【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、式(I)の化合物、若しくはそのN−オキシド、又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物、又はそのグルクロニド誘導体、又はその共結晶:
【化1】
(式中、
Eは共有結合を表すか、又はEは、−S(O)
2−又は−N(R
4)−を表すか、又はEは、場合により置換されている直鎖又は分岐C
1〜4アルキレン鎖を表し、
Qは共有結合を表すか、又はQは、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)(NR
5)−、−N(R
5)−、−C(O)N(R
5)−、−N(R
5)C(O)−、−S(O)
2N(R
5)−又は−N(R
5)S(O)
2−を表すか、又はQは、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)(NR
5)−、−N(R
5)−、−C(O)N(R
5)−、−N(R
5)C(O)−、−S(O)
2N(R
5)−及び−N(R
5)S(O)
2−から独立して選択される、1つ、2つ又は3つのヘテロ原子含有連結基を場合により含む、場合により置換されている直鎖又は分岐C
1〜6アルキレン鎖を表し、
Yは、C
3〜7シクロアルキル、アリール、C
3〜7ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよく、
Zは、水素、ハロゲン又はトリフルオロメチルを表すか、又はZは、C
1〜6アルキル、C
3〜7シクロアルキル、アリール、C
3〜7ヘテロシクロアルキル、C
3〜7ヘテロシクロアルケニル又はヘテロアリールを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよいか、又はZは、−Z
1−Z
2又は−Z
1−C(O)−Z
2を表し、これらの部分のどちらも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよく、
Z
1は、アリール、C
3〜7ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリール基から生じる二価ラジカルを表し、
Z
2は、アリール、C
3〜7ヘテロシクロアルキル、C
3〜7ヘテロシクロアルケニル又はヘテロアリールを表し、
R
1は、水素、トリフルオロメチル、−SO
2R
a、−COR
d、−CO
2R
d、−CONR
bR
c、−CON(OR
a)R
b、−SO
2NR
bR
c又は−SO(NR
b)R
dを表すか、又はR
1はC
1〜6アルキル、C
3〜7シクロアルキル、C
3〜7シクロアルキル(C
1〜6)アルキル、アリール、アリール(C
1〜6)アルキル、C
3〜7ヘテロシクロアルキル(C
1〜6)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C
1〜6)アルキル、(C
3〜7)ヘテロシクロアルキル(C
1〜6)アルキル−アリール−、(C
3〜7)シクロアルキル−ヘテロアリール−、(C
3〜7)シクロアルキル(C
1〜6)アルキル−ヘテロアリール−、(C
4〜7)シクロアルケニル−ヘテロアリール−、(C
4〜9)ビシクロアルキル−ヘテロアリール−、(C
3〜7)ヘテロシクロアルキル−ヘテロアリール−、(C
3〜7)ヘテロシクロアルキル−(C
1〜6)アルキル−ヘテロアリール−、(C
3〜7)ヘテロシクロアルケニル−ヘテロアリール−、(C
4〜9)ヘテロビシクロアルキル−ヘテロアリール−又は(C
4〜9)スピロヘテロシクロアルキル−ヘテロアリール−を表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよく、
R
2及びR
3は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−OR
a、−SR
a、−SOR
a、−SO
2R
a、−SF
5、−NR
bR
c、−NR
cCOR
d、−NR
cCO
2R
d、−NHCONR
bR
c、−NR
cSO
2R
e、−N(SO
2R
e)
2、−NHSO
2NR
bR
c、−COR
d、−CO
2R
d、−CONR
bR
c、−CON(OR
a)R
b、−SO
2NR
bR
c又は−SO(NR
b)R
d;又はC
1〜6アルキル、C
2〜6アルケニル、C
2〜6アルキニル、C
3〜7シクロアルキル、C
4〜7シクロアルケニル、C
3〜7シクロアルキル(C
1〜6)アルキル、アリール、アリール(C
1〜6)−アルキル、C
3〜7ヘテロシクロアルキル、C
3〜7ヘテロシクロアルキル(C
1〜6)アルキル、C
3〜7ヘテロシクロアルケニル、C
4〜9ヘテロビシクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C
1〜6)アルキル、(C
3〜7)ヘテロシクロアルキル(C
1〜6)アルキル−アリール−、ヘテロアリール(C
3〜7)ヘテロシクロアルキル−、(C
3〜7)シクロアルキル−ヘテロアリール−、(C
3〜7)シクロアルキル−(C
1〜6)アルキル−ヘテロアリール−、(C
4〜7)シクロアルケニル−ヘテロアリール−、(C
4〜9)ビシクロアルキル−ヘテロアリール−、(C
3〜7)ヘテロシクロアルキル−ヘテロアリール−、(C
3〜7)ヘテロシクロアルキル(C
1〜6)アルキル−ヘテロアリール−、(C
3〜7)ヘテロシクロアルケニル−ヘテロアリール−、(C
4〜9)ヘテロビシクロアルキル−ヘテロアリール−又は(C
4〜9)スピロヘテロシクロアルキル−ヘテロアリール−を独立して表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよく、
R
4及びR
5は、水素又はC
1〜6アルキルを独立して表し、
R
aは、C
1〜6アルキル、アリール、アリール(C
1〜6)アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール(C
1〜6)アルキルを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよく、
R
b及びR
cは、水素若しくはトリフルオロメチル、又はC
1〜6アルキル、C
3〜7シクロアルキル、C
3〜7シクロアルキル(C
1〜6)アルキル、アリール、アリール(C
1〜6)アルキル、C
3〜7ヘテロシクロアルキル、C
3〜7ヘテロシクロアルキル(C
1〜6)アルキル、ヘテロアリール若しくはヘテロアリール(C
1〜6)アルキルを独立して表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよいか、又は
R
bとR
cは、それらの両方が結合している窒素原子と一緒になって、アゼチジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、オキサゾリジン−3−イル、イソオキサゾリジン−2−イル、チアゾリジン−3−イル、イソチアゾリジン−2−イル、ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、ピペラジン−1−イル、ホモピペリジン−1−イル、ホモモルホリン−4−イル又はホモピペラジン−1−イルを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよく、
R
dは、水素若しくはトリフルオロメチルを表すか、又はC
1〜6アルキル、C
3〜7シクロアルキル、アリール、C
3〜7ヘテロシクロアルキル若しくはヘテロアリールを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよく、
R
eは、C
1〜6アルキル、アリール又はヘテロアリールを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい)
を提供する。
【0012】
本発明はまた、治療における使用のための、上で定義されている式(I)の化合物、又はそれらのN−オキシド、或いは薬学的に許容されるそれらの塩又は溶媒和物、或いはそれらのグルクロニド誘導体、或いはそれらの共結晶も提供する。
【0013】
本発明はまた、TNFα機能のモジュレーターの投与が適応される障害の処置及び/又は防止における使用のための、上で定義されている式(I)の化合物、又はそれらのN−オキシド、或いは薬学的に許容されるそれらの塩又は溶媒和物、或いはそれらのグルクロニド誘導体、或いはそれらの共結晶も提供する。
【0014】
別の態様では、本発明は、炎症性若しくは自己免疫性障害、神経学的若しくは神経変性障害、疼痛若しくは侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害、又は腫瘍学的障害の処置及び/又は防止における使用のための、上で定義されている式(I)の化合物、又はそれらのN−オキシド、或いは薬学的に許容されるそれらの塩又は溶媒和物、或いはそれらのグルクロニド誘導体、或いはそれらの共結晶を提供する。
【0015】
本発明はまた、TNFα機能のモジュレーターの投与が適応される、障害を処置及び/又は防止するための方法であって、そのような処置を必要とする患者に、有効量の上で定義されている式(I)の化合物、又はそれらのN−オキシド、或いは薬学的に許容されるそれらの塩又は溶媒和物、或いはそれらのグルクロニド誘導体、或いはそれらの共結晶を投与するステップを含む、方法も提供する。
【0016】
別の態様では、本発明は、炎症性若しくは自己免疫性障害、神経学的若しくは神経変性障害、疼痛若しくは侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害、又は腫瘍学的障害を処置及び/又は防止するための方法であって、そのような処置を必要とする患者に、有効量の上で定義されている式(I)の化合物、又はそれらのN−オキシド、或いは薬学的に許容されるそれらの塩又は溶媒和物、或いはそれらのグルクロニド誘導体、或いはそれらの共結晶を投与するステップを含む、方法を提供する。
【0017】
上の式(I)の化合物中のいずれの基も、場合により置換されていると記載されている場合、この基は、無置換であってもよく、又は1つ又は複数の置換基によって置換されていてもよい。通常、こうした基は、無置換であるか、又は1つ若しくは2つの置換基により置換されていることになろう。
【0018】
医薬において使用する場合、式(I)の化合物の塩は、薬学的に許容される塩であろう。しかし、他の塩が、本発明において役に立つ化合物又はそれらの薬学的に許容される塩の調製に有用なことがある。薬学的に許容される塩の選択及び調製の基本となる標準原則は、例えば、薬学的な塩のハンドブック:特性、選択及び使用(Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties, Selection and Use)、P.H.Stahl&C.G. Wermuth(編)、Wiley−VCH、2002年において記載されている。本発明において役に立つ化合物の適切な薬学的に許容される塩には、例えば、本発明において役に立つ化合物の溶液と、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸又はリン酸などの薬学的に許容される酸の溶液とを混合することにより形成することができる、酸付加塩が含まれる。さらに、本発明において役に立つ化合物が酸性部分、例えば、カルボキシを有する場合、適切な薬学的に許容されるその塩には、アルカリ金属塩、例えばナトリウム又はカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム又はマグネシウム塩、アンモニウム塩、並びに適切な有機配位子と形成される塩、例えば四級アンモニウム塩及びメグルミン塩が含まれ得る。
【0019】
本発明は、その範囲内に、上の式(I)の化合物の溶媒和物を含む。こうした溶媒和物は、一般的な有機溶媒、例えばベンゼン又はトルエンなどの炭化水素溶媒、クロロホルム又はジクロロメタンなどのクロロ化溶媒、メタノール、エタノール又はイソプロパノールなどのアルコール性溶媒、ジエチルエーテル又はテトラヒドロフランなどのエーテル溶媒、酢酸エチルなどの又はエステル溶媒と形成することができる。或いは、式(I)の化合物の溶媒和物は、水と形成されてもよく、この場合、それらは水和物となろう。
【0020】
本発明はまた、その範囲内に共結晶も含む。技術用語「共結晶」は、中性分子の構成成分が、決まった化学量論量の比で結晶性化合物内に存在している状況を記載するために使用される。医薬品の共結晶の調製により、活性な医薬品成分の結晶形態に修飾を行うことが可能になり、ひいては、これにより、所期の生物活性を損なうことなく、その物理化学的特性を改変することができる(医薬品の塩及び共結晶(Pharmaceutical Salts and Co−crystals)、J.Wouters&L. Quere(編)、RSC Publishing、2012年を参照されたい)。活性な医薬品成分と一緒に共結晶中に存在し得る共結晶形成物の典型例には、L−アスコルビン酸、クエン酸、グルタル酸、尿素及びニコチンアミドが含まれる。
【0021】
本発明は、その範囲内に、上の式(I)の化合物のプロドラッグを含む。一般に、こうしたプロドラッグは、インビボで必要な式(I)の化合物に容易に変換可能な、式(I)の化合物の機能的誘導体であろう。適切なプロドラッグ誘導体の選択及び調製のための慣用的な手順は、例えばプロドラッグの設計(Design of Prodrugs)、H.Bundgaard、Elsevier(編)、1985年に記載されている。
【0022】
本発明に役に立つ化合物上で存在し得る適切なアルキル基は、直鎖及び分岐のC
1〜6アルキル基、例えばC
1〜4アルキルを含む。典型例には、メチル及びエチル基、及び直鎖又は分岐のプロピル、ブチル及びペンチル基が含まれる。具体的なアルキル基には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2,2−ジメチルプロピル及び3−メチルブチルが含まれる。したがって、「C
1〜6アルコキシ」、「C
1〜6アルキルチオ」、「C
1〜6アルキルスルホニル」及び「C
1〜6アルキルアミノ」などの誘導体化されている表現を考慮すべきである。
【0023】
「C
1〜4アルキレン鎖」という表現は、1〜4個の炭素原子を含有する、二価の直鎖又は分岐アルキレン鎖を指す。代表例には、メチレン、エチレン、メチルメチレン、エチルメチレン及びジメチルメチレンが含まれる。
【0024】
適切なC
2〜6アルケニル基には、ビニル及びアリルが含まれる。
【0025】
適切なC
2〜6アルキニル基には、エチニル、プロパルギル及びブチニルが含まれる。
【0026】
用語「C
3〜7シクロアルキル」とは、本明細書で使用する場合、飽和単環式炭化水素から誘導される、3〜7個の炭素原子からなる一価の基を指し、そのベンゾ縮合アナログを含むことができる。適切なC
3〜7シクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、ベンゾシクロブテニル、シクロペンチル、インダニル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルが含まれる。
【0027】
用語「C
4〜7シクロアルケニル」とは、本明細書で使用する場合、部分的に不飽和な単環式炭化水素から誘導される、4〜7個の炭素原子からなる、一価の基を指す。適切なC
4〜7シクロアルケニル基には、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル及びシクロヘプテニルが含まれる。
【0028】
用語「C
4〜9ビシクロアルキル」とは、本明細書で使用する場合、不飽和な二環式炭化水素から誘導される、4〜9個の炭素原子からなる、一価の基を指す。典型的なビシクロアルキル基には、ビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、ビシクロ[4.1.0]ヘプタニル及びビシクロ[2.2.2]オクタニルが含まれる。
【0029】
用語「アリール」とは、本明細書で使用する場合、単環芳香族又は縮合多環芳香族から誘導される、一価の炭素環式芳香族基を指す。適切なアリール基には、フェニル及びナフチル、好ましくはフェニルが含まれる。
【0030】
適切なアリール(C
1〜6)アルキル基には、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル及びナフチルメチルが含まれる。
【0031】
用語「C
3〜7ヘテロシクロアルキル」とは、本明細書で使用する場合、3〜7個の炭素原子と酸素、硫黄及び窒素から選択される少なくとも1個のヘテロ原子とを含有する、飽和単環式環を指し、そのベンゾ縮合アナログを含むことができる。適切なヘテロシクロアルキル基には、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ピロリジニル、インドリニル、イソインドリニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロピラニル、クロマニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル、ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリニル、ヘキサヒドロ−[1,2,5]チアジアゾロ[2,3−a]ピラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル、ベンゾオキサジニル、チオモルホリニル、アゼパニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、チアジアゼパニル及びアゾカニルが含まれる。
【0032】
用語「C
