特許第6484080号(P6484080)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6484080
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】温度成層型冷却システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/48 20110101AFI20190304BHJP
   F24F 1/60 20110101ALI20190304BHJP
   F24F 13/06 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   F24F1/48
   F24F1/60
   F24F13/06 Z
【請求項の数】8
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-60851(P2015-60851)
(22)【出願日】2015年3月24日
(65)【公開番号】特開2016-180535(P2016-180535A)
(43)【公開日】2016年10月13日
【審査請求日】2018年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】591023479
【氏名又は名称】ダイダン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】新子 敦弘
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 聡
【審査官】 安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−052385(JP,A)
【文献】 特開2000−104967(JP,A)
【文献】 特開2001−299896(JP,A)
【文献】 特開2006−125792(JP,A)
【文献】 特開2006−258359(JP,A)
【文献】 特開2007−292365(JP,A)
【文献】 特開2013−057453(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/093938(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/48
F24F 1/60
F24F 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却を必要とする高い天井の大きな空調空間を備えた建造物の前記空調空間に温度成層を形成し、前記空調空間を人間の存在高さ範囲の冷却空間と前記存在高さ範囲よりも上の非冷却空間とに分ける温度成層型冷却システムにおいて、
前記温度成層型冷却システムが、最上に位置する第1載置部と前記第1載置部の直下に位置する第2載置部と前記第1および第2載置部から下方へ延びる脚部とを有して前記建造物の床面から上下方向へ延びる収納架台と、前記収納架台の第1載置部に載置されて前記冷却空間と前記非冷却空間との境界近傍における該非冷却空間に位置し、高温空気を吹き出す吹出口を有する空調機の室外機と、前記収納架台の第2載置部に載置されて前記室外機の下方であって前記冷却空間と前記非冷却空間との境界近傍における該冷却空間に位置し、前記室外機に冷媒配管によって接続された空調機の室内機と、前記室内機に接続されて該室内機から供給された冷却空気を前記冷却空間に給気する給気ダクトと、前記室内機に接続されて前記冷却空間の還気空気を該室内機に還流させる還気ダクトとを有し、
前記給気ダクトの先端部の冷却空気の吹出口が、前記冷却空間の床面近傍に配置されて前記床面に向かって開口し、前記還気ダクトの先端部の還気空気の吸込口が、前記給気ダクトの吹出口から上方へ所定寸法離間して配置されているとともに、前記冷却空間と前記非冷却空間との境界側における該冷却空間の上部に位置して前記床面に向かって開口していることを特徴とする温度成層型冷却システム。
【請求項2】
前記室外機が、その吹出口から吹き出される高温空気の吹出方向を調節する風向板を備え、前記高温空気が、前記風向板によって前記非冷却空間の下部から上部に向かって吹き出される請求項1に記載の温度成層型冷却システム。
【請求項3】
前記建造物が、前記非冷却空間の上部に設置されて該非冷却空間の空気を屋外に排気する排気機構を有し、前記室外機では、前記風向板によって前記高温空気の上下方向の吹出方向と横方向の吹出方向とが調節され、前記高温空気が前記排気機構に向かって吹き出される請求項2に記載の温度成層型冷却システム。
【請求項4】
前記建造物が、前記非冷却空間に設置されて該非冷却空間に外気を取り入れる外気取入口を有し、前記温度成層型冷却システムでは、前記外気取入口から前記非冷却空間に外気を給気しつつ、前記排気機構から前記非冷却空間の空気を屋外に排気する請求項3に記載の温度成層型冷却システム。
【請求項5】
前記建造物の冷却空間が、複数枚の間仕切りによって冷却区画と非冷却区画とに区分され、少なくとも1つの温度成層型冷却システムが、前記冷却区画に設置されている請求項1ないし請求項4いずれかに記載の温度成層型冷却システム。
【請求項6】
前記冷却区画では、それら間仕切りが前記冷却空間の床面から前記境界近傍における前記非冷却空間に達し、互いに隣接する間仕切りどうしが気密に連結され、それら間仕切りが前記冷却空間の床面と壁面とに気密に連結されている請求項5に記載の温度成層型冷却システム。
【請求項7】
前記給気ダクトの吹出口から給気される冷却空気の風速が、0.1〜1.5m/sの範囲にある請求項1ないし請求項6いずれかに記載の温度成層型冷却システム。
【請求項8】
前記空調機が、パッケージ型エアコンである請求項1ないし請求項7いずれかに記載の温度成層型冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却を必要とする高い天井の大きな空調空間を備えた建造物の空調空間に温度成層を形成し、空調空間を人間の存在高さ範囲の冷却空間と存在高さ範囲よりも上の非冷却空間とに分ける温度成層型冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場では、作業者の位置に向けたスポット型空調機が使用される場合が多いが、作業移動域が広い作業では、作業者に常時冷風を供給することができない。そこで、工場や体育館、ホール等の高い天井を有する大きな室内空間を備えた建造物のその室内空間を冷房する場合、天井近傍に設置された空調機から室内空間に向かって冷房空気を強く吹き出し、室内空間を通流した還気空気を空調機に還流させることで、室内空間の空気と冷房空気とを混合して室内空間全域を略一定の温度に冷却する混合空調方式が行われる。混合空調方式では、人間が存在(居住)する存在(居住)空間のみならず、人間が存在(居住)しない室内空間の中間部から上部までの非存在(非居住)空間を冷却空気によって満遍なく冷却するため、冷却空気を大量に消費しなければならず、空調機のエネルギー消費が大きくなり、省エネルギー化を図ることができない。