(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0003】
本発明の幾つかの実施形態によれば、少なくとも一対の車輪を有する車両の幅を変更する調節アセンブリが提供され、調節アセンブリは、車両に組み込まれ、かつその一対の前輪、中間輪又は後輪と接続可能である。調節アセンブリは、とりわけ(i)車両の一対の車輪に接続可能な折り畳み可能ユニットであって、それが接続する一対の車輪間の距離を調節するために、一対の車輪の中心を接続する所定の軸「Y」に沿って、その全長を変更するように構成された折り畳み可能ユニットと、(ii)折り畳み可能ユニットが接続する車両の一対の車輪と動作可能に連係された傾斜ユニットとを含む。傾斜ユニットは、車両が折り畳む又は展開する時、車両の駆動中に、「Y」軸に対する一対の車輪の角度位置決めを変更するように構成される。
【0004】
本発明の幾つかの実施形態によれば、少なくとも一対の車輪を有する車両の縦方向の寸法を変更する調節アセンブリが提供され、前記調節アセンブリは、前記車両に組み込まれ、かつ車両の一対の前輪、中間輪又は後輪と接続可能である。調節アセンブリは、接続する一対の車輪間の距離を調節するために、一対の車輪の中心を接続する所定の軸「Y」に沿って、その全長を変更するように構成された、車両の一対の車輪に接続可能な伸長可能/折り畳み可能ユニットと、「Y」軸に対する一対の車輪の角度位置決めを変更するように構成され、車両のコントローラによって制御される、折り畳み可能ユニットが接続する車両の一対の車輪と動作可能に連係された傾斜ユニットとを含む。
【0005】
折り畳み/展開は、車両の駆動中に行われ、前記傾斜ユニット及び/又は前記折り畳み可能ユニットは、それを操作するコントローラを介して制御可能である。
【0006】
本発明の幾つかの実施形態によれば、角度位置の変更は、所定の軸に沿った車輪の移動軌跡を維持する。
【0007】
本発明の幾つかの実施形態によれば、全車輪の角度位置の変更は、同期される。
【0008】
本発明の幾つかの実施形態によれば、伸長可能な折り畳み可能ユニットは、各々が異なる対の前輪及び後輪に接続可能な2つの調節アセンブリからなり、2つの調節アセンブリは、接続ユニットを介してその動作を調整し、かつ同期するために互いに接続される。
【0009】
本発明の幾つかの実施形態によれば、調節アセンブリは、Y軸に沿って内側に、かつ互いに向かって動き、それにより一対の車輪間の距離を変更するように構成される折り畳み可能ユニットからなる。
【0010】
本発明の幾つかの実施形態によれば、折り畳み可能ユニットは、鋸歯状部分と、勾配部分とを有する調節可能部材を含み、調節アセンブリは、車輪が傾けられ、かつ駆動される時に、ギヤが回転し、そのトルクを伝達し、調節部材の横方向の離間又は収束を引き起こすように、ギヤによって鋸歯状部分で係合される。
【0011】
本発明の幾つかの実施形態によれば、折り畳み可能ユニットは、伸縮自在に相互接続される。
【0012】
本発明の幾つかの実施形態によれば、折り畳み可能ユニットは、五角形圧潰アセンブリである。
【0013】
本発明の幾つかの実施形態によれば、調節アセンブリは、車輪と共に折り畳み及び展開する安全折り畳み底部プラットフォームを更に含み、プラットフォームは、各対の車輪間に連続区域を作り出す。
【0014】
本発明の幾つかの実施形態によれば、調節アセンブリは、少なくとも傾斜ユニットの動作を作動させるモータを更に含む。
【0015】
本発明の幾つかの実施形態によれば、調節アセンブリは、折り畳みアセンブリの動作をサポートする少なくとも1つのモータを更に含む。
【0016】
本発明の幾つかの実施形態によれば、可動調節部材の運動は、安全ストッパを介して折り畳み又は展開が制限され、運動制限は、所定の規則に従って制御される。
【0017】
本発明の幾つかの実施形態によれば、傾斜ユニット120は、シリンダ内に同軸に挿入され、かつ可動であるピストンを各々が含む2つの伸縮部材を含む。
【0018】
本発明の幾つかの実施形態によれば、傾斜ユニットは、車輪に直接機械的に接続される。
【0019】
本発明の幾つかの実施形態によれば、通常駆動モードで機能する車輪のステアリング機構は、車輪に直接機械的に接続される。
【0020】
本発明の幾つかの実施形態によれば、伸縮部材は、ピストンをそれぞれのシリンダ内部で引き、かつ押すために、車両の少なくとも1つのエンジンに接続されるアクチュエータを介して作動する。
【0021】
本発明の幾つかの実施形態によれば、傾斜ユニットは、車輪の角度位置決めを変更するためにそのピストンの運動を電子的に同時に制御することによって、コントローラによって、又はコントローラを通して制御され、かつ操作される。
【0022】
本発明の幾つかの実施形態によれば、ギヤは、感知された現在の幅に従って、傾斜ユニットを制御可能にするために、ピッチ角を算定し、かつ感知された幅をコントローラに報告する機構を連係させることによって、各々の所与の瞬間に、車両の位置決め及び幅を感知及び示すセンサとして機能する。
【0023】
本発明の幾つかの実施形態によれば、傾斜ユニット及び折り畳み可能ユニットの両方は、各タイプのユニットを作動させる異なる又は同じアクチュエータを使用して、コントローラを介して同時に作動する。
【0024】
本発明の幾つかの実施形態によれば、コントローラは、次の規則(i)速度制限検証及び制御は、車両が、所定の速度範囲内で駆動されたことを確実にする、(ii)ステアリング角制限検証及び制御は、ステアリングホイール角が、所定の限度を超えないことを確実にする、の少なくとも1つを含む、折り畳み工程を開始する前に、所定の規則の安全のための手順を自動的に実行する。
【0025】
本発明の幾つかの実施形態によれば、調節アセンブリは、折り畳み工程又は展開工程中に、リアルタイムで各対における車輪間の距離を測定する感知手段を更に含み、測定値は、コントローラで受信され、かつ処理される。
【0026】
本発明の幾つかの実施形態によれば、車輪は、折り畳み工程又は展開工程中に徐々に傾けられる。
