(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
本開示は、組織を外科手術により接合するための外科手術器具に関する。器具は、ハンドルアセンブリと、内視鏡部分と、1対の顎部材と、複数のステープルとを含む。内視鏡部分は、ハンドルアセンブリから遠位方向に延び、長手方向軸を規定する。1対の顎部材は、内視鏡部分の遠位端に隣接して配置され、内視鏡部分からほぼ遠位方向に延びている。顎部材の各々は、長手方向軸に対して長手方向に湾曲させられている。顎部材のうちの少なくとも1つは、顎部材の間に身体組織を係合するために、開いた位置と接近させられた位置との間を他方に対して移動可能である。1対の顎部材は、第1の顎部材と第2の顎部材とを含む。複数のステープルは、第2の顎部材内に少なくとも部分的に配置されている。ステープルの各々は、バックスパンから垂下している1対のレッグを含む。各レッグは、ステープル先端を含み、このステープル先端は、約25°と約35°との間に第1の角度を規定する。
【0006】
開示の実施形態において、第1の角度α1は、30°とおおよそ等しい。
【0007】
開示の実施形態において、各ステープル先端は、単一のステープル先端部を含む。ここで、各ステープル先端部は、それぞれのステープルレッグの内側エッジと整列していることが開示される。各ステープル先端部は、それぞれのステープルレッグの外側エッジと整列していることがさらに開示される。
【0008】
開示の実施形態において、各ステープル先端は、約25°と約35°との間に第2の角度α2を規定する。
【0009】
開示の実施形態において、第2の顎部材の近位部分内に配置されているステープルのうちの少なくともいくつかは、第2の顎部材の近位部分内に配置されているステープルの遠位に配置されているステープルのうちの少なくともいくつかよりも低い高さを含む。
【0010】
本開示はまた、組織を外科手術により接合するための外科手術器具に関し、この外科手術器具は、ハンドルアセンブリと、内視鏡部分と、1対の顎部材と、複数のステープルとを含む。内視鏡部分は、ハンドルアセンブリから遠位方向に延び、長手方向軸を規定する。1対の顎部材は、内視鏡部分の遠位端に隣接して配置され、内視鏡部分からほぼ遠位方向に延びている。顎部材の各々は、長手方向軸に対して長手方向に湾曲させられている。顎部材のうちの少なくとも1つは、顎部材の間に身体組織を係合するために、開いた位置と接近させられた位置との間を他方に対して移動可能である。1対の顎部材は、第1の顎部材と第2の顎部材とを含む。複数のステープルは、第2の顎部材内に少なくとも部分的に配置されている。ステープルの各々は、バックスパンから垂下している1対のレッグを含み、各レッグは、ステープル先端を含み、このステープル先端は、第1の角度α1と第2の角度α2とを規定する。
【0011】
開示の実施形態において、各ステープル先端は、単一のステープル先端部を含む。ここで、各ステープル先端部は、それぞれのステープルレッグの内側エッジの延長と外側エッジの延長との間に配置されていることが開示される。
【0012】
開示の実施形態において、第1の角度α1は、約20°と約50°との間である。ここで、第2の角度α2は、約20°と約50°との間であることが開示される。
【0013】
開示の実施形態において、第1の角度α1は、約25°と約35°との間である。
【0014】
開示の実施形態において、第1の角度α1および第2の角度α2は、互いにおおよそ等しい。
【0015】
開示の実施形態において、第1の角度α1および第2の角度α2は、互いに異なる。
【0016】
開示の実施形態において、第2の顎部材の近位部分に配置されているステープルのうちの少なくともいくつかは、第2の顎部材の近位部分に配置されているステープルの遠位に配置されているステープルのうちの少なくともいくつかよりも低い高さを含む。
【0017】
本開示は、外科手術器具との使用のためのローディングユニットにも関する。ローディングユニットは、近位本体部分と、1対の顎部材と、複数のステープルとを含む。近位本体部分は、外科手術器具の一部分を係合するように構成されており、長手方向軸を規定する。1対の顎部材は、近位本体部分に隣接して配置され、近位本体部分からほぼ遠位方向に延びている。顎部材のうちの少なくとも1つは、顎部材の間に身体組織を係合するために、開いた位置と接近させられた位置との間を他方に対して移動可能である。1対の顎部材は、第1の顎部材と第2の顎部材とを含む。複数のステープルは、第2の顎部材内に少なくとも部分的に配置されている。第2の顎部材の第1の部分に配置されているステープルのうちの少なくともいくつかは、第2の顎部材の第2の部分に配置されているステープルのうちの少なくともいくつかよりも低い高さを有する。
【0018】
開示の実施形態において、第2の顎部材の第1の部分は、第2の顎部材の第2の部分よりも近位に配置されている。
【0019】
開示の実施形態において、第2の顎部材は、スロットをさらに含み、このスロットは、ナイフが少なくとも部分的にスロットに沿って移動することを可能にするように構成されている。ここで、第2の顎部材の第1の部分は、スロットの第1の側方側に配置され、第2の顎部材の第2の部分は、スロットの第2の側方側に配置されていることが開示される。スロットは、長手方向軸に対して湾曲させられていることがさらに開示される。実施形態において、第2の顎部材の第1の部分は、スロットの湾曲の内側に配置され、第2の顎部材の第2の部分は、スロットの湾曲の外側に配置されている。
【0020】
開示の実施形態において、第2の顎部材のスロットの各側方側は、ステープル保持スロットの外の列と、ステープル保持スロットの内の列と、ステープル保持スロットの中間の列とを含み、ステープル保持スロットの内の列は、スロットに最も近い。ここで、第2の顎部材の第1の部分は、ステープル保持スロットの外の列とステープル保持スロットの中間の列とを含み、第2の顎部材の第2の部分は、ステープル保持スロットの内の列を含む。
【0021】
開示の実施形態において、第2の顎部材のスロットの各側方側は、ステープル保持スロットの外の列と、ステープル保持スロットの内の列と、ステープル保持スロットの中間の列とを含み、ステープル保持スロットの内の列は、スロットに最も近い。ここで、第2の顎部材の第1の部分は、スロットの湾曲の内側部分において、ステープル保持スロットの外の列と、ステープル保持スロットの中間の列と、ステープル保持スロットの内の列とを含む。第2の顎部材の第1の部分はまた、スロットの湾曲の外側部分において、ステープル保持スロットの内の列を含む。第2の顎部材の第2の部分は、スロットの湾曲の外側部分において、ステープル保持スロットの中間の列とステープル保持スロットの外の列とを含む。ここで、スロットの湾曲の外側部分におけるステープル保持スロットの外の列に配置されているステープルは、スロットの湾曲の外側部分におけるステープル保持スロットの中間の列に配置されているステープルよりも大きいことが開示される。
【0022】
開示の実施形態において、ステープルのうちの少なくともいくつかは、バックスパンから垂下している1対のレッグを含み、各レッグは、ステープル先端を含み、このステープル先端は、第1の角度α1を規定し、第1の角度α1は、約25°と約35°との間である。
【0023】
開示の実施形態において、ステープルのうちの少なくともいくつかは、バックスパンから垂下している1対のレッグを含み、各レッグは、ステープル先端を含み、このステープル先端は、第1の角度α1と第2の角度α2とを規定する。
【0024】
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
組織を外科手術により接合するための外科手術器具であって、該外科手術器具は、
ハンドルアセンブリと、
該ハンドルアセンブリから遠位方向に延びている内視鏡部分であって、該内視鏡部分は、長手方向軸を規定する、内視鏡部分と、
該内視鏡部分の遠位端に隣接して配置されている1対の顎部材であって、該1対の顎部材は、該内視鏡部分からほぼ遠位方向に延びており、該顎部材の各々は、該長手方向軸に対して長手方向に湾曲させられており、該顎部材のうちの少なくとも1つは、該顎部材の間に身体組織を係合するために、開いた位置と接近させられた位置との間を他方に対して移動可能であり、該1対の顎部材は、第1の顎部材と第2の顎部材とを含む、1対の顎部材と、
該第2の顎部材内に少なくとも部分的に配置されている複数のステープルと
を含み、該ステープルの各々は、バックスパンから垂下している1対のレッグを含み、各レッグは、ステープル先端を含み、該ステープル先端は、第1の角度α1を規定し、該第1の角度α1は、約25°と約35°との間である、外科手術器具。
(項目2)
上記第1の角度α1は、30°とおおよそ等しい、上記項目に記載の外科手術器具。
(項目3)
各ステープル先端は、単一のステープル先端部を含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目4)
