(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シラン基含有ポリマーを、(メタ)アクリロイルシランと非シラン官能性(メタ)アクリレート及び/又はオレフィンとの共重合、又はポリオレフィン若しくはポリ(メタ)アクリレートとビニルシラン若しくは(メタ)アクリロイルシランとのグラフト重合、又は末端アリル基を有するポリマーとヒドロシランとのヒドロシリル化、又は末端(メタ)アクリロイル基を有するポリマーとアミノシラン若しくはメルカプトシランとのマイケル様反応、又はアルキレンオキシドとエポキシシランとの共重合によるシラン基を有するポリマーとポリイソシアネートとの反応、又は末端ヒドロキシル基を有するポリマーとイソシアナトシランとの反応、又は末端イソシアネート基を有するポリマーとアミノシラン、ヒドロキシシラン若しくはメルカプトシランとの反応により得ることができる、請求項2〜8のいずれか一項に記載の組成物。
助触媒としての塩基、可塑剤、フィラー又は補強剤、レオロジー添加剤、シラン接着促進剤又は架橋剤、乾燥剤及び安定剤から選択される少なくとも1種の添加剤を含む、請求項2〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明によると、式Zn
k(L)
x(Y)
2k−nxの亜鉛(II)錯体は湿気によるシラン基含有ポリマーの架橋のための触媒として使用される。湿気とは水の存在に関するものであり、空気湿度が総じて十分であることである。湿気によって、シラノール基を形成するシラン基の加水分解と、続くシロキサン基をもたらすシラノール基の縮合とで構成された上記にて明らかされた二段階反応が誘導される。縮合反応がシラン基含有ポリマーの架橋、ひいては硬化をもたらす。硬化した生成物は弾性ポリマーであるのが好ましい。
【0016】
本発明は更に、少なくとも1種のシラン基含有ポリマーと、触媒として少なくとも1種の式Zn
k(L)
x(Y)
2k−nxの亜鉛(II)錯体とを含む組成物に関する。この組成物は湿気により硬化可能であり、これはこの組成物を上記の機構により湿気の存在下にて硬化することができることを意味する。
【0017】
本発明の組成物を下記で詳細に説明する。また詳細は全て、本発明の使用、特に式Zn
k(L)
x(Y)
2k−nxの亜鉛(II)錯体に関する使用、並びにそれらの一般的な実施形態及び好ましい実施形態に対応して関連するものである。
【0018】
本明細書では、「シラン基」という用語は有機ラジカルに結合し、ケイ素原子上に1つ〜3つ、特に2つ又は3つの加水分解性ラジカルを有するシリル基を指す。加水分解性ラジカルは、例えばアルコキシラジカル、アセトキシラジカル、ケトキシマト(ketoximato)ラジカル、アミドラジカル又はエノキシ(enoxy)ラジカルである。アルコキシラジカルを有するシラン基は「アルコキシシラン基」とも称される。それに対応して、「シラン」という用語は少なくとも1つのシラン基を有する有機化合物を指す。
【0019】
「エポキシシラン」、「ヒドロキシシラン」、「(メタ)アクリレートシラン」、「イソシアナトシラン」、「アミノシラン」及び「メルカプトシラン」はそれぞれ、シラン基に加えて有機ラジカル上に1つ又は複数のエポキシ基、ヒドロキシル基、(メタ)アクリレート基、イソシアナト基、アミノ基及びメルカプト基を有するシランを指す。「第一級アミノシラン」は第一級アミノ基、すなわちNH
2基が有機ラジカルに結合しているアミノシランを指す。「第二級アミノシラン」は第二級アミノ基、すなわちNH基が2つの有機ラジカルに結合しているアミノシランを指す。
【0020】
「ヒドロシラン」は少なくとも1つのSi−H結合を有するケイ素含有有機化合物を指す。
【0021】
シラン基含有ポリマーは特にシラン基含有有機ポリマーである。「シラン基含有ポリマー」という用語は少なくとも1つのシラン基と、重合性モノマー、例えばアルキレンオキシド、(メタ)アクリレート又はオレフィンから誘導される少なくとも3つの連結した同一の又は異なる構造単位を含む線形又は分岐ポリマー鎖とを有する有機化合物を指す。ポリマー鎖は上述の構造単位の他に官能基、例えばウレタン基及び/又は尿素基を含有していてもよい。
【0022】
ポリオール又はポリイソシアネート等の「ポリ」から始まる物質名は、形式的にその名称にある官能基を1分子当たり2つ以上含有する物質を指す。
【0023】
プレポリマーは、官能基を有し、より高分子量のポリマー形成のための前駆体として働くポリマーである。
【0024】
ヘテロ原子は有機化学で慣例の任意のヘテロ原子、例えばO、N又はSを意味するものとして理解される。
【0025】
(メタ)アクリレートはメタクリレート又はアクリレートを意味する。
【0026】
一剤型組成物は全ての構成要素を一成分中に含むものである。多剤型又は二剤型組成物は2つ以上の成分を備え、構成要素の一部が第1の成分中に存在し、構成要素の他の一部が第2の成分中に存在するか、又は3つ以上の成分が存在する場合に複数の更なる成分ではこれらの成分が互いに隔離して保存されている。多剤型又は二剤型組成物の場合、一般的に個々の成分を使用の直前に互いに混ぜ合わせる。
【0027】
組成物は、室温にて長期間にわたって、通例少なくとも3ヶ月から6ヶ月以上、好適な容器にて保存してもその塗布又は使用特性、特に粘度及び架橋速度を使用に関連する程度まで変えずに保つことができる場合に「保存安定性」又は「保存性」であると称される。
【0028】
数平均分子量Mnはポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって求められる。
【0029】
シラン当量はg/当量又はg/eqにて報告され、誘導結合プラズマ(ICP)での測定によって求められるシラン基含有ポリマーのケイ素含量にて算出することができる。
【0030】
触媒として使用されるか、又は組成物に存在する亜鉛(II)錯体は、
式Zn
k(L)
x(Y)
2k−nx(式中、kは1〜10の整数であり、xは1、2、3又は4であり、nは下記の配位子Lの式(I)におけるnの値に相当するものであり、Yは一価の負に帯電した配位子であり、Lは式(I)の配位子である)の亜鉛(II)錯体である:
【化3】
(式(I)中、
nは1、2又は3であり、
AはR
4、又は式:
【化4】
(式中、R
1、R
2及びR
3は下記に規定のとおりである)の末端1,3−ケトアミド基を任意に1つ若しくは2つ有するポリオキシアルキレンラジカル若しくはポリオキシアルキル化化合物のラジカルであり、
R
1及びR
2はそれぞれ独立して水素ラジカル、若しくは炭素数1〜10の一価の飽和若しくは不飽和ヒドロカルビルラジカルであるか、又は結合して炭素数3〜6の二価のアルキレンラジカルとなり、
R
3及びR
4はそれぞれ独立して水素ラジカル、若しくは炭素数1〜12であり、1つ若しくは複数のヘテロ原子を任意に含有する一価の飽和ヒドロカルビルラジカルであるか、又は結合して炭素数3〜6であり、1つ若しくは複数のヘテロ原子を任意に含有する二価のアルキレンラジカルとなる)。
【0031】
Aはnが1の場合にはR
4にしかならない。
【0032】
中心原子としてZnと式(I)の配位結合配位子Lと任意にYとを含む式Zn
k(L)
x(Y)
2k−nxのZn(II)錯体は帯電していない。添字kは1〜10の整数、好ましくは1〜5、より好ましくは1である。添字xは1、2、3又は4、好ましくは2である。添字nは配位子Lの式(I)のnの値に相当するものである。2k−nxの値は0であるのが好ましく、これはY配位子が存在しないのが好ましいことを意味する。
【0033】
配位子Yは任意の一価の負に帯電した配位子であり、一価の負に帯電した有機アニオンが選好される。配位子の例は塩化物等のハロゲン化物、酢酸塩、オクタン酸塩、ネオデカン酸塩又はラウリン酸塩等のカルボン酸塩、好ましくはカルボニレート、より好ましくは1,3−ジカルボニレート、例えばアセチルアセトネート又は2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオネートである。
【0034】