【0027】
本発明の幾つかの実施形態によれば、車輪は、車両が移動中でない時に傾けられる。
【0028】
本発明の幾つかの実施形態によれば、車輪は、折り畳み工程中に同じ傾斜角度に留まる。
【0029】
本発明の幾つかの実施形態によれば、各対の車輪間の距離は、折り畳み工程の開始点及びその工程の終わりでのみ感知される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】折り畳み可能車両の幅を調節するシステムの平面図を示し、システムは、本発明の幾つかの実施形態により、車両の幅を変更するように構成された、互いに動作可能に接続された2つの調節アセンブリをとりわけ含む。
【
図2】本発明の幾つかの実施形態による、車両のシステムの調節アセンブリの1つの正面図を示す。
【
図3】本発明の幾つかの実施形態による、システムの調節アセンブリの1つの分解組立図を示す。
【
図4A】車両の後輪及び前輪が、収束傾斜位置決めをし、かつシステムが、本発明の幾つかの実施形態により、その安全ストッパをロック解除させ、開放の準備の整った最大折り畳み位置にある、システムを収束し、かつ折り畳んだ位置で示し、システムの等角図を収束し、かつ折り畳んだ位置で示す。
【
図4B】車両の後輪及び前輪が、収束傾斜位置決めをし、かつシステムが、本発明の幾つかの実施形態により、その安全ストッパをロック解除させ、開放の準備の整った最大折り畳み位置にある、システムを収束し、かつ折り畳んだ位置で示し、システムの平面図を収束し、かつ折り畳んだ位置で示す。
【
図4C】車両の後輪及び前輪が、収束傾斜位置決めをし、かつシステムが、本発明の幾つかの実施形態により、その安全ストッパをロック解除させ、開放の準備の整った最大折り畳み位置にある、システムを収束し、かつ折り畳んだ位置で示し、システムの正面図を収束し、かつ折り畳んだ位置で示す。
【
図5A】車両の後輪及び前輪が、収束傾斜位置決めをし、かつシステムが、本発明の幾つかの実施形態により、その安全ストッパをロック解除させ、折り畳みの準備の整った展開位置になおもある、システムを収束し、かつ展開した位置で示し、システムの等角図を収束し、かつ展開した位置で示す。
【
図5B】車両の後輪及び前輪が、収束傾斜位置決めをし、かつシステムが、本発明の幾つかの実施形態により、その安全ストッパをロック解除させ、折り畳みの準備の整った展開位置になおもある、システムを収束し、かつ展開した位置で示し、システムの平面図を収束し、かつ展開した位置で示す。
【
図5C】車両の後輪及び前輪が、収束傾斜位置決めをし、かつシステムが、本発明の幾つかの実施形態により、その安全ストッパをロック解除させ、折り畳みの準備の整った展開位置になおもある、システムを収束し、かつ展開した位置で示し、システムの正面図を収束し、かつ展開した位置で示す。
【
図6A】車両の後輪及び前輪が、非収束傾斜位置決めをし、かつシステムが、本発明の幾つかの実施形態により、その安全ストッパをロックさせ、駆動の準備の整った、又はその展開後の展開位置にある、システムを収束せず、かつ展開した位置で示し、システムの等角図を収束せず、かつ展開した位置で示す。
【
図6B】車両の後輪及び前輪が、非収束傾斜位置決めをし、かつシステムが、本発明の幾つかの実施形態により、その安全ストッパをロックさせ、駆動の準備の整った、又はその展開後の展開位置にある、システムを収束せず、かつ展開した位置で示し、システムの平面図を収束せず、かつ展開した位置で示す。
【
図6C】車両の後輪及び前輪が、非収束傾斜位置決めをし、かつシステムが、本発明の幾つかの実施形態により、その安全ストッパをロックさせ、駆動の準備の整った、又はその展開後の展開位置にある、システムを収束せず、かつ展開した位置で示し、システムの正面図を収束せず、かつ展開した位置で示す。
【
図7A】車両後輪及び前輪が、非収束傾斜位置決めをし、かつシステムが、本発明の幾つかの実施形態により、その安全ストッパをロックさせ、駐車モードの準備の整った、又はその折り畳み後の折り畳み位置にある、システムを収束せず、かつ折り畳み/収縮位置で示し、システムの等角図を収束せず、かつ折り畳んだ位置で示す。
【
図7B】車両後輪及び前輪が、非収束傾斜位置決めをし、かつシステムが、本発明の幾つかの実施形態により、その安全ストッパをロックさせ、駐車モードの準備の整った、又はその折り畳み後の折り畳み位置にある、システムを収束せず、かつ折り畳み/収縮位置で示し、システムの平面図を収束せず、かつ折り畳んだ位置で示す。
【
図7C】車両後輪及び前輪が、非収束傾斜位置決めをし、かつシステムが、本発明の幾つかの実施形態により、その安全ストッパをロックさせ、駐車モードの準備の整った、又はその折り畳み後の折り畳み位置にある、システムを収束せず、かつ折り畳み/収縮位置で示し、システムの正面図を収束せず、かつ折り畳んだ位置で示す。
【
図8】本発明の幾つかの実施形態による、折り畳み可能車両を折り畳む/収縮する工程を概略的に例示するフローチャートである。
【
図9】本発明の幾つかの実施形態による、折り畳み可能車両を展開/伸長する工程を概略的に例示するフローチャートである。
【
図10A】本発明の幾つかの実施形態による、システム折り畳み/伸長機構の任意の構成を示し、折り畳み/伸長可能な機構の平面図を折り畳み位置で示す。
【
図10B】本発明の幾つかの実施形態による、システム折り畳み/伸長機構の任意の構成を示し、折り畳み/伸長機構の平面図を展開位置で示す。
【
図11A】本発明の幾つかの実施形態による、異なる傾斜位置での(
図10A〜
図10Bに示すような)システム折り畳み/伸長機構の代替的な構成を示し、折り畳んだ(暗い車輪)及び展開した(明るい車輪)位置での折り畳み/伸長機構、及び真っ直ぐな位置での車輪の平面図を示す。
【
図11B】本発明の幾つかの実施形態による、異なる傾斜位置での(
図10A〜
図10Bに示すような)システム折り畳み/伸長機構の代替的な構成を示し、折り畳んだ(車輪が、暗色で示される)及び展開した(車輪が、明色で示される)位置での折り畳み/伸長機構、及び傾斜位置での車輪の平面図を示す。
