特許第6484301号(P6484301)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6484301
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】外科用器具用パワーアシスト装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/128 20060101AFI20190304BHJP
   A61B 17/10 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   A61B17/128
   A61B17/10
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-142142(P2017-142142)
(22)【出願日】2017年7月21日
(62)【分割の表示】特願2017-84242(P2017-84242)の分割
【原出願日】2014年2月21日
(65)【公開番号】特開2017-196497(P2017-196497A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2017年8月8日
(31)【優先権主張番号】13/804,043
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ラヌッチ,ケヴィン,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】コールドウェル,ネイサン,スチュワート
(72)【発明者】
【氏名】フェリックス,アウグストゥス
【審査官】 槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−299376(JP,A)
【文献】 特開平04−215747(JP,A)
【文献】 特表2001−523512(JP,A)
【文献】 特表2012−526617(JP,A)
【文献】 特開2001−187062(JP,A)
【文献】 特開2013−000600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/128
A61B 17/10
A61B 17/068
A61B 17/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ハンドル部分及び第2ハンドル部分を有するハンドルであって、前記第1ハンドル部分が前記第2ハンドル部分に対して回転可能である、ハンドルと、
前記第1ハンドル部分から延在する細長い軸と、
衝撃面を有し、前記第1ハンドル部分に少なくとも部分的に配置され、第1の近位位置と第2の遠位位置との間で変位可能とされる駆動軸と、
前記ハンドル内に配置され、前記衝撃面を打突して前記駆動軸を前記第1の近位位置から前記第2の遠位位置へと変位させるストライカと、
を備える、外科用器具。
【請求項2】
前記第2ハンドル部分に対する前記第1ハンドル部分の回転は、前記第2ハンドル部分に対して前記駆動軸を回転させる、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記第1ハンドル部分内に配置されたエネルギー貯蔵部材と、
前記第2ハンドル部分内に配置されたシャトルと、をさらに備え、
前記ストライカは、前記第1ハンドル部分内に配置され、
前記シャトルの遠位移動は、前記駆動軸を前記第1の近位位置から前記第2の遠位位置へと移動させ、前記エネルギー貯蔵部材を前記ストライカに対して圧縮する、請求項1又は2に記載の外科用器具
【請求項4】
第1ハンドル部分及び第2ハンドル部分を有するハンドルであって、前記第1ハンドル部分が前記第2ハンドル部分に対して回転可能である、ハンドルと、
前記ハンドルから延在する細長い軸と、
前記細長い軸に配置され、第1の近位位置と第2の遠位位置との間で変位可能な駆動軸と、
前記第1ハンドル部分と前記第2ハンドル部分の間に延在し、前記第1ハンドル部分に対して動的に結合し回転に関し静的で、かつ、前記第2ハンドル部分に対して動的に結合し回転可能である回転ハウジングと、
前記第2ハンドル部分内に少なくとも部分的に配置され、前記駆動軸に動的に結合したシャトルであって、前記シャトルの遠位移動が前記駆動軸を前記第1の近位位置から前記第2の遠位位置へと移動させ、前記シャトルは前記回転ハウジングに対して回転可能である、シャトルと、
を備える、外科用器具。
【請求項5】
前記駆動軸に結合され前記回転ハウジング内に配置されるエネルギー貯蔵部材ハウジングと、
前記エネルギー貯蔵部材ハウジング内に少なくとも部分的に配置されるエネルギー貯蔵部材と、
前記回転ハウジング内に配置されるストライカと、をさらに備え、
前記エネルギー貯蔵部材は、前記ストライカと前記エネルギー貯蔵部材ハウジングの間に配置される、請求項4に記載の外科用器具
