特許第6483971号(P6483971)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6483971
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】生産システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20190304BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   G05B19/418 B
   H01L21/02 Z
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-152602(P2014-152602)
(22)【出願日】2014年7月28日
(65)【公開番号】特開2016-31573(P2016-31573A)
(43)【公開日】2016年3月7日
【審査請求日】2017年6月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100090170
【弁理士】
【氏名又は名称】横沢 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】倉田 茂
【審査官】 大野 明良
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−317622(JP,A)
【文献】 特開2000−195769(JP,A)
【文献】 特開平05−151231(JP,A)
【文献】 特開2011−090630(JP,A)
【文献】 特開2004−145792(JP,A)
【文献】 特開2003−197496(JP,A)
【文献】 特開2003−100586(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象物に所定の処理を行って複数種類の製品を生産する生産システムにおいて、
複数種類の前記製品のそれぞれを生産するための前記処理対象物の複数の処理条件のそれぞれに対応付けられた複数のホストレシピ番号が記憶されるホストコンピュータと、前記処理対象物に対して処理を行う複数の処理装置と、ネットワークを介して前記ホストコンピュータと接続されるとともにネットワークを介して複数の前記処理装置と接続される中継コンピュータと、前記処理対象物が格納されるキャリアとを備え、
前記中継コンピュータは、パーソナルコンピュータと、プログラマブルロジックコントローラとを備え、
前記キャリアには、前記キャリアを識別するためのキャリアIDが記憶され、
前記ホストレシピ番号は、前記キャリアIDに対応付けられ、
複数の前記処理装置のそれぞれには、前記処理対象物に対する前記処理装置ごとの処理条件である複数の装置レシピが、複数の前記装置レシピを識別するための装置レシピ番号と対応付けられて記憶され、
前記プログラマブルロジックコントローラには、複数の前記ホストレシピ番号のそれぞれに対応する複数の前記処理装置ごとの前記装置レシピ番号が規定される対応テーブルが記憶され、
前記処理対象物に対して最初に処理を行う前記処理装置を第1処理装置とすると、
前記第1処理装置は、前記第1処理装置に前記キャリアが搬入されると、前記キャリアIDを読み取るとともに、読み取った前記キャリアIDを前記中継コンピュータを介して前記ホストコンピュータに送信し、
前記キャリアIDを受信した前記ホストコンピュータは、受信した前記キャリアIDに対応する前記ホストレシピ番号を前記中継コンピュータを介して前記第1処理装置に送信し、
前記ホストレシピ番号を受信した前記第1処理装置は、受信した前記ホストレシピ番号を前記プログラマブルロジックコントローラに送信し、
前記ホストレシピ番号を受信した前記プログラマブルロジックコントローラは、受信した前記ホストレシピ番号に対応する前記第1処理装置用の前記装置レシピ番号を前記第1処理装置に送信し、
前記第1処理装置は、受信した前記装置レシピ番号に対応する前記装置レシピで前記処理対象物に対する処理を行い、前記処理対象物に対する処理が終了すると、前記処理対象物に対して2番目に処理を行う前記処理装置に前記処理対象物および前記ホストレシピ番号を引き渡し、
nを2以上の整数とし、前記処理対象物に対してn番目に処理を行う前記処理装置を第n処理装置とすると、
前記第n処理装置は、第n−1処理装置から前記処理対象物および前記ホストレシピ番号を受け取るとともに、受け取った前記ホストレシピ番号を前記プログラマブルロジックコントローラに送信し、
前記第n処理装置からの前記ホストレシピ番号を受信した前記プログラマブルロジックコントローラは、受信した前記ホストレシピ番号に対応する前記第n処理装置用の前記装置レシピ番号を前記第n処理装置に送信し、
前記第n処理装置は、受信した前記装置レシピ番号に対応する前記装置レシピで前記処理対象物に対する処理を行い、前記処理対象物に対する処理が終了すると、第n+1処理装置に前記処理対象物および前記ホストレシピ番号を引き渡すことを特徴とする生産システム。
【請求項2】
処理対象物に所定の処理を行って複数種類の製品を生産する生産システムにおいて、
複数種類の前記製品のそれぞれを生産するための前記処理対象物の複数の処理条件のそれぞれに対応付けられた複数のホストレシピ番号が記憶されるホストコンピュータと、前記処理対象物に対して処理を行う複数の処理装置と、ネットワークを介して前記ホストコンピュータと接続されるとともにネットワークを介して複数の前記処理装置と接続される中継コンピュータと、前記処理対象物が格納されるキャリアとを備え、
前記中継コンピュータは、パーソナルコンピュータと、プログラマブルロジックコントローラとを備え、
前記キャリアには、前記キャリアを識別するためのキャリアIDが記憶され、
前記ホストレシピ番号は、前記キャリアIDに対応付けられ、
