特許第6483926号(P6483926)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6483926
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20190304BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   G09F9/00 346A
   G09F9/40 302
   G09F9/40 301
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-518828(P2018-518828)
(86)(22)【出願日】2016年5月23日
(86)【国際出願番号】JP2016065220
(87)【国際公開番号】WO2017203580
(87)【国際公開日】20171130
【審査請求日】2018年11月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512225287
【氏名又は名称】堺ディスプレイプロダクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】堀邊 隆介
【審査官】 村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−186044(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0086025(US,A1)
【文献】 特開2008−309936(JP,A)
【文献】 特開2004−184914(JP,A)
【文献】 特開2017−199011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 − 9/46
G09F 19/00 − 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示パネルを備える表示装置において、
前記複数の表示パネルの駆動を制御する単一の制御部と、
該制御部からの出力信号を伝達する配線が形成されており、一方向に沿って延びたリジッド基板と
を備え、
前記リジッド基板及び複数の表示パネルは、前記リジッド基板の長手方向に垂直な方向に沿って、フレキシブル基板を介して直列に接続されたパネル群を構成し、
前記リジッド基板と該リジッド基板の隣に配置された前記表示パネルとを接続する前記フレキシブル基板にソースドライバが設けられていること
を特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記リジッド基板は二つの前記表示パネルの間に配置されていること
を特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の表示パネル及び前記リジッド基板は、前記リジッド基板の厚さ方向に沿って、前記フレキシブル基板を介して直列に接続されていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記パネル群に含まれる複数の表示パネル全体によって単一の画像を表示する信号を生成すること
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項5】
前記パネル群の接続方向における両端を接続する接続部を備えること
を特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、映像を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外、店頭又は交通機関等の公共の空間において、情報を発信するためのマルチディスプレイ装置が、以前より提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
