(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1−10のいずれか一項に記載の水性懸濁農薬組成物を、組成物全量に対して、質量基準で31倍量以下の散布用水に希釈し、調製した希釈液を、農耕地または非農耕地に1haあたり8−32kgの水量で、農薬散布機能を具備する航空機から空中散布することを特徴とする水性懸濁農薬組成物の散布方法。
【背景技術】
【0002】
農薬活性成分ピリベンカルブ、すなわちメチル={2−クロロ−5−[(E)−1−(6−メチル−2−ピリジルメトキシイミノ)エチル]ベンジル}カルバマートは、特許文献1を初出とする公知のベンジルカーバメート系殺菌剤であって、幅広い防除スペクトラムを有することを特長とし、果樹・野菜類の灰色かび病、菌核病、灰星病などの子嚢菌類をはじめとする各種植物病原菌によって引き起こされる病害に対して優れた防除効果を発揮することが非特許文献1に開示されている。
【0003】
現在までに実用化されている農薬製剤の剤型としては、粉剤、粒剤、水和剤、粒状水和剤、液剤、水性懸濁剤、乳剤等が知られている。これらの農薬製剤の中で、水性懸濁剤は、水に比較的難溶な農薬活性成分の微粒子を水中に懸濁させた液状の農薬製剤であって、使用時に粉立ちがなく使用者が農薬に暴露される懸念が少ないこと、計量が容易なこと、又、人体や環境に悪影響があり引火点の低い有機溶剤を使用しておらず安全性が高いことなどの理由から、広く一般的に使用されている製剤形態である。
【0004】
前記水性懸濁剤を農耕地または非農耕地に処理する態様としては、水性懸濁剤をそのまま散布液として処理する場合もあるが、水性懸濁剤を所定量の水に希釈して十分な液量を確保し、この希釈液を散布液として処理する方法が一般的に採られている。
【0005】
ここで、前記散布液を処理する方法の類型は、背負い式の動力噴霧機やブームスプレーヤー、スピードスプレーヤーなどを用いて行う地上散布と、固定翼機や回転翼機などの航空機に散布装置を取り付けて空中からスプレーする空中散布に大別される。後者の空中散布は、広範な面積の農耕地などに対し省力的に農薬処理を行うことができる点で有利であるが、航空機に積載可能な散布液の量は該航空機の動力性能などから規定される可積載量により自ずと制限を受ける。特に、無人ヘリまたはRC(ラジコン)ヘリと通称される農薬散布用の小型無人回転翼機は、積載可能な散布液量が通常10−24kg程度であり、一度のフライトで処理可能な散布液量に限りがある。
【0006】
地上散布においては、水性懸濁剤を所定量の水に加え、該水性懸濁剤量に対して通常500−4000倍程度の散布液を調製する。このように調製した多量の散布液を前記RCヘリコプターで処理しようとすると、頻繁な離着陸と散布液の補充を繰り返す必要があり、作業が煩雑かつ非省力的である。したがって、空中散布においては、希釈倍数を通常約4−32倍程度として、地上散布よりもはるかに高濃度の散布液を処理することが慣行的に実施されている。
【0007】
しかしながら、このような小希釈倍数で高濃度に調製された水性懸濁剤の散布液においては、地上散布用の希薄な散布液ではほとんど議論されない問題が顕在化した。すなわち、希釈液中の農薬活性成分微粒子が濃厚となるため、これに比例して沈降する農薬活性成分微粒子の量も著しく増大し、しかも、沈降した農薬活性成分微粒子の堆積層が散布液を調製した槽内や航空機の薬液タンク内でハードケーキを形成し、分散不良となる問題が発生した。ハードケーキ化した農薬活性成分はスプレーノズルから排出されないため、所期の農薬処理が行えないばかりか、散布機内の配管を詰まらせて故障を惹起することもあった。前記問題は農薬活性成分の化学種によって程度の差があり、堆積層がハードケーキに至らないものもあるが、ピリベンカルブはハードケーキの形成傾向が強く、ピリベンカルブの空中散布用水性懸濁剤を確立するためには、小希釈倍数の散布液においてハードケーキ形成を防止する製剤技術が必要とされた。
【0008】
ところで、農薬組成物の希釈液中でハードケーキ形成を抑制する従来技術例として、特許文献2には、農薬製剤を水で希釈したのちに、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸第二鉄、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、アルギン酸塩、ポリビニルピロリドン、キトサンなどの凝固抑制剤を、その添加後少なくとも15分間は凝集物の発生が認められない量で添加することを特徴とする農薬製剤希釈液中の沈降物の固化防止方法が開示されている。しかしながら、ポリアクリル酸塩に関する言及はなされていない。また、該文献には、前記凝固抑制剤を農薬製剤にあらかじめ配合した場合、懸濁製剤などの液体製剤では、製剤中での農薬活性成分の凝集を促進する上、前記凝固抑制剤を希釈時に加えた場合に比較して、沈降固化防止効果も著しく劣ることが記載されており、農薬組成物の低倍率希釈での散布液調製時におけるハードケーキ形成を防止する機能を農薬組成物にそれ単独で具備させしめるには至っていない。
【0009】
一方、特許文献3には、疎水性固体農薬活性成分の微粒子を該農薬活性成分の良溶媒である水不溶性溶媒および界面活性剤によって水に分散させたことを特徴とする水性懸濁農薬製剤が開示され、該製剤においては所望により、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸またはその塩、アルギン酸塩、ポリビニルピロリドン、アラビアガム、キサンタンガム、ゼラチン、ホワイトカーボン、タルク、ベントナイト、クレーなどを凝集または沈降防止のための増粘剤として使用できることが記載されている。該文献は、低融点農薬活性成分の水性懸濁農薬製剤を長期保存した際に引き起こされる固体粒子の凝集沈降を改善する技術を提供したが、水不溶性の有機溶剤を必須の構成要件としたものであって、水性懸濁剤の利点として謳われる本来の安全性を犠牲としており、しかも、該発明の水性懸濁農薬組成物が用時に低倍率で高濃度に希釈された散布液中におけるハードケーキ形成を抑制することまでは期待できず、空中散布に適する性能を具備したピリベンカルブの水性懸濁農薬組成物についての知見は依然存在しなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、経時的な粒子成長が抑制されるため貯蔵安定性を損なうことなく、用時に小希釈倍数で高濃度に散布液を調製した場合でもハードケーキ形成が抑制され、空中散布に適したピリベンカルブの水性懸濁農薬組成物およびその散布方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、鋭意研究した結果、ピリベンカルブの水性懸濁農薬組成物にポリアクリル酸塩を配合することによって、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0014】
すなわち本発明は、以下の内容のものである。
【0015】
(1)農薬活性成分ピリベンカルブと、ポリアクリル酸塩と、界面活性剤と、増粘剤と、水と、を含有することを特徴とする水性懸濁農薬組成物。
【0016】
(2)前記ピリベンカルブの配合割合が、組成物全量基準で5−40質量%である前記(1)に記載の水性懸濁農薬組成物。
【0017】
(3)前記ポリアクリル酸塩の分子量が2500−10000である前記(1)または(2)に記載の水性懸濁農薬組成物。
【0018】
(4)前記ポリアクリル酸塩の分子量が4000−6000である前記(1)または(2)に記載の水性懸濁農薬組成物。
【0019】
(5)前記ポリアクリル酸塩がポリアクリル酸ナトリウムである前記(1)から(4)のいずれかに記載の水性懸濁農薬組成物。
【0020】
(6)前記ポリアクリル酸塩の配合割合が、組成物全量基準で0.1−10質量%である前記(1)から(5)のいずれかに記載の水性懸濁農薬組成物。
【0021】
(7)水不溶性有機溶剤を含有しない前記(1)から(6)のいずれかに記載の水性懸濁農薬組成物。
【0022】
(8)B型粘度計を用いて回転数30rpmで測定したときの20℃における粘度が200−700mPa・sである前記(1)から(7)のいずれかに記載の水性懸濁農薬組成物。
【0023】
(9)B型粘度計を用いて回転数30rpmで測定したときの20℃における粘度が250−650mPa・sである前記(1)から(7)のいずれかに記載の水性懸濁農薬組成物。
【0024】
(10)空中散布用農薬製剤である前記(1)から(9)のいずれかに記載の水性懸濁農薬組成物。
【0025】
(11)前記(1)から(10)のいずれかに記載の水性懸濁農薬組成物を、組成物全量に対して、質量基準で31倍量以下の散布用水に希釈し、調製した希釈液を、農耕地または非農耕地に1haあたり8−32kgの水量で、農薬散布機能を具備する航空機から空中散布することを特徴とする水性懸濁農薬組成物の散布方法。
【0026】
(12)前記散布用水が水、または、水に所定量の展着剤および/または別の農薬製剤が希釈された水性液体である前記(11)に記載の水性懸濁農薬組成物の散布方法。
【0027】
(13)前記ポリアクリル酸塩の分子量が2500−10000である前記(11)または(12)に記載の水性懸濁農薬組成物の散布方法。
【0028】
(14)前記ポリアクリル酸塩の分子量が4000−6000である前記(11)または(12)に記載の水性懸濁農薬組成物の散布方法。
【0029】
(15)前記ポリアクリル酸塩がポリアクリル酸ナトリウムである前記(11)から(14)のいずれかに記載の水性懸濁農薬組成物の散布方法。
【0030】
(16)前記希釈液中の前記ポリアクリル酸塩の濃度が100−5000ppmである前記(11)から(15)のいずれかに記載の水性懸濁農薬組成物の散布方法。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、経時的な粒子成長が抑制されるため貯蔵安定性を損なうことなく、用時に小希釈倍数で高濃度に散布液を調製した場合でもハードケーキ形成が抑制され、空中散布に適したピリベンカルブの水性懸濁農薬組成物およびその散布方法を提供することができる。
【0032】
また、本発明の水性懸濁農薬組成物を用いることで、散布液の調製時に別途ハードケーキ形成防止資材を用意する必要がなくなり、簡便なピリベンカルブの空中散布が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本明細書中において、「散布用水」とは、水性懸濁農薬組成物を希釈する水を表し、ここでいう水としては、純水や蒸留水であってもよいし、農業的、工業的に許容可能な不純物を微量含有してもよく、ミネラルウォーターや水道水などの飲料水や、地下水や河川水などを適法に処理した農業用水、工業用水も使用することができる。また、該散布用水は前記の水に所定量の展着剤および/または別の農薬製剤が希釈された水性液体であってもよい。また、「希釈倍数」とは、水性懸濁農薬組成物1質量部を希釈することにより調製される散布液の質量部を表し、例えば、水性懸濁農薬組成物1kgを散布用水で希釈して散布液16kgを調製したとき、その希釈倍数は16倍である。さらにまた、本明細書中において、ある物質の「濃度」を扱うときは、その記載は特に断りのない限り質量濃度を指していうものとする。なお、本明細書中において、分子量分布が存在する高分子の「分子量」を扱うときは、その記載は質量平均分子量を指す。
【0034】
本発明の水性懸濁農薬組成物は、農薬活性成分ピリベンカルブと、ポリアクリル酸塩と、界面活性剤と、増粘剤と、水と、を含有する水性懸濁農薬組成物である。
【0035】
本発明においては、農薬活性成分としてピリベンカルブが配合される。前記ピリベンカルブの配合割合は特に限定されないが、水性懸濁農薬組成物全量基準で、通常5−40質量%、好ましくは10−30質量%の範囲である。
【0036】
本発明においては、さらに、散布液中でのハードケーキ形成防止剤としてポリアクリル酸塩が配合される。前記ポリアクリル酸塩の分子量は特に限定されないが、分子量2500−10000程度のほとんど増粘作用を示さないものが好適に使用でき、特に分子量4000−6000程度のものが格別好適に使用できる。前記ポリアクリル酸塩における対カチオンは特に限定されないが、ポリアクリル酸塩としてはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第4級アンモニウム塩、第1級−第3級アミン塩などの1価カチオンとの塩が好ましく、特にポリアクリル酸ナトリウムが好ましい。前記ポリアクリル酸塩は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】
