(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1油路は前記ヘッド側油路から分岐した管路であり、前記第2油路は前記ヘッド側油路とは別系統の管路からなることを特徴とする請求項1に記載の油圧機器の油圧回路。
前記油圧アクチュエータの伸長動作時に、前記ロッド側油路から前記ヘッド側油路に作動油を流動させて前記油圧アクチュエータの伸長速度を増大する増速弁を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の油圧機器の油圧回路。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る油圧機器の油圧回路100の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る油圧機器の油圧回路100は、油圧破砕機(不図示)に搭載され、油圧破砕機の破砕アーム(不図示)を開閉する油圧回路である。破砕アームは、油圧アクチュエータ3(後述)が縮小すると開口し、油圧アクチュエータ3が伸長すると閉口する。
なお、第1実施形態では、油圧機器として油圧破砕機を用いる例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば油圧破砕機以外の油圧機器を用いる構成としてもよい。
【0012】
(構成)
図1に示すように、油圧機器の油圧回路100は、油圧ポンプ2と、油圧アクチュエータ3と、ヘッド側油路4と、ロッド側油路5と、作動油タンク6と、制御弁7と、増速弁8とを備える。また、油圧シリンダ9と、第1油路10と、第2油路11と、第3油路12と、油路開閉状態制御部13とを更に備える。なお、
図1は、破砕アームの閉口動作時に、破砕アームが破砕対象を挟圧し始めるまでの油圧回路100の状態を表している。
【0013】
油圧ポンプ2の吸入側は、作動油タンク6に接続される。また、油圧ポンプ2の吐出側は、制御弁7を介して、ヘッド側油路4とロッド側油路5とのいずれかに接続される。これにより、油圧ポンプ2は、作動油タンク6に蓄積されている作動油を吸入し、吸入した作動油を、ヘッド側油路4とロッド側油路5とのいずれかに吐出可能となっている。
油圧アクチュエータ3は、シリンダチューブ3aと、シリンダチューブ3a内の空間をロッド側油室3bとヘッド側油室3cとに区分するピストン3dと、ピストン3dに連結されてシリンダチューブ3aの外部に伸びるピストンロッド3eとを備える。ロッド側油室3bは、ピストン3dで区分された空間のうち、ピストンロッド3eを収容する空間であり、ヘッド側油室3cは、ピストン3dで区分された空間のうち、ピストンロッド3eを収容しない空間である。ピストンロッド3eの直径は、シリンダチューブ3aの内径、つまり、ピストン3dの直径よりも若干細い程度とする。ピストン3dの直径に対するピストンロッド3eの直径の比率は、例えば、0.7以上で且つ0.9未満の範囲とする。
【0014】
ロッド側油路5は、ロッド側油室3bと接続されている。これにより、ロッド側油路5は、ロッド側油室3bとの間で作動油を流通可能(例えば、作動油の供給、排出が可能)となっている。また、ヘッド側油路4は、ヘッド側油室3cと接続されている。これにより、ヘッド側油路4は、ヘッド側油室3cとの間で作動油を流通可能となっている。
それゆえ、油圧ポンプ2の吐出側とヘッド側油路4とが接続され、油圧ポンプ2の吐出側からヘッド側油路4に作動油が吐出されると、ヘッド側油路4内の作動油がヘッド側油室3cに流入する。そして、作動油の流入によって、ロッド側油室3b側にピストン3dとともにピストンロッド3eが移動して、油圧アクチュエータ3が伸長する。一方、油圧ポンプ2の吐出側とロッド側油路5とが接続され、油圧ポンプ2の吐出側からロッド側油路5に作動油が吐出されると、ロッド側油路5内の作動油がロッド側油室3bに流入する。そして、作動油の流入によって、ヘッド側油室3c側にピストン3dとともにピストンロッド3eが移動して、油圧アクチュエータ3が収縮する。これにより、油圧アクチュエータ3は、油圧ポンプ2から吐出された作動油によって伸縮動作可能となっている。
【0015】
