特許第6484364号(P6484364)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6484364
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】タイヤホルダ
(51)【国際特許分類】
   A47F 7/04 20060101AFI20190304BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20190304BHJP
   A47F 5/11 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   A47F7/04
   B60C19/00 K
   A47F5/11
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-84988(P2018-84988)
(22)【出願日】2018年4月26日
【審査請求日】2018年4月26日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517347850
【氏名又は名称】株式会社図南
(74)【代理人】
【識別番号】100091557
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 修
(72)【発明者】
【氏名】北村 俊郎
【審査官】 新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03305960(US,A)
【文献】 米国特許第06581785(US,B1)
【文献】 特開2008−229049(JP,A)
【文献】 実開昭56−045366(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 7/04
A47F 5/11
B60C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横置きされた横置きタイヤに装着されたホイールの内周縁に縦置きされた縦置きタイヤを両サイドから挟む一対の支持部材を有するタイヤホルダであって、
前記一対の支持部材は、それぞれ、
前記横置きタイヤの側面に配置される第1板体部と、
前記第1板体部に折り曲げ可能に連結され、山形に折り曲げられて前記縦置きタイヤの側面を支持する第2板体部と、
前記第1板体部に連結され、前記横置きタイヤの側面に配置される第3板体部とを備え、
前記第3板体部が、互いに平行な一対のアーム部を有し、
前記一対の支持部材が前記横置きタイヤの側面に対向配置されたとき、前記一対の支持部材のうちの一方の支持部材の前記一対のアーム部と他方の支持部材の前記一対のアーム部とが連結される
ことを特徴とするタイヤホルダ。
【請求項2】
前記第2板体部に形成され、前記縦置きタイヤに装着されたホイールを露出させる第2の孔を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤホルダ。
【請求項3】
前記第2板体部が、
前記第1板体部に折り曲げ可能に連なる第1タイヤ支持部と、
前記第1タイヤ支持部に折り曲げ可能に連なる第2タイヤ支持部と、
前記第2タイヤ支持部に折り曲げ可能に連なり、前記第1タイヤ支持部に架け渡される山形状態維持部と
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤホルダ。
【請求項4】
前記第1タイヤ支持部に形成された第3の孔と、
前記山形状態維持部に連結され、前記第3の孔に挿入されて前記第1タイヤ支持部に連結される第2の突出部と
を備えていることを特徴とする請求項に記載のタイヤホルダ。
【請求項5】
前記第1板体部に形成された第4の孔と、
前記第1板体部に折り曲げ可能に連結され、前記第4の孔に挿入されて前記第1板体部に連結される第3の突出部と、
前記第2タイヤ支持部の自由端部に形成され、前記第3の突出部の一部が嵌合する切欠きと
を備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載のタイヤホルダ。
【請求項6】
