特許第6484082号(P6484082)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6484082
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】固定構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/03 20060101AFI20190304BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20190304BHJP
   H02G 3/14 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   H05K5/03 D
   H05K5/03 A
   B60R16/02 610A
   H02G3/14
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-68020(P2015-68020)
(22)【出願日】2015年3月30日
(65)【公開番号】特開2016-189371(P2016-189371A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2018年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(72)【発明者】
【氏名】冨士井 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】武田 泰明
【審査官】 白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−234922(JP,A)
【文献】 特開2003−166513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00 − 5/06
H02G 3/08 − 3/20
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口面を有するケースと、前記開口面を第1側から覆うカバーとを固定する固定構造であって、
前記カバーに設けられた係合爪と、
前記ケースの前記開口面に略直交する面に設けられ、前記係合爪と係合する爪受片と、を備え、
前記係合爪は、
前記第1側とは逆の第2側の端部が前記カバーに固定され、前記開口面に対して略直交して延びる第1爪部と、
前記第2側の端部が前記カバーに固定されない開放端となり、前記第1爪部と略平行に延びる第2爪部と、
前記第1及び前記第2爪部の双方の前記第1側の端部を接続する接続部と、
を備え、
前記係合爪と前記爪受片との係合状態において、前記係合爪は弾性変形し、前記開放端の近傍が前記爪受片を前記第1側に付勢し、
前記カバーは、前記開口面を覆う主面に対して略直交する側面に凹部を備え、
前記第1爪部の前記第2側の端部は、前記凹部の内側の前記第2側に固定され、
前記接続部は、前記主面に対して前記第2側に配置される、
ことを特徴とする固定構造。
【請求項2】
請求項1に記載の固定構造において、
前記係合爪は開口を有し、
前記係合爪と前記爪受片との係合状態において、前記係合爪は弾性変形し、前記開放端の近傍の前記開口の内側が前記爪受片を前記第1側に付勢することを特徴とする固定構造。
【請求項3】
請求項またはに記載の固定構造において、
前記係合爪は、前記接続部が前記第1側から押圧されることにより、弾性変形することを特徴とする固定構造。
【請求項4】
請求項1ないしのいずれかに記載の固定構造において、
前記カバー及び前記係合爪は、合成樹脂材料を用いて一体的に形成されることを特徴とする固定構造。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の固定構造において、
前記ケースは、金属材料で形成されることを特徴とする固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケースとカバーとを固定する固定構造の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回路基板等を内蔵した金属製ケースをカバーで覆って固定し、衝撃等から回路基板を保護する固定構造が知られている。
【0003】
このような固定構造は、カバーに逆「L」字型の係合爪を設け、ケースの爪受部と係合させることで、ケースとカバーとを固定する。係合爪が爪受部と係合する際、係合爪を撓ませて反力を生じさせ、固定が緩むのを防止し、ケースとカバーとのガタつきを防いでいる。
【0004】
