特許第6483923号(P6483923)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6483923
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】高い色強度を有するゴールド顔料
(51)【国際特許分類】
   C09C 3/06 20060101AFI20190304BHJP
   C09C 1/00 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   C09C3/06
   C09C1/00
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-514762(P2018-514762)
(86)(22)【出願日】2016年6月2日
(65)【公表番号】特表2018-520260(P2018-520260A)
(43)【公表日】2018年7月26日
(86)【国際出願番号】KR2016005824
(87)【国際公開番号】WO2016200091
(87)【国際公開日】20161215
【審査請求日】2017年11月29日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0082060
(32)【優先日】2015年6月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】511153183
【氏名又は名称】CQV株式会社
【氏名又は名称原語表記】CQV CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】特許業務法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン,キルワン
(72)【発明者】
【氏名】リム,クヮンスー
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ビュンキ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジンヒョン
【審査官】 菅野 芳男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−077137(JP,A)
【文献】 特開2011−174067(JP,A)
【文献】 特表2010−500402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09C 3/06
C09C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材;
前記基材の表面に形成された、屈折率が1.8超のTiO2からなる第1の被覆層;
前記第1の被覆層上に形成された、MnO及びMnO2のうち1種以上からなる第2の被覆層;
前記第2の被覆層上に形成され、屈折率が1.8以下のSiO2、MgO・SiO2、及びAl23のうち1種以上からなる第3の被覆層;
前記第3の被覆層上に形成され、屈折率が1.8超のTiO2からなる第4の被覆層;及び
前記第4の被覆層上に形成され、Fe23からなる第5の被覆層を含み、
前記基材の重量を100重量部とするとき、前記第2の被覆層の厚さは0.1〜20nmであり、
前記第1の被覆層〜前記第5の被覆層のうち、前記第2の被覆層の厚さが最も薄いことを特徴とするゴールド顔料。
【請求項2】
前記第1の被覆層及び第4の被覆層は、
ルチル(Rutile)またはアナターゼ(Anatase)構造のTiO2を含むことを特徴とする、請求項1に記載のゴールド顔料。
【請求項3】
基材上にTiO2からなる被覆層及びFe23からなる被覆層を含む多層の被覆層が形成されているものの、前記Fe23からなる被覆層は、TiO2からなる被覆層より外側にあり、前記Fe23からなる被覆層とTiO2からなる被覆層の間にマンガン含有の酸化物からなる被覆層が形成されており、
前記マンガン含有の酸化物からなる被覆層は、MnO及びMnO2のうち1種以上からなり、
前記基材の重量を100重量部とするとき、前記マンガン含有の酸化物からなる被覆層の厚さは0.1〜20nmであり、
前記基材上に形成された被覆層のうち、前記マンガン含有の酸化物からなる被覆層の厚さが最も薄いことを特徴とする、ゴールド顔料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴールド顔料に関するものであって、被覆層の積層構造及び積層物質の調節により赤色トーンが少なくゴールド色の美感を改善した新規のゴールド顔料に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴールド(Gold)顔料は、金色を帯びる顔料であって、様々な分野において美的効果を発揮するために使用されている。例えば、産業用として壁紙、オンドル紙、プラスチック成形、皮コーティング、シルク印刷、オフセット印刷、家電製品の塗装及び陶磁器の応用などに使用されている。また、化粧品用としては、リップスティック、マニキュア、ヘアジェル、アイシャドー、リップ・グロスなど、多様な色調の化粧品に使用されている。また、ゴールド顔料は、高い耐候性が要求される自動車用内外装の塗色及び建築、船舶の塗料に使用されている。
