特許第6484062号(P6484062)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ハーマンの特許一覧

特許6484062コンロバーナと天板部との間のシール構造
<>
  • 特許6484062-コンロバーナと天板部との間のシール構造 図000002
  • 特許6484062-コンロバーナと天板部との間のシール構造 図000003
  • 特許6484062-コンロバーナと天板部との間のシール構造 図000004
  • 特許6484062-コンロバーナと天板部との間のシール構造 図000005
  • 特許6484062-コンロバーナと天板部との間のシール構造 図000006
  • 特許6484062-コンロバーナと天板部との間のシール構造 図000007
  • 特許6484062-コンロバーナと天板部との間のシール構造 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6484062
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】コンロバーナと天板部との間のシール構造
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/02 20060101AFI20190304BHJP
   F24C 15/10 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   F24C3/02 H
   F24C15/10 B
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-34033(P2015-34033)
(22)【出願日】2015年2月24日
(65)【公開番号】特開2016-156548(P2016-156548A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2018年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】高砂 賀裕
【審査官】 根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−285626(JP,A)
【文献】 特開2003−343842(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0152231(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3133092(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/00−3/14
F24C 9/00−15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンロバーナと、前記コンロバーナが設けられるコンロ本体の天板部とを備え、
前記天板部には、前記コンロバーナが挿通するバーナ挿通口が形成され、
前記コンロバーナは、その上端部が前記バーナ挿通口を挿通し、前記バーナ挿通口の内周縁と前記コンロバーナの外周縁との間に平面視環状をした隙間が形成され、
前記天板部の前記バーナ挿通口の周縁部の上面に載置されて配置される外周部と、前記コンロバーナの前記上端部の外周面にシール材を介して当接する内端面とを有し、平面視において前記隙間を覆う環状をしたバーナリングを備えるものであり、
前記天板部の前記上面には、平面視において、前記バーナリングに覆われる部分の前記バーナ挿通口の周りに堰部が設けられ、
前記バーナリングの下面には、平面視において、前記堰部に対応する位置に、上方に凹み前記堰部を収容可能な収容部が設けられ、
前記バーナリングの前記天板部の前記上面と当接する前記下面は非シール面となり、
前記収容部の前記バーナ挿通口の内外方向の内面間隔は、前記堰部の前記内外方向の長さよりも所定長さ長いことを特徴とするコンロバーナと天板部との間のシール構造。
【請求項2】
コンロバーナと、前記コンロバーナが設けられるコンロ本体の天板部とを備え、
前記天板部には、前記コンロバーナが挿通するバーナ挿通口が形成され、
前記コンロバーナは、その上端部が前記バーナ挿通口を挿通し、前記バーナ挿通口の内周縁と前記コンロバーナの外周縁との間に平面視環状をした隙間が形成され、
前記天板部の前記バーナ挿通口の周縁部の上面に載置されて配置される外周部と、前記コンロバーナの前記上端部の外周面にシール材を介して当接する内端面とを有し、平面視において前記隙間を覆う環状をしたバーナリングを備えるものであり、
