(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、本願発明の理解を容易にするため、
図13を参照しながら、本発明に関連する通信装置904が有する構成について説明する。
図13は、本発明に関連する通信装置904が有する構成を示すブロック図である。
【0015】
通信装置904は、AC(直流)/DC(交流)変換部902、及び、DCジャック903を介して、ACプラグ901に接続されている。ACプラグ901は、外部電源から交流によって供給された電力を受電する。AC/DC変換部902は、ACプラグ901によって受電された電気エネルギーを直流に変換する。通信装置904は、DCジャック903を介して該直流にて電力を受電する。尚、ACは、交流を表す。DCは、直流を表す。
【0016】
通信装置904は、電源スイッチ905と、ダイオード906と、ダイオード907と、蓄電部911と、電源デバイス908と、デバイス909と、電圧監視部910と、信号作成部912と、信号通信部913と、通信コネクタ914とを有する。電源デバイス908は、少なくとも1つのDC/DC変換部915を有する。デバイス909は、中央演算処理装置(CPU)等の処理部916を有する。デバイス909は、処理部916によってアクセスされるメモリを有していてもよい。蓄電部911は、通信装置904を駆動するのに十分な電気エネルギーを蓄えることが可能なコンデンサ917を含む。
【0017】
電源スイッチ905を用いることによって、DCジャック903を介して、AC/DC変換部902から受電した電力を、通信装置904の内部に供給するのか否かを切り替えることができる。電源スイッチ905は、電界効果トランジスタ(FET)等の半導体素子や、手動操作が可能な操作部等が組み合わされた構成であっても、あるいは、通信装置904を利用する利用者が手動にて切り替え可能な機械式スイッチであってもよい。DC/DC変換部915は、AC/DC変換部902の出力電圧を、デバイス909を駆動可能な電圧に変換する。蓄電部911は、ダイオード906を介して供給される電気エネルギーが断たれた場合に、一時的に通信装置904を駆動するのに要する電気エネルギーを蓄えることが可能なバックアップ電源として機能する。デバイス909は、電源デバイス908によって変換された電圧が印加されることによって駆動され、所定の処理を実行する。
【0018】
電圧監視部910は、電源デバイス908に入力される電圧を監視する。信号作成部912は、電圧監視部910によって監視されている電圧が所定の電圧よりも低下した場合に、蓄電部911に蓄えられている電力を使用しながら、電圧が低下したことを表す電源断通知信号を作成し、作成した該電源断通知信号を信号通信部913に対して出力する。信号通信部913は、信号作成部912が出力した該電源断通知信号を入力し、入力した該電源断通知信号を、通信コネクタ914を介して外部の情報処理装置(説明の便宜上、「対向装置」と表す)に送信する。通信コネクタ914は、たとえば、イーサー(Ether)コネクタ等によって実現することができる。
【0019】
次に、本発明を実施する実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
<第1の実施形態>
図1を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る通信装置101が有する構成について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る通信装置101が有する構成を示すブロック図である。
【0021】
以降の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明すると共に、
図13を参照しながら説明したような通信装置904と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0022】
通信装置101は、AC/DC変換部902、及び、DCジャック903を介して、ACプラグ901に接続されている。通信装置101は、DCジャック903と、電源スイッチ905と、ダイオード906と、ダイオード907と、電源デバイス908と、蓄電部911と、電源制御部102と、デバイス103と、電圧監視部104と、信号作成部105と、信号通信部106と、通信コネクタ914とを有する。デバイス103は、たとえば、中央演算処理装置(CPU)等の処理部107と、処理部107が処理を実行する場合に同期するシステムクロック信号を作成する信号作成部110とを含む。処理部107は、配線108によって電源制御部102に接続されている。処理部107は、配線109によって電圧監視部104に接続されている。通信装置101は、たとえば、ルータやモデム等の装置を表す。以降、配線を、電力供給ラインと称することもある。
【0023】
デバイス103は、処理部107がアクセスするメモリ等を含んでいてもよい。電圧監視部104は、電源デバイス908に入力される電圧を監視し、監視した電圧に関する電圧情報を信号作成部105と、デバイス103とに対して出力する。電圧情報は、監視した該電圧の値を表す情報であってもよいし、監視した該電圧が所定の電圧以下であることを表す情報(または、信号)であってもよい。電圧情報は、上記の例に限定されない。説明の便宜上、電圧情報は、該電圧の値を表す情報であるとする。
【0024】