【0003】
本発明に係る背景技術としては、韓国公開特許公報第10−1997−0001474(1997.01.24.公開。以下、特許文献1)に開示されている金色顔料がある。
【0004】
前記特許文献1では、塗料、ニス、粉末被覆剤、印刷インキ、プラスチック及び化粧品の配合物で使用される金色顔料として、基材に二酸化チタン(TiO2)及び酸化鉄(Fe23)が順次被覆されている例が開示されている。
【0005】
しかし、白色の二酸化チタンと赤色の酸化鉄だけでは限定したゴールド色のみを具現することができ、消費者たちが要求する赤色トーンの少ないゴールド色を満足に具現し難いという問題点がある。
【0006】
また、本発明に係る背景技術としては、韓国公開特許公報第10−2002−0070428号(2002.09.09.公開。以下、特許文献2)がある。
【0007】
図1は、従来のゴールド顔料の例を示したものであって、特許文献2から想到することのできるゴールド顔料を概略的に示したものである。
【0008】
図1を参照すれば、示されたゴールド顔料は、基材100上にTiO2とFe23とが混合して形成される第1層110、SiO2から形成される第2層120、TiO2から形成される第3層130、Fe23から形成されるか又はFe23とTiO2とが混合して形成される第4層140を含む構造を有する。
【0009】
図2は、さらに他の従来のゴールド顔料を概略的に示したものである。
【0010】
図2を参照すれば、示されたゴールド顔料は、図1に示されたゴールド顔料と同様、基材100上にTiO2から形成される第1層210、SiO2から形成される第2層220、TiO2から形成される第3層230及びFe23から形成される第4層240を含む構造を有する。
【0011】
図1及び図2に示されたゴールド顔料の場合、中間に無色SiO2から形成される被覆層が形成されていることを除いては、大体白色の二酸化チタンと赤色の酸化鉄の組み合わせによってゴールドの色相が具現されるという限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の一つの目的は、赤色トーンが少なくてゴールドの色相をより正確に表現する新規のゴールド顔料を提供することである。
【課題を解決しようとする手段】
【0013】
上記目的を達成するため本発明の実施例によるゴールド顔料は、基材上にTiO2を含む被覆層及びFe23を含む被覆層を含む多層の被覆層が形成されているものの、前記Fe23を含む被覆層は、TiO2を含む被覆層より外側にあり、前記Fe23を含む被覆層とTiO2を含む被覆層の間にマンガン含有の酸化物を含む被覆層が形成されていることを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するため本発明の望ましい実施例によるゴールド顔料は、基材;前記基材の表面に形成されて、屈折率が1.8超の金属酸化物を含む第1の被覆層;前記第1の被覆層上に形成されて、マンガン含有の酸化物を含む第2の被覆層;前記第2の被覆層上に形成されて、屈折率が1.8以下の無色金属酸化物を含む第3の被覆層;前記第3の被覆層上に形成されて、屈折率が1.8超の金属酸化物を含む第4の被覆層;及び前記第4の被覆層上に形成されて、Fe23を含む第5の被覆層を含むことを特徴とする。
【0015】
このとき、前記第1の被覆層は、TiO2のみから形成されるものが望ましい。
【0016】
また、前記第2の被覆層は、MnO及びMnO2のうち1種以上を含む。
【0017】
また、前記第3の被覆層は、SiO2、MgO・SiO2及びAl23のうち1種以上を含む。
【0018】
また、前記第4の被覆層は、TiO2を含む。
【0019】
また、前記第1ないし第5の被覆層のうち、前記第2の被覆層の厚さが一番薄いものが望ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によるゴールド顔料の場合、TiO2被覆層、Fe23被覆層のほか、黒茶色MnOのようなマンガン含有の酸化物被覆層をさらに含むことで、赤色トーンの少ないゴールドの色相をより正確に具現することができる。
【0021】
さらに、本発明によるゴールド顔料の場合、赤色トーンが少ないとともに、光沢に優れており、スパークリングインパクト(sparkling impact)に強いという特長がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来のゴールド顔料の例を概略的に示したものである。