本発明において、ハードケーキ形成防止剤として前記ポリアクリル酸塩を用いることによって、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸第二鉄、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、アルギン酸塩、ポリビニルピロリドン、キトサンなどの前述した先行技術文献で用いられている凝固抑制剤を用いた場合と比べて、水性懸濁農薬組成物が粘稠となりにくく取扱い易くなる上、農薬活性成分が凝集しにくいため好ましい。
【0038】
本発明においてポリアクリル酸塩の配合割合は特に限定されないが、水性懸濁農薬組成物全量基準で、通常0.1−10質量%、好ましくは0.2−8質量%、特に好ましくは0.5−5質量%の範囲である。
【0039】
本発明の水性懸濁農薬組成物には、ピリベンカルブをはじめとする固形成分の湿展および分散を目的として、界面活性剤が配合される。前記界面活性剤としては、公知のものを任意に使用できる。配合可能な界面活性剤の具体例を以下に列記するが、本発明はこれらの界面活性剤に限定されるものではない。
【0040】
[ノニオン性界面活性剤]
ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール高級脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ソルビタンモノアルキレート、アセチレンアルコールおよびアセチレンジオール並びにそれらのアルキレンオキシド付加物。
【0041】
[カチオン性界面活性剤]
テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン、アルキルピリミジニウム塩。
【0042】
[アニオン性界面活性剤]
アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩およびその縮合物、アルキル硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルアリール硫酸塩、アルキルアリールリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸塩、ポリカルボン酸型高分子。
【0043】
[両性界面活性剤]
アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド、アルキルイミダゾリニウムベタイン、アミノ酸、レシチン。
【0044】
[その他の界面活性剤]
シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤。
【0045】
前記界面活性剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。これら界面活性剤の配合割合は特に限定されないが、水性懸濁農薬組成物全量基準で、通常0.1−20質量%、好ましくは0.5−16質量%、より好ましくは1−12質量%の範囲である。
【0046】
本発明の水性懸濁農薬組成物において、経時的な液相分離の軽減などを目的に、さらに増粘剤が配合される。前記増粘剤としては、例えば、アラビアガム、キサンタンガム、グアーガム、タマリンドガム、ペクチンなどの天然多糖類や、ホワイトカーボン、タルク、ベントナイト、クレーなどの鉱物質微粉が好適に使用できる。前記天然多糖類や鉱物質微粉は、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸のフリー体、アルギン酸塩、ポリビニルピロリドンなどの増粘作用を示す物質と比べて、水性懸濁農薬組成物中でピリベンカルブの凝集が生じにくく、経時的な粘度上昇が起こりにくいため好ましい。
【0047】
前記増粘剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。これら増粘剤の配合割合は特に限定されず、配合される増粘剤の種類にもよるが、水性懸濁農薬組成物全量基準で、通常0.05−2質量%程度の範囲である。
【0048】
本発明の水性懸濁農薬組成物には、ピリベンカルブの分散媒として水が配合される。ここでいう水とは、無論、純水や蒸留水であってもよいが、農業的、工業的に許容可能な不純物を微量含有してもよく、ミネラルウォーターや水道水などの飲料水や、地下水や河川水などを適法に処理した農業用水、工業用水も使用できる。水は水性懸濁農薬組成物の増量剤を兼ねており、その配合割合は特に限定されないが、ピリベンカルブの量に対して水が不足すると水性懸濁農薬組成物中のピリベンカルブ/水分散系が不安定になる場合があるため、ピリベンカルブと同質量以上の水を配合することが好ましい。
【0049】
本発明の水性懸濁農薬組成物には、所望により、さらに補助剤が配合される。この任意成分である補助剤の例としては、凍結防止剤、消泡剤、pH調整剤、防腐剤などを挙げることができる他、望むならばピグメントオレンジ16や青色1号など公知の色素を添加してもよい。
【0050】
凍結防止剤の具体的な例としては、尿素や食塩に代表される比較的低分子量の水溶性物質、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールやグリセリンに代表される水溶性多価アルコールなどを挙げることができるが、この用途で公知の物質であれば1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて任意に使用してよい。
【0051】
消泡剤の具体的な例としては、ジメチルポリシロキサンのようなポリアルキルポリシロキサンやポリフェニルポリシロキサンに代表されるシリコーン系消泡剤、ミリスチン酸やステアリン酸ナトリウムに代表される脂肪酸やその金属塩などを挙げることができるが、この用途で公知の物質であれば1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて任意に使用してよい。
【0052】
pH調整剤としては、硫酸やリン酸二水素カリウムに代表される酸性物質、水酸化ナトリウムや炭酸カルシウムに代表される塩基性物質、さらには水溶液中で緩衝能を発揮する弱酸とその共役塩基からなる混合物や弱塩基とその共役酸からなる混合物などを挙げることができるが、この用途で公知の物質であれば1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて任意に使用してよい。
【0053】
防腐剤としては、パラベン、ソルビン酸塩、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−ブロモ−2−プロパン−1,3−ジオール、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンなどを挙げることができるが、この用途で公知の物質であれば1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて任意に使用してよい。
【0054】
本発明の水性懸濁農薬組成物は、水不溶性有機溶剤を一切含まなくとも、用時に低倍率で希釈された散布液中におけるハードケーキの形成を抑制することができる。従って、本発明の水性懸濁農薬組成物は、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、ケロシン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、二硫化炭素、流動パラフィン、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、芳香族カルボン酸エステルなどの水不溶性有機溶剤を必要としない。望むならば、本発明の水性懸濁農薬組成物にあえて水不溶性有機溶剤を配合してもよいが、環境負荷や使用者への安全性を考慮すると配合しないことが好ましい。
【0055】
また、水性懸濁農薬組成物は、一般に、極端に粘度が低いと貯蔵中の液相分離が顕著となるが、一方、極端に粘度が高いと使用時にボトルからの排出が困難となる。本発明において、貯蔵中の液相分離が軽減され、かつ使用場面においてボトルからの排出性が良好となる水性懸濁農薬組成物の好ましい粘度領域は、B型粘度計を用いて回転数30rpm、20℃の測定条件で200−700mPa・s程度、より好ましい粘度領域は250−650mPa・s程度である。
【0056】
本発明の水性懸濁農薬組成物は、所望により、前記ピリベンカルブに加えて追加の農薬活性成分を含む混合製剤とすることも可能である。該追加の農薬活性成分は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。追加配合しうる農薬活性成分の具体例を以下に列記するが、これらに限定されるものではない。
【0057】
[除草活性成分]
アイオキシニル(ioxynil)、アクロニフェン(aclonifen)、アクロレイン(acrolein)、アザフェニジン(azafenidin)、アシフルオルフェン(acifluorfen)(ナトリウムなどとの塩を含む)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、アシュラム(asulam)、アセトクロ−ル(acetochlor)、アトラジン(atrazine)、アニロホス(anilofos)、アミカルバゾン(amicarbazone)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、アミトロール(amitrole)、アミノシクロピラクロル(aminocyclopyrachlor)、アミノピラリド(aminopyralid)、アミプロホス・メチル(amiprofos−methyl)、アメトリン(ametryn)、アラクロール(alachlor)、アロキシジム(alloxydim)、イソウロン(isouron)、イソキサクロルトール(isoxachlortole)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、イソキサベン(isoxaben)、イソプロツロン(isoproturon)、イプフェンカルバゾン(ipfencarbazone)、イマザキン(imazaquin)、イマザピク(imazapic)(アミンなどとの塩を含む)、イマザピル(imazapyr)(イソプロピルアミンなどの塩を含む)、イマザメタベンズ・メチル(imazamethabenz−methyl)、イマザモックス(imazamox)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、インダジフラム(indaziflam)、インダノファン(indanofan)、エグリナジン・エチル(eglinazine−ethyl)、エスプロカルブ(esprocarb)、エタメトスルフロン・メチル(ethametsulfuron−methyl)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、エチジムロン(ethidimuron)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、エトキシフェン・エチル(ethoxyfen−ethyl)、エトフメセート(ethofumesate)、エトベンザニド(etobenzanid)、エンドタール二ナトリウム塩(endothal−disodium)、オキサジアゾン(oxadiazon)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、オリザリン(oryzalin)、オルトスルファムロン(orthosulfamuron)、オルベンカルブ(orbencarb)、カフェンストロール(cafenstrole)、カルフェントラゾン・エチル(carfentrazone−ethyl)、カルブチレート(karbutilate)、カルベタミド(carbetamide)、キザロホップ・エチル(quizalofop−ethyl)、キザロホップ・P・エチル(quizalofop−P−ethyl)、キザロホップ・P・テフリル(quizalofop−P−tefuryl)、キノクラミン(quinoclamine)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、