特許第6483358号(P6483358)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6483358
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】腕時計用ベルト
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/04 20060101AFI20190304BHJP
   A44C 5/10 20060101ALI20190304BHJP
   A44C 5/14 20060101ALI20190304BHJP
   A44C 5/02 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   A44C5/04 H
   A44C5/10 510A
   A44C5/10 514Z
   A44C5/14 M
   A44C5/02 B
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-126198(P2014-126198)
(22)【出願日】2014年6月19日
(65)【公開番号】特開2016-2409(P2016-2409A)
(43)【公開日】2016年1月12日
【審査請求日】2017年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】314008116
【氏名又は名称】酒井 大亮
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】特許業務法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 大亮
【審査官】 山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭49−062459(JP,U)
【文献】 実開昭59−025212(JP,U)
【文献】 特開昭52−034766(JP,A)
【文献】 実開昭50−063063(JP,U)
【文献】 特公昭55−023602(JP,B2)
【文献】 実公昭56−037728(JP,Y2)
【文献】 特許第4487574(JP,B2)
【文献】 特開2013−106914(JP,A)
【文献】 特開2001−252109(JP,A)
【文献】 特開2002−142814(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3093395(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/04
A44C 5/02
A44C 5/10
A44C 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕時計本体(12)の一端側(12a)に一方の端部(11a)が回動自在に軸支され、他方の端部(11b)が前記腕時計本体(12)の他端側(12b)に架設された係止ピン(18)に係止する腕時計用ベルト(11)であって、
該腕時計用ベルト(11)は、ステンレス材で剛性を有して湾曲状に形成されており、
前記他方の端部(11b)を持ち上げてから、当該他方の端部(11b)に設けた係止溝(14)を前記係止ピン(18)に対して、前記ステンレス材の剛性を利用し且つ強制的に乗り越えて係止及び係脱する構成であり、
当該腕時計用ベルト(11)は、一体なステンレス材の長板を3〜7mmの範囲内で所定の幅づつ連続的に折り曲げて、湾曲状に形成したこと
を特徴とする腕時計用ベルト(11)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕時計本体に設けた係止ピンを、ベルトを取り付けるための係止金具として利用してベルトを係止する機構であり、装着が容易で装着者の意に反して手首から外れることがない腕時計用ベルトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の腕時計用ベルトとしては、次のような構成のものが知られている。この腕時計用ベルトは、腕時計本体の一端側(目盛り12時側)に取り付ける上ベルトと、他端側(目盛り6時側)に取り付ける下ベルトとからなり、上ベルトと下ベルトとのそれぞれの他端が結束用の中留め部に連結している(特許文献1参照)。
【0003】
中留め部は、下ベルトの他端が回動自在に連結する下板と、下板の端部が回動自在に連結する中板と、下板と中板とを折り畳んだ状態で保持すると共に上ベルトの他端が回動自在に連結する表カバーとを備えている。
【0004】
このような構成の腕時計用ベルトは、手首への装着時には中留め部を折り畳んで保持させる。また、表カバーの側部に突出した操作部を押し込み操作することによって、折り畳んだ状態の中留め部を解放して、ワッカ状のベルト部分がバネ様のテンションで拡がりベルトを容易に拡げる仕組みになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−137791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この従来例の腕時計用ベルトにおいては、操作部が不用意に押されてしまい、ベルトが装着者の意に反して拡がって手首から外れるおそれがあるという欠点を有している。
【0007】
また、腕時計用ベルトとしての機能を備えるだけであり、例えばブレスレットのような装飾的な機能は備えていないという欠点も有している。
【0008】
更に、下板や中板あるいは表カバー等の部品の隙間にゴミや垢が入り込んで不潔になると共に、定期的なクリーニングが必要であるという欠点も有している。
【0009】
