(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シートおよびこのシートに巻き掛けられた心線を用いて形成されるベルトを製造するために前記シートに前記心線を巻き掛けるためのベルト成形用スピニング装置であって、
前記シートを保持するための胴部と、
前記胴部を前記胴部の中心軸線回りに回転させるための胴部回転機構と、
前記シートに前記心線を巻き掛けるために前記中心軸線回りを回転している前記シートへ前記心線を渡すための心線渡し機構と、
前記心線渡し機構を前記胴部の軸方向に沿って変位させるためのトラバース機構と、
前記胴部回転機構および前記トラバース機構を制御するための制御部と、を備え、
前記制御部は、前記胴部に前記シートが巻かれ、さらに、前記シートに前記心線が巻き掛けられた所定の巻き掛け状態に基づくモデルを用いて、前記巻き掛け状態における前記中心軸線回りの前記心線の長さとしての周長を算出し、
前記制御部は、前記シートへ前記心線を螺旋状に巻くスピニングモードに先立って所定の調整モードを実行することで前記モデルを取得するように構成され、
前記調整モードでは、前記胴部回転機構が動作されることで前記心線渡し機構から渡された前記心線が前記シートに巻かれ、
前記制御部は、前記調整モードにおける前記シート上での前記心線の前記周長を算出し、
前記制御部は、算出した前記周長に基づいて、前記スピニングモードにおける前記胴部の目標回転速度を設定することを特徴とする、ベルト成形用スピニング装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、スピニング工程を含む、未加硫成形体を形成する一連の工程は、コンピュータ制御による自動化が進められている。スピニング装置においては、スピニング時のパラメータとして、金型の外周長(外径)、ロープスピード(心線を巻き付ける速度)、ロープテンション(心線を巻き付ける引張力)、スピニングピッチ(心線の間隔)が挙げられる。スピニング装置を操作するオペレータは、上記の条件をコンピュータ制御部に入力する。コンピュータ制御部の演算部は、上記の条件を基に、金型回転速度(回転数)や、心線を横送り(トラバース)する速度を算出する。そして、コンピュータ制御部は、算出した値を用いて、一連のスピニング作業を制御する。
【0007】
ここで、(A)金型回転速度(回転数)は、(B)心線を巻く位置における金型中心軸線回りの心線の外周長(外径)と、(C)心線を横送りするスピードとの関係式から算出される。実際には、心線が巻かれるのは金型外周面ではなく、金型に成形材料(帆布や未加硫ゴムシート)が装着された状態で当該成形材料の外周面である。この成形材料は、軟質であるため、スピニング時に心線が成形材料に喰い込んでしまう。また、成形材料の種類、心線に作用する引張力、雰囲気温度などにより、上記の喰い込み量は都度変化する。その結果、心線を巻く位置における、金型中心軸線回りの周長を一律に設定することができない。すなわち、スピニング装置における成形動作毎に上記の周長が変化する。
【0008】
このため、従来のスピニング装置では、心線を巻く位置での外周長として、金型の外周面での周長を用いて金型回転速度を算出していた。しかしながら、金型の外周面での周長を基準とする金型回転速度では、上記(A)、(B)、(C)のパラメータの関係にズレが生じていた。すなわち、金型の外周面での周長を用いて金型回転速度を算出する方法では、金型の外周面での周長と、所望のロープスピードとを用いて算出した金型回転速度でスピニングを行っても、実際のロープスピードよりも速いロープスピードでスピニングを行うことになる。その結果、成形材料の外周面における心線の巻き掛け位置が、所望の位置からずれるおそれがある。
【0009】
本発明の目的は、上記課題を解決することであり、コンピュータ制御による一連の自動的なスピニング作業などにおいて、スピニングを行う条件をより正確に設定できる、ベルト成形用スピニング装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記課題を解決するため、本発明のある局面に係るベルト成形用スピニング装置は、シートおよびこのシートに巻き掛けられた心線を用いて形成されるベルトを製造するために前記シートに前記心線を巻き掛けるためのベルト成形用スピニング装置であって、前記シートを保持するための胴部と、前記胴部を前記胴部の中心軸線回りに回転させるための胴部回転機構と、前記シートに前記心線を巻き掛けるために前記中心軸線回りを回転している前記シートへ前記心線を渡すための心線渡し機構と、前記心線渡し機構を前記胴部の軸方向に沿って変位させるためのトラバース機構と、前記胴部回転機構および前記トラバース機構を制御するための制御部と、を備え、前記制御部は、前記胴部に前記シートが巻かれ、さらに、前記シートに前記心線が巻き掛けられた所定の巻き掛け状態に基づくモデルを用いて、前記巻き掛け状態における前記中心軸線回りの前記心線の長さとしての周長を算出する。
【0011】
