(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6483275
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】グラフェン繊維不織布の製造方法
(51)【国際特許分類】
D04H 1/4242 20120101AFI20190304BHJP
D04H 1/74 20060101ALI20190304BHJP
D01F 9/12 20060101ALI20190304BHJP
D01D 5/06 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
D04H1/4242
D04H1/74
D01F9/12
D01D5/06
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-547570(P2017-547570)
(86)(22)【出願日】2017年3月28日
(65)【公表番号】特表2018-524482(P2018-524482A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】CN2017078393
(87)【国際公開番号】WO2018014583
(87)【国際公開日】20180125
【審査請求日】2017年9月5日
(31)【優先権主張番号】201610568052.8
(32)【優先日】2016年7月18日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517312490
【氏名又は名称】ヂェァジァン ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガオ チャオ
(72)【発明者】
【氏名】リー ヂォン
【審査官】
弘實 由美子
(56)【参考文献】
【文献】
特表2015−524883(JP,A)
【文献】
特表2015−530492(JP,A)
【文献】
特表2013−527332(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/074125(WO,A1)
【文献】
特開2012−099363(JP,A)
【文献】
Programmable Writing og Graphene Oxide/Reduced Graphen Oxide Fibers for Sensible Networks with in Situ Welded Junctions,ACS NANO,2004年 4月 7日,VOL. 8/NO. 5,4325−4333頁
【文献】
Graphene chiral liquid crystals and macroscopic assembled fibres,NATURE COMMUNICATIONS,2011年12月 6日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H 1/00−18/04
C01B 32/00−32/991
D01F 9/08− 9/32
D01D 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1〜1000μmの直径を有するグラフェン繊維が相互に接続されることにより網目構造が形成され、網格子の節点箇所のグラフェン繊維同士が相互融合し、前記グラフェン繊維は、グラフェンシートが軸方向に沿って配向配列されることによって形成されていることを特徴とするグラフェン繊維不織布の製造方法であって、
N、N−ジメチルホルムアミドを溶剤とした濃度が1〜15mg/mLの酸化グラフェン分散液を紡糸液として調製するステップ1と、
0.01〜10mL/minの押出速度で直径が10〜1000μmの紡糸管を介して凝固液内に紡糸液を導入し、前記凝固液内に30〜200min浸漬させた後凝固してできた糸を真空濾過収集して室温で5〜30h放置し、60℃で真空乾燥させて酸化グラフェン繊維からなるフィルムを得るステップ2と、