混合空調方式のそのような問題点を解決するために温度成層型空調システムが開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示の温度成層型空調システムは、建物の外部から熱負荷が伝わる領域であるペリメータゾーンにおける設定高さレベルに全体として閉ループを形成するように配設されるループダクトと、空気を冷却する冷却コイルおよび空気を加熱する温水コイルが内蔵されてループダクトへ冷暖房用空気を送り込むための空調機と、ループダクトの下面にその長手方向へ設定ピッチで挿入配置される円筒状部材を有し、円筒状部材のループダクトの中心軸と平行な上端開口のループダクト内方への差込長さを調節自在に設け、空調機によってループダクトへ送り込まれた冷暖房用空気を円筒状部材の下端から下降流として吹き出す空気吹出ノズルと、建物内の設定高さレベルより低い位置にある空気を空調機に吸い込むようループダクトと同一高さレベルまたは低いレベルに配設される還気口とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−1892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に開示された温度成層型空調システムは、夏期の冷房時において高さ方向に小さい体積の低温空気層を有する温度成層を形成することで冷房時に充分な省エネルギー化を図ることができ、冬期の暖房時において空調機を夏期と同じ風量で運転しながらコールドドラフトを抑制して足元の冷気溜りの発生を抑えつつ、建物内部を暖房することができる。
【0006】
前記特許文献1の温度成層型空調システムは、新設工場にそれを設置する場合、計画や設計の段階で温度成層を形成する空調機と閉ループを形成するループダクトとの設置箇所を確保することができるから、空調機やループダクトを設置しつつ各種の製造ラインを施設することができる。しかし、既設工場における改修工事において特許文献1の温度成層型空調システムを設置する場合、既設工場内にすでに製造ラインが施設されているから、その製造ラインを回避してあるいは製造ラインのレイアウトを変更してループダクトを設置する必要があり、大規模な改修工事を行わなければならず、工期が長くなるとともに、高いコストがかかってしまう。なお、新設工場に温度成層型空調システムを設置した場合であっても、製造ラインのレイアウトの変更が必要になった場合、ループダクトの位置にラインを施設することができないから、製造ラインのレイアウト変更の自由度が少なくなってしまう。
【0007】
本発明の目的は、建造物の大きな空調空間に温度成層を形成することができるとともに、新設建造物のみならず、すでに製造ラインが施設された既設建造物に対する改修工事において製造ラインを回避することなく、あるいは、製造ラインのレイアウトを変更することなく、短い工期で廉価に設置することができる温度成層型冷却システムを提供することにある。本発明の他の目的は、既設の製造ラインの位置を妨げるような設置箇所に大きな面積を必要とせず、製造ラインのレイアウト変更の自由度を損なうことがなく、製造ラインのレイアウトを所望のとおりに変更することが可能な温度成層型冷却システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための本発明の前提は、冷却を必要とする高い天井の大きな空調空間を備えた建造物の空調空間に温度成層を形成し、空調空間を人間の存在高さ範囲の冷却空間と存在高さ範囲よりも上の非冷却空間とに分ける温度成層型冷却システムである。
【0009】
前記前提における本発明の特徴としては、温度成層型冷却システムが、最上に位置する第1載置部と第1載置部の直下に位置する第2載置部と第1および第2載置部から下方へ延びる脚部とを有して建造物の床面から上下方向へ延びる収納架台と、収納架台の第1載置部に載置されて冷却空間と非冷却空間との境界近傍における非冷却空間に位置し、高温空気を吹き出す吹出口を有する空調機の室外機と、収納架台の第2載置部に載置されて室外機の下方であって冷却空間と非冷却空間との境界近傍における冷却空間に位置し、室外機に冷媒配管によって接続された空調機の室内機と、室内機に接続されて室内機から供給された冷却空気を冷却空間に給気する給気ダクトと、室内機に接続されて冷却空間の還気空気を室内機に還流させる還気ダクトとを有し、給気ダクトの先端部の冷却空気の吹出口が冷却空間の床面近傍に配置されて床面に向かって開口し、還気ダクトの先端部の還気空気の吸込口が給気ダクトの吹出口から上方へ所定寸法離間して配置されているとともに、冷却空間と非冷却空間との境界側における冷却空間の上部に位置して床面に向かって開口していることにある。
【0010】
本発明の他の一例としては、室外機がその吹出口から吹き出される高温空気(熱交換排熱を含んだ空気)の吹出方向を調節する風向板を備え、高温空気が風向板によって非冷却空間の下部から上部に向かって吹き出される。
【0011】
本発明の他の一例としては、建造物が非冷却空間の上部に設置されて非冷却空間の空気を屋外に排気する排気機構を有し、室外機では、風向板によって高温空気の上下方向の吹出方向と横方向の吹出方向とが調節され、高温空気が排気機構に向かって吹き出される。
【0012】
本発明の他の一例としては、建造物が非冷却空間に設置されて非冷却空間に外気を取り入れる外気取入口を有し、温度成層型冷却システムでは、外気取入口から非冷却空間に外気を給気しつつ、排気機構から非冷却空間の空気を屋外に排気する。
【0013】
本発明の他の一例としては、建造物の冷却空間が複数枚の間仕切りによって冷却区画と非冷却区画とに区分され、少なくとも1つの温度成層型冷却システムが冷却区画に設置されている。
【0014】
本発明の他の一例として、冷却区画では、それら間仕切りが冷却空間の床面から境界近傍における非冷却空間に達し、互いに隣接する間仕切りどうしが気密に連結され、それら間仕切りが冷却空間の床面と壁面とに気密に連結されている。
【0015】
本発明の他の一例としては、給気ダクトの吹出口から給気される冷却空気の風速が0.1〜1.5m/sの範囲にある。
【0016】
本発明の他の一例としては、空調機がパッケージ型エアコンである。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる温度成層型冷却システムによれば、それが非冷却空間に位置する空調機の室外機および室外機に冷媒配管によって接続された室内機と室内機から供給された冷却空気を冷却空間に給気する給気ダクトと冷却空間の還気空気を室内機に還流させる還気ダクトとから形成され、給気ダクトから冷却空間に冷却空気が給気されることで、建造物の空調空間に人間の存在高さ範囲の冷却空間と存在高さ範囲よりも上の非冷却空間とに分かれた温度成層を形成することができる。温度成層型冷却システムは、人間が存在(作業活動)する存在(作業)空間(冷却空間)のみを冷却するから、混合空調方式と比較して冷却空気の消費を大幅に減少させることができるとともに、非冷却空間よりも低温の冷却空間からの還気空気を室内機に還流させることによって冷却効率を向上させることができ、省エネルギー化を図ることができる。温度成層型冷却システムは、新設建造物に設置することができるのみならず、それが室外機および室内機と各ダクトとから形成されて設置箇所に大きな面積を必要としないから、すでに製造ラインが施設された既設建造物において製造ラインを回避することなく、あるいは、製造ラインのレイアウトを変更することなく、短い工期で廉価に設置することができる。温度成層型冷却システムは、製造ラインのレイアウト変更の自由度を損なうことがなく、システムを設置しつつ製造ラインのレイアウトを所望のとおりに変更することが可能である。温度成層型冷却システムは、還気ダクトの還気空気の吸込口が給気ダクトの吹出口から所定寸法離間して配置されているから、給気ダクトの吹出口と還気ダクトの吸込口とが近接する場合と比較し、吹出口から給気された冷却空気が吸込口に即座に吸引されるショートサーキットの誘発を防ぐことができる。
