(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなLEDユニットの製造においては工程の都合上、リードフレームの折り曲げがLEDの搭載後に行われるため、その折り曲げ工程におけるリードフレームの撓みがLEDの搭載部に局所的な負荷を生じさせる。そのため、LEDの搭載部に破断や剥離が生じる懸念があった。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リードフレームの折り曲げ工程においてLEDの搭載部に破断等が生じることを効果的に防止可能な方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は、樹脂製のハウジングに、LEDと、そのLEDの点灯を制御するための制御部品とを一体に組み付けて構成されるLEDユニットの製造方法である。この製造方法は、金属板に加工を施すことにより、外部端子と接続される端子部を形成するための端子形成領域と、LEDを搭載するためのLED搭載領域と、制御部品を搭載するための制御部品搭載領域とがつながったリードフレームを成形するリードフレーム形成工程と、LED搭載領域を取り囲むようにして保持するための樹脂材であるサポート樹脂をリードフレームに配設するサポート樹脂配設工程と、LEDをLED搭載領域に搭載するLED搭載工程と、制御部品を制御部品搭載領域に搭載する制御部品搭載工程と、サポート樹脂の外側領域においてリードフレームをLEDの背面側に折り曲げる折り曲げ工程と、折り曲げられたリードフレームをハウジングに組み付ける組付工程とを備える。
【0008】
この態様によると、リードフレームの折り曲げに先立ち、LED搭載領域を取り囲むようにサポート樹脂が配設される。そして、そのリードフレームの折り曲げがサポート樹脂の外側領域においてなされる。すなわち、リードフレームにおけるLED搭載領域がサポート樹脂の内方にリジッドに支持される一方、折り曲げ箇所がサポート樹脂の外方にあるため、折り曲げ工程にてリードフレームにかかる負荷がLEDの搭載部に伝達され難い。そのため、その折り曲げ工程においてLEDの搭載部に破断等が生じることを効果的に防止することができる。
【0009】
具体的には、サポート樹脂配設工程の後にLED搭載工程が実行されてもよい。そのLED搭載工程の後に、サポート樹脂の内方にLEDを被覆するように封止樹脂を充填させるLED封止工程が実行されるのが好ましい。
【0010】
この態様によれば、サポート樹脂によりLED搭載領域が支持された状態でLEDの搭載がなされるため、そのLEDの搭載を安定に行うことができる。また、LED搭載工程よりもサポート樹脂配設工程が先に行われるため、サポート樹脂の配設時にLEDに負荷がかかることもない。さらに、サポート樹脂が封止樹脂の受け皿として機能できるため、構造的に無駄がないといったメリットもある。
【0011】
制御部品搭載工程は、制御部品搭載領域にメタルペーストを実装するペースト実装工程と、メタルペースト上に制御部品を実装する部品実装工程と、メタルペーストを溶融し、リフローにより制御部品を制御部品搭載領域に接合するリフロー工程と、を備えるものでもよい。
【0012】
この態様によれば、リードフレームの折り曲げ前の展開状態にて制御部品を搭載することで、製造ラインに沿って効率的に工程を進めることができる。なお、メタルペースとしては半田ペーストやその他のロウ材ペーストを採用することができる。このリフローによる制御部品の接合は、LED搭載工程に先立って行われるのがよい。それにより、比較的熱に弱いLEDを保護することができる。
【0013】
組付工程においては、ハウジングの素材となる樹脂材のインサート成形により、折り曲げられたリードフレームとハウジングとを一体に形成してもよい。この態様によれば、リードフレームがハウジングに密着するため、LEDや制御部品にて発生する熱がリードフレームを介してハウジングに伝達され易い。このため、高い放熱効果が得られる。
【0014】
サポート樹脂配設工程においては、サポート樹脂の素材となる樹脂材のインサート成形により、リードフレームとサポート樹脂とを一体に形成してもよい。この態様によれば、リードフレームの折り曲げ前の展開状態にて施される部分的なインサート成形により、サポート樹脂を効率よく配設することができる。あるいは、リードフレームとは別体で作製されたサポート樹脂をリードフレームに組み付けるようにしてもよい。ただし、製造効率や作業性の面からはインサート成形を採用するのが好ましい。
【0015】