この構成によると、ドラムにシートが巻かれ、さらに、シートに心線が巻き掛けられた所定の巻き掛け状態に基づくモデルを用いて、周長が算出される。これにより、シートに心線が巻かれる実際の状態を考慮して、制御部が周長を算出できる。よって、心線がシートに巻き掛けられるときの実態により即した周長に基づいて、制御部が胴部回転機構およびトラバース機構を制御できる。その結果、ベルト成形用スピニング装置において、より正確に意図した通りの態様でシートに心線が巻き掛けられる。以上の次第で、スピニングを行う条件をより正確に設定できる、ベルト成形用スピニング装置を実現できる。
【0012】
(2)好ましくは、前記制御部は、前記シートへ前記心線を螺旋状に巻くスピニングモードに先立って所定の調整モードを実行することで前記モデルを取得するように構成され、前記調整モードでは、前記胴部回転機構が動作されることで前記心線渡し機構から渡された前記心線が前記シートに巻かれ、前記制御部は、前記調整モードにおける前記シート上での前記心線の前記周長を算出する。
【0013】
この構成によると、制御部は、調整モードにおいて、胴部に実際に保持されたシートに所定量の心線が巻かれた状態における、当該シート上での周長を算出する。これにより、制御部は、シートへ心線を実際にスピニングする前に、実際のシートに巻き掛けられた心線の周長を算出することができる。よって、シートの種類(材質など)、心線に作用する引張力(テンション)、雰囲気温度など、シートへの心線の喰い込み具合が都度変化する環境下において、制御部は、より正確に実際の周長を算出できる。
【0014】
(3)より好ましくは、前記調整モードにおける前記胴部の回転速度は、前記スピニングモードにおける前記胴部の回転速度未満に設定される。
【0015】
この構成によると、調整モードにおいて、周長を測定するためにより適した回転速度で胴部を回転させることができる。また、調整モードが完了した後の、心線をスピニングする作業(本巻き工程)において、より迅速にスピニング作業を完了することができる。
【0016】
(4)好ましくは、前記制御部は、前記調整モードにおける前記心線の移動速度と前記胴部の回転速度とに基づいて前記周長を算出する。
【0017】
この構成によると、調整モードにおいて、心線の移動速度と胴部の回転速度の2つの速度を検出する簡易な構成で、制御部は、より正確に周長を算出できる。
【0018】
(5)好ましくは、前記制御部は、算出した前記周長に基づいて、前記スピニングモードにおける前記胴部の目標回転速度を設定する。
【0019】
この構成によると、制御部は、シートへ心線を所望の態様で巻き掛けるのに最適な胴部の目標回転速度を設定できる。
【0020】
(6)より好ましくは、前記制御部は、予め設定された前記心線の目標移動速度と前記周長とに基づいて、前記スピニングモードにおける前記胴部の目標回転速度を設定する。
【0021】
この構成によると、制御部は、簡易な構成でスピニングモードにおける胴部の目標回転速度を設定できる。
【0022】
(7)好ましくは、前記制御部は、算出した前記周長に基づいて、前記スピニングモードにおける前記胴部の軸方向への前記心線渡し機構の目標移動速度を設定する。
【0023】
この構成によると、制御部は、心線をより均一なピッチで螺旋状にシートへ巻き掛けることのできる、心線渡し機構の移動速度を設定できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、スピニングを行う条件をより正確に設定できる、ベルト成形用スピニング装置を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るベルト成形用スピニング装置1の側面図である。
図2は、ベルト成形用スピニング装置1を用いて形成されたベルト100の断面図である。
図1および
図2を参照して、ベルト成形用スピニング装置1(以下、単にスピニング装置1ともいう)は、たとえば、動力を伝えるための伝動ベルトを製造するために用いられる。
【0027】
このような伝動ベルトとして、一般産業機械、自動車などの動力伝達用途で用いられる伝動ベルトを例示することができる。より具体的には、上記の伝動ベルトとして、ラップドVベルト、ローエッジVベルト、Vリブドベルト、歯付ベルト、平ベルト、搬送ベルトなどを例示することができる。
【0028】
伝動ベルトの一例としてのベルト100は、Vベルト(たとえばローエッジVベルト)である。ベルト100は、上布101と、上ゴム107と、心線102と、接着ゴム103と、下ゴム104と、下布105と、を有している。ベルト100の外周面側から順に、上布101と、上ゴム107と、心線102が埋設された接着ゴム103と、下ゴム104と、下布105と、が積層されている。このようなベルト100の製造時、まず、下布105となる補強布に下ゴム104となる未加硫ゴム層が巻かれた未加硫のシート106に、心線102が螺旋状に巻かれる。なお、布105となる補強布に下ゴム104となる未加硫ゴム層が巻かれ、さらに、接着ゴム103のうち心線102と下ゴム104との間に配置され接着ゴム103の一部となる未加硫ゴム層が巻かれたものを、シート106として用いてもよい。スピニング装置1は、このシート106に心線102を螺旋状に巻く(スピニングする)ために用いられる。心線102が巻かれたシート106は、所定の加硫工程、切断工程などを経て、ベルト100となる。