3〜7ヘテロシクロアルケニル」とは、本明細書で使用する場合、3〜7個の炭素原子と酸素、硫黄及び窒素から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、一不飽和又は多不飽和単環式環を指し、そのベンゾ縮合アナログを含むことができる。適切なヘテロシクロアルケニル基には、チアゾリニル、イソチアゾリニル、イミダゾリニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチオピラニル及び1,2,3,6−テトラヒドロピリジニルが含まれる。
【0033】
用語「C
4〜9ヘテロビシクロアルキル」は、本明細書で使用する場合、1個又は複数の炭素原子が、酸素、硫黄及び窒素から選択される1個又は複数のヘテロ原子により置きかえられている、C
4〜9ビシクロアルキルに相当する。典型的なヘテロビシクロアルキル基には、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、6−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタニル、3−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、2−オキサビシクロ[2.2.2]オクタニル、キヌクリジニル、2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、3−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8−アザビシクロ−[3.2.1]オクタニル、3−オキサ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3,6−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナニル、3−オキサ−7−アザビシクロ[3.3.1]ノナニル及び3,9−ジアザビシクロ[4.2.1]ノナニルが含まれる。
【0034】
用語「C
4〜9スピロヘテロシクロアルキル」とは、本明細書で使用する場合、4〜9個の炭素原子と酸素、硫黄及び窒素から選択される少なくとも1個のヘテロ原子とを含有する、飽和二環式環系であって、2つの環が共通の原子により連結されている、飽和二環式環系を指す。適切なスピロヘテロシクロアルキル基には、5−アザスピロ[2.3]ヘキサニル、5−アザスピロ[2.4]ヘプタニル、2−アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2−オキサ−6−アザスピロ[3.4]オクタニル、2−オキサ−6−アザスピロ[3.5]ノナニル、7−オキサ−2−アザスピロ[3.5]ノナニル、2−オキサ−7−アザスピロ[3.5]ノナニル及び2,4,8−トリアザスピロ[4.5]デカニルが含まれる。
【0035】
用語「ヘテロアリール」とは、本明細書で使用する場合、1つ又は複数の炭素原子が、酸素、硫黄及び窒素から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって置きかえられている、単環又は縮合多環から誘導される、少なくとも5個の原子を含有している一価の芳香族基を指す。適切なヘテロアリール基には、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、チエノ[2,3−c]ピラゾリル、チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシニル、ジベンゾチエニル、ピロリル、インドリル、ピロロ[2,3−b]ピリジニル、ピロロ[3,2−c]ピリジニル、ピロロ[3,4−b]ピリジニル、ピラゾリル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル、インダゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロインダゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、プリニル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、イミダゾ[1,2−a]ピラジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、ピリダジニル、シンノリニル、フタラジニル、ピリミジニル、キナゾリニル、ピラジニル、キノキサリニル、プテリジニル、トリアジニル及びクロメニル基が含まれる。
【0036】
用語「ハロゲン」とは、本明細書で使用する場合、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子、通常は、フッ素、塩素又は臭素を含むことが意図されている。
【0037】
式(I)の化合物が1個又は複数の不斉中心を有する場合、それらは、すなわち、鏡像異性体として存在し得る。本発明において役に立つ化合物が、2個以上の不斉中心を有する場合、それらは、ジアステレオマーとしてさらに存在することがある。本発明は、こうした鏡像異性体及びジアステレオマーのすべての使用、及び任意の比のそれらの混合物(ラセミ体を含む)に拡張されることを理解すべきである。式(I)、及びこれ以降に図示されている式は、特に明記又は示されていない限り、個々の立体異性体のすべて、及び可能なそれらの混合物のすべてを表すことが意図されている。さらに、式(I)の化合物は、互変異性体、例えばケト(CH
2C=O)⇔エノール(CH=CHOH)互変異性体又はアミド(NHC=O)⇔ヒドロキシイミン(N=COH)互変異性体として存在することがある。式(I)、及びこれ以降に図示されている式は、特に明記又は示されていない限り、個々の互変異性体のすべて、及び可能なそれらの混合物のすべてを表すことが意図されている。
【0038】
式(I)、これ以降に図示されている式に存在している個々の原子はそれぞれ、実際には、その天然同位体のいずれかの形態で存在していることがあることを理解すべきであり、最も豊富な同位体(単数又は複数)が好ましい。したがって、例として、式(I)、又はこれ以降に図示されている式に存在している個々の水素原子はそれぞれ、
1H、
2H(ジュウテリウム)又は
3H(トリチウム)原子、好ましくは
1Hとして存在し得る。同様に、例として、式(I)、又はこれ以降に図示されている式に存在している個々の炭素原子はそれぞれ、
12C、
13C又は
14C原子、好ましくは
12Cとして存在し得る。
【0039】
一態様では、本発明は、上で図示されている式(I)の化合物、又はそれらのN−オキシド、或いは薬学的に許容されるそれらの塩又は溶媒和物、或いはそれらのグルクロニド誘導体、或いはそれらの共結晶を提供し、式中、
Qは、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)(NR
5)−、−N(R
5)−、−C(O)N(R
5)−、−N(R
5)C(O)−、−S(O)
2N(R
5)−又は−N(R
5)S(O)
2−を表すか、又はQは、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)(NR
5)−、−N(R
5)−、−C(O)N(R
5)−、−N(R
5)C(O)−、−S(O)
2N(R
5)−及び−N(R
5)S(O)
2−から独立して選択される1つ、2つ又は3つのヘテロ原子含有連結基を場合により含む、場合により置換されている直鎖又は分岐C
1〜6アルキレン鎖を表し、
Zは、C
3〜7シクロアルキル、アリール、C
3〜7ヘテロシクロアルキル、C
3〜7ヘテロシクロアルケニル又はヘテロアリールを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよいか、又はZは、−Z
1−Z
2若しくは−Z
1−C(O)−Z
2を表し、これらの部分のどちらも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよく、
E、Y、R
1、R
2、R
3、R
5、Z
1及びZ
2は、上で定義されている通りである。
【0040】
本発明による化合物が、場合により置換されている直鎖又は分岐アルキレン鎖を含む場合、その通常の意味には、メチレン(−CH
2−)、(メチル)メチレン、エチレン(−CH
2CH
2−)、(エチル)メチレン、(ジメチル)メチレン、(メチル)エチレン、プロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)、(プロピル)メチレン及び(ジメチル)エチレンが含まれ、これらの鎖のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。好適には、こうした鎖は無置換、一置換又は二置換である。通常、こうした鎖は無置換又は一置換である。一実施形態では、こうした鎖は無置換である。別の実施形態では、こうした鎖は一置換である。さらなる実施形態では、こうした鎖は二置換である。
【0041】
本発明による化合物中に存在し得るアルキレン鎖上の通常の置換基の例には、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、オキソ、ヒドロキシ、C
1〜6アルコキシ、カルボキシ(C
1〜6)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6)アルキルアミノ、C
2〜6アルキルカルボニルアミノ、カルボキシ、ベンジルオキシカルボニル、テトラゾリル、アミノカルボニル、C
1〜6アルキルアミノカルボニル及びジ(C
1〜6)アルキルアミノカルボニルが含まれる。
【0042】
本発明による化合物中に存在し得るアルキレン鎖上の適切な置換基の具体例には、フルオロ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、メトキシ、カルボキシメトキシ、アミノ、アセチルアミノ、カルボキシ、ベンジルオキシカルボニル及びテトラゾリルが含まれる。
【0043】
第1の実施形態では、Eは、共有結合を表し、これにより整数Yは、イミダゾール環に直接、結合している。
【0044】
第2の実施形態では、Eは、−S(O)
2−又は−N(R
4)−を表す。その実施形態の第1の態様では、Eは−S(O)
2−を表す。その実施形態の第2の態様では、Eは−N(R
4)−を表す。
【0045】
第3の実施形態では、Eは、場合により置換されている直鎖又は分岐C
1〜4アルキレン鎖を表す。その実施形態の第1の態様では、Eは、場合により置換されているメチレン(−CH
2−)連結基を表す。その実施形態の第2の態様では、Eは、場合により置換されている(メチル)メチレン連結基を表す。その実施形態の第3の態様では、Eは、場合により置換されている(エチル)メチレン連結基を表す。
【0046】
一般に、Eは、共有結合を表すか、又はEは、−N(R
4)−を表すか、又はEは、場合により置換されている直鎖又は分岐C
1〜4アルキレン鎖を表す。
【0047】
通常、Eは、−N(R
4)−を表すか、又はEは、場合により置換されている直鎖又は分岐C
1〜4アルキレン鎖を表す。
【0048】
好適には、Eは共有結合を表すか、又はEは−N(R
4)−を表すか、又はEは、メチレン(−CH
2−)、(メチル)メチレン又は(エチル)メチレンを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0049】
一般に、Eは、−N(R
4)−を表すか、又はEは、メチレン(−CH
2−)又は(エチル)メチレンを表し、これらの基のどちらも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0050】
適切には、Eは、−N(R
4)−、又は場合により置換されているメチレンを表す。
【0051】
Eにより表される連結基上の通常の置換基の選択される例には、ハロゲン、トリフルオロメチル、オキソ、ヒドロキシ、C
1〜6アルコキシ、カルボキシ(C
1〜6)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6)アルキルアミノ、C
2〜6アルキルカルボニルアミノ、カルボキシ、ベンジルオキシカルボニル及びテトラゾリルが含まれる。
【0052】
Eにより表される連結基上の通常の置換基の選択される具体例には、フルオロ、トリフルオロメチル、オキソ、ヒドロキシ、メトキシ、カルボキシメトキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アセチルアミノ、カルボキシ、ベンジルオキシカルボニル及びテトラゾリルが含まれる。
【0053】
Eの通常の意味には、−N(R
4)−、−CH
2−、−C(O)−、−CH(OCH
3)−、−CH(OCH
2CO
2H)−、−CH(NHCOCH
3)−、−CH(CO
2ベンジル)−、−CH(CH
3)−及び−CH(CH
2CH
3)−が含まれるか、又はEは、共有結合を表す。
【0054】
Eの例示的な意味には、−CH
2−及び−C(O)−が含まれる。
【0055】
Eの適切な意味には、−N(R
4)−及び−CH
2−が含まれる。一実施形態では、Eは−N(R
4)−を表す。別の実施形態では、Eは−CH
2−を表す。
【0056】
別の実施形態では、Eは−C(O)−を表す。
【0057】
別の実施形態では、Eは−CH(OCH
3)−を表す。
【0058】
追加的な実施形態では、Eは−CH(CH
3)−を表す。その実施形態の特定の態様では、Eにより表される−CH(CH
3)−連結基は、(S)の立体化学配置にある。
【0059】
さらなる実施形態では、Eは−CH(CH
2CH
3)−を表す。
【0060】
第1の実施形態では、Qは、共有結合を表し、これにより、整数Zは、イミダゾール環に直接、結合している。
【0061】
第2の実施形態では、Qは、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)(NR
5)−、−N(R
5)−、−C(O)N(R
5)−、−N(R
5)C(O)−、−S(O)
2N(R
5)−又は−N(R
5)S(O)
2−を表す。その実施形態の第1の態様では、Qは−O−を表す。その実施形態の第2の態様では、Qは−S−を表す。その実施形態の第3の態様では、Qは−S(O)−を表す。その実施形態の第4の態様では、Qは−S(O)
2−を表す。その実施形態の第5の態様では、Qは−S(O)(NR
5)−を表す。その実施形態の第6の態様では、Qは−N(R
5)−を表す。その実施形態の第7の態様では、Qは−C(O)N(R
5)−を表す。その実施形態の第8の態様では、Qは−N(R
5)C(O)−を表す。その実施形態の第9の態様では、Qは−S(O)
2N(R
5)−を表す。その実施形態の第10の態様では、Qは−N(R
5)S(O)
2−を表す。
【0062】
第3の実施形態では、Qは、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)(NR
5)−、−N(R
5)−、−C(O)N(R
5)−、−N(R
5)C(O)−、−S(O)
2N(R
5)−及び−N(R
5)S(O)
2−から独立して選択される1つ、2つ又は3つのヘテロ原子含有連結基を場合により含む、場合により置換されている直鎖又は分岐C
1〜6アルキレン鎖を表す。その実施形態の第1の態様では、Qは、場合により置換されている直鎖又は分岐C
1〜6アルキレン鎖を表す。その実施形態の第2の実施形態では、Qは、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)(NR
5)−、−N(R
5)−、−C(O)N(R
5)−、−N(R
5)C(O)−、−S(O)
2N(R
5)−及び−N(R
5)S(O)
2−から独立して選択される1つのヘテロ原子含有連結基を含む、場合により置換されている直鎖又は分岐C
1〜6アルキレン鎖を表す。その実施形態の第3の実施形態では、Qは、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)(NR
5)−、−N(R
5)−、−C(O)N(R
5)−、−N(R
5)C(O)−、−S(O)
2N(R
5)−及び−N(R
5)S(O)
2−から独立して選択される2つのヘテロ原子含有連結基を含む、場合により置換されている直鎖又は分岐C
1〜6アルキレン鎖を表す。その実施形態の第4の実施形態では、Qは、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)(NR
5)−、−N(R
5)−、−C(O)N(R
5)−、−N(R
5)C(O)−、−S(O)
2N(R
5)−及び−N(R
5)S(O)
2−から独立して選択される3つのヘテロ原子含有連結基を含む、場合により置換されている直鎖又は分岐C
1〜6アルキレン鎖を表す。その実施形態の第5の態様では、Qは、−O−、−S−、−N(R
5)−、−C(O)N(R
5)−及び−N(R
5)C(O)−から独立して選択される1つ、2つ又は3つのヘテロ原子含有連結基を含む、場合により置換されている直鎖又は分岐C
1〜6アルキレン鎖を表す。
【0063】
通常、Qは共有結合を表すか、又はQは、−S(O)−又は−S(O)
2−を表すか、又はQは、−O−、−S−、−N(R
5)−、−C(O)N(R
5)−及び−N(R
5)C(O)−から選択される1つ又は2つのヘテロ原子含有連結基を場合により含む、場合により置換されている直鎖又は分岐C
1〜6アルキレン鎖を表す。
【0064】
Qによって表される連結基上の通常の置換基の選択例には、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C
1〜6アルコキシ及びアミノが含まれる。
【0065】
Qによって表される連結基上の通常の置換基の具体例には、フルオロ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、メトキシ及びアミノが含まれる。
【0066】
好適には、Qは共有結合を表すか、又はQは−S(O)−、−S(O)
2−又は−N(R