クミルロン(cumyluron)、クラシホス(clacyfos)、グリホサート(glyphosate)(ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミンまたはトリメシウムなどの塩を含む)、グルホシネート(glufosinate)(アミンまたはナトリウムなどの塩を含む)、グルホシネート・P・ナトリウム塩(glufosinate−P−sodium)、クレトジム(clethodim)、クロジナホップ・プロパルギル(clodinafop−propargyl)、クロピラリド(clopyralid)、クロマゾン(clomazone)、クロメトキシフェン(chlomethoxyfen)、クロメプロップ(clomeprop)、クロランスラム・メチル(cloransulam−methyl)、クロランベン(chloramben)、クロリダゾン(chloridazon)、クロリムロン・エチル(chlorimuron−ethyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、クロルタル・ジメチル(chlorthal−dimethyl)、クロルチアミド(chlorthiamid)、クロルフタリム(chlorphthalim)、クロルフルレノール・メチル(chlorflurenol−methyl)、クロルプロファム(chlorpropham)、クロルブロムロン(chlorbromuron)、クロロクスロン(chloroxuron)、クロロトルロン(chlorotoluron)、サフルフェナシル(saflufenacil)、シアナジン(cyanazine)、シアナミド(cyanamide)、ジウロン(diuron)、ジエタチル・エチル(diethatyl−ethyl)、ジカンバ(dicamba)(アミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、ジグリコールアミン、ナトリウムまたはリチウムなどの塩を含む)、シクロエート(cycloate)、シクロキシジム(cycloxydim)、ジクロスラム(diclosulam)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、シクロピリモレート(cyclopyrimorate)、ジクロベニル(dichlobenil)、ジクロホップ・P・メチル(diclofop−P−methyl)、ジクロホップ・メチル(diclofop−methyl)、ジクロルプロップ(dichlorprop)、ジクロルプロップ−P(dichlorprop−P)、ジクワット(diquat)、ジチオピル(dithiopyr)、シデュロン(siduron)、ジニトラミン(dinitramine)、シニドン・エチル(cinidon−ethyl)、シノスルフロン(cinosulfuron)、ジノテルブ(dinoterb)、シハロホップ・ブチル(cyhalofop−butyl)、ジフェナミド(diphenamid)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、シマジン(simazine)、ジメタクロール(dimethachlor)、ジメタメトリン(dimethametryn)、ジメテナミド(dimethenamid)、ジメテナミド・P(dimethenamid−P)、シメトリン(simetryn)、ジメピペレート(dimepiperate)、ジメフロン(dimefuron)、シンメチリン(cinmethylin)、スエップ(swep)、スルコトリオン(sulcotrione)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、セトキシジム(sethoxydim)、ターバシル(terbacil)、ダイムロン(daimuron)、ダラポン(dalapon)、チアゾピル(thiazopyr)、チアフェナシル(tiafenacil)、チエンカルバゾン(thiencarbazone)(ナトリウム塩、メチルエステルなどを含む)、チオカルバジル(tiocarbazil)、チオベンカルブ(thiobencarb)、チジアジミン(thidiazimin)、チフェンスルフロン・メチル(thifensulfuron−methyl)、デスメディファム(desmedipham)、デスメトリン(desmetryne)、テニルクロール(thenylchlor)、テブタム(tebutam)、テブチウロン(tebuthiuron)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、テフリルトリオン(tefuryltrione)、テムボトリオン(tembotrione)、テルブチラジン(terbuthylazine)、テルブトリン(terbutryn)、テルブメトン(terbumeton)、トプラメゾン(topramezone)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、トリアジフラム(triaziflam)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリアファモン(triafamone)、トリアレート(tri−allate)、トリエタジン(trietazine)、トリクロピル(triclopyr)、トリクロピル−ブトティル(triclopyr−butotyl)、トリフルジムオキサジン(trifludimoxazin)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、トリフルスルフロン・メチル(triflusulfuron−methyl)、トリフルラリン(trifluralin)、トリフロキシスルフロンナトリウム塩(trifloxysulfuron−sodium)、トリベニュロン・メチル(tribenuron−methyl)、トルピラレート(tolpyralate)、ナプタラム(naptalam)(ナトリウムなどとの塩を含む)、ナプロアニリド(naproanilide)、ナプロパミド(napropamide)、ナプロパミド−M(napropamide−M)、ネブロン(neburon)、ノルフルラゾン(norflurazon)、バーナレート(vernolate)、パラコート(paraquat)、ハルキシフェン−メチル(halauxifen−methyl)、ハロキシホップ(haloxyfop)、ハロキシホップ・P(haloxyfop−P)、ハロキシホップ−エトティル(haloxyfop−etotyl)、ハロスルフロン・メチル(halosulfuron−methyl)、ピクロラム(picloram)、ピコリナフェン(picolinafen)、ビシクロピロン(bicyclopyrone)、ビスピリバック・ナトリウム塩(bispyribac−sodium)、ピノキサデン(pinoxaden)、ビフェノックス(bifenox)、ピペロホス(piperophos)、ピラクロニル(pyraclonil)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ピラゾスルフロン・エチル(pyrazosulfuron−ethyl)、ピラゾリネート(pyrazolynate)、ビラナホス(bilanafos)、ピラフルフェン・エチル(pyraflufen−ethyl)、ピリダフォル(pyridafol)、ピリチオバック・ナトリウム塩(pyrithiobac−sodium)、ピリデート(pyridate)、
ピリフタリド(pyriftalid)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、ピリミノバック・メチル(pyriminobac−methyl)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、ピロクススラム(pyroxsulam)、フェニソファム(phenisopham)、フェニュロン(fenuron)、フェノキサスルホン(fenoxasulfone)、フェノキサプロップ・P・エチル(fenoxaprop−P−ethyl)、フェンキノトリオン(fenquinotrione)、フェンチアプロップ・エチル(fenthiaprop−ethyl)、フェントラザミド(fentrazamide)、フェンメディファム(phenmedipham)、フォラムスルフロン(foramsulfuron)、ブタクロール(butachlor)、ブタフェナシル(butafenacil)、ブタミホス(butamifos)、ブチレート(butylate)、ブテナクロール(butenachlor)、ブトラリン(butralin)、ブトロキシジム(butroxydim)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フラムプロップ(flamprop)(メチル、エチル、イソプロピルエステルを含む)、フラムプロップ・M(flamprop−M)(メチル、エチル、イソプロピルエステルを含む)、フルアジホップ・ブチル(fluazifop−butyl)、フルアジホップ・P・ブチル(fluazifop−P−butyl)、フルアゾレート(fluazolate)、フルオメツロン(fluometuron)、フルオログリコフェン・エチル(fluoroglycofen−ethyl)、フルカルバゾン・ナトリウム塩(flucarbazone−sodium)、フルクロラリン(fluchloralin)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、フルチアセット・メチル(fluthiacet−methyl)、フルピルスルフロン・メチル・ナトリウム塩(flupyrsulfuron−methyl−sodium)、フルフェナセット(flufenacet)、フルフェンピル・エチル(flufenpyr−ethyl)、フルプロパネート(flupropanate)、フルポキサム(flupoxame)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルミクロラック・ペンチル(flumiclorac−pentyl)、フルメツラム(flumetsulam)、フルリドン(fluridone)、フルルタモン(flurtamone)、フルロキシピル(fluroxypyr)、フルロクロリドン(flurochloridone)、プレチラクロール(pretilachlor)、プロカルバゾン・ナトリウム塩(procarbazone−sodium)、プロジアミン(prodiamine)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、プロパキザホップ(propaquizafop)、プロパクロール(propachlor)、プロパジン(propazine)、プロパニル(propanil)、プロピザミド(propyzamide)、プロピソクロール(propisochlor)、プロピリスルフロン(propyrisulfuron)、プロファム(propham)、プロフルアゾール(profluazol)、プロポキシカルバゾン・ナトリウム塩(propoxycarbazone−sodium)、プロホキシジム(profoxydim)、ブロマシル(bromacil)、ブロムピラゾン(brompyrazon)、プロメトリン(prometryn)、プロメトン(prometon)、ブロモキシニル(bromoxynil)(酪酸、オクタン酸またはヘプタン酸などのエステル体を含む)、ブロモフェノキシム(bromofenoxim)、ブロモブチド(bromobutide)、フロラスラム(florasulam)、ペトキサミド(pethoxamid)、ベナゾリン(benazolin)、ペノキススラム(penoxsulam)、ヘプタマロキシログルカン(heptamaloxyloglucan)、ベフルブタミド(beflubutamid)、ペブレート(pebulate)、ベンカルバゾン(bencarbazone)、ペンジメタリン(pendimethalin)、ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ベンスリド(bensulide)、ベンスルフロン・メチル(bensulfuron−methyl)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、ベンタゾン(bentazone)、ペンタノクロール(