特許第6484401号(P6484401)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日油株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6484401
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】化粧水
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/39 20060101AFI20190304BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20190304BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20190304BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   A61K8/39
   A61K8/34
   A61K8/86
   A61Q19/00
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-210781(P2013-210781)
(22)【出願日】2013年10月8日
(65)【公開番号】特開2015-74620(P2015-74620A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年9月5日
【審判番号】不服2018-4763(P2018-4763/J1)
【審判請求日】2018年4月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124349
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 圭啓
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真巳
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】小田 義士
【合議体】
【審判長】 關 政立
【審判官】 冨永 みどり
【審判官】 長谷川 茜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−014540(JP,A)
【文献】 特開2013−100241(JP,A)
【文献】 特開2013−189392(JP,A)
【文献】 特開2006−199665(JP,A)
【文献】 特開2007−269719(JP,A)
【文献】 特開2012−136489(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/038724(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00-8/99
A61Q1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式(1)で示されるアルキレンオキシド誘導体を〜20質量%、
(b)式(2)で示されるアルキレンオキシド誘導体を1〜10質量%、
(c)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体を0.025〜0.5質量%、および
(d)炭素数3〜6の2〜4価の多価アルコールを1〜40質量%、
含む化粧水。
【化1】
(式中、Glyはグリセリンから水酸基を除いた残基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基であり、a,bおよびcはそれぞれPO、EOおよびBOの平均付加モル数であって、a+bは1〜30、cは1〜5であり、POとEOとの質量比(PO/EO)は1/5〜5/1である。)
【化2】
(式中、Gは炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルグリコシドから水酸基を除いた残基であり、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基であり、xおよびyはそれぞれEOおよびPOの平均付加モル数であって、5≦x≦20、1≦y≦10を満足し、EOとPOとの合計質量に対するEOの質量比が55〜90質量%であり、EOとPOとはランダム状に付加しており、BOはオキシブチレン基であり、zはBOの平均付加モル数であり、1≦z≦2である。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧水に関する。さらに詳しくは、シワ改善効果を有し、使用時の浸透感や保湿感に優れ、使用後にべたつきを感じ難く、肌に柔軟性を付与し、肌を滑らかに保ち、かつ化粧ノリが良好な化粧水に関する。
【背景技術】
【0002】
健康な肌を保つための基礎化粧品として化粧水が使用されている。化粧水は、肌に潤いや柔軟性を付与し、乾燥や肌荒れを防ぐ目的で使用される。スキンケアでは、洗顔後、化粧水の他に乳液や美容液、クリームなどの油分が配合された化粧品を使用し、肌にエモリエント感を付与することで、水分の蒸散を防ぎ、乾燥や肌荒れから皮膚を守る方法が一般的であった。