【請求項6】
前記シャトルは、前記エネルギー貯蔵部材ハウジングに回転可能に接触し、
前記シャトルの遠位移動は、前記エネルギー貯蔵部材ハウジングを遠位方向に移動させる、請求項5に記載の外科用器具
【請求項7】
前記シャトルの遠位面は、前記エネルギー貯蔵部材ハウジングの近位面に回転可能に接触する、請求項6に記載の外科用器具
【請求項8】
前記駆動軸、前記ストライカ及び前記エネルギー貯蔵部材は、同軸上に位置する、請求項3及び5〜7の何れか一項に記載の外科用器具
【請求項9】
前記ストライカを所定の位置に選択的にロックするロック機構をさらに備える、請求項3及び5〜8の何れか一項に記載の外科用器具。
【請求項10】
前記ロック機構は、前記ストライカを開放するよう前記駆動軸が前記第1近位位置から前記第2遠位位置に向かって作動されるにつれ変位させられる第1カム面を含む、請求項9に記載の外科用器具。
【請求項11】
前記ロック機構は、前記駆動軸に動的に結合する第2カム面を有し、
前記第2カム面は、前記ストライカを開放するよう前記駆動軸が前記第1近位位置から前記第2遠位位置に向かって作動されるにつれ前記第1カム面を変位させる、請求項10に記載の外科用器具。
【請求項12】
前記第1ハンドル部分と前記第2ハンドル部分とが互いに対して回転したときに前記ストライカと前記ロック機構を位置合わせするための位置合わせフィーチャをさらに備える、請求項9〜11の何れか一項に記載の外科用器具。
【請求項13】
前記位置合わせフィーチャは、前記ストライカと前記ロック機構との位置合わせを維持する位置合わせレールを有する、請求項12に記載の外科用器具
【請求項14】
前記第1近位位置から前記第2遠位位置に向かう前記駆動軸の作動は、エネルギーを前記エネルギー貯蔵部材に貯蔵するために前記エネルギー貯蔵部材を圧縮する、請求項3及び5〜13の何れか一項に記載の外科用器具。
【請求項15】
前記第1近位位置から前記第2遠位位置に向かう前記駆動軸の作動は、エネルギーを前記エネルギー貯蔵部材に貯蔵するために、前記エネルギー貯蔵部材を圧縮する前記エネルギー貯蔵部材ハウジングを変位させる、請求項5〜7の何れか一項に記載の外科用器具
【請求項16】
前記駆動軸に結合する衝撃面をさらに備え、
前記衝撃面は、前記駆動軸を前記第1近位位置から前記第2遠位位置に変位させて外科用ファスナを展開するために、前記ストライカによって打突されるように配置構成される、請求項5〜7の何れか一項に記載の外科用器具。
【請求項17】
前記衝撃面は、留め具である、請求項16に記載の外科用器具。
【請求項18】
前記駆動軸は、前記細長い軸から外科用ファスナを直接的に展開するように配置構成される、請求項1〜17の何れか一項に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 外科用器具用パワーアシスト装置。
【背景技術】
【0002】
[0002] 多くの場合、ヘルニアの外科的修復中に外科用メッシュ布またはその他の人工修復布が使用される。人工修復布は、開放術式または腹腔鏡下で配置され得る。修復布を適所に固定するために、1つ以上のファスナが人工修復布を通過して下層組織中に展開されることができる。ファスナを発射させるために必要な力の量は、ファスナ形状および使用される人工修復布の種類の両方の関数である。より大きいファスナおよびより固い布は、一般的には、ファスナを人工布を通過させ下層組織中に展開させるための力の増加に繋がる。ファスナを展開するために必要とされる手術者によって与えられる力の量を減少させるために、腹腔鏡固定装置は、ファスナの展開を補助するためにパワーアシスト装置を組み込むことができる。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 一実施形態では外科用器具は、ハンドルと、ハンドルから延在する細長い軸と、
駆動軸を含む外科用ファスナ展開システムと、を含むことができる。駆動軸は、少なくとも第1近位位置と第2遠位位置との間で作動可能である。ストライカは駆動軸に対して移動可能である。衝撃面は駆動軸に関連し、駆動軸を第2遠位位置に変位し外科用ファスナを展開するためにストライカ部材によって打突されるよう構築および配置される。
【0004】
[0004] 別の実施形態では、外科用ファスナを展開するための方法は、外科用ファスナを含む器具および器具から外科用ファスナを展開するためのシステムを提供することであって、展開システムは駆動軸を含む、提供することと、駆動軸を第1位置から外科用ファスナを展開することと動作可能に関連する第2位置に向かって変位させることと、駆動軸の第2位置への移動を加速するため変位する駆動軸にパルスを付与することと、を含む。
【0005】
[0005] さらに別の実施形態では、外科用ファスナを展開するための方法は、外科用ファスナを含む器具および器具から外科用ファスナを展開するためのシステムを提供することであって、展開システムは駆動軸および駆動軸に関連する衝撃面を含む、提供することと、衝撃面を移動質量で打突することと、外科用ファスナを展開するために質量から駆動軸に運動量を移行することと、を含む。
