特許第6483619号(P6483619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サージクェスト,インコーポレーテッドの特許一覧

特許6483619トロカールに管セットを接続するための結合器
<>
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000002
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000003
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000004
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000005
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000006
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000007
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000008
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000009
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000010
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000011
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000012
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000013
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000014
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000015
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000016
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000017
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000018
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000019
  • 特許6483619-トロカールに管セットを接続するための結合器 図000020
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6483619
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】トロカールに管セットを接続するための結合器
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20190304BHJP
【FI】
   A61B17/34
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-549636(P2015-549636)
(86)(22)【出願日】2013年12月18日
(65)【公表番号】特表2016-501112(P2016-501112A)
(43)【公表日】2016年1月18日
(86)【国際出願番号】US2013076182
(87)【国際公開番号】WO2014100210
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2016年12月5日
(31)【優先権主張番号】61/739,391
(32)【優先日】2012年12月19日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509065827
【氏名又は名称】サージクェスト,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094651
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 晃
(72)【発明者】
【氏名】マストリ,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ブリエ,ケネス
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−505027(JP,A)
【文献】 実開昭57−033385(JP,U)
【文献】 特表昭62−502281(JP,A)
【文献】 特開2012−102794(JP,A)
【文献】 実開昭64−36791(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/34
F16L 13/00−49/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科装置を管セットに接続するための結合システムであって、
a)外科装置のハウジングと動作可能に関連付けられたコネクタを備え、
前記コネクタは、複数の同心環状壁によってそのなかに画定された複数の同軸流路を有し、
前記コネクタは、前記外科装置の前記ハウジングの中心軸に垂直に延びる長手方向軸を有し、
前記コネクタの前記同軸流路は、前記コネクタの前記長手方向軸と軸方向に一直線に整列され、
前記複数の同軸流路は、内側環状壁によって画定された中央流路と、中間環状壁と前記内側環状壁との間に画定された中間流路と、外側環状壁と前記中間環状壁との間に画定された外側流路とを含み、
b)管セットと動作可能に関連付けられた結合器を備え、
前記結合器は、前記結合器が前記コネクタに対して回転係合することにより前記コネクタの前記同軸流路と緊密に係合する大きさを有する複数の同心環状壁を含む第1の端部を有する略円筒形の本体を有し、
前記結合器の前記本体の前記第1の端部は、
内側環状壁によって画定され、前記コネクタの前記中央流路と流体連通を確立する内側流路と、
中間環状壁と前記内側環状壁との間に画定され、前記結合器の前記内側流路を囲み、前記コネクタの前記中間流路と流体連通を確立する中間流路と、
外側環状壁と前記中間環状壁との間に画定され、前記結合器の前記中間流路を囲み、前記コネクタの前記外側流路と流体連通を確立する外側流路と
を含む複数の流路を有
前記結合器の前記内側流路の前記内側環状壁は、前記結合器の前記中間環状壁及び前記外側環状壁を越えて延び、前記コネクタの前記中央流路に対して先導機能を果たす、
結合システム。
【請求項2】
外科装置を管セットに接続するための結合システムであって、
a)外科装置のハウジングと動作可能に関連付けられたコネクタを備え、
前記コネクタは、複数の同心環状壁によってそのなかに画定された複数の同軸流路を有し、
前記コネクタは、前記外科装置の前記ハウジングの中心軸に垂直に延びる長手方向軸を有し、
前記コネクタの前記同軸流路は、前記コネクタの前記長手方向軸と軸方向に一直線に整列され、
前記複数の同軸流路は、内側環状壁によって画定された中央流路と、中間環状壁と前記内側環状壁との間に画定された中間流路と、外側環状壁と前記中間環状壁との間に画定された外側流路とを含み、
b)管セットと動作可能に関連付けられた結合器を備え、
前記結合器は、前記結合器が前記コネクタに対して回転係合することにより前記コネクタの前記同軸流路と緊密に係合する大きさを有する複数の同心環状壁を含む第1の端部を有する略円筒形の本体を有し、
前記結合器の前記本体の前記第1の端部は、
内側環状壁によって画定され、前記コネクタの前記中央流路と流体連通を確立する内側流路と、
中間環状壁と前記内側環状壁との間に画定され、前記結合器の前記内側流路を囲み、前記コネクタの前記中間流路と流体連通を確立する中間流路と、
外側環状壁と前記中間環状壁との間に画定され、前記結合器の前記中間流路を囲み、前記コネクタの前記外側流路と流体連通を確立する外側流路と
を含む複数の流路を有
前記結合器の前記内側環状壁の外径は、前記コネクタの前記内側環状壁の内径よりも小さく、
前記結合器の前記中間環状壁の外径は、前記コネクタの前記中間環状壁の内径よりも小さく、
前記結合器の前記外側環状壁の外径は、前記コネクタの前記外側環状壁の内径よりも小さい、
結合システム。
【請求項3】
管セットをトロカールに接続するための結合システムであって、
a)中心軸を画定しコネクタを含むハウジングを有するマルチルーメン型のトロカールを備え、
前記コネクタは、前記ハウジングの前記中心軸から半径方向外向きに延び複数の同心環状壁によってそのなかに画定された複数の同軸流路を有し、
前記コネクタは、前記トロカールの前記ハウジングの前記中心軸に垂直に延びる長手方向軸を有し、
前記コネクタの前記同軸流路は、前記コネクタの前記長手方向軸と軸方向に一直線に整列され、
前記コネクタの前記複数の同軸流路は、内側環状壁によって画定された中央流路と、中間環状壁と前記内側環状壁との間に画定された中間流路と、外側環状壁と前記中間環状壁との間に画定された外側流路とを含み、
