(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
閉鎖可能な流路(80)が、ロータ(16)がその旋回の一方の範囲まで旋回する際に開かれ、ロータ(16)がその旋回のその他方の範囲に向かって旋回する際に閉じられる、心棒(20)内の流路を備えている、請求項6に記載の装置(10)。
ピストン部材(22)が、ハウジング(12)の壁(24)の近位で終端するようなサイズであり、わずかなクリアランスが、ピストン部材(22)の端部とハウジング壁(24)との間に維持されている、
請求項9または請求項10に記載の装置(10)。
ハウジング(12)が、流路とそれぞれのチャンバ(34a、34b)との間で流体を通すために、チャンバ(34a、34b)毎に少なくとも1つのポート(40、42)をさらに備える、
請求項4を引用する、請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の装置(10)。
第1のチャンバ(34a)が特に、流体の圧縮、および/または排出、および/または流れ、および/または膨張に適合している、請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の装置(10)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのようなクランクに基づく直線運動から回転運動への変換の必要性を避ける流体圧縮装置が、強く所望されている。
【0004】
同様に、慣習的な流体の排出、膨張、または流れの装置と同じ技術的効果を達成するが、そのような慣習的なクランクの直線運動から回転運動への変換の必要性を避ける装置が、強く所望されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によれば、添付の特許請求の範囲に説明される装置および方法が提供される。本発明の他の特徴は、従属請求項および以下の説明から明らかになるであろう。
【0006】
したがって、第1の回転軸を規定するとともに、第1の回転軸周りで回転可能であるシャフトと、第2の回転軸を規定する心棒であって、シャフトが心棒を通って延びる、心棒と、シャフトに設けられた第1のピストン部材であって、第1のピストン部材が、心棒からシャフトの遠位端に延びる、第1のピストン部材と、心棒に保持されたロータと、を備え、ロータが第1のチャンバを備え、第1のピストン部材が第1のチャンバを横断して延び、それにより、ロータおよび心棒が、第1の回転軸周りに、シャフトとともに回転可能であり、ロータが、第2の回転軸周りに、心棒周りに旋回可能であることで、ロータが第1の回転軸周りに回転する際に、ロータと第1のピストン部材との間の相対的旋回運動を可能とする、装置が提供され得る。
【0007】
第1のチャンバは第1の開口を有し得、第1のピストン部材が、心棒から第1のチャンバを横断して第1の開口に向かって延びている。
【0008】
心棒は、シャフトの端部間のほぼ半分の位置に設けられ得る。
【0009】
第1のピストン部材は心棒の一方側からシャフトに沿って延び得、第2のピストン部材が心棒の他方側からシャフトに沿って延び、ロータが第2のチャンバを備えて、ロータが第1の回転軸周りに回転する際の、ロータと第2のピストン部材との間の相対的旋回運動を可能とする。
【0010】
第2のチャンバは第2の開口を有し得、第2のピストン部材は、心棒から第2のチャンバを横断して第2の開口に向かって延び得る。
【0011】
第1のチャンバと第2のチャンバとの間には、閉鎖可能な流路が設けられ得る。
【0012】
閉鎖可能な流路は、ロータがその旋回の一方の範囲まで旋回する際に開かれ、ロータがその旋回の他方の範囲に向かって旋回する際に閉じられる、心棒内の流路を備え得る。
【0013】
シャフトと、心棒と、ピストン部材とは、互いに対して固定され得る。
【0014】
第2の回転軸は、第1の回転軸に対してほぼ垂直であり得る。
【0015】
本装置は、キャビティを画定する壁を有するハウジングと、キャビティ内で回転可能かつ旋回可能であるロータと、をさらに備え得、壁の大部分にわたり、ロータとの間にわずかなクリアランスが維持されるように、ハウジングに対して配置されている。
【0016】
ハウジングは、シャフトを保持するための支持構成をさらに備え得る。
【0017】
ピストン部材は、ハウジングの壁の近位で終端するようなサイズである場合があり、わずかなクリアランスが、ピストン部材の端部とハウジング壁との間に維持されている。
【0018】
ハウジングは、流路とそれぞれのチャンバとの間で流体を通すために、チャンバ毎に少なくとも1つのポートをさらに備え得る。
【0019】
各チャンバに関し、ハウジングは、流体をチャンバ内に送り込むための流入ポートと、チャンバから流体を出すための排出ポートとをさらに備え得る。
【0020】
ポートは、ポートと、それぞれのロータ開口との相対位置の第1のセットにおいて、ポートとロータ開口とが整列しておらず、それにより、開口がハウジングの壁によって完全に閉じられて、チャンバと、ポートとの間の流体の流れを防止し、ポートと、それぞれのロータ開口との相対位置の第2のセットにおいて、開口が、少なくとも部分的に、ポートと整列しており、それにより、開口が少なくとも部分的に開いて、流体がチャンバとポートとの間を流れることを可能にするような、ハウジング上のサイズおよび位置とされ得る。
【0021】
本装置は、ロータを心棒周りに旋回させるように作動可能である旋回アクチュエータをさらに備え得る。
【0022】
旋回アクチュエータは、ロータ上の第1のガイド用形状と、ハウジング上の第2のガイド用形状と、をさらに備え得、第1のガイド用形状が、第2のガイド用形状に対する相補的形状であり、第1のガイド用形状と第2のガイド用形状との一方が、第1のガイド部材と第2のガイド部材との他方がたどるように制限された通路を規定し、それにより、ロータを心棒周りに旋回させる。
【0023】
ガイド路は、ロータまたはハウジングの第1の外周周りの通路を描き得、ガイド路は少なくとも、通路を第1の外周の第1の側部から離れるように向け、次いで、第1の外周の第2の側部に向けて戻す第1の屈曲部と、通路を第1の外周の第2の側部から離れるように向け、次いで、第1の外周の第1の側部に向けて戻す第2の屈曲部とを備えている。
【0024】
チャンバは、燃料供給部と流体連通している場合がある。
【0025】
チャンバは、燃料点火装置と流体連通している場合がある。
【0026】
第1のチャンバは特に、流体の圧縮、および/または排出、および/または流れ、および/または膨張に適合している場合がある。
【0027】
第2のチャンバは特に、流体の圧縮、および/または排出、および/または流れ、および/または膨張に適合している。
【0028】
第1の回転軸周りに回転可能である第1のピストン部材と、第1のチャンバを備え、第2の回転軸周りに旋回可能であるロータと、を備え、第1のピストン部材が第1のチャンバを横断して延び、それにより、ロータおよび第1のピストン部材が、第1の回転軸周りに回転可能であり、ロータが、第2の回転軸周りに旋回可能であることで、ロータと、第1の回転軸周りに回転するとロータに結合した第1のピストン部材との間の相対的旋回運動を可能とする、装置も提供され得る。
【0029】
装置を作動させる方法であって、本装置が、第1の回転軸周りに回転可能である第1のピストン部材と、第1のチャンバを備え、第2の回転軸周りに旋回可能であるロータと、を備え、第1のピストン部材が第1のチャンバを横断して延び、それにより、作動時に、ロータおよび第1のピストン部材が、第1の回転軸周りに回転し、ロータが、第2の回転軸周りに旋回し、それにより、ロータと第1のピストン部材との間の相対的旋回運動が存在することになり、これにより、第1のチャンバの容量を変化させ、このチャンバ容量の変化が、第1の回転軸周りのロータの回転にリンクしている、方法も提供され得る。