【0029】
シート106は、たとえば、ベルト100の全長と同じ長さを有する長尺状のゴム層である。シート106は、たとえば、クロロプレンゴム(CR)組成物などを用いて構成される。シート106の幅は、ベルト100の幅よりも大きく設定されており、1枚のシート106を用いて複数のベルト100を製造することができる。
【0030】
心線102は、ベルト100の長手方向に沿って延びるように設けられている。これにより、心線102は、ベルト100の破断を防止する補強部材として機能する。心線102の材質は、たとえばポリエステルである。
【0031】
図1を参照して、スピニング装置1は、前述したように、シート106およびシート106に巻き掛けられた心線102を用いて形成されるベルト100を製造するためにシート106に心線102を巻き掛けるために用いられる。
【0032】
スピニング装置1は、シート保持機構2と、心線送り出し機構3と、心線渡し機構4と、トラバース機構5と、入力装置6と、制御部7と、を有している。
【0033】
シート保持機構2は、シート106を保持するための胴部8と、胴部8を当該胴部8の中心軸線L1回りに回転させるための胴部回転機構9と、を有している。
【0034】
胴部8は、円筒状の外周面を有する部分である。胴部8の外周面には、シート106が巻かれている。胴部8の外周面の周方向長さ(周長)は、シート106の内周面の周方向長さ(周長)と略同じに設定されており、胴部8の外周面の略全域に亘ってシート106が巻かれている。胴部8は、本実施形態では、縦向きに配置されており、当該胴部8の中心軸線L1が鉛直方向を向いている。なお、胴部8の向きは、横向きでもよい。胴部8は、胴部回転機構9によって、中心軸線L1回りを回転可能に支持されている。
【0035】
胴部回転機構9は、胴部回転用モータ10と、駆動軸11と、従動軸12と、を有している。
【0036】
胴部回転用モータ10は、胴部8に中心軸線L1回りの回転力を付与するための駆動源として設けられている。胴部回転用モータ10は、たとえば、電動モータである。胴部回転用モータ10の出力軸は、駆動軸11に動力伝達可能に連結されている。駆動軸11は、胴部8と同軸に配置されており、且つ胴部8の一端部(下端部)に連結されている。
【0037】
駆動軸11は、胴部8を支持している。これにより、胴部回転用モータ10の駆動力は、駆動軸11を介して胴部8に伝達される。従動軸12は、駆動軸11と同軸に配置されており、胴部8の他端部(上端部)に固定されている。従動軸12は、支持部材13に支持されている。上記の構成により、胴部8は、両端支持されている。胴部8にシート106が巻かれた状態において、心線送り出し機構3からシート106へ向けて心線102が送られる。
【0038】
心線送り出し機構3は、心線102を保持しており、この心線102をシート106(心線渡し機構4)へ向けて送り出すように構成されている。
【0039】
心線送り出し機構3は、ボビン14と、テンション機構15と、を有している。
【0040】
ボビン14は、心線102を巻いた状態で当該心線102を保持している。ボビン14は、支軸14a回りを回転可能に構成されており、心線102が送り出されるときに、支軸14a回りを回転する。ボビン14から繰り出された心線102は、プーリ16に案内されてテンション機構15に送られる。
【0041】
テンション機構15は、心線102に所定の引張力(テンション)を付与するために設けられている。テンション機構15は、定位置プーリ17,18,19と、位置可変プーリ20と、揺動アーム21と、テンション付与機構22と、を有している。
【0042】
定位置プーリ17,18,19は、壁23に支持されており、一定の位置において、壁23によって回転自在に支持されている。定位置プーリ17,18,19は、たとえば、上下に並んでいる。プーリ16から送られた心線102は、定位置プーリ17,18に巻かれ、さらに、定位置プーリ19および位置可変プーリ20側に送られる。
【0043】
位置可変プーリ20は、揺動アーム21の一端部に回転自在に支持されたプーリである。揺動アーム21は、支点部24において壁23に支持されており、支点部24回りを位置可変プーリ20とともに揺動可能である。揺動アーム21の他端部には、テンション付与機構22が配置されている。テンション付与機構22は、たとえば、流体圧シリンダである。
【0044】
