特許第6483528号(P6483528)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6483528
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】シャッター付き収容装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/02 20060101AFI20190304BHJP
【FI】
   E06B9/02 B
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-105520(P2015-105520)
(22)【出願日】2015年5月25日
(65)【公開番号】特開2016-217069(P2016-217069A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2018年3月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】加藤 大雅
【審査官】 佐々木 龍
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−023895(JP,A)
【文献】 特開平11−107653(JP,A)
【文献】 特開2005−171579(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3132484(JP,U)
【文献】 国際公開第2005/042868(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00
E06B 9/02
E06B 9/06−9/18
E06B 9/40−9/50
E06B 9/56−9/92
A47F 5/00−8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する前面部及び後面部と、互いに対向する上面部及び下面部と、互いに対向する2つの側面部とを画成し、前記前面部及び前記上面部の少なくとも一部に広がる開口と、該開口を開放及び閉鎖可能にするシャッターと、該シャッターを移動可能に保持する前記側面部の各々に配設された、前記前面部、前記上面部、前記後面部、及び前記下面部の少なくとも一部に沿って延びているガイドレールとを備えるシャッター付き収容装置であって、
前記後面部及び前記上面部において少なくとも前記後面部に広がる、前記シャッター付き収容装置の外側と前記シャッター付き収容装置の内側とを隔てる隔壁部材と、
前記ガイドレールと前記隔壁部材との間において前記側面部の間に延びる補強部材とを備え、
前記シャッターは、長尺状のシャッター片を複数備え、該シャッター片が連結部において回動可能に互いに連結されて形成されており、
前記連結部は、前記シャッター片の長手側の端部が互いに回動可能に係合されることにより形成されており、前記連結部の少なくとも1つは、前記シャッターが前記開口を閉鎖した状態において、前記ガイドレールの曲り角部に位置するようになっており、
前記補強部材は、前記ガイドレールの曲り角部において、前記開口を閉鎖した状態における前記シャッターの少なくとも1つの前記連結部に面する補強面を有することを特徴とするシャッター付き収容装置。
【請求項2】
前記補強部材の前記補強面は、該補強面が面する前記連結部に隣接する前記シャッター片のうち前記シャッターの開放方向側のシャッター片の短手方向に交差するように延びていることを特徴とする請求項1記載のシャッター付き収容装置。
【請求項3】
前記シャッターにおいて、前記補強面が面する前記連結部を介して連結されている一対の前記シャッター片の短手方向の間の角度が、互いに連結された前記シャッター片の短手方向の間の角度において最小であることを特徴とする請求項1又は2記載のシャッター付き収容装置。
【請求項4】
前記隔壁部材は、前記後面部に広がる後面板と、前記上面部の少なくとも一部に広がる上面板とを有し、
前記補強部材は、前記上面板に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のシャッター付き収容装置。
【請求項5】
前記シャッター片は、矩形の板状の形状を有し、可撓性材料から形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のシャッター付き収容装置。
【請求項6】
前記シャッター片において、前記長手側の端部の一方は長手方向に延びる溝を有しており、前記長手側の端部の他方は長手方向に延びる突条片を有しており、前記シャッター片の前記溝に、他の前記シャッター片の前記突条片が収容されて前記連結部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のシャッター付き収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター付き収容装置に関し、特に、商品等の物品を陳列するために用いられる物品陳列棚にシャッターが設けられたシャッター付き物品陳列棚に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗において、商品等の物品を陳列するために収容装置としての物品陳列棚が使用されている。従来の物品陳列棚には、その内部を開放及び閉鎖可能にするための扉として、フレームに設けられたガイドレールに沿って動くシャッターを備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。このような従来のシャッター付きの物品陳列棚におけるシャッターは、複数の樹脂製の長尺状のシャッター片(スラット)が互いに回動可能に連結されて形成されている。従来のシャッター片には、変形しにくいように中空の二重構造にしたものがあり、また、シャッターの重量低減による操作性の向上や製造コストの低減のために板状にしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平05−10692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の板状のシャッター片を用いて形成されたシャッターを有するシャッター付き物品陳列棚においては、シャッターの操作性の向上や製造コストの低減を図ることはできるが、シャッター片は可撓性が大きいため変形し易く、フレームや上面板とシャッターとの間の空間を押し広げることが容易となっていた。このため、ネズミ等の害獣がフレームや上面板とシャッターとの間の空間を押し広げて物品陳列棚内に侵入し、内部の物品が食害されてしまう場合があった。
【0005】