b)並列に配置された複数の管を含むマルチルーメン管セットを備え、
c)前記トロカールの前記コネクタの前記同軸流路と選択的に嵌合するよう適合され構成された第1の端部と、前記管セットの前記複数の管に取り付けられるよう適合され構成された第2の端部とを有する略円筒形の本体を含む結合器を備え、
前記結合器の前記本体の前記第1の端部は、
内側環状壁によって画定され、前記コネクタの前記中央流路と流体連通を確立する内側流路と、
中間環状壁と前記内側環状壁との間に画定され、前記結合器の前記内側流路を囲み、前記コネクタの前記中間流路と流体連通を確立する中間流路と、
外側環状壁と前記中間環状壁との間に画定され、前記結合器の前記中間流路を囲み、前記コネクタの前記外側流路と流体連通を確立する外側流路と
を含む複数の流路を有
前記結合器の前記本体の前記第1の端部は、前記結合器の前記本体の内壁と前記結合器の前記第1の端部における前記外側流路との間に画定された環状係合溝を含み、
前記環状係合溝は、前記結合器が前記コネクタと回転的に係合したとき、前記コネクタの前記外側環状壁にあり半径方向外向きに突き出したカム突起と相互作用するための半径方向内向きに突き出したカム溝を含む、
結合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2012年12月19日出願の米国特許仮出願第61/739,391号の優先権を主張し、この出願の開示は参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
本発明は腹腔鏡下手術に関し、より具体的には、腹腔鏡下手術で使用される外科用アクセス装置にマルチルーメン管セットを着脱可能に接続するための結合器に関する。
【背景技術】
【0003】
腹腔鏡下または「低侵襲」の手術手技は、胆嚢摘出、虫垂切除、ヘルニア修復および腎摘出などの手術を行う際に普通に使用されるようになってきている。腹腔鏡下手術の利点には、患者の切開創の縮小、感染の可能性の減少および回復時間の短縮がある。腹(膜)腔内におけるこうした手術は、通常、患者の腹腔内への腹腔鏡器具の挿入を容易にするトロカールまたはカニューレと呼ばれる装置を介して行われる。
【0004】
さらに、このような腹腔鏡下手術は、炭酸ガスなどの加圧流体で腹(膜)腔を満たすかまたは「送気」して、いわゆる気腹を生成するステップを含む。送気は、送気流体を供給するために設けられた(「カニューレ」または「トロカール」とも呼ばれる)外科用アクセス装置あるいは送気(べレス)針などの別個の送気装置を使用して行われ得る。手術器具の気腹内への挿入は、気腹を維持するために送気ガスの実質的な損失なしに行われるのが望ましい。
【0005】
典型的な腹腔鏡下手術において、外科医は、外科用アクセス装置(通常は装置内部に配置された別個のインサータまたはオブチュレータ)を使用して、それぞれの大きさが通常約12mm未満の3〜4つの小さい切開部を作成する。インサータは挿入後に取り除かれ、トロカールは腹腔内に挿入される器具のアクセスを可能にする。多くの場合、典型的なトロカールは、外科医がその中で処置を施すための開かれた内部空間を確保できるように腹腔に送気する手段を提供する。
【0006】
トロカールは、トロカールと使用中の手術器具との間を密封して腹腔内の圧力を維持し、かつ手術器具の少なくとも最小限の自由な動きを可能にする手段を提供する必要がある。このような器具には、例えば、鋏、把持器具、閉塞器具、焼灼装置、カメラ、光源およびその他の手術器具が含まれる。密封要素または機構は、送気ガスの漏出を防止するために通常トロカール上に設けられる。密封要素または機構は一般的に、トロカールを通過する手術器具の外面の周りを密封するために、比較的柔軟な材料からなるダックビル型弁を含む。
【0007】
さらに、腹腔鏡下手術においては、電気焼灼器やその他の技術(例えば、高調波メス)が気腹内に煙およびその他のデブリス(残屑)を生成して、内視鏡などからの画像を曇らせ、また内視鏡などの表面を覆うことにより視認性を低下させる。様々な外科用送気装置および排煙装置が当該技術分野で知られている。
【0008】
米国コネチカット州ミルフォードのサージクェスト,インコーポレーテッド社は、従来のメカニカルシールを使用せずに気腹へのアクセスを可能にする外科用アクセス装置またはトロカールを開発し、また当該アクセス装置に十分な圧力および流量を提供するための関連装置を開発しており、その全体または一部が米国特許第7,854,724号明細書に記述され、その開示は参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0009】
