【実施例1】
【0018】
まず、本実施例に係る警備員の警備業務に対する支援に係る処理概要を、
図1を用いて説明する。
図1は、画像及び音声だけではなく様々な情報を取得する装備を身に着けた警備員に対して、身に着けた装備で取得されるデータに基づいて、当該警備員の警備業務に対する支援の要否及びその支援内容を判定して、判定内容に応じて当該警備員に対して適切な指示及び情報提供を行ったり、他の警備員への出動指示を行うなどの警備業務支援システムの概要を説明するための図である。
【0019】
図1に示すように、警備員はウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23を身に着けている。ウェアラブルカメラ10は、装着した状態において警備員が顔を向けている方向の画像と音声を取得することができるだけではなく、装着した状態で警備員の視野の一部に画像を出力するディスプレイ12及び音声を出力するイヤホン14を含む。モーションセンサ21は、装着している警備員の動きを検知する装置である。生体情報センサ22は、装着している警備員の体温、心拍数及び加速度などの生体情報を取得する装置である。環境情報センサ23は、気温、湿度、高度及び位置などの環境情報を取得する装置である。
【0020】
また、警備員は、様々な情報を取得するための装置とは別に携帯端末装置40を携帯している。ウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23などの装置は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信によって携帯端末装置40に対して取得した各種データを送信する。また、ウェアラブルカメラ10は、通信によって携帯端末装置40から画像データ及び音声データを受け付けると、ウェアラブルカメラ10の備えるディスプレイ12及びイヤホン14で受け付けた画像データ及び音声データを出力することができる。
【0021】
携帯端末装置40は、ウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23などの装置から、これらの装置が取得したデータを受け付けたならば、受け付けた画像データ、音声データ及びその他の各種センサデータをコントロールセンタに設置されるコントロールセンタサーバ50に送信する。また、携帯端末装置40は、受け付けたデータの一部のデータについては、コントロールセンタサーバ50に送信するだけではなく、受け付けたデータの解析処理を行い、警備員に対する何らかの処理を行う必要があるか否かの判定を行う。(以下、警備の支援として行う必要がある処理のことを「インシデント」と言う。)
【0022】
携帯端末装置40は、インシデントの発生を検知した場合には、検知したインシデントの内容をコントロールセンタサーバ50に通報する。携帯端末装置40で行われるデータ解析処理とは、例えば、警備員の声やモーションセンサ21の取得した警備員の動作などを解析して警備員の依頼内容や応答内容などを特定することである。警備員が警備を行っている状況は、通常は携帯端末装置40の操作をできる状況でないことが多く、音声による依頼や応答ができることは重要である。また、状況によっては声を発することができないような場合などもあり、そのような場合に、モーションセンサ21の取得した情報による依頼や応答ができることが役に立つ。また、警備員からの能動的な行動によって判断するだけでなく、例えば、生体情報センサ22で取得したセンサ値の異常値の検知や、モーションセンサ21による警備員の異常な動作を検知した場合に、インシデント発生を検知するようにしてもよい。
【0023】
コントロールセンタサーバ50は、携帯端末装置40から受け付けたデータがインシデント発生の通報でない場合には、受け付けたデータの解析処理を行い、インシデントの発生有無の判定を行う。警備員が身に着けた装備で取得されたデータの解析処理は、携帯端末装置40及びコントロールセンタサーバ50で行われるが、同一の処理を行うわけではなく、データの発生頻度、処理の重さ及び解析処理内容によって適切に携帯端末装置40とコントロールセンタサーバ50とで分担する。発生頻度が非常に高いデータの場合にはコントロールセンタサーバ50の負荷を考慮して携帯端末装置40で行ったり、複数の警備員からのデータに基づいて判定する場合などはコントロールセンタサーバ50で行う。
【0024】
コントロールセンタサーバ50は、携帯端末装置40からインシデント発生の通報を受け付けた場合、若しくは受け付けたデータの解析処理に基づいてインシデントの発生を検知した場合には、発生したインシデントの種別に応じた処理を行う。
【0025】
例えば、警備員のウェアラブルカメラ10で取得した画像データに基づいて、同一人物の顔画像が所定時間以上継続して所定の大きさ以上の大きさで取得された場合に、取得した画像データに含まれる人物がブラックリストに含まれる人物でないかを確認するブラックリスト検索というインシデントが発生したと検知する。ブラックリスト検索というインシデントに対しては、取得した画像データに含まれる顔画像のデータと、ブラックリストDBに含まれる顔画像のデータとのマッチングを行うことによって、ブラックリストに含まれる人物であるか否かの判定を行い、ブラックリストに含まれる人物であると判定された場合には、ブラックリスト上の人物にかかる情報を含む画像データ及び音声データを処理結果として携帯端末装置40に送信する。携帯端末装置40は、処理結果として受け付けた画像データ及び音声データをウェアラブルカメラ10のディスプレイ12及びイヤホン14に出力すること
によって、警備員にブラックリスト検索の結果を通知することができる。
【0026】
また、例えば、警備員のウェアラブルカメラ10のマイク13で取得した音声に基づいて、特定業務(例えば外国語通訳)などのサポートというインシデントが発生した
ことが検知された場合には、コントロールセンタサーバ50は、特定業務のサポートを行うサポートセンタのサポートセンタサーバ70にサポートの依頼を行うとともに、携帯端末装置40にはサポートセンタと接続するための情報の提供を行い、携帯端末装置40とサポートセンタ端末81を接続させて音声及び画像などの送受信を通して特定業務のサポートを可能とする。ブラックリスト検索及び特定業務サポートは、インシデントの一例であって、インシデントによっては、他の警備員に対する出動の指示を行うことも可能である。
【0027】