【0018】
温度成層型冷却システムは、給気ダクトの吹出口が床面近傍に配置されるとともに、還気ダクトの吸込口が冷却空間の上部に配置されることで、吹出口から給気された冷却空気を床面近傍から冷却空間全域に拡散させることができ、冷却空間に拡散した還気空気を還気ダクトの吸込口に流入させることができる。温度成層型冷却システムは、還気ダクトの吸込口を冷却空間の上部に配置することで、冷却空間と非冷却空間との境界近傍に位置する暖かい還気空気を室内機に還流させることがないから、暖かい還気空気を室内機に還流させる場合と比較し、冷却空間の冷却効率を向上させることができる。温度成層型冷却システムは、給気ダクトの吹出口が床面近傍に配置され、還気ダクトの吸込口が冷却空間の中間部に配置されているから、吹出口と吸込口とが十分に離間し、吹出口から給気された冷却空気が吸込口に即座に吸引されるショートサーキットの誘発を確実に防ぐことができる。
【0019】
温度成層型冷却システムは、上下方向へ延びる収納架台を利用することで、室外機と室内機とを上下方向へ並べて収納架台に設置することができ、室外機と室内機とを横方向へ並べる場合と比較し、システムの設置箇所に大きな面積を必要としないから、すでに製造ラインが施設された既設建造物において製造ラインを回避することなく、あるいは、製造ラインのレイアウトを変更することなく、建造物の空調空間にシステムを設置することができる。温度成層型冷却システムは、室外機が冷却空間と非冷却空間との境界近傍における非冷却空間に位置し、室内機が境界近傍における冷却空間に位置することで、短い冷媒配管で室外機と室内機とを接続することができ、システムの上下方向の寸法がコンパクトになってシステムの省スペース化を実現することができ、場所を取らずにシステムを建造物の空調空間に設置することができる。
【0020】
室外機がその吹出口から吹き出される高温空気の吹出方向を調節する風向板を備え、高温空気が風向板によって非冷却空間の下部から上部に向かって吹き出される温度成層型冷却システムは、風向板によって室外機の吹出口から吹き出される高温空気が非冷却空間の下部から上部に向かって放出されるから、高温空気を非冷却空間の上部に迅速に移動させることができ、冷却空間と非冷却空間との境界付近の成層を乱すことなく、温空気の冷却空間への進入を防ぐことができる。温度成層型冷却システムは、高温空気が冷却空間へ進入することがないから、冷却空間と非冷却空間とが明確に区分され、建造物の空調空間に人間の存在高さ範囲の冷却空間と存在高さ範囲よりも上の非冷却空間とに分かれた温度成層を確実に形成することができる。
【0021】
建造物の非冷却空間の上部に設置されて非冷却空間の空気を屋外に排気する排気機構を有し、室外機も風向板によって高温空気の上下方向の吹出方向と横方向の吹出方向とが調節され、室外機の熱交換排熱を含む高温空気が排気機構に向かって吹き出される温度成層型冷却システムは、風向板によって高温空気が建造物の排気機構に向かって吹き出されるから、室外機の吹出口から吹き出される高温空気(熱交換排熱を含んだ空気)を排気機構から屋外に迅速に排気することができ、高温空気が非冷却空間に留まることによる非冷却空間の過剰な高温化を防ぐことができる。温度成層型冷却システムは、室外機の吹出口から吹き出された排熱や人間が存在する場所からの発熱による非冷却空間の過剰な高温化を防ぐことができるから、冷却空間と非冷却空間とに分かれた温度成層を確実に維持することができ、非冷却空間の過剰に高温化した空気によって冷却空間の冷却空気や還気空気が暖められることはなく、人間が存在(作業活動)する存在(作業)空間(冷却空間)の冷房状態を維持することができる。
【0022】
建造物が非冷却空間に設置されて非冷却空間に外気を取り入れる外気取入口を有し、外気取入口から非冷却空間に外気を給気しつつ、排気機構から非冷却空間の空気を屋外に排気する温度成層型冷却システムは、非冷却空間に存在する暖かい空気をそれよりも低い温度の外気と入れ替えることができ、非冷却空間の空気の過剰な高温化を防ぐことができる。温度成層型冷却システムは、非冷却空間に存在する空気が留まることによる非冷却空間の過剰な高温化を防ぐことができるから、冷却空間と非冷却空間とに分かれた温度成層を確実に維持することができ、非冷却空間の過剰に高温化した空気によって冷却空間の冷却空気や還気空気が暖められることはなく、人間が存在(作業活動)する存在(作業)空間(冷却空間)の冷房状態を維持することができる。
【0023】
建造物の冷却空間が複数枚の間仕切りによって冷却区画と非冷却区画とに区分され、少なくとも1つの温度成層型冷却システムが冷却区画に設置されている温度成層型冷却システムは、間仕切りによって冷却維持が必要な人間が存在する冷却区画と冷却維持が不要な人間が存在しない非冷却区画とに区分することができるから、非冷却区画の熱負荷を冷却しないことで、冷却区画と非冷却区画との両区画に冷却空気を給気する場合と比較し、空調機の運転エネルギーの消費を人間の活動のための必要最低量に抑えることができ、一層の省エネルギー化を図ることができる。
【0024】
冷却区画において、それら間仕切りが冷却空間の床面から境界近傍における非冷却空間に達し、互いに隣接する間仕切りどうしが気密に連結され、それら間仕切りが冷却空間の床面と壁面とに気密に連結されている温度成層型冷却システムは、間仕切りが冷却空間の床面から境界近傍における非冷却空間に達することで、冷却区画から非冷却区画への冷却空気や還気空気の漏出を防ぐことができ、間仕切りどうしが気密に連結されるとともに間仕切りが床面と壁面とに気密に連結されることで、間仕切りどうしや間仕切りと床面や壁面との間に間隙が形成される場合と比較し、冷却区画から非冷却区画への冷却空気の漏出を防ぐことができる。温度成層型冷却システムは、冷却区画から非冷却区画へ冷却空気や還気空気が漏出することがないから、冷却区画において冷却空間と非冷却空間とに区分された温度成層を確実に維持することができ、人間が存在(作業活動)する存在(作業)空間(冷却空間)の冷房状態を維持することができる。
【0025】
給気ダクトの吹出口から給気される冷却空気の風速が0.1〜1.5m/sの範囲にある温度成層型冷却システムは、前記範囲よりも早い速度で冷却空気を給気する場合や前記範囲よりも遅い速度で冷却空気を給気する場合と比較し、給気ダクトの吹出口から前記風速で冷却空気を冷却空間に給気することで、冷却空間における冷却空気や還気空気の気流の乱れを防ぐことができ、冷却空間における冷却空気や還気空気の滞りを防ぐことができる。温度成層型冷却システムは、冷却空間や還気空気の気流の乱れや冷却空間や還気空気の滞りがないから、冷却空間と非冷却空間とに分かれた温度成層を確実に維持することができ、人間が存在(作業活動)する存在(作業)空間(冷却空間)の冷房状態を維持することができる。