【0030】
第1の回転軸を規定するとともに、第1の回転軸周りで回転可能であるシャフトと、第2の回転軸を規定する心棒であって、シャフトが心棒を通って、ある角度で延びる、心棒と、シャフトに設けられた第1のピストン部材であって、第1のピストン部材が、心棒からシャフトの遠位端に延びる、第1のピストン部材と、心棒に保持されたロータと、を備え、ロータが、第2の回転軸周りに、心棒に対して旋回可能であり、ロータが第1の圧縮チャンバを備え、第1の圧縮チャンバが第1の開口を有し、第1のピストン部材が、心棒から第1の圧縮チャンバを横断して第1の開口に向かって延び、ロータが、第1の回転軸周りに、心棒およびシャフトとともに回転可能であるとともに、第2の回転軸周りに、心棒周りに旋回可能であり、それにより、ロータが第1の回転軸周りに回転する際に、第1のピストン部材が第1の圧縮チャンバの一方側から、第1の圧縮チャンバの反対側に移動するように作動可能であり、それにより、第1の圧縮チャンバ内の流体を圧縮する、流体圧縮装置も提供される。
【0031】
第1の回転軸を規定するとともに、第1の回転軸周りで回転可能であるシャフトと、第2の回転軸を規定する心棒であって、シャフトが心棒を通って、ある角度で延びる、心棒と、シャフトに設けられた第1のピストン部材であって、第1のピストン部材が、心棒からシャフトの遠位端に延びる、第1のピストン部材と、心棒上に保持されているロータであって、ロータが、第2の回転軸周りに、心棒に対して回転可能である、ロータと、を備え、ロータが第1の圧縮チャンバを備え、第1の圧縮チャンバが第1の開口を有し、第1のピストン部材が、心棒から第1の圧縮チャンバを横断して第1の開口に向かって延び、ロータが、第1の回転軸周りに、心棒およびシャフトとともに回転可能であるとともに、第2の回転軸周りに、心棒周りに旋回可能であり、それにより、ロータが第1の回転軸周りに回転する際に、ロータの外周にガイド力が適用される場合に、第1のピストン部材が第1の圧縮チャンバの一方側から、第1の圧縮チャンバの反対側に移動するように作動可能であり、それにより、第1の圧縮チャンバ内の流体を圧縮する、流体圧縮装置も提供される場合がある。
【0032】
第1の回転軸を規定するとともに、第1の回転軸周りで回転可能であるシャフトと、第2の回転軸を規定する心棒であって、シャフトが心棒を通って延びる、心棒と、シャフトに設けられた第1のピストン部材であって、第1のピストン部材が、心棒からシャフトの遠位端に延びる、第1のピストン部材と、心棒に保持されたロータと、を備え、ロータが第1の圧縮チャンバを備え、第1の圧縮チャンバが第1の開口を有し、第1のピストン部材が、心棒から第1の圧縮チャンバを横断して第1の開口に向かって延び、それにより、ロータが、第1の回転軸周りに、シャフトとともに回転可能であり、ロータが第2の回転軸周りに、心棒周りに旋回可能であり、それにより、ロータが第1の回転軸周りに回転する際の、ロータと第1のピストン部材との間の相対的旋回運動が、第1の圧縮チャンバ内の流体を圧縮するように作用する、流体圧縮装置も提供される場合がある。
【0033】
心棒は、シャフトのほぼ中心に設けられ得る。心棒は、シャフトの端部間のほぼ半分の位置に設けられ得る。
【0034】
第1のピストン部材は心棒の一方側からシャフトに沿って延び得、第2のピストン部材が心棒の他方側からシャフトに沿って延び得、ロータが、第2の開口を有する第2の圧縮チャンバを備え、第2のピストン部材が、心棒から第2の圧縮チャンバを横断して第2の開口に向かって延び、それにより、ロータが第1の回転軸周りに回転する際に、第2のピストン部材が第2の圧縮チャンバの一方側から、第2の圧縮チャンバの反対側に移動するように作動可能であり、それにより、第2の圧縮チャンバ内の流体を圧縮する。
【0035】
第1のピストン部材は心棒の一方側からシャフトに沿って延び得、第2のピストン部材が心棒の他方側からシャフトに沿って延び得、ロータが、第2の開口を有する第2の圧縮チャンバを備え、第2のピストン部材が、心棒から第2の圧縮チャンバを横断して第2の開口に向かって延び、それにより、ロータが第1の回転軸周りに回転する際の、ロータと第2のピストン部材との間の相対的旋回運動が、第2の圧縮チャンバ内の流体を圧縮するように作用する。
【0036】
第1の圧縮チャンバと第2の圧縮チャンバとの間には、閉鎖可能な流路が設けられ得る。
【0037】
閉鎖可能な流路は、ロータがその旋回の一方の範囲まで旋回する際に開かれ、ロータがその旋回の他方の範囲に向かって旋回する際に閉じられる、心棒内の流路を備え得る。
【0038】
シャフトと、心棒と、ピストン部材とは、互いに対して固定され得る。
【0039】
第2の回転軸は、第1の回転軸に対してほぼ垂直であり得る。
【0040】
流体圧縮装置は、キャビティを画定する壁を有するハウジングをさらに備え得、ロータがキャビティ内で回転可能であるとともに旋回可能であり、壁の大部分にわたり、圧縮チャンバ開口との間にわずかなクリアランスが維持されるように、ハウジングに対して配置されている。
【0041】
ハウジングは、シャフトを保持するための支持構成をさらに備え得る。
【0042】
ピストン部材は、ハウジングの壁の近位で終端するようなサイズである場合があり、わずかなクリアランスが、ピストン部材の端部とハウジング壁との間に維持されている。
【0043】
ハウジングは、流路とそれぞれの圧縮チャンバとの間で流体を通すために、圧縮チャンバ毎に少なくとも1つのポートをさらに備え得る。
【0044】
各圧縮チャンバに関し、ハウジングは、流体を圧縮チャンバ内に送り込むための流入ポートと、圧縮チャンバから流体を出すための排出ポートとをさらに備え得る。
【0045】
ポートは、ポートと、それぞれのロータ開口との相対位置の第1のレンジにおいて、ポートとロータ開口とが整列しておらず、それにより、開口がハウジングの壁によって完全に閉じられて、圧縮チャンバと、ポートとの間の流体の流れを防止し、ポートと、それぞれのロータ開口との相対位置の第2のレンジにおいて、開口が、少なくとも部分的に、ポートと整列しており、それにより、開口が少なくとも部分的に開いて、流体が圧縮チャンバとポートとの間を流れることを可能にするような、ハウジング上のサイズおよび位置とされ得る。
【0046】
本装置は、ロータを心棒周りに旋回させるように作動可能である旋回アクチュエータをさらに備え得る。すなわち、本装置は、ロータを、心棒によって規定された第2の回転軸周りに旋回させるように作動可能な旋回アクチュエータを備えている。別の言い方では、本装置は、ロータが、シャフトによって規定された第1の回転軸周りに回転している間、ロータを、心棒によって規定された第2の回転軸周りに旋回させるように作動可能な旋回アクチュエータをさらに備えている。
【0047】
旋回アクチュエータは、ロータ上の第1のガイド用形状と、ハウジング上の第2のガイド用形状とを備え得、第1のガイド用形状が、第2のガイド用形状に対する相補的形状であり、第1のガイド用形状と第2のガイド用形状との一方が、ロータが回転する際に第1のガイド部材と第2のガイド部材との他方がたどるように制限された通路を規定し、それにより、ロータを心棒周りに旋回させる。
【0048】
通路は、ロータを心棒周りに旋回させるように構成されたルートを有し得る。
【0049】
ガイド路は、ロータまたはハウジングの第1の外周周りの通路を描き得、ガイド路は少なくとも、通路を第1の外周の第1の側部から離れるように向け、次いで、第1の外周の第2の側部に向ける第1の屈曲部と、通路を第1の外周の第2の側部から離れるように向け、第1の外周の第1の側部に向けて戻す第2の屈曲部とを備えている。
【0050】
ガイド路は、ロータまたはハウジングの第1の外周周りの通路を描き得、ガイド路は少なくとも、通路を第1の外周の第1の側部から離れるように向け、次いで、第1の外周の第2の側部に向けて戻す第1の屈曲部と、通路を第1の外周の第2の側部から離れるように向け、次いで、第1の外周の第1の側部に向けて戻す第2の屈曲部とを備えている。