電源制御部102は、電源断が電気装置(たとえば、AC/DC変換部902)の入力側にて生じたと処理部107が判定した場合に、蓄電部911に蓄えられている電気エネルギーを電源デバイス908等の構成要素に対して供給するよう制御する。尚、電源断は、通信装置101における構成要素に対して外部から供給される電力が断たれた状況を表す。電源制御部102は、電源断が電気装置の出力側にて生じたと処理部107が判定した場合に、蓄電部911に蓄えられている電気エネルギーを電源デバイス908に対して供給しないよう制御する。停電等によってAC/DC変換部902に電力が供給されない状況は、電源断が電気装置の入力側にて生じる状況を表す。AC/DC変換部902には電力が供給されているが、DCジャック903にて断線した場合や、電源スイッチ905をオフにした場合等、電源デバイス908に対して電力が供給されない状況は、電源断が電気装置の出力側にて生じる状況を表す。以降、説明の便宜上、電気装置がAC/DC変換部902である例を参照しながら、通信装置101における処理について説明する。
【0025】
処理部107は、電圧監視部104が出力した電圧情報を入力し、入力した電圧情報が表す電圧が時間の経過に関して低下する割合(「低下割合」と表す)が所定の割合(「所定値」とも表す)以下であるか否かを判定する。尚、時間の経過に対して電圧が低下する割合を表す低下割合については、
図4を参照しながら後述する。処理部107は、
図4(B)に例示されているように、該低下割合が所定の割合とは異なる場合に(たとえば、時間の経過に応じて急激に電圧が低下する場合に)、AC/DC変換部902に電力が供給されているにも関わらず、AC/DC変換部902の出力側にて電源断が生じたと判定する。処理部107は、
図4(A)に示されているように該低下割合が所定の割合である場合に(たとえば、時間の経過に応じて、なだらかに電圧が低下する場合に)、AC/DC変換部902に電力が供給されない(すなわち、AC/DC変換部902の入力側にて電源断が生じた)と判定する。すなわち、上述した処理によって、処理部107は、電源断が生じた箇所を判定する。処理部107は、AC/DC変換部902の入力側にて電源断が生じたと判定した場合に、AC/DC変換部902の入力側にて電源断が生じたことを表す電源断情報を作成し、作成した電源断情報を、電源制御部102と、信号作成部105とに対して出力する。
【0026】
信号作成部105は、処理部107が出力した電源断情報を入力した場合に、AC/DC変換部902の入力側にて電源断が生じたことを表す電源断通知信号を作成し、作成した電源断通知信号を、通信コネクタ914を介して対向装置(不図示)に送信する。以下、図示の都合により、各実施形態においても、対向装置は不図示とする。電源制御部102は、処理部107が出力した電源断情報を入力した場合に、蓄電部911に蓄えられている電気エネルギーを電源デバイス908に入力するよう制御する。電源制御部102は、処理部107が出力した電源断情報が入力されない場合には、蓄電部911に蓄えられている電気エネルギーを電源デバイス908に供給しない。
【0027】
図2を参照しながら、電圧監視部104が有する構成について詳細に説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る電圧監視部104が有する構成を示すブロック図である。
【0028】
電圧監視部104は、A/D変換部121と、ディテクタ部122とを有する。尚、A/D変換は、アナログ/デジタル変換を表す。
【0029】
ディテクタ部122は、電源デバイス908に入力される電圧が所定の電圧まで低下したか否かを判定する。ディテクタ部122は、該電圧が該所定の電圧に低下したと判定した場合に、電圧が低下したことを表す割り込み信号を処理部107に対して出力する。処理部107は、該割り込み信号を受信するのに応じて、処理部107における処理を実行する場合に同期するシステムクロック信号を、A/D変換部121に対して、配線124を介して出力する。尚、処理部107は、電圧が元の電圧まで戻ったことを表す割り込み信号を受信した場合には、システムクロック信号を出力する処理を終了する。
【0030】
A/D変換部121は、処理部107から配線124を介して入力されるシステムクロック信号に同期しながら電圧を表す電圧情報を作成し、作成した電圧情報を、配線123を介して処理部107に対して出力する。言い換えれば、A/D変換部121は、処理部107が出力したシステムクロック信号に同期しながら、電圧値を表すデジタルデータを電圧情報として作成し、作成した電圧情報を処理部107に対して出力する。処理部107は、
図3を参照しながら後述するような処理に従い、電源断が生じた箇所を判定する。
【0031】
次に、
図3を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る通信装置101における処理について詳細に説明する。
図3は、第1の実施形態に係る通信装置101における処理の流れを示すフローチャートである。
【0032】
ディテクタ部122は、電源デバイス908に入力される電圧が低下したか否かを判定する(ステップS101)。ディテクタ部122は、たとえば、第1タイミングにて測定された該電圧と、第2タイミングにて測定された該電圧との高低を比較する処理を実行することによって、該電圧が低下したか否かを判定する。尚、ディテクタ部122は、たとえば、該電圧が所定の電圧以下であるか否かに基づき、該電圧が低下したか否かを判定してもよい。ディテクタ部122は、電圧が低下したと判定した場合に(ステップS101にてYES)、電圧が低下したことを表す割り込み信号を、配線125を介して処理部107に対して出力する(ステップS102)。
【0033】
処理部107は、ディテクタ部122が出力した該割り込み信号を入力するのに応じて、処理部107における処理を実行する場合に同期するシステムクロック信号を、A/D変換部121に対して出力する(ステップS103)。上述したように、該システムクロック信号は、処理部107が処理を実行する場合に同期する信号を表す。