前記天板部は、トッププレートと、前記トッププレートとは別体の堰部材と、を備え、
前記トッププレートには、前記コンロバーナが挿通可能な窓孔が形成され、
前記堰部材は、前記窓孔に挿通されて、内部が前記バーナ挿通口となる筒部を備え、
前記筒部の上端縁が前記トッププレートの前記窓孔の周縁部の上面よりも高い位置に位置するように前記窓孔に挿通されて、前記トッププレートと前記堰部材との間の隙間を閉塞するシール材が介在した状態で、前記堰部材が前記トッププレートに固定され、
前記筒部が堰部となり、
前記バーナリングの下面には、平面視において、前記堰部に対応する位置に、上方に凹み前記堰部を収容可能な収容部が設けられ、
前記バーナリングの前記天板部の前記上面と当接する前記下面は非シール面となり、
前記収容部の前記バーナ挿通口の内外方向の内面間隔は、前記堰部の前記内外方向の長さよりも所定長さ長いことを特徴とするコンロバーナと天板部との間のシール構造。
【請求項3】
前記トッププレートがガラスで形成され、前記堰部材が金属で形成されることを特徴とする請求項2記載のコンロバーナと天板部との間のシール構造。
【請求項4】
前記トッププレートに複数の前記窓孔が形成され、
前記堰部材は、前記トッププレートの下側に配置される下配置部材を備え、前記下配置部材から複数の前記窓孔に挿通される複数の前記筒部が設けられることを特徴とする請求項2または3記載のコンロバーナと天板部との間のシール構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンロバーナと天板部との間のシール構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガスコンロにおいて、コンロバーナと、コンロバーナが設けられるコンロ本体の天板部とを備え、天板部にバーナ挿通口が形成され、バーナ挿通口の内周縁と、バーナ挿通口を挿通するコンロバーナの外周縁との間に、平面視環状をした隙間が形成され、この隙間をバーナリングで覆う構造が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
天板部のバーナ挿通口の周縁部の上面に、バーナリングの外周部が載置されて配置されている。バーナリングの内端面は、コンロバーナの上端部の外周面にシール材を介して当接している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−269730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このものにあっては、外周部と天板部の上面との間には特にシール材が設けられておらず、天板部の上面に零れた煮汁等は、外周部と天板部の上面との間の隙間を通ってバーナ挿通口に浸入する惧れがあった。
【0006】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、天板部の上面に零れた煮汁等がバーナ挿通口に浸入するのが抑制される、コンロバーナと天板部との間のシール構造を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、コンロバーナと、前記コンロバーナが設けられるコンロ本体の天板部とを備え、前記天板部には、前記コンロバーナが挿通するバーナ挿通口が形成され、前記コンロバーナは、その上端部が前記バーナ挿通口を挿通し、前記バーナ挿通口の内周縁と前記コンロバーナの外周縁との間に平面視環状をした隙間が形成され、前記天板部の前記バーナ挿通口の周縁部の上面に載置されて配置される外周部と、前記コンロバーナの前記上端部の外周面にシール材を介して当接する内端面とを有し、平面視において前記隙間を覆う環状をしたバーナリングを備えるものであり、前記天板部の前記上面には、平面視において、前記バーナリングに覆われる部分の前記バーナ挿通口の周りに堰部が設けられ、前記バーナリングの下面には、平面視において、前記堰部に対応する位置に、上方に凹み前記堰部を収容可能な収容部が設けられ、前記バーナリングの前記天板部の前記上面と当接する前記下面は非シール面となり、前記収容部の前記バーナ挿通口の内外方向の内面間隔は、前記堰部の前記内外方向の長さよりも所定長さ長いことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、コンロバーナと、前記コンロバーナが設けられるコンロ本体の天板部とを備え、前記天板部には、前記コンロバーナが挿通