このように、従来のシャッター付き物品陳列棚においては、可撓性の大きいシャッター片を用いて形成されたシャッターを備えていても、害獣が内部に侵入し難くすることができる構造が求められていた。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、可撓性の大きいシャッター片を用いて形成されたシャッターを用いても、内部への害獣の侵入の防止を図ることができるシャッター付き収納装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明係るシャッター付き収容装置は、互いに対向する前面部及び後面部と、互いに対向する上面部及び下面部と、互いに対向する2つの側面部とを画成し、前記前面部及び前記上面部の少なくとも一部に広がる開口と、該開口を開放及び閉鎖可能にするシャッターと、該シャッターを移動可能に保持する前記側面部の各々に配設された、前記前面部、前記上面部、前記後面部、及び前記下面部の少なくとも一部に沿って延びているガイドレールとを備えるシャッター付き収容装置であって、前記後面部及び前記上面部において少なくとも前記後面部に広がる、前記シャッター付き収容装置の外側と前記シャッター付き収容装置の内側とを隔てる隔壁部材と、前記ガイドレールと前記隔壁部材との間において前記側面部の間に延びる補強部材とを備え、前記シャッターは、長尺状のシャッター片を複数備え、該シャッター片が連結部において回動可能に互いに連結されて形成されており、前記連結部は、前記シャッター片の長手側の端部が互いに回動可能に係合されることにより形成されており、前記連結部の少なくとも1つは、前記シャッターが前記開口を閉鎖した状態において、前記ガイドレールの曲り角部に位置するようになっており、前記補強部材は、前記ガイドレールの曲り角部において、前記開口を閉鎖した状態における前記シャッターの少なくとも1つの前記連結部に面する補強面を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様に係るシャッター付き収容装置において、前記補強部材の前記補強面は、該補強面が面する前記連結部に隣接する前記シャッター片のうち前記シャッターの開放方向側のシャッター片の短手方向に交差するように延びている。
【0009】
本発明の一態様に係るシャッター付き収容装置においては、前記シャッターにおいて、前記補強面が面する前記連結部を介して連結されている一対の前記シャッター片の短手方向の間の角度が、互いに連結された前記シャッター片の短手方向の間の角度において最小である。
【0010】
本発明の一態様に係るシャッター付き収容装置において、前記隔壁部材は、前記後面部に広がる後面板と、前記上面部の少なくとも一部に広がる上面板とを有し、前記補強部材は、前記上面板に取り付けられている。
【0011】
本発明の一態様に係るシャッター付き収容装置において、前記シャッター片は、矩形の板状の形状を有し、可撓性材料から形成されている。
【0012】
本発明の一態様に係るシャッター付き収容装置においては、前記シャッター片において、前記長手側の端部の一方は長手方向に延びる溝を有しており、前記長手側の端部の他方は長手方向に延びる突条片を有しており、前記シャッター片の前記溝に、他の前記シャッター片の前記突条片が収容されて前記連結部が形成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るシャッター付き収容装置によれば、可撓性の大きいシャッター片を用いて形成されたシャッターを用いても、内部への害獣の侵入の防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態に係るシャッター付き収容装置の構成を概略的に示すための斜視図であり、シャッターが開放された状態を示している。
図2】本発明の実施の形態に係るシャッター付き収容装置の構成を概略的に示すための斜視図であり、シャッターが閉鎖された状態を示している。
図3図1に示す状態におけるシャッター付き収容装置の右側面図である。
図4図2に示す状態におけるシャッター付き収容装置の右側面図である。
図5】本発明の実施の形態に係るシャッター付き収容装置のシャッターを形成するシャッター片の構成を概略的に示すためのシャッター片の長手方向に直交する断面における断面図である。
図6】本発明の実施の形態に係るシャッター付き収容装置の閉鎖状態におけるシャッターの前端部を拡大して示す上下方向に沿う断面におけるシャッター付き収容装置の部分拡大断面図である。
図7】本発明の実施の形態に係るシャッター付き収容装置の後面部の構成を説明するための図であり、図7(a)は、シャッターが開放位置と閉鎖位置との中間に位置する状態におけるシャッター付き収容装置の部分透過背面図であり、図7(b)は、図7(a)に示す後面部を左右方向に見た部分拡大断面図である。
図8】本発明の実施の形態に係るシャッター付き収容装置の備える補強部材の概略構成を示すための左右方向に直交する断面におけるシャッター付き収容装置の部分拡大断面図である。
図9】本発明の実施の形態に係るシャッター付き収容装置における上部フレーム、上面板、及び補強部材のより具体的な形状を示すための図であり、図9(a)は、補強部材の一方の端部の部分拡大斜視図であり、図9(b)は、上面板及び補強部材の延び方向に直交する断面における断面図であり、図9(c)は、上部フレームと上面板及び補強部材との分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係るシャッター付き収容装置の構成を概略的に示すための斜視図であり、シャッターが開放された状態を示している。図2は、本発明の実施の形態に係るシャッター付き収容装置の構成を概略的に示すための斜視図であり、シャッターが閉鎖された状態を示している。図3は、図1に示す状態におけるシャッター付き収容装置の右側面図であり、図4は、図2に示す状態におけるシャッター付き収容装置の右側面図である。本発明の実施の形態に係るシャッター付き収容装置においては、収容装置としての棚を備えており、棚は、例えば、商品等の物品を陳列するための物品陳列棚である。
【0017】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係るシャッター付き収容装置1は、互いに対向する前面部2及び後面部3と、互いに対向する上面部4及び下面部5と、互いに対向する右側面部6及び左側面部7とを画成し、前面部2及び上面部4において少なくとも部分的に広がる開口8を開放及び閉鎖可能にするシャッター10と、シャッター10を移動可能に保持する右側面部6及び左側面部7に夫々配設されたガイドレール20,30とを備えている。
【0018】
具体的には、シャッター付き収容装置1は、六面から成る空間を画成するフレーム体40を備え、フレーム体40が前面部2、後面部3、上面部4、下面部5、右側面部6、及び左側面部7を画成している。ここで、説明の便宜上、前面部2から後面部3に向かって右側を右とし、前面部2から後面部3に向かって左側を左とする。また、前面部2から後面部3に向かう方向を後方とし、後面部3から前面部2に向かう方向を前方とし、上面部4から下面部5に向かう方向を下方とし、下面部5から上面部4に向かう方向を上方とする。前後方向(図1の矢印a方向)と上下方向(図1の矢印b方向)と左右方向(図1の矢印c方向)とは、互いに直交している。
【0019】