図2】従来のゴールド顔料の他の例を概略的に示したものである。
図3】本発明の実施例によるゴールド顔料を概略的に示したものである。
図4】比較例1及び実施例1によるゴールド顔料の光学顕微鏡(50倍率)写真を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の利点及び特徴、それにそれらを達成する方法は、詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下に開示する実施例に限定されるものではなく、異なる様々な形態に具現されるものであって、但し、本実施例は、本発明の開示を完全なものにして、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明によるゴールド顔料について詳説する。
【0025】
図3は、本発明の実施例によるゴールド顔料を概略的に示したものである。
【0026】
図3を参照すれば、本発明の実施例によるゴールド顔料は、基材100、第1の被覆層310、第2の被覆層320、第3の被覆層330、第4の被覆層340及び第5の被覆層350を含む。
【0027】
被覆層310〜350は、それぞれ約0.5μm以下の厚さで形成されて、それぞれ60〜90℃で形成される。
【0028】
第1ないし第5の被覆層310〜350は、その順に1回だけ形成されて、必要によっては、その順に2回以上繰り返して形成される。さらに、それぞれの被覆層の間には被覆層がさらに形成されて、第5の被覆層350、すなわち、最上部の被覆層上には、耐候性の向上などを目的に保護被覆層がさらに形成される。
【0029】
基材300は、天然雲母、合成雲母、ガラスフレーク(Glass Flake)、アルミナやフレーク(Alumina Flake)などから形成される。基材300は、一般的に粒子の大きさが約5〜600μmである小板基材を用いることができるが、必ずしもこれに限られるものではなく、公知された多様な基材を用いることができる。
【0030】
第1の被覆層310は、基材300の表面に形成されて、屈折率が1.8超の金属酸化物を含む。第1の被覆層210は、黒い地色にゴールド色を帯びるパウダーであって、基本的な色相を決定する役割を果たす。
【0031】
このとき、第1の被覆層は、TiO2のみから約100〜200nm厚さで形成される。TiO2は、ルチル(Rutile)またはアナターゼ(Anatase)構造を有し、ルチル構造を有するものがさらに望ましい。ルチル構造であるTiO2の場合、光沢及び安全性がさらに優れているという特長がある。このようなルチル構造のTiO2被覆層は、SnCl4のような錫化合物で基材の表面を前処理した後、TiCl4などを用いてTiO2を被覆することで形成される。
【0032】
第1の被覆層310及び後述する第4の被覆層340をTiO2から形成する場合、第1の被覆層310及び第4の被覆層340は、pH3以下の強酸性条件下でTiCl4から形成される。
【0033】
第2の被覆層320は、第1の被覆層310上に形成されて、MnOのようなマンガン含有の酸化物を含む。このようなマンガン含有の酸化物は、MnO、MnO2を提示することができ、これらは黒茶色を帯びており、これらのいずれか1種を用いるかまたは2種とも混用することができる。
【0034】
白色TiO2被覆層と赤色Fe23被覆層によって具現されるゴールドの色相の場合、多少赤色を帯びるが、本発明のように、白色TiO2被覆層(例えば、図3の310)と赤色Fe23(例えば、図3の350)の間にMnOのようなMn含有の酸化物被覆層(例えば、図3の320)が含まれる場合は、従来の赤色を帯びるゴールドの色相から赤色をある程度除去することで、ゴールドの色相をより正確に表すことができる。
【0035】
マンガン含有の酸化物を含む第2の被覆層320は、pH6〜8の中性条件下でMnCl2から形成される。
【0036】
第3の被覆層330は、第2の被覆層320上に約10〜200nm厚さで形成されて、屈折率が1.8以下の無色金属酸化物を含む。このような第3の被覆層230は低屈折層であって、高屈折層(例えば、図3の310)と高屈折層(例えば、図3の340、350)の間に位置し、光学的干渉構造を形成することで、本発明によるゴールド顔料が干渉顔料として作用できるようにする。
【0037】
このような屈折率が1.8以下の無色金属酸化物は、SiO2、MgO・SiO2、及びAl23のうち1種以上を含む。
【0038】
第4の被覆層340は、第3の被覆層330上に形成されて、屈折率が1.8超の金属酸化物を含む。このような第4の被覆層340は、白色金属酸化物から形成することができ、例えば、TiO2被覆層から形成される。
【0039】