ステップ2で得られたフィルムを水とエタノールとの混合液内に再分散させて得られた酸化グラフェン繊維の懸濁液を、フィルタを介して濾過堆積させ、フィルタ上で酸化グラフェン繊維不織布を得、前記酸化グラフェン繊維不織布をエタノールで3回洗浄し、80℃で乾燥させるステップ3と、
乾燥後の酸化グラフェン繊維不織布を還元させてグラフェン繊維不織布を得るステップ4とを含むことを特徴とするグラフェン繊維不織布の製造方法。
【請求項2】
前記凝固液は、酢酸エチルであることを特徴とする請求項1に記載のグラフェン繊維不織布の製造方法。
【請求項3】
前記凝固液が回転可能な円形容器内に入れられ、グラフェン繊維の長さが2mm以上となるように、前記円形容器の回転速度と前記紡糸液の押出速度との比の値を制御することを特徴とする請求項1に記載のグラフェン繊維不織布の製造方法。
【請求項4】
グラフェン繊維からなるフィルムを再分散するための水とエタノールとの混合液の成分は、体積比が水:エタノール=3:1〜1:3であるように配合されていることを特徴とする請求項1に記載のグラフェン繊維不織布の製造方法。
【請求項5】
グラフェン短繊維を収集するためのフィルタは、孔径の範囲が0.2〜100μmであるミリポアフィルタ、フィルタガーゼ又はステンレス金属メッシュであることを特徴とする請求項1に記載のグラフェン繊維不織布の製造方法。
【請求項6】
還元方法は、ヨウ化水素酸、ヒドラジン水和物、ビタミンC、水素化ホウ素ナトリウム等の化学還元剤を用いた還元又は100〜3000℃での熱還元であることを特徴とする請求項1に記載のグラフェン繊維不織布の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフェン織物に関し、特にグラフェン繊維からなる不織
布に関する。
【背景技術】
【0002】
グラフェンは、単原子層の厚さしかない炭素の同素体であり、既知の材料の中で最も高い強度、高い熱伝導率及びキャリア移動度を有する。従って、2004年にGeim等の人物によって報道されて以来(Science、2004、306: 666−669)、大いに注目を集めている。グラフェン繊維は、二次元グラフェンシート層の一次元マクロスケールにおける組立構造であり、高い強度、極めて高い導電性及び熱伝導性等の特徴を示している。このようなマクロ材料は、グラフェン自体の優れた性能のお陰で、極めて大きな可能性及び価値を有する。グラフェン繊維のさらなる実用性を促進するための戦略の1つは、それらを織り込んで、柔軟で且つ導電性及び熱伝導性の高い機能性織物を得ることである。
【0003】
一方、例えば、骨格とするポリマ繊維織物に酸化グラフェン溶液をディップコーティングした後に還元させてグラフェンコーティング(Carbon、 2010、 48(12): 3340−3345)を得て、又は、グラフェンをポリマ繊維に添加して複合材料繊維(Macromolecules、 2010、 43(16): 6716−6723)を製造してから織物を作るように、織物にグラフェンを添加することにより、織物の性能が改善される。しかしながら、上記の方法で得られた織物は、グラフェンの添加によって性能がある程度向上するが、完全なグラフェン織物ではないため、グラフェンの含有量が高い水準まで達しない。一方、グラフェンの含有量がより高い高分子材料自体の性能が限られているため、極めて高い導電性、熱伝導性の取得が制限されている。現在、完全にグラフェン繊維で構成された織物は開示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のグラフェン変性織物は、グラフェンの含有量が少ないため、実際の応用における性能を制限している。当該問題に関し、本発明は、純粋なグラフェン繊維からなる不織布及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
グラフェン繊維不織布の製造方法は、