【0026】
空調機がパッケージ型エアコンであ温度成層型冷却システムは、空調機としてパッケージ型エアコンを使用することで、建造物の用途(たとえば、製造工場であれば、製造する物や製造ラインの大きさや長さ、製造ラインに設置される機械の種類等)と空調空間の広狭に応じて発生する熱負荷量とに対応したパッケージ型エアコンの機種を選定して使用することができ、大きな空調空間を備えたどのような用途の建造物に対してもこのシステムを利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】一例として示す温度成層型冷却システムを設置した製造工場(建造物)内部の側面図。
図2】温度成層型冷却システムを設置した図1の製造工場内部の上面図。
図3】温度成層型冷却システムの斜視図。
図4】温度成層型冷却システムの側面図。
図5】温度成層型冷却システムの稼働中における製造工場内部の側面図。
図6】温度成層型冷却システムの稼働中における図1の製造工場内部の温度分布を示す側面図。
図7】温度成層型冷却システムの稼働中における製造工場の冷却空間の垂直温度分布を示す図。
図8】温度成層型冷却システムの稼働中における製造工場(建造物)内部の他の一例を示す側面図。
図9】温度成層型冷却システムを設置した図8の製造工場内部の上面図。
図10】製造工場に施設された間仕切りの一例を示す図。
図11】温度成層型冷却システムの稼働中における図8の製造工場内部の温度分布を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
一例として示す温度成層型冷却システム10を設置した製造工場11A(建造物)内部の側面図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる温度成層型冷却システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、温度成層型冷却システム10を設置した図1の製造工場11Aの内部上面図であり、図3は、温度成層型冷却システム10の斜視図である。図4は、温度成層型冷却システム10の側面図である。図1,2では、製造工場11Aに施設された各種の製造ラインの図示を省略している。図2では、天井15(屋根)の図示を省略している。図3では、上下方向を矢印A、横方向を矢印Bで示し、前後方向を矢印Cで示す。
【0029】
温度成層型冷却システム10は、高い天井を有する大きな空調空間を備えた建造物のその空調空間に設置され、建造物の室内空間を冷房する場合に利用される。温度成層型冷却システム10は、建造物の空調空間に温度成層を形成し、空調空間を作業者49(人間)の存在(作業活動)高さ範囲の冷却空間と存在高さ範囲よりも上の非冷却空間とに区分する。作業者49の存在高さ範囲は、作業者49が冷感を要求する冷却空間高さとして約0m〜1.7mである。冷却空間16と非冷却空間17との区分高さは、作業者49の存在高さの1.7mに冷却空間16の空気と非冷却空間17の空気とが混じり合う高さ範囲である0.1m〜0.4mを加えた範囲であり、床面29から約1.8m〜約2.1mの範囲である。
【0030】
大きな空調空間を備えた建造物としては、製造ラインを有する図示の製造工場11Aや高い自由空間が必要な体育館、ホール等がある。なお、製造工場11Aを例示して温度成層型冷却システム10を説明する。図2では、製造工場11Aに2台の温度成層型冷却システム10が設置されているが、システム10の台数に特に制限はなく、製造工場11Aの空調空間12の広狭に応じて製造工場11Aに設置するシステム10の台数が決定される。
【0031】
製造工場11Aは、床13と各側壁14と天井15(屋根)とを有し、その内部に図示しない製造ラインが施設されている。製造工場11Aの天井15(屋根)の略中央には、空調空間12のうちの非冷却空間17に存在する空気を屋外に排気する排気ファン(図示せず)(排気機構)と排気口18(排気機構)とが設置されている。排気機構としては、排気ファンの他に、換気扇や動力のない換気窓等を利用することもできる。排気機構は、天井15の中央のみならず、天井15の所定の箇所(非冷却空間17の上部)や天井15近傍の側壁14(非冷却空間17の上部)に設置されていればよい。
【0032】
製造工場11Aの空調空間12のうちの冷却空間16と非冷却空間17との境界19近傍における非冷却空間17に延びる側壁14には、製造工場11Aの内部の換気のための外気を工場11Aの冷却空間16や非冷却空間17に給気する給気ファン(図示せず)(給気機構)と外気取入口(図示せず)(給気機構)とが設置されている。給気機構としては、給気ファンの他に、換気扇や動力のない換気窓等を利用することもできる。
【0033】
製造工場11Aにおける製造ラインの稼働中では、給気ファンおよび排気ファンが稼働し、給気ファンによって外気取入口から製造工場11Aの冷却空間16や非冷却空間17に外気が給気され、排気ファンによって排気口18から非冷却空間17の空気が屋外に排気されている。
【0034】
温度成層型冷却システム10は、パッケージ型エアコン20(空調機)の室外機21および室内機22と、室内機22に接続された給気ダクト23および還気ダクト24とから形成されている。温度成層型冷却システム10では、パッケージ型エアコン20を使用することで、製造工場11Aの用途(たとえば、製造する物や製造ラインの大きさや長さ、製造ラインに設置される機械の種類等)と製造工場11Aの空調空間12の広狭に応じて発生する熱負荷量とに対応したパッケージ型エアコン20の適切な冷房能力の機種を選定して使用することができ、異なる容積の大きな空調空間12を備えたどのような用途の製造工場11A(建造物)に対してもこのシステム10を利用することができる。
【0035】
室外機21や室内機22は、落下や転倒しないように収納架台25(鋼製架台)に強固に設置されている。収納架台25は、第1および第2載置部26,27と脚部28とを有し、枠組み鋼材や脚用鋼材、吊り鋼材等の各種鋼材を組み立てることから作られている。収納架台25は、上下方向の寸法(高さ寸法)が約2m〜3mであり、製造工場11Aの床面29から天井15に向かって上下方向へ延びている。図1,2では、収納架台25が製造工場11Aの壁際に設置されているが、収納架台25の製造工場11Aにおける設置箇所に特に制限はなく、製造工場11Aの製造ラインのレイアウトに応じて収納架台25を製造工場11Aの他のあらゆる箇所に設置することができる。
【0036】
第1載置部26は、収納架台25の最上に位置し、水平方向に四角形を形成するように組み立てられた枠組み鋼材によって作られている。第1載置部26は、床面29からの高さが約2m〜3mである。第2載置部27は、第1載置部26の直下に位置し、水平方向に四角形を形成するように組み立てられた枠組み鋼材および第1載置部26の枠組み鋼材から垂下する吊り鋼材によって作られている。脚部28は、第1および第2載置部26,27の四隅から下方へ延びるように脚用鋼材を連結することから作られている。脚部28には、補強鋼材が連結されている。
【0037】