例えば、特許文献1は、カバーの両側面に設けた係合爪をケースの爪受部と係合し、ケースとカバーとを固定する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−52715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、逆「L」字型の係合爪を用いた場合、係合爪を撓ませると、係合爪の根元部分に圧力が集中し、係合爪が折れる恐れがあった。係合爪が折れると、ケースとカバーとの固定が緩み、ガタつきが発生する要因となる。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑み、係合爪を撓ませても容易に折れることなく、ケースとカバーとを強固に固定する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、開口面を有するケースと、前記開口面を第1側から覆うカバーとを固定する固定構造であって、前記カバーに設けられた係合爪と、前記ケースの前記開口面に略直交する面に設けられ、前記係合爪と係合する爪受片と、を備え、前記係合爪は、前記第1側とは逆の第2側の端部が前記カバーに固定され、前記開口面に対して略直交して延びる第1爪部と、前記第2側の端部が前記カバーに固定されない開放端となり、前記第1爪部と略平行に延びる第2爪部と、前記第1及び前記第2爪部の双方の前記第1側の端部を接続する接続部と、を備え、前記係合爪と前記爪受片との係合状態において、前記係合爪は弾性変形し、前記開放端の近傍が前記爪受片を前記第1側に付勢し、前記カバーは、前記開口面を覆う主面に対して略直交する側面に凹部を備え、前記第1爪部の前記第2側の端部は、前記凹部の内側の前記第2側に固定され、前記接続部は、前記主面に対して前記第2側に配置される。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の固定構造において、前記係合爪は開口を有し、前記係合爪と前記爪受片との係合状態において、前記係合爪は弾性変形し、前記開放端の近傍の前記開口の内側が前記爪受片を前記第1側に付勢する。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項またはに記載の固定構造において、前記係合爪は、前記接続部が前記第1側から押圧されることにより、弾性変形する。
【0013】
また、請求項の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の固定構造において、前記カバー及び前記係合爪は、合成樹脂材料を用いて一体的に形成される。
【0014】
また、請求項の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の固定構造において、前記ケースは、金属材料で形成される。
【発明の効果】
【0015】
請求項1ないしの発明によれば、係合爪は、第1爪部と第2爪部と接続部とを有するため、全体として弾性変形が容易となる。そして、係合爪の弾性変形により、ケースとカバーとを強固に固定できる。また、第1爪部の第2側の端部は凹部の内側の第2側に固定されるため、第2爪部を短く形成でき、係止爪を爪受片に容易に係合できる。また、接続部が主面の外側へ突出しないため、主面に衝撃が加わった場合であっても接続部が押圧されることがなく、係止爪が爪受片から外れることがない。
【0016】
また、特に請求項2の発明によれば、係合爪の弾性変形により、係合爪と爪受片との係合状態において開口の内側が爪受片を第1側に付勢するため、ケースとカバーとを強固に固定できる。
【0017】
また、特に請求項3の発明によれば、係合爪は接続部が第1側から押圧されることにより弾性変形するので、係止爪を爪受片に容易に係合できる。
【0020】
また、特に請求項の発明によれば、カバー及び係合爪は合成樹脂材料を用いて一体的に形成されるため、係合爪をカバーに固定しながら、係合爪を容易に弾性変形させることができる。
【0021】
また、特に請求項の発明によれば、個体差により金属材料のケースと合成樹脂材料のカバーとの間に隙間が生じても、係合爪の弾性変形によりケースとカバーとを強固に固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本実施の形態に係る固定構造の概要を示す分解斜視図である。
図2図2は、係合爪の構成を示す斜視図である。
図3図3は、係合爪が爪受片に係合する様子を示す断面図である。
図4図4は、係合爪が爪受片に係合する様子を示す断面図である。
図5図5は、係合爪が爪受片に係合する様子を示す断面図である。
図6図6は、係合爪の他の例を示す断面図である。
図7図7は、係合爪の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.概要>
図1は、ケース1とカバー2とを固定する固定構造の概要を示す分解斜視図である。ケース1とカバー2とは互いに固定され、回路基板14を内蔵した筐体3を構成する。筐体3は、コネクタ開口部CAからコネクタで制御対象と接続され、電子制御装置として機能する。筐体3は、自動車等の車両内部にブラケットBR等で固定され、パワーステアリングやエアバッグ、内燃機関の燃料噴射弁等を制御する。
【0025】
なお、以下の説明において、図1に示す三次元直交座標系に基づき、方向及び向きを示す。直交座標系は、筐体3(ケース1及びカバー2)に相対的に固定される。X方向は筐体3の奥側(筐体3の外側からコネクタ開口部に向かう側)、Y方向は筐体3の左側(コネクタ開口部CAに向かって左側)、Z方向は筐体3の上側を示す。以下の説明において、前後、左右、及び、上下と述べた場合、図1の例による。
【0026】
ケース1は、開口面を有する箱形の金属製ダイカストである。金属材料はアルミダイカストが好ましい。例えば、ADC12である。アルミダイカストは、被削性、鋳造性、流通性、及び入手の容易性に優れるからである。
【0027】