作動油タンク6は、制御弁7を介して、ヘッド側油路4とロッド側油路5とのいずれかに接続される。これにより、作動油タンク6は、ヘッド側油路4とロッド側油路5とのいずれかから排出された作動油を回収可能となっている。また、作動油タンク6は、第3油路12に接続されており、第3油路12から排出された作動油を回収可能となっている。
制御弁7は、破砕アームの閉口動作時、つまり、油圧アクチュエータ3の伸長動作時には、油圧ポンプ2の吐出側とヘッド側油路4とを接続するとともに、作動油タンク6とロッド側油路5とを接続する。一方、制御弁7は、破砕アームの開口動作時、つまり、油圧アクチュエータ3の縮小動作時には、油圧ポンプ2の吐出側とロッド側油路5とを接続するとともに、作動油タンク6とヘッド側油路4とを接続する。
【0016】
増速弁8は、第1シーケンス弁8aと、第1チェック弁8bと、第2チェック弁8cと、第2シーケンス弁8dとを備える。
第1シーケンス弁8aは、ロッド側油路5に設置される。第1シーケンス弁8aは、ヘッド側油路4内の油圧が予め定めた第1設定圧以上になると、開弁状態となる。第1設定圧としては、例えば、破砕アームの閉口動作時に、破砕アームが破砕対象を挟圧し始めたときのヘッド側油路4内の油圧がある。また、第1シーケンス弁8aは、油圧アクチュエータ3のロッド側油室3bと第1シーケンス弁8aとの間のロッド側油路5内の油圧が、第1シーケンス弁8aと制御弁7との間のロッド側油路5内の油圧よりも第2設定圧以上大きくなっても、開弁状態となる。第2設定圧としては、例えば、破砕アームの閉口動作時に、破砕アームが破砕対象を挟圧し始めたときのロッド側油路5内の油圧がある。
【0017】
第1チェック弁8bは、ロッド側油路5に対し、第1シーケンス弁8aと並列に接続された第4油路8eに設置される。第1チェック弁8bは、制御弁7側から油圧アクチュエータ3のロッド側油室3b側への作動油の流動を許容する。また、第2チェック弁8cは、油圧アクチュエータ3のロッド側油室3bと第1シーケンス弁8aとの間のロッド側油路5とヘッド側油路4とを接続する差動油路8fに設置される。第2チェック弁8cは、ロッド側油路5側からヘッド側油路4側への作動油の流動を許容する。
【0018】
第2シーケンス弁8dは、第2チェック弁8cとロッド側油路5との間の差動油路8fに設置される。第2シーケンス弁8dは、ヘッド側油路4内の油圧が第3設定圧以上になると、開弁状態となる。第3設定圧としては、例えば、破砕アームの閉口動作時に、破砕アームが破砕対象を挟圧し始めるまでのヘッド側油路4内の油圧がある。第3設定圧は、第1設定圧よりも小さい圧力となる。また、第2シーケンス弁8dは、油圧アクチュエータ3のロッド側油室3bと第1シーケンス弁8aとの間のロッド側油路5内の油圧が、第1シーケンス弁8aと制御弁7との間のロッド側油路5内の油圧よりも第3設定圧以上大きくなった場合にも、開弁状態となる。一方、第2シーケンス弁8dは、油圧アクチュエータ3のロッド側油室3bと第1シーケンス弁8aとの間のロッド側油路5内の油圧が、第1シーケンス弁8aと制御弁7との間のロッド側油路5内の油圧と第3設定圧との合算値よりも小さくなると、ヘッド側油路4の油圧にかかわらず、閉弁状態となる。
【0019】
それゆえ、破砕アームの閉口動作時、つまり、油圧アクチュエータ3の伸長動作時に、油圧ポンプ2の吐出側とヘッド側油路4とが接続され、ヘッド側油路4の油圧が第3設定圧以上となったが第1設定圧未満であると、第1シーケンス弁8aが閉弁状態のまま、第2シーケンス弁8dが開弁状態となる。そのため、ロッド側油路5とヘッド側油路4とが差動油路8fを介して接続し、油圧アクチュエータ3に対して差動回路が構成される。
【0020】
そのため、油圧アクチュエータ3のピストン3dのヘッド側の面積とロッド側の面積との差により、ヘッド側油室3c側からロッド側油室3b側にピストン3dを押す力が発生し、発生した力で油圧アクチュエータ3のロッド側油室3b内の差動油がロッド側油路5に押し出される一方で、ロッド側油路5内、差動油路8f内、及びヘッド側油路4内の作動油は、油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3cに流入、つまり、還流する。これにより、油圧ポンプ2から吐出された差動油の油量に加え、差動回路によって還流された作動油の油量も、油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3cに流入する。それゆえ、油圧アクチュエータ3の伸長速度が増大し、破砕アームの閉口速度が増大可能となっている。