5)−を表すか、又はQは−CH
2−、−CH(F)−、−CF
2−、−CH(CN)−、−CH(CH
3)−、−CH(OH)−、−CH(CH
2OH)−、−CH(OCH
3)−、−CH(NH
2)−、−CH
2CH
2−、−CH(OH)CH
2−、−CH(OH)CF
2−、−CH(OCH
3)CH
2−、−CH
2O−、−CH(CH
3)O−、−C(CH
3)
2O−、−CH(CH
2CH
3)O−、−CH(CF
3)O−、−CH
2S−、−CH
2S(O)−、−CH
2S(O)
2−、−CH
2N(R
5)−、−CH
2CH
2CH
2−、−CH(OH)CH
2CH
2−、−CH(OCH
3)CH
2CH
2−、−CH
2CH
2O−、−CH
2OCH
2−、−CH
2OCH(F)−、−CH
2OCF
2−、−CH
2OCH(CH
3)−、−CH(CH
3)OCH
2−、−CH
2OC(CH
3)
2−、−C(CH
3)
2OCH
2−、−CH
2SCH
2−、−CH
2S(O)CH
2−、−CH
2S(O)
2CH
2−、−CH
2CH
2N(R
5)−、−CH
2N(R
5)CH
2−、−CH
2N(R
5)C(O)−、−CH
2CH
2OCH
2−、−CH
2CH
2N(R
5)C(O)−、−CH
2OCH
2CH
2−、−CH
2OCH
2CF
2−、−CH
2OCH
2CH(CH
3)−、−CH
2OCH(CH
3)CH
2−、−CH
2OC(CH
3)
2CH
2−、−CH
2OCH
2CH(CH
3)CH
2−、−CH
2OCH
2CH
2O−、−CH
2OCH
2C(O)N(R
5)−又は−CH
2OCH
2CH
2OCH
2−を表す。
【0067】
適切には、Qは共有結合を表すか、又はQは、−CH
2−、−CH(CN)−、−CH(OH)−、−CH(OCH
3)−、−CH
2O−、−CH
2N(R
5)−又は−CH
2OCH
2−を表す。
【0068】
とりわけ、Qは共有結合を表すか、又はQは、−CH
2−、−CH
2O−又は−CH
2OCH
2−を表す。
【0069】
Qの具体的な意味には、−CH
2−、−CH(OH)−、−CH
2O−、−CH
2S−及び−CH
2OCH
2−が含まれる。第1の実施形態では、Qは−CH
2−を表す。第2の実施形態では、Qは−CH(OH)−を表す。第3の実施形態では、Qは−CH
2O−を表す。第4の実施形態では、Qは−CH
2S−を表す。第5の実施形態では、Qは−CH
2OCH
2−を表す。
【0070】
一般に、Yは、C
3〜7シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0071】
通常、Yは、アリール又はヘテロアリールを表し、これらの基のどちらも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0072】
第1の実施形態では、Yは、場合により置換されているC
3〜7シクロアルキルを表す。その実施形態の一態様では、Yは、C
3〜7シクロアルキルを表す。その実施形態の別の態様では、Yは、一置換C
3〜7シクロアルキルを表す。その実施形態のさらなる態様では、Yは、二置換C
3〜7シクロアルキルを表す。
【0073】
第2の実施形態では、Yは、場合により置換されているアリールを表す。その実施形態の一態様では、Yは、無置換アリールを表す。その実施形態の別の態様では、Yは、一置換アリールを表す。その実施形態のさらなる態様では、Yは、二置換アリールを表す。
【0074】
第3の実施形態では、Yは、場合により置換されているC
3〜7ヘテロシクロアルキルを表す。その実施形態の一態様では、Yは、無置換C
3〜7ヘテロシクロアルキルを表す。その実施形態の別の態様では、Yは、一置換C
3〜7ヘテロシクロアルキルを表す。その実施形態のさらなる態様では、Yは、二置換C
3〜7ヘテロシクロアルキルを表す。
【0075】
第4の実施形態では、Yは、場合により置換されているヘテロアリールを表す。その実施形態の一態様では、Yは、無置換ヘテロアリールを表す。その実施形態の別の態様では、Yは、一置換ヘテロアリールを表す。その実施形態のさらなる態様では、Yは、二置換ヘテロアリールを表す。
【0076】
好適には、Yは、ベンゾシクロブテニル、フェニル、チエニル、チアゾリル又はピリジニルを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0077】
適切には、Yは、フェニル、チエニル又はチアゾリルを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0078】
適切には、Yはフェニルを表し、このフェニルは、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0079】
部分Y上に存在し得る任意選択の置換基の例には、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1〜6アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C
1〜6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C
1〜6アルキルチオ、C
1〜6アルキルスルフィニル、C
1〜6アルキルスルホニル、(C
1〜6)アルキルスルホニルオキシ、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6)アルキルアミノ、アリールアミノ、C
2〜6アルキルカルボニルアミノ、C
1〜6アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C
2〜6アルキルカルボニル、C
3〜6シクロアルキルカルボニル、C
3〜6ヘテロシクロアルキルカルボニル、カルボキシ、C
2〜6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1〜6アルキルアミノカルボニル、ジ(C
1〜6)アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C
1〜6アルキルアミノスルホニル及びジ(C
1〜6)アルキルアミノスルホニルから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基が含まれる。
【0080】
部分Y上の任意選択の置換基の典型例には、ハロゲン、シアノ及びジフルオロメトキシが含まれる。
【0081】
部分Y上の任意選択の置換基の適切な例には、ハロゲン及びジフルオロメトキシ、とりわけハロゲンが含まれる。
【0082】
部分Y上の具体的な置換基の例には、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、メチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、メチルスルホニルオキシ、アミノ、メチルアミノ、tert−ブチルアミノ、ジメチルアミノ、フェニルアミノ、アセチルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ホルミル、アセチル、シクロプロピルカルボニル、アゼチジニルカルボニル、ピロリジニルカルボニル、ピペリジニルカルボニル、ピペラジニルカルボニル、モルホリニルカルボニル、カルボキシ、メトキシカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル及びジメチルアミノスルホニルが含まれる。
【0083】
部分Y上の具体的な置換基の典型例には、フルオロ、クロロ、シアノ及びジフルオロメトキシが含まれる。
【0084】
部分Y上の具体的な置換基の適切な例には、クロロ及びジフルオロメトキシ、とりわけクロロが含まれる。
【0085】
Yの通常の意味には、ベンゾシクロブテニル、フェニル、フルオロフェニル(2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル及び4−フルオロフェニルを含む)、クロロフェニル(2−クロロフェニル、3−クロロフェニル及び4−クロロフェニルを含む)、ジフルオロフェニル(2,6−ジフルオロフェニルを含む)、(クロロ)(フルオロ)フェニル(5−クロロ−2−フルオロフェニル及び2−クロロ−5−フルオロフェニルを含む)、ジクロロフェニル(2,5−ジクロロフェニル及び2,6−ジクロロフェニルを含む)、メチルフェニル(4−メチルフェニルを含む)、ジメチルフェニル(2,5−ジメチルフェニル及び2,6−ジメチルフェニルを含む)、(トリフルオロメチル)フェニル[2−(トリフルオロメチル)フェニルを含む]、(クロロ)(トリフルオロメチル)フェニル[5−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニルを含む]、(メチル)(トリフルオロメチル)フェニル[2−メチル−5−(トリフルオロメチル)フェニルを含む]、ビス(トリフルオロメチル)フェニル[2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルを含む]、メトキシフェニル(2−メトキシフェニルを含む)、(ジフルオロメトキシ)フェニル[2−(ジフルオロメトキシ)フェニル及び3−(ジフルオロメトキシ)フェニルを含む]、(ジフルオロメトキシ)(フルオロ)フェニル[2−(ジフルオロメトキシ)−5−フルオロフェニル及び2−(ジフルオロメトキシ)−6−フルオロフェニルを含む]、(クロロ)(ジフルオロメトキシ)フェニル[5−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニル及び6−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニルを含む]、(シアノ)(ジフルオロメトキシ)フェニル[6−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)フェニルを含む]、(トリフルオロメトキシ)フェニル[2−(トリフルオロメトキシ)フェニルを含む]、メチルスルホニルオキシフェニル、(アミノ)(クロロ)フェニル(5−アミノ−2−クロロフェニルを含む)、メチルチエニル(3−メチルチエン−2−イルを含む)、メチルチアゾリル(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イルを含む)、(クロロ)(メチル)チアゾリル(5−クロロ−2−メチル−1,3−チアゾール−4−イルを含む)、ジメチルチアゾリル(2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イルを含む)及びピリジニル(ピリジン−3−イル及びピリジン−4−イルを含む)が含まれる。
【0086】
Yの選択される意味には、ジクロロフェニル、ジメチルフェニル、(ジフルオロメトキシ)フェニル、(ジフルオロメトキシ)(フルオロ)フェニル、メチルスルホニルオキシフェニル、メチルチエニル及びジメチルチアゾリルが含まれる。
【0087】
Yの例示的な意味には、ジクロロフェニル及び(ジフルオロメトキシ)フェニルが含まれる。
【0088】
一実施形態では、Yは、2,5−ジクロロフェニルを表す。
【0089】
別の実施形態では、Yは、2,5−ジメチルフェニルを表す。
【0090】
特定の実施形態では、Yは、2−(ジフルオロメトキシ)フェニルを表す。
【0091】
別の実施形態では、Yは、(ジフルオロメトキシ)(フルオロ)フェニルを表す。
【0092】
別の実施形態では、Yは、3−メチルチエン−2−イルを表す。
【0093】
別の実施形態では、Yは、2,4−ジメチル−1,3−チアゾール−5−イルを表す。
【0094】
一実施形態では、Zは水素である。
【0095】
別の実施形態では、Zは水素以外である。
【0096】
選択される実施形態では、Zは水素を表すか、又はZは、C
1〜6アルキル、C
3〜7シクロアルキル、アリール、C
3〜7ヘテロシクロアルキル、C
3〜7ヘテロシクロアルケニル又はヘテロアリールを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよいか、又はZは、−Z
1−Z
2又は−Z
1−C(O)−Z
2を表し、これらの部分のどちらも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0097】
さらなる実施形態では、Zは、C
1〜6アルキル、C
3〜7シクロアルキル、アリール、C
3〜7ヘテロシクロアルキル、C
3〜7ヘテロシクロアルケニル又はヘテロアリールを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよいか、又はZは、−Z
1−Z
2若しくは−Z
1−C(O)−Z
2を表し、これらの部分のどちらも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0098】
好適には、Zは水素を表すか、又はZは、C
1〜6アルキル、アリール又はヘテロアリールを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよいか、又はZは、−Z
1−Z
2を表し、この部分は、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0099】
一般に、Zは水素を表すか、又はZは、C
1〜6アルキルを表し、この基は、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0100】
通常、Zは、水素、フルオロ又はトリフルオロメチルを表し、又はZはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、インドリニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、モルホリニル、アゾカニル、チアゾリニル、フリル、チエニル、ピラゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロインダゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジニル、テトラゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、ピリミジニル又はピラジニルを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよいか、又はZは、−Z
1−Z
2又は−Z
1−C(O)−Z
2を表し、これらの部分のどちらも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0101】
適切には、Zは水素を表すか、又はZは、メチル、フェニル又はピリジニルを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0102】
一般に、Zは水素を表すか、又はZはメチルを表し、この基は、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0103】
部分Z
1は、アリール、C
3〜7ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリール基から生じる二価ラジカルを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。通常、部分Z
1は、フェニル、ピロリジニル、ピペラジニル、ピラゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル又はピリジニル基から誘導される二価ラジカルを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。部分Z
1の通常の意味には、式(Za)、(Zb)、(Zc)、(Zd)、(Ze)、(Zf)、(Zg)、(Zh)、(Zj)及び(Zk)の基:
【化2】
(式中、
記号#は、分子の残りへの、部分Z
1の結合点を表し、
アスタリスク(
*)は、任意選択の置換基の結合部位を表す)
が含まれる。
【0104】
部分Z
1の具体的な意味には、上で図示されている式(Za)、(Zc)、(Ze)、(Zf)、(Zg)、(Zh)及び(Zj)の基が含まれる。
【0105】
部分Z
2は、アリール、C
3〜7ヘテロシクロアルキル、C
3〜7ヘテロシクロアルケニル又はヘテロアリールを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。通常、Z
2は、フェニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、イミダゾリニル、チアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル又はピリジニルを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0106】
部分Z、Z
1又はZ
2上に存在し得る任意選択の置換基の例には、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1〜6アルキル、トリフルオロメチル、オキソ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C
1〜6)アルキル、C
1〜6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C
1〜3アルキレンジオキシ、C
1〜6アルキルチオ、C
1〜6アルキルスルフィニル、C
1〜6アルキルスルホニル、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6)アルキルアミノ、ジ(C
1〜6)アルキルアミノ(C
1〜6)アルキル、C
2〜6アルキルカルボニルアミノ、C
1〜6アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C