第5の被覆層350は、第4の被覆層340上に形成されて、Fe23を含む。
【0040】
このようなFe23は、屈折率が1.8を超える高屈折の赤色金属酸化物に相当する。
【0041】
第5の被覆層は、pH2〜4の酸性条件下でFeCl3等のような鉄含有の化合物から形成される。
【0042】
第1ないし第5の被覆層310〜350のうち、マンガン酸化物を含む第2の被覆層320の厚さは、一定の厚さであるときに望ましい効果が得られる。マンガン酸化物の厚さが薄すぎると、赤色トーンの低減効果が不十分であり、厚すぎると、光沢などが低下するからである。さらに望ましくは、第2の被覆層320は、基材の重量を100重量部とするとき、前記第2の被覆層の含量は0.1〜10重量部になり、このとき、第2の被覆層の厚さは0.1〜20nmになる。
【0043】
本発明のゴールド顔料は、図2の5つの被覆層を全て含む必要はなく、下記のような3つ以上の被覆層を含む条件であれば、いずれも本発明の範疇に含まれる。
【0044】
すなわち、本発明のゴールド顔料は、基材上にTiO2を含む被覆層及びFe23を含む被覆層を含む多層の被覆層が形成された構造を有するものの、Fe23を含む被覆層は、TiO2を含む被覆層より外側にあり、Fe23を含む被覆層とTiO2を含む被覆層の間にマンガン含有の酸化物を含む被覆層が形成されている構造を有するものであれば、いずれも適用することができる。
【0045】
実施例
以下では、本発明の望ましい実施例を通じて本発明の構成及び作用をさらに詳説する。但し、これは本発明の望ましい例示として提示したものであり、いかなる意味でもこれによって本発明が制限されるものに解釈されてはならない。
【0046】
ここに記載されていない内容は、この技術分野におけるベテランであれば、十分に技術的類推ができるので、その説明は省略する。
【0047】
1.ゴールド顔料の製造
実施例1
粒子の大きさが5〜560μmである合成雲母のフレーク100gを1Lの脱ミネラル水に投入した後、撹拌してスラリーを形成した。次に、スラリーを75℃まで加熱した後、HCl溶液を添加してスラリーのpHを1.7に調整した。(基材スラリー形成)
【0048】
次に、SnCl4溶液(SnCl4含量11重量%)30gを秤量して、スラリーに1時間にわたり一定の速度で滴定しながら30%NaOH希釈液でpHを1.7と一定に維持した。
【0049】
次に、TiCl4溶液(TiCl4含量33重量%)300gを秤量して、スラリーに8時間にわたり滴定しながら30%NaOH希釈液でpHを1.7と一定に維持させた。滴定の後、10分間還流した後に20%NaOH希釈液でpHを7.0に調整した。(第1の被覆層形成)
【0050】
その後、MnCl2溶液(MnCl2含量3重量%)100gを秤量して、スラリーに2時間にわたり滴定しながら30%NaOH希釈液でpH6.0〜8.0 内で維持した。滴定の後、10分間還流した後に20%NaOH希釈液でpHを7.5に調整した。(第2の被覆層形成)
【0051】
次に、MgO・SiO2溶液(MgO・SiO2含量3.5重量%)900gを秤量して、スラリーに4時間にわたり滴定しながらHCl溶液でpHを7.5と一定に維持した。その後、HCl溶液を添加してスラリーのpHを1.7に調整した後、さらに15分間撹拌して還流した。(第3の被覆層形成)
【0052】
次に、SnCl4溶液(SnCl4含量11重量%)30gを秤量して、スラリーに1時間にわたり一定の速度で滴定しながら30%NaOH希釈液でpHを1.7と一定に維持した。
【0053】
次に、TiCl4溶液(TiCl4含量33重量%)250gを秤量して、スラリーに8時間にわたり滴定しながら30%NaOH希釈液でpHを一定に維持させた。(第4の被覆層形成)
【0054】
滴定の後、10分間還流した後に20%NaOH希釈液でpHを3.2に調整した。
【0055】
次に、FeCl3溶液(FeCl3含量20重量%)150gを秤量して、スラリーに2時間にわたり滴定しながら30%NaOH希釈液でpHを3.2と一定に維持させた。(第5の被覆層形成)
【0056】
還流の後、最終スラリーを濾過して脱水し、脱ミネラル水で2回にわたり洗浄した後、120℃で10時間乾燥して粉末状の中間生成物を得た。
【0057】
その後、得られた中間生成物を800℃で12分間燃焼してゴールド顔料の粉末を得た。
【0058】
実施例2
粒子の大きさが5〜560μmである合成雲母のフレーク100gを1Lの脱ミネラル水に投入した後、撹拌してスラリーを形成した。次に、スラリーを75℃まで加熱した後、HCl溶液を添加してスラリーのpHを1.7に調整した。(基材スラリー形成)
【0059】
次に、TiCl4溶液(TiCl4含量33重量%)300gを秤量して、スラリーに8時間にわたり滴定しながら30%NaOH希釈液でpHを2.4と一定に維持させた。滴定の後、10分間還流した後に20%NaOH希釈液でpHを7.0に調整した。(第1の被覆層形成)