各ステープル先端部は、それぞれのステープルレッグの内側エッジと整列している、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目5)
各ステープル先端部は、それぞれのステープルレッグの外側エッジと整列している、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目6)
各ステープル先端は、第2の角度α2を規定し、該第2の角度α2は、約25°と約35°との間である、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目7)
上記第2の顎部材の近位部分内に配置されている上記ステープルのうちの少なくともいくつかは、該第2の顎部材の該近位部分内に配置されている該ステープルの遠位に配置されているステープルのうちの少なくともいくつかよりも低い高さを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目8)
組織を外科手術により接合するための外科手術器具であって、該外科手術器具は、
ハンドルアセンブリと、
該ハンドルアセンブリから遠位方向に延びている内視鏡部分であって、該内視鏡部分は、長手方向軸を規定する、内視鏡部分と、
該内視鏡部分の遠位端に隣接して配置されている1対の顎部材であって、該1対の顎部材は、該内視鏡部分からほぼ遠位方向に延びており、該顎部材の各々は、該長手方向軸に対して長手方向に湾曲させられており、該顎部材のうちの少なくとも1つは、該顎部材の間に身体組織を係合するために、開いた位置と接近させられた位置との間を他方に対して移動可能であり、該1対の顎部材は、第1の顎部材と第2の顎部材とを含む、1対の顎部材と、
該第2の顎部材内に少なくとも部分的に配置されている複数のステープルと
を含み、該ステープルの各々は、バックスパンから垂下している1対のレッグを含み、各レッグは、ステープル先端を含み、該ステープル先端は、第1の角度α1と第2の角度α2とを規定する、外科手術器具。
(項目9)
各ステープル先端は、単一のステープル先端部を含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目10)
各ステープル先端部は、それぞれのステープルレッグの内側エッジの延長と外側エッジの延長との間に配置されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目11)
上記第1の角度α1は、約20°と約50°との間である、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目12)
上記第2の角度α2は、約20°と約50°との間である、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目13)
上記第1の角度α1は、約25°と約35°との間である、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目14)
上記第1の角度α1および上記第2の角度α2は、互いにおおよそ等しい、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目15)
上記第1の角度α1および上記第2の角度α2は、互いに異なる、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目16)
上記第2の顎部材の近位部分に配置されている上記ステープルのうちの少なくともいくつかは、該第2の顎部材の該近位部分に配置されている該ステープルの遠位に配置されているステープルのうちの少なくともいくつかよりも低い高さを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術器具。
(項目17)
外科手術器具との使用のためのローディングユニットであって、該ローディングユニットは、
外科手術器具の一部分を係合するように構成されている近位本体部分であって、該近位本体部分は、長手方向軸を規定する、近位本体部分と、
該近位本体部分に隣接して配置されている1対の顎部材であって、該1対の顎部材は、該近位本体部分からほぼ遠位方向に延びており、該顎部材のうちの少なくとも1つは、該顎部材の間に身体組織を係合するために、開いた位置と接近させられた位置との間を他方に対して移動可能であり、該1対の顎部材は、第1の顎部材と第2の顎部材とを含む、1対の顎部材と、
該第2の顎部材内に少なくとも部分的に配置されている複数のステープルと
を含み、該第2の顎部材の第1の部分に配置されているステープルのうちの少なくともいくつかは、該第2の顎部材の第2の部分に配置されているステープルのうちの少なくともいくつかよりも低い高さを有する、ローディングユニット。
(項目18)
上記第2の顎部材の上記第1の部分は、該第2の顎部材の上記第2の部分よりも近位に配置されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目19)
上記第2の顎部材は、スロットをさらに含み、該スロットは、ナイフが少なくとも部分的に該スロットに沿って移動することを可能にするように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目20)
上記第2の顎部材の上記第1の部分は、上記スロットの第1の側方側に配置され、該第2の顎部材の上記第2の部分は、該スロットの第2の側方側に配置されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目21)
上記スロットは、上記長手方向軸に対して湾曲させられている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目22)
上記第2の顎部材の上記第1の部分は、上記スロットの上記湾曲の内側に配置され、該第2の顎部材の上記第2の部分は、該スロットの該湾曲の外側に配置されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目23)
上記第2の顎部材の上記スロットの各側方側は、ステープル保持スロットの外の列と、ステープル保持スロットの内の列と、ステープル保持スロットの中間の列とを含み、ステープル保持スロットの該内の列は、該スロットに最も近く、該第2の顎部材の上記第1の部分は、ステープル保持スロットの該外の列とステープル保持スロットの該中間の列とを含み、該第2の顎部材の上記第2の部分は、ステープル保持スロットの該内の列を含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目24)
上記第2の顎部材の上記スロットの各側方側は、ステープル保持スロットの外の列と、ステープル保持スロットの内の列と、ステープル保持スロットの中間の列とを含み、ステープル保持スロットの該内の列は、該スロットに最も近く、該第2の顎部材の上記第1の部分は、該スロットの上記湾曲の内側部分において、ステープル保持スロットの該外の列と、ステープル保持スロットの該中間の列と、ステープル保持スロットの該内の列とを含み、該第2の顎部材の該第1の部分は、該スロットの該湾曲の外側部分において、ステープル保持スロットの該内の列を含み、該第2の顎部材の上記第2の部分は、該スロットの該湾曲の該外側部分において、ステープル保持スロットの該中間の列とステープル保持スロットの該外の列とを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目25)
上記スロットの上記湾曲の上記外側部分におけるステープル保持スロットの上記外の列に配置されているステープルは、該スロットの該湾曲の該外側部分におけるステープル保持スロットの上記中間の列に配置されているステープルよりも大きい、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目26)
上記ステープルのうちの少なくともいくつかは、バックスパンから垂下している1対のレッグを含み、各レッグは、ステープル先端を含み、該ステープル先端は、第1の角度α1を規定し、該第1の角度α1は、約25°と約35°との間である、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
(項目27)
上記ステープルのうちの少なくともいくつかは、バックスパンから垂下している1対のレッグを含み、各レッグは、ステープル先端を含み、該ステープル先端は、第1の角度α1と第2の角度α2とを規定する、上記項目のうちのいずれか一項に記載のローディングユニット。
【0025】
(摘要)