前記第3の突出部の固定端部側に形成された第5の孔と、
前記第3の突出部の自由端部に折り曲げ可能に連結され、前記第5の孔に挿入されて前記第3の突出部の固定端部に連結される第4の突出部と
を備えていることを特徴とする請求項に記載のタイヤホルダ。
【請求項7】
前記一対の支持部材が前記横置きタイヤの側面に対向配置されたとき、前記一方の支持部材の前記一対のアーム部に前記他方の支持部材の前記一対のアーム部が重なる
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のタイヤホルダ。
【請求項8】
前記一方の支持部材の前記一対のアーム部の表面に、面ファスナの雌ファスナ部及び雄側ファスナ部の一方が貼り付けられ、前記他方の支持部材の前記一対のアーム部の裏面に、前記面ファスナの雌ファスナ部及び雄側ファスナ部の他方が貼り付けられている
ことを特徴とする請求項に記載のタイヤホルダ。
【請求項9】
プラスチックダンボールをプレス加工して形成されている
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のタイヤホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、タイヤを支持するタイヤホルダに関し、特に横置きされたタイヤの上に縦置きされたタイヤを両サイドから挟む一対の支持部材を有するタイヤホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
カー用品店、サービスステーション、タイヤ専門店等におけるタイヤの販売方法として、4つのタイヤを一つの単位として販売することがある。
【0003】
この場合のタイヤの陳列方法として次のようなものが考えられる。
【0004】
まず、タイヤ展示台に3つのタイヤを垂直方向に積層(横置き)する。
【0005】
次に、一番上のタイヤに円板を載せるとともに、その円板にタイヤホルダを載せる。
【0006】
最後に、タイヤホルダにタイヤを縦置きの状態で取り付ける。
【0007】
このようにして4つのタイヤが陳列される。
【0008】
タイヤホルダは、対向配置される2つの長方形の板部と、2つの長方形の板部を連結する連結部とを備える。連結部は1つのピンとつのアームとを有する。4つのアームのうち2つのアームの一端部はピンに回転可能に接続され、他端部は一方の長方形の板部に固定される。残りの2つのアームの一端部はピンに回転可能に接続され、他端部は他方の長方形の板部に固定される。
【0009】
2つの長方形の板部間に位置する連結部にタイヤの外周面を載せると、そのタイヤの重みにより連結部が下方へ移動し、タイヤの両側面が2つの長方形の板部によって挟持される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記タイヤホルダを用いるには、タイヤホルダの安定性を確保するために、上述のように垂直方向に積層された3つのタイヤのうちの一番上のタイヤに、円板を載せなければならず、それがタイヤ陳列のコストを増やす原因の1つとなる。
【0011】
また、円板にはタイヤホルダの2つの長方形の板部の下面だけが接触し、円板とタイヤホルダとの接触面積がきわめて小さいので、積層された3つのタイヤに風や地面からの振動等の外力が作用すると、円板上のタイヤホルダ及びこのタイヤホルダに支持されるタイヤが揺れ易く、タイヤホルダやタイヤが落下するおそれがある。とりわけ、タイヤの外径が円板の外径より小さいときには、円板の外周縁がタイヤの半径方向外側に大きく突き出すため、円板が風にあおられ、タイヤホルダやタイヤが落下するおそれが大きい。
