特許第6483260号(P6483260)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6483260
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】RFイオンガイド
(51)【国際特許分類】
   H01J 49/42 20060101AFI20190304BHJP
   H01J 49/26 20060101ALI20190304BHJP
   H01J 49/06 20060101ALI20190304BHJP
   G01N 27/62 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   H01J49/42
   H01J49/26
   H01J49/06
   G01N27/62 E
【請求項の数】18
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-528186(P2017-528186)
(86)(22)【出願日】2014年11月28日
(65)【公表番号】特表2017-537439(P2017-537439A)
(43)【公表日】2017年12月14日
(86)【国際出願番号】IB2014002629
(87)【国際公開番号】WO2016083857
(87)【国際公開日】20160602
【審査請求日】2017年10月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】510075457
【氏名又は名称】ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ドミンゲス, パブロ
(72)【発明者】
【氏名】ジャバヘリ, ハッサン
【審査官】 右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/063660(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/114191(WO,A1)
【文献】 特表2009-506515(JP,A)
【文献】 特表2009-523300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 49/00
G01N 27/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量分析計であって、
a.高圧領域内において試料からイオンを発生させるためのイオン源と、
b.第1の真空チャンバであって、前記第1の真空チャンバは、前記高圧領域から前記真空チャンバの中に前記イオンを通すための入口開口と、前記真空チャンバからイオンを通すための出口開口とを備えている、第1の真空チャンバと、
c.前記入口開口と出口開口との間の少なくとも1つのイオンガイドであって、前記少なくとも1つのイオンガイドは、入口端および出口端を有し、前記少なくとも1つのイオンガイドは、中心軸の周囲に配列された複数の電極を有し、前記複数の電極は、イオンチャネルを画定し、前記複数の電極の各々は、テーパ状であり、前記複数の電極の各々は、前記イオンガイドのより狭い出口端に向かって徐々により厚くなり、前記厚さは、前記中心軸と略垂直な方向におけるものであり、隣接する電極が間隙によって分離されており、前記間隙は、幅(G)および間隙厚さ(T)を有し、前記間隙厚さ(T)は、それぞれの隣接する電極の厚さによって定義され、前記幅(G)は、前記間隙厚さ(T)に沿って一定であり、前記複数のテーパ状電極の各々の平面表面は、前記少なくとも1つのイオンガイドの内部に面し、前記表面は、徐々に細くされ、内向きに傾斜させられ、前記出口においてより小さい内接半径を提供する、少なくとも1つのイオンガイドと、
d.RF電圧を前記少なくとも1つのイオンガイドに提供するための電力供給源と
を備えている、質量分析計。
【請求項2】
前記入口端におけるより前記出口端において、前記イオンガイドの内部から外部へのガスの半径方向流に対してより大きい抵抗が存在する、請求項1に記載の質量分析計。
【請求項3】
隣接する電極間の間隔は、前記イオンガイドの長さにわたって本質的に一定である、請求項1に記載の質量分析計。
【請求項4】
隣接する電極間の間隔は、約0.4mm〜約1.5mmである、請求項3に記載の質量分析計。
【請求項5】
前記複数の電極の各々は、前記入口端におけるより前記出口端において、約4倍厚い、請求項に記載の質量分析計。
【請求項6】
前記少なくとも1つのイオンガイドは、多極を備えている、請求項1に記載の質量分析計。
【請求項7】
質量分析を行う方法であって、
a.高圧領域内において試料からイオンを発生させるためのイオン源を提供することと、
b.第1の真空チャンバを提供することであって、前記第1の真空チャンバは、前記高圧領域から前記真空チャンバの中に前記イオンを通すための入口開口と、前記真空チャンバからイオンを通すための出口開口とを備えている、ことと、
c.前記入口開口と出口開口との間の少なくとも1つのイオンガイドを提供することであって、前記少なくとも1つのイオンガイドは、入口端および出口端を有し、前記少なくとも1つのイオンガイドは、中心軸の周囲に配列された複数の電極を有し、前記複数の電極は、イオンチャネルを画定し、前記複数の電極の各々は、テーパ状であり、前記複数の電極の各々は、前記イオンガイドのより狭い出口端に向かって徐々により厚くなり、前記厚さは、前記中心軸と略垂直な方向におけるものであり、隣接する電極が間隙によって分離されており、前記間隙は、幅(G)および間隙厚さ(T)を有し、前記間隙厚さ(T)は、それぞれの隣接する電極の厚さによって定義され、前記幅(G)は、前記間隙厚さ(T)に沿って一定であり、前記複数のテーパ状電極の各々の平面表面は、前記少なくとも1つのイオンガイドの内部に面し、前記表面は、徐々に細くされ、内向きに傾斜させられ、前記出口においてより小さい内接半径を提供する、ことと、
F電圧を前記少なくとも1つのイオンガイドに提供するための電力供給源を提供することと
を含む、方法。
【請求項8】
前記入口端におけるより前記出口端において、前記イオンガイドの内部から外部へのガスの半径方向流に対してより大きい抵抗が存在する、請求項に記載の方法。
【請求項9】
隣接する電極間の間隔は、前記イオンガイドの長さにわたって本質的に一定である、請求項に記載の方法。
【請求項10】
隣接する電極間の間隔は、約0.4mm〜約1.5mmである、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記電極は、前記入口端におけるより前記出口端において、約4倍厚い、請求項に記載の方法。
【請求項12】
質量分析計であって、
a.高圧領域内において試料からイオンを発生させるためのイオン源と、
b.第1の真空チャンバであって、前記第1の真空チャンバは、前記高圧領域から前記真空チャンバの中に前記イオンを通すための入口開口と、前記真空チャンバからイオンを通すための出口開口とを備えている、第1の真空チャンバと、
c.前記入口開口と出口開口との間の少なくとも1つのイオンガイドであって、前記少なくとも1つのイオンガイドは、入口端および出口端を有し、前記少なくとも1つのイオンガイドは、中心軸の周囲に配列された複数の平面電極を有し、前記複数の平面電極は、イオンチャネルを画定し、前記複数の平面電極の各々は、前記イオンガイドの長さに沿って折り曲げられ、前記少なくとも1つのイオンガイドの内部に面する徐々に細くなる平面表面を形成し、第2の平面表面が、前記イオンガイドの軸に略直交する、イオンガイドと、
d.RF電圧を前記少なくとも1つのイオンガイドに提供するための電力供給源と
を備えている、質量分析計。
【請求項13】