【0021】
また、破砕アームの閉口動作時に、破砕アームが破砕対象を挟圧し、油圧アクチュエータ3に負荷がかかり、ヘッド側油路4内の油圧が、破砕アームが破砕対象を挟圧し始めるまでの状態から更に昇圧し、ヘッド側油路4内の油圧が第1設定圧以上になると、
図2に示すように、第1シーケンス弁8aも開弁状態となり、ロッド側油路5が連通する。そして、油圧アクチュエータ3のロッド側油室3bと第1シーケンス弁8aとの間のロッド側油路5内の油圧と、第1シーケンス弁8aと制御弁7との間のロッド側油路5内の油圧とが同一になると、第2シーケンス弁8dが閉弁状態となり、ロッド側油室3bからロッド側油路5に排出された作動油が、制御弁7を介して、作動油タンク6に排出される。
【0022】
一方、破砕アームの開口動作時、つまり、油圧アクチュエータ3の縮小動作時に、
図3に示すように、油圧ポンプ2の吐出側とロッド側油路5とが接続され、油圧アクチュエータ3のロッド側油室3bと第1シーケンス弁8aとの間のロッド側油路5内の油圧と、第1シーケンス弁8aと制御弁7との間のロッド側油路5内の油圧とが同一になると、第1シーケンス弁8aと第2シーケンス弁8dとが閉弁状態のままとなり、ロッド側油路5とヘッド側油路4とが遮断され、油圧アクチュエータ3に対して差動回路が構成されない。
【0023】
油圧シリンダ9は、シリンダチューブ9aと、シリンダチューブ9a内の空間をロッド側油室9bとヘッド側油室9cとに区分するピストン9dと、ピストン9dに連結されてシリンダチューブ9aの外部に伸びるピストンロッド9eとを備える。ロッド側油室9bは、ピストン9dで区分された空間のうち、ピストンロッド9eを収容する空間であり、ヘッド側油室9cは、ピストン9dで区分された空間のうち、ピストンロッド9eを収容しない空間である。ピストンロッド9eの直径は、シリンダチューブ9aの内径、つまり、ピストン9dの直径よりも若干細い程度とする。ピストン9dの直径に対するピストンロッド9eの直径の比率は、例えば、0.7以上で且つ0.9未満の範囲とする。
【0024】
第1油路10は、増速弁8と制御弁7との間のヘッド側油路4と、油圧シリンダ9のロッド側油室9bとを接続する。これにより、第1油路10は、ヘッド側油路4(油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3c)と、油圧シリンダ9のロッド側油室9bとの間で作動油を流通可能となっている。
第2油路11は、増速弁8と制御弁7との間のヘッド側油路4と、油圧シリンダ9のヘッド側油室9cとを接続する。これにより、第2油路11は、ヘッド側油路4(油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3c)と、油圧シリンダ9のヘッド側油室9cとの間で作動油を流通可能となっている。
【0025】
第3油路12は、油圧シリンダ9のヘッド側油室9cと第3チェック弁13b(後述)との間の第2油路11と作動油タンク6とを接続する。これにより、第3油路12は、油圧シリンダ9のヘッド側油室9cから作動油タンク6へ作動油を排出可能となっている。
油路開閉状態制御部13は、逆パイロットチェック弁13aと、第3チェック弁13bと、パイロットチェック弁13cとを備える。
【0026】
逆パイロットチェック弁13aは、第3油路12に設置される。逆パイロットチェック弁13aは、第1シーケンス弁8aと制御弁7との間のロッド側油路5内の油圧が予め定められた第4設定圧以下になると、開弁状態となる。第4設定圧としては、例えば、破砕アームの開口動作時のロッド側油路5内の油圧よりも僅かに小さい圧力がある。
第3チェック弁13bは、第2油路11に設置される。第3チェック弁13bは、ヘッド側油路4側(油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3c側)から油圧シリンダ9のヘッド側油室9c側への作動油の流動を許容する。
