特許第6484416号(P6484416)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6484416
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/511 20060101AFI20190304BHJP
   A61F 13/533 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   A61F13/511 100
   A61F13/533 100
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-179138(P2014-179138)
(22)【出願日】2014年9月3日
(65)【公開番号】特開2016-52398(P2016-52398A)
(43)【公開日】2016年4月14日
【審査請求日】2017年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104927
【弁理士】
【氏名又は名称】和泉 久志
(72)【発明者】
【氏名】則元 由美
【審査官】 姫島 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−208386(JP,A)
【文献】 特開2009−153937(JP,A)
【文献】 特開2000−201974(JP,A)
【文献】 特開平05−076564(JP,A)
【文献】 特開2005−160717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/511
A61F 13/533
A61F 13/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在されるとともに、前記吸収体に前記透液性表面シートを積層した状態で、前記透液性表面シートの表面側からエンボスを施すことにより、肌側に長手方向に沿って凹溝が形成された吸収性物品において、
前記吸収体は、前記透液性表面シート側の面に、吸収性物品の長手方向に沿うとともに尿排出部位を含む長手方向範囲に亘って、圧搾によることなく凹溝状又はスリット状の吸収体凹部を備え、
前記透液性表面シートは、吸収性物品の長手方向に延びる凸部と凹部が吸収性物品の幅方向に交互に繰り返し形成された断面波状の不織布によって構成されるとともに、前記波状のピッチは前記凹溝の深さの1/2以下とされ、
前記凹溝を形成した状態で、少なくとも前記凹溝の形成領域に設けられた前記凸部及び凹部が吸収性物品の幅方向に伸長されているとともに、前記凹溝の側面に透液性表面シートの凹凸形状が保持されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記透液性表面シートは、多数の開孔が設けられている請求項1記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主には失禁パッド、使い捨ておむつ等に使用される吸収性物品に係り、肌側に長手方向に沿って凹溝が形成された吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、前記吸収性物品として、ポリエチレンシートまたはポリエチレンシートラミネート不織布などの不透液性裏面シートと、不織布または透液性プラスチックシートなどの透液性表面シートとの間に吸収体を介在したものが知られている。
【0003】
この種の吸収性物品にも幾多の改良が重ねられ、特に失禁パッドなどのように一度にドッと出る尿を小さな面積で受け止め、素早く拡散させるための、一時貯留及び尿拡散手段の一つとして、肌側に長手方向に沿って凹溝を形成したものが種々提案されている(例えば下記特許文献1、2)。
【0004】
下記特許文献1では、面積が異なる上部吸収層と下部吸収層とが積層され、該吸収層には、段差が形成されており、表面シート及び吸収層に一体的に、吸収性物品の長手方向に延びる凹部が形成され、該凹部は、吸収性物品の短手方向の中央部に、前記段差の高部及び低部に亘って形成されており、該凹部は、該吸収層の段差部において途切れることなく連続的に形成されている吸収性物品が開示されている。
【0005】
