(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6484211
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】揚荷装置
(51)【国際特許分類】
B63B 25/04 20060101AFI20190304BHJP
B63B 43/26 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
B63B25/04 105
B63B43/26
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-220650(P2016-220650)
(22)【出願日】2016年11月11日
(62)【分割の表示】特願2012-103367(P2012-103367)の分割
【原出願日】2012年4月27日
(65)【公開番号】特開2017-24723(P2017-24723A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2016年11月11日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】301029805
【氏名又は名称】宇部興産海運株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】302056871
【氏名又は名称】清和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】きさらぎ国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】増田 勝美
(72)【発明者】
【氏名】當銘 勲
【審査官】
福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−237695(JP,A)
【文献】
特開2002−356194(JP,A)
【文献】
特開平06−144357(JP,A)
【文献】
特開2009−035382(JP,A)
【文献】
特開2002−264886(JP,A)
【文献】
特開2005−145326(JP,A)
【文献】
特開平06−191647(JP,A)
【文献】
特開平06−087492(JP,A)
【文献】
特開2005−022840(JP,A)
【文献】
実開昭63−104195(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3165123(JP,U)
【文献】
実開昭59−061124(JP,U)
【文献】
特開2006−044347(JP,A)
【文献】
特開2006−044343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 25/04
B63B 43/26 − 43/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を複数に区画された船倉内に積載して運搬する粉粒体運搬船に設置され、前記船倉内から前記粉粒体を荷揚する揚荷装置であって、
内部が水密となるように区画された前記船倉内から搬出された粉粒体を垂直方向に移送する垂直移送手段と、
前記船倉の底部に前記粉粒体運搬船の船体前後方向に貫通するように配置されると共に前記垂直移送手段と接続され、前記船倉内の粉粒体を前記垂直移送手段の下端側に向けて水平方向に移送する水平移送手段と、
前記船倉の底部に前記水平移送手段の両側に前記水平移送手段に沿って所定間隔で複数設けられると共に、堆積された粉粒体を前記水平移送手段に移送する船体幅方向に延びる第1のエアスライダと、
前記第1のエアスライダに沿って前記第1のエアスライダの両側に設けられ前記第1のエアスライダに向かって傾斜する斜面板及び前記斜面板に設けられたキャンバスを有し前記キャンバスに空気を供給することにより前記斜面板の傾斜面に堆積された粉粒体を払い落す第2のエアスライダと、
前記第1のエアスライダ及び前記第2のエアスライダに空気を供給する空気配管及び複数の空気供給弁と
を備え、
前記第1のエアスライダ及び前記第2のエアスライダに空気を供給してエアレーションを行い、このエアレーションの制御によって前記第1のエアスライダから前記水平移送手段への前記粉粒体の流量を調整する
ことを特徴とする揚荷装置。
【請求項2】
前記水平移送手段及び前記第1のエアスライダの接続部は、水密手段により閉塞可能に接続されていることを特徴とする請求項1記載の揚荷装置。
【請求項3】
前記第2のエアスライダは、
前記斜面板の一部に形成された空気供給口と、
この空気供給口に連通するように前記斜面板の上面に設けられた前記斜面板の長手方向に延び複数の空気供給孔を備えたエアチャンバと、
前記エアチャンバ及び前記斜面板の上面を覆うキャンバスと
を有することを特徴とする請求項1又は2記載の揚荷装置。
【請求項4】
前記垂直移送手段は、縦型バケットエレベータ又は縦型スクリューコンベヤからなり、