【
図12A】本発明の幾つかの実施形態による、システム折り畳み/伸長機構の代替的な構成を示し、折り畳み/圧潰機構の平面図を折り畳んだ位置で示す。
【
図12B】本発明の幾つかの実施形態による、システム折り畳み/伸長機構の代替的な構成を示し、折り畳み/圧潰機構の平面図を展開した位置で示す。
【
図12C】本発明の幾つかの実施形態による、システム折り畳み/伸長機構の代替的な構成を示し、折り畳み/圧潰機構の平面図を異なる折り畳み位置、折り畳んだ(車輪が、暗色で示される)及び展開した(車輪が、明色で示される)位置で示す。
【
図13A】本発明の幾つかの実施形態による、システム底部構造の構成を異なる折り畳み位置で示し、システム底部構造の平面図を折り畳んだ位置で示す。
【
図13B】本発明の幾つかの実施形態による、システム底部構造の構成を異なる折り畳み位置で示し、システム底部構造の平面図を展開した位置で示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
種々の実施形態の以下の詳細な説明において、その一部を形成し、かつ本発明が実施され得る具体的な実施形態が例証として示される添付図面が参照される。他の実施形態が利用でき、かつ構造的変更が、本発明の範囲から逸脱せずになされ得ることが理解される。
【0032】
本発明は、その幾つかの実施形態において、車両の幅を調節するシステム方法及び調節アセンブリのような機構を提供し、並びに車両自体の一部として内部に組み込まれたこれら機構の1つ以上を含むシステムを有する折り畳み可能車両を提供する。折り畳み可能車両は、少ない駐車スペースを占め、かつ/又は都市の狭い道路を通して容易に操縦するために、その幅、すなわち各対の後輪及び前輪間の距離を減少させることによって折り畳むように設計される。
【0033】
システムは、1つ以上の調節アセンブリを含み、各々が、折り畳み可能車両の一対の前輪/後輪/中間輪に接続する機械的機構であり、この車両が折り畳まれ、かつ展開されることを可能にし、その全幅を変更し、システムが、その不可欠な部分として折り畳み可能車両に組み込まれる。
【0034】
幾つかの実施形態によれば、調節アセンブリは、車両の一対の車輪(例えば、前輪又は後輪)に接続し、かつ(i)車輪の中心間の軸「Y」にわたって、接続する一対の車輪間の距離を変更するために、その全幅を調節するように構成された車両の一対の車輪に接続可能な折り畳み可能ユニットと、(ii)折り畳み可能ユニットが接続する車両の一対の車輪と動作可能に連係された傾斜ユニットとを含み、傾斜ユニットは、折り畳み又は展開される時、車両の駆動中に、単一の車輪又は一対の車輪を傾斜させる(すなわち、「Y」軸に対する角度位置決めを変更する)ように構成される。
【0035】
調節アセンブリは、一旦運転手が(その時点での状態に応じて)車両を折り畳む又は展開するように命令すると、低速駆動中に(折り畳み工程中に)車輪を「Y」軸に対して1つ以上の所望の角度位置まで徐々に傾斜させ、かつ折り畳み可能ユニットが、車輪の傾斜と連携して折り畳み/展開させることによって、車両がその折り畳み又は展開のために制限された速度で、スムーズかつ快適に駆動される間、傾斜ユニット及び/又は折り畳み可能ユニットが、自動的に操作されるように構成される。任意に、車両が動いていない時、折り畳み工程を開始する前に、傾斜操作が、行われ得る。
【0036】
任意に、車輪は、折り畳み工程中に徐々に傾けられず、同じ傾斜角度に留まる。
【0037】
傾斜ユニットは、「Y」軸に対して角度位置決めする伸長自在な要素を含んでも良く、各要素は、対の異なる車輪に接続しても良い。(長さを変更するために、折り畳み及び展開できる伸縮部材のような)各伸長自在要素は、車両(及びその車輪)が駆動される間、一旦これらの伸長自在要素が、その伸長又は折り畳みのために作動すると、前輪/後輪を所定の角度位置決めまで傾けさせるように、別個の後輪/前輪に接続し、車輪の傾斜のために、駆動中に、幅が徐々に、かつスムーズに変更されることを可能にする。
【0038】
傾斜ユニットは、任意にエンジンを使用して、部分的に、車輪と一体化した内部ユニットとして実装できる。
【0039】
傾斜ユニットは、車輪に対する傾斜を直接制御する機械的機構によって実装できる。あるいは、傾斜ユニットは、リモートコントローラを使用して、電気的機構によって実装できる。
【0040】
幾つかの実施形態によれば、折り畳み可能ユニットは、その「Y」軸にわたって一対の車輪に横方向に接続される1つ以上の折り畳み可能部材を含み、車両が駆動され、かつ一対の車輪が、傾斜ユニットによって傾けられる時、これら1つ以上の部材が、自動的に伸長又は短縮し、かつそれにより車両の幅の安定した伸長又は短縮を可能にするようにする。
【0041】
これらのような機構は、車両の後輪及び前輪に接続できるので、車両の長さよりもむしろ車両の幅を調節する(すなわち、車両の前側及び後側の最遠位縁部間の距離よりもむしろ、車両の右側及び左側の最遠位縁部間の距離を調節すること)ために使用できる。
【0042】
幾つかの実施形態によれば、車両の幅を調節するシステムは、複数の調節アセンブリ、各対の前輪及び後輪に対して1つの調節アセンブリを含む(任意に長い車両の場合に、他の中間対の車輪が加えられ、各々が対応する調節アセンブリに接続されても良い)。
【0043】
幾つかの実施形態によれば、システムの全ての調節アセンブリの動作は、単一の集中コントローラによって制御され、かつ1つ以上の機械的及び/又は電子的手段を介して調整及び/又は同期できる。このことは、一対の車輪が、その対応する調節アセンブリを介して、全てが同じ速度で同時に動かされる同期された方法で、かつ調整された方法で、互いに近付けられ、又は互いに遠ざけられ得ることを意味する。
【0044】