【0034】
A/D変換部121は、処理部107が出力したシステムクロック信号に同期しながら、電源デバイス908に入力される電圧値が離散化されたデジタルデータを電圧情報として作成し、作成した電圧情報を処理部107に対して出力する(ステップS104)。
【0035】
処理部107は、A/D変換部121が出力した電圧情報を入力する。すなわち、処理部107は、システムクロック信号に同期しながら、システムクロック信号に同期しながら、各タイミングにて電圧情報を入力する。処理部107は、各タイミングにて入力した電圧情報が表す電圧が低下する割合を表す低下割合が所定の割合であるか否かを判定する(ステップS105)。尚、所定の割合は、ある1つの値である必要はなく、数値の範囲であってもよい。所定の割合が数値の範囲を表している場合に、処理部107は、ステップS105に示す処理において、該数値の範囲が低下割合を含んでいるか否かを判定する。
【0036】
ステップS105の一例について説明する。処理部107は、たとえば、電圧情報を受信し始めてから(すなわち、電圧が低下し始めてから)、受信した電圧情報が表す電圧が所定の低下電圧(
図4)に低下するまでに要した時間を,システムクロック信号を基に測定し、測定した時間と、所定の低下電圧とに基づき、電圧が低下する割合を表す低下割合を算出する。処理部107は、電圧情報が表す電圧が該所定の低下電圧まで低下するまでに要した時間に基づき、ステップS105に示された判定処理を実行してもよい。
【0037】
低下割合が所定の割合である場合に(ステップS105にてYES)、処理部107は、さらに、所定の期間、電圧を監視することによって、電圧が低下前の電圧に戻るか否かを判定してもよい(ステップS106)。該電圧が低下前の電圧に戻らなかった場合に、処理部107は、AC/DC変換部902の入力側にて電源断が生じたと判定し、AC/DC変換部902の入力側にて電源断が生じたことを表す電源断情報を、電源制御部102と、信号作成部105とに対して出力する。すなわち、この場合に、処理部107は、AC/DC変換部902に電力を供給する入力側にて電源断が生じたと判定する。AC/DC変換部902の入力側にて、電源断は、たとえば、ACプラグ901と外部電源とが非導通状態になる、または、外部電源に停電が生じた場合等に生じる。
【0038】
電源制御部102は、処理部107が出力した電源断情報を入力した場合に、蓄電部911を起動する処理を実行する(ステップS108)。信号作成部105は、処理部107が出力した電源断情報を入力した場合に、電源断が生じたことを表す電源断通知信号を作成し、作成した電源断通知信号を信号通信部106に対して出力する。信号通信部106は、信号作成部105が出力した電源断通知信号を入力し、入力した電源断通知信号を、通信コネクタ914を介して対向装置に送信する。
【0039】
該低下割合が所定の割合と異なる場合に(ステップS105にてNO)、処理部107は、AC/DC変換部902の出力側にて電源断が生じたと判定する。この場合に、電源制御部102は、蓄電部911から電力が通信装置101に供給されないように制御してもよい。すなわち、AC/DC変換部902から通信装置101への電力供給ラインにおいて電源断が生じたと判定する。AC/DC変換部902の出力側にて生じる電源断の要因は、たとえば、DCジャック903にて配線が抜かれた場合、当該電力供給ラインに含まれている配線(導線)が切断した場合、電源スイッチ905にて電源がオフとなった場合等である。ステップS105にてNOの場合に、ステップS108、及び、ステップS109に示された処理は実行されない。
【0040】
処理部107は、さらに、入力した電圧情報が表す電圧が、ある期間に所定の電圧まで低下しなかった場合に(ステップS106にてYES)、電源断が一時的に生じた瞬断であると判定する。処理部107は、電圧が所定の割合にて低下した場合であっても、電源断が一時的であると判定した場合には、ステップS108に示された処理、及び、ステップS109に示された処理は実行されない。この場合に、電源制御部102は、蓄電部911から電力が通信装置101に供給されないように制御してもよい。ある期間、及び、所定の電圧は、AC/DC変換部902、または、蓄電部911等の構成要素に固有な値であってもよいし、通信装置101を利用する利用者によって設定された値であってもよい。ある期間、及び、所定の電圧は、上述した例に限定されない。
【0041】
次に、
図4を参照しながら、電源断が生じた箇所、または、電源断が生じている期間に応じて電圧が変化する様子について説明する。
図4は、電源断が生じた箇所、または、電源断が生じている期間に応じて変化する電圧の一例を表す図である。
図4Aは、AC/DC変換部902等の電気装置の入力側にて電源断が生じた場合に、電源デバイス908の入力側にて測定される電圧の変化を表す図である。
図4Bは、AC/DC変換部902等の電気装置の出力側にて電源断が生じた場合に、電源デバイス908の入力側にて測定される電圧の変化を表す図である。
図4Cは、電源デバイス908の入力側にて、一時的な電源断が生じた場合に、電源デバイス908の入力側にて測定される電圧の変化を表す図である。
図4に示されたいずれのグラフにおいても、横軸は、時間を表し、右側であるほど時間が経過することを表す。縦軸は、電圧を表し、上側であるほど電圧が高いことを表す。
【0042】
AC/DC変換部902等の電気装置は、たとえば、交流を直流に変換するために、電圧を平滑化するためのコンデンサを有する。この場合に、