【0060】
その後、MnCl2溶液(MnCl2含量3重量%)100gを秤量して、スラリーに2時間にわたり滴定しながら30%NaOH希釈液でpH6.0〜8.0 内で維持した。滴定の後、10分間還流した後に20%NaOH希釈液でpHを7.5に調整した。(第2の被覆層形成)
【0061】
次に、MgO・SiO2溶液(MgO・SiO2含量3.5重量%)900gを秤量して、スラリーに4時間にわたり滴定しながらHCl溶液でpHを7.5と一定に維持した。その後、HCl溶液を添加してスラリーのpHを2.4に調整した後、さらに15分間撹拌して還流した。(第3の被覆層形成)
【0062】
次に、TiCl4溶液(TiCl4含量33重量%)250gを秤量して、スラリーに8時間にわたり滴定しながら30%NaOH希釈液でpHを一定に維持させた。(第4の被覆層形成)
【0063】
滴定の後、10分間還流した後に20%NaOH希釈液でpHを3.2に調整した。
【0064】
次に、FeCl3溶液(FeCl3含量20重量%)150gを秤量して、スラリーに2時間にわたり滴定しながら30%NaOH希釈液でpHを3.2と一定に維持させた。(第5の被覆層形成)
【0065】
還流の後、最終スラリーを濾過して脱水し、脱ミネラル水で2回にわたり洗浄した後、120℃で10時間乾燥して粉末状の中間生成物を得た。
【0066】
その後、得られた中間生成物を800℃で12分間燃焼してゴールド顔料の粉末を得た。
【0067】
実施例1に従って製造されたゴールド顔料の粉末は、第1の被覆層及び第4の被覆層のTiO2構造がルチル構造である反面、実施例2に従って製造されたゴールド顔料の粉末は、第1の被覆層及び第4の被覆層のTiO2構造がアナターゼ構造を示した。
【0068】
比較例1
粒子の大きさが10〜60μmである雲母100gを2Lの脱ミネラル水の中で75℃まで加熱した。前記温度に至ったとき、非常に激しく撹拌しながら脱ミネラル水84.3g中のFeCl3×6H2O130.5g、TiCl446.5g及びAlCl3×6H2O11.6g溶液を徐々に計量添加した。32%水酸化ナトリウム水溶液でpHを2.6に維持させた。前記溶液を添加した後、混合物を約15分間さらに撹拌した。次に、32%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5を上昇させて、ナトリウム水ガラス溶液(SiO213.5%)431gをこのpHで徐々に計量添加した。その後、10%塩酸でpH2.0まで低下した後、混合物をさらに15分間撹拌して、TiCl4溶液(TiCl4370g/L)396gを計量添加した。32%水酸化ナトリウム溶液でpHを2.6に維持させた。前記溶液を添加した後、混合物をさらに15分間撹拌した。次に、32%水酸化ナトリウム溶液でpHを5.0まで上昇させて、混合物をさらに15分間撹拌した。
【0069】
還流の後、最終スラリーを濾過して脱水し、脱ミネラル水で2回にわたり洗浄した後、120℃で10時間乾燥して粉末状の中間生成物を得た。
【0070】
その後、得られた中間生成物を800℃で12分間燃焼してゴールド顔料の粉末を得た。
【0071】
比較例1に従って製造されたゴールド顔料の粉末は、図1に示された構造を有する。
【0072】
比較例2
粒子の大きさが5〜560μmである合成雲母のフレーク100gを1Lの脱ミネラル水に投入した後、撹拌してスラリーを形成した。次に、スラリーを75℃まで加熱した後、HCl溶液を添加してスラリーのpHを1.7に調整した。(基材スラリー形成)
【0073】
次に、SnCl4溶液(SnCl4含量11重量%)30gを秤量して、スラリーに1時間にわたり一定の速度で滴定しながら30%NaOH希釈液でpHを1.7と一定に維持した。
【0074】
次に、TiCl4溶液(TiCl4含量33重量%)300gを秤量して、スラリーに8時間にわたり滴定しながら30%NaOH希釈液でpHを1.7と一定に維持させた。滴定の後、10分間還流した後に20%NaOH希釈液でpHを7.5に調整した。(第1の被覆層形成)
【0075】
次に、MgO・SiO2溶液(MgO・SiO2含量3.5重量%)900gを秤量して、スラリーに4時間にわたり滴定しながらHCl溶液でpHを7.5と一定に維持した。その後、HCl溶液を添加してスラリーのpHを1.7に調整した後、さらに15分間撹拌して還流した。(第2の被覆層形成)
【0076】
次に、SnCl4溶液(SnCl4含量11重量%)30gを秤量して、スラリーに1時間にわたり一定の速度で滴定しながら30%NaOH希釈液でpHを1.7と一定に維持した。
【0077】
次に、TiCl4溶液(TiCl4含量33重量%)250gを秤量して、スラリーに8時間にわたり滴定しながら30%NaOH希釈液でpHを一定に維持させた。(第3の被覆層形成)
【0078】
