【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の生産システムは、処理対象物に所定の処理を行って複数種類の製品を生産する生産システムにおいて、複数種類の製品のそれぞれを生産するための処理対象物の複数の処理条件のそれぞれに対応付けられた複数のホストレシピ番号が記憶されるホストコンピュータと、処理対象物に対して処理を行う複数の処理装置と、ネットワークを介してホストコンピュータと接続されるとともにネットワークを介して複数の処理装置と接続される中継コンピュータと、処理対象物が格納されるキャリアとを備え、
中継コンピュータは、パーソナルコンピュータと、プログラマブルロジックコントローラとを備え、キャリアには、キャリアを識別するためのキャリアIDが記憶され、ホストレシピ番号は、キャリアIDに対応付けられ、複数の処理装置のそれぞれには、処理対象物に対する処理装置ごとの処理条件である複数の装置レシピが、複数の装置レシピを識別するための装置レシピ番号と対応付けられて記憶され、
プログラマブルロジックコントローラには、複数のホストレシピ番号のそれぞれに対応する複数の処理装置ごとの装置レシピ番号が規定される対応テーブルが記憶され、処理対象物に対して最初に処理を行う処理装置を第1処理装置とすると、第1処理装置は、第1処理装置にキャリアが搬入されると、キャリアIDを読み取るとともに、読み取ったキャリアIDを中継コンピュータを介してホストコンピュータに送信し、キャリアIDを受信したホストコンピュータは、受信したキャリアIDに対応するホストレシピ番号を中継コンピュータを介して第1処理装置に送信し、ホストレシピ番号を受信した第1処理装置は、受信したホストレシピ番号を
プログラマブルロジックコントローラに送信し、ホストレシピ番号を受信した
プログラマブルロジックコントローラは、受信したホストレシピ番号に対応する第1処理装置用の装置レシピ番号を第1処理装置に送信し、第1処理装置は、受信した装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行い、処理対象物に対する処理が終了すると、処理対象物に対して2番目に処理を行う処理装置に処理対象物およびホストレシピ番号を引き渡し、nを2以上の整数とし、処理対象物に対してn番目に処理を行う処理装置を第n処理装置とすると、第n処理装置は、第n−1処理装置から処理対象物およびホストレシピ番号を受け取るとともに、受け取ったホストレシピ番号を
プログラマブルロジックコントローラに送信し、第n処理装置からのホストレシピ番号を受信した
プログラマブルロジックコントローラは、受信したホストレシピ番号に対応する第n処理装置用の装置レシピ番号を第n処理装置に送信し、第n処理装置は、受信した装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行い、処理対象物に対する処理が終了すると、第n+1処理装置に処理対象物およびホストレシピ番号を引き渡すことを特徴とする。
【0008】
本発明の生産システムでは、ホストコンピュータに、複数のホストレシピ番号が記憶され、複数の処理装置のそれぞれに、処理対象物に対する処理装置ごとの処理条件である複数の装置レシピが、複数の装置レシピを識別するための装置レシピ番号と対応付けられて記憶され、
プログラマブルロジックコントローラに、複数のホストレシピ番号のそれぞれに対応する複数の処理装置ごとの装置レシピ番号が規定される対応テーブルが記憶されている。また、本発明では、第1処理装置は、ホストコンピュータから受信したホストレシピ番号を
プログラマブルロジックコントローラに送信し、このホストレシピ番号に対応する第1処理装置用の装置レシピ番号を
プログラマブルロジックコントローラから受信して、受信した装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行うとともに、第n処理装置は、第n−1処理装置から受け取ったホストレシピ番号を
プログラマブルロジックコントローラに送信し、このホストレシピ番号に対応する第n処理装置用の装置レシピ番号を
プログラマブルロジックコントローラから受信して、受信した装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行っている。すなわち、本発明では、処理装置は、ホストレシピ番号を
プログラマブルロジックコントローラに送信し、このホストレシピ番号に対応する装置レシピ番号を
プログラマブルロジックコントローラから受信するとともに、受信した装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行っている。
【0009】
そのため、本発明では、新たな種類の製品の生産が行われる場合に、ホストコンピュータに新たなホストレシピ番号を追加で記憶するとともに、
プログラマブルロジックコントローラに記憶されている対応テーブルを変更すれば良い。また、必要に応じて、いくつかの処理装置に記憶される装置レシピを変更したり、いくつかの処理装置に新たな装置レシピを追加で記憶すれば良い。また、処理対象物の処理条件が変更される場合には、
プログラマブルロジックコントローラに記憶されている対応テーブルを変更するとともに、必要に応じて、いくつかの処理装置に記憶される装置レシピを変更したり、いくつかの処理装置に新たな装置レシピを追加で記憶すれば良い。したがって、本発明では、特許文献1に記載の生産システムと比較して、新たな種類の製品の生産が行われる際や処理対象物の処理条件が変更される際の変更作業を容易に行うことが可能になる。
【0010】
また、本発明では、処理装置ごとに、ホストレシピ番号を
プログラマブルロジックコントローラに送信し、このホストレシピ番号に対応する装置レシピ番号を
プログラマブルロジックコントローラから受信しているため、処理装置間でホストレシピ番号を受け渡せば、処理装置ごとに、適切な装置レシピで処理対象物に対する処理を行うことが可能になる。したがって、本発明では、処理装置間でのデータの受渡し処理を簡素化することが可能になる。また、本発明では、各処理装置の記憶手段に要求される記憶容量を低減することが可能になる。
【0011】