このように、警備員の装着するウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23などの各種情報取得装置が取得した情報に基づいて、警備員に対する支援内容を判定し、判定した支援内容に応じた処理を行うことによって、警備員が必要とする情報を必要なタイミングで提供できるようにしたので、警備員に対して警備業務に有効な情報を提供することによって質の高い警備業務を行うことができる。
【0028】
次に、本実施例に係る警備業務支援システムのシステム構成を説明する。
図2は、本実施例に係る警備業務支援システムのシステム構成図である。
図2に示すように、警備業務支援システムに係る装置は、警備員が装備する装置と、警備員のコントロールをするコントロールセンタに設置される装置と、警備員に対する特定業務のサポートを行うサポートセンタの装置及び警備対象領域内に固定的に設置される装置とを有し、通信網91を介して接続されている。
【0029】
警備員が装備する装置は、身体に装着するウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21及び生体情報センサ22と、携行する無線通信装置30、携帯端末装置40及び環境情報センサ23とを含む。ウェアラブルカメラ10は、
図1に示したように頭部に装着して、顔の向いている方向の画像データを取得するカメラ11と、音声データを取得するマイク13と、装着した状態で警備員の視野の一部に画像を出力するディスプレイ12と、音声を出力する図示しないイヤホン14を含む。モーションセンサ21は、
図2に示すように警備員の体の各部に対応する位置に動きを検知する複数のセンサを有し、体の各部の動きを検知することによって、警備員の動作の情報を取得する装置である。生体情報センサ22は、警備員の身体に接する状態で装着される装置で、警備員の体温、心拍数及び加速度などの生体情報を取得する装置である。環境情報センサ23は、警備員によって携行されることによって警備員のおかれている気温、湿度、高度及びGPS等の位置情報を定期的に取得する装置である。
【0030】
携帯端末装置40は、ウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23とBluetoothなどの近距離無線通信によって接続し、ウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23が取得した情報を、コントロールセンタのコントロールセンタサーバ50に送信する。また、携帯端末装置40は、ウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23から取得した情報に基づいてインシデントの発生の検知を行い、インシデントの発生を検知したならば検知したインシデントに係る情報をコントロールセンタサーバ50に送信する。
【0031】
また、携帯端末装置40は、コントロールセンタサーバ50から画像データ及び音声データ等の出力データを受け付けると、受け付けた出力データをウェアラブルカメラ10の有するディスプレイ12及びイヤホン14に出力する。また、携帯端末装置40は、受け付けた出力データが画像データでも音声データでもない場合に、例えば音声に変換してイヤホン14に出力したり、画像に変換してディスプレイ12に表示を行うこともできる。また、携帯端末装置40は、受け付けた出力データを携帯端末装置40の備える表示操作部41や音声入出力部46に出力することも可能である。
【0032】
無線通信装置30は、携帯端末装置40が使用する接続経路とは異なる接続経路で通信網91に接続可能な通信中継装置である。また、無線通信装置30は、Wi−Fiや無線LANなどの通信手順による接続が可能で、Wi−Fiや無線LANなどの通信手順によって接続した装置に対して通信網91に接続可能な他の装置との通信路を提供する。携帯端末装置40が使用する接続経路が災害等で使用できない状態となっていたり、携帯端末装置40が使用する通信網91と接続する接続経路が輻輳などにより使用できない状態となっている場合に、無線通信装置30を経由して通信網91に接続することによって、携帯端末装置40とコントロールセンタサーバ50との間の通信が可能となる。また、無線通信装置30の、Wi−Fiや無線LANに係るネットワーク名の公開又は非公開や暗号化キーなどの設定を変更することが可能で、警備システムでのみ使用可としたり、警備に関連する装置以外の一般の装置によって使用可能とすることも可能である。
【0033】
コントロールセンタサーバ50は、携帯端末装置40を介して受信した警備員の装備で取得した各種情報に基づいてインシデントの発生の検知を行い、インシデントの発生を検知したならば検知したインシデントに対応する処理を行い、警備員が携行する携帯端末装置40などに処理結果を出力する。
【0034】
また、コントロールセンタサーバ50は、例えば、生体情報センサ22の異常値を検知した場合などに、具体的に行う処理内容が決定できないような場合には、コントロールセンタ内のコントロールセンタ端末62をアサインして、該コントロールセンタ端末62を操作するオペレータと警備員がコミュニケーションできる状態を作る。具体的には、コントロールセンタ端末62は、警備員の装備で取得した画像、音声、生体情報、環境情報などの情報を取得して出力し、コントロールセンタ端末62に接続される音声入力装置などの入力装置で入力した情報を、携帯端末装置40に送信する。携帯端末装置40は受け付けた情報を、ウェアラブルカメラ10のディスプレイ12、イヤホン14、携帯端末装置40の表示操作部41及び音声入出力部46に出力することによって、コントロールセンタ端末62を操作するオペレータと警備員との双方向の情報交換を可能とする。また、コントロールセンタ端末62を操作するオペレータは、警備員の装備が取得する情報を確認することができることから、該警備員が支援を必要とする状態なのか否か及び必要とする支援内容の判断を短時間で且つ適切に行うことが可能となる。コントロールセンタ端末62は、オペレータの判断内容を受け付けたならば、その内容をコントロールセンタサーバ50に通知し、コントロールセンタサーバ50は、オペレータの判断内容に基づいてインシデントの種別を特定し、特定したインシデントに応じた処理を行う。
【0035】
コントロールセンタサーバ50は、特定業務のサポート依頼のインシデントを検知すると、業務やサポートレベルに応じて、特定業務サポートサーバ61なのかサポートセンタのいずれかを選択して、特定業務サポートサーバ61又はサポートセンタに対してサポート依頼を行う。特定業務サポートサーバ61は、人の介在しない例えば外国語の音声入力に応じて、翻訳した日本語を返信してくれる自動翻訳機能などのようなサービスを提供するサーバである。サポートセンタは、サポートセンタサーバ70と、複数のサポートセンタ端末81を有し、警備員の携行する携帯端末装置40と、サポートセンタ端末81とを接続して、コントロールセンタ端末62で行ったのと同様の、サポートセンタ端末81を操作する専門家と警備員がコミュニケーションできる状態を作り、専門家による警備員のサポートを行うことを可能とする。
