特許第6483524号(P6483524)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6483524保護素子、二次電池の保護回路、電池パックおよび電池状態管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6483524
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】保護素子、二次電池の保護回路、電池パックおよび電池状態管理システム
(51)【国際特許分類】
   H01H 37/76 20060101AFI20190304BHJP
   H01H 85/046 20060101ALI20190304BHJP
   H01H 85/12 20060101ALI20190304BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20190304BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20190304BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   H01H37/76 F
   H01H37/76 P
   H01H85/046
   H01H85/12
   H01M10/44 P
   H01M10/48 P
   H01M10/42 P
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-104458(P2015-104458)
(22)【出願日】2015年5月22日
(65)【公開番号】特開2016-219310(P2016-219310A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2018年3月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108410
【氏名又は名称】デクセリアルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082762
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 正知
(72)【発明者】
【氏名】木村 裕二
【審査官】 内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−041485(JP,A)
【文献】 特開2015−046316(JP,A)
【文献】 特開2009−273208(JP,A)
【文献】 特開2012−124141(JP,A)
【文献】 特開2012−010469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 37/76
H01H 69/02
H01H 85/00 〜 87/00
H01M 10/42 〜 10/48
H02J 7/00 〜 7/12
H02J 7/34 〜 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体上に形成された第1の電極、第2の電極、第3の電極および第4の電極と、
前記第1の電極および前記第2の電極と接続された第1の可溶導体と、
前記第3の電極に給電側の一端側が接続された導体と、
前記導体の他端側と高周波的に接地される前記第4の電極との間に配置された第2の可溶導体と、
前記第1および第2の可溶導体を加熱する発熱体とを備え、
前記第1の可溶導体よりも前記第2の可溶導体が先に溶断して前記導体がアンテナとしての機能を持つようにした保護素子。
【請求項2】
前記第1の可溶導体の融点に比して前記第2の可溶導体の融点がより低くされた請求項1に記載の保護素子。
【請求項3】
前記絶縁体上に第5の電極が設けられ、
前記第1の可溶導体と前記発熱体の一方の端子とが前記第5の電極を介して接続され、 前記発熱体の他方の端子がスイッチ素子と接続され、
前記スイッチ素子が制御信号によってオンする場合に前記発熱体が発熱するようにした請求項1または請求項2に記載の保護素子。
【請求項4】
前記導体は、絶縁体上の印刷パターンとして形成される請求項1乃至請求項3の何れかに記載の保護素子。
【請求項5】
絶縁体上に形成された第1の電極、第2の電極、第3の電極および第4の電極と、前記第1の電極および前記第2の電極と接続された第1の可溶導体と、前記第3の電極に一端側が接続された導体と、前記導体の他端側と高周波的に接地される前記第4の電極との間に配置された第2の可溶導体と、前記第1および第2の可溶導体を加熱する発熱体とを備え、前記第1の可溶導体よりも前記第2の可溶導体が先に溶断して前記導体がアンテナとしての機能を持つようにした保護素子と、
少なくとも1以上の二次電池を有し、電流経路中に前記保護素子の前記第1の可溶導体が挿入された電池部とを備え、