複数の前記処理装置のそれぞれには、前記処理対象物に対する前記処理装置ごとの処理条件である複数の装置レシピが、複数の前記装置レシピを識別するための装置レシピ番号と対応付けられて記憶され、
前記プログラマブルロジックコントローラには、複数の前記ホストレシピ番号のそれぞれに対応する複数の前記処理装置ごとの前記装置レシピ番号が規定される対応テーブルが記憶され、
前記処理対象物に対して最初に処理を行う前記処理装置を第1処理装置とすると、
前記第1処理装置は、前記第1処理装置に前記キャリアが搬入されると、前記キャリアIDを読み取るとともに、読み取った前記キャリアIDを前記中継コンピュータを介して前記ホストコンピュータに送信し、
前記キャリアIDを受信した前記ホストコンピュータは、受信した前記キャリアIDに対応する前記ホストレシピ番号を前記中継コンピュータを介して前記第1処理装置に送信し、
前記ホストレシピ番号を受信した前記第1処理装置は、受信した前記ホストレシピ番号を前記プログラマブルロジックコントローラに送信し、
前記ホストレシピ番号を受信した前記プログラマブルロジックコントローラは、受信した前記ホストレシピ番号に対応する全ての前記処理装置用の前記装置レシピ番号を前記第1処理装置に送信し、
前記第1処理装置は、受信した前記装置レシピ番号のうちの前記第1処理装置用の前記装置レシピ番号に対応する前記装置レシピで前記処理対象物に対する処理を行い、前記処理対象物に対する処理が終了すると、前記処理対象物に対して2番目に処理を行う前記処理装置に前記処理対象物および前記装置レシピ番号を引き渡し、
nを2以上の整数とし、前記処理対象物に対してn番目に処理を行う前記処理装置を第n処理装置とすると、
前記第n処理装置は、第n−1処理装置から前記処理対象物および前記装置レシピ番号を受け取るとともに、受け取った前記装置レシピ番号のうちの前記第n処理装置用の前記装置レシピ番号に対応する前記装置レシピで前記処理対象物に対する処理を行い、前記処理対象物に対する処理が終了すると、第n+1処理装置に前記処理対象物および前記装置レシピ番号を引き渡すことを特徴とする生産システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の処理装置によって処理対象物に対する所定の処理を行って複数種類の製品を生産する生産システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、処理対象物に所定の処理を行って半導体等の製品を生産する生産システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の生産システムは、処理対象物が格納されるキャリアと、処理対象物に対して処理を行う複数の製造装置とを備えている。キャリアは、生産される製品に応じた情報が記憶されるIDキャリアを備えている。各製造装置は、IDキャリアに記憶される情報の読取や更新を行うIDリーダライタ装置を備えるとともに、各製造装置には、工程レシピ対応表と登録レシピ群とが記憶されている。工程レシピ対応表は、工程フローID番号、工程番号、レシピおよび次工程番号が登録されたテーブルである。
【0003】
特許文献1に記載の生産システムでは、キャリアが製造装置に搬入されると、IDキャリアに記憶された工程フローID番号および工程番号をIDリーダライタ装置が読み取る。また、この生産システムでは、IDリーダライタ装置が読み取った工程フローID番号および工程番号に対応するレシピを工程レシピ対応表で検索し、工程レシピ対応表に登録されているレシピに応じた処理を処理対象物に対して行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−53439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の生産システムでは、工程レシピ対応表が複数の製造装置ごとに記憶されているため、この生産システムで新たな種類の製品の生産が行われる場合や処理対象物の処理条件が変更される場合(すなわち、新たな生産工程フローが追加される場合や、生産工程フローが変更される場合)に、全ての製造装置ごとに工程レシピ対応表を変更しなければならない。そのため、この生産システムでは、新たな種類の製品の生産が行われる際や処理対象物の処理条件が変更される際の変更作業が煩雑になる。
【0006】
そこで、本発明の課題は、処理対象物に所定の処理を行って複数種類の製品を生産する生産システムにおいて、新たな種類の製品の生産が行われる際や処理対象物の処理条件が変更される際の変更作業を容易に行うことが可能な生産システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の生産システムは、処理対象物に所定の処理を行って複数種類の製品を生産する生産システムにおいて、複数種類の製品のそれぞれを生産するための処理対象物の複数の処理条件のそれぞれに対応付けられた複数のホストレシピ番号が記憶されるホストコンピュータと、処理対象物に対して処理を行う複数の処理装置と、ネットワークを介してホストコンピュータと接続されるとともにネットワークを介して複数の処理装置と接続される中継コンピュータと、処理対象物が格納されるキャリアとを備え、中継コンピュータは、パーソナルコンピュータと、プログラマブルロジックコントローラとを備え、キャリアには、キャリアを識別するためのキャリアIDが記憶され、ホストレシピ番号は、キャリアIDに対応付けられ、複数の処理装置のそれぞれには、処理対象物に対する処理装置ごとの処理条件である複数の装置レシピが、複数の装置レシピを識別するための装置レシピ番号と対応付けられて記憶され、プログラマブルロジックコントローラには、複数のホストレシピ番号のそれぞれに対応する複数の処理装置ごとの装置レシピ番号が規定される対応テーブルが記憶され、処理対象物に対して最初に処理を行う処理