特許第6483372号(P6483372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6483372燃料供給装置のための弁アセンブリ及び燃料供給装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6483372
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】燃料供給装置のための弁アセンブリ及び燃料供給装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 63/00 20060101AFI20190304BHJP
   F02M 37/00 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   F02M63/00 R
   F02M63/00 U
   F02M37/00 A
   F02M37/00 311H
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-161100(P2014-161100)
(22)【出願日】2014年8月7日
(65)【公開番号】特開2015-34552(P2015-34552A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2017年1月25日
(31)【優先権主張番号】10 2013 013 231.2
(32)【優先日】2013年8月8日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510153962
【氏名又は名称】マン・エナジー・ソリューションズ・エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・モンツェルト
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・シュティッヒノート
【審査官】 堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第19807258(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 39/00−71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶用ディーゼルエンジンとして構成された内燃機関の燃料供給装置、特にコモンレール燃料供給装置のための弁アセンブリ(10)であって、パイロット弁(11)、主弁(12)及び圧力調整弁(13)を有する弁アセンブリにおいて、
前記パイロット弁(11)、前記主弁(12)及び前記圧力調整弁(13)が、低圧領域(14)における圧力に応じて、及び/又は、高圧領域(15)における圧力に応じて、自動的に作動可能であるように、前記主弁(12)は、圧力接続部(16、17)によって前記燃料供給装置の前記高圧領域(15)と接続可能であり、前記パイロット弁(11)も前記圧力調整弁(13)も、圧力接続部(20、21)によって前記燃料供給装置の前記低圧領域(14)と接続可能であり、前記主弁(12)が、前記高圧領域(15)に動作圧力が加えられている場合に前記主弁(12)が自動的に閉口するように、2つの圧力接続部(16、17)によって前記燃料供給装置の前記高圧領域(15)と接続されることが可能であり、比較的大きな押圧面を有する、第1の、閉口方向に作用する前記主弁(12)の圧力接続部(16)が、少なくとも1つのチョーク(18)を介して、前記燃料供給装置の前記高圧領域(15)に接続されることが可能であり、比較的小さな押圧面を有する、第2の、開口方向に作用する前記主弁(12)の圧力接続部(17)が、前記燃料供給装置の前記高圧領域(15)に直接接続されることが可能であることを特徴とする弁アセンブリ(10)。
【請求項2】
前記圧力調整弁(13)が、前記低圧領域(14)に動作圧力が加えられている場合に前記圧力調整弁(13)がバネ要素(26)の調整可能な弾力に反して前記低圧領域(14)における一定の動作圧力を保証した上で自動的に開口するように、圧力接続部(20)によって前記低圧領域(14)と接続され得ることを特徴とする請求項1に記載の弁アセンブリ(10)。