また、下記特許文献2では、肌当接面側の上層吸収体と非肌当接面側の下層吸収体とを有し、該上層吸収体と該下層吸収体とがなす中高部は、肌当接面側に形成された長手方向に延びるくぼみを有し、前記くぼみは、前記上層吸収体を貫通した開口部であり、該開口部の底面をなすよう上層吸収体の下面に前記下層吸収体が位置する吸収性物品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5105884号公報
【特許文献2】特開2009−112590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1、2記載の吸収性物品では、前記凹溝は、吸収体の表面側に透液性表面シートを積層した状態で、前記透液性表面シートの表面側からのエンボスにより、透液性表面シート及び吸収体を一体的に圧搾するか、予め凹部又はスリットが設けられた吸収体に対し透液性表面シートを圧搾することにより形成されている。
【0008】
ここで、前記表面シートとして通常の平坦な不織布を使用した場合、前記凹溝を形成するためのエンボスを施すと、凹溝の深さ分だけ表面シートが引き伸ばされるため、この過度に引き伸ばされた部分の表面シートの強度が低下して、装着中に破れが発生するおそれがあった。
【0009】
また、凹溝内の表面シートは、エンボスによって幅方向に引き伸ばされ、表面が突っ張った状態で配置されるため、表面シートと尿との接触面積が凹溝の表面積より大きくなることはなく、尿の吸収効率の向上は期待できなかった。
【0010】
そこで本発明の主たる課題は、肌側に長手方向に沿って凹溝が形成された吸収性物品において、装着中の表面シートの破れを防止し、凹溝内での尿の吸収効率を向上させた吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在されるとともに、前記吸収体に前記透液性表面シートを積層した状態で、前記透液性表面シートの表面側からエンボスを施すことにより、肌側に長手方向に沿って凹溝が形成された吸収性物品において、
前記吸収体は、前記透液性表面シート側の面に、吸収性物品の長手方向に沿うとともに尿排出部位を含む長手方向範囲に亘って、圧搾によることなく凹溝状又はスリット状の吸収体凹部を備え、
前記透液性表面シートは、吸収性物品の長手方向に延びる凸部と凹部が吸収性物品の幅方向に交互に繰り返し形成された断面波状の不織布によって構成されるとともに、前記波状のピッチは前記凹溝の深さの1/2以下とされ、
前記凹溝を形成した状態で、少なくとも前記凹溝の形成領域に設けられた前記凸部及び凹部が吸収性物品の幅方向に伸長されているとともに、前記凹溝の側面に透液性表面シートの凹凸形状が保持されていることを特徴とする吸収性物品が提供される。
【0012】
上記請求項1記載の発明では、前記吸収体は、前記透液性表面シート側の面に、吸収性物品の長手方向に沿うとともに尿排出部位を含む長手方向範囲に亘って、圧搾によることなく凹溝状又はスリット状の吸収体凹部を備え、前記透液性表面シートとして、吸収性物品の長手方向に延びる凸部と凹部が吸収性物品の幅方向に交互に繰り返し形成された断面波状の不織布であって、前記波状のピッチは前記凹溝の深さの1/2以下とされるものを用いている。そして、前記凹溝を形成した状態で、少なくとも前記凹溝の形成領域に設けられた透液性表面シートの凸部及び凹部がそれぞれ吸収性物品の幅方向に伸長されているとともに、前記凹溝の側面に透液性表面シートの凹凸形状が保持されている。このため、透液性表面シートの波状加工がバッファとなって、透液性表面シートの表面側からのエンボスにより前記凹溝を形成したときでも過度に透液性表面シートが引っ張られることがなくなるため、透液性表面シートの強度が低下することがなくなり、装着中の破れが防止できるようになる。また、前記凹溝を形成した状態で、前記凹溝内の透液性表面シートが完全に伸びきらず、凹凸形状が残るため、透液性表面シートと尿との接触面積が増加し、尿の吸収効率が向上できる。一方で、透液性表面シートが断面波状に形成されるため、肌との接触面積が低減し肌に優しく柔らかな感触を与えるようになる。
【0013】
請求項2に係る本発明として、前記透液性表面シートは、多数の開孔が設けられている請求項1記載の吸収性物品が提供される。
【0014】
上記請求項2記載の発明では、前記透液性表面シートに多数の開孔を設けることによって、前記開孔を通じて尿が透過するため、尿の吸収スピードをより一層高めることができるようになる。
【発明の効果】
【0015】