【0006】
[0006] 上述の構想および以下に記述される付加的な構想は、本開示はこの点において限定されないことから、任意の適切な組み合わせで設定されてよいことを理解されたい。
【0007】
[0007] 本教示内容の上述および他の態様、実施形態および特徴は、添付の図面と併せ、下記記載内容からより十分に理解することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
[0008] 添付の図は、縮尺通りに描かれることを意図されていない。図中、種々の図で図示された同一またはほぼ同一の構成要素の各々は、同様の参照符号により表される。明確にするため、各図面の全ての構成要素に符号が付されるとは限らない。
図1】[0009] パワーアシスト装置を組み込んだ外科用器具の断面図である。
図2】[0010] 駆動軸に取り付けられたパワーアシスト装置の斜視図である。
図3】[0011] パワーアシスト装置の分解図である。
図4】[0012] エネルギー貯蔵部材ハウジングの斜視図である。
図5A】[0013] 作動中およびパワーアシスト装置におけるエネルギー貯蔵前のパワーアシスト装置を組み込んだ外科用器具の断面図である。
図5B】[0014] エネルギー貯蔵部材にエネルギーが貯蔵された状態で作動中のパワーアシスト装置を組み込んだ外科用器具の断面図である。
図5C】[0015] ストライカ解放後に作動中のパワーアシスト装置を組み込んだ外科用器具の断面図である。
図6】[0016] 駆動軸および外科用ファスナを含む細長い軸の遠位端の断面図である。
図7】[0017] パワーアシスト装置および回転カップリングを組み込んだ外科用器具の断面図である。
図8】[0018] パワーアシスト装置を示すために回転ハウジングが除去された、パワーアシスト装置および回転カップリングを組み込んだ外科用器具の断面図である。
図9】[0019] 図7および図8のパワーアシスト装置の断面図である。
図10】[0020] 図7および図8のパワーアシスト装置のエネルギー貯蔵部材ハウジングの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0021] 発明者らは、外科用器具から外科用ファスナを展開することに関与する駆動軸に短時間持続パルスを供給することに関する利点を認識している。理論に束縛されるものではないが、短時間持続パルスはファスナにより大きい力が付与されることに繋がり、それにより人工布への貫通を向上させ、必要とされている使用者からの手動の力入力を減少させる可能性がある。短時間持続パルスは、使用者に対してより増大された、外科用ファスナが展開されたことを示す触覚および可聴フィードバックをも提供し得る。
【0010】
[0022] 駆動軸に移動質量を打突させることにより、駆動軸に短時間持続パルスを付与することが可能である。駆動軸は、移動質量に打突される前は稼働中であるかあるいは停止している。外科用ファスナを展開するために、移動質量は、質量から運動量を駆動軸に移行するために直接的あるいは間接的に駆動軸を打突することができる。特定の実施形態により、駆動軸は、移動質量によって打突されることに反応して、完全にまたは部分的にのみ作動し得る。駆動軸が移動質量によって完全に作動する場合には、駆動軸は打突される前は第1近位位置に位置し、移動質量によって打突された後にはファスナを展開するために第2遠位位置に位置し得る。代替的には、駆動軸が打突される前に部分的に作動する実施形態においては、駆動軸は移動質量によって打突される前に、第1近位位置と第2遠位位置の間の所定の位置において第1近位位置から第2遠位位置に向かって作動し得る。
【0011】
[0023] ある実施形態では、移動質量は駆動軸に結合される。理論に束縛されるものではないが、そのような実施形態では、質量の加速は駆動軸の反対(すなわち遠位)方向への加速に繋がり得る。この後ろ向きの加速は駆動軸に衝撃を与える質量によって提供されたパルスを少なくとも部分的に打ち消すため、後ろ向きの加速を防ぐことが好ましい。従って、質量が駆動軸に結合される実施形態では、駆動軸の後ろ向き移動を実質的に防ぐことが望ましい。駆動軸の後ろ向きの加速を防ぐことは、作動システム、ラチェット機構、摩擦、またはその他の駆動軸の後ろ向きの加速を実質的に防ぐことができる一方でそれでもなお1つまたは複数のファスナを展開するために駆動軸が近位および遠位方向の双方に移動することを可能にする適切な機構または物理的作用によって提供された作動力を含むがそれに限定されない様々な方法によって達成されることができる。
【0012】