装置を第1処理装置とすると、第1処理装置は、第1処理装置にキャリアが搬入されると、キャリアIDを読み取るとともに、読み取ったキャリアIDを中継コンピュータを介してホストコンピュータに送信し、キャリアIDを受信したホストコンピュータは、受信したキャリアIDに対応するホストレシピ番号を中継コンピュータを介して第1処理装置に送信し、ホストレシピ番号を受信した第1処理装置は、受信したホストレシピ番号をプログラマブルロジックコントローラに送信し、ホストレシピ番号を受信したプログラマブルロジックコントローラは、受信したホストレシピ番号に対応する第1処理装置用の装置レシピ番号を第1処理装置に送信し、第1処理装置は、受信した装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行い、処理対象物に対する処理が終了すると、処理対象物に対して2番目に処理を行う処理装置に処理対象物およびホストレシピ番号を引き渡し、nを2以上の整数とし、処理対象物に対してn番目に処理を行う処理装置を第n処理装置とすると、第n処理装置は、第n−1処理装置から処理対象物およびホストレシピ番号を受け取るとともに、受け取ったホストレシピ番号をプログラマブルロジックコントローラに送信し、第n処理装置からのホストレシピ番号を受信したプログラマブルロジックコントローラは、受信したホストレシピ番号に対応する第n処理装置用の装置レシピ番号を第n処理装置に送信し、第n処理装置は、受信した装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行い、処理対象物に対する処理が終了すると、第n+1処理装置に処理対象物およびホストレシピ番号を引き渡すことを特徴とする。
【0008】
本発明の生産システムでは、ホストコンピュータに、複数のホストレシピ番号が記憶され、複数の処理装置のそれぞれに、処理対象物に対する処理装置ごとの処理条件である複数の装置レシピが、複数の装置レシピを識別するための装置レシピ番号と対応付けられて記憶され、プログラマブルロジックコントローラに、複数のホストレシピ番号のそれぞれに対応する複数の処理装置ごとの装置レシピ番号が規定される対応テーブルが記憶されている。また、本発明では、第1処理装置は、ホストコンピュータから受信したホストレシピ番号をプログラマブルロジックコントローラに送信し、このホストレシピ番号に対応する第1処理装置用の装置レシピ番号をプログラマブルロジックコントローラから受信して、受信した装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行うとともに、第n処理装置は、第n−1処理装置から受け取ったホストレシピ番号をプログラマブルロジックコントローラに送信し、このホストレシピ番号に対応する第n処理装置用の装置レシピ番号をプログラマブルロジックコントローラから受信して、受信した装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行っている。すなわち、本発明では、処理装置は、ホストレシピ番号をプログラマブルロジックコントローラに送信し、このホストレシピ番号に対応する装置レシピ番号をプログラマブルロジックコントローラから受信するとともに、受信した装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行っている。
【0009】
そのため、本発明では、新たな種類の製品の生産が行われる場合に、ホストコンピュータに新たなホストレシピ番号を追加で記憶するとともに、プログラマブルロジックコントローラに記憶されている対応テーブルを変更すれば良い。また、必要に応じて、いくつかの処理装置に記憶される装置レシピを変更したり、いくつかの処理装置に新たな装置レシピを追加で記憶すれば良い。また、処理対象物の処理条件が変更される場合には、プログラマブルロジックコントローラに記憶されている対応テーブルを変更するとともに、必要に応じて、いくつかの処理装置に記憶される装置レシピを変更したり、いくつかの処理装置に新たな装置レシピを追加で記憶すれば良い。したがって、本発明では、特許文献1に記載の生産システムと比較して、新たな種類の製品の生産が行われる際や処理対象物の処理条件が変更される際の変更作業を容易に行うことが可能になる。
【0010】
また、本発明では、処理装置ごとに、ホストレシピ番号をプログラマブルロジックコントローラに送信し、このホストレシピ番号に対応する装置レシピ番号をプログラマブルロジックコントローラから受信しているため、処理装置間でホストレシピ番号を受け渡せば、処理装置ごとに、適切な装置レシピで処理対象物に対する処理を行うことが可能になる。したがって、本発明では、処理装置間でのデータの受渡し処理を簡素化することが可能になる。また、本発明では、各処理装置の記憶手段に要求される記憶容量を低減することが可能になる。
【0011】
また、本発明では、処理装置ごとに、ホストレシピ番号をプログラマブルロジックコントローラに送信し、このホストレシピ番号に対応する装置レシピ番号をプログラマブルロジックコントローラから受信しているため、たとえば、製品の試作を行っているときに、製品の生産工程の途中で生産システムを停止して、処理対象物の処理条件を比較的容易に変更することが可能になる。
【0012】
また、本発明では、中継コンピュータは、パーソナルコンピュータと、プログラマブルロジックコントローラとを備え、対応テーブルは、プログラマブルロジックコントローラに記憶され、処理装置は、ホストレシピ番号をプログラマブルロジックコントローラに送信し、ホストレシピ番号を受信したプログラマブルロジックコントローラは、受信したホストレシピ番号に対応する装置レシピ番号を処理装置に送信しており、きわめて信頼性、安定性の高い(すなわち、故障しにくい)プログラマブルロジックコントローラに対応テーブルが記憶され、プログラマブルロジックコントローラと処理装置との間で、ホストレシピ番号と装置レシピ番号との通信を行うため、第1処理装置で処理対象物への最初の処理を開始した後に、ホストコンピュータやパーソナルコンピュータが故障しても、処理が開始された処理対象物に全ての処理を行って、製品を完成させることが可能になる。