以上詳説のとおり本発明によれば、装着中のシートの破れが防止できるとともに、凹溝内での尿の吸収効率が向上できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る失禁パッド1の一部破断展開図である。
図2図1のII−II線矢視図である。
図3図1のIII−III線矢視図である。
図4】吸収体4の断面図である。
図5】透液性表面シート3の斜視図である。
図6】凹溝22の加工要領を示す断面図である。
図7】尿の移行経路を示す凹溝22の拡大断面図である。
図8】他の形態例に係る透液性表面シート3を示す断面図である。
図9】(A)、(B)は透液性表面シート3のパッド幅方向の断面図である。
図10】他の形態例に係る凹溝22の加工要領を示す断面図である。
図11】他の形態例に係る凹溝22の断面斜視図である。
図12】(A)〜(C)は凹溝22の他の実施例を示す失禁パッド1の展開図である。
図13】(A)〜(C)は凹溝22の他の実施例を示す失禁パッド1の展開図である。
図14】(A)〜(F)は凹溝22の他の実施例を示す失禁パッド1の展開図である。
図15】吸収体凹部20の他の実施例を示す失禁パッド1の要部拡大断面図である。
図16】凹溝22の他の形態例を示す拡大断面図である。
図17】(A)は尿の浸透状態を示す断面図、(B)は吸液時の膨張状態を示す断面図である。
図18】凹溝22を使い捨ておむつ1Aに採用した場合の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0018】
〔失禁パッド1の基本構成〕
本発明に係る失禁パッド1は、図1図3に示されるように、ポリエチレンシートなどからなる不透液性裏面シート2と、尿などを速やかに透過させる透液性表面シート3と、これら両シート2、3間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、前記吸収体4の形状保持および拡散性向上のために、前記吸収体を囲繞するクレープ紙や不織布等からなる被包シート5と、前記吸収体4の略側縁部を起立基端とし、かつ少なくとも尿排出部位Hを含むように長手方向に所定の区間内において肌側に突出して設けられた左右一対の立体ギャザーBS、BSを形成するサイド不織布7、7とから主に構成され、かつ前記吸収体4の周囲においては、その長手方向端縁部では前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、またその両側縁部では吸収体4よりも側方に延出している前記不透液性裏面シート2と前記サイド不織布7とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合されている。なお、必要に応じて、前記透液性表面シート3と吸収体4との間に、親水性のセカンドシートを配置することができる。
【0019】
以下、さらに前記失禁パッド1の構造について詳述すると、
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他に防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート(この場合には、防水フィルムと不織布とで不透液性裏面シートを構成する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが好適に用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。
【0020】
前記透液性表面シート3は、所定の波状加工が施された不織布が好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高で圧縮復元性が高い点で優れている。この透液性表面シート3については、後段で詳しく説明する。
【0021】
前記吸収体4は、たとえば綿状パルプ等の吸収性繊維と高吸水性ポリマー8とにより構成され、図示例では平面形状がパッド長手方向に長い縦長の略小判形とされている。前記高吸水性ポリマー8は例えば粒状粉とされ、吸収体4を構成するパルプ中に分散混入されている。
【0022】
前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。本失禁パッド1では、吸収体4を被包シート5で囲繞するため、結果的に透液性表面シート3と吸収体4との間に被包シート5が介在することになり、吸収性に優れる前記被包シート5によって尿を速やかに拡散させるとともに、これら尿等の逆戻りを防止するようになる。前記パルプの目付は、100g/m〜600g/m、好ましくは200g/m〜500g/mとするのがよい。