マルチディスプレイ装置は、例えば、複数の表示パネルと、該複数の表示パネルにそれぞれ対応する複数の制御部とを備える。各制御部は各表示パネルを駆動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−162999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、仕様によっては、マルチディスプレイ装置には多数の表示パネルが使用され、表示パネルの増加に従って、制御部の数も増加するという問題があった。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、制御部の数の増加を抑制して、複数の表示パネルを駆動させることができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、複数の表示パネルを備える表示装置において、前記複数の表示パネルの駆動を制御する単一の制御部と、該制御部からの出力信号を伝達する配線が形成されており、一方向に沿って延びたリジッド基板とを備え、前記リジッド基板及び複数の表示パネルは、前記リジッド基板の長手方向に垂直な方向に沿って、フレキシブル基板を介して直列に接続されたパネル群を構成し、前記リジッド基板と該リジッド基板の隣に配置された前記表示パネルとを接続する前記フレキシブル基板にソースドライバが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の上記実施形態においては、複数の表示パネルへ向けて出力される制御信号及び駆動信号を単一の制御部が生成するので、制御部の数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る表示装置を示す概略図である。
図2】表示装置の配線の配置を示す配線図である。
図3】表示パネルの短辺側から視認した表示装置を略示する側面図である。
図4】表示装置を角柱に取り付けた状態を略示する斜視図である。
図5】実施の形態2に係る円柱に取り付けた表示装置を略示する平面断面図である。
図6】実施の形態3に係る表示パネルの短辺側から視認した表示装置を略示する側面図である。
図7】表示パネルを湾曲した基板によって構成した場合における円柱に取り付けた表示装置を略示する平面断面図である。
図8】実施の形態4に係る表示パネルの短辺側から視認したパネル群の一端及び他端を略示する側面図である。
図9】実施の形態5に係る表示パネルの短辺側から視認したパネル群の一端及び他端を略示する側面図である。
図10】実施の形態6に係る表示パネルの短辺側から視認したパネル群の一端及び他端を略示する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1に係る表示装置100を図面に基づいて説明する。図1は、表示装置100を示す概略図である。表示装置100は、液晶を有する複数(本実施形態においては四つ)の表示パネル1と、リジッド基板2と、複数の表示パネル1の駆動を制御する単一の制御基板4(制御部)とを備える。リジッド基板2は、例えば、ガラスエポキシ基板、ガラスコンポジット基板、紙フェノール基板、紙エポキシ基板又はコンポジット基板等によって構成されている。
【0011】
リジッド基板2は、一方向に延びた細長い矩形状をなす。表示パネル1は一方向に延びた矩形状をなす。リジッド基板2の長手方向(一方向)に垂直な方向(以下、他方向とも称する。)におけるリジッド基板2の両側に、複数の表示パネル1が他方向に沿って並んでいる。
【0012】
なお図1には、単数のリジッド基板2が記載されているが、複数のリジッド基板2を使用してもよい。この場合、複数のリジッド基板2は、フレキシブル基板3などを介して、一方向に沿って直列に接続される。
【0013】
隣り合う二つの表示パネル1、1それぞれの長辺と、隣り合うリジッド基板2の一方の長辺及び表示パネル1の長辺と、隣り合うリジッド基板2の他方の長辺及び表示パネル1の長辺とは、一又は複数のフレキシブル基板3によって接続されている。フレキシブル基板3は、薄いポリイミドやPET(ポリエステル)等のフィルムで構成された基材の上に薄い銅箔等の配線パターンを持ち、表面を保護のための絶縁フィルムなどで被覆された配線基板であり、フレキシブル基板3上には配線パターンだけでなくソースドライバやゲートドライバなどのIC(Integrated Circuit)部品を搭載することができる。フレキシブル基板3上にIC(Integrated Circuit)部品を搭載したフレキシブル基板3は、特にCOF(Chip On Film)と呼ばれる。
【0014】
すなわち、複数の表示パネル1及びリジッド基板2は、他方向に沿って、フレキシブル基板3を介して直列に接続されており、複数の表示パネル1、リジッド基板2及びフレキシブル基板3によってパネル群10が構成されている。なお複数の表示パネル1及びリジッド基板2の接続方向は他方向に相当する。
【0015】
制御基板4はフレキシブル基板3を介してリジッド基板2に接続されている。表示パネル1には、一方向に沿って延びており、他方向に沿って並んだ複数のゲート信号線8と、他方向に沿って延びており、一方向に沿って並んだ複数のソース信号線6(図2参照)とが形成されている。
【0016】