なお、収納架台25の形態は図示のそれに限定されず、他の形態の収納架台に室外機21や室内機22を設置することができる。また、図示はしていないが、脚部28の下端に複数のキャスター(移動用部品)を設置し、収納架台25が床面29を移動可能にすることもできる。
【0038】
室外機21は、第1載置部26に載置され、固定金具によって枠組み鋼材に強固に据え付けられている。室外機21は、空調空間12のうちの冷却空間16と非冷却空間17との境界19近傍における非冷却空間17に位置している。なお、室外機21は非冷却空間17に設置されていればよく、非冷却空間17における室外機21の設置箇所に特に制限はない。また、室外機21が収納架台25に設置されることなく、製造工場11Aの非冷却空間17の側壁14に直接設置されまたは製造工場11Aの非冷却空間17の側壁14に取り付けられた架台に設置されていてもよい。
【0039】
室外機21の吹出口30の外側には、吹出口30から吹き出される高温空気31の吹出方向を調節する風向板32が取り付けられている。風向板32は、上下方向の吹出方向を調節する縦風向板32Aと、横方向の吹出方向を調節する横風向板32Bとから形成されている。縦風向板32Aを上下方向へ旋回させ、横風向板32Bを横方向へ旋回させ、吹出口30から吹き出される高温空気31の上下方向の吹出方向と横方向の吹出方向とを調節する。なお、吹出口30に横風向板32Bが取り付けられておらず、吹出口30に縦風向板32Aのみが取り付けられていてもよい。
【0040】
室外機21では、吹出口30に取り付けられた縦風向板32Aが上方へ旋回し、横風向板32Bが横方向へ旋回し、吹出口30が製造工場11Aの天井15の設置された排気ファン(排気機構)と排気口18(排気機構)とに向かっている。室外機21では、吹出口30から吹き出される高温空気31が排気ファン(排気機構)と排気口18(排気機構)とに向かって(非冷却空間17の下部から上部に向かって)吹き出される。
【0041】
室内機22は、室外機21に冷媒配管33によって接続されている。室内機22は、第2載置部27に載置され、固定金具によって枠組み鋼材や吊り鋼材に強固に据え付けられている。室内機22は、空調空間12のうちの冷却空間16と非冷却空間17との境界19近傍における冷却空間16に位置している。なお、室内機22の設置箇所に特に制限はなく、室内機22が冷却空間16と非冷却空間17とのうちのいずれかの所定の箇所に設置されていればよい。また、室内機22が収納架台25に設置されることなく、製造工場11Aの冷却空間16や非冷却空間17の側壁14に直接設置されまたは製造工場11Aの冷却空間16や非冷却空間17の側壁14に取り付けられた架台に設置されていてもよい。
【0042】
室内機22は、収納架台25において室外機21の直下に配置されている。収納架台25では、室外機21と室内機22とが上下方向に並んでいる。室内機22には、ドレン配管34が接続されている。ドレン配管34は、排水に接続されている。室内機22は、図示はしていないが、リモコン(コントローラ)によってON/OFFされ、その風量や冷房温度、冷房時間等がコントロールされる。
【0043】
図3,4では、1台の室外機21およびその室外機21に接続された1台の室内機22が収納架台25に設置されているが、室外機21の台数や室内機22の台数に特に制限はなく、横方向へ並ぶ2台以上の室外機21が第1載置部26に設置され、それら室外機21に個別に接続された横方向へ並ぶ2台以上の室内機22が第2載置部27に設置されていてもよい。
【0044】
給気ダクト23は、室内機22から供給された冷却空気35を冷却空間16に給気する。給気ダクト23は、室内機22に接続された給気ダクト基端部36と、給気ダクト基端部36から前方へ延びた後、下方へ延びる給気ダクト中間部37と、製造工場11A(冷却空間16)の床面29近傍に位置する給気ダクト先端部38とを有する。給気ダクト先端部38は、給気ダクト中間部37から下方に向かうにつれてその面積(気流通過部の断面積)が次第に拡大するように、末広がり形状とし、吹出風速を下げている。
【0045】
給気ダクト23の先端部38の冷却空気35の吹出口39は、製造工場11A(冷却空間16)の床面29近傍(冷却空間16の下部)に配置されて床面29に向かって開口している。床面29からの給気ダクト23の吹出口39の高さL1(給気ダクト23の吹出口39と床面29との離間距離)は、吹出口39の開口面積よりも小さくならない高さになっている。
【0046】
還気ダクト24は、冷却空間16の還気空気40を室内機22に還流させる。還気ダクト24は、室内機22に接続された還気ダクト基端部41と、還気ダクト基端部41につながって上方へ延びる還気ダクト整流部42と、還気ダクト整流部42から前方へ延びる還気ダクト中間部43と、給気ダクト23の先端部38から上方へ所定寸法離間する還気ダクト先端部44とを有する。還気ダクト24の先端部44の還気空気40の還気ダクト吸込口45は、給気ダクト23の吹出口39から上方へ所定寸法離間して配置されている。
【0047】
還気ダクト吸込口45は、冷却空間16と非冷却空間17との境界19側の冷却空間16の上部48(混合空間)に位置して床面29に向かって開口している。なお、還気ダクト吸込口45が上部48と冷却空間16の床面29側の下部46との間の中間部47に位置していてもよい。還気ダクト吸込口45の床面29からの高さL2(還気ダクト24の吸込口45と床面29との離間距離)は、1m〜2mの範囲、好ましくは1.8mである。還気ダクト24では、その還気ダクト吸込口45が床面29ではなく前後方向前方や前後方向後方、横方向に開口していてもよい。
【0048】
図5は、温度成層型冷却システム10の稼働中における製造工場11A内部の側面図である。図5では、空調空間12における冷却空気35や還気空気40の流れを矢印F1で示し、高温空気16の流れを矢印F2で示す。製造工場11Aの製造ラインにおいて製造作業が開始された場合、リモコンによって温度成層型冷却システム10を起動させる。システム10を起動させると、室外機21および室内機22が稼動し、リモコンによって設定された温度の冷却空気35が室外機21および室内機22によって作られる。
【0049】
冷却空気35は、室内機22のファンによって室内機22から給気ダクト23に供給され、給気ダクト23を通ってダクト23の吹出口39から床面29に向かって給気される。床面29に向かって給気された冷却空気35は、床面29近傍を拡散しながら流動する。
【0050】
冷却空気35は、図5に矢印F1で示すように、冷却空間16を冷却しつつ製造工場11Aの一方の側壁14から他の側壁14に向かうとともに、冷却空間16を冷却しつつ冷却空間16の下部46から中間部47を通って上部48に移動して非冷却空間17に向かう。冷却空間16と非冷却空間17との境界19に向かった冷却空気35は、非冷却空間17に存在する暖かい空気層との比重の差によって冷却空間16から非冷却空間17への混合進入が阻止され、非冷却空間17へ流入することなく、冷却空間16を拡散する。
【0051】
冷却空間16を冷却して冷却空間16の熱を吸収した還気空気40は、境界19近傍(冷却空間16の上部48)を流動しつつ収納架台25に向かって移動する。還気空気40は、還気ダクト24の還気ダクト吸込口45から還気ダクト24に流入し、還気ダクト24を通って室内機22に還流する。還気空気40が室内機22によって冷却空気35に変わり、冷却空気35が給気ダクト23の吹出口39から床面29に向かって再び給気される。
