(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6483318
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】疑似餌収納ケース
(51)【国際特許分類】
A01K 97/06 20060101AFI20190304BHJP
【FI】
A01K97/06 501
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-195078(P2018-195078)
(22)【出願日】2018年10月16日
【審査請求日】2018年11月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507041353
【氏名又は名称】株式会社ジュナック
(74)【代理人】
【識別番号】100134050
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 博孝
(72)【発明者】
【氏名】荒井 直行
【審査官】
吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−141386(JP,A)
【文献】
米国特許第09750236(US,B1)
【文献】
特開2015−070830(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3167344(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3146029(JP,U)
【文献】
米国特許第04176491(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 97/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
疑似餌を収納できる奥行きを有し且つケーシングとしても機能する第1の収納凹部と、同様に疑似餌を収納できる奥行きを有し且つケーシングとしても機能する第2の収納凹部とが、それぞれの凹面を対面させるように重ね合わせて配置されると共に、
前記第1の収納凹部と第2の収納凹部の一辺がヒンジ構造によって連結されることにより両者が左右方向に本を見開くように開閉可能とされ、
前記第1の収納凹部と第2の収納凹部のそれぞれの前記凹面には、疑似餌の針を引っ掛けることが可能な引掛穴が前記左右方向に並んだ引掛部が設けられ、
前記第1の収納凹部と第2の収納凹部とを仕切る、仕切シート乃至は仕切板が備わる、
ことを特徴とする疑似餌収納ケース。
【請求項2】
請求項1において、
前記引掛部は、前記凹面に対して着脱自在とされると共に、所望の位置で着脱可能に構成されている
ことを特徴とする疑似餌収納ケース。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記仕切シート乃至仕切板は、前記第1の収納凹部と第2の収納凹部の上側縁部から垂れ下がるように配置されると共に、
前記第1の収納凹部と第2の収納凹部とを開いた状態で、前記第1の収納凹部又は第2の収納凹部の上方から背面側に向かって捲り上げた状態で保持できる構成とされている
ことを特徴とする疑似餌収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルアーやワーム等に代表される疑似餌を収納する収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ルアーやワーム等の疑似餌を収納するための収納ケースには数多くの種類のものが存在している。
【0003】
例えば、特許文献1において開示されている疑似餌収納ケースは、所謂タックルボックスであり、蓋を開けると、複数の仕切り板が放射状に広がり、それぞれの仕切り板の縁に疑似餌を引っ掛ける様に収納するタイプのケースである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−169043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような収納ケースの場合、所有する疑似餌の数が少ない場合はまだしも、その数が多くなると釣り場へ持ち出す際に不便さが顕在化してしまう。
【0006】
即ち、所有する疑似餌の数が多くなると、その全てを釣り場に持っていくことが困難となり、その日の天候や、季節、場所、目的とする魚の種類等に応じて、最適のものを選択して持ち出す必要がある。そうすると、自宅等に保管している多数の疑似餌の中から所望のものを選択してケースに入れ替えなければならない。
【0007】
入れ換えを極力減らそうと思うと、ケースを多数用意しておけば、ある程度対応できるものの、特許文献1に記載の収納ケースでは、ケース内部にどういった疑似餌が収納されているのかを、ケースを開いても仕切り板を一枚一枚捲る必要があり、一見して把握するのが困難である。
【0008】
