(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6483797
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】デジタルオーディオ放送(DAB)伝送と拡張マルチメディア放送/マルチキャスト(EMBMS)伝送の間の切換を含む放送サービスを受信するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 36/14 20090101AFI20190304BHJP
H04W 36/30 20090101ALI20190304BHJP
H04W 36/32 20090101ALI20190304BHJP
H04W 4/06 20090101ALI20190304BHJP
H04H 20/57 20080101ALI20190304BHJP
H04H 20/28 20080101ALI20190304BHJP
H04H 60/42 20080101ALI20190304BHJP
H04H 60/27 20080101ALI20190304BHJP
H04H 60/09 20080101ALI20190304BHJP
H04W 4/40 20180101ALI20190304BHJP
【FI】
H04W36/14
H04W36/30
H04W36/32
H04W4/06 150
H04H20/57
H04H20/28
H04H60/42
H04H60/27
H04H60/09
H04W4/04 110
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-500811(P2017-500811)
(86)(22)【出願日】2014年11月10日
(65)【公表番号】特表2017-539104(P2017-539104A)
(43)【公表日】2017年12月28日
(86)【国際出願番号】EP2014074137
(87)【国際公開番号】WO2016074693
(87)【国際公開日】20160519
【審査請求日】2017年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】398037767
【氏名又は名称】バイエリシエ・モトーレンウエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ゴザルベス・セルラノ・ダビド
(72)【発明者】
【氏名】クレムプ・オーリヴァー
(72)【発明者】
【氏名】カラブイグ・ガスパー・ホルヘ
(72)【発明者】
【氏名】カラブイグ・ソレル・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ヒメンス・ガンディア・ホルディ・ホアン
(72)【発明者】
【氏名】モンセラート・デル・リオ・ホセ・フランシスコ
【審査官】
古市 徹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−104658(JP,A)
【文献】
特表2005−536910(JP,A)
【文献】
特表2006−523417(JP,A)
【文献】
特開2007−259049(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0206002(US,A1)
【文献】
特開2008−118350(JP,A)
【文献】
特開2000−307448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
H04H 20/28
H04H 20/57
H04H 60/09
H04H 60/27
H04H 60/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(30)用の放送サービス継続のための方法であって、
この車両(30)は、デジタルオーディオ放送(DAB)システムと少なくとも一つのセルラー網ベース放送システムの信号を受信するように構成されており、この方法が、所与のDABサービスからそれに対応するセルラー網ベース放送サービスへの予想されるサービス継続のために、
DABサービスのカバレージギャップの地理的位置、セルラー網ベース放送サービスのカバレージギャップの地理的位置、及びDABサービスとセルラー網ベース放送サービスの遷移ゾーンの中の一つ以上を表すデータを含む受信されるDAB信号に含まれるサービス情報、
に基づき、車両(30)が所与の時間期間内に到達すると期待されるルート区間内におけるDABサービス及び/又はセルラー網ベース放送サービスの信号品質及び/又は信号アベイラビリティを連続して、或いは所与の時間間隔で推定する工程と、
この推定された信号品質及び/又は信号アベイラビリティに基づき、DABサービスからそれに対応するセルラー網ベース放送サービスへのハンドオーバーを実施する工程と、を有する方法。
【請求項2】
DABサービスのカバレージギャップの地理的位置、セルラー網ベース放送サービスのカバレージギャップの地理的位置、及びDABサービスとセルラー網ベース放送サービスの遷移ゾーンの中の一つ以上を表すデータを含む提供されるデータベース情報、
に基づき、車両(30)が所与の時間期間内に到達すると期待されるルート区間内におけるDABサービス及び/又はセルラー網ベース放送サービスの信号品質及び/又は信号アベイラビリティを連続して、或いは所与の時間間隔で推定する工程をさらに有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