しかし近年では女性の社会進出などにより、いわゆる「時短美容」が注目され、スキンケアステップの簡略化が好まれる傾向にある。また、乳液やクリームの油分によるべたつき、テカリが懸念される。そのため、化粧水のみを使用したスキンケアが期待されている。
【0003】
他方、男性のスキンケア意識の向上により、様々な男性用化粧品が発売されている。男性は、一般に、女性よりも肌の皮脂が多いので、男性用化粧品では、べたつきのない、さっぱりとした使用感の製品が求められている。
【0004】
一般的な化粧水は、主に水と多価アルコール類で構成されており、肌の柔軟性や、持続的な保湿感、シワ改善効果を付与するためには、保湿剤を高濃度に配合する必要があった。
例えば、特許文献1には、保湿剤としてジェランガムとグリセリンを組み合わせ、水分保持機能を保持したまま、べたつき感を改善した皮膚化粧料が開示されている。しかし、一時的な保湿効果は発揮されるものの、油分が配合されていないので、油分を含むクリームや乳液に比べて持続的に皮膚に油分を補うことができず、肌の柔軟性が十分には得られなかった。
【0005】
特許文献2には、温泉水およびハトムギエキスを配合し、肌の柔軟性を改善する化粧水が開示されている。しかし、油分が配合されていないので、肌の滑らかさが十分には得られなかった。
【0006】
また、特許文献3には、加水分解アルギンとクロレラ抽出物を組み合わせた、シワ改善効果を有する化粧水が開示され、特許文献4には、アミノ酸と加水分解シルクを組み合わせた、浸透性の高い皮膚外用剤が開示されている。しかし、これら化粧水や皮膚外用剤は、化粧ノリが十分でなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−168725号公報
【特許文献2】特開2008−174527号公報
【特許文献3】特開2013−155170号公報
【特許文献4】特開2008−56568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、シワ改善効果を有し、使用時の浸透感や保湿感に優れ、使用後にべたつきを感じ難く、肌に柔軟性を付与し、肌を滑らかに保ち、かつ化粧ノリが良好な化粧水を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために研究を重ねたところ、2種類の特定のアルキレンオキシド誘導体(a)および(b)、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体(c)、特定の多価アルコール(d)を特定の比率で組み合わせることにより、目的とする化粧水が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、(a)式(1)で示されるアルキレンオキシド誘導体を〜20質量%、(b)式(2)で示されるアルキレンオキシド誘導体を1〜10質量%、(c)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体を0.025〜0.5質量%、および(d)炭素数3〜6の2〜4価の多価アルコールを1〜40質量%、含む化粧水である。
【化1】
(式中、Glyはグリセリンから水酸基を除いた残基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基であり、a,bおよびcはそれぞれPO、EOおよびBOの平均付加モル数であって、a+bは1〜30、cは1〜5であり、POとEOとの質量比(PO/EO)は1/5〜5/1である。)
【化2】
(式中、Gは炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルグリコシドから水酸基を除いた残基であり、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基であり、xおよびyはそれぞれEOおよびPOの平均付加モル数であって、5≦x≦20、1≦y≦10を満足し、EOとPOとの合計質量に対するEOの質量比が55〜90質量%であり、EOとPOとはランダム状に付加しており、BOはオキシブチレン基であり、zはBOの平均付加モル数であり、1≦z≦2である。)
【発明の効果】
【0011】
本発明の化粧水は、シワ改善効果を有し、使用時の浸透感や保湿感に優れ、使用後にべたつきを感じ難く、肌に柔軟性を付与し、肌を滑らかに保ち、かつ化粧ノリが良好であるという効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の化粧水は、(a)式(1)で示される化合物、(b)式(2)で示される化合物、(c)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、(d)炭素数3〜6の2〜4価の多価アルコールを少なくとも含有する。以下、各成分について説明する。
【0013】
〔(a)成分〕
本発明で用いられる(a)成分は、式(1)で示されるアルキレンオキシド誘導体であり、肌への浸透感や滑らかさの向上、べたつきの低減に寄与する成分である。
式(1) において、Glyはグリセリンから水酸基を除いた残基であり、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基である。a、bおよびcはそれぞれPO、EOおよびBOの平均付加モル数である。a+bは1〜30の値であり、好ましくは5〜25、さらに好ましくは10〜15である。cは1〜5であり、好ましくは2〜4、さらに好ましくは2〜3である。