本発明の別の態様は、車両用灯具の光源として機能するLEDユニットである。このLEDユニットは、車両用灯具に着脱可能に組み付けられる樹脂製のハウジングと、外部端子と接続される端子部と、LED搭載部と、制御部品搭載部とを有し、ハウジングに一体に設けられたリードフレームと、LED搭載部に搭載されたLEDと、制御部品搭載部に搭載され、LEDの点灯を制御するための制御部品と、を備える。リードフレームは、LED搭載部を取り囲むようにして保持する樹脂材であるサポート樹脂を有する。サポート樹脂の外側領域においてLEDの背面側に折り曲げられ、折り曲げられた部分により制御部品搭載部および端子部がそれぞれ形成されている。
【0016】
この態様によると、リードフレームにおいてLED搭載領域を取り囲むようにサポート樹脂が配設されるため、LEDユニットの製造工程においてリードフレームが折り曲げられる際に、LEDの搭載部に負荷がかかり難い。このため、LEDの搭載部の破断等を効果的に防止できる。
【0017】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、リードフレームの折り曲げ工程においてLEDの搭載部に破断等が生じることを効果的に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。各図面において同一または同等の構成要素には同一の符号を付すなどして適宜説明を省略する。なお、以下においては説明の便宜上、車両用灯具が車両に搭載された状態を基準に上下および前後の位置関係を表現することがある。
【0021】
図1は、実施形態に係る車両用灯具の概略構成を表す縦断面図である。車両用灯具10は、テール・ストップランプを構成し、ランプボディ12に対してLEDユニット14、インナーレンズ16、アウターレンズ18を組み付けて構成される。ランプボディ12とアウターレンズ18との間には灯室20が画成されている。LEDユニット14は、ランプボディ12の中央に形成された嵌合孔22を介して取り付けられている。LEDユニット14の前面には光源としての複数のLED24が搭載され、灯室20内に露出している。インナーレンズ16は、その複数のLED24を灯室20側から覆うようにランプボディ12に取り付けられている。インナーレンズ16は、複数のLED24から出射された光を透過又は拡散(面発光)させるものである。
【0022】
図2は、LEDユニット14の外観を表す図である。(a)は斜視図であり、(b)はLED近傍を示す部分拡大図である。(c)は正面図であり、(d)は背面図である。(e)は左側面図であり、(f)は右側面図である。(g)は平面図であり、(h)は底面図である。
図3は、LEDユニット14の断面図である。(a)は
図2(c)のA−A断面図であり、(b)は
図2(c)のB−B断面図であり、(c)は
図2(c)のC−C断面図である。(d)は(c)のA部拡大図である。
【0023】
図2(a),(c)〜(h)に示すように、LEDユニット14は、段付円柱状の樹脂製のハウジング30を有する。ハウジング30の一端部が小径部32となっており、その外周面に3つの嵌合部34が等間隔にて突設されている。これらの嵌合部34が嵌合孔22に嵌合することによりLEDユニット14がランプボディ12に対して着脱可能に組み付けられる。ハウジング30の大径部36には、軸線に平行な複数のリブ38からなる放熱構造が設けられている。大径部36における小径部32とは反対側端部には、半径方向外向きに延出するようにコネクタ40が設けられている。小径部32の先端面中央には、光源搭載部41が設けられている。
図2(e)に示すように、コネクタ40の内方には、LED24に電力を供給するための複数の端子42が露出している。
【0024】
図2(b)に示すように、光源搭載部41は、複数のLED24と、それらを支持するサポート部材44を含む。サポート部材44は、複数のLED24が実装されたLED搭載部46、LED搭載部46を取り囲むように支持するサポート樹脂48、サポート樹脂48の内方に充填されてLED24を保護する透明の封止樹脂50を含む。複数のLED24のうち、中央のLED24aがテールランプとして機能し、その周囲の4つのLED24b〜24eがストップランプを構成する。
【0025】
図3(a)および(b)に示すように、ハウジング30には断面U字状のリードフレーム52が埋設されている。リードフレーム52は、LED24および制御部品54を搭載する基板として機能する。リードフレーム52は、端子部56、第1制御部品搭載部58、LED搭載部60および第2制御部品搭載部62が長手方向に一体に設けられて構成されている。LED搭載部60の片側面に複数のLED24が搭載されている。
【0026】