するバーナ挿通口が形成され、前記コンロバーナは、その上端部が前記バーナ挿通口を挿通し、前記バーナ挿通口の内周縁と前記コンロバーナの外周縁との間に平面視環状をした隙間が形成され、前記天板部の前記バーナ挿通口の周縁部の上面に載置されて配置される外周部と、前記コンロバーナの前記上端部の外周面にシール材を介して当接する内端面とを有し、平面視において前記隙間を覆う環状をしたバーナリングを備えるものであり、前記天板部は、トッププレートと、前記トッププレートとは別体の堰部材と、を備え、前記トッププレートには、前記コンロバーナが挿通可能な窓孔が形成され、前記堰部材は、前記窓孔に挿通されて、内部が前記バーナ挿通口となる筒部を備え、前記筒部の上端縁が前記トッププレートの前記窓孔の周縁部の上面よりも高い位置に位置するように前記窓孔に挿通されて、前記トッププレートと前記堰部材との間の隙間を閉塞するシール材が介在した状態で、前記堰部材が前記トッププレートに固定され、前記筒部が堰部となり、前記バーナリングの下面には、平面視において、前記堰部に対応する位置に、上方に凹み前記堰部を収容可能な収容部が設けられ、前記バーナリングの前記天板部の前記上面と当接する前記下面は非シール面となり、前記収容部の前記バーナ挿通口の内外方向の内面間隔は、前記堰部の前記内外方向の長さよりも所定長さ長いことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記トッププレートがガラスで形成され、前記堰部材が金属で形成されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項2または3に係る発明において、前記トッププレートに複数の前記窓孔が形成され、前記堰部材は、前記トッププレートの下側に配置される下配置部材を備え、前記下配置部材から複数の前記窓孔に挿通される複数の前記筒部が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明にあっては、天板部の上面のバーナ挿通口の周りに堰部が設けられるため、天板部の上面に零れた煮汁等がバーナ挿通口からコンロ本体内に浸入するのが抑制される。また、収容部の内面間隔が堰部よりも長いため、コンロバーナと天板部との位置関係にばらつきが生じても、バーナリングのコンロバーナおよび天板部への取り付けに支障をきたさない。
【0012】
請求項2に係る発明にあっては、天板部の上面のバーナ挿通口の周りに堰部が設けられるため、天板部の上面に零れた煮汁等がバーナ挿通口からコンロ本体内に浸入するのが抑制される。また、収容部の内面間隔が堰部よりも長いため、コンロバーナと天板部との位置関係にばらつきが生じても、バーナリングのコンロバーナおよび天板部への取り付けに支障をきたさない。また、堰部材をトッププレートに固定して堰部を形成するため、天板部に堰部を容易に形成することができる。
【0013】
請求項3に係る発明にあっては、トッププレートがガラスで形成される場合、堰部を形成するのは容易ではないところ、別体の堰部材を設けて堰部を容易に形成することができる。
【0014】
請求項4に係る発明にあっては、下配置部材に複数の筒部が設けられることにより、堰部を効率的に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は本発明の第一実施形態のガスコンロの斜視図である。
図2図2は本発明の第一実施形態のガスコンロの平面図である。
図3図3は第一実施形態のガスコンロのコンロバーナを設けた部分の拡大断面図である。
図4図4は第一実施形態のバーナへのガスの供給を説明する説明図である。
図5図5は第一実施形態の天板部、バーナリング、堰部材、リング固定部材の分解斜視図である。
図6図6は第二実施形態のガスコンロのコンロバーナを設けた部分の拡大断面図である。
図7図7は第二実施形態の天板部、バーナリング、堰部材、リング固定部材の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を図1乃至図5に示す第一実施形態に基いて説明する。第一実施形態におけるガスコンロは、一般的に広く利用されているグリル付きガスコンロとして説明するが、グリルを備えていないガスコンロであってもよい。また、キッチンカウンターにビルトインされるもの、されないもののいずれであってもよい。
【0017】
ガスコンロ1は、図1に示すように、コンロバーナ2と、コンロバーナ2が設けられるコンロ本体10と、を備える。
【0018】