2〜6アルキルカルボニル、カルボキシ、C
2〜6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1〜6アルキルアミノカルボニル、ジ(C
1〜6)アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C
1〜6アルキルアミノスルホニル、ジ(C
1〜6)アルキルアミノスルホニル、アミノカルボニルアミノ及びヒドラジノカルボニルから独立して選択される、1つ、2つ又は3つの置換基が含まれる。
【0107】
Z、Z
1又はZ
2上の任意選択の置換基の典型例には、C
1〜6アルコキシ及びアミノカルボニルから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基が含まれる。
【0108】
部分Z、Z
1又はZ
2上の具体的な置換基の例には、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、オキソ、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチレンジオキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アミノ、メチルアミノ、tert−ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、アセチルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ホルミル、アセチル、カルボキシ、メトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、アミノカルボニルアミノ及びヒドラジノカルボニルが含まれる。
【0109】
Z、Z
1又はZ
2上の具体的な置換基の典型例には、メトキシ及びアミノカルボニルから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基が含まれる。
【0110】
Z
2の通常の意味には、フェニル、ヒドロキシフェニル、オキソピロリジニル、ジオキソピロリジニル、(ヒドロキシ)(オキソ)ピロリジニル、(アミノ)(オキソ)ピロリジニル、(オキソ)オキサゾリジニル、オキソイミダゾリジニル、モルホリニル、イミダゾリニル、メチルチアゾリル、ホルミルチアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル及びピリジニルが含まれる。
【0111】
Z
2の選択される意味には、オキソピロリジニル及び(オキソ)オキサゾリジニルが含まれる。一実施形態では、Z
2は、オキソピロリジニルを表す。別の実施形態では、Z
2は、(オキソ)オキサゾリジニルを表す。
【0112】
Zの通常の意味には、水素、フルオロ、トリフルオロメチル、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オキソシクロヘキシル、フェニル、ブロモフェニル、シアノフェニル、ニトロフェニル、メトキシフェニル、ジフルオロメトキシフェニル、トリフルオロメトキシフェニル、メチレンジオキシフェニル、メチルスルホニルフェニル、ジメチルアミノフェニル、アセチルアミノフェニル、メチルスルホニルアミノフェニル、カルボキシフェニル、アミノカルボニルフェニル、メチルアミノカルボニルフェニル、ジメチルアミノカルボニルフェニル、アミノカルボニルアミノフェニル、テトラヒドロフラニル、オキソピロリジニル、ジメチルアミノピロリジニル、tert−ブトキシカルボニルピロリジニル、インドリニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、エチルピペリジニル、tert−ブトキシカルボニルピペリジニル、アミノカルボニルピペリジニル、2−オキソ−3,4−ジヒドロキノリニル、モルホリニル、アゾカニル、オキソチアゾリニル、フリル、ヒドロキシメチルフリル、チエニル、メチルピラゾリル、ジメチルピラゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロインダゾリル、ベンゾオキサゾリル、メチルイソオキサゾリル、ジメチルイソオキサゾリル、メチルチアゾリル、アミノチアゾリル、ベンゾチアゾリル、メチルベンゾチアゾリル、アミノベンゾチアゾリル、イミダゾリル、メチルイミダゾリル、メチルベンゾイミダゾリル、ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジニル、ジメチルアミノエチルテトラゾリル、ピリジニル、フルオロピリジニル、クロロピリジニル、シアノピリジニル、メチルピリジニル、(シアノ)(メチル)ピリジニル、トリフルオロメチルピリジニル、オキソピリジニル、メトキシピリジニル、メチル−スルホニルピリジニル、ジメチルアミノメチルピリジニル、アセチルアミノピリジニル、カルボキシピリジニル、メトキシカルボニルピリジニル、アミノカルボニルピリジニル、(アミノカルボニル)(フルオロ)ピリジニル、メチルアミノカルボニルピリジニル、ジメチルアミノカルボニルピリジニル、ヒドラジノカルボニルピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、(メチル)(オキソ)フタラジニル、ピリミジニル、ピラジニル、オキソピロリジニルフェニル、ジオキソピロリジニルフェニル、(ヒドロキシ)(オキソ)ピロリジニルフェニル、(アミノ)(オキソ)ピロリジニルフェニル、(オキソ)オキサゾリジニルフェニル、オキソイミダゾリジニルフェニル、イミダゾリニルフェニル、メチルチアゾリルフェニル、ホルミルチアゾリルフェニル、イミダゾリルフェニル、テトラゾリルフェニル、フェニルピロリジニル、ヒドロキシフェニルピペラジニル、(メチル)(フェニル)ピラゾリル、オキソイミダゾリジニルチアゾリル、ヒドロキシフェニルトリアゾリル、モルホリニルテトラゾリル、オキソピロリジニルピリジニル、(オキソ)オキサゾリジニルピリジニル、オキソイミダゾリジニル−ピリジニル、ピリジニルチアゾリル、ピリジニルテトラゾリル及びモルホリニルカルボニルフェニルが含まれる。
【0113】
Zの具体的な意味には、水素、メチル、メチルスルホニルフェニル、アミノ−カルボニルフェニル、ピリジニル、メトキシピリジニル、メチルスルホニルピリジニル、オキソピロリジニルフェニル、(ヒドロキシ)(オキソ)ピロリジニルフェニル及び(オキソ)オキサゾリジニルフェニルが含まれる。
【0114】
Zの選択される意味には、水素及びメチルが含まれる。
【0115】
第1の実施形態では、Zは水素を表す。第2の実施形態では、Zはメチルを表す。第3の実施形態では、Zはメチルスルホニルフェニルを表す。その実施形態の一態様では、Zは3−(メチルスルホニル)フェニルを表す。その実施形態の別の態様では、Zは4−(メチルスルホニル)フェニルを表す。第4の実施形態では、Zはアミノカルボニルフェニルを表す。その実施形態の一態様では、Zは、4−(アミノカルボニル)フェニルを表す。第5の実施形態では、Zは、ピリジニルを表す。その実施形態の一態様では、Zは、ピリジン−3−イルを表す。その実施形態の別の態様では、Zは、ピリジン−4−イルを表す。第6の実施形態では、Zは、メトキシピリジニルを表す。その実施形態の一態様では、Zは、6−メトキシピリジン−3−イルを表す。第7の実施形態では、Zは、メチルスルホニルピリジニルを表す。第8の実施形態では、Zは、オキソピロリジニルフェニルを表す。その実施形態の一態様では、Zは、3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)フェニルを表す。第9の実施形態では、Zは、(ヒドロキシ)(オキソ)ピロリジニルフェニルを表す。その実施形態の一態様では、Zは、3−(3−ヒドロキシ−2−オキソピロリジン−1−イル)フェニルを表す。その実施形態の別の態様では、Zは、3−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−ピロリジン−1−イル)フェニルを表す。第10の実施形態では、Zは、(オキソ)オキサゾリジニルフェニルを表す。その実施形態の一態様では、Zは、3−(2−オキソ−オキサゾリジニル−3−イル)フェニルを表す。
【0116】
好適には、R
1は、水素、−SO
2R
a、−COR
d、−CO
2R
d若しくは−CONR
bR
cを表すか、又はR
1は、C
1〜6アルキル若しくはヘテロアリールを表し、これらの基のどちらも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0117】
好適には、R
2及びR
3は、水素、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル又は−CO
2R
d;又はC
1〜6アルキル、C
2〜6アルキニル、アリール、C
3〜7ヘテロシクロアルキル、C
3〜7ヘテロシクロアルケニル、ヘテロアリール、(C
3〜7)ヘテロシクロアルキル(C
1〜6)アルキル−アリール−、ヘテロアリール(C
3〜7)ヘテロシクロアルキル−、(C
3〜7)シクロアルキル−ヘテロアリール−、(C
3〜7)シクロアルキル(C
1〜6)アルキル−ヘテロアリール−、(C
4〜7)シクロアルケニル−ヘテロアリール−、(C
4〜9)ビシクロアルキル−ヘテロアリール−、(C
3〜7)ヘテロシクロアルキル−ヘテロアリール−、(C
3〜7)ヘテロシクロアルキル(C
1〜6)アルキル−ヘテロアリール−、(C
3〜7)ヘテロシクロアルケニル−ヘテロアリール−、(C
4〜9)ヘテロビシクロアルキル−ヘテロアリール−又は(C
4〜9)スピロヘテロシクロアルキル−ヘテロアリール−を独立して表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0118】
R
1、R
2又はR
3上に存在し得る任意選択の置換基の例には、ハロゲン、ハロ(C
1〜6)アルキル、シアノ、シアノ(C
1〜6)アルキル、ニトロ、ニトロ(C
1〜6)アルキル、C
1〜6アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、C
2〜6アルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C
1〜6)アルキル、C
1〜6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、カルボキシ(C
3〜7)シクロアルキルオキシ、C
1〜3アルキレンジオキシ、C
1〜6アルコキシ(C
1〜6)アルキル、C
1〜6アルキルチオ、C
1〜6アルキルスルフィニル、C
1〜6アルキルスルホニル、(C
1〜6)アルキルスルホニル(C
1〜6)アルキル、オキソ、アミノ、アミノ(C
1〜6)アルキル、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6)アルキルアミノ、ヒドロキシ(C
1〜6)アルキルアミノ、C
1〜6アルコキシアミノ、(C
1〜6)アルコキシ(C
1〜6)アルキルアミノ、[(C
1〜6)アルコキシ](ヒドロキシ)(C
1〜6)アルキルアミノ、[(C
1〜6)アルキルチオ](ヒドロキシ)(C
1〜6)アルキルアミノ、N−[(C
1〜6)アルキル]−N−[ヒドロキシ(C
1〜6)アルキル]アミノ、ジ(C
1〜6)アルキルアミノ(C
1〜6)アルキルアミノ、N−[ジ(C
1〜6)アルキルアミノ(C
1〜6)アルキル]−N−[ヒドロキシ(C
1〜6)アルキル]アミノ、ヒドロキシ(C
1〜6)アルキル(C
3〜7)シクロアルキルアミノ、(ヒドロキシ)[(C
3〜7)シクロアルキル(C
1〜6)アルキル]アミノ、(C
3〜7)ヘテロシクロアルキル(C
1〜6)アルキルアミノ、オキソ(C
3〜7)ヘテロシクロアルキル(C
1〜6)アルキルアミノ、(C
1〜6)アルキルヘテロアリールアミノ、ヘテロアリール(C
1〜6)アルキルアミノ、(C
1〜6)アルキルヘテロアリール(C
1〜6)アルキルアミノ、C
2〜6アルキルカルボニルアミノ、N−[(C
1〜6)アルキル]−N−[(C
2〜6)アルキルカルボニル]アミノ、(C
2〜6)アルキルカルボニルアミノ(C
1〜6)アルキル、C
3〜6アルケニルカルボニルアミノ、ビス[(C
3〜6)アルケニルカルボニル]アミノ、N−[(C
1〜6)アルキル]−N−[(C
3〜7)シクロアルキルカルボニル]アミノ、C
2〜6アルコキシカルボニルアミノ、C
2〜6アルコキシカルボニル(C
1〜6)アルキルアミノ、C
1〜6アルキルアミノカルボニルアミノ、C
1〜6アルキルスルホニルアミノ、N−[(C
1〜6)アルキル]−N−[(C
1〜6)アルキルスルホニル]アミノ、ビス[(C
1〜6)アルキルスルホニル]アミノ、N−[(C
1〜6)アルキル]−N−[カルボキシ(C
1〜6)アルキル]アミノ、カルボキシ(C
3〜7)シクロアルキルアミノ、カルボキシ(C
3〜7)シクロアルキル(C
1〜6)アルキルアミノ、ホルミル、C
2〜6アルキルカルボニル、(C
3〜7)シクロアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、(C
2〜6)アルキルカルボニルオキシ(C
1〜6)アルキル、カルボキシ、カルボキシ(C
1〜6)アルキル、C
2〜6アルコキシカルボニル、C
2〜6アルコキシカルボニル(C
1〜6)アルキル、モルホリニル(C
1〜6)アルコキシカルボニル、C
2〜6アルコキシカルボニルメチリデニル、カルボン酸等配電子体若しくはプロドラッグ部分Ω、−(C
1〜6)アルキル−Ω、アミノカルボニル、C
1〜6アルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ(C
1〜6)アルキルアミノカルボニル、ジ(C
1〜6)アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル(C
1〜6)アルキル、アミノスルホニル、ジ(C
1〜6)アルキルアミノスルホニル、(C
1〜6)アルキルスルホキシイミニル及び[(C
1〜6)アルキル][N−(C
1〜6)アルキル]−スルホキシイミニルから独立して選択される、1つ、2つ又は3つの置換基が含まれる。
【0119】
「カルボン酸等配電子体又はプロドラッグ部分」という表現とは、カルボン酸部分とは構造的に異なる任意の官能基であって、生物系により、カルボン酸部分に類似しているものと認識され、こうしてカルボン酸部分を模倣することができるか、又はインビボの生物系によりカルボン酸部分に容易に変換可能となる官能基を意味する。ある共通のカルボン酸等配電子体の概要は、N.A.MeanwellによりJ.Med.Chem.、2011年、54巻、2529〜2591頁(特に、
図25及び26を参照されたい)において示されている。代替的なカルボン酸等配電子体は、N Pembertonらにより、ACS Med.Chem.Lett.、2012年、3巻、574〜578頁に記載されている。Ωによって表される適切なカルボン酸等配電子体又はプロドラッグ部分の典型例は、式(i)〜(xliii)の官能基:
【化3-1】
【化3-2】
(式中、
アスタリスク(
*)は、分子の残りへの結合部位を表し、
nは0、1又は2であり、
Xは、酸素又は硫黄を表し、
R
fは、水素、C
1〜6アルキル又は−CH
2CH(OH)CH
2OHを表し、
R
gは、C
1〜6アルキル、トリフルオロメチル、−CH
2CH
2F、−CH
2CHF
2、−CH
2CF
3又は−CF
2CF
3を表し、
R
hは、水素、シアノ又は−CO
2R
dを表し、R
dは上で定義されている通りであり、
R
jは、水素又はハロゲンを表す)
を含む。
【0120】
一実施形態では、nは0である。別の実施形態では、nは1である。さらなる実施形態では、nは2である。
【0121】
一実施形態では、Xは酸素を表す。別の実施形態では、Xは硫黄を表す。
【0122】
一実施形態では、R
fは水素を表す。別の実施形態では、R
fはC
1〜6アルキル、とりわけメチルを表す。さらなる実施形態では、R
fは、−CH
2CH(OH)CH
2OHである。
【0123】
一実施形態では、R
gはC
1〜6アルキル、とりわけメチルを表す。別の実施形態では、R
gは、トリフルオロメチル、−CH
2CH
2F、−CH
2CHF
2、−CH
2CF
3又は−CF
2CF
3を表す。その実施形態の第1の態様では、R
gはトリフルオロメチルを表す。その実施形態の第2の態様では、R
gは−CH
2CH
2Fを表す。その実施形態の第3の態様では、R
gは−CH
2CHF
2を表す。その実施形態の第4の態様では、R
gは−CH
2CF
3を表す。その実施形態の第5の態様では、R
gは−CF
2CF
3を表す。
【0124】
一実施形態では、R
hは水素である。別の実施形態では、R
hはシアノを表す。さらなる実施形態では、R
hは、−CO
2R
d、とりわけメトキシカルボニルを表す。
【0125】
一実施形態では、R
jは水素を表す。別の実施形態では、R
jは、ハロゲン、とりわけクロロを表す。
【0126】
選択される実施形態では、Ωは、テトラゾリル、とりわけ上に図示されている式(xxiv)又は(xxv)のC連結テトラゾリル部分、特に上で図示されている式(xxiv)の基を表す。
【0127】
別の実施形態では、Ωは、C
1〜6アルキルスルホニルアミノカルボニル、すなわち、R
gがC
1〜6アルキルを表す、上で図示されている式(iii)の部分を表す。
【0128】
別の実施形態では、Ωは、C
1〜6アルキルアミノスルホニル、すなわちR
gがC
1〜6アルキルを表す、上で図示されている式(x)の部分を表す。
【0129】
さらなる実施形態では、Ωは、(C
1〜6)アルキルカルボニルアミノスルホニル、すなわちR
gがC
1〜6アルキルを表す、上で図示されている式(v)の部分を表す。
【0130】
R
1、R
2又はR
3上に存在し得る任意選択の置換基の典型例には、ハロゲン及びC
2〜6アルコキシカルボニルから独立して選択される、1つ、2つ又は3つの置換基が含まれる。
【0131】
R
1、R
2又はR