【0036】
図2に示した例では、特定業務サポートサーバ61は、コントロールセンタ内に設置され、サポートセンタサーバ70は、コントロールセンタの外に設置され通信網91を介してコントロールセンタサーバ50と接続されるような構成としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、特定業務サポートサーバ61は、コントロールセンタの外に設置され通信網91を介してコントロールセンタサーバ50と接続されるような構成であってもよい。また、場合によっては、特定業務サポートサーバ61の機能を、コントロールセンタサーバ50若しくはサポートセンタサーバ70に搭載するものとしてもよい。また、サポートセンタサーバ70についても、コントロールセンタ内に設置するようにしてもよい。
【0037】
また、コントロールセンタサーバ50は、警備対象領域に設置されている監視カメラ92及び報知装置93と、通信網91を介して接続可能で、監視カメラ92で取得した画像データを取得したり、コントロールセンタサーバ50から、報知装置93に対して情報を出力することが可能である。つまり、例えば、警備員の要望に応じて、警備員が装着するウェアラブルカメラ10のディスプレイ12に監視カメラ92で取得した画像を表示したり、例えば、災害時などの避難誘導において警備員の判断に基づいた避難経路を報知装置93に即時に反映することも可能である。
【0038】
次に、
図2に示した携帯端末装置40の本実施例に係る機能的な内部構成を説明する。
図3は、携帯端末装置40の本実施例に係る機能的な内部構成を示すブロック図である。
図3に示したように、携帯端末装置40は、表示操作部41、近距離無線通信部42、無線通信部43、外部通信部44、カメラ45、音声入出力部46、記憶部47及び制御部48を有している。
【0039】
表示操作部41は、タッチ式の液晶パネルなどの表示及び操作の受付を行う入出力部である。近距離無線通信部42は、ウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23とのBluetoothなどによる近距離無線通信を行うためのインタフェース部である。無線通信部43は、無線通信装置30とのWi−Fiや無線LANなどの通信手順による無線通信を行うためのインタフェース部である。外部通信部44は、コントロールセンタのコントロールセンタサーバ50、特定業務サポートサーバ61及びサポートセンタのサポートセンタサーバ70との通信を行うためのインタフェース部である。
【0040】
カメラ45は、画像データを取得する入力部である。音声入出力部46は、マイクなどの音声入力部及びスピーカやヘッドフォンなどの音声出力部を含む。
【0041】
記憶部47は、DDR−SDRAM(Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)などからなる記憶デバイスである。記憶部47は、特定顔画像データ47a及び手順データ47bを有する。特定顔画像データ47aは、後述する個別アプリケーション48hのオフライン顔認証部48jで使用するデータである。手順データ47bは、後述する個別アプリケーション48hの手順ガイド部48mで使用するデータである。
【0042】
制御部48は、携帯端末装置40の全体を制御する制御部であり、収集データ送信部48a、収集データ解析部48b、出力処理部48g及び個別アプリケーション48hを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROM(Read Only Memory)や不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、対応するプロセスを実行させることになる。
【0043】
収集データ送信部48aは、近距離無線通信部42を介してウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23から送信されてきた各種情報をコントロールセンタサーバ50に送信する。
【0044】
収集データ解析部48bは、近距離無線通信部42を介してウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23から送信されてきた各種情報に基づいて各種インシデントの発生を検知する。収集データ解析部48bは、解析する情報や検知するインシデントの種別などに応じて、音声解析部48c、画像解析部48d、モーション解析部48e及び異常検知部48fなどを有する。
【0045】
音声解析部48cは、ウェアラブルカメラ10のマイク13で取得した音声データを解析して、インシデントの発生を検知する。例えば、警備員の声による指示を解析して、指示に応じたインシデントの検知を行うようにしてもよい。
【0046】
画像解析部48dは、ウェアラブルカメラ10のカメラ11で取得した画像データを解析してインシデントの発生を検知する。例えば、同一人物の顔画像が所定時間以上継続して所定の大きさ以上の大きさで取得された場合に、取得した画像データ
に含まれる人物がブラックリストに含まれる人物でないかを確認するブラックリスト検索というインシデントが発生したと検知するようにしてもよい。
【0047】
モーション解析部48eは、モーションセンサ21により取得した警備員の動作にかかる情報を解析してインシデントの発生を検知する。例えば、警備員の所定インシデントに対応する動作に応じて、対応するインシデントを検知するようにしていてもよい。
【0048】
異常検知部48fは、モーションセンサ21及び生体情報センサ22などで取得したデータを解析して、インシデントの発生を検知する。例えば、モーションセンサ21及び生体情報センサ22などで取得したデータの異常値を検出したならば警備員が異常な状態になっている可能性が高いと判定し、コントロールセンタ端末62による警備員の状況確認というインシデントが発生したと検知するようにしてもよい。
【0049】
出力処理部48gは、コントロールセンタサーバ50から受け付けたインシデントに対応する処理結果である画像情報及び音声情報などの情報を受け付けて、画像情報はウェアラブルカメラ10のディスプレイ12又は携帯端末装置40の表示操作部41に、音声情報はウェアラブルカメラ10のイヤホン14又は携帯端末装置40の音声入出力部46に出力する。また、出力処理部48gは、受け付けた処理結果が画像情報でも音声情報でもない場合に、例えば音声に変換してイヤホン14に出力したり、画像に変換してディスプレイ12に表示を行うこともできる。