コンロ本体10は、上面の全面または一部に、上方へ向けた開口を有する筐体状をしたものである。コンロ本体10は、第一実施形態では平面視矩形状をしているが、形状は特に限定されず、また、側壁や底壁の一部を有しなくてもよい。コンロ本体10には、その上面の開口を閉塞する天板部11が設けられる。
【0019】
第一実施形態では、天板部11は、コンロ本体10と同様の平面視矩形状をしており、コンロ本体10と同様の形状をしていることが好ましいが、特に限定されない。また、天板部11は、ガラスで形成されているが、金属やその他の材質で形成されたり、あるいは複数の材質が組み合わされて形成されてもよく、特に限定されない。例えば、天板本体をなすトッププレートがガラスで形成され、トッププレートに金属や樹脂等からなる枠部やその他の部材が取り付けられて、天板部11が形成されてもよい。
【0020】
天板部11には、図2に示すように、コンロバーナ2が挿通するバーナ挿通口12が形成される。第一実施形態では、バーナ挿通口12は、平面視において円形状をしており、コンロバーナ2の形状と同じで、図3に示すように、コンロバーナ2の外周縁25よりも大きい。また、後述するが、第一実施形態では、トッププレート110に平面視円形状をした、コンロバーナ2が挿通可能な窓孔111が形成され、この窓孔111に堰部材60(後述する)が装着されて、堰部材60の内部にバーナ挿通口12が形成されている。なお、バーナ挿通口12の平面視形状は、特に限定されないが、コンロバーナ2の外周縁25に沿っていることが好ましい。
【0021】
また第一実施形態では、バーナ挿通口12は、天板部11の手前の左側と、中央の奥と、手前の右側に、計三個設けられている。
【0022】
天板部11は、バーナ挿通口12以外の部分においては、煮汁等の液体が上下に挿通しないように形成される。また、天板部11は、上面が面一となっていることが好ましい。この天板部11とコンロ本体10とにより、ガスコンロ1の外殻が構成される。
【0023】
コンロバーナ2は、コンロ本体10に固定される。第一実施形態では、図1図4に示すように、コンロバーナ2は、バーナ本体20上にバーナキャップ21が着脱自在に載置されて構成される。バーナ本体20は、二重筒で囲まれる平面視環状をして上方に開口する空間を有しており、その上にバーナキャップ21が載置されることで、空間の上方への開口が閉塞されて混合室が形成される。バーナキャップ21は、その下面に放射状に複数の炎孔用溝が凹設されており、バーナ本体20の上に載置されることにより、バーナ本体20の上端面と炎孔用溝とで囲まれる炎孔23が形成される。
【0024】
バーナ本体20には、図4に示すように、混合管24が一体に形成され、混合管24の内部と混合室とが連通している。混合管24の上流端には、流入開口が形成され、この流入開口に一次空気が挿通可能な空気供給用間隙24aをあけてガスノズル43が配置される。
【0025】
コンロバーナ2は、図1に示すように、その上端部がバーナ挿通口12を挿通する。第一実施形態では、バーナキャップ21およびバーナ本体20の上部がバーナ挿通口12を挿通して、天板部11の上面よりも上方に突出している。図1に示すように、天板部11の手前の左側に高火力コンロバーナ2aが設けられ、中央の奥に小火力コンロバーナ2bが設けられ、手前の右側に高火力コンロバーナ2cが設けられている。そして、図3に示すように、天板部11のバーナ挿通口12の内周縁12aと、コンロバーナ2の上端部の外周縁25との間に、平面視環状をした隙間13が形成されるものである。
【0026】
天板部11上に、図1に示すように、五徳3が載置されて、コンロバーナ2および五徳3により加熱部が構成される。五徳3は、天板部11上のコンロバーナ2の周囲に載置され、被加熱物としての調理容器の底部が載置されるものである。第一実施形態では、五徳3は、平面視環状をした五徳枠31と、五徳枠31に固定される複数個の五徳爪32と、を備えている。五徳枠31は、断面略円形状の金属製の丸棒材が平面視環状に曲成されることで形成される。五徳爪32は、複数個(第一実施形態では6個)が五徳枠31の周方向に略等間隔に溶接によって固定される。
【0027】
コンロ本体10内には、グリルバーナを備えたグリル庫が設けられている。図1に示すように、グリル庫の前開口は、コンロ本体10の前面に設けたグリル扉14によって開閉自在に閉塞される。
【0028】
図4に示すように、コンロバーナ2およびグリルバーナには、都市ガス等の燃料ガスが供給される。第一実施形態では、燃料ガスを供給するガス供給管4から、各コンロバーナ2、グリルバーナに燃料ガスを供給するためのガス導管40が分岐されている。
【0029】