図4に示されているように、電源断が生じた箇所、または、電源断が生じている期間に応じて、電源断に起因して生じる電圧低下の様子が異なっている。
【0043】
図4Aに例示された電圧低下は、たとえば、ACプラグ901と外部電源とが非導通状態になった状況や、外部電源が停電した状況が継続した場合に測定される。この場合には、AC/DC変換部902が有するコンデンサから放電する結果、電圧は、時定数を保持した状態(すなわち、所定の割合)にて低下する(タイミングT1乃至タイミングT2)。
【0044】
図4Bに例示された電圧低下は、たとえば、電源スイッチ905によって電源断が生じた状況、または、DCジャック903にて電源断が生じた状況が継続した場合に測定される。この場合には、AC/DC変換部902が有するコンデンサと、電源デバイス908の入力側とが断線するので、AC/DC変換部902が有するコンデンサに蓄えられている電気エネルギーは、電源デバイス908に供給されない。したがって、電圧が低下するまでに要する時間(タイミングT1乃至タイミングT3)は、タイミングT1からタイミングT2までの期間に比べて短い。言い換えれば、タイミングT1にて電圧が低下する割合は、
図4Aに例示された電圧低下よりも、
図4Bに例示された電圧低下の方が大きい。
【0045】
図4Cに例示された電圧低下は、たとえば、ACプラグ901と外部電源とが非導通状態になった状況や、外部電源が停電した状況が一時的である場合に測定される。この場合には、AC/DC変換部902が有するコンデンサから電源デバイス908に電力が供給される結果、電圧は、時定数を保持した状態にて低下する(タイミングT1乃至タイミングT4)が、タイミングT4にて電源断が解消するため、タイミングT4以降に測定される電圧は、低下する前の電圧まで上昇する。
【0046】
尚、通信装置101は、さらに、電源断が生じた場合に、該電源断が生じた箇所を表す情報を通知してもよい。たとえば、通信装置101は、電源断が生じた箇所がAC/DC変換部902の入力側であることを表す情報、または、電源断が生じた箇所がAC/DC変換部902の出力側であることを表す情報を、通信コネクタ914を介して対向装置に送信してもよい。または、通信装置101は、これらの情報を、自装置にログとして格納してもよい。
【0047】
ただし、通信装置101は、電圧が低下する割合を算出すればよいので、必ずしも、電圧が所定の低下電圧に低下するまでの期間、該電圧を測定し続ける必要はない。通信装置101は、たとえば、タイミングT1から、タイミングT2以前のタイミングT5までの期間に関する電圧を測定することによって、電圧が低下する割合を算出すればよい。
【0048】
また、処理部107は、電圧が低下する割合を判定するのではなく、タイミングT1(
図4)から所定の時間が経過したタイミングにおける電圧がある電圧、または、略ある電圧であるかに基づき、ステップS105と同様な処理を判定してもよい。略ある電圧は、たとえば、ある電圧との誤差が10%程度の範囲内における電圧を表す。この場合に、該期間において継続的に該割合を算出する必要がなくなるので、
図3を参照しながら説明した例に比べて、処理部107における処理が少なくなるという効果を奏する。
【0049】
次に、本発明の第1の実施形態に係る通信装置101に関する効果について説明する。
【0050】
本発明の第1の実施形態に係る通信装置101によれば、電気装置から自装置への電力供給ラインにおいて電圧低下が発生した場合に、発生要因となった箇所を正確に判定することができる。この理由は、電圧が低下した場合に、該電圧が低下した要因がAC/DC変換部902の入力側にあるのか出力側にあるのかを、該電圧が時間に対して推移する様子に基づき判定するからである。この理由について、さらに詳細に説明する。
【0051】
AC/DC変換部902等の電気装置は、コンデンサを有している。この場合に、電気装置に対して電力を供給(入力)する側に電源断が生じた場合であっても、該コンデンサに蓄えられている電気エネルギーは、該電気エネルギーがある限り、しばらくの期間に亘って提供(出力)する側に出力し続けられる。したがって、電気装置に対して電力を供給する側に電源断が生じた場合であっても、該電気装置から出力される電気エネルギーによって動作する通信装置101は、電気装置が出力した電気エネルギーを受電する。これに対して、電気装置の出力側にて電源断が生じた場合には、電力は通信装置101に供給されない。したがって、通信装置101によれば、電気装置の出力側における電圧が時間的に推移する様子に基づき、電源断が、電気装置の入力側で生じているのか、または、電気装置の出力側にて生じているのかを正確に判定することができる。すなわち、通信装置101によれば、電源断が生じている箇所を正確に判定することができる。
【0052】
たとえば、通信装置101は、電源断が生じる要因が意図的な要因であるか否かに応じて、自装置の動作を継続するための蓄電部911を使用するか否かを決定する場合がある。電源断が通信装置101に電力を供給している電気装置(たとえば、AC/DC変換部902)の入力側で生じているのか否かに応じて、電源断が、たとえば、停電等の意図せぬ要因によって生じているのか、または、通信装置101の電源スイッチ905における切断等の意図的な要因によって生じているのかを判定することができる。
【0053】
さらに、電源断が一時的であるか否かを通信装置101が判定することによって、蓄電部911が早期に老朽化するのを低減することができる。この理由は、電源断が一時的な場合に、電源制御部102が該蓄電部911を使用しないよう制御するからである。さらに、同様な理由によって、蓄電部911に蓄えられている電気エネルギーの使用量を減らすことができるという効果を奏する。
【0054】
