブリ10は、ツール側アセンブリ20に対して捻転され、ペグ15をスロット25の中に係止する。故に、530では、ツール側アセンブリ20は、マスタ側アセンブリ10に固着して結合される。
【0029】
図6は、組み立てられたハブ100の横断面図を図示する。特に、描写されるように、ペグ15は、スロット25中に固着され、接続点16および26は、シールされた接続を形成する。
【0030】
図7A−7Gは、磁気インターフェースを含む、ハブアセンブリ100の実施例を描写する。特に、
図7Aは、ハブアセンブリ100の分解され、下から見上げた斜視図を図示し、マスタ側アセンブリ10と、ツール側アセンブリ20とを示す。さらに、アクチュエータ取付部分(例えば、22−1)が、ツール側アセンブリ20に示される。さらに、インターフェース部分11および21の詳細も、示される。特に、インターフェース部分11は、それぞれ、接続ポート16および26を含む。さらに、インターフェース部分11は、幾何学的(例えば、六角形、三角形、長方形、星形、または同等物)陥凹13を含む一方、インターフェース21は、対応する幾何学的段付き部分23を含む。段付き部分23は、陥凹付き部分13の中に嵌合するように構成される。さらに、インターフェース10および20は、それぞれ、磁気部分41および42を含む。幾何学的段付き部分23および陥凹付き部分13は、ツール側アセンブリ20をマスタ側アセンブリ10から係脱させる任意の剪断力を防止するように構成される。さらに、段付き部分23および陥凹付き部分13は、ツール側アセンブリ10の位置特定および挿入を促進する。
【0031】
図7B−7Cは、それぞれ、代替斜視図および側面図における、ハブアセンブリ100を図示する。加えて、
図7D−7Gは、種々の角度および/または視点からのツール側アセンブリを図示する。
【0032】
図8は、静電吸着インターフェースを含む、ハブアセンブリ100の実施例を描写する。特に、本図は、ハブアセンブリ100の分解され、下から見上げた斜視図を図示し、マスタ側アセンブリ10と、ツール側アセンブリ20とを示す。さらに、アクチュエータ取付部分(例えば、22−1)が、ツール側アセンブリ20に示される。さらに、インターフェース部分11の詳細も、示される。特に、インターフェース部分11は、静電吸着パッド51を含む。描写されるように、静電吸着パッドは、マスタ側アセンブリ10上に配置される。しかしながら、いくつかの実施例では、静電吸着パッド51は、ツール側アセンブリ20上に配置されることができる。さらに、いくつかの実施例では、静電吸着パッド(例えば、51)は、マスタ側アセンブリおよびツール側アセンブリインターフェース部分11および21の両方上に配置されてもよい。なおもさらなる実施形態では、1つまたはそれを上回る静電吸着パッドは、アクチュエータの把持表面に沿った種々の点において、軟質アクチュエータの本体内に埋設されてもよい。静電吸着パッドは、アクチュエータの把持強度を増強させ得る。例示的静電吸着パッドは、
図29A−29Cに関連して論じられる。
【0033】
図9A−9Dは、例示的ハブアセンブリ100と、ツール側アセンブリ20に取り付けられる軟質アクチュエータ30の例示的構成とを図示する。特に、軟質アクチュエータ30は、真空まで収縮(例えば、逆膨張)され、握持忠実性の増加を提供するように
図9A−9Cに描写される。いくつかの実施例では、接続ポート16、26は、軟質アクチュエータ30が収縮および/または膨張され得るように、アセンブリ10と20との間の膨張ラインのシールを提供してもよい。いくつかの実施例では、軟質アクチュエータ30は、収縮された部分から膨張され、
図9Dに示されるように、膨張されたアクチュエータ30をもたらしてもよい。
【0034】
図10A−10Cは、例示的ハブアセンブリ100と、電気機械的部分31を含む、軟質アクチュエータ30の例示的構成とを図示する。電気機械的部分31は、中立位置(例えば、
図10A−10B参照)にあるときから、膨張された位置(例えば、
図10C参照)になるときに、アクチュエータの迎え角を修正および/または調節するために使用されることができる。
【0035】
図11A−11Eは、ツール側アセンブリ20と、取り付けられる軟質アクチュエータ30との実施例を描写する。いくつかの実施例では、ツール側アセンブリ20は、本実施例に描写される軟質アクチュエータを具備し、物体を取り上げるための迎え角を調節してもよい。例えば、