リードフレーム52は、LED搭載部60の外側でLED24の背面側に直角に折り曲げられることでU字状に形成されている。その折り曲げられた部分の一方が第1制御部品搭載部58および端子部56を形成し、他方が第2制御部品搭載部62を形成している。リードフレーム52は、端子部56において第1制御部品搭載部58に対してさらに直角に折り曲げられている。それにより、複数の端子42がコネクタ40の内方にて外部に向けて露出している。リードフレーム52は、LED搭載部60を支持するサポート樹脂48と、第1制御部品搭載部58を支持するサポート樹脂64と、第2制御部品搭載部62を支持するサポート樹脂66を有し、それらがハウジング30に埋設されている。
【0027】
図3(c)および(d)に示すように、サポート樹脂48においてLED24が搭載された片側面はハウジング30から露出しており、LED24の発光が封止樹脂50を通して視認可能とされている。
【0028】
次に、LEDユニット14の製造方法について説明する。
図4〜
図12は、LEDユニット14の製造工程を表す図である。
図4はリードフレーム形成工程を示し、
図5はサポート樹脂配設工程を示す。
図6は配線成形工程を示し、
図7は制御部品搭載工程を示す。
図8は制御部品搭載工程後の配線接続状態を示す参考図である。
図9はLED搭載工程を示す。
図10は
図9のB部拡大図である。
図11はフレーム切断工程を示し、
図12(a)は折り曲げ工程を示し、
図12(b)はハウジング組付工程を示す。
【0029】
LEDユニット14の製造においては、まず、リードフレーム形成工程が実行される。
図4に示すように、この工程では、長方形状の金属板にプレスによる打ち抜き加工を施すことにより、リードフレーム68が成形される。ただし、この状態のリードフレーム68は、リードフレーム52の半製品であり、打ち抜き後に残された外枠70に安定に支持される。すなわち、この工程では、外枠70とリードフレーム68とが複数の接続片72を介してつながった状態のフレーム支持体73が形成される。
【0030】
リードフレーム68は、端子部56を形成するための端子形成領域74、第1制御部品搭載部58を形成するための第1制御部品搭載領域76、LED搭載部60を形成するためのLED搭載領域78、および第2制御部品搭載部62を形成するための第2制御部品搭載領域80を有し、これらの領域が長手方向に順次並設されるようにして構成される。
【0031】
この段階において、LED搭載領域78には、LED24aを搭載するためのバスバー79aと、4つのLED24b〜24eをそれぞれ搭載するための4つのバスバー79b〜79eと、グランドラインにつながるバスバー79fとが完全な形で成形される。以下、LED24a〜24eを適宜「LED24」と総称し、バスバー79a〜79fを適宜「バスバー79」と総称する。一方、制御部品搭載領域76,80には、制御部品54を搭載するためのバスバーの概形が成形される。また、LED搭載領域78の外側領域には、後述する折り曲げ加工を容易にするための薄肉部82が成形される。なお、ここでいう「バズバー」は「リードフレーム」と同義であるが、特にLEDや制御部品等の電子部品が実装される領域を説明の便宜上、「バスバー」と称している。
【0032】
一方、端子形成領域74には端子部56を構成する3つの端子42が成形される。図示の例では、グランドラインにつながるGND端子42aと、テールランプ用のLED24aに電力を供給するための給電端子42bと、ストップランプ用のLED24b〜24eに電力を供給するための給電端子42cが形成されている。GND端子42aはバスバー79fにつながり、給電端子42bはバスバー79aにつながり、給電端子42cはバスバー79bにつながっている。
【0033】
なお、図示のように、リードフレーム68の長手方向と直交する方向の幅に関し、第1制御部品搭載領域76および第2制御部品搭載領域80の幅は、LED搭載領域78の幅よりも相当大きくされている。このことが、後述のように制御部品54からの放熱効果を高めることとなる。
【0034】
続いて、サポート樹脂配設工程が実行される。
図5に示すように、この工程では、上述したフレーム支持体73が図示しない金型に設置され、樹脂材によるインサート成形が行われる。それにより、LED搭載領域78を取り囲むようにして保持するサポート樹脂48、第1制御部品搭載領域76の大部分を覆うようにして保持するサポート樹脂64、および第2制御部品搭載領域80の大部分を覆うようにして保持するサポート樹脂66が、リードフレーム68に一体に形成される。これらのサポート樹脂48,64,66は、本実施形態ではポリフェニレンサルファイド(PPS)からなるが、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド等その他の樹脂を採用してもよい。
【0035】