pentanochlor)、ペントキサゾン(pentoxazone)、ベンフルラリン(benfluralin)、ベンフレセート(benfuresate)、ホサミン(fosamine)、ホメサフェン(fomesafen)、メコプロップ(mecoprop)(ナトリウム、カリウム、イソプロピルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミンなどの塩を含む)、メコプロップ・P・カリウム塩(mecoprop−P−potassium)、メソスフロン・メチル(mesosulfuron−methyl)、メソトリオン(mesotrione)、メタザクロール(metazachlor)、メタゾスルフロン(metazosulfuron)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、メタミトロン(metamitron)、メタミホップ(metamifop)、メチオゾリン(methiozolin)、メチルダイムロン(methyldymuron)、メトキスロン(metoxuron)、メトスラム(metosulam)、メトブロムロン(metobromuron)、メトベンズロン(metobenzuron)、メトラクロール(metolachlor)、メトリブジン(metribuzin)、メフェナセット(mefenacet)、モノリニュロン(monolinuron)、モリネート(molinate)、ヨードスルフロン(iodosulfuron)、ヨードスルフロンメチルナトリウム塩(iodosulfulon−methyl−sodium)、ヨーフェンスルフロン(iofensulfuron)、ヨーフェンスルフロン・ナトリウム塩(iofensulfuron−sodium)、ラクトフェン(lactofen)、リニュロン(linuron)、レナシル(lenacil)、2,3,6−TBA(2,3,6−トリクロロ安息香酸)、2,4,5−T(2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸)、2,4−D(2,4−ジクロロフェノキシ酢酸)(アミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、イソプロピルアミン、ナトリウムまたはリチウム等の塩を含む)、2,4−DB(4−(2,4−ジクロロフェノキシ)酪酸)、AE−F−150944(コード番号)、DNOC(4,6−ジニトロ−O−クレゾール)(アミンまたはナトリウム等の塩を含む)、EPTC(S−エチルジプロピルチオカーバメート)、MCPA(2−メチル−4−クロロフェノキシ酢酸)、MCPA・チオエチル(MCPA−thioethyl)、MCPB(2−メチル−4−クロロフェノキシ酪酸)(ナトリウム塩、エチルエステル等を含む)、SYP−298(コード番号)、SYP−300(コード番号)、S−メトラクロール(S−metolachlor)、TCA(2,2,2−トリクロロ酢酸)(ナトリウム、カルシウムまたはアンモニア等の塩を含む)。
【0058】
[殺虫活性成分]
アクリナトリン(acrinathrin)、アザジラクチン(azadirachtin)、アザメチホス(azamethiphos)、アジンホス・エチル(azinphos−ethyl)、アジンホス・メチル(azinphos−methyl)、アセキノシル(acequinocyl)、アセタミプリド(acetamiprid)、アセトプロール(acetoprole)、アセフェート(acephate)、アゾシクロチン(azocyclotin)、アバメクチン(abamectin)、アフィドピロペン(afidopyropen)、アミドフルメット(amidoflumet)、アミトラズ(amitraz)、アラニカルブ(alanycarb)、アルジカルブ(aldicarb)、アルドキシカルブ(aldoxycarb)、アレスリン(allethrin)[d−cis−trans−体、d−trans−体を含む]、イサゾホス(isazophos)、イサミドホス(isamidofos)、イソカルボホス(isocarbophos)、イソキサチオン(isoxathion)、イソフェンホス・メチル(isofenphos−methyl)、イソプロカルブ(isoprocarb)、イベルメクチン(ivermectin)、イミシアホス(imicyafos)、イミダクロプリド(imidacloprid)、イミプロトリン(imiprothrin)、インドキサカルブ(indoxacarb)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、エチオン(ethion)、エチプロール(ethiprole)、エチレンジブロミド(ethylene dibromide)、エトキサゾール(etoxazole)、エトフェンプロックス(etofenprox)、エトプロホス(ethoprophos)、エトリムホス(etrimfos)、エマメクチンベンゾエート(emamectinbenzoate)、エンドスルファン(endosulfan)、エンペントリン(empenthrin)、オキサミル(oxamyl)、オキシジメトン・メチル(oxydemeton−methyl)、オキシデプロホス(oxydeprofos)、オメトエート(omethoate)、カズサホス(cadusafos)、カッパ−テフルトリン(kappa−tefluthrin)、カッパ−ビフェントリン(kappa−bifenthrin)、カランジン(karanjin)、カルタップ(cartap)、カルバリル(carbaryl)、カルボスルファン(carbosulfan)、カルボフラン(carbofuran)、ガンマ−BHC(gamma−BHC)、キシリルカルブ(xylylcarb)、キナルホス(quinalphos)、キノプレン(kinoprene)、キノメチオネート(chinomethionat)、クマホス(coumaphos)、クリオライト(cryolite)、クロチアニジン(clothianidin)、クロフェンテジン(clofentezine)、クロマフェノジド(chromafenozide)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、クロルエトキシホス(chlorethoxyfos)、クロルデン(chlordane)、クロルピクリン(chloropicrin)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホス・メチル(chlorpyrifos−methyl)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、クロルメホス(chlormephos)、シアノホス(cyanophos)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、ジアミダホス(diamidafos)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、ジエノクロル(dienochlor)、シエノピラフェン(cyenopyrafen)、ジオキサベンゾホス(dioxabenzofos)、ジオフェノラン(diofenolan)、シクラニリプロール(cyclaniliprole)、ジクロトホス(dicrotophos)、ジクロフェンチオン(dichlofenthion)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、ジクロルボス(dichlorvos)、ジクロロメゾチアッツ(dicloromezotiaz)、1,3‐ジクロロプロペン(1,3−dichloropropene)、ジコホル(dicofol)、ジシクラニル(dicyclanil)、ジスルホトン(disulfoton)、ジノテフラン(dinotefuran)、ジノブトン(dinobuton)、シハロトリン(cyhalothrin)[gamma−体,lambda−体を含む]、シフェノトリン(cyphenothrin)[(1R)−trans−体を含む]、シフルトリン(cyfluthrin)[beta−体を含む]、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、ジフロビダジン(diflovidazin)、シヘキサチン(cyhexatin)、シペルメトリン(cypermethrin)[alpha−体,beta−体,theta−体,zeta−体を含む]、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジメフルスリン(dimefluthrin)、ジメトエート(dimethoate)、シラフルオフェン(silafluofen)、シロマジン(cyromazine)、スピネトラム(spinetoram)、スピノサド(spinosad)、スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スピロテトラマト(spirotetramat)、スピロメシフェン(spiromesifen)、スルコフロン・ナトリウム塩(sulcofuron−sodium)、スルフルラミド(sulfluramid)、スルホキサフロル(sulfoxaflor)、スルホテップ(sulfotep)、ダイアジノン(diazinon)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、チオキサザフェン(tioxazafen)、チオジカルブ(thiodicarb)、チオシクラム(thiocyclam)、チオスルタップ(thiosultap)、チオナジン(thionazin)、チオファノックス(thiofanox)、チオメトン(thiometon)、テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、テトラジホン(tetradifon)、テトラニリプロール(tetraniliprole)、テトラメチルフルスリン(tetramethylfluthrin)、テトラメトリン(tetramethrin)、テブピリムホス(tebupirimfos)、テブフェノジド(tebufenozide)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、テフルトリン(tefluthrin)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、デメトン・S・メチル(demeton−S−methyl)、テメホス(temephos)、デルタメトリン(deltamethrin)、テルブホス(terbufos)、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン(transfluthrin)、トリアザメート(triazamate)、トリアゾホス(triazophos)、トリクロルホン(trichlorfon)、トリフルムロン(triflumuron)、トリフルメゾピリム(triflumezopyrim)、トリメタカルブ(trimethacarb)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、ナレッド(naled)、ニテンピラム(nitenpyram)、ノバルロン(novaluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、バーティシリウム レカニ(Verticillium lecanii)、ハイドロプレン(hydroprene)、