各ガス導管40には、元電磁弁41が設けられると共に、通過する燃料の量を制御する流量制御弁42と、流量制御弁42を駆動するステッピングモータ等の駆動手段が設けられる。各ガス導管40の先端には、上述したガスノズル43が設けられる。
【0030】
図1に示すように、コンロ本体10の前面部を構成する前面パネル15には、コンロバーナ2およびグリルバーナを操作するための操作部16が設けられている。操作部16は、コンロバーナ2およびグリルバーナの点火および消火の切り替えや、火力調節を指令するものである。操作部16からの指令を受けて、制御部がコンロバーナ2やグリルバーナの点消火の切り替えや火力調節、調理タイマーモード、湯沸しモード、炊飯モード等の自動調理モードを設定できるようになっている。
【0031】
制御部は、マイクロコンピュータや記憶部等を備え、制御プログラムにより制御を行うもので、既存のものが適宜利用可能である。
【0032】
図1図4に示すように、操作部16を操作して、制御部に点火の指令を送ると、指令を受けた制御部は、対応するガス導管40の元電磁弁41を開き、流量制御弁42を所定開度で開き、点火プラグ26をスパークさせて、コンロバーナ2やグリルバーナに点火させる。
【0033】
コンロバーナ2およびグリルバーナには、図4に示すように、熱伝対等からなる燃焼検出手段27が設けられており、点火しているか否かを検出し、点火していない場合には元電磁弁41を閉じる等の処理を行う。
【0034】
コンロバーナ2は、図1に示すように、バーナ本体20の内筒内のコンロバーナ内貫通孔22に、五徳3に載置される調理容器の底部に当接してその温度を検知する温度センサ28を備えている。
【0035】
コンロバーナ2の炎孔23に形成される火炎により、五徳3上に載置された調理容器等の被加熱物を加熱し、グリルバーナの炎孔に形成される火炎により、グリル庫内の肉や魚等の被加熱物を加熱する。
【0036】
図1図3に示すように、天板部11のバーナ挿通口12の内周縁12aとコンロバーナ2の外周縁25との間に形成される環状をした上述した隙間13に、該隙間13を覆う平面視において環状をしたバーナリング5が設けられる。
【0037】
図3に示すように、平面視におけるバーナリング5の外周部51は、天板部11のバーナ挿通口12の周縁部の上面に載置されて配置されるものである。また、平面視におけるバーナリング5の内端面53は、コンロバーナ2の外周面にシール材54を介して当接するものである。バーナリング5が設けられることにより、天板部11上にこぼれた煮汁等がバーナ挿通口12よりコンロ本体10内に浸入するのが抑制される。
【0038】
第一実施形態では、バーナリング5は、天板部11のバーナ挿通口12に上方より挿入される筒状をした挿入部50と、挿入部50の上端部から外側に連設されるフランジ状をした外周部51と、挿入部50の上端部から内側に連設されるフランジ状をした内周部52と、を備えている。第一実施形態では、コンロバーナ2の外周面にシール材54を介して当接する内端面53は、挿入部50の外面であるが、内周部52の外端面や下面であってもよい。バーナリング5は、内端面53がシール材54を介してコンロバーナ2の上端部の外周面の所定部分に近接して配置され、コンロバーナ2に対する位置決めがなされる。
【0039】
第一実施形態では、バーナリング5は、ダイキャストにより形成されるアルミニウム(またはその合金)からなり、主に金属で形成されるが、材質は特に限定されず、例えば琺瑯がけしたものやその他の不燃物および耐熱性を有する材質からなるものであってもよい。また、バーナリング5は、第一実施形態では環状をしているが、厳密な環状ではなく、一部が不連続となっていてもよい。
【0040】
第一実施形態では、バーナリング5の外周部51の外端縁は、図1に示すように、平面視において、それぞれ150°程度の中心角をなす二つの円弧状部の間に直線状部を有する形状をしており、バーナ挿通口12よりも大きい。また、挿入部50と内周部52の内端縁とは、バーナ挿通口12と略同じ円形状をしており、バーナ挿通口12よりも小さい。
【0041】
また第一実施形態では、図1に示すように、五徳枠31の内端縁の形状が、バーナリング5の外周部51の外端縁と同様に、平面視において、それぞれ150°程度の中心角をなす二つの円弧状部の間に直線状部を有する形状をしている。そして、五徳枠31の内端縁は、バーナリング5の外周部51の外端縁よりも若干大きく、五徳枠31の内端縁がバーナリング5の外周部51の外端縁に被嵌される。これにより、五徳枠31は、バーナリング5に対して位置決めがなされるとともに所定の向きとなる状態で、天板部11上に載置される。