【0013】
また、上記の課題を解決するため、本発明の生産システムは、処理対象物に所定の処理を行って複数種類の製品を生産する生産システムにおいて、複数種類の製品のそれぞれを生産するための処理対象物の複数の処理条件のそれぞれに対応付けられた複数のホストレシピ番号が記憶されるホストコンピュータと、処理対象物に対して処理を行う複数の処理装置と、ネットワークを介してホストコンピュータと接続されるとともにネットワークを介して複数の処理装置と接続される中継コンピュータと、処理対象物が格納されるキャリアとを備え、中継コンピュータは、パーソナルコンピュータと、プログラマブルロジックコントローラとを備え、キャリアには、キャリアを識別するためのキャリアIDが記憶され、ホストレシピ番号は、キャリアIDに対応付けられ、複数の処理装置のそれぞれには、処理対象物に対する処理装置ごとの処理条件である複数の装置レシピが、複数の装置レシピを識別するための装置レシピ番号と対応付けられて記憶され、プログラマブルロジックコントローラには、複数のホストレシピ番号のそれぞれに対応する複数の処理装置ごとの装置レシピ番号が規定される対応テーブルが記憶され、処理対象物に対して最初に処理を行う処理装置を第1処理装置とすると、第1処理装置は、第1処理装置にキャリアが搬入されると、キャリアIDを読み取るとともに、読み取ったキャリアIDを中継コンピュータを介してホストコンピュータに送信し、キャリアIDを受信したホストコンピュータは、受信したキャリアIDに対応するホストレシピ番号を中継コンピュータを介して第1処理装置に送信し、ホストレシピ番号を受信した第1処理装置は、受信したホストレシピ番号をプログラマブルロジックコントローラに送信し、ホストレシピ番号を受信したプログラマブルロジックコントローラは、受信したホストレシピ番号に対応する全ての処理装置用の装置レシピ番号を第1処理装置に送信し、第1処理装置は、受信した装置レシピ番号のうちの第1処理装置用の装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行い、処理対象物に対する処理が終了すると、処理対象物に対して2番目に処理を行う処理装置に処理対象物および装置レシピ番号を引き渡し、nを2以上の整数とし、処理対象物に対してn番目に処理を行う処理装置を第n処理装置とすると、第n処理装置は、第n−1処理装置から処理対象物および装置レシピ番号を受け取るとともに、受け取った装置レシピ番号のうちの第n処理装置用の装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行い、処理対象物に対する処理が終了すると、第n+1処理装置に処理対象物および装置レシピ番号を引き渡すことを特徴とする。
【0014】
本発明の生産システムでは、ホストコンピュータに、複数のホストレシピ番号が記憶され、複数の処理装置のそれぞれに、処理対象物に対する処理装置ごとの処理条件である複数の装置レシピが、複数の装置レシピを識別するための装置レシピ番号と対応付けられて記憶され、プログラマブルロジックコントローラに、複数のホストレシピ番号のそれぞれに対応する複数の処理装置ごとの装置レシピ番号が規定される対応テーブルが記憶されている。また、本発明では、第1処理装置は、ホストコンピュータから受信したホストレシピ番号をプログラマブルロジックコントローラに送信し、このホストレシピ番号に対応する全ての処理装置用の装置レシピ番号をプログラマブルロジックコントローラから受信して、受信した装置レシピ番号のうちの第1処理装置用の装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行うとともに、第n処理装置は、第n−1処理装置から処理対象物および装置レシピ番号を受け取り、受け取った装置レシピ番号のうちの第n処理装置用の装置レシピ番号に対応する装置レシピで処理対象物に対する処理を行っている。
【0015】
そのため、本発明では、新たな種類の製品の生産が行われる場合に、ホストコンピュータに新たなホストレシピ番号を追加で記憶するとともに、プログラマブルロジックコントローラに記憶されている対応テーブルを変更すれば良い。また、必要に応じて、いくつかの処理装置に記憶される装置レシピを変更したり、いくつかの処理装置に新たな装置レシピを追加で記憶すれば良い。また、処理対象物の処理条件が変更される場合には、プログラマブルロジックコントローラに記憶されている対応テーブルを変更するとともに、必要に応じて、いくつかの処理装置に記憶される装置レシピを変更したり、いくつかの処理装置に新たな装置レシピを追加で記憶すれば良い。したがって、本発明では、特許文献1に記載の生産システムと比較して、新たな種類の製品の生産が行われる際や処理対象物の処理条件が変更される際の変更作業を容易に行うことが可能になる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明の生産システムでは、新たな種類の製品の生産が行われる際や処理対象物の処理条件が変更される際の変更作業を容易に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態にかかる生産システムの概略構成を説明するためのブロック図である。
図2図1に示すプログラマブルロジックコントローラに記憶されている対応テーブルを説明するための図である。
図3図1に示す生産システムで処理対象物を処理する際の制御フローの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