車両(30)が所与の時間期間内に到達すると期待されるルート区間内におけるDABサービス及び/又はセルラー網ベース放送サービスの信号品質及び/又は信号アベイラビリティが、車両(30)により受信されるその時々のデジタルオーディオ放送サービス信号又はその時々のセルラー網ベース放送サービス信号の提供される測定データに基づき連続して、或いは所与の時間間隔で推定される請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
セルラー網ベース放送サービスが拡張マルチメディア放送/マルチキャストサービス(eMBMS)を含む請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
該ハンドオーバーが、車両(30)のその時々の地理的位置、車両(30)の期待されるルート及び車両(30)の速度の中の一つ以上に基づき実施される請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
該ハンドオーバーが実施される場合に、セルラー網ベース放送サービス信号内に含まれるユーザーサービス記述子内で搬送されるDABサービスID情報に基づき、該DABサービスに対応するセルラー網ベース放送サービスが決定される請求項1から5までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
受信されるDAB信号に含まれるサービス情報が、セルラー網ベース放送サービスの該ユーザーサービス記述子を含むか、或いは表す請求項6に記載の方法。
【請求項8】
該DABサービスに対応するセルラー網ベース放送サービスのユーザーサービス記述子が所与のデータベースから取り出される請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
該DABサービスを特定するDABサービスIDが拡張マルチメディア放送/マルチキャストサービスのユニフォームリソース名(URN)内に含まれるように、該DABサービスのDABサービスID情報がマルチメディア放送/マルチキャストサービスのユーザーサービス記述に含まれており、その対応するセルラー網ベース放送サービスを発見するために、拡張マルチメディア放送/マルチキャストサービスの全てのサービス群が収集されて、該DABサービスIDを求めて反復して検索される請求項6から8までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
該DABサービスとセルラー網ベース放送サービスの間の同期が、DABサービスとセルラー網ベース放送サービスの間の所与の遅延に応じてDABサービス及び/又はセルラー網ベース放送サービスのオーディオコンテンツを一時保存することによって実施され、この遅延が、データベース及び/又は受信されるDAB信号に含まれるサービス情報によって提供される請求項1から9までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
該サービス継続が成功裏に進行した地理的位置が、データベース情報として入手可能なように、該データベース及び/又は別のデータベースに保存される請求項1から10までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
車両(30)用の放送サービス継続のための装置であって、請求項1から11までのいずれか一つに記載の方法を実施するように構成された装置。
【請求項13】
コンピュータに、請求項1から11までのいずれか一つに記載の方法を実行させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項14】
コンピュータに、請求項1から11までのいずれか一つに記載の方法を実行させるように実行可能なプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の放送サービス継続のための方法及びそれに対応する装置に関する。この装置は車両に配置される。本発明は、更に、車両用の放送サービス継続のためのコンピュータプログラム及びコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルオーディオ放送(DAB)、周波数変調放送(FM)、振幅変調放送(AM)及びデジタル無線モンディエール放送(DRM)などの純粋な放送システムに加えて、ワイヤレス通信標準の3GPPロング・ターム・エボリューションに準拠したロング・ターム・エボリューション・システム(LTEシステム)のようなセルラー網通信システムを用いて、或いは典型的なユニキャスト(1対1)伝送又は拡張マルチメディア放送/マルチキャストサービス(eMBMS)によるブロードキャスト(1対多数)伝送を使用して、無線サービスを提供することもできる。
【0003】
「サービス継続」とは、異なる周波数及び/又は伝送システムの間を切り換えた場合にユーザーが体感している同じオーディオ又はビデオコンテンツの維持を定義するために使用される用語である。異なる周波数及び/又は伝送システムの間の切換は、マルチ周波数網(MFN)において異なるサービスエリアを越えて移動する場合、或いは、例えば、車で走行している時又は市内でビルの間を走行している時に起こる受信状態の変化に対処するために必要となる場合が有る。