1〜1000μm(1〜100μmであってもよい)の直径を有するグラフェン繊維が相互に接続されることにより網目構造が形成され、網格子の節点箇所のグラフェン繊維同士が相互融合し、前記グラフェン繊維は、グラフェンシートが軸方向に沿って配向配列されることによって形成されていることを特徴とするグラフェン繊維不織布の製造方法であって、以下の具体的なステップを含む。
ステップ1:N、N−ジメチルホルムアミドを溶剤とした濃度が1〜15mg/mLの酸化グラフェン分散液を紡糸液として調製する。
ステップ2:0.01〜10mL/minの押出速度で直径が10〜1000μmの紡糸管を介して凝固液内に紡糸液を導入し、凝固液内に30〜200min浸漬させた後に凝固してできた糸を真空濾過収集して室温で5〜30h放置し、60℃で真空乾燥させて酸化グラフェン繊維からなるフィルムを得る。
ステップ3:ステップ2で得られたフィルムを水とエタノールとの混合液内に再分散させて得られた酸化グラフェン繊維の懸濁液を、フィルタを介して濾過堆積させることにより、フィルタ上で酸化グラフェン繊維不織布を得る。酸化グラフェン繊維不織布をエタノールで3回洗浄し、80℃で乾燥させる。
ステップ4:乾燥後の酸化グラフェン繊維不織布を還元させてグラフェン繊維不織布を得る。
【0008】
さらに、前記凝固液は、酢酸エチルである。
【0009】
さらに、前記凝固液は、回転可能な円形容器内に入れられ、グラフェン繊維の長さが2mm以上となるように、前記円形容器の回転速度と前記紡糸液の押出速度との比の値を制御する。
【0010】
さらに、グラフェン繊維フィルムを再分散するための水とエタノールとの混合液の成分は、体積比が水:エタノール=3:1〜1:3であるように配合されている。
【0011】
さらに、グラフェン短繊維を収集するためのフィルタは、孔径の範囲が0.2〜100μmであるミリポアフィルタ、フィルタガーゼ又はステンレス金属メッシュである。
【0012】
さらに、還元方法は、ヨウ化水素酸、ヒドラジン水和物、ビタミンC、水素化ホウ素ナトリウム等の化学還元剤を用いた還元又は100〜3000℃での熱還元である。
【発明の効果】
【0013】
従来技術と比較すれば、以下の有益な効果を有する。
(1)得られたグラフェン繊維不織布は、完全なグラフェン繊維から構成されており、高分子ポリマ等の弱導電性熱伝導性材料が添加されておらず、また、グラフェンシート層の繊維内部での配向配列及びグラフェン繊維同士の相互の接続により伝導網が構成され、従って、還元後により高い導電性熱伝導性を有し、幅広い実用性及び将来性を有する。
(2)溶液紡糸法によりグラフェン短繊維が直接に得られ、且つグラフェン繊維不織布が構成されているため、方法が簡単であり、大量生産が容易である。
(3)得られたグラフェン繊維不織布の構造及び性能は、グラフェン繊維の直径及び長さを調整することにより高度に制御可能である。
(4)得られたグラフェン繊維不織布は、良好な強度及び靭性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】典型的なグラフェン繊維不織布の走査型電子顕微鏡写真であり、内部構造が不規則なグラフェン繊維の堆積によって形成されていることを示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るグラフェン繊維不織布は、1〜1000μmの直径を有するグラフェン繊維のみが相互に接続されることにより網目構造が形成されている。グラフェン繊維は、グラフェンシートが軸方向に沿って配向配列されることで形成され、グラフェン繊維同士は、ある程度粘着且つ融合しているため、繊維間の相互作用が大幅に増加する。ポリマを含有する従来のグラフェン変性織物に対して、導電及び熱伝導性能が著しく向上している。
【0016】