【0050】
個別アプリケーション48hは、コントロールセンタサーバ50から受け付けたインシデントに対応する処理結果として、画像情報や音声情報等のような汎用的な処理結果ではない特殊な形式の処理結果に対する処理を行う処理部である。個別アプリケーション48hは、サポートセンタ接続部48i、オフライン顔認証部48j、無線通信装置設定部48k及び手順ガイド部48mなどを有する。
【0051】
サポートセンタ接続部48iは、コントロールセンタサーバ50からインシデントに対する処理結果としてサポートセンタサーバ70と接続するために必要なサポートセンタサーバ70の通信アドレス等の情報を取得したならば、受け付けた情報に基づいてサポートセンタサーバ70との通信を確立して、サポートセンタサーバ70及びサポートセンタ端末81を介したサポートセンタの専門家によるコミュニケーションが行えるようにする。
【0052】
オフライン顔認証部48jは、例えば、ブラックリスト検索のインシデントの処理結果として、ウェアラブルカメラ10で取得した顔画像の人物がブラックリストに含まれる人物であるか否かの判定結果と共に、ブラックリストに含まれる人物の顔画像の特徴データを受け付けた場合には、受け付けた顔画像の特徴データを特定顔画像データ47aに記憶する。また、オフライン顔認証部48jは、ウェアラブルカメラ10のカメラ11で取得した人物の顔画像と特定顔画像データ47aに含まれる顔画像のマッチングを行うことにより、一旦検知した不審人物の検出を携帯端末装置40で行うことにより、コントロールセンタサーバ50と連携しないローカルで不審人物の追跡のサポートを行うことができる。
【0053】
無線通信装置設定部48kは、例えば、コントロールセンタサーバ50から無線アクセスポイント設定というインシデントに対する処理結果として無線通信装置30のネットワーク名の公開又は非公開や暗号化キーなどに係る設定変更情報を受け付けた場合には、無線通信装置設定部48kは受け付けた設定変更情報を無線通信装置30に送信することによってネットワーク名の公開又は非公開や暗号化キーなどに係る設定を変更する。
【0054】
手順ガイド部48mは、例えば、特定業務に係るサポートのインシデントの処理結果として、特定業務に係る処理手順の情報を処理結果として受け付けたならば、受け付けた処理手順の情報を手順データ47bに記憶する。さらに、手順ガイド部48mは、記憶した手順データ47bに含まれる音声や画像を伴う手順の情報をウェアラブルカメラ10の有するディスプレイ12及びイヤホン14に、順番に出力することによって警備員の特定業務の遂行をガイドする。
【0055】
次に、
図2に示したコントロールセンタサーバ50の本実施例に係る機能的な内部構成を説明する。
図4は、コントロールセンタサーバ50の本実施例に係る機能的な内部構成を示すブロック図である。
図4に示すように、コントロールセンタサーバ50は、入力部51及び表示部52と接続される。入力部51は、キーボードやマウス等であり、表示部52は、液晶パネル等のディスプレイ装置である。
【0056】
また、コントロールセンタサーバ50は、通信部53と、記憶部54と、制御部55とを有する。通信部53は、通信網91を介して無線通信装置30、携帯端末装置40、サポートセンタサーバ70、監視カメラ92及び報知装置93とデータ通信するためのインタフェース部である。
【0057】
記憶部54は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部54は、収集データ54a、警備員データ54b、端末管理データ54c、インシデントデータ54d、出力データ54e及びブラックリストDB54kを有している。
【0058】
収集データ54aは、携帯端末装置40から受信した警備員の装着する各種情報取得装置で取得した情報を蓄積したデータである。警備員データ54bは、当該警備業務支援システムで支援の対象となる警備員に係る情報であって、警備員のリアルタイムの状況と、警備員の保有スキルなどの属性情報等を含むデータである。端末管理データ54cは、コントロールセンタ内に設置されている複数のコントロールセンタ端末62の稼働状況を示すデータである。インシデントデータ54dは、発生したインシデントを管理するデータであって、発生したインシデントごとに採番された識別情報、インシデントの種別、インシデントの状況などの情報を有するデータである。
【0059】
出力データ54eは、インシデントに関連付けられた処理結果であって、出力先データ54f、指示テキストデータ54g、音声出力データ54h、画像出力データ54i及びサポートセンタデータ54jなどを含む。出力先データ54fは、指示テキストデータ54g、音声出力データ54h、画像出力データ54i及びサポートセンタデータ54jなどの処理結果を送信する宛先に係る情報である。例えば、ブラックリスト検索のインシデントの場合に、ブラックリスト検索の処理結果を送信する宛先は、通常であれば顔画像を取得したウェアラブルカメラ10を装着する警備員であるが、例えば警備員からの応援要請などのインシデントの場合には、出動指示の対象となる警備員になる。
【0060】
指示テキストデータ54gは、警備員に対する出力データであり、受け付けた携帯端末装置40は、受け付けた指示テキストデータ54gをウェアラブルカメラ10のディスプレイ12に文字情報として表示したり、音声データに変換してイヤホン14に出力する。音声出力データ54hは、警備員に対する出力データであり、受け付けた携帯端末装置40は、受け付けた音声出力データ54hをイヤホン14に出力する。画像出力データ54iは、警備員に対する出力データであり、受け付けた携帯端末装置40は、受け付けた画像出力データ54iをウェアラブルカメラ10のディスプレイ12に出力する。
【0061】
サポートセンタデータ54jは、特定業務に関する支援要請というインシデントの場合には、特定業務に対応するサポートセンタ端末81との接続に必要なサポートセンタサーバ70の通信アドレスなどの情報が処理結果として送信される。サポートセンタデータ54jを受け付けた携帯端末装置40のサポートセンタ接続部48iは、受け付けた情報に基づいてサポートセンタサーバ70との通信を確立して、サポートセンタサーバ70及びサポートセンタ端末81を介したサポートセンタの専門家によるコミュニケーションが行えるようにする。
【0062】
ブラックリストDB54kは、要注意人物の顔画像の特徴データ及び該要注意人物に係る情報を含んだデータベースである。