この段階において、サポート樹脂48の内方にバスバー79がリジッドに支持される。一方、サポート樹脂64により第1制御部品搭載領域76のバスバーが安定に支持される。サポート樹脂64の表面には図示のように、第1制御部品搭載領域76に対して制御部品を実装する箇所を露出させるための複数の開口部84と、不要な配線接続部分を露出させるための複数の開口部86とが設けられている。
【0036】
同様に、サポート樹脂66の表面にも図示のように、第2制御部品搭載領域80に対して制御部品を実装する箇所を露出させるための複数の開口部88および切欠部89と、不要な配線接続部分を露出させるための複数の開口部90とが設けられている。サポート樹脂64における開口部86およびサポート樹脂66における開口部90は、後述のように、リードフレーム52の配線を成形する際の変形を防止するものである。
【0037】
続いて、配線成形工程が実行される。
図6に示すように、この工程では、上述したサポート樹脂64の開口部84,86およびサポート樹脂66の開口部88,90を利用して、リードフレーム68における不要な配線接続部を切断する。このとき、切断専用の金型が用いられる。これにより、給電端子42bとGND端子42aとをつなぐ給電回路の配線と、給電端子42cとGND端子42aとをつなぐ給電回路の配線とが形成される。また、給電端子42b,42c間の短絡が防止される。このように、サポート樹脂64、66によりリードフレーム68をリジッドに保持した状態で配線接続部の細部を切断するようにしたため、リードフレーム68の厚みが小さくてもこれを不用意に変形させることなく成形することが可能となる。
【0038】
続いて、制御部品搭載工程が実行される。
図7に示すように、この工程では、第1制御部品搭載領域76に制御部品54a〜54gが搭載され、第2制御部品搭載領域80に制御部品54h〜54tが搭載される。なお、制御部品54a〜54tを適宜「制御部品54」と総称する。これらの制御部品54としては、主制御部となるICチップのほか、抵抗素子、ダイオード、コンデンサ等の電子部品が含まれるが、その詳細については説明を省略する。この制御部品54の搭載は、リフロー方式の半田付けにより行われる。
【0039】
すなわち、制御部品搭載工程は、ペースト実装工程、部品実装工程およびリフロー工程を含む。ペースト実装工程では、開口部84,88を利用し、第1制御部品搭載領域76および第2制御部品搭載領域80における実装指定位置に半田ペーストが塗布される。続いて、部品実装工程において、その半田ペーストの上に制御部品54が載置される。そして、リフロー工程において、その半田ペーストを加熱溶融してリフローさせることにより制御部品54が接合される。
【0040】
図8には説明の便宜上、
図7におけるサポート樹脂48,64,66を取り除いた状態が示されている。制御部品搭載工程の終了後には図示のように、中央のバスバー79aが、一方で制御部品54d〜54gおよびを制御部品54c介して給電端子42bに接続され、他方で制御部品54a,54bを介してGND端子42aに接続される。また、その周囲の1つのバスバー79bが、一方で制御部品54m〜54tおよびを制御部品54j介して給電端子42cに接続され、他方で制御部品54h,54iを介してGND端子42aに接続される。さらに、バスバー79fがGND端子42aに接続される。バスバー79c〜79eは、この段階では図示のように中立した状態となるが、サポート樹脂48,64,66によりバスバー79a,79b,79fと一体に安定に保持される。
【0041】
このようにして制御部品54の実装が完了すると、実装後の汚れを除去するための洗浄が行われ、その後、LED搭載工程が実行される。このように、LED搭載工程に先立って制御部品搭載工程を実行することで、LED24を保護することができる。すなわち、LEDは比較的熱に弱いため、リフロー時の加熱の影響を受けるのは好ましくない。また、リフローによりLEDが汚れると、発光性能を低下させる虞がある。そこで、制御部品搭載工程の後にLED搭載工程を実行するようにしている。
【0042】
図9に示すように、LED搭載工程では、バスバー79の設定箇所にLED24を半田付けする。すなわち、
図10(a)に示すように、中央のバスバー79aにLED24aを実装し、その周囲の4つのバスバー79b〜79eにLED24b〜24eを実装する。このとき、LED24a〜24eは、ベアチップの態様で接合される。テールランプ用のLED24aは、一方でバスバー79aを介して給電端子42bに接続され、他方でリード線L1を介して接地用のバスバー79fに接続される。
【0043】