フレーム体40は、図1に示すように、矩形の枠形状を呈する右側部フレーム41と、矩形の枠形状を呈する左側部フレーム42とを備えている。右側部フレーム41と左側部フレーム42とは、シャッター付き収容装置1において、左右方向において、互いに対向しており、面対称な形状を有している。右側部フレーム41は、中空筒状の下部フレーム41aと、中空筒状の前部フレーム41bと、中空筒状の後部フレーム41cと、中空筒状の上部フレーム41dとを備えている。左側部フレーム42は、右側部フレーム41と同様に、中空筒状の下部フレーム42aと、中空筒状の前部フレーム42bと、中空筒状の後部フレーム42cと、中空筒状の上部フレーム42dとを備えている。
【0020】
右側部フレーム41において、下部フレーム41aは、図1に示すように、下方において、前後方向に延びる部分であり、前部フレーム41bは、下部フレーム41aの前方側の端部から立設された上下方向に延びる部分である。また、右側部フレーム41において、後部フレーム41cは、下部フレーム41aの後方側の端部から立設された上下方向に延びる部分であり、上部フレーム41dは、前部フレーム41bの上方側の端部と後部フレーム41cの上方側の端部とを接続する前後方向に延びる部分である。
【0021】
同様に、左側部フレーム42において、下部フレーム42aは、図1に示すように、下方において、前後方向に延びる部分であり、前部フレーム42bは、下部フレーム42aの前方側の端部から立設された上下方向に延びる部分である。また、左側部フレーム42において、後部フレーム42cは、下部フレーム42aの後方側の端部から立設された上下方向に延びる部分であり、上部フレーム42dは、前部フレーム42bの上方側の端部と後部フレーム42cの上方側の端部とを接続する前後方向に延びる部分である。
【0022】
本実施の形態において、下部フレーム41a,42a、前部フレーム41b,42b、後部フレーム41c,42c、及び上部フレーム41d,42dは夫々、その延び方向に直交する面における断面形状が矩形である。なお、下部フレーム41a,42a、前部フレーム41b,42b、後部フレーム41c,42c、及び上部フレーム41d,42dの各々の断面形状は、上述の矩形に限るものではなく、例えば円形等の他の形状であってもよい。
【0023】
また、フレーム体40は、図1に示すように、夫々右側部フレーム41と左側部フレーム42との間において左右方向に延びる中空筒状又は中空板状のキックボード43と、下部連結フレーム44とを備えている。キックボード43は、フレーム体40における前方及び下方部分において右側部フレーム41と左側部フレーム42とを接続し、例えば、右側部フレーム41の前部フレーム41bの下方側の端部と、左側部フレーム42の前部フレーム42bの下方側の端部とに接続している。下部連結フレーム44は、フレーム体40における後方及び下方部分において右側部フレーム41と左側部フレーム42とを接続し、例えば、右側部フレーム41の後部フレーム41cの下方側の端部と、左側部フレーム42の後部フレーム42cの下方側の端部とに接続している。
【0024】
ガイドレール20は、図1に示すように、右側部フレーム41の内側の面に設けられており、前面部2、上面部4、後面部3、及び下面部5の少なくとも一部に沿って延びている。本実施の形態においては、図1に示すように、ガイドレール20は、前部フレーム41bの一部、上部フレーム41d、後部フレーム41c、及び下部フレーム41aの一部に亘って延びている。例えば、前部フレーム41bのキックボード43との結合部の直上から、前部フレーム41b、上部フレーム41d、後部フレーム41c、及び下部フレーム41aに沿って延びている。ガイドレール20は、その延び方向に直交する面における断面形状が略コ字(U字)状であり、右側部フレーム41の内側の面において、外側(右方向)に凹む溝を形成しており、後述するように、シャッター10を移動可能に保持している。
【0025】
ガイドレール30は、ガイドレール20と同様の形状を有しており、左側部フレーム42の内側の面に設けられており、前面部2、上面部4、後面部3、及び下面部5の少なくとも一部に沿って延びている。本実施の形態においては、図1に示すように、ガイドレール30は、前部フレーム42bの一部、上部フレーム42d、後部フレーム42c、及び下部フレーム42aの一部に亘って延びている。例えば、前部フレーム42bのキックボード43との結合部の直上から、前部フレーム42b、上部フレーム42d、後部フレーム42c、及び下部フレーム42aに沿って延びている。ガイドレール30は、ガイドレール20と同様の形状を有しており、その延び方向に直交する面における断面形状が略コ字(U字)状であり、左側部フレーム42の内側の面において、外側(左方向)に凹む溝を形成しており、後述するように、シャッター10を移動可能に保持している。
【0026】
ガイドレール20は、図1に示すように、前部フレーム41bと上部フレーム41dとの間、上部フレーム41dと後部フレーム41cとの間、及び後部フレーム41cと下部フレーム41aとの間の移行部に曲り角部20a〜20cを有している。ガイドレール20は、曲り角部20a〜20cにおいて夫々、滑らかな形状、例えば外側に向かって凸の一定の曲率を有する円弧形状を呈して延びており、他の部分において直線状に延びている。同様に、ガイドレール30は、前部フレーム42bと上部フレーム42dとの間、上部フレーム42dと後部フレーム42cとの間、及び後部フレーム42cと下部フレーム42aとの間の移行部に曲り角部30a〜30cを有している。ガイドレール30は、曲り角部30a〜30cにおいて夫々、滑らかな形状、例えば外側に向かって凸の一定の曲率を有する円弧形状を呈して延びており、他の部分において直線状に延びている。このように、ガイドレール20,30は、直線状の部分の間が滑らかに接続されており、シャッター10は、ガイドレール20,30に沿って滑らかに移動可能となっている。
【0027】
フレーム体40において、各フレーム41a〜41d,42a〜42d,43,44は、例えば、鋼板を折曲加工して形成される。また、ガイドレール20,30は、例えば、右側部フレーム41及び左側部フレーム42とは別体として、鋼板を折曲加工して形成して、右側部フレーム41及び左側部フレーム42に夫々取り付けてもよく、または、下部フレーム41a,42a、前部フレーム41b,42b、後部フレーム41c,42c、及び上部フレーム41d,42dを夫々折曲加工して一体的に形成されるようにしてもよい。
【0028】
また、下部フレーム41a,42a、前部フレーム41b,42b、後部フレーム41c,42c、及び上部フレーム41d,42dは、いずれの結合方法によって対応するフレームに結合されてよく、例えば、図示しない螺子が螺合されることにより互いに結合されるようにしてもよく、また、溶接や嵌合されることにより互いに結合されるようにしてもよい。また、キックボード43及び下部連結フレーム44も、いずれの結合方法によって右側部フレーム41及び左側部フレーム42に結合されてよく、例えば、図示しない螺子が螺合されることにより互いに結合されるようにしてもよく、また、溶接や嵌合されることにより互いに結合されるようにしてもよい。
