特許第6484057号(P6484057)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6484057
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】シャッター一体サッシ
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/06 20060101AFI20190304BHJP
【FI】
   E06B9/06 610H
   E06B9/06 610M
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-29094(P2015-29094)
(22)【出願日】2015年2月17日
(65)【公開番号】特開2016-151134(P2016-151134A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2017年8月24日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 正義
(72)【発明者】
【氏名】田中 一範
【審査官】 佐々木 龍
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−179263(JP,A)
【文献】 特開2002−194968(JP,A)
【文献】 特開平07−119371(JP,A)
【文献】 特開平10−184233(JP,A)
【文献】 実開昭62−014078(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第00771928(EP,A1)
【文献】 特開2007−070942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00
E06B 9/02
E06B 9/06−9/18
E06B 9/40−9/50
E06B 9/56−9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取軸収納シャッター部一体サッシ枠と、シャッター下枠と、シャッター縦枠と、シャッター巻取軸と、シャッターボックスカバーとを備え、巻取軸収納シャッター部一体サッシ枠は、サッシ縦枠がサッシ上枠の上方に延在し、シャッター上枠、サッシ上枠、サッシ下枠と枠組みしたものであり、シャッター下枠はサッシ下枠の室外側に取り付けてあり、シャッター縦枠はシャッター縦枠本体とガイドレールを有し、シャッター縦枠本体は、サッシ縦枠の室外側前面に取り付けて、サッシ縦枠よりも室外側に位置しており、シャッター上枠とシャッター下枠間に設けてあり、ガイドレールは、シャッター縦枠本体の室外側に取り付けて、シャッター下枠からサッシ上枠まで延びており、シャッター巻取軸は、その中心がサッシ縦枠の室外側端よりも室内側に位置し、シャッターボックスカバーは、ガイドレール上方を覆う側面部を有し、シャッター上枠に着脱自在に取り付けてあり、巻取軸収納シャッター部一体サッシ枠が躯体に対して略納まり、全体として半外付けで取り付けてあることを特徴とするシャッター一体サッシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター一体サッシに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1のシャッター一体サッシは、シャッターボックス部分が躯体から大きく飛び出している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】第394頁「三協アルミ 住宅建材 ウインドウ 総合カタログ マディオJ・M 引違い窓・装飾窓・アクセントシリーズ・出窓・勝手口・天窓 [在来/2×4] 2014→2015」カタログNo.STJ0955B 三協立山株式会社 三協アルミ社 2014年9月発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、シャッターボックス部分の躯体からの出幅が小さく、スッキリとした外観意匠のシャッター一体サッシが求められていた。
【0005】