【0012】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は、横置きされたタイヤの上に縦置きされたタイヤを、高いコストをかけず、より確実に支持することができるタイヤホルダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の課題を解決するため請求項1に記載の発明のタイヤホルダは、横置きされた横置きタイヤに装着されたホイールの内周縁に縦置きされた縦置きタイヤを両サイドから挟む一対の支持部材を有するタイヤホルダであって、前記一対の支持部材は、それぞれ、前記横置きタイヤの側面に配置される第1板体部と、前記第1板体部に折り曲げ可能に連結され、山形に折り曲げられて前記縦置きタイヤの側面を支持する第2板体部と、前記第1板体部に連結され、前記横置きタイヤの側面に配置される第3板体部とを備え、前記第3板体部が、互いに平行な一対のアーム部を有し、前記一対の支持部材が前記横置きタイヤの側面に対向配置されたとき、前記一対の支持部材のうちの一方の支持部材の前記一対のアーム部と他方の支持部材の前記一対のアーム部とが連結されることを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤホルダにおいて、前記第2板体部に形成され、前記縦置きタイヤに装着されたホイールを露出させる第2の孔を備えていることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のタイヤホルダにおいて、前記第2板体部が、前記第1板体部に折り曲げ可能に連なる第1タイヤ支持部と、前記第1タイヤ支持部に折り曲げ可能に連なる第2タイヤ支持部と、前記第2タイヤ支持部に折り曲げ可能に連なり、前記第1タイヤ支持部に架け渡される山形状態維持部とを有することを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項に記載のタイヤホルダにおいて、前記第1タイヤ支持部に形成された第3の孔と、前記山形状態維持部に連結され、前記第3の孔に挿入されて前記第1タイヤ支持部に連結される第2の突出部とを備えていることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載のタイヤホルダにおいて、前記第1板体部に形成された第4の孔と、前記第1板体部に折り曲げ可能に連結され、前記第4の孔に挿入されて前記第1板体部に連結される第3の突出部と、前記第2タイヤ支持部の自由端部に形成され、前記第3の突出部の一部が嵌合する切欠きとを備えていることを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項に記載のタイヤホルダにおいて、前記第3の突出部の固定端部側に形成された第5の孔と、前記第3の突出部の自由端部に折り曲げ可能に連結され、前記第5の孔に挿入されて前記第3の突出部の固定端部に連結される第4の突出部とを備えていることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のタイヤホルダにおいて、前記一対の支持部材が前記横置きタイヤの側面に対向配置されたとき、前記一方の支持部材の前記一対のアーム部に前記他方の支持部材の前記一対のアーム部が重なることを特徴とする。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項に記載のタイヤホルダにおいて、前記一方の支持部材の前記一対のアーム部の表面に、面ファスナの雌ファスナ部及び雄側ファスナ部の一方が貼り付けられ、前記他方の支持部材の前記一対のアーム部の裏面に、前記面ファスナの雌ファスナ部及び雄側ファスナ部の他方が貼り付けられていることを特徴とする。
【0021】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のタイヤホルダにおいて、プラスチックダンボールをプレス加工して形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
この発明は、横置きされたタイヤの上に縦置きされたタイヤを、高いコストをかけず、より確実に支持することができるタイヤホルダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1はこの発明の第1実施形態に係るタイヤホルダの平面図である。
図2図2図1のタイヤホルダの支持部材を斜め前方から見た斜視図である。
図3図3図1のタイヤホルダの支持部材を斜め後方から見た斜視図である。
図4図4図1のタイヤホルダの支持部材の側面図である。
図5図5図1のタイヤホルダの支持部材の展開図である。
図6図6図1のタイヤホルダを用いてタイヤを支持した状態を前方から見た図である。
図7図7図1のタイヤホルダを用いてタイヤを支持した状態を横から見た図である。