【0027】
パイロットチェック弁13cは、第3チェック弁13bとヘッド側油路4(油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3c)との間の第2油路11に設置される。パイロットチェック弁13cは、第1シーケンス弁8aと制御弁7との間のロッド側油路5内の油圧が第4設定圧より大きくなると、開弁状態となる。
それゆえ、破砕アームの開口動作時、つまり、油圧アクチュエータ3の縮小動作時に、ロッド側油路5の油圧が第4設定圧より大きくなると、
図3に示すように、パイロットチェック弁13cが開弁状態となり、逆パイロットチェック弁13aが閉弁状態となる。これにより、第2油路11を開放状態とし、第3油路12を閉止状態とし、油圧シリンダ9のロッド側油室9bとヘッド側油室9cとが、第1油路10、ヘッド側油路4及び第2油路11を介して接続し、差動回路が構成される。そのため、油圧シリンダ9のピストン9dのヘッド側の面積とロッド側の面積との差により、ヘッド側油室9c側からロッド側油室9b側にピストン9dを押す力が発生し、発生した力で油圧シリンダ9のロッド側油室9b内の差動油が第1油路10を介してヘッド側油路4に押し出される一方で、ヘッド側油路4内及び第2油路11内の動作油は油圧シリンダ9のヘッド側油室9cに流入する。
【0028】
流入する作動油の油量は、油圧シリンダ9のロッド側油室9bから押し出される作動油の量よりも多い。それゆえ、押し出された作動油の油量に加え、油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3cから排出された作動油の油量の一部も、ヘッド側油路4、及び第2油路11を介して、油圧シリンダ9のヘッド側油室9cに流入する。そのため、油圧アクチュエータ3から排出された作動油の油量の一部が抵抗なく油圧シリンダ9に流入する。その結果、油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3cの作動油の圧力を素早く低下できる。これにより、油圧アクチュエータ3の縮小速度をより適切に増大可能となっている。
【0029】
一方、油路開閉状態制御部13では、破砕アームの閉口動作時、つまり、油圧アクチュエータ3の伸長動作時に、
図1に示すように、作動油タンク6とロッド側油路5とが接続され、ロッド側油路5の油圧が第4設定圧以下になると、パイロットチェック弁13cが閉弁状態となり、逆パイロットチェック弁13aが開弁状態となる。そのため、第2油路11を閉止状態とし、第3油路12を開放状態とし、差動回路が構成されない。
【0030】
(動作その他)
次に、第1実施形態に係る油圧機器の油圧回路100の動作を説明する。
まず、破砕アームの閉口動作を行う場合、つまり、油圧アクチュエータ3の伸長動作を行う場合、
図1に示すように、制御弁7が、油圧ポンプ2の吐出側とヘッド側油路4とを接続するとともに、作動油タンク6とロッド側油路5とを接続する。すると、油圧ポンプ2からヘッド側油路4に作動油が吐出され、吐出された作動油によって、ヘッド側油路4内の作動油が油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3cに供給される。ヘッド側油室3cに作動油が供給されると、油圧アクチュエータ3のロッド側油室3b側にピストン3dが移動し、油圧アクチュエータ3のピストンロッド3eがロッド側油室3b側に移動する。これにより、油圧アクチュエータ3が伸長動作を行い、破砕アームが閉口動作を行う。
【0031】
ここで、ヘッド側油路4の油圧が第3設定圧以上となったが第1設定圧未満であると、第1シーケンス弁8aが閉弁状態のまま、第2シーケンス弁8dが開弁状態となり、ロッド側油路5とヘッド側油路4とが差動油路8fを介して接続し、差動回路が構成される。そのため、油圧ポンプ2から吐出された差動油の油量に加え、差動回路によって還流された作動油の油量も、油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3cに流入する。それゆえ、油圧アクチュエータ3の伸長速度を増大でき、破砕アームの閉口速度を増大できる。