滴定の後、10分間還流した後に20%NaOH希釈液でpHを3.2に調整した。
【0079】
次に、FeCl3溶液(FeCl3含量20重量%)150gを秤量して、スラリーに2時間にわたり滴定しながら30%NaOH希釈液でpHを3.2と一定に維持させた。(第4の被覆層形成)
【0080】
還流の後、最終スラリーを濾過して脱水し、脱ミネラル水で2回にわたり洗浄した後、120℃で10時間乾燥して粉末状の中間生成物を得た。
【0081】
その後、得られた中間生成物を800℃で12分間燃焼してゴールド顔料の粉末を得た。
【0082】
比較例2に従って製造されたゴールド顔料の粉末は、図2に示された構造を有する。
【0083】
2.物性評価
彩度評価
表1は、実施例1及び比較例1〜2によるゴールド顔料の色差計の値(a*、b*)を表したものである。色差計の値は、Konika Minolta Chroma meter CR−400 D65で測定しており、L*は光沢の程度、a*は赤色(Red)の程度、b*は黄色(Yellow)の程度、△L*、△a*、△b*は、同じ性質及び色相を有する該比較例と実施例1の間の色差変化値を表す。
【0084】
また、図4は、比較例1及び実施例1によるゴールド顔料の光学顕微鏡(50倍率)写真を表したものである。
【0085】
【表1】
【0086】
表1及び図4を参照すれば、比較例と実施例1を比較した結果、MnOコーティング層を使用した後、色差計の値(L*、a*、b*)が変化したことが分かる。
【0087】
より具体的には、比較例1及び比較例2に比べて、実施例1の場合、Red色は減ってYellow色は増える結果を示し、赤色トーンが減少した結果を示し、逆に光沢は増加する結果を示した。
【0088】
[適用例]
下記は、前記実施例1で得たゴールド顔料が塗料、プラスチック、インキ及び化粧品に使用される適用例に関する説明である。
【0089】
(1)塗料に使用する例
これは、自動車の表面のコーティング塗料に使用する例である。
【0090】
{基礎塗料組成物}
[ポリエステル樹脂]
ハイキューベース調色用の透明(BC−1000)株式会社 ノルペイント
ハイキューLVシンナー(DR−950WS)株式会社 ノルペイント
【0091】
実施例1で得たゴールド顔料4重量部と前記ポリエステル樹脂組成物96重量部を混合し、ポリエステル樹脂用の希釈剤100重量部を混合物に添加して、噴霧コーティング[フォードコップ(Ford Cup)#4を用いて14ないし16秒間適用する(25℃)]に好適な濃度でこれの粘度を低下することによって製造して、これを噴霧コーティングにより塗布して下塗膜層を形成した。下記組成物の未着色の表面透明塗料を下塗膜層の上に塗布した。
【0092】
{表面透明塗料}
ハイキューウルトラクリア株式会社ノルペイント
ハイキューウルトラクリア硬化剤(CCH−100)株式会社ノルペイント
【0093】
表面をコーティングした後、塗料を30分間40℃で空気中に露出させて、30分間130℃で硬化のために加熱した。
【0094】
(2)プラスチックに使用する例
下記は、プラスチックを着色するに使用される顔料組成物の例である。
【0095】
ポリエチレン樹脂(ペレット):70重量部
実施例1で得たゴールド顔料:1重量部
ステアリン酸亜鉛:0.2重量部
液体パラフィン:0.1重量部
【0096】
前記組成物を含むペレットを乾燥ブレンディングして圧出成形した。
【0097】
(3)化粧品に使用する例
下記は、唇−色調化粧品用の組成物である。
【0098】
Hydrogenated Castor Oil−37重量部
Octyldodecanol−10重量部
Diisostearyl Malate−20重量部
Ceresin−5重量部
Euphorbia Cerifera(Candelilla)Wax−5 重量部
Dipentaerythrityl Hexahydroxystearate/Hexastearate/Hexarosinate−18.5重量部
Coperinicia Cerifera(Carnauba)Wax−3重量部
Isopropyl Lanolate−1重量部
VP/Hexadecene Copolymer−1重量部
実施例1で得たゴールド顔料:適正量
酸化防止剤、保存剤及び芳香剤:少量
【0099】
リップスティックを前記組成物から形成した。
【0100】
以上、添付図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明は、前記実施例に限られるものではなく、異なる様々な形態に変形することができ、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須的な特徴を変更せず、他の具体的な形態に実施されることを理解するだろう。したがって、上述した実施例は、あらゆる面で例示的なものであり、限定的ではないと理解すべきである。
図1
図2
図3
図4