式(I)の配位子Lは形式的には、1,3−ケトアミド構造にわたって非局在化した負電荷を有する。そのため配位子Lは様々な共鳴構造、例えば下記の共鳴構造を誘引することができる。式(I)の配位子Lの全ての可能性のある共鳴構造は本発明に関して同等のものであると考えられる。
【化5】
【0035】
式(I)の添字nは1、2又は3、好ましくは1又は2、より好ましくは1である。
【0036】
式(I)の配位子Lは同じであっても又は異なっていてもよい。2つ以上の配位子Lが存在する場合、存在する式(I)の配位子Lは同一であるのがより好ましい。
【0037】
式(I)では、AはR
4又はポリオキシアルキレンラジカル又はポリオキシアルキル化化合物のラジカルである。R
4は下記にて更に明らかにする。ポリオキシアルキレンラジカル又はポリオキシアルキル化化合物のラジカルは、式:
【化6】
(式中、R
1、R
2及びR
3は式(I)に規定のとおりである)の末端1,3−ケトアミド基を任意に1つ又は2つ有していてもよい。ポリオキシアルキレンラジカル又はポリオキシアルキル化化合物のラジカルの数平均分子量Mnは約200g/mol〜5000g/molであるのが好ましく、約200g/mol〜2000g/molであるのがより好ましい。Mnはポリオキシアルキレン又はポリオキシアルキル化化合物に関するものであることが理解される。ラジカルの誘導元であるポリオキシアルキレン又はポリオキシアルキル化化合物の例は、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン及びそれらの混合物、並びに活性水素原子を有するポリエトキシ化又はポリプロポキシ化化合物、例えばポリエトキシ化又はポリプロポキシ化アミン、アルコール及びグリコールである。
【0038】
式(I)では、R
1及びR
2はそれぞれ独立して、水素ラジカル、炭素数1〜10の一価の飽和若しくは不飽和ヒドロカルビルラジカルであるか、又は結合して炭素数3〜6の二価のアルキレンラジカルとなる。
【0039】
炭素数1〜10の一価の飽和ヒドロカルビルラジカルは炭素数1〜4のアルキルラジカル、特にメチルラジカル、プロピルラジカル、イソプロピルラジカル又はブチルラジカルであるのが好ましい。そのためこれらには、金属錯体が液体となるか又は良好な溶解度を有する性質があるという有利点がある。炭素数1〜4のアルキルラジカルはメチルラジカルであるのが最も好ましい。炭素数1〜10の一価の不飽和ヒドロカルビルラジカルはアリールラジカルであるのが好ましく、フェニルラジカルであるのがより好ましい。炭素数3〜6の二価のアルキレンラジカルは、式−(CH
2)
n−(式中、nは3〜6、好ましくは3又は4、より好ましくは3である)のラジカルを意味すると理解される。
【0040】
好ましい実施形態では、R
1とR
2とが結合して炭素数3又は4、特に炭素数3の二価のアルキレンラジカルを形成する。
【0041】
R
2は、金属錯体が特に安定した性質を有することから水素ラジカルであるのがより好ましい。R
1とR
2とが結合してアルキレンラジカルを形成しない場合、R
1は好ましくは炭素数1〜10の一価の飽和又は不飽和ヒドロカルビルラジカル、より好ましくは炭素数1〜4のアルキルラジカル又はアリールラジカル、より好ましくはメチルラジカル、プロピルラジカル、イソプロピルラジカル、ブチルラジカル又はフェニルラジカルである。
【0042】
式(I)では、R
3、及びAがR
4の場合にはR
4は、それぞれ独立して水素ラジカル、炭素数1〜12であり、1つ若しくは複数のヘテロ原子を任意に含有する一価の飽和ヒドロカルビルラジカル、若しくはベンジルラジカルであるか、又は結合して炭素数3〜6であり、1つ若しくは複数のヘテロ原子を任意に含有する二価のアルキレンラジカルとなる。
【0043】
炭素数1〜12であり、1つ又は複数のヘテロ原子を任意に含有する一価の飽和ヒドロカルビルラジカルは、好ましくは炭素数1〜8のアルキルラジカル、より好ましくはメチルラジカル、エチルラジカル、プロピルラジカル、イソプロピルラジカル、ブチルラジカル、イソブチルラジカル、2−ブチルラジカル、ヘキシルラジカル、2−エチルペンチルラジカル、2−エチルヘキシルラジカル若しくはオクチルラジカル、炭素数5若しくは6、好ましくは炭素数6のシクロアルキルラジカル、又は炭素数1〜4のアルキルエーテルラジカル、より好ましくは2−メトキシエチル若しくは2−(2−メトキシ)エトキシエチルラジカルである。これには亜鉛(II)錯体が液体となるか又は良好な溶解度を有する性質があるという有利点がある。
【0044】
R
3及びR
4はそれぞれ独立して、水素ラジカル、炭素数1〜8のアルキルラジカル、炭素数5又は6のシクロアルキルラジカル、炭素数1〜4のアルキルエーテルラジカル又はベンジルラジカルであるのがより好ましく、R
3は水素ラジカル、メチルラジカル又はイソプロピルラジカルであるのが好ましい。
【0045】
R
3とR
4とが結合して、炭素原子数3〜6であり、1つ又は複数のヘテロ原子を任意に含有する二価のアルキレンラジカルである場合、式−(CH
2)
m−X−(CH
2)
o−(式中、XはO、NR(ここで、Rは炭素数1〜4の一価のアルキルラジカルである)、又はSであり、m及びoはそれぞれ独立して2〜4の整数であり、mとoとの合計が4〜6であり、m及びoがそれぞれ2であり、XがO又はNRであることが特に好ましい)の二価のアルキレンラジカルとなるのが好ましい。
【0046】
特に好ましい実施形態では、式(I)の配位子Lは配位子L1であり、L1中、
nが1であり、AがR
4であり、
R
1が炭素数1〜4のアルキルラジカル、特にメチルラジカル若しくはブチルラジカル、若しくはアリールラジカル、特にフェニルラジカルであり、R
2が水素ラジカルであるか、又はR
1とR
2とが結合して炭素数3若しくは4、特に炭素数3のアルキルラジカルとなり、
R
3及びR
4がそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキルラジカル、より好ましくはメチルラジカル、エチルラジカル、プロピルラジカル、イソプロピルラジカル、ブチルラジカル、イソブチルラジカル、ヘキシルラジカル、2−メチルペンチルラジカル、オクチルラジカル若しくは2−エチルヘキシルラジカル、若しくは炭素数5若しくは6、より好ましくは炭素数6のシクロアルキルラジカル、若しくは炭素数1〜4のアルキルエーテルラジカル、より好ましくは2−メトキシエチルラジカル若しくは2−(2−メトキシ)−エトキシエチルラジカルであるか、又はR
3とR
4とが結合して、式−(CH
2)
m−X−(CH
2)
o−(式中、XはO、NR(ここで、Rは炭素数1〜4の一価のアルキルラジカルである)、若しくはSであり、m及びoはそれぞれ独立して2〜4の整数であり、mとoとの合計が4〜6である)の二価のアルキレンラジカルであり、m及びoがそれぞれ2であり、XがO又はNRであることが特に好ましい)の二価のアルキレンラジカルとなる。
【0047】
更に特に好ましい実施形態では、式(I)の配位子Lは配位子L2であり、L2中、
nが1、2又は3、特に1又は2であり、
Aがポリオキシアルキレンラジカル又はポリオキシアルキル化化合物のラジカルであり、ここでポリオキシアルキレンラジカル又はポリオキシアルキル化化合物のラジカルの数平均分子量Mnは約200g/mol〜5000g/mol、好ましくは約200g/mol〜2000g/molであるのが好ましく、
R
1が炭素数1〜4のアルキルラジカル、特にメチルラジカル、プロピルラジカル、イソプロピル若しくはブチルラジカル、若しくはアリールラジカル、特にフェニルラジカルであり、R
2が水素ラジカルであるか、又はR
1とR
2とが結合して炭素数3若しくは4、特に炭素数3のアルキレンラジカルとなり、
R
3が水素ラジカル、炭素数1〜12であり、1つ若しくは複数のヘテロ原子を任意に含有する一価の飽和ヒドロカルビルラジカル、又はベンジルラジカルである。
【0048】
式Zn
k(L)
x(Y)
2k−nxの亜鉛(II)錯体は、式Zn(L1)
x(Y)