前記複数の電極は、約90度で折り曲げられている、請求項12に記載の質量分析計。
【請求項14】
前記少なくとも1つのイオンガイドは、テーパ状電極を備えている、請求項12に記載の質量分析計。
【請求項15】
隣接する電極間の間隔は、約0.1mm〜約1.5mmである、請求項12に記載の質量分析計。
【請求項16】
前記イオンガイドの入口端の直径は、約7mm〜約12mmである、請求項12に記載の質量分析計。
【請求項17】
前記イオンガイドの出口端の直径は、約1.5mm〜約2.5mmである、請求項12に記載の質量分析計。
【請求項18】
前記少なくとも1つのイオンガイドは、多極を備えている、請求項12に記載の質量分析計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
出願人の教示は、質量分析計内でイオンを移送する方法および装置に関し、より具体的には、RFイオンガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
質量分析では、試料分子は、イオン化ステップにおいて、イオン源を使用して、イオンに変換され、次いで、質量分離および検出ステップにおいて、質量分析器によって検出される。大部分の大気圧イオン源に対して、イオンは、第1の真空チャンバ内のイオンガイドへの流入に先立って、入口開口を通過する。イオンガイドは、イオン源から後続真空チャンバにイオンを輸送し、集中させ、高周波信号が、イオンガイドに印加され、イオンガイド内でイオンの半径方向集束を提供することができる。しかしながら、イオンガイドを通したイオンの輸送中、イオン損失が生じ得る。したがって、イオンガイドに沿ったイオンの輸送効率を増加させ、高感度を達成するために輸送中のイオンの損失を防止することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
前述に照らして、出願人の教示は、高圧領域内において試料からイオンを発生させるためのイオン源を備えている質量分析計装置を提供する。種々の側面では、第1の真空チャンバは、高圧領域から第1の真空チャンバの中にイオンを通すための入口開口と、第1の真空チャンバからイオンを通すための出口開口とを有する。種々の側面では、装置は、少なくとも1つのイオンガイドも備えている。少なくとも1つのイオンガイドは、RF電力供給源によって提供されるRF電圧が、少なくとも1つのイオンガイドに印加されると、イオンが、少なくとも1つのイオンガイドの内部容積内に半径方向に閉じ込められ、集中させられ、出口開口に方向付けられ得るように、入口開口と出口開口との間のチャンバ内に位置付けられることができる。種々の実施形態では、少なくとも1つのイオンガイドは、入口端と、出口端とを有する。種々の実施形態では、少なくとも1つのイオンガイドは、内部容積を画定する所定の断面および長さを備えていることができる。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドの所定の断面は、内接円を形成することができる。種々の実施形態では、入口端は、出口端を構成する内接円より大きい内接円を伴う開口部を備えている。種々の側面では、入口端における内接円は、約8mm〜約20mmの直径を有する。種々の側面では、入口および出口開口のサイズは、イオンガイドの入口および出口端の直径を決定づける。種々の実施形態では、イオンガイドの入口端は、約7mm〜約12mmの直径を有する。種々の側面では、出口端における内接円は、約1.5mm〜約10mmの直径を有する。種々の実施形態では、イオンガイドの出口端は、約1.5mm〜約2.5mmの直径を有する。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、中心軸の周囲に配列され、イオンチャネルを画定する、複数の電極を備えている。種々の側面では、複数の電極の各々は、テーパ状であることができ、複数のテーパ状電極の各々の平面表面は、少なくとも1つのイオンガイドの内部に面することができ、表面は、徐々に細くされ、内向きに傾斜し、出口においてより小さい内接半径を提供する。種々の側面では、複数のテーパ状電極の各々の表面は、任意の好適な形状であることができる。種々の側面では、表面は、湾曲されることができる。種々の側面では、表面は、凸面または凹面であることができる。種々の側面では、電力供給源は、RF電圧を少なくとも1つのイオンガイドに提供することができる。
【0004】
種々の実施形態では、入口端におけるより出口端において、イオンガイドの内部から外部へのガスの半径方向流に対してより大きい抵抗が存在する。種々の側面では、隣接する電極間の間隔は、イオンガイドの長さにわたって本質的に一定である。種々の側面では、隣接する電極間の間隔は、約0.4mm〜約1.5mmである。種々の実施形態では、複数の電極の各々は、イオンガイドのより狭い出口端に向かって徐々により厚くなり、厚さは、中心軸と略垂直な方向におけるものである。種々の実施形態では、複数の電極の各々は、出口端において、入口端におけるより約4倍厚くあることができる。種々の側面では、電極の長さは、約5cm〜約50cmを構成する。種々の側面では、入口開口の直径は、約0.15mm〜約5mmであることができる。種々の側面では、出口開口の直径は、約0.5mm〜約20mmであることができる。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、印刷回路基板に取り付けられることができる。種々の側面では、第1の真空チャンバは、約1トル〜約100トルの圧力を有することができる。種々の実施形態では、第1の真空チャンバは、約6トル〜約12トルの圧力を有することができる。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、多極を備えていることができる。種々の実施形態では、多極は、任意の好適な数の電極を備えていることができる。種々の側面では、多極は、任意の偶数の電極を備えていることができる。種々の実施形態では、多極は、4つの電極、6つの電極、8つの電極、10の電極、12の電極、14の電極、および16の電極を有するイオンガイドから選択されることができる。種々の実施形態では、12の電極は、約0.4mmの間隙ずつ分離され、中心軸と略垂直方向に、入口端における約1.5mmから出口端における約6mmまで増加する厚さを有するように提供される。
【0005】
出願人の教示は、質量分析を行う方法を提供する。種々の側面では、方法は、高圧領域内において試料からイオンを発生させるためのイオン源を備えている。種々の側面では、高圧領域から第1の真空チャンバの中にイオンを通すための入口開口と、第1の真空チャンバからイオンを通すための出口開口とを有する第1の真空チャンバが、提供される。種々の側面では、方法はまた、少なくとも1つのイオンガイドを備えている。少なくとも1つのイオンガイドは、RF電力供給源によって提供されるRF電圧が少なくとも1つのイオンガイドに印加されると、イオンが、少なくとも1つのイオンガイドの内部容積内に半径方向に閉じ込められ、集中させられ、出口開口に方向付けられ得るように、入口開口と出口開口との間のチャンバ内に位置付けられることができる。種々の実施形態では、方法は、第1の真空チャンバに続いて、第2の真空チャンバを備え、第2の真空チャンバ内の圧力は、第1の真空チャンバ内の圧力より低い。第2の真空チャンバ内の第2のイオンガイドは、第2の真空チャンバを通してイオンをさらに集中させるために提供されることができる。種々の実施形態では、少なくとも1つのイオンガイドは、入口端と、出口端とを有する。種々の実施形態では、入口端は、出口端を構成する内接円より大きい内接円を伴う開口部を備えている。種々の側面では、入口端における内接円は、約8mm〜約20mmの直径を有する。