(生産システムの構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる生産システム1の概略構成を説明するためのブロック図である。図2は、図1に示すプログラマブルロジックコントローラ12に記憶されている対応テーブルTを説明するための図である。
【0020】
本形態の生産システム1は、処理対象物に所定の処理を行って複数種類の製品を生産するシステムである。具体的には、本形態の生産システム1は、処理対象物としての基板2に所定の処理を行って、複数種類の半導体を製品として生産するためのシステムである。この生産システム1は、複数の基板2が格納されるキャリア3と、基板2に対して所定の処理を行う複数の処理装置4〜7と、ホストコンピュータ8と、ネットワークを介して処理装置4〜7と接続されるとともにネットワークを介してホストコンピュータ8と接続される中継コンピュータ9とを備えている。本形態の生産システム1は、4個の処理装置4〜7を備えている。
【0021】
キャリア3には、キャリア3を識別するためのキャリアIDが記憶されている。キャリアIDは、たとえば、キャリア3に格納される基板2に所定の処理を行うことで生産される製品の種類に応じて製品の種類ごとに設定されている。
【0022】
処理装置4〜7のそれぞれには、基板2に対する処理装置4〜7ごとの処理条件である複数の装置レシピが記憶されている。また、処理装置4〜7のそれぞれには、記憶される複数の装置レシピを識別するための装置レシピ番号と装置レシピとが対応付けられて記憶されている。たとえば、処理装置4では、4種類の処理条件で基板2に対する処理を行うことが可能になっており、4つの装置レシピのそれぞれが4つの装置レシピ番号A1〜A4(図2参照)のそれぞれと対応付けられて処理装置4に記憶されている。すなわち、処理装置4には、装置レシピ番号A1に対応する装置レシピと、装置レシピ番号A2に対応する装置レシピと、装置レシピ番号A3に対応する装置レシピと、装置レシピ番号A4に対応する装置レシピとの4つの装置レシピが記憶されている。
【0023】
また、たとえば、処理装置5では、3種類の処理条件で基板2に対する処理を行うことが可能になっており、3つの装置レシピのそれぞれが3つの装置レシピ番号B1〜B3(図2参照)のそれぞれと対応付けられて処理装置5に記憶されている。さらに、たとえば、処理装置6では、2種類の処理条件で基板2に対する処理を行うことが可能になっており、2つの装置レシピのそれぞれが2つの装置レシピ番号C1、C2(図2参照)のそれぞれと対応付けられて処理装置6に記憶されている。また、たとえば、処理装置7では、5種類の処理条件で基板2に対する処理を行うことが可能になっており、5つの装置レシピのそれぞれが5つの装置レシピ番号D1〜D5(図2参照)のそれぞれと対応付けられて処理装置7に記憶されている。
【0024】
本形態では、処理装置4において、キャリア3に格納された基板2に対する最初の処理が行われ、処理装置5において、処理装置4で処理された後の基板2に対する処理が行われ、処理装置6において、処理装置5で処理された後の基板2に対する処理が行われ、処理装置7において、処理装置6で処理された後の基板2に対する最後の処理が行われる。本形態の処理装置4は、基板2に対して最初に処理を行う第1処理装置であり、処理装置5は、基板2に対して2番目に処理を行う第2処理装置であり、処理装置6は、基板2に対して3番目に処理を行う第3処理装置であり、処理装置7は、基板2に対して4番目に処理を行う第4処理装置である。
【0025】
ホストコンピュータ8には、複数種類の製品のそれぞれを生産するための基板2の複数の処理条件のそれぞれに対応付けられた複数のホストレシピ番号が記憶されている。たとえば、本形態の生産システム1では、6種類の製品を生産することが可能になっており、基板2の6種類の処理条件のそれぞれに対応付けされた6つのホストレシピ番号001〜006(図2参照)がホストコンピュータ8に記憶されている。すなわち、本形態の生産システム1では、ホストレシピ番号001に対応する処理条件と、ホストレシピ番号002に対応する処理条件と、ホストレシピ番号003に対応する処理条件と、ホストレシピ番号004に対応する処理条件と、ホストレシピ番号005に対応する処理条件と、ホストレシピ番号006に対応する処理条件との6種類の処理条件で基板2を処理して、6種類の製品を生産することが可能になっている。また、ホストレシピ番号001〜006のそれぞれは、キャリア3に記憶されるキャリアIDと1対1で対応付けられている。
【0026】
中継コンピュータ9は、パーソナルコンピュータ(PC)11と、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)12とから構成されている。PC11は、ネットワークを介して処理装置4〜7と接続されるとともにネットワークを介してホストコンピュータ8と接続されている。PLC12は、ネットワークを介して処理装置4〜7と接続されるとともにネットワークを介してホストコンピュータ8と接続されている。また、PC11とPLC12とは、ネットワークを介して接続されている。なお、PLC12は、ホストコンピュータ8と接続されていなくても良い。
【0027】
PLC12には、6つのホストレシピ番号001〜006のそれぞれに対応する4個の処理装置4〜7ごとの装置レシピ番号が規定される対応テーブルTが記憶されている。対応テーブルTでは、たとえば、ホストレシピ番号001に対応する4個の処理装置4〜7ごとの装置レシピ番号として装置レシピ番号A1、B1、C1、D1が規定され、ホストレシピ番号002に対応する4個の処理装置4〜7ごとの装置レシピ番号として装置レシピ番号A2、B2、C2、D2が規定されている。また、対応テーブルTでは、たとえば、ホストレシピ番号003に対応する4個の処理装置4〜7ごとの装置レシピ番号として装置レシピ番号A3、B3、C1、D3が規定され、ホストレシピ番号004に対応する4個の処理装置4〜7ごとの装置レシピ番号として装置レシピ番号A4、B1、C2、D4が規定され、ホストレシピ番号005に対応する4個の処理装置4〜7ごとの装置レシピ番号として装置レシピ番号A1、B2、C1、D5が規定され、ホストレシピ番号006に対応する4個の処理装置4〜7ごとの装置レシピ番号として装置レシピ番号A2、B3、C2、D1が規定されている。