そこで本発明は、こういった問題点を解決するべくなされたものであって、疑似餌を自宅で保管したり、釣り現場に持っていく際に、可能な限りシームレスで手間のかからない疑似餌収納ケースを提供する事をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するべく、本願発明は、疑似餌を収納できる奥行きを有し且つケーシングとしても機能する第1の収納凹部と、同様に疑似餌を収納できる奥行きを有し且つケーシングとしても機能する第2の収納凹部とが、それぞれの凹面を対面させるように重ね合わせて配置されると共に、前記第1の収納凹部と第2の収納凹部の一辺がヒンジ構造によって連結されることにより両者が左右方向に本を見開くように開閉可能とされ、前記第1の収納凹部と第2の収納凹部のそれぞれの前記凹面には、疑似餌の針を引っ掛けることが可能な引掛部が設けられ、前記第1の収納凹部と第2の収納凹部とを仕切る、仕切シート乃至は仕切板が備わる、ことを特徴とする。
【0010】
このように構成したことによって、第1の収納凹部と第2の収納凹部を開くことによって、開くだけで収納されている疑似餌を一見把握することが可能となる。さらに、開いた状態で床面等に自立させることができるので、所望の疑似餌を取り出したり、取り付ける操作も行い易い。更には、開いた状態で自宅等にそのままディスプレイしておくこともできるので、釣り場から持ち帰った疑似餌を入れ替えなどする必要もない。
【0011】
また、前記引掛部を、前記凹面に対して着脱自在とすると共に、所望の位置で着脱可能に構成してもよい。
【0012】
このように構成すれば、例えば、疑似餌の全長等に応じて、最適の位置に収納することが可能となる。
【0013】
また、前記仕切シート乃至仕切板は、前記第1の収納凹部と第2の収納凹部の上側縁部から垂れ下がるように配置されると共に、前記第1の収納凹部と第2の収納凹部とを開いた状態で、前記第1の収納凹部又は第2の収納凹部の上方から背面側に向かって捲り上げた状態で保持できる構成とされていることを特徴とする。
【0014】
このように構成すれば、見開いた左右に収納した疑似餌を取り出したり取り付けたりする際に、仕切シート乃至仕切板が全く邪魔になることがない。
【発明の効果】
【0015】
本発明を適用することで、疑似餌を自宅で保管したり、釣り現場に持っていく際に、可能な限りシームレスで手間のかからない疑似餌収納ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態の一例である疑似餌収納ケースの概略図であって、ケースを開いた状態の斜視図である。
【
図2】仕切りシートを捲り上げた状態を示した斜視図である。
【
図3】疑似餌を引っ掛けた状態を示した斜視図である。
【
図4】引掛部に疑似餌を引っ掛けた状態を示した拡大図である。
【
図5】凹面に対して引掛部を着脱可能に構成した場合の使用例を示した斜視図である。
【
図6】疑似餌収納ケースの使い方の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例である疑似餌収納ケース100について説明を加える。なお、図面理解容易の為、各部の大きさや寸法を誇張して表現している部分があり、実際の製品と必ずしも一致しない部分があることを付記しておく。また各図面は符号の向きに見るものとし、当該向きを基本に上下左右、手前、奥と表現する。
【0018】
〈疑似餌収納ケースの構成〉
図1に示しているように、疑似餌収納ケース100は、疑似餌200を収納できる奥行きdを有し、且つ、ケーシングとしても機能する第1の収納凹部102と、同様に疑似餌200を収納できる奥行きを有し且つケーシングとしても機能する第2の収納凹部104とが、それぞれの凹面102a、104aを対面させるように重ね合わせて配置される。
【0019】
また、第1の収納凹部102と第2の収納凹部104の一辺がヒンジ構造108によって連結されることにより両者が左右方向に本を見開くように開閉可能とされている。本実施形態においては、第1の収納凹部102と第2の収納凹部104とは樹脂により一体成形されると共に、ヒンジ構造108も樹脂を他の部分よりも薄くした状態で一体成形されて構成される。もちろん、別部品として蝶番等を利用したり、両者が回動可能な状態で嵌合し合うことによって、ヒンジ構造を構成してもよい。
【0020】
第1の収納凹部102の凹面102aには、疑似餌200の針202(
図4参照)を引っ掛けることが可能な引掛部120が上下二段に設けられている。同様に、第2の収納凹部104の凹面104aには、疑似餌200の針202を引っ掛けることが可能な引掛部120が上下二段に設けられている。また、引掛部120の上面には、疑似餌200の針202を通すための引掛穴122が等間隔に複数設けられている。
【0021】
なお、引掛部120が、それぞれ上下に二段に構成されているのはあくまで一例であって、収納する疑似餌200の長さ・大きさ等に応じて適宜変更可能である。
【0022】
また、第1の収納凹部102と第2の収納凹部104とを仕切る、仕切シート110が、第2の収納凹部104の上側縁部104cから垂れ下がるように設けられている。この仕切りシート110は、本実施形態においては、透明且つ柔軟性を有しつつも、疑似餌200の針202が容易に刺さることがない硬度を備えた樹脂で構成されている。