図2は、表示装置100の配線の配置を示す配線図である。リジッド基板2と表示パネル1とを連結するフレキシブル基板3には、ソースドライバ5が実装されている。ソースドライバ5からは、ソース信号を伝達するソース信号線6が他方向に沿って延出している。ソース信号線6は、各表示パネル1と、表示パネル1同士を接続するフレキシブル基板3まで延在して形成されている。
【0017】
表示パネル1の短辺(他方向に沿った辺)には、フレキシブル基板3が取り付けられている。該フレキシブル基板3には、ゲートドライバ7が実装されている。つまり、ゲートドライバ7はCOFの形態でパネルに直接実装されており、短辺側にはリジッドな基板は存在していない。ゲートドライバ7からは、ゲート信号を伝達するゲート信号線8が一方向に沿って延出している。ゲート信号線8及びソース信号線6は、表示パネル1において、略直交する。なお、シフトレジスタとシフトレジスタに制御信号を入力するゲート配線群とをパネルと一体的(モノリシック)に形成したGOA(Gate On Array)などの形態をとることができる。この場合、表示パネル1の短辺側にはフレキシブル基板3は不要となる。
【0018】
制御基板4には、画像を表す画像データを含む画像信号を受け付ける入力回路4cと、該入力回路4cによって分離されたクロック信号及び同期信号に基づいて、ソースドライバ5及びゲートドライバ7をそれぞれ制御する第1制御回路4a及び第2制御回路4bとが実装されている。
【0019】
第1制御回路4aは、第1配線41を介して各ソースドライバ5に接続されている。第2制御回路4bは、第2配線42を介して各ゲートドライバ7に接続されている。第1配線41は、制御基板4と、制御基板4及びリジッド基板2を接続するフレキシブル基板3と、リジッド基板2と、リジッド基板2及び表示パネル1を接続するフレキシブル基板3とに形成され互いに接続されている。
【0020】
第2配線42は、制御基板4と、制御基板4及びリジッド基板2を接続するフレキシブル基板3と、リジッド基板2と、リジッド基板2及び表示パネル1を接続するフレキシブル基板3と、表示パネル1における非表示領域と、ゲートドライバ7が実装されたフレキシブル基板3と、表示パネル1同士を接続するフレキシブル基板3とに形成され互いに接続されている。
【0021】
例えば、図2に示すように、第2制御回路4bと、リジッド基板2の隣に位置する表示パネル1のゲートドライバ7(以下第1ゲートドライバ7aとも称する)とを接続する第2配線42は、制御基板4と、制御基板4及びリジッド基板2を接続するフレキシブル基板3と、リジッド基板2と、リジッド基板2及び表示パネル1を接続するフレキシブル基板3と、表示パネル1における非表示領域と、第1ゲートドライバ7aが実装されたフレキシブル基板3とに形成され互いに接続されている。
【0022】
また、リジッド基板2の二つ隣に位置する表示パネル1のゲートドライバ7(以下第2ゲートドライバ7bとも称する)へは、リジッド基板2の隣に位置する表示パネル1のゲートドライバ7(第1ゲートドライバ7a)から必要な信号がカスケード出力され、各表示パネル1の非表示領域と、第1及び第2ゲートドライバ7a、7bが実装された各フレキシブル基板3を介して、第1及び第2ゲートドライバ7a、7bは接続されている。
【0023】
リジッド基板2の長手方向に垂直な向きに沿って、リジッド基板2から双方向へフレキシブル基板3を延出させて、リジッド基板2の左右に表示パネル1を配置させている。そのため、パネル群10の一端/他端にリジッド基板2を配置した場合と比較して、リジッド基板2からパネル群10の他端/一端までの間に配置する表示パネル1の数を減らすことができる。その結果、表示パネル1、1間を接続するフレキシブル基板3に形成する第1配線41及び第2配線42を簡略化することができ、リジッド基板2あるいはドライバ5から見たときの表示パネル1の負荷を軽減することができる。
【0024】
第1制御回路4a及び第2制御回路4bは、パネル群10に含まれる複数の表示パネル1全体で単一の画像を表示するのに必要な信号を生成する。詳細には、第1制御回路4a及び第2制御回路4bは、それぞれ、ソースドライバ5及びゲートドライバ7の周期的な動作に必要となるスタート信号、クロック信号、イネーブル信号等の制御信号を生成して出力する。第1制御回路4aは、また、入力回路4cによって分離されたデジタルの画像データをソースドライバ5に出力する。
【0025】