【0051】
圧縮チャンバは、燃料供給部と流体連通している場合がある。
【0052】
圧縮チャンバは、燃料点火装置と流体連通している場合がある。
【0053】
このため、流体ポンプまたは内燃エンジンの一部を形成し得、旋回するロータおよびピストンの構成の使用によって必要とされるように流体を動かすように操作可能である、流体圧縮装置が提供され得る。
【0054】
このため、流体排出装置、流体膨張装置、および/または流体作動装置の作動要素も提供され得る。
【0055】
本装置は、本開示のロータが「回転(rotate)」と「関節でつなぐ(articulate)」とを同時に行うように作動可能であることから、「ローティキュレータ(roticulater)」と述べられる場合がある。このため、流体圧縮装置(たとえば、流体ポンプまたは内燃エンジン)、流体排出装置、流体膨張装置、または流体作動装置の一部を形成し得る「ローティキュレータ装置」が提供される。
【0056】
本開示の例を、ここで、添付図面を参照して説明する。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本開示の装置および方法が、以下に説明される。本装置は、流体圧縮装置(たとえば、流体ポンプまたは内燃エンジン)、流体排出装置、流体膨張装置、および流体駆動装置(たとえば、内部を通る流体の流れによって駆動する装置)の一部として使用するのに適切である。すなわち、本装置は、具体的には、流体の圧縮、および/または排出、および/または流れ、および/または膨張に適合している場合がある。「流体」との用語は、その通常の意味、たとえば、液体、気体、または、液体と気体との組合せを含むか、流体として機能する材料を含むと意図されている。本装置のコアの要素は、本装置が採用され得る非限定的な用途の例とともに説明される。
【0059】
図1は、ハウジング12およびロータアセンブリ14を有する、本開示による装置10の部分分解図を示している。
図2は、ロータアセンブリ14周りで閉じられた場合の、ハウジング12の例を示している。図示の例では、ハウジング12は、ロータアセンブリ14周りで閉じられた、2つのパーツ12a、12bに分割されている。しかし、代替的例では、ハウジングは、3つ以上のパーツで製造され得、かつ/または、
図1のハウジングとは異なって分割され得る。
【0060】
ロータアセンブリ14は、ロータ16、シャフト18、心棒20、およびピストン部材22を備えている。ハウジング12は、キャビティ26を画定する壁24を有し、ロータ16が、キャビティ26内で回転可能かつ旋回可能である。
【0061】
シャフト18は、第1の回転軸30を規定するとともに、第1の回転軸30周りで回転可能である。心棒20は、シャフト18周りに延びている。心棒は、シャフト18に対するある角度で延びている。さらに、心棒は、第2の回転軸32を規定する。別の言い方では、心棒20は、第2の回転軸32を規定し、シャフト18は、心棒20に対するある角度で心棒20を通って延びる。ピストン部材22は、シャフト18上に設けられている。
【0062】
図示の例では、本装置には、2つのピストン部材22、すなわち、第1のピストン部材22と第2のピストン部材22とが設けられている。ロータ16は、2つのチャンバ34a、34bをも画定する。これら2つのチャンバ34a、34bは、ロータ16の両側において、一方が他方に対して正反対の位置にある。
【0063】
装置が流体圧縮装置の一部である例では、各チャンバ34は、圧縮チャンバとして提供され得る。同様に、装置が流体排出装置である例では、各チャンバ34は、排出チャンバとして提供され得る。装置が流体膨張装置である例では、各チャンバ34は、膨張チャンバとして提供され得る。装置が流体駆動装置である例では、各チャンバ34は、流体流れチャンバとして提供され得る。
【0064】
図示の例では、ロータ16の両側の圧縮チャンバ34a、34bは、同じ容量を有している。代替的例では、ロータの一方側の圧縮チャンバは、他方の圧縮チャンバに対して異なる容量を有し得る。たとえば、本装置が内燃エンジンの一部を形成する例では、名目上は流入部(たとえば、空気が吸い込まれる場所)として作用するチャンバ34aは、名目上は流出部/排気として作用するロータ16の他方側のチャンバ34bよりも大きい容量が提供され得る。
【0065】
ピストン部材22が実際、ロータアセンブリ14全体を通って延びる一片である場合があるが、この構成は、各チャンバ34にピストン部材22が設けられていることを有効に意味している。すなわち、ピストン部材22が1つのパーツのみを備える場合があるが、ロータアセンブリ14の両側に1つずつ、2つのピストン部材セクション22を形成する場合がある。
【0066】
別の言い方では、第1のピストン部材22は、心棒20の一方側から、シャフト18に沿って、ハウジング12の一方側に向かって延び、第2のピストン部材22は、心棒20の他方側から、シャフト18に沿って、ハウジング12の他方側に向かって延びている。ロータ16は、ロータアセンブリ16の一方側に第1の開口36を有する第1のチャンバ34aと、ロータアセンブリ16の他方側に第2の開口36を有する第2のチャンバ34bとを備えている。ロータ16は、心棒20上に保持されており、ロータ16は、第2の回転軸32周りに、心棒20に対して旋回可能である。ピストン部材22は、心棒20からチャンバ34a、34bを横断して開口36に向かって延びている。ピストン部材22の縁部と、チャンバ34を画定するロータ16の壁との間に、わずかなクリアランスが維持されている。このクリアランスは、ピストン部材22の縁部と、チャンバ34を画定するロータ16の壁との間にシールを提供するように十分に小さくすることが可能である。代替的または追加的に、シール部材が、ピストン部材22と、チャンバ34を画定するロータ16の壁との間に設けられる場合がある。
【0067】
チャンバ34は、ピストン部材22へ向かって、およびピストン部材22から離れて移動する側壁(すなわち、チャンバ34の端壁)によって画定され、この側壁は、ピストン部材22の側部を越えて通る境界壁によって結合している。すなわち、チャンバ34は、側壁/端壁と、ロータ16に設けられた境界壁とによって画定されている。
【0068】
このため、ロータ16は、第1の回転軸30周りに、シャフト18とともに回転可能であるとともに、第2の回転軸32周りに、心棒20周りに旋回可能である。この構成は、ロータ16が第1の回転軸30周りに回転する際に、第1のピストン部材22が、第1のチャンバ34aの一方側から、第1のチャンバ34aの他方側に移動する(すなわち、横断する)ように作動可能になる結果となる。別の言い方では、ロータ16が、第1の回転軸30周りに、シャフト18とともに回転可能であり、ロータ16が、第2の回転軸32周りに、心棒20周りに旋回可能であることから、作動中、ロータ16が第1の回転軸30周りに回転すると、ロータ16と第1のピストン部材22との間の相対的旋回(すなわち、ロッキング)運動が存在する。すなわち、本装置は、ロータ16が第1の回転軸30周りに回転する際に、第1のピストン部材22に対するロータ16の旋回運動を制御することを可能とするように構成されている。
【0069】
本装置が流体圧縮装置の一部である例では、第1のチャンバ34aの側壁が第1のピストン部材22に向かって移動する際に、旋回運動は、第1のチャンバ34a内の流体を圧縮するように作用する。
【0070】
本装置が流体排出装置の一部である例では、第1のチャンバ34aの側壁が第1のピストン部材22に向かって移動する際に、旋回運動は、第1のチャンバ34aから流体を排出させるように作用する。
【0071】