また、処理部107が有する機能を用いることによって、より構成要素を減らすことができる。この理由は、通信装置101における処理を実行している処理部107が有している機能(システムクロック信号を算出する機能)を用いて時間を測定する機能が実現されているので、時間を測定する機能を、通信装置101が処理部107と別に有する必要はないからである。別の言い方をすれば、電圧が低下したことを表す割り込み信号を処理部107に送信する処理に応じて出力されるシステムクロック信号に基づき、電圧の時間的な推移を測定することによって、処理部107において実行されている他の処理に対する影響を少なく、時間を測定する機能を実現することができる。
【0055】
<第2の実施形態>
次に、上述した第1の実施形態を基本とする本発明の第2の実施形態について説明する。
【0056】
以降の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した第1の実施形態と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0057】
図5を参照しながら、第2の実施形態に係る通信装置201が有する構成について詳細に説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る通信装置201が有する構成を示すブロック図である。
【0058】
通信装置201は、AC/DC変換部902、及び、DCジャック903を介して、ACプラグ901に接続されている。通信装置201は、DCジャック903と、電源スイッチ905と、ダイオード906と、ダイオード907と、電源デバイス908と、蓄電部911と、電源制御部102と、デバイス203と、電圧監視部104と、信号作成部105と、信号通信部106と、通信コネクタ914とを有する。デバイス203は、たとえば、中央演算処理装置(CPU)等の処理部207と、処理部207が処理を実行する場合に同期するシステムクロック信号を作成する信号作成部110とを含む。処理部207は、配線108によって電源制御部102と接続されている処理部207は、配線109によって電圧監視部104と接続されている。
【0059】
次に、
図6を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係る通信装置201における処理について詳細に説明する。
図6は、第2の実施形態に係る通信装置201における処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態に係るフローチャート(
図6)において、
図3に示されたフローチャートにおける処理ステップと同様な処理ステップには、
図3と同一のステップ番号を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0060】
処理部207は、ステップS106にてNOの場合に、電源断が生じたことを表す電源断通知信号を対向装置に送信する(ステップS109)。処理部207は、対向装置から電源断通知信号を受信したか否かを判定する(ステップS207)。たとえば、処理部207は、電源断通知信号を受信したか否かを表す電源断通知信号を記憶することによって、ステップS207に示された処理を実行してもよい。
【0061】
処理部207は、対向装置から電源断通知信号を受信していた場合に(ステップS207にてYES)、ステップS108に示す処理を実行する。処理部207は、対向装置から電源断通知信号を受信していない場合に(ステップS207にてNO)、ステップS207に示された処理を繰り返し実行する。
【0062】
したがって、通信装置201は、
図6に示された処理を実行することによって、対向装置にて電源断が生じているか否かに基づき、たとえば、電源断が自装置のみにおいて生じているのか、電源断が通信ネットワークに通信接続されている対向装置においても生じているかを判定する。言い換えると、通信装置201は、たとえば、自装置が有するACプラグ901と、外部電源とが切断されたことによって電源断が生じたのか、または、外部電源が停電したことによって電源断が生じたのかを判定する。
【0063】
また、本実施形態に示された機能は、
図7に示された複数接点スイッチを用いることによって実現することもできる。
図7は、複数接点スイッチが有する構成を表すブロック図である。
図7(A)は、電源スイッチ701にて端子702と端子703とが導通状態である場合の一例を概念的に表す図である。
図7(B)は、電源スイッチ701にて端子704と端子703とが導通状態である場合の一例を概念的に表す図である。
【0064】
図7(A)に例示されているように、電源スイッチ701にて端子702と端子703とが導通状態にある場合に、たとえば、DCジャック903が電源スイッチ701と非導通状態になったとき、電圧は、
図4(A)に例示されているように変化する。これに対して、
図7(B)に例示されているように、電源スイッチ701にて端子704と端子703とが導通状態にある場合に、たとえば、DCジャック903が電源スイッチ701と非導通状態になったとき、電圧は、
図4(B)に例示されているように変化する。この場合に、通信装置201は、
図4(A)に例示された電圧の推移と、
図4(B)に例示された電圧の推移とに関して、あるタイミングにおける電圧の差分に基づき、電源断が生じている箇所を判定してもよい。
【0065】
尚、AC/DC変換部902等の電気装置が有するコンデンサの容量は、長期的な使用に伴って低下するので、該コンデンサの容量が一定であるとは限らない。したがって、通信装置201は、たとえば、電源断が生じたと判定する場合に(ステップS105にてYES)の場合に、算出した割合によって所定の割合を更新してもよい。さらに、通信装置201は、所定の割合が、たとえば、