ゲートドライバ7は、画像データの1フレーム期間内に、各ゲート信号線8に対して、所定の時間差で順次走査信号を印加する。ソースドライバ5は、第1制御回路4aから与えられた1水平走査期間のデジタルの画像データを受信して、1ライン分の画像を表すアナログのソース信号を生成し、生成したソース信号をソース信号線6に並列的に印加する。ここでの1ライン分のソース信号は、上記所定の時間毎に更新される。
【0026】
ゲート信号線8の1つに印加された走査信号は、一方向に沿って配列された1ライン分の画素夫々に含まれるTFT(図示略)のゲート電極に印加される。ソース信号線6に印加されたソース信号は、一のゲート信号線8に走査信号が印加される1水平走査期間に、上記一のゲート信号線8にゲートが接続されたTFTを介して画素電極(図示略)に印加される。画素電極は容量を備えており、該容量にソース信号が書き込まれる。画素に書き込まれたソース信号は1フレーム期間保持される。
【0027】
ここで、単一の画像の表示に必要な信号の生成を単一の制御基板4が行うので、複数の制御基板4の同期、および該同期に必要な更なる制御基板が不要となる。
【0028】
図3は、表示パネル1の短辺側から視認した表示装置100を略示する側面図である。図3に示すように、リジッド基板2と、リジッド基板2の隣に位置する表示パネル1とはフレキシブル基板3によって接続されているので、リジッド基板2を表示パネル1の背面側に容易にオフセットさせて配置させることができる。そのため、リジッド基板2に隣接する二つの表示パネル1、1の間の空間を狭くして、表示パネル1、1間の間隔を短くして表示装置100にシームレスな画像を表示させることができる。
【0029】
図4は、表示装置100を角柱20に取り付けた状態を略示する斜視図である。図4に示すように、二つの表示パネル1、1の間と、リジッド基板2及び表示パネル1の間をフレキシブル基板3によって接続しているので、フレキシブル基板3は角柱20の角に沿って曲がり、角柱20の複数の面に複数の表示パネル1をそれぞれ取り付けることができる。
【0030】
なお図4では四角柱の場合を示しているが、三角柱又は五角以上の角柱20に、表示装置100を取り付けてよい。この場合、角柱20の面の数と同数以下の表示パネル1を表示装置100は備える。角柱20に取り付ける態様は使用態様の例示に過ぎず、表示装置100を単純に大型スクリーンとして使用することも当然できる。
【0031】
実施の形態1に係る表示装置100にあっては、複数の表示パネル1へ向けて出力される信号を単一の制御基板4が生成するので、制御基板4の数を減らすことができる。複数の表示パネル1のそれぞれに対応して複数の制御基板4を持つ場合には、高速の画像データ信号を複数の制御基板4に対して分配して伝送供給する必要があるが、表示パネル1が例えば40インチ以上の大画面パネルになった場合、分配配線のためのFFC(Flexible Flat Cable)が非常に長くなるため、伝送信号が外乱の影響を受けやすくなり伝送品質を確保するのが困難となる。本実施の形態においては、単一の制御基板4とすることによって、制御基板4への高速の画像データ信号伝送を高品質かつ安定に行うことができる。また、ソース基板としてリジッド基板2を用いることによって、表示パネルの膨張係数とソース基板の膨張係数との差異を小さくすることができるので、大型の表示パネルにおける部材の伸縮を引き起こす発熱の影響が小さくなる。
【0032】
またリジッド基板2の長手方向に垂直な向きに沿って、リジッド基板2から双方向へフレキシブル基板3を延出させて、リジッド基板2の左右に表示パネル1を配置させることができる。これにより、パネル群10の一端/他端にリジッド基板2を配置した場合と比較して、リジッド基板2からパネル群10の他端/一端までの間に配置する表示パネル1の数を減らすことができる。その結果、表示パネル1間を接続するフレキシブル基板3に形成する第1配線41及び第2配線42を簡略化することができ、リジッド基板2あるいはドライバ5から見たときの表示パネル1の負荷を軽減することができる。また、フレキシブル基板3の柔軟性を利用すれば、表示パネル1や光源の背面側にリジッド基板2を配置することが容易になり、リジッド基板2の両側に配置された表示パネル1の間の距離を短くすることができる。
【0033】
また単一の画像の表示に必要な信号の生成を単一の制御基板4が行うので、複数の制御基板4の同期、および該同期に必要な更なる制御基板が不要である。よって、複数の表示パネル1による単一の画像の表示を簡便に行うことができる。
【0034】
(実施の形態2)
以下実施の形態2に係る表示装置100を図面に基づいて説明する。実施の形態2に係る表示装置100の構成の内、実施の形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0035】