2−x(式中、L1配位子は上記に規定のとおりである)の亜鉛(II)錯体であるのが好ましい。xは、これらの錯体が特に安定することから2であるのが好ましい。2つ以上のL1配位子が存在する場合、特に好ましくは2つのL1配位子が存在する場合、これらは同じであっても又は異なっていてもよい。2つの同一のL1配位子が存在するのがより好ましい。
【0049】
式Zn
k(L)
x(Y)
2k−nxの亜鉛(II)錯体は、式Zn
k(L2)
x(Y)
2k−nx(式中、L2配位子は上記に規定のとおりである)の亜鉛(II)錯体であるのが更に好ましい。kは、これらの錯体の粘度が低く、溶解度が良好となる性質があることから、好ましくは1〜5の整数、より好ましくは1である。nは、これらの錯体の粘度が低く、溶解度が良好となる性質があることから、1又は2であるのが更に好ましい。2つ以上のL2配位子が存在する場合、これらは同じであっても又は異なっていてもよい。
【0050】
式Zn
k(L)
x(Y)
2k−nxの亜鉛(II)錯体は、式:
【化7】
(式中、R
1、R
2、R
3、A及びnは式(I)に規定のとおりである)の1,3−ケトアミドと亜鉛(II)塩又は亜鉛(II)錯体とを反応させることにより作製されるのが好ましい。塩化亜鉛、酢酸亜鉛及びZn(II)ビス(アセチルアセトネート)の使用が選好され、亜鉛(II)ビス(アセチルアセトネート)の使用が特に選好される。
【0051】
1,3−ケトアミドは、その1,3−ケトアミド基に関連して化学量論的又は好ましくは過化学量論的な(superstoichiometric)量にて使用することができる。亜鉛(II)塩又は亜鉛(II)錯体と1,3−ケトアミド基との化学量論比は1:2〜1:6、より好ましくは1:2.2〜1:4の範囲であるのが好ましい。1,3−ケトアミドを過化学量論的に使用する場合、式Zn
k(L)
x(Y)
2k−nxの亜鉛(II)錯体には加水分解安定性の上昇、及び比較的低い粘度という性質があり、本組成物の保存安定性の上昇をもたらす。
【0052】
式Zn
k(L)
x(Y)
2k−nxの亜鉛(II)錯体は、亜鉛(II)塩又は亜鉛(II)錯体と1,3−ケトアミドとを混合して、混合物を好ましくは撹拌しながら50℃〜130℃、好ましくは約90℃の温度まで、1時間〜24時間、好ましくは約3時間加熱することにより作製するのが好ましい。続いて、好ましくは減圧下にて反応混合物から揮発性構成要素を取り除く。
【0053】
使用する1,3−ケトアミドはアミン又はポリエーテルアミンとジケテン(diketene)又は1,3−ケトエステルとを反応することにより得るのが好ましい。
【0054】
好ましいポリエーテルアミンは、下記の商品名:ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)(Huntsman製)、Polyetheramine(BASF製)又はPC Amine(商標)(Nitroil製)にて市販されているようなポリオキシアルキレンアミン、好ましくは数平均分子量Mnが約200g/mol〜5000g/molのポリオキシアルキレンアミンである。特に好ましい製品はジェファミン(Jeffamine)(登録商標)M−600、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)M−1000、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)M−2000、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)M−2070、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)XTJ−249、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)XTJ−435、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)XTJ−436、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)XTJ−581、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)D−230、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)D−400、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)D−2000、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)D−4000、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)XTJ−582、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)XTJ−578、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)HK−511、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)ED−600、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)ED−900、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)ED−2003、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)XTJ−568、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)XTJ−569、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)XTJ−533、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)XTJ−536、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)XTJ−542、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)XTJ−548、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)XTJ−559、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)SD−231、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)SD−401、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)SD−2001、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)T−403、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)T−3000、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)T−5000、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)XTJ−566及びジェファミン(Jeffamine)(登録商標)ST−404(全てHuntsman製)、並びにBASF及びNitroil製の類似製品である。
【0055】