【0029】
また、ガイドレール20,30が右側部フレーム41及び左側部フレーム42とは別体として夫々形成される場合は、ガイドレール20,30は、いずれの方法によって右側部フレーム41及び左側部フレーム42に夫々取り付けられてもよく、例えば、図示しない螺子が螺合されることにより取り付けられるようにしてもよく、また、溶接や嵌合されることにより取り付けられるようにしてもよい。
【0030】
フレーム体40の下部には、図1に示すように、複数の接地アジャスター45が取り付けられており、シャッター付き収容装置1は、接地アジャスター45を介して、床面等の接地面上に置かれる。接地アジャスター45は、従来公知の上下方向の高さを調整可能な構造を有しており、フレーム体40の設置面からの高さを調整することができる。接地アジャスター45は、例えば、右側部フレーム41の下部フレーム41a及び左側部フレーム42の下部フレーム42aの夫々の下方の面に設けられている。
【0031】
図2〜4に示すように、シャッター10は、長尺状のシャッター片11を複数備え、シャッター片11が連結部12において回動可能に互いに連結されて形成されている。図5は、シャッター片11の構成を概略的に示すためのシャッター片11の長手方向に直交する断面における断面図である。シャッター片11は、具体的には、シャッター付き収容装置1において左右方向に延びる長手方向の幅がフレーム体40における右側部フレーム41と左側部フレーム42との間の距離に対応した、略矩形の長尺板状の部材であり、図5に示すように、基体部11aと、基体部11aの長手側の一方の端部に形成された第1係合部11bと、基体部11aの長手側の他方の端部に形成された第2係合部11cとを有している。第1係合部11bは第2係合部11cと互いに回動可能に係合可能な形状となっている。つまり、シャッター片11は、シャッター片11の第1係合部11bに、他のシャッター片11の第2係合部11cが係合可能となっており、互いに連結可能になっており、互いに係合された2つシャッター片11は、第1係合部11b及び第2係合部11cを中心として互いに基体部11aが面する方向に回動可能になっている。このように、シャッター10においては、シャッター片11の第1係合部11bとこれに隣接するシャッター片11の第2係合部11cとが連結部12を形成している。
【0032】
シャッター片11の第1係合部11bは、具体的には、図5に示すように、長手方向に延びる溝11dを有しており、また、シャッター片11の第2係合部11cは、具体的には、図5に示すように、長手方向に延びる突条片11eを有している。第1係合部11bの溝11d及び第2係合部11cの突条片11eは、溝11d内に突条片11eが収容可能となるように、且つ突条片11eが溝11d内において長手方向に延びる線を中心として回動可能となるように形成されている。例えば、図5に示すように、溝11dの長手方向に直交する断面の形状は、螺旋形状であり、突条片11eの長手方向に直交する断面の形状は、溝11dに対応する螺旋形状である。なお、シャッター片11の第1係合部11bと第2係合部11cとの形状は、上述の形状に限定されるものではなく、シャッター片11と他のシャッター片11とを長手方向に延びる線を中心に回動可能に連結する形状であればいずれの形状であってもよい。シャッター片11は、ポリカーボネート等の可撓性を有する材料から形成されている。
【0033】
シャッター10は、シャッター片11の第1係合部11bの溝11dに、他のシャッター片11の第2係合部11cの突条片11eが長手方向に挿通されて、シャッター片11が連結部12によって順次連結されて形成される。このように、シャッター10は、複数のシャッター片11が連結部12を介して連結されて、シャッター片11の短手方向に連なって形成されており、シャッター10の長手方向の長さは、シャッター片11の数によって設定されている。シャッター10の短手側の端部の一方(閉鎖方向側)がシャッター10の前端部13となり、シャッター10の短手側の端部の他方(開放方向側)がシャッター10の後端部14となる。
【0034】
図6は、閉鎖状態におけるシャッター10の前端部13を拡大して示す上下方向に沿う断面におけるシャッター付き収容装置1の部分拡大断面図である。図6に示すように、シャッター10の前端部13には、つまり、最も閉鎖方向側に位置するシャッター片11(以下、前端シャッター片11ともいう。)の閉鎖方向側の長手側の端部には、この前端シャッター片11の長手方向に延びる弾性体から形成された緩衝部材15が取り付けられている。緩衝部材15は、前端シャッター片11の第2係合部11cに代えて設けられていてもよく、また、第2係合部11cに取り付けられていてもよい。緩衝部材15は、緩衝機能を実現可能であればいずれの材料から形成されていてもよく、例えばゴム材から形成されている。緩衝部材15は、シャッター10が閉鎖される際に、キックボード43の上側の端部である上端部43aに当接し、シャッター10とキックボード43との間の衝突の際の衝撃を緩和する。また、緩衝部材15は、シャッター10の閉鎖状態において、キックボード43の上端部43aと長手方向の全体に亘って密着し、シャッター10の前端部13とキックボード43との間の密封を図っている。
【0035】
また、前端シャッター片11の基体部11aの外側には、基体部11aに沿って前端部13側に向かって延びる板状のガード板16が取り付けられている。ガード板16は、前端部13(緩衝部材15)を超えて延びており、シャッター10の閉鎖状態において、キックボード43の前側の面である前面43bの上端部43a側の一部を前方から覆う。ガード板16は、シャッター10の閉鎖状態において、キックボード43の前面43bに当接するように形成されていてもよく、また、キックボード43の前面43bを空間を介して覆うように形成されていてもよい。ガード板16は、シャッター10の閉鎖状態において、前端部13とキックボード43との間からの害獣や害虫の侵入を防止している。なお、ガード板16は、シャッター10に取り付けられているものに限らず、同様に機能するように、キックボード43に取り付けられていてもよい。
【0036】
また、シャッター10において、連結部12の両端には、外側に向かって突出するスライダ17が取り付けられている。スライダ17は、例えば、シャッター片11の長手方向に延びる円筒状の表面を有しており、シャッター付き収容装置1において、ガイドレール20,30の溝内を摺動可能にガイドレール20,30の溝内に収容されている。これにより、スライダ17によってシャッター10がガイドレール20,30に保持され、ガイドレール20,30に沿って移動可能になっている。スライダ17は、ガイドレール20,30の溝内を滑らかに摺動可能な樹脂材等の材料から形成されている。シャッター片11の長手方向の長さは、シャッター片11の短手側の両端部がシャッター付き収容装置1においてガイドレール20,30の溝内に入り込まない長さに設定されていてもよく、ガイドレール20,30の溝内に入り込む長さに設定されていてもよい。シャッター片11の短手側の両端部がガイドレール20,30の溝内に入り込む長さに設定されている場合は、シャッター片11の短手方向の長さは、シャッター片11がガイドレール20,30の溝内をガイドレール20,30に沿って移動可能な長さになっている。