【0052】
温度成層型冷却システム10は、給気ダクト23の吹出口39が床面29近傍に配置されるとともに、還気ダクト24の還気ダクト吸込口45が冷却空間16の上部48に配置されることで、吹出口39から給気された冷却空気35を床面29近傍から冷却空間16全域に拡散させることができ、冷却空間16を通流した還気空気40を還気ダクト24の還気ダクト吸込口45に流入させることができる。
【0053】
温度成層型冷却システム10は、還気ダクト24の還気ダクト吸込口45を冷却空間16の中間部47に配置することで、冷却空間16の上部48に位置する還気空気40のうちの暖かい空気40を室内機22に還流させることがないから、暖かい還気空気40を室内機22に還流させる場合と比較し、パッケージ型エアコン20(空調機)における冷却熱生成効率を高効率に維持することができる。
【0054】
温度成層型冷却システム10は、給気ダクト23の吹出口39が床面29近傍に配置され、還気ダクト24の還気ダクト吸込口45が冷却空間16の中間部47に配置されているから、吹出口39と還気ダクト吸込口45とが十分に離間し、吹出口39から給気された冷却空気35が還気ダクト吸込口45に即座に吸引されるショートサーキットの誘発を確実に防ぐことができる。
【0055】
給気ダクト23の吹出口39から給気される冷却空気35の風速は、0.1〜1.5m/sの範囲にある。冷却空気35の風速は低速であることが好ましく、低速であることによって給気ダクト23の吹出口39から給気された冷却空気35が冷却空間16においてゆっくりと流動しつつ冷却空間16全域に十分に拡散するから、製造工場11Aの空調空間12に作業者49(人間)の存在(作業)高さ範囲(居住高さ範囲)の冷却空間16と存在(作業)高さ範囲よりも上の非冷却空間17とに分かれた温度成層を確実に形成することができる。
【0056】
冷却空気35の風速が1.5m/sを超過すると、冷却空気35が乱流となって冷却空間16の気流が乱れ、冷却空間16を流動する冷却空気35や還気空気40と非冷却空間17に存在する暖かい空気層とが混合され、混合空調方式と同じになり、冷却空間16と非冷却空間17との境界19が形成されず、製造工場11Aの空調空間12に冷却空間16と非冷却空間17とに分かれた温度成層を形成することができない。
【0057】
温度成層型冷却システム10は、給気ダクト23の吹出口39から給気される冷却空気35の風速が前記範囲にあり、前記範囲よりも早い速度で冷却空気35を給気する場合と比較し、給気ダクト23の吹出口39から給気された冷却空気35が冷却空間16において十分に拡散させることができ、冷却空間16における冷却空気35や還気空気40の気流の乱れを防ぐことができ、製造工場11Aの内部に冷却空間16と非冷却空間17とに分かれた温度成層を確実に形成することができる。また、給気ダクト23の吹出口39から給気された冷却空気35と冷却空間16を冷却した後の還気空気40とから、冷却空間16全域に拡散しつつ還気ダクト24の還気ダクト吸込口45から室内機22に還流する冷却空気35の流れを作ることができる。
【0058】
温度成層型冷却システム10は、冷却空間16における冷却空気35や還気空気40の滞りがなく、冷却空間16における冷却空気35や還気空気40の気流の乱れがないから、冷却空間16と非冷却空間17とに分かれた温度成層を確実に維持することができ、作業者49(人間)が存在(作業活動)する存在(作業)空間(居住空間)(冷却空間16)の冷房状態を維持することができる。
【0059】
室外機21の吹出口30から吹き出される熱交換排熱を含む高温空気31は、縦風向板32Aや横風向板32Bによってその吹出方向が規制され、吹出口30から排気ファン(排気機構)や排気口18(排気機構)に向かって吹き出される。製造ラインが稼働中、冷却空間16と非冷却空間17との境界19近傍における非冷却空間17に延びる側壁14に設置された給気ファンが稼動し、外気取入口から外気が冷却空間16や非冷却空間17に流入するとともに、製造工場11Aの天井15に設置された排気ファンが稼動し、非冷却空間17の暖かい空気が排気口18から屋外に排気されている。さらに、吹出口30から排気ファン(排気機構)と排気口18(排気機構)とに向かった高温空気31が排気口18から屋外に排気されている。
【0060】
温度成層型冷却システム10は、縦風向板32Aと横風向板32Bとによって室外機22の高温空気31が排気ファン(排気機構)と排気口18(排気機構)とに向かって吹き出されるから、室外機22の吹出口30から吹き出される熱交換排熱を含む高温空気31を排気口18から屋外に迅速に排気することができ、高温空気31が非冷却空間17に留まることによる非冷却空間17の空気の過剰な高温化を防ぐことができる。
【0061】
温度成層型冷却システム10は、外気取入口から非冷却空間17に外気を給気しつつ、排気口18(排気機構)から非冷却空間17の空気を屋外に排気するから、非冷却空間17に存在する暖かい空気をそれよりも低い温度の外気と入れ替えることができ、非冷却空間17の空気の過剰な高温化を防ぐことができる。
【0062】
温度成層型冷却システム10は、室外機22の吹出口30から吹き出された高温空気31による非冷却空間17の空気の過剰な高温化を防ぐことができるとともに、非冷却空間17に存在する空気が留まることによる非冷却空間17の高温化を防ぎ、形成された温度成層を乱すことなく、冷却空間16と非冷却空間17とに分かれた温度成層を確実に維持することができ、作業者49(人間)が存在(作業活動)する存在(作業)空間(居住空間)(冷却空間16)の冷房状態を維持することができる。
【0063】
図6は、温度成層型冷却システム10の稼働中における図1の製造工場11A内部の温度分布を示す側面図であり、図7は、温度成層型冷却システム10の稼働中における製造工場11Aの冷却空間16の垂直温度分布を示す図である。製造工場11Aの冷却空間16には、図6に示すように、床面29近傍から冷却空間16の下部46にかけて温度が低い最冷温領域が形成され、冷却空間16の中間部47に最冷温領域よりも温度が若干高い中冷温領域が形成されているとともに、冷却空間16の上部48に中冷温領域よりも温度が若干高い高冷温領域が形成されている。
【0064】
最冷温領域は、図7に示すように、床面29と床上約0.5m(床面29から約0.5m)との間の範囲であり、その平均温度が約18℃である。中冷温領域は、最冷温領域(床上約0.5m)と床上約1.5m(床面29から約1.5m)との間の範囲であり、その平均温度が約26℃である。高冷温領域は、中冷温領域(床上約1.5m)と床上約1.8m(床面29から約1.8m)との間の範囲であり、その平均温度が約28℃である。
【0065】