図5は、円柱50に取り付けた表示装置100を略示する平面断面図である。実施の形態2に係る表示装置100に含まれる各表示パネル1は、実施の形態1に係る表示装置100とは異なり、湾曲している。そのため、図5に示すように、円柱50の外周面に沿って湾曲した各表示パネル1を準備することによって、円柱50の外周面に、周方向全体に亘って複数の表示パネル1を取り付けることができる。なおリジッド基板2は、表示パネル1の背面と円柱50との間に配置することができる。
【0036】
リジッド基板2を湾曲させて湾曲ディスプレイとする構成にした場合、基板に曲げの機械的ストレスが加わり、配線パターンの断線や、半田クラック発生による半田不良や、実装部品の破断いった不良発生原因になるため曲率に限界があるが、本発明の構成によれば、リジッド基板2を湾曲させる必要がなくリジッド基板2への機械的ストレスが殆どかからないため、上記のような不良が発生することはなく、かつリジッド基板2による曲率の制約がなくなるため、より曲率の小さい湾曲に対応することができる。
【0037】
(実施の形態3)
以下実施の形態3に係る表示装置100を図面に基づいて説明する。実施の形態1又は2に係る表示装置100の構成の内、実施の形態1又は2と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0038】
図6は、表示パネル1の短辺側から視認した表示装置100を略示する側面図である。リジッド基板2の両面に前記第1配線41及び第2配線42が形成されている。そのため、リジッド基板2の両面における一方の長辺と、他方向においてリジッド基板2の両隣に位置する二つの表示パネル1、1とが、フレキシブル基板3を介して接続される。すなわち、複数の表示パネル1および前記リジッド基板2は、前記リジッド基板2の厚さ方向に沿って、前記フレキシブル基板3を介して連結して接続される。
【0039】
実施の形態3にあっては、リジッド基板2の両側に表示パネル1を配置する構成において、表示パネル1と接続したフレキシブル基板3を、リジッド基板2の一方の長辺に接続することによって、前記フレキシブル基板3をリジッド基板2の両方の長辺に接続する場合よりも、リジッド基板2の両側に配置された表示パネル1の間の距離を短くすることができる。また、表示パネル1の裏面にバックライト(図示せず)を配置させた場合、リジッド基板2がバックライト光を遮ることがないという利点がある。
【0040】
図7は、表示パネル1を湾曲した基板によって構成した場合における円柱50に取り付けた表示装置100を略示する平面断面図である。なお円柱50には、円柱50の軸方向に沿って延びており、リジッド基板2を挿入するためのスリット51が形成されている。
【0041】
表示パネル1を湾曲した基板によって構成し、円柱50の外周面に取り付けた場合、リジッド基板2はスリット51に挿入される。そのため、フレキシブル基板3をリジッド基板2の両方の長辺に接続する場合に比べて、リジッド基板2の両側に配置された表示パネル1の間の距離をより一層短くし、表示装置100は、表示パネル1、1の間隔を短くして、よりシームレスな画像を円柱50等の湾曲した対象物の表面に表示することができる。
【0042】
(実施の形態4)
以下実施の形態4に係る表示装置100を図面に基づいて説明する。実施の形態1〜3に係る表示装置100の構成の内、実施の形態1〜3と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0043】
図8は、表示パネル1の短辺側から視認したパネル群10の一端及び他端を略示する側面図である。パネル群10の両端は接続部によって接続されるように構成されている。接続部は、例えば、第1フレキシブル基板31、第2フレキシブル基板32及びコネクタ35を備える。
【0044】
第1フレキシブル基板31は、パネル群10の一端に取り付けられている。すなわち、パネル群10の一端に位置する表示パネル1において、隣接する他の表示パネル1の反対側の長辺に第1フレキシブル基板31は取り付けられている。
【0045】
第2フレキシブル基板32は、パネル群10の他端に取り付けられている。すなわち、パネル群10の他端に位置する表示パネル1において、隣接する他の表示パネル1の反対側の長辺に第2フレキシブル基板32は取り付けられている。
【0046】
第1フレキシブル基板31及び第2フレキシブル基板32には、ソース信号線6に接続されており、ソースドライバ5によって生成されたソース信号が伝達される配線が形成されている。
【0047】