パスツーリアペネトランス胞子(Pasteuriapenetrans)、バミドチオン(vamidothion)、パラチオン(parathion)、パラチオン・メチル(parathion−methyl)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、ハロフェノジド(halofenozide)、ビオアレスリン(bioallethrin)、ビオアレスリンS−シクロペンテニル(bioallethrin S−cyclopentenyl)、ビオレスメトリン(bioresmethrin)、ビストリフルロン(bistrifluron)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、ビフェナゼート(bifenazate)、ビフェントリン(bifenthrin)、ピフルブミド(pyflubumide)、ピペロニルブトキシド(piperonyl butoxide)、ピメトロジン(pymetrozine)、ピラクロホス(pyraclofos)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、ピリダベン(pyridaben)、ピリダリル(pyridalyl)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazon)、ピリプロール(pyriprole)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、ピリミカルブ(pirimicarb)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、ピリミノストロビン(pyriminostrobin)、ピリミホス・メチル(pirimiphos−methyl)、ピレトリン(pyrethrine)、ファムフル(famphur)、フィプロニル(fipronil)、フェナザキン(fenazaquin)、フェナミホス(fenamiphos)、フェニトロチオン(fenitrothion)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、フェノトリン(phenothrin)[(1R)−trans−体を含む]、フェノブカルブ(fenobucarb)、フェンチオン(fenthion)、フェントエート(phenthoate)、フェンバレレート(fenvalerate)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、フェンブタンチン・オキシド(fenbutatin oxide)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フォノホス(fonofos)、フッ化スルフリル(sulfuryl fluoride)、ブトカルボキシム(butocarboxim)、ブトキシカルボキシム(butoxycarboxim)、ブプロフェジン(buprofezin)、フラチオカルブ(furathiocarb)、プラレトリン(prallethrin)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)、フルアズロン(fluazuron)、フルエンスルホン(fluensulfone)、フルオロ酢酸ナトリウム塩(sodium fluoroacetate)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルスルファミド(flusulfamide)、フルバリネート(fluvalinate) [tau−体を含む]、フルピラジフロン(flupyradifurone)、フルピラゾホス(flupyrazofos)、フルフィプロール(flufiprole)、フルフェネリム(flufenerim)、フルフェノキシストロビン(flufenoxystrobin)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、フルヘキサフォン(fluhexafon)、フルベンジアミド(flubendiamide)、フルメトリン(flumethrin)、プロトリフェンブト(protrifenbute)、プロチオホス(prothiofos)、フロニカミド(flonicamid)、プロパホス(propaphos)、プロパルギット(propargite)、プロフェノホス(profenofos)、ブロフラニリド(broflanilide)、プロフルトリン(profluthrin)、プロペタムホス(propetamphos)、プロポキスル(propoxur)、フロメトキン(flometoquin)、ブロモプロピレート(bromopropylate)、ヘキサチアゾクス(hexythiazox)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ペキロマイセス・テヌイペス(Paecilomyces tenuipes)、ペキロマイセス・フモソロセウス(Paecilomyces fumosoroceus)、ヘプタフルスリン(heptafluthrin)、ヘプテノホス(heptenophos)、ペルメトリン(permethrin)、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ベンスルタップ(bensultap)、ベンゾキシメート(benzoximate)、ベンダイオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、ボーベリア・テネーラ(Beauveria tenella)、ボーベリア・バッシアーナ(Beauveria bassiana)、ボーベリア・ブロンニアティ(Beauveria brongniartii)、ホキシム(phoxim)、ホサロン(phosalone)、ホスチアゼート(fosthiazate)、ホスチエタン(fosthietan)、ホスファミドン(phosphamidon)、ホスメット(phosmet)、ポリナクチン複合体(polynactins)、ホルメタネート(formetanate)、ホレート(phorate)、マラチオン(malathion)、ミルベメクチン(milbemectin)、メカルバム(mecarbam)、メスルフェンホス(mesulfenfos)、メソプレン(methoprene)、メソミル(methomyl)、メタフルミゾン(metaflumizone)、メタミドホス(methamidophos)、メタム(metham)、メチオカルブ(methiocarb)、メチダチオン(methidathion)、メチルイソチオシアネート(methyl isothiocyanate)、メチルブロマイド(methyl bromide)、メトキシクロル(methoxychlor)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、メトトリン(methothrin)、メトフルトリン(metofluthrin)、メトプレン(methoprene)、メトルカルブ(metolcarb)、メビンホス(mevinphos)、メペルフルスリン(meperfluthrin)、モナクロスポリウム・フィマトパガム(Monacrosporium phymatophagum)、モノクロトホス(monocrotophos)、モムフルオロスリン(momfluorothrin)、リトルアA(litlure−A)、リトルアB(litlure−B)、リン化アルミニウム(aluminium phosphide)、リン化亜鉛(zinc phosphide)、リン化水素(phosphine)、ルフェヌロン(lufenuron)、レスカルレ(rescalure)、レスメトリン(resmethrin)、レピメクチン(lepimectin)、ロテノン(rotenone)、酸化フェンブタスズ(fenbutatin oxide)、石灰窒素(calcium cyanide)、硫酸ニコチン(nicotinesulfate)、(Z)−11−テトラデセニル=アセタート、(Z)−11−ヘキサデセナール、(Z)−11−ヘキサデセニル=アセタート、(Z)−9,12−テトラデカジエニル=アセタート、(Z)−9−テトラデセン−1−オール、(Z,E)−9,11−テトラデカジエニル=アセタート、(Z,E)−9,12−テトラデカジエニル=アセタート、バシルス・ポピリエ(Bacillus popilliae)、バシルス・ズブチリス(Bacillus subtillis)、バシルス・スフェリカス(Bacillus sphaericus)、バシルス・チューリンゲンシス・亜種・アイザワイ(Bacillus thuringiensis subsp. Aizawai)、バシルス・チューリンゲンシス・亜種・イスラエレンシス(Bacillus thuringiensis subsp. Israelensis)、バシルス・チューリンゲンシス・亜種・クルスターキ(Bacillus thuringiensis subsp. Kurstaki)、バシルス・チューリンゲンシス・亜種・テネブリオニス(Bacillus thuringiensis subsp. Tenebrionis)、Btタンパク質 (Cry1Ab, Cry1Ac, Cry1Fa, Cry2Ab, mCry3A, Cry3Ab, Cry3Bb, Cry34/35Ab1)、CL900167(コード番号)、DCIP(ビス‐(2−クロロ‐1−メチルエチル)エーテル)、DDT(1,1,1−トリクロロ‐2,2−ビス(4−クロロフェニル)エタン)、DEP(ジメチル−2,2,2−トリクロロ‐1−ヒドロキシエチルホスホネート)、DNOC(4,6−ジニトロ−o−クレゾール)、DSP(O,O−ジエチル−O−[4−(ジメチルスルファモイル)フェニル]−ホスホロチオネート)、EPN(O−エチル−O−4−(ニトロフェニル)フェニルホスホノチオエート)、核多角体病ウイルス包埋体、NA−85(コード番号)、NA−89(コード番号)、NC−515(コード番号)、RU15525(コード番号)、ZDI−2501(コード番号)、XMC、Z−13−イコセン−10−オン、ZXI8901(コード番号)、ME5382。
【0059】
[殺菌活性成分]
アザコナゾール(azaconazole)、アシベンゾラル・S・メチル(acibenzolar−S−methyl)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、アニラジン(anilazine)、アミスルブロム(amisulbrom)、アメトクトラジン(ametoctradin)、アルジモルフ(aldimorph)、イソチアニル(isotianil)、イソピラザム(isopyrazam)、イソフェタミド(isofetamid)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、イプコナゾール(ipconazole)、イプロジオン(iprodione)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、イプロベンホス(iprobenfos)、イマザリル(imazalil)、イミノクタジンアルベシル酸塩(iminoctadine−trialbesilate)、イミノクタジン酢酸塩(iminoctadine−triacetate)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、エジフェンホス(edifenphos)、エタコナゾ−ル(etaconazole)、エタボキサム(ethaboxam)、エチリモル(ethirimol)、エトキシキン(ethoxyquin)、エトリジアゾール(etridiazole)、エネストロブリン(enestroburin)、エノキサストロビン(enoxastrobin)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、オーガニックオイル(organic oils)、オキサジキシル(oxadixyl)、オキサジニラゾール(oxazinylazole)、オキサチアピプロリン(oxathiapiprolin)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、オキシキノリン銅(oxine−copper)、オキシテトラサイクリン(oxytetracycline)、オキスポコナゾールフマル酸塩(oxpoconazole−fumarate)、オキソリニック酸(oxolinic acid)、オクタン酸銅(copper