従って、従来例における腕時計用ベルトにおいては、装着者の意に反して手首から外れることを防止することと、装飾的な機能も兼ね備えることと、部品の隙間にゴミや垢が溜まらないようにすることとに解決しなければならない課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来例の課題を解決するための本発明の要旨は、腕時計本体(12)の一端側(12a)に一方の端部(11a)が回動自在に軸支され、他方の端部(11b)が前記腕時計本体(12)の他端側(12b)に架設された係止ピン(18)に係止する腕時計用ベルト(11)であって、該腕時計用ベルト(11)は、ステンレス材で剛性を有して湾曲状に形成されており、前記他方の端部(11b)を持ち上げてから、当該他方の端部(11b)に設けた係止溝(14)を前記係止ピン(18)に対して、前記ステンレス材の剛性を利用し且つ強制的に乗り越えて係止及び係脱する構成であり、当該腕時計用ベルト(11)は、一体なステンレス材の長板を3〜7mmの範囲内で所定の幅づつ連続的に折り曲げて、湾曲状に形成したことである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る腕時計用ベルトによれば、ステンレス材で剛性を有して湾曲状に形成されており、他方の端部を持ち上げてから、当該他方の端部に設けた係止溝を前記係止ピンに対してステンレス材の剛性を利用し且つ強制的に乗り越えて係止及び係脱する構成であることによって、係止溝と係止ピンとの係合状態が比較的に強固なので、従来例のように装着者の意に反して手首から外れることがない。
ステンレス材で剛性を備えるので、ベルトが意に反して拡がることがなく、手首への装着状態が多少緩めであっても、装着者の手首から外れることがない。
ステンレス材で形成されるので、錆が発生することがなく、キズや汚れにも強い。
更には、ステンレスの1パーツからなるので劣化が少なく耐久性が高い。また、従来例のような中留め部や突起した部分が無いので部品の隙間にゴミや垢が溜まらない。そして、突起した部分が無いので外側から装着方法が見えない。更に、ベルトの裏側に文字や名前など刻印することが可能である。
特に、腕時計用ベルトは、一体なステンレス材の長板を3〜7mmの範囲内で所定の幅づつ連続的に折り曲げて、湾曲状に形成したことによって、滑らかで自在な曲線を表現できるので、外見がブレスレットのようなデザインで装飾的な機能も兼ね備えることが可能であるという種々の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る腕時計用ベルト11の斜視図である。
図2】腕時計用ベルト11を取り付けた腕時計の正面図である。
図3】腕時計用ベルト11を取り付けた腕時計の正面図である。
図4】腕時計用ベルト11の係止方法を説明する腕時計の要部の斜視図である。
図5】腕時計用ベルト11の係止方法を説明する腕時計の側面図である。
図6】腕時計用ベルト11の係止方法を説明する腕時計の側面図である。
図7】腕時計用ベルト11の係止方法を説明する腕時計の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、図1において、符号11は腕時計用ベルトを示し、この腕時計用ベルト11は、ステンレス材で剛性を有して湾曲状に形成される。
【0016】
腕時計用ベルト11は、一方の端部11aの内側に軸ピン13が溶接等の接着手段で固定されている。また、他方の端部11bの内側には、幅方向に沿った係止溝14が設けられている。
【0017】
一方、腕時計本体12の一端側(目盛り12時側)12aには、一対の取付部15が設けられており、それぞれの取付部15の内側には、図示しないピン挿入孔が形成されている。ピン挿入孔に対して、軸ピン13の両方の端部13aが挿入されて、腕時計用ベルト11が回動自在に軸支される(図2及び図3参照)。
【0018】
腕時計本体12の他端側(目盛り6時側)12bには、一対の取付部17が設けられており、この取付部17には係止ピン18が架設されている(図2及び図3参照)。
【0019】
腕時計用ベルト11を装着するときは、図4及び図5に示すように、係止ピン18の近傍に位置する腕時計用ベルト11の他方の端部11bを、矢印A方向に持ち上げる。そして、図6及び図7に示すように、係止ピン18に対して係止溝14を強制的に乗り越えて係止する。
【0020】
また、腕時計用ベルト11を外すときには、上述した図4から図7までの手順とは逆の手順によって行う。即ち、他方の端部11bを矢印A方向に持ち上げて、係止ピン18に対して係止溝14を強制的に乗り越えて係脱する。
【0021】
次に、腕時計用ベルト11を湾曲状に形成する方法について説明する。腕時計用ベルト11は、一体なステンレス材の長板を所定の幅づつ(例えば3〜7mm毎に)連続的に折り曲げて、湾曲状に形成する。このような方法で湾曲形成することによって、滑らかで自在な曲線を表現できるので、外見がブレスレットのようなデザインで装飾的な機能も兼ね備えることが可能となる。
【0022】
以上のように構成される腕時計用ベルト11は、ステンレス材で剛性を有して湾曲状に形成されており、他方の端部11bを持ち上げて、当該端部11bに設けた係止溝14を係止ピン18に対して強制的に乗り越えて係止及び係脱する構成であることによって、係止溝14と係止ピン18との係合状態が比較的に強固になるので、従来例のように装着者の意に反して手首から外れることがない。
【0023】
また、腕時計用ベルト11はステンレス材で剛性を備えるので、ベルトが意に反して拡がることがなく、手首への装着状態が多少緩めであっても、装着者の手首から外れることがない。
【0024】
そして、腕時計用ベルト11はステンレス材で形成されるので、錆が発生することがなく、キズや汚れにも強い。
【0025】
更に、ステンレスの1パーツからなるので劣化が少なく耐久性が高い。また、従来例のような中留め部や突起した部分が無いので部品の隙間にゴミや垢が溜まらない。そして、突起した部分が無いので外側から装着方法が見えない。更には、ベルトの裏側に文字や名前など刻印することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本考案の腕時計用ベルト11は、ステンレス材で滑らかな曲線を表現して装飾的な機能も兼ね備えるので、腕時計用ベルトだけでなく、ブレスレットとして使用することが可能である。
【符号の説明】
【0027】
11 腕時計用ベルト
11a一方の端部
11b他方の端部
12 腕時計本体
12a一端側(目盛り12時側)
12b他端側(目盛り6時側)
13 軸ピン
13a端部
14 係止溝
15 取付部
17 取付部
18 係止ピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7