図8図8図1のタイヤホルダの支持部材の組立途中の状態を示す斜視図である。
図9図9はこの発明の第2実施形態に係るタイヤホルダの支持部材を斜め前方から見た斜視図である。
図10図10図9のタイヤホルダの支持部材を斜め後方から見た斜視図である。
図11図11図9のタイヤホルダの支持部材の側面図である。
図12図12図9のタイヤホルダの支持部材の展開図である。
図13図13図9のタイヤホルダを用いてタイヤを支持した状態を横から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
この発明の第1実施形態に係るタイヤホルダは、図1図8に示すように、横置きされたタイヤ(横置きタイヤ)5の上に縦置きされたタイヤ(縦置きタイ)6を両サイドから挟む一対の支持部材10を備えている。横置きとはタイヤの中心軸が垂直軸と平行になるようにタイヤを置くことであり、縦置きとはタイヤの中心軸が垂直軸と直交するようにタイヤを置くことである。
【0027】
一対の支持部材10は、それぞれ、タイヤ5の側面51に配置される第1板体部1と、山形に折り曲げられてタイヤ6の側面61を支持する第2板体部2と、タイヤ5の側面51に配置される第3板体部3とを備えている。第2板体部2は第1板体部1に折り曲げ可能に連結され、第3板体部3は第1板体部1に連結されている。
【0028】
支持部材10の第1板体部1、第2板体部2及び第3板体部3は一体であり、支持部材10は1枚のプラスチックダンボールをプレス加工することによって形成される。但し、支持部材10の材質はプラスチックダンボールに限定されるものではなく、合成樹脂や紙製段ボール等でもよい。
【0029】
この実施形態では、図示しない表側のライナと裏側のライナと両方のライナの間に等間隔に配置される複数のリブとで構成されるプラスチックダンボールが使用され、一方のライナとリブとに直線的な切り込みを入れて切れ込みN1〜N5が形成されている(図5参照)。切れ込みN1〜N5は支持部材10の組立を助ける折曲線として機能する。図5に示すように、切れ込みN2〜N5はいずれも切れ込みN1に対して平行であり、切れ込みN1は折曲線方向D1と平行である。切れ込みN1によって第1板体部1と第の板体部2とが区分され、切れ込みN2によって第2板体部2の第1タイヤ支持部23と第2タイヤ支持部24とが区分される。後述する第1の突出部21には切れ込みN3〜N5が形成されている。切れ込みN3によって第2タイヤ支持部24と第1の突出部21とが区分され、切れ込みN4と切れ込みN5とによって第1の突出部21が固定端部21aと中間部21bと自由端部21cとに区分される。支持部材10は、ほぼ半円形の第1板体部1、ほぼ矩形の第2板体部2及び片持ち梁状の第3板体部3で構成される。
【0030】
第1板体部1には4つの孔(第1の孔)11a,11bが形成されている。4つの孔11a,11bはそれぞれ折曲線方向D1と平行に延びる。孔11aと孔11bは平行であり、孔11bは孔11aよりも切れ込みN1寄りに位置している。
【0031】
第2板体部2の自由端部には2つの第1の突出部21が折り曲げ可能に連結されている。第1の突出部21は折り曲げられて第1板体部1の孔11a,11bに挿入され、第1板体部1に結合される。第2板体部2の中央部には、タイヤ6のホイール4のディスク41を露出させるための孔(第2の孔)22が形成されている図6参照)
【0032】
第1タイヤ支持部23は第1板体部1に折り曲げ可能に連結され、第2タイヤ支持部24は第1タイヤ支持部23に折り曲げ可能に連結されており、第2の板体部2を山形に折り曲げることができる。
【0033】
第3板体部3は、折曲線方向D1で第2板体部2の両側に位置する2つのアーム部31を有する。2つのアーム部31は、第1板体部1の板厚方向D2と折曲線方向D1とに直交する直交方向D3に沿って延び、互いに平行である。
【0034】
この実施形態では、図1に示すように、一方の支持部材10のアーム部31の表面に、面ファスナの雄側ファスナ部MFが貼り付けられ、他方の支持部材10のアーム部31の裏面に、一方の支持部材10のアーム部31の雄側ファスナ部MFに接着される雌側ファスナ部FFが貼り付けられている。なお、図2図13ではこの面ファスナを図示省略した。