図11Aは、種々の角度および視点からのツール側アセンブリ20および軟質アクチュエータ30を図示する。描写されるように、軟質アクチュエータ30は、軟質角度アジャスタ32を含む。
図11Bは、軟質アクチュエータ30が取り付けられたツール側アセンブリ20の底面図と、軟質角度アジャスタ32の拡大
図200とを図示する。図から分かるように、軟質角度アジャスタ32は、軟質アクチュエータ30間の側方に配置される。動作の間、軟質角度アジャスタ32は、独立して(例えば、相互から独立して、軟質アクチュエータから独立して、これのある組み合わせで、または同等物)、膨張および収縮され、軟質アクチュエータ30間の角度を調節することができる。
【0036】
図11C−11Eは、種々の状態における、軟質アクチュエータ30および軟質角度アジャスタ32を図示する。特に、
図11Cは、中立位置における軟質アクチュエータ30と、収縮された軟質角度アジャスタ32とを図示する。したがって、対の軟質アクチュエータ30間(例えば、30−1と30−2との間および30−3と30−4との間、または同等物)の角度は、縮小される。
図11Dは、中立位置における軟質アクチュエータ30と、膨張された軟質角度アジャスタ32とを図示する。したがって、対の軟質アクチュエータ30(例えば、30−1と30−2との間および30−3と30−4との間、または同等物)間の角度は、増加される。
図11Eは、膨張された位置における軟質アクチュエータ30と、膨張された軟質角度アジャスタ32とを図示する。したがって、対の軟質アクチュエータ30(例えば、30−1と30−2との間および30−3と30−4との間、または同等物)間の角度は、増加され、膨張された軟質アクチュエータ30の迎え角もまた、増加される。
【0037】
図12A−12Dは、ツール側アセンブリ20と、取り付けられた軟質アクチュエータ30との実施例を描写する。いくつかの実施例では、ツール側アセンブリ20は、本実施例に描写される軟質アクチュエータ(例えば、様々なサイズの軟質アクチュエータ)を具備し、軟質アクチュエータが、物体を完全に被包することを可能にしてもよい。例えば、
図12Aは、種々の角度および視点からのツール側アセンブリ20と、軟質アクチュエータ30とを図示する。描写されるように、種々の異なるサイズの軟質アクチュエータ30が、存在する。特に、描写される軟質アクチュエータ30は、種々の長さを有する。
図12B−12Dは、ツール側アセンブリ20と、異なるサイズの軟質アクチュエータ30のそれぞれと、その対応する運動範囲とを図示する。特に、
図12Bは、最長軟質アクチュエータ30と、その対応する運動範囲(例えば、収縮状態から完全膨張状態)とを図示する。
図12Cは、中程度の長さの軟質アクチュエータ30と、その対応する運動範囲(例えば、収縮状態から完全膨張状態)とを図示する。
図12Dは、最短軟質アクチュエータ30と、その対応する運動範囲(例えば、収縮状態から完全膨張状態)とを図示する。
【0038】
図13は、例示的ツール側装置と、本開示に従って配列された軟質アクチュエータとを使用して、物体を完全に被包する方法を図示する。特に、1310では、ツール側アセンブリおよび軟質アクチュエータは、被包されるべき物体1301(例えば、マグカップまたは同等物)の上方に配列される。1320では、ツール側アセンブリおよび軟質アクチュエータは、降下される、または物体の直上に位置付けられる。1330では、最短軟質アクチュエータ30が、膨張され、物体を定位置に保持する。1340では、中程度の長さの軟質アクチュエータが、膨張され、物体1301をより完全に囲繞する。1350では、最長軟質アクチュエータが、膨張され、物体1301を実質的に被包する。
【0039】