サージクェストは、また、標準的または専門的な外科的アクセス装置やべレス針などのその他の機器への送気、標準的または専門的な外科的アクセス装置を介した排煙および送気流体の再循環や濾過などの特殊機能を含む、複数の外科用ガス供給機能を実行可能な複合システムおよびその関連装置と方法を開発した。このような複合システムおよびその関連装置の例が米国特許出願公開第2012/0150101号明細書に開示されており、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0010】
複合システムでは一般的に多流路を有する使い捨てフィルタカートリッジの使用が必要であることが、米国特許第7,976,598号および米国特許出願公開第2013/0231606号明細書に開示されており、これらの全体が参照により本明細書に援用される。こうした使い捨てフィルタカートリッジは送気装置内に配置され、例えば、米国特許出願公開第2012/0245511号明細書(参照によりその全体が本明細書に援用される)に開示の装置のような外科用アクセス装置やトロカールに連通するマルチルーメン管セットに接続される。
【0011】
管セットと外科用アクセス装置すなわちトロカールとの間の機械的結合は一般的にねじ結合であり、しばしば複数の流路の精密な位置合わせが求められる。この接続の達成には途方もない時間が掛かり、ある程度の熟達度が求められる。従って、これらの欠点を克服できる、外科用アクセス装置にマルチルーメン管セットを着脱可能に接続するための結合システムを提供することは非常に有益となるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、管セットを外科装置に接続するための新規で有用な結合システムに関する。本発明のシステムは、コネクタを含むハウジングを有する外科装置と、コネクタに対する結合器の回転係合を介して外科装置のコネクタに選択的に接続するように適合され構成された本体を有する結合器を備える管セットとを含む。
【0013】
好ましくは、結合器が、コネクタとの結合器の回転係合の間、所定量のトルクが適用されることを確保するように適合され構成されたラチェット型クラッチ機構を含む。結合器が、結合器の本体から独立して形成され、結合器の本体に対して回転するように設置された環状把持鍔を含む。ラチェット型クラッチ機構の第1の部分は環状鍔の内周面に関連付けられ、ラチェット型クラッチ機構の第2の部分は結合器の本体の外周面に関連付けられる。
【0014】
本発明の一実施形態では、外科装置は、ハウジングから延び同軸の内側および外側ルーメンを含むカニューレ部分を備えるマルチルーメン型トロカールである。別の実施形態では、外科装置は、一方の端部にハウジングを有し反対側の端部にシングルルーメン型トロカールに接続するためのルアー継手を有するシングルルーメンを含む第2の管セットである。
【0015】
本発明は、また、コネクタを含むハウジングを有するマルチルーメン型トロカールのための新規で有用な結合システムに関する。コネクタは、複数の同心環状壁によってその中に画定された複数の同軸流路を有する。本システムは、さらに、並列に配置された複数の管を有するマルチルーメン管セットを備える。本システムは、また、トロカールのコネクタの同軸流路と選択的に嵌合するように適合され構成された第1の端部と、管セットの並列管に取り付けられるように適合され構成された第2の端部とを有するほぼ円筒形の本体を備える結合器を含む。
【0016】
好ましくは、結合器本体の第2の端部が、管セットの管と嵌合するための複数の並列管継手を備え、結合器本体の第1の端部が、内側流路と内側流路を取り囲む中間流路と中間流路を取り囲む外側流路とを備える。
【0017】
結合器本体の第2の端部は、本体の第1の端部の内側流路に連通する第1の管継手と、本体の第1の端部の中間流路に連通する第2の管継手と、本体の第1の端部の外側流路に連通する第3の管継手とを備える。
【0018】
結合器本体の第1の端部が、結合器本体の内壁と結合器の第1の端部の外側流路との間に画定された環状係合溝を備え、環状係合溝は、結合器がトロカールのコネクタに回転係合するとき、トロカールのコネクタの外側環状壁上に半径方向外向きに突き出したカム従動子と相互作用するための半径方向内向きに突き出したカム面を備える。
【0019】
好ましくは、結合器本体の外周部が、結合器のトロカールのコネクタとの回転係合を容易にするための環状把持部を備える。一実施形態では、環状把持部は結合器本体と一体に形成される。
【0020】