グラフェンのみからなる網目構造を有する不織布を構成するために、本発明では、湿式紡糸で得られた酸化グラフェン繊維からなるフィルムを再分散且つ堆積させることによって、繊維で接続された、平坦な形状を有する酸化グラフェン不織布の構造を得る。ステップ2で得られた凝集したグラフェン繊維を溶液内に再分散するように再分散且つ堆積させる(即ち、ステップ3)ことによって、繊維に含まれている溶剤の量が大幅に減少し、酸化グラフェン繊維の乾燥工程中における体積収縮が著しく低下し、酸化グラフェン繊維不織布の構造が維持される。従って、湿式紡糸繊維の溶剤の除去過程において、大幅な体積収縮で不織布が成形できないという技術的課題が解決される。最終的に得られたグラフェン繊維不織布は、低密度、高気孔率、大比表面積という特性を示している。また、再分散後の酸化グラフェン繊維は、軽度の膨潤状態であり、繊維の表面構造が緩いため、堆積の際に相互に接続された節点で融合が起こり、繊維の間では、もはや弱い摩擦力ではなく、より強いπ‐π相互作用が提供されている。さらに、繊維融合の後に一体式の伝導網が形成されることにより、伝導過程において繊維の接続箇所の遷移によって引き起こされたエネルギー損失が回避され、従って、導電熱伝導性能がより良好である。
【0017】
上記の特徴に基づいて、本発明に係るグラフェン繊維不織布は、触媒反応分野並びにエネルギー分野における電極及び隔膜材料等に使用されることが期待できる。
【0018】
なお、上記の分散過程で使用されている分散液(水とエタノールとの混合溶液)は、厳密にコントロールされている。多くの実験の結果、水の割合が大きすぎると、乾燥時の収縮が深刻になり、不織布を得ることができない。エタノールの割合が大きすぎると、ステップ2で得られた酸化グラフェン繊維フィルムの再分散を実現することができないことが判明した。これは、水と酸化グラフェンとの親和性により、ステップ2における乾燥且つ凝集した酸化グラフェン繊維が膨潤して再分散を達成できるからであろう。 エタノールの作用としては、繊維の過度の吸水及び膨潤を抑制し、乾燥過程での過度の収縮を回避することである。従って、水とエタノールとの最終的に確定された体積比は、3:1〜1:3である。
【0019】
以下、実施例を挙げつつ本発明について詳細に説明する。これらの実施例は、本発明についてのさらなる説明のみに用いられ、本発明の保護範囲を限定するものではない。当業者が詳細な説明内容に基づいて成した非本質的な変更及び調整は、本発明の保護範囲内にある。
【0020】
<実施例1>
ステップ1:N、N−ジメチルホルムアミドを溶剤とした濃度が5mg/mLの酸化グラフェン分散液を紡糸液として調製する。
ステップ2:0.04mL/minの押出速度で直径が100μmの紡糸管を介して酢酸エチル凝固液内に紡糸液を導入し、凝固浴の回転速度を100rpmに制御し、グラフェン短繊維の長さを20〜40mmに維持させる。紡糸液を凝固液内に30min浸漬させた後に凝固してできた糸を真空濾過収集して室温で5h放置し、60℃で3h真空乾燥させて酸化グラフェン繊維からなるフィルムを得る。
ステップ3:乾燥後の酸化グラフェン繊維フィルムを水とエタノールとの混合液内に再分散させる。使用している水とエタノールとの体積比は、表1に示されている。実験の結果、水とエタノールとの体積比は3:1が最適であることが確定され、これによって得られた酸化グラフェン短繊維の懸濁液を孔径が500μmのフィルタガーゼで濾過堆積させ、エタノールで3回洗浄し、80℃で10h乾燥させて酸化グラフェン繊維不織布を得る。
ステップ4、酸化グラフェン繊維不織布を3000℃で還元させて、グラフェン繊維不織布を得る。
【0021】
上記のステップを経て得られたグラフェン繊維不織布のミクロ構造は、不規則に堆積したグラフェン短繊維であり、短繊維がリボン状であり、幅が10〜30μmである。不織布の密度が約0.22mg/cm
3で、全体の引張強度が0.5〜1.0MPaで、破断伸びが3.5%〜5%であり、良好な靱性を有し、導電率が25000〜30000S/mである。
【0023】
<実施例2>
ステップ1:N、N−ジメチルホルムアミドを溶剤とした濃度が6mg/mLの酸化グラフェン分散液を紡糸液として調製する。
ステップ2:0.06mL/minの押出速度で直径が200μmの紡糸管を介して酢酸エチル凝固液内に紡糸液を導入し、凝固浴の回転速度を120rpmに制御し、グラフェン短繊維の長さを20〜40mmに維持させる。紡糸液を凝固液内に200min浸漬させた後に凝固してできた糸を真空濾過収集して室温で30h放置し、60℃で3h真空乾燥させて酸化グラフェン繊維からなるフィルムを得る。