外科手術器具が開示される。器具は、ハンドルアセンブリと、内視鏡部分と、1対の顎部材と、複数のステープルとを含む。内視鏡部分は、長手方向軸を規定する。1対の顎部材は、内視鏡部分の遠位端に隣接して配置され、内視鏡部分からほぼ遠位方向に延びている。顎部材の各々は、長手方向軸に対して長手方向に湾曲させられている。顎部材のうちの少なくとも1つは、顎部材の間に身体組織を係合するために、開いた位置と接近させられた位置との間を他方に対して移動可能である。複数のステープルは、第2の顎部材内に少なくとも部分的に配置されている。ステープルの各々は、バックスパンから垂下している1対のレッグを含む。各レッグは、ステープル先端を含み、このステープル先端は、約25°と約35°との間に第1の角度α1を規定する。
【0026】
本開示の外科手術器具の様々な実施形態は、図面を参照して、本明細書中に開示される。
【発明を実施するための形態】
【0028】
詳細な説明
本開示の外科手術器具、および外科手術器具とともに使用するためのローディングユニットの実施形態が、図面を参照して詳細に記載され、図面において、類似の参照数字は、数枚の図の各々における対応する要素を表す。当該分野において一般的であるように、用語「近位」は、ユーザーまたは操作者、例えば、外科医または医師により近い、部分または構成要素を指し、用語「遠位」は、ユーザーから離れるほうにより遠い、部分または構成要素を指す。
【0029】
本開示の外科手術ステープル留め器具の第1のタイプは、
図1において、参照数字10として示されている。本開示の外科手術ステープル留め器具の別のタイプは、
図1Aおよび
図2において、参照数字10aとして示されている。さらに、明示的に示されないが、本願はまた、平行な顎部材を有する外科手術ステープル留め器具に関し、組織を接合するために使用される電気外科器具に関する。集合的に、全ての外科手術器具(外科手術ステープル留め器具10および10aを含む)は、本明細書中で「外科手術器具」と呼ばれ、参照数字10と呼ばれる。同様に、両方の外科手術ステープル留め器具に共通しているいくつかの特徴は、集合的に、同じ参照番号(例えば、ハンドルアセンブリ12、回転ノブ14、および内視鏡部分18)と呼ばれる。内視鏡外科手術ステープル留め器具のさらなる詳細は、Millimanらに対する共有に係る米国特許第6,953,139号において詳細に記載され、その内容全体は、これにより、本明細書中で参考として援用される。
【0030】
外科手術器具10との使用のためのローディングユニット500(例えば、使い捨てローディングユニットまたは再使用可能なローディングユニット)は、
図3〜
図10、および
図28〜
図30に示されている。ローディングユニット500は、例えば、外科手術器具10がより高い多機能性を有することを可能にするために、外科手術器具10の細長い部分または内視鏡部分18に取り付け可能である。ローディングユニット500は、単回使用ために構成され得、および/または1回よりも多く使用されるように構成され得る。外科手術ステープル留め器具との使用のためのローディングユニットの例は、Bolanosらに対する共有に係る米国特許第5,752,644号に開示され、その内容全体は、これにより、本明細書中で参考として援用される。示されるローディングユニットは、近位本体部分を含み、この近位本体部分は、ハンドルアセンブリを有する外科手術器具の細長い部分に取り付け可能である。しかし、ツールアセンブリは、ステープルカートリッジが取り外し可能で置き替え可能である外科手術器具に組み込まれ得、ツールアセンブリは、器具の細長い部分の分離可能な部分を含まない。
【0031】
ローディングユニット500は、近位本体部分502とツールアセンブリ504とを含む。近位本体部分502は、長手方向軸「A−A」を規定し、外科手術器具10の細長い本体部分18の遠位端に解放可能に取り付け可能である。ツールアセンブリ504は、1対の顎部材を含み、1対の顎部材は、アンビルアセンブリ506とカートリッジアセンブリ508とを含む。1つの顎部材は、他方に対して旋回可能である。例示されている実施形態において、カートリッジアセンブリ508は、アンビルアセンブリ506に対して旋回可能であり、開いた位置または締め付けられていない位置(例えば、
図4および
図6)と閉じた位置または接近させられた位置(例えば、
図8)との間を移動可能である。カートリッジアセンブリ508は、アンビルカバー510とカートリッジ518(
図10を参照のこと)との間に配置されている付勢部材、例えば、1対の圧縮ばね533を介して開いた位置に押し付けられる。
【0032】
図1および
図10を参照すると、例えば、ツールアセンブリ504は、アンビルアセンブリ506とカートリッジアセンブリ508とを含む。示されるように、アンビルアセンブリ506およびカートリッジアセンブリ508の各々は、長手方向に湾曲させられている。すなわち、アンビルアセンブリ506およびカートリッジアセンブリ508は、近位本体部分502によって規定される長手方向軸「A−A」に対して湾曲させられている。本開示の外科手術器具10の湾曲部に関して、本明細書中で用いられる場合、代表的に、ユーザーから離れるほうにより遠い、器具の部分または構成要素を指す用語「遠位」は、湾曲部の湾曲をたどる軸に沿って最も遠くにある、湾曲部の部分を指す。すなわち、湾曲部の中間にある部分が、使用中、ユーザーからより遠い場合があるが、その軸に沿って最も遠い湾曲部の部分が、「遠位」とみなされる。
【0033】
開示の実施形態において、アンビルアセンブリ506およびカートリッジアセンブリ508の両方の曲率半径は、約1.00インチと約2.00インチとの間であり、特に、約1.40インチであり得る。湾曲した顎部材は、まっすぐな顎部材と比較される場合、例えば、低位前方切除術(「LAR」)中、骨盤下部領域にアクセスすることを容易にすることを助け得る。さらに、湾曲した顎部材を含むことは、外科手術部位に対する可視性の増大を可能にし得、外科医が、その手で標的組織または顎部材自体を操作するためのより大きな空間も可能にし得る。
【0034】
図10を参照すると、アンビルアセンブリ506は、長手方向に湾曲したアンビルカバー510と、長手方向に湾曲したアンビルプレート512とを含み、長手方向に湾曲したアンビルプレート512は、複数のステープル形成くぼみ514(
図9)を含む。開示の実施形態において、アンビルカバー510およびアンビルプレート512の両方の曲率半径は、約1.00インチと約2.00インチとの間であり、特に、約1.40インチであり得る。アンビルプレート512は、アンビルカバーの裏面に固定され、プレート512とカバー510との間にチャネル511(
図8)を規定する。ツールアセンブリ504が、接近させられた位置(
図8)にある場合、ステープル形成くぼみ514は、カートリッジアセンブリ508と並んで整列して位置決めされる。
【0035】
カートリッジアセンブリ508は、長手方向に湾曲したチャネルまたはキャリアー516を含み、この長手方向に湾曲したチャネルまたはキャリアー516は、長手方向に湾曲したカートリッジ518を受け取り、これを支持する。カートリッジ518は、接着剤、スナップばめ接続、または他の接続によって、チャネルまたはキャリアーに取り付けられ得る。開示の実施形態において、キャリアー516およびカートリッジ518の両方の曲率半径は、約1.00インチと約2.00インチとの間であり、特に、約1.40インチであり得る。カートリッジ518は、1対の支持支柱524を含み、1対の支持支柱524は、カートリッジ518をキャリアー516上で安定させるために、キャリアー516の側壁517上に置かれる。支持支柱524はまた、アンビルプレート512に対するカートリッジ518の高さまたは場所を設定する。キャリアー516の外表面は、角度を付けられたカム表面516aを含む。
【0036】
カートリッジ518は、複数の側方に間隔が空けられたステープル保持スロット528を規定し、これらのステープル保持スロット528は、組織接触表面における穴として構成されている(
図7を参照のこと)。各スロット528は、その中にステープル530を受け取るように構成されている。カートリッジ518はまた、ステープルプッシャー532を収容する複数のカムウェッジスロット529(
図9を参照のこと)を規定し、複数のカムウェッジスロット529は、長手方向に湾曲した作動そり536がそれを通過することを可能にするために、底部(すなわち、組織接触表面540から離れるほう)において開放されている。
【0037】
ステープルカートリッジ518は、中央の長手方向に湾曲したスロット526と、3つの長手方向に湾曲した列のステープル保持スロット528とを含み、3つの長手方向に湾曲した列のステープル保持スロット528は、湾曲した長手方向スロット526(
図7および
図8を参照のこと)の各側に位置決めされている。開示の実施形態において、スロット526およびプッシャー532の両方の曲率半径は、約1.00インチと約2.00インチとの間であり、特に、約1.40インチであり得る。より詳しくは、作動そり536は、カムウェッジスロット529を通過し、プッシャー532をそれぞれのステープル530に向かって押し付ける。ステープルは、次に、それらのそれぞれのステープル保持スロット528から出される。
