【実施例】
【0023】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0024】
〔実施例1〜6、および比較例1〜6〕
表2に示す(a)〜(d)成分と、表1に示す共通添加成分Aとを精製水に溶解させて合計100質量%とし、化粧水を調製した。
表2中の(a)成分(化合物a)は、式(1)中におけるa+bが13、cが3であり、POとEOとの質量比(PO/EO)が4/5のポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(3BO)(8EO)(5PO)である(商品名:ウィルブライドS−753、日油株式会社製)。
表2中の(b)成分(化合物b)は、式(2)中におけるxが7、yが2、zが1であり、EOとPOとの合計質量に対するEOの質量比が72.6質量%のポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメチルグルコシドである(商品名:ウィルブライドMG−2070、日油株式会社製)。
表2中の(c)成分(化合物c)は、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸ブチルの配合比が8:2であり、分子量が60万の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体であり、蒸発残留分換算で5質量%の試料である(商品名:Lipidure−PMB、日油株式会社製)。
なお、表中の成分の割合は質量%であり、表2中での化合物cの含有量は、蒸発残留分換算量である。
【0025】
【表1】
【0026】
上記方法により得られた化粧水に対し、(1)シワ改善効果、(2)浸透感、(3)保湿感、(4)べたつき、(5)柔軟性、(6)肌の滑らかさ、(7) 化粧ノリの各項目について下記方法により評価した。結果を表2に示す。
【0027】
(1)シワ改善効果
目尻にシワがある20名の男女をパネラーとし、各パネラーが化粧水を1日2回ずつ連続3ヶ月間、目尻に使用し、3ヶ月後の目尻のシワの状態について下記のように評価した。
化粧水の使用開始前と3ヶ月間の連用塗布後の目尻のシワ(同一部位)について、軽く目を閉じた状態での目の際から約5mm離れた部位から10×10mm以上の範囲でシワレプリカ(有限会社アサヒバイオメッド製「シリコンASB−01−W」)を採取した。採取したシワレプリカについて三次元解析(GFM社製「PRIMOS(付属のソフトウェアを含む)」)を実施し、最大シワ平均深さ(μm、解析範囲に存在する最大体積をもつシワに対する平均深さ)を算出した。
なお、使用開始前のシワレプリカと3ヶ月間の連用塗布後のシワレプリカは、自動位置合わせ機能により形状のマッチングを実施した。得られた最大シワ平均深さから、下記の式よりシワ改善率を算出した。表2中のシワ改善率はパネラー20名の平均値である。
【0028】
シワ改善率(%)=(化粧水使用開始前の最大シワ平均深さ−化粧水3ヶ月間の連用塗布後の最大シワ平均深さ)/化粧水使用開始前の最大シワ平均深さ×100
◎:シワ改善率35%以上:非常に優れたシワ改善効果を有する化粧水である。
○:シワ改善率25%以上35%未満:優れたシワ改善効果を有する化粧水である。
△:シワ改善率15%以上25%未満:わずかにシワ改善効果を有する化粧水である。
×:シワ改善率15%未満:シワ改善効果を有しない化粧水である。
【0029】
(2)浸透感
20名の男女(40歳〜50歳) のパネラーが、得られた化粧水2mLを洗顔後に使用し、使用後の肌の浸透感について下記基準で評価した。
2点:浸透感を感じた。
1点:やや浸透感を感じた場合。
0点:浸透感を感じなかった場合。
【0030】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点を付けたパネラーがいない。:非常に優れた浸透感が得られる化粧水である。
○:合計点が25点以上、35点未満である。:優れた浸透感が得られる化粧水である。
△:合計点が10点以上、25点未満である。:わずかに浸透感が得られる化粧水である。
×:合計点が10点未満である。:浸透感が得られない化粧水である。
【0031】
(3)保湿感
20名の男女(40歳〜50歳) をパネラーが、得られた化粧水2mLを洗顔後に使用し、使用後の肌の保湿感について下記基準で評価した。
2点:保湿感が感じられた場合。
1点:やや保湿感が感じられた場合。
0点:保湿感が感じられなかった場合。
【0032】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点を付けたパネラーがいない。:非常に優れた保湿感が得られる化粧水である。
○:合計点が25点以上、35点未満である。:優れた保湿感が得られる化粧水である。
△:合計点が10点以上、25点未満である。:わずかに保湿感が得られる化粧水である。
×:合計点が10点未満である。:保湿感が得られない化粧水である。