【0004】
特許文献1は、DAB受信機において、DABフレームの受信を中断すること無く、その時々の受信周波数から代替周波数を試験受信するための方法を開示している。その受信機は、一つのDABフレームのヌルシンボル期間の間に同じサービスコンテンツを搬送する代替周波数を走査している。その方法は、目立った中断の無い周波数切換を可能とするために、代替DAB周波数への粗い同期を可能としている。そのシステム及び方法は、代替周波数を搬送するDABシステムの存在と十分なDABカバレージを必要とする。
【0005】
特許文献2は、それぞれが異なる伝送方式及び/又は異なるインフラストラクチャコンポーネントの使用に対応するとともに、モバイルユニットと中央ユニットの間のデータ接続を介して作り出された無線伝送チャネルのグループから一つの無線伝送チャネルを選定することを開示している。そのモバイルユニットは、それぞれが二つの無線伝送チャネルの中の一つを介してデータを伝送するように構成された少なくとも二つの無線ユニットを備えている。無線伝送チャネルのグループから一つの無線伝送チャネルを選定するために、無線伝送チャネルの中の少なくとも一つのチャネルの少なくとも一つの早期伝送リンクのデータ、所謂履歴データを使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許公開第99/14874号明細書
【特許文献2】ドイツ特許公開第102013215728号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、放送伝送システム間におけるサービス継続の改善に寄与する、特に、車両で受信する場合に、ユーザー体感の改善に寄与する、車両用の放送サービス継続のための方法及びそれに対応する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本課題は、独立請求項の特徴によって達成される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項に示されている。
【0009】
第一及び第二の観点では、本発明は、車両用の放送サービス継続のための方法及びそれに対応する装置によって特徴付けられる。この車両は、デジタルオーディオ放送(DAB)システムと少なくとも一つのセルラー網ベース放送システムの信号を受信するように構成される。
【0010】
所与のDABサービスからそれに対応するセルラー網ベース放送サービスへの予想されるサービス継続のために、車両が所与の時間期間内に到達すると期待されるルート区間内におけるDABサービス及び/又はセルラー網ベース放送サービスの信号品質及び/又は信号アベイラビリティが、DABサービスのカバレージギャップの地理的位置、セルラー網ベース放送サービスのカバレージギャップの地理的位置及びDABサービスとセルラー網ベース放送サービスの遷移ゾーンの中の一つ以上を表すデータを含む提供されるデータベース情報に基づき連続して、或いは所与の時間間隔で推定される。それに追加して、或いはそれに代わって、車両が所与の時間期間内に到達すると期待されるルート区間内におけるDABサービス及び/又はセルラー網ベース放送サービスの信号品質及び/又は信号アベイラビリティが、受信されるDAB信号内に含まれるサービス情報に基づき推定される。このサービス情報は、DABサービスのカバレージギャップの地理的位置、セルラー網ベース放送サービスのカバレージギャップの地理的位置及びDABサービスとセルラー網ベース放送サービスの遷移ゾーンの中の一つ以上を表すデータを含む。DABサービスからそれに対応するセルラー網ベース放送サービスへのハンドオーバーは、この推定された信号品質及び/又は信号アベイラビリティに基づき実施される。
【0011】
このセルラー網ベース放送伝送方式を用いたDAB網のカバレージギャップをカバーするためのセルラー網の補完的使用が、DABカバレージの欠落により生じるサービス中断を回避することによってユーザー体感を改善する。特に、サービス情報及び/又はデータベース情報による支援が、切換手順を簡単化し、従って、レイテンシーを低減するとともに、切れ目の無いユーザー体感を可能とする。更に、この必要なサービス情報は、現在の標準を修正すること無く、従って、従来のDAB網及びDABシステムと後方互換を有する形でDABサービス信号に組み入れることができる。
【0012】
このサービス情報は、DABサービスカバレージ情報を含むことができる。このサービス情報は、DAB伝送フレームに含めることができる。従って、このサービス情報は、DABサービスのカバレージエリア内の全ての地点で、即ち、セルラー網ベース放送システムに切り換える必要性が生じる前に、そしてセルラー網ベース放送サービスのカバレージゾーンに到達する前でさえ入手可能である。従って、車両は、事前に切換手順に備えることができ、何らかの予想されるサービス継続が可能である。
【0013】
予想されるサービス継続のための所与の時間期間は設定可能とすることができる。
【0014】
第一及び第二の観点の一つの実施形態では、車両が所与の時間期間内に到達すると期待されるルート区間におけるDABサービス及び/又はセルラー網ベース放送サービスの信号品質及び/又は信号アベイラビリティが、その車両によって受信されるその時々のデジタルオーディオ放送サービス信号又はその時々のセルラー網ベース放送サービス信号の提供される測定データに基づき連続して、或いは所与の時間間隔で推定される。有利には、これは、ハンドオーバーが必要であるか否かの決定に車両を取り巻くエリア内における追加的な実際の環境を組み入れることを可能とする。