[0024] 本明細書で開示されるパワーアシスト装置の種々の実施形態は、ある特定のタイプのファスナまたは外科用器具に限定されるものではない。例えばパワーアシスト装置は、タック、クリップ、ステープル、ピン、組織アンカ、骨アンカ、またはファスナの挿入または展開のために必要とされる手動力を減少させる目的でパワーアシスト装置を使用することから利益を享受することができるその他のタイプのファスナと共に使用可能である。同様にパワーアシスト装置は、下にある組織への布の取り付け、隣り合う組織層の結びつけ、家畜への識別装置および/またはタグの取り付け、およびファスナの展開に関わるその他の適切な用途を含むがそれに限定されない様々な医療処置の支援に使用され得る。
【0013】
[0025] 明確さのため、現在開示されている実施形態は腹腔鏡装置を対象としている。しかしながら、現開示は腹腔鏡装置に限定されない。むしろパワーアシスト装置は、組織中へのファスナの展開のためにいかなる適切な装置において使用可能である。例えば、パワーアシスト装置は内視鏡装置、工業用内視鏡、カテーテル、「開放」術式において使用される外科用器具、またはその他の任意の適切な外科用器具内に組み込まれることが可能である。加えて、パワーアシスト装置を含む器具は、1つまたは複数のファスナが装填されてよく、あるいは使用者が器具に1つまたは複数のファスナを装填することを可能にするように構築され得る。
【0014】
[0026] 次に図を参照するに、外科用器具に組み込まれたパワーアシスト装置の特定の実施形態が記載される。
【0015】
[0027] 図1は、ハンドル12と、ファスナが展開される装置の遠位端に向かってハンドル12から延在する中空の細長い軸14とを含む外科用器具10を示す。外科用器具は、伝動連結部18に結合されたトリガー16を含む。トリガー16が作動されると、伝動連結部18はシャトル20を外科用器具10の遠位端に向かって変位させる。開放されると、トリガー16は戻しバネ22によって初期位置に戻る。これにより、次に、シャトル20がその初期位置に戻る。そのためトリガー16の作動は、シャトル20を遠位および近位の両方に変位させる。図では具体的な連結およびトリガー機構が図に示される一方で、異なるトリガーおよび伝動連結部が想定されている。例えば、伝動連結部は、ギア、マルチバー連結部、またはその他の適切な伝動機構を組み込むことができる。別の実施形態では、伝動連結部はシャトル20の変位に機械的利点を提供するために構築される。
【0016】
[0028] 示される実施形態では、外科用器具から外科用ファスナを展開するためのシステムは、細長い軸14の内側ルーメンを通過してハンドル12から遠位に延在する駆動軸24を含む。別の実施形態では、駆動軸は完全にハンドル内に設けられてよい。駆動軸24はシャトル20に結合され、それによりシャトルの遠位側および近位側への移動が第1近位位置および第2遠位位置間の駆動軸の位置をずらす。駆動軸24は、外科用器具からファスナを展開するために直接的または間接的のいずれかで遠位側に位置するファスナに力を付与するよう構成および配置される。
【0017】
[0029] 図1〜4で示されるように、図示されるパワーアシスト装置はエネルギー貯蔵部材28、ストライカ30および衝撃面32を含む。パワーアシスト装置は、エネルギー貯蔵部材ハウジング26およびロック機構24をも含み得る。パワーアシスト装置は、ハンドル12内に設けられてよい。図において示されるように、エネルギー貯蔵部材ハウジング26は、ハンドルから遠位側に延在する駆動軸24と同軸に位置合わせされてよい。特定の実施形態によっては、エネルギー貯蔵部材ハウジング26は、駆動軸の軸方向変位がエネルギー貯蔵部材ハウジングの対応する変位をもたらすように、駆動軸24に直接的に結合されてよい。代替的実施形態では、現開示がこのような方法で限定されていないために、エネルギー貯蔵部材ハウジング26は駆動軸に24に対して回動可能および/または軸方向に自由に移動することができる。図に示されるように場合によっては、エネルギー貯蔵部材ハウジング26は、シャトル20に直接接触および/または結合される。特定の実施形態によっては、この接触および/または結合はシャトル20に対するエネルギー貯蔵部材ハウジング26の回動を可能にし得る。
【0018】
[0030] 図2および図3において最もよく示されるように、エネルギー貯蔵部材28は駆動軸24の同軸上に設けられてよく、またエネルギー貯蔵部材ハウジング28の室内容積52内に部分的に設けられてよい。エネルギー貯蔵部材28の一部は、室内容積52から外側に向かって遠位に延在する。図4に示されるように室内容積52は、カウンタボア52aおよびスルーホール52bを含む。カウンタボア52aとスルーホール52bとの間に棚54が位置する。エネルギー貯蔵部材28が室内容積52内に位置する場合には、エネルギー貯蔵部材の近位端は棚54上に載せ置かれる。そのため、エネルギー貯蔵部材ハウジング26を遠位方向に変位させることは、エネルギー貯蔵部材28を遠位方向に変位させることに繋がる。エネルギー貯蔵部材28の遠位端が位置にロックされる場合にはこの遠位への変位は、エネルギー貯蔵部材28が圧縮されることに繋がる。