【0063】
制御部55は、コントロールセンタサーバ50全体を制御する制御部であり、データ収集・蓄積処理部55a、収集データ監視部55b、警備員データ管理部55c、端末制御部55d、個別処理部55e及び出力処理部55iを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、対応するプロセスを実行させることになる。
【0064】
データ収集・蓄積処理部55aは、携帯端末装置40から警備員の装備である各種装置で取得した各種データを受信して収集データ54aに蓄積する。
【0065】
収集データ監視部55bは、携帯端末装置40から警備員の装着する各種情報取得装置で取得した各種情報を監視して各種インシデントの発生を検知する処理部である。収集データ監視部55bと、携帯端末装置40の収集データ解析部48bとは同じデータに基づいてインシデントの検知を行うことも可能であるが、重複した処理を行うものではなく、データの発生頻度及びデータの解析に必要な情報などによって、携帯端末装置40とコントロールセンタサーバ50に適切に機能配分される。
【0066】
警備員データ管理部55cは、警備員データ54bの警備員のリアルタイムの状況を管理する。例えば、警備員の携行する環境情報センサ23から位置情報を受け付けて、警備員データ54bの有する警備員の位置情報を更新したり、警備員に関連付けて発生しているインシデントの情報などを、リアルタイムで更新する。
【0067】
端末制御部55dは、コントロールセンタに設置されるコントロールセンタ端末62のインシデントに対する割当及び解放を行う。また、端末制御部55dは、コントロールセンタ端末62をインシデントに割り当てたならば、割り当てたコントロールセンタ端末62と該インシデントに対応する携帯端末装置40との間のデータ通信を中継し、該コントロールセンタ端末62を操作するオペレータと警備員がコミュニケーションできる状態を作る。
【0068】
個別処理部55eは、インシデントの種別に応じた個別の処理を行って出力データ54eを処理結果として出力する。個別処理部55eは、インシデントの種別ごとの処理部であるサポートセンタ割当部55f、ブラックリスト検索部55g及び無線通信装置設定部55hなどを含む。サポートセンタ割当部55fは、特定業務のサポート依頼のインシデントに対する処理を行う処理部であって、特定業務の種類や支援レベルなどの情報に基づいてサポートセンタデータ54jなどの処理結果を生成する処理部である。
【0069】
ブラックリスト検索部55gは、ウェアラブルカメラ10で取得した画像データ
に含まれる人物がブラックリストに含まれる人物でないかを確認するブラックリスト検索というインシデントに対する処理部で、ウェアラブルカメラ10で取得した画像データ
に含まれる人物の顔画像を用いて、ブラックリストDB54kの情報とをマッチングして、その処理結果として指示テキストデータ54g、音声出力データ54h又は画像出力データ54iなどのデータを出力する。
【0070】
無線通信装置設定部55hは、例えば、無線アクセスポイント設定というインシデントに対する処理部であって、処理結果として無線通信装置30のネットワーク名の公開又は非公開や暗号化キーなどに係る設定変更情報を出力する。
【0071】
出力処理部55iは、発生したインシデントに対して個別処理部55eの出力した出力データ54eを、出力データ54eに含まれる出力先データ54fが示す出力先に送信する処理部である。
【0072】
次に、
図4に示したコントロールセンタサーバ50の本実施例に係るデータ構成について
図5を用いて説明する。
【0073】
収集データ54aは、データを収集した日時、データを取得した装置を装着又は携行する警備員の識別情報、収集したデータの種類を示すデータ区分及び取得データをレコードの保有項目とするデータである。データ区分は、コード化されたデータであって、「01」はウェアラブルカメラ10のカメラ11で取得したデータであることを示し、「02」はウェアラブルカメラ10のマイク13で取得したデータであることを示し、「03」はモーションセンサ21で取得したデータであることを示し、「04」は生体情報センサ22で取得したデータであることを示し、「05」は環境情報センサ23で取得したデータであることを示し、「81」は監視カメラ92で取得したデータであることを示し、「90」は携帯端末装置40によって警備員が装着する各種情報取得装置で取得した情報を解析した結果のデータであることを示す。また、取得データは、データ区分に応じたデータ形式を有する。
【0074】
図5の収集データ54aの例は、日時が「2014/4/10 15:00」に、警備員識別情報が「05015」の警備員の装着するウェアラブルカメラ10のカメラ11で取得したデータが記録されていることを示している。
【0075】
警備員データ54bは、警備員の識別情報と、警備員のリアルタイムの状況を示す警備員状況と、警備員の属性情報等をレコードの保有項目とするデータである。警備員状況は、警備員にアサインされている任務を識別する任務番号と、警備員に関連付けられて処理中のインシデント番号と、警備員の環境情報センサ23から受け付けた位置(GPS)情報と、警備員の携行する携帯端末装置40の通信アドレスなどを含む。また警備員の属性情報は、性別及び保有スキルなどの情報を含む。
【0076】
図5の警備員データ54bの例は、警備員識別情報が「12345」に対応する警備員は、任務番号「123」に対する任務がアサインされていて、当該警備員に対応する「12301234」のインシデントの処理中であり、性別が「M」で男性であることを示している。
【0077】
端末管理データ54cは、コントロールセンタ端末62を識別可能な端末識別番号に関連付けられた、端末識別番号に対するコントロールセンタ端末62のステータスと、関連するインシデント番号などをレコードの保有項目とするデータである。ステータスは、コード化されたデータであって、「0」はいずれのインシデントにもアサインされていないことを示し、「1」はいずれかのインシデントにアサインされていることを示す。
図5の端末管理データ54cの例は、端末識別番号「011」のコントロールセンタ端末62は、ステータスが「1」でありインシデントにアサインされていて、アサインされているインシデント番号が「
12301234」であることを示している。
【0078】
インシデントデータ54dは、インシデントの発生日時、発生したインシデントを識別するインシデント番号、発生したインシデントの種別、インシデントのステータス及び発生したインシデントに対応する警備員の識別情報などをレコードの保有項目とするデータである。インシデントステータスは、コード化されたデータであって、「00」はインシデント種別判定中であることを示し、「01」