前記水平移送手段は、フローコンベヤからなる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の揚荷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、セメント、フライアッシュ、炭酸カルシウム(タンカル)、スラグ、クリンカー等の無機材の粉粒体の貨物や、穀物等を含む有機材の粉粒体の貨物を搬送する粉粒体運搬船に適用可能な揚荷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
セメント、フライアッシュ、タンカル、スラグ、クリンカーや穀物等の粉粒体の貨物を運搬する貨物運搬船として、例えば下記特許文献1に開示されている粉体輸送船が知られている。この粉体輸送船は、船底構造として、複数に区画された船倉内の底部中央の粉体導入路に向けて布材を備えた傾斜部を有し、この布材の底部から圧縮空気を吹き出すことで流体の流動性を確保し粉体導入路に搬送する構造を備えている。
【0003】
圧縮空気によって粉体導入路に導かれた粉体は、粉体導入路に設けられた搬送コンベヤによって船体の前後方向に搬送され、垂直移送手段でセラーポンプまで搬送された上で揚荷される。これらのことから、この粉体輸送船は、区画された船倉、その船底構造や粉体導入路、搬送コンベヤなどにより構成された揚荷装置を有するといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−356194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来技術の粉体輸送船では、揚荷装置を構成する粉体導入路が、複数の船倉を連通して船体の前後方向に延びる構造である。このため、損傷時復原性(ダメージスタビリティ:DS)が良好でないという問題がある。
【0006】
すなわち、例えば複数の船倉のうちの少なくとも1つに海水が浸入して浸水すると、粉体導入路を介して各船倉に海水が到達してしまい、全ての船倉が浸水してしまうので、船倉内に積み込んだ粉体が製品として扱えなくなると共に、損傷時復原性が良好でない。
【0007】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消し、損傷時復原性が良好で、且つ船倉から粉粒体を安定的に揚荷することができる揚荷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る揚荷装置は、粉粒体を複数に区画された船倉内に積載して運搬する粉粒体運搬船に設置され、船倉内から粉粒体を荷揚する揚荷装置であって
、内部が水密となるように区画された船倉内から搬出された粉粒体を垂直方向に移送する垂直移送手段と、船倉の底
部に粉粒体運搬船の船体前後方向に貫通するように配置されると共に垂直移送手段と接続され、船倉内の粉粒体を垂直移送手段の下端側に向けて水平方向に移送する水平移送手段と
、船倉の底部に水平移送手段の両側に水平移送手段に沿って所定間隔で複数設けられると共に、堆積された
粉粒体を水平移送手段に移送する船体幅方向に延びる
第1のエアスライダと、
第1のエアスライダに沿って
第1のエアスライダの両側に設けられ
第1のエアスライダに向かって傾斜する斜面板
と、斜面板の傾斜面に堆積された粉粒体を払い落す第2のエアスライダと、第1のエアスライダ及び第2のエアスライダに空気を供給する空気配管及び複数の空気供給弁と、を備え、
第1のエアスライダ及び第2のエアスライダに空気を供給してエアレーションを行い、このエアレーションの制御によって第1のエアスライダから水平移送手段への粉粒体の流量を調整することを特徴とする。
【0009】
また、水平移送手段及び
第1のエアスライダの接続部は、水密手段により閉塞可能に接続されていても良い。また、第2のエアスライダは、斜面板の一部に形成された空気供給口と、この空気供給口に連通するように斜面板の上面に設けられた斜面板の長手方向に延び複数の空気供給口を備えたエアチャンバと、エアチャンバ及び斜面板の上面を覆うキャンバスとを有していても良い。また、垂直移送手段は、縦型バケットエレベータ又は縦型スクリューコンベヤ、水平移送手段は、フローコンベヤであっても良い。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、損傷時復原性が良好で、且つ船倉から粉粒体を安定的に揚荷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る揚荷装置を適用した粉粒体運搬船の構造を示す側方断面図である。
【
図2】同揚荷装置を適用した粉粒体運搬船の構造を示す上方平面図である。
【
図3】同揚荷装置を適用した粉粒体運搬船の構造を示す幅方向断面図である。
【
図4】同揚荷装置を適用した粉粒体運搬船の構造を示す幅方向拡大断面図である。
【
図5】同揚荷装置を適用した粉粒体運搬船の船底の構造を示す側断面図である。
【
図7】本発明の他の実施形態に係る揚荷装置を適用した粉粒体運搬船の構造を示す一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して、この発明の実施の形態に係る揚荷装置を詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る揚荷装置を適用した粉粒体運搬船の構造を示す側方断面図である。また、
図2は、この揚荷装置を適用した粉粒体運搬船の構造を示す上方平面図である。
図3は、この粉粒体運搬船の幅方向断面図、
図4はその拡大断面図である。
【0014】
図1〜