前記第1の可溶導体が過大な電流によって溶断する前に、前記第2の可溶導体が溶断して前記導体をアンテナとして使用して無線通信によって信号を送信するようにした二次電池の保護回路。
【請求項6】
少なくとも1以上の二次電池を含む電池部と、保護素子および制御回路が実装される配線基板とがケースに収納される電池パックであって、
前記保護素子は、
絶縁体上に形成された第1の電極、第2の電極、第3の電極および第4の電極と、前記第1の電極および前記第2の電極と接続された第1の可溶導体と、前記第3の電極に一端側が接続された導体と、前記導体の他端側と高周波的に接地される前記第4の電極との間に配置された第2の可溶導体と、前記第1および第2の可溶導体を加熱する発熱体とを備え、前記第1の可溶導体よりも前記第2の可溶導体が先に溶断して前記導体がアンテナとしての機能を持つようにされ、
前記電池部の電流経路中に前記保護素子の前記第1の可溶導体が挿入され、
前記第1の可溶導体が過大な電流によって溶断する前に、前記第2の可溶導体が溶断して前記導体をアンテナとして使用して無線通信によって信号を送信するようにした電池パック。
【請求項7】
絶縁体上に形成された第1の電極、第2の電極、第3の電極および第4の電極と、前記第1の電極および前記第2の電極と接続された第1の可溶導体と、前記第3の電極に一端側が接続された導体と、前記導体の他端側と高周波的に接地される前記第4の電極との間に配置された第2の可溶導体と、前記第1および第2の可溶導体を加熱する発熱体とを備え、前記第1の可溶導体よりも前記第2の可溶導体が先に溶断して前記導体がアンテナとしての機能を持つようにした保護素子と、
少なくとも1以上の二次電池を有し、電流経路中に前記保護素子の前記第1の可溶導体が挿入された電池部とを備え、
前記第1の可溶導体が過大な電流によって溶断する前に、前記第2の可溶導体が溶断して前記導体をアンテナとして使用して無線通信ユニットが信号を送信するようにした電池装置と、
前記電池装置の前記無線通信ユニットからの信号を受信する送受信装置と
を備える電池状態管理システム。
【請求項8】
前記電池装置の前記無線通信ユニットが送信するデータが前記電池装置を特定するIDを含む請求項7に記載の電池状態管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばリチウムイオン二次電池を使用した電池装置に適用される保護素子、二次電池の保護回路、電池パックおよび電池状態管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等のモバイル機器、電動工具の電源、電気自動車の電源等として、リチウムイオンのドープ・脱ドープを利用したリチウムイオン二次電池(以下、リチウムイオン電池と適宜称する)が使用されている。リチウムイオン電池は、リチウム複合酸化物を用いた正極活物質層が正極集電体上に形成された正極と、リチウムをドープ・脱ドープ可能な例えばグラファイトや難黒鉛化性炭素材料等の炭素系材料を用いた負極活物質層が負極集電体上に形成された負極とを有している。この正極および負極はセパレータを介して積層され、屈曲または巻回されて電池素子とされる。この電池素子は、リチウム塩を非プロトン性有機溶媒に溶解させてなる非水電解液とともに、例えば金属缶やラミネートフィルムに収容されて電池セルが構成されている。上述した電子機器の電源を構成する場合には、1または複数の電池セルが直列および/または並列に接続される。
【0003】
リチウムイオン電池の過充電、過放電または過電流を阻止するために保護素子が必要とされる。従来、二次電池装置等に搭載される保護素子は、過電流のみならず、過電圧防止機能も有するものが使用されている。この保護素子は、基板上に発熱体と低融点金属体から成る可溶導体が積層され、過電流により可溶導体が溶断されるように形成されていると共に、過剰充電電圧または過剰放電電圧が生じた場合に電池制御部からの外部信号によりスイッチング素子がオンし、保護素子内の発熱体に通電され、発熱体の熱によって可溶導体が溶断されるものである。
【0004】
しかしながら、実際に保護素子が動作したかどうかを確認するために、保護素子のケースを開けて中を目視する必要があった。そのための作業が面倒であり、さらに、保護素子が動作したことを迅速に知ることができない問題が生じる。
【0005】
保護素子が動作したことを検知して無線で通知するシステムとして、特許文献1に記載のものが提案されている。具体的には、窓ガラスにICタグを組み込んだセンサを貼り付けておき、窓ガラスが割れたことをセンサによって検知して異常を知らせる信号を発生し、この信号を無線集端装置が受信して、さらに、無線集端装置が公衆網、インターネット網を通じて本人、責任者の携帯電話、情報機器に送信するものである。
【0006】
特許文献2には、ワイヤレスタイヤ空気圧センサが送信した送信信号をECU(Engine Control Unit)が受信する場合、車輪速センサを接続しているワイヤーハーネスをアン
