(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、前記表示装置の薄型化及び狭額縁化のために、斯かる保持部材をコンパクトにした場合は、プラスチック製の場合が多い保持部材では、その強度が低下する。従って、特許文献1と同様に、ねじを用いて前記保持部材の固定等を行う場合、ねじの打ち込みに耐え切れず斯かる保持部材に亀裂、変形等が発生し、又は固定が確実にできないという問題がある。しかしながら、特許文献1に係る液晶表示装置ではこのような問題を考慮していない。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光学シートと、該光学シートを囲んで該光学シートを保持する保持枠体と、前記光学シート及び前記保持枠体を収納する収納筐体とを備える表示装置において、確実に前記保持枠体の位置決め・固定を行うと共に、装置の薄型化及び狭額縁化を図ることが出来る表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る表示装置は、光学シートと、該光学シートを囲んで該光学シートを保持する保持枠体と、前記光学シート及び前記保持枠体を収納する収納筐体とを備える表示装置において、前記保持枠体より高い強度を有し、前記保持枠体の複数個所に取り付けられた取付部材と、前記取付部材に形成され、前記収納筐体との固定に用いられる固定孔とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、前記保持枠体より高い強度を有する取付部材を、前記保持枠体の複数個所に取り付け、前記取付部材に形成された固定孔を用いて、該取付部材を前記収納筐体に固定することにより、前記保持
枠体の位置決めを行う。
【0010】
本発明に係る表示装置は、前記取付部材は金属製であることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、金属製の取付部材を前記収納筐体に固定することにより、該取付部材を介して前記保持
枠体を前記収納筐体に固定し、位置決めを行う。
【0012】
本発明に係る表示装置は、前記保持枠体は前記取付部材との係合に用いられる係合突起を有し、前記取付部材は前記係合突起に対応する切り欠き部を有しており、前記係合突起及び前記切り欠き部の間には、前記保持枠体に沿う方向に、所定の間隔が存在することを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、前記係合突起及び前記切り欠き部の間に、前記保持枠体に沿う方向に、所定の間隔を設け、前記取付部材と前記保持枠体とが異なる材料であることによる、熱膨張量の違いに備える。
【0014】
本発明に係る表示装置は、前記収納筐体の外側に周設されたベゼルを備え、該ベゼルには、前記取付部材の前記固定孔に対応する貫通孔が形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、前記ベゼルに形成されている貫通孔及び前記取付部材の前記固定孔に、例えば、ビスを挿通することにより、前記取付部材を前記ベゼルに固定する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、前記保持枠体の位置決めを確実に行いながらも、斯かる表示装置の薄型化及び狭額縁化を図ることが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態に係る表示装置を、液晶パネルを備えるいわゆる液晶テレビジョン受像機に適用した場合を例として、図面に基づいて詳述する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における液晶テレビジョン受像機100の外観を示す正面図である。液晶テレビジョン受像機100
において、液晶表示パネル1及び他の部品は、ベゼル2及び後述するバックライトシャーシ6(収納筐体)に収納されている。
【0020】
図2は実施の形態1における液晶テレビジョン受像機100を構成する要部を模式的に示す分解斜視図であり、
図3は実施の形態1における液晶テレビジョン受像機100を構成する要部を模式的に示す断面図である。
図3は
図2のA−A線による断面図である。
【0021】
本実施の形態1に係る液晶テレビジョン受像機100は、
図1に示したように、表側の一面に矩形の液晶表示パネル1を備えており、液晶表示パネル1はその一面に映像を表示する。また、液晶表示パネル1の裏側には光学シート3と、保持枠体4と、光源装置5と、バックライトシャーシ6とが斯かる順に設けられている。また、光源装置5は光源51、導光板52及び反射シート53を有している。
【0022】