【0032】
その際、ヘッド側油路4を流動する作動油は、第1油路10を介して油圧シリンダ9のロッド側油室9bにも供給される。また、ヘッド側油室9cから第2油路11に作動油が排出され、排出された作動油が第3油路12を介して作動油タンク6に排出される。
一方、破砕アームの開口動作を行う場合、つまり油圧アクチュエータ3の伸長動作を行う場合、
図3に示すように、制御弁7が、油圧ポンプ2の吐出側とロッド側油路5とを接続するとともに、作動油タンク6とヘッド側油路4とを接続する。すると、油圧ポンプ2からロッド側油路5に作動油が吐出され、吐出された作動油によって、ロッド側油路5内の作動油が油圧アクチュエータ3のロッド側油室3bに供給される。ロッド側油室3bに作動油が供給されると、油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3c側にピストン3dが移動し、油圧アクチュエータ3のピストンロッド3eがヘッド側油室3c側に移動する。これにより、油圧アクチュエータ3が収縮動作を行い、破砕アームが開口動作を行う。
【0033】
ここで、油圧アクチュエータ3のロッド側油室3bと第1シーケンス弁8aとの間のロッド側油路5内の油圧と、第1シーケンス弁8aと制御弁7との間のロッド側油路5内の油圧とが同一になると、第1シーケンス弁8aと第2シーケンス弁8dとが閉弁状態のままとなる。それゆえ、ロッド側油路5とヘッド側油路4との接続が遮断される。
その際、ロッド側油路5の油圧が第4設定圧より大きくなると、パイロットチェック弁13cが開弁状態となり、逆パイロットチェック弁13aが閉弁状態となって、第2油路11を開放状態となり、第3油路12を閉止状態となる。そして、油圧シリンダ9のロッド側油室9bとヘッド側油室9cとが、第1油路10、ヘッド側油路4、及び第2油路11を介して接続し、差動回路が構成される。そのため、油圧シリンダ9のロッド側油室9bから押し出された作動油の油量に加え、油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3cから排出された作動油の油量の一部も、油圧シリンダ9のヘッド側油室9cに流入し、油圧アクチュエータ3から排出された作動油の一部が抵抗なく油圧シリンダ9に流入する。その結果、油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3cの作動油の圧力を素早く低下できる。これにより、油圧アクチュエータ3の縮小速度をより適切に増大することができる。
第1実施形態では、
図1の第3チェック弁13bがチェック弁を構成する。以下同様に、
図1の第2チェック弁8cが差動油路用チェック弁を構成する。また、
図1の第2シーケンス弁8dが差動油路用シーケンス弁を構成する。
【0034】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態に係る油圧機器の油圧回路100は、次のような効果を奏する。
(1)第1実施形態に係る油圧機器の油圧回路100によれば、制御弁7は、油圧アクチュエータ3の伸長動作時には、油圧ポンプ2の吐出側とヘッド側油路4とを接続するとともに、作動油タンク6とロッド側油路5とを接続とする。また、制御弁7は、油圧アクチュエータ3の縮小動作時には、油圧ポンプ2の吐出側とロッド側油路5とを接続するとともに、作動油タンク6とヘッド側油路4とを接続する。さらに、油路開閉状態制御部13は、油圧アクチュエータ3の伸長動作時には、油圧シリンダ9のヘッド側油室9cとヘッド側油路4とを接続する第2油路11を閉止状態とし、油圧シリンダ9のヘッド側油室9cと作動油タンク6とを接続する第3油路12を開放状態とする。また、油圧アクチュエータ3の縮小動作時には、第2油路11を開放状態とし、第3油路12を閉止状態とする。
【0035】