種々の側面では、出口端における内接円は、約1.5mm〜約10mmの直径を有する。種々の側面では、入口および出口開口のサイズは、イオンガイドの入口および出口端の直径を決定づけることができる。種々の実施形態では、イオンガイドの入口端は、約7mm〜約12mmの直径を有する。種々の実施形態では、イオンガイドの出口端は、約1.5mm〜約2.5mmの直径を有する。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、中心軸の周囲に配列され、イオンチャネルを画定する複数の電極を備えている。種々の側面では、複数の電極の各々は、テーパ状であり、複数のテーパ状電極の各々の平面表面は、少なくとも1つのイオンガイドの内部に面し、表面は、徐々に細くされ、内向きに傾斜させられ、出口においてより小さい内接半径を提供する。種々の側面では、複数のテーパ状電極の各々の表面は、任意の好適な形状であることができる。種々の側面では、表面は、湾曲されることができる。種々の側面では、表面は、凸面または凹面であることができる。種々の側面では、電力供給源は、RF電圧を少なくとも1つのイオンガイドに提供することができる。
【0006】
種々の実施形態では、入口端におけるより出口端において、イオンガイドの内部から外部へのガスの半径方向流に対してより大きい抵抗が存在する。種々の側面では、隣接する電極間の間隔は、イオンガイドの長さにわたって本質的に一定である。種々の側面では、隣接する電極間の間隔は、約0.4mm〜約1.5mmである。種々の実施形態では、複数の電極の各々は、イオンガイドのより狭い出口端に向かって徐々により厚くなり、厚さは、中心軸と略垂直な方向におけるものである。種々の実施形態では、複数の電極の各々は、出口端において、入口端におけるより約4倍厚くあることができる。種々の側面では、電極の長さは、約5cm〜約50cmを構成する。種々の側面では、入口開口の直径は、約0.15mm〜約5mmであることができる。種々の側面では、出口開口の直径は、約0.5mm〜約20mmであることができる。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、印刷回路基板に取り付けられることができる。種々の側面では、第1の真空チャンバは、約1トル〜約100トルの圧力を有することができる。種々の実施形態では、第1の真空チャンバは、約6トル〜約12トルの圧力を有することができる。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、多極を備えていることができる。種々の側面では、多極は、任意の偶数の電極を有することができる。種々の実施形態では、多極は、任意の好適な数の電極を備えていることができる。種々の実施形態では、多極は、4つの電極、6つの電極、8つの電極、10の電極、12の電極、14の電極、および16の電極を有するイオンガイドから選択されることができる。種々の実施形態では、12の電極は、約0.4mmの間隙ずつ分離され、中心軸と略垂直方向に、入口端における約1.5mmから出口端における約6mmまで増加する厚さを有するように提供される。
【0007】
出願人の教示は、高圧領域内において試料からイオンを発生させるためのイオン源を備えている質量分析計装置を提供する。種々の側面では、第1の真空チャンバは、高圧領域から第1の真空チャンバの中にイオンを通すための入口開口と、第1の真空チャンバからイオンを通すための出口開口とを有する。種々の側面では、装置はまた、少なくとも1つのイオンガイドを入口開口と出口開口との間に備えている。種々の実施形態では、少なくとも1つのイオンガイドは、入口端と、出口端とを有する。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、中心軸の周囲に配列され、イオンチャネルを画定する、複数の平面電極を備えている。種々の側面では、複数の電極の各々は、イオンガイドの長さに沿って折り曲げられ、または曲げられ、少なくとも1つのイオンガイドの内部に面する、徐々に細くなる平面表面を形成することができる。種々の側面では、平面表面は、電極の各々の端部に向かってより細くなることができる。種々の側面では、第2の平面表面が、イオンガイドの軸に略直交する。種々の側面では、電力供給源は、RF電圧を少なくとも1つのイオンガイドに提供することができる。
【0008】
種々の実施形態では、複数の電極は、約90度で折り曲げられることができる。種々の側面では、複数の電極の各々は、テーパ状であることができる。種々の実施形態では、電極の長さは、約5cm〜約50cmであることができる。種々の側面では、隣接する電極間の間隔は、一定であることができ、約0.1mm〜約1.5mmであることができる。種々の側面では、入口開口の直径は、約0.15mm〜約5mmであることができる。種々の側面では、出口開口の直径は、約0.5mm〜約20mmであることができる。種々の側面では、入口および出口開口のサイズは、イオンガイドの入口および出口端の直径を決定づけることができる。種々の実施形態では、イオンガイドの入口端は、約7mm〜約12mmの直径を有する。種々の実施形態では、イオンガイドの出口端は、約1.5mm〜約2.5mmの直径を有する。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、印刷回路基板に取り付けられることができる。種々の側面では、第1の真空チャンバは、約1トル〜約100トルの圧力を有することができる。種々の実施形態では、第1の真空チャンバは、約6トル〜約12トルの圧力を有することができる。種々の側面では、電極は、シートまたはシム金属を備えていることができる。種々の実施形態では、電極は、機械加工されることができる。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、多極を備えていることができる。種々の実施形態では、多極は、任意の好適な数の電極を備えていることができる。種々の側面では、多極は、任意の偶数の電極を有することができる。種々の実施形態では、多極は、4つの電極、6つの電極、8つの電極、10の電極、12の電極、14の電極、および16の電極を有するイオンガイドから選択されることができる。
【0009】
出願人の教示は、高圧領域内において試料からイオンを発生させることを含む、質量分析を行う方法を提供する。種々の側面では、第1の真空チャンバは、高圧領域から第1の真空チャンバの中にイオンを通すための入口開口と、第1の真空チャンバからイオンを通すための出口開口とを有するように提供されることができる。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、入口開口と出口開口との間に提供されることができる。種々の実施形態では、少なくとも1つのイオンガイドは、入口端と、出口端とを有する。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、中心軸の周囲に配列され、イオンチャネルを画定する複数の平面電極を備えている。種々の側面では、複数の電極の各々は、イオンガイドの長さに沿って折り曲げられ、または曲げられ、少なくとも1つのイオンガイドの内部に面する徐々に細くなる平面表面を形成することができる。種々の側面では、平面表面は、電極の各々の端部に向かってより細くなることができる。種々の側面では、第2の平面表面が、イオンガイドの軸に略直交することができる。種々の側面では、電力供給源は、RF電圧を少なくとも1つのイオンガイドに提供するために提供されることができる。
【0010】