【0042】
バーナリング5および五徳3がこのような形状であるため、バーナリング5に対する五徳3の所定の向きが一見して分かり、五徳3を所定の向きとしてバーナリング5に被嵌し易い。また、五徳枠31の平面視形状を円弧と直線の組み合わせとすることで、従来の円環状をした五徳枠31から若干の変更を加えるだけで五徳枠31を製造することができて、設計が容易である。
【0043】
図3に示すように、バーナリング5の外周部51は、天板部11のバーナ挿通口12の周縁部の上面に載置されて配置される。外周部51と天板部11の上面との間には特にシール材が設けられていない。すなわち、天板部11の上面と当接する外周部51の下面は非シール面となっている。このため、天板部11の上面に零れた煮汁等は、外周部51と天板部11の上面との間の隙間11aを通ってバーナ挿通口12に浸入する惧れがある。すなわち、外周部51は天板部11の上面と当接しているものの、この間にシール材が設けられないと、僅かな隙間11aを煮汁等が毛細管現象によりバーナ挿通口12側へ移動し、バーナ挿通口12からコンロ本体10内に浸入する惧れがある。
【0044】
そこで、本発明においては、天板部11の上面に、平面視においてバーナリング5に覆われる部分のバーナ挿通口12の周りに堰部6が設けられてもよい(第一実施形態とは異なる)。堰部6は、少なくともその外側(すなわち、バーナ挿通口12から離れる側)の部分よりも高く形成される。なお、堰部6は、第一実施形態では環状をしており、環状が好ましいが、厳密な環状ではなく、一部が不連続となっていてもよい。
【0045】
第一実施形態では、図3図5に示すように、トッププレート110とは別体の堰部材60が設けられることにより、堰部6が形成される。堰部材60は、トッププレート110の窓孔111に挿通されて、内部がバーナ挿通口12となる筒部61を備えたものであり、第一実施形態では堰部材60はバーナ挿通口12毎に別個設けられる。第一実施形態では、さらに、堰部材60が下配置部材62を備えている。下配置部材62は、トッププレート110の下側に配置されるもので、この下配置部材62から筒部61が上方に向けて突出するように設けられている。すなわち、下配置部材62が筒部61の下端と接続されており、下配置部材62の筒部61内に対応する部分は貫通している。第一実施形態では、堰部材60は金属で形成されているが、特に金属に限定されない。
【0046】
図3に示すように、筒部61の上端縁がトッププレート110の窓孔111の周縁部の上面よりも高い位置に位置するように、下方より窓孔111に挿通され、下配置部材62がトッププレート110の下面側に当接または近接して配置される。そして、トッププレート110と堰部材60との間の隙間を閉塞するシール材63が介在した状態で、堰部材60がトッププレート110に固定される。第一実施形態では、シール材63は、トッププレート110の窓孔111の縁と筒部61との間、および、トッププレート110の下面と下配置部材62との間の両方に介在しているが、いずれか一方にのみ介在してもよい。また第一実施形態では、シール材63が堰部材60とトッププレート110との接着剤を兼用しているが、シール材63と接着剤とが別に設けられてもよい。そして、トッププレート110の上面より上方に突出する筒部61が、堰部6となる。このように、堰部材60がトッププレート110に固定されて、堰部6が形成されることで、天板部11に堰部6を容易に形成することができる。特に、トッププレート110がガラスで形成される場合、堰部6を形成するのは容易ではないところ、別体の堰部材60を設けて堰部6を容易に形成することができるという効果が顕著に得られる。
【0047】
一方、本発明においては、図3に示すように、バーナリング5の下面に、平面視において、堰部6に対応する位置に、上方に凹み堰部6を収容可能な収容部55が設けられる。そして、収容部55のバーナ挿通口12の内外方向の内面間隔L1は、堰部6の前記内外方向の長さL2よりも所定長さ長くなるように形成されている。また、バーナリング5が天板部11のバーナ挿通口12の周縁部の上面に載置された状態における、収容部55の面の天板部11の上面からの高さは、堰部6の天板部11の上面からの突出高さよりも高い。
【0048】
第一実施形態では、図3図5に示すように、バーナリング5には、リング固定部材7が装着されることにより、天板部11から抜けないように固定されている。