別の実施形態では、環状把持部が結合器本体から分離して形成され、結合器本体に対して回転するように取り付けられた環状鍔を備える。好ましくは、環状把持部が、トロカールのコネクタとの結合器の回転係合の間に所定量のトルクが適用されるのを確保するように構成されたラチェット型クラッチ機構の少なくとも一部を含む。
【0021】
ラチェット型クラッチ機構の第1の部分は、環状鍔の内周面に関連付けられ、ラチェット型クラッチ機構の第2の部分は結合器本体の外周面に関連付けられる。結合器は管セットの一方の端部に関連付けられ、使い捨てフィルタカートリッジは管セットの反対側の端部に関連付けられる。
【0022】
本発明は、また、例えば、化学処理、農業、自動車または航空宇宙産業を含む医療機器分野以外のマルチフロー用途に使用可能な結合システムに関する。このような用途では、結合システムは、複数の同心環状壁によってその内側に画定された複数の同軸流路を有するコネクタと、コネクタの同軸流路と緊密に係合する大きさに形成された複数の同心環状壁を含む第1の端部を有するほぼ円筒形の本体を含むカップリングとを備える。
【0023】
結合器本体の第1の端部は、内側流路と内側流路を囲む中間流路と中間流路を囲む外側流路とを含む。結合器本体は、結合器本体の第1の端部の内側流路に連通する第1の管継手と、結合器本体の第1の端部の中間流路に連通する第2の管継手と、結合器本体の第1の端部の外側流路に連通する第3の管継手とを備える第2の端部を有する。
【0024】
本発明の結合システムのこれらのおよびその他の特徴やその製造方法ならびに使用方法が、以下に説明するいくつかの図面と併せて後述する本発明の好ましい実施形態の実施可能な説明から当業者にさらに容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明が属する技術分野に精通する技術者が、過度な実験をすることなしに本発明の結合システムの作成方法および使用方法を理解できるように、いくつかの図面を参照して以下に好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0026】
図1】トロカールに管セットを接続するように適合され構成された本発明の結合アセンブリの斜視図である。
図2】管セットの端部に取り付けられた本発明の結合器の斜視図である。
図3】管セットから取り外された図2に示す結合器の斜視図である。
図4図1に示す結合アセンブリの部分図である。
図5】結合アセンブリの前端面図である。
図6】結合アセンブリの後端面図である。
図7】説明の便宜上部品を分離した結合アセンブリの分解斜視図である。
図8】トロカールのコネクタに結合器を回転係合するための手順を示す。
図9】トロカールのコネクタに結合器を回転係合するための手順を示す。
図10】トロカールのコネクタに結合器を回転係合するための手順を示す。
図11】結合器がトロカールのコネクタと回転係合する間に所定量のトルクが印加されるのを確保するためのラチェット型クラッチ機構を示すために一部を切り取った結合器の斜視図である。
図12】結合器とトロカールのコネクタとの回転係合を示す図11と同様の斜視図である。
図13】ラチェット型クラッチ機構の爪とラックの相互作用を示す。
図14】ラチェット型クラッチ機構の爪とラックの相互作用を示す。
図15】ラチェット型クラッチ機構の爪とラックの相互作用を示す。
図16】管セットがフィルタアセンブリに動作可能に接続し、コネクタが第2の管セットに関連付けられる、本発明の結合システムの一実施形態の斜視図である。
図17図16に示す結合システムの部分拡大図である。
図18】本発明の別の実施形態に従って構成された、一体型の本体を備えるがラチェット型クラッチ機構は含まない結合アセンブリの斜視図である。
図19】本発明の別の実施形態に従って構成された、同じくラチェット型クラッチ機構を含まない結合アセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に図面に言及するが、類似の参照番号は、本明細書に開示される主題の類似の構造的特徴および/または要素を示すものとし、図1に示すのは、本発明の好ましい実施形態に従って構成された、外科装置に管セットを着脱可能に結合するためのシステムであり、参照番号100で表される。
【0028】
図1に示すように、結合システム100は、コネクタ部212を有する外科装置200と結合器312を備える管セット300とを含み、結合器312は、結合器312またはその一部とコネクタ212との回転係合を介して外科装置200のコネクタ212と選択的に結合するように適合され構成される。図1に示す本発明の実施形態では、外科装置200は、コネクタ212を支持するハウジング部214と、ハウジング部214から下方に延びかつ同軸の内側および外側ルーメン(図示せず)を含むカニューレ部216とを備えるマルチルーメン型トロカールであり、例えば米国特許第7,854,724号明細書に開示されており、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0029】