テナとして受信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−123468号公報
【特許文献2】特許第3370899号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に示される検知方法では、RFID(Radio Frequency Identification)と検知センサを一体化し、窓ガラスの破損、破壊を検知すると、RFIDの通信機能を使用して破損、破壊の情報を無線集端装置に送信し、無線集端装置が屋内アンテナを使用してこの情報を受信するようにしている。特許文献1に記載のものは、窓ガラスの破損を検出するためのセンサを使用しており、上述したように、電流経路を遮断することが必要とされる電池の保護素子としては使用できない。特許文献2に記載のものも、ワイヤレスタイヤ空気圧センサの信号を伝送し、受信側(ECU)がケーブルをアンテナとして使用して信号を受信するものであり、電流経路を遮断することが必要とされる電池の保護素子としては使用できないものである。
【0009】
したがって、本発明の目的は、電池の電流遮断用の保護素子として使用でき、アンテナの機能を有する保護素子、保護素子を使用する二次電池の保護回路、保護回路を有する電池パックおよび電池状態管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、絶縁体上に形成された第1の電極、第2の電極、第3の電極および第4の電極と、
第1の電極および第2の電極と接続された第1の可溶導体と、
第3の電極に給電側の一端側が接続された導体と、
導体の他端側と高周波的に接地される第4の電極との間に配置された第2の可溶導体と、
第1および第2の可溶導体を加熱する発熱体とを備え、
第1の可溶導体よりも第2の可溶導体が先に溶断して導体がアンテナとしての機能を持つようにした保護素子である。
【0011】
本発明は、絶縁体上に形成された第1の電極、第2の電極、第3の電極および第4の電極と、第1の電極および第2の電極と接続された第1の可溶導体と、第3の電極に一端側が接続された導体と、導体の他端側と高周波的に接地される第4の電極との間に配置された第2の可溶導体と、第1および第2の可溶導体を加熱する発熱体とを備え、第1の可溶導体よりも第2の可溶導体が先に溶断して導体がアンテナとしての機能を持つようにした保護素子と、
少なくとも1以上の二次電池を有し、電流経路中に保護素子の第1の可溶導体が挿入された電池部とを備え、
第1の可溶導体が過大な電流によって溶断する前に、第2の可溶導体が溶断して導体をアンテナとして使用して無線通信によって信号を送信するようにした二次電池の保護回路である。
【0012】
本発明は、少なくとも1以上の二次電池を含む電池部と、保護素子および制御回路が実装される配線基板とがケースに収納される電池パックであって、
保護素子は、
絶縁体上に形成された第1の電極、第2の電極、第3の電極および第4の電極と、第1の電極および第2の電極と接続された第1の可溶導体と、第3の電極に一端側が接続された導体と、導体の他端側と高周波的に接地される第4の電極との間に配置された第2の可溶導体と、第1および第2の可溶導体を加熱する発熱体とを備え、第1の可溶導体よりも第2の可溶導体が先に溶断して導体がアンテナとしての機能を持つようにされ、
電池部の電流経路中に保護素子の第1の可溶導体が挿入され、
第1の可溶導体が過大な電流によって溶断する前に、第2の可溶導体が溶断して導体をアンテナとして使用して無線通信によって信号を送信するようにした電池パックである。
【0013】
本発明は、絶縁体上に形成された第1の電極、第2の電極、第3の電極および第4の電極と、第1の電極および第2の電極と接続された第1の可溶導体と、第3の電極に一端側が接続された導体と、導体の他端側と高周波的に接地される第4の電極との間に配置された第2の可溶導体と、第1および第2の可溶導体を加熱する発熱体とを備え、第1の可溶導体よりも第2の可溶導体が先に溶断して導体がアンテナとしての機能を持つようにした保護素子と、
少なくとも1以上の二次電池を有し、電流経路中に保護素子の第1の可溶導体が挿入された電池部とを備え、
第1の可溶導体が過大な電流によって溶断する前に、第2の可溶導体が溶断して導体をアンテナとして使用して無線通信ユニットが信号を送信するようにした電池装置と、
電池装置の無線通信ユニットからの信号を受信する送受信装置と