本発明の幾つかの実施形態によれば、各調節アセンブリの折り畳み可能ユニットの長さは、例えば伸縮要素のような1つ以上の調節部材を含むことによって、又は幾つかの要素を互いに「Y」軸に沿って横方向に動かすことによって機械的に調節でき、その一部を係合及び/又は重複させ、一方の部材の一方の非係合縁部から他方までの間の全体的な距離を変更することを可能にし、これらの縁部を、その運動によって間の距離を変更するために各対の車輪を直接又は間接的に接続させる。「Y」軸に沿った調節部材の横方向運動は、システムのコントローラによって制御される機械的伝達機構を介して制御し、かつ実行できる。例えば、2つの調節部材の各々は、中央ギヤ(はめ歯歯車)を係合させることによって、横方向に動かされ得る鋸歯状部分を含み、車輪は、電源として車両のバッテリ、及びギヤに接続する駆動軸を回転のために作動させる車両のエンジンを使用して、コントローラによって回転できる。各調節部材は、反対の形でギヤに接続し、同じギヤの回転が、「Y」軸に沿った調節部材の反対の横方向運動を引き起こすようにする。このようにして一方向(例えば、左回り)へのギヤの回転は、調節部材を、互いから遠ざけ、かつ他方向(例えば、右回り)へのギヤの回転は、互いに接近させ、かつそれにより、それぞれ接続する車輪間の長さ及び距離を増減させる。調節部材を動かすためにギヤを使用するこの機械的伝達機構は、任意であり、かつ他のいかなる伝達機構も使用できる。
【0045】
その上、又はあるいは、傾斜ユニットは、複数の伸縮部材を含み、各々は、その一端で異なる車輪に直接又は間接的に接続し、各伸縮部材の軸が、「Y」軸に対して角度変化できるようにする。このようにして、2つの車輪(例えば、後輪又は前輪)間の距離が、折り畳み可能ユニットによって(例えばそのギヤ作動の回転を介して)調節される時はいつでも、各伸縮部材のスパンが変更され、それにより、同時に車輪の傾斜角を、内側又は外側に引き、又は押すことによって、それにより傾斜させて変更する。
【0046】
車両の幅を調節するシステム500を概略的に例示し、システム500が本発明の幾つかの実施形態により組み込まれる、
図1、
図4A〜
図4B、
図5A〜
図5B、
図6A〜
図6B及び
図7A〜
図7Bをここで参照する。このシステム500は、一対の前輪10a及び10b、並びに一対の後輪20a及び20bを有する新規な4輪車に適用される。システム500は、(運転手を含む)1人以上の乗員の車室が固定され、かつ運搬され得る、車両のベースユニットとして設置されるように構成される。
【0047】
システム500は、2つの調節アセンブリ、それぞれ異なる対の前輪及び後輪10a〜10b及び20a〜20bに各々が接続可能な、第1調節アセンブリ100と、第2調節アセンブリ200とを含む。2つの調節アセンブリ100及び200は、互いに接続し、コントローラ300によって制御できる接続ユニット50を介してその動作を調整し、かつ同期する(
図4A、
図5A、
図6A及び
図7Aを参照)。2つの調節アセンブリの調整は、任意であり、各ユニットは、別個に制御できる。
【0048】
図1〜
図7Cに例示されたように、各調節アセンブリ100及び200は、折り畳み可能ユニット110及び210と、傾斜ユニット120又は220とを含み、各ユニットは、それぞれ車両の車輪10a〜10b及び20a〜20bに接続可能である。
図2〜
図3は、第1調節アセンブリ100を詳細に示し、但し第2調節アセンブリ200は、同じく又は類似して連係した、同一の又は類似した構成要素を含む。
【0049】
全ての図における矢印5は、前進方向の運動を示す。
【0050】
幾つかの実施形態によれば、第1調節アセンブリ100の折り畳み可能ユニット110は、各々がそれぞれ鋸歯状部分111a及び111bと、勾配部分113a及び113bとを有する、可動要素である2つの調節部材110a及び110bを含む。鋸歯状部分111a及び111bは、車輪が傾けられ、かつ駆動され、それによりギヤ150を回転させ、かつそのトルクを伝達させ、調節部材110a及び110bの横方向の離間又は収束を引き起こす時に、「Y」軸に沿った調節部材110a及び110bの反対の横方向運動を有することによって、それらに対するスムーズな運動伝達を確実にする(ギヤ150として手短に参照される)はめ歯歯車ギヤ150を係合する。
【0051】
図2〜
図3に例示されるように、可動調節部材110a及び110bは、安全ストッパ131a及び131bを介して折り畳み又は展開することを防止でき、安全ストッパは、この実施例において、一方の側で対応する凹部141a、143aに、かつストッパ131bに関して、他方の側で対応する凹部(図示せず)に挿入されるように構成された突起であり、各調節部材110a/110bは、調節部材110a/110bを異なる折り畳んだ、又は展開した位置にロックするために各々2つの凹部を有する。
【0052】
一旦運転手が、車両を例えばその駐車のために、又は狭い道路を駆動するか、若しくは交通渋滞を通り抜けるために折り畳むことを希望すると、彼/彼女は、システム500のコントローラ300で受信され、車両が所定の速度範囲によって制限され得る低速で駆動されることを確認する間に、安全ロックを解除させる信号を入力できる。車両の駆動中の安全ストッパ(例えば、ストッパ131a及び131b)のロック解除は、自動的に、かつ当然にそれぞれ前輪及び後輪10a〜10b及び20a〜20bの2つの調節部材110a及び110b並びに210a及び210bを、それぞれの「Y1」及び「Y2」軸に沿って横方向に動かし、しかるに傾斜ユニット120及び220に、対の車輪10a及び10b並びに20a及び20bを
図5A〜
図5Bに示すように、内側に傾かせ、例えばその間の折り畳んだ距離に収束させ、車両の幅を減少させる。収束する角度位置における(制限された低速での)車両の駆動は、自動的に解除された調節部材110a及び110bを互いに向かって動かし、ギヤ150に、その横方向運動を可能にさせ、それにより車両全体をその幅を減少/短縮することによって折り畳ませる。
【0053】
一旦車両が折り畳まれると、突起ストッパ131a及び131bは、調節部材110a及び110b並びに210a及び210bの他の凹部に挿入され得る。
【0054】
図2〜