図14は、平坦シートに加工され、次いで、種々の異なる方法のうちの1つにおいて、続いて、その端部に噛合することによって、アクチュエータ1402を中心として添着され得る、補強ラップ1401を使用する、補強アクチュエータ1400の実施形態を描写する。本補強ラップ1401は、そのような形状に好適な任意の方法を通して加工されてもよく、必ずしも、完全に平坦であることに限定されない。例えば、把持のためのテクスチャ、剛度のためのリッジ、または延在に対応するための拡開特徴を達成するように形成されてもよい。補強ラップ1401が作製される材料は、意図される用途に応じて、大きく変動し得る。例えば、限定ではないが、ラップ1401は、金属メッシュまたは織物、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、潤滑剤含浸ポリマー、マイラ、スパンデックス、ネオプレン、ニトリル、ラテックス、布地、エラストマー布地、シール可能またはフィルムコーティングされた布地、エラストマー、熱可塑性フィルムまたはシート、熱可塑性エラストマーフィルムまたはシート、不織布地、紙または他のセルロース材料、単軸方向に配向された布地、繊維性複合材、発泡体、熱可塑性発泡体、熱可塑性エラストマー発泡体、熱的におよび電気伝導性材料、歪み感受性材料、ポリアミド等の可撓性電子基板、およびその他から加工されることができる。加えて、補強ラップ1401はまた、完全剛性領域または調整可能に堅性の領域を提供するように設計された低可撓性補強要素を含んでもよい。そのような材料は、例えば、ニチノール超弾性ばね、ばね鋼鉄、金属プレート、螺旋ばね、プラスチックまたは熱可塑性プレート、従来の印刷回路基板、およびその他を含んでもよい。
【0040】
図15は、例えば、ネオプレンまたはスパンデックス等のエラストマーストランドの混織布等の織布材料から構築され得る補強ラップ1501を含む、補強アクチュエータ1500を描写する。ラップ1501は、張力を印加し、それが補強するアクチュエータ1502の表面に共形化するための独特の能力を有する。デフォルトとして、拡張の具体的量は、生地のメッシュ角度が圧潰し、剛性繊維性メッシュとして応答し始めるまでの生地の弾性によって抵抗されるであろう。
【0041】
図16は、アクチュエータ1602の本体内に形成される内部補強材1601を有する、補強アクチュエータ1600を描写する。そのような構成は、アクチュエータ1600を望ましくない拡張に対して補強し得る。
【0042】
図17は、外部補強材1701を含む、補強アクチュエータ17000を描写する。外部補強材1701は、圧力下での拡開および延在に対するアクチュエータ1702の抵抗を変化させるように構成される、調整可能に堅性の要素であってもよい。例えば、外部補強材1701は、アコーディオン状の幾何学形状の直線側に沿って剛性であって(格子縞として描写される)、その間の湾曲領域では「ばね状」であって(白色として描写される)、圧力に対するアコーディオン状のアクチュエータの通常応答を増強し、その動作圧力範囲を効果的に上昇させる、部材であってもよい。これは、湾曲状態では、実質的により堅性であって、より大きな力をその環境に付与可能である、部品につながる。
【0043】
図18は、アクチュエータ1802の内側に配置される緩衝補強材1801を含む、補強アクチュエータ1800を描写する。アクチュエータ1800は、閉ループ制御が適用されることになるシステムまたは高レベルのヒト相互作用が精密な制御の外観を要求する用途に実装されてもよい。そのようなシステムでは、多くの場合、システム内の発振を減衰させることが望ましい。例えば、外部刺激によって導入される発振を拒否し、アクチュエータ1800をその機械的自然共鳴周波数から離れた周波数帯域内で制御することが有利となり得る。このために、緩衝補強材1801は、開セル構成にあるアクチュエータ1802の内部を充填する、高度に減衰性の粘弾性発泡体またはゲルであってもよい。膨張チャネル1803は、本描写では開放されたままであって、アクチュエータの全面積が同時に膨張することを確実にする。緩衝補強材1801を含む材料が機械的にロバストかつ高度に減衰性である場合、これはまた、部品の望ましくない拡張に対する大容量内部補強材としての役割を果たすことができる。
【0044】
図19は、緩衝補強1901(例えば、緩衝補強1801に類似する)がアクチュエータ1902の外部上に配置される、補強アクチュエータ1900を描写する。これは、部品の本領域がアクチュエータ1902が屈曲するために大部分を伸展させなければならなくなるにつれて、その緩衝効果を増幅させる。
【0045】