POとEOとの質量比(PO/EO)は1/5〜5/1であり、好ましくは1/2〜4/1、さらに好ましくは1/1〜3/1である。a、bおよびcの各値およびPOとEOの質量比は、アルキレンオキシドを付加して得られた生成物をH−NMR(核磁気共鳴法)により測定してそれぞれの平均付加モル数を求め、質量比に換算することにより求めることができる。
なお、POおよびEOの付加状態は、ランダム状でもブロック状でも良いが、高い保湿効果を得るにはランダム状に付加することが好ましい。BOは、末端にブロック状に付加しており、オキシブチレン基を与える化合物としては、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、テトラメチレンオキシド(テトラヒドロフラン)等が挙げられるが、入手のし易さ、反応制御のし易さ等の面から、1,2−ブチレンオキシドが好ましい。また、これらのオキシアルキレン基を付加させる場合には通常、相関移動触媒、ルイス酸触媒、アルカリ触媒等を用いて付加反応を行う。一般的には水酸化カリウム等のアルカリ触媒を使用することが好ましい。
【0014】
本発明の(a)成分の含有量は、化粧水全量に対して、〜20質量%であり、1〜10質量%が好ましく、3〜9質量%がさらに好ましい。(a)成分の含有量が少なすぎる場合は浸透感が低減するおそれがあり、20質量%を超える場合は、べたつきが生じるおそれがある。
【0015】
〔(b)成分〕
本発明で用いられる(b)成分は、式(2)で示されるアルキレンオキシド誘導体であり、保湿感の向上、シワ改善効果、化粧ノリの向上に寄与する成分である。
式(2)において、Gは炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルグリコシドから水酸基を除いた残基であり、例えば、メチルグルコシド、エチルグルコシド、n−ブチルグルコシドが好ましく、メチルグルコシドがさらに好ましい。
EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基である。xおよびyはそれぞれEOおよびPOの平均付加モル数であって、5≦x≦20、1≦y≦10を満足し、好ましくは8≦x≦15、2≦y≦8、さらに好ましくは6≦x≦10、4≦y≦5を満足する。
EOとPOとの合計質量に対するEOの質量比は55〜90質量%であり、好ましくは60〜80質量%、さらに好ましくは65〜70質量%である。EOとPOとはランダム状に付加している。
BOはオキシブチレン基であり、zはBOの平均付加モル数であり、1≦z≦2である。オキシブチレン基を与える化合物としては、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、テトラメチレンオキシド(テトラヒドロフラン)等が挙げられるが、入手のし易さ、反応制御のし易さ等の面から、1,2−ブチレンオキシドが好ましい。また、これらのオキシアルキレン基を付加させる場合には通常、相関移動触媒、ルイス酸触媒、アルカリ触媒等を用いて付加反応を行う。一般的には水酸化カリウム等のアルカリ触媒を使用することが好ましい。
【0016】
本発明の(b)成分の含有量は、化粧水全量に対して、1〜10質量%であり、2〜9質量%が好ましく、3〜5質量%がさらに好ましい。(b)成分の含有量が1質量%未満の場合は保湿感が得られ難くなり、シワ改善効果が得られ難くなるおそれがある。また、10質量%を超える場合はべたつきを生じるおそれがある。
【0017】
〔(c)成分〕
本発明で用いられる(c)成分は、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体であり、肌の滑らかさの向上、シワ改善効果、化粧ノリの向上に寄与する成分である。
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体は、式(3) で表される特定のホスホリルコリン類似基含有単量体から構成される。式(3)中のm:nは、100:1〜2:1である。また本共重合体の分子量は10万〜100万、好ましくは20万〜80万、更に好ましくは40万〜60万のものが挙げられる。なお、分子量はGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定(算出)することができる。
【0018】
【化3】
【0019】
本発明の(c)成分の含有量は、化粧水全量に対して、0.025〜0.5質量%であり、0.05〜0.45質量%が好ましく、0.1〜0.25質量%がさらに好ましい。(c)成分の含有量が0.025質量%未満の場合、肌の滑らかさ向上やシワ改善効果が得られ難くなるおそれがあり、0.45質量%を超える場合はべたつきが生じ、浸透感が得られ難くなるおそれがある。
【0020】
〔(d)成分〕
本発明で用いられる(d)成分は、炭素数3〜6の2〜4価の多価アルコールであり、保湿感や柔軟性の向上に寄与する成分である。
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、ヘキシレングリコール、イソプレングリコールなどの多価アルコールが挙げられる。(d)成分として、複数種の多価アルコールを用いることが好ましく、3種以上多価アルコールを用いることがさらに好ましい。