【0028】
そのため、たとえば、ホストレシピ番号001に対応する処理条件で基板2が処理される際には、処理装置4では、装置レシピ番号A1に対応する装置レシピで基板2の処理が行われ、処理装置5では、装置レシピ番号B1に対応する装置レシピで基板2の処理が行われ、処理装置6では、装置レシピ番号C1に対応する装置レシピで基板2の処理が行われ、処理装置7では、装置レシピ番号D1に対応する装置レシピで基板2の処理が行われる。また、たとえば、ホストレシピ番号004に対応する処理条件で基板2が処理される際には、処理装置4では、装置レシピ番号A4に対応する装置レシピで基板2の処理が行われ、処理装置5では、装置レシピ番号B1に対応する装置レシピで基板2の処理が行われ、処理装置6では、装置レシピ番号C2に対応する装置レシピで基板2の処理が行われ、処理装置7では、装置レシピ番号D4に対応する装置レシピで基板2の処理が行われる。
【0029】
(生産システムの制御方法)
図3は、図1に示す生産システム1で基板2を処理する際の制御フローの一例を示すフローチャートである。
【0030】
上述のように、生産システム1では、処理装置4において、キャリア3に格納された基板2に対する最初の処理が行われる。図示を省略する搬送機構によって搬送されるキャリア3が第1処理装置である処理装置4に搬入されると(ステップS1)、処理装置4は、キャリア3に記憶されたキャリアIDを読み取り、読み取ったキャリアIDを中継コンピュータ9に送信する(ステップS2)。具体的には、ステップS2では、処理装置4は、読み取ったキャリアIDをPC11に送信する。また、ステップS2では、処理装置4は、キャリア3から基板2を受け取る。キャリアIDを受信したPC11は、受信したキャリアIDをホストコンピュータ8に送信する(ステップS3)。すなわち、処理装置4は、処理装置4にキャリア3が搬入されると、キャリアIDを読み取るとともに、読み取ったキャリアIDをPC11を介してホストコンピュータ8に送信する。
【0031】
キャリアIDを受信したホストコンピュータ8は、受信したキャリアIDに対応するホストレシピ番号を選択して、選択したホストレシピ番号をPC11に送信する(ステップS4)。また、ステップS4では、ホストコンピュータ8は、受信したキャリアIDに対応する基板IDやロットID等の基板情報を選択して、選択した基板情報をPC11に送信する。ホストレシピ番号および基板情報を受信したPC11は、受信したホストレシピ番号および基板情報を処理装置4に送信する(ステップS5)。すなわち、キャリアIDを受信したホストコンピュータ8は、受信したキャリアIDに対応するホストレシピ番号および基板情報をPC11を介して処理装置4に送信する。たとえば、ホストコンピュータ8は、ホストレシピ番号001をPC11を介して処理装置4に送信する。なお、ステップS5において、ホストレシピ番号および基板情報を受信したPC11がこのホストレシピ番号および基板情報をPLC12に送信するとともに、ホストレシピ番号および基板情報を受信したPLC12がこのホストレシピ番号および基板情報を処理装置4に送信しても良い。
【0032】
ホストレシピ番号を受信した処理装置4は、受信したホストレシピ番号をPLC12に送信する(ステップS6)。ホストレシピ番号を受信したPLC12は、受信したホストレシピ番号に対応する処理装置4用の装置レシピ番号を対応テーブルTから取得して(ステップS7)、取得した処理装置4用の装置レシピ番号を処理装置4に送信する(ステップS8)。たとえば、PLC12がホストレシピ番号001を受信した場合には、ステップS7、S8において、PLC12は、受信したホストレシピ番号001に対応する処理装置4用の装置レシピ番号A1を取得して処理装置4に送信する(図2参照)。
【0033】
装置レシピ番号を受信した処理装置4は、受信した装置レシピ番号に対応する装置レシピで基板2に対する処理を行う(ステップS9)。たとえば、ステップS9では、装置レシピ番号A1を受信した処理装置4は、装置レシピ番号A1に対応する装置レシピで基板2に対する処理を行う。処理装置4での基板2に対する処理が終了すると、処理装置4は、処理終了時に、処理装置4での処理時のプロセス情報をPLC12に送信する(ステップS10)。このプロセス情報には、ホストレシピ番号、装置レシピ番号、基板IDおよびロットID等が含まれている。プロセス情報を受信したPLC12は、受信したプロセス情報を記憶するとともにPC11へ送信する(ステップS11)。プロセス情報を受信したPC11は、プロセス情報を記憶するとともにホストコンピュータ8へ処理結果を送信する(ステップS12)。
【0034】
また、処理装置4での基板2に対する処理が終了すると、処理装置4は、処理装置5へ基板2およびホストレシピ番号を引き渡す(ステップS13)。また、ステップS13では、処理装置4は、ホストレシピ番号と一緒に基板情報を処理装置5へ引き渡す。本形態では、たとえば、ホストレシピ番号および基板情報を記憶する記憶部が基板2に設けられており、基板2が引き渡されると、基板2と一緒にホストレシピ番号および基板情報が引き渡される。なお、ホストレシピ番号および基板情報がネットワークを介して処理装置4から処理装置5へ送信されても良い。
【0035】