一方、ストップランプ用の4つのLED24b〜24eは、リード線L2〜L4およびバスバー79c〜79eを介して直列に接続される。すなわち、LED24bがリード線L2およびバスバー79cを介してLED24cに接続され、LED24cがリード線L3およびバスバー79dを介してLED24dに接続され、LED24dがリード線L4およびバスバー79eを介してLED24eに接続される。その一方、LED24bはバスバー79bを介して給電端子42cに接続され、LED24eはリード線L5およびバスバー79fを介してGND端子42aに接続される(
図9参照)。以下、リード線L1〜L5を適宜「リード線L」と総称する。
【0044】
このLED搭載工程の後、LED24を保護するためのLED封止工程が実行される。すなわち、
図10(b)に示すように、サポート樹脂48の内方に透明の封止樹脂50を充填する。この封止樹脂50は、シリコーン樹脂からなり、サポート樹脂48に囲まれる領域にLED24a〜24eおよびリード線L1〜L5を被覆するように充填され、硬化される。このとき、サポート樹脂48は、その封止樹脂50の受け皿として機能する。封止樹脂50は、LED24とリード線Lとの電気的接続部への水分の侵入を防止する防水機能を有する。
【0045】
続いて、フレーム切断工程が実行される。
図11に示すように、この工程では、
図4にて示した接続片72が切断され、外枠70とリードフレーム68とが切り離される。
図4に示したリードフレーム68は、折り曲げ前であることを除いて製品形態のリードフレーム52となる。端子形成領域74は端子部56となり、第1制御部品搭載領域76は第1制御部品搭載部58となり、LED搭載領域78はLED搭載部60となり、第2制御部品搭載領域80は第2制御部品搭載部62となる。
【0046】
続いて、折り曲げ工程が実行される。この工程では、
図11に示す状態からリードフレーム52を薄肉部82を軸(ヒンジ)として折り曲げる。すなわち、リードフレーム52におけるLED搭載部60の両側を、LED24の背面側に直角に折り曲げる。さらに、端子部56をサポート樹脂64との接続部を境に外側に向けて直角に折り曲げる。これにより、
図12(a)に示す光源回路ユニット92が形成される。この状態では図示のように、制御部品54がリードフレーム52の外面側に表れるようになる。
【0047】
続いて、ハウジング組付工程が実行される。この工程では、ハウジング30の素材となる樹脂材のインサート成形により、光源回路ユニット92とハウジング30とを一体に形成する。このインサート成形には、射出成型用の金型が用いられる。これにより、
図12(b)に示すようにLEDユニット14が完成する。この状態において、第1制御部品搭載部58および第2制御部品搭載部62は、ハウジング30に埋設されている。
【0048】
図12(a)に示したように、リードフレーム52の長手方向と直交する方向の幅に関し、第1制御部品搭載部58および第2制御部品搭載部62の幅がLED搭載部60の幅よりも相当大きくなっている。このため、LED24や制御部品54にて発生した熱がこれらの制御部品搭載部58,62を介してハウジング30に効率よく伝達され、放熱されるようになる。このことが、LEDユニット14の長寿命化に寄与することになる。
【0049】
以上に説明したように、本実施形態では、リードフレーム52の折り曲げに先立ち、LED搭載領域78を取り囲むようにサポート樹脂48が一体成形される。そして、そのリードフレーム52の折り曲げがサポート樹脂48の外側領域においてなされる。すなわち、リードフレーム52におけるLED搭載領域78がサポート樹脂48の内方にリジッドに支持される一方、折り曲げ箇所がサポート樹脂48の外方にあるため、折り曲げ工程における引っ張り応力がLED24およびその周辺に作用し難い。その結果、リードフレーム52の折り曲げによるLED24やその接合部の破断を効果的に防止できる。
【0050】
また、リードフレーム52においてLED搭載部60と制御部品搭載部58,62とが折曲部を境に分けられ、LED24と制御部品54とが折曲部を境として互いに異なる領域に離間して配置される。また、制御部品搭載部58,62の幅が大きくされているため、それ自体に大きな放熱効果があるとともに、ハウジング30に熱を逃がしやすい。このため、制御部品54が発生する熱を効率よく放熱することができる。その結果、LED24を熱から保護することが可能となる。
【0051】
以上、本発明を実施形態を参照して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて実施形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。
【0052】
(変形例1)
図13は、変形例に係るLEDユニットの断面図である。同図は