種々の実施形態では、複数の電極は、約90度で折り曲げられることができる。種々の側面では、複数の電極の各々は、テーパ状であることができる。種々の実施形態では、電極の長さは、約5cm〜約50cmであることができる。種々の側面では、隣接する電極間の間隔は、一定であることができ、約0.1mm〜約1.5mmであることができる。種々の側面では、入口開口の直径は、約0.15mm〜約5mmであることができる。種々の側面では、出口開口の直径は、約0.5mm〜約20mmであることができる。種々の側面では、入口および出口開口のサイズは、イオンガイドの入口および出口端の直径を決定づけることができる。種々の実施形態では、イオンガイドの入口端は、約7mm〜約12mmの直径を有する。種々の実施形態では、イオンガイドの出口端は、約1.5mm〜約2.5mmの直径を有する。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、印刷回路基板に取り付けられることができる。種々の側面では、第1の真空チャンバは、約1トル〜約100トルの圧力を有することができる。種々の実施形態では、第1の真空チャンバは、約6トル〜約12トルの圧力を有することができる。種々の側面では、電極は、金属を備えていることができる。種々の実施形態では、電極は、シートまたはシム金属から形成されることができる。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、多極を備えていることができる。種々の実施形態では、多極は、任意の好適な数の電極を備えていることができる。種々の側面では、多極は、任意の偶数の電極を有することができる。種々の実施形態では、多極は、4つの電極、6つの電極、8つの電極、10の電極、12の電極、14の電極、および16の電極を有するイオンガイドから選択されることができる。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
質量分析計であって、
a.高圧領域内において試料からイオンを発生させるためのイオン源と、
b.第1の真空チャンバであって、前記第1の真空チャンバは、前記高圧領域から前記真空チャンバの中に前記イオンを通すための入口開口と、前記真空チャンバから前記イオンを通すための出口開口とを備えている、第1の真空チャンバと、
c.前記入口開口と出口開口との間の少なくとも1つのイオンガイドであって、前記少なくとも1つのイオンガイドは、入口端および出口端を有し、前記少なくとも1つのイオンガイドは、中心軸の周囲に配列された複数の電極を有し、前記複数の電極は、イオンチャネルを画定し、前記複数の電極の各々は、テーパ状であり、前記複数のテーパ状電極の各々の平面表面は、前記少なくとも1つのイオンガイドの内部に面し、前記表面は、徐々に細くされ、内向きに傾斜させられ、前記出口においてより小さい内接半径を提供する、少なくとも1つのイオンガイドと、
d.RF電圧を前記少なくとも1つのイオンガイドに提供するための電力供給源と
を備えている、質量分析計。
(項目2)
前記入口端におけるより前記出口端において、前記イオンガイドの内部から外部へのガスの半径方向流に対してより大きい抵抗が存在する、項目1に記載の質量分析計。
(項目3)
隣接する電極間の間隔は、前記イオンガイドの長さにわたって本質的に一定である、項目1に記載の質量分析計。
(項目4)
隣接する電極間の間隔は、約0.4mm〜約1.5mmである、項目3に記載の質量分析計。
(項目5)
前記複数の電極の各々は、前記イオンガイドのより狭い出口端に向かって徐々により厚くなり、前記厚さは、前記中心軸と略垂直な方向におけるものである、項目1に記載の質量分析計。
(項目6)
前記複数の電極の各々は、前記入口端におけるより前記出口端において、約4倍厚い、項目5に記載の質量分析計。
(項目7)
前記少なくとも1つのイオンガイドは、多極を備えている、項目1に記載の質量分析計。
(項目8)
質量分析を行う方法であって、
a.高圧領域内において試料からイオンを発生させるためのイオン源を提供することと、
b.第1の真空チャンバを提供することであって、前記第1の真空チャンバは、前記高圧領域から前記真空チャンバの中に前記イオンを通すための入口開口と、前記真空チャンバから前記イオンを通すための出口開口とを備えている、ことと、
c.前記入口開口と出口開口との間の少なくとも1つのイオンガイドを提供することであって、前記少なくとも1つのイオンガイドは、入口端および出口端を有し、前記少なくとも1つのイオンガイドは、中心軸の周囲に配列された複数の電極を有し、前記複数の電極は、イオンチャネルを画定し、前記複数の電極の各々は、テーパ状であり、前記複数のテーパ状電極の各々の平面表面は、前記少なくとも1つのイオンガイドの内部に面し、前記表面は、徐々に細くされ、内向きに傾斜させられ、前記出口においてより小さい内接半径を提供する、ことと、
d.RF電圧を前記少なくとも1つのイオンガイドに提供するための電力供給源を提供することと
を含む、方法。
(項目9)
前記入口端におけるより前記出口端において、前記イオンガイドの内部から外部へのガスの半径方向流に対してより大きい抵抗が存在する、項目8に記載の方法。
(項目10)
隣接する電極間の間隔は、前記イオンガイドの長さにわたって本質的に一定である、項目8に記載の方法。
(項目11)
隣接する電極間の間隔は、約0.4mm〜約1.5mmである、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記複数の電極の各々は、前記イオンガイドのより狭い出口端に向かって徐々により厚くなり、前記厚さは、前記中心軸と略垂直な方向におけるものである、項目8に記載の方法。
(項目13)
前記電極は、前記入口端におけるより前記出口端において、約4倍厚い、項目12に記載の方法。
(項目14)
質量分析計であって、
a.高圧領域内において試料からイオンを発生させるためのイオン源と、
b.第1の真空チャンバであって、前記第1の真空チャンバは、前記高圧領域から前記真空チャンバの中に前記イオンを通すための入口開口と、前記真空チャンバから前記イオンを通すための出口開口とを備えている、第1の真空チャンバと、
c.前記入口開口と出口開口との間の少なくとも1つのイオンガイドであって、前記少なくとも1つのイオンガイドは、入口端および出口端を有し、前記少なくとも1つのイオンガイドは、中心軸の周囲に配列された複数の平面電極を有し、前記複数の平面電極は、イオンチャネルを画定し、前記複数の平面電極の各々は、前記イオンガイドの長さに沿って折り曲げられ、前記少なくとも1つのイオンガイドの内部に面する徐々に細くなる平面表面を形成し、第2の平面表面が、前記イオンガイドの軸に略直交する、イオンガイドと、
d.RF電圧を前記少なくとも1つのイオンガイドに提供するための電力供給源と
を備えている、質量分析計。
(項目15)
前記複数の電極は、約90度で折り曲げられている、項目14に記載の質量分析計。
(項目16)
前記少なくとも1つのイオンガイドは、テーパ状電極を備えている、項目14に記載の質量分析計。
(項目17)
隣接する電極間の間隔は、約0.1mm〜約1.5mmである、項目14に記載の質量分析計。
(項目18)
前記イオンガイドの入口端の直径は、約7mm〜約12mmである、項目14に記載の質量分析計。
(項目19)
前記イオンガイドの出口端の直径は、約1.5mm〜約2.5mmである、項目14に記載の質量分析計。
(項目20)
前記少なくとも1つのイオンガイドは、多極を備えている、項目14に記載の質量分析計。
【図面の簡単な説明】
【0011】
当業者は、以下に説明される図面が、例証目的にすぎないことを理解するであろう。図面は、出願人の教示の範囲をいかようにも限定する意図はない。
図1図1は、出願人の教示の種々の実施形態による、質量分析計の概略図である。
図2図2は、出願人の教示による、イオンガイドを図式的に図示し、出願人の教示の種々の実施形態による、イオンガイドの断面図を示す。