【0021】
本発明の(d)成分の含有量は、化粧水全量に対して、1〜40質量%であり、2〜14質量%が好ましく、3〜10質量%がさらに好ましい。
【0022】
本発明の化粧水には、pH調整剤、防腐剤など、化粧料に常用されている他の成分を、本発明の性能を損なわない範囲で、配合することも可能である。
【実施例】
【0023】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0024】
〔実施例1〜6、および比較例1〜6〕
表2に示す(a)〜(d)成分と、表1に示す共通添加成分Aとを精製水に溶解させて合計100質量%とし、化粧水を調製した。
表2中の(a)成分(化合物a)は、式(1)中におけるa+bが13、cが3であり、POとEOとの質量比(PO/EO)が4/5のポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(3BO)(8EO)(5PO)である(商品名:ウィルブライドS−753、日油株式会社製)。
表2中の(b)成分(化合物b)は、式(2)中におけるxが7、yが2、zが1であり、EOとPOとの合計質量に対するEOの質量比が72.6質量%のポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメチルグルコシドである(商品名:ウィルブライドMG−2070、日油株式会社製)。
表2中の(c)成分(化合物c)は、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸ブチルの配合比が8:2であり、分子量が60万の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体であり、蒸発残留分換算で5質量%の試料である(商品名:Lipidure−PMB、日油株式会社製)。
なお、表中の成分の割合は質量%であり、表2中での化合物cの含有量は、蒸発残留分換算量である。
【0025】
【表1】
【0026】
上記方法により得られた化粧水に対し、(1)シワ改善効果、(2)浸透感、(3)保湿感、(4)べたつき、(5)柔軟性、(6)肌の滑らかさ、(7) 化粧ノリの各項目について下記方法により評価した。結果を表2に示す。
【0027】
(1)シワ改善効果
目尻にシワがある20名の男女をパネラーとし、各パネラーが化粧水を1日2回ずつ連続3ヶ月間、目尻に使用し、3ヶ月後の目尻のシワの状態について下記のように評価した。
化粧水の使用開始前と3ヶ月間の連用塗布後の目尻のシワ(同一部位)について、軽く目を閉じた状態での目の際から約5mm離れた部位から10×10mm以上の範囲でシワレプリカ(有限会社アサヒバイオメッド製「シリコンASB−01−W」)を採取した。採取したシワレプリカについて三次元解析(GFM社製「PRIMOS(付属のソフトウェアを含む)」)を実施し、最大シワ平均深さ(μm、解析範囲に存在する最大体積をもつシワに対する平均深さ)を算出した。
なお、使用開始前のシワレプリカと3ヶ月間の連用塗布後のシワレプリカは、自動位置合わせ機能により形状のマッチングを実施した。得られた最大シワ平均深さから、下記の式よりシワ改善率を算出した。表2中のシワ改善率はパネラー20名の平均値である。
【0028】
シワ改善率(%)=(化粧水使用開始前の最大シワ平均深さ−化粧水3ヶ月間の連用塗布後の最大シワ平均深さ)/化粧水使用開始前の最大シワ平均深さ×100
◎:シワ改善率35%以上:非常に優れたシワ改善効果を有する化粧水である。
○:シワ改善率25%以上35%未満:優れたシワ改善効果を有する化粧水である。
△:シワ改善率15%以上25%未満:わずかにシワ改善効果を有する化粧水である。
×:シワ改善率15%未満:シワ改善効果を有しない化粧水である。
【0029】
(2)浸透感
20名の男女(40歳〜50歳) のパネラーが、得られた化粧水2mLを洗顔後に使用し、使用後の肌の浸透感について下記基準で評価した。
2点:浸透感を感じた。
1点:やや浸透感を感じた場合。
0点:浸透感を感じなかった場合。
【0030】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点を付けたパネラーがいない。:非常に優れた浸透感が得られる化粧水である。
○:合計点が25点以上、35点未満である。:優れた浸透感が得られる化粧水である。
△:合計点が10点以上、25点未満である。:わずかに浸透感が得られる化粧水である。
×:合計点が10点未満である。:浸透感が得られない化粧水である。
【0031】
(3)保湿感
20名の男女(40歳〜50歳) をパネラーが、得られた化粧水2mLを洗顔後に使用し、使用後の肌の保湿感について下記基準で評価した。
2点:保湿感が感じられた場合。
1点:やや保湿感が感じられた場合。
0点:保湿感が感じられなかった場合。
【0032】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点を付けたパネラーがいない。:非常に優れた保湿感が得られる化粧水である。
○:合計点が25点以上、35点未満である。:優れた保湿感が得られる化粧水である。