3上の具体的な置換基の例には、フルオロ、クロロ、ブロモ、フルオロメチル、フルオロイソプロピル、シアノ、シアノエチル、ニトロ、ニトロメチル、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、エテニル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシイソプロピル、メトキシ、イソプロポキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、カルボキシシクロブチルオキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、メトキシメチル、メトキシエチル、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、メチルスルホニルエチル、オキソ、アミノ、アミノメチル、アミノイソプロピル、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ヒドロキシエチルアミノ、ヒドロキシプロピルアミノ、(ヒドロキシ)(メチル)プロピルアミノ、メトキシアミノ、メトキシエチルアミノ、(ヒドロキシ)(メトキシ)(メチル)プロピルアミノ、(ヒドロキシ)(メチルチオ)ブチルアミノ、N−(ヒドロキシエチル)−N−(メチル)アミノ、ジメチルアミノエチルアミノ、(ジメチルアミノ)(メチル)プロピルアミノ、N−(ジメチルアミノエチル)−N−(ヒドロキシエチル)アミノ、ヒドロキシメチルシクロペンチルアミノ、ヒドロキシシクロブチルメチルアミノ、(シクロプロピル)(ヒドロキシ)プロピルアミノ、モルホリニルエチルアミノ、オキソピロリジニルメチルアミノ、エチルオキサジアゾリルアミノ、メチルチアジアゾリルアミノ、チアゾリルメチルアミノ、チアゾリルエチルアミノ、ピリミジニルメチルアミノ、メチルピラゾリルメチルアミノ、アセチルアミノ、N−アセチル−N−メチルアミノ、N−イソプロピルカルボニル−N−メチルアミノ、アセチルアミノメチル、エテニルカルボニルアミノ、ビス(エテニルカルボニル)アミノ、N−シクロプロピルカルボニル−N−メチルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ、メトキシカルボニルエチルアミノ、エチルアミノカルボニルアミノ、ブチルアミノカルボニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、N−メチル−N−(メチルスルホニル)アミノ、ビス(メチルスルホニル)アミノ、N−(カルボキシメチル)−N−メチルアミノ、N−(カルボキシエチル)−N−メチルアミノ、カルボキシシクロペンチルアミノ、カルボキシシクロプロピルメチルアミノ、ホルミル、アセチル、イソプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、フェニルカルボニル、アセトキシイソプロピル、カルボキシ、カルボキシメチル、カルボキシエチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルエチル、モルホリニルエトキシカルボニル、エトキシカルボニルメチリデニル、メチルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、メトキシアミノカルボニル、テトラゾリル、テトラゾリルメチル、ヒドロキシオキサジアゾリル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ヒドロキシエチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノカルボニルメチル、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、メチルスルホキシイミニル及び(メチル)(N−メチル)スルホキシイミニルが含まれる。
【0132】
R
1、R
2又はR
3上の具体的な置換基の典型例には、フルオロ及びエトキシカルボニルから独立して選択される1つ、2つ又は3つの置換基が含まれる。
【0133】
通常、R
1は、−SO
2R
a、−COR
d又は−CO
2R
dを表すか、又はR
1はC
1〜6アルキルを表し、この基は1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0134】
R
1上の任意選択の置換基の典型例には、ハロゲン及びC
2〜6アルコキシカルボニルが含まれる。
【0135】
R
1上の具体的な置換基の典型例には、フルオロ及びエトキシカルボニルが含まれる。
【0136】
R
1の通常の意味には、−SO
2R
a、−COR
d、−CO
2R
d、トリフルオロエチル及びエトキシカルボニルエチルが含まれる。
【0137】
通常、R
2は、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル又は−OR
aを表すか、又はR
2は、場合により置換されているC
1〜6アルキルを表す。
【0138】
R
2上の任意選択の置換基の典型例には、C
2〜6アルコキシカルボニルが含まれる。
【0139】
R
2上の具体的な置換基の典型例には、エトキシカルボニルが含まれる。
【0140】
第1の実施形態では、R
2は水素を表す。第2の実施形態では、R
2はハロゲンを表す。その実施形態の一態様では、R
1はフルオロを表す。その実施形態の別の態様では、R
2はクロロを表す。第3の実施形態では、R
2は、トリフルオロメチルを表す。第4の実施形態では、R
2は−OR
aを表す。第5の実施形態では、R
2は、場合により置換されているC
1〜6アルキルを表す。その実施形態の一態様では、R
2は無置換メチルを表す。その実施形態の別の態様では、R
2は無置換エチルを表す。その実施形態のさらなる態様では、R
2は一置換メチル又は一置換エチルを表す。
【0141】
R
2の通常の意味には、水素、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、−OR
a、メチル及びエトキシカルボニルエチルが含まれる。
【0142】
通常、R
3は、水素、ハロゲン又はC
1〜6アルキルを表す。
【0143】
第1の実施形態では、R
3は水素を表す。第2の実施形態では、R
3はハロゲンを表す。その実施形態の一態様では、R
3はフルオロを表す。第3の実施形態では、R
3は、C
1〜6アルキルを表す。その実施形態の一態様では、R
3はメチルを表す。その実施形態の別の態様では、R
3はエチルを表す。
【0144】
好適には、R
4は、水素又はメチルを表す。
【0145】
第1の実施形態では、R
4は水素を表す。第2の実施形態では、R
4は、C
1〜6アルキル、とりわけメチルを表す。
【0146】
好適には、R
5は、水素、メチル又はエチルを表す。
【0147】
第1の実施形態では、R
5は水素を表す。第2の実施形態では、R
5は、C
1〜6アルキル、とりわけメチル又はエチルを表す。その実施形態の一態様では、R
5はメチルを表す。その実施形態の別の態様では、R
5はエチルを表す。
【0148】
R
a、R
b、R
c、R
d若しくはR
e上、又は複素環式部分である−NR
bR
c上の適切な置換基の典型例には、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C
1〜6アルコキシ(C
1〜6)アルキル、C
1〜6アルキルチオ、C
1〜6アルキルスルフィニル、C
1〜6アルキルスルホニル、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C
1〜6)アルキル、アミノ(C
1〜6)アルキル、シアノ、トリフルオロメチル、オキソ、C
2〜6アルキルカルボニル、カルボキシ、C
2〜6アルコキシカルボニル、C
2〜6アルキルカルボニルオキシ、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6)アルキルアミノ、フェニルアミノ、ピリジニルアミノ、C
2〜6アルキルカルボニルアミノ、C
2〜6アルキルカルボニルアミノ(C
1〜6)アルキル、C
2〜6アルコキシカルボニルアミノ、C
1〜6アルキルスルホニルアミノ、アミノカルボニル、C
1〜6アルキルアミノカルボニル及びジ(C
1〜6)アルキルアミノカルボニルが含まれる。
【0149】
R
a、R
b、R
c、R
d若しくはR
e上、又は複素環式部分である−NR
bR
c上の特定の置換基の典型例には、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、イソプロポキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メトキシメチル、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、アミノメチル、シアノ、トリフルオロメチル、オキソ、アセチル、カルボキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、アセトキシ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、フェニルアミノ、ピリジニルアミノ、アセチルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ、アセチルアミノメチル、メチルスルホニルアミノ、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル及びジメチルアミノカルボニルが含まれる。
【0150】
好適には、R
aは、C
1〜6アルキル、アリール(C
1〜6)アルキル又はヘテロアリール(C
1〜6)アルキルを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0151】
選択されるR
aの意味には、メチル、エチル、ベンジル及びイソインドリルプロピルが含まれ、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0152】
R
a上の適切な置換基の選択される例には、C
1〜6アルコキシ及びオキソが含まれる。
【0153】
R
a上の特定の置換基の選択される例には、メトキシ及びオキソが含まれる。
【0154】
一実施形態では、R
aは、場合により置換されているC
1〜6アルキルを表す。その実施形態の一態様では、R
aは、無置換のC
1〜6アルキル、とりわけメチルを表すのが理想的である。その実施形態の別の態様では、R
aは、置換C
1〜6アルキル、例えばメトキシエチルを表すのが理想的である。別の実施形態では、R
aは、場合により置換されているアリールを表す。その実施形態の一態様では、R
aは、無置換のアリール、とりわけフェニルを表す。その実施形態の別の態様では、R
aは、一置換アリール、とりわけメチルフェニルを表す。別の実施形態では、R
aは、場合により置換されているアリール(C
1〜6)アルキル、理想的には、無置換のアリール(C
1〜6)アルキル、とりわけベンジルを表す。さらなる実施形態では、R
aは、場合により置換されているヘテロアリールを表す。さらなる実施形態では、R
aは、場合により置換されているヘテロアリール(C
1〜6)アルキル、例えばジオキソイソインドリルプロピルを表す。
【0155】
R
aの特定の意味には、メチル、メトキシエチル、ベンジル及びジオキソイソインドリルプロピルが含まれる。
【0156】
特定の態様では、R
bは、水素又はトリフルオロメチル;又はC
1〜6アルキル、C
3〜7シクロアルキル、C
3〜7シクロアルキル(C
1〜6)アルキル、アリール、アリール(C
1〜6)アルキル、C
3〜7ヘテロシクロアルキル、C
3〜7ヘテロシクロアルキル(C
1〜6)アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリール(C
1〜6)アルキルを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0157】
選択されるR
bの意味には、水素、又はC
1〜6アルキル、アリール(C
1〜6)アルキル、C
3〜7ヘテロシクロアルキル若しくはC
3〜7ヘテロシクロアルキル(C
1〜6)アルキルが含まれ、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0158】
R
bの通常の意味には、水素及びC
1〜6アルキルが含まれる。
【0159】
例示的には、R
bは、水素又はトリフルオロメチル;又はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−メチルプロピル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、アゼチジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、モルホリニル、アゼチジニルメチル、テトラヒドロフリルメチル、ピロリジニルメチル、ピロリジニルエチル、ピロリジニルプロピル、チアゾリジニルメチル、イミダゾリジニルエチル、ピペリジニルメチル、ピペリジニルエチル、テトラヒドロキノリニルメチル、ピペラジニルプロピル、モルホリニルメチル、モルホリニルエチル、モルホリニルプロピル、ピリジニル、インドリルメチル、ピラゾリルメチル、ピラゾリルエチル、イミダゾリルメチル、イミダゾリルエチル、ベンゾイミダゾリルメチル、トリアゾリルメチル、ピリジニルメチル又はピリジニルエチルを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0160】
R
bの代表的な意味には、水素、又はメチル、エチル、n−プロピル、ベンジル、ピロリジニル若しくはモルホリニルプロピルが含まれ、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0161】
R
b上の適切な置換基の選択される例には、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6アルキルチオ、C
1〜6アルキルスルフィニル、C
1〜6アルキルスルホニル、ヒドロキシ、シアノ、C
2〜6アルコキシカルボニル、ジ(C
1〜6)アルキルアミノ及びC
2〜6アルコキシカルボニルアミノが含まれる。
【0162】
R
b上の特定の置換基の選択される例には、メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、ヒドロキシ、シアノ、tert−ブトキシカルボニル、ジメチルアミノ及びtert−ブトキシカルボニルアミノが含まれる。
【0163】
R
bの特定の意味には、水素、メチル、メトキシエチル、メチルチオエチル、メチルスルフィニルエチル、メチルスルホニルエチル、ヒドロキシエチル、シアノエチル、ジメチルアミノエチル、tert−ブトキシカルボニルアミノエチル、ジヒドロキシプロピル、ベンジル、ピロリジニル、tert−ブトキシカルボニルピロリジニル及びモルホリニルプロピルが含まれる。
【0164】
一実施形態では、R
bは水素を表す。別の実施形態では、R
bはC
1〜6アルキル、とりわけメチルを表す。
【0165】
選択されるR
cの意味には、水素、又はC
1〜6アルキル、C
3〜7シクロアルキル若しくはC
3〜7ヘテロシクロアルキルが含まれ、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0166】
特定の態様では、R
cは、水素、C
1〜6アルキル又はC
3〜7シクロアルキルを表す。
【0167】
R
cの代表的な意味には、水素、又はメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル及びピペリジニルが含まれ、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0168】
R
c上の適切な置換基の選択される例には、C
2〜6アルキルカルボニル及びC
2〜6アルコキシカルボニルが含まれる。
【0169】
R
c上の特定の置換基の選択される例には、アセチル及びtert−ブトキシカルボニルが含まれる。
【0170】
R
cの特定の意味には、水素、メチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、アセチルピペリジニル及びtert−ブトキシカルボニルピペリジニルが含まれる。
【0171】
好適には、R
cは、水素又はC
1〜6アルキルを表す。一実施形態では、R
cは水素である。別の実施形態では、R
cは、C
1〜6アルキル、とりわけメチル又はエチル、特にメチルを表す。さらなる実施形態では、R
cは、C
3〜7シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表す。
【0172】
或いは、部分−NR
bR
cは、アゼチジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、オキサゾリジン−3−イル、イソオキサゾリジン−2−イル、チアゾリジン−3−イル、イソチアゾリジン−2−イル、ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、ピペラジン−1−イル、ホモピペリジン−1−イル、ホモモルホリン−4−イル又はホモピペラジン−1−イルを好適に表すことができ、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0173】
複素環式部分である−NR
bR
c上の適切な置換基の選択される例には、C
1〜6アルキル、C
1〜6アルキルスルホニル、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C
1〜6)アルキル、アミノ(C
1〜6)アルキル、シアノ、オキソ、C
2〜6アルキルカルボニル、カルボキシ、C
2〜6アルコキシカルボニル、アミノ、C
2〜6アルキルカルボニルアミノ、C