【0038】
図21および
図22を参照すると、例示されている実施形態のプッシャー532は、各々、2つ以上のステープル530を係合している。プッシャー532は、単一の遠位に位置しているトリプルプッシャー532a(
図23)と、単一の近位に位置しているダブルプッシャー532b(
図24)と、一連のトリプルプッシャー532c(1つのトリプルプッシャー532cが、
図25に示されている)とを含み、一連のトリプルプッシャー532cは、スロット526の各側において、ダブルプッシャー532bとトリプルプッシャー532aとの間に延びている。開示の実施形態において、プッシャー532a、532b、532cの部分は、それらに含まれる様々な曲率半径を含み、これらの曲率半径は、約1.00インチ〜約1.50インチの範囲にある。少なくとも1つのプッシャー532a、532b、532cは、湾曲した表面を含まず、線状に角度を付けられた表面のみを含むことも開示される。
【0039】
ステープラー10の動作中、連続した行程を通したその移動可能なハンドル22の作動は、その駆動バー30(その遠位部分は、
図2に例示されている)の遠位方向の前進を生じさせ、その結果、駆動バー30は、カートリッジ518を通して駆動アセンブリ560を押す。(移動可能なハンドル22の作動が、どうように駆動バー30の遠位方向の前進を生じさせるかのさらなる詳細は、Millimanらに対する米国特許第6,953,139号において説明され、上記特許は、本明細書中で参考として援用される)。駆動アセンブリ560の移動、特に、そこに付着している動的締め付け部材606の移動により、長手方向に湾曲した作動そり536(
図18〜
図20を参照のこと)を、カートリッジ518を通して移動させる。そり536がカートリッジ518を通って移動する場合、作動そり536の長手方向に湾曲したカムウェッジ534は、連続してプッシャー532を係合し、プッシャー532を、ステープル保持スロット528内で垂直に移動させ、ステープル530をアンビルプレート512のステープル形成くぼみ514の中に射出する。保持スロット528から(そして、組織の中へ)のステープル530の射出後、動的締め付け部材606の切断エッジ606dは、切断エッジ606dがカートリッジ518の湾曲したスロット526を通って移動するにつれて、ステープル留めされた組織を切断する。
【0040】
図8を参照すると、本開示の実施形態に従って、カートリッジ518は、組織接触表面540を含み、この組織接触表面540は、表面540a、540b、および540cを含む。表面540aは、長手方向スロット526に隣接し、組織接触表面540とアンビルプレート512の底部表面544との間に第1のギャップを規定する。表面540bは、表面540aに隣接して位置し、組織接触表面540と底部表面544との間に第2のギャップを規定する。表面540cは、カートリッジ518の外周に近接して位置し、組織接触表面540と底部表面544との間に第3のギャップを規定する。第1のギャップは、第2のギャップよりも小さく、この第2のギャップは、第3のギャップよりも小さい。アンビル506がカートリッジ508に向かって接近させられる場合、底部表面544と組織接触表面540との間に位置する組織の層は、圧縮される。第1のギャップが最も小さいので、表面540aと底部表面544との間に位置する組織は、最も圧縮される。同様に、表面540cと底部表面544との間に位置する組織は、最も圧縮されず、表面540bと底部表面544との間に位置する組織は、中程度まで圧縮される。組織接触表面540における表面540a、540b、540cの配置は、組織圧縮勾配を提供し、この勾配は、カートリッジ518の長手方向軸を横断して広がっている。
【0041】
組織接触表面540の段をつけられた配置とともに
図8、
図21、および
図22を参照すると、ステープル530の例示されている実施形態は、様々なギャップと協働するために、様々なレッグ長を含む。ステープル530aは、最も短いレッグ長を有し、表面540aと関連付けられている。同様に、ステープル530bは、中間のレッグ長を有し、表面540bと関連付けられ、ステープル530cは、最も長いレッグ長を有し、表面540cと関連付けられている。ステープル530bのレッグ長は、ステープル530aのレッグ長とステープル530cのレッグ長との間である。表面540aと底部表面544との間の組織は、最も圧縮されるので、得られる組織の厚さは、最小であり、それにより、ステープルが、組織の層を接合するために使用されるために、より短いレッグ長(すなわち、ステープル530a)を有することを可能にする。表面540bと底部表面544との間の組織の層は、中程度の圧縮まで圧縮され、得られる組織層の厚さは、ステープルが、組織の層を接合する場合に使用されるために、中間のレッグ長(すなわち、ステープル530b)を有することを可能にする。表面540cと底部表面544との間の組織の層は、最も小さい量圧縮され、他の層よりも厚く、組織の層を接合するために、最も長いレッグ長(すなわち、ステープル530c)を有するステープルを必要とする。
【0042】
特に、プッシャー532の例示されている実施形態は、プレート531a、531b、531cを含み、プレート531aは、ステープル530aと協働し、プレート531bは、ステープル530bと協働し、プレート531cは、ステープル530cと協働している。プレート531aは、プレート531bの高さよりも大きい高さを有する。さらに、プレート531bの高さは、プレート531cの高さよりも大きい。プッシャー532は、カム部材542をさらに含み、このカム部材542は、長手方向にずらされている。そり536がカートリッジ518を通って遠位方向に並進する場合、カムウェッジ534は、プッシャー532のカム部材542を係合し、それにより、カートリッジ518の長手方向軸を横断する方向にプッシャー532を押し付け、ステープル530をアンビルプレート512のステープル形成くぼみ514に向かって押し付ける。特に、カムウェッジ534は、長手方向にずらされており、その結果、カムウェッジ534が、ずらされたカム部材542を係合する場合、プッシャー532を組織接触表面540に向かって移動させるために適用される結果として生じる力は、均等に適用される。
【0043】
図21および
図22を引き続き参照すると、ステープル530a、530b、530cは、プッシャー532(例示の目的のために、
図25からのプッシャー532cが示されている)の上に乗る。さらに、各プッシャー532のカム部材542は、カム表面542aと542bとを含む。各カム表面542a、542bは、カムウェッジ534によって接触されるように構成されている。特に、
図21〜
図25を参照すると、カムウェッジ534aは、表面542aにカム作用するように構成され、カムウェッジ534bは、カム表面542bを係合するように構成され、そり536の中央セクション534cは、スロット526を通って移動するように構成されている。
【0044】
図20を参照すると、作動そり536の例示されている実施形態は、その下方表面から垂下している長手方向に湾曲した突出部535を含む。突出部535は、チャネルまたはキャリアー516のスロット515(
図10)内を移動するように構成されている。開示される実施形態において、カムウェッジ534および突出部535の両方の曲率半径は、約1.00インチと約2.00インチとの間であり、特に、約1.40インチであり得る。
【0045】
図10を参照すると、近位本体部分502は、成形された半体セクション503aおよび503bから形成される内側本体503と、駆動アセンブリ560と、駆動係止アセンブリ564とを含む。近位本体部分502は、取り付けアセンブリ570によってツールアセンブリ504に連結される。取り付けアセンブリ570は、1対の延長576を有し、1対の延長576は、キャリアー516の近位端の中に延びる。各延長576は、横断ボア578を有し、この横断ボア578は、取り付けアセンブリ570が、ピン582によってカートリッジ518に旋回可能に固定されるように、カートリッジ518における穴580と整列される。取り付けアセンブリ570は、1対の垂直な突起部584によって、半体セクション503aにしっかりと固定される。垂直な突起部584は、取り付けアセンブリ570から上向きに延び、半体セクション503aにおける対応する凹部(示されない)の中に摩擦で嵌められる。
【0046】