さらに図1を参照すると、コネクタ212は、外科装置(トロカール)200のハウジング部214と一体的に形成され、ハウジング部214から半径方向外向きに延びている。コネクタ212は、3つの同心環状壁によりそれらの中に画定された複数の流路を有するほぼ円筒形の構造である。より具体的には、コネクタ212は、内側環状壁232により画定された中央流路222と、中間環状壁234と内側環状壁232との間に画定された中間流路224と、外側環状壁236と中間環状壁234との間に画定された外側流路226とを含む。
【0030】
コネクタ212の流路222、224および226のそれぞれは、トロカール装置200のハウジング部214内に形成された別個の流体経路に連通する。例えば、流路の1つが腹圧検知/送気経路に連通し、別の流路が加圧ガス経路に連通し、もう1つの流路が再循環戻り経路に連通する。トロカール200のこれらの特徴は米国特許第7,854,724号明細書により詳細に説明されているため、本明細書では詳しく説明しない。
【0031】
コネクタ212はまた、管セット300の結合器312に関連付けられた対応する係合構造と回転自在に相互作用するための、周方向に離間した複数のカム突起240を含み、その詳細については以下に説明する。例示的な実施形態として4つのカム突起を示している。しかしながら、それより少ない突起またはそれより多い突起も使用可能である。カム突起240は、コネクタ212の外側環状壁236の外表面から半径方向外向きに突き出している。
【0032】
ゴム製の安全蓋または栓250が、コネクタ212の3つの流路222、224および226を閉鎖するためにコネクタ212にテザーで繋がれている。安全蓋250は、トロカール200を使用していないときにトロカール200の流路に汚染物質が入り込むのを防止する。テザーは、蓋250がトロカール200から移動するのを防止する。
【0033】
図2を参照すると、管セット300の結合器312は、遠位端部314aと近位端部314bを有する細長いほぼ円筒形の本体314を含む。以下に詳述するように、環状把持部316は、使用中の結合器312とコネクタ212の回転自在な係合を容易にするために近位端部314bに近接する本体314の周囲を囲む。
【0034】
結合器本体314の遠位端部314aは、4つの同心環状壁によって画定される複数の流路溝および流路を備える。より具体的に言えば、結合器本体314の遠位端部314aは、内側環状壁332により画定された中央流路322、中間環状壁334と内側環状壁332との間に画定された中間流路324、および外側環状壁336と中間環状壁334との間に画定された外側流路326を含む。さらに、結合器本体314の遠位端部314aは、包囲環状壁338と外側環状壁336との間に画定された包囲環状係合溝328を含む。
【0035】
図4を参照すると、管セット300の結合器312がトロカール200のコネクタ212と嵌合または係合できるように、結合器312の内側環状壁332の外径は、コネクタ212の内側環状壁232の内径より小さくなっている。同様に、結合器312の中間環状壁334の外径は、コネクタ212の中間環状壁234の内径より小さく、結合器312の外側環状壁336の外径はコネクタ212の外側環状壁236の内径より小さくなっている。さらに、結合器312の包囲環状壁338の内径は、コネクタ212の外側環状壁236の外径より大きくなっている。これらの環状壁の相対サイズ処理は、コネクタ212と結合器312の相補的密着係合を容易にする。
【0036】
さらに、結合器312の内側流路322の内側環状壁332は、コネクタ212と結合器312との嵌め合い係合の間、コネクタ212内の中央流路222に対して先導機能を果たすために、結合器312の遠位端部314aから前方に延びる。
【0037】
さらに図4を参照すると、結合器本体314の包囲環状壁338の内面は、包囲環状壁338から半径方向内側に突き出した複数の螺旋状カム溝340を含む。図8図10に示すように、結合器312がコネクタ212と回転自在に係合する間、螺旋状カム溝340は、コネクタ212の外側環状壁236の外面から半径方向外向きに突き出るカム突起240と相互作用するように形成され構成される。
【0038】