図3において、ギヤ150の左回りの回転は、調節部材110a及び110bが、「Y」軸に沿って互いから離れる時に引き起こされ、それにより接続された車輪10a及び10b間の距離の増加を引き起こすことを判ることが、明らかである。ギヤ150の右回りの回転は、調節部材110a及び110bが、「Y」軸に沿って互いに向かって動く時に引き起こされ、それにより接続された車輪10a及び10b間の距離の減少を引き起こす。
【0055】
図2〜
図3に詳細に例示するように、傾斜ユニット120は、2つの伸縮部材120a及び120bを含み、各々がシリンダ121a及び121b内でそれぞれ同軸に挿入され、かつ可動であるピストン122a及び122bを含む。各伸縮部材120a及び120bは、その一端で、それぞれ車輪10a及び10bのような異なる車輪に、かつ(例えば前輪10a及び10bに接続されるならば)ステアリングジョイント190、又は(例えば後輪20a及び20bに接続されるならば)標準後部ジョイント若しくはコネクタ290のような接続要素に接続する。ステアリングジョイント190は、車両ステアリング機構の一部として、又は後部及び前部折り畳みユニット若しくは傾斜ユニット間で調整するための別個のユニットとして実装され得る。前部及び後部ユニット間の調整は、任意である。各伸縮部材120a/120b又は220a/220b及びそれぞれの車輪10a/10b又は20a/20b間の接続は、対応する車輪接続プレート160a/160bの開口部又は凹部を通して挿入されるように構成される突起コネクタ126a/126bを通してのように、1つ以上の接続を介する。各接続プレート160a及び160bは、コネクタ171a及び171bを介してそれぞれ車輪10a及び10bに接続する。他の実施形態において、非機械的機構は、折り畳み可能ユニットを折り畳み及び展開し、かつ/又はシステムの幾つかの調節アセンブリの折り畳み及び展開を調整するために使用できる。
【0056】
本発明の幾つかの実施形態によれば、通常駆動モードで機能する車輪のステアリング機構は、車輪に直接機械的に接続される。
【0057】
図3に示すように、各接続プレート160a及び160bは、各々が開口部を内部に含む幾つかの接続要素161a、162a、161b及び162bを含み、第1接続要素161a及び161bは、車輪10a及び10bの中心の軸「Y1」から外れて位置し、120a及び120bのような各伸縮部材の縁部は、それぞれ異なる第1接続要素161a及び161bに接続する。この偏心接続は、角度接続する伸縮要素120a及び120bの長さを変更することによって引き起こされる車輪10a及び10bの角度傾斜を可能にする。第2接続要素162a及び162bは、「Y1」と同軸であり、かつ調節部材110a及び110bの縁部に接続し、これらの部材が、その間の距離を減少させるために「Y1」軸に沿って互いに向かって車輪10a及び10bを引き、かつその間の距離を増加させるために「Y1」軸に沿って互いから離れて車輪10a及び10bを押すことを可能にする。
【0058】
各伸縮部材120a/120b又は220a/220b及びそれぞれの車輪10a/10b又は20a/20b間の接続は、軸Z1a、Z1b、Z2a及びZ2bのような各伸縮部材120a/120bの軸と、車輪中心軸Y1及びY2との間の角度、それぞれα1及びα2がゼロでないようになっている。この実施例において、各々の所与の瞬間に、α1=α2かつβ1=β2であり、かつ任意にα1=α2=β1=β2である。任意にα1及びα2は、類似していなくても良い。伸縮部材120a及び120b、並びに220a及び220bは、例えばそれぞれのシリンダ内部でピストンを引き、かつ押すために、車両のエンジン又はバッテリに接続されるアクチュエータを介して作動しても良い。
【0059】
システム500の傾斜ユニット120及び220は、例えば車輪10a〜10b及び20a〜20bの角度位置決めを変更するためにそのピストンの運動を電子的に制御することによって、コントローラ300によって、又はコントローラ300を通して制御され、かつ操作される。
【0060】
幾つかの実施形態によれば、傾斜ユニット120及び220は、1つ以上のアクチュエータを介して、例えば別個のバッテリによって動く同じモータアクチュエータを介して、又は車両のバッテリ若しくは他のいずれかのエネルギー源を介して作動する。
【0061】
幾つかの実施形態によれば、ギヤ150は、感知された現在の幅に従って、傾斜ユニット120及び220を制御可能にするために、ピッチ角を算定し(すなわち所定の位置に対するギヤの回転数及び角度位置決め)、かつ感知された幅をシステム500のコントローラ300に報告する機構を連係させることによって、各々の所与の瞬間に車両の位置決め及び幅の感知及び表示を可能にするセンサとして使用できる。
【0062】
幾つかの実施形態によれば、システム500及びシステムが設置される車両は、システム500を折り畳み、かつ展開するために、運転手又は他のいずれかの乗員が、コントローラ300のインタフェースを介して、例えば開始ボタンを介して折り畳み/展開工程の開始を指示することが要求されるように構成される。一旦コントローラ300が、(例えば駐車のために)車両を折り畳む開始信号を受信すると、最初に安全のための手順を実行し、車両が、ゼロでないが、車輪を容易に傾けさせ、幅を調節するのに十分に低い制限速度範囲内で駆動することを確認し、かつ/又は車両を制限速度範囲内で駆動させる。この予備的な安全のための手順において実行されるもう1つの機能は、安全ストッパの解除である。これらの確認及び操作は、コントローラ300を介して実行され、かつ制御される。一旦、安全のための手順が、確認され、かつ行われると、コントローラ300は、所望の駆動方向及びシステム500の定義に応じて、前方、及び任意に後方への車両の低速駆動中に、システム500の傾斜ユニット120及び220を操作する。任意に傾斜は、安全ストッパを解除する前に、又は同時に行われ得る。傾斜は任意に、車両が駆動される際に徐々に行われ、かつそれ故に各対の前輪及び後輪10a〜10b及び20a〜20bが、反対角度方向に傾けられ、収束し、車両を折り畳むか、又は分散し、展開するので、(車輪及び道路の間の摩擦のために)車輪の抵抗が少ない。低速駆動中の車輪10a〜10b及び20a〜20bの傾斜は、上述のように、調節部材110a及び110bを、各対の車輪10a〜10b及び20a〜20b間の距離をそれぞれ増加又は減少させるために、互いから離れる、又は互いに向かう反対方向で横方向に動かす。幅調節の終了時に、コントローラ300は、安全ストッパをロックさせ、完全に折り畳んだ/展開した位置を確保する。