図3(b)に対応する。本変形例では、ハウジング130において第1制御部品搭載部58が埋設されている部分の内面に、その第1制御部品搭載部58の長手方向に沿う放熱用の溝210が形成されている。同様に、ハウジング130において第2制御部品搭載部62が埋設されている部分の内面に、その第2制御部品搭載部62の長手方向に沿う放熱用の溝212が形成されている。本変形例では、溝210,212が、それぞれ複数平行に設けられるが(同図にはそのうち1つが表示)、単数としてもよい。これにより、ハウジング30の内面側についてもリブ形状とすることができ、放熱効果をより高めることができる。なお、制御部品搭載部58,62における制御部品54の配置の相違に応じて、溝210,212の形状や配置を互いに異ならせてもよい。
【0053】
(変形例2)
図14は、他の変形例に係るLEDユニットのLED周辺の配置構成を示す拡大図である。(a)は上記実施形態の配置構成を示し、(b)は本変形例の配置構成を示す。本変形例では、LED24を搭載するバスバーの形状を工夫することで、LED24の高密度実装を可能としている。
【0054】
すなわち、
図14(a)に示すように、上記実施形態ではバスバー79aを中心としてその周囲にバスバー79b〜79eを配置し、さらに接地用のバスバー79fを配置した(
図10参照)。そして、バスバー79a〜79eに対し、LED24a〜24eをそれぞれ搭載する例を示した。このようなLED24の実装を行う上では一般に、以下の制約がある。すなわち、LED24を実装するバスバー79のエッジからLED24の一辺との間にとるべき最小クリアランスbを要し、また、隣接するバスバー79間の最小クリアランスcを要する。前者の最小クリアランスbは、LED24を半田のリフロー方式で実装する際の搭載性能を確保するものである。すなわち、リフローされた半田がバスバー79から脱落して短絡等を生じさせないようにするものである。一方、後者の最小クリアランスcは、金属板からバスバー79を打ち抜く際の金型等の寸法に基づくものであり、ここではバスバー79の板厚とほぼ等しい。
【0055】
一方、図示のように複数のLED24を配列する場合、
図1に示したように共用のレンズを使用する場合には、それらを可能な限り近づけるのが望ましい。互いの光軸を近づけることで出射性能を高めるためである。そこで、本変形例では、
図14(b)に示すようなバスバー279(279a〜279f)の形状と配置を採用する。なお、ここではLED24をベアチップとして一辺がaの正方形状とする。
【0056】
すなわち、隣接するバスバー279において互いのLED24を結ぶ線上の角部にR形状が施される。そのR形状の半径は、最小クリアランスbに一致する。このようにすることで、上述した最小クリアランスb,cを確保しつつ、隣接するバスバー279を近づけることができ、その結果、複数のLED24を互いに近づけることができる(図中一点鎖線および二点鎖線参照)。これにより、図示のような5つのLED24の配置構成において、それらのLED24をw=3a+(4/√2)b+(2/√2)cの実装範囲に収めることができる。
図14(a)に示す実装範囲がw0=3a+4b+(2/√2)cであることから、本変形例によれば、それよりも実装範囲を(4−2√2)bだけ小さくすることができる。それにより、出射性能をより高めることができる。
【0057】
(変形例3)
図15は、他の変形例に係るLEDユニットの構成を表す図である。(a)は斜視図であり、(b)は底面図である。(c)は光源回路ユニットの斜視図である。
図15(a)および(b)に示すように、本変形例のLEDユニット214は、コネクタ40がハウジング230の軸線と平行となるように設けられている。
【0058】
また
図15(c)に示すように、光源回路ユニット292の両端にそれぞれ端子部256,258が設けられている。端子部256は第1制御部品搭載部58から延出し、端子部258は第2制御部品搭載部62から延出している。端子部256は、LED24aにつながる給電端子242bと、グランドラインにつながるGND端子242aを有する。一方、端子部258は、LED24b〜24eにつながる給電端子242cと、グランドラインにつながるGND端子242dを有する。
【0059】
端子部256は、第1制御部品搭載部58が延在する平面に沿ってLED搭載部60とは反対側に延設されている。一方、端子部258は、第2制御部品搭載部62から第1制御部品搭載部58に向けて直角に曲がり、その先端部がさらに直角に曲がって端子部256と平行にされている。本変形例においても、LED搭載部60をサポート樹脂48にて取り囲む工程が実行されるため、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0060】
(変形例4)