【0015】
第一及び第二の観点の別の実施形態では、セルラー網ベース放送サービスは、拡張マルチメディア放送/マルチキャストサービス(eMBMS)を含む。eMBMSの使用は、セルラー網ユニキャスト伝送と比べて、多数のユーザーへのライブオーディオコンテンツの同時配信に関して、より高い効率を可能とする。
【0016】
第一及び第二の観点の別の実施形態では、このハンドオーバーは、車両のその時々の地理的位置、車両の期待されるルート及び車両の速度の中の一つ以上に基づき実施される。この車両のその時々の地理的位置、車両の期待されるルート及び車両の速度の中の一つ以上の情報を用いて、更に事前にハンドオーバーを開始することができる。これは、二つのシステムの同期を容易にする。この車両のその時々の地理的位置、車両の期待されるルート及び車両の速度の中の一つ以上は、車両ナビゲーションシステム及び/又はそれ以外の好適な車両センサーによって提供することができる。
【0017】
第一及び第二の観点の別の実施形態では、このハンドオーバーが実施されるイベントにおいて、DABサービスに対応するセルラー網ベース放送サービスが、セルラー網ベース放送サービス信号に含まれるユーザーサービス記述子内で搬送されるDABサービスID情報に基づき決定される。これは、DABサービスからそれに対応するセルラー網ベース放送サービスへの容易な切換を可能とする。
【0018】
第一及び第二の観点の別の実施形態では、受信されるDABサービスのDAB信号に含まれるサービス情報は、セルラー網ベース放送サービスのユーザーサービス記述子を含むか、或いは表す。このようにして、このサービス情報は、既存のDAB受信機に対して完全に透過的であるが、新しいDAB受信機は、DAB伝送フレームの特定のフィールドで搬送される情報を読み出して処理することができる。このサービス情報は、周波数情報(FI)リストフィールドに含めることができる。将来の使用に対して期待される幾つかの未使用の帯域及び変調(R&M)値が存在する。これらの未使用のR&M値の中の一つは、DABサービスからそれに対応するセルラー網ベース放送サービスへの切換手順を管理するための何らかの有用な情報を放送配信するために使用することができる。
【0019】
第一及び第二の観点の別の実施形態では、該DABサービスに対応するセルラー網ベース放送サービスのユーザーサービス記述子は、所与のデータベースから取り出される。切換手順を予想するために、このデータベースにリモートアクセスするか、このデータベースをローカルに保存及び更新するか、或いはその両方を行なうことができる。
【0020】
第一及び第二の観点の別の実施形態では、DABサービスを特定するDABサービス識別子が、拡張マルチメディア放送/マルチキャストサービスシステム(eMBMSシステム)で搬送されるユニフォームリソース名(URN)の形で含まれるように、該DABサービスのDABサービスID情報が、マルチメディア放送/マルチキャストサービス・ユーザーサービス記述子に含まれており、その対応するセルラー網ベース放送サービスを発見するために、eMBMSシステムの全ての、或いはほぼ全てのユーザーサービス群が収集されて、DABサービス識別子を求めて反復して検索される。これは、データベース又はDAB信号から更なる情報が入手可能でない場合に、その対応するセルラー網ベース放送サービスのユーザーサービス記述子を決定することを可能とする。
【0021】
第一及び第二の観点の別の実施形態では、DABサービスとセルラー網ベース放送サービスの間の同期は、DABサービスとセルラー網ベース放送サービスの間の所与の遅延に応じてDABサービス及び/又はセルラー網ベース放送サービスのオーディオコンテンツを一時保存することによって実施され、この遅延は、データベース及び/又は受信されるDAB信号に含まれるサービス情報により提供される。前記の同期は、DABサービスとセルラー網ベース放送サービスの間に存在する遅延に対処することを可能とし、切れ目の無いサービス継続運用を保証することができる。これらの目的のために、例えば、好適な受信装置が、オーディオコンテンツを一時保存して、サービスの最後の数秒の再生又はリピートを遅らせることができる。DABに対するセルラー網ベース放送サービスの遅延は、データベース及び/又は受信されるDAB信号に含まれるサービス情報において入手可能とすることができる。
【0022】
第一及び第二の観点の別の実施形態では、サービス継続が成功裏に完了した地理的位置が、データベース情報として入手可能であるように、このデータベース及び/又は別のデータベースに保存される。
【0023】
これは、サービス喪失領域リストを補完することを可能とし、このデータベース情報がバックエンドで提供されるので、例えば、相手先商標製造業者の車両群の中の代替車両におけるサービス継続アプリケーションの改善に寄与することができる。
【0024】