このような構成によれば、油圧アクチュエータ3の縮小動作時には、第2油路11が開放状態となり、第3油路12が閉止状態となる。それゆえ、油圧シリンダ9のロッド側油室9bとヘッド側油室9cとが、第1油路10、ヘッド側油路4、及び第2油路11を介して接続し、差動回路が構成される。そのため、油圧シリンダ9のロッド側油室9bから押し出された作動油の油量に加え、油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3cから排出された作動油の油量の一部も、油圧シリンダ9のヘッド側油室9cに流入し、油圧アクチュエータ3から排出された作動油の油量の一部が抵抗なく油圧シリンダ9に流入する。その結果、油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3cの作動油の圧力を素早く低下できる。これにより、油圧アクチュエータ3の縮小速度をより適切に増大することができる。
【0036】
(2)第1実施形態に係る油圧機器の油圧回路100によれば、第1油路10及び第2油路11は、ヘッド側油路4から分岐した管路である。
このような構成によれば、第1油路10及び第2油路11はヘッド側油路4から分岐しているので、少ない配管部材を簡素なレイアウトで配設することが可能である。
【0037】
(3)第1実施形態に係る油圧機器の油圧回路100によれば、油路開閉状態制御部13は、第2油路11に設置され、ヘッド側油路4側(油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3c側)から油圧シリンダ9のヘッド側油室9c側への作動油の流動を許容する第3チェック弁13bと、第3油路12に設置され、ロッド側油路5内の油圧が予め定められた第4設定圧以下になると、開弁状態となる逆パイロットチェック弁13aと、第3チェック弁13bとヘッド側油路4(油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3c)との間の第2油路11に設置され、ロッド側油路5内の油圧が第4設定圧より大きくなると、開弁状態となるパイロットチェック弁13cと、を備える。
このような構成によれば、油路開閉状態制御部13を比較的簡単な構成で実現できる。
【0038】
(4)第1実施形態に係る油圧機器の油圧回路100によれば、油圧アクチュエータ3の伸長動作時に、ロッド側油路5からヘッド側油路4に作動油を流動させて油圧アクチュエータ3の伸長速度を増大する増速弁8を備える。
このような構成によれば、油圧アクチュエータ3の伸長動作時に、差動回路が構成される。そのため、油圧ポンプ2から吐出された差動油の油量に加え、差動回路によって還流された作動油の油量も、油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3cに流入する。それゆえ、油圧アクチュエータ3の伸長速度を増大でき、破砕アームの閉口速度を増大できる。
【0039】
(5)第1実施形態に係る油圧機器の油圧回路100によれば、増速弁8は、ロッド側油路5とヘッド側油路4とを接続する差動油路8fに設置され、ロッド側油路5側からヘッド側油路4側への作動油の流動を許容する第2チェック弁8cと、第2チェック弁8cとロッド側油路5との間の差動油路8fに設置され、ヘッド側油路4内の油圧が予め定められた第3設定圧以上になると、開弁状態となる第2シーケンス弁8dと、を備える
このような構成によれば、増速弁8を比較的簡単な構成で実現できる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づき説明する。なお、第1実施形態と同様な構成等については同一の符号を使用して、その詳細は省略する。
図4は、本発明の第2実施形態の油圧機器の油圧回路101の構成図である。
第2実施形態では、第1油路10及び第2油路11がヘッド側油路4とはそれぞれ別系統の管路からなる点が第1実施形態と異なる。なお、第2実施形態、及び第3実施形態(後述)では、第1実施形態の構成と異なっている箇所が明確となるように、「第1油路10」、「第2油路11」それぞれを「第1油路14」、「第2油路15」と表す。
【0041】
具体的には、
図4に示すように、第2実施形態では、油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3cに第2油路15の上流側15aが接続されている。また、第1油路14は、第2油路15の上流側15aから分岐され、油圧シリンダ9のロッド側油室9bに接続されている。これにより、第1油路14は、油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3cと油圧シリンダ9のロッド側油室9bとの間で作動油を直接流通可能となっている。