数平均分子量Mnが約200g/mol〜2000g/molのポリオキシアルキレンアミンが特に選好される。ポリオキシプロピレンアミン、特にポリオキシプロピレンモノアミン及びポリオキシプロピレンジアミンが特に選好され、これらにはオキシブチレン単位及び特にオキシエチレン単位等の他のオキシアルキレン単位が一定割合含まれていてもよい。好適なポリオキシプロピレンモノアミンは特に、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)M−600、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)M−1000及びジェファミン(Jeffamine)(登録商標)XTJ−581製品である。好適なポリオキシプロピレンジアミンは特に、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)D−230、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)D−400、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)D−2000、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)XTJ−582、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)XTJ−578、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)SD−231、ジェファミン(Jeffamine)(登録商標)SD−401及びジェファミン(Jeffamine)(登録商標)SD−2001製品である。
【0056】
好ましい1,3−ケトエステルはアルキルアセトアセテート、より好ましくはメチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート及びtert−ブチルアセトアセテートである。
【0057】
1,3−ケトアミドは、アミン又はポリエーテルアミンとジケテン又は1,3−ケトエステルとの混合物を、好ましくは撹拌しながら好ましくは50℃〜150℃、より好ましくは約110℃の温度まで100mbar〜500mbar、より好ましくは約300mbarにて、好ましくは1時間〜20時間、より好ましくは約4時間加熱することにより作製するのが好ましい。続いて、好ましくは減圧下にて反応混合物から揮発性構成要素を取り除く。
【0058】
1,3−ケトアミドは、ジケテン又は1,3−ケトエステルをアミン又はポリエーテルアミンへと好ましくは徐々に添加して、好ましくは80℃〜160℃、より好ましくは約130℃に加熱して、反応混合物を80℃〜160℃、好ましくは約130℃に、好ましくは更に10時間〜30時間、より好ましくは約18時間保つことによっても得ることができる。これに続けて室温まで冷却して、好ましくは減圧下にて揮発性構成要素を除去するのが好ましい。得られる残渣を酢酸エチルに溶解して、溶液を塩酸にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥させ、十分に濃縮するのが好ましい。
【0059】
この組成物は少なくとも1種のシラン基含有ポリマーを更に含む。1つ又は複数のシラン基含有ポリマーを使用することが可能である。ポリマーは少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのシラン基を含有する。シラン基含有ポリマーは概して、1分子当たり平均して1超、好ましくは1.3〜4、好ましくは1.5〜3、より好ましくは1.7〜2.8のシラン基を有する。シラン基は末端にあるのが好ましい。
【0060】
シラン基含有ポリマー、例えばシラン基含有ポリエーテル又はアルコキシシラン基含有ポリエーテルの数平均分子量は好ましくは、1000g/mol〜30000g/mol、特に2000g/mol〜20000g/molの範囲である。シラン基含有ポリマー、例えばシラン基含有ポリエーテル又はアルコキシシラン基含有ポリエーテルのシラン当量は好ましくは、300g/eq〜25000g/eq、特に500g/eq〜15000g/eqである。
【0061】
シラン基含有ポリマーにおけるシラン基は、ケイ素原子上に好ましくは2つ又は3つ、より好ましくは3つの加水分解性ラジカルを有する。加水分解性ラジカルは同じであっても又は異なっていてもよく、同じであるのが好ましい。
【0062】
加水分解性ラジカルは特に、炭素数1〜13のアルコキシラジカル、アセトキシラジカル、ケトキシマトラジカル、アミドラジカル又はエノキシラジカルである。アルコキシラジカルが選好される。好ましいアルコキシラジカルの炭素数は1〜4である。メトキシラジカル及びエトキシラジカルが特に選好される。
【0063】
そのためシラン基含有ポリマーのシラン基は、好ましくはアルコキシシラン基、特にジアルコキシシラン基、より好ましくはトリアルコキシシラン基である。ジメトキシシラン基及びジエトキシシラン基が選好され、トリメトキシシラン基及びトリエトキシシラン基が特に選好される。
【0064】
好ましいシラン基含有ポリマーは下記のシラン基含有ポリマーであるのが好ましい:ポリエーテル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン又はこれらのポリマーの混合物。シラン基を含有する、ポリエーテル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィン及びポリエステル、特にシラン基を含有する、ポリエーテル及びポリ(メタ)アクリレートが特に選好される。シラン基含有ポリエーテルが最も好ましい。
【0065】
特に好ましいシラン基含有ポリマーは下記のアルコキシシラン基含有ポリマーである:ポリエーテル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン又はこれらのポリマーの混合物。アルコキシシラン基を含有する、ポリエーテル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィン及びポリエステル、特にアルコキシシラン基を含有する、ポリエーテル及びポリ(メタ)アクリレートが特に選好される。アルコキシシラン基含有ポリエーテルが最も好ましい。
【0066】
アルコキシシラン基含有ポリエーテルは、構造単位としてポリマー鎖にオキシアルキレン単位、好ましくはオキシ(C
2〜C
4アルキレン)単位、例えばオキシエチレン単位、オキシプロピレン単位又はオキシブチレン単位を含有し、オキシプロピレン単位が特に選好される。ポリマー鎖には、1種のオキシアルキレン単位又は2種以上の異なるオキシアルキレン単位の組合せが含有されていてもよく、これらの単位はランダム分布又は好ましくはブロックで配置され得る。
【0067】
シラン基含有ポリエーテル、好ましくは、アルコキシシラン基含有ポリエーテルはポリマー鎖にオキシアルキレン単位だけでなく、官能基、特に尿素基、ウレタン基、チオウレタン基、エステル基及び/又はアミド基、好ましくは尿素基及び/又はウレタン基を有していてもよい。これらの官能基はポリマー鎖を延長する、及び/又はシラン基、好ましくはアルコキシシラン基を結合させる働きをすることができる。
【0068】
特に適したシラン基含有ポリエーテル、特にアルコキシシラン基含有ポリエーテルは、ポリエーテルポリオール又はオリゴエテロールとも呼ばれるポリオキシアルキレンポリオールから誘導され、このポリオキシアルキレンポリオールは上述の官能基を介して任意に鎖延長され、及び/又はこのポリオキシアルキレンポリオールにアルコキシシラン基結合のための官能基を結合させてもよい。
【0069】