2〜6アルキルカルボニルアミノ(C
1〜6)アルキル、C
2〜6アルコキシカルボニルアミノ、C
1〜6アルキルスルホニルアミノ及びアミノカルボニルが含まれる。
【0174】
複素環式部分である−NR
bR
c上の特定の置換基の選択される例には、メチル、メチルスルホニル、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、アミノメチル、シアノ、オキソ、アセチル、カルボキシ、エトキシカルボニル、アミノ、アセチルアミノ、アセチルアミノメチル、tert−ブトキシカルボニルアミノ、メチルスルホニルアミノ及びアミノカルボニルが含まれる。
【0175】
部分−NR
bR
cの特定の意味には、アゼチジン−1−イル、ヒドロキシアゼチジン−1−イル、ヒドロキシメチルアゼチジン−1−イル、(ヒドロキシ)(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−イル、アミノメチルアゼチジン−1−イル、シアノアゼチジン−1−イル、カルボキシアゼチジン−1−イル、アミノアゼチジン−1−イル、アミノカルボニルアゼチジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、アミノメチルピロリジン−1−イル、オキソピロリジン−1−イル、アセチルアミノメチルピロリジン−1−イル、tert−ブトキシカルボニルアミノピロリジン−1−イル、オキソオキサゾリジン−3−イル、ヒドロキシイソオキサゾリジン−2−イル、チアゾリジン−3−イル、オキソチアゾリジン−3−イル、ジオキソイソチアゾリジン−2−イル、ピペリジン−1−イル、ヒドロキシピペリジン−1−イル、ヒドロキシメチルピペリジン−1−イル、アミノピペリジン−1−イル、アセチルアミノピペリジン−1−イル、tert−ブトキシカルボニルアミノピペリジン−1−イル、メチルスルホニルアミノピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピペラジン−1−イル、メチルピペラジン−1−イル、メチルスルホニルピペラジン−1−イル、オキソピペラジン−1−イル、アセチルピペラジン−1−イル、エトキシカルボニルピペラジン−1−イル及びオキソホモピペラジン−1−イルが含まれる。
【0176】
好適には、R
dは、水素若しくはトリフルオロメチルを表すか、又はR
dは、C
1〜6アルキル、アリール若しくはヘテロアリールを表し、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0177】
適切には、R
dは、トリフルオロメチルを表すか、又はR
dは、場合により置換されているC
1〜6アルキルを表す。
【0178】
R
dに関する選択される適切な意味の例には、水素若しくはトリフルオロメチルが含まれるか、又はメチル、エチル、イソプロピル、2−メチルプロピル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、フェニル、チアゾリジニル、チエニル、イミダゾリル及びチアゾリルが含まれ、これらの基のいずれも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0179】
R
dの適切な意味の典型例には、トリフルオロメチル、及び場合により置換されているメチルが含まれる。
【0180】
R
d上の適切な置換基の選択される例には、ハロゲン、C
1〜6アルキル、C
1〜6アルコキシ、オキソ、C
2〜6アルキルカルボニルオキシ及びジ(C
1〜6)アルキルアミノが含まれる。
【0181】
R
d上の具体的な置換基の選択される例には、フルオロ、メチル、メトキシ、オキソ、アセトキシ及びジメチルアミノが含まれる。
【0182】
一実施形態では、R
dは水素を表す。別の実施形態では、R
dは、場合により置換されているC
1〜6アルキルを表す。その実施形態の一態様では、R
dは、無置換のC
1〜6アルキル、例えばメチル、エチル、イソプロピル、2−メチルプロピル又はtert−ブチル、とりわけメチルを表すのが理想的である。その実施形態の別の態様では、R
dは、置換C
1〜6アルキル、例えばアセトキシメチル、ジメチルアミノメチル及びトリフルオロエチルを含めた置換メチル又は置換エチルを表すのが理想的である。別の実施形態では、R
dは、場合により置換されているアリールを表す。その実施形態の一態様では、R
dは、無置換のアリール、とりわけフェニルを表す。その実施形態の別の態様では、R
dは、一置換アリール、とりわけメチルフェニルを表す。その実施形態のさらなる態様では、R
dは、二置換アリール、例えばジメトキシフェニルを表す。さらなる実施形態では、R
dは、場合により置換されているヘテロアリール、例えばチエニル、クロロチエニル、メチルチエニル、メチルミダゾリル又はチアゾリルを表す。別の実施形態では、R
dは、場合により置換されているC
3〜7シクロアルキル、例えばシクロプロピル又はシクロブチルを表す。さらなる実施形態では、R
dは、場合により置換されているC
3〜7ヘテロシクロアルキル、例えばチアゾリジニル又はオキソチアゾリジニルを表す。別の実施形態では、R
dはトリフルオロメチルを表す。
【0183】
R
dに関する特定の意味の選択される例には、水素、トリフルオロメチル、メチル、アセトキシメチル、ジメチルアミノメチル、エチル、トリフルオロエチル、イソプロピル、2−メチルプロピル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、フェニル、ジメトキシフェニル、チアゾリジニル、オキソチアゾリジニル、チエニル、クロロチエニル、メチルチエニル、メチルイミダゾリル及びチアゾリルが含まれる。
【0184】
R
dの特定の意味の典型例には、トリフルオロメチル及びメチルが含まれる。
【0185】
好適には、R
eは、C
1〜6アルキル又はアリールを表し、これら基のどちらも、1つ又は複数の置換基により場合により置換されていてもよい。
【0186】
R
e上の適切な置換基の選択される例には、C
1〜6アルキル、とりわけメチルが含まれる。
【0187】
一実施形態では、R
eは、場合により置換されているC
1〜6アルキル、理想的には無置換のC
1〜6アルキル、例えばメチル又はプロピル、とりわけメチルを表す。別の実施形態では、R
eは、場合により置換されているアリールを表す。その実施形態の一態様では、R
eは、無置換のアリール、とりわけフェニルを表す。その実施形態の別の態様では、R
eは、一置換アリール、とりわけメチルフェニルを表す。さらなる実施形態では、R
eは、場合により置換されているヘテロアリールを表す。
【0188】
R
eの選択される意味には、メチル、プロピル及びメチルフェニルが含まれる。
【0189】
本発明による化合物の部分クラスの1つは、式(IIA)の化合物及びそのN−オキシド、並びに薬学的に許容されるその塩及び溶媒和物、並びにそのグルクロニド誘導体、並びにその共結晶:
【化4】
(式中、
R
12は、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル又は場合により置換されているC
1〜6アルキルを表し、
R
15及びR
16は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C
1〜6アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C
1〜6アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C
1〜6アルキルチオ、C
1〜6アルキルスルフィニル、C
1〜6アルキルスルホニル、アミノ、C
1〜6アルキルアミノ、ジ(C
1〜6)アルキルアミノ、アリールアミノ、C
2〜6アルキルカルボニルアミノ、C
1〜6アルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C
2〜6アルキルカルボニル、C
3〜6シクロアルキルカルボニル、C
3〜6ヘテロシクロアルキルカルボニル、カルボキシ、C
2〜6アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、C
1〜6アルキルアミノカルボニル、ジ(C
1〜6)アルキルアミノカルボニル、アミノスルホニル、C
1〜6アルキルアミノスルホニル又はジ(C
1〜6)アルキルアミノスルホニルを独立して表し、
E、Q、Z及びR
1は、上で定義されている通りである)
により表される。
【0190】
R
12上の任意選択の置換基の典型例では、C
2〜6アルコキシカルボニルが含まれる。
【0191】
R
12上の具体的な置換基の典型例には、エトキシカルボニルが含まれる。
【0192】
第1の実施形態では、R
12は水素を表す。第2の実施形態では、R
12はハロゲンを表す。その実施形態の一態様では、R
12はフルオロを表す。その実施形態の別の態様では、R
12はクロロを表す。第3の実施形態では、R
12は、トリフルオロメチルを表す。第4の実施形態では、R
12は、場合により置換されているC
1〜6アルキルを表す。その実施形態の一態様では、R
12は無置換メチルを表す。その実施形態の別の態様では、R
12は無置換エチルを表す。その実施形態のさらなる態様では、R
12は一置換メチル又は一置換エチルを表す。
【0193】
R
12の通常の意味には、水素、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、メチル及びエトキシカルボニルエチルが含まれる。
【0194】
通常、R
15及びR
16は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、メチル、イソプロピル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル、アミノ、メチルアミノ、tert−ブチルアミノ、ジメチルアミノ、フェニルアミノ、アセチルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ホルミル、アセチル、シクロプロピルカルボニル、アゼチジニルカルボニル、ピロリジニルカルボニル、ピペリジニルカルボニル、ピペラジニルカルボニル、モルホリニルカルボニル、カルボキシ、メトキシカルボニル、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル及びジメチルアミノスルホニルを独立して表すことができる。
【0195】
R
15の通常の意味には、水素、ハロゲン、C
1〜6アルキル、トリフルオロメチル、C
1〜6アルコキシ、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロメトキシが含まれる。
【0196】
R
15の例示的な意味には、ハロゲン及びジフルオロメトキシ、とりわけハロゲンが含まれる。
【0197】
第1の実施形態では、R
15は水素を表す。第2の実施形態では、R
15はハロゲンを表す。その実施形態の第1の態様では、R
15はフルオロを表す。その実施形態の第2の態様では、R
15はクロロを表す。第3の実施形態では、R
15は、C
1〜6アルキルを表す。その実施形態の一態様では、R
15はメチルを表す。第4の実施形態では、R
15はトリフルオロメチルを表す。第5の実施形態では、R
15は、C
1〜6アルコキシを表す。その実施形態の一態様では、R
15はメトキシを表す。第6の実施形態では、R
15はジフルオロメトキシを表す。第7の実施形態では、R
15はトリフルオロメトキシを表す。
【0198】
R
15の選択される意味には、水素、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロメトキシが含まれる。
【0199】
R
15の具体的な意味には、クロロ及びジフルオロメトキシ、とりわけクロロが含まれる。
【0200】
R
16の通常の意味には、水素、ハロゲン、シアノ、C
1〜6アルキル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ及びアミノが含まれる。
【0201】
R
16の例示的な意味には、水素及びハロゲンが含まれる。
【0202】
第1の実施形態では、R
16は水素を表す。第2の実施形態では、R
16はハロゲンを表す。その実施形態の第1の態様では、R
16はフルオロを表す。その実施形態の第2の態様では、R
16はクロロを表す。第3の実施形態では、R
16はシアノを表す。第4の実施形態では、R
16は、C
1〜6アルキルを表す。その実施形態の一態様では、R
16はメチルを表す。第5の実施形態では、R
16はトリフルオロメチルを表す。第6の実施形態では、R
16はジフルオロメトキシを表す。第7の実施形態では、R
16はアミノを表す。
【0203】
R
16の選択される意味には、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ及びアミノが含まれる。
【0204】
R
16の具体的な意味には、水素及びクロロが含まれる。
【0205】
特定の実施形態では、R
16は、フェニル環の、整数R
15に対してパラ位に結合している。
【0206】
本発明による特定の新規化合物は、その調製が添付の実施例において記載されている化合物の各々、並びに薬学的に許容されるその塩及び溶媒和物、並びにその共結晶が含まれる。
【0207】
したがって、本発明による化合物は、ヒトの様々な病気の処置及び/又は防止において有益である。これらには、自己免疫性及び炎症性障害、神経学的及び神経変性障害、疼痛及び侵害受容性障害、心血管障害、代謝障害、眼障害、並びに腫瘍学的障害が含まれる。
【0208】
炎症性及び自己免疫性障害には、全身的な自己免疫性障害、自己免疫性内分泌障害及び臓器特異的自己免疫性障害が含まれる。全身的な自己免疫性障害には、全身性エリテマトーデス(SLE)、乾癬、乾癬性関節炎、脈管炎、多発筋炎、強皮症、多発性硬化症、全身性硬化症、強直性脊椎炎、関節リウマチ、非特異的炎症性関節炎、若年性炎症性関節炎、若年性特発性関節炎(その少関節炎型及び多関節炎型を含む)、慢性疾患の貧血(ACD)、スティルス病(若年者及び/又は成人の発病)、ベーチェット病及びシェーグレン症候群が含まれる。自己免疫性内分泌障害には、甲状腺炎が含まれる。臓器特異的自己免疫性障害には、アジソン病、溶血性又は悪性貧血、急性腎臓損傷(AKI;シスプラチン誘発性AKIを含む)、糖尿病性腎症(DN)、閉塞性尿路疾患(シスプラチン誘発性閉塞性尿路疾患を含む)、糸球体腎炎(グッドパスチャー症候群、免疫複合体媒介性糸球体腎炎及び抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連性糸球体腎炎を含む)、ループス腎炎(LN)、微小変化群、グレーヴズ病、特発性血小板減少性紫斑病、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎、不確定性大腸炎及び嚢炎を含む)、天疱瘡、アトピー性皮膚炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変症、自己免疫性肺臓炎、自己免疫性心臓炎、重症筋無力症、自発不妊、骨粗鬆症、オステオペニア、びらん性骨疾患、軟骨炎、軟骨退化及び/又は破壊、線維形成性障害(肝臓及び肺線維症の様々な形態を含む)、喘息、鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、呼吸窮迫症候群、敗血症、発熱、筋ジストロフィー(デュシェンヌ型筋ジストロフィーを含む)及び臓器移植拒絶(腎臓同種移植片拒絶否を含む)が含まれる。
【0209】
神経学的及び神経変性障害には、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、乏血、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症、脊髄損傷、頭外傷、発作及びてんかんが含まれる。
【0210】
心血管障害には、血栓症、心臓肥大、高血圧、心臓の不規則な収縮(例えば、心不全の間)、及び性障害(勃起機能不全及び女性の性機能障害を含む)が含まれる。TNFα機能のモジュレーターはまた、心筋梗塞の処置及び/又は防止に役に立ち得る(J.J.Wuら、JAMA、2013年、309巻、2043〜2044頁)。
【0211】
代謝障害には、糖尿病(インスリン依存性糖尿病及び若年性糖尿病)、脂質代謝異常及びメタボリックシンドロームが含まれる。
【0212】
眼障害には、網膜症(糖尿病性網膜症、増殖性網膜症、非増殖性網膜症及び未熟児網膜症を含む)、黄斑浮腫(oedema)(糖尿病性黄斑浮腫を含む)、加齢性黄斑変性(ARMD)、血管新生(角膜の血管新生及び血管形成を含む)、網膜静脈閉塞症、並びにブドウ膜炎及び角膜炎の様々な形態が含まれる。
【0213】
急性又は慢性であってもよい、腫瘍学的障害には、増殖性障害、とりわけがん、及びがん関連性合併症(骨格合併症、悪液質及び貧血を含む)が含まれる。がんの具体的な分類には、血液悪性腫瘍(白血病及びリンパ腫を含む)及び非血液悪性腫瘍(固形腫瘍がん、肉腫、髄膜腫、多形膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、黒色腫、胃癌及び腎細胞癌を含む)が含まれる。慢性白血病は脊髄性又はリンパ球性とすることができる。白血病の種類には、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ性/リンパ性白血病(CLL)、有毛細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群、慢性好中球性白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、形質細胞腫、免疫芽細胞性大細胞白血病、マントル細胞白血病、多発性骨髄腫、急性巨核芽球性白血病、急性巨核球性白血病、前骨髄球性白血病及び赤白血病が含まれる。リンパ腫の種類には、悪性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、MALT1リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫が含まれる。非血液悪性腫瘍の種類には、前立腺、肺、胸部、直腸、結腸、リンパ節、膀胱、腎臓、膵臓、肝臓、卵巣、子宮、子宮頸部、脳、皮膚、骨、胃及び筋肉のがんが含まれる。TNFα機能のモジュレーターもまた、TNFの強力な抗がん作用の安全性を高めるために使用され得る(F.V.Hauwermeirenら、J.Clin.Invest.、2013年、123巻、2590〜2603頁)。