【0035】
次に、タイヤホルダの支持部材10の組立手順の一例を図1図5に基づいて説明する。
【0036】
まず、第1板体部1に対して第1タイヤ支持部23を切れ込みN1で折り曲げるとともに、第1タイヤ支持部23に対して第2タイヤ支持部24を切れ込みN2で折り曲げ、第2板体部2を山形に曲げる(図8参照)。
【0037】
次に、第1の突出部21を切れ込みN3で折り曲げて第1板体部1の孔11aに通し、更に、第1の突出部21を切れ込みN4,N5で折り曲げて第1板体部1の裏面側から第1の突出部21の自由端部21cを第1板体部1の孔11bに通す。その結果、第2タイヤ支持部24の自由端部が第1板体部1に結合され、第2板体部2の山形形状が維持される(図2図4参照)。
【0038】
上述のようにして図1図4に示す一対の支持部材10を組み立て、最後に、一方の支持部材10のアーム部31の表面に、面ファスナの雄側ファスナ部MFを貼り付け、他方の支持部材10のアーム部31の裏面に、面ファスナの雌側ファスナ部FFを貼り付ける。
【0039】
このようにしてタイヤホルダの支持部材10が完成する。
【0040】
次に、タイヤホルダの使用方法の一例を説明する。
【0041】
図6及び図7に示すように、タイヤ展示台7には3つのタイヤ5が垂直方向に積層(横置き)され、一番上のタイヤ5の上にはタイヤ6が縦置きされている。タイヤ5,6にはそれぞれホイール4が装着されている。3つのタイヤ5のうちの一番上のタイヤ5はホイール4のディスク41が下を向くように置かれている。タイヤ6の下部はタイヤ5の中心孔に入り込み、タイヤ6の外周面62がホイール4の内周縁に支持される。タイヤ6のホイール4のディスク41は前を向くように置かれる(図6参照)。
【0042】
タイヤホルダを使用するには、まず、一方の支持部材10をタイヤ6の一方の側面61に向けるとともに、その支持部材10を3つのタイヤ5のうちの一番上のタイヤ5の側面51に配置する。このとき、一方の支持部材10の2つのアーム部31が折曲線方向D1においてタイヤ6の両側に配置され、第1タイヤ支持部23がタイヤ6の一方の側面61に接触するようにする。
【0043】
次に、他方の支持部材10をタイヤ6の他方の側面61に向けるとともに、その他方の支持部材10を3つのタイヤ5のうちの一番上のタイヤ5の側面51に配置する。このとき、他方の支持部材10の2つのアーム部31が一方の支持部材10の2つのアーム部31の上に載ってタイヤ6の両側(折曲線方向D1におけるタイヤ6の両側)に配置され、第1タイヤ支持部23がタイヤ6の他方の側面61に接触するようにする。他方の支持部材10のアーム部31が一方の支持部材10のアーム部31に載ると、他方の支持部材10のアーム部31の雌側ファスナ部FFが、一方の支持部材10のアーム部31の雄側ファスナ部MFに接着されるので、一対の支持部材10は互いに連結される。
【0044】
タイヤ6の両側面61は両方の支持部材10の第2板体部2によって直交方向D3で挟持される。
【0045】
また、両方の支持部材10の第1板体部1と第3板体部3のアーム部31とがタイヤ6を包囲するようにタイヤ5の側面51に配置されるので、3つのタイヤ5のうちの一番上のタイヤ5の側面51に対するタイヤホルダの安定性が高い。
【0046】
第1実施形態は、横置きされたタイヤ5にタイヤ6を直に縦置きすることができ、高いコストをかけず、縦置きされたタイヤ6を確実に支持することができる。
【0047】
また、第2板体部2の中央部に孔22が形成されており、第2の板体部2を山形に折り曲げたとき、その山の尾根の一部が低くなるので、縦置きされたタイヤ6のホイール4のディスク41の全体を露出させることができ、客はディスク41のデザイン全体を見ることができる。
【0048】
更に、横置きされたタイヤ5の上に縦置きされたタイヤ6の支持方法として、縦置きされたタイヤ6のホイール4に図示しないベルトを通すとともに、横置きされたタイヤ5のホイール4にベルトを通し、そのベルトの両端部を結合する方法があるが、この方法には、ベルトがホイール4のディスク41の一部を隠すため、客はディスク41のデザイン全体を見ることができないとともに、陳列されたタイヤ6の美感が損なわれるという問題がある。また、ホイール4を装着していないタイヤの場合には、タイヤが変形したり、タイヤのトレッドが見づらくなったりするという問題がある。この実施形態は、このような問題を解決することができる。また、タイヤホルダを使わないとき、支持部材10を組立前の二次元形状の状態(図5に示す状態)に簡単に戻すことができるので、タイヤホルダの保管スペースを小さくすることができる。