そこで、本発明は、シャッターボックス部分の出幅が小さくスッキリとした意匠にできるシャッター一体サッシの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、巻取軸収納シャッター部一体サッシ枠と、シャッター下枠と、シャッター縦枠と、シャッター巻取軸と、シャッターボックスカバーとを備え、巻取軸収納シャッター部一体サッシ枠は、サッシ縦枠がサッシ上枠の上方に延在し、シャッター上枠、サッシ上枠、サッシ下枠と枠組みしたものであり、シャッター下枠はサッシ下枠の室外側に取り付けてあり、シャッター縦枠はシャッター縦枠本体とガイドレールを有し、シャッター縦枠本体は、サッシ縦枠の室外側前面に取り付けて、サッシ縦枠よりも室外側に位置しており、シャッター上枠とシャッター下枠間に設けてあり、ガイドレールは、シャッター縦枠本体の室外側に取り付けて、シャッター下枠からサッシ上枠まで延びており、シャッター巻取軸は、その中心がサッシ縦枠の室外側端よりも室内側に位置し、シャッターボックスカバーは、ガイドレール上方を覆う側面部を有し、シャッター上枠に着脱自在に取り付けてあり、巻取軸収納シャッター部一体サッシ枠が躯体に対して略納まり、全体として半外付けで取り付けてあることを特徴とするシャッター一体サッシである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、巻取軸収納シャッター部一体サッシ枠は、サッシ縦枠がサッシ上枠の上方に延在し、シャッター上枠、サッシ上枠、サッシ下枠と枠組みしてあり且つシャッター巻取軸の回転中心がサッシ縦枠の室外側端よりも室内側に位置し、更に、巻取軸収納シャッター部一体サッシ枠が躯体に対して略納まり、全体として半外付けで取り付けてあるから、シャッターボックス部分の躯体からの出幅を小さくでき、スッキリとした意匠にできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施の形態にかかるシャッター一体サッシの縦断面図である。
図2図1に示すA−A断面図である。
図3】第1実施の形態にかかるシャッター一体サッシの枠材を兼用した一般サッシの縦断面図である。
図4図3に示す一般サッシの横断面図である。
図5】本発明の第2実施の形態にかかるシャッター一体サッシの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明するが、まず、図1図4を参照して本発明の第1実施の形態を説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施の形態にかかるシャッター一体サッシ1は、躯体2の開口部2aに取り付けるものであり、シャッター一体サッシ1は、全体が躯体2に対して、半外付けで取り付けてある。
シャッター一体サッシ1は、巻取軸収納シャッター部一体サッシ枠3と、シャッター巻取軸5と、シャッター縦枠7と、シャッター下枠9とを備えている。
巻取軸収納シャッター部一体サッシ枠3は、躯体2に対して略納まり、シャッター上枠11、サッシ上枠13、サッシ下枠15、サッシ縦枠17、17を枠組みしてある。
サッシ上枠13、サッシ下枠15、サッシ縦枠17、17でサッシ枠19を構成しており、サッシ枠19内には、引き違い障子の内障子21及び外障子23が設けてある。また、サッシ上枠13には外障子23の室外側に網戸レール25aが設けてあり、サッシ下枠15には外障子23の室外側に網戸レール25bが設けてあり、網戸レール25a、25b間には網戸27が取り付けてある。
サッシ上枠13及びサッシ下枠15には、外障子23の室外側に網戸レール25a、25bが設けてあり、網戸レール25a、25bには網戸27が取り付けてある。
サッシ縦枠17、17は、図1に二点鎖線の斜線で示すように、サッシ下枠15からサッシ上枠13の上方に延在し、シャッター上枠11に亘って設けてある。図2に示すように、本実施の形態では、サッシ縦枠17、17はソリッド形材である。
図1に示すように、シャッター上枠11、サッシ上枠13、サッシ下枠15は、サッシ縦枠17、17の室内外方向で重合する位置関係でサッシ縦枠17、17に連結してある。即ち、サッシ縦枠17、17と、サッシ上枠13、サッシ下枠15は、室内外方向寸法(見込寸法)が略同じ寸法としてあり、且つ各室内側端及び室外側端が略一致する位置で取り付けてある。また、シャッター上枠11は、サッシ縦枠17、17と各室内側端を略一致する位置で取り付けてあり且つサッシ上枠13よりも室内外寸法が僅かに大きくしてある。
サッシ上枠13の上面には、シャッターボックス39(後述する)内の排水を図るシャッター補助枠29がねじ31で取り付けてあり、シャッター補助枠29には、サッシ上枠13の網戸レール25aに対応する位置を基端部33aとして網戸レール25aよりも室外側に突設するスラットストッパー33が設けてある。スラットストッパー33の先端部33bには、シャッタースラット37(後述する)に室内側から当接する気密材35が取り付けてある。