【0023】
前記高吸水性ポリマー8としては、たとえばポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋したもの等が挙げられる。これらの内、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。前記吸水性能を有する高吸水性ポリマーは製造プロセスにおいて、架橋密度および架橋密度勾配を調整することにより吸収倍率(吸水力)と吸収速度の調整が可能である。
【0024】
また、前記吸収体4には合成繊維を混合しても良い。前記合成繊維は、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの共重合体などを使用することができるし、これら2種を混合したものであってもよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイドバイサイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。前記合成繊維は、尿に対する親和性を有するように、疎水性繊維の場合には親水化剤によって表面処理したものを用いるのが望ましい。
【0025】
前記被包シート5は、ティシュー等の紙材あるいは不織布等の透液性のシートを用いることができる。特に、資材の破壊(破れ)が生じにくい不織布を用いるのが好ましい。このような不織布としては、薄さと強度のバランスに優れたスパンボンド法やSMS法により加工された不織布、熱可塑性エラストマー樹脂などからなる弾性繊維をスパンボンド法、メルトブロー法など紡糸工程に直結してウェブを形成する方法により加工された不織布、ラテックス、ウレタン、オレフィン系の繊維など伸縮性を有する素材を主成分とする不織布が好適である。なお、被包シート5は、少なくとも吸収体4の肌当接面側(表面側)の面が撥水性でなければシートの親水度は特に問わない。
【0026】
本失禁パッド1の表面側両側部にはそれぞれ長手方向に沿って、かつ失禁パッド1の全長に亘ってサイド不織布7,7が設けられ、このサイド不織布7,7の外側部分が側方に延在されるとともに、前記不透液性裏面シート2が側方に延在され、これら側方に延在されたサイド不織布7部分と不透液性裏面シート2部分とをホットメルト接着剤等により接合して側部フラップが形成されている。
【0027】
前記サイド不織布7としては、重要視する機能の点から撥水処理不織布または親水処理不織布を使用することができる。たとえば、尿等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの機能を重視するならば、シリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングしたSSMSやSMS、SMMSなどの撥水処理不織布を用いるのが望ましく、尿の吸収性を重視するならば、合成繊維の製造過程で親水基を持つ化合物、例えばポリエチレングリコールの酸化生成物などを共存させて重合させる方法や、塩化第2スズのような金属塩で処理し、表面を部分溶解し多孔性とし金属の水酸化物を沈着させる方法等により合成繊維を膨潤または多孔性とし、毛細管現象を応用して親水性を与えた親水処理不織布を用いるのが望ましい。かかるサイド不織布7としては、天然繊維、合成繊維または再生繊維などを素材として、適宜の加工法によって形成されたものを使用することができる。
【0028】
前記サイド不織布7、7は、適宜に折り畳まれて、前記吸収体4の略側縁近傍位置を起立基端として肌側に起立する左右一対の内側立体ギャザー10、10と、相対的に前記内側立体ギャザー10より外側に位置するとともに、前記吸収体4よりも側方に延出する不透液性裏面シート2及びサイド不織布7によって形成された肌側に起立する左右一対の外側立体ギャザー11、11とからなる2重ギャザー構造の立体ギャザーBSを構成している。なお、前記立体ギャザーBSは、内側立体ギャザー10または外側立体ギャザー11のいずれかのみからなる1重ギャザー構造であっても良いし、サイド不織布7を配設するだけで肌側に起立した立体ギャザー状に形成されなくてもよい。
【0029】