図4に示すように、揚荷装置100は、粉粒体運搬船1に設けられている。揚荷装置100は、例えば粉粒体運搬船1の船倉であるホールド2内に積載されたセメント、フライアッシュ、炭酸カルシウム(タンカル)、スラグ、クリンカー等の無機材の粉粒体や、穀物等を含む有機材の粉粒体等の貨物を垂直方向に移送する垂直移送手段のバケットエレベータ110を備える。
【0015】
また、揚荷装置100は、ホールド2の底部中央2cに粉粒体運搬船の船体前後方向に貫通するように配置されると共にバケットエレベータ110と接続され、粉粒体等の貨物をバケットエレベータ110の下端側に向かって水平方向に移送する水平移送手段のフローコンベヤ120を備える。
【0016】
更に、揚荷装置100は、ホールド2の底部2aに底部中央2cに向けて傾斜するように配置され、ホールド2内の粉粒体をフローコンベヤ120に向けて移送する船倉内移送手段140を備える。船倉内移送手段140は、船倉の底部のフローコンベア120の両側にフローコンベヤ120に沿って所定間隔で複数設けられると共に艙壁より一定の傾斜角度で船体の幅方向に延びて堆積された
粉粒体をフローコンベヤ120に移送する払い落し移送手段であるエアスライダ141と、エアスライダ141の両側にエアスライダ141に沿って設けられた山型の
粉粒体溜まり防止142とを備える。そして、これらフローコンベヤ120及びエアスライダ141の接続部には、接続部を水密に閉塞可能な水密抜出ゲート130がそれぞれ設けられている。
【0017】
山型の
粉粒体溜まり防止142には、
図5及び
図6に示す通り、堆積された
粉粒体をエアスライダ141に移送する払い落し手段として、エアスライダ141の両側の傾斜面のほぼ全面にエアスライダ421が設けられている。エアスライダ421は、圧縮空気を供給するための空気供給口211aを備えた斜面板211と、斜面板211の上面中央部に
斜面板211の長手方向一杯に延びるように取り付けられ、空気供給口211aから供給された圧縮空気を分配するための空気供給孔212aを側面(又は側面と上面)に備えた矩形状のエアチャンバ212と、このエアチャンバ212と
斜面板211の上面とを覆うように設けられ、圧縮空気を通し且つ
粉粒体を通さない織布等から形成されたキャンバス213と、キャンバス213を斜面板211に固定する固定部214を備える。
【0018】
ここで、粉粒体運搬船1は、本例では船底を構成する船殻底板3の上に配置されたバラストタンク4と、このバラストタンク4の上板であるホールド2の底板4aとを備え、船首部6と船尾部7との間に、例えば船体前後方向に4つ、及び船体幅方向に2つずつ区画された8つのホールド2を備えている。これらホールド2は、隔壁2bにより船体の前後方向及び幅方向に水密状態で区画されている。
【0019】
粉粒体運搬船1の積込装置は、例えばホールド2内に積載する貨物(積荷)を陸上から粉粒体運搬船1に受け入れる受入エアスライド150を介して接続された中央分配タンク152と、この中央分配タンク152に接続された分配エアスライド153と、この分配エアスライド153から分岐するホールド積込部154などを備えて構成されている。
【0020】
中央分配タンク152は、船体の前後方向のほぼ中央に配置されている。分配エアスライド153は、中央分配タンク152から船首部7の方向及び船尾部8の方向に延び、且つ中央分配タンク152側からこれらの方向に傾斜して下がるように4つ設けられ、各ホールド2の上部に設けられたホールド積込部154と中央分配タンク152とを連結する。
【0021】
分配エアスライド153に連結されたホールド積込部154は、各ホールド2に対して設けられており、ホールド積込部154と分配エアスライド153との間に設けられたゲート155の開操作により、セメント等の粉粒体がホールド積込部154直下のホールド2内に落下し、積み込まれる。この際、粉粒体は流動化した状態でホールド2内に落下するので、積載表面はほぼ水平化される。
【0022】
なお、中央分配タンク152や分配エアスライド153等の構造は公知であるため、ここでは詳細な説明は省略するが、エアスライドは、例えばダクト内に傾斜したキャンバスを配置し、このキャンバスの下方から空気を供給して粉粒体を流動化させつつ移動させるものである。
【0023】
一方、
図3に示すように、粉粒体運搬船1の揚荷装置100は、上述したようなホールド2の底板4aの上に設けられたエアスライダ取付底板5の上方に設けられた船倉内移送手段のホールド用のエアスライダ141と、各ホールド2の底部中央2cに設けられ、エアスライダ141によりホールド2内を船体の幅方向に水平方向に移送されてきた粉粒体を、船体の前後方向に移送するフローコンベヤ120と、例えばフローコンベヤ120の船首部6側の端部と接続され、その下端側からフローコンベヤ120により移送されてきた粉粒体を垂直方向に移送するバケットエレベータ110とを備える。
【0024】
また、揚荷装置100は、バケットエレベータ110の近傍において、例えば船体の幅方向に複数配置されたセラーポンプ160と、これらセラーポンプ160とバケットエレベータ110の上端側とを接続するセラーポンプ160への送り管161と、セラーポンプ160内の粉粒体を揚荷するための輸送管(揚荷管)162とを備えて構成されている。
【0025】