【0010】
シャッター巻取軸5は、シャッタースラット37を巻き取る軸であり、サッシ上枠13の上方に設けて、シャッターボックス39内に納めてある。シャッター巻取軸5の回転中心Mは、サッシ縦枠17の室外側端17bよりも室内側に位置している。本実施の形態では、シャッター巻取軸5の回転中心Mは、サッシ縦枠17の室外側端17bよりもT寸法分室内側に位置している。寸法Tは、0よりも大きい寸法である。
シャッターボックス39は、シャッターボックスカバー41と、シャッター縦枠7の上部(サッシ上枠13よりも上側部)7a、サッシ縦枠17の上部17a(サッシ上枠13よりも上側部)及び背面板43で構成してある。
シャッターボックスカバー41は、ガイドレール47の上方を覆い、シャッター上枠11に着脱自在に取り付けてある。このシャッターボックスカバー41は、シャッターボックス39の室外側正面を覆う正面部41aと、ガイドレール47の上方を覆う側面キャップ(側面部)41bを有している。
側面キャップ41bの室内側には、シャッター縦枠本体46の上部7a、サッシ縦枠17の上部17aがこの順序で連続して設けてあり、シャッターボックス39の側面を塞いでいる。
【0011】
図1に示すように、シャッター縦枠7は、シャッター縦枠本体46とガイドレール47を有し、各シャッター縦枠本体46はサッシ縦枠17の室外側でシャッター上枠11まで通して取り付けてある。
シャッター縦枠本体46の室外側端部には、シャッタースラット37を案内するガイドレール47が取り付けてある。
ガイドレール47は、シャッター縦枠本体46に取り付けて、シャッター下枠9からサッシ上枠13まで延びている。ガイドレール47には上下方向の溝47aが形成してあり、溝47aでシャッタースラット37の上下移動を案内する。
【0012】
図1に示すように、サッシ下枠15には、その室外側にシャッター下枠9が取り付けてある。このシャッター下枠9には、シャッタースラット37の座板49を受ける溝9aが形成してある。
尚、シャッター縦枠7、7シャッター下枠9、シャッター上枠11でシャッター枠40を構成している。
本実施の形態では、シャッター下枠9には、水切り51が一体に形成してある。水切り51はサッシ下枠15と共同して形成した中空部51aと、水抜き孔部51bを有し、水切り51の中空部51aは、サッシ下枠15の中空部15aとサッシ下枠15の水抜き孔部15bにより連通してあり、サッシ下枠15の中空部15aに溜まった水を水切り51の中空部51aを介して、水切り51の水抜き孔部51bから排水する。
【0013】
次に、上述したシャッター一体サッシ1で使用した、サッシ上枠13、サッシ下枠15、サッシ縦枠17、17と同種の枠材を使用した一般サッシ(シャッターのないサッシ)61の組み立てについて説明する。この一般サッシ61は、網戸付きの引き違いサッシである。
図3及び図4に示すように、一般サッシ61は、サッシ上枠13、サッシ下枠15、左右のサッシ縦枠17、17を連結してサッシ枠19を組み立ててある。サッシ枠19内には内障子21及び外障子23が設けてあり、サッシ上枠13の網戸レール25aとサッシ下枠15の網戸レール25b間には、網戸27が取り付けてある。
図3に示す一般サッシ61では、サッシ上枠13にシャッター補助枠29を取り付けていないことが図1に示すシャッター一体サッシ1と異なっており、図3に示すサッシ上枠13には、図1に示すサッシ上枠13と同種のものを用いている。
図3に示すように、サッシ下枠15には、図1に示すサッシ上枠13と同種のものを用いている。
図4に示すように、一般サッシ61では、左右のサッシ縦枠17、17にはシャッター縦枠7が取り付けていないことが図2に示すシャッター一体サッシ1のサッシ縦枠17、17と異なっており、図4に示すサッシ縦枠17には、図2に示すサッシ縦枠17と同種のものを用いているが、シャッター一体サッシ1のサッシ縦枠17よりも上下方向の寸法を短く切断して用いている。
したがって、図3及び図4に示す一般サッシ61は、サッシ上枠13、サッシ下枠15、サッシ縦枠17にシャッター一体サッシ1と同種の枠材を用いて組み立てることができる。
【0014】
次に、第1実施の形態にかかるシャッター一体サッシ1の作用及び効果について説明する。
図1に示すように、巻取軸収納シャッター部一体サッシ枠3は、サッシ縦枠17がサッシ上枠13の上方に延在し、シャッター上枠11、サッシ上枠13、サッシ下枠15と枠組みしてあり且つシャッター巻取軸5の回転中心Mがサッシ縦枠17の室外側端17bよりも室内側に位置し、更に、巻取軸収納シャッター部一体サッシ枠3が躯体2に対して略納まり、シャッター一体サッシ1が全体として半外付けで取り付けてあるから、シャッターボックス39部分の躯体2からの出幅を小さくでき、スッキリとした意匠にできる。