【0037】
また、シャッター10は、スライダ17を有していないものであってもよい。この場合、シャッター片11の長手方向の長さは、シャッター片11の短手側の両端部がシャッター付き収容装置1においてガイドレール20,30の溝内に収容される長さに設定されている。シャッター片11の短手側の両端部がガイドレール20,30の溝内を摺動可能にガイドレール20,30の溝内に収容され、これにより、シャッター10がガイドレール20,30に保持され、ガイドレール20,30に沿って移動可能になっている。また、シャッター片11の短手方向の長さは、シャッター片11がガイドレール20,30の溝内をガイドレール20,30に沿って移動可能な長さになっている。なお、シャッター10構成は、上述の構成に限られるものではなく、他の公知の構成を適宜採用したものであってもよい。
【0038】
図1〜4に示すように、シャッター10は、具体的には、前端部13がキックボード43の上端部43aに当接する閉鎖位置(図2,4参照)から、前端部13が上部フレーム41d,42dの範囲に位置する開放位置(図1,3参照)まで移動可能な長さに設定されている。シャッター10が閉鎖位置に位置する状態において、後端部14は後部フレーム41c,42cの範囲に位置し、シャッター10が開放位置に位置する状態において、後端部14は下部フレーム41a,42aにおいて最も前方側に位置している。
【0039】
このように、シャッター10は、前面部2及び上面部4を少なくとも部分的に開放及び閉鎖可能になっており、本実施の形態においては、前面部2においてキックボード43から上方及び上面部4の一部(略半分)を開放及び閉鎖可能になっている。つまり、シャッター付き収容装置1において、前面部2におけるキックボード43から上方及び上面部4の一部に亘る範囲が開口8となっており、この開口8を介して、外部から内部に進入可能になっている。
【0040】
シャッター付き収容装置1は、図1に示すように、右側面部6及び左側面部7にサイドパネル46a,46bが夫々取り付けられている。サイドパネル46a,46bは、例えばアクリル材等から形成された板状の部材であり、右側部フレーム41及び左側部フレーム42に夫々取り付けられて、右側部フレーム41及び左側部フレーム42の空間を夫々閉鎖している。また、図1に示すように、シャッター付き収容装置1には、キックボード43の上端部43aから後方に向かって平面状に延びる底板47が設けられている。
【0041】
また、シャッター付き収容装置1は、後面部3及び上面部4において少なくとも後面部3に広がる、後面部3及び上面部4においてシャッター付き収容装置1の外側とシャッター付き収容装置1の内側とを隔てる隔壁部材80を備えている。本実施の形態においては、隔壁部材80は、後面部3に広がる後面板81と、上面部4の少なくとも一部に広がる上面板82とを有している。後面板81は、後部フレーム41c,42cに取り付けられており、上面板82は、上部フレーム41d,42dに取り付けられている。また、上面板82は、後面部3側から上部フレーム41d,42dの途中まで、例えば略半分まで延びており、開放状態のシャッター10の上面部4に面する部分を上方から覆うようになっている。
【0042】
シャッター付き収容装置1は内部に収容装置を備えている。本実施の形態においては、シャッター付き収容装置1は内部に収容装置としての棚を備えており、より具体的には、物品を陳列するための物品陳列棚50を備えている。物品陳列棚50は、より具体的には商品陳列棚である。
【0043】
物品陳列棚50は、少なくとも1つの棚板51を有しており、例えば3つの棚板51を有している。棚板51は、例えば、鋼板等から形成された板状に延びる部材であり、シャッター付き収容装置1の内部に上下方向に間隔をあけて配設されている。物品陳列棚50は、例えば、一対の支柱52を備える。支柱52は、直線状に延びる筒状の部材であり、延び方向に直交する断面の形状が矩形である。支柱52は、例えば、鋼板を折曲加工することにより形成されている。支柱52の1つの側面には、複数の穴52aが等間隔に形成されている。
【0044】
一対の支柱52は、図1に示すように、穴52aの形成された面が前方を向くように、後面部3側において上下方向に立設されている。具体的には、一対の支柱52の一方は、その上下側の端部が右側部フレーム41の上部フレーム41dと下部フレーム41aとに固定され、また、その後面部3側の面が右側部フレーム41の後部フレーム41cに固定されている。また、一対の支柱52の他方は、その上下側の端部が左側部フレーム42の上部フレーム42dと下部フレーム42aとに固定され、また、その後面部3側の面が左側部フレーム42の後部フレーム42cに固定されている。支柱52の固定は公知の方法でなされており、例えば螺子による螺合や溶接、嵌合等の方法によって固定されている。
【0045】
棚板51の短手側の両端部には、ブラケット53が取り付けられており、ブラケット53は、左右方向において対向する一対の支柱52の穴52aの少なくともいずれか1組に係止可能な構造を有している。棚板51は、ブラケット53を介して一対の支柱52に固定されている。ブラケット53の構造は、公知のいずれの構造であってよい。
【0046】
また、物品陳列棚50は、後面部3に面して後部カバー54が取り付けられている。後部カバー54は、例えば鋼板等から形成された板状の部材であり、支柱52に取り付けられている。後部カバー54は、物品陳列棚50において、棚板51の上方の空間を後方の空間から仕切り、棚板51と共に物品を陳列する空間を規定している。なお、物品陳列棚50は、後部カバー54を有していなくてもよい。
【0047】
このように、シャッター付き収容装置1は、内部に物品陳列棚50を備えており、シャッター10を閉鎖することにより、物品陳列棚50を外部空間から遮断することができる。また、シャッター10を開放することにより、物品陳列棚50は開口8を介して外部に開放され、外部からの物品陳列棚50への接近が可能になる。
【0048】
また、シャッター付き収容装置1は、後面部3に配設された弾性を備える弾性部材としてのコイルバネ61と、シャッター10に配設されたコイルバネ61と係合可能な開放係合部材としての開放係合爪62と、シャッター10に配設されたコイルバネ61と係合可能な閉鎖係合部材としての閉鎖係合爪63とを備えている。開放係合爪62は閉鎖係合爪63よりも閉鎖方向側に配設されている。コイルバネ61並びに開放係合爪62及び閉鎖係合爪63は、シャッター10の操作性を向上するための部材であり、コイルバネ61は、シャッター10が開放方向に移動されていくと開放係合爪62に係合し下方に向かってたわみ、また、シャッター10が閉鎖方向に移動されていくと閉鎖係合爪63に係合し上方に向かってたわむ。
【0049】