リング固定部材7は、トッププレート110の下側に配置される平面視環状をした裏配置部材71を備えている。裏配置部材71の内周縁に、下方に突出する筒状をした下筒部72と、上方に突出する筒状をした上筒部73とが設けられている。下筒部72および上筒部73の内面は、バーナリング5の挿入部50の外面より若干大きく形成されており、挿入部50の外面に被せられる。また、下筒部72または上筒部73(本実施形態では下筒部72)には、係止凸部74が形成されている。
また、挿入部50の外面には、係止凸部74が挿入される係止凹部61aが形成されている。係止凸部74は、係止凹部61a側の面が、下方へ行く程、下筒部72の内面から大きく突出している。
【0049】
リング固定部材7は、バーナリング5がコンロバーナ2および天板部11へ取り付けられた状態で、下方より、上筒部73および下筒部72を挿入部50に被せていき、係止凸部74を係止凹部61aに係止させる。係止凸部74が係止凹部61aに係止することにより、リング固定部材7がバーナリング5に対して下方に移動するのが規制される。これにより、リング固定部材7の裏配置部材71とバーナリング5の外周部51とで、天板部11を挟持した状態となり、バーナリング5が天板部11から抜けないように固定される。
【0050】
本発明においては、上述したように、天板部11の上面のバーナ挿通口12の周りに堰部6が設けられるため、天板部11の上面に零れた煮汁等は、外周部51と天板部11の上面との間の隙間11aを通ってバーナ挿通口12側に浸入しても、堰部6によりそれ以上の浸入が抑制される。これにより、煮汁等がバーナ挿通口12からコンロ本体10内に浸入するのが抑制される。
【0051】
また、収容部55の内面間隔L1が堰部6の長さL2よりも所定長さ長くなるように形成されているため、バーナリング5のコンロバーナ2および天板部11への取り付けに支障をきたさない。
【0052】
すなわち、バーナリング5は、上述したように、内端面53がシール材54を介してコンロバーナ2の上端部の外周面の所定部分に配置され、コンロバーナ2に対する位置決めがなされている。また、堰部材60がトッププレート110に固定されて、天板部11に堰部6が形成されている。ここで、コンロバーナ2とトッププレート110の位置関係は、加熱部毎に所定の分布に従う誤差を生じる。このため、この誤差を見込んで、収容部55の内面間隔L1と堰部6の長さL2とを設定するものである。これにより、コンロバーナ2とトッププレート110の位置関係にばらつきが生じていても、堰部6が収容部55内に収容され易くなる。なお、内面間隔L1と長さL2との差である前記所定長さは、例えば1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、5mm以上等、適宜設定される。
【0053】
また、収容部55の内面間隔L1が堰部6の長さL2よりも所定長さ長くなることで、隙間11aのような小さな隙間が連続せず、煮汁等が毛細管現象によりバーナ挿通口12に至るのが抑制される。
【0054】
次に、図6および図7に示す第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態は、大部分において第一実施形態と同じであるため、同じ部分については説明を省略するとともに図面において同符号を付し、主に異なる部分について説明する。
【0055】
第二実施形態では、堰部材60の下配置部材62が第一実施形態のものと異なる。すなわち、第一実施形態では、堰部材60は窓孔111毎に別個設けられるものであり、下配置部材62も窓孔111毎に別体であったが、第二実施形態においては、一つの下配置部材62から複数の窓孔111に挿通される複数の筒部61が設けられている。第二実施形態では、下配置部材62が一つのみ設けられ、全ての窓孔111に挿通される筒部61が全て一つの下配置部材62に設けられているが、特に下配置部材62は一つのみでなく、複数設けられてもよい。
【0056】
このように、一つの下配置部材62に複数の筒部61が設けられることにより、堰部6を効率的に構成することができ、製造コストの低減が図られる。
【符号の説明】
【0057】
1 ガスコンロ
10 コンロ本体
11 天板部
11a 隙間
110 トッププレート
111 窓孔
12 バーナ挿通口
13 隙間
2 コンロバーナ
25 外周縁
3 五徳
4 ガス供給管
5 バーナリング
50 挿入部
51 外周部
52 内周部
53 内端面
54 シール材
55 収容部
6 堰部
60 堰部材
61 筒部
61a 係止凹部
62 下配置部材
63 シール材
7 リング固定部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7