前記内側立体ギャザー10および外側立体ギャザー11の構造についてさらに詳しく説明すると、前記サイド不織布7は、図2に示されるように、幅方向両側端をそれぞれパッド裏面側に折り返して幅方向内側及び幅方向外側にそれぞれ二重シート部分7a、7bを形成するとともに、前記幅方向内側の二重シート部分7a内部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された1本または複数本の、図示例では1本の糸状弾性伸縮部材12が配設されるとともに、前記幅方向外側の二重シート部分7b内部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された1本または複数本の、図示例では2本の糸状弾性伸縮部材13、13が配設され、前記幅方向内側の二重シート部分7aの基端部が吸収体4の側部に配設される透液性表面シート3の上面にホットメルト接着剤等により接着されるとともに、幅方向外側の二重シート部分7bの基端部が前記吸収体4よりも側方に延出する不透液性裏面シート2の側端部にホットメルト接着剤等により接着されることにより、前記幅方向内側の二重シート部分7aによって肌側に起立する内側立体ギャザー10が形成されるとともに、前記幅方向外側の二重シート部分7bによって肌側に起立する外側立体ギャザー11が形成されている。なお、前記サイド不織布7は、パッド長手方向の両端部では、図3に示されるように、前記糸状弾性伸縮部材12、13が配設されないとともに、前記幅方向内側の二重シート部分7aがホットメルト接着剤等によって吸収体4側に接合されている。
【0030】
〔凹溝22及び透液性表面シート3について〕
本失禁パッド1では、肌側に長手方向に沿って尿流入用の凹溝22が形成されている。前記凹溝22は、透液性表面シート3の表面に排出された尿を受け止めて、尿を一時貯留するとともに、前後方向への尿の拡散を誘導し、且つ吸収体4への尿の吸収速度を速め、横漏れを防止するためのものである。
【0031】
前記凹溝22は、透液性表面シート3の表面側から透液性表面シート3から吸収体4にかけての構成部材を一体的に圧搾することにより形成したものでもよいが、予め前記吸収体4の凹溝22の形成予定部分に吸収体凹部20を形成しておき、この吸収体凹部20に沿って透液性表面シート3の表面側(肌面側)から吸収体4より上層の構成部材をエンボス凸部24によって圧搾するエンボス部21を設けることにより形成したものの方が、脚圧による凹溝22の変形が防止できるなどの理由から望ましい(図6参照)。
【0032】
本失禁パッド1では、前記吸収体4には、前記エンボス部21の形成予定部分に、予め、圧搾によることなく凹溝状又はスリット状に、図示例では凹溝状に形成された吸収体凹部20が形成されている。この吸収体凹部20は、圧搾によることなく、例えば図4に示されるように、(A)積繊、又は(B)吸収体凹部20の底部の厚みで形成された下層吸収体4aと、前記吸収体凹部20に対応する部分が開口した上層吸収体4bとの積層構造などによって形成されている。
【0033】
前記吸収体凹部20は、図1に示されるように、吸収体4に対して、尿排出部位Hに対応するパッド幅方向の中央部であって長手方向の中間部に、1条のみ形成するのが好ましいが、失禁パッド1の幅方向に離間して複数条で形成したり、パッド長手方向に離間する不連続線状に形成するなど、種々の形態で形成することができる(図12図14参照)。なお、複数の吸収体凹部20を設ける場合は、それぞれの吸収体凹部20に対して前記エンボス部21を設けるのが好ましい。
【0034】
前記吸収体凹部20の平面寸法は、パッド長手方向の長さが100〜320mm、溝幅(底面の溝幅)が5〜45mmとするのがよい。前記吸収体凹部20の深さは、吸収体4の厚みの50%以上、具体的には2〜8mm程度とするのがよい。この数値範囲は、本形態例で例示した失禁パッドのみならず、使い捨ておむつに凹溝構造を採用した場合も考慮して設定されている。使い捨ておむつの場合には失禁パッドより比較的大きな寸法で形成される。
【0035】
前記吸収体凹部20の底部(不透液性裏面シート2側の部分、非肌側の部分)に介在する吸収体4部分は、パルプの目付が0g/m〜210g/m、好ましくは70g/m〜190g/mとするのがよい。この吸収体部分にも吸水性ポリマー8が所定の目付で分散混入されている。
【0036】