【請求項3】
前記パイロット弁(11)が、第1の圧力接続部(21)によって前記燃料供給装置の前記低圧領域(14)と、及び、第2の圧力接続部(24)によって少なくとも1つのチョーク(18、25)を介して前記燃料供給装置の前記高圧領域(15)と、前記低圧領域(14)に動作圧力が加えられている場合、及び、前記高圧領域(15)に動作圧力が加えられている場合に前記パイロット弁(11)が自動的に閉口するように接続され得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の弁アセンブリ(10)。
【請求項4】
前記燃料供給装置の前記低圧領域(14)における動作圧力が低下した場合に、前記パイロット弁(11)及び前記主弁(12)が自動的に開口するので、前記低圧領域(14)及び前記高圧領域(2)から燃料タンク(28)に向けて除去することができることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の弁アセンブリ(10)。
【請求項5】
前記パイロット弁(11)及び前記主弁(12)が2/2方向制御弁として構成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の弁アセンブリ(10)。
【請求項6】
船舶用ディーゼルエンジンとして構成された内燃機関の燃料供給装置、特にコモンレール燃料供給装置であって、低圧領域(14)と高圧領域(15)とを有する燃料供給装置において、請求項1からのいずれか一項に記載の弁アセンブリ(10)を備えているを特徴とする燃料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の燃料供給装置のための弁アセンブリに関する。本発明はさらに、当該弁アセンブリを有する燃料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コモンレール燃料供給装置の基本的な構成は、特許文献1から知られている。コモンレール燃料供給装置は、内燃機関のシリンダごとに、それぞれ少なくとも1つのインジェクタを含んでいる。これらのインジェクタを通して、内燃機関のシリンダのそれぞれに、燃料が噴射可能である。さらに、コモンレール燃料供給装置は、燃料をコモンレール燃料供給装置の低圧領域から高圧領域へ運ぶために、少なくとも1つの低圧ポンプと、少なくとも1つの高圧ポンプと、少なくとも1つの高圧貯蔵装置とを含んでおり、ポンプ装置とインジェクタとの間の高圧領域には、永久に高圧下にある蓄圧システムが設けられている。この永久に高圧下にある蓄圧システムは、コモンレールとも称され、1つ又は複数の貯蔵ユニットを有している。これらの貯蔵ユニットは、永久に高圧下にある高圧導管を通じて、ポンプ装置と接続されていると共に、互いに接続されている。蓄圧システム、すなわち貯蔵ユニットは、さらに、噴射時期に応じて一時的に高圧になる高圧導管を通じてインジェクタと接続されている。インジェクタを貯蔵ユニットと接続する、噴射時期に応じて一時的に高圧になる高圧導管には、切換弁が配設されており、当該切換弁は、噴射時期に応じてインジェクタに燃料を供給する。
【0003】
特許文献1からは、蓄圧システムの貯蔵ユニットの内1つには、安全弁及び逃し弁が配設されていることが知られている。安全弁と逃し弁とは、共に1つの負荷軽減装置を形成する。安全弁及び逃し弁は、唯一の弁要素によっても実現され得る。逃し弁を通じて、原動機を停止した後、燃料供給装置からタンクに向けて除去することが可能であり、特許文献1によると、逃し弁の作動は、固有の制御媒体を通じて、空気圧又は油圧又は電磁気を用いて行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許発明第10157135号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここから出発して、本発明の課題は、燃料供給装置のための新式の弁アセンブリと、当該弁アセンブリを有する燃料供給装置とを創出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本課題は、請求項1に記載の弁アセンブリによって解決される。本発明に係る弁アセンブリは、パイロット弁、主弁及び圧力調整弁を有しており、主弁は、圧力接続部によって、燃料供給装置の高圧領域と接続可能であり、パイロット弁と圧力調整弁とは、圧力接続部によって、燃料供給装置の低圧領域と接続可能である。すなわち、パイロット弁、主弁及び圧力調整弁は、低圧領域における圧力に応じて、及び/又は、高圧領域における圧力に応じて自動的に作動され得るように接続可能である。