dioctanoate)、オクチリノン(octhilinone)、オフラセ(ofurace)、オリサストロビン(orysastrobin)、オルソフェニルフェノール(o−phenylphenol)、カスガマイシン(kasugamycin)、カプタホール(captafol)、カルプロパミド(carpropamid)、カルベンダジム(carbendazim)、カルボキシン(carboxin)、カルボネ(carvone)、キノキシフェン(quinoxyfen)、キノメチオネート(chinomethionat)、キャプタン(captan)、キンコナゾール(quinconazole)、キントゼン(quintozene)、グアザチン(guazatine)、クフラネブ(cufraneb)、クモキシストロビン(coumoxystrobin)、クレソキシム・メチル(kresoxim−methyl)、クロジラコン(clozylacon)、クロゾリネート(chlozolinate)、クロロタロニル(chlorothalonil)、クロロネブ(chloroneb)、シアゾファミド(cyazofamid)、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、ジクロシメット(diclocymet)、ジクロフルアニド(dichlofluanid)、ジクロメジン(diclomezine)、ジクロラン(dicloran)、ジクロロフェン(dichlorophen)、ジチアノン(dithianon)、ジニコナゾール(diniconazole)、ジニコナゾール・M(diniconazole−M)、ジネブ(zineb)、ジノカップ(dinocap)、ジピメチトロン(dipymetitrone)、ジフェニルアミン(diphenylamine)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、シフルフェナミド(cyflufenamid)、ジフルメトリム(diflumetorim)、シプロコナゾール(cyproconazole)、シプロジニル(cyprodinil)、シメコナゾール(simeconazole)、ジメチリモル(dimethirimol)、ジメチルジスルフィド(dimethyl disulfide)、ジメトモルフ(dimethomorph)、シモキサニル(cymoxanil)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、ジラム(ziram)、シルチオファム(silthiofam)、ストレプトマイシン(streptomycin)、スピロキサミン(spiroxamine)、セダキサン(sedaxane)、ゾキサミド(zoxamide)、ダゾメット(dazomet)、チアジニル(tiadinil)、チアベンダゾール(thiabendazole)、チウラム(thiram)、チオファネート(thiophanate)、チオファネート・メチル(thiophanate−methyl)、チフルザミド(thifluzamide)、テクナゼン(tecnazene)、テクロフタラム(tecloftalam)、テトラコナゾール(tetraconazole)、デバカルブ(debacarb)、テブコナゾール(tebuconazole)、テブフロキン(tebufloquin)、テルビナフィン(terbinafine)、ドジン(dodine)、ドデモルフ(dodemorph)、トリアジメノール(triadimenol)、トリアジメホン(triadimefon)、トリアゾキシド(triazoxide)、トリクラミド(trichlamide)、トリクロピリカルブ(triclopyricarb)、トリシクラゾール(tricyclazole)、トリチコナゾール(triticonazole)、トリデモルフ(tridemorph)、トリフルミゾール(triflumizole)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、トリホリン(triforine)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、トルクロホス・メチル(tolclofos−methyl)、トルニファニド(tolnifanide)、トルプロカルブ(tolprocarb)、ナーバム(nabam)、ナタマイシン(natamycin)、ナフティフィン(naftifine)、ニトラピリン(nitrapyrin)、ニトロタル・イソプロピル(nitrothal−isopropyl)、ヌアリモル(nuarimol)、ノニルフェノールスルホン酸銅(copper nonyl phenol sulphonate)、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)(strain:QST 713)、バリダマイシン(validamycin)、バリフェナレート(valifenalate)、ピカルブトラゾックス(picarbutrazox)、ビキサフェン(bixafen)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ビテルタノール(bitertanol)、ビナパクリル(binapacryl)、ビフェニル(biphenyl)、ピペラリン(piperalin)、ヒメキサゾール(hymexazol)、ピラオキシストロビン(pyraoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、ピラジフルミド(pyraziflumid)、ピラゾホス(pyrazophos)、ピラメトストロビン(pyrametostrobin)、ピリオフェノン(pyriofenone)、ピリソキサゾール(pyrisoxazole)、ピリフェノックス(pyrifenox)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、ピリメタニル(pyrimethanil)、ピロキロン(pyroquilon)、ビンクロゾリン(vinclozolin)、ファーバム(ferbam)、ファモキサドン(famoxadone)、フェナジンオキシド(phenazine oxide)、フェナミドン(fenamidone)、フェナミンストロビン(fenaminstrobin)、フェナリモル(fenarimol)、フェノキサニル(fenoxanil)、フェリムゾン(ferimzone)、フェンピクロニル(fenpiclonil)、フェンピラザミン(fenpyrazamine)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フェンフラム(fenfuram)、フェンプロピジン(fenpropidin)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、フェンヘキサミド(fenhexamid)、フォルペット(folpet)、フサライド(phthalide)、ブピリメート(bupirimate)、フベリダゾール(fuberidazole)、ブラストサイジン−S(blasticidin−S)、フラメトピル(furametpyr)、フララキシル(furalaxyl)、フランカルボン酸(furancarboxylic acid)、フルアジナム(fluazinam)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、フルオピコリド(fluopicolide)、フルオピラム(fluopyram)、フルオルイミド(fluoroimide)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、
フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルコナゾール(furconazole)、フルコナゾール・シス(furconazole−cis)、フルジオキソニル(fludioxonil)、フルシラゾール(flusilazole)、フルスルファミド(flusulfamide)、フルチアニル(flutianil)、フルトラニル(flutolanil)、フルトリアホール(flutriafol)、フルフェノキシストロビン(flufenoxystrobin)、フルメトベル(flumetover)、フルモルフ(flumorph)、プロキナジド(proquinazid)、プロクロラズ(prochloraz)、プロシミドン(procymidone)、プロチオカルブ(prothiocarb)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、ブロノポール(bronopol)、プロパモカルブ塩酸塩(propamocarb−hydrochloride)、プロピコナゾール(propiconazole)、プロピネブ(propineb)、プロベナゾール(probenazole)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、ベナラキシル(benalaxyl)、ベナラキシル・M(benalaxyl−M)、ベノダニル(benodanil)、ベノミル(benomyl)、ペフラゾエート(pefurazoate)、ペンコナゾール(penconazole)、ペンシクロン(pencycuron)、ベンゾビンジフルピル(benzovindiflupyr)、ベンチアゾール(benthiazole)、ベンチアバリカルブ・イソプロピル(benthiavalicarb−isopropyl)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、ペンフルフェン(penflufen)、ボスカリド(boscalid)、ホセチル(fosetyl)(alminium, calcium, sodium)、ポリオキシン(polyoxin)、ポリカーバメート(polycarbamate)、ボルドー液(Bordeaux mixture)、マンコゼブ(mancozeb)、マンジプロパミド(mandipropamid)、マンデストロビン(mandestrobin)、マンネブ(maneb)、ミクロブタニル(myclobutanil)、ミネラルオイル(mineral oils)、ミルディオマイシン(mildiomycin)、メタスルホカルブ(methasulfocarb)、メタム(metam)、メタラキシル(metalaxyl)、メタラキシル・M(metalaxyl−M)、メチラム(metiram)、メトコナゾール(metconazole)、メトミノストロビン(metominostrobin)、メトラフェノン(metrafenone)、メパニピリム(mepanipyrim)、メプチルジノカップ(meptyldinocap)、メプロニル(mepronil)、ヨードカルブ(iodocarb)、ラミナリン(laminarin)、亜リン酸および塩(phosphorous acid and salts)、塩基性塩化銅(copper oxychloride)、銀(silver)、酸化第一銅(cuprous oxide)、水酸化第二銅(copper hydroxide)、炭酸水素カリウム(potassium bicarbonate)、炭酸水素ナトリウム(sodium bicarbonate)、硫黄(sulfur)、硫酸オキシキノリン(oxyquinoline sulfate)、硫酸銅(copper sulfate)、(3,4−ジクロロイソチアゾール−5−イル)メチル 4−(tert−ブチル)安息香酸エステル(化学名、CAS登録番号:1231214−23−5)、3−((3,4−ジクロロイソチアゾール−5−イル)メトキシ)ベンゾ[d]イソチアゾール−1,1−ジオキシド(化学名、CAS登録番号:957144−77−3)、BAF−045(コード番号)、BAG−010(コード番号)、DBEDC(ドデシルベンゼンスルホン酸ビスエチレンジアミン銅錯塩[II])、MIF−1002(コード番号)、TPTA(酢酸トリフェニルスズ)、TPTC(トリフェニルチンクロライド)、TPTH(水酸化トリフェニルスズ)、非病原性エルビニア・カロトボーラ。
【0060】
[植物成長調整活性成分]