テンション付与機構22は、シリンダによって構成された固定部22aと、ロッドによって構成され固定部22aに支持された可動部22bと、流体圧調整部22cと、を有している。流体圧調整部22cは、ポンプなどの流体圧発生源と、流体圧発生源で発生した流体を固定部22aの一対のシリンダ室の何れか一方のシリンダ室へ向けて送り出すとともに、他方のシリンダ室からの流体を排出するためのバルブとを、有している。流体圧調整部22c(流体圧発生源およびバルブ)は、後述する制御部7によって制御されるように構成されている。なお、ロッドを固定部として用いるとともに、シリンダを可動部として用いてもよい。また、テンション機構15は、シリンダに限らず、心線102に引張力を付与可能な構成であればよい。
【0045】
可動部22bには、揺動アーム21の他端部が接続されている。可動部22bが固定部22aに対して可動部22bの軸方向に変位することで、揺動アーム21および位置可変プーリ20が支点部24回りを揺動する。このように、支点部24回りにおける位置可変プーリ20の変位によって、心線102に作用する引張力が変化する。位置可変プーリ20を通った心線102は、心線渡し機構4へ送られる。心線渡し機構4は、シート106に心線102を巻き掛けるために、中心軸線L1回りを回転しているシート106へ心線102を渡すために設けられている。
【0046】
心線渡し機構4は、タッチプーリ25と、タッチプーリ25を支持するアーム26と、を有している。
【0047】
タッチプーリ25は、テンション機構15から後述するガイドプーリ27,28を通って送られてきた心線102をシート106に押さえつけるために設けられている。タッチプーリ25は、胴部8の外周面と向かい合うように配置されており、アーム26に支持されている。アーム26は、トラバース機構5の後述するナット部32に支持されている。アーム26は、中心軸線L1と平行な軸回りを揺動可能に構成されており、図示しない流体圧シリンダの駆動力を受けて、タッチプーリ25をシート106に近づく方向およびタッチプーリ25から離隔する方向へ変位させることが可能である。
【0048】
また、心線渡し機構4は、図示しないカッターを有しており、タッチプーリ25から送り出された心線102を切断可能に構成されている。
【0049】
トラバース機構5は、心線渡し機構4を胴部8の軸方向S1に沿って変位させるために設けられている。トラバース機構5は、胴部8に隣接して配置されている。このトラバース機構5は、トラバース用モータ29と、ボールねじ機構30と、を有している。
【0050】
トラバース用モータ29は、心線渡し機構4を軸方向S1に変位させるために設けられた電動モータである。トラバース用モータ29は、たとえば、サーボモータまたはステッピングモータなどを用いて形成されており、当該トラバース用モータ29の出力軸の回転位置を正確に制御可能である。トラバース用モータ29の駆動力は、ボールねじ機構30に伝達される。
【0051】
ボールねじ機構30は、トラバース用モータ29の出力軸の回転運動を、軸方向S1に沿う直線運動に変換して心線渡し機構4に伝達するための運動変換機構として設けられている。ボールねじ機構30は、雄ねじ軸31と、ナット部32と、を有している。
【0052】
雄ねじ軸31は、軸方向S1と平行に延びる軸部材として設けられており、一対のブロック部材33によって回転可能に支持されている。雄ねじ軸31には、トラバース用モータ29の出力軸が一体回転可能に連結されている。雄ねじ軸31には、ナット部32が螺合している。
【0053】
ナット部32は、雄ねじ軸31の回転に伴って軸方向S1に変位するように構成されている。このナット部32は、一対のブロック部材33の間に配置されている、ナット部32には、一方のブロック部材33に支持された回り止め部材34が取り付けられている。これにより、ナット部32は、雄ねじ軸31の回転に連れ回りすることを規制されている。ナット部32は、心線渡し機構4のアーム26を支持しており、アーム26およびタッチプーリ25とは軸方向S1に一体的に変位可能である。心線102は、テンション機構15からガイドプーリ27,28を通ってタッチプーリ25へ案内される。
【0054】
上記の構成により、タッチプーリ25からシート106へ送られた心線102は、胴部8の回転に伴ってシート106の外周面に巻き掛けられる。この際、トラバース機構5は、軸方向S1に所定の速度でタッチプーリ25を変位させる。これにより、心線102は、シート106上において、螺旋状に巻かれる。
【0055】
なお、
図3の模式図に示すように、胴部8に巻かれたシート106の外周面106aに心線102が巻き掛けられたとき、心線102は、シート106に食い込むように当該シート106に巻かれる。たとえば、心線102は、食い込み量Δだけシート106に食い込む。このため、シート106上における心線102について、胴部8の中心軸線L1回りの周長C1(心線102の中心軸線の周長)は、シート106の材質(柔らかさ)、心線102の硬さなどによって変化する。このため、本実施形態では、スピニング装置1は、後述するように、周長C1をより実際の状態に近い状態で測定し、測定結果に基づいてスピニング動作を行う。
【0056】
上記の構成を有するテンション機構15、心線渡し機構4、トラバース機構5およびシート保持機構2は、入力装置6からの入力信号に基づいて制御部7によって制御される。
【0057】