光学シート3、保持枠体4及び光源装置5は、一面が開放された直方体の箱状をなすバックライトシャーシ6(筐体)に収納されており、光学シート3の周縁側、及びバックライトシャーシ6の側壁側は矩形の枠形状のベゼル2によって取り囲まれている。
【0023】
光学シート3は一面が液晶表示パネル1の他面と対向するように配置されており、また、導光板52は一面が光学シート3の他面と対向するように配置され、更に反射シート53は一面が導光板52の他面と対向するように配置されている。
【0024】
ベゼル2は、矩形状の枠体である。ベゼル2は、矩形の筒状の側板と、該側板の一端部から内向きに張り出した環状板の額縁部21とからなり、液晶テレビジョン受像機100の厚み方向での断面形状はL字状をなす。液晶表示パネル1より表側には、ベゼル2の額縁部21が配置されている。換言すれば、液晶表示パネル1は、前記一面の周縁部がベゼル2の額縁部21によって覆われている。ユーザは額縁部21を介して液晶表示パネル1の前記一面に表示される画像を視認することができる。
【0025】
液晶表示パネル1は、表示パネルであり、矩形の平板状をなす。液晶表示パネル1は、アクティブマトリクス方式を採用している。また、液晶表示パネル1は前記他面に偏光板(図示せず)を設けており、該偏光板を用いて入射される光をP波(水平偏光成分)とS波(垂直偏光成分)に分離し、P波だけが前記一面に向けて出て行き、S波は該偏光板に吸収されるように構成されている。液晶表示パネル1は、例えば電気泳動液晶パネルであっても良い。
【0026】
液晶表示パネル1の前記他面側に設けられた光学シート3は、光源51から発せられ、導光板52を介して入射される光に対して拡散、集光等を行ない、より均一な光を液晶表示パネル1に向けて出射させる、公知のものである。例えば、光学シート3は、重ね合わせた3枚のシートを有する。より詳しくは、光学シート3は2枚の拡散シートと、1枚のプリズムシートとを有しており、該プリズムシートは2枚の拡散シートの間に介在している。前記プリズムシート及び前記拡散シートは同じ矩形であり、同一の大きさを有している。
【0027】
2枚の拡散シートのうち導光板52側に配置された一の拡散シートは、導光板52を介して光源51から入射される光を拡散させて前記プリズムシートに入射させる光学シートである。また、前記プリズムシートは、前記一の拡散シートを介して入射される光を集光して他の拡散シートに向けて出射させる光学シートである。前記プリズムシートを通過した光は、前記プリズムシートに対して垂直に前記他の拡散シートへ入射される。
【0028】
液晶表示パネル1側に配置された前記他の拡散シートは、前記プリズムシートを介して入射される光を更に拡散させてより均一な輝度分布にして液晶表示パネル1の前記他面に向けて出射させる光学シートである。
【0029】
また、光学シート3は、一長辺に、5つの係合鍔34,…,34を有する。係合鍔34,…,34は保持枠体4との係合に用いられる。係合鍔34,…,34は矩形をなしており、各係合鍔34には、保持枠体4との係合のために係合孔35が形成されている。例えば、係合孔35は、光学シート3の長手方向に長い長穴状をなす。
【0030】
光学シート3の前記他面側(導光板52との対向面側)であって、該他面の周縁部付近には、光学シート3の縁を取り囲み、光学シート3を保持する保持枠体4が設けられている。上述したように、保持枠体4は、光学シート3と係合を行うことにより、液晶表示パネル1と対向するよう光学シート3を保持する。
【0031】
保持枠体4の外周縁側にはバックライトシャーシ6の側壁61が配置されている。保持枠体4の
開口部の大きさは、導光板52の前記一面よりも小さい。
【0032】
また、光学シート3の前記他面と対向する保持枠体4の一面には、内側の縁に、係合突起43が設けられている。保持枠体4の斯かる縁には、例えば、5つの係合突起43が光学シート3の厚み方向に突出されており、これら係合突起43,…,43は係合鍔34,…,34の係合孔35,…,35に対応するよう設けられている。従って、係合突起43,…,43と係合孔35,…,35との係合により、光学シート3が保持枠体4に保持される。
【0033】
更に、保持枠体4には、光学シート3に沿う方向に突出され、液晶表示パネル1を保持する保持板44が、保持枠体4の長手方向に沿って設けられており、保持板44の液晶表示パネル1側
の面には、液晶表示パネル1が載置されるクッション45が付されている。
【0034】
従って、液晶表示パネル1は、周縁部の他面がクッション45上に載置された状態にて、ベゼル2の額縁部21によってクッションを介して斯かる周縁部の一面が押し付けられることにより、挟持される。
【0035】
一方、保持枠体4はバックライトシャーシ6の側壁61の内側に固定されている。また、ベゼル2において、額縁部21を除く側壁22が、バックライトシャーシ6の側壁61の外側に周設されている。すなわち、バックライトシャーシ6の側壁61及びベゼル2の側壁22は対向配置されており、側壁61は側壁22に固定されている。
