【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明のリアクトルは、
周回するように巻回された筒状のコイルと、
前記コイルの周囲を覆うように配され、金属磁性粉と結合体を含み構成されたコアを備えたリアクトルであって、
前記コイルは、内周面と、外周面と、上面と、底面とからなり、
前記コイルの内周面と前記コイルの上面の接合部から、前記コイルの周回の中心軸方向の前記コアの表面までの最短長をh1、
前記コイルの外周面と前記コイルの上面の接合部から、前記中心軸方向の前記コアの表面までの最短長をh2、
前記コイルの内周面と前記コイルの底面の接合部から、前記中心軸方向の前記コアの表面までの最短長をh11、
前記コイルの外周面と前記コイルの底面の接合部から、前記中心軸方向の前記コアの表面までの最短長さをh21としたとき、
h1>h2
または
h11>h21の少なくともいずれか一方を満たすことを特徴とする。
【0011】
本発明のリアクトルは、
周回するように巻回された筒状のコイルと、
前記コイルの周囲を覆うように配され、金属磁性粉と結合体を含み構成されたコアを備えたリアクトルであって、
前記コイルは、内周面と、外周面と、上面と、底面とからなり、
前記コアは、前記コイルの周回の中心軸から前記コイルの内周面までの最短長をR1、
前記中心軸から前記コイルの外周面までの最短長をR2、
前記コイルの内周面と前記コイルの上面の接合部から、前記中心軸方向の前記コアの表面までの最短長をh1、
前記コイルの外周面と前記コイルの上面の接合部から、前記中心軸方向の前記コアの表面までの最短長をh2、
前記コイルの内周面と前記コイルの底面の接合部から、前記中心軸方向の前記コアの表面までの最短長をh11、
前記コイルの外周面と前記コイルの底面の接合部から、前記中心軸方向の前記コアの表面までの最短長をh21としたとき、
h1>h2≧(R1/R2)×h1
または
h11>h21≧(R1/R2)×h11の少なくともいずれか一方を満たすことを特徴とする。
【0012】
本発明のリアクトルは、
周回するように巻回された筒状のコイルと、
前記コイルの周囲を覆うように配され、金属磁性粉と結合体を含み構成されたコアを備えたリアクトルであって、
前記コイルは、内周面と、外周面と、上面と、底面とからなり、
前記コアは、前記コイルの周回の中心軸から前記コイルの内周面までの最短長をR1、
前記中心軸から前記コイルの外周面までの最短長をR2、
前記中心軸に直交する方向における、前記コイルの外周面から前記コアの表面までの最短長をh3、
前記コイルの内周面と前記コイルの上面の接合部から、前記中心軸方向の前記コアの表面までの最短長をh1、
前記コイルの内周面と前記コイルの底面の接合部から、前記中心軸方向の前記コアの表面までの最短長をh11、
h1>h3≧(R1/R2)×h1
または
h11>h3≧(R1/R2)×h11の少なくともいずれか一方を満たすことを特徴とする。
【0013】
本発明のリアクトルは、
前記コイルの内周面と前記コイルの上面の接合部から、前記中心軸方向の前記コアの表面までの最短長をh1、
前記コイルの内周面と前記コイルの底面の接合部から、前記中心軸方向の前記コアの表面までの最短長をh11、
前記コイルの外周面と前記コイルの上面の接合部から、前記中心軸方向の前記コアの表面までの最短長をh2、
前記コイルの外周面と前記コイルの底面の接合部から、前記中心軸方向の前記コアの表面までの最短長をh21としたとき、
h1=h11かつh2=h21を満たすことを特徴とする。
【0014】
本発明のリアクトルにおいて、
前記コアは、前記中心軸の少なくとも一部を含むように形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明のリアクトルにおいて、
前記コアは、前記中心軸を含む空隙部を有し、前記空隙部の少なくとも一部に中芯部材が配されてなることを特徴とする。
【0016】
公知のリアクトルは、周回するように巻回し略筒状にしたコイルを、金属磁性粉と、たとえば絶縁性樹脂のような結合体を混練したものを主材料としたコアで覆って構成している。
【0017】
一般的に、リアクトルには、小型であること、たとえば車載目的の場合には、その放熱性が優れていること、さらには、所望のインダクタンス値を確実に得られることが求められる。
【0018】
本発明は、上述の要求を満たすべく、コアの内部の磁束密度分布に注目し成し得たものである。
【0019】
コア内部の磁束密度が疎となるコアの表面近傍、特に角部を削ることにより、インダクタンス値を維持したまま、コアの小型化を図る技術思想は公知である。しかしながら、コア内部の磁束密度分布は複雑であり、コアの小型化のみならず放熱性の向上を加味すれば、単にコアの角部を削るのみでは、市場要求を満たすことはできない。
【0020】
本発明は、コイルの内周面の、コイル周回の中心軸方向に延長したコア内部を通過する磁束のほとんどが、コイル外周面の、コイル周回の中心軸方向に延長したコア内部を通過することに着目し、コイルの上面または底面から、コア表面までの最短長さを定めることで、磁気特性を維持しつつ、コイルの放熱性の向上を図ったものである。
【0021】
すなわち、コイルの上面と底面を覆い、コイルの内周面側から外周面側を貫く磁束に必要なコアの形状は、内周面側と外周面側のコアの断面積をほぼ同一とするのが好ましく、また、コイルの外周面側のコアの厚みは、内周面側のコアの厚みよりも薄く構成したリアクトルとする。
【0022】
また、コイルの上面または底面に接する部分は、コイル周回の中心軸近傍で厚く、コイルの外周面側に向かって薄くなり、外見上は傾斜面を有するコア形状としたリアクトルとする。