図20は、外部補強材2001と、アクチュエータ2002とを含む、補強アクチュエータ2000を描写する。外部補強材2001は、種々の構成および特徴、さらには、複合構成および特徴のうちのいずれかを有してもよい。そのような複合外部補強材特徴は、付加製造技法を使用して達成されてもよい。そのような技法では、特定の波長またはスペクトルに敏感な材料が、表面に硬化されずに適用され、続いて、放射への暴露を介して硬化される。特に、マイクロ分散流体の使用もまた、表面を横断する複数の化合物の制御された混合物の堆積を可能にし、硬化された材料の特性を空間的に変調させ得る、表面上のマイクロスケールの反応を効果的に設定する。そのような技法は、示される複合補強材2001を軟質アクチュエータ2002の表面上に形成するために採用されてもよい。加えて、これらの技法は、軟質アクチュエータの表面上において採用され、広範囲の特性を伴う材料のパターン化された層を選択的に追加してもよい。それらは、堅性補強材、エラストマーテクスチャ、審美的パターン、光学要素、保護層、伝導性層、または歪み感受性抵抗材料であってもよい。
【0046】
図21は、軟質アクチュエータ2102と、軟質アクチュエータ2102にわたって描かれる保護皮膜2101とを備える、補強アクチュエータ2100を描写する。薄く、かつ皺が寄った、または高度にエラストマー性の皮膜材料は、アクチュエータの保護、アクチュエータを囲繞する充填材(図示せず)のためのコンテナ、高または低摩擦、化学抵抗、または同等物を含む、多数の異なる用途のために使用されることができる。
【0047】
図22−26は、本開示の種々の実施例を用いて実装され得る、補強ラップ(例えば、ラップ1401、1501、または同等物)の実施例を描写する。前述のラップ1401および1501は、以下に説明されるように形成されてもよい。
図22に目を向けると、補強ラップ2200が、描写される。ラップ2200は、拡開式のアコーディオン状の軟質アクチュエータを中心として恒久的または可逆的に添着されることができる。ラップ2200は、レーザ切断、ナイフカッタプロッティング、縫着、インパルスシーリング、RF溶接、超音波溶接、ホットエンボス加工、圧縮成形、または射出成形を使用して形成されることができる。加えて、ラップ2200は、軟質アクチュエータを中心として添着されるべきサイドリリースバックル2201を含んでもよい。ラップ2200はまた、ラップ2200上に配置される、および/またはその中に埋設され得る、いくつかのセンサ2202および/または電気ペイロード2203を格納することができる。例えば、描写されるように、電気ペイロード2203は、マイクロコントローラベースの応用回路を伴う従来の印刷回路基板と、バッテリ電源および配電と、それらが接触する生物学的対象の着目筋肉を検出するように設計された一式の筋電センサ2202とを含む。
【0048】
ここで
図23に目を向けると、補強ラップ2300が、描写される。ラップ2300は、補強ラップのための前述の特徴の任意の組み合わせを含んでもよい。加えて、ラップ2300は、締結具としての再閉鎖可能な相互係止ペグ2301と、ラップ材料内に埋設される伝導性スレッド2303を介して感知される、力感知抵抗器または圧力変換器2302とを含む。
【0049】
ここで
図24に目を向けると、補強ラップ2400が、描写される。ラップ2400は、補強ラップのための前述の特徴の任意の組み合わせを含んでもよい。加えて、ラップ2400は、ラップ構造の2つの半体を接続する補強材に跨架される、歪み感知材料2401を含む。
【0050】
ここで
図25に目を向けると、補強ラップ2500が、描写される。ラップ2500は、補強ラップのための前述の特徴の任意の組み合わせを含んでもよい。加えて、ラップ2500は、締結具としての接着剤2501のストリップと、ラップ内に埋設されるワイヤ2503を介して外部から給電される、発光ダイオード2502の集合とを含む。
【0051】
ここで
図26に目を向けると、補強ラップ2600が、描写される。ラップ2600は、補強ラップのための前述の特徴の任意の組み合わせを含んでもよい。加えて、ラップ2600は、その底部を面した表面内に埋設される、保護アームまたはプレート2601と、含有されるアクチュエータの拡開および伸長に対する付加的抵抗を提供するように調整されたニチノールまたはばね鋼鉄製アコーディオン状ばね2602とを含む。
【0052】
図27および
図28は、アクチュエータが、例えば、電磁石内の、または物体の表面上に位置する誘導コイルを通して、把持されている物体とインターフェースをとることを可能にするために埋設された電磁石2701、2801を有する、アクチュエータの実施例を描写する。
【0053】