次に、本失禁パッド1で使用する前記透液性表面シート3について詳しく説明する。前記透液性表面シート3は、図5に示されるように、失禁パッド1の長手方向に延びる凸部3aと凹部3bとがパッド幅方向に交互に繰り返し形成された断面波状の不織布によって構成されている。前記凸部3a及び凹部3bは、失禁パッド1の長手方向に略平行に直線的に延びている。前記凸部3aと凹部3bとはパッド幅方向に連続的に連なっており、平面部を有しないように交互に配置されている。前記凸部3aは肌側に凸状に湾曲し、前記凹部3bは非肌側に凸状に湾曲している。前記凸部3aはパッド長手方向に沿って延びており、畝部を形成している。また、前記凹部3bもパッド長手方向に沿って延びており、溝部を形成している。
【0037】
前記透液性表面シート3は、図6に示されるように、前記吸収体4の肌側面に積層され、該透液性表面シート3の表面側(肌面側)からエンボス凸部24によりエンボス部21が施されることによって、前記凹溝22が形成されている。この凹溝22を形成した状態で、少なくとも前記凹溝22の形成領域に設けられた透液性表面シート3の凸部3a及び凹部3bがそれぞれ、パッド幅方向に伸長されるようになる。パッド幅方向に伸長されるとは、エンボスにより透液性表面シート3が凹溝22の深さ分だけ引き伸ばされて、凸部3a及び凹部3bの凸状に湾曲した状態が解除若しくは低減され、透液性表面シート3がパッド幅方向に引き伸ばされた状態のことである。
【0038】
これによって、前記凹溝22の加工において、透液性表面シート3の波状加工がバッファとなって、透液性表面シート3が過度に引っ張られることがなくなるため、透液性表面シート3の強度が低減することなく、装着中の破れが防止できるようになる。
【0039】
また、図7に示されるように、凹溝22を形成した状態でも、透液性表面シート3が完全に伸びきらず、凹凸形状が残るので、通常の平坦なものに比べて透液性表面シート3と尿との接触面積が増加するため、尿の吸収効率を高めることができるようになる。
【0040】
一方で、波状断面の透液性表面シート3では、前記凸部3aで肌面と接触することとなるため、肌との接触面積が低減して、肌に優しく、柔らかな感触を与えるようになる。
【0041】
前記透液性表面シート3の構造について更に詳しく説明すると、前記断面波状に形成される領域は、透液性表面シート3の全面に亘って形成してもよいし、図2に示されるように、透液性表面シート3が肌面と接触する範囲、具体的には左右のサイド不織布7、7間の範囲としてもよい。これにより、肌面に接する透液性表面シート3の全てが断面波状に形成されることとなり、肌に優しく柔らかな感触となる。また、断面波状の領域は、少なくとも前記凹溝22を含む領域に形成してあればよい。凹溝22を含む領域のみとする場合には、前記凹溝22の幅方向範囲及びその両側の所定範囲に形成するのが好ましい。前記両側の所定範囲は、具体的には凹溝22の溝幅と同程度の両側範囲とするのが好ましい。これにより、尿排出部位及びその周辺の肌面に接する透液性表面シート3が断面波状に形成され、特にデリケートな部分において肌当たりが優しく柔らかな感触となる。
【0042】
前記波状のピッチ(隣り合う凸部3a、3a又は凹部3b、3bの頂部同士のパッド幅方向の間隔)は、凹溝22の深さの1/2以下、好ましくは1/10〜1/3とするのがよい。これにより、凹溝22の両側面に凸部3a及び凹部3bがそれぞれ2つ以上形成されるようになり、エンボス加工時のバッファとなりやすいとともに、尿の吸収性能が確実に向上できるようになる。
【0043】
前記凸部3aと凹部3bの高低差は、0.1mm〜5mmが好ましく、0.4mm〜1.5mmがより好ましい。図6に示されるように、エンボス部21の加工時に、凹溝22の側面に透液性表面シート3の凹凸形状が保持されるように、前記凸部3aと凹部3bの高低差分だけ、又はこれより若干小さな隙間Sを、エンボス凸部24と吸収体凹部20の側面との間に設けるのが好ましい。
【0044】
前記透液性表面シート3に波状加工を施すには、透液性表面シート3を、表面が波状に形成されるとともに、表面材軟化点近傍にまで加熱された加工ロール間に通過させることにより行うことができる。
【0045】
前記透液性表面シート3のパッド幅方向の断面形状は、図9(A)に示されるように、肌側に凸状に湾曲する凸部3aと、非肌側に凸状に湾曲する凹部3bとからなる波状でもよいし、同図9(B)に示されるように、肌側に凸状に湾曲する凸部3aを平坦部3cで繋いだ異形波状でもよい。この他に、前記凸部3aと凹部3bの両方又はいずれか一方を台形状に形成した波状としてもよい。
【0046】