第2フレキシブル基板32の先端には、第1フレキシブル基板31に接続されるコネクタ35が設けられている。コネクタ35は、例えば第1フレキシブル基板31を挿入する溝35aを備える。ユーザは、第1フレキシブル基板31を溝35aに挿入して、パネル群10の両端を接続することができる。
【0048】
コネクタ35を介して、パネル群10の両端が接続された場合、第1フレキシブル基板31及び第2フレキシブル基板32に形成された配線が接続され、ソース信号がパネル群10の両端から入力される。
【0049】
なお第1フレキシブル基板31の先端に、第2フレキシブル基板32に接続されるコネクタ35を設け、該コネクタ35と第2フレキシブル基板32とを接続してもよい。
【0050】
またリジッド基板2の片側にのみ、複数の表示パネル1を配置してパネル群10を構成し、パネル群10の一端又は他端の一方にリジッド基板2を位置させ、パネル群10の一端又は他端の他方に表示パネル1を位置させて、リジッド基板2と表示パネル1とを接続部を介して接続してもよい。
【0051】
実施の形態4においては、接続部を介してパネル群10の両端を接続し、同種の駆動ソース信号を、表示パネル1の配線の両側に入力する。ソース信号が両側から入力されることにより、ソース信号線6に断線が生じても、断線箇所までは電圧が供給されるので、ライン不良になることがなく、その結果、耐故障性が向上する。
【0052】
またパネル群10の一端に第1フレキシブル基板31を、他端に第2フレキシブル基板32を取り付け、更に第1又は第2フレキシブル基板32の一方にコネクタ35を設ける。コネクタ35と第1又は第2フレキシブル基板31、32の他方とを接続させることによって、パネル群10の両端の接続を実現することができる。またコネクタ35を使用することによって、設置現場において、パネル群10の両端の接続を容易に行うことができる。
【0053】
(実施の形態5)
以下実施の形態5に係る表示装置100を図面に基づいて説明する。実施の形態1〜4に係る表示装置100の構成の内、実施の形態1〜4と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0054】
図9は、表示パネル1の短辺側から視認したパネル群10の一端及び他端を略示する側面図である。パネル群10の両端は接続部によって接続されるように構成されている。接続部は、例えば、第1フレキシブル基板31、第2フレキシブル基板32、雄型コネクタ36及び雌型コネクタ37を備える。
【0055】
第1フレキシブル基板31の先端には、雄型コネクタ36が設けられている。一方、第2フレキシブル基板32の先端には、雌型コネクタ37が設けられている。なお雄型コネクタ36及び雌型コネクタ37を逆に配置してもよい。ユーザは、雄型コネクタ36及び雌型コネクタ37を接続することによって、パネル群10の両端を接続することができる。雄型コネクタ36及び雌型コネクタ37は、コネクタの一例に過ぎず、カプラ型等他の形式のコネクタを使用してもよい。
【0056】
雄型コネクタ36及び雌型コネクタ37を介して、パネル群10の両端が接続された場合、第1フレキシブル基板31及び第2フレキシブル基板32に形成された配線が接続され、ソース信号がパネル群10の両端から入力される。
【0057】
実施の形態5においては、パネル群10の一端に第1フレキシブル基板31を、他端に第2フレキシブル基板32を取り付け、更に第1及び第2フレキシブル基板31、32に雄型コネクタ36及び雌型コネクタ37をそれぞれ設ける。二つのコネクタ36、37を接続させることによって、パネル群10の両端の接続を実現することができる。また二つのコネクタ36、37を使用することによって、設置現場において、パネル群10の両端の接続を容易に行うことができる。
【0058】
なおリジッド基板2の片側にのみ、表示パネル1を配置してパネル群10を構成し、パネル群10の一端又は他端の一方にリジッド基板2を位置させ、パネル群10の一端又は他端の他方に表示パネル1を位置させてもよい。この場合、リジッド基板2に第1フレキシブル基板31又は第2フレキシブル基板32が取り付けられる。
【0059】
(実施の形態6)
以下実施の形態6に係る表示装置100を図面に基づいて説明する。実施の形態1〜5に係る表示装置100の構成の内、実施の形態1〜5と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0060】
図10は、表示パネル1の短辺側から視認したパネル群10の一端及び他端を略示する側面図である。パネル群10の一端にはリジッド基板2が配置されており、パネル群10の他端には表示パネル1が配置されている。パネル群10の両端は接続部によって接続されるように構成されている。またリジッド基板2には、ソースドライバ5に接続したソース信号線6が形成されている。