また、本発明では、処理装置ごとに、ホストレシピ番号を
プログラマブルロジックコントローラに送信し、このホストレシピ番号に対応する装置レシピ番号を
プログラマブルロジックコントローラから受信しているため、たとえば、製品の試作を行っているときに、製品の生産工程の途中で生産システムを停止して、処理対象物の処理条件を比較的容易に変更することが可能になる。
【0012】
また、本発明
では、中継コンピュータは、パーソナルコンピュータと、プログラマブルロジックコントローラとを備え、対応テーブルは、プログラマブルロジックコントローラに記憶され、処理装置は、ホストレシピ番号をプログラマブルロジックコントローラに送信し、ホストレシピ番号を受信したプログラマブルロジックコントローラは、受信したホストレシピ番号に対応する装置レシピ番号を処理装置に送信
しており、きわめて信頼性、安定性の高い(すなわち、故障しにくい)プログラマブルロジックコントローラに対応テーブルが記憶され、プログラマブルロジックコントローラと処理装置との間で、ホストレシピ番号と装置レシピ番号との通信を行うため、第1処理装置で処理対象物への最初の処理を開始した後に、ホストコンピュータやパーソナルコンピュータが故障しても、処理が開始された処理対象物に全ての処理を行って、製品を完成させることが可能になる。
【0013】
また、上記の課題を解決するため、本発明の生産システムは、処理対象物に所定の処理を行って複数種類の製品を生産する生産システムにおいて、複数種類の製品のそれぞれを生産するための処理対象物の複数の処理条件のそれぞれに対応付けられた複数のホストレシピ番号が記憶されるホストコンピュータと、処理対象物に対して処理を行う複数の処理装置と、ネットワークを介してホストコンピュータと接続されるとともにネットワークを介して複数の処理装置と接続される中継コンピュータと、処理対象物が格納されるキャリアとを備え、
中継コンピュータは、パーソナルコンピュータと、プログラマブルロジックコントローラとを備え、キャリアには、キャリアを識別するためのキャリアIDが記憶され、ホストレシピ番号は、キャリアIDに対応付けられ、複数の処理装置のそれぞれには、処理対象物に対する処理装置ごとの処理条件である複数の装置レシピが、複数の装置レシピを識別するための装置レシピ番号と対応付けられて記憶され、
プログラマブルロジックコントローラには、複数のホストレシピ番号のそれぞれに対応する複数の処理装置ごとの装置レシピ番号が規定される対応テーブルが記憶され、処理対象物に対して最初に処理を行う処理装置を第1処理装置とすると、第1処理装置は、第1処理装置にキャリアが搬入されると、キャリアIDを読み取るとともに、読み取ったキャリアIDを中継コンピュータを介してホストコンピュータに送信し、キャリアIDを受信したホストコンピュータは、受信したキャリアIDに対応するホストレシピ番号を中継コンピュータを介して第1処理装置に送信し、ホストレシピ番号を受信した第1処理装置は、受信したホストレシピ番号を
プログラマブルロジックコントローラに送信し、ホストレシピ番号を受信した
プログラマブルロジックコントローラは、受信したホストレシピ番号に対応する全ての処理装置用の装置レシピ番号を第1処理装置に送信し、第1処理装置は、受信した装置レシピ番号のうちの第1処理装置用の装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行い、処理対象物に対する処理が終了すると、処理対象物に対して2番目に処理を行う処理装置に処理対象物および装置レシピ番号を引き渡し、nを2以上の整数とし、処理対象物に対してn番目に処理を行う処理装置を第n処理装置とすると、第n処理装置は、第n−1処理装置から処理対象物および装置レシピ番号を受け取るとともに、受け取った装置レシピ番号のうちの第n処理装置用の装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行い、処理対象物に対する処理が終了すると、第n+1処理装置に処理対象物および装置レシピ番号を引き渡すことを特徴とする。
【0014】
本発明の生産システムでは、ホストコンピュータに、複数のホストレシピ番号が記憶され、複数の処理装置のそれぞれに、処理対象物に対する処理装置ごとの処理条件である複数の装置レシピが、複数の装置レシピを識別するための装置レシピ番号と対応付けられて記憶され、
プログラマブルロジックコントローラに、複数のホストレシピ番号のそれぞれに対応する複数の処理装置ごとの装置レシピ番号が規定される対応テーブルが記憶されている。また、本発明では、第1処理装置は、ホストコンピュータから受信したホストレシピ番号を
プログラマブルロジックコントローラに送信し、このホストレシピ番号に対応する全ての処理装置用の装置レシピ番号を
プログラマブルロジックコントローラから受信して、受信した装置レシピ番号のうちの第1処理装置用の装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行うとともに、第n処理装置は、第n−1処理装置から処理対象物および装置レシピ番号を受け取り、受け取った装置レシピ番号のうちの第n処理装置用の装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行っている。
【0015】
そのため、本発明では、新たな種類の製品の生産が行われる場合に、ホストコンピュータに新たなホストレシピ番号を追加で記憶するとともに、
プログラマブルロジックコントローラに記憶されている対応テーブルを変更すれば良い。また、必要に応じて、いくつかの処理装置に記憶される装置レシピを変更したり、いくつかの処理装置に新たな装置レシピを追加で記憶すれば良い。また、処理対象物の処理条件が変更される場合には、
プログラマブルロジックコントローラに記憶されている対応テーブルを変更するとともに、必要に応じて、いくつかの処理装置に記憶される装置レシピを変更したり、いくつかの処理装置に新たな装置レシピを追加で記憶すれば良い。したがって、本発明では、特許文献1に記載の生産システムと比較して、新たな種類の製品の生産が行われる際や処理対象物の処理条件が変更される際の変更作業を容易に行うことが可能になる。