サッシ縦枠17に対してシャッター縦枠7を別体に取り付けているから、本発明のサッシ枠9を一般サッシ61のサッシ枠19とで、上下左右の枠材を兼用でき、設備投資が抑えられ、コストダウンを図ることができる。
【0015】
巻取軸収納シャッター部一体サッシ枠3は、サッシ縦枠17、17がサッシ上枠13の上方に延在し、シャッター上枠11、サッシ上枠13、サッシ下枠15と枠組みしているから、サッシ縦枠17は上下寸法を所定寸法で切断するだけで済み、サッシ縦枠17、17に格別の加工が不要となり、コストダウンを図ることができる。
図1に示すように、シャッター一体サッシ1は、シャッターボックス39が躯体2から突出する出幅寸法Wを従来よりも小さくしているから、シャッターボックス39の荷重負担を躯体2に預けることができる。したがって、サッシ縦枠17にかかる荷重負担を小さくできるから、サッシ縦枠17にソリッド形材を使用できる。ソリッド形材はホロー形材に比較して材料の使用量が少なくて済むのでコストダウンを図ることができると共に開口部を広くできる。
シャッター縦枠本体46をシャッター上枠11まで延在して通しで取り付けているから、シャッターボックス39の側面でシャッター縦枠本体46に継ぎ目ができないので、止水性に問題が生じない。
シャッター縦枠本体46が、サッシ縦枠17の室外側に取り付けてあると共に、シャッター上枠11まで通して取り付けてあるから、巻取軸収納シャッター部一体サッシ枠3の強度を向上させることができ、重量物が収納される巻取軸収納シャッター部の強度も向上させることができる。したがって、サッシ縦枠17をソリッド形状とすることができる。
シャッター縦枠本体46をシャッター上枠11まで通して設けると共に、ガイドレール47はシャッター縦枠本体46と一体としないで且つサッシ上枠13までの寸法のものをシャッター縦枠本体46に取り付ける構成としているから、ガイドレール47をシャッター縦枠本体46と一体としてシャッター上枠11まで通して設ける場合に比較して、ガイドレール47をサッシ上枠13からシャッター上枠11までを切断加工する手間が生じないので、コストダウンを図ることができる。
シャッター下枠9には、中空部51aを形成した水切り51を一体に設けてあり、中空部51aはサッシ下枠15の中空部15aと水抜き孔部15bを介して連通しているから、シャッター一体サッシ1の水密性を高めることができる。
【0016】
以下に本発明の他の実施の形態を説明するが、以下に説明する実施の形態において、上述した第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付することによりその部分の詳細な説明を省略し、以下の説明では第1実施の形態と主に異なる点を説明する。
図5に第2実施の形態にかかるシャッター一体サッシ1を示す。この第2実施の形態では、サッシ上枠13にシャッター一体サッシ専用の枠を用いている。即ち、サッシ上枠13にはシャッター補助枠29が一体に形成してあり、スラットストッパー33はサッシ上枠13に一体に形成してある。
この第2実施の形態によれば、サッシ上枠13を一般サッシ61に兼用できるという効果を除いて、上述した第1実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0017】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
本発明にかかるシャッター一体サッシ1は、引き違いサッシにシャッターを設けたものに限らず、シャッターを設けるサッシは、内倒し窓や上げ下げ窓等であっても良く、窓種は制限されない。
シャッター巻取軸5の回転中心Mは、サッシ縦枠17の室外側端17bよりも室内側に位置すればよく、シャッター巻取軸5の回転中心Mとサッシ縦枠17の室外側端17bとの間隔Tの寸法は、0よりも大きい数値であれば良く、特に制限されない。
【符号の説明】
【0018】
1 シャッター一体サッシ
3 巻取軸収納シャッター部一体サッシ枠
5 シャッター巻取軸
7 シャッター縦枠
9 シャッター下枠
11 シャッター上枠
13 サッシ上枠
15 サッシ下枠
17 サッシ縦枠
17b 室外側端
41 シャッターボックスカバー
41b 側面キャップ(側面部)
46 シャッター縦枠本体
47 ガイドレール
図1
図2
図3
図4
図5