を備える電池状態管理システムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の少なくとも一つの実施の形態によれば、異常によって第1の可溶導体が溶断する場合に、常に第1の可溶導体より先に第2の可溶導体が溶断して導体をアンテナとして機能させ、信号を無線送信することができる。無線通信のために必要なアンテナを保護素子と一体化でき、部品点数を少なくできる。さらに、第1の可溶導体が溶断していない段階で、異常状態または異常に近い状態が発生したことを離れた場所で知ることができ、確実に異常を検知することができる。さらに、第1の可溶導体が溶断する場合にのみ、電波を放射するので、常時、電波を放射する方式と比較して電力消費を少なくでき、放射される不要な電波も少なくできる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であっても良い。また、以下の説明における例示された効果により本発明の内容が限定して解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】電池パックの保護回路の一実施の形態のブロック図である。
図2】通信モジュールの構成の一例を示すブロック図である。
図3】電池状態管理システムの一実施の形態のブロック図である。
図4】保護素子の説明に使用するブロック図である。
図5】動作前の保護素子の一例の平面図および断面図である。
図6】動作後の保護素子の平面図および断面図である。
図7】動作前の保護素子の回路図および動作後の保護素子の回路図である。
図8】保護素子の他の例の動作前の断面図および動作後の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限定されないものとする。
【0017】
<1.一実施の形態>
「電池パック」
図1を参照して本発明を適用可能な電池パックの一例について説明する。電池パック1は、二次電池例えばリチウムイオン二次電池の電池セルBT1,BT2,BT3およびBT4(これらの電池を特に区別する必要がない場合には,電池セルBTと総称する)が直列接続された電池部を有する。一つの電池当たりの満充電電圧が例えば4.2Vのリチウムイオン電池を用いた場合、この一実施形態の電池パック1の満充電電圧が16.8Vとなる。
【0018】
電池部の+側が電流遮断素子としてのアンテナ付保護素子2の端子t1と接続される。アンテナ付保護素子2の端子t2がスイッチング素子例えばFET(Field Effect Transistor)3aおよび3bを通じて+側端子として導出される。アンテナ付保護素子2は、後
述するように、アンテナとして機能する導体が設けられた保護素子である。導体は、端子t3およびt4間に第2の可溶導体を介して接続されている。
【0019】
電池部の−側が−側端子として導出される。電池パック1の充電時には、電池パック1の+側端子が充電器21の+側出力端子と接続され、電池パック1の−側端子が充電器21の−側出力端子と接続される。放電時には、電池パック1の+側端子および−側端子に対して負荷が接続される。
【0020】
充電時には、電池パック1と充電器21との間で認証処理がなされる。例えば相互認証によって互いに相手が正規の電池パックおよび正規の充電器であることが確認される。認証が成立すると充電装置によって通常のリチウムイオン二次電池に対するのと同様の充電動作がなされる。電池パック1に負荷が接続される放電時には、電池パック1の電池セルBTの電圧が所定電圧以上であることが確認される。所定電圧以上であると、電池パック1からの放電が開始される。
【0021】
電池セルBTのそれぞれの電圧が制御部4によって測定される。制御部4は、測定された各電池セルの電圧を基準電圧と比較する比較器を有し、電池セルBTのそれぞれの電圧が危険と判断されるような過大電圧に達したことを検出することが可能とされている。何れかの電池セルBTの電圧が過大電圧に達したことを検出されると、制御部4がスイッチング素子例えばFET5に対する制御信号を発生し、FET5をオンとする。
【0022】
FET5がオンすることによって、後述するように、アンテナ付保護素子2が備えている発熱体に電流が供給され、発熱体の熱によってアンテナ付保護素子2の第1の可溶導体が溶断する。FET5は、発熱体に対する電流供給部として機能する。第1の可溶導体の溶断によって、アンテナ付保護素子2が充電電流を遮断し、過充電状態からさらに充電が進んで、過熱等の危険な状態となることが防止される。後述するように、第1の可溶導体が溶断する前に、第2の可溶導体が溶断して導体がアンテナとして機能するようになる。したがって、アンテナ付保護素子2によって、異常状態が生じたことを外部に無線通信で知らせることができる。
【0023】
FET3aおよび3bは、制御部6によって制御される。制御部6は、簡略化されているが、電池パック1の+側端子および−側端子間の電圧、並びに充放電電流を検出し、過充電、過放電、過電流に対して電池パック1を保護するようになされている。制御部6は、例えばマイクロコンピュータにより構成されている。電圧および電流の測定は所定の頻度で自動的に行われる。制御部6による保護動作は、電池セルBTの全体の電圧および電流に関してなされるのに対して、制御部4による保護動作は、各電池セルBTの電圧に関してなされる。
【0024】