【0214】
本発明はまた、上記の本発明による化合物、又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を、1種又は複数の薬学的に許容される担体と一緒に含む、医薬組成物も提供する。
【0215】
本発明による医薬組成物は、経口、口腔内、非経口、経鼻、局所、経眼若しくは直腸投与に適した形態、又は吸入若しくは吸送による投与に適した形態をとることができる。
【0216】
経口投与の場合、本医薬組成物は、例えば、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロース又はリン酸水素カルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク又はシリカ)、崩壊剤(例えば、バレイショデンプン又はナトリウムグリコラート)、又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容される添加剤を用いる慣用的な手段により調製される、錠剤、ロゼンジ剤又はカプセル剤の形態をとることができる。錠剤は、当分野において周知の方法によってコーティングすることができる。経口投与向けの液体調製物は、例えば、溶液剤、シロップ剤又は懸濁剤の形態をとることができるか、又はそれらは、使用前に水又は他の適切なビヒクルを用いて構成するための乾燥製品として提供することができる。こうした液体調製物は、懸濁化剤、乳化剤、非水性ビヒクル又は保存剤などの薬学的に許容される添加物を用いる慣用的な手段によって調製することができる。調製物はまた、適宜、緩衝用塩、香味剤、着色剤又は甘味剤を含有してもよい。
【0217】
経口投与用の調製物は、活性化合物が制御放出されるよう、適切に製剤化され得る。
【0218】
口腔投与の場合、組成物は、慣用的な方法で製剤化された錠剤又はロゼンジ剤の形態をとることができる。
【0219】
式(I)の化合物は、注射、例えばボーラス注射又は注入により非経口投与向けに製剤化され得る。注射用の製剤の場合、単位剤形、例えば、ガラス製アンプル中、又は多回用量容器、例えば、ガラス製バイアル中で提供することができる。注射用組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁剤、溶液剤又はエマルション剤などの形態をとることができ、懸濁化剤、安定化剤、保存剤及び/又は分散剤などの製剤化用作用剤を含有してもよい。或いは、活性成分は、使用前に適切なビヒクル、例えば無菌の発熱物質不含水により構成するための粉末形態であってもよい。
【0220】
上記の製剤に加えて、式(I)の化合物は、デポ調製物としてやはり製剤化され得る。こうした長時間作用型製剤は、埋込みにより又は筋肉内注射により投与され得る。
【0221】
経鼻投与又は吸入による投与の場合、本発明による化合物は、適切な高圧ガス、例えばジクロロジフルオロメタン、フルオロトリクロロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、又は他の適切なガス若しくはガスの混合物の使用を伴う、加圧パック又はネブライザー用のエアゾールスプレー調製物の形態で、都合よく送達され得る。
【0222】
本組成物は、所望の場合、活性成分を含有する1つ又は複数の単位剤形を含有し得る、パック又は分注装置で提供されてもよい。このパック又は分注装置には、投与用の指示書を伴うことがある。
【0223】
局所投与の場合、本発明において役に立つ化合物は、1種又は複数の薬学的に許容される担体中で懸濁しているか又は溶解している活性な構成成分を含有する適切な軟膏剤中に都合よく製剤化され得る。具体的な担体には、例えば、鉱物油、液体石油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、乳化ワックス及び水が含まれる。或いは、本発明において役に立つ化合物は、1種又は複数の薬学的に許容される担体中で懸濁しているか又は溶解している活性な構成成分を含有する適切なローション剤中に製剤化され得る。具体的な担体には、例えば、鉱物油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、ベンジルアルコール、2−オクチルドデカノール及び水が含まれる。
【0224】
眼投与の場合、本発明に役に立つ化合物は、殺菌剤又は真菌剤、例えば、硝酸フェニル水銀、塩化ベンジルアルコニウム又は酢酸クロルヘキシジンなどの保存剤を含むか又は含まないかのどちらかで、pHを調整した無菌の等張性生理食塩水中で微粒子した懸濁剤として都合よく製剤化することができる。或いは、眼投与の場合、化合物はワセリンなどの軟膏剤中に製剤化することができる。
【0225】
直腸投与の場合、本発明に役に立つ化合物は、座剤として都合よく製剤化することができる。これらは、活性な構成成分を、室温で固体であるが、直腸温度では液体であり、そうして直腸で溶けて活性な構成成分を放出することになる、適切な非刺激性添加剤と混合することにより調製することができる。こうした物質には、例えば、カカオ脂、ビーワックス及びポリエチレングリコールが含まれる。
【0226】
特定の状態を予防又は処置するために必要な、本発明に役に立つ化合物の量は、選択される化合物及び処置される患者の状態に応じてさまざまになろう。しかし、一般には、毎日の投与量は、経口又は口腔内投与の場合、体重1kgあたり約10ng〜1000mg、通常、100ng〜100mg、例えば、約0.01mg〜40mg、非経口投与の場合、体重1kgあたり約10ng〜50mg、及び経鼻投与又は吸入若しくは吸送による投与の場合、約0.05mg〜約1000mg、例えば、約0.5mg〜約1000mgの範囲となり得る。
【0227】
所望の場合、本発明による化合物は、別の薬学的活性剤、例えばメトトレキセート又はプレドニゾロンなどの抗炎症性分子と共投与され得る。
【0228】
R
1が水素を表す、上の式(I)の化合物は、式(III)の化合物:
【化5】
(式中、E、Q、Y、Z、R
2及びR
3は上で定義されている通りである)とトリフルオロ酢酸とを反応させる工程を含む方法により調製することができる。
【0229】
この反応は、高温で試薬を接触させることにより都合よく行われる。
【0230】
上の式(III)の中間体は、式(IV)の化合物:
【化6】
(式中、E、Q、Y、Z、R
2及びR
3は、上で定義されている通りである)を還元することによって調製することができる。
【0231】
この反応は、化合物(IV)を還元剤により処理することによって行うことができる。適切な還元剤は、水素化ホウ素ナトリウムである。この反応は、適切な溶媒、例えばメタノールなどのC
1〜4アルカノール中、周囲温度で都合よく行われる。
【0232】
上の式(IV)の中間体は、式(V)の化合物:
【化7】
(式中、E、Q、Y、Z、R
2及びR
3は上で定義されている通りである)と塩化4−メトキシベンジルとを反応させることによって調製することができる。
【0233】
この反応は、適切な溶媒、例えばアセトン中で、高温で都合よく行われる。
【0234】
上の式(V)の化合物は、式(VI)の化合物:
【化8】
(式中、E、Q、Y、Z、R
2及びR
3は、上で定義されている通りである)を環化する工程を含む方法により調製することができる。
【0235】
この環化は、化合物(VI)を塩基、通常、tert−ブトキシカリウムなどの強塩基により処理することによって有利に行われるであろう。この反応は、適切な溶媒、例えばイソプロパノールなどのC
1〜4アルカノール中、高温で都合よく行われる。
【0236】
上の式(VI)の中間体は、式Z−Q−COClの化合物と式(VII)の化合物:
【化9】
(式中、E、Q、Y、Z、R
2及びR
3は、上で定義されている通りである)とを反応させることによって調製することができる。
【0237】
或いは、上の式(VI)の中間体は、式(Z−Q−CO)
2Oの酸無水物と上で定義されている式(VII)の化合物とを反応させることによって調製することができる。
【0238】
化合物(VII)と式Z−Q−COCl又は(Z−Q−CO)
2Oの化合物との間の反応は、塩基、例えばトリエチルアミンなどの有機塩基の存在下で、有利に行うことができる。この反応は、適切な溶媒、例えばジクロロメタンなどのクロロ化溶媒中、適切な温度、通常、0℃から周囲温度の温度で都合よく行われる。
【0239】
上の式(VII)の中間体は、式(VIII)の化合物:
【化10】
(式中、E、Y、R
2及びR
3は、上で定義されている通りである)を還元することによって調製することができる。
【0240】
変換は、通常、化合物(V)を、炭素担持パラジウムなどの水素化触媒の存在下で水素ガスにより処理する工程を通常含む、化合物(VIII)の接触水素化により都合よく行われる。
【0241】
或いは、化合物(VIII)の還元は、通常、ギ酸アンモニウムの存在下、高温で、元素状鉄又は亜鉛により処理することによって行うことができる。
【0242】
或いは、化合物(VIII)の還元は、通常、塩酸などの無機酸の存在下、高温で、塩化スズ(II)により処理することによって行うことができる。
【0243】
Eが共有結合又は場合により置換されている直鎖又は分岐C
1〜4アルキレン鎖を表す、式(VIII)の中間体は、式Y−E
1−NH
2の化合物と式(IX)の化合物:
【化11】
(式中、Y、R
2及びR
3は、上で定義されている通りであり、E
1は共有結合又は場合により置換されている直鎖又は分岐C
1〜4アルキレン鎖を表し、L
1は、適切な脱離基を表す)とを反応させることによって調製することができる。
【0244】
脱離基L
1は、好適には、ハロゲン原子、例えばクロロである。
【0245】
この反応は、塩基、例えば、トリエチルアミンなどの有機塩基の存在下で有利に行うことができる。この反応は、適切な溶媒、例えばエタノールなどのC
1〜4アルカノール中、高温で都合よく行われる。
【0246】
式(IX)の出発原料が市販されていない場合、添付されている実施例に記載されている方法と同様の方法により、又は当分野から周知の標準法により調製することができる。
【0247】
上の方法のいずれかから最初に得られる式(I)の化合物のいずれも、適宜、続いて、当分野から公知の技法により、式(I)のさらなる化合物に処理され得ることが理解されよう。例として、Eが−CH
2−表す式(I)の化合物は、リチウムヘキサメチルジシラジドなどの塩基の存在下で、ハロゲン化メチル、例えばヨウ化メチルにより処理することによって、Eが−CH(CH
3)−を表す対応する化合物に変換することができる。
【0248】
ヒドロキシ基を含有している式(I)の化合物は、塩基、例えば、水素化ナトリウム又は酸化銀の存在下、適切なハロゲン化アルキルにより処理することによってアルキル化することができる。−Q−Zが−CH
2OHを表す式(I)の化合物は、(i)塩化チオニルによる処理、及び(ii)こうして得られたクロロ誘導体の、適切な水酸化アリール又は水酸化ヘテロアリールによる処理を含む2工程手順で、アリール化することができる。−Q−Zが−CH
2OHを表す式(I)の化合物は、(i)塩化チオニルによる処理、及び(ii)これにより得られたクロロ誘導体の、塩基、例えば炭酸カリウムなどの無機塩基の存在下で、式Z−SHの化合物による処置を含む2工程手順を経て、−Q−Zが−CH
2S−Zを表す対応する式(I)の化合物に変換することができる。−Q−Zが−CH
2OHを表す式(I)の化合物は、(i)塩化チオニルによる処理、及び(ii)これにより得られたクロロ誘導体をシアン化ナトリウムなどのシアン化物塩による処理を含む2工程手順を経て、−Q−Zが−CH
2CNを表す対応する式(I)の化合物に変換することができる。ヒドロキシを含有している式(I)の化合物は、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)又は三フッ化ビス(2−メトキシエチル)アミノ硫黄(BAST)により処理することにより、対応するフルオロ置換化合物に変換することができる。ヒドロキシを含有している式(I)の化合物は、(i)酸化剤、例えば二酸化マンガンによる処理、及び(ii)これらにより得られたカルボニルの含有化合物のDASTによる処理を含む2工程手順によって、対応するジフルオロ置換化合物に変換することができる。
【0249】
−Q−Zが−CH
2OHを表す式(I)の化合物は、(i)適切な酸化剤、例えば、デス−マーチンペルヨージナン又は酸化マンガン(IV)による酸化、及び(ii)これにより得られたアルデヒド誘導体のグリニャール試薬、例えば式Z−MgBr又はZ−MgClの化合物による処理を含む2工程手順で、−Q−Zが−CH(OH)Zを表す、対応する化合物に変換することができる。
【0250】
−Q−Zが−CH
2OHを表す式(I)の化合物は、(i)適切な酸化剤、例えば、デス−マーチンペルヨージナン又は酸化マンガン(IV)による酸化、及び(ii)これにより得られたアルデヒド誘導体の(トリフルオロメチル)トリメチルシラン及びフッ化セシウムによる処理を含む2工程手順で、−Q−Zが−CH(OH)CF
3を表す、対応する化合物に変換することができる。
【0251】
N−H部分を含有する式(I)の化合物、例えば、R
1が水素である式(I)の化合物は、通常、アセトニトリルなどの有機溶媒中、高温で、或いは、塩基、例えば水素化ナトリウムなどの水素化アルカリ金属塩、又は炭酸カリウム若しくは炭酸セシウムなどの炭酸アルカリ金属塩の存在下、適切な溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなどの双極性非プロトン性溶媒中、周囲温度で、適切なハロゲン化アルキルにより処理することによってアルキル化することができる。或いは、N−H部分を含有している式(I)の化合物は、塩基、例えば、水素化ナトリウムなどの無機塩基、又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)などの有機塩基の存在下、適切なトシル酸アルキルで処理することによってアルキル化することができる。
【0252】
N−H部分を含有している式(I)の化合物は、還元剤、例えばトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムの存在下、ホルムアルデヒドにより処理することによってメチル化することができる。
【0253】
N−H部分を含有する式(I)の化合物、例えばR
1が水素である式(I)の化合物は、通常、塩基、例えばトリエチルアミンなどの有機塩基の存在下、周囲温度で、適切な酸塩化物、例えば塩化アセチルにより、又は適切なカルボン酸無水物、例えば無水酢酸又はトリフルオロ酢酸無水物により処理することによってアセチル化することができる。
【0254】
N−H部分を含有する式(I)の化合物、例えばR
1が水素である式(I)の化合物は、窒素原子を、通常、塩基、例えばトリエチルアミンなどの有機塩基の存在下、周囲温度で、クロロギ酸メチルにより処理することによるメトキシカルボニルにより置換されている対応する化合物に変換することができる。
【0255】
R
1が−COCF
3を表す式(I)の化合物は、ボランジメチルスルフィド錯体などの還元剤により処理することによって、R
1が−CH
2CF
3を表す、対応する化合物に変換することができる。
【0256】
N−H部分を含有する式(I)の化合物、例えばR
1が水素である式(I)の化合物は、通常、塩基、例えばトリエチルアミン又はN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基の存在下、周囲温度で、適切な塩化C
1〜6アルキルスルホニル、例えば塩化メタンスルホニルで処理することにより、又は適切なC
1〜6アルキルスルホン酸無水物、例えばメタンスルホン酸無水物で処理することにより、窒素原子がC
1〜6アルキルスルホニル、例えばメチルスルホニルにより置換されている、対応する化合物に変換することができる。
【0257】
アミノ(−NH
2)によって置換されている式(I)の化合物は、適切なハロゲン化C
1〜6アルキルスルホニル、例えば、塩化メタンスルホニルなどの塩化C
1〜6アルキルスルホニルにより処理することによって、C
1〜6アルキルスルホニルアミノ、例えばメチルスルホニルアミノ、又はビス[(C
1〜6)アルキルスルホニル]アミノ、例えば、ビス(メチルスルホニル)アミノにより置換されている対応する化合物に変換することができる。同様に、ヒドロキシ(−OH)によって置換されている式(I)の化合物は、適切なハロゲン化C
1〜6アルキルスルホニル、例えば塩化メタンスルホニルなどの塩化C
1〜6アルキルスルホニルにより処理することによって、C
1〜6アルキルスルホニルオキシ、例えばメチルスルホニルオキシによって置換されている対応する化合物に変換することができる。
【0258】
部分−S−を含有している式(I)の化合物は、3−クロロ過安息香酸により処理することによって、部分−S(O)−を含有している対応する化合物に変換することができる。同様に、部分−S(O)−を含有している式(I)の化合物は、3−クロロ過安息香酸により処理することによって、部分−S(O)
2−を含有している対応する化合物に変換することができる。或いは、部分−S−を含有している式(I)の化合物は、Oxone(登録商標)(ペルオキシ一硫酸カリウム)により処理することによって、部分−S(O)
2−を含有している対応する化合物に変換することができる。
【0259】