【0042】
また、第2油路15の下流側15bは、油圧シリンダ9のヘッド側油室9cに接続されている。これにより、第2油路15は、油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3cと油圧シリンダ9のヘッド側油室9cとの間で作動油を直接流通可能となっている。
また、第2油路15の下流側15bには、油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3cを上流側、油圧シリンダ9のヘッド側油室9cを下流側とすると、上流側から下流側に向けて、パイロットチェック弁13c、第3チェック弁13bがこの順に設けられている。
その他の構成は第1実施形態と共通しているので説明は省略する。
【0043】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態に係る油圧機器の油圧回路101は、次のような効果を奏する。
(1)第2実施形態に係る油圧機器の油圧回路101によれば、第1油路14及び第2油路15がヘッド側油路4とはそれぞれ別系統の管路からなる。
このような構成によれば、油圧シリンダ9への作動油の給排を行う第1油路14及び第2油路15がヘッド側油路4とはそれぞれ別系統の管路で構成しているので、圧力損失が少ない。したがって、油圧アクチュエータ3の縮小速度の増大効果が圧力損失により低下することを低減することが可能である。
【0044】
(第2実施形態の変形例)
図5は、第2実施形態の変形例の油圧機器の油圧回路102の構成図である。
この変形例は、第1油路14及び第2油路15をそれぞれ独立した管路として構成する点が第2実施形態と異なる。この変形例によれば、第1油路14及び第2油路15を同じ径の配管部品で構成すれば通路面積が倍になるので、圧力損失をより低減することが可能となる。ただし、この変形例では、油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3cにポートを2箇所(通常の開閉回路と合わせると3箇所)開口しなければならない。
【0045】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づき説明する。なお、第1実施形態と同様な構成等については同一の符号を使用して、その詳細は省略する。
図6は、本発明の第3実施形態の油圧機器の油圧回路103の構成図である。
第3実施形態は、第1油路14がヘッド側油路4から分岐した管路であり、第2油路15がヘッド側油路4とは別系統の管路からなる点が第1実施形態と異なる。具体的には、
図6に示すように、第3実施形態は、第1油路14が第1実施形態の第1油路10と同様の構成となり、第2油路15が第2実施形態の第2油路15と同様の構成となる。
その他の構成は第1実施形態と共通しているので説明は省略する。
【0046】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態に係る油圧機器の油圧回路103は、次のような効果を奏する。
(1)第3実施形態に係る油圧機器の油圧回路103によれば、第1油路14はヘッド側油路4から分岐した管路であり、第2油路15はヘッド側油路4とは別系統の管路からなる。
本発明は、油圧アクチュエータ3を縮小する場合、油圧アクチュエータ3のヘッド側油室3cの圧油を油圧シリンダ9のヘッド側油室9cに流入させて縮小速度を向上させている。そして、第1実施形態では、
図3に示すように、ヘッド側油室9cとロッド側油室9bの受圧面積差によって油圧シリンダ9を作動させている。これに対して、第3実施形態では、ヘッド側油室9cの全受圧面積によって油圧シリンダ9を作動させるので、油圧シリンダ9の作動速度をより速くすることができる。したがって、第3実施形態では、油圧アクチュエータ3側から油圧シリンダ9側への圧油の流入が速やかに行われるので、本発明の目的である油圧アクチュエータ3の縮小速度を向上するうえで好ましい。