【0036】
保持枠体4と、バックライトシャーシ6の側壁61と、ベゼル2の側壁22とは、ネジ、リベット、ビス等の止め具Vを用いて、ベゼル2の側壁22に沿った複数個所にて固定されている。
【0037】
詳しくは、保持枠体4は、後述する固定孔421を有しており、バックライトシャーシ6の側壁61には、固定孔421と整合する位置に、側壁61を厚み方向に貫通する貫通孔62が形成され、ベゼル2の側壁22には固定孔421及び貫通孔62と整合する位置に、側壁22を厚み方向に貫通する貫通孔23が形成されている。従って、固定孔421、貫通孔62及び貫通孔23に止め具Vを挿通させることにより固定され、保持枠体4の位置決め(固定)を確実に行うことが出来る。
【0038】
光学シート3の他面側には矩形の導光板52が配置されている。すなわち、導光板52の前記一面は光学シート3の前記他面と対向して配置されている。導光板52は光源51から出射され、その一側面から入射される光を拡散させて前記一面から光学シート3に向けて出射させる。
【0039】
導光板52は、例えば、透明の板材(ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等)からなる。光源としてLEDのような点光源を使用した場合、導光板52は各点光源からの光を拡散させて均一に面発光として前記一面から出射させる。
【0040】
反射シート53は、例えば、矩形であり、その一面が導光板52の前記他面と対向するように配置され、導光板52の前記他面から出射される光を導光板52に戻す。
【0041】
また、導光板52の前記一側面には、光源51が設けられている。光源51は、例えば、基板54上に実装された複数の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)55を含む。
【0042】
保持枠体4は、バックライトシャーシ6の側壁61及びベゼル2の側壁22との固定に用いる取付部材42を備えており、保持枠体4は取付部材42が取り付けられる被取付部41を有している。取付部材42は保持枠体4より高い強度(硬さ)を有する材料からなり、保持枠体4の複数個所に取り付けられている。保持枠体4は、例えば、金属製である。
【0043】
図4は実施の形態1に係る液晶テレビジョン受像機100における、保持枠体4の取付部材42の付近を拡大した拡大斜視図であり、
図5は取付部材42を保持枠体4から取り外した場合を表す斜視図であり、
図6は
図4のB−B線による断面図である。
【0044】
保持枠体4には、上述したように、取付部材42が取り付けられるための被取付部41が形成されている。被取付部41は、保持枠体4の長手方向に沿って、所定の範囲に形成されている。被取付部41の両端部には、取付部材42との係合のための係合突起413,413を有している。保持枠体4において、係合突起413,413は、ベゼル2の額縁部21と対向する一面から額縁部21に向かって突設されている。
【0045】
また、被取付部41には、係合突起413,413と反対側に、挟持凹部412,412が形成されている。取付部材42が被取付部41に取り付けられる際、挟持凹部412には、後述する取付部材42の挟持曲げ部422が配置される。
【0046】
係合突起413,413及び挟持凹部412,412を用いて取付部材42は被取付部41に嵌着される。
【0047】
更に、被取付部41には、取付部材42が被取付部41に取り付けられる際、止め具Vの端部を収納する止め具収納部411を有する。止め具収納部411はバックライトシャーシ6の側壁61及びベゼル2の側壁22の対向方向に窪んだ凹部である。
【0048】
一方、取付部材42は金属板材からなり、断面視L字状をなしている。取付部材42は保持枠体4に沿う長手方向を有する短冊状であって、バックライトシャーシ6の側壁61と対向配置される側壁対向板424を有する。側壁対向板424の一長辺には側壁対向板424と直角をなすように、額縁部21と対向する額縁対向板425が延設されている。すなわち、取付部材42は、側壁対向板424がバックライトシャーシ6の側壁61と対向し、額縁対向板425はベゼル2の額縁部21と対向するように、被取付部41に取り付けられる。額縁対向板425は、側壁対向板424より短手方向の寸法が小さい短冊状をなしている。
【0049】
取付部材42の側壁対向板424には止め具Vに対応する固定孔421が形成されている。固定孔421は取付部材42を厚み方向に貫通する貫通孔であり、止め具Vに挿通され、取付部材42(保持枠体4)をバックライトシャーシ6の側壁61に、又は、ベゼル2の側壁22に固定させる。
【0050】