図3を参照すると、結合器本体314の近位端部314bは、押出成形のトリプルルーメン可撓性管360の長手方向に動作可能に関連付けられる。より具体的には、結合器本体314は、トリプルルーメン管360の第1、第2および第3の並列ルーメン362、364および366とそれぞれ嵌合または結合するための第1、第2および第3の並列管継手352、354および356を含む。結合器本体314の管継手とトリプルルーメン管360のルーメンとの接続は、締り嵌めであってもよいし、または医療機器の技術分野で周知のその他の手段により固着されてもよい。
【0039】
図5および図6に示すように、結合器本体314の近位端部314b内の管継手352、354および356は、結合器本体314の遠位端部314a内の流路322、324および326と直接的に流体連動する。より具体的には、第1の管継手352が接合開口部342を介して中央流路322と直接的に流体連動し、第2の管継手354が接合開口部344を介して中間流路324と直接的に流体連動し、および第3の管継手356が結合開口部346を介して外側流路326と直接的に流路連動する。従って、トリプルルーメン管360のルーメン362、364および366は、それぞれ、流路322、324および326と流体連動する。
【0040】
図7を参照すると、結合器312は、管セット300の結合器312とトロカール200のコネクタ212との回転係合の間、所定量のトルクが付与されることを保証するように構成された、参照番号500で示されるラチェット型クラッチ機構を含む。ラチェット型クラッチ機構500は、回転可能な環状把持部316と結合器本体314の遠位端部314aの包囲環状壁338とを備える。
【0041】
より具体的には、周方向に離間した複数の偏向可能な歯止めアーム362が 結合器本体314の包囲環状壁338から後方に延びている。図11および図12に示すように、歯止めアーム362は、結合器312の環状把持部316が結合器本体314に対して回転する際、環状把持部316の内側環状溝366内に形成される周方向に離間した複数の傾斜面364と相互作用するように適合され構成される。
【0042】
使用時、環状把持部316を反時計回り方向(すなわち、図13の矢印表示Rの方向)に回転させると、傾斜面364が歯止めアーム362を(図14の矢印表示「F」の方向に)偏向させる。図15に示すように、傾斜面364が歯止めアーム362を過ぎて移動すると、歯止めアーム362は通常の偏向しない位置に戻る。その際、歯止めアーム362は可聴クリック音を発生させて必要量のトルクが結合器に適用されたことをユーザに知らせる。一旦そうなると、結合器本体314の包囲環状壁338に対する環状把持部316のさらなる回転が結合を過トルクすることがなくなる。
【0043】
図16および図17に示すのは、本発明の結合システム100の別の実施形態であり、結合器312がトリプルルーメン管セット360および使い捨て型フィルタカートリッジ600と共に図示されている。フィルタカートリッジ600は、例えば米国特許第7,976,598号明細書に開示されているタイプである。本実施形態において、コネクタ212は第2の管セット650に関連付けられる。第2の管セット650は、一方の端部にハウジング654を有し、反対側の端部にシングルルーメン型トロカール(図示せず)と接続するためのルアー継手656を有するシングルルーメン652を含む。
【0044】
図18に示すのは、本発明に従って構成された参照番号712で表される結合器の別の実施形態である。結合器712は実質的に結合器312と同様であるが、環状把持部716が結合器本体714に対して回転しない点が異なる。代わりに、環状把持部716は結合器本体714に対して固定位置を有する。本実施形態も前の実施形態同様にラチェット型クラッチ機構を備えていない。図19に示す類似の結合器812もまた、結合器本体814に対して回転しない環状把持部816を含む。
【0045】
本発明について、好ましい実施形態を参照して図示および説明してきたが、当業者は、添付の請求項により定義される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な変更および改変がなされ得ることを容易に理解するであろう。さらに、当業者は、本発明の結合システムは、医療機器分野以外のマルチフロー用途に使用できることを理解するであろう。 例えば、結合システムは、化学処理、農業、自動車または航空宇宙産業におけるマルチフロー用途に使用できる。 当業者は、また、別々の流体経路の各流体経路内の流体流の方向は、結合システムが使用されるマルチフロー用途に応じて異なることを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19