図7は、本発明の実施の形態に係るシャッター付き収容装置1の後面部3の構成を説明するための図であり、図7(a)は、シャッター10が開放位置と閉鎖位置との中間に位置する状態におけるシャッター付き収容装置1の部分透過背面図であり、図7(b)は、図7(a)に示す後面部3を左右方向に見た部分拡大断面図である。図7(a)においてはシャッター10を透過して示している。
【0050】
図7(a)に示すように、コイルバネ61は、後面部3において、左右方向に延びており、一端が右側部フレーム41の後部フレーム41cに、他端が左側部フレーム42の後部フレーム42cに接続されて、後部フレーム41cと後部フレーム42cとの間に掛け渡されているか又は張設されている。また、コイルバネ61は、後述するように、開放係合爪62と閉鎖係合爪63との間であって、シャッター10の移動に伴う開放係合爪62及び閉鎖係合爪63の各々の軌道に交差して掛け渡されている。コイルバネ61の上下方向における位置は、後述するようにコイルバネ61が開放係合爪62及び閉鎖係合爪63と係合可能となる位置であればいずれの位置であってもよいが、後部フレーム41c,42cの上下方向において中央の位置が好ましい。また、図7(b)に示すように、コイルバネ61は、後面部3において、シャッター10よりも前方に位置している。
【0051】
図7(a),(b)に示すように、開放係合爪62及び閉鎖係合爪63は、シャッター10の左右方向の中央に設けられており、また、開放係合爪62及び閉鎖係合爪63は、シャッター10の開放及び閉鎖方向(上下方向)において所定の間隔dだけ離間して配設されている。また、シャッター10が開放位置と閉鎖位置との中間の位置(以下、シャッター中間位置ともいう。)に位置する状態において、コイルバネ61が上下方向において開放係合爪62と閉鎖係合爪63との中間に位置するように、開放係合爪62及び閉鎖係合爪63はシャッター10に位置決めされている。また、シャッター10は、シャッター中間位置において、前面部2の側の自重と後面部3の側の自重とが釣り合うよう設計されている。
【0052】
また、図7(b)に示すように、開放係合爪62は、後面部3において、シャッター10の前方側の面に取り付けられて、閉鎖方向(上方)に凹む凹部62aを備えるフック状の係合爪である。開放係合爪62は、凹部62aにコイルバネ61の左右方向中央部を収容してコイルバネ61と係合可能となっており、シャッター10がシャッター中間位置から開放方向に所定の距離(d/2)を移動されると、凹部62aは閉鎖方向側からコイルバネ61を収容して係合するようになっている。更にシャッター10を開放方向に移動すると、開放係合爪62はコイルバネ61を下方に引っ張り下方にたわませる。
【0053】
また、図7(b)に示すように、閉鎖係合爪63は、後面部3において、シャッター10の前面部2側の面に取り付けられて、開放方向(下方)に凹む凹部63aを備えるフック状の係合爪である。閉鎖係合爪63は、凹部63aにコイルバネ61の左右方向中央部を収容してコイルバネ61と係合可能となっており、シャッター10がシャッター中間位置から閉鎖方向に所定の距離(d/2)を移動されると、凹部63aは開放方向側からコイルバネ61を収容して係合するようになっている。更にシャッター10を閉鎖方向に移動すると、閉鎖係合爪63はコイルバネ61を上方に引っ張り上方にたわませる。
【0054】
シャッター10が開放位置に位置する状態において、開放係合爪62が後面部3に位置するように、シャッター10、ガイドレール20,30、及び開放係合爪62等は形状やサイズ、配設位置等が設定されており、また、シャッター10が閉鎖位置に位置する状態において、閉鎖係合爪63が後面部3に位置するように、シャッター10、ガイドレール20,30、及び閉鎖係合爪63等は形状やサイズ、配設位置等が設定されている。これにより、シャッター10が開放位置又は閉鎖位置に位置する状態において、コイルバネ61が下面部5又は上面部4に巻き込まれて、コイルバネ61が下部連結フレーム44等に噛み込まれてシャッター10が移動不能になることを防止できる。
【0055】
また、図7(a),(b)に示すように、コイルバネ61よりも前方側において、上下方向に延びる弾性部材ガイド部材としての筒状のコイルバネガイドフレーム64が下部連結フレーム44から上方に立設されている。コイルバネガイドフレーム64は、上方側の端部が、例えば、上部フレーム41d,42dの間において左右方向に延びる筒状の補助フレーム65によって支持されている。コイルバネガイドフレーム64は、コイルバネ61に近接されており、コイルバネ61が上方又は下方にたわんだ際に、コイルバネ61が前後方向に暴れることがないように、コイルバネ61をシャッター10との間に挟み、コイルバネ61のガイドとして機能する。コイルバネガイドフレーム64は、コイルバネ61に当接されていてもよく、離間されていてもよい。また、コイルバネガイドフレーム64は、開放係合爪62及び閉鎖係合爪63を収容する上下方向に延びる逃げ溝64aを備えている。この逃げ溝64aにより、開放係合爪62及び閉鎖係合爪63がコイルバネガイドフレーム64に干渉することなく移動可能になっている。
【0056】
シャッター付き収容装置1においては、シャッター10が移動する際に、シャッター10、開放係合爪62、及び閉鎖係合爪63が、フレーム体40や、下部連結フレーム44、補助フレーム65等に干渉することがないように形状やサイズ、配設位置が設定されている。
【0057】
シャッター付き収容装置1においては、シャッター10が開放方向に移動されていくとコイルバネ61が開放係合爪62に係合し、コイルバネ61が閉鎖方向に向かってシャッター10を付勢し、シャッター10の開放方向の操作性又は開放位置からの操作性の向上が図られている。また、シャッター10が閉鎖方向に移動されていくとコイルバネ61が閉鎖係合爪63に係合し、コイルバネ61が開放方向に向かってシャッター10を付勢し、シャッター10の閉鎖方向の操作性又は閉鎖位置からの操作性の向上が図られている。シャッター10の操作性の向上を図るための構成は、上述のコイルバネ61や、開放係合爪62及び閉鎖係合爪63等の構成に限られず、他の公知の構成であってもよい。また、シャッター付き収容装置1は、コイルバネ61や、開放係合爪62及び閉鎖係合爪63等から成るシャッター10の操作性の向上を図るための構成を有していなくてもよい。
【0058】
また、シャッター付き収容装置1は、図1〜4に示すように、ガイドレール20,30と隔壁部材80との間において側面部6,7の間に延びる、ネズミ等の害獣の内部への侵入を防ぐための補強部材70を備えている。図8は、シャッター付き収容装置1の備える補強部材70の概略構成を示すための左右方向に直交する断面におけるシャッター付き収容装置1の部分拡大断面図である。補強部材70は、ガイドレール20,30の曲り角部において、閉鎖位置に位置するシャッター10の少なくとも1つの連結部12に面する補強面71を有している。以下、補強部材70について具体的に説明する。
【0059】