ステップ3:乾燥後の酸化グラフェン繊維フィルムを体積比が1:2の水とエタノールとの混合液内に再分散させ、得られた酸化グラフェン短繊維の懸濁液を、孔径が500μmのフィルタガーゼを介して濾過堆積させ、エタノールで3回洗浄し、80℃で24h乾燥させて酸化グラフェン繊維不織布を得る。
ステップ4:酸化グラフェン繊維不織布を3000℃で還元させて、グラフェン繊維不織布を得る。
【0024】
上記のステップを経て、グラフェン繊維不織布を構成するミクロ構造は、不規則に堆積したグラフェン短繊維であり、短繊維がリボン状であり、幅が40〜100μmである。不織布の密度が約0.20mg/cm
3で、全体の引張強度が0.2〜0.3MPaで、破断伸びが15%〜20%で、導電率が10000〜13000S/mである。
【0025】
<実施例3>
ステップ1は、実施例1と同様である。
ステップ2:10mL/minの押出速度で直径が200μmの紡糸管を介して酢酸エチル凝固液内に紡糸液を導入し、凝固浴の回転速度を200rpmに制御し、グラフェン短繊維の長さを20〜40mmに維持させる。紡糸液を凝固液内に60min浸漬させた後に凝固してできた糸を真空濾過収集して室温で20h放置し、60℃で3h真空乾燥させて酸化グラフェン繊維からなるフィルムを得る。
ステップ3、4は、実施例1と同様である。
【0026】
上記のステップを経て、グラフェン繊維不織布を構成するグラフェン短繊維は、幅が60〜200μmであり、不織布の密度が約0.21mg/cm
3で、全体の引張強度が0.7〜0.9MPaで、破断伸びが2.2%〜3.5%であり、良好な靱性を有し、導電率が8000〜12000S/mである。
【0027】
<実施例4>
ステップ1〜3は、実施例1と同様であり、ステップ4では、ヨウ化水素酸を用いて化学還元を行う。得られたグラフェン繊維不織布は、密度が約0.25mg/cm
3で、強度が0.5〜1MPaで、破断伸びが1.5%〜2%で、導電率が250〜300S/mである。
【0028】
<実施例5>
ステップ1:N、N−ジメチルホルムアミドを溶剤とした濃度が1mg/mLの酸化グラフェン分散液を紡糸液として調製する。
ステップ2:0.01mL/minの押出速度で直径が10μmの紡糸管を介して酢酸エチル凝固液内に紡糸液を導入し、凝固浴の回転速度を100rpmに制御し、グラフェン短繊維の長さを20〜40mmに維持させる。紡糸液を凝固液内に200min浸漬させた後に凝固してできた糸を真空濾過収集して室温で5h放置し、60℃で真空乾燥させて酸化グラフェン繊維からなるフィルムを得る。
ステップ3:ステップ2で得られたフィルムを体積比が3:1の水とエタノールとの混合液内に再分散させ、得られた酸化グラフェン繊維の懸濁液を、フィルタガーゼを介して濾過堆積させることにより、フィルタガーゼ上で酸化グラフェン繊維不織布を得る。酸化グラフェン繊維不織布をエタノールで3回洗浄し、80℃で乾燥させる。
ステップ4:乾燥後の酸化グラフェン繊維不織布を3000℃で還元させてグラフェン繊維不織布を得る。
【0029】
<実施例6>
ステップ1:N、N−ジメチルホルムアミドを溶剤とした濃度が15mg/mLの酸化グラフェン分散液を紡糸液として調製する。
ステップ2:0.1mL/minの押出速度で直径が1000μmの紡糸管を介して酢酸エチル凝固液内に紡糸液を導入し、凝固浴の回転速度を220rpmに制御し、グラフェン短繊維の長さを20〜40mmに維持させる。紡糸液を凝固液内に200min浸漬させた後に凝固してできた糸を真空濾過収集して室温で5h放置し、60℃で真空乾燥させて酸化グラフェン繊維からなるフィルムを得る。
ステップ3:ステップ2で得られたフィルムを体積比が3:1の水とエタノールとの混合液内に再分散させ、得られた酸化グラフェン繊維の懸濁液を、フィルタガーゼを介して濾過堆積させることにより、フィルタガーゼ上で酸化グラフェン繊維不織布を得る。酸化グラフェン繊維不織布をエタノールで3回洗浄し、80℃で乾燥させる。
ステップ4:乾燥後の酸化グラフェン繊維不織布を3000℃で還元させてグラフェン繊維不織布を得る。