本装置が流体膨張装置の一部である例では、旋回運動は、チャンバ34a内の流体の膨張によって生じ、それにより、第1のチャンバ34aの側壁を第1のピストン部材22から離れるように移動させる。
【0072】
本装置が流体駆動装置の一部である例では、旋回運動は、チャンバ34a内への流体の流れによって生じ、それにより、第1のチャンバ34aの側壁を第1のピストン部材22から離れるように移動させる。
【0073】
この構成は、やはり、ロータ16が第1の回転軸30周りに回転する際に、第2のピストン部材22が、第2のチャンバ34bの一方側から、第2のチャンバ34bの反対側に移動する(すなわち、横断する)ように作動可能になる結果となる。別の言い方では、ロータ16が、第1の回転軸30周りに、シャフト18とともに回転可能であり、ロータ16が、第2の回転軸32周りに、心棒20周りに旋回可能であることから、作動中、ロータ16が第1の回転軸30周りに回転すると、ロータ16と両方のピストン部材22との間の相対的旋回(すなわち、ロッキング)運動が存在する。すなわち、本装置は、ロータ16が第1の回転軸30周りに回転する際の、両方のピストン部材22に対するロータ16の旋回運動の制御を可能とするように構成されている。
【0074】
本装置が流体圧縮装置の一部である例では、流体はこうして、流体がロータアセンブリ16の反対側の第1のチャンバ34a内で圧縮されているのと同時に、第2のチャンバ34b内で圧縮される。このため、旋回運動は、チャンバ34a、34bの側壁がそのそれぞれのピストン部材22に向かって移動する際に、第1のチャンバ34aと第2のチャンバ34bとの中の流体を圧縮するように作用する。
【0075】
本装置が流体排出装置の一部である例では、流体はこうして、流体がロータアセンブリ16の反対側の第1のチャンバ34a内で排出されているのと同時に、第2のチャンバ34b内で排出される。
【0076】
本装置が流体膨張装置の一部である例では、流体はこうして、流体がロータアセンブリ16の反対側の第1のチャンバ34a内で膨張されているのと同時に、第2のチャンバ34b内で膨張される。
【0077】
本装置が流体駆動装置の一部である例では、旋回運動は、チャンバ34b内への流体の流れによって生じ、それにより、チャンバ34a内への流体の流れが第1のチャンバ34aの側壁を第1のピストン部材22から離れるように移動させるのと同時に、第1のチャンバ34bの側壁を第1のピストン部材22から離れるように移動させる。
【0078】
別の言い方では、ロータ16および第1のピストン部材22が、第1の回転軸30周りに回転し、ロータ16が、第2の回転軸32周りに旋回すると、ロータ16と第1のピストン部材22との間の相対的旋回(すなわち、ロッキング)運動が存在することになり、これにより、第1のチャンバの容量を変化させる。このチャンバ容量の変化は、第1の回転軸30周りのロータ16の回転にリンクしている。相対的な旋回運動は、以下に説明するように、旋回アクチュエータによって引き起こされる。
【0079】
本装置が流体ポンプの一部を形成する例では、ロータ16と第1のピストン部材22とが、ロータ16の第1の回転軸30周りの回転に応じて、互いに対して旋回(すなわち、移動)する。
【0080】
本装置が内燃エンジンの一部を形成する例では、ロータ16と第1のピストン部材22とが、互いに対して旋回(すなわち、移動)して、ロータ16を第1の回転軸30周りに回転させる。
【0081】
ロータ16がピストン部材22に対して旋回(すなわち、ロック)し得るようにロータ16を取り付けることは、チャンバ34a、34b内にサブチャンバ34a1、34a2、34b3、34b4を形成するように、チャンバ34a、34b、またはその各々の2つの半体間に、移動可能である仕切りが設けられていることを意味する。作動時には、サブチャンバ34a1、34a2、34b3、および34b3の各々の容量は、ロータ16とピストン部材22との相対的な向きに応じて変化する。
【0082】
ハウジング12がロータアセンブリ14周りに閉じている場合、ロータ16は、ハウジング壁24に対して配置されており、それにより、壁24の大部分の上で、チャンバの開口34との間にわずかなクリアランスが維持されるようになっている。このクリアランスは、ロータ16とハウジング壁24との間にシールを提供するように十分に小さくすることができる。
【0083】
代替的または追加的に、シール部材が、ハウジング壁24とロータ16との間のクリアランスに設けられる場合がある。
【0084】
ポートが、チャンバ34a、34bへ、およびチャンバ34a、34bから、流体を通すために設けられている。各チャンバ34に関し、ハウジング12は、流体をチャンバ34内に送り込むための流入ポート40と、チャンバ34から流体を出すための排出ポート42とを備え得る。流入ポート40と流出/排出ポート42とは、
図1と
図2とに、異なる幾何学形状で示されている。
図1では、各ポートが「三日月形状」として示されており、
図2では、「T」形状として示されている。これらの両方は、装置に必要とされる構成に応じて適用され得る、幾何学形状の非限定的な例である。ポート40、42は、ハウジングを通して延び、ハウジング12の壁24上に開いている。やはり設けられているのは、シャフト18の端部を支持するための支持構成44である。この支持構成44は、用途に適切な、任意の慣習的な種類のものである場合がある。
【0085】
ポート40、42は、作動時に、それぞれのチャンバ開口36がポート40、42を越えて移動する際に、第1の相対位置では開口36がポート40、42と整列し、それにより、チャンバ開口が完全に開くようになっており、第2の相対位置では、開口36が整列しておらず、それにより、開口36がハウジング12の壁24によって完全に閉じられるようになっており、また、中間の相対位置では、開口36がポート40、42と部分的に整列し、それにより、開口36が部分的に、ハウジングの壁24によって制限されるようになっているような、ハウジング12上でのサイズおよび位置とされ得る。
【0086】
代替的には、ポート40、42は、作動時に、ポート40、42と、それぞれのロータ開口36との相対位置の第1のレンジ(またはセット)において、ポート40、42とロータ開口36とが整列しておらず、それにより、開口36がハウジング12の壁24によって完全に閉じられて、チャンバ34a、34bと、ポート40、42との間の流体の流れを防止するような、ハウジング12上のサイズおよび位置とされ得る。同時に、ポート40、42の開口は、ロータの本体の外周によって閉じられて、チャンバ34a、34bとポート40、42との間の流体の流れを防止している場合もある。ポート40、42と、それぞれのロータチャンバ開口36との相対位置の第2のレンジ(またはセット)において、開口36は、少なくとも部分的に、ポート40、42と整列しており、それにより、開口36が少なくとも部分的に開いて、チャンバ34a、34bとポート40、42との間を流体が流れることを可能にするようになっている。
【0087】
ポートの配置およびサイズは、可能な作動効率を最適にするように促すように、用途(すなわち、流体駆動装置の流体ポンプ装置、流体排出装置、流体膨張装置の一部として使用されるか)に応じて変化し得る。本明細書に説明されるとともに、図に示されるポートの位置は、単に、媒体(たとえば、流体)の流入および流出の原理を示すものである。
【0088】
本開示の装置のいくつかの(図示されていない)例では、流入ポートおよび流出ポートには、ポート40、42を通る流体/媒体の流れを制御するように作動可能である、機械式または電気機械式のバルブが設けられている場合がある。
【0089】
図3、
図4は、本開示による、ロータアセンブリ14の2つの例の拡大図を示している。
【0090】
図3の例は、
図1に示す例に対応している。しかし、比較すると、
図4の例は、代替的な例を示しており、
図3の例に比べ、第1の回転軸30周りに90度回転されている。2つの例は、基本的には同じものであるが、