【0063】
幾つかの実施形態によれば、
図2〜
図3に例示したように、調節アセンブリ100は、安全ストッパ132a及び132bも含み、伸縮部材120a及び120bの凹部142a及び142bのように、対応する1つ以上の凹部に挿入されるように構成することによって、それぞれ伸縮部材120a及び120bを完全に展開した位置、及び任意に折り畳んだ位置でもロックする。
【0064】
代替的な実施形態において、ギヤ150は、任意に車両のエンジン又は別個のモータによって回転しても良く、折り畳み又は展開の操作をサポートするか又は引き起こす。
【0065】
図4A〜
図7Cは、システム500を幾つかの位置で示す。
図4A〜
図4Cは、前進駆動方向に対して収束及び折り畳んだ位置のシステム500を示し、車両の後輪及び前輪10a〜20bが、収束傾斜位置決めをし、かつシステム500が、その最大折り畳み位置にあり、その安全ストッパをロック解除させる。
図5A〜
図5Cは、収束及び展開した位置のシステム500を示し、車両の後輪及び前輪10a〜20bが、収束傾斜位置決めをし、かつシステム500が、その折り畳みの準備の整った展開位置になおもあり、その安全ストッパをロック解除させる。
図6A〜
図6Cは、収束せず、かつ展開した位置のシステム500を示し、車両の後輪及び前輪10a〜20bが、非収束傾斜位置決めをし、かつシステム500が、駆動の準備の整った、又はその展開後の展開位置になおもあり、その安全ストッパをロックさせる。
図7A〜
図7Cは、収束せず、かつ折り畳んだ位置のシステム500を示し、車両の後輪及び前輪10a〜20bが、非収束傾斜位置決めをし、かつシステム500が、駐車の準備の整った、又はその折り畳み後の折り畳み位置になおもあり、その安全ストッパをロックさせる。
【0066】
車両の最大幅は、特定の地理的区域の規格及び規制に従って、並びに特定の車両の設計に従って設定されても良い。この実施例において、完全に展開された位置での車両の最大幅は、1.60メートルに設定され(
図6Cを参照)、かつ折り畳んだ位置での最小幅は、1.00メートルに設定される(
図7Cを参照)。他の実施形態において、1.60メートルの最小の4輪車の幅のみを許可する国々で、最小幅は、1.60メートルに設定でき、しかるに最大幅は、2.20メートルに設定できる。
【0067】
これらの実施形態において、システム500は、2つの任意の車両の幅、最大幅及び最小幅を設定する2つの任意の位置へのロックのみを許可する。しかしながら、他の実施形態において、安全ストッパは、他の追加の凹部に嵌合されても良く、例えば車両の1つ以上の中間幅を可能にする。
【0068】
図1、
図4A〜
図4B、
図5A〜
図5B、
図6A〜
図6B及び
図7A〜
図7Bに例示するように、2つの調節アセンブリ100及び200は、互いに接続され、駆動軸50に2つのギヤ150及び2つの調節アセンブリ100及び200の折り畳み可能ユニット110及び210の後輪(図示せず)の対応するギヤを接続させることによって、その動作を調整する。コントローラ300は、傾斜ユニット120及び220の伸縮部材120a〜120b及び220a〜220bの動作も同様に調整し、調節アセンブリ100及び200の同時の、かつ調整された折り畳み及び展開を確実にする。
【0069】
他の実施形態において、ピストン又は単一の電気モータ等を制御する油圧/空気圧系のような調節アセンブリを調整するために、他の機構が適用されても良い。
【0070】
幾つかの実施形態によれば、
図1に例示するように、多くの国々の4輪車の規制は、車輪間の車両の側面が壁を有することを要求するので、(
図13A、
図13Bに更に示す)壁11及び12は、例えば車輪10a〜10b及び20a〜20bの中心に直接又は間接的に接続することによって、その間の距離を調節した時に、車輪10a〜20bと共に移動できるように設置できる。
【0071】
幾つかの実施形態によれば、システム500は、電気自動車又はエンジンを有する非電気自動車のような、いずれの車両タイプにも組み込まれるように構成され、その幅調節を可能にし、コントローラ300は、車両のバッテリ、又は他のいずれかのエネルギー源を介して動き得る。
【0072】
幾つかの実施形態によれば、システム500は、主に乗員室の重量及び寸法、及びその上に設置されるエンジン/バッテリの重量によって決まる、達成され得る全重量に当然に応じて、車両に対してシャーシを必要としない。
【0073】
幾つかの実施形態によれば、システム500は、運転手が車両のステアリングホイールの方向転換をあまりにも急激にすることを防止するために、折り畳み及び展開駆動期間中に、ステアリング角(すなわちステアリングホイールの角度)を制限する手段も含む。折り畳み工程は、自動的に行われ、運転手の介入を必要とせず、運転手は、緊急の場合に工程を単に停止できる。
【0074】
本発明の幾つかの実施形態によれば、コントローラ300は、他の機械要素を制御できる1つ以上のコンピュータによるプログラム可能な制御ボックスを含み、傾斜ユニットの伸縮要素のピストンを制御し、かつ安全ストッパのロック及びロック解除又は解除を同様に制御し、車両の折り畳み及び展開中に、ステアリング角及び駆動速度を制御する。コントローラ300は、上述のように、車両のバッテリを介して動き得る。
【0075】