【0019】
[0031] エネルギー貯蔵部材の位置決めおよび保持に関してスルーホールおよびカウンタボアが記述されているが、エネルギー貯蔵部材の近位への移動を防ぐために、スルーホール内に位置する1つまたは複数の突起、ファスナ、連動構造、接着装置、締まりバネ、およびその他の方法、を含むがこれらに限定されない、その他の配置が想定される。同様に、本実施形態ではエネルギー貯蔵部材28がエネルギー貯蔵部材ハウジング26内に少なくとも部分的に設けられていると示されている一方で、エネルギー貯蔵部材28がパワーアシスト装置の別の構成要素内に設けられていない実施形態もまた可能である。例えば、エネルギー貯蔵部材は構成要素の外側に結合されてよく、場合によっては、エネルギー貯蔵部材はシャトル20との間に中間構成要素を有することなくシャトル20と直接接触し得る。
【0020】
[0032] エネルギー貯蔵部材28としてコイルバネが示されているが、エネルギー貯蔵部材はそのように限定されない。例えば、エネルギー貯蔵部材は、弾倉バネ、ガスバネ、および駆動軸の作動中に圧縮エネルギーを貯蔵および開放することが可能なその他の適切な構造または装置を含み得るが、それらに限定されない。
【0021】
[0033] 図示された実施形態では、ストライカ30は駆動軸24と同軸上に設けられる。ストライカ30は、ストライカヘッド30a、軸30b、およびストライカヘッド30aと軸30bの両方を通過して延在するスルーホール46を含む。スルーホール46は、駆動軸24がストライカ30に対して自在に動くことを可能にするようなサイズである。駆動軸24の同軸上に取り付けられることに加えて、エネルギー貯蔵部材28は、エネルギー貯蔵部材28および軸30bの両方がエネルギー貯蔵部材ハウジング26の室内容積52内に配置されるように、軸30b上に取り付けられる。エネルギー貯蔵部材28は棚54によって抑制される一方で、軸30bはカウンタボア52aおよびスルーホール46を通過する。軸30bおよびスルーホール52bは、軸30bがスルーホール52b内で自在に滑動することができるように寸法決めされる。軸30bは、スルーホール52b内で自在に滑動し得るため、軸30bはエネルギー貯蔵部材ハウジング26に対して移動可能である。エネルギー貯蔵部材28は、ストライカ30とエネルギー貯蔵部材ハウジング26との間に位置する。その結果、ストライカ30が位置にロックされている間は、ストライカ30に対して遠位方向への駆動軸24およびエネルギー貯蔵部材ハウジング26の移動は、エネルギー貯蔵部材28をストライカヘッド30aとエネルギー貯蔵部材ハウジング26の棚54との間で圧縮させる。
【0022】
[0034] 図1および2を参照するに、ロック機構34は圧縮されたエネルギー貯蔵部材28の開放を防ぐ。図に示されるように、ロック機構34はストライカ上に位置するキャッチ30cと相互に作用するように構築および適応されたラッチである。ロック機構34は、付勢部材36によってロック位置に向かって付勢される。付勢部材36は、コイルバネ、線形バネ、ねじりバネ、ラッチを閉位置に向かって付勢するハンドル、ラッチ、またはその他の構成要素に組み込まれた弾性部材、またはその他の任意の適切な構造を含むがそれに限定されない任意の適切な構造であってよい。ロック機構34は、エネルギー貯蔵部材ハウジング26上に位置するカム面38およびロック機構34上に位置するカム面40の使用を通じてアンロック位置に移動される。以下により詳細に記載されるように、エネルギー貯蔵部材ハウジング26が遠位方向に変位されるにつれ、カム面36はカム面40に接触しラッチ機構を外側に変位させ、それによりストライカ30を開放する。図において補助カム面の使用が示されているが、他の構成も可能である。例えば、ロック機構34は、ロック機構を変位させるためラック・アンド・ピニオン式の構成、ロック機構を変位させるための連結部、ストライカ30を位置に選択的にロックするためのラチェット爪装置、またはストライカ30を位置に選択的にロックするためまたはロック機構34の操作を制御するためのその他の適切な構造を含み得る。
【0023】
[0035] ロック機構34がアンロック位置に移動すると、ストライカ30、そしてその次にエネルギー貯蔵部材28は、解放されそれによりエネルギー貯蔵部材28が衝撃面32に向かって遠位方向にストライカ30を加速させることを可能にする。示される実施形態では、衝撃面32は駆動軸24に結合された留め具である。打突されると、駆動軸24はファスナを展開するために遠位方向に加速する。
【0024】
[0036] エネルギー貯蔵部材ハウジング、エネルギー貯蔵部材、およびストライカなどのパワーアシスト装置の種々の構成要素が駆動軸の軸方向に位置合わせがなされているとして描かれているが、パワーアシスト装置の構成要素が駆動軸の軸方向に位置合わせがなされていない実施形態も想定されている。例えば、パワーアシスト装置は駆動軸と隣接して位置し得る。加えて、パワーアシスト装置は図において示されるようにハンドル内に設けられ得るが、パワーアシスト装置はハンドル12に接続された独立したハウジング内に設けられてもよい。