【0007】
本発明に係る弁アセンブリは、内燃機関を停止した後、又は、燃料供給装置の低圧ポンプを停止した後の、燃料供給装置の高圧領域の自動的な負荷軽減を機械を用いた方法で可能にするので、空気圧による又は電磁気による又はその他の方法による作動は必要としない。
【0008】
したがって、原動機を停止した後の、制御装置による作動を行わない、燃料供給装置の自動的な減圧が可能になる。制御媒体として、燃料供給装置に存在する燃料の圧力が用いられる。燃料供給装置の減圧は、本発明に係る弁アセンブリを用いて数秒の内に行われ得る。それゆえ、燃料供給装置のインジェクタは、摩耗から効果的に保護され得る。
【0009】
有利なさらなる構成によると、圧力調整弁は、圧力接続部によって、燃料供給装置の低圧領域と、低圧領域に動作圧力が加えられている場合に圧力調整弁がバネ要素の調整可能な弾力に反して自動的に開口するように接続され得る。パイロット弁は、第1の圧力接続部によって、燃料供給装置の低圧領域と、及び、第2の圧力接続部によって、少なくとも1つのチョークを介して燃料供給装置の高圧領域と、低圧領域及び高圧領域に動作圧力が加えられている場合にパイロット弁が自動的に閉口するように接続され得る。主弁は、圧力接続部によって、燃料供給装置の高圧領域と、高圧領域に動作圧力が加えられる前に主弁が自動的に閉口するように接続され得る。そうすると、燃料供給装置の低圧領域における動作圧力が低圧ポンプの停止によって低下した場合に、パイロット弁及び主弁が自動的に開口するので、高圧領域から燃料タンクに向けて除去することができる。このパイロット弁、主弁及び圧力調整弁の接続は好ましいものであり、少ない費用で、内燃機関の停止後又は燃料供給装置の低圧ポンプの停止後における、制御機器による外部からの作動を行わない、燃料噴射システムの機械による自動的な減圧を可能にする。
【0010】
本発明に係る燃料供給装置は、請求項9に規定されている。本発明の好ましいさらなる構成は、下位請求項及び以下の説明から明らかである。本発明の実施例は、図面を用いて詳細に説明されるが、当該図面に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る燃料供給装置のための弁アセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、好ましくは大型ディーゼルエンジン又は船舶用ディーゼルエンジンとして構成された内燃機関の燃料供給装置の弁アセンブリと燃料供給装置、特にコモンレール燃料供給装置とに関する。
【0013】
内燃機関のコモンレール燃料供給装置として構成された燃料供給装置の基本的な構成は、当業者にはよく知られており、すでに特許文献1からも知られている。本発明は、内燃機関の始動に際して、及び、内燃機関が動き始めた後、燃料供給装置の低圧領域及び高圧領域の両方において、所定の動作圧力の調整を支援し、原動機又は低圧ポンプの停止後は、燃料供給装置の機械による自動的な減圧を可能にするような燃料供給装置のための弁アセンブリに関する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明に係る船舶用ディーゼルエンジンとして構成された内燃機関の燃料供給装置、特にコモンレール燃料供給装置のための弁アセンブリ10のブロック図である。弁アセンブリ10は、パイロット弁11、主弁12及び圧力調整弁13を含んでいる。図1の弁アセンブリ10は、内燃機関の燃料供給装置の低圧領域14にも高圧領域15にも接続され得る。
【0015】