△:合計点が10点以上、25点未満である。:わずかに保湿感が得られる化粧水である。
×:合計点が10点未満である。:保湿感が得られない化粧水である。
【0033】
(4)べたつき
20名の男女(40歳〜50歳) のパネラーが、得られた化粧水2mLを洗顔後に使用し、使用後の肌のべたつきについて下記基準で評価した。
2点:べたつきを感じなかった場合。
1点:ややべたつきを感じた場合。
0点:べたつきを感じた場合。
【0034】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点を付けたパネラーがいない。:べたつきを全く感じさせない化粧水である。
○:合計点が25点以上、35点未満である。:べたつきをあまり感じさせない化粧水である。
△:合計点が10点以上、25点未満である。:べたつきを少し感じさせる化粧水である。
×:合計点が10点未満である。:べたつきを感じさせる化粧水である。
【0035】
(5)柔軟性
20名の男女(40歳〜50歳) のパネラーが、得られた化粧水2mLを洗顔後に使用し、使用後の肌の柔軟性について下記基準で評価した。
2点:肌が柔軟になったと感じた場合。
1点:肌がやや柔軟になったと感じた場合。
0点:肌が柔軟にならなかったと感じた場合。
【0036】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点を付けたパネラーがいない。:柔軟性を向上させる効果が非常に優れた化粧水である。
○:合計点が25点以上、35点未満である。:柔軟性を向上させる効果が優れた化粧水である。
△:合計点が10点以上、25点未満である。:柔軟性を向上させる効果がわずかにある化粧水である。
×:合計点が10点未満である。:柔軟性を向上させる効果がない化粧水である。
【0037】
(6)肌の滑らかさ
20名の男女(40歳〜50歳) のパネラーが、得られた化粧水2mLを洗顔後に使用し、使用後の肌の滑らかさについて下記基準で評価した。
2点:肌が滑らかになったと感じた場合。
1点:肌がやや滑らかになったと感じた場合。
0点:肌が滑らかにならなかったと感じた場合。
【0038】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点を付けたパネラーがいない。:肌を滑らかにする効果が非常に優れた化粧水である。
○:合計点が25点以上、35点未満である。:肌を滑らかにする効果が優れた化粧水である。
△:合計点が10点以上、25点未満である。:肌を滑らかにする効果がわずかにある化粧水である。
×:合計点が10点未満である。:肌を滑らかにする効果がない化粧水である。
【0039】
(7)化粧ノリ
20名の男女(40歳〜50歳) のパネラーが、得られた化粧水2mLを洗顔後に使用し、その後、化粧下地を使用せずベースメイク(リキッドファンデーションまたはパウダーファンデーションを使用) をし、化粧ノリについて下記基準で評価した。
2点:化粧ノリが良かった場合。
1点:やや化粧ノリが良かった場合。
0点:化粧ノリが良くなかった場合。
【0040】
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点を付けたパネラーがいない。:化粧ノリが非常に良好な化粧水である。
○:合計点が25点以上、35点未満である。:化粧ノリが良好な化粧水である。
△:合計点が10点以上、25点未満である。:化粧ノリがあまく良くない化粧水である。
×:合計点が10点未満である。:化粧ノリが悪い化粧水である。
【0041】
【表2】
【0042】
実施例1〜6の結果に示されるように、本発明の化粧水は、いずれにおいてもシワ改善効果を有し、使用時の浸透感や保湿感に優れ、使用後にべたつきを感じ難く、肌に柔軟性を付与し、肌を滑らかに保ち、かつ化粧ノリが良好な化粧水であることが分かる。
【0043】
一方、比較例1〜6では十分な性能が得られていない。
具体的には、比較例1では、(c)成分が配合されていないことから、肌を滑らかにする効果やシワ改善効果が不十分であり、化粧ノリの良さも十分には得られず、保湿感も満足いくものではなかった。
比較例2では、(b)成分が配合されていないことから、保湿感やシワ改善効果が不十分であり、化粧ノリの良さも十分には得られなかった。
比較例3では、(a)成分が配合されていないことから、浸透感が得られず、べたつきを感じさせ、肌を滑らかにする効果やシワ改善効果が不十分であった。
【0044】
比較例4では、(a)成分が過剰に配合されているため、浸透感が得られず、べたつきが生じており、肌を滑らかにする効果やシワ改善効果が不十分であり、化粧ノリの良さも十分には得られず、保湿感も満足いくものではなかった。
比較例5では、(a)成分と(c)成分が配合されていないため、滑らかさや浸透感が得られず、べたつきを生じており、シワ改善効果が不十分であり、化粧ノリの良さも十分には得られなかった。
比較例6では、(a)成分と(b)成分が配合されていないため、浸透感が得られず、べたつきを生じており、肌を滑らかにする効果やシワ改善効果が不十分であり、化粧ノリの良さも十分には得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の化粧水は、肌に直接塗布する場合だけでなく、シートマスク用含浸液、化粧下地などとしても利用することができる。