図4は、スピニング装置1の電気的な構成を示すブロック図である。
図1および
図4を参照して、入力装置6は、たとえば、タッチパネル装置であり、スピニング装置1のオペレータによって操作されるタッチパネル36を有している。タッチパネル36は、オペレータによって押操作されることで、押操作された内容に対応する所定の信号を、制御部7へ出力するように構成されている。
【0058】
制御部7は、胴部回転機構9およびトラバース機構5を制御可能に構成されている。制御部7は、たとえば、PLC(Programmable Logic Controller)を用いて形成されている。なお、制御部7は、CPU、RAMおよびROMを含むコンピュータを用いて形成されてもよい。また、ボビン14からタッチプーリ25までの間における心線102の経路に、心線速度センサ37が配置されている。
【0059】
心線速度センサ37は、たとえば、タッチプーリ25を支持するアーム26に設けられたロータリーエンコーダであり、心線102の移動速度を検出し、この移動速度を特定する信号を制御部7へ出力する。すなわち、制御部7は、心線速度センサ37に接続されており、心線102がシート106に向けて送り出されるときの当該心線102の速度を特定する信号を検出することができる。
【0060】
制御部7は、入力装置6から与えられた信号、心線速度センサ37から与えられた信号、および、当該制御部7に記憶されているプログラムなどを基に、テンション機構15、心線渡し機構4、トラバース機構5およびシート保持機構2を制御する。
【0061】
本実施形態では、制御部7は、胴部8にシート106が巻かれ、さらに、シート106に心線102が巻き掛けられた所定の巻き掛け状態に基づくモデルを用いて、巻き掛け状態における中心軸線L1回りの心線102の長さとしての周長C1(外周長)を算出するように構成されている。
【0062】
本実施形態では、制御部7は、所定の調整モードを実行した後にスピニングモードを実行する。調整モードとは、上記のモデルを取得し、次いで周長C1を算出するためのモードである。スピニングモードとは、算出された周長C1を基にシート106へ心線102を螺旋状に巻くモードである。
【0063】
制御部7は、第1アンプ41、第2アンプ42および第3アンプ43に接続されている。
【0064】
第1アンプ41は、テンション付与機構22の流体圧調整部22cに接続されており、制御部7からの制御信号を流体圧調整部22cに伝達する。流体圧調整部22cは、この制御信号に基づいて、固定部22aに対する作動流体の給排を制御する。その結果、固定部22aに対する可動部22bの位置が調整され、支持部24回りのアーム26の位置が変化する。これにより、位置可変プーリ20が変位し、心線102に作用する引張力が変化する。
【0065】
第2アンプ42は、シート保持機構2の胴部回転用モータ10に接続されている。第2アンプ42は、制御部7からの制御信号を胴部回転用モータ10に伝達する。これにより、制御部7は、胴部回転用モータ10の駆動を制御する。また、第2アンプ42は、胴部回転用モータ10に備えられているロータリーエンコーダなどの胴部回転速度センサ10aに接続されており、胴部回転用モータ10の出力軸の回転速度信号を、第3アンプ43を介してトラバース用モータ29に伝達するように構成されている。なお、この回転速度信号は、制御部7に出力されてもよい。
【0066】
第3アンプ43は、トラバース機構5のトラバース用モータ29に接続されている。第3アンプ43は、制御部7からの制御信号をトラバース用モータ29に伝達する。これにより、制御部7は、トラバース用モータ29の駆動を制御する。
【0067】
次に、スピニング装置1を用いてシート106に心線102を螺旋状に巻くスピニング動作の一例を説明する。
図5および
図6は、スピニング装置1の動作の一例を説明するためのシーケンス図である。なお、
図5および
図6を参照して説明するときは、
図5および
図6以外の図も適宜参照しながら説明する。
【0068】
図5および
図6を参照して、本実施形態では、調整モードとして、ステップS10〜S20の処理が行われる。また、スピニングモードとして、ステップS21〜ステップS27の処理が行われる。以下、より具体的に説明する。
【0069】
スピニング装置1においては、まず、オペレータによって、手作業で、胴部8にシート106が巻かれる(ステップS1)。これにより、シート106は、胴部8と一体回転可能にシート106の外周面に保持される。
【0070】
次に、オペレータによって入力装置6が操作されることで、制御部7は、入力装置6から入力信号を受け付ける(ステップS2)。具体的には、オペレータによる入力装置6の操作によって、スピニングモードにおける心線102のとしての心線目標速度TS102、心線102に作用する引張力の目標値(目標引張力TT102)、および、心線102の目標スピニングピッチTP102(心線102を螺旋状に巻く際の軸方向S1における心線102のピッチの目標値)が、入力装置6に入力される。入力装置6は、上記心線目標速度TS102、目標引張力TT102および目標スピニングピッチTS102を特定する信号を、制御部7へ出力する。