FET3aは、例えば充電電流のオン/オフのために接続されており、FET3bは、例えば充電電流のオン/オフのために接続されている。図示を省略しているが、充電制御用FET3aと並列に放電電流を流す方向の極性のダイオードが接続され、放電制御用FET3bと並列に充電電流を流す方向の極性のダイオードが接続されている。例えば過充電を防止するためには、充電制御FET3aがオフとされ、充電電流が遮断される。この場合でも、ダイオードおよび放電制御FET3b(オン)を通じて放電電流が流れることが可能である。過放電を防止するためには、放電制御FET3bがオフとされ、放電電流が遮断される。この場合でも、ダイオードおよび充電制御FET3a(オン)を通じて充電電流が流れることが可能である。
【0025】
上述したように、FET3aおよび3bを用いて出力のオン/オフを行うことにより電池パックの過充電保護、過放電保護、過電流保護がなされる。しかしながら、何らかの原因でFETが短絡破壊した場合、雷サージ等が印加されて瞬間的な大電流が流れた場合、あるいは電池セルの寿命によって出力電圧が異常に低下したり、逆に過大異常電圧を出力した場合であっても、電池パックや電子機器は、発火等の事故から保護されなければならない。そこで、このような想定し得るいかなる異常状態においても、電池セルの出力を安全に遮断するために、電流経路を遮断する機能を有するアンテナ付保護素子(遮断素子)2が用いられている。
【0026】
「通信ユニット」
上述した電池パック1に対して無線通信を行うための通信ユニット11が接続される。例えば電池パック1が有する制御基板上に通信ユニット11が実装される。通信ユニット11は、通信モジュール12を有する。通信モジュール12が整合回路13およびコンデンサ14を介してアンテナ付保護素子2の端子t3に対して接続される。通信ユニット11に対して電源電圧+Vccが供給される。例えば通信ユニット11に対する電源電圧+Vccは、電池パック1の電池セルBTから形成される。充電器21の出力電圧から電源電圧+Vccを形成してもよい。さらに、別個の電池電源、太陽電池等を使用するようにしてもよい。
【0027】
整合回路13は、通信ユニット11とアンテナとの間の整合をとるために設けられている。後述するように、アンテナ付保護素子2の端子t4は、高周波的に接地とされ、アンテナ付保護素子2は、第2の可溶導体が溶断すると、アンテナを構成する導体が絶縁基板上に形成されている。通信ユニット11は、アンテナが構成されると、所定の信号をこのアンテナを通じて無線送信する。
【0028】
通信モジュール12の一例について図2を参照して説明する。通信モジュール12は、無線通信のための通信部15と、通信機能、記憶媒体の読み書き動作を制御する制御部としてのマイクロプロセッサ(以下、CPU(Central Processing Unit) と称する)16と、相手先の識別情報IDを記憶する記憶媒体17と、自身のIDを記憶する記憶媒体18とを有している。記憶媒体17および18が例えば書き込み可能な不揮発性メモリによって構成されている。
【0029】
CPU16は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを含み、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより、通信モジュール12の各部を統括的に制御する。記憶媒体17に記憶されている相手先の識別情報IDは、後述する電池状態管理システムのコントロールユニット(送受信装置)のIDである。記憶媒体18に記憶されている自身の識別情報IDは、電池パック1を識別するIDである。例えば車載用の電池装置のように、多数の電池セルまたは電池パックを使用する場合に、アンテナ付アンテナ付保護素子が動作した電池セルまたは電池パックをIDから特定することができる。
【0030】
通信ユニット11およびコントロールユニット間では、所定の無線通信方式で双方向通信を行う。通信方式としては、例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.15.4等を使用できる。IEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network) またはW(Wireless)PANと呼ばれる短距離無線ネットワーク
規格の名称である。この規格の通信レートは、数10k〜数100kbps であり、通信距離は、数10m〜数100mになる。また、通信は、フレームの単位で行われる。
【0031】
通信方式としては、他の通信方式を使用することができる。すなわち、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi等の無線通信規格を利用してもよい。Bluetooth(登録商標)方式は、マルチメディア通信に適用され、一対多接続の通信を行うことができる。
【0032】
「電池状態管理システム」
図3を参照して、電池状態管理システムの一例について説明する。図3では、上述した構成の電池パック1および通信ユニット11が一つのみ示されているが、好ましくは、複数の電池パックおよび通信ユニットを管理するようになされる。
【0033】