エアスライダ取付底板5は、ホールド2内からの粉粒体の漏れや底板4a側からの海水の浸入等がないように、水密構造でホールド2の底部2aの全面に設置されている。エアスライダ421及び141は、底板4aとエアスライダ取付底板5との間の空間部に配置された、空気配管149や図示しない複数の空気供給弁(エアスライダ弁)を備えて構成されている。
【0026】
空気配管149から供給される空気は、空気供給弁を介してエアスライダ421の、斜面板211及びキャンバス213によって形成される空間内と、エアスライダ141のエアスライダボックス411内とに供給され、エアスライダキャンバス213及び412を通してホールド2内に吹き出される。エアスライダ421に供給された圧縮空気は、キャンバス213を膨らませると共に、キャンバス213の全体から吹き出されるので、
斜面板211に滞留された
粉粒体の居付きがなくなり、
粉粒体をエアスライダ141へ効率良く掻き出すことができる。また、空気は、空気供給弁の少なくとも一部に接続された複数のエアレーション弁を介してホールド2内に供給される。エアレーション弁は、ホールド2内のエアレーション圧力を調整するためのものである。
【0027】
なお、フローコンベヤ120とエアスライダ141との接続部には、エアスライダ141からの粉粒体をフローコンベヤ120に抜き出すための水密手段である水密抜出ゲート130が配置されている。水密抜出ゲート130は、電動式又は空動式のシリンダを有するナイフゲートバルブやバタフライバルブ等により構成されている。
【0028】
エアスライダ141は、ホールド2の船体側面側の隔壁2b側から水密抜出ゲート130の方へ僅かに傾斜して下がるように配置されているので、流動化されたホールド2内の粉粒体を水密抜出ゲート130の方向へ移送させる。水密抜出ゲート130は、図示しない自動制御装置又は手動制御装置により閉操作されることで、ホールド2内のエアスライダ141とフローコンベヤ120との接続部を水密に閉塞する。これにより、各ホールド2はそれぞれ水密に区画される。
【0029】
このように構成された本実施形態に係る揚荷装置100は、フローコンベヤ120によって各ホールド2が船体の前後方向に連通されていても、水密抜出ゲート130によりフローコンベヤ120とエアスライダ141とを水密にすることができる。従って、ホールド2のいずれかに海水が浸入しても、水密抜出ゲート130を閉操作することにより他のホールド2内への浸水を防ぐことができる。これにより、損傷時復原性を向上させることができる。また、フローコンベヤ120、エアスライダ141及びバケットエレベータ110等は既存の構造のものを利用して、水密抜出ゲート130及び
粉粒体溜まり防止142のみを新規に設置するだけで揚荷装置100を実現することができるので、安価に構成することができる。
【0030】
また、本実施形態に係る揚荷装置100は、傾斜面にエアスライダ421を備えた
粉粒体溜まり防止142をホールド2内に設けており、従って払い出しが容易となるため、船倉から粉粒体を安定的に揚荷することが可能となる。しかも、このエアスライダ421は、既存の山型の鋼板製の
斜面板211に、空気供給口211aを形成し、空気圧縮口211aを覆うように
斜面板211の上にエアチャンバ212を設け、その上をキャンバス213で覆う構造となっており、
斜面板211の下側には、圧縮空気導入用の配管が少なくとも1箇所で接続するだけの構造となっている。このため、
斜面板211の下側からの水密性を確保することができ、これによっても海水の進入を防止することができる。
【0031】
なお、バケットエレベータ110の代わりに、縦型スクリューコンベヤ等の垂直移送手段を採用したり、フローコンベヤ120としてチェーンコンベヤや横型スクリューコンベヤ等を採用することも可能である。また、水密抜出ゲート130をその開度に応じて粉粒体のフローコンベヤ120への流量を調整する流量調整弁として動作させたり、エアスライダ141のエアレーションを制御してこの流量を調整したりすることも可能である。
【0032】
また、本実施形態に係る揚荷装置100によれば、水密抜出ゲート130の構造をナイフゲートバルブ等の既存の水密手段により構成し、ゲートの開口形状を矩形状、円形状など種々の形状で構成することができるので、フローコンベヤ120とエアスライダ141との接続部分にこれらの接続のためのデッドスペースが不要となり、より簡単な構造で損傷時復原性を向上させる揚荷装置100を実現することができる。
【0033】
図7は、本発明の他の実施形態に係る揚荷装置を適用した粉粒体運搬船の構造を示す一部拡大断面図である。
図7に示すように、本実施形態では、エアスライダ422を構成するエアチャンバ312が矩形ではなく、半円筒状になっている。このようなエアチャンバ312を用いた場合、先の実施形態と同様の効果を有する他、強度的にも強いという効果がある。
【0034】
このような構成により、少ない改変で、
斜面板211の下側からの水密性を確保することができ、且つ、
粉粒体の効率の良い掻き出しが可能になる。
【符号の説明】
【0035】
1 粉粒体運搬船
2 船倉(ホールド)
2a 底部
2b 隔壁
3 船殻底板
4 バラストタンク
4a 底板
5 エアスライダ取付底板
6 船首部
7 船尾部
100 揚荷装置
110 バケットエレベータ
120 フローコンベヤ
130 抜出ゲート
140 船倉内移送手段
141 エアスライダ
142
粉粒体溜まり防止
211 斜面板
212 エアチャンバ
213 キャンバス
214 固定部