ケース1は、略矩形状の底面BA、底面BAから略直交した2つの側面SA1(開口面に略直交する面)と奥面RA1、及びブラケットBRを備える。ケース1は、底面BAから段状に形成された段状部12に電子部品13を搭載した回路基板14を内蔵して保護する。なお、回路基板14を金属製のケース1と近接させることで、回路基板14の発した熱をケース1を介して放熱できる。また、ケース1内側四隅に形成されたネジ穴15を用いて別途回路基板を固定することで、広い開口面を利用して電子部品や回路基板を容易に処置できる。
【0028】
奥面RA1の反対側の面は、コネクタ開口部CAとなる。コネクタ開口部CAには、制御対象との入出力部となるコネクタ(図示せず)が設置される。
【0029】
ケース1は、2つの側面SA1の各々に爪受片11を2片ずつ備える。爪受片11は、側面SA1から外側に突出して形成され、上面は側面SA1側から斜め下方へ斜線形状となり、下面は平面(底面BAと平行)に形成される。
【0030】
カバー2は、ケース1の開口面を閉塞するよう略矩形状をなし、PP(ポリプロピレン)等の樹脂により形成される。カバー2は、ケース1の開口面を上方(Z方向・第1側)から覆う上面UA(主面)と、上面UAの外周部からケース1の側面SA1及び奥面RA1側に延出する側面SA2及び奥面RA2を備える。奥面RA2の反対側の面は、コネクタ開口部CAとなる。
【0031】
なお、以下の図面につき、各構成を認識可能とするため、各構成の縮尺を適宜変更して示す場合がある。
【0032】
<1−2.構成>
図2は、カバー2に設けられた係合爪21の構成を示す斜視図である。係合爪21は、カバー2の両側面SA2に2片ずつ一体的に設けられ、ケース1の爪受片11と係合して付勢力を発生し、ケース1とカバー2とを強固に固定する。すなわち、係合爪21と爪受片11との係合状態において、係合爪21は弾性変形し、係合爪21の先端となる開放端の近傍が爪受片11を上側(+Z側・第1側)に付勢する。係合爪21は、第一爪部21a、第二爪部21b、接続部21c、及び連結部21dを備える。なお、係合爪21は、第一爪部21a、第二爪部21b、及び接続部21cを2片ずつ備える。
【0033】
第一爪部21aは、下側端部(−Z側・第2側)がカバー2に固定され、ケース1の開口面に対し、略直交(+Z側)して延伸して形成される。
【0034】
第二爪部21bは、下側端部(−Z側・第2側)がカバー2に固定されない開放端となり、第一爪部21aと略平行に延伸して形成される。
【0035】
接続部21cは、第一爪部21aと第二爪部21bとの上側端部(+Z側)を接続するよう形成される。接続部21cの上面は平面であり、かかる上面が押圧者により押圧される。また、接続部21cは、上面UA(主面)よりも下側(−Z側・第2側)に配置される。すなわち、係合爪21は、上面UAよりも上側(+Z側)に突き出ることがない。
【0036】
連結部21dは、2片の第二爪部21bの開放端の近傍を連結する。2片の第一爪部21a、第二爪部21b、並びに接続部21c、及び、連結部21dが囲む内部は、開口21eとなる。連結部21dの第二爪部21b間の上面(+Z側の面)は、開口21eの内側21fとなる。開口21eの内側21fが爪受片11の底面と係合する(引っ掛かる)ことで、係合爪21と爪受片11とが係合する。係合爪21と爪受片11との係合状態において、係合爪21は弾性変形し、その反力で開口21eの内側21fが爪受片11を上側(+Z側・第1側)に付勢する。この付勢力により、ケース1とカバー2とが強固に固定される。なお、係合爪21が弾性変形するのは、接続部21cが上側(+Z側・第1側)から押圧者により押圧されるためである。
【0037】
第一爪部21a、第二爪部21b、及び接続部21cの側面(X軸方向の面)形状(すなわち、係合爪21の側面形状)は、各部の側面の略中心線Iで示すように、変形的な「コ」の字型である。係合爪21を変形「コ」の字型とすることで、弾性変形する箇所を複数にでき、押圧された際に全体的に撓むことができる。すなわち、係合爪21は、第一爪部21aと第二爪部21bと接続部21cとを有するため、全体として弾性変形が容易となる。これにより、係合爪21を逆「L」字型の係合爪に比較して、折れ難く構成できる。
【0038】
カバー2は、側面SA2に凹部2aを備える。第一爪部21aの下側(−Z側・第2側)の端部は、凹部2a内側の底面(−Z側の面・第2側の面)に固定される。凹部2aに第一爪部21aを設けることで、係合爪21をカバー2の上面UAより低く形成することができる。これにより、第一爪部21aを上面UAより低く形成することで、上面UAに物体が衝突した場合であっても、係合爪21に物体が当接することがなく、係合爪21が爪受片11から外れることがない。また、凹部2aに第一爪部21aを設けると、第二爪部21bと爪受片11との距離を短縮できる。このため、第二爪部21bを長く形成する必要がなく、係合爪21が爪受片11から外れ難くできる。
【0039】
次に、係合爪21の各部の寸法を示す。ただし、以下の数値は一例であり、係合爪21の寸法は各数値に限定されるものではない。
【0040】
第一爪部21aの長さ(Z軸方向)Aは6.0[mm]である。係合爪21の長さ(Z軸方向)Bは16[mm]である。係合爪21の幅(X軸方向)Cは14[mm]である。係合爪21の厚さ(Y軸方向)Dは1.2[mm]である。連結部21dの長さ(Z軸方向)Eは3.5[mm]である。接続部21cの長さ(Y軸方向)Fは4.0[mm]である。接続部21cの幅(X軸方向)Gは3.5[mm]である。接続部21cとカバー2の天面との間隔Hは4.0[mm]である。
【0041】