【0025】
[0037] いくつかの実施形態では、また図で示されるように、キャッチ30cおよびカム面38などのフィーチャは、ロック機構34およびカム面40などの対応する構成要素との相互作用を可能とするために事前に選択された配向に配向される。そのような実施形態では、パワーアシスト装置の所望の機能性を実現するためにこれらの構成要素の事前に選択された配向を維持することが望ましい。そのため、いくつかの実施形態では、パワーアシスト装置の1つまたは複数の構成要素上に位置合わせフィーチャが提供される。図2に示されるように、エネルギー貯蔵部材ハウジング26はハウジング位置合わせフィーチャ48を含むことができ、ストライカ30はストライカ位置合わせフィーチャ50を含むことができる。図示された位置合わせフィーチャは、装置の作動中にエネルギー貯蔵部材ハウジング26およびストライカ30の配向を維持するためのハンドル内部(図示されず)に存在するスロット、溝、壁またはその他の適切なフィーチャと相互作用する突起である。本実施形態では、位置合わせフィーチャが採用されているが、その他の実施形態も可能である。例えば、カムおよび/またはキャッチ面は、構成要素の全周の周りに位置することができ、それにより構成要素は任意の配向において稼働することができる。
【0026】
[0038] 上記実施形態に関して、衝撃面32および打突面44は任意の適切な材料から作られ得る。例えば、衝撃面および打突面用の適切な材料は鋼、ステンレス鋼、アルミニウムおよびチタニウムなどの金属ならびに硬質プラスチックと複合材料を含み得るが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、これらの構成要素は同一の材料から作られるが、衝撃面および打突面が他の材料から作られているその他の実施形態も可能である。加えて、衝撃面および打突面について特定の形状寸法が示されているが、これらの構成要素はいかなる特定の形状、寸法または配置に限定されない。むしろ本開示は全体として、ファスナを展開するために、駆動軸に関連する任意の適切な表面に運動量を移行するため、適切に構築および配置された質量を用いて駆動軸に関連する任意の適切な表面に衝撃を与えることを開示していると見なされるべきである。
【0027】
[0039] ストライカから駆動軸へのエネルギー移行を向上させるために、衝撃面32および打突面44は、高い反発係数を提供するために構築および配置されること、および/または高い反発係数を提供するための材料から作られることができる。例えば、衝撃面および打突面の間の打突の反発係数は約0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95またはその他の適切な数値係数以上であり得る。それに応じて、反発係数は約1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75またはその他の適切な数値係数以下であり得る。そのため、上記範囲の組み合わせは考慮される(例えば、約0.8以上であり約1以下である打突の反発係数)。その他の組み合わせもまた可能である。さらには、衝撃面および打突面の間の打突の反発係数が上記のものよりも低い実施形態もまた想定されている。
【0028】
[0040] 次に図5A〜5Cを参照するに、図1〜4に図示される実施形態の操作がより詳細に示されている。
【0029】
[0041] 図5Aでは、トリガー16の作動が開始される。トリガー16は、駆動軸24を作動するためにシャトル20が係合するまでの所定の量のあそびを有する。別の実施形態では、本開示はこのように限定されないため、トリガーにおけるあそびの量は減らされ得るか、またはトリガーは作動において一切のあそびを有し得ない。
【0030】
[0042] 図5Bに示される、トリガー16の更なる作動は、シャトル20を遠位方向に係合かつ移動させる。シャトル20が遠位方向に移動するにつれ、それに応じて駆動軸24、衝撃面32およびエネルギー貯蔵部材ハウジング20が遠位方向に移動される。ストライカ30はロック機構34によってロック位置に保持されているため、エネルギー貯蔵部材28はエネルギー貯蔵部材ハウジング26とストライカ30との間で圧縮される。エネルギー貯蔵部材28を圧縮することに加えて、駆動軸24は遠位方向に移動されるため、駆動軸24はストライカ30の開放の前までに細長い軸14の端部からファスナを部分的に展開し得る。このファスナ部分的な展開は、ファスナ展開の先導段階として作用し得る。
【0031】