【0071】
制御部7は、目標引張力TT102を基に、テンション付与機構22のシリンダに発生させるシリンダ圧(目標シリンダ圧TP22)を算出する(ステップS3)。すなわち、制御部7は、目標引張力TT102と等しい引張力を心線102に作用させるために必要な目標シリンダ圧TP22を算出する。また、制御部7は、目標スピニングピッチTP102から、胴部8の1回転に対するトラバース用モータ29の目標回転数TR29を算出するための回転比率rを設定する(ステップS4)。回転比率rは、たとえば、制御部7のメモリに記憶されている。これにより、制御部7は、シート106が1回転するときにおける軸方向S1への心線102の送り量の目標値を設定することとなる。
【0072】
次に、オペレータによって入力装置6が操作されることにより、心線固定指令信号が制御装置へ出力される(ステップS5)。この心線固定指令信号を受信した制御部7は、心線固定指令信号を、心線渡し機構4、トラバース機構5およびシート保持機構2へ出力する(ステップS6)。心線固定指令信号を受信したトラバース機構5のトラバース用モータ29は、タッチプーリ25が所定の初期位置へ到達するように、ボールねじ機構30の雄ねじ軸31を所定量回転駆動させることで、タッチプーリ25を初期位置へ移動させる(ステップS7)。次に、心線渡し機構4のアーム26を駆動するためのシリンダは、心線固定指令信号を受信することで、アーム26を胴部8(シート106)側に変位させる。これにより、タッチプーリ25および心線102の先端は、シート106に沿わされる(ステップS8)。
【0073】
次に、心線固定指令信号を受信した胴部回転用モータ10は、胴部8を数回転させるように駆動することで、ロープ固定動作を行う(ステップS9)。この際、トラバース用モータ29は駆動せず、心線102は、軸方向S1には変位しない。これにより、心線102は、軸方向における1箇所で繰返しシート106に巻き掛けられ、数回転、シート106に巻かれる。その結果、心線102の一端は、シート106に固定される。
【0074】
次に、オペレータが入力装置6を操作することにより、制御部7に、周長測定指令信号が与えられる。すなわち、シート106の外周面に巻かれる心線102の周長C1(胴部8の中心軸線L1回り1周あたりの心線102の長さ)の測定を指令する信号が、制御部7に与えられる。これにより、周長測定動作が開始される(ステップS10)。
【0075】
次に、制御部7は、入力装置6で設定された目標シリンダ圧TP22を特定する信号(目標シリンダ圧信号)を、第1アンプ41を介してテンション付与機構22の流体圧調整部22cへ出力する(ステップS11,S12)。テンション付与機構22の流体圧調整部22cは、目標シリンダ圧TP22に相当する流体圧を発生させるように可動部22bを変位させる。その結果、可動部22bの変位によって、アーム26および位置可変プーリ20の位置が支点部24回りに変化し、心線102に所定の引張力が作用する(ステップS13)。
【0076】
これに伴い、制御部7は、胴部回転用モータ10について、周長測定用速度を設定する(ステップS14)。この周長測定時における胴部回転用モータ10の回転速度rsは、たとえば、10rpmであり、本実施形態では、スピニング時における胴部回転用モータ10の回転測度未満である。すなわち、調整モードにおける胴部8の回転速度rsは、スピニングモードにおける胴部8の回転速度未満に設定される。次に、制御部7は、周長測定用回転信号をシート保持機構2の胴部回転用モータ10へ出力する(ステップS15)。これにより、胴部回転用モータ10の出力軸は、心線102を螺旋状に巻き掛ける(スピニングする)ときの回転速度とは異なる回転速度rsで回転する。すなわち、胴部8が回転する(ステップS16)。なお、本実施形態では、胴部回転用モータ10の出力軸の回転速度は、胴部8の回転速度と等しい。周長測定時の胴部回転用モータ10の回転駆動時間は、たとえば、1秒から2秒程度である。
【0077】
このように、調整モードでは、胴部回転機構9の胴部回転用モータ10の動作により胴部8が回転し、ボビン14に巻かれた心線102は、プーリ16〜20,27,28などを通って心線渡し機構4のタッチプーリ25に到達し、タッチプーリ25からシート106に渡されてシート106に巻き掛けられる。このときの心線102の移動速度ms(ロープスピード)は、心線速度センサ37によって検出される。(ステップS17)。心線速度センサ37による、心線102の速度検出信号は、制御部7へ与えられる(ステップS18)。このように、調整モード(周長測定ステップ、ステップS10〜S19)において、スピニング動作に先立つ、心線102の移動速度msの予備的な計測が行われる。
【0078】