幾つかの実施形態において、システムの調節ユニットの幅調節は、折り畳み可能ユニットの長さ調節が、その中心を接続する「Y」軸に対する車輪の傾斜によって引き起こされる車両の駆動中に自動的に行われる間、その傾斜ユニットを作動させることによって行われる。しかしながら、他の実施形態において、折り畳み可能ユニットは、傾斜が車輪への伸縮部材の偏心接続のために、又は他のいずれかの手段によって自動的に行われる間に(例えばモータに、そのギヤを接続する駆動軸を回転させることによって)作動するものである。本発明の更に他の実施形態において、傾斜ユニット及び折り畳み可能ユニットの両方は、各タイプのユニットを作動させる、異なる又は同じアクチュエータを使用して、コントローラを介して同時に作動する。例えば、駆動モータのような1つのアクチュエータは、折り畳み可能ユニットのギヤを接続する駆動軸を回転するために使用でき、しかるに別のアクチュエータモータは、その対応するシリンダ内及び外でピストンを引き、かつ押すことによって車輪を傾けるために使用できる。しかしながらいずれの場合でも、車両は、作動中に、低速の非ゼロ速度で駆動されねばならない。
【0076】
本発明の幾つかの実施形態による、幾つかの調節アセンブリを上述のように、又は他の構成で有する折り畳み可能車両を折り畳む工程を概略的に例示するフローチャートである
図8をここで参照する。折り畳み工程は、例えばコントローラと動作可能に連係されるインタフェースで折り畳み/展開する実又は仮想ボタンを運転手に押させることによって、折り畳み駆動期間を開始するために、運転手又は他のユーザによって開始されるシステムのコントローラで入力信号を最初に受信すること61を含む。一旦コントローラがこの信号を受信する61と、次のステップ(i)速度制限検証及び制御であって、(車両の電力供給システムと連係されても良い)コントローラは、車両の電源に対して管理することによって、又はインタフェースを介して運転手に指示することによって所定の速度範囲内で車両が駆動されることを確実にし、かつ任意に(ii)ステアリング角制限検証及び制御であって、(車両のステアリングホイールシステムと連係されても良い)コントローラは、ステアリングホイール角が、所定の限度を超えないことを確実にする、の少なくとも1つを含む安全及び開始手順を自動的に実行する62。一旦安全のための手順が行われ、かつ確認されると、安全ストッパ又は車両の折り畳みを防止する他のいずれかのロック機構が、解除され63、かつコントローラは、前進又は後退方向での車両の低速駆動前又は低速駆動中に、車両の対の車輪の調整された傾斜を開始し64、それにより前進駆動中に対の車輪が、その前輪を収束させるようにし、かつ後退駆動中に分散させるようにし、折り畳み可能ユニットを折り畳ませ、かつ各対の車輪間の距離を減少させる。各対における車輪間の距離は、システムの調節アセンブリを機械的に接続する駆動軸によって行われる回転数を感知すること、及び/又は折り畳み可能ユニットの調節部材等に位置するセンサによるような、1つ以上のいずれかの感知機構を介してリアルタイムで任意に感知される65。任意に、車両が移動中でない時、車輪は、安全ストッパをロックする前に傾けられる。
【0077】
感知された情報は、コントローラで、又はシステムの他のコンピュータ化ユニットで受信され、かつ処理され、かつ一旦、車両の完全に折り畳んだ位置が特定され66、かつ車輪は、車輪が前進駆動方向に平行である角度までのように、非収束角度位置決めに戻され67、かつ次に安全ストッパは、ロックされる68。速度及びステアリング角制限のような安全のための制限は、無効にされても良く69、車両の自由な通常駆動を可能にする。任意に車輪は、安全ストッパをロックする前に、又は同時に傾けられる。
【0078】
幾つかの実施形態によれば、展開工程が
図9に例示され、展開工程は、例えばコントローラと動作可能に連係されるインタフェースで折り畳み/展開する実又は仮想ボタンを運転手に押させることによって、展開駆動期間を開始するために、運転手又は他のユーザによって開始されるシステムのコントローラで入力信号を最初に受信すること71を含んでも良い。一旦コントローラがこの信号を受信する71と、次のステップ(i)速度制限検証及び制御、かつ任意に(ii)ステアリング角制限検証及び制御、の少なくとも1つを含む類似した安全及び開始手順を自動的に実行する72。一旦安全のための手順が行われ、かつ確認されると、安全ストッパ又は車両の展開を防止する他のいずれかのロック機構が、解除され73、かつコントローラは、前進又は後退方向での車両の低速駆動前又は低速駆動中に、車両の対の車輪の調整された傾斜を開始し74、それにより前進駆動中に対の車輪が、その前側を分散させるようにし、かつ後退駆動中に収束させるようにし、折り畳み可能ユニットを展開させ、かつ各対の車輪間の距離を増加させる。各対における車輪間の距離は、折り畳み工程で感知されたのと同じように、リアルタイムで任意に感知される75。感知された情報は、コントローラで、又はシステムの他のコンピュータ化ユニットで受信され、かつ処理され、かつ一旦、車両の完全に展開した位置が特定されると76、車輪は、車輪が前進駆動方向に平行である角度までのように、非収束角度位置決めに戻され77、かつ次に安全ストッパは、ロックされる78。速度及びステアリング角制限のような安全のための制限は、無効にされても良く79、車両の自由な通常駆動を可能にする。
【0079】
図10A〜
図10Bは、本発明の幾つかの実施形態による、システム折り畳み/伸長機構の任意の構成を示し、
図10Aは、折り畳み/伸長機構の平面図を折り畳み位置で示し、
図10Bは、折り畳み/伸長機構の平面図を展開位置で示す。本実施形態による折り畳み/伸長機構は、一方の側が車両前縁部に、かつ他方の側で前輪10a、10bに、ヒンジ880A、Bを介して回転可能に接続された2つのアーム810A、810Bからなる。ヒンジは、伸長可能なロッドアセンブリ820a、bを接続するバー870a、bにも接続される。伸長可能なロッドアセンブリ820a、bは、ピストン850を通してモータ860によって任意に駆動される。折り畳み/伸長機構の原則的な動作は、
図1〜
図7における第1の解決法と等しく、車輪は、第1の解決法に記載されたように、モータ駆動の傾斜機構又はエンジンによって傾けられ、(これらの図に示さない)摩擦力によって、全ての伸長可能な/折り畳み部分を互いから離れて、又は互いに向けて反対方向で、横方向に動かし、各対の車輪10a〜10b間の距離をそれぞれ増加又は減少させる。