図4の例では、チャンバ34は、
図3に示す例のアスペクト比とは異なるアスペクト比を有し、ピストン部材22がかなり狭くなっている。チャンバ34のアスペクト比、そしてひいては、ピストン部材22の幅は、装置の必要とされるキャパシティに応じて選択されることになることを理解されたい。
【0091】
本装置は、ロータ16を心棒20周りに旋回させるように作動可能である(すなわち、構成されている)旋回アクチュエータを備えている。すなわち、本装置は、ロータ16を、心棒20によって規定された第2の回転軸32周りに旋回させるように作動可能である(すなわち、構成されている)旋回アクチュエータをさらに備え得る。旋回アクチュエータは、装置に必要とされる性能に適切な任意の角度だけロータ16を旋回させるように構成され得る。たとえば、旋回アクチュエータは、ロータ16を実質的に約60度の角度にわたって旋回させるように作動可能である場合がある。
【0092】
旋回アクチュエータは、例に示すように、ロータ16上の第1のガイド用形状と、ハウジング12上の第2のガイド用形状とを備えている場合がある。このため、旋回アクチュエータは、ロータ16が第1の回転軸30周りに回転する際に、ピストン部材22に対するロータ16の制御された相対旋回運動を引き起こすように構成されている、ロータ16とハウジング12との間の機械的リンクを提供する場合がある。すなわち、ロータ16の旋回運動を引き起こす、旋回アクチュエータのガイド用形状に対して作用する、ロータ16の相対移動である。
【0093】
第1のガイド用形状は、第2のガイド用形状に対する相補的形状である。第1のガイド用形状と第2のガイド用形状との一方は、ロータが第1の回転軸30周りに回転する際に、第1のガイド部材形状と第2のガイド部材形状との他方がたどるように制限された通路を規定する。おそらく溝として設けられる通路は、ロータ16を心棒20および軸32周りに旋回させるように構成されたルートを有している。このルートは、ロータ16の回転と旋回との間の機械的な利点を設定するようにも作用する。
【0094】
旋回アクチュエータの非限定的な例は、
図5、
図6に示す例に図示されている。これら図では、
図5に示す装置10は、
図1、
図2に示す装置に対応している。
【0095】
ガイド用溝50がロータに設けられ、指針52(
図1に見ることができる)が、ハウジング12の壁24に設けられている。この指針52は、溝50内に置かれる。しかし、
図6に示す代替的例では、指針52’はロータ16上に設けられ、ガイド用溝50’は、ハウジング12内に設けられている。すなわち、ガイド路50、50’は、ロータまたはハウジングに設けられ得、他方のガイド用形状、指針52、52’は、やはり、ロータ16またはハウジング12に設けられ得る。
【0096】
これら例は、
図5の例に対応する
図7および
図8、ならびに、
図6の例に対応する
図9および
図10に示す断面を参照してさらに説明される。
【0097】
図11、
図12は、
図1、
図3に示す例によるロータアセンブリ16およびロータ14を示している。ロータ16は、ほぼ球形である。便宜上、
図11は、シャフト18、心棒20、およびピストン部材22が取り付けられた、ロータアセンブリ14全体を示している。対照的に、
図12は、ロータ16自体と、ロータ14を通って延び、心棒20を受領するように構成されたキャビティ60とを示している。
図13は、
図11に示すロータ構成の平面図を示しており、
図14は、ロータ14のチャンバ34を画定する開口36を見下ろす端図である。
【0098】
ロータ14は、シャフト18と心棒20とのアセンブリの周りにともに組み付けられる、1つまたは複数の部品で提供され得る。代替的には、ロータ16は、1つのピースとして一体に形成されるか、いくつかのパーツから1つの要素を形成するように製造されるかにより、1つのピースとして提供され得る。いくつかのパーツから1つの要素を形成するように製造される場合、心棒20がキャビティ60内にスライドし、次いで、シャフト18とピストン部材22とが、心棒20に形成された通路62内にスライドし、次いで、ともに固定される。
【0099】
図15は、心棒18およびピストン部材22を受領するための通路62を有する心棒20の斜視図である。心棒20は、実質的に円筒状である。
図16は、シャフト18とピストン部材22との例示的構成を示している。シャフト18とピストン部材22とは、
図16に示すように、一体に形成され得るか、複数のパーツから製造され得る。ピストン部材22は、断面がほぼ正方形であるか矩形である。図に示すように、シャフト18は、円筒状の支持領域を備えている場合がある。この円筒状の支持領域は、ハウジング12の支持構成44に着座し、ひいては、シャフト18の第1の回転軸30周りの回転を可能とするために、ピストン部材22から延びている。
【0100】
図17は、心棒20に組み付けられたシャフト18およびピストン部材22を示している。シャフト18、ピストン部材22、および心棒20は、上述のようにアセンブリとして形成され得る。または、シャフト18、ピストン部材22、および心棒20は、おそらく鋳造または鍛造により、1つのものとして一体に形成され得る。
【0101】
心棒20は、シャフト18およびピストン部材22のほぼ中心に設けられ得る。すなわち、心棒20は、シャフト18の2つの端部間のほぼ半分の位置に設けられ得る。組み立てられると、シャフト18と、心棒20と、ピストン部材22とは、互いに対して固定され得る。心棒20は、シャフトおよびピストン部材22に対してほぼ垂直である場合があり、このため、第2の回転軸32は、第1の回転軸30に対してほぼ垂直である場合がある。
【0102】
ピストン部材22は、ハウジング12の壁24の近位で終端するようなサイズであり、わずかなクリアランスが、ピストン部材22の端部とハウジング壁24との間に維持されている。このクリアランスは、ピストン部材22とハウジング壁24との間にシールを提供するように十分に小さくすることが可能である。代替的または追加的に、シール部材は、ハウジング壁24とピストン部材22との間のクリアランスに設けられる場合がある。
【0103】
図18、
図19に明確に示すように、ガイド用形状がロータ16上の通路として設けられている例では、ガイド路50は、ロータまたはハウジングの第1の外周の周り(すなわち、上、近位、および/または一方側)の通路を描写する。この例では、第1の外周の平面は、第1の外周が第1の回転軸30周りに回転する際に、第2の回転軸32によって描かれる平面と重なっているか、整列している。たとえば、通路50’がハウジング12に設けられている、
図6に示すものと同種のものについて、同じことが言える。
【0104】
ガイド路50、50’は、少なくとも、通路を第1の外周の第1の側部から離れるように向け、次いで、第1の外周の第2の側部に向ける第1の屈曲端70と、通路50、50’を第1の外周の第2の側部から離れるように向け、次いで、第1の外周の第1の側部に向けて戻す第2の端72とを備えている。通路50は、第1の外周の通路をたどらず、むしろ、第1の外周の側部から側部へと揺動する。すなわち、通路50は、第1の外周の通路をたどらないが、第1の外周の側部との間の正弦波形状のルートを規定する。通路50は、第2の回転軸32からオフセットしている場合がある。このため、ロータ16が第1の回転軸30周りに回転すると、通路50、50’と、指針52、52’との相互作用により、心棒20、そしてひいては、第2の回転軸32周りに、ロータ16を前後に傾ける(すなわち、ロックするか旋回させる)。
【0105】
そのような例では、ガイド路が第1の外周の一方側の屈曲部70、72から、外周の他方側の屈曲部70、72に延びる距離により、ロータ16の第2の回転軸32周りの旋回角度と、シャフト18の第1の回転軸30周りの角回転との間の関係が規定される。屈曲部70、72の数により、ロータ16の第1の回転軸30周りの回転毎の、ロータ16の第2の回転軸32周りの旋回の数の比(たとえば、圧縮、膨張、排出サイクルなど)が規定される。