図10を引き続き参照すると、アンビルカバー510の例示されている実施形態は、近位方向に延びているフィンガー588を含み、この近位方向に延びているフィンガー588は、その中に形成されている1対の切り抜き590を有する。切り抜き590は、アンビルカバー510を半体セクション503aに固定することを助けるために、フィンガー588の各側面に位置決めされている。より詳しくは、半体セクション503aは、その中にチャネル505を含み、チャネル505は、1対の突起部505aを含む。アンビルカバー510のフィンガー588は、切り抜き590が突起部505aと整列するように、半体セクション503aのチャネル505を機械的に係合する。外側スリーブ602は、フィンガーおよびチャネルを覆う。フィンガー588およびチャネル505の構成は、アンビルカバー510と半体セクション503aとの間の確実な接続を容易にする。さらに、この接続により、近位本体部分502に対して移動不可能(例えば、旋回不可能)なアンビルアセンブリ506をもたらす。
【0047】
図11〜
図13を参照すると、駆動アセンブリ560は、可撓な駆動梁604を含み、この可撓な駆動梁604は、3つの積み重ねられた金属製のシート604a〜c、および近位係合部分608から構築されている。駆動梁604の少なくとも一部分は、ツールアセンブリ504の湾曲を通って前進させられるために十分に可撓である。駆動梁604は、突合わせ溶接606f(
図12)を介して動的締め付け部材606に固定されている遠位端を有する。シート604a〜cを一緒に保持するように構成されているスポット溶接606hも、
図12に示されている。
【0048】
係合セクション608は、(例えば、突合わせ溶接を介して)中間シート604bの近位部分に留められ、段をつけられた部分を含み、この段をつけられた部分は、ショルダー610を規定する。係合セクション608の近位端は、完全に対向した内方に延びているフィンガー612を含む。フィンガー612は、中空の駆動部材614を係合することにより、駆動部材614を梁604の近位端にしっかり固定する。駆動部材614は、近位ポートホール616を規定し、この近位ポートホール616は、ローディングユニット500が外科手術ステープル留め器具10に取り付けられる場合、駆動バー30(
図2を参照のこと)の制御ロッドの遠位端を受け取る。
【0049】
図14〜
図17を参照すると、動的締め付け部材606は、垂直支柱606aと、上方梁606bと、下方梁606cとを含む。ナイフまたは切断エッジ606dは、垂直支柱606aの遠位面に形成されている。例示されるように、垂直支柱606aの幅は、駆動アセンブリ560(
図12を参照のこと)の駆動梁604の幅と等しい。
図16を特に参照すると、垂直支柱606aおよびナイフ606dは、締め付け部材の第1の側方側面606eから締め付け部材606の第2の側方側面606fに向かって、長手方向に湾曲させられている。上方梁606bおよび下方梁606cの両方は、長手方向軸「A−A」に対して直線的に配置されている。
【0050】
図14〜
図17Aに例示されるように、本開示は、非対称である動的締め付け部材606の実施形態を含む。例えば、
図15および
図17に例示されている実施形態において、下方梁606cは、上方梁606bよりも厚い。この実施形態において、動的締め付け部材606は、
図17に例示されている水平軸「H−H」に関して非対称である。下方梁606cが、厚さ「T
L」を含むことが想定され、この厚さは、約0.050インチと約0.100インチとの間であり、特に、約0.068インチであり得る。上方梁606bが、厚さ「T
U」を含むことが想定され、この厚さは、約0.025インチと約0.050インチとの間であり、特に、約0.037インチである。
【0051】
非対称な動的締め付け部材606のさらなる例はまた、
図17に例示されている。この実施形態において、上方梁606bの横断断面形状は、上方平面表面606b1と下方平面表面606b2とを含む。下方梁606cの断面形状は、上方平面表面606c1と下方弓形表面606c2とを含む。この実施形態において、動的締め付け部材606は、水平軸「H−H」に関して非対称である。
【0052】
図16および
図17に示されている実施形態は、垂直支柱606aの近位部分を例示しており、垂直支柱606aの近位部分は、締め付け部材606の残りの部分に対して中心からずれている。より詳しくは、垂直支柱606aの中心は、締め付け部材606の第1の側方側面606eから約0.070インチと約0.090インチとの間(例えば、約0.080インチ)であり、締め付け部材606の第2の側方側面606fから約0.90インチと約0.110インチとの間(例えば、約0.100インチ)であることが想定される。この実施形態において、動的締め付け部材606は、
図17に例示されている垂直軸「V−V」に関して非対称である。
【0053】
図17Aを参照すると、動的締め付け部材606’が示されている。下方梁606c’は、動的締め付け部材606’の上方梁606b’よりも幅が広い。より詳しくは、下方梁606c’の幅「wl」は、約0.180インチと約0.200インチとの間であり、上方梁606b’の幅「wu」は、約0.160インチと約0.180インチとの間であることが想定される。この実施形態において、動的締め付け部材606’は、水平軸「H−H」に関して非対称である。さらに、明示的に示されないが、上方梁606b’は、本開示の動的締め付け部材606の下方梁606c’よりも幅が広いことが想定される。さらに、動的締め付け部材606’は、本開示の実施形態に従って、(長手方向に湾曲したものと比較して)長手方向に直線的であるものとして示されている。
【0054】
本開示の動的締め付け部材606の非対称な実施形態は、外科手術ステープル留め器具10またはローディングユニット500の組み立て中、動的締め付け部材606の適切な向きを確実にすることを助ける。すなわち、動的締め付け部材606は、特定の向きでのみ物理的に嵌ることができるので、動的締め付け部材606の非対称は、動的締め付け部材606がツールアセンブリ504に対して誤って配置されることを防止する。特に、非対称は、例えば、ナイフ606dが、遠位方向に向いて、カートリッジアセンブリ508とアンビルアセンブリ506との間の空間を通って移動するように位置決めされることを確実にする。
【0055】
図17Bを参照すると、本開示は、動的締め付け部材606’’の別の実施形態を含み、この動的締め付け部材606’’はまた、外科手術ステープル留め器具10またはローディングユニット500の組み立て中、動的締め付け部材606’’の適切な向きを確実にすることを助けるように構成されている。動的締め付け部材606’’は、その近位表面606iから延びている突起部607を含む。例示されている実施形態において、駆動アセンブリ560’’は、
図10〜
図13に例示されている駆動アセンブリ560’の実施形態よりも低い高さを有する。突起部607は、動的締め付け部材606’’の下方部分(すなわち、切断エッジ606d’’と反対側)において、駆動アセンブリ560’’の一方の側に対して配置されていることが示されているが、突起部607が駆動アセンブリ560’’の他方の側に配置されることが想定される。
【0056】
上で議論されるように、突起部607を含むことは、動的締め付け部材606’’の適切な向きを確実にすることを助ける。より詳しくは、取り付けアセンブリ570の延長576は、(例えば、動的締め付け部材606’’が駆動アセンブリ560’’に対して逆さまである場合)駆動アセンブリ560’’に間違って留められないように、動的締め付け部材606’’のさらなる組み立てを物理的に防止することが想定される。
【0057】
動的締め付け部材606、606’が、本明細書中で議論される非対称な特徴のうちの任意の組み合わせを含み得、動的締め付け部材606’’の突起部607も含み得ることがさらに想定される。
【0058】
図14〜
図17Aの動的締め付け部材606をさらに参照すると、上方梁606bおよび606cの各々は、各梁606bおよび606cの外方に向いている表面上に射出成形されたプラスチック材料または層を含むことが想定される。プラスチック層は、ツールアセンブリ504の作動中、動的締め付け部材606とカートリッジアセンブリ508との間、および動的締め付け部材606とアンビルアセンブリ506との間の摩擦係合の低減を提供する。
【0059】
図8に戻って参照すると、チャネル511は、締め付け部材606の上方梁606bの対応する実施形態を収容するように、それに応じた構成および寸法にされ、スロット526は、締め付け部材606の垂直支柱606aの対応する実施形態を収容するように、それに応じた構成および寸法にされている。認識され得るように、
図17Aの動的締め付け部材606の実施形態とともに使用される場合、チャネル511は狭すぎて、動的締め付け部材606の下方梁606cを収容できない。
【0060】
図10を参照すると、駆動アセンブリ560が、ツールアセンブリ504内で遠位方向に前進させられる場合、上方梁606bは、アンビルプレート512とアンビルカバー510との間に規定されるチャネル511内を移動し、下方梁606cは、キャリアー516の外部表面を覆って移動する。下方梁606cがカム表面516aを係合し、カム表面516aを覆って移動する場合、カートリッジアセンブリ508は、開いた位置から閉じた位置に旋回する。動的締め付け部材606が、ツールアセンブリ504に沿って、およびツールアセンブリ504を通って遠位方向に移動し続ける場合、アンビルプレート512とカートリッジ518との間の最大ギャップは、上方梁606b(