は処理結果を送信する宛先を決定済であることを示し、「02」
は処理結果を送信済みであることを示し、「90」は当該インシデントの対応が完了していることを示す。
【0079】
図5のインシデントデータ54dの例は、発生日時が「2014/4/10 17:30」のインシデントは、インシデント番号が「12301234」で、インシデント種別が「201」で、インシデントステータスが「01」で処理結果を送信する宛先を決定済であり、インシデントに対応する警備員の識別情報が「12345」であることを示している。
【0080】
図5に示した出力データ54eは、出力先データ54f、指示テキストデータ54g、音声出力データ54h、画像出力データ54i及びサポートセンタデータ54jの共通のデータ形式であって、対応するインシデントのインシデント番号と、該インシデント番号に対して複数の出力データ54eが出力される場合にこれを識別するためのインシデント枝番号と、データ区分と、区分別のデータとをレコードの保有項目とするデータである。データ区分は、コード化されたデータであって、「01」は区分別データに含まれるデータが出力先データ54fであることを示し、「02」は区分別データに含まれるデータが指示テキストデータ54gであることを示し、「03」は区分別データに含まれるデータが音声出力データ54hであることを示し、「04」は区分別データに含まれるデータが画像出力データ54iであることを示している。
【0081】
図5の出力データ54eの例は、インシデント番号が「12301234」で、インシデント枝番号が「001」に対応するデータは、データ区分が「01」であり出力先データ54fを区分別データとして有していることを示している。
【0082】
次に、コントロールセンタサーバ50が携帯端末装置40からのデータを受け付けたときの処理手順を説明する。
図6は、コントロールセンタサーバ50が携帯端末装置40からのデータを受け付けたときの処理手順を示すフローチャートである。
【0083】
データ収集・蓄積処理部55aは、携帯端末装置40から警備員の装着する各種情報取得装置で取得した各種情報に基づいて検知したインシデントの通報を受け付けたならば、受け付けた情報を収集データ54aに登録する(ステップS101)。
【0084】
ステップS101で受け付けた情報がインシデントの通報ではない場合(ステップS102;No)には、収集データ監視部55bは、受け付けたデータを解析することによってインシデントの発生有無及びインシデントの種別の判定を行う(ステップS103)。また、ステップS101で受け付けた情報がインシデントの通報の場合(ステップS102;Yes)には、データ収集・蓄積処理部55aは、受け付けたインシデントの通報の内容を、インシデントデータ54dに登録して(ステップS104)、ステップS112に移行する。
【0085】
ステップS103の判定処理でインシデントではないと判定された場合(ステップS105;Yes)には、処理を終了する。また、ステップS103の判定処理でインシデントであると判定された場合(ステップS105;No)には、収集データ監視部55bは、ステップS103の処理の判定結果をインシデントデータ54dに登録する(ステップS106)。また、ステップS103の判定処理でインシデント種別も判定されている場合(ステップS107;Yes)には、ステップS112に移行する。
【0086】
ステップS103の判定処理でインシデント種別が判定されていない場合(ステップS107;No)には、端末制御部55dは、コントロールセンタ端末62の割当を行い割り当てたコントロールセンタ端末62とインシデントに対応する携帯端末装置40と接続して、コントロールセンタ端末62を操作するオペレータと警備員がコミュニケーションできる状態を作る(ステップS108)。
【0087】
ステップS108の処理の結果として、コントロールセンタ端末62からインシデント種別を受け付けたならば(ステップS109;Yes)、端末制御部55dは、受け付けたインシデント種別をインシデントデータ54dに登録する(ステップS110)。また、ステップS108の処理の結果として、コントロールセンタ端末62からインシデントに対する対応が終了した旨を受け付けたならば(ステップS109;No)、端末制御部55dは、対応するインシデントデータ54dのインシデントステータスを「90」の対応完了に更新して(ステップS111)、処理を終了する。
【0088】
インシデント種別が決定したならば、個別処理部55eはインシデント種別に応じた処理を実行する。具体的には、個別処理部55eは、インシデント種別に応じた処理を実行し、該処理結果を出力データ54eに出力し(ステップS112)、該処理結果を送信する宛先を決定して出力データ54eの出力先データ54fに出力する(ステップS113)。
【0089】
出力処理部55iは、出力データ54eに従って処理結果を警備員の携行する携帯端末装置40に送信し(ステップS114)、処理結果を送信することによって処理終了となるインシデントについては(ステップS115;Yes)、インシデントデータ54dの対応するレコードのインシデントステータスを「90」の対応完了に更新して(ステップS116)、処理を終了する。また、処理結果を送信することによってインシデントに対する処理が終了とはならないインシデントについては(ステップS115;No)、ステップS116のインシデントクローズ処理は行わずに処理を終了する。
【0090】
次に、
図6に示した端末制御処理(ステップS108)の詳細な処理手順と、端末制御処理に係るコントロールセンタ端末62の処理手順を、
図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0091】
端末制御部55dは、端末管理データ54cを参照して、ステータスがインシデントにアサインされていないことを示す「
0」のコントロールセンタ端末62を選択して、当該コントロールセンタ端末62に対応する端末管理データ54cのステータスをアサイン済みで有ることを示す「
1」に更新する(ステップS301)。
【0092】
端末制御部55dは、アサインしたコントロールセンタ端末62に対する接続処理を行う(ステップS302)。コントロールセンタ端末62は、ステップS302のコントロールセンタサーバ50が行った接続処理に応じた接続に係る処理を行うことのよってコントロールセンタサーバ50とコントロールセンタ端末62間の通信を確立する(ステップS401)。
【0093】