芳香族性窒素原子を含有している式(I)の化合物は、3−クロロ過安息香酸により処理することによって、対応するN−オキシド誘導体に変換することができる。
【0260】
式(I)のブロモフェニル誘導体は、ピロリジン−2−オン又はオキサゾリジン−2−オン、又は適切に置換されているその類似体で処理することにより、対応する場合により置換されている2−オキソピロリジン−1−イルフェニル又は2−オキソオキサゾリジン−3−イルフェニル誘導体に変換することができる。この反応は、ヨウ化銅(I)、trans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、及び炭酸カリウムなどの無機塩基の存在下、高温で都合よく行われる。
【0261】
ハロゲン、例えばブロモによって置換されている式(I)の化合物は、適切に置換されているアリール若しくはヘテロアリールボロン酸、又は有機ジオール、例えばピナコール、1,3−プロパンパンジオール又はネオペンチルグリコールにより形成されるそれらの環式エステルにより処理することによって、場合により置換されているアリール又はヘテロアリール部分によって置換されている、対応する化合物に変換することができる。この反応は、遷移金属触媒、例えば、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)又はビス[3−(ジフェニルホスファニル)シクロペンタ−2,4−ジエン−1−イル]鉄−ジクロロパラジウム−ジクロロメタン錯体、及び塩基、例えば炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム又はリン酸カリウムなどの無機塩基の存在下で、通常、行われる。
【0262】
ハロゲン、例えばブロモによって置換されている式(I)の化合物は、(i)ビス(ピナコラト)ジボロン又はビス(ネオペンチルグリコラート)ジボロンとの反応、及び(ii)これにより得られた化合物と、適切に官能基化されているハロ又はトシルオキシ置換アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルケニル誘導体との反応を含む、2工程手順により、場合により置換されているアリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルケニル部分によって置換されている、対応する化合物に変換することができる。工程(i)は、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)又はビス[3−(ジフェニルホスファニル)シクロペンタ−2,4−ジエン−1−イル]鉄−ジクロロパラジウム−ジクロロメタン錯体などの遷移金属触媒の存在下で都合よく行われる。工程(ii)は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)又はビス[3−(ジフェニルホスファニル)シクロペンタ−2,4−ジエン−1−イル]鉄−ジクロロパラジウム−ジクロロメタン錯体などの遷移金属触媒、及び塩基、例えば炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムなどの無機塩基の存在下で、都合よく行われる。
【0263】
ハロゲン、例えばブロモによって置換されている式(I)の化合物は、適切に置換されているアルキン誘導体、例えば2−ヒドロキシブタ−3ーインで処理することにより、場合により置換されているC
2〜6アルキニル部分によって置換されている、対応する化合物に変換することができる。この反応は、通常、ヨウ化銅(I)及び塩基、例えばトリエチルアミンなどの有機塩基の存在下、遷移金属触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を用いて都合よく行われる。
【0264】
ハロゲン、例えばブロモによって置換されている式(I)の化合物は、通常、酢酸銅(II)及びN,N,N’,N’−テトラメチル−エチレンジアミン(TMEDA)などの有機塩基の存在下、適切に置換されているイミダゾール誘導体により処理することによって、場合により置換されているイミダゾール−1−イル部分によって置換されている、対応する化合物に変換することができる。
【0265】
ハロゲン、例えばブロモによって置換されている式(I)の化合物は、(i)アクリル酸メチルとの反応、及び(ii)これにより得られたアルケニル誘導体の、水素ガス雰囲気下、水素化触媒、例えば活性炭担持パラジウムで通常、処理することによる、接触水素化を含む、2工程手順により、2−(メトキシカルボニル)エチルによって置換されている、対応する化合物に変換することができる。工程(i)は、遷移金属触媒、例えば酢酸パラジウム(II)又はビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、及びトリ(オルト−トリル)ホスフィンなどの試薬の存在下で、通常、行われる。
【0266】
一般に、−C=C−官能基を含有している式(I)の化合物は、水素ガスの雰囲気下、場合により、塩基、例えば水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物の存在下で、水素化触媒、例えば活性炭担持パラジウムで通常、処理することによる、接触水素化により、−CH−CH−官能基を含有している対応する化合物に変換することができる。
【0267】
6−メトキシピリジン−3−イルによって置換されている式(I)の化合物は、ピリジン塩酸塩で処理することにより、又は塩酸などの無機酸と加熱することにより、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−5−イルによって置換されている、対応する化合物に変換することができる。類似の方法論を利用することにより、6−メトキシ−4−メチルピリジン−3−イルによって置換されている式(I)の化合物は、4−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−5−イルによって置換されている対応する化合物に変換することができ、6−メトキシ−5−メチルピリジン−3−イルによって置換されている式(I)の化合物は、3−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−5−イルによって置換されている対応する化合物に変換することができる。
【0268】
2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−5−イルによって置換されている式(I)の化合物は、接触水素化により、通常、酸化白金(IV)などの水素化触媒の存在下で水素ガスにより処理することによって、2−オキソピペリジン−5−イルによって置換されている対応する化合物に変換することができる。
【0269】
エステル部分を含有している式(I)の化合物、例えば、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニルなどのC
2〜6アルコキシカルボニル基は、酸、例えば塩酸などの無機酸で処理することにより、カルボキシ(−CO
2H)部分を含有している対応する化合物に変換することができる。
【0270】
N−(tert−ブトキシカルボニル)部分を含有している式(I)の化合物は、酸、例えば塩酸などの無機酸、又はトリフルオロ酢酸などの有機酸で処理することにより、N−H部分を含有している対応する化合物に変換することができる。
【0271】
エステル部分を含有している式(I)の化合物、例えば、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニルなどのC
2〜6アルコキシカルボニル基は、代替として、塩基、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択されるアルカリ金属水酸化物、又はナトリウムメトキシド又はナトリウムエトキシドなどの有機塩基で処理することにより、カルボキシ(−CO
2H)部分を含有している対応する化合物に変換することができる。
【0272】
カルボキシ(−CO
2H)部分を含有している式(I)の化合物は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドなどの縮合剤の存在下で、適切なアミンで処理することにより、アミド部分を含有している対応する化合物に変換することができる。
【0273】
カルボニル(C=O)部分を含有している式(I)の化合物は、臭化メチルマグネシウムにより処理することによって、−C(CH
3)(OH)−部分を含有している対応する化合物に変換することができる。同様に、カルボニル(C=O)部分を含有している式(I)の化合物は、(トリフルオロメチル)トリメチルシラン及びフッ化セシウムにより処理することによって、−C(CF
3)(OH)−部分を含有している対応する化合物に変換することができる。カルボニル(C=O)部分を含有している式(I)の化合物は、ニトロメタンにより処理することによって、−C(CH
2NO
2)(OH)−部分を含有している対応する化合物に変換することができる。
【0274】
ヒドロキシメチル部分を含有している式(I)の化合物は、デス−マーチンペルヨージナンなどの酸化剤で処置することによって、ホルミル(−CHO)部分を含有している対応する化合物に変換することができる。ヒドロキシメチル部分を含有している式(I)の化合物は、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウムなどの酸化剤で処置することによって、カルボキシ部分を含有している対応する化合物に変換することができる。
【0275】
オキソ部分を含有している式(I)の化合物は、水素化ナトリウムなどの塩基の存在下、ホスホノ酢酸トリエチルにより処理することによって、エトキシカルボニルメチリデン部分を含有している対応する化合物に変換することができる。
【0276】
生成物の混合物が、本発明による化合物の調製に関する上記の方法のいずれかから得られる場合、所望の生成物は、適切な溶媒系と組み合わせて、例えば、シリカ及び/又はアルミナを利用する、分取HPLC又はカラムクロマトグラフィーなどの従来の方法によって、適切な段階で、それから分離することができる。
【0277】
本発明による化合物の調製に関する上記の方法が、立体異性体の混合物を生じさせる場合、これらの異性体は、慣用的な技法によって分離されてもよい。特に、式(I)の化合物の特定の鏡像異性体を得ることが望ましい場合、これは、鏡像異性体を分割するのに好適な任意の慣用的な手順を使用し、鏡像異性体の対応する混合物から生成することができる。したがって、例えば、ジアステレオマー誘導体、例えば塩は、式(I)の鏡像異性体の混合物と、例えばラセミ体と適切なキラル化合物、例えばキラル塩基との反応により生成することができる。次に、ジアステレオマーは、任意の好都合な手段、例えば、結晶化により分離することができ、所望の鏡像異性体は、ジアステレオマーが塩である場合、例えば、酸で処理することによって回収される。別の分割方法では、式(I)のラセミ体は、キラルHPLCを使用して分離することができる。さらに、所望の場合、特定の鏡像異性体は、上記の方法の1つにおいて、適切なキラル中間体を使用することにより得ることができる。或いは、特定の鏡像異性体は、鏡像異性体に特異的な酵素による生物変換、例えば、エステラーゼを使用するエステル加水分解を行い、次に、未反応エステル対掌体から鏡像加水分解された異性体として純粋な酸だけを精製することにより得ることができる。本発明の特定の幾何異性体を得るのが望ましい場合、クロマトグラフィー、再結晶化、及び他の慣用的な分離手順もまた、中間体又は最終生成物に使用することができる。
【0278】
上の合成順序のいずれの間にも、いずれかの関連分子上の感受性又は反応性の高い基を保護することが必要である、及び/又は望ましいことがある。これは、有機化学における保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)、J.F.W.McOmie(編)、Plenum Press、1973年、及びT.W.Greene&P.G.M.Wuts、有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)、John Wiley&Sons、第3版、1999年において記載されている保護基などの慣用的な保護基により達成することができる。これらの保護基は、任意の都合のよいその後の段階で、当分野から公知の方法を利用して除去することができる。
【0279】
以下の実施例は、本発明による化合物の調製を例示している。
【0280】
本発明による化合物は、以下に記載されている蛍光偏光アッセイにおいて試験した場合、蛍光コンジュゲートがTNFαに結合するのを強力に阻害する。さらに、本発明によるある種の化合物は、以下に記載されている、リポーター遺伝子アッセイにおいて、TNFα誘発性NF−κΒ活性化を強力に阻害する。
【0281】
蛍光偏光アッセイ
化合物(A)の調製
1−(2,5−ジメチルベンジル)−6−[4−(ピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−2−(ピリジン−4−イル−メチル)−1H−ベンゾイミダゾール(以後、「化合物(A)」と呼ぶ)は、WO2013/186229(2013年12月19日に公開)の例499において記載されている手順により、又はそれと類似の手順により、調製することができる。
【0282】
蛍光コンジュゲートの調製
化合物(A)(27.02mg、0.0538mmol)をDMSO(2mL)に溶解した。5(−6)カルボキシ−フルオレセインスクシニミルエステル(24.16mg、0.0510mmol)(Invitrogen、カタログ番号:C1311)をDMSO(1mL)に溶解すると、鮮黄色溶液が得られた。上記の2つの溶液を、この混合物の色が赤になるまで、室温で混合した。この混合物を室温で撹拌した。混合した直後に、20μLの一定分量を抜き取り、1200RR−6140LC−MSシステムでLC−MS分析を行うため、AcOH:H
2Oの80:20混合物に希釈した。クロマトグラムにより、保持時間1.42分及び1.50分という2つの近接した溶出ピークが示され、そのどちらも、5−及び6−置換カルボキシフルオロセイン基により形成された2つの生成物に対応する、質量(M+H)
+=860.8amuであった。保持時間2.21分のさらなるピークが、化合物(A)に対応する、(M+H)
+=502.8amuの質量を有していた。未反応5(−6)カルボキシフルオレセインスクシニミルエステルのピークは観察されなかった。これらのピーク面積は、3つのシグナルに関して、22.0%、39.6%及び31.4%であり、この時点で、所望の蛍光コンジュゲートの2つの異性体に61.6%変換されていることを示した。さらに、20μLの一定分量を、数時間後、次に一晩撹拌した後に抽出し、LC−MS分析前に希釈してそれに供した。変換率は、これらの時間点で、それぞれ、79.8%及び88.6%と求まった。この混合物をUV指向型分取HPLCシステムで精製した。蓄えておいた精製済みフラクションを凍結乾燥して過剰な溶媒を除去した。凍結乾燥後、反応及び分取HPLC精製について、総収率53%に相当する0.027mmolの蛍光コンジュゲートに等しい、オレンジ色固体(23.3mg)が回収された。
【0283】
TNFαへの蛍光コンジュゲートの結合阻害
化合物は、20mM Tris、150mM NaCl、0.05%Tween20中で、蛍光コンジュゲートを添加する前に周囲温度で60分間、TNFαと予めインキュベートすることにより、及び周囲温度で20時間さらにインキュベートすることにより、5%DMSOの最終アッセイ濃度において、25μMから始めた10種の濃度で試験した。TNFα及び蛍光コンジュゲートの最終濃度は、全アッセイ体積25μLで、それぞれ10nM及び10nMであった。プレートは、蛍光偏光を検出することが可能なプレートリーダー(例えば、Analyst HTプレートリーダー、又はEnvisionプレートリーダー)で読み取った。IC
50値は、ActivityBaseにおけるXLfit(商標)(4つのパラメータのロジスティックモデル)を使用して算出した。
【0284】
添付の実施例(例)の化合物は、蛍光偏光アッセイにおいて試験した場合、すべてが、50μM又はそれより優れたIC
50値を示すことが分かった。
【0285】
リポーター遺伝子アッセイ
TNFα誘発性NF−κΒ活性化の阻害
TNFαによるHEK−293細胞の刺激により、NF−κΒ経路が活性化する。TNFα活性を決定するために使用したリポーター細胞系は、InvivoGenから購入した。HEK−Blue(商標)CD40Lは、5つのNF−κB結合部位に融合するIFNβ最小プロモーターの制御下で、SEAP(分泌型アルカリホスファターゼ)を発現する、安定なHEK−293トランスフェクト細胞系である。これらの細胞によるSEAPの分泌は、TNFαにより用量依存的に刺激され、ヒトTNFαの場合、EC50が0.5ng/mLである。化合物は、10mMのDMSO保存溶液(最終アッセイ濃度は0.3%DMSO)から希釈し、10点の3倍段階希釈曲線(例えば、30,000nMから2nMの最終濃度)を作製した。希釈化合物は、384ウェルのマイクロタイタープレートに加える60分前に、TNFαと予めインキュベートし、18時間、インキュベートした。アッセイプレート中の最終TNFα濃度は0.5ng/mLであった。SEAP活性は、比色定量用基質、例えば、QUANTI−Blue(商標)又はHEK−Blue(商標)検出培地(InvivoGen)を使用して、上澄み液で決定した。化合物希釈液の阻害率は、DMSO対照と最大阻害(過剰な対照化合物による)との間で算出し、IC
50値は、ActivityBaseにおいてXLfit(商標)(4つのパラメータのロジスティックモデル)を使用して算出した。
【0286】
添付の実施例(例)のある種の化合物は、リポーター遺伝子アッセイにおいて試験した場合、50μM又はそれより優れたIC
50値を示すことが分かった。