<1−3.係合>
図3ないし図5は、係合爪21が爪受片11に係合する様子を時系列に示す。図3ないし図5、及びその他に示す断面図は、図2のS−S線矢視断面図に相当する。説明の便宜上、断面図に含まれない爪受片11を点線で示す。
【0042】
図3は、カバー2をケース1上に配置した状態を示す。この状態からケース1上に配置したカバー2を下(−Z)方向に移動させ、カバー2をケース1に嵌合させる。この際、カバー2の側面と係合爪21との間に爪受片11が入るようにする。
【0043】
図4は、カバー2がケース1に嵌合し、係合爪21が爪受片11に係合していない状態を示す。カバー2をケース1上に配置した状態からカバー2を下方向に移動させると、係合爪21の第二爪部21bの開放端が、ケース1の爪受片11に当接する。さらに、カバー2を下方向に移動させると、係合爪21(第一爪部21a、第二爪部21b、及び接続部21c)が爪受片11の形状に応じて弾性変形(撓む)する。すなわち、第一爪部21aがカバー2側(+Y側)に僅かに変形し、第二爪部21bがケース1外側(−Y側)に変形し、接続部21cが上側(+Z側)に僅かに変形する。またこの状態は、係合爪21の開放端近傍の開口21eの内側21fが、爪受片11の底面11a(爪受片11の-Z側の面)の僅か上(+Z側)に掛かる状態である。したがって、係合爪21は、開口21eの内側21fが爪受片11に掛かり、弾性変形した状態で静止している。この状態で、接続部21cの上面を下方向に所定の押圧力F1で押圧すると、開口21eの内側21fが爪受片11の下に押し下げられ、爪受片11が係合爪21の開口21e内に収まり、係合爪21と爪受片11とが係合する。
【0044】
図5は、係合爪21と爪受片11とが係合した状態を示す。係合爪21は僅かに下側に弾性変形しており、上側への弾性変形の反力を発生している。すなわち、第一爪部21a及び接続部21cはY方向かつZ方向へケース1とカバー2と固定する付勢力F2を発生させ、第二爪部21bはZ方向へ付勢力F3を発生させている。このため、付勢力F3は、開口21eの内側21fが爪受片11を上側(Z方向)へ引き上げ、ケース1とカバー2と固定する付勢力となる。係合爪21に付勢力F3が発生することにより、ケース1とカバー2とを強固に固定できる。
【0045】
以上の通り、本発明の実施の形態は、ケース1に設けた変形「コ」の字型の係合爪21を押圧して弾性変形させ、カバー2に設けた爪受片11と係合するようにした。これにより、係合爪21が弾性変形の反力による付勢力を生じ、ケース1とカバー2とを強固に固定できる。したがって、係合爪21の付勢力により固定が緩むのが防止され、ケースとカバーとのガタつきを防ぐことができる。また、係合爪21を変形「コ」の字型としたため、弾性変形する箇所を複数設けることができる。このため、係合爪21は、従来の逆「L」字型の係合爪ように押圧力が根元に集中することがなく、容易に折れることがない。
【0046】
<2.変形例>
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかし、本発明は上記実施の形態に限定されることはない。本発明は変形可能である。以下、変形例を示す。なお、上記及び下記の実施の形態は、適宜組み合わせ可能である。
【0047】
上記実施の形態において、係合爪21を爪受片11に係合するために接続部21cを押圧すると説明した。接続部21cの押圧すべき個所に、突起部を設けてもよい。図6は、接続部21cの上面21tfに設けられた突起部21gを示す。突起部21gの高さJは、0.5[mm]から1.0[mm]である。接続部21cの上面21tfに突起部21gを設けることで、接続部21cの押圧者が押圧すべき個所を視認でき、かつ触感で感知できる。これにより、係合爪21を爪受片11に係合するために、係合爪21の接続部21cを押圧すべき個所が押圧者に明確になり、押圧すべき個所を容易に押圧することができる。
【0048】
また、上記実施の形態における接続部21cを曲型形状、例えば略半円形状にしてもよい。図7は、略半円形状にした接続部21hを示す。接続部21hは、第一爪部21aと第二爪部21bとを接続し、押圧者により押圧される。この場合、係合爪21は、変形的な「U」字型となる。
【0049】
また、上記実施の形態では、係合爪21は開口21eを有するとした。しかし、開口21eに代えて爪受片11に係合する鉤状形体を有してもよい。要するに、係合爪21は爪受片11に係合する形状を有すればよい。
【0050】
また、上記実施の形態では、係合爪21に設けた開口21eが、ケース1に設けた爪受片11に係合するとした。しかし、係合爪21に爪受片を設け、ケース1に開口を設けてもよい。係合爪21と爪受片11との形状に関わりなく、係合爪21の弾性変形した反力で、ケース1とカバー2とを固定できればよい。
【0051】
また、上記実施の形態では、カバー2の材料はPP(ポリプロピレン)であるとした。しかし、カバー2の材料は他の材料でもよい。例えば、プラスチックでもよい。ナイロンでもよい。ただし、熱可塑性樹脂が好ましい。すなわち押圧されて弾性変形し、付勢力を生じる可撓性ある材料であればよい。
【符号の説明】
【0052】
1 ケース
2 カバー
3 筐体
11 爪受片
21 係合爪
21a 第一爪部
21b 第二爪部
21c 接続部
21d 連結部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7