ステップS302及びステップS401の処理によってコントロールセンタサーバ50とコントロールセンタ端末62が接続されると、コントロールセンタサーバ50は当該インシデントに対応する携帯端末装置40とコントロールセンタ端末62間のデータの転送を行う(ステップS303)。また、携帯端末装置40は、ウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23などで取得したデータをコントロールセンタサーバ50のデータ転送処理を経由してコントロールセンタ端末62に送信し、コントロールセンタサーバ50のデータ転送処理を経由してコントロールセンタ端末62からの音声情報や画像データ等を受信したならばイヤホン14やウェアラブルカメラ10のディスプレイ12に出力する(ステップS201)。
【0094】
また、コントロールセンタ端末62は、オペレータの使用するマイクの音声などをコントロールセンタサーバ50のデータ転送処理を経由して携帯端末装置40に送信し、コントロールセンタサーバ50のデータ転送処理を経由して携帯端末装置40から受信したウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23などで取得したデータを出力する(ステップS402)。またコントロールセンタ端末62は、ステップS402の入出力処理において、コントロールセンタ端末62における処理が終了したことを示す情報としてコントロールセンタサーバ50宛に処理結果を出力することもできる。
【0095】
コントロールセンタサーバ50は、コントロールセンタ端末62から受信したデータがコントロールセンタ端末62の処理が終了したことを示す処理結果の場合(ステップS304;Yes)には、コントロールセンタ端末62との通信の切断処理を行って、端末管理データ54cのステータスを未アサインで有ることを示す「
0」に更新して(ステップS305)、処理を終了する。また、コントロールセンタ端末62から受信したデータがコントロールセンタ端末62の処理が終了したことを示す処理結果ではない場合(ステップS304;No)には、ステップS303に戻り、データ転送処理を継続する。
【0096】
コントロールセンタ端末62は、ステップS402の入出力処理において、コントロールセンタ端末62における処理が終了したことを示す情報としてコントロールセンタサーバ50宛に処理結果を送信した場合(ステップS403;Yes)、コントロールセンタサーバ50との通信を切断して(ステップS404)、処理を終了する。また、コントロールセンタ端末62は、ステップS402の入出力処理において、コントロールセンタサーバ50宛に処理結果を送信していない場合(ステップS403;No)には、ステップS402に戻って入出力処理を繰り返す。
【0097】
次に、
図2に示したサポートセンタサーバ70の本実施例に係る機能的な内部構成を説明する。
図8は、サポートセンタサーバ70の本実施例に係る機能的な内部構成を示すブロック図である。
図8に示すように、サポートセンタサーバ70は、入力部71及び表示部72と接続される。入力部71は、キーボードやマウス等であり、表示部72は、液晶パネル等のディスプレイ装置である。
【0098】
また、サポートセンタサーバ70は、通信部73と、記憶部74と、制御部75とを有する。通信部
73は、通信網91を介して無線通信装置30、携帯端末装置40及びコントロールセンタサーバ50とデータ通信するためのインタフェース部である。
【0099】
記憶部74は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部74は、サポートデータ74aと、端末管理データ74bと、処理手順DB74cとを有している。
【0100】
サポートデータ74aは、コントロールセンタサーバ50から受け付けた特定業務のサポート依頼に基づいて登録されたデータであって、該サポート依頼の内容や状況等の情報を含む。端末管理データ74bは、サポートセン
タに設置されている複数のサポートセンタ端末81の稼働状況を示すデータである。処理手順DB74cは、警備員が行う特定業務の様々な処理に対応する処理手順の情報を含むデータであって、警備員に対して処理手順を送付する場合には、該処理手順DB74cから対応する手順を選択して携帯端末装置40に送信する。
【0101】
制御部75は、サポートセンタサーバ70全体を制御する制御部であり、サポート依頼管理部75a、携帯端末装置接続処理部75b、端末制御部75c及びサポート処理部75dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、対応するプロセスを実行させることになる。
【0102】
サポート依頼管理部75aは、コントロールセンタサーバ50から受け付けた特定業務のサポート依頼の内容をサポートデータ74aに登録する。また、サポート依頼管理部75aは、受け付けたサポート依頼に対する状況を管理する。
【0103】
携帯端末装置接続処理部75bは、コントロールセンタサーバ50から受け付けた特定業務のサポート依頼に基づいて、サポート対象の警備員の携行する携帯端末装置40とサポートセンタサーバ70間の通信の確立を行う処理部である。
【0104】
端末制御部75cは、サポートセンタに設置されるサポートセンタ端末81の割当及び解放を行う。また、端末制御部75cは、サポートセンタ端末81をコントロールセンタサーバ50からのサポート依頼に係るインシデントに割り当てたならば、割り当てたサポートセンタ端末81と該インシデントに対応する携帯端末装置40との間のデータ通信を中継し、該サポートセンタ端末81を操作するオペレータと警備員がコミュニケーションできる状態を作る。
【0105】
サポート処理部75dは、サポートする特定業務ごとに特化した処理部であり、サポートセンタ端末81において警備員をサポートする業務支援者が使用する機能を提供する処理部である。例えば、不審車両に関する問い合わせであれば、不審車両に関する確認ができる機能がサポート処理部75dに必要となる。
【0106】
次に、
図8に示したサポートセンタサーバ70の本実施例に係るデータ構成について
図9を用いて説明する。
【0107】
サポートデータ74aは、コントロールセンタサーバ50からのサポート依頼の発生日時、該サポート依頼に対応するインシデント番号、サポート依頼内容を示すサポート種別、該サポート依頼の処理ステータス及び該サポート依頼の対象となる携帯端末装置40の通信アドレス等をレコードの保有項目とするデータである。ステータスはコード化されたデータであって、「00」はサポート依頼を受け付けたことを示し、「01」は受け付けたサポート依頼に対してサポートセンタ端末81をアサイン済であることを示し、「02」はサポートセンタ端末81を用いてサポート中であることを示し、「09」はサポートが終了していることを示す。