電池状態管理システムにおける基地局としての機能を有するコントロールユニット30は、通信ユニット31、コントローラ36、表示装置37および記憶部38を有する。通信ユニット31は、上述した電池パック1の通信ユニット11と同様に、通信モジュール32、整合回路33、コンデンサ34を有し、アンテナ35を通じて電池パック1側の通信ユニット11と無線通信することが可能とされている。
【0034】
コントローラ36は、コントロールユニット30の全体を制御する。表示装置37は、液晶、有機EL(Electroluminescence)等のディスプレイであり、表示装置37には、電
池状態等の表示がなされる。記憶部38には、管理対象の電池パックの状態の履歴等が記憶されている。なお、コントロールユニット30は、新たな装置として設計するのに限らず、既存のモバイル機器(スマートフォン、携帯型パーソナルコンピュータ等)に対して、ソフトウェアを追加することによって実現するようにしてもよい。
【0035】
電池部の各電池セルBTの電圧値が正常な範囲である場合には、導体の一端がスイッチSWを介して高周波的に接地されている。したがって、アンテナ付保護素子2において、図4Aに示すように、アンテナが構成されず、通信ユニット11は通信を行うことができない。一方、電池セルBTの電圧が過大となってアンテナ付保護素子2の第2の可溶導体が溶断した後では、図4Bに示すように、スイッチSWがオフとなり、アンテナ19が構成される。したがって、通信ユニット11がアンテナ19を通じてコントロールユニット30の通信ユニット31と双方向無線通信を行うことができる。
【0036】
通信方法の一例について説明する。コントロールユニット30の通信ユニット31から電池パック1の通信ユニット11に対して問い合わせを送信し、通信ユニット11からの応答を通信ユニット31が受け取るようになされる。電池パック1の通信ユニット11が所定の時間間隔でもって、コントロールユニット30のIDと自身のIDとを含む送信データを送信しようとする。アンテナ付保護素子2の第2の可溶導体が溶断する前では、アンテナが形成されていないので、電波として送信データを放射することができない。この場合では、コントロールユニット30の通信ユニット31は、問い合わせに対する応答を受け取ることができない。
【0037】
一方、アンテナ付保護素子2の第2の可溶導体が溶断した後では、アンテナが形成されるので、通信ユニット11が電波として送信データを放射することができる。コントロールユニット30の通信ユニット31は、電池パック1の通信ユニット11からの送信データを受信できた場合には、電池パック1のアンテナ付保護素子2の第2の可溶導体が溶断したものと判定することができる。
【0038】
受信したデータ中には、電池パック1のIDが含まれているので、管理対象の複数の電池パックの中で、アンテナ付保護素子2が動作した電池パック1を特定することができる。コントロールユニット30では、例えば表示装置37によって、IDで示される電池パック1のアンテナ付保護素子2の第2の可溶導体が溶断したことを表すメッセージ等の表示がなされる。コントロールユニット30の表示装置37を見ることによって、管理者等がアンテナ付保護素子2の第2の可溶導体が溶断したことを知ることができ、当該電池パックを不良と判定し、電池パック1を交換する等の対処を行うことができる。
【0039】
さらに、コントロールユニット30は、電池パック1の通信ユニット11からのデータを正常に受信すると、アクノリッジ(acknowledge)を通信ユニット11に対して返信する
ようになされる。したがって、通信ユニット11は、コントロールユニット30からのアクノリッジを受け取ったか否かを判定することによって、送信データを送信できたかどうかを判定できる。送信できたことを知ると、通信モジュール12の不揮発性メモリにアンテナ付保護素子2の第2の可溶導体が溶断した年月日時刻等の情報を記憶した後に、通信ユニット11の電源をオフとするか、スタンバイ状態とする。さらに、電池パック1が表示用素子を備えている場合には、表示用素子を駆動してアンテナ付保護素子2の動作状態を表示するようにしてもよい。
【0040】
「アンテナ付保護素子の構造」
以下、アンテナ付保護素子2の一例について説明する。アンテナ付保護素子2は、従来の保護素子と同様の構造を有する。図5Aは、絶縁カバー55を取り付ける前の状態の平面図であり、図5Bは、絶縁カバー55で覆った状態の平面図である。アンテナ付保護素子2の縦断面図(図5BのA−A’線断面図)を図5Cに示す。
【0041】
絶縁基板であるベース基板40上または絶縁層49上に第1の電極41、第2の電極42、第3の電極51、第4の電極52および第5の電極43が形成される。ベース基板40上に発熱体48が設けられ、発熱体48上に絶縁層49を介して第5の電極43が形成されている。
【0042】