図27に描写される実施形態は、ハブ2702の基部内に埋設される単一電磁石2701を含み、ハブ2702は、アクチュエータ2703に取り付けられ、アクチュエータ2703を配向する。これは、電磁石2701が、把持される物体の上部の相補的表面と相互作用し、矢印2704によって示されるように、ハブ2702の方向に向くように指向させる。2つの付加的電磁石2701が、各アクチュエータ2703の端部に1つずつ含まれる。これは、電磁石2701が、矢印2705によって示される方向に指向する相補的表面とインターフェースをとることを可能にする。
【0054】
図28に描写される実施形態は、3つの電磁石2801を含む。描写される実施形態は、アクチュエータ2803の側面内に埋設される3つの電磁石2801を含むが、例示的実施形態は、1つまたはそれを上回る電磁石2801を採用してもよい。参照として、例示的電磁場ライン2802が、底部電磁石2801と関連して示される。
【0055】
電磁石2801は、剛性、可撓性、またはエラストマー性であってもよく、アクチュエータ2803の材料内に埋設されてもよい。アクチュエータ2803内の電磁要素の場所は、相補的テクスチャまたは表面特性がアクチュエータまたは把持されている物体のいずれか上に存在するように(例えば、強磁性材料、粗面化表面、感圧式接着剤、吸引カップ等)、または電気サブシステムを有する物体とインターフェースをとる手段として、選択されてもよい。例えば、把持される物体が、対応する誘導コイルを有する場合、アクチュエータ2803内の電気吸着パッド2801のアクティブ化が、電力を提供する、または通信する目的のため、把持される物体内に電流を誘導するために使用されてもよい。
【0056】
図29A−29Cは、本明細書に説明される例示的実施形態と併用するために好適な例示的電気吸着パッドを描写する。電気吸着は、多くの場合、基板への可逆的接着剤なしの接合を要求する把持等の用途において使用される、電気的に制御された制限的吸着技術である。電気吸着は、電気絶縁性または伝導性のいずれかである、電気吸着パッドと基板との間の静電力を生成することによって機能する。
【0057】
グリップ強度の増強は、電気吸着パッドを作動させ、把持される物体を選択場所において誘引(引動)し、把持される物体を選択場所において反発(押動)させる、または選択的に、物体を異なる点において誘引および反発させることによって、遂行されてもよい。電気吸着パッドは、アクチュエータによる物体上の把持力を向上させるか、または意図的に弛緩させるかのいずれかであってもよい。
【0058】
図29Aに示されるように、例示的電気吸着パッドは、誘電材料の表面上にパターン化された2つの互いに組み合わせられた電極を含んでもよい。パッドは、インクジェット印刷、ステンシル印刷、熱蒸着金属のリソグラフィックパターン化、スパッタコーティングされた金属のリソグラフィックパターン化、または金属粒子のレーザ焼結等の種々の方法を使用して、可撓性または伸展性電子部品として加工されてもよい。
【0059】
図29Bは、軟質アクチュエータ内に埋設されるそのような電気吸着パッドの実施例を描写する。前述のように、軟質アクチュエータは、伸張性空気圧層と、低伸張性層とを有してもよい。
図29Bの実施形態では、電気吸着パッドは、アクチュエータの低伸張性層内に埋設される。
【0060】
図29Cは、互いに組み合わせられた電極が帯電されるときに生じる状態を示す。フリンジ場線が、電極パターンと法線方向に延在するように、正電極と負電極との間に生成される。電気吸着パッドが、基板(例えば、ガラス、乾燥壁、木材、コンクリート、金属等)に近接されると、そのフリンジ場線は、基板を透過し、電荷を再分布させ、反対極性のパターンを基板内に生成する。電極上の電荷と基板の表面上の相補的誘導電荷との間のクーロン引力が、電気吸着パッドを基板に吸着させるために使用され得る、静電力を生成する。静電吸着電圧の制御は、吸着が容易にオンおよびオフにされることを可能にする。
【0061】
次に、
図30A−30Fに目を向けると、歪み制限層内の反りを防止するための補強アクチュエータが、ここで説明される。軟質アクチュエータの歪み制限層は、膨張の間、アクチュエータの中立屈曲平面から反る傾向を有し得る。歪み制限層の本反りは、アクチュエータ断面の面積の二次モーメントを増加させ、それによって、屈曲に対するアクチュエータ抵抗を増加させる。本挙動は、アクチュエータの機能を低下させる。
【0062】