[0043] 図5Cを参照するに、トリガー16の更なる作動により、シャトル20は駆動軸24およびエネルギー貯蔵部材ハウジング26を遠位方向に変位させ続け、エネルギー貯蔵部材28に追加のエネルギーを貯蔵する。事前に選択された位置において、エネルギー貯蔵部材ハウジング26上のカム面38は、ストライカ30をアンロックするようにロック機構34を外側に変位させる。アンロックされると、ストライカ30はエネルギー貯蔵部材28によって遠位方向に加速され、最終的には駆動軸24に運動量を移行するために衝撃面32を打突する。結果として生じる駆動軸24に対するパルスは、関連するファスナを完全に展開するために駆動軸24の遠位方向への移動を加速させる。ストライカ30が衝撃面32を打突する前までに、駆動軸は遠位方向に第1の速さで移動し得る。ストライカ30が衝撃面32を打突した後は、駆動軸は遠位方向に第1の速さよりも大きな第2の速さで移動し得る。トリガー16は次に開放され、駆動軸24、ストライカ30、エネルギー貯蔵部材28、エネルギー貯蔵部材ハウジング26およびシャトル20は近位方向に移動し、次のファスナを展開するように装置を初期化するために図5Aにおいて示されたそれぞれの初期位置に戻る。
【0032】
[0044] 図6は、細長い軸14の遠位端の1つのあり得る実施形態の断面図である。図において示されるように、1つ以上のファスナ60が外科用器具の細長い軸内に設けられ得る。上記されたように、外科用器具から外科用ファスナを展開するためのシステムの駆動軸24は、外科用器具の作動中は遠位および近位方向に往復する。駆動軸24は遠位方向に変位されているため、駆動軸24の遠位端上に位置する一つ以上のタブ62は、細長い軸の遠位端からファスナを追い出すために、最遠位のファスナ60の一部と係合する。いくつかの実施形態では、次の最遠位のファスナを展開のために位置付けるように、最遠位のファスナから近位に位置する残りのファスナは最遠位のファスナの展開と同時にまたは、それに続いて遠位方向に移動し得る。ファスナを展開した後は、次のファスナの展開のために外科用器具を初期化するため、駆動軸24はタブ62を次のファスナ上に引くよう近位方向に移動され得る。
【0033】
[0045] 外科用器具の遠位端からのファスナの展開のための具体的な配置が上述されており図6に図示されているが、他の配置も可能であることを理解されたい。例えば、一実施形態では、駆動軸はファスナの誘導および駆動を同時に行うためのそりとして構築され得る。別の実施形態では、展開の前までに最遠位のファスナが駆動軸に沿って位置合わせするよう、駆動軸はファスナとは異なる軸上に位置し得る。さらに別の実施形態では、駆動軸は別の構成要素またはアセンブリを通じてファスナと動作可能に関連し得る。具体的には、そのような実施形態では、駆動軸の遠位側への移動はファスナを間接的に展開するために別の構成要素またはアセンブリにエネルギーを与えるかまたは別の構成要素またはアセンブリを変位させ得る。上述の実施形態は単に説明を目的としており、本開示は本明細書に開示されている実施形態にのみ限定されるべきではない。むしろ、任意の適切な駆動軸および一つまたは複数のファスナが使用され得る。さらには、駆動軸および1つまたは複数のファスナは、駆動軸の遠位側への移動がファスナを展開するよう任意の適切な方法で配置および構成されてよい。
【0034】
[0046] 上述の実施形態では、単一のハンドルおよびハンドルに対して静止している細長い軸14を有する装置が記載されている。しかしながら、いくつかの実施形態では、ファスナの位置決めを容易にするために、ハンドルに対して回転可能である細長い軸14を提供することが望ましい。そのような実施形態では、軸またはハンドルの一部のいずれかが、グリップを含むハンドル部分に対して回転可能である。そのような実施形態の1つが図7〜10に示されている。図示される実施形態では、装置10は第2ハンドル部分102に対して回転可能な第1ハンドル部分100を含む。第1および第2ハンドル部分100および102は、互いに対して回転可能であるよう任意の適切な方法で構築および配置され得る。ハンドル12は、パワーアシスト装置を収容するための回転ハウジング104をも含む。いくつかの実施形態では、回転ハウジング104は第1ハンドル部分に対して回転ハウジングの配向を維持するカップリング106を含む。しかしながら、回転ハウジング104が第1部分100において自在に回転することができる実施形態も想定されている。
【0035】
[0047] 図8は、パワーアシスト装置とその個別の構成要素を示すために回転ハウジングが除かれた図7の装置を示す。上述の配置と同様に、パワーアシスト装置はエネルギー貯蔵部材ハウジング26、エネルギー貯蔵部材28、ストライカ30、衝撃面32およびロック機構34をも含み得る。しかしながら本実施形態では、これらの構成要素は、第1ハンドル部分100が回転した場合にこれらの構成要素の第2ハンドル部分102に対する配向が変更するように、回転ハウジング104内に組み込まれている。さらには、駆動軸が回転しないいくつかの実施形態では、これらの構成要素の配向もまた駆動軸に対して変更し得る。第2ハンドル部分102に対するパワーアシスト装置の回転を容易にするために、シャトル20はエネルギー貯蔵部材ハウジング26に回転可能に結合されるか、あるいはエネルギー貯蔵部材ハウジング26に物理的に接続されなくとも、シャトル20はエネルギー貯蔵部材ハウジング26に単純に接触してよい。エネルギー貯蔵部材ハウジング26とシャトル20との間の回転を可能とすることにより、シャトル20は回転を可能としながらもさらにエネルギー貯蔵部材ハウジングを遠位側に配置することもできる。