【0108】
図9のサポートデータ74aの例は、「2014/4/10 14:30」に受け付けたサポート依頼は、インシデント番号「
12301234」に対するもので、サポート種類は「05」で、ステータスが「
02」でありサポートセンタ端末81を用いてサポート中であることを示している。
【0109】
端末管理データ74bは、サポートセンタ端末81を識別可能な端末識別番号に関連付けられた、端末識別番号に対するサポートセンタ端末81のステータスと、関連するインシデント番号などをレコードの保有項目とするデータである。ステータスは、コード化されたデータであって、「0」はいずれのインシデントにもアサインされていないことを示し、「1」はいずれかのインシデントにアサインされていることを示す。
図9の端末管理データ74bの例は、端末識別番号「011」のサポートセンタ端末81は、ステータスが「1」でありインシデントにアサインされていて、アサインされているインシデント番号が「
12301234」であることを示している。
【0110】
次に、サポートセンタによるサポートを行う場合のコントロールセンタサーバ50、サポートセンタサーバ70及び携帯端末装置40にかかる処理手順を、
図10に示すフローチャートを用いて説明する。
【0111】
コントロールセンタサーバ50で特定業務のサポートというインシデントが
発生したならば、コントロールセンタサーバ50は特定業務に対するサポートセンタのサポートセンタサーバ70に、インシデント番号、サポートを行う警備員の携行する携帯端末装置40の通信アドレス等を含むサポート依頼を送信する(ステップS501)。ステップS501でサポート依頼を受け付けたサポートセンタサーバ70は、受け付けた内容をサポートデータ74aに登録する(ステップS701)
。
【0112】
コントロールセンタサーバ50は、サポートセンタサーバ70の通信アドレスなどの情報を含むサポートセンタデータ54jを、サポート対象の警備員が携行する携帯端末装置40に送信する(ステップS502)。サポートセンタデータ54jを受け付けた携帯端末装置40は受け付けたサポートセンタサーバ70の通信アドレスを使用してサポートセンタサーバ70との接続処理を行う(ステップS601)。サポートセンタサーバ70の携帯端末装置接続処理部75bは、ステップS701で受け付けたサポート依頼に含まれる携帯端末装置40の通信アドレスであることを確認して、携帯端末装置40との通信を確立する(ステップS702)。
【0113】
サポートセンタサーバ70の端末制御部75cは、端末管理データ74bを参照してステータスが未アサインであることを示す「0」のサポートセンタ端末81のアサイン処理を行う(ステップS703)。アサイン処理とは、具体的には端末管理データ74bのステータスにサポートアサイン中であることを示す「
1」に更新し、端末管理データ74bのインシデント番号にサポート依頼で通知されたインシデント番号を登録し、サポートデータ74aのステータスを端末アサイン済であることを示す「01」に更新する。
【0114】
サポートセンタサーバ70の端末制御部75cは、ステップS703で端末管理データ74bの参照時にステータスが未アサインであることを示す「0」のサポートセンタ端末81が存在しない場合(ステップS704;No)には、携帯端末装置40に対してサポートの依頼が混雑しているので待機の旨のメッセージを通知して(ステップS705)、ステップS703に戻る。
【0115】
ステップS703でサポートセンタ端末81がアサインできた場合(ステップS704;Yes)の場合には、端末制御部75cは、アサインしたサポートセンタ端末81との接続処理を行う(ステップS706)。ステップS706によってサポートセンタサーバ70とサポートセンタ端末81が接続されたならば、サポートセンタサーバ70は携帯端末装置40とサポートセンタ端末81間のデータの転送処理を行う(ステップS707)。また、携帯端末装置40は、ウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23などで取得したデータをサポートセンタサーバ70のデータ転送処理を経由してサポートセンタ端末81に送信し、サポートセンタサーバ70のデータ転送処理を経由してサポートセンタ端末81からの音声情報や画像データ等を受信したならばイヤホン14やウェアラブルカメラ10のディスプレイ12に出力する(ステップS602)。
【0116】
サポートセンタサーバ70は、サポートセンタ端末81から警備員に対するサポートが終了したことを示す情報を受け付けた場合(ステップS708;Yes)には、携帯端末装置接続処理部75bは携帯端末装置40との間の通信を切断し、端末制御部75cはサポートセンタ端末81との間の通信を切断して、端末管理データ74bの対応するレコードのステータスを未アサインであることを示す「0」に更新し、端末管理データ74bの対応するレコードのインシデント番号をクリアする(ステップS709)。サポートセンタ端末81から警備員に対するサポートが終了したことを示す情報を受け付けていない場合(ステップS708;No)には、ステップS707に戻ることによってデータ転送処理を継続する。
【0117】
また、サポートセンタサーバ70のサポート依頼管理部75aは、サポートデータ74a
の対象となるレコードのステータスを、サポート終了を示す「09」に更新するとともに、コントロールセンタサーバ50にサポート依頼に対する処理が終了したことを示すサポート依頼応答を送信して(ステップS710)、処理を終了する。
【0118】
コントロールセンタサーバ50は、サポートセンタサーバ70からのサポート依頼応答を受け付けた場合には、サポート依頼応答に含まれるインシデント番号に対応するインシデントデータ54dのレコードのインシデントステータスを対応完了を示す「90」に更新して(ステップS503)、処理を終了する。
【0119】
上述してきたように、警備員の装着するウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23などの各種情報取得装置が取得した情報に基づいて、警備員に対する支援内容を判定し、判定した支援内容に応じた処理を行うことによって、警備員が必要とする情報を必要なタイミングで提供できるよう構成したので、警備員に対して警備業務に有効な情報を提供することによって質の高い警備業務を行うことができる。
【0120】
また、本実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。