ポリオキシアルキレンポリオールは、おそらくは2つ以上の活性水素原子を有する開始分子、例えば水、アンモニア、又は2つ以上のOH基若しくはNH基を有する化合物、例えばエタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−及び−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、異性体のジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコール、異性体のブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、1,3−及び1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、1,1,1−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセロール、アニリン、並びに上述の化合物の混合物を用いて重合される、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,2−若しくは2,3−ブチレンオキシド、オキセタン、テトラヒドロフラン、又はこれらの混合物の重合生成物であるのが好ましい。例えば複合金属シアン化物錯体触媒(DMC触媒)と呼ばれるものを用いて調製される低不飽和度(ASTM D−2849−69に従い測定し、ポリオール1g当たりの不飽和のミリグラム当量(meq/g)にて報告される)のポリオキシアルキレンポリオール、又は例えばNaOH、KOH、CsOH若しくはアルカリ金属アルコキシド等のアニオン性触媒を用いて調製される高不飽和度のポリオキシアルキレンポリオールのいずれかを使用することが可能である。
【0070】
ポリオキシアルキレンジオール又はポリオキシアルキレントリオール、特にポリオキシエチレンジオール及びポリオキシエチレントリオール、並びにポリオキシプロピレンジオール及びポリオキシプロピレントリオールが特に適している。不飽和度が0.02meq/g未満であり、数平均分子量が1000g/mol〜30000g/molの範囲であるポリオキシアルキレンジオール及び−トリオール、並びに数平均分子量が400g/mol〜8000g/molのポリオキシプロピレンジオール及び−トリオールが特に適している。
【0071】
同様にエチレンオキシド終端(「EOでエンドキャップされた」、エチレンオキシドでエンドキャップされた)ポリオキシプロピレンポリオールと呼ばれるものが特に適している。エチレンオキシド終端ポリオキシプロピレンポリオールは、例えばポリプロポキシ化反応の完了後に純粋なポリオキシプロピレンポリオール、特にポリオキシプロピレンジオール及び−トリオールをエチレンオキシドにて更にアルコキシ化することにより得られ、そのため第一級ヒドロキシル基を有する特定のポリオキシプロピレンポリオキシエチレンポリオールである。
【0072】
シラン基含有ポリマーは、
(メタ)アクリロイルシランと非シラン官能性(メタ)アクリレート及び/又はオレフィンとの共重合、又は、
ポリオレフィン若しくはポリ(メタ)アクリレートとビニルシラン若しくは(メタ)アクリロイルシランとのグラフト重合、又は、
末端アリル基を有するポリマーとヒドロシランとのヒドロシリル化、又は、
末端(メタ)アクリロイル基を有するポリマーとアミノシラン若しくはメルカプトシランとのマイケル様反応、又は、
アルキレンオキシドとエポキシシランとの共重合によるシラン基を有するポリマーとポリイソシアネートとの反応、又は、
末端ヒドロキシル基を有するポリマー、特にポリオール若しくはOH終端ポリウレタンプレポリマーとイソシアナトシランとの反応、又は、
末端イソシアネート基を有するポリマー、特にNCO終端ポリウレタンプレポリマー(NCOプレポリマー)とアミノシラン、ヒドロキシシラン若しくはメルカプトシランとの反応、
により得ることができるのが好ましい。
【0073】
シラン基含有ポリマーは、NCOプレポリマーとアミノシラン又はヒドロキシシラン又はメルカプトシランとの反応により得ることができるものであるのがより好ましい。
【0074】
好適なNCOプレポリマーは特に、ポリオールとポリイソシアネート、特にジイソシアネートとの反応により得ることができる。この反応は、慣例の方法によって、特に50℃〜100℃の温度にて、好適な触媒、特にアミン、ビスマス化合物又は亜鉛化合物を任意に追加で使用して、それらのイソシアネート基がポリオールにおけるヒドロキシル基に対して化学量論的に過剰に存在するようにポリイソシアネートを秤量添加することでポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより達成することができる。より詳細には、ポリオールにおける全てのヒドロキシル基の転化後に得られるポリウレタンポリマーにおいて、遊離イソシアネート基の含量がNCOプレポリマー全体をベースとして0.1重量%〜5重量%、好ましくは0.2重量%〜3重量%に維持されるように過剰なポリイソシアネートが選ばれる。1.5/1〜2.5/1、特に1.8/1〜2.2/1のNCO/OH比でのポリオールとポリイソシアネートとの反応により得られる、遊離イソシアネート基が上記含量であるNCOプレポリマーが選好される。
【0075】
NCOプレポリマーの調製に適したポリオールは、標準的な市販のポリオール、特にポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリレートポリオール及びポリオレフィンポリオール、並びにそれらの混合物である。これらのポリオールに加えて、少量の低分子量二価アルコール又は多価アルコールを使用することも可能である。
【0076】
NCOプレポリマーの調製に適したポリイソシアネートは、標準的な市販のポリイソシアネート、特にジイソシアネート、好ましくはヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート(HDI)、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネート又はIPDI)、過水素化ジフェニルメタン2,4’−及び4,4’−ジイソシアネート(HMDI又はH
12MDI)、トリレン2,4−及び2,6−ジイソシアネート並びにこれらの異性体の任意の所望の混合物(TDI)、ジフェニルメタン4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジイソシアネート並びにこれらの異性体の任意の所望の混合物(MDI)、並びにこれらのポリイソシアネートの混合物である。
【0077】
NCOプレポリマーとアミノシラン又はヒドロキシシラン又はメルカプトシランとの反応は、シランのアミノ基又はヒドロキシル基又はメルカプト基がNCOプレポリマーにおけるイソシアネート基に対して少なくとも化学量論的な量にて存在するように行うのが好ましい。このようにして形成されるシラン基含有ポリマーにはイソシアネート基が含まれておらず、このことは毒性の点で有益である。この反応は、20℃〜120℃、特に40℃〜100℃の範囲の温度にて達成されるのが好ましい。
【0078】
NCOプレポリマーの転化に適したアミノシランは第一級及び第二級アミノシランである。第二級アミノシラン、特にN−ブチル(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン及びN−エチル(3−アミノ−2−メチルプロピル)トリメトキシシラン、並びに第一級アミノシランの付加物、特に3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、並びにマイケル受容体(Michael acceptors)、特にアクリレート及びマレイン酸ジエステル、並びにメトキシ基の代わりにエトキシ基を有するそれらの類似体が選好される。特に好ましいアミノシランは、3−アミノプロピルトリメトキシシラン又は3−アミノプロピルトリエトキシシランの付加物、及びマレイン酸ジエチルである。
【0079】
NCOプレポリマーの転化に適したヒドロキシシランは特に、第二級ヒドロキシル基を有するヒドロキシシランである。下記により得ることができるヒドロキシシランが選好される:
エポキシドと第二級アミノシランとの反応、又は、
エポキシシランと第二級アミンとの反応、又は、
第一級アミノシランとラクトン若しくは環状カーボネートとの反応。
【0080】
NCOプレポリマーの転化に適したメルカプトシランは特に、3−メルカプトプロピルシラン、好ましくは3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルトリエトキシシランである。
【0081】