図12)における層606eとチャネル511を規定する下方表面との係合、および下方梁606cにおける層606gとキャリアー516の外部表面との係合によって規定される。開示の実施形態において、チャネル511の高さは、上方梁606bの高さよりも高く、動的締め付け部材606の上方表面とアンビルプレート512との間にクリアランスを提供し、その結果、動的締め付け部材600の上方梁606bは、アンビルチャネル511の上方表面および下方表面を同時に係合しない。
【0061】
図10を引き続き参照すると、ローディングユニット500は、係止機構564を含み、この係止機構564は、係止部材620と係止部材アクチュエーター622とを含む。係止部材620は、長手方向または軸方向のスロット625内に回転可能に支持され、この長手方向または軸方向のスロット625は、ローディングユニット500の内側本体503の上方ハウジング半体503aの近位部分に形成されている。係止部材620は、係止部材620が駆動アセンブリ560を発射前の位置に維持している第1の位置から、駆動アセンブリ560が軸方向に自由に移動する第2の位置に移動可能である。
【0062】
係止部材620は、半円筒形本体624を含み、この半円筒形本体624は、本体部分503の上方ハウジング半体503aに形成されている横断スロット625内にスライド可能に位置決めされる。本体624は、半径方向に内方に延びているカム部材628と、半径方向に内方に延びているフィンガー630とを含む。フィンガー630は、駆動アセンブリ560に形成されている切欠き632内に受け取られるような寸法にされている。駆動アセンブリ560の切欠き632におけるフィンガー630の係合は、駆動アセンブリ560が本体部分503内を線形に移動することを防止し、外科手術器具10へのローディングユニット500の取り付け前のローディングユニット500の作動を防止する。
【0063】
係止部材アクチュエーター622は、軸方向スロット625内にスライド可能に位置決めされ、この軸方向スロット625は、ローディングユニット500の本体部分503の上方ハウジング半体セクション503aに形成されている。アクチュエーター622は、近位アバットメント部材636と、遠位ばねガイド627と、中央カムスロット640とを含む。ハウジング半体セクション503aにおける軸方向スロット641は、係止部材620のカム部材628が係止部材アクチュエーター622のカムスロット640内にスライド可能に位置決めされるように、横断スロット625と交差している。付勢部材またはばね642は、アクチュエーター622の遠位表面と軸方向スロット641の遠位端を規定する壁641aとの間でばねガイド627の周りに位置決めされる。ばね642は、軸方向スロット641内でアクチュエーター622を第1の位置に押し付ける。第1の位置において、アバットメント部材636は、近位本体部分502(
図3)の挿入先端650に位置決めされ、カムスロット640は、係止部材620のフィンガー630が駆動アセンブリ560の切欠き632内に位置決めされるように、カム部材628を配置するように位置決めされている。
【0064】
外科手術器具10へのローディングユニット500の取り付け前、ばね642は、上に記載されるように、アクチュエーター622を第1の位置に押し付け、係止部材620をその第1の位置に維持する。ローディングユニット500の挿入先端650が、外科手術器具10の本体部分18(
図2)の開いた端に線形に挿入される場合、挿入先端650(
図3)のナブ652は、本体部分18の開いた端に形成されているスロット(示されない)を線形に通って移動する。ナブ652がスロットを通過する場合、ナブ652から角度をなしてずれているアバットメント部材636の近位端は、ナブを受け取るためのスロットを規定する壁に当接している。ローディングユニット500が、本体部分の中にさら遠くに移動する場合、係止部材アクチュエーター622は、その第1の位置からその第2の位置に移動させられる。アクチュエーター622が、その第2の位置に移動させられると、係止部材620は、駆動アセンブリ560の切欠き632と係合されているその第1の位置から、その第2の位置にカム作用させられて、フィンガー630を切欠き632から移動させる。係止部材620と係止部材アクチュエーター622とを含む係止機構は、外科手術器具10へのローディングユニット500の装填前に、ローディングユニット500の駆動アセンブリ560の前進を防止する。
【0065】
図3および
図10に例示されている実施形態において、係止部材アクチュエーター622は、そこに配置されている関節運動係止部分637を含む。特に、関節運動係止部分637は、アバットメント部材636からおおよそ直角に延びている。関節運動係止部分637は、関節運動能力を有する外科手術器具のハンドル部分の関節運動部材(示されない)の長手方向の並進を物理的に防止するように構成されている。すなわち、ローディングユニット500が、他の方法で関節運動(すなわち、細長い部分18に対する顎部材の旋回可能な移動)ができる外科手術器具10と係合される場合でさえ、ローディングユニット500の関節運動係止部分637は、関節運動部材がローディングユニット500の中に入ることを防止する。
【0066】
図10を参照すると、近位本体部分502の上方半体セクション503aは、長手方向スロット660を規定し、この長手方向スロット660は、板ばね662を受け取る。板ばね662は、外側スリーブ602によってスロット660内に閉じ込められる。板ばね662は、角度を付けられた近位端664を有し、この角度を付けられた近位端664は、駆動梁604がその後退させられた位置にある場合、駆動梁604の係合セクション608のショルダー610(
図11)に当接するように位置決めされる。上に記載されるように、駆動バー30を前進させることによって、駆動梁604が遠位方向に前進させられる場合、板ばね662は、駆動梁604のショルダー610によって上向きに曲げられ、駆動梁604の遠位方向移動を可能にする。
【0067】
図4、
図7、および
図26〜
図30を参照すると、ローディングユニット500は、組織停止700も含む。組織停止700は、本体710と、本体710から近位方向に延びている1対のレッグ720と、停止部分730と、本体710から横断して延びている1対の側方に対向している突起部740(
図26を参照のこと)と、1対のレッグ720の間に配置されているナイフチャネル750とを含む。組織停止700は、突起部740とカートリッジアセンブリ508内に配置されている対応する1対のアパーチャ(示されない)との間の係合を介して、カートリッジアセンブリ508の遠位部分に旋回可能に接続されている。カートリッジアセンブリ508は、開口部519(
図7および
図10)を含み、この開口部519は、組織停止700の両方のレッグ720を受け取るように適合されている。凹部521が、開口部519の遠位に位置決めされ、その中に組織停止700の一部分を受け取るように適合されている。凹部521および開口部519は、
図10に示されている。
【0068】
組織停止700は、顎部材が、開いた位置にある場合と対応している第1の位置(
図4)(組織停止の上方表面701が、カートリッジアセンブリ508とアンビルアセンブリ506との間に配置されている(
図4は、部分的に接近させられた位置にある顎部材を例示し、
図6は、完全に開いた位置にある顎部材を例示している))と、顎部材が、接近させられた位置にある場合と対応している第2の位置(
図30)(組織停止700の上方表面701が、カートリッジ518の組織接触表面514と実質的に同一平面にある)との間を移動可能である。(
図30において、上方表面701は、上方表面701がカートリッジアセンブリ508内にあるので、隠されている)。付勢部材760(
図10)(その一部分は、突起部740の周りに配置されている)は、組織停止700をその第1の位置に向かって押し付ける。組織停止700は、フィンガー770(
図26)も含み、このフィンガー770は、各レッグ720から遠位方向に延びている。
図27を特に参照すると、顎部材が開いた位置にある場合、組織停止700のフィンガー770は、カートリッジアセンブリ508上に配置されているリップ523を係合することにより、
図27における概ね矢印「B」の方向への、付勢部材760によって及ぼされる移動の量を制限する。
【0069】
組織停止700がその第1の位置にある場合、組織「T」は、組織停止700を遠位方向に越えたところから、アンビルアセンブリ206とカートリッジアセンブリ508との間の、組織停止700の近位の場所に、(
図28における概ね矢印「A」の方向に)近位方向に挿入可能である(
図28および