図16は、他の変形例に係るLEDユニットの構成を表す図である。(a)は斜視図であり、(b)は底面図である。(c)は光源回路ユニットの斜視図である。
図16(a)および(b)に示すように、本変形例のLEDユニット314は、ハウジング330の外周部に軸線と直角方向に延在する複数のリブ338を有する。その複数のリブ338は、互いに平行とされている。
【0061】
また
図16(c)に示すように、光源回路ユニット392の第1制御部品搭載部58および第2制御部品搭載部62において、その外面側ではなく、内面側に制御部品54が実装されている。すなわち、
図11に示したようにリードフレーム52が折り曲げられる前の展開された状態では、LED24の実装面と制御部品54の実装面とが反対側に位置することになる。本変形例においても、LED搭載部60をサポート樹脂48にて取り囲む工程が実行されるため、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、本変形例によれば、第1制御部品搭載部58と第2制御部品搭載部62とに挟まれる空間を制御部品54の実装領域として有効利用することができ、ハウジング330をコンパクトにすることも可能となる。
【0062】
(変形例5)
上記実施形態では
図10,
図12に示したように、LED搭載部60における5つのLED24を特定の配置とする構成を例示した。変形例においては、LED24の数および配置のいずれか一方又は双方を変更してもよい。LED24を1つのみ配置してもよい。
【0063】
(変形例6)
上記実施形態では、リードフレーム52にLED24をベアチップの態様で実装する構成を例示したが、LED24をプラスチックなどのパッケージに封入したチップとして構成し、リードフレーム52に実装してもよい。また、リードフレームに代えて、プリント基板(PCB)やフレキシブルプリント基板(FPC)等その他の基板を採用し、LED24を実装してもよい。
【0064】
(変形例7)
上記実施形態では、
図1に示したように、LEDユニット14とランプボディ12とを嵌合構造により着脱可能に組み付ける例を示した。変形例においては、ねじ機構等その他の取付構造を採用してもよい。
【0065】
(変形例8)
上記実施形態では、
図5に示したように、リードフレーム68に対してサポート樹脂48,64,66をインサート成形する例を示した。変形例においては、少なくともいずれかのサポート樹脂をリードフレーム68とは別に作製しておき、折り曲げ工程の前に嵌合させるなどして組み付けてもよい。
【0066】
(変形例9)
上記実施形態では、制御部品搭載工程において、リードフレーム68に半田ペーストを塗布してリフローを行う例を示した。変形例においては、半田以外のロウ材によるメタルペーストを採用してもよい。
【0067】
(変形例10)
上記実施形態では
図1に示したように、インナーレンズ16をLEDユニット14とは独立にランプボディ12に組み付ける構成を例示した。変形例においては、インナーレンズ16とLEDユニット14とを着脱可能に構成し、両者の間にランプボディ12の壁面を挟むようにして固定できるようにしてもよい。あるいは、インナーレンズを小型にしてLEDユニット14と一体に設け、ランプボディ12に組み付けるようにしてもよい。
【0068】
(変形例11)
上記実施形態では、上記LEDユニットをテール・ストップランプに適用する例を示した。変形例においては、テールランプ、ストップランプ、ターンランプ、バックランプ、あるいはそれらのいずれかを含むリアコンビネーションランプに適用してもよい。あるいは、ヘッドランプに適用してもよい。すなわち、これらのランプのLEDユニットに上記構成および製造方法を適用してもよい。
【0069】
(変形例12)
上記実施形態では、リードフレーム形成工程において、金属板に打ち抜き加工を施すことによりリードフレームを成形する例を示した。変形例においては、金属板にレーザ加工やエッチング加工などを施すことによりリードフレームを成形してもよい。
【0070】
(変形例13)
上記実施形態では述べなかったが、LEDユニットをテール・ストップランプとして構成する場合、テールランプとストップランプの配置範囲(発光範囲)が特定範囲に収まるように定めてもよい。
図17は、他の変形例に係るLEDユニットの構成を表す図である。すなわち図示のように、光源搭載範囲を4.5mm四方とし、その中央に1.5mm四方の領域を設けてテールランプ用LEDの発光範囲とし、その上下左右にそれぞれ1.5mm四方の領域を設けてストップランプ用LEDの発光範囲としてもよい。
【0071】
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。