【0106】
すなわち、ガイド路50、50’の向きにより、第1の回転軸30の回転に関して、ロータ16の第2の回転軸32周りの傾斜、振幅、および周波数が規定され、それにより、任意のポイントにおけるシャフトからの径方向の戻り(またはその逆)に関するチャンバ34の角度の変位の量を規定する。
【0107】
別の言い方では、通路50、50’の向きにより、ロータの回転速度と、ロータチャンバ34a、34bの容量の変化量との間の機械的比/関係が直接表される。すなわち、通路50、50’の描く曲線により、ロータ16の回転速度と、ロータ16の旋回量との間の機械的比/関係が直接表される。すなわち、ロータアセンブリ14の回転速度に関するチャンバの容量の変化量は、ガイド路の曲線の変化(すなわち、屈曲部)の激しさよって設定される。
【0108】
溝のプロファイルは、ガソリン、ディーゼル(および他の燃料)の燃焼エンジンに関し、ポンプおよび膨張が、ロータアセンブリの耐用年数の間、異なる特性および/またはチューニングを必要とし得るように、圧縮の特性に対する様々な変化を提供するように変更することができる。別の言い方では、通路50、50’の曲線は、変化させることができる。
【0109】
このため、ガイド路50、50’は、装置の任意の所与の用途のために予め設定され得る、「プログラム可能なクランクの通路」を提供する。
【0110】
代替的には、ガイド路50、50’を規定する特徴は、通路50、50’の調整を可能にするように、移動可能である場合があり、これにより、装置が作動中である間、クランクの通路を動的に調整され得る。これにより、装置の制御性能および/または効率をアシストするように、第2の回転軸周りの、ロータの旋回動作の量および程度のチューニングが可能になり得る。すなわち、調整可能なクランクの通路により、ロータの回転速度と、ロータチャンバ34a、34bの容量の変化量との間の機械的比/関係の変更が可能になる。このため、通路50、50’は、ロータ12およびロータハウジング16に備えられ、かつ、ロータ12およびロータハウジング16に対して、部分的または全体として、移動および/または調整することができる、チャンネル要素などとして提供され得る。
【0111】
図6に示す例と同種のロータアセンブリ14が、
図20から
図23に示されている。見ることができるように、この例は、ロータ16上のガイド用溝50の代わりに、ハウジング12のガイド用溝50’と係合するための、ロータ16の指針52’が設けられていることを除き、
図11から
図14に示す例に類似している。
【0112】
ロータハウジング14およびロータ16のさらなる例が、
図24および
図25に示されている。この例は、ほぼ球状のロータ本体の代わりに、ロータ16が実質的に少ない材料を含み、心棒20を受領するためのチャンバ34およびキャビティ60を画定するように、壁のみが設けられている点を除き、
図20から
図23の例と基本的に同じである。すべての他の箇所において、
図20から
図23の例と同じである。
【0113】
図30は、
図6、
図9、
図10に示すハウジングに対する代替的なハウジングを示している。
図30は、第1の回転軸30が座する水平面に沿って分割されたハウジングの半分を示している。この例では、流入ポート40および流出ポート42が、ハウジングの内側の「T」形状から、ハウジング12の外部表面における実質的に丸い形状へと変化している。ガイド路52’は、屈曲部を伴う通路を規定する、
図6、
図9、
図10に示すルートとは異なるルートを規定している。前述のように、作動時には、通路および屈曲部により、ピストン22に対する、ロータ16の変位の変化量が規定され、ロータ16の回転と旋回との間の機械的な戻りに深く影響することを可能にする。ルートは、用途の要請を満たすように、最適化され得る。すなわち、ガイド路は、様々な用途に適するようにプログラムされ得る。
【0114】
図31は、
図21、
図25に示す例と同種の、ロータ16の別の非限定的な例を示している。心棒20上にロータ16を保持するように、支持アセンブリ(たとえば、ローラ支持構成)を受領するか、支持表面を提供するための支持領域73が示されている。同様に示されているのは、ロータの重要ではない領域にキャビティとして設けられた「切抜き」形状74である。この切抜き形状74により、構造を軽量化し(すなわち、重量をセーブする形状を提供し)、製造の間にロータ16をグリップ/クランプ/支持するための領域を提供する。指針52’に隣接する追加の領域75も、製造の間にロータ16をグリップ/クランプ/支持するために提供され得る。
【0115】
本装置が流体ポンプ(たとえば、流体の圧縮および/または排出のため)として採用される例では、シャフト18は、ハウジング12内のロータを回転させるように、駆動モータに結合されている場合がある。
【0116】
本装置が内燃エンジンの一部を形成する例では、シャフト18は、永続可能な回転ロータアセンブリによって出力が送られることになる、出力取出装置(power off take)、ギアボックス、または他の装置に結合されている場合がある。そのような例では、チャンバ34は、燃料供給源(たとえば、空気)と流体連通し、また、燃料点火装置(たとえば、スパーク点火装置)と流体連通している場合がある。本装置は、圧縮サイクルの予め規定されたポイントにおいて、燃料を導入し、圧縮し、点火および燃焼して流体をチャンバ内で膨張させ、それにより、ピストン部材22を移動させ、ひいては、ロータアセンブリ14の回転を継続させるように、構成され得る場合もある。点火は、様々な場所、たとえばハウジング12から始まり、開いたシリンダ口32内、または、チャンバ34の中心に、ロータ本体内に取り付けられ、適切なタイミングの固定出力源と接触する、絶縁された電極を介して行われる。
【0117】
図26は、
図1から
図25の例が、流体ポンプ(たとえば、流体圧縮装置および/または流体排出装置)として構成されている場合に、どのように動作し得るかを示している。各ラインの中心の図(ii)は、シャフト18およびピストン部材22が設置されたロータ16の断面図を示している。左の図(i)は、中心の図(ii)の端図を示している。右の図(iii)は、ロータアセンブリの反対側の端図を示している。ロータアセンブリは対称的である。
【0118】
図26(a)は、作動サイクルの公称で0度の角度位置における各サブチャンバ34a1、34a2、34b3、34b4の各々の状態を示している。サブチャンバ34a1、34b3は、最大容量であり、流体で充填されており、排出ポート42を通しての排出サイクルが開始されようとしている。サブチャンバ34a2、34b4は、完全に圧縮/排出され、空にされ、インテークポート40を通しての充填サイクルを開始する準備がされている。
【0119】
図26(b)は、作動サイクルの22.5度の位置に回転したサブチャンバ34a1、34a2、34b3、34b4の各々の状態を示している。サブチャンバ34a1、34b3は、圧縮/排出を開始し、また、排出ポート42を通しての排出が開始される。逆に、サブチャンバ34a2、34b4は、容積の増大を開始し(すなわち、膨張)、流入ポート40を通して流体を引き込む。
【0120】
図26(c)は、作動サイクルの90度の位置に回転したサブチャンバ34a1、34a2、34b3、34b4の各々の状態を示している。サブチャンバ34a1、34b3は、圧縮/排出の途中であり、また、排出ポートを通して排出している。逆に、サブチャンバ34a2、34b4は、膨張の途中であり、流入ポートを通して流体を引き込み続けている。
【0121】