図29を参照のこと)。この位置において、カートリッジアセンブリ508の組織接触540に対して斜角(例えば、約45°と約90°との間)で配置されている停止部分730は、組織がツールアセンブリ504を遠位方向に出ていくことを妨げる。顎部材が接近させられる場合(例えば、カートリッジアセンブリ508がアンビルアセンブリ506に向かって旋回させられる場合)、組織停止700(または組織「T」)は、アンビルアセンブリ506に接触し、従って、アンビルアセンブリ506は、組織停止700がその第1の位置からその第2の位置に向かって旋回することを生じさせる。組織停止700のレッグ720は、組織停止700がその第2の位置にある場合、カートリッジアセンブリ508の開口部519内(すなわち、組織接触表面540以下)に置かれるように構成され、その結果、レッグ720は、カートリッジアセンブリ508に対して、およびアンビルアセンブリ506に対して、組織の場所の妨げとならない(すなわち、その結果、ステープルが、組織停止の上に横たわる組織へ配備されることが可能である)。カートリッジアセンブリ508がアンビルアセンブリ506から離れるほうに移動する場合、組織停止700は、付勢部材760の影響を受けて、その第1の位置に戻る。
【0070】
ナイフチャネル750にさらに関して、ナイフチャネル750は、動的締め付け部材606の垂直支柱606a(切断エッジ606dを含む)が、組織停止700の一部分を遠位方向に通り過ぎて(すなわち、少なくとも最遠位長手方向スロット528に隣接する場所に)移動することを可能にするように構成されている。さらに、ナイフチャネル750の少なくとも一部分(例えば、切断エッジ606dによって接触される部分)が、プラスチックまたは別の適切な材料でオーバーモールドされることが想定される。
【0071】
明示的に例示されていないが、組織停止700が、平行な顎および/または電気外科器具を有する外科手術器具と使用可能であることも想定される。平行な顎を有する外科手術器具の例は、Guyらに対する共有に係る米国特許第7,237,708号に記載され、その内容全体は、これにより、本明細書中で参考として援用される。電気外科器具の例は、2003年2月20日に出願された、発明の名称VESSEL SEALER AND DIVIDER AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAMEの共有に係る特許出願第10/369,894号に記載され、その内容全体は、これにより、本明細書中で参考として援用される。
【0072】
本開示は、低位前方切除術を実施するために、記載される外科手術器具10またはローディングユニット500を用いる方法に関する。そのような方法は、外科手術器具10またはローディングユニット500を提供することと、顎部材を組織に隣接して位置決めすることと、一方の顎部材(例えば、カートリッジアセンブリ508)を他方の顎部材(例えば、アンビルアセンブリ506)に対して接近させることと、駆動アセンブリ560を前進させ、その結果、動的締め付け部材606、および駆動アセンブリ560の少なくとも一部分が曲線の通路に沿って移動することにより、ステープル530が組織「T」の中に射出されることとを生じさせ、組織「T」を切断することを行うこととを含む。特定の実施形態において、顎部材は接近させられ、次に、腸の組織の内部が、洗浄されるか、または他の方法で清潔にされる。次に、組織は切断され、ステープル留めされる。このように、内部腸組織は、顎部材の場所まで清潔にされる。
【0073】
本開示は、外科手術器具10またはローディングユニット500を組み立てる方法にも関する。そのような方法は、ツールアセンブリ504の一部分と機械的係合する非対称な動的締め付け部材606、606’を位置決めすることを含み、位置決めするステップは、自動的に、非対称な動的締め付け部材606の適切な位置決めをもたらす。別の方法は、ツールアセンブリ504に対する動的締め付け部材606’’のフェイルセーフな位置決めを可能にする手法において、動的締め付け部材606’’を駆動アセンブリ560’’に取り付けることを含む。
【0074】
本開示の他の特徴は、
図31〜
図32の断面図に示されている。外科手術器具10は、作動そり536(
図31)と駆動アセンブリ560(
図32)とを含む。
【0075】
図31を特に参照すると、作動そり536の一部分に沿って得られる、外科手術器具10(例えば、ローディングユニット)の横断断面図が示されている。外科手術器具10の顎部材が示され、この顎部材は、アンビルアセンブリ506とカートリッジアセンブリ508とを含み、このカートリッジアセンブリ508は、チャネルまたはキャリアー516を含む。ここで、作動そり536は、その下方表面から垂下している突出部535を含む。(
図20はまた、作動そり536を例示し、この作動そり536は、その下方表面から垂下している突出部535を有する)。突出部535は、キャリアー516のスロット515内を移動するように構成されている。作動そり536が遠位方向に並進させられる場合、突出部535は、作動そり536が顎部材の湾曲をたどることを確実にすることを助ける。
【0076】
図32を特に参照すると、駆動アセンブリ560の一部分に沿って得られる、外科手術器具10の横断断面図が示されている。ここで、駆動アセンブリ560は、下方部分562を含み、この下方部分562は、キャリアー516のスロット515内を移動するように構成されている。さらに、駆動アセンブリ560の上方部分563は、アンビルプレート512におけるスロット513(例えば、
図31も参照のこと)内を移動するように構成されている。例えば、駆動梁604は、スロット515の中に延び、スロット513の中にも延び得る。駆動アセンブリ560の遠位方向の並進に応じて、駆動アセンブリ560の下方部分562とスロット515との間、および駆動アセンブリ560の上方部分563とスロット513との間の相互作用は、駆動アセンブリ560が顎部材の湾曲をたどることを確実にすることを助ける。駆動アセンブリ560が単一のスロット513または515のみを係合することも想定され、それは、本開示の範囲内である。上で言及されるように、これらの構造は、外科手術器具に組み込まれ得、この外科手術器具は、置換可能なアセンブリにおいて器具の顎を組み込んでいるローディングユニットを有さず、この外科手術器具において、ステープルカートリッジは、取り外し可能であり、および/または装填可能である。
【0077】
図33〜
図38を参照すると、外科手術ステープル留め器具10およびローディングユニット500との使用のための締め具またはステープル1000a〜cの様々な構成が例示されている。特に、
図33および
図34は、第1の構成を有するステープル1000aを例示し、
図35および
図36は、第2の構成を有するステープル1000bを例示し、
図37および
図38は、第3の構成を有するステープル1000cを例示している。ステープル1000a〜cの各構成は、特定の状況において、ステープル1000a〜cがカートリッジアセンブリ508から射出された後、ステープル1000a〜cの適切な形成を容易にすることが想定される。
【0078】
各ステープル1000a〜cは、それぞれ、第1のステープル先端1004a〜cを有する第1のステープルレッグ1002a〜c、第2のステープル先端1008a〜cを有する第2のステープルレッグ1006a〜c、および第1のステープルレッグ1002a〜cと第2のステープルレッグ1006a〜cとを相互接続しているバックスパン1010a〜cをそれぞれ含む。さらに、各ステープル1000a〜cは、その長さの少なくとも大部分に沿って、円形、矩形、または任意の他の規則正しい形状もしくは不規則な形状のいずれかである断面を含む。さらに、各ステープル1000a〜cは、得られるステープル1000a〜cと同じ断面を有するワイヤーから形成され得る。
【0079】
図33および
図34を特に参照すると、第1のステープル先端1004aおよび第2のステープル先端1008aは、各々、角度α1を規定し、それぞれのレッグ1002a、1006aの各々の内側部分またはエッジ1012a、1014aは、それらと整列しているステープル先端部1020aを含む。α1は、約25°と約35°との間であり、例えば、約30°と等しいことが想定される。
【0080】
図35および
図36を特に参照すると、第1のステープル先端1004bおよび第2のステープル先端1008bは、各々、角度α2を規定し、それぞれのレッグ1002b、1006bの各々の外側部分またはエッジ1013b、1015bは、それらと整列しているステープル先端部1020bを含む。α2は、約25°と約35°との間であり、例えば、約30°と等しいことが想定される。
【0081】
図37および