電極41、電極42、電極51および電極52がベース基板40上に形成され、電極43が絶縁層49上に形成される。電極41、電極42および電極43間を跨がるように、第1の可溶導体(ヒューズ)47が配置される。電極41と可溶導体47とが半田44によって接続され、電極42と可溶導体47とが半田45によって接続され、電極43と可溶導体47とが半田46によって接続される。
【0043】
ベース基板40上に第3の電極51および第4の電極52が設けられる。電極51に対して凹凸状にベース基板40上に形成された導体53の一端側が接続される。導体53の他端側が電極56と接続される。この電極56の近傍に、電極56と離間して電極57が設けられ、電極56および電極57間に第2の可溶導体54が接続される。電極57は、高周波的に接地された電極52と接続されている。したがって、可溶導体54が溶断しない場合には、導体53がアンテナとして機能せず、可溶導体54が溶断すると、導体53がアンテナとして機能するようになる。
【0044】
導体53は、半田合金あるいは半田組成物の粉状体を樹脂バインダ等と混合して、ペースト状にしたものをベース基板40上にスクリーン印刷技術を用いてパターン形成して、焼成する等によって形成される。導体53を凹凸状のパターンとすることによって、限られたスペースに所定の長さのパターンを形成することができる。但し、導体53のかかる形状は一例であって、アンテナとして所望の特性が得られるのであれば、直線状のパターンでもよく、また、板状のパターンでもよい。例えば導体53がモノポールアンテナとして機能する場合に、その長さは、λ/4とされている。導体53は、誘電体(ベース基板40)上に形成されているので、導体53の長さは、λ/4より短いものとすることが可能である。さらに、誘電体によって導体を挟み込む構成としてもよい。
【0045】
さらに、ベース基板40の全体の表面を覆うように絶縁カバー55が設けられる。絶縁カバー55は、例えば熱可塑性プラスチック、セラミックス、ガラスエポキシ基板等の絶縁性を有する部材を用いて形成されている。
【0046】
第1の電極41は、図1に示すブロック図中のアンテナ付保護素子2の端子t1に対応し、第2の電極42は、図1に示すブロック図中のアンテナ付保護素子2の端子t2に対応する。さらに、第3の電極51は、図1に示すブロック図中のアンテナ付保護素子2の端子t3に対応し、第4の電極52は、図1に示すブロック図中のアンテナ付保護素子2の端子t4に対応する。第5の電極43は、例えば絶縁層49上に形成された電極を通じて発熱体48の一方の接続用の電極と接続され、発熱体48の他方の接続用の電極が外部接続用の電極と接続される。外部接続用の電極は、図示しないが、ベース基板40の例えば裏面に設けられている。
【0047】
ベース基板40は、例えばアルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材によって形成される。その他、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよい。
【0048】
発熱体48は、ベース基板40の表面に積層され、絶縁層49によって覆われている。絶縁層49を介して発熱体48上に第5の電極43が形成されている。なお、発熱体48は、図8Aに示すように、ベース基板40の裏面に設けても良い。
【0049】
発熱体48は、比較的抵抗値が高く通電すると発熱する部材であって、例えばW、Mo、Ru等からなる。これらの合金あるいは組成物、化合物の粉状体を樹脂バインダ等と混合して、ペースト状にしたものをベース基板40上にスクリーン印刷技術を用いてパターン形成して、焼成する等によって形成される。発熱体48は、第5の電極43および外部接続用電極と接続されている。
【0050】
第1の可溶導体47および第2の可溶導体54として、発熱体48の発熱により溶断される金属を用いることができる。例えばSnを主成分とするPbフリーハンダ等の合金、Ag、Cu又はこれらを主成分とする合金などを用いることができる。ここで、発熱体48によって加熱された場合に、第2の可溶導体54が第1の可溶導体47より時間的に先に溶断するようになされる。
【0051】
上述したように、電池パック1の何れかの電池セルBTの電圧が過大電圧に達したことを検出されると、制御部4が発生する制御信号によって発熱体48と直列接続されたFET5がオンとされる。FET5がオンすると、発熱体48に対して電流が流れ、熱が発生する。発熱体48によって可溶導体47および54が加熱される。そして、可溶導体54が先に溶断して無線通信によって外部に対して遮断動作がなされる可能性が高いことが通知される。さらに、発熱体48の熱によって可溶導体47が溶断し、電流経路が遮断され、電池パックの異常状態に対する保護動作がなされる。
【0052】