第三及び第四の観点では、本発明は、車両用の放送サービス継続のための方法によって特徴付けられる。この車両は、デジタルオーディオ放送(DAB)システムと少なくとも一つのセルラー網ベース放送システムの信号を受信するように構成される。所与のセルラー網ベース放送サービスからそれに対応するDABサービスへの予想されるサービス継続のために、車両が所与の時間期間で到達すると期待されるルート区間におけるセルラー網ベース放送サービス及び/又はそれに対応するDABサービスの信号品質及び/又は信号アベイラビリティが、DABサービスのカバレージギャップの地理的位置、セルラー網ベース放送サービスのカバレージギャップの地理的位置及びDABサービスとセルラー網ベース放送サービスの遷移ゾーンの中の一つ以上を表すデータを含む提供されるデータベース情報に基づき連続して、或いは所与の時間間隔で推定される。セルラー網ベース放送サービスからそれに対応するDABサービスへのハンドオーバーは、この推定された信号品質及び/又は信号アベイラビリティに基づき実施される。
【0025】
これは、DABサービスへのハンドオーバーが必要であるか、或いは可能であるのかを早い段階で決定することを可能とする。
【0026】
第一及び第二の観点の有利な実施形態は、第三及び第四の観点においても有効である。
【0027】
別の観点では、本発明は、コンピュータプログラムによって特徴付けられ、このコンピュータプログラムは、そのコンピュータプログラムがデータ処理装置上で実行されることによって、第一又は第三の観点に基づく車両用の放送サービス継続のための方法又はそれらの方法の有利な実施形態を実行するように構成される。
【0028】
別の観点では、本発明は、実行可能なプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品によって特徴付けられ、このプログラムコードは、そのプログラムコードがデータ処理装置上で実行されることによって、第一又は第三の観点に基づく車両用の放送サービス継続のための方法又はそれらの方法の有利な実施形態を実行する。
【0029】
このコンピュータプログラム製品は、特に、データ処理装置により読取可能であるとともに、このプログラムコードを保存する手段を有する。
【0030】
以下において、添付した模式図と関連して、本発明の実施例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】サービス継続のアプリケーションシナリオを示す模式的なブロック図
【
図2】車両用の放送サービス継続のためのプログラムのフロー図
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、サービス継続のアプリケーションシナリオを示す模式的なブロック図を図示している。
図1は、デジタルオーディオ放送(DAB)の放送塔10、セルラー網の基地局20、特に、拡張マルチメディア放送/マルチキャストサービス(eMBMS)をサポートするLTE網の高度ノードB、及び道路40を走行する車両30を図示している。
図1から見ることができる通り、道路40は、DABサービスカバレージゾーン50の一部、セルラー網ベース放送サービスカバレージゾーン80の一部、DABサービスカバレージギャップ60の一部及び遷移ゾーン70の一部を通っており、DABサービスカバレージとセルラー網ベース放送サービスカバレージの両方が使用可能である。好ましくは、DABで伝送されるサービスの全て又は大部分がセルラー網ベース放送でも使用可能である。
【0033】
このシナリオでは、車両30は、DABサービスエリア内を走行しており、セルラー網ベース放送サービスカバレージ、好ましくは、eMBMSカバレージが存在するDABサービスカバレージギャップ60(DAB喪失域)を通過しなければならない。
図1で見ることができる通り、DAB喪失域の周りには遷移ゾーン70が有る。
【0034】
この文脈において、放送伝送、特に、eMBMSの使用は、より高い効率が多数のユーザーへのライブオーディオコンテンツの同時配信のために達成されるので、セルラーユニキャスト伝送よりも好ましい。
【0035】
eMBMS標準に準拠して、eMBMS伝送をサポートするLTE網に、放送・マルチキャストサービスセンター(BM−SC)、MBMSゲートウェイ(MBMS−GW)及びマルチセル・コーディネーション・エンティティ(MCE)の新しい構成要素が導入されている。MBMS第6版に定義された前者は、コア網とコンテンツ提供者の間に位置するので、MBMSコンテンツのための入力点である。それは、特に、MBMS伝送の開始と終了、サービス宣言、セキュリティ及び課金タスクなどを制御する。このMBMS−GWの主な機能は、IPマルチキャストを用いて、MBMS伝送に関連するMBMSパケットを高度ノードB(eNB)に転送することである。最終的に、MCEが、MBMSコンテンツとリソースの両方の管理を行なう。
【0036】
MBMS方式では、MBMSユーザーサービスは、エンドユーザーにサービスを提供するとともに、それを作動及び停止を制御する役割を果たすエンティティである。一般的に、MBMSユーザーサービスは、幾つかのMBMSダウンロード又はMBMSストリーミングセッションを介して提供される必要の有る複数の別個のマルチメディアオブジェクト又はストリームを含むことができる。デジタルオーディオサービスの場合、それと関連するMBMSユーザーサービスは、一つのMBMSストリーミングセッションを介して提供することができる。各セッションは、一つのユニキャストベアラサービス、或いは一つ又は複数のMBMSベアラサービスと、移動体側でコンテンツを如何にして受信するのかを規定する一連の配信方法パラメータとに関連する。同じMBMSユーザーサービスの全てのMBMSベアラサービスは、同じテンポラリィ・モバイル・グループ・アイデンティティ(TMGI)により特定される。