図4(B)に示された電圧推移の割合(タイミングT1からタイミングT3までの期間に測定)に類似している場合には、AC/DC変換部902を交換することを通知する機能を有していてもよい。この場合に、電気装置が有するコンデンサの劣化等によって該コンデンサの容量が変化する場合であっても、電源断が生じている箇所を判定することができる。
【0066】
次に、第2の実施形態に係る通信装置201に関する効果について説明する。
【0067】
本発明の第2の実施形態に係る通信装置201によれば、電気装置から自装置への電力供給ラインにおいて電圧低下が発生した場合に、発生要因となった箇所を正確に判定することができる。この理由は、第2の実施形態に係る通信装置201が有する構成は、第1の実施形態に係る通信装置101が有する構成を含むからである。
【0068】
さらに、本実施形態に係る通信装置201によれば、電源断が生じた箇所を、より正確に判定することができる。この理由は、電源断が生じていると判定した通信装置201が複数である場合にACプラグ901よりも前段にて電源断が生じたと判定し、通信装置201が自装置のみである場合にACプラグ901よりも後段にて電源断が生じたと判定するからである。たとえば、通信装置201においては、このような判定処理の結果に基づき、蓄電部911を制御することによって、本実施形態に係る通信装置201によれば、蓄電部911から供給される電気エネルギーの使用量を低減することができる。
【0069】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態においては、第1の実施形態に示された発明と、異なる態様によって実現されている発明を例示する。
【0070】
以降の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した第1の実施形態と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0071】
図8を参照しながら、本発明の第3の実施形態に係る通信装置301が有する構成について詳細に説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態に係る通信装置301が有する構成を示すブロック図である。
【0072】
通信装置301は、AC/DC変換部902、及び、DCジャック903を介して、ACプラグ901に接続されている。通信装置301は、DCジャック903と、電源スイッチ905と、ダイオード906と、ダイオード907と、電源デバイス908と、蓄電部911と、デバイス303と、信号作成部105と、信号通信部106と、通信コネクタ914と、電源制御部302と、電圧監視部304と、第2蓄電部308とを有する。デバイス303は、たとえば、中央演算処理装置(CPU)等の処理部307を含む。処理部307は、配線310によって電源制御部302と接続されている。電源制御部302と、電圧監視部304とは、第2蓄電部308に蓄えられている電気エネルギーによって処理を実行する。尚、矩形309は、第2蓄電部308に蓄えられている電気エネルギーの供給先を便宜的に表しているが、通信装置301が実際に有している構成要素を表していない。
【0073】
図9を参照しながら、電圧監視部304が有する構成について詳細に説明する。
図9は、本発明の第3の実施形態に係る電圧監視部304が有する構成を示すブロック図である。
【0074】
電圧監視部304は、A/D変換部121と、ディテクタ部321と、クロック作成部322とを有する。
【0075】
ディテクタ部321は、電源デバイス908に入力される電圧が所定の電圧まで低下したか否かを判定する。ディテクタ部321は、該電圧が該所定の電圧に低下したと判定した場合に、電圧が低下したことを表す割り込み信号を処理部307に対して出力する。処理部307は、該割り込み信号を受信するのに応じて、電源制御部302に対して、電圧監視部304におけるA/D変換部121と、クロック作成部322とを起動するよう制御する。その後、クロック作成部322は、システムクロック信号を作成する。すなわち、クロック作成部322は、デバイス303における処理を同期させるシステムクロック信号が停止した場合に、デバイス303の代わりにシステムクロック信号を作成する。
【0076】
A/D変換部121は、クロック作成部322が作成したシステムクロック信号に応じて、電圧を表す電圧情報を作成し、作成した電圧情報を、配線324を介して電源制御部302に対して出力する。言い換えれば、A/D変換部121は、クロック作成部322が作成したシステムクロック信号に同期しながら、電圧値を表すデジタルデータを電圧情報として作成し、作成した電圧情報を電源制御部302に対して出力する。電源制御部302は、
図10に示された処理に従い、電源断が生じた箇所を判定する。
図10を参照しながら、本発明の第3の実施形態に係る通信装置301における処理について詳細に説明する。
図10は、第3の実施形態に係る通信装置301における処理の流れを示すフローチャートである。
【0077】
ディテクタ部321は、電源デバイス908に入力される電圧が低下したか否かを判定する(ステップS301)。ディテクタ部321は、たとえば、第1タイミングにて測定された電圧と、第2タイミングにて測定された電圧との高低を比較する処理を実行することによって、電圧が低下したか否かを判定する。尚、ディテクタ部321は、たとえば、該電圧が所定の電圧以下であるか否かに基づき、該電圧が低下したか否かを判定してもよい。ディテクタ部321は、電圧が低下したと判定した場合に(ステップS301にてYES)、電圧が低下したことを表す割り込み信号を、配線323を介して処理部307に対して出力する(ステップS302)。