【0049】
次に、この発明の第2実施形態を図9図13に基づいて説明する。
【0050】
上述の第1実施形態と共通する部分については同一符号を付してその説明を省略する。以下、上述の第1実施形態との主な相違部分についてだけ説明する。
【0051】
第2タイヤ支持部24には、第2タイヤ支持部24から第1タイヤ支持部23に架け渡される山形状態維持部25が第2タイヤ支持部24に折り曲げ可能に連なる。
【0052】
第1タイヤ支持部23には孔231(第3の孔)が形成されている。
【0053】
山形状態維持部25には、孔231に挿入されて第1タイヤ支持部23に結合される第2の突出部251が連結されている。
【0054】
第1板体部1には孔12a,12b(第4の孔)が形成されている。
【0055】
第1板体部1には、第1板体部1に対する第2タイヤ支持部24の連結強度を高めるために、第1板体部1の孔12a,12bに挿入されて第1板体部1に連結される第3の突出部13が折り曲げ可能に連結されている。
【0056】
第2タイヤ支持部24には切れ込みN6が形成され、第3の突出部13には切れ込みN7〜N10が形成されている図12参照)。切れ込みN6〜N10は支持部材110の組立を助ける折曲線として機能する。切れ込みN6〜N10はいずれも切れ込みN1に対して平行である。切れ込みN6によって第2タイヤ支持部24と山形状態維持部25とが区分される。
【0057】
第2タイヤ支持部24の自由端部には、第3の突出部13の一部が嵌合する切欠き241が形成されている。
【0058】
第3の突出部13の固定端部側には孔131(第5の孔)が形成されている。
【0059】
孔12a,12b,孔131はそれぞれ折曲線方向D1と平行に延び、互いに平行である。また、孔12a,12b,孔131は、折曲線方向D1において、第1板体部1の中央部に位置しており、孔11a,11bは、折曲線方向D1において、孔12a,12b,孔131の両側に位置している。
【0060】
第3の突出部13の自由端部には、孔131に挿入されて第3の突出部13の固定端部に結合される第4の突出部132が折り曲げ可能に連結されている。
【0061】
第1タイヤ支持部23は折曲線方向D1で二分割され、第3の突出部13は、支持部材展開状態において、二分割された第1タイヤ支持部23に挟まれている。
【0062】
次に、支持部材110の組立手順の一例を説明する。
【0063】
まず、第1板体部1に対して第3の突出部13を切れ込みN7で折り曲げるとともに、切れ込みN9で折り曲げ、第1板体部1の孔12aに挿入し、更に、第3の突出部13を切れ込みN8で折り曲げるとともに、第4の突出部132を切れ込みN10で折り曲げ、孔131に挿入し、第3の突出部13の固定端部に結合する。
【0064】
次に、第1の突出部21を第1板体部1の孔11aに挿入するとともに、第2タイヤ支持部24の自由端部21cを突出部13に押し当て、第3の突出部13を第2タイヤ支持部24の切欠き241に嵌合させる。その後、第1の突出部21の自由端部21cを第1板体部1の孔11bに挿入する。
【0065】
最後に、第2支持部24に対して山形状態維持部25を切れ込みN6で折り曲げ、第2の突出部251を孔231に挿入して第1タイヤ支持部23に結合し、山形状態維持部25を第1タイヤ支持部23に連結する。
【0066】
以上のようにして図9図13に示す一対の支持部材110を組み立てる。
【0067】
支持部材組立状態において、図10に示すように、二分割された第1タイヤ支持部23の間にスペースS1が形成されるとともに、第3の突出部13を折り曲げることによりスペースS1に通じるスペースS2が第1板体部1に形成されるので、それらのスペースS1,S2を通じて雨水が、横置きされたタイヤ5の中心孔に案内され、タイヤ展示台7の孔(図示せず)から地面へ排出される。
【0068】