基板2およびホストレシピ番号を処理装置5が受け取ると、処理装置5に対して、ステップS6〜S13と同じステップが実行される。すなわち、ホストレシピ番号を受け取った処理装置5は、受け取ったホストレシピ番号をPLC12に送信し、ホストレシピ番号を受信したPLC12は、受信したホストレシピ番号に対応する処理装置5用の装置レシピ番号を対応テーブルTから取得して、取得した処理装置5用の装置レシピ番号を処理装置5に送信する。たとえば、PLC12がホストレシピ番号001を受信した場合には、PLC12は、受信したホストレシピ番号001に対応する処理装置5用の装置レシピ番号B1を取得して処理装置5に送信する(図2参照)。装置レシピ番号を受信した処理装置5は、受信した装置レシピ番号に対応する装置レシピで基板2に対する処理を行い、処理装置5での基板2に対する処理が終了すると、処理装置5は、処理装置5での処理時のプロセス情報をPLC12に送信する。プロセス情報を受信したPLC12は、受信したプロセス情報を記憶するとともにPC11へ送信し、プロセス情報を受信したPC11は、プロセス情報を記憶するとともにホストコンピュータ8へ処理結果を送信する。
【0036】
また、処理装置5での基板2に対する処理が終了すると、処理装置5は、処理装置6へ基板2、ホストレシピ番号および基板情報を引き渡す。基板2およびホストレシピ番号を処理装置6が受け取ると、同様に、処理装置6に対して、ステップS6〜S13と同じステップが実行される。また、処理装置6に対して、ステップS6〜S13と同じステップが実行されて、基板2およびホストレシピ番号を処理装置7が受け取ると、同様に、処理装置7に対して、ステップS6〜S13と同じステップが実行されて、基板2に対する処理が完了し、製品が完成する。
【0037】
すなわち、本形態では、nを2以上の整数とし、基板2に対してn番目に処理を行う処理装置5〜7を第n処理装置とすると、第n処理装置は、第n−1処理装置から基板2およびホストレシピ番号を受け取るとともに、受け取ったホストレシピ番号をPLC12に送信する。また、第n処理装置からのホストレシピ番号を受信したPLC12は、受信したホストレシピ番号に対応する第n処理装置用の装置レシピ番号を第n処理装置に送信し、第n処理装置は、受信した装置レシピ番号に対応する装置レシピで基板2に対する処理を行い、基板2に対する処理が終了すると、第n+1処理装置に基板2およびホストレシピ番号を引き渡す。なお、本形態では、nは、2から4までの整数である。
【0038】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、たとえば、ホストコンピュータ8に、6つのホストレシピ番号001〜006が記憶され、処理装置4〜7のそれぞれに、基板2に対する処理装置4〜7ごとの処理条件である複数の装置レシピが、複数の装置レシピを識別するための装置レシピ番号と対応付けられて記憶され、PLC12に、6つのホストレシピ番号001〜006のそれぞれに対応する4個の処理装置4〜7ごとの装置レシピ番号が規定される対応テーブルTが記憶されている。また、本形態では、処理装置4は、ホストコンピュータ8から受信したホストレシピ番号をPLC12に送信し、このホストレシピ番号に対応する処理装置4用の装置レシピ番号をPLC12から受信して、受信した装置レシピ番号に対応する装置レシピで基板2に対する処理を行い、第n処理装置は、第n−1処理装置から受け取ったホストレシピ番号をPLC12に送信し、このホストレシピ番号に対応する第n処理装置用の装置レシピ番号をPLC12から受信して、受信した装置レシピ番号に対応する装置レシピで基板2に対する処理を行っている。すなわち、本形態では、処理装置4〜7は、ホストレシピ番号をPLC12に送信し、このホストレシピ番号に対応する装置レシピ番号をPLC12から受信するとともに、受信した装置レシピ番号に対応する装置レシピで基板2に対する処理を行っている。
【0039】
そのため、本形態では、新たな種類の製品の生産が行われる場合に、ホストコンピュータ8に新たなホストレシピ番号を追加で記憶するとともに、PLC12に記憶されている対応テーブルTを変更すれば良い。また、必要に応じて、いくつかの処理装置4〜7に記憶される装置レシピを変更したり、いくつかの処理装置4〜7に新たな装置レシピを追加で記憶すれば良い。また、基板2の処理条件が変更される場合には、PLC12に記憶されている対応テーブルTを変更するとともに、必要に応じて、いくつかの処理装置4〜7に記憶される装置レシピを変更したり、いくつかの処理装置4〜7に新たな装置レシピを追加で記憶すれば良い。したがって、本形態では、上述の特許文献1に記載の生産システムと比較して、新たな種類の製品の生産が行われる際や基板2の処理条件が変更される際の変更作業を容易に行うことが可能になる。
【0040】
また、本形態では、対応テーブルTは、PLC12に記憶され、処理装置4〜7は、ホストレシピ番号をPLC12に送信し、ホストレシピ番号を受信したPLC12は、受信したホストレシピ番号に対応する装置レシピ番号を処理装置4〜7に送信している。すなわち、本形態では、きわめて信頼性、安定性の高い(すなわち、故障しにくい)PLC12に対応テーブルTが記憶され、PLC12と処理装置4〜7との間で、ホストレシピ番号と装置レシピ番号との通信を行っている。そのため、本形態では、処理装置4で基板2への最初の処理を開始した後に、ホストコンピュータ8やPC11が故障しても、処理が開始された基板2に全ての処理を行って、製品を完成させることが可能になる。
【0041】
(生産システムの制御方法の変形例)
上述した形態では、ホストレシピ番号を受信したPLC12は、ステップS7において、受信したホストレシピ番号に対応する処理装置4用の装置レシピ番号を対応テーブルTから取得して、ステップS8において、取得した処理装置4用の装置レシピ番号を処理装置4に送信している。この他にもたとえば、ホストレシピ番号を受信したPLC12が、ステップS7において、受信したホストレシピ番号に対応する全ての処理装置4〜7用の装置レシピ番号を対応テーブルTから取得して、ステップS8において、取得した処理装置4〜7用の装置レシピ番号を処理装置4に送信しても良い。たとえば、PLC12がホストレシピ番号001を受信した場合には、PLC12は、処理装置4〜7用の装置レシピ番号A1、B1、C1、D1を処理装置4に送信しても良い。