【0078】
処理部307は、ディテクタ部321が出力した該割り込み信号を入力するのに応じて、電圧監視部304におけるA/D変換部121と、クロック作成部322とを起動するよう制御するよう、電源制御部302に指示する(ステップS303)。
【0079】
電源制御部302は、該指示に応じて、A/D変換部121と、クロック作成部322とを起動する。その後、クロック作成部322は、システムクロック信号を作成し、作成したシステムクロック信号をA/D変換部121に対して出力する。
【0080】
A/D変換部121は、クロック作成部322が作成したシステムクロック信号に同期しながら、電源デバイス908に入力される電圧値が離散化されたデジタルデータを電圧情報として作成し、作成した電圧情報を電源制御部302に対して出力する(ステップS304)。
【0081】
電源制御部302は、
図3を参照しながら説明したような、処理部107が実行したステップS105乃至ステップS106の処理と同様な処理を実行する(ステップS305乃至ステップS306)。ステップS306にてNOの場合に、ステップS108、及び、ステップS109に示された処理が実行される。
【0082】
次に、第3の実施形態に係る通信装置301に関する効果について説明する。
【0083】
本発明の第3の実施形態に係る通信装置301によれば、電気装置から自装置への電力供給ラインにおいて電圧低下が発生した場合に、発生要因となった箇所を正確に判定することができる。この理由は、第1の実施形態において説明した理由と同様である。
【0084】
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0085】
以降の説明においては、上述した各実施形態と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより、重複する説明を省略する。
【0086】
図11を参照しながら、本発明の第4の実施形態に係る要因判定装置401が有する構成について詳細に説明する。
図11は、本発明の第4の実施形態に係る要因判定装置401が有する構成を示すブロック図である。
【0087】
通信装置404は、電気装置921を介して、ACプラグ901に接続されている。通信装置404は、電源スイッチ905と、要因判定装置401とを有する。要因判定装置401は、判定部403を有する。要因判定装置401は、さらに、電圧測定部402を有してもよい。電気装置921は、たとえば、
図1に例示されたAC/DC変換部902であり、電力供給が止まった場合であっても、自装置に蓄えられている電気エネルギーを、その電力がある限り、しばらくの期間に亘って放電する装置である。
【0088】
次に、本発明の第4の実施形態に係る要因判定装置401における処理について説明する。
【0089】
電圧測定部402は、接続された配線を介して印加される電圧を測定している。電圧測定部402は、たとえば、電源スイッチ905を介して要因判定装置401に入力される
電圧を測定している。
【0090】
判定部403は、該電圧が低下する要因が電気装置921の入力側にあるのか、または、電気装置921の出力側にあるのかを、電圧測定部402によって測定された電圧が時間的に低下する割合が所定の割合と同等であるか否かに基づき判定する。すなわち、判定部403は、電圧が低下する要因が電気装置921から供給される電力を要因判定装置401に導く配線(電力供給ライン、この場合に、出力側)にあるのか、または、該要因が電気装置921に電気エネルギーを供給する入力側にあるのかを判定する。
【0091】
図4を参照しながら説明したように、電圧が時間的に変化する様子は、電源断が生じた箇所に応じて変化する。電源断が電気装置921の入力側で生じた場合に、電気装置921に蓄えられている電気エネルギーは、その電気エネルギーがある限り、しばらくの期間に亘って、配線に徐々に放出される(
図4(A))。これに対して、電源断が電気装置921の出力側で生じた場合に、電気装置921と、要因判定装置401とは、電気的に断線する(
図4(B))。したがって、電圧測定部402によって測定される電圧に関する時間的な変化は、これら2つの場合を比較すると、電源断が入力側で生じた場合に比べて、電源断が出力側で生じた場合に、該電圧は、急速に低下する。すなわち、電圧が時間的に変化する割合は、電源断が生じた箇所に応じて異なっている。したがって、所定の割合を、あらかじめ、電気装置921に入力される電源が断たれた場合に、電圧が低下する割合に設定しておき、電圧測定部402によって測定される電圧が時間的に低下する割合が該所定の割合と同等であるか否かを判定することによって、電源断が生じた箇所を判定することができる。
【0092】
たとえば、電圧測定部402は、電圧監視部104(
図1、
図2)が有する機能、電圧監視部304(
図8)が有する機能等を用いて実現することができる。判定部403は、処理部107(
図1)が有する機能、処理部207(
図5)、処理部307(
図8)が有する機能等を用いて実現することができる。要因判定装置401は、処理部107(
図1)が有する機能、電圧監視部104(
図1)が有する機能、処理部207(
図5)が有する機能、処理部307(
図8)が有する機能、電圧監視部304が有する機能、電源制御部302が有する機能等を用いて実現することができる。また、通信装置404は、通信装置101(
図1)が有する機能、通信装置201(
図5)が有する機能、または、通信装置301(
図8)が有する機能を用いて実現することができる。