図1の実施例において2/2方向制御弁として構成されている主弁12は、2つの圧力接続部16及び17を有している。両方の圧力接続部16及び17によって、主弁12を燃料供給装置の高圧領域15に接続することが可能であり、両方の圧力接続部16及び17は、その押圧面に関して異なっている。チョーク18を介して燃料供給装置の高圧領域15に接続され得る第1の圧力接続部16は、主弁12の第2の圧力接続部17よりも大きな押圧面を有しており、主弁12は、圧力接続部17を通じて、チョークを介することなく燃料供給装置の高圧領域15に直接接続され得る。燃料供給装置の高圧領域15が非加圧の場合、バネ要素19は主弁12を図1に示した閉口位置に押圧する。このバネ要素19は、比較的少ない弾力を有するように構成され得る。なぜなら、バネ要素19は実質的には、非加圧状態における主弁12の位置決めにのみ用いられるからである。高圧領域15内に少なくとも1つの高圧ポンプによって動作圧力が加えられる場合、主弁12の第1の圧力接続部16が圧力接続部17よりも大きい押圧面を有するということによって、主弁12も同様に図1に示された閉口位置に押圧される。
【0016】
パイロット弁11及び圧力調整弁13は、圧力接続部20、21によって、燃料供給装置の低圧領域14に接続され得る。低圧領域14のチョーク22は、低圧領域14における圧力振動を減衰させる。低圧領域14が非加圧の場合、パイロット弁11はバネ要素23によって図1に示した閉口位置に押圧される。パイロット弁11のバネ要素23は、主弁12のバネ要素19と同様に、少ない弾力を有するように構成されており、パイロット弁11の場合は、専ら、非加圧状態におけるパイロット弁11の位置決めを行うために用いられる。場合によっては、バネ要素23を完全に省略しても良い。
【0017】
図1に示された実施例において主弁12と同様に2/2方向制御弁として構成されているパイロット弁11は、パイロット弁11を燃料供給装置の低圧領域14に接続できる圧力接続部21の他に、さらなる圧力接続部24を有しており、圧力接続部24を通じてパイロット弁11は、少なくとも1つのチョークを介して高圧領域15に接続され得る。図1では、パイロット弁11の圧力接続部24と高圧領域15との間には、すでに言及したチョーク18とさらなるチョーク25とが接続されている。パイロット弁11の両方の圧力接続部21及び24もやはり異なる押圧面を有しており、第1の圧力接続部21の押圧面は、第2の圧力接続部24の押圧面よりも大きいので、低圧領域14及び高圧領域15において、それぞれ対応する動作圧力が加えられている場合に、パイロット弁11は図1に示された閉口位置に押圧される。
【0018】
すでに説明したように、圧力調整弁13は、圧力接続部20によって低圧領域14に接続可能であり、低圧領域14が非加圧の場合、その弾力に関して調整可能なバネ要素26は、圧力調整弁13を、図1に示した閉口位置に押圧する。次に、低圧領域14に動作圧力が加えられている場合、当該動作圧力は圧力接続部20に存在し、バネ要素26の調整された弾力に応じて、圧力調整弁13を、閉口位置から押圧する。つまり、圧力接続部20及び21では、圧力調整弁13及びパイロット弁11によって、一定の圧力が生じるように押圧する。したがって、圧力調整弁13及び調整可能なバネ要素26を用いて、燃料供給システム内で圧力が変動した場合においても主弁12のために一定の開口圧力を保証することが可能であり、圧力接続部20及びそれに伴って圧力接続部21における高すぎる圧力は、圧力調整弁13のチョーク27における圧力が所望の値に低下するまでの間は、圧力調整弁13の開口につながる。ここで、圧力調整弁13をパイロット弁11のピストンに組み込むことが可能であることを指摘しておく。
【0019】
停止した内燃機関において、つまり、低圧領域17の低圧ポンプ及び高圧領域15の高圧ポンプが停止した結果、燃料供給装置が非加圧である場合、弁アセンブリ10の弁11、12及び13は、図1に示した位置をとる。
【0020】
内燃機関の始動の際、及び、燃料供給装置の低圧領域14の低圧ポンプの始動の際、圧力接続部20及び21では、圧力調整弁13及びパイロット弁11によって、圧力が生成され、当該圧力は、圧力調整弁13によって一定に保たれ、パイロット弁11を図1に示した閉口位置に押圧する。内燃機関が始動する際、高圧領域15の1つ又は各高圧ポンプも始動する。圧力接続部16及び17の構成によって、主弁12は、高圧領域15に動作圧力が存在する場合に、燃料供給装置の高圧領域15を閉じた状態で保つ。すでに説明したように、燃料供給装置の低圧領域14における圧力変動は、チョーク22によって減衰され、圧力調整弁13は、燃料供給装置内の圧力変動の際に、主弁12のために開口圧力を一定に保っている。