また、山形状態維持部25が第2タイヤ支持部24から第1タイヤ支持部23に架け渡されているので、第1タイヤ支持部23と第2タイヤ支持部24との山形状態が維持され、縦置きされたタイヤ6がより確実に支持される。更に、孔22の一部が山形状態維持部25によってふさがれるので、横置きされたタイヤ5の中心孔に塵埃が浸入するのを抑制することもできる。
【0069】
また、第3の突出部13が第2タイヤ支持部24の切欠き241に嵌合するので、第2タイヤ支持部24が折曲線方向D1へずれにくくなり、縦置きされたタイヤ6がより確実に支持される。
【0070】
第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、縦置きされたタイヤ6をより確実に支持することができるとともに、タイヤ5の中心孔への塵埃の浸入を抑制しつつ、雨水をタイヤ5の中心孔から地面へ排出することができる。
【0071】
なお、上述の実施形態では、第2板体部2の中央部に形成される孔22の形状がほぼ六角形であるが、第2の孔の形状は六角形に限定されず、六角形以外の形状(例えば楕円形等)でもよいし、第2の孔の内周の一部をホイール4のディスク41の外周に沿う円弧状にしてもよい。
【0072】
また、上述の実施形態では、一対の支持部材10,110を連結する手段として面ファスナを使用したが、これに代え、図示しない両面粘着テープを用いてもよいし、単なる粘着テープを用いてもよいし、ベルトを用いてもよい。
【0073】
なお、上述の実施形態では、タイヤ5,6にホイール4が装着されているが、ホイール4はタイヤ5,6に装着されていなくともよい。
【0074】
また、上述の実施形態では、第2板体部2を第1タイヤ支持部23と第2タイヤ支持部24とで構成し、第1タイヤ支持部23と第2タイヤ支持部24とを山形に折り曲げ、その山を折曲線方向D1から見たときの形状が三角形になるようにしたが、第2板体部2を図示しない3つのタイヤ支持部で構成し、それを山形に折り曲げ、その山を折曲線方向D1から見たときの形状が四角形になるようにしてもよい。
【0075】
なお、上述の実施形態では、第1の突出部21が固定端部21aと中間部21bと自由端部21cとで構成されているが、中間部21bと自由端部21cとを除去し、第1の突出部21を固定端部21aだけで構成してもよい。この構成によれば、第1の突出部21が第1板体部1の孔11aに挿入されて第1板体部1に結合される。このとき、第1の突出部21を構成する固定端部21aは第1板体部1の孔11aから突き出ない。
【符号の説明】
【0076】
10,110 支持部材
1 第1板体部
11a,11b 孔(第1の孔)
12a,12b 孔(第4の孔)
13 第3の突出部
131 孔(第5の孔)
132 第4の突出部
2 第2板体部
21 第1の突出部
21a 固定端部
21b 中間部
21c 自由端部
22 孔(第2の孔)
23 第1タイヤ支持部
231 孔(第3の孔)
24 第2タイヤ支持部
241 切欠き
25 山形状態維持部
251 第2の突出部
3 第3板体部
31 アーム部
4 ホイール
41 ディスク
タイヤ(横置きタイヤ)
51 横置きタイヤの側面
52 横置きタイヤの内周縁
タイヤ(縦置きタイヤ)
61 縦置きタイヤの側面
62 縦置きタイヤの外周面
7 タイヤ展示台
MF 雄側ファスナ部
FF 雌側ファスナ部
S1,S2 スペース
N1,N2,N3,N4,N5,N6,N7,N8,N9,N10 切れ込み
D1 折曲線方向
D2 板厚方向
D3 直交方向
【要約】
【課題】横置きされたタイヤの上に縦置きされたタイヤを、高いコストをかけず、より確実に支持することができるタイヤホルダを提供する。
【解決手段】タイヤホルダは、横置きされたタイヤ5の上に縦置きされたタイヤ6を両サイドから挟む一対の支持部材10を有する。一対の支持部材10は、それぞれ、横置きされたタイヤ5の側面51に配置される第1板体部1と、第1板体部1に折り曲げ可能に連結され、山形に折り曲げられて縦置きされたタイヤ6の側面61を支持する第2板体部2と、第1板体部1に連結され、横置きされたタイヤ5の側面51に配置される第3板体部3とを備えている。
【選択図】図1
図1
図2
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図13