【0080】
図11A〜
図11Bは、本発明の幾つかの実施形態による、異なる傾斜位置でのシステム折り畳み/伸長機構の代替的な構成を示し、
図11Aは、折り畳み/伸長機構の平面図を折り畳んだ位置で示し、かつ車輪を真っ直ぐな位置で示す。
【0081】
図11Bは、折り畳み/伸長機構の平面図を折り畳んだ位置で示し、かつ車輪を傾斜位置で示す。
【0082】
図12A〜
図12Cは、本発明の幾つかの実施形態による、システム折り畳み/伸長機構のもう1つの代替的な構成を示し、
図12Aは、折り畳み/伸長機構の平面図を折り畳んだ位置で示す。
図12Bは、折り畳み/伸長機構の平面図を展開した位置で示す。
【0083】
図12Cは、折り畳み/伸長機構の平面図を異なる折り畳み位置−折り畳んだ及び展開した位置で示す。
【0084】
本実施形態による折り畳み/伸長機構は、一端で車両正面の縁部1000に、かつ他方の側で前輪10a、10bに、ヒンジを介して接続された2つの五角形折り畳みアセンブリ1012a、bからなる。ヒンジは、バー1018によって回転可能に相互接続されるバー1020a、1020bにも接続される。折り畳み工程を通して、五角形折り畳みアセンブリは、
図12Aに見られるように折り畳まれ、かつバー1020a、1020bは、各対の車輪10a〜10b間の距離をそれぞれ増加又は減少させるために、互いから離れて、又は互いに向けて反対方向で横方向に動く。
【0085】
折り畳み/伸長機構の原則的な動作は、
図1〜
図7における第1の解決法と等しく、車輪は、第1の解決法に記載されたように、モータ駆動の傾斜機構又はエンジンによって傾けられ、(これらの図に示さない)摩擦力によって、全ての伸長可能な部分を互いから離れて、又は互いに向けて反対方向で、折り畳み、又は横方向に動かし、各対の車輪10a〜10b間の距離をそれぞれ増加又は減少させる。
【0086】
図13A〜
図13Bは、本発明の幾つかの実施形態による、システム底部構造の構成を異なる折り畳み位置で示し、
図13Aは、システム底部構造の平面図を折り畳んだ位置で示し、
図13Bは、システム底部構造の平面図を展開した位置で示す。
【0087】
本実施形態によれば、折り畳み/伸長機構は、車輪10a、b及び20a、bと共に折り畳み、かつ展開する安全底部プラットフォーム2010a、bに更に適用される。各安全底部プラットフォームは、2つの表面、固定面2050a、b及び可動面2040a、bからなり、互いに対して摺動可能であり、折り畳み可能プラットフォームを構成する。任意に車輪カバー2020が組み込まれ、表面と一体的に動く。
【0088】
本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、多くの変更及び修正が、当業者によってなされ得る。それ故に、例示された実施形態は、専ら例示の目的で示されたこと、及び以下の発明及びその種々の実施形態、並びに/又は以下の請求項によって定義されるように、本発明を限定するものと解釈されるべきでないことが理解されねばならない。例えば、請求項の要素がある種の組み合わせで以下で示されるとしても、本発明は、かかる組み合わせで当初、特許請求されていない時でも、以上に開示された、より少ない、より多い又は異なる要素の他の組み合わせを含むことが明確に理解されねばならない。2つの要素が、特許請求された組み合わせにおいて組み合わされるという教示は、2つの要素が互いに組み合わされずに、単独で使用されるか、又は他の組み合わせで組み合わされ得る、特許請求された組み合わせも許すとして更に理解されるべきである。本発明のいずれかの開示された要素の切り取りは、本発明の範囲内にあることが明確に意図される。
【0089】
本発明及びその種々の実施形態を記載するために、本明細書において使用された単語は、その一般的に定義される意味の趣旨において理解されるだけでなく、本明細書における特別な定義によって、一般に定義される意味の範囲を超えた構造、物質又は行為を含むべきである。したがって要素が、本明細書の文脈において、1つを超える意味を含むと理解できるならば、請求項におけるその使用は、明細書及び単語自体によってサポートされる全ての可能な意味に対して包括的であると理解されるべきである。
【0090】
それ故に、以下の請求項の単語又は要素の定義は、文字通りに示される要素の組み合わせのみでなく、実質的に同じ結果を得るために、実質的に同じ方法で、実質的に同じ機能を行うための全ての同等の構造、物質又は行為を含むように本明細書において定義される。この趣旨において、2つ以上の要素の同等の置換が、以下の請求項において、いずれか1つの要素に関してもなされ得ること、又は単一の要素が、請求項において2つ以上の要素と置き換えられ得ることがそれ故に意図される。要素が、以上においてある種の組み合わせで作用するとして記載され、かつそのようなものとして当初特許請求もされ得るが、特許請求された組み合わせからの1つ以上の要素が、場合により組み合わせから切り取られても良いこと、及び特許請求された組み合わせが、下位の組み合わせ、又は下位の組み合わせの変形例を対象とし得ることが明確に理解されるべきである。
【0091】
当業者から見て、特許請求された主題からの実質的でない変更、現在知られている、又は後に考案されたものは、請求項の範囲内に同等にあると明確に意図される。それ故に当業者に現在、又は後に知られる自明な置き換えは、定義された要素の範囲内にあると定義される。
【0092】
請求項は、したがって以上に具体的に例示され、かつ記載されたこと、概念的に同等であること、自明に置き換えられること、及び本発明の本質的な着想を本質的に組み込むことも含むことが理解されるべきである。
【0093】
本発明は、詳細に記載されたが、それにもかかわらず、本発明の教示から逸脱しない変更及び修正は、当業者にとって明白である。かかる変更及び修正は、本発明及び添付の請求項の範囲に入るとみなされる。