好適な市販のシラン基含有ポリマーは、例えば下記の商品名にて入手可能である:エピオン(EPION)(登録商標)(Kaneka製、シラン基含有ポリイソブチレン)、XMAP(商標)(Kaneka製、SA100S、SA310S、SA420S製品、シラン基含有ポリ(メタ)アクリレート)、Gemlac(商標)(Kaneka製、シラン基含有ポリ(メタ)アクリレートシリコーン)、ベストプラスト(Vestoplast)(登録商標)(Evonik製、206、EP2403、EP2412製品、シラン基含有非晶質ポリ−α−オレフィン)、及び下記にて更に述べられるアルコキシシラン基含有ポリエーテル。
【0082】
好ましいシラン基含有ポリマー、特にアルコキシシラン基含有ポリエーテルは、
末端アリル基を有する任意に鎖延長したポリエーテルとヒドロシランとのヒドロシリル化、又は、
末端(メタ)アクリロイル基を有する任意に鎖延長したポリエーテルとアミノシラン若しくはメルカプトシランとのマイケル様反応、又は、
アルキレンオキシドとエポキシシランとの共重合によるアルコキシシラン基を有するポリエーテルとポリイソシアネートとの反応、又は、
末端ヒドロキシル基を有する任意に鎖延長したポリエーテル、特にポリエーテルポリオール若しくはOH終端ポリエーテル−ポリウレタンプレポリマーとイソシアナトシランとの反応、又は、
末端イソシアネート基を有する任意に鎖延長したポリエーテル、特にNCO終端ポリエーテル−ポリウレタンプレポリマー(ポリエーテル−NCOプレポリマー)とアミノシラン、ヒドロキシシラン若しくはメルカプトシランとの反応、
により得ることができるのが好ましい。
【0083】
シラン基含有ポリエーテル、特にアルコキシシラン基含有ポリエーテルはポリエーテル−NCOプレポリマーとアミノシラン又はヒドロキシシランとの反応により得ることができるものであるのがより好ましい。
【0084】
好適なポリエーテル−NCOプレポリマーは特に、ポリエーテルポリオール、特にポリオキシアルキレンジオール又はポリオキシアルキレントリオール、好ましくはポリオキシプロピレンジオール又はポリオキシプロピレントリオールとポリイソシアネートとの反応により得ることができる。好適なポリイソシアネート及び反応条件はNCOプレポリマーの調製に適しているとして述べられているものである。
【0085】
ポリエーテル−NCOプレポリマーの調製に特に適したポリエーテルポリオールは、不飽和度が0.02meq/g未満、特に0.01meq/g未満であり、数平均分子量が1000g/mol〜20000g/molの範囲であるポリオキシアルキレンジオール又はポリオキシアルキレントリオール、並びに数平均分子量が400g/mol〜8000g/molのポリオキシプロピレンジオール及び−トリオールである。このようなポリエーテルポリオールの詳細は上記で既に明らかにされている。ポリエーテルポリオールの他に、一定割合の他のポリオール、特にポリアクリレートポリオール、及び低分子量二価又は多価アルコールを使用することも可能である。
【0086】
ポリエーテル−NCOプレポリマーのシラン基含有ポリエーテル、特にアルコキシシラン基含有ポリエーテルへの転化に適したアミノシラン及びヒドロキシシランは、NCOプレポリマーの転化に適しているとして述べられているものである。
【0087】
好適な市販のアルコキシシラン基含有ポリエーテルは、例えば下記の商品名にて入手可能である:MS Polymer(商標)(Kaneka製、S203H、S303H、S227、S810、MA903及びS943製品)、MS Polymer(商標)又はSilyl(商標)(Kaneka製、SAT010、SAT030、SAT200、SAX350、SAX400、SAX725、MAX450、MAX951製品)、エクセスター(Excestar)(登録商標)(Asahi Glass Co.製、S2410、S2420、S3430、S3630製品)、SPUR+
*(Momentive Performance Materials製、1010LM、1015LM、1050MM製品)、Vorasil(商標)(Dow Chemical製、602及び604製品)、デスモシール(Desmoseal)(登録商標)(Bayer Material Science製、S XP 2458、S XP 2636、S XP 2749、S XP 2774及びS XP 2821製品)、テゴパック(TEGOPAC)(登録商標)(Evonik製、Seal 100、Bond 150、Bond 250製品)、Polymer ST(Hanse Chemie製、47、48、61、75、77、80、81製品)、及びジェニオシル(Geniosil)(登録商標)STP(Wacker Chemie製、E10、E15、E30、E35製品)。
【0088】
本発明の組成物にはイソシアネート基を含有する化合物が含まれていないことが好ましい。本明細書のイソシアネート基としては遊離イソシアネート基及びブロックイソシアネート基が挙げられる。より詳細には、シラン基含有ポリマーはイソシアネート基を全く有しないのが好ましい。シラン基含有ポリマーには炭素原子に結合したアルコール性OH基も含まれていないのが好ましい。
【0089】
本発明の組成物は、1つ又は複数の添加剤、例えばシラン終端ポリマーに慣例のものを更に含んでいてもよい。例は助触媒としての塩基、可塑剤、フィラー又は補強剤、レオロジー添加剤、シラン接着促進剤又は架橋剤、乾燥剤及び安定剤から選択される添加剤である。少なくとも1種若しくは2種以上のこれらの任意の添加剤、又は必要に応じて上述の全ての添加剤の組合せが組成物に存在することが可能である。任意の添加剤は下記の詳細において明らかである。
【0090】
例えば本発明の組成物は、好ましくは助触媒として少なくとも1つの塩基、好ましくは強塩基を更に含んでいてもよい。好適な塩基の好ましい例はアミジン塩基、グアニジン塩基又はホスファゼン塩基である。アミジン及びグアニジン、特に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)及び1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG)が特に選好される。
【0091】
本発明の組成物は更に好ましくは少なくとも1種の可塑剤を含んでいてもよい。好適な可塑剤の好ましい例は、有機カルボン酸のエステル又はその無水物、例えばフタル酸塩、特にフタル酸ジイソノニル又はフタル酸ジイソデシル、水素化フタル酸塩、特にジイソノニルシクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート、アジピン酸塩、特にアジピン酸ジオクチル、アゼレート及びセバケート、ポリオール、特にポリオキシアルキレンポリオール又はポリエステルポリオール、有機リンエステル酸及び有機スルホン酸エステル又はポリブテンである。
【0092】
本発明の組成物は好ましくは少なくとも1種のフィラー又は補強剤を更に含んでいてもよい。フィラー又は補強剤の好ましい例はステアリン酸塩にて任意に被覆された重質炭酸カルシウム又は軽質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、特に微粉被覆炭酸カルシウム、カーボンブラック類、特に工業的に生産されたカーボンブラック類(以下「カーボンブラック」と称される)、及びシリカ、特に熱分解プロセスによるシリカ微粒子である。
【0093】
本発明の組成物は好ましくは少なくとも1種のレオロジー添加剤、例えば尿素化合物、ポリアミドワックス又はヒュームドシリカを更に含んでいてもよい。
【0094】
本発明の組成物は好ましくは少なくとも1種のシラン接着促進剤又は架橋剤を更に含んでいてもよい。好ましい例はアミノシラン、エポキシシラン、(メタ)アクリロイルシラン又はこれらのシランのオリゴマーである。
【0095】
本発明の組成物は好ましくは少なくとも1種の乾燥剤を更に含んでいてもよい。好ましい例は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、N−(シリルメチル)−O−メチルカルバメート、特にN−(メチルジメトキシシリルメチル)−O−メチルカルバメート等のα−官能性シラン、オルトギ酸エステル、酸化カルシウム又は分子篩である。