次に、制御部7は、第1調整ステップとして、シート106に心線102が巻かれた状態における心線102の周長C1を算出する(ステップS19)。具体的には、本実施形態では、周長C1は、ステップS11で設定された胴部8の回転速度rsと、ステップS14で測定された心線102の移動速度msと、を用いた式を用いて算出される。すなわち、周長C1=rs×ms×60(s)である。制御部7は、この式を用いて、周長C1を算出する。すなわち、制御部7は、調整モードにおける心線102の移動速度msと胴部8の回転速度rsとに基づいて、シート106上での心線102の周長C1を算出する。
【0079】
次に、第2調整ステップとして、制御部7は、スピニングモードにおける胴部8の目標回転速度TS8を算出する(ステップS20)。具体的には、本実施形態では、胴部8の目標回転速度TS8は、心線102をシート106にスピニングする際の心線目標速度TS102(目標ロープスピード)と、周長C1と、を用いた式から算出される。すなわち、胴部8の目標回転速度TS8=周長C1/(心線目標速度TS102×60(s))である。このように、制御部7は、予め入力装置6(オペレータ)によって設定された心線102の目標移動速度TS102と、周長C1とに基づいて、スピニングモードにおける胴部8の目標回転速度TS8を算出する。
【0080】
また、制御部7は、胴部8の目標回転速度TS8を特定する信号(胴部8の目標回転速度信号)を、第2アンプ42を介して胴部回転用モータ10へ出力する(ステップS21,S22)。胴部回転用モータ10は、前述した、周長C1を測定するための回転速度rsに代えて、目標回転速度TS8と同じ回転速度を生じるように、当該胴部回転用モータ10の出力軸を回転駆動する。これにより、胴部8は、目標回転速度TS8で回転する(ステップS23)。
【0081】
このとき、胴部回転速度センサ10aは、当該胴部回転用モータ10の出力軸の回転速度MS10(実測値)を検出する。この回転速度検出信号は、第2アンプ42および第3アンプ43を介して、トラバース用モータ29へ与えられる(ステップS24)。
【0082】
また、制御部7は、ステップS4で設定した回転比率rを示す信号を、第3アンプ43を介してトラバース用モータ29へ出力する(ステップS25,S26)。そして、トラバース用モータ29は、胴部回転用モータ10の回転速度MS10と、制御部7から与えられた出力比率rとから求まる目標回転速度TS29を設定する。そして、トラバース用モータ29は、この目標回転速度TS29と同じ回転速度で当該トラバース用モータ29の出力軸が回転するように駆動する(ステップS27)。このように、制御部7は、トラバース用モータ29へ回転比率rを示す信号を出力することにより、周長C1に基づいて、スピニングモードにおける軸方向S1への心線渡し機構4の目標移動速度を設定する。
【0083】
なお、本実施形態では、制御部7から第1アンプ41、第2アンプ42および第3アンプ43への信号出力は、同時に行われる。
【0084】
これにより、胴部8は、目標回転速度TS8で回転し、且つ、トラバース用モータ29の駆動によってタッチプーリ25が軸方向S1の一方に所定の目標移動速度で変位する。その結果、ボビン14から繰り出されタッチプーリ25からシート106の外周面へ渡された心線102は、目標スピニングピッチTP102で螺旋状にシート106に巻き掛けられる。そして、胴部回転用モータ10の出力軸およびトラバース用モータ29の出力軸は、所定の回転量だけ回転した後、停止する。これにより、心線102がシート106の幅方向略全域に巻き掛けられる。なお、心線102がスピニングされている間、心線速度センサ37によって、心線102の速度が検出される。
【0085】
以上説明したように、本実施形態によると、制御部7は、胴部8にシート106が巻かれ、さらに、シート106に心線102が巻き掛けられた所定の巻き掛け状態に基づくモデルを用いて、周長C1を算出する。これにより、シート106に心線102が巻かれる実際の状態を考慮して、制御部7が周長C1を算出できる。よって、心線102がシート106に巻き掛けられるときの実態により即した周長C1に基づいて、制御部7が胴部回転機構9、心線渡し機構4およびトラバース機構5を制御できる。その結果、ベルト成形用スピニング装置1において、より正確に意図した通りの態様でシート106に心線102が巻き掛けられる。以上の次第で、スピニングを行う条件をより正確に設定できる、ベルト成形用スピニング装置1を実現できる。
【0086】
また、本実施形態によると、制御部7は、シート106へ心線102を螺旋状に巻くスピニングモードに先立って調整モードを実行することで上記のモデルを取得するように構成される。そして、調整モードでは、胴部回転機構9が動作されることで心線渡し機構4から渡された心線102がシート106に巻かれる。次いで、制御部7は、調整モードにおけるシート106上での心線102の周長C1を算出する。この構成によると、制御部7は、調整モードにおいて、胴部8に実際に保持されたシート106に所定量の心線102が巻かれた状態における、当該シート106上での周長C1を算出する。これにより、制御部7は、シート106へ心線102を実際にスピニングする前に、実際のシート106に巻き掛けられた心線102の周長C1を算出することができる。よって、シート106の種類(材質など)、心線102に作用する引張力(テンション)、雰囲気温度など、シート106への心線102の喰い込み具合が都度変化する環境下において、制御部7は、より正確に実際の周長C1を算出できる。