【0033】
(4)べたつき
20名の男女(40歳〜50歳) のパネラーが、得られた化粧水2mLを洗顔後に使用し、使用後の肌のべたつきについて下記基準で評価した。
2点:べたつきを感じなかった場合。
1点:ややべたつきを感じた場合。
0点:べたつきを感じた場合。
【0034】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点を付けたパネラーがいない。:べたつきを全く感じさせない化粧水である。
○:合計点が25点以上、35点未満である。:べたつきをあまり感じさせない化粧水である。
△:合計点が10点以上、25点未満である。:べたつきを少し感じさせる化粧水である。
×:合計点が10点未満である。:べたつきを感じさせる化粧水である。
【0035】
(5)柔軟性
20名の男女(40歳〜50歳) のパネラーが、得られた化粧水2mLを洗顔後に使用し、使用後の肌の柔軟性について下記基準で評価した。
2点:肌が柔軟になったと感じた場合。
1点:肌がやや柔軟になったと感じた場合。
0点:肌が柔軟にならなかったと感じた場合。
【0036】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点を付けたパネラーがいない。:柔軟性を向上させる効果が非常に優れた化粧水である。
○:合計点が25点以上、35点未満である。:柔軟性を向上させる効果が優れた化粧水である。
△:合計点が10点以上、25点未満である。:柔軟性を向上させる効果がわずかにある化粧水である。
×:合計点が10点未満である。:柔軟性を向上させる効果がない化粧水である。
【0037】
(6)肌の滑らかさ
20名の男女(40歳〜50歳) のパネラーが、得られた化粧水2mLを洗顔後に使用し、使用後の肌の滑らかさについて下記基準で評価した。
2点:肌が滑らかになったと感じた場合。
1点:肌がやや滑らかになったと感じた場合。
0点:肌が滑らかにならなかったと感じた場合。
【0038】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点を付けたパネラーがいない。:肌を滑らかにする効果が非常に優れた化粧水である。
○:合計点が25点以上、35点未満である。:肌を滑らかにする効果が優れた化粧水である。
△:合計点が10点以上、25点未満である。:肌を滑らかにする効果がわずかにある化粧水である。
×:合計点が10点未満である。:肌を滑らかにする効果がない化粧水である。
【0039】
(7)化粧ノリ
20名の男女(40歳〜50歳) のパネラーが、得られた化粧水2mLを洗顔後に使用し、その後、化粧下地を使用せずベースメイク(リキッドファンデーションまたはパウダーファンデーションを使用) をし、化粧ノリについて下記基準で評価した。
2点:化粧ノリが良かった場合。
1点:やや化粧ノリが良かった場合。
0点:化粧ノリが良くなかった場合。
【0040】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点を付けたパネラーがいない。:化粧ノリが非常に良好な化粧水である。
○:合計点が25点以上、35点未満である。:化粧ノリが良好な化粧水である。
△:合計点が10点以上、25点未満である。:化粧ノリがあまく良くない化粧水である。
×:合計点が10点未満である。:化粧ノリが悪い化粧水である。
【0041】
【表2】
【0042】
実施例1〜6の結果に示されるように、本発明の化粧水は、いずれにおいてもシワ改善効果を有し、使用時の浸透感や保湿感に優れ、使用後にべたつきを感じ難く、肌に柔軟性を付与し、肌を滑らかに保ち、かつ化粧ノリが良好な化粧水であることが分かる。
【0043】
一方、比較例1〜6では十分な性能が得られていない。
具体的には、比較例1では、(c)成分が配合されていないことから、肌を滑らかにする効果やシワ改善効果が不十分であり、化粧ノリの良さも十分には得られず、保湿感も満足いくものではなかった。
比較例2では、(b)成分が配合されていないことから、保湿感やシワ改善効果が不十分であり、化粧ノリの良さも十分には得られなかった。
比較例3では、(a)成分が配合されていないことから、浸透感が得られず、べたつきを感じさせ、肌を滑らかにする効果やシワ改善効果が不十分であった。
【0044】
比較例4では、(a)成分が過剰に配合されているため、浸透感が得られず、べたつきが生じており、肌を滑らかにする効果やシワ改善効果が不十分であり、化粧ノリの良さも十分には得られず、保湿感も満足いくものではなかった。
比較例5では、(a)成分と(c)成分が配合されていないため、滑らかさや浸透感が得られず、べたつきを生じており、シワ改善効果が不十分であり、化粧ノリの良さも十分には得られなかった。
比較例6では、(a)成分と(b)成分が配合されていないため、浸透感が得られず、べたつきを生じており、肌を滑らかにする効果やシワ改善効果が不十分であり、化粧ノリの良さも十分には得られなかった。