図3図3は、出願人の教示の種々の実施形態による、隣接する電極を図式的に図示する。
図4図4は、出願人の教示による、一連のイオンガイドを図示し、出願人の教示の種々の実施形態による、イオンガイドの断面図を示す。
図5図5は、出願人の教示による、イオンガイドを図式的に図示し、出願人の教示の種々の実施形態による、イオンガイドの断面図を示す。
図6図6は、出願人の教示の種々の実施形態による、電極を図式的に図示する。
図7図7は、出願人の教示による、イオンガイドを図式的に図示し、出願人の教示の種々の実施形態による、イオンガイドの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面中、類似参照番号は、類似部品を示す。
【0013】
種々の要素を参照して、出願人の教示と関連して使用される語句「a」または「an」は、文脈によって明確に示されない限り、「1つ以上」または「少なくとも1つ」を包含することを理解されたい。質量分析を行なうための装置が、提供される。最初に、出願人の教示の種々の実施形態による、概して、参照番号20によって示される、質量分析計を図式的に示す図1を参照する。種々の実施形態では、質量分析計20は、図示されない着目試料からイオン24を発生させるためのイオン源22を備えている。種々の実施形態では、イオン源22は、背景ガスを含む高圧領域内に位置付けられることができる一方、イオン24は、矢印38によって示される方向に、第1の真空チャンバ26に向かって進行する。イオンは、入口開口28を通ってチャンバ26に流入し、そこで、イオンは、典型的には、例えば、出願人の米国特許第7,256,395号および第7,259,371号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるような超音速自由噴流膨張と称されるガスの超音速流によって同伴される。
【0014】
種々の側面では、イオン24は、矢印38によって示される方向に、第1の真空チャンバ26に向かって進行することができる。種々の側面では、真空ポンプ42は、好適な真空を第1の真空チャンバ26に提供することができる。種々の側面では、第1の真空チャンバは、約1トル〜約100トルの圧力を備えていることができる。種々の実施形態では、第1の真空チャンバは、約6トル〜約12トルの圧力を有することができる。第1の真空チャンバ26内の圧力は、ポンプ42によって維持されることができ、電力供給源40が、少なくとも1つのイオンガイド36に接続され、公知の様式においてRF電圧を提供することにより、イオン24を半径方向に閉じ込め、集中させ、第1の真空チャンバ26から通すことができる。種々の実施形態では、第1の真空チャンバ26は、第1の真空チャンバ26の中にイオンを通すための入口開口28と、入口開口28の下流に位置する出口開口32とを備えていることができる。種々の側面では、出口開口32は、図1、4、および7に例示されるように、さらなるイオンガイド56を格納し得る次のまたは第2の真空チャンバ45から第1の真空チャンバ26を分離することができる。種々の側面では、第2の真空チャンバの圧力は、約1トル〜約3トルであることができる。種々の側面では、真空ポンプ42bは、好適な真空を第2の真空チャンバ45に提供することができる。種々の側面では、後続真空チャンバ46および47は、それぞれの真空ポンプ42cおよび42dを具備することができる。真空チャンバ46および47は、イオンガイド60または質量分析器64を格納することができる。真空チャンバ47はさらに、太く短いロッド62を備えていることができる。種々の側面では、1つ以上の電力供給源は、電圧をイオンガイド36および56に供給することができる。
【0015】
種々の実施形態では、デクラスタリング電圧が、イオンをデクラスタリングするために、開口とRFイオンガイドとの間に提供されることができる。デクラスタリング電圧は、開口を含む金属プレート等のイオン光学要素とRFイオンガイドとの間または2つのRFイオンガイド間のDC電圧差を備えていることができ、DC電圧差は、背景ガス中のイオンの速度を増加させるように作用し、衝突を用いてイオンを励起し、イオン上に留まる任意の残留中立クラスタを除去するか、またはさらに、所望に応じて、イオンを断片化する。DC電圧差は、公知の様式において、DC電力供給源(図示せず)によって、種々のイオン光学要素に提供されることができる。時として、デクラスタリング電圧とも称されるDC電圧差は、当技術分野において公知のように、デクラスタリングまたは断片化の量を制御するために、制御されることができる。種々の実施形態では、デクラスタリングまたは断片化電圧は、例えば、入口開口28を含むプレートと第1のRFイオンガイド36との間、イオンガイド36と出口開口32を含むプレートとの間、または出口開口32とRFイオンガイド56との間、もしくは真空チャンバ45と46との間に提供されることができる。種々の実施形態では、2つ以上のデクラスタリング電圧が、2つ以上の場所において印加されることができる。種々の実施形態では、RFイオンガイド36または56は、2つ以上の区画を備えていることができる。種々の実施形態では、デクラスタリング電圧は、該真空チャンバ26、45、46、または47のいずれか内に位置するRFイオンガイドの2つ以上の区画間に提供されることができる。種々の実施形態では、デクラスタリング電圧は、それを通してイオンが方向付けられるプレート開口、イオン集束レンズ、またはRFイオンガイド等の任意のイオン光学要素と、任意の隣接するイオン光学要素との間に提供されることができる。
【0016】
図2に示されるように、種々の実施形態では、真空チャンバ26の入口開口28と出口開口32との間にあり、入口端34と、出口端38とを有する図1の少なくとも1つのイオンガイド36は、中心軸の周囲に配列され、イオンチャネルを画定する複数の電極を備えていることができる。種々の側面では、複数の電極は、テーパ状であることができ、複数のテーパ状電極の各々の平面表面は、少なくとも1つのイオンガイドの内部に面し、その表面は、徐々に細くされ、内向きに傾斜し、出口端においてより小さい内接半径を提供する。種々の側面では、複数のテーパ状電極の各々の表面は、任意の好適な形状であることができる。種々の側面では、表面は、湾曲されることができる。種々の側面では、表面は、凸面または凹面であることができる。種々の側面では、電力供給源は、RF電圧を少なくとも1つのイオンガイドに提供することができる。図2は、上面図、多極の入口からの図、および単一電極37を示す。
【0017】
種々の実施形態では、複数の電極の各々は、イオンガイドのより狭い出口端に向かって徐々により厚くなり、厚さは、イオンガイドの中心軸と略垂直な方向におけるものである。種々の側面では、複数の電極の各々は、入口端におけるより出口端において、約4倍厚い。
【0018】
種々の実施形態では、隣接する電極間の間隔は、イオンガイドの長さにわたって本質的に一定であることができる。種々の側面では、隣接する電極間の間隔は、約0.4mm〜約1.5mmであることができる。
【0019】
種々の実施形態では、入口開口28を通るガス流は、例えば、本出願人の米国特許第7,256,395号および7,259,371号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、自由噴流膨張を備え、自由噴流膨張において、ガスおよびイオンは、バレル形状の領域を通してRFイオンガイドの内部の中に高速で方向付けられる。種々の実施形態では、RFイオンガイド36の入口直径は、自由噴流のバレル衝撃の直径の少なくとも80%であるように選択されることができる。これは、自由噴流内に同伴されるイオンの大部分の割合が、RFイオンガイドによって捕捉され、イオンガイド内のRF場によって集中させられることができることを確実にする。自由噴流の境界内にも含まれる大ガス流は、RFイオンガイドの電極間の間隙を通して逃散し、それは、真空圧力をチャンバ26内に維持するために、真空ポンプ42によって圧送される。イオンガイドの内部から真空ポンプ42へのこのガス流は、半径方向ガス流を備えている。