可溶導体54を可溶導体47より先に溶断させる方法の一つは、両者の融点に差を設けることである。すなわち、可溶導体54の融点が可溶導体47の融点より低いものとされる。各可溶導体の組成によって融点を設定することができる。例えば可溶導体47の融点に対して可溶導体54の融点を10%程度低いものとする。第2の方法は、各可溶導体に対する発熱体48による熱の伝導の程度を異ならせることである。すなわち、各可溶導体と発熱体48との熱伝導経路を異なるせることによって、溶断の後先の関係を設定する。2次元平面または3次元空間において、各可溶導体と発熱体48との距離を設定する。或いは、熱伝達経路中に存在する物体の熱伝導率を設定する。第3の方法は、各可溶導体の形状を異ならせることによって、溶断の後先の関係を設定するものである。さらに、これらの第1、第2および第3の方法を2つ以上組合せてもよい。
【0053】
アンテナ付保護素子2が動作した後、すなわち、可溶導体47および54が溶断した後のアンテナ付保護素子2について、図6を参照して説明する。図6Bに示すアンテナ付保護素子2の平面図におけるB−B’線断面図を図6Cに示す。図6Aに示すように、溶断した可溶導体(以下、溶融導体と適宜称する)61が第1の電極41上に形成され、溶融導体62が第2の電極42上に形成され、溶融導体63が第5の電極43上に形成される。可溶導体54の溶断によって、溶融導体64が電極56上に形成され、溶融導体65が電極57上に形成される。
【0054】
図6Aに示すように、第2の可溶導体54が溶断することによって、導体53と電極52との接続が断たれ、導体53がアンテナとして機能するようになる。したがって、アンテナ(導体53)によって高周波信号を空間に電波として放射することができるようになる。配線基板上には、通信ユニット11が実装されており、通信ユニット11のアンテナ端子(給電端子)が電極51と電気的に接続されている。
【0055】
「アンテナ付保護素子の回路構成」
アンテナ付保護素子2を回路構成で表すと、図7に示すものとなる。第1の電極41および第2の電極42とにそれぞれ対応する端子をt1およびt2で表し、第3の電極51および第4の電極52とそれぞれ対応する端子をt3およびt4で表す。さらに、第1の可溶導体47をヒューズF47で表し、第2の可溶導体54をヒューズF54で表す。さらに導体53で構成されるアンテナをANT53で表し、発熱体48を抵抗R48で表す。
【0056】
アンテナ付保護素子2が動作する前(通常状態)の回路構成を図7Aに示す。電池パック1(図1参照)の電池部の正極側と、FET3aとの間の電流経路が端子t1およびt2間の経路となる。ヒューズF47およびヒューズF54か溶断しておらず、抵抗R48に電流が流れていない。
【0057】
第3の電極43が引き出し電極を介して発熱体48に対応する抵抗R48の一端と接続され、抵抗R48の他端がFET5を介して接地される。FET5は、上述したように、何れかの電池セルBTの電圧が過大電圧に達したことが検出されると、制御部4が発生する制御信号によってオンとされる。FET5がオンすると、発熱体48に対して電流が流れ、熱が発生する。この熱によって、ヒューズF54が溶断する。この状態の回路構成は、図7Bに示すものとなる。この状態で、アンテナANT53が動作することができ、通信ユニット11からの送信信号を電波として放射する。
【0058】
さらに、発熱体48の加熱が進むと、ヒューズF47(第1の可溶導体47)が溶断して、図7Cに示すように、電流経路が遮断され、保護動作がなされる。この段階でもアンテナANT53は、アンテナ機能を有している。
【0059】
なお、発熱体48は、図8Aおよび図8Bに示すように、ベース基板40の表面に設ける以外に、ベース基板40の裏面に設けても良い。図8Aは、図5Cと同様に、可溶導体47が溶断する前の断面図であり、図8Bは、図6Cと同様に、可溶導体47が溶断した後の断面図である。
【0060】
本発明の一実施の形態によれば、電池部の異常によってアンテナが構成されるアンテナ付保護素子2を実現できる。さらに、アンテナ付保護素子2の第2の可溶導体が溶断したことを外部の送受信装置(コントロールユニット30)に無線通信によって通知することができる。第1の可溶導体が溶断する場合、常にそれより先に第2の可溶導体が溶断する。これにより、第1の可溶導体の溶断を事前に外部に通信できる。したがって、アンテナ付保護素子2において、可溶導体47が溶断したことをカバーを開けて目視する必要がない。さらに、無線通信のために必要なアンテナを保護素子と一体化でき、部品点数を少なくできる。さらに、アンテナ付保護素子が動作した場合にのみ、電波を放射するので、常時、電波を放射する方式と比較して電力消費を少なくでき、放射される不要な電波も少なくできる。
【0061】
<2.変形例>
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
【符号の説明】
【0062】
BT1〜BT4 電池セル
1 電池パック
2 アンテナ付保護素子
4、6 制御部
11、31 通信ユニット
30 コントロールユニット
36 コントローラ
40 ベース基板
41,42,43,51,52,56,57 電極
47 第1の可溶導体
48 発熱体
54 第2の可溶導体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8