図8に示すように、補強部材70は、ガイドレール20,30の後面部3と上面部4との接続部における曲り角部20b,30bにおいてガイドレール20,30と上面板82との間に配設されており、左右方向に延びる板状の補強板72と、後方側の端部において補強板72に接続する左右方向に延びる板状の支持板73とを有している。補強板72と支持板73とは、左右方向に直交する断面が楔形状を呈しており、上方側の端部において上面板82に固定されている。補強板72と支持板73とは、鋼板等から一体に形成されており、上面板82に溶接や図示しない螺子を用いた螺合により固定されている。補強板72及び支持板73は、上側の端部に図示しないフランジを有していてもよく、このフランジを介して上面板82に固定されていてもよい。
【0060】
補強板72の内側に面する面が補強面71を形成しており、補強面71は、図8に示すように、閉鎖位置に位置するシャッター10のガイドレール20,30の曲り角部20b,30bに位置する少なくとも1つの連結部12に面するようになっている。なお、シャッター10が閉鎖位置に位置する状態において、少なくとも1つの連結部12がガイドレール20,30の曲り角部20b,30bに位置するようになっている。本実施の形態においては、シャッター10が閉鎖位置に位置する状態において、1つの連結部12がガイドレール20,30の曲り角部20b,30bに位置するようになっている。
【0061】
補強部材70の補強面71は、図8に示すように、補強面71が面する連結部12に隣接するシャッター片11のうちシャッター10の開放方向側のシャッター片11(図8においてシャッター片11A)の短手方向(図8の線α方向)に交差して延びている。また、補強面71は、補強面71の法線上における連結部12との間の間隔である間隔wが、補強面71と連結部12との間の間隔において最も小さくなっている。なお、補強面71と連結部12との間の間隔は、補強面71の法線上における間隔wが最も小さくなっていなくてもよい。
【0062】
図8に示すように、シャッター10が閉鎖位置に位置する状態において、ガイドレール20,30の曲り角部20b,30bに位置する連結部12を形成する一対のシャッター片11(図8においてシャッター片11A,11B)は、真っ直ぐ延びた状態から連結部12において折れ曲がって(回転して)おり、シャッター片11A,11Bの短手方向の間の角度である角度βは、180度よりも小さい角度になっている。
【0063】
このように、補強部材70の補強面71は、シャッター10の折れ曲がった部分におけるシャッター片11A,11Bの間の連結部12に面している。シャッター10の折れ曲がった部分におけるシャッター片11A,11Bの間の連結部12は、隣接するシャッター片11A,11Bの剛性又は弾性力により外部から押圧する力に対して変形し難くなっている。このため、ネズミ等の害獣が上面板82とシャッター10との間をシャッター片11をたわませて侵入してきたとしても、補強面71と連結部12との間は狭く、且つ、補強面71が面する連結部12は強固となっているので、害獣が連結部12を変形させることは困難であり、補強面71と補強面71が面する連結部12との間において害獣が更にシャッター付き収容装置1の内部に侵入することの防止を図ることができる。
【0064】
シャッター片11A,11Bの短手方向の間の角度βが小さければ小さいほど、シャッター片11A,11Bの剛性又は弾性力により連結部12が外部から押圧する力に対して変形し難くなると考えられる。このため、補強面71に面する連結部12を介して連結するシャッター片11A,11の間の角度βが小さいほど、補強面71によるシャッター付き収容装置1の内部への害獣の侵入の防止効果を向上させることができると考えられる。従って、シャッター10が閉鎖位置に位置する状態において、補強面71に面する連結部12を形成するシャッター片11A,11Bの間の角度βが、互いに連結されたシャッター片11の間の曲がり角度において最小の値となるように、シャッター10が形成されていることが好ましい。
【0065】
また、支持板73は、補強面71の法線方向に延びる面であることが好ましい。補強面71と連結部12との間に害獣が侵入した際の補強面71の支持力を強くすることができるからである。
【0066】
また、断面が楔形状を呈する補強部材70は、上面板82の補強を図ることができ、上面板82をも補強することができる。このため、上面板82の厚さを薄くすることができる。
【0067】
補強部材70の補強面71の形状は上述の平面形状に限らず、曲面形状であってもよい。例えば、補強面71は、曲がり角部20b,30bにおけるガイドレール20,30と同様に湾曲する曲面であってもよい。また、シャッター10は、閉鎖状態において、2つ以上の連結部12が曲がり角部20b,30bに位置するように構成されていてもよく、この場合、補強部材70の補強面71は、曲り角部20b,30bにおける全ての又は一部の連結部12と面するように形成されていてもよい。
【0068】
次いで、上面板82及び補強部材70のより具体的な形状について説明する。図9は、上部フレーム41d,42d、上面板82、及び補強部材70のより具体的な形状を示すための図であり、図9(a)は、補強部材70の一方の端部の部分拡大斜視図であり、図9(b)は、上面板82及び補強部材70の延び方向に直交する断面における断面図であり、図9(c)は、上部フレーム41dと上面板82及び補強部材70との分解斜視図である。
【0069】
図9(a)に示すように、補強部材70は、楔形状を呈するように一方の長手側端部72a,73aにおいて互いに接続された補強板72と支持板73との夫々の他方の長手側端部72b,73bから、上面板82への取り付けに用いられる部分である平面状のフランジ74,75が夫々延設されている。フランジ74は、補強板72において補強板72の短手側の端部から所定の間隔長手方向に離れた位置から、補強板72の長手側端部72bの残りの部分に亘って長手方向に延びている。つまり、フランジ74は、補強板72の短手側の端部近傍の部分には形成されていない。そして、このフランジ74が形成されていない補強板72の短手側の端部近傍の部分において、補強板72は長手側端部72bから長手側端部72aに向かって所定の幅の部分が切欠かれており、長手方向に延びる切欠き72cが形成されている。また、同様に、フランジ75は、支持板73において支持板73の短手側の端部から所定の間隔長手方向に離れた位置から、支持板73の長手側端部73bの残りの部分に亘って長手方向に延びている。つまり、フランジ75は、支持板73の短手側の端部近傍の部分には形成されていない。そして、このフランジ75が形成されていない支持板73の短手側の端部近傍の部分において、支持板73は長手側端部73bから長手側端部73aに向かって所定の幅の部分が切欠かれており、長手方向に延びる切欠き73cが形成されている。補強部材70の両端部の形状は同一であり、両端部とも上述の形状を有している。補強板72、支持板73、及びフランジ74,75は同一の材料から一体に形成されている。
【0070】