【0020】
種々の実施形態では、入口端におけるより出口端において、イオンガイドの内部から外部へのガスの半径方向流に対してより大きい抵抗が存在する。図3に示されるように、イオンガイドの軸と垂直方向における電極Tの厚さ(二重終端実線矢印によって示される寸法)と組み合わせられた、隣接する電極間の間隙Gの幅(2つの単一終端実線矢印間の距離によって示される寸法)は、それを通して点線矢印によって示されるガス37aが、イオンガイドの内部から逃散するように流動しなければならないチャネルを備えている。半径方向ガス流に対する抵抗は、電極37が、入口端におけるより出口端においてより厚く、それによって、ガス伝導性を低減させ、半径方向ガス流に対する抵抗を増加させるので、イオンガイドの出口端においてより大きくあることができる。より厚いチャネルは、より薄いチャネルよりガス流に対して大きい抵抗を備え、それによって、入口端におけるより出口端において、外向きへの半径方向ガス流を低減させる。これは、ガスがイオンガイドの間隙を通してイオンを外向きに牽引する傾向を低減させ、それによって、イオンをイオンガイド内に含み、イオンを集中させで出口開口32を通すRFイオンガイドの能力を改良する。
【0021】
種々の実施形態では、イオンガイドは、12の電極を備えていることができ、各電極は、約0.4mmの間隙ずつ、隣接する電極から分離される。種々の実施形態では、12の電極は、中心軸と略垂直方向に、入口端における約1.5mmから出口端における約6mmまで増加する厚さTを有することができる。種々の実施形態では、厚さTは、出口において、入口におけるより約4倍大きい。
【0022】
種々の側面では、電極の長さは、約5cm〜約50cmである。種々の側面では、入口開口の直径28は、約0.15mm〜約5mmである。種々の側面では、出口開口32の直径は、約0.5mm〜約20mmである。種々の側面では、入口および出口開口のサイズは、イオンガイドの入口および出口端の直径を決定づけることができる。種々の実施形態では、イオンガイドの入口端の直径は、自由噴流の直径の少なくとも80%であるように選択されることができる。種々の実施形態では、イオンガイドの入口端は、約7mm〜約12mmの直径を有することができる。種々の実施形態では、イオンガイドの出口端は、約1.5mm〜約2.5mmの直径を有する。
【0023】
種々の側面では、第1の真空チャンバの圧力は、約1トル〜約100トルであることができる。種々の実施形態では、第1の真空チャンバは、約6トル〜約12トルの圧力を有することができる。
【0024】
種々の実施形態では、少なくとも1つのイオンガイドは、多極を備えていることができる。種々の実施形態では、多極は、任意の好適な数の電極を備えていることができる。種々の側面では、多極は、任意の偶数の電極を備えていることができる。種々の側面では、多極は、4つの電極、6つの電極、8つの電極、10の電極、12の電極、14の電極、および16の電極から選択される。種々の実施形態では、多極は、当技術分野において公知のように、極間のRF電圧の位相を好適に調節することによって、奇数の電極を備えていることができる。
【0025】
種々の実施形態では、少なくとも1つのイオンガイドは、一連の多極イオンガイドを備えていることができる。種々の側面では、一連の多極イオンガイドは、任意の好適な構成のロッドを備えていることができる。種々の実施形態では、図4に例示されるように、少なくとも1つのガイド36は、図2の複数の電極を備えていることができ、少なくとも第2のイオンガイド56は、平坦なT形状のロッド58を備えていることができる。種々の側面では、T形状のロッドは、イオンガイドの内部に面し得る平坦表面を有することができる。種々の側面では、少なくとも第2のイオンガイドは、出口端直径より大きい入口端直径を有することができる。図4に示されるように、T形状の電極のステムは、出口端直径が入口端直径より小さくなるように傾斜させられることができる。種々の側面では、少なくとも第2のイオンガイドは、第1のイオンガイドから放出されるイオンビームを捕捉するように選択され得る入口端直径を有することができる。種々の側面では、第2のイオンガイドは、丸形、平坦、長方形、卵形、T形状、または任意の他の好適な形状である、電極を備えていることができる。種々の実施形態では、第2のイオンガイドは、当技術分野において公知のように、リングガイドまたはイオン漏斗を備えていることができる。図4は、第1のイオンガイド36の多極の上面図と、第2のイオンガイド56の多極の上面図とを示す。種々の実施形態では、第2のイオンガイドは、図4に示されるように、出口に向かって収束しても、入口および出口端が同一直径であるように直線であってもよい。種々の側面では、第1のイオンガイドおよび第2のイオンガイドは、約1MHz〜約10MHzのRF周波数を有することができる。種々の側面では、第1のイオンガイドは、約3MHzのRF周波数を有することができ、第2のイオンガイドは、約1.5MHzのRF周波数を有することができる。種々の実施形態では、イオンガイドは、約20ボルト〜約300ボルトの電圧を有することができる。当技術分野において公知のように、イオンガイドのRF電圧は、異なるm/z値のイオンの最適伝送を提供するように調節されることができる。種々の実施形態では、イオンガイドのRF電圧は、第1の質量フィルタのm/z値の関数として走査されるか、または所望のもしくは好適な伝送効率を提供するために走査されることができる。種々の実施形態では、イオンガイドのRF電圧は、イオン束を低減させるために、選択された質量範囲のイオンの伝送効率を低減させるように選択されることができる。例えば、ある場合には、さらに下流の質量分析計システムの部分内の空間電荷効果を低減させるために、またはイオン検出器への飽和効果を低減させるために、イオン電流を低減させることが望ましい。質量分析計内のイオンガイドのうちの任意のもののRF電圧は、RF電圧またはRF周波数を最大伝送を提供する値から好適に増加または減少させることによって、イオンビームの強度を抑制するために使用されることができる。
【0026】
種々の実施形態では、第2のイオンガイドのRF電圧は、第1のイオンガイドのRF電圧の固定されたパーセンテージまたは比率であるように選択されることができる。種々の実施形態では、第2のイオンガイドのRF電圧は、当技術分野において公知のように、第1のイオンガイドからのRF電圧を容量分割器を通して分割することによって提供されることができる。
【0027】
種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、第1のイオンガイド36に続いて、少なくとも第2のイオンガイド56を備えていることができ、その少なくとも第2のイオンガイド56は、第1のイオンガイド36より小さい直径を備えている。種々の側面では、一連の多極イオンガイドは、四重極、六重極、八重極、より高次数の極、または任意のそれらの組み合わせを含む任意の数の電極を含むことができる。種々の側面では、第2のイオンガイド56は、図4に示されるように、別個の真空チャンバ内に位置し、開口プレート33によって、第1の真空チャンバから分離されることができる。第2のチャンバ内の圧力は、第1の真空チャンバ内の圧力より低い圧力であることができる。種々の実施形態では、第1の真空チャンバ内の圧力は、約6トル〜約12トルの範囲内であることができる。種々の実施形態では、第2の真空チャンバ内の圧力は、約1トル〜約3トルの範囲内であることができる。
【0028】