【0037】
車両30は、受信装置90を備えている。この受信装置90は、放送サービス継続のための装置と呼ぶこともできる。
【0038】
この受信装置90は、以下で説明する通り、放送サービス継続のためのプログラムを実行するように構成される。
【0039】
好ましくは、この受信装置90は、一つのデジタルオーディオ放送システム及び/又は少なくとも一つのセルラー網ベース放送サービスシステムの信号を受信するようにも構成される。このようにして、追加の装置及び信号伝送を回避することができる。
【0040】
図2は、車両30用の放送サービス継続のためのプログラムのフロー図を図示している。このプログラムは、例えば、車両30の受信装置90で実行することができる。
【0041】
このプログラムは、例えば、三つのサブプログラムから構成される。これらのサブプログラムの詳細なフロー図が
図3〜5に図示されている。これらのサブプログラムは、例えば、順番に実行される。このプログラムは、例えば、車両30の動作が開始された時に、工程S0から始まって、車両30の動作が停止された時に、工程S7で終了する。
【0042】
このプログラムは、第一のサブプログラムS1から始まる。この第一のサブプログラムS1は、DABサービスからセルラー網ベース放送サービスへのハンドオーバーを実施しなければならないのかを決定する役割を果たす。この目的のために、車両30が所与の時間期間内に到達すると期待されるルート区間内におけるDABサービス及び/又はセルラー網ベース放送サービスの信号の信号品質及び/又は信号アベイラビリティが、DABサービスのカバレージギャップの地理的位置、セルラー網ベース放送サービスのカバレージギャップの地理的位置及びDABサービスとセルラー網ベース放送サービスの遷移ゾーンの中の一つ以上を表すデータを含む提供されるデータベース情報に基づき連続して、或いは所与の時間間隔で推定される。それに追加して、或いはそれに代わって、車両が所与の時間期間内に到達すると期待されるルート区間内におけるDABサービス及び/又はセルラー網ベース放送サービスの信号品質及び/又は信号アベイラビリティは、受信されるDAB信号に含まれるサービス情報に基づき推定される。
【0043】
第一のサブプログラムS1のフロー図の例が
図3に図示されている。
【0044】
第一のサブプログラムS1は工程S1_1から始まる。工程S1_3では、サービス情報が受信されるDAB信号に含まれているのかが調べられる。このサービス情報は、例えば、DABカバレージ情報を含む。
【0045】
DAB信号がサービス情報を含む場合、このサービス情報が工程S1_5で調査される。このサービス情報に基づき、車両30が所与の時間期間内に到達すると期待されるルート区間内におけるDABサービス信号及び/又はセルラー網ベース放送サービス信号の信号品質及び/又は信号アベイラビリティが推定される。
【0046】
DABシステムでは、所与のDAB伝送フレームがオーディオデータ及び信号情報を伝送するために使用される。DAB標準に準拠して、その時々の同調されているオーディオサービスを搬送する代替システム及び/又は代替周波数の周波数情報(FI)がフレームFIG0/21(ファスト・インフォメーション・グループのタイプ0拡張21)において符号化されている。この周波数情報は、その時々のDABサービスの代替周波数を発見できる領域の緯度座標及び経度座標を示すリージョナル情報特性を用いて、異なる地理領域に対して与えられる。
【0047】
領域識別子(リージョンID)は11ビットから構成される。「0」は特定の領域が無いことを示す。2047個の領域を表すことができる。例えば、DABサービスカバレージギャップを指定するために、これら2047個の領域の中の幾つかを使用することができる。
【0048】
このリージョンIDを用いて、一つ又は複数のFIリストを伝送することができる。このFIリストの長さは、FIリストを含むフィールドのバイト長(最大26バイト)を表す5ビットのフィールドによって指定することができる。各FIリスト内において、R&M(帯域及び変調、4ビット)フィールドが、所望のサービスを伝送する放送システム(FM、AM、DRM等)を示す。DAB標準に準拠して、代替システムを定義するための可能な9個までのR&M値が未だ使用されていない。例えば、これらの値の中の一つは、セルラー網ベース放送サービス、特に、MBMSのために使用される。このIdフィールド(16ビット)は、それに対応するR&Mシステムのサービス識別子を示す。このR&Mフィールドに応じて、制御フィールド、識別子フィールド及びその対応する代替周波数値の中の一つ以上を含むように、残りのフィールドの構造を変更することができる。
【0049】
FIリスト(26バイト長)は、例えば、MBMSベアラにより搬送されるオーディオサービスに対応するTMGIとフローIDを含むことができる。
【0050】
それに追加して、或いはそれに代わって、工程S1_7で、DABサービスのカバレージギャップの地理的位置、セルラー網ベース放送サービスのカバレージギャップの地理的位置及び遷移ゾーンの中の一つ以上を表す提供されるデータベース情報が有るのかが調べられる。
【0051】
このデータベース情報は、リモートデータベース及び/又は車両30のローカルデータベースに保存することができる。このデータベース情報は、ハンドオーバー手順を予想するために、受信機により使用することができる。