【0087】
また、本実施形態によると、調整モードにおける胴部8の回転速度rsは、スピニングモードにおける胴部8の回転速度未満に設定される。この構成によると、調整モードにおいて、周長C1を測定するためにより適した回転速度で胴部8を回転させることができる。また、調整モードが完了した後の、心線102をスピニングする作業(本巻き工程)において、より迅速にスピニング作業を完了することができる。
【0088】
また、本実施形態によると、制御部7は、調整モードにおける心線102の移動速度msと胴部8の回転速度rsとに基づいて周長C1を算出する。この構成によると、調整モードにおいて、心線102の移動速度msと胴部8の回転速度rsの2つの速度を検出する簡易な構成で、制御部7は、より正確に周長C1を算出できる。
【0089】
また、本実施形態によると、制御部7は、算出した周長C1に基づいて、スピニングモードにおける胴部8の目標回転速度TS8を設定する。この構成によると、制御部7は、シート106へ心線102を所望の態様で巻き掛けるのに最適な胴部8の目標回転速度TS8を設定できる。
【0090】
また、本実施形態によると、制御部7は、予め設定された心線102の目標移動速度TS102と周長C1とに基づいて、スピニングモードにおける胴部8の目標回転速度TS8を設定する。この構成によると、制御部7は、簡易な構成でスピニングモードにおける胴部8の目標回転速度TS8を設定できる。
【0091】
また、本実施形態によると、制御部7は、算出した周長C1に基づいて、スピニングモードにおける胴部8の軸方向S1への心線渡し機構4の目標移動速度を設定する。この構成によると、制御部7は、心線102をより均一なピッチで螺旋状にシート106へ巻き掛けることのできる、心線渡し機構4の移動速度を設定できる。
【0092】
また、本実施形態では、心線102がシート106に巻かれた状態で実測した周長C1(外径)を用いて、胴部8の目標回転速度TS8を算出できる。よって、胴部8の外周長を周長C1とした場合と異なり、(A)胴部8の回転速度(回転数)と、(B)周長C1と、(C)心線102を軸方向S1に沿って横送りする速度という、3つのパラメータの関係にズレが生じることを抑制できる。よってスピニング装置1は、狙いの設定条件どおりのスピニング作業を行うことができる。このような構成により、下地である軟質なシート106(帆布や未加硫ゴムシートなどの成形材料)に心線102が喰い込む量を考慮したり、更には、成形材料の種類、心線102の引張力、雰囲気温度などにより上記の喰い込み具合が変化する場合に合わせて、その都度、心線102を巻く位置での周長C1を、制御部7は、自動的に且つ正確に特定できる。
【0093】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかしながら、本発明は上述の実施の形態に限られず、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。たとえば、次のように変更してもよい。
【0094】
(1)たとえば、上述の実施形態では、1本の心線102をシート106に巻き掛ける形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。たとえば、2本以上の心線102をシート106に同時に巻き掛ける形態に本発明が適用されてもよい。
【0095】
(2)また、上述の実施形態では、胴部8が縦向きに配置された形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。胴部8の向きは特に限定されず、たとえば、胴部8は、水平に配置されてもよい。
【0096】
(3)また、上述の実施形態において、調整モード(ステップS10〜S20)では、テンション機構15のテンション付与機構22は、心線102に引張力を付与してもよいし、付与しなくてもよい。
【0097】
(4)また、上述の実施形態では、調整モードにおいて、胴部回転機構9が動作されることで、心線渡し機構4から渡された心線102がシート106に巻かれ、これにより、周長C1を算出するためのモデルを制御部7が取得した。しかしながら、この通りでなくてもよい。たとえば、コンピュータシミュレーションによって胴部8にシート106が巻かれた状態を再現し、このコンピュータシミュレーションにおいて周長C1が算出されるようにしてもよい。このように、周長C1を算出するためのモデルは、シート106に実際に心線102が巻かれた状態のモデル以外であってもよい。
【0098】
(5)なお、本発明は、上述の実施形態の内容に限らず、筒状(円筒状)の胴部8を回転させて心線としてのロープを横送り(トラバース)させてロープをシートに巻き掛ける装置であれば、適用することができる。