種々の側面では、第2のイオンガイドは、同一圧力で、第1のイオンガイドと同一真空チャンバ内に位置することができる。種々の実施形態では、少なくとも第1および第2のイオンガイドは、点検または置換のために除去され得るユニットとして、単一フランジ上に搭載されることができる。各イオンガイドは、フランジから別個に取り外し可能であることができる。フランジは、RF接続および容量分割器を収容することができ、それによって、RF電力供給への接続は、フランジを定位置に挿入することによって提供されることができ、RF接続は、搭載チャンバ上の好適な一連の電気プラグおよびソケットによって成される。
【0029】
図5に示されるように、種々の実施形態では、真空チャンバ26の入口28開口と出口開口32との間にあり、入口端34と、出口端38とを有する図1の少なくとも1つのイオンガイド36は、イオンチャネルを画定する複数の平面電極52を備えていることができ、複数の平面電極の各々は、イオンガイドの長さに沿って折り曲げられ、または曲げられ、少なくとも1つのイオンガイドの内部に面する徐々に細くなる平面表面39を形成する。種々の側面では、平面表面は、電極の各々の端部に向かってより細くなることができる。種々の側面では、複数の電極の各々は、テーパ状であることができる。種々の側面では、第2の平面表面41は、イオンガイドの軸に略直交する。種々の側面では、電力供給源は、RF電圧を少なくとも1つのイオンガイドに提供することができる。
【0030】
種々の側面では、複数の電極は、約90度で折り曲げられることができる。種々の側面では、電極の長さは、約5cm〜約50cmであることができる。種々の側面では、隣接する電極間の間隔は、一定であることができ、約0.1mm〜約1.5mmであることができる。種々の実施形態では、入口開口の直径は、約0.15mm〜約5mmであることができる。種々の側面では、出口開口の直径は、約0.5mm〜約20mmであることができる。種々の側面では、入口および出口開口のサイズは、イオンガイドの入口および出口端の直径を決定づけることができる。種々の実施形態では、イオンガイドの入口端は、約7mm〜約12mmの直径を有する。種々の実施形態では、イオンガイドの出口端は、約1.5mm〜約2.5mmの直径を有する。種々の実施形態では、少なくとも1つのイオンガイドの電極は、個々に、入口端における印刷回路基板および出口端における印刷回路基板に取り付けられるか、または、はんだ付けされることができる。印刷回路基板は、電極のための機械的搭載を提供することができ、電極への電気接続を提供することができる。RFおよびDC電圧をイオンガイドの電極に供給するコンデンサまたはレジスタ等の電気構成要素も、印刷回路基板上に搭載されるか、または、はんだ付けされることができる。印刷回路基板は、個々の構成要素を接続するためのワイヤの使用の必要性を低減させるために、従来の印刷回路基板において公知のような全回路接続およびトラックを含むことができる。種々の側面では、図1における開口32等の開口を含む開口プレートが、印刷回路基板上に搭載されることができる。種々の側面では、印刷回路基板は、隣接するチャンバ間の真空障壁の一部を形成することができる。種々の側面では、第1の真空チャンバの圧力は、約1トル〜約100トルであることができる。種々の実施形態では、第1の真空チャンバは、約6トル〜約12トルの圧力を有することができる。種々の実施形態では、電極は、金属から成ることができる。種々の実施形態では、電極は、シートまたはシム金属から形成されることができる。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、多極を備えていることができる。種々の実施形態では、多極は、任意の好適な数の電極を備えていることができる。種々の側面では、多極は、任意の偶数の電極を備えていることができる。種々の実施形態では、多極は、4つの電極、6つの電極、8つの電極、10の電極、12の電極、14の電極、および16の電極から選択されることができる。種々の側面では、電力供給源は、RF電圧を少なくとも1つのイオンガイドに提供することができる。
【0031】
図6は、図5に示されるように、線に沿って折り曲げられ、または曲げられ、平面表面を形成することができる薄く平坦な金属部品を備えている平坦ブレードを示す。
【0032】
種々の実施形態では、少なくとも1つのイオンガイドは、図7に示されるように、一連の多極イオンガイドを備えていることができる。図7に示される実施例では、少なくとも1つのガイド36は、図5の複数の電極を備えていることができ、少なくとも第2のイオンガイド56は、四重極ロッド58または任意の他のタイプのロッドを備えていることができる。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、第1のイオンガイド36に続き、少なくとも第2のイオンガイド56を備えていることができ、少なくとも第2のイオンガイド56は、第1のイオンガイド36より小さい直径を備えている。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドおよび後続の一連のイオンガイドは、平面電極またはロッドもしくはそれらの組み合わせを備えていることができる。種々の側面では、一連の多極イオンガイドは、四重極、六重極、八重極、より高次数の極、または任意のそれらの組み合わせを含む任意の数の電極を含むことができる。
【0033】
種々の実施形態では、高圧領域内において試料からイオンを発生させるためのイオン源を提供することを含む、質量分析を行う方法が、提供される。種々の側面では、真空チャンバは、高圧領域から真空チャンバの中にイオンを通すための入口開口と、真空チャンバからイオンを通すための出口開口とを備えているように提供される。種々の実施形態では、少なくとも1つのイオンガイドは、入口開口と出口開口との間に提供されることができ、少なくとも1つのイオンガイドは、入口端と、出口端とを備えていることができる。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、中心軸の周囲に配列され、イオンチャネルを画定する複数の電極を有することができ、複数の電極の各々は、テーパ状であり、複数のテーパ状電極の各々の平面表面は、少なくとも1つのイオンガイドの内部に面することができ、表面は、徐々に細くされ、内向きに傾斜し、出口端においてより小さい内接半径を提供する。種々の側面では、複数のテーパ状電極の各々の表面は、任意の好適な形状であることができる。種々の側面では、表面は、湾曲されることができる。種々の側面では、表面は、凸面または凹面であることができる。種々の側面では、電力供給源は、RF電圧を少なくとも1つのイオンガイドに提供するために提供されることができる。
【0034】
種々の実施形態では、入口端におけるより出口端において、イオンガイドの内部から外部への半径方向ガス流に対してより大きな抵抗が、存在する。ガス流に対する抵抗は、電極が、入口端におけるより出口端においてより厚く、それによって、ガス伝導性を低減させるか、または半径方向ガス流に対する抵抗を増加させるので、イオンガイドの出口端においてより大きくあることができる。
【0035】
種々の実施形態では、隣接する電極間の間隔は、イオンガイドの長さにわたって本質的に一定であることができる。種々の側面では、隣接する電極間の間隔は、約0.4mm〜約1.5mmであることができる。
【0036】
種々の実施形態では、複数の電極の各々は、イオンガイドのより狭い出口端に向かって徐々により厚くなり、厚さは、中心軸と略垂直な方向におけるものである。種々の実施形態では、複数の電極の各々は、出口端において、入口端におけるより約4倍厚くあることができる。
【0037】