1−メチルシクロプロペン(1−methylcyclopropene)、1−ナフチルアセトアミド(1−naphthylacetamide)、2,6−ジイソプロピルナフタレン(2,6−diisopropylnaphthalene)、4−CPA(4−クロロフェノキシ酢酸)、ベンジルアミノプリン(benzylaminopurine)、アンシミドール(ancymidol)、アビグリシン(aviglycine)、カルボネ(carvone)、クロルメコート(chlormequat)、クロプロップ(cloprop)、クロキシホナック(cloxyfonac)、クロキシホナック・カリウム塩(cloxyfonac−potassium)、シクラニリド(cyclanilide)、サイトカイニン(cytokinins)、ダミノジット(daminozide)、ジケグラック(dikegulac)、ジメチピン(dimethipin)、エテホン(ethephon)、エポコレオン(epocholeone)、エチクロゼート(ethychlozate)、フルメトラリン(flumetralin)、フルレノール(flurenol)、フルルプリミドール(flurprimidol)、ホルクロルフェニュロン(forchlorfenuron)、ジベレリン(gibberellins)、イナベンフィド(inabenfide)、インドール酢酸(indole acetic acid)、インドール酪酸(indole butyric acid)、マレイン酸ヒドラジド(maleic hydrazide)、メフルイジド(mefluidide)、メピコート・クロリド(mepiquat chloride)、n−デシルアルコール(n−decanol)、パクロブトラゾール(paclobutrazol)、プロヘキサジオン・カルシウム塩(prohexadione−calcium)、プロヒドロジャスモン(prohydrojasmon)、シントフェン(sintofen)、チジアズロン(thidiazuron)、トリアコンタノール(triacontanol)、トリネキサパック・エチル(trinexapac−ethyl)、ウニコナゾール(uniconazole)、ウニコナゾール−P(uniconazole−P)、4−オキソ−4−(2−フェニルエチル)アミノ酪酸(化学名、CAS登録番号:1083−55−2)、過酸化カルシウム。
【0061】
これらの追加の農薬活性成分の中でも、MCPB、アジムスルフロン、イマゾスルフロン、エトベンザニド、オキサジクロメホン、カフェンストロール、カルフェントラゾン・エチル、グリホサートイソプロピルアミン塩、グリホサートカリウム塩、グルホシネート・P・ナトリウム塩、クロメプロップ、シハロホップ・ブチル、ジメタメトリン、シメトリン、ダイムロン、テフリルトリオン、ハロスルフロン・メチル、ピラクロニル、ピラゾキシフェン、ピラゾスルフロン・エチル、ピラゾリネート、ピリフタリド、ピリブチカルブ、ピリミスルファン、ピリミノバック・メチル、フェントラザミド、フルセトスルフロン、プレチラクロール、プロピリスルフロン、ブロモブチド、ペノキススラム、ベンスルフロン・メチル、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ペントキサゾン、ベンフレセート、メソトリオン、メタゾスルフロン、メフェナセット、モリネート、フェニトロチオン、アセタミプリド、アセフェート、イミダクロプリド、インドキサカルブ、エチプロール、エトフェンプロックス、クロチアニジン、クロマフェノジド、クロラントラニリプロール、ジノテフラン、シペルメトリン、シラフルオフェン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、テブフェノジド、テフルベンズロン、ピリダリル、ブプロフェジン、フルベンジアミド、ペルメトリン、メトキシフェノジド、核多角体病ウイルス包埋体、クロロタロニルアゾキシストロビン、イソプロチオラン、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン酢酸塩、イミベンコナゾール、カスガマイシン、シアゾファミド、ジクロシメット、シメコナゾール、シモキサニル、チオファネート・メチル、テトラコナゾール、テブコナゾール、トリシクラゾール、トルクロホス・メチル、バチルス・ズブチリス、バリダマイシン、ピロキロン、ファモキサドン、フェノキサニル、フェリムゾン、フサライド、フラメトピル、フルトラニル、プロシミドン、プロピコナゾール、プロベナゾール、ペンシクロン、マンコゼブ、メタラキシル、メトコナゾール、メトミノストロビン、メプロニル、非病原性エルビニア・カロトボーラ、過酸化カルシウム、トリネキサパック・エチル、パクロブトラゾールおよびプロヘキサジオン・カルシウム塩は、空中散布用農薬製剤として実用化された実績があり、本発明の如き水性懸濁農薬組成物にも相性良く追加できるので、好ましく用いられる。
【0062】
本発明の水性懸濁農薬組成物に、ピリベンカルブに加えて追加の農薬活性成分を配合して混合製剤とする場合、ピリベンカルブを含めた農薬活性成分の配合割合は特に限定されないが、水性懸濁農薬組成物全量基準で、通常10−50質量%、好ましくは15−45質量%の範囲である。
【0063】
更に、本発明の水性懸濁農薬組成物においては、所望により、薬害軽減化合物を配合することもできる。配合可能な薬害軽減化合物の具体例を以下に列記するが、本発明はこれらの薬害軽減化合物に限定されるものではない。
【0064】
[薬害軽減化合物]
イソキサジフェン(isoxadifen)、イソキサジフェン−エチル(isoxadifen−ethyl)、オキサベトリニル(oxabetrinil)、クロキントセット−メキシル(cloquintcet−mexyl)、シオメトリニル(cyometrinil)、ジクロルミド(dichlormid)、ジシクロノン(dicyclonone)、シプロスルファミド(cyprosulfamide)、ナフタル酸無水物(1,8−Naphthalic Anhydride)、フェンクロラゾール−エチル(fenchlorazole−ethyl)、フェンクロリム(fenclorim)、フリラゾール(furilazole)、フルキソフェニム(fluxofenim)、フルラゾール(flurazole)、ベノキサコル(benoxacor)、メフェンピル(mefenpyr)、メフェンピルエチル(mefenpyr−ethyl)、メフェンピル−ジエチル(mefenpyr−diethyl)、低級アルキル置換安息香酸、AD−67(4−ジクロロアセチル−1−オキサ−4−アザスピロ[4.5]デカン)、DKA−24(N1,N2−ジアリル−N2−ジクロロアセチルグリシンアミド)、MG−191(2−ジクロロメチル−2−メチル−1,3−ジオキサン)、MON4660(コード番号)、N−(2−メトキシベンゾイル)−4−[(メチルアミノカルボニル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド(化学名、CAS登録番号:129531−12−0)、PPG−1292(2,2−ジクロロ−N−(1,3−ジオキサン−2−イルメチル)−N−(2−プロペニル)アセトアミド)、R−29148(3−ジクロロアセチル−2,2,5−トリメチル−1,3−オキサゾリジン)またはTI−35(コード番号)。
【0065】
前記薬害軽減化合物は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。本願発明の水性懸濁農薬組成物に薬害軽減化合物を配合する場合、薬害軽減化合物の配合割合は特に限定されないが、水性懸濁農薬組成物全量基準で、通常1−40質量%、好ましくは2−30質量%、より好ましくは3−20質量%の範囲である。
【0066】
上記ピリベンカルブおよび追加の農薬活性成分は、純品または工業原体をそのまま用いてもよいし、農薬活性成分を壁材で被覆したリザーバー型マイクロカプセルや、農薬活性成分を芯材のマトリクス中に分散したモノリシック型マイクロカプセルの形態で用いることもできる。農薬活性成分の製剤化前処理技術の適用については特に限定されず、所望により公知の方法および資材を任意に使用してよい。
【0067】
本発明の水性懸濁農薬組成物の施用量は、対象病害、発生傾向、被害の程度、環境条件などによって変動するが、例えば、1haあたりのピリベンカルブ量が1−10000g、好ましくは10−1000gの範囲となるように適宜選ぶのがよい。本発明の水性懸濁農薬組成物は、上記施用形態により、卵菌類(Oomycota)、子嚢菌類(Ascomycota)、担子菌類(Basidiomycota)、および不完全菌類(Deuteromycota)に属する菌に起因する植物の病害を防除できる。防除可能な具体的植物病原菌名を以下に列記するが、これらに限定されるものではない。
【0068】
[植物病原菌]
シュードペロノスポラ属菌(Pseudoperonospora)、例えばキュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis);ベンチュリア属菌(Venturia)、例えばリンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis);エリシフェ属菌(Erysiphe)、例えばコムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis);ピリキュラリア属菌(Pyricularia)、例えばイネいもち病菌(Pyricularia oryzae);ボトリチス属菌(Botrytis)、例えばキュウリ灰色かび病菌(Botrytis cinerea);リゾクトニア属菌(Rhizoctonia)、例えばイネ紋枯病菌(Rhizoctonia solani);パクシニア属菌(Puccinia)、例えばコムギ赤さび病菌(Puccinia recondita);セプトリア属菌(Septoria)、例えばコムギふ枯病菌(Septoria nodorum);スクレロティニア属菌(Sclerotinia)、例えばキュウリ菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)。
【0069】
本発明の水性懸濁農薬組成物を製造する方法は特に限定されないが、典型的には、ピリベンカルブ、ポリアクリル酸塩、界面活性剤、増粘剤、水および所望に応じてその他の任意成分を混合し、ガラスビーズ、セラミックビーズ、ステンレスビーズなどの粉砕メディアと共に高速で撹拌し湿式粉砕して水性懸濁農薬組成物を得る方法が挙げられる。あるいは、粉砕工程の効率化などを目的として、ピリベンカルブの全量と残りの原料の一部を混合し、湿式粉砕してピリベンカルブのスラリーを製造した後、該スラリーに残りの原料を加え、混合して水性懸濁農薬組成物を得てもよい。別法として、ピリベンカルブを衝撃式粉砕、気流式粉砕などの手段を用いて乾式粉砕し、ポリアクリル酸塩、界面活性剤、増粘剤、水および所望に応じてその他の任意成分を含んでなる混合液に前記乾式粉砕したピリベンカルブを添加し、分散させることでも水性懸濁農薬組成物を得ることができる。
【0070】
前記いずれの製造方法を採用するとしても、水性懸濁農薬組成物中および用時希釈液中でピリベンカルブの分散を良好ならしめるために、ピリベンカルブは微粉砕することが好ましい。粉砕工程におけるピリベンカルブ粒子の到達粒径は、好ましくは体積平均粒子径で0.2−10μm程度、より好ましくは0.5−6μm程度である。水性懸濁農薬組成物中のピリベンカルブ粒子が10μmを超えると、保存中の液相分離が顕著となる恐れがあり、また、希釈液中でも速やかにピリベンカルブ粒子が沈降してしまい、均一な散布液を得ることが困難となる恐れがある。なお、ピリベンカルブ粒子の体積平均粒子径は、例えばレーザー回折法および本法を測定原理とする測定装置により測定することが可能である。
【0071】
かくして製造された本発明の水性懸濁農薬組成物は、空中散布用農薬製剤として好ましい。「空中散布用農薬製剤」とは、日本国内法的には、使用方法として「空中散布」または「無人ヘリコプターによる散布」が農薬登録され、該使用方法が農薬ラベルに記載された農薬製剤をいう。薬効試験および薬害試験の良好な成績をもってかかる農薬登録を取得することは可能であるが、使用現場からの性能要求として、通常、約4−32倍という空中散布特有の低い希釈倍数で調製された高濃度散布液の安定性が良好であることが望まれている。さもなければ、空中散布用農薬製剤として実用に耐えないというべきである。
【0072】
本発明の空中散布方法は、本発明の水性懸濁農薬組成物を、組成物全量に対して、質量基準で31倍量以下の散布用水に希釈し、調製した希釈液を、農耕地または非農耕地に1haあたり2−150kg、好ましくは、8−32kgの水量で、農薬散布機能を具備する航空機から空中散布するものである。
【0073】
本発明の水性懸濁農薬組成物を空中散布する場合、まず、水性懸濁農薬組成物を散布用水に通常4−32倍の希釈倍数で希釈し、散布液を調製する。すなわち、散布用水の量は水性懸濁農薬組成物の全量に対して、質量基準で通常3−31倍である。
【0074】
但し、農薬製剤の実使用場面においては、2種以上の農薬製剤を同一の散布液中で混合し、同時に散布する場合がある。このような行為を混用という(以下、本明細書中でも「混用」と称する。)が、この場合は本発明の水性懸濁農薬組成物を散布用水に4倍未満の希釈倍数で希釈することがある。すなわち、本発明の水性懸濁農薬組成物と、別の農薬製剤とを混用する場合において、散布用水に本発明の水性懸濁農薬組成物を希釈した後、別の農薬製剤を希釈して定量とすることが予定されているときには、あとから別の農薬製剤が追加されて全体の液量が増すことを見越し、一時的に4倍未満の希釈倍数で本発明の水性懸濁農薬組成物を希釈してもよい。