図38を特に参照すると、第1のステープル先端1004cおよび第2のステープル先端1008cは、各々、2つの角度α3およびα4を規定する。第1のステープル先端1004cおよび第2のステープル先端1008cが、各々、2つの角度α3およびα4を規定するこの実施形態において、ステープル先端1004cおよび1008cは、チゼル様である。各ステープルレッグ1002および1006cのステープル先端部1020cは、それぞれのレッグ1002c、1006cの、内側部分またはエッジ1012c、1014cの延長と、外側部分またはエッジ1013c、1015cの延長との間に配置されている。α3およびα4の各々は、約20°と約50°との間(例えば、約25°と約35°との間、約40°と約50°との間、または約45°と等しい)であることが想定される。α3がα4よりも大きいこと、α3がα4よりも小さいこと、およびα3がα4と等しいことまたは実質的に等しいことがさらに想定される。α3がα4と等しい実施形態または実質的に等しい実施形態において、各ステープルレッグ1002cおよび1006cのステープル先端部1020cは、それぞれのレッグ1002c、1006cの外側部分またはエッジ1013c、1015cの延長に対して、中心にあるか、または中心からずれていることが想定される。
【0082】
図10および
図39を特に参照すると、いくつかのステープル530は、カートリッジ518内の他のステープル530と異なるサイズであることが想定される。例えば、特定のステープル530の高さ「h」(
図33を参照のこと)は、約3.5mmおよび/または約4.0mmであり、他のステープルの高さは、約4.5mmおよび/または約5.0mmであることが想定される。より詳しくは、カートリッジ518の近位部分518aにおけるステープル530(例えば、ステープル保持スロット528
1a〜528
5aおよび528
1b〜528
5b)は、約4.0mmであり、カートリッジ518の他の部分におけるステープル530は、約4.5mmおよび/または約5.0mmであることが開示される。より短い(例えば、4.0mm)ステープル530は、スロット513に対して、最も外の列528
oaおよび528
obにおけるステープル保持スロット528(例えば、その中のステープル保持スロット528
1a〜528
5aおよび528
1b〜528
5b)内、ならびに/またはカートリッジ518の中間の列528
maおよび528
mbにおけるステープル保持スロット528(例えば、その中のステープル保持スロット528
1a〜528
5aおよび528
1b〜528
5b)内にのみ含まれる(すなわち、内の列528
iaおよび528
ib中のどのステープル保持スロット528内にも含まれない)ことがさらに想定される(
図8および
図39を参照のこと)。より短いステープル530(例えば、4.0mm)がスロット513(例えば、その中のステープル保持スロット528
1a〜528
5a)の湾曲の内側において含まれ、より長いステープル530(例えば、約4.5mmおよび/または約5.0mm)がスロット513(例えば、528
1b〜528
16b)の湾曲の外側において含まれることがさらに想定される。
【0083】
より短い(例えば、4.0mm)ステープル530は、外の列528
oa中のステープル保持スロット528
1a〜528
14a内、中間の列528
ma中のステープル保持スロット528
1a〜528
14a内、内の列528
ia中のステープル保持スロット528
1a〜528
12a内、内の列528
ib中のステープル保持スロット528
1b〜528
14b内に含まれ、中間(例えば、4.5mm)ステープル530は、中間の列528
mb中のステープル保持スロット528
1b〜528
16b内に含まれ、大きい(例えば、5.0mm)ステープル530は、外の列528
ob中のステープル保持スロット528
1b〜528
16b内に含まれることがさらに想定される。すなわち、この実施形態において、スロット513の湾曲の内側における保持スロット528の全ての列の中のステープル530は、全て、比較的短く(例えば、4.0mm)、スロット513の湾曲の外側における保持スロット528の内の列の中のステープル530も、比較的短く(例えば、4.0mm)、スロット513の湾曲の外側における保持スロット528の中間の列の中のステープル530は、比較的中間であり(例えば、4.5mm)、スロット513の湾曲の外側における保持スロット528の外の列の中のステープル530は、比較的大きい(例えば、5.0mm)。
【0084】
ステープルのサイズは、ステープルラインの形状に従って変更され得ることが企図される。上で議論されるように、例えば、ステープルカートリッジ518は、ある構成でカートリッジに配置されている様々なサイズのステープルを有する。(
図39を参照のこと)。ステープルは、ナイフスロット513の両側において、列をなして配置され、カートリッジ518、ならびにステープルの列およびステープル保持スロットの列は、湾曲させられている。湾曲したナイフスロット513の内側においてステープルの列および保持スロットの列が存在し、湾曲したナイフスロット513の外側においてステープルの列および保持スロットの列が存在する。湾曲したナイフスロットの内側において列をなしているステープルは、湾曲したナイフスロットの外側において列をなしているステープルと異なる構成を有し得る。上で議論される例において、(内側における)スロット528
1aから528
14a中のステープルは、(外側における)スロット528
1bから528
16b中のステープルと異なるサイズを有し得る。示される例において、内側において3列、および外側において3列が存在する。様々な列におけるステープルのサイズは、様々であり得、内側における構成は、外側についての構成と異なっている。
【0085】
ステープルスロットの列およびステープルの列は、近位部分と遠位部分とを有し得る。湾曲したナイフスロットの内側における保持スロット中のステープルは、湾曲したナイフスロットの内側における保持スロット中のステープルと異なる構成を有し得る。例えば、(内側における)スロット528
1aから528
14a中のステープルが、予め選択されたサイズを有し得るのに対して、(外側における)スロット528
1bから528
16b中のステープルは、列の各々において異なるサイズを有し得ることが企図される。従って、この例は、内側における保持スロットの全てにおけるステープルが、4.0mmのステープルであるのに対して、外側における保持スロット中のステープルは、4.0mm、4.5mm、および5.0mmであるということである。
【0086】
別の例において、内側における保持スロットの全てにおけるステープルは、4.0mm、4.0、および3.5のステープルであるのに対して、外側における保持スロット中のステープルは、3.5mm、4.0mm、および4.5mmである。
【0087】
さらなる例において、スロット528
1aから528
5aにおけるステープルが全て4.0mmのステープルであるということを除いて、ナイフスロット513に最も近い列における保持スロット中のステープルは、4.0mmのステープルであり、ナイフスロットから最も遠い列における保持スロット中のステープルは、5.0mmのステープルであり、(ナイフスロットに最も近いステープルとナイフスロットから最も遠いステープルとの間における)中間の列の保持スロット中のステープルは、4.5mmのステープルであることが企図される。湾曲したナイフスロットの内側における、より少ない、またはそれ以下のステープルスロットが、そのような態様で変更され得ることが企図される。
【0088】
ステープルの構成が、異なる意味で変更され得ることも企図される。すなわち、ステープルを作製するために使用されるワイヤーの直径(または幅)が、変更され得るか、またはステープルが、異なる材料から作製され得る。
【0089】
さらに、いくつかのステープル530が、カートリッジ518内の他のステープル530と異なるサイズである実施形態において、カートリッジ518は、その中にステープル530、1000a、1000bおよび/または1000cを含み得ることが想定される。カートリッジ518内に、他のステープル530、1000a〜cと異なるサイズであるいくつかのステープル530、1000a〜cを有することは、特定の状況において、ステープルがカートリッジアセンブリ508から射出された後のステープルの適切な形成をさらに容易にすることが想定される。特に、単一のカートリッジ518は、単一角度の先端を有する4.0mmのステープル(例えば、
図33および
図34のステープル1000a、ならびに
図35および
図36のステープル1000b)、ならびに二重角度の先端を有する4.5mmおよび/または5.0mmのステープル(例えば、
図37および
図38のステープル1000c)を含むことが想定される。
【0090】
上の記載は、多くの詳細を含むが、これらの詳細は、本開示の範囲において限定するものと解釈されるべきではなく、単に、その様々な実施形態の例示と解釈されるべきである。従って、上の記載は、限定するものではなく、単に様々な実施形態の例証と解釈されるべきである。当業者は、ここに添付される特許請求の範囲の趣旨および範囲内で他の改変を想定する。