製造工場11Aの非冷却空間17では、冷却空間16と非冷却空間17との境界19近傍における非冷却空間17の温度が低く、そこから上方に向かうにつれて温度が次第に高くなっている。また、室外機22の吹出口30から吹き出された高温空気31が排気ファン(排気機構)と排気口18(排気機構)とに向かって吹き出され、高温空気31が非冷却空間17の空気層と混合されることなく、高温空気31が非冷却空間17の下方から上方に向かって流動している。図6からわかるように、製造工場11Aの空調空間12に作業者49(人間)の存在(作業)高さ範囲(居住高さ範囲)の冷却空間16と存在(作業)高さ範囲よりも上の非冷却空間17とに区分された温度成層が形成されている。
【0066】
温度成層型冷却システム10は、室内機21から供給された冷却空気35が給気ダクト23から冷却空間16の床面29近傍に給気されることで、製造工場11A(建造物)の空調空間12に作業者49(人間)の存在(作業)高さ範囲の冷却空間16と存在(作業)高さ範囲よりも上の非冷却空間17とに分かれた温度成層を確実に形成することができる。温度成層型冷却システム10は、作業者49(人間)が存在(作業)する作業空間(冷却空間16)のみを冷却するから、混合空調方式と比較して冷却空気35の消費を大幅に減少させることができ、省エネを図ることができるとともに、スポット型空調機よりも冷却効率を向上させることができる。
【0067】
温度成層型冷却システム10は、それが収納架台25と収納架台25に設置された室外機21や室内機22、各ダクト23,24とから形成されているから、製造工場11Aの側壁14に室外機や室内機を設置する設置部材の必要がなく、側壁14に室外機21や室内機22を設置する設置作業(特に室外機を室外に設置する工事)の必要がないから、手間やコストがかからず、システム10を短い工期で廉価に設置することができる。
【0068】
温度成層型冷却システム10は、上下方向へ延びる収納架台25を利用することで、室外機21と室内機22とを上下方向へ並べて収納架台25に設置することができ、室外機21と室内機22とを横方向へ並べる場合と比較し、システム10の設置箇所に大きな面積を必要としないから、新設の製造工場11A(新設建造物)に設置することができるのみならず、すでに製造ラインが施設された既設の製造工場11A(既設建造物)において製造ラインを回避することなく、あるいは、製造ラインのレイアウトを変更することなく、製造工場11Aの空調空間12にシステム10を設置することができる。温度成層型冷却システム10は、製造ラインのレイアウト変更の自由度を損なうことがなく、システム10を設置しつつ製造ラインのレイアウトを所望のとおりに変更することが可能である。
【0069】
温度成層型冷却システム10は、室外機22が冷却空間16と非冷却空間17との境界19近傍における非冷却空間17に位置し、室内機21が境界19近傍における冷却空間16に位置することで、短い冷媒配管33で室外機21と室内機22とを接続することができ、システム10の上下方向の寸法がコンパクトになってシステム10の省スペース化を実現することができ、場所を取らずにシステム10を製造工場11A(建造物)の空調空間12に設置することができる。
【0070】
図8は、温度成層型冷却システム10の稼働中における製造工場11B(建造物)内部の他の一例を示す側面図であり、図9は、温度成層型冷却システム10を設置した図8の製造工場11B内部の上面図である。図10は、製造工場11Bに施設された間仕切り50の一例を示す図であり、図11は、温度成層型冷却システム10の稼働中における図9の製造工場11B内部の温度分布を示す側面図である。
【0071】
図8の製造工場11Bは、上下方向の長さL3(図10参照)が同一の複数枚の間仕切り50によって複数の冷却区画51(作業エリア)と非冷却区画52(非作業エリア)とに区分されている。製造工場11Bでは、それら間仕切り50が前後方向と横方向とへ連結され、工場11Bの側壁14とそれら間仕切り50とに囲繞された2箇所の冷却区画51が作られている。
【0072】
冷却区画51は、製造ラインの稼働中に作業者49(人間)が作業のために常駐するエリアであり、非冷却区画52は、通路や資材置き場等の作業者49が常駐しないエリアである。図8,9では、製造工場11Bに2箇所の冷却区画51が作られているが、製造工場11Bに3箇所以上の冷却区画51が作られる場合もある。間仕切り50としては、透明なアクリル素材やガラス建材のものを使用することができる。
【0073】
それら間仕切り50は、冷却空間16の床面29から冷却空間16と非冷却空間17との境界19近傍における非冷却空間17に達している。それら間仕切り50の上下方向の長さL3(床面29からの高さ)は、約2m〜2.3mである。それら間仕切り50では、図10に示すように、互いに隣接する間仕切り50どうしの間に隙間が生じることがないように、隣接する間仕切り50どうしが気密に連結され、間仕切り50と床面29との間に隙間が生じることがないように、間仕切り50が床面29に気密に連結(固定)されているとともに、間仕切り50と側壁14の壁面との間に隙間が生じることがないように、間仕切り50が壁面に気密に連結(固定)されている。間仕切り50のドア53(作業者出入口)を開閉することで、冷却区画51と非冷却区画52との間の出入が行われる。
【0074】
図8の製造工場11Bは、図1のそれと同様に、床13と各側壁14と天井15(屋根)とを有し、その内部に図示しない製造ラインが施設されている。製造工場11Bの天井15(屋根)の略中央には、空調空間12のうちの非冷却空間17に存在する空気を屋外に排気する排気ファン(図示せず)(排気機構)と排気口18(排気機構)とが設置されている。各冷却区画51の冷却空間16と非冷却空間17との境界19近傍における非冷却空間17に延びる側壁14には、製造工場11Bの各冷却区画51および非冷却区画52を含む冷却空間16や非冷却空間17に外気を給気する給気ファン(図示せず)(給気機構)と外気取入口(図示せず)(給気機構)とが設置されている。
【0075】
図8の製造工場11Bの各冷却区画51における製造ラインの稼働中では、給気ファンおよび排気ファンが稼働し、給気ファンによって外気取入口から製造工場11Bの各冷却区画51および非冷却区画52を含む冷却空間16や非冷却空間17に外気が給気され、排気ファンによって排気口18から非冷却空間17の空気が屋外に排気されている。
【0076】
それら冷却区画51には、温度成層型冷却システム10が設置されている。温度成層型冷却システム10は、図1の製造工場11Aに設置されたそれと同一であるから、図3,4と同一の符号を付すとともに、図3,4の説明を援用することで、システム10の詳細な説明は省略する。なお、各冷却区画51に2台の温度成層型冷却システム10が設置されているが、1台または3台以上のシステム10が各冷却区画51に設置されていてもよい。
【0077】
温度成層型冷却システム10は、製造工場11Bのそれら冷却区画51に温度成層を形成し、冷却区画51を作業者49(人間)の存在(作業)高さ範囲(居住高さ範囲)の冷却空間16と存在(作業)高さ範囲よりも上の非冷却空間17とに区分する。温度成層型冷却システム10は、パッケージ型エアコン20(空調機)の室外機21および室内機22と、室内機22に接続された給気ダクト23および還気ダクト24とから形成されている。室外機21や室内機22、給気ダクト23、還気ダクト24は、図3,4のそれらと同一である。室外機21や室内機22は、収納架台25(鋼製架台)に強固に設置されている。収納架台25は、図3,4に示すそれと同一である。