【0036】
[0048] パワーアシスト装置の種々の構成要素の相対配向を維持するため、位置合わせ軸108などの位置合わせフィーチャが設けられ得る。位置合わせ軸108は、構成要素の配向を維持するために第1ハンドル部分100に直接接続し得るか、あるいは位置合わせ軸108は回転ハウジング104に接続され得る。図9および10に示されるように、位置合わせ軸108は、エネルギー貯蔵部材ハウジング26の配向を制御することによってパワーアシスト装置の種々の構成要素の配向を制御する。図示された実施形態では、エネルギー貯蔵部材ハウジング26は、エネルギー貯蔵部材ハウジング26を通過して軸方向に延在する位置合わせ孔110を含む。いくつかの実施形態では、位置合わせ孔110はエネルギー貯蔵部材ハウジング26の一部のみを通って延在する。位置合わせ孔110は、エネルギー貯蔵部材ハウジング26が位置合わせ軸108に沿って自在に変位することができるように寸法決めされている。エネルギー貯蔵部材ハウジング26は、ストライカ30上に位置する対応する溝(図示されず)と相互に作用する位置合わせレール112、またはその他の適切なフィーチャをも含む。そのため、位置合わせ軸108を介してエネルギー貯蔵部材ハウジング26が適切な位置に維持されているために、ストライカ30は位置合わせレール112によってロック機構34との適切な位置合わせが維持されている。
【0037】
[0049] いくつかの実施形態では、パワーアシスト装置が機能しない場合であっても、ファスナが展開されることを可能にすることが望ましい。このことは、パワーアシスト装置によって提供される追加の動力がなかったとしても装置が使用可能のままとなることから、有益である。パワーアシスト装置が動作不能になった場合においてもファスナが展開されることを可能にするために、エネルギー貯蔵部材ハウジング、エネルギー貯蔵部材、ストライカおよびこれらの構成要素に対する衝撃面の位置の種々の寸法は、ファスナを展開するための駆動軸がフルに作動することによりエネルギー貯蔵部材が圧縮されるよう選択される。そのため、駆動軸24にパルスを付与するためにストライカ30が開放されていない場合でも、駆動軸はフルに作動することができる。このことは、種々の構成要素の寸法が、駆動軸がフルに作動する前までに、エネルギー貯蔵部材28を完全に圧縮させるか、あるいはエネルギー貯蔵部材ハウジング26をストライカ30の近位面を接触させるその他の実施形態とは対照的である。そのような場合では、駆動軸はフルに作動することおよび完全にファスナを展開することを妨げられる。
【0038】
[0050] 上述の実施形態では、駆動軸と同軸に位置するパワーアシスト装置が記載されているが、その他の実施形態も想定されている。例えば一実施形態では、パワーアシスト装置の1つまたは複数の構成要素が駆動軸に隣接して位置し得るか、あるいはさらには駆動軸から取り除かれることができ得る。理論に束縛されるものではないが、そのような実施形態はストライカの加速による駆動軸の近位方向への加速を防止するのに役立つという点で有益であり得る。そのような実施形態では、エネルギー貯蔵部材ハウジング、エネルギー貯蔵部材、およびストライカは駆動軸と隣接しかつ駆動軸に実質的に平行に位置し得る。そのような実施形態では、エネルギー貯蔵部材にエネルギーを貯蔵するために、エネルギー貯蔵ハウジングは、トリガーに結合された動力伝動または場合によっては駆動軸によって変位させられる。上述の実施形態と同様に、駆動軸の事前に選択された量の変位の後に、駆動軸に運動量を移行しファスナを展開するようストライカが開放され、続いて駆動軸に結合された衝撃面が打突される。
【0039】
[0051] 本開示は駆動軸のいかなる特定の変位方向に限定されないことを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、駆動軸を軸方向に変位する代わりに、駆動軸は回転方向に変位し得る。結果として、駆動軸は軸方向に、回転可能に、またはその他の任意の適切な方法で変位し得る。さらには、ストライカおよび衝撃面は、所望の方向への駆動軸の変位を容易にするために任意の適切な方法で構築および配置され得る。
【0040】
[0052] 本開示は種々の実施形態および実施例と共に説明がなされたが、本開示はそのような実施形態または実施例に限定されることを意図していない。むしろ、本開示は当業者に理解される種々の代替案、改変、および同等物を包含する。従って、前述の説明および図はほんの一例である。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10