【0061】
接続部は、例えば、コネクタ38a、38b及び第3フレキシブル基板33(更なるフレキシブル基板)を備える。第3フレキシブル基板33には、コネクタ38aが実装され、表示パネル1のソース信号線6に接続されており、ソースドライバ5によって生成されたソース信号が伝達される配線が形成されている。また、リジッド基板2には、コネクタ38bが実装されている。
【0062】
コネクタ38を介して、パネル群10の両端が接続された場合、第3フレキシブル基板33に形成された配線と、リジッド基板2に形成されたソース信号線6が接続され、ソース信号がパネル群10の両端から入力される。
【0063】
第3フレキシブル基板33は、パネル群10の他端に取り付けられている。すなわち、パネル群10の他端に位置する表示パネル1において、隣接する他の表示パネル1の反対側の長辺に第3フレキシブル基板33は取り付けられている。第3フレキシブル基板33にはコネクタ38aが実装されている。リジッド基板2には、コネクタ38bが実装されており、ユーザは、コネクタ38aをリジッド基板2上に実装されたコネクタ38bと接続して、パネル群10の両端を接続することができる。なお、コネクタ38aは第3フレキシブル基板33に直接実装するのではなく、例えば、第3フレキシブル基板33をコネクタ38aが実装された中継リジッド基板に接続して、中継リジッド基板上のコネクタ38aとリジッド基板2上のコネクタ38bとを接続する形態であっても構わない。いったん中継リジッド基板を介することで接続部の強度を増すことができる。
【0064】
実施の形態6においては、パネル群10の一端にリジッド基板2を配置し、またパネル群10の他端に第3フレキシブル基板33を取り付け、該第3フレキシブル基板33にコネクタ38aを取り付ける。コネクタ38aをリジッド基板2上のコネクタ38bに接続させることによって、パネル群10の両端の接続を実現することができる。またコネクタ38を使用することによって、設置現場において、パネル群10の両端の接続を容易に行うことができる。
【0065】
なお、コネクタ38a及びコネクタ38bによる接続方法は接続部の一例であって、他の形式の接続部を使用してもよい。また実施の形態4〜6における接続部はコネクタ35〜38を備えているが、コネクタ35〜38に変えて、加熱圧着等の他の接続方法によって接続される接続部を使用してもよい。
【0066】
実施の形態5、6においても、実施の形態4と同様に、接続部を介してパネル群10の両端を接続し、制御部から出力された同種のデジタル信号を、表示パネル1の配線の両側に入力する。またソース信号が両側から入力されることにより、ソース信号線6に断線が生じても、断線箇所までは電圧が供給されるので、耐故障性が向上する。
【0067】
なお上述した各実施の形態においては、他方向におけるリジッド基板2の片側又は両側に、複数の表示パネル1が配置されているが、リジッド基板2の両側にそれぞれ一つずつ表示パネル1を配置してもよい。また表示装置100は、複数のパネル群10と、各パネル群10を制御する各制御基板4を制御するメイン制御基板とを備えてもよく、この場合、メイン制御基板によって、各パネル群10が同期制御される。
【0068】
本発明の一実施形態の好ましい例を以下に示す。
本実施形態に係る表示装置は、前記リジッド基板は二つの前記表示パネルの間に配置されていることが好ましい。
【0069】
このような構成を有することによって、本実施形態は、リジッド基板(ソース基板)の長手方向(延びている一方向)に垂直な向きに沿って、ソース基板から双方向へフレキシブル基板を延出させて、縦長に配置したソース基板の左右に表示パネルを配置させることができる。これにより、パネル群の一端にソース基板を配置した場合と比較して、ソース基板からパネル群の一端までの間に配置するパネルの数を減らすことができる。その結果、パネル間を接続するフレキシブル基板に形成する配線を簡略化することができる。また、ソース基板からパネル群の一端までの距離が短くなることにより、ドライバに対する電気的負荷が軽減され、画像表示品質を向上することができる。また、フレキシブル基板の柔軟性(可撓性)を利用すれば、表示パネルや光源の背面側にソース基板を配置することが容易になり、ソース基板の左右に配置された表示パネルの間の距離を短くすることができる。
【0070】
本実施形態に係る表示装置は、前記複数の表示パネル及び前記リジッド基板は、前記リジッド基板の厚さ方向に沿って、前記フレキシブル基板を介して連結して接続されていることが好ましい。