【0096】
本発明の組成物は少なくとも1種の熱、光及び紫外線に対する安定剤を更に含んでいてもよい。
【0097】
本発明の組成物は一剤型又は多剤型、特に二剤型に配合されていてもよい。本発明の組成物は一剤型に配合されているのが好ましい。
【0098】
本発明の組成物は埋込用コンパウンド、成形コンパウンド、シーラント、接着剤、塗装組成物、下塗り剤又は補修用コンパウンドであるのが好ましい。
【0099】
本発明の組成物の好ましい使用分野は、建設用途及び工業用途用のシーラント、接着剤、並びに塗料、ラッカー、被覆剤及びコーティング剤用の塗装組成物としてのものである。
【0100】
本発明の組成物は多くの分野において、例えば建設用途及び工業用途用のシーラント、接着剤、被覆剤、コーティング剤、ラッカー、下塗り塗料、埋込用コンパウンド、成形品、膜又はメンブレンとして、例えばシームシール、キャビティシール、目地材、二次接着剤、車体構造用接着剤、グレージング接着剤、サンドイッチエレメント接着剤、貼り合わせ用接着剤、ラミネート接着剤、包装用接着剤、木材用接着剤、寄木張り用接着剤、固定接着剤、床仕上げ材及び塗床材、バルコニー及び屋根用のコーティング剤、コンクリート保護コーティング剤、駐車場用コーティング剤、パイプ用コーティング剤、防食コーティング剤、テキスタイル用コーティング剤、下塗り剤、防振エレメント、シーリングエレメント、補修用コンパウンド等として使用することができる。
【0101】
湿気による組成物の硬化後、硬化組成物から得られる生成物は接着、封止又はコーティングされた物品又は基体を含むことができ、硬化組成物は弾性ポリマーであるのが好ましい。そのため本発明は本発明の組成物を硬化した形態にて含む生成物にも関する。硬化組成物は弾性ポリマーであるのが好ましい。
【0102】
本発明の更なる説明のために実施例を続けて記載するが、これらには何ら本発明を限定する意図はない。
【実施例】
【0103】
試験法の説明
赤外スペクトルを、Perkin-Elmerの1600 FT−IR機器(ZnSe結晶を備えた水平型ATR測定ユニット、測定範囲4000cm
−1〜650cm
−1)にて記録した。液体サンプルを希釈せずに(neat)膜として塗布し、固体サンプルはCH
2Cl
2に溶解した。吸収帯は波長(cm
−1)で報告する。
【0104】
1H NMRスペクトルを、BrukerのDPX−300分光計にて300.13MHzで記録し、ケミカルシフトδはテトラメチルシラン(TMS)に対してppmで報告する。真のカップリングパターンと擬似カップリングパターンとの間には区別をつけなかった。
【0105】
粘度は20℃の温度でサーモスタット制御されたPhysica MCR300コーンプレート型粘度計(コーン直径20mm、コーン角度1度、コーンチップ−プレート距離0.05mm、剪断速度0.1s
−1〜100s
−1)にて測定した。
【0106】
標準的な気候条件は23±1℃の温度及び50±5%の相対空気湿度を意味するものと理解される。
【0107】
スキニング時間(ST)は、標準的な気候条件下にて数グラムの上記組成物を約2mmの層厚さで厚紙に塗布し、LDPEピペットを用いて組成物の表面を軽く叩き、最初にピペット上に残留物がなくなるまでの期間を測定することにより求めた。
【0108】
表面の質は標準的な気候条件下における24時間の硬化時間後に触れることで調べた。
【0109】
引張強さ、破断伸び及び弾性率(0%〜5%及び0%〜100%の伸長)はDIN EN 53504に従って200mm/分の引張速度にて測定した。
【0110】
式Zn
k(L)
x(Y)
2k−nxの亜鉛(II)錯体の作製
触媒1
丸底フラスコ内にて、2.70gの乾燥亜鉛(II)ビス(アセチルアセトネート)と5.65gのN,N−ジブチル−3−オキソヘプタンアミド(約2モル当量)とを混合し、混合物を撹拌しながら3時間、80℃に加熱した。その後、減圧下にて反応混合物から揮発性構成要素を取り除いた。これにより6.25gの黄色油を得た。
1H NMR(CDCl
3):δ 0.8〜1.0(m,18H,CH
3CH
2)、1.25〜1.4(m,12H,CH
3CH
2)、1.45〜1.65(m,12H,CH
2CH
2CH
3)、2.1〜2.2(t,4H,CH
2CO)、3.1〜3.2(m,4H,NCH
2)、3.25〜3.35(m,4H,NCH
2)、4.75(s,2H,CHCO)。
FT−IR:2954、2929、2870、1552、1511、1461、1430、1393、1369、1290、1223、1102、951、768、731。
【0111】
触媒2
丸底フラスコ内にて、5.68gの乾燥亜鉛(II)ビス(アセチルアセトネート)と22.33gのN,N−ジブチル−3−オキソ−3−フェニルプロパンアミド(約4モル当量)とを混合し、混合物を撹拌しながら3時間、80℃に加熱した。その後、減圧下にて反応混合物から揮発性構成要素を取り除いた。これにより23.83gの橙色油を得た。
FT−IR:2957、2930、2871、1690、1623、1586、1574、1550、1499、1483、1466、1367、1292、1266、1212、1148、1111、1085、1021、969、915、760、716、690。
【0112】
触媒3
丸底フラスコ内にて、2.53gの亜鉛(II)ビス(アセチルアセトネート)ヒドレート(約2当量の水を含む)と17.99gの配位子L2−1(下記参照、約3モル当量)とを混合し、混合物を撹拌しながら3時間、90℃に加熱した。その後、減圧下にて反応混合物から揮発性構成要素を取り除いた。これにより18.24gの淡黄色油を得た。
FT−IR:3325、2968、2867、1652、1547、1450、1372、1341、1298、1263、1096、1015、964、925、866、782。
【0113】
配位子L2−1は事前に下記のとおりに作製した:
丸底フラスコ内にて、22.39gのtert−ブチルアセトアセテートを62.33gのポリエーテルアミン(Huntsman製のジェファミン(Jeffamine)(登録商標)M−600)に徐々に添加し、130℃に加熱して、反応混合物を更に18時間130℃に保った。その後、反応混合物を室温まで冷却し、減圧下にて該反応混合物から揮発性構成要素を取り除いた。得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、溶液を塩酸溶液(0.1M)にて洗浄して、MgSO
4にて乾燥させ、十分に濃縮した。これにより、58.14gの淡黄色油を得た。
FT−IR:3323、2969、2867、1720、1649、1547、1452、1371、1342、1297、1095、1013、924、817。
【0114】
触媒4
丸底フラスコ内にて、1.33gの亜鉛(II)ビス(アセチルアセトネート)ヒドレート(約2当量の水を含む)と15.57gの配位子L2−2(下記参照、約3モル当量の1,3−ケトアミド基)とを混合し、混合物を撹拌しながら3時間、90℃に加熱した。その後、減圧下にて反応混合物から揮発性構成要素を取り除いた。これにより16.15gの淡黄色油を得た。
FT−IR:2969、2930、2866、1718、1637、1587、1517、1450、1372、1341、1296、1259、1094、1014、925、866、768。
【0115】
配位子L2−2は事前に下記のとおりに作製した:
丸底フラスコ内にて、41.92gのポリエーテルアミン(Huntsman製のジェファミン(Jeffamine)(登録商標)SD−2001)と7.80gのtert−ブチルアセトアセテートとの混合物を300mbarにて撹拌しながら約4時間、110℃に加熱した。その後、減圧下にて反応混合物から揮発性構成要素を取り除いた。これにより45.37gの淡黄色油を得た。
FT−IR:2939、2868、1737、1589、1202、1449、1371、1269、1217、1092、934、906、868、800、772。
【0116】
シラン基含有ポリマーの作製
アルコキシシラン基含有ポリエーテルSTP−1