【0021】
内燃機関の始動後、並びに、対応して動作圧力が、低圧領域14の低圧ポンプ及び高圧領域15の1つ又は各高圧ポンプによって低圧領域14及び高圧領域15内に生成された後、燃料供給装置の図示されていないインジェクタには、対応する噴射圧力が存在している。チョーク18を介して、主弁12の圧力接続部16は満たされ、すでに言及したように、圧力接続部16は圧力接続部17よりも大きな押圧面を有しているので、主弁12は、内燃機関の始動後、確実に閉止した状態で保たれる。
【0022】
主弁12の圧力接続部16は、完全には密封されていないので、主弁12のいわゆる隙間経路(Spaltfuehrung)に起因して、一定量の燃料が、燃料タンク又は回収タンク28に向かうに従って損失する。主弁12の圧力接続部16の漏れは、図1では概略的に、チョーク29を通じて示されているが、ここでは、構造的に完成されたチョークではなく、単に、主弁12の圧力接続部16の漏れの結果としての第2の圧力接続部16から回収タンク28の方向への燃料の損失が対象になっている。しかしながら、チョーク18を通じて、原理的なチョーク29に関して圧力接続部16の漏れの結果として回収タンク28の方向に排出されるよりも多くの燃料が補充されるので、主弁12の圧力接続部16における圧力は維持され、燃料供給装置の高圧領域15は閉じた状態で維持され得る。
【0023】
内燃機関が停止され、したがって低圧領域14の低圧ポンプと高圧領域15の1つ又は各高圧ポンプとが停止された場合、燃料供給装置内の圧力は急速に低下する。それによって、パイロット弁11の圧力接続部21における圧力が低下し、燃料供給装置の高圧領域15に依然として存在する比較的高い圧力であって、チョーク18及び25を介してパイロット弁11の圧力接続部24に存在する圧力の結果、パイロット弁11が自動的に開口する。これによって、燃料供給装置内の圧力状況を利用して、内燃機関の停止後数秒の内に、自動的に低圧領域14から回収タンク28に向けて除去又は換気させることができる。
【0024】
この関連において、チョーク25はチョーク18よりも大きいので、チョーク25を介しては、チョーク18を介して圧力接続部16に送られるよりも多くの燃料が圧力接続部16から流出可能であることを留意すべきである。
【0025】
主弁12の圧力接続部16における圧力が減少することによって、主弁12も圧力接続部17における圧力によって自動的に開口するので、それによって、燃料供給装置の高圧領域15も、内燃機関停止後数秒の内に、機械的かつ自動的に、回収タンク28に向けて除去又は換気させることができる。
【0026】
図1に示されたチョーク30は、回収タンク28への圧力損失を示している。
【0027】
本発明に係る弁アセンブリ10は、燃料供給装置の低圧領域14及び高圧領域15における圧力状況を利用することによって、内燃機関の起動又は始動の際にはパイロット弁11及び主弁12を自動的に閉口させ、内燃機関の停止後にはパイロット弁11及び主弁12を数秒の内に自動的に開口させる。これによって、別個の制御機器の作動を行わない、内燃機関の停止後の燃料供給装置の自動的な減圧が確実化される。空気圧若しくは油圧による圧力空気の供給又は電磁気若しくはその他の種類の作動は不要である。制御媒体は動作媒体、すなわち燃料に相当するので、望ましくない異なる媒体の混合が生じず、例えば、空気圧による作動の際に燃料と圧力空気とが混合することはない。原動機の停止後の、本発明に係る弁アセンブリ10のパイロット弁11及び主弁12の開口と、それに伴う燃料供給装置の減圧とは、数秒の内に行われるので、例えば燃料インジェクタの負荷を迅速に軽減することができる。主弁12及びパイロット弁11のバネ要素19及び23は、少ない弾力を有するように構成されている。なぜなら、これらのバネ要素は、非加圧の状態では実質的に、対応する弁11、12の位置決めにのみ用いられるからである。
【符号の説明】
【0028】
10 弁アセンブリ
11 パイロット弁
12 主弁
13 圧力調整弁
14 低圧領域
15 高圧領域
16 圧力接続部
17 圧力接続部
18 チョーク
19 バネ要素
20 圧力接続部
21 圧力接続部
22 チョーク
23 バネ要素
24 圧力接続部
25 チョーク
26 バネ要素
27 チョーク
28 回収タンク
29 チョーク
30 チョーク
図1