【0071】
より詳細には、本実施形態においては、ソース基板の左右に表示パネルを配置する構成において、表示パネルと接続したフレキシブル基板を、ソース基板の一方の長辺の表面と裏面にそれぞれ接続する。このような構成を有することによって、前記フレキシブル基板をソース基板の対向する二つの長辺にそれぞれ接続する場合よりも、フレキシブル基板を短くすることができ、かつソース基板の左右に配置された表示パネルの間の距離を短くすることができる。
【0072】
本実施形態に係る表示装置において、前記制御部は、前記パネル群に含まれる複数の表示パネル全体によって単一の画像を表示する信号を生成してもよい。
【0073】
本実施形態は、単一の画像の表示に必要な信号の生成を単一の制御部が行うので、複数の制御部の同期、および該同期に必要な制御部が不要である。よって、複数の表示パネルによる単一の画像の表示を簡便に行うことができる。
【0074】
本実施形態に係る表示装置は、前記パネル群の接続方向における両端を接続する接続部を備えていてもよい。
【0075】
このような構成を有することによって、本実施例においては、ソース信号が両側から入力されるので、ソース信号線に断線が生じたとしても、断線箇所までは電圧が供給される。よって、ライン不良になることがなく、耐故障性が向上する。
【0076】
本実施形態に係る表示装置において、前記接続部は、前記接続方向における前記パネル群の一端に取り付けられた第1フレキシブル基板と、前記接続方向における前記パネル群の他端に取り付けられた第2フレキシブル基板と、前記第1又は第2フレキシブル基板の一方に取り付けられており、前記第1又は第2フレキシブル基板の他方に接続するコネクタとを備えていてもよい。
【0077】
より詳細には、本実施形態においては、パネル群の一端に第1フレキシブル基板を、他端に第2フレキシブル基板を取り付け、更に第1又は第2フレキシブル基板の一方にコネクタを設ける。コネクタと第1又は第2フレキシブル基板の他方とを接続させることによって、パネル群の両端の接続を実現することができる。またコネクタを使用することによって、設置現場において、パネル群の両端の接続を容易に行うことができる。
【0078】
本実施形態に係る表示装置において、前記接続部は、前記接続方向における前記パネル群の一端に取り付けられた第1フレキシブル基板と、前記接続方向における前記パネル群の他端に取り付けられた第2フレキシブル基板と、前記第1及び第2フレキシブル基板にそれぞれ取り付けられたコネクタとを備えていてもよい。
【0079】
より詳細には、本実施形態においては、パネル群の一端に第1フレキシブル基板を、他端に第2フレキシブル基板を取り付け、更に第1及び第2フレキシブル基板に二つのコネクタをそれぞれ設ける。二つのコネクタを接続させることによって、パネル群の両端の接続を実現することができる。また二つのコネクタを使用することによって、設置現場において、パネル群の両端の接続を容易に行うことができる。
【0080】
本実施形態に係る表示装置において、前記接続方向における前記パネル群の一端に前記リジッド基板が配置されている場合、前記接続部は、前記接続方向における前記パネル群の他端に取り付けられた第3フレキシブル基板と、該第3フレキシブル基板に取り付けられており、前記リジッド基板に接続するコネクタとを備えていてもよい。
【0081】
より詳細には、本実施形態においては、パネル群の一端にリジッド基板を配置し、またパネル群の他端に第3フレキシブル基板を取り付け、該第3フレキシブル基板にコネクタを取り付ける。コネクタをリジッド基板に接続させることによって、パネル群の両端の接続を実現することができる。またコネクタを使用することによって、設置現場において、パネル群の両端の接続を容易に行うことができる。
【0082】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本実施例の範囲は、請求の範囲内での全ての変更及び請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0083】
1 表示パネル
2 リジッド基板
3 フレキシブル基板
4 制御基板(制御部)
41 第1配線(配線)
42 第2配線(配線)
5 ソースドライバ
10 パネル群
31 第1フレキシブル基板
32 第2フレキシブル基板
33 第3フレキシブル基板
35、38 コネクタ
36 雄型コネクタ(コネクタ)
37 雌型コネクタ(コネクタ)
100 表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10