湿気を排除した状態にて、1000gのアクレーム(Acclaim)(登録商標)12200ポリオール(Bayer製の低不飽和度のポリオキシプロピレンジオール、OH価11.0mg KOH/g)、43.6gのイソホロンジイソシアネート(IPDI、ベスタナット(Vestanat)(登録商標)IPDI、Evonik製)、126.4gのフタル酸ジイソデシル(DIDP)及び0.1gのビスマストリス(ネオデカノエート)(DIDP中、10重量%)を絶えず撹拌しながら90℃に加熱し、滴定手段により求められる遊離イソシアネート基の含量が0.63重量%と安定した値に達するまでこの温度のまま放置した。続いて、63.0gのジエチルN−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノスクシネート(3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びマレイン酸ジエチルから生成される付加物、米国特許第5,364,955号で与えられる指示に従って調製)をその中に混合し、FT−IR分光法を用いても遊離イソシアネートを全く検出することができなくなるまで混合物を90℃にて撹拌した。このようにして得られた、シラン当量が約6880g/eq(使用量から算出)であるトリメトキシシラン基含有ポリエーテルを室温まで冷却し、湿気を排除した状態を保った。
【0117】
アルコキシシラン基含有ポリエーテルSTP−2
湿気を排除した状態にて、1000gのアクレーム(Acclaim)(登録商標)12200ポリオール(Bayer製の低不飽和度のポリオキシプロピレンジオール、OH価11.0mg KOH/g)、43.6gのイソホロンジイソシアネート(IPDI、ベスタナット(Vestanat)(登録商標)IPDI、Evonik製)、126.4gのフタル酸ジイソデシル(DIDP)及び0.1gのビスマストリス(ネオデカノエート)(DIDP中、10重量%)を絶えず撹拌しながら90℃に加熱し、滴定手段により求められる遊離イソシアネート基の含量が0.64重量%と安定した値に達するまでこの温度のまま放置した。続いて、70.6gのジエチルN−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミノスクシネート(3−アミノプロピルトリエトキシシラン及びマレイン酸ジエチルから生成される付加物)をその中に混合し、FT−IR分光法を用いても遊離イソシアネートを全く検出することができなくなるまで混合物を90℃にて撹拌した。このようにして得られた、シラン当量が約6920g/eq(使用量から算出)であるトリエトキシシラン基含有ポリエーテルを室温まで冷却し、湿気を排除した状態を保った。
【0118】
シラン基含有ポリマー及び対応する組成物における亜鉛(II)錯体の使用
実施例1〜実施例4及び比較例V1〜比較例V4
96.5重量部のアルコキシシラン基含有ポリエーテルSTP−1と、0.5重量部のビニルトリメトキシシラン(VTMO)と、3.0重量部の3−アミノプロピルトリメトキシシラン(AMMO)とで構成される組成物を下記表1に従い様々な触媒とブレンドし、混合物を保存前後の標準的な気候条件下における粘度及びスキニング時間(ST)について調べた。スキニング時間はシラン基の架橋反応に対する触媒の活性、すなわち架橋速度の評価基準とみなした。粘度及びスキニング時間の増大は保存安定性の評価基準とみなした。結果は同様に表1に挙げている。
【0119】
使用する触媒は、助触媒として塩基を添加して又は添加せずに上記にて作製される触媒1及び触媒2にした。比較として、触媒を用いない又は比較用のTyzor(商標)IBAY(ビス(エチルアセトアセタト)ジイソブトキシチタン(IV)、DuPont製)、Zn(ネオデカノエート)
2(亜鉛(II)ビスネオデカノエート)及びZn(acac)
2(亜鉛(II)ビス(アセチルアセトネート))触媒を用いる対応する組成物を調べた(比較例1〜比較例4、V1〜V4と称される)。
【0120】
【表1】
【0121】
使用する式Zn
k(L)
x,(Y)
2k−nx亜鉛(II)錯体は比較用のTyzor(商標)IBAY、Zn(ネオデカノエート)
2及びZn(acac)
2触媒よりも(1モル当量当たりの)活性が高い。活性はDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)又はP
1−tBu−トリス(=P
1−tBu−トリス(テトラメチレン)、ホスファゼン塩基)と組み合わせることで高めることができる。同様に保存安定性はいくつかの場合、特に配位子Lが過剰に存在する触媒2においてより良好である。
【0122】
実施例5〜実施例8及び比較例V5〜比較例V8
95.9重量部のアルコキシシラン基含有ポリエーテルSTP−2と、0.4重量部のビニルトリエトキシシラン(VTEO)と、3.7重量部のN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン(DAEO)とで構成される組成物を下記表2に従い様々な触媒とブレンドし、混合物を上記のように粘度及びスキニング時間(ST)について、更には標準的な気候条件における24時間の硬化時間後の表面の質について調べた。比較例はV5〜V8と表している。
【0123】
【表2】
【0124】
使用する式Zn
k(L)
x(Y)
2k−nxの亜鉛(II)錯体は、架橋の遅いトリエトキシシラン基含有ポリエーテルにおいて、比較用のTyzor IBAY及びZn(acac)
2触媒よりも((1モル当量当たりの)活性が極めて高い。DBUと組み合わせることで、有機スズ触媒DBTDL(ジブチルスズ(IV)ジラウレート)と組み合わせるよりも極めて短いスキニング時間までも達成される。表面の粘着から、Tyzor(商標)IBAY及びZn(acac)
2との比較用混合物の架橋は24時間後でも未だ完了していないことが明らかである。これに対して式Zn
k(L)
x(Y)
2k−nxの亜鉛(II)錯体を用いた場合、表面は24時間後にはDBTDLと同程度に又は更により良好に低い粘着しか有していない。
【0125】
実施例9〜実施例12及び比較例V9〜比較例V12
プラネタリーミキサー内にて、37.6重量部のアルコキシシラン基含有ポリエーテルSTP−1と、60.0重量部の破砕チョーク(オムヤカルブ(Omyacarb)(登録商標)5 GU)と、1.2重量部のビニルトリメトキシシラン(VTMO)と、1.2重量部の3−アミノプロピルトリメトキシシラン(AMMO)と、下記表3による様々な触媒とをブレンドし、混合物を標準的な気候条件下にてスキニング時間(ST)について調べた。加えて、混合物を使用して厚さ2mmの膜を作製し、それを標準的な気候条件下にて7日間硬化させ、機械的特性について調べた。比較例はV9〜V12と表している。
【0126】
【表3】
【0127】
式Zn
k(L)
x(Y)
2k−nxの亜鉛(II)錯体を触媒として含む本発明の組成物は迅速に硬化することで、機械的弾性の良好な材料が得られる。
【0128】
実施例13〜実施例15
プラネタリーミキサー内にて、70.8重量部のアルコキシシラン基含有ポリエーテルSTP−1と、27.5重量部の破砕チョーク(オムヤカルブ(Omyacarb)(登録商標)5 GU)と、0.3重量部のビニルトリメトキシシラン(VTMO)と、1.4重量部の3−アミノプロピルトリメトキシシラン(AMMO)と、上記で調製された触媒2、触媒3及び触媒4とを下記表4に従ってブレンドし、混合物を標準的な気候条件下にてスキニング時間(ST)について調べた。加えて、混合物を使用して厚さ2mmの膜を作製し、それを標準的な気候条件下にて7日間硬化させ、機械的特性について調べた。
【0129】
【表4】
【0130】
DBUと組み合わせて好ましい亜鉛(II)錯体Zn(L1)
x(Y)
2−x(実施例13)又は好ましい亜鉛(II)錯体Zn
k(L2)
x(Y)
2k−nx(実施例14及び実施例15)の形態にて式Zn
k(L)
x(Y)
2k−nxの亜鉛(II)錯体を触媒として含む本発明の組成物は、相当な速度で硬化することで、機械的弾性の良好な材料が得られる。