図26(d)は、作動サイクルの157.5度の位置に回転したサブチャンバ34a1、34a2、34b3、34b4の各々の状態を示している。サブチャンバ34a1、34b3は、完全に圧縮/排出した状態に近付いており、ほとんど空である。逆に、サブチャンバ34a2、34b4は、完全に膨張した状態に近付いており、完全に流体で充填された状態に近い。
【0122】
図26(e)は、作動サイクルの180度の位置に回転したサブチャンバ34a1、34a2、34b3、34b4の各々の状態を示している。サブチャンバ34a1、34b3は、完全に圧縮/排出され、空であり、充填サイクルを開始する準備がされている。逆に、サブチャンバ34a2、34b4は、完全に膨張され、充填され、排出サイクルを開始する準備がされている。このポイントを越えて、サイクルは再び開始し得るが、180度のポイントでは、サブチャンバ34a1、34a2は、サブチャンバ34b3および34b4が有する役割と、完全に入れ替わっていることに留意されたい。180度と360度との間では、上述のプロセスがこれら逆になった役割に沿って繰り返される。
【0123】
図27および
図28は、「2ストローク」のサイクルのエンジンと同種の内燃エンジンの一部として提供される装置の代替的例を示している。
図27は、1つの角度からのエンジンの、部分分解拡大斜視図を示している。
図28は、異なる角度からのエンジンの変形形態の半「透明」な図を示している。
図27の例と
図28の例とは、
図28が、
図27のアスペクト比とは異なるアスペクト比で、ピストン部材22および圧縮チャンバ34をも示していること以外、同一である。これら例のロータアセンブリ16の多くの箇所は、前の例に説明したものと同じである。
【0124】
しかし、ロータアセンブリ16の一方側の第1の圧縮チャンバ34aと、ロータアセンブリ16の他方側の第2の圧縮チャンバ34bとの間の、少なくとも1つの閉鎖可能な流路80が設けられていることが、重要な差異である。流路80は、ロータがその旋回の一方の範囲まで旋回する際に開かれ、ロータがその旋回運動の他方の範囲に向かって旋回する際に閉じられる、心棒20内の流路を備え得る。
図27、
図28の例と、前述の例との間のさらなる顕著な差異は、ハウジングが、流路と圧縮チャンバ34a、34bのそれぞれとの間の流体の通流のために、圧縮チャンバ34a、34b毎に1つのみのポートを備えていることである。ハウジングの一方の半体12aには流入ポート40が設けられ、ハウジングの他方の半体12bには排出ポート42が設けられている。この例では、排出ポート42は、断面積が流入ポート40よりも著しく小である。
【0125】
図29は、
図27、
図28の例の燃焼サイクルがどのように動作し得るかを示している。各ラインの中心の図(ii)は、シャフト18およびピストン部材が設置されたロータ16の断面図を示している。左の図(i)は、中心の図(ii)の端図を示している。右の図(iii)は、ロータアセンブリの反対側の端図を示している。
【0126】
図29(a)では、ゼロ度の回転の位置において、サブチャンバ34a1は、導入フェイズにより、流入ポート40を通して空気を吸引した後に、完全に充填されている。サブチャンバ34a2は、完全に圧縮され、サブチャンバ34a1とサブチャンバ34b3との間の閉鎖可能な流路80を通して、サブチャンバ34b3内に排出される。サブチャンバ34b3は完全に開かれ、部分的に排出ポート42と整列している。サブチャンバ34b4は、完全に圧縮された空気と燃料との混合物を含んでおり、その出力(すなわち、点火)ストロークを開始する。
【0127】
燃料は、以下の
図29(b)、
図29(c)、または
図29(d)で説明されるステージの1つの間に、サブチャンバ34b3内に導入される。
【0128】
図29(b)は、22.5度の角度位置を示している。サブチャンバ34a1は、ここでは閉じられており、圧縮ストロークを開始する。サブチャンバ34a2は膨張を開始し、流入ポート40を通して内部に流体を引き込む。サブチャンバ34b3は、ここでは閉じられており、圧縮を開始する。サブチャンバ34b4内では、燃料と空気との混合物が点火されるとともに燃焼され、膨張を生じる。これにより、ピストン部材22とロータ16との間の相対移動が生じ、それにより、ロータ16の第1の回転軸30周りの回転を引き起こす。
【0129】
図29(c)は、90度回転した位置を示している。サブチャンバ34a1は、依然として閉じられており、圧縮の途中である。サブチャンバ34a2は、膨張の途中であり、依然として、流入ポート40を通して流体を引き込んでいる。サブチャンバ34b3は、依然として閉じられており、圧縮ストロークの途中である。サブチャンバ34b4は、出力ストロークの途中であり、依然として、内部の燃焼によって開かれるようにされている。
【0130】
図29(d)は、157.5度の角度位置を示している。サブチャンバ34a1は、依然として閉じられており、完全に圧縮された状態に近付いている。サブチャンバ34a2は、完全に膨張した状態に近付いており、依然として、流入ポート40を通して引き込んでいる。サブチャンバ34b3は、依然として閉じられており、その圧縮ストロークの終了に近付いている。サブチャンバ34b4は、依然として燃焼プロセスによって膨張されており、その出力ストロークの終了に近付いている。
【0131】
図29(e)は、180度の角度位置を示している。サブチャンバ34a1は、完全に圧縮され、サブチャンバ34a1とサブチャンバ34b4との間の閉鎖可能な流路80を通して、サブチャンバ34b4内に排出される。サブチャンバ34a2は、導入フェイズの後に完全に充填される。サブチャンバ34b3は、完全に圧縮され、その点火(出力)ストロークを開始して、次の180度の回転へ出力する準備がされている。サブチャンバ34b4は完全に開かれ、排出ポート42と一瞬整列し、同時に、サブチャンバ34a1からの通路と整列する。
【0132】
180度のポイントでは、チャンバ34a1および34b2は、チャンバ34b3および34b4が有する役割と、完全に入れ替わっている。180度と360度との間では、上述のプロセスがこの逆になった役割に沿って繰り返される。
【0133】
図26および
図29に関する上述の例で使用される角度位置は、非限定的な例に過ぎない。
【0134】
本装置が流体膨張装置の一部である例では、旋回運動は、チャンバ34の少なくとも1つの内の流体の膨張によって生じ、それにより、第1のチャンバ34aの側壁を第1のピストン部材22から離れるように移動させる。また、それにより、ロータ指針52、52’をガイド路50、50’に対して作用させ、こうして、ロータ16を第1の回転軸周りに回転させる。たとえば、本開示の装置は、流れの発生源(たとえば、蒸気タービンからの排気)の「下流」の生成システムの一部として設けられ、蒸気を、流入ポート40を通して受領する場合がある。蒸気が膨張すると、ロータ16およびシャフト18が第1の回転軸30周りに回転し、シャフト18の回転は、ジェネレータまたは他の装置を駆動させるために使用される。膨張した流体は、膨張チャンバ34aから、他方の膨張チャンバ34b内の流体の膨張によって押し出される場合がある。
【0135】
代替的例では、本装置は、化学反応に関する膨張反応装置の一部を形成する場合がある。この反応装置は、動力取出しのために、熱力学的膨張を、第1の回転軸30周りのロータの回転を駆動させるように利用する。そのような例では、化学物質を受領するチャンバ34は、開口36を有していない場合があるが、化学物質をチャンバ34に送り込むための注入装置が設けられている場合がある。このため、チャンバ34は、ロータ16内の閉じられた空隙/キャビティとして画定され得る。そのような例では、採用される燃料は、過酸化水素などである場合がある。
【0136】