本問題は、剛性要素(例えば、プラスチック、金属、セラミック、またはより堅性のエラストマー)を歪み制限層内にオーバーモールドすることによって軽減されることができる。これは、複数の剛性要素を歪み制限層の中に設置することによって遂行され、各要素の長軸は、屈曲の中立軸と垂直に配向される。本配向は、剛性要素が、中立軸と垂直方向に歪み制限層の反りを防止することを可能にするが、最小限にのみ、中立軸に沿った屈曲を妨害する。
【0063】
剛性要素は、軟質アクチュエータ本体の歪み制限層とオーバーモールドされた被包エラストマー層との間の定位置に保持されてもよい。
図30Aは、歪み制限層3002上に被包エラストマー層を伴わない、軟質アクチュエータ本体3001(左)と、被包エラストマー層3003を有する、同一軟質アクチュエータ本体(右)との並列側面図を描写する。被包エラストマー層3003は、軟質アクチュエータ本体と同一材料(例えば、同一エラストマー材料)から作製されてもよい、または比較的により剛性の材料から作製されてもよい。
図30Bは、被包エラストマー層3003を歪み制限層3002上に伴うものと、伴わない軟質アクチュエータ本体3001との並列側面図である(それぞれ、上および下)。
【0064】
いくつかの実施形態では、被包エラストマー層3003は、歪み制限層3002内の反りを防止するために、補強スラット3004を被装してもよい。軟質アクチュエータ本体3001は、補強スラット3004を受容するための成形溝3005を具備してもよい。代替として、または加えて、成形溝3005は、被包エラストマー層3003内に位置してもよい、または溝3005は、軟質アクチュエータ本体3001および被包エラストマー層3003の両方に位置してもよい。組立時、補強スラットは、溝3005の中に差し込まれ、被包エラストマー層3003で被装されてもよい。スラット3004は、プラスチック、金属、セラミック、またはより堅性のエラストマー等、軟質アクチュエータ本体3001と比較して比較的に剛性の材料または複数の材料から作製されてもよい。
【0065】
図30Cは、被包エラストマー層3003を有する、軟質アクチュエータ本体3001の側面を描写し、
図30Dは、
図30Cに描写されるアクチュエータの断面図であって、剛性スラット3004の場所を示す。
図30Eは、歪み制限層3002と被包エラストマー層3003との間の剛性スラット3004を示す、分解図である。
【0066】
図30Fは、被包エラストマー層3003を有し、さらに、軟質アクチュエータブラダのアコーディオン状の凹部3006を補強するためのオーバーモールドされた剛性またはエラストマー構造3007を有する、軟質アクチュエータ本体3001の実施例を描写する。構造3007は、アコーディオン状の凹部3006の歪みを最小限または低減させる役割を果たす。軟質アクチュエータ本体3001の膨張の圧力は、アコーディオン形状の軟質アクチュエータの凹部3006を歪ませ得る。これは、凹部3006内に応力集中点を発生させ、高圧では、アクチュエータの故障につながり得る。それにもかかわらず、アクチュエータの膨張圧力の上昇は、これが、グリッパの一部として使用されるとき、アクチュエータによって送達され得る力を、またはある用途における構造要素として使用されるとき、アクチュエータの剛性を増加させるため、望ましい。その結果、高圧で動作されるとき、これらの点におけるアクチュエータの歪みを最小限にするために、これらの凹部を剛性材料(例えば、プラスチック、金属、セラミック、またはより堅性のエラストマー)で補強することが望ましい。
【0067】
本明細書で使用されるように、単数形で列挙され、単語「a」または「an」によって先行される、要素またはステップは、そのような除外が明示的に列挙されない限り、複数要素またはステップを除外するものとして理解されるべきではない。さらに、本発明の「一実施形態」という言及は、列挙された特徴もまた組み込む、付加的実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。
【0068】
本発明は、ある実施形態を参照して開示されたが、説明される実施形態に対する多数の修正、改変、および変更が、添付の請求項に定義されるように、本発明の領域および範囲から逸脱することなく、可能性として考えられる。故に、本発明は、説明される実施形態に限定されず、以下の請求項およびその均等物の用語によって定義される全範囲を有することが意図される。