【0052】
データベース情報が入手可能である場合、このデータベース情報は、工程S1_9で調査される。工程S1_9では、このデータベース情報に基づき、車両30が所与の時間期間内に到達すると期待されるルート区間内におけるデジタルオーディオ放送サービス信号及び/又はセルラー網ベース放送サービス信号の信号品質及び/又は信号アベイラビリティが推定される。
【0053】
このデータベース情報は、ギャップの地理的位置及び/又は遷移ゾーンを含むことができる。表Iは、このデータベースに含まれるデータベース情報の幾つかの例を提供する。この情報は、サービス情報内においてDABシステムにより送信される情報と同じものとすることができる。
【0055】
任意選択として、工程S1_11で、その時々のデジタルオーディオ信号の提供される測定データが評価される。
【0056】
工程S1_11では、この提供される測定データに基づき、その時々のデジタルオーディオ放送サービス信号及び/又はセルラー網ベース放送サービス信号の信号品質が推定される。
【0057】
工程S1_13で、このデジタルオーディオサービス信号及び/又はセルラー網ベース放送サービス信号の信号品質の推定に基づき、ハンドオーバーが実施される、特に、ハンドオーバーが必要であるか否かが決定される。好ましくは、車両30のその時々の地理的位置、車両30の期待されるルート及び車両30の速度の中の一つ以上に基づき、ハンドオーバーが実施される。
【0058】
ハンドオーバーを実施しなければならない場合、第一のサブプログラムS1が工程S1_15で終了して、第二のサブプログラムS3が始まる。
【0059】
図4は、第二のサブプログラムS3のフロー図の例を図示している。この第二のサブプログラムS3は、DABサービスからそれに対応するセルラー網ベース放送サービスへのハンドオーバーを制御する。
【0060】
この第二のサブプログラムS3は、工程S3_1から始まる。工程S3_3で、受信装置90から、例えば、放送マルチキャストサービスセンターへの接続が構築されて、工程S3_5で、受信装置90の登録が行なわれる。
【0061】
工程S3_7で、セルラー網ベース放送サービスの対応するユーザーサービス記述子がデータベース情報及び/又は受信されるDAB信号に含まれるサービス情報から入手可能であるのかが調べられる。セルラー網ベース放送サービスのユーザーサービス記述子が入手可能である場合、工程S3_9で、DABサービスとセルラー網ベース放送サービスの間の同期が所与の遅延に基づき開始される。例えば、受信装置90は、オーディオコンテンツを一時保存して、サービスの最後の数秒の再生又はリピートを遅らせる。例えば、DABに対するセルラー網ベース放送サービスの遅延は、データベース及び/又はDAB信号内、特に、サービス情報内で提供される。同期後、工程S3_11で、受信装置90は、セルラー網ベース放送サービスの再生を開始する準備が整う。
【0062】
好ましくは、その時々に受信されるDABサービスのDAB信号内に含まれるサービス情報は、セルラー網ベース放送サービスのユーザーサービス記述子を含むか、或いは表す。
【0063】
このシステムがeMBMSシステムである場合、例えば、放送マルチキャストサービスセンターと受信装置90は、ユーザー登録を完了させるために信号メッセージを交換する。次に、例えば、MBMSユーザーサービス発見/宣言が始まる。このプロセスは、受信装置90がeMBMSユーザーサービス選択を可能とするユーザーサービスに関する情報に沿って、利用可能なMBMSユーザーサービス又はユーザーサービス群のリストを取得することを可能とする。
【0064】
このサービス選択のために、
ア ダウンロード配信機能を用いたMBMSベアラを介したユーザーサービス宣言
イ 対話型宣言機能(HTTPを用いた受信装置90へのサービス記述)を用いたユーザーサービス宣言
ウ それ以外の手段による、それ以外の可能なユーザーサービス宣言及び発見機構
の幾つかのサービス発見機構を使用することができる。
【0065】
それに代わって、或いはそれに追加して、データベース情報は、ユーザーサービス記述子又はそれを表すものを含むことができる。eMBMSシステムでは、データベース情報は、例えば、セルラー網ベース放送サービスを介して伝送される該DABサービスのためのDABサービス識別子毎のTMGI及びフローIDと、同期に必要なデータとを含む。ナビゲーションシステムからのGPS座標及びデータと共に、この情報に基づき、例えば、サービス継続に必要な遷移ゾーンが事前に計算される。
【0066】
表IIは、このデータベースに含まれるデータベース情報の幾つかの例を提供する。
【0068】
この情報は、好ましくは、サービス情報の情報と同じものである。
【0069】
以下に示す通り、これは、受信装置90がセルラー網ベース放送サービスのユーザーサービス記述子を発見するために、全てのサービス記述子要素を読み取る必要が無いので、ハンドオーバー手順を簡単化する、その結果、そのレイテンシーを低減する。
【0070】
しかし、その対応するセルラー網ベース放送サービスのユーザーサービス記述子が分からない場合、(S3_13/S3_15のループと関連して)工程S3_11で、ユーザーサービス記述子は、例えば、セルラー網ベース放送サービス記述子を評価することによって、反復して決定される。この場合、該DABサービスのサービス記述要素は、セルラー網ベース放送サービス記述、特に、マルチメディア放送/マルチキャストサービスのユーザーサービス記述に含まれる。