図9(b)に示すように、上面板82は、シャッター付き収容装置1の上面部4の一部において広がる矩形の長尺板状の上面部83と、この上面部83の長手側の端部の一方から内側に延びる矩形の長尺板状の後面部84とを備えている。上面部83の長手側の端部の他方は内側に折り曲げられて(あざ折)あざ折部83aが形成されている。また、上面部83の内側には、フランジ74,75を介して補強部材70が取り付けられている。フランジ74,75は、溶接や図示しない螺子を用いた螺合により上面部83に取り付けられている。補強部材70の端部において、補強板72及び支持板73には夫々切欠き72c,73cが形成されており、これにより、上面部83と、補強部材70の端部近傍における補強板72及び支持板73との夫々の間に、スリットが形成されている。なお、補強板72及び支持板73の夫々の切欠き72c,73cの部分から上面板82に平行にフランジが形成されていてもよい。また、補強部材70と上面部83及び後面部84との長手方向の長さは同じである。補強部材70の長手方向の長さは、上面部83及び後面部84の長手方向の長さよりも短くてもよい。
【0071】
また、図9(c)に示すように、上面板82は、後面部84の短手側の両端部から長手方向に延びる係合部85を備えている。係合部85は、後述するように、上部フレーム41d,42dの後端に係合可能に形成されている。例えば、図9(c)に示すように、上部フレーム41d,42dの後端にスナップ結合可能な一対の爪85aを有している。図9(c)に示すように、上部フレーム41dは、内側に延びる板状のフランジ48を有している。左側の上部フレーム42dも右側の上部フレーム41dと同様に、フランジ48に対応するフランジ48を有している。フランジ48は、補強部材70の切欠き72c,73cと上面板82の上面部83とが形成するスリットに挟持されるような厚さ及び大きさを有している。
【0072】
シャッター付き収容装置1において、補強部材70が取り付けられた上面板82は、上部フレーム41d及び上部フレーム42dに取り付けられている。具体的には、上部フレーム41d及び上部フレーム42dのフランジ48が、切欠き72c,73cと上面部83とが形成するスリットに挿入されて挟持され、また、上面板82の係合部85が上部フレーム41d及び上部フレーム42dの後端に向かって後方から押圧され、係合爪85aが上部フレーム41d及び上部フレーム42dの内面に係合して、上面板82が上部フレーム41d及び上部フレーム42dに取り付けられる。上面板82が左右の上部フレーム41d及び上部フレーム42dに取り付けられた状態において、上側において、上面板82と、上部フレーム41d及び上部フレーム42dとは面一となっており、上面板82と上部フレーム41d及び上部フレーム42dとが面一となるように上部フレーム41d及び上部フレーム42dにおいてフランジ48が配設されている。
【0073】
以上、詳細に説明したように、本発明の実施の形態に係るシャッター付き収容装置1においては、補強部材70がガイドレール20,30の曲り角部20b,30bにおいて、閉鎖状態のシャッター10の連結部12に面する補強面71を有している。これにより、補強面71と連結部12との間が狭くなっている。また、補強面71が面する連結部12を介して隣接する(連結された)シャッター片11の間の角度βは180度よりも小さく、可撓性の大きいシャッター片11から形成されたシャッター10においても、この補強面71が面する連結部12は変形し難くなっている。このように、補強面71と補強面71が面する連結部12との間の間隔は狭く、また、この補強面71が面する連結部12は外力に対して変形し難くなっている。このため、シャッター付き収容装置1においては、ネズミ等の害獣が、補強面71と補強面71が面する連結部12との間を通り抜けることが容易ではなくなっている。
【0074】
このように、本発明の実施の形態に係るシャッター付き収容装置1によれば、可撓性の大きいシャッター片11を用いて形成されたシャッター10を用いても、内部への害獣の侵入の防止を図ることができる。
【0075】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
【0076】
例えば、補強部材70は、ガイドレール20,30の曲り角部20b,30bにおいて補強面71が連結部12に面する位置に配設されているものに限られず、ガイドレール20,30の曲り角部20a,30aや曲り角部20c,30cに位置する連結部12に面する位置に配設されているものであってもよい。また、補強部材70は、曲り角部20a,30a、曲り角部20b,30b、及び曲り角部20c,30cの全てにおいて、補強面71が連結部12に面する位置に配設されているものであってもよい。
【0077】
また、シャッター付き収容装置1は、上面板82を有していなくてもよい。この場合、補強部材70は、右側部フレーム41及び左側部フレーム42、又は後面板81に取り付けられる。また、上面板82は、従来から用いられている物品を載置可能な厚さを有する形状のものであってもよい。また、補強部材70は、上面板82に取り付けられていなくてもよい。
【0078】
また、フレーム体40の形態は上述のものに限らず、また、物品陳列棚50の形態も上述のものに限らない。例えば、支柱52が設けられておらず、棚板51は右側部フレーム41及び左側部フレーム42に固定されるようにしてもよい。シャッター付き収容装置1は、上述のような物品陳列棚50を備えるものではなく、内部に棚板によって分離されていない1つの空間が形成された収容装置を備えるものであってもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 シャッター付き収容装置
2 前面部
3 後面部
4 上面部
5 下面部
6 右側面部
7 左側面部
8 開口
10 シャッター
11,11A,11B シャッター片
11a 基体部
11b 第1係合部
11c 第2係合部
11d 溝
11e 突条片
12 連結部
13 前端部
14 後端部
15 緩衝部材
16 ガード板
17 スライダ
20,30 ガイドレール
20a〜20c,30a〜30c 曲り角部
40 フレーム体
41 右側部フレーム
41a,42a 下部フレーム
41b,42b 前部フレーム
41c,42c 後部フレーム
41d,42d 上部フレーム
42 左側部フレーム
43 キックボード
43a 上端部
43b 前面
44 下部連結フレーム
45 接地アジャスター
46a,46b サイドパネル
47 底板
48 フランジ
50 物品陳列棚
51 棚板
52 支柱
52a 穴
53 ブラケット
54 後部カバー
61 コイルバネ
62 開放係合爪
62a,63a 凹部
63 閉鎖係合爪
64 コイルバネガイドフレーム
64a 逃げ溝
65 補助フレーム
70 補強部材
71 補強面
72 補強板
72a,72b,73a,73b 長手側端部
72c,73c 切欠き
73 支持板
74,75 フランジ
80 隔壁部材
81 後面板
82 上面板
83 上面部
83a あざ折部
84 後面部
85 係合部
85a 爪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9