【0078】
温度成層型冷却システム10が起動した後、室外機21および室内機22によって作られた冷却空気35は、室内機22のファンによって室内機22から給気ダクト23に供給され、給気ダクト23を通って給気ダクト23の吹出口39から各冷却区画51の床面29に向かって給気される。床面29に向かって給気された冷却空気35は、床面29近傍を拡散しながら流動する。
【0079】
冷却空気35は、図8に矢印F1で示すように、冷却空間16を冷却しつつ製造工場11Aの一方の側壁14から間仕切り50に向かうとともに、冷却空間16を冷却しつつ冷却空間16の下部46から中間部47を通って上部48に移動して非冷却空間17に向かう。冷却空間16と非冷却空間17との境界19に向かった冷却空気35は、非冷却空間17に存在する暖かい空気層との比重の差によって冷却空間16から非冷却空間17への混合進入が阻止され、非冷却空間17へ流入することなく、冷却空間16を拡散する。
【0080】
冷却空間16を冷却して冷却空間16の熱を吸収した還気空気40は、境界19近傍(冷却空間16の上部48)を流動しつつ収納架台25に向かって移動する。還気空気40は、還気ダクト24の還気ダクト吸込口45から還気ダクト24に流入し、還気ダクト24を通って室内機22に還流する。還気空気40が室内機22によって冷却空気35に変わり、冷却空気35が給気ダクト23の吹出口39から各冷却区画51の床面29に向かって再び給気される。
【0081】
各冷却区画51では、給気ダクト23の吹出口39から給気された冷却空気35と冷却空間16を冷却した後の還気空気40とから、冷却空間16全域に拡散しつつ還気ダクト24の還気ダクト吸込口45から室内機22に還流する冷却空気35の流れが作られる。給気ダクト23の吹出口39から給気される冷却空気35の風速は、0.1〜1.5m/sの範囲にある。冷却空気35の風速を前記範囲にする理由は既述のとおりである。
【0082】
室外機21の吹出口30から吹き出される熱交換排熱を含む高温空気31は、縦風向板32Aおよび横風向板32Bによって吹出口30から排気ファン(排気機構)と排気口18(排気機構)とに向かって吹き出される。製造ラインが稼働中、冷却空間16と非冷却空間17との境界19近傍における非冷却空間17に延びる各冷却区画51の側壁14に設置された給気ファンが稼動し、外気取入口から外気が冷却空間16や非冷却空間17に流入するとともに、製造工場11Bの天井15(屋根)に設置された排気ファンが稼動し、非冷却空間17の空気が排気口18から屋外に排気されている。さらに、室外機21の吹出口30から排気ファン(排気機構)と排気口18(排気機構)とに向かった高温空気31が排気口18から屋外に排気されている。
【0083】
製造工場11Bの各冷却区画51の冷却空間16では、図11に示すように、床面29近傍から冷却空間16の下部46にかけて温度が低い最冷温領域が形成され、冷却空間16の中間部47に最冷温領域よりも温度が若干高い中冷温領域が形成されているとともに、冷却空間16の上部48に中冷温領域よりも温度が若干高い高冷温領域が形成されている。最冷温領域や中冷温領域、高冷温領域の範囲や平均温度は、図1の製造工場11Aにおけるそれらと同一である(図7援用)。
【0084】
製造工場11Bの各冷却区画51と非冷却区画52とを含む非冷却空間17では、冷却空間16と非冷却空間17との境界19近傍における非冷却空間17の温度が低く、そこから上方に向かうにつれて温度が次第に高くなっている。また、各冷却区画51の室外機21の吹出口30から吹き出された高温空気31が排気ファン(排気機構)と排気口18(排気機構)とに向かって吹き出され、高温空気31が非冷却空間17の空気と混合されることなく、高温空気31が非冷却空間17の下方から上方に向かって流動している。図11からわかるように、製造工場11Bの各冷却区画51の空調空間12に作業者49(人間)の存在(作業)高さ範囲(居住高さ範囲)の冷却空間16と存在(作業)高さ範囲よりも上の非冷却空間17とに区分された温度成層が形成されている。
【0085】
図8,9に示す製造工場10Bに設置された温度成層型冷却システム10は、図1,2に示す製造工場10Aに設置された温度成層型冷却システム10と同様の効果を有することに加え、以下の効果を有する。温度成層型冷却システム10は、製造工場11Bの冷却空間16が複数枚の間仕切り50によって冷却区画51と非冷却区画52とに区分され、温度成層型冷却システム10が冷却区画51に設置されているから、間仕切り50によって冷却が必要な作業者49(人間)が存在する冷却区画51と冷却が不要な作業者49が存在しない非冷却区画52とに区分することができるから、非冷却区画52の熱負荷を冷却しないことで、冷却区画51と非冷却区画52との両区画に冷却空気35を給気する場合と比較し、パッケージ型エアコン20(空調機)の運転エネルギーの消費を作業者49や製造ラインの活動により発生する熱を冷却するための必要最低量に抑えることができ、システム10における一層の省エネを図ることができる。
【0086】
温度成層型冷却システム10は、間仕切り50が冷却空間16の床面29から境界19近傍における非冷却空間17に達することで、間仕切り50が障壁となり、冷却区画51から非冷却区画52への冷却空気35や還気空気40の漏出を防ぐことができる。また、間仕切り50どうしが気密に連結されるとともに間仕切り50が床面29と壁面とに気密に連結されることで、間仕切り50どうしや間仕切り50と床面29や壁面との間に間隙が形成される場合と比較し、冷却区画51から非冷却区画52への冷却空気や還気空気40の漏出を防ぐことができる。
【0087】
温度成層型冷却システム10は、間仕切り50によって冷却区画51から非冷却区画52へ冷却空気35や還気空気40の漏出が防止され、冷却区画51において冷却空間16と非冷却空間17とに区分された温度成層を確実に維持することができ、作業者49(人間)が存在(作業)する存在(作業)空間(冷却区画16)の冷房状態を確実に維持することができる。
【符号の説明】
【0088】
10 温度成層型冷却システム
11A 製造工場(建造物)
11B 製造工場(建造物)
12 空調空間
13 床
14 側壁
15 天井(屋根)
16 冷却空間
17 非冷却空間
18 排気口
19 境界
20 パッケージ型エアコン
21 室外機(パッケージ型エアコンのヒートポンプ部)
22 室内機(パッケージ型エアコンの冷却空気送風部)
23 給気ダクト
24 還気ダクト
25 収納架台
26 第1載置部
27 第2載置部
28 脚部
29 床面
30 吹出口(室外機の排熱吹出部)
31 高温空気
32 風向板
32A 縦風向板
32B 横風向板
33 冷媒配管
34 ドレン配管
35 冷却空気
36 給気ダクト基端部
37 給気ダクト中間部
38 給気ダクト先端部
39 吹出口
40 還気空気
41 還気ダクト基端部
42 還気ダクト整流部
43 還気ダクト中間部
44 還気ダクト先端部
45 還気ダクト吸込口
46 下部
47 中間部
48 上部
49 作業者(人間)
50 間仕切り
51 冷却区画
52 非冷却区画
53 ドア(作業者出入口)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11