【0023】
なお、第2の収納凹部104側には、ロック部106が取り付けられており、第1の収納凹部102と第2の収納凹部104を閉じた状態で、第1の収納凹部102側のロック受け部102bに係止することにより、第1の収納凹部102と第2の収納凹部104を閉じた状態のままで保持することができる。
【0024】
また、仕切シート120は、第2の収納凹部104の上側縁部104cから垂れ下がるように配置されると共に、第1の収納凹部102と第2の収納凹部104とを開いた状態で、
図2に示しているように、第2の収納凹部104の上方から背面側に向かって捲り上げた状態で保持できる構成とされている。このように構成することにより、見開いた左右に収納した疑似餌を取り出したり取り付けたりする際に、仕切シート110が全く邪魔になることがない。
【0025】
〈疑似餌収納ケースの作用・機能〉
続いて、疑似餌収納ケース100の使い方について説明する。
【0026】
ロック部106のロックを解いて、第1の収納凹部102と第2の収納凹部104とを本を見開くように広げた後(
図1)、必要に応じて、仕切りシート110を捲り上げておく(
図2)。そして、引掛部120の引掛穴122を利用して、疑似餌200を引っ掛ける。必要なだけの疑似餌200の収納が完了すれば、両者を閉じ、ロック部106によるロックすればよい。
【0027】
本願発明では、疑似餌200を収納できる奥行きdを有し、且つ、ケーシングとしても機能する第1の収納凹部102と、同様に疑似餌200を収納できる奥行きdを有し、且つ、ケーシングとしても機能する第2の収納凹部104とが、それぞれの凹面102a、104aを対面させるように重ね合わせて配置されると共に、第1の収納凹部102と第2の収納凹部104の一辺がヒンジ構造108によって連結されることにより両者が左右方向に本を見開くように開閉可能とされ、第1の収納凹部102と第2の収納凹部104のそれぞれの凹面102a、104aには、疑似餌200を上下方向に引っ掛けることが可能な引掛部120が設けられ、第1の収納凹部102と第2の収納凹部104とを仕切る、仕切シート110が備わる構成を採用していた。
【0028】
このように構成したことによって、第1の収納凹部102と第2の収納凹部104を開くことによって、開くだけで収納されている疑似餌200を一見して把握することが可能となっている。更に、開いた状態で床面等に当該収納ケース100自体を自立させることができるので、所望の疑似餌200を取り出したり、取り付ける操作も行い易い。加えて、開いた状態で自宅等にそのままディスプレイしておくこともできるので(
図6参照)、釣り場から持ち帰った疑似餌を入れ替えなどする必要もない。
【0029】
また、仕切りシート110を備えているので、第1の収納凹部102と第2の収納凹部104のそれぞれの側に疑似餌200を引っ掛け、両者を閉じたとしても、疑似餌同士が引っ掛かったり絡まったりすることもない。
【0030】
また、疑似餌収納ケース100のサイズを、例えば、A4ファイルやB5ファイルといった広く一般に普及しているサイズに調整して作成すれば、既存のファイルボックス300(
図6参照)をそのまま利用して保管。・運搬も可能となる。
【0031】
〈その他の構成例〉
上記では、引掛部120は予め凹面102a、104aに固定された例として説明しているが、例えば
図5に示しているように、凹面102a、104aに対して着脱自在とされると共に、所望の位置で着脱可能に構成してもよい。
【0032】
このように構成すれば、疑似餌200の全長等に応じて、最適の位置に収納することが可能となる。また、全長の短い疑似餌と長い疑似餌等、サイズが大きく異なる疑似餌を纏めて収納しても、絡まったり、無理な接触が発生する等の事態を防止することができる。
【符号の説明】
【0033】
100・・・疑似餌収納ケース
102・・・第1の収納凹部
102a・・・凹面
102b・・・ロック受け部
104・・・第2の収納凹部
104a・・・凹面
104c・・・上側縁部
106・・・ロック部
108・・・ヒンジ構造
110・・・仕切シート(仕切板)
120・・・引掛部
122・・・引掛穴
200・・・疑似餌
300・・・ファイルボックス
d・・・奥行き
【要約】 (修正有)
【課題】疑似餌を自宅で保管したり、釣り現場に持っていく際に、可能な限りシームレスで手間のかからない疑似餌収納ケースを提供する。
【解決手段】疑似餌200を収納できる奥行きを有し且つケーシングとしても機能する第1の収納凹部102と第2の収納凹部104とが、それぞれの凹面102a、104aを対面させるように重ね合わせて配置されると共に、第1の収納凹部102と第2の収納凹部104の一辺がヒンジ構造108によって連結されることにより両者が左右方向に本を見開くように開閉可能とされ、第1の収納凹部102と第2の収納凹部104のそれぞれの凹面102a、104aには、疑似餌200の針を引っ掛けることが可能な引掛部120が設けられ、第1の収納凹部102と第2の収納凹部104とを仕切る、仕切りシート110が備わる。
【選択図】
図3