【0071】
eMBMSシステムに関して、受信装置90は、eMBMSの全てのユーザーサービス群を収集して、MBMSユーザーサービスを記述する一つ又は複数の「ユーザーサービス記述」要素を含む「バンドル記述」要素内のDABサービスIDを求めて反復して検索する。MBMSユーザーサービスを特定するために、各「ユーザーサービス記述」要素は、ユニークな識別子である「サービスID」属性を有し、一つ又は複数の「名前」要素を含むことができる。この「サービスID」は、例えば、ユニフォームリソース名(URN)フォーマットである。
【0072】
このユニフォームリソース識別子(URI)は、“urn:”<NID>“:”<NSS>の構文を使用し、ここで、<NID>は、名前空間特定ストリング<NSS>の構文解釈を決める名前空間識別子である。この3GPPは、「3gpp」のNIDを用いる異なるNSSに関するURN値のリストを提供する。両方の方式における同じデジタルオーディオサービスの特定を簡単化するために、MBMSユーザーサービス記述の「サービスID」属性は、例えば、DABで使用されるサービスID(16ビット)を含む。例えば、デジタルオーディオサービス用のNSSは、次の通り、プレフィックス「dab」に続くDABサービスID(16ビット)から構成される。
【0073】
“urn:3gpp:dab”<DAB サービスID>
【0074】
対応するMBMSユーザーサービスが発見されると、そのサービスに関連するMBMSセッションのテンポラリィ・モバイル・グループ・アイデンティティ(TMGI)とフローIDを含む全ての関連するユーザーサービス記述子が抽出される。このようにして、受信機は、eMBMS信号内で所与のDABサービスを発見するために必要な情報を有する。対応するDABサービスを決定することができるイベントにおいて、第二のサブプログラムは、工程S3_9に続く。
【0075】
任意選択として、工程S3_9で、サービス継続が成功裏に進行した地理的位置が、このデータベース及び/又は別のデータベースに保存される。
【0076】
工程S3_11でユーザーサービス記述子を決定できなかったイベントにおいて、或いはセルラー網ベース放送サービスの再生が開始された場合、第二のサブプログラムS3が工程S3_23で終了して、第三のサブプログラムS5が始まる。
【0077】
第三のサブプログラムS5のフロー図の例が
図5に図示されている。この第三のサブプログラムS5は、セルラー網ベース放送サービスからそれに対応するDABサービスへのハンドオーバーを実施する役割を果たす。この第三のサブプログラムは、データベース情報を調べ続ける。このデータベース情報は、保存されたサービス情報を含むこともできる。受信装置は、受信されるDABサービス信号内に含まれる該サービス情報を保存するように構成することができる。
【0078】
この第三のサブプログラムS5は工程S5_1から始まる。
【0079】
工程S5_3では、DABサービスのカバレージギャップの地理的位置、セルラー網ベース放送サービスのカバレージギャップの地理的位置及びDABサービスとセルラー網ベース放送サービスの遷移ゾーンの中の一つ以上を表す提供されるデータベース情報が入手可能であるのかが調べられる。
【0080】
このデータベース情報が入手可能である場合、そのデータベース情報は、工程S5_5で調査される。工程S5_5において、このデータベース情報に基づき、車両30が所与の時間期間内に到達すると期待されるルート区間内におけるデジタルオーディオ放送サービス信号及び/又はセルラー網ベース放送サービス信号の信号品質及び/又は信号アベイラビリティが推定される。
【0081】
任意選択として、工程S5_7で、その時々のデジタルオーディオ信号及び/又はその時々のセルラー網ベース放送サービス信号の提供される測定データが評価される。工程S5_7では、この提供される測定データに基づき、その時々のデジタルオーディオ放送サービス信号又はセルラー網ベース放送サービス信号の信号品質が推定される。
【0082】
工程S5_9で、このデジタルオーディオ放送サービス信号及び/又はセルラー網ベース放送サービス信号の信号品質の推定に基づき、ハンドオーバーが実施される、特に、ハンドオーバーが可能なのか、或いはセルラー網ベース放送サービスのカバレージが悪い場合にハンドオーバーが必要なのかが決定される。
【0083】
ハンドオーバーが可能及び/又は必要である場合、工程S5_11で、受信装置90がDABへの接続を構築して、DABサービスとセルラー網ベース放送サービスの間の同期が開始される。同期後に、工程S5_13で、受信装置90は、セルラー網ベース放送サービスの再生を開始する準備が整う。
【0084】
DABの再生が開始された場合、第三のサブプログラムS5は工程S5_15で終了して、第一のサブプログラムS1が再び始まる。
【符号の説明】
【0085】
10 デジタルオーディオ放送の放送塔
20 基地局
30 車両
40 道路
50 DABサービスカバレージゾーン
60 DABサービスカバレージギャップ
70 遷移ゾーン
80 セルラー網ベース放送サービスカバレージゾーン
90 受信装置
S1 第一のサブプログラム
S3 第二のサブプログラム
S5 第三のサブプログラム
S1_x,S3_x,S5_x 処理工程