【0075】
したがって、本発明の水性懸濁農薬組成物は、実使用場面に応じて、組成物全量に対して、質量基準で31倍量以下の散布用水に希釈し、散布液とすることによって空中散布に用いることができる。
【0076】
前記散布液中で、ポリアクリル酸塩はピリベンカルブのハードケーキ形成を強力に阻害する。該散布液中のポリアクリル酸塩の濃度は限定されず、100ppm程度の微量からハードケーキ形成を軽減する効果が認められる。より高濃度のポリアクリル酸塩はハードケーキ形成をより強力に抑制するが、経済性を考慮すると、5000ppm程度までに留めるのが望ましい。したがって、散布液中における本発明のポリアクリル酸塩の好ましい濃度は100−5000ppm、より好ましくは、200−3000ppmの範囲である。水性懸濁農薬組成物にポリアクリル酸塩を配合する場合は、該組成物の使用時の希釈倍数を考慮し、散布液中でポリアクリル酸塩が前記有効な濃度となるように水性懸濁農薬組成物を設計するべきであることは言うまでもない。
【0077】
上記の通り調製された散布液は、農薬散布装置を搭載した航空機に備え付けられた薬液タンクに入れられ、この航空機が農耕地または非農耕地の上空を飛行しながら該散布液を噴霧投下する方法により、本発明の水性懸濁農薬組成物の空中散布が行われる。前記散布方法に用いられる航空機としてはセスナ機と通称される小型軽飛行機などの固定翼機、有人ヘリコプターや無人ヘリコプターなどの回転翼機、両者の特徴を併せ持つティルトローター機を挙げることができるが、特に、農薬散布用途に特化した小型の無人ヘリコプターが好適に使用できる。航空機から農薬を空中散布する場合、その散布液の液量は1haあたりで通常2−150kg、より典型的には8−32kgである。
【0078】
なお、本発明の水性懸濁農薬組成物は散布液を調製する際にタンクミックスの形態で適用することもできる。特に、本発明に用いられるポリアクリル酸塩は、レディミックス可能なハードケーキ形成防止剤として本発明の水性懸濁農薬組成物に不可欠な要素であるが、タンクミックスしても所望の効果を発揮することができる。また、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸第二鉄、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、アルギン酸塩、ポリビニルピロリドン、キトサンなどの前述した先行技術文献で用いられている凝固抑制剤は、タンクミックスの形態であれば、本発明の水性懸濁農薬組成物にさらなる補助剤として配合することができる。
【0079】
さらにまた、ピリベンカルブを含有する水性懸濁農薬組成物においてポリオキシアルキレンアルコールまたはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーを界面活性剤として配合した場合、防除効果を向上させる傾向があるものの、一方で水性懸濁農薬組成物の粘度を高め、また、貯蔵中のさらなる粘度上昇や粒径成長を惹起する場合があるため、これらのリスクを回避するには通常、別途特定の界面活性剤と併用するなどの対策を要する。そのため、上記ポリオキシアルキレンアルコールまたはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーを、ピリベンカルブを含有する水性懸濁農薬組成物とともに用いる場合は、該水性懸濁農薬組成物の散布液の調製時にポリオキシアルキレンアルコールまたはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーをタンクミックスで用いるのが簡便である。
【実施例】
【0080】
以下、本発明を実施例にて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。なお、以下の実施例において、部は質量部を表す。体積平均粒子径はレーザー回折散乱式粒度分布測定器(製品名「レーザーマイクロンサイザーLMS−2000e」、株式会社セイシン企業製)を用いて測定した値であり、粘度はB型粘度計(製品名「TVB−10−M」、東機産業株式会社製)を用いて、20℃の試料を30rpmで測定した値である。
【0081】
[実施例1]
ピリベンカルブ20部、分子量5000のポリアクリル酸ナトリウム0.2部、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸塩4部、プロピレングリコール10部、キサンタンガム0.28部、ポリアルキルポリシロキサン0.02部および水65.5部を混合し、平均粒径が体積平均粒子径3μmとなるまで湿式粉砕し、ピリベンカルブを20質量%含有する本発明の水性懸濁農薬組成物を得た。このようにして得た水性懸濁農薬組成物の粘度は572mPa・sであった。
【0082】
[実施例2]
ピリベンカルブ20部、分子量5000のポリアクリル酸ナトリウム0.5部、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸塩4部、プロピレングリコール10部、キサンタンガム0.28部、ポリアルキルポリシロキサン0.02部および水65.2部を混合し、平均粒径が体積平均粒子径3μmとなるまで湿式粉砕し、ピリベンカルブを20質量%含有する本発明の水性懸濁農薬組成物を得た。このようにして得た水性懸濁農薬組成物の粘度は601mPa・sであった。
【0083】
[実施例3]
ピリベンカルブ20部、分子量5000のポリアクリル酸ナトリウム2部、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸塩4部、プロピレングリコール10部、キサンタンガム0.28部、ポリアルキルポリシロキサン0.02部および水63.7部を混合し、平均粒径が体積平均粒子径3μmとなるまで湿式粉砕し、ピリベンカルブを20質量%含有する本発明の水性懸濁農薬組成物を得た。このようにして得た水性懸濁農薬組成物の粘度は584mPa・sであった。
【0084】
[実施例4]
ピリベンカルブ20部、分子量5000のポリアクリル酸ナトリウム5部、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸塩4部、プロピレングリコール10部、キサンタンガム0.28部、ポリアルキルポリシロキサン0.02部および水60.7部を混合し、平均粒径が体積平均粒子径3μmとなるまで湿式粉砕し、ピリベンカルブを20質量%含有する本発明の水性懸濁農薬組成物を得た。このようにして得た水性懸濁農薬組成物の粘度は606mPa・sであった。
【0085】
[実施例5]
ピリベンカルブ20部、分子量5000のポリアクリル酸ナトリウム0.5部、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル硫酸塩1.6部、ポリアルキレングリコール1.6部、エチレングリコール7.4部、流動パラフィン8部、キサンタンガム0.25部、ポリアルキルポリシロキサン0.02部および水60.63部を混合し、平均粒径が体積平均粒子径3μmとなるまで湿式粉砕し、ピリベンカルブを20質量%含有する本発明の水性懸濁農薬組成物を得た。このようにして得た水性懸濁農薬組成物の粘度は298mPa・sであった。
【0086】
[実施例6]
ピリベンカルブ20部、分子量5000のポリアクリル酸ナトリウム0.5部、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル硫酸塩4部、プロピレングリコール15部、キサンタンガム0.3部、ポリアルキルポリシロキサン0.02部および水60.18部を混合し、平均粒径が体積平均粒子径3μmとなるまで湿式粉砕し、ピリベンカルブを20質量%含有する本発明の水性懸濁農薬組成物を得た。このようにして得た水性懸濁農薬組成物の粘度は631mPa・sであった。
【0087】
[比較例1]
ピリベンカルブ20部、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸塩4部、プロピレングリコール10部、キサンタンガム0.28部、ポリアルキルポリシロキサン0.02部および水65.7部を混合し、平均粒径が体積平均粒子径3μmとなるまで湿式粉砕し、ピリベンカルブを20質量%含有する水性懸濁農薬組成物を得た。このようにして得た水性懸濁農薬組成物の粘度は565mPa・sであった。
【0088】
[比較例2]
ピリベンカルブ20部、アルギン酸0.2部、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸塩4部、プロピレングリコール10部、キサンタンガム0.28部、ポリアルキルポリシロキサン0.02部および水65.5部を混合し、平均粒径が体積平均粒子径3μmとなるまで湿式粉砕し、ピリベンカルブを20質量%含有する水性懸濁農薬組成物を得た。このようにして得た水性懸濁農薬組成物の粘度は814mPa・sであり、流動性が悪く、ボトルへの包装や排出にやや難渋した。
【0089】
[比較例3]
ピリベンカルブ20部、アルギン酸0.5部、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸塩4部、プロピレングリコール10部、キサンタンガム0.28部、ポリアルキルポリシロキサン0.02部および水65.2部を混合し、平均粒径が体積平均粒子径3μmとなるまで湿式粉砕し、ピリベンカルブを20質量%含有する水性懸濁農薬組成物を得た。このようにして得た水性懸濁農薬組成物の粘度は1593mPa・sと高粘性を示し、流動性が非常に悪く、ボトルへの包装や排出が極めて困難であった。
【0090】
[比較例4]
ピリベンカルブ20部、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸塩4部、プロピレングリコール10部、キサンタンガム0.33部、ポリアルキルポリシロキサン0.02部および水65.65部を混合し、平均粒径が体積平均粒子径3μmとなるまで湿式粉砕し、ピリベンカルブを20質量%含有する水性懸濁農薬組成物を得た。このようにして得た水性懸濁農薬組成物の粘度は1024mPa・sと高粘性を示し、流動性が非常に悪く、ボトルへの包装や排出が極めて困難であった。
【0091】
[比較例5]
ピリベンカルブ20部、カルボキシメチルセルロース0.5部、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸塩4部、プロピレングリコール10部、キサンタンガム0.28部、ポリアルキルポリシロキサン0.02部および水65.2部を混合し、平均粒径が体積平均粒子径3μmとなるまで湿式粉砕し、ピリベンカルブを20質量%含有する水性懸濁農薬組成物を得た。このようにして得た水性懸濁農薬組成物の粘度は1810mPa・sと高粘性を示し、流動性が非常に悪く、ボトルへの包装や排出が極めて困難であった。
【0092】
[比較例6]
ピリベンカルブ20部、ポリ塩化アルミニウム0.5部、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテルリン酸塩4部、プロピレングリコール10部、キサンタンガム0.28部、ポリアルキルポリシロキサン0.02部および水65.2部を混合し、平均粒径が体積平均粒子径3μmとなるまで湿式粉砕したが、粉砕直後からピリベンカルブが凝集して、10μmを超える凝集粒子となってしまい、実用可能な水性懸濁農薬組成物を得ることができなかった。
【0093】
[試験例1]
実施例1−6および比較例1−5の水性懸濁農薬組成物6.25gを100mL容の共栓付メスシリンダーに取り、20℃に調温した3度硬水を加えて全量を100gとし(16倍希釈)、よく振り混ぜて均一な希釈液を調製した。該メスシリンダーを20℃恒温で静置し、24時間後に底部の堆積層の厚さを記録した。その後、該メスシリンダーを30rpmで倒立し、5回倒立操作を行うごとに底面の光透過性を観察して、前記堆積層が再分散するまでに要した倒立回数を記録した。結果を表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】
[試験例2]
実施例1−6および比較例2−3の水性懸濁農薬組成物を蓋付ガラス瓶に包装し、54℃ の恒温機内で14日間貯蔵した。その後、製造直後と同様にして、水性懸濁農薬組成物の粘度およびピリベンカルブ粒子の体積平均粒子径を測定した。結果を表2に示す。
【0096】
【表2】