本装置が流体駆動装置である例では、旋回運動は、チャンバ34a内への流体の流れによって生じ、それにより、第1のチャンバ34aの側壁を第1のピストン部材22から離れるように移動させる。また、それにより、ロータ指針をガイド路に対して作用させ、こうして、出力取出しのために、ロータ16を第1の回転軸30周りに回転させる。たとえば、本開示の装置は、油圧モータまたは空気モータとして提供され得る。そのような例では、本装置は、流入ポート40を通して流体を受領するように構成され得る。流体が流れると、ロータ16およびシャフト18が第1の回転軸周りに回転する。流体は、重力下で出ることができるか、連続したチャンバ内への流体の流れにより、そのチャンバから押し出される。
【0137】
さらなる代替的例では、本装置は、流体調整または測定装置の一部を形成する場合がある。そのような例では、本装置は、流入ポート40を通して流体を受領するように構成され得る。流体が流れると、ロータ16およびシャフト18が第1の回転軸周りに回転する。流体は、次のチャンバ内への流体の流れにより、そのチャンバ34aから押し出される。シャフトの速度は、装置を通る流量を測定するか制限するために、測定、制御、および/または制限され得る。
【0138】
さらなる例では、互いから完全に離れた2つのそのようなローティキュレータユニット(roticulating unit)は、互いの間の剛性の流体伝達のために結合する場合があり、液圧ギアシステムまたは液圧差動システム(液体によって結合した3つのユニットによる)として使用するために作動可能である。そのような例では、流体は、エネルギ伝達媒体として作用して、入力トルクを、他の遠位のユニットの出力トルクに分配する。また、結合されたユニットの容量の差により、ロータの速度の変化が生じる。このシステムにより、高リスクまたは爆発性雰囲気内に回転出力を得る、本質的に安全な方法が提供される。
【0139】
本装置がどのように利用され得るかの複数の例が説明されてきたが、ロータアセンブリのコア要素、および、この独創的な「ローティキュレータ」構成が、さらなる用途に利用され得ることから、本開示はこれら例には限定されない。
【0140】
本開示の装置によって提供される、シンプルなローティキュレータジョイントにより、ロータが同時に回転することと関節でつなぐことを行い(すなわち、旋回)、それにより、作業および所望の機能を実施するために利用されることが可能なる。
【0141】
たとえば、本装置は、容量性のエネルギを回転による作業に変換するか、回転の入力を流体の排出または流体の流れの制御に変換することが必要である多くの用途に適用され得る。別の言い方では、本装置は、容量性の変位を回転力に変換すること、および/または、回転力を容量性の変位に変換することに適している。
【0142】
このため、本装置は、両方向かつ両方の方式の、トルク/圧力変換装置である。本装置は、正圧または負圧を回転力に変換するように構成され得る。代替的には、本装置は、回転力を圧縮力または真空吸引力に変換するように構成され得る。このため、本装置は、媒体を連続的に排出するか、媒体を圧縮的に排出するように構成され得る。
【0143】
上述のように、本装置は、熱エンジン、蒸気エンジン、流量計(たとえば水量計)、流体タービン、液圧モータまたは空気モータの一部を形成し得る。本装置は、真空源から回転エネルギを引き出すためにも利用され得る。
【0144】
本装置は、真空の生成のための装置(すなわち、真空ポンプ)の一部を形成する場合がある。本装置は、代替的には、液体状態から気体状態へのガスの膨張、または、冷却ガスの膨張の管理のための装置の一部を形成する場合がある。そのような例では、本装置は、駆動されるか制御された回転手段、たとえば、ロータの回転を所望の速度に制限するブレーキまたはモータに結合され得、それにより、チャンバ内における気体/液体の膨張を制御する。このことは、膨張の制御を可能にするように、それ自体によってロータを回転させない場合があるか、ロータを過度に速く回転させ、こうして、膨張の制御の十分な利点を達成しない場合がある。
【0145】
回転毎に内部容量の100%縮小まで提供する、真の容積式ユニットである場合、このユニットは、「押す」作業と「引く」作業とを同時に実施することができ、そのため、たとえば、その流入部に完全な真空を形成することができ、一方、同時に、その流出部に圧縮空気を提供する。または、組み合わせられた同時の吸入ポンプと排出ポンプとである。
【0146】
このため、流体ポンプ、流体排出装置、内燃エンジン、流体膨張装置、または流体駆動装置として使用するために適合され得る、コンパクトな装置が提供される。
【0147】
ロータ14とハウジング12とは、間にわずかなクリアランスを伴って構成され得、これにより、オイルレスかつ真空の動作を可能にし、かつ/またはロータ16とハウジング12との間の接触シール手段の必要性を不要にし、それにより、摩擦損失を最小にしている。
【0148】
ロータアセンブリ14の性質は、このアセンブリがフライホイールとして作用する場合があり、他のエンジンおよびポンプの設計には一般的な、別々のフライホイールの要素に関する必要性を不要にし、それにより、比較的軽量な構成に貢献している。
【0149】
さらに、本開示の装置は、3つの主要な内部の可動部品(シャフト、ロータ、および心棒)のみを備えており、それにより、製造および組立てがシンプルな装置を形成している。
【0150】
そのようなことから利益を得る用途では、シャフト18は、ハウジングの両側から外に延びて、装置を駆動させるためのパワートレインおよび/または発電機に結合されるか、複数のユニットを一列に結合し得る。
【0151】
本発明の装置は、様々な容量または出力の要請に適する任意のサイズに拡縮することができ、そのデュアル出力ドライブシャフトも、共通のラインシャフト上に複数のドライブを取り付けることを容易にしており、それにより、容量、平滑さ、パワーの出力を増大させ、冗長性を与えるか、第2の内燃エンジンを保持することのわずかな重量の不利益を伴って、要求に応じてさらなる出力を与える。
【0152】
本装置は本来的に、慣性力がかなり低く、それにより、負荷が少なく、迅速かつ容易な起動を提供する。
【0153】
直径250mmのロータは、(容量の100%の縮小を促しつつ)回転毎に4.0リットルの排出量を達成できることが想定される。ドライブの容量は、球の容量に伴う傾向にあり、そのため、400mmの直径により、回転毎に40リットルの潜在的な最大排出量で、250mmの直径のロータの排出量の約10倍を提供する。
【0154】
本出願に関する本明細書と同時か、その前に出され、本明細書とともに公開されるすべての文書および文献が注目され、それら文書および文献すべての内容は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。
【0155】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書、および図面のいずれも含む)に開示される特徴すべて、および/または、そうして開示されるいずれの方法またはプロセスのステップすべては、そのような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせられ得る。
【0156】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書、および図面のいずれも含む)に開示の各特徴は、別様に明確に示されていない限り、同じか、均等か、類似の目的を達成する代替的特徴で置き換えられ得る。このため、別様に明確に述べられていない限り、開示の特徴の各々は、包括的な一連の、均等であるか同様の特徴の一例に過ぎない。
【0157】
本発明は、前述の実施形態の詳細には制限されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書、および図面のいずれも含む)に開示される特徴の任意の新規の特徴、もしくは任意の新規の組合せ、または、そのように開示される任意の方法またはプロセスのステップの任意の新規のステップ、もしくは新規の組合せに拡大される。