【0042】
この場合には、処理装置4は、受信した装置レシピ番号のうちの処理装置4用の装置レシピ番号に対応する装置レシピで基板2に対する処理を行い、基板2に対する処理が終了すると、処理装置5に基板2および装置レシピ番号を引き渡す。また、処理装置5は、受け取った装置レシピ番号のうちの処理装置5用の装置レシピ番号に対応する装置レシピで基板2に対する処理を行い、基板2に対する処理が終了すると、処理装置6に基板2および装置レシピ番号を引き渡す。同様に、処理装置6は、受け取った装置レシピ番号のうちの処理装置6用の装置レシピ番号に対応する装置レシピで基板2に対する処理を行って、基板2に対する処理が終了すると、処理装置7に基板2および装置レシピ番号を引き渡し、処理装置7は、受け取った装置レシピ番号のうちの処理装置7用の装置レシピ番号に対応する装置レシピで基板2に対する処理を行う。また、処理装置7において、基板2に対する処理が終了すると、基板2に対する処理が完了して、製品が完成する。
【0043】
すなわち、この場合には、nを2以上の整数とし、基板2に対してn番目に処理を行う処理装置5〜7を第n処理装置とすると、第n処理装置は、第n−1処理装置から基板2および装置レシピ番号を受け取るとともに、受け取ったホストレシピ番号のうちの第n処理装置用の装置レシピ番号に対応する装置レシピで基板2に対する処理を行い、基板2に対する処理が終了すると、第n+1処理装置に基板2および装置レシピ番号を引き渡している。
【0044】
この変形例においても、上述した形態と同様に、新たな種類の製品の生産が行われる場合に、ホストコンピュータ8に新たなホストレシピ番号を追加で記憶するとともに、PLC12に記憶されている対応テーブルTを変更すれば良い。また、必要に応じて、いくつかの処理装置4〜7に記憶される装置レシピを変更したり、いくつかの処理装置4〜7に新たな装置レシピを追加で記憶すれば良い。また、基板2の処理条件が変更される場合には、PLC12に記憶されている対応テーブルTを変更するとともに、必要に応じて、いくつかの処理装置4〜7に記憶される装置レシピを変更したり、いくつかの処理装置4〜7に新たな装置レシピを追加で記憶すれば良い。したがって、上述の特許文献1に記載の生産システムと比較して、新たな種類の製品の生産が行われる際や基板2の処理条件が変更される際の変更作業を容易に行うことが可能になる。
【0045】
なお、この変形例では、全ての処理装置4〜7用の装置レシピ番号が処理装置4に送信され、全ての処理装置4〜7用の装置レシピ番号が処理装置4〜7の間で受け渡されるため、処理装置4〜7の間のデータの受渡し処理が煩雑になるおそれがある。また、各処理装置4〜7の記憶手段に要求される記憶容量を大きくしなければならないおそれがある。これに対して、上述した形態では、処理装置4〜7の間でホストレシピ番号を受け渡せば良いため、処理装置4〜7の間でのデータの受渡し処理を簡素化することが可能になる。また、各処理装置4〜7の記憶手段に要求される記憶容量を低減することが可能になる。
【0046】
また、この変形例では、全ての処理装置4〜7用の装置レシピ番号が処理装置4に送信されるため、たとえば、基板2に所定の処理を行って製品の試作を行っているときに、製品の生産工程の途中で生産システム1を停止して、基板2の処理条件を変更する場合の変更作業が煩雑になるが、上述した形態では、処理装置4〜7ごとに、ホストレシピ番号をPLC12に送信し、このホストレシピ番号に対応する装置レシピ番号をPLC12から受信しているため、たとえば、基板2に所定の処理を行って製品の試作を行っているときに、製品の生産工程の途中で生産システム1を停止して、基板2の処理条件を比較的容易に変更することが可能になる。
【0047】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0048】
上述した形態では、対応テーブルTは、PLC12に記憶されているが、対応テーブルTは、PC11に記憶されても良い。この場合には、処理装置4〜7は、ホストレシピ番号をPC11に送信し、このホストレシピ番号に対応する装置レシピ番号をPC11から受信するとともに、受信した装置レシピ番号に対応する装置レシピで基板2に対する処理を行う。また、この場合には、中継コンピュータ9は、PLC12を備えていなくても良い。また、上述した形態では、処理装置4は、キャリアIDをPC11を介してホストコンピュータ8に送信するとともに、ホストレシピ番号をPC11を介して受信しているが、処理装置4は、キャリアIDをPLC12を介してホストコンピュータ8に送信するとともに、ホストレシピ番号をPLC12を介して受信しても良い。この場合には、中継コンピュータ9は、PC11を備えていなくても良い。
【0049】
上述した形態では、生産システム1は、基板2に所定の処理を行って、複数種類の半導体を製品として生産するためのシステムであるが、生産システム1は、基板2に所定の処理を行って、液晶パネルや太陽光パネル等を生産するためのシステムであっても良い。また、上述した形態では、生産システム1で処理される処理対象物は基板2であるが、本発明の生産システム1で処理される処理対象物は、基板2以外のものであっても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 生産システム
2 基板(処理対象物)
3 キャリア
4 処理装置(第1処理装置)
5〜7 処理装置
8 ホストコンピュータ
9 中継コンピュータ
11 PC(パーソナルコンピュータ)
12 PLC(プログラマブルロジックコントローラ)
T 対応テーブル
図1
図2
図3