種々の側面では、電極の長さは、約5cm〜約50cmであることができる。種々の側面では、入口開口の直径は、約0.15mm〜約5mmである。種々の側面では、出口開口の直径は、約0.5mm〜約20mmである。種々の側面では、入口および出口開口のサイズは、イオンガイドの入口および出口端の直径を決定づけることができる。種々の実施形態では、イオンガイドの入口端は、約7mm〜約12mmの直径を有する。種々の実施形態では、イオンガイドの出口端は、約1.5mm〜約2.5mmの直径を有する。
【0038】
種々の実施形態では、少なくとも1つのイオンガイドは、印刷回路基板に取り付けられることができる。
【0039】
種々の側面では、第1の真空チャンバの圧力は、約1トル〜約100トルであることができる。種々の実施形態では、第1の真空チャンバは、約6トル〜約12トルの圧力を有することができる。
【0040】
種々の実施形態では、少なくとも1つのイオンガイドは、多極を備えていることができる。種々の実施形態では、多極は、任意の好適な数の電極を備えていることができる。種々の側面では、多極は、任意の偶数の電極を備えていることができる。種々の側面では、多極は、4つの電極、6つの電極、8つの電極、10の電極、12の電極、14の電極、および16の電極から選択される。種々の実施形態では、12の電極が、約0.4mmの間隙ずつ分離され、中心軸と略垂直方向に、入口端における約1.5mmから出口端における約6mmへ増加する厚さを有するように提供される。
【0041】
種々の実施形態では、少なくとも1つのイオンガイドは、一連の多極イオンガイドを備えていることができる。種々の側面では、少なくとも1つのガイド36は、図2の複数の電極を備えていることができ、少なくとも第2のイオンガイド56は、四重極ロッドを備えていることができる。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、第1のイオンガイドに続き、少なくとも第2のイオンガイドを備えていることができ、少なくとも第2のイオンガイドは、第1のイオンガイドより小さい直径を備えている。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドおよび後続の一連のイオンガイドは、平面電極またはロッドもしくはそれらの組み合わせを備えていることができる。種々の側面では、一連の多極イオンガイドは、四重極、六重極、八重極、より高次数の極、または任意のそれらの組み合わせを含む任意の数の電極を含むことができる。
【0042】
種々の実施形態では、高圧領域内において試料からイオンを発生させることを含む質量分析を行う方法が、提供される。種々の側面では、イオンは、高圧領域から真空チャンバの中にイオンを通すための入口開口を備えている真空チャンバの中に通すことができる。種々の側面では、出口開口も、真空チャンバからイオンを通すために提供されることができる。種々の実施形態では、入口開口と出口開口との間に少なくとも1つのイオンガイドが提供され、少なくとも1つのイオンガイドは、入口端と、出口端とを有することができ、少なくとも1つのイオンガイドは、イオンチャネルを画定する複数の平面電極を有することができ、複数の平面電極の各々は、イオンガイドの長さに沿って折り曲げられ、または曲げられ、少なくとも1つのイオンガイドの内部に面する徐々に細くなる平面表面を形成する。種々の側面では、平面表面は、電極の各々の端部に向かってより細くなることができる。種々の側面では、複数の電極の各々は、テーパ状であることができる。種々の側面では、第2の平面表面が、イオンガイドの軸に略直交する。種々の側面では、RF電圧が、少なくとも1つのイオンガイドに印加されることができる。
【0043】
種々の実施形態では、複数の平面電極は、約90度で折り曲げられることができる。種々の側面では、電極の長さは、約5cm〜約50cmを構成する。種々の側面では、複数の電極間の間隔は、一定であることができ、約0.1mm〜約1.5mmであることができる。種々の実施形態では、入口開口の直径は、約1.5mm〜約5mmであることができる。種々の側面では、出口開口の直径は、約0.5mm〜約20mmであることができる。種々の側面では、入口および出口開口のサイズは、イオンガイドの入口および出口端の直径を決定づけることができる。種々の実施形態では、イオンガイドの入口端は、約7mm〜約12mmの直径を有する。種々の実施形態では、イオンガイドの出口端は、約1.5mm〜約2.5mmの直径を有する。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、印刷回路基板に取り付けられることができる。種々の実施形態では、第1の真空チャンバは、約1トル〜約100トルの圧力を有することができる。種々の実施形態では、第1の真空チャンバは、約6トル〜約12トルの圧力を有することができる。種々の側面では、電極は、金属を備えていることができる。
【0044】
種々の実施形態では、少なくとも1つのイオンガイドは、多極を備えている。種々の側面では、多極は、任意の偶数の電極を備えていることができる。種々の側面では、多極は、4つの電極、6つの電極、8つの電極、10の電極、12の電極、14の電極、および16の電極から選択される。
【0045】
種々の実施形態では、少なくとも1つのイオンガイドは、一連の多極イオンガイドを備えていることができる。種々の側面では、少なくとも1つのガイド36は、図5の複数の電極を備えていることができ、少なくとも第2のイオンガイド56は、四重極ロッドを備えていることができる。種々の実施形態では、少なくとも第2のイオンガイドは、T形状の電極を備えていることができる。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドは、第1のイオンガイドに続いて、少なくとも第2のイオンガイドを備えていることができ、少なくとも第2のイオンガイドは、第1のイオンガイドより小さい直径を備えている。種々の実施形態では、少なくとも第2のイオンガイドは、出口端直径より大きい入口端直径を備えていることができる。種々の側面では、少なくとも1つのイオンガイドおよび後続の一連のイオンガイドは、平面電極またはロッドもしくはそれらの組み合わせを備えていることができる。種々の側面では、一連の多極イオンガイドは、四重極、六重極、八重極、より高次数の極、または任意のそれらの組み合わせを含む任意の数の電極を備えていることができる。
【0046】
限定されないが、特許、特許出願、記事、書籍、論文、およびウェブページを含む、本願で引用される全文献および類似資料は、そのような文献および類似材料の形式にかかわらず、その全体として、参照することによって明示的に組み込まれる。定義される用語、用語の使用、説明される技法、または同等物を含むが、それらに限定されない、組み込まれた文献および類似資料のうちの1つ以上のものが、本願と異なるまたは矛盾する場合、本願が優先する。
【0047】
出願人の教示は、特に、具体的例証的実施形態を参照して図示および説明されたが、形式および詳細における種々の変更が、本教示の精神および範囲から逸脱することなく、行なわれてもよいことを理解されたい。したがって、本教示およびその均等物の精神ならびに範囲内にある全実施形態が、請求される。出願人の教示の方法の説明および略図は、そのように記載がない限り、要素の説明される順序に限定されるものと読まれるべきではない。
【0048】
出願人の教示は、種々の実施形態および実施例と併せて説明されたが、出願人の教示が、そのような実施形態または実施例に限定されることを意図しない。対照的に、出願人の教示は、当業者によって理解されるような種々の代替、修正、および均等物を包含し、全てのそのような修正または変形例は、本発明の領域および範囲内であると考えられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7