【0093】
次に、第4の実施形態に係る要因判定装置401に関する効果について説明する。
【0094】
本発明の第4の実施形態に係る要因判定装置401によれば、電気装置から自装置への電力供給ラインにおいて電圧低下が発生した場合に、発生要因となった箇所を正確に判定することができる。この理由は、電圧が低下した場合に、該電圧が低下した要因が電気装置の入力側にあるのか出力側にあるのかを、該電圧が時間に対して推移する様子に基づき判定するからである。この理由について、さらに詳細に説明する。
【0095】
電気装置921は、たとえば、AC/DC変換部902(
図1)のように、コンデンサを有している。この場合に、電気装置921に電力を供給(入力)する側に電源断が生じた場合であっても、該コンデンサに蓄えられている電気エネルギーは、その電気エネルギーがある限り、しばらくの期間に亘って提供(出力)する側に出力し続けられる。したがって、電気装置921に電力を供給する側に電源断が生じた場合であっても、該電気装置から出力される電気エネルギーによって動作する装置(説明の便宜上、通信装置404とする)は、電気装置921が出力した電気エネルギーを受電する。これに対して、電気装置921の出力側にて電源断が生じた場合には、電力は該通信装置に供給されない。したがって、要因判定装置401によれば、電気装置921の出力側における電圧が時間的に推移する様子に基づき、電源断が、電気装置921の入力側で生じているのか、または、電気装置921の出力側にて生じているのかを正確に判定することができる。すなわち、要因判定装置401によれば、電源断が生じている箇所を正確に判定することができる。
【0096】
たとえば、通信装置404は、電源断が生じる要因が意図的な要因であるか否かに応じて、自装置の動作を維持するための蓄電部911を使用するか否かを決定する場合がある。電源断が通信装置404に電力を供給している電気装置921の入力側で生じているのか否かに応じて、電源断が、たとえば、停電等の意図せぬ要因によって生じているのか、または、通信装置404の電源スイッチ905における切断等の意図的な要因によって生じているのかを判定することができる。
【0097】
(ハードウェア構成例)
上述した本発明の第1の実施形態、または、第2の実施形態に係る処理部、第3の実施形態に係る電源制御部、第4の実施形態に係る要因判定装置の一部を、1つの計算処理装置(情報処理装置、コンピュータ)を用いて実現するハードウェア資源の構成例について説明する。以降、要因判定装置を用いて説明するが、上述した処理部、または、電源制御部の場合にも同様な構成例によって実現することができるので、処理部、及び、電源制御部に関する説明を省略する。
【0098】
係る要因判定装置は、物理的または機能的に少なくとも2つの計算処理装置を用いて実現されてもよい。また、係る要因判定装置は、専用の装置として実現されてもよい。
【0099】
図12は、本発明の各実施形態に係る要因判定装置を実現可能な計算処理装置のハードウェア構成例を概略的に示すブロック図である。計算処理装置20は、中央処理演算装置(Central_Processing_Unit、以降「CPU」と表す)21、メモリ22、ディスク23、不揮発性記録媒体24、及び、通信インターフェース(以降、「通信IF」と表す)27を有する。計算処理装置20は、入力装置25、出力装置26に接続可能であってもよい。計算処理装置20は、通信IF27を介して、他の計算処理装置、及び、通信装置と情報を送受信することができる。
【0100】
不揮発性記録媒体24は、コンピュータが読み取り可能な、たとえば、コンパクトディスク(Compact_Disc)、デジタルバーサタイルディスク(Digital_Versatile_Disc)である。また、不揮発性記録媒体24は、ユニバーサルシリアルバスメモリ(USBメモリ)、ソリッドステートドライブ(Solid_State_Drive)等であってもよい。不揮発性記録媒体24は、電源を供給しなくても係るプログラムを保持し、持ち運びを可能にする。不揮発性記録媒体24は、上述した媒体に限定されない。また、不揮発性記録媒体24の代わりに、通信IF27、及び、通信ネットワークを介して係るプログラムを持ち運びしてもよい。
【0101】
すなわち、CPU21は、ディスク23に格納されているソフトウェア・プログラム(コンピュータ・プログラム:以下、単に「プログラム」と称する)を、実行する際にメモリ22にコピーし、演算処理を実行する。CPU21は、プログラム実行に必要なデータをメモリ22から読み取る。外部への出力が必要な場合に、CPU21は、出力装置26に出力結果を出力する。外部からプログラムを入力する場合に、CPU21は、入力装置25からプログラムを読み取る。CPU21は、上述した
図1、
図5、
図8、または、
図11に示す上述した構成要素が表す機能(処理)に対応するところのメモリ22にある要因判定プログラム(
図3、
図6、または、
図10)を解釈し実行する。CPU21は、上述した本発明の各実施形態において説明した処理を順次実行する。
【0102】
すなわち、このような場合に、本発明は、係る要因判定プログラムによっても成し得ると捉えることができる。さらに、係る要因判定プログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な不揮発性の記録媒体によっても、本発明は成し得ると捉えることができる。
【0103】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態には限定されない。すなわち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。