近年においては、表示装置の薄型化及び狭額縁化のため、保持枠体4が細くなりつつある。一方、本実施の形態1の如く止め具Vを
用いる場合は、保持枠体4に孔あけ加工を施す必要があるが、保持枠体4はプラスチックからなる場合が多いうえに、上述したように、細くなっているので、斯かる孔あけ加工に耐え切れず亀裂、変形等が発生する問題がある。また、このような場合は、止め具Vによる固定の効果を期待できない。
【0051】
しかし、本実施の形態1に係る液晶テレビジョン受像機100においては、斯かる固定に、保持枠体4よりも強度が高い金属製の
取付部材42が用いられるので、保持枠体4を細くしても斯かる孔あけ加工に耐えることができ、亀裂、変形等が発生する問題を解決できる。従って、本実施の形態1に係る液晶テレビジョン受像機100においては、斯かる薄型化及び狭額縁化を図りつつ、保持枠体4をバックライトシャーシ6の側壁61に、又は、ベゼル2の側壁22に確実に固定できる。
【0052】
取付部材42においては、側壁対向板424及び額縁対向板425からなるエッジ部であって、側壁対向板424又は額縁対向板425の両端部に、被取付部41の係合突起413,413に対応する切り欠き423,423が形成されている。すなわち、取付部材42が被取付部41に取り付けられる際、係合突起413,413及び切り欠き423,423は係合を行う。
【0053】
切り欠き423,423は、斯かる係合の際、側壁対向板424の長手方向に、換言すれば、保持枠体4の長手方向において、係合突起413,413との間に所定の間隔Gを有するように構成されている(
図4参照)。
【0054】
本実施の形態1に係る液晶テレビジョン受像機100においては、このように係合突起413,413と切り欠き423,423との間に間隔Gが存在することにより、保持枠体4の熱膨張に対応できる。
【0055】
保持枠体4がプラスチック製である場合、光源が発する熱により、熱膨張する。しかし、取付部材42は、保持枠体4と異なる材質からなり、熱膨張量も異なる。すなわち、プラスチック製の保持枠体4は金属製の取付部材42より熱膨張量が数倍大きく、保持枠体4の熱膨張の際には、係合突起413,413及び切り欠き423,423の係合が解除され、保持枠体4の収縮の際には、斯かる収縮が係合突起413,413及び切り欠き423,423の係合によって制限され、変形が発生する虞もある。
【0056】
しかし、本実施の形態1に係る液晶テレビジョン受像機100においては、係合突起413,413と切り欠き423,423との間に間隔Gが存在し、保持枠体4の熱膨張・収縮に伴う係合突起413,413の移動に対応できるので、上述したような問題を解決できる。
【0057】
側壁対向板424の前記一長辺と対向する他長辺には、取付部材42を被取付部41に挟持させる挟持曲げ
部422,422が形成されている。挟持曲げ
部422は、側壁対向板424の前記他長辺側の縁部において、斯かる辺縁から内側へ所定の距離の位置にて、側壁対向板424の厚み方向に切り込みを入れて、該切り込みより縁側を被取付部41側に曲げることにより形成される。
【0058】
従って、挟持曲げ
部422,422は被取付部41に向けて突出しており、挟持凹部412,412に収納される。この際、挟持曲げ
部422,422は、側壁対向板424の前記一長辺側の縁422Aが挟持凹部412,412と当接する。
【0059】
すなわち、挟持曲げ
部422,422及び額縁対向板425により、取付部材42は被取付部41を挟持する(
図6参照)。
【0060】
(実施の形態2)
以上においては、保持枠体4と、バックライトシャーシ6と、ベゼル2とが、止め具Vを用いて共に固定されている場合を例として説明したが、本発明はこれに限るものでない。
【0061】
図7は実施の形態2に係る液晶テレビジョン受像機100において、保持枠体4とバックライトシャーシ6の側壁61との固定を説明する斜視図である。
【0062】
実施の形態2においては、取付部材42が保持枠体4の被取付部41に嵌着され、側壁61の貫通孔62が
取付部材42の固定孔421と整合するよう、バックライトシャーシ6が配置され、固定孔421及び貫通孔62に止め具Vを挿通される。次いで、止め具Vを覆うようにベゼル2が組み立てられる。
【0063】
このような構成を有する実施の形態2の液晶テレビジョン受像機100においては、保持枠体4の位置決め(固定)を確実に行うと共に、止め具Vが液晶テレビジョン受像機100の外側から見えないようにすることにより、見栄えをよくすることが出来る。
【0064】
以上の説明では、液晶テレビジョン受像機100がいわゆるエッジ型バックライトを用いる場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものでなく、いわゆる直下型バックライトを用いる場合でも適用可能である。