前記透液性表面シート3は、図8に示されるように、多数の開孔25、25…を設けてもよい。前記開孔25、25…を設けることにより、この開孔25を通じて尿が透過するため、尿の透過性がより一層向上できるようになる。前記開孔25…は、図示例では、透液性表面シート3の凹部3bのみに設けているが、凸部3aのみに設けてもよいし、凸部3a及び凹部3bの両方に設けてもよい。前記開孔25の平面形状は、パッド長手方向に長い楕円形、長円形、長方形など、パッド長手方向に長い形状とするのがよい。これにより、前記エンボス部21を設けた際に、前記開孔25がパッド幅方向に拡孔するようになり、この拡孔した開孔25を通じて尿が更に透過しやすくなる。
【0047】
前記透液性表面シート3は、1層のみからなる不織布でもよいし、2層以上の多層構造としてもよい。多層構造の場合は、肌面と接する層を不織布とし、それより吸収体4側の層を不織布やプラスチックフィルムなどで形成することができる。
【0048】
前記凹溝22は、図6及び図7に示されるように、エンボス凸部24によってエンボス部21を設ける際、エンボス凸部24の先端と吸収体凹部20の底面との間に所定の隙間を設けるか、ほぼ接する程度にエンボスを付与することができる。これにより、図6に示されるように、エンボス後に断面波状の透液性表面シート3の復元力によって、凹溝22の底面が断面波状に形成され、透液性表面シート3と尿との接触面積が増加して、吸収体4に尿が移行しやすくなる。
【0049】
一方で、前記凹溝22は、図10及び図11に示されるように、エンボス凸部24によってエンボス部21を設ける際、エンボス凸部24の先端で吸収体凹部20の底面を強く圧搾するか、エンボス凸部24の先端を透液性表面シート3の溶融温度まで加熱しながらエンボスを施すこととしてもよい。これによって、図11に示されるように、透液性表面シート3の波状断面の凸部3aにおいて、圧搾時に繊維が寄り集まり繊維密度の高い高繊維密度部26、26…が、溝方向に沿って形成されるようになる。この高繊維密度部26は、凹溝22に沿って尿の拡散性を向上するとともに、凹溝22が脚圧などによって潰されないように形状を保持するように作用する。
【0050】
前記凹溝22は、種々の形態で配置することができる。前記凹溝22は、図1に示されるように、尿排出部位Hに対応するパッド幅方向の中央部であって長手方向の中間部に、1条のみ形成するのが好ましいが、図12(A)、(B)に示されるように、パッド幅方向に離間して複数条形成してもよいし、同図12(C)に示されるように、パッド長手方向に離間して不連続線状に形成してもよい。複数条形成した場合には、多くの尿が一気にドッと出たときでも尿の拡散効果をより確実に高めることができるようになる。また、不連続線状に形成した場合には、凹溝22が幅方向両側から脚圧などの外力を受けたときの潰れがより確実に防止できる。パッド幅方向に離間して複数条形成する場合、同図12(A)に示す偶数条でもよいし、同図12(B)に示す奇数条でもよい。
【0051】
また、前記凹溝22の平面形状は、図1に示されるように、パッド長手方向に沿って等幅で形成してもよいし、図13に示されるように、異なる溝幅で形成してもよい。図13(A)では、凹溝22のパッド長手方向の前側端部に、溝幅を拡大した拡幅部22aを設けている。前記拡幅部22aを設けることにより、尿の一時貯留空間が拡大でき、特に切迫性失禁などのように大量の尿が一度にドッと出た場合でも確実に凹溝22で尿を受け止めることが可能となる。前記拡幅部22aは、同図13(B)に示すようにパッド後側の端部に設けてもよいし、同図13(C)に示すように前後端部にそれぞれ設けてもよい。
【0052】
前記凹溝22は、図14に示されるように、1又は複数の枝分かれ部22b、22cを設けてもよい。前記枝分かれ部22b、22cを設けることにより、凹溝22に一時貯留された尿が凹溝22に沿って吸収体4の広い範囲に拡散するようになり、吸収体4のより広い範囲で尿を吸収できるようになる。図14(A)〜(C)に示される例では、前記枝分かれ部22bとして、パッド長手方向の前側、後側又は前側及び後側のそれぞれに、凹溝22の両側縁から外側に延びるとともに、パッド長手方向の端部側に傾斜する複数、図示例では左右それぞれ3本ずつ設けられている。また、図14(D)〜(F)に示される例では、前記枝分かれ部22cとして、パッド長手方向の前端、後端又は前端及び後端のそれぞれに、凹溝22が放射状に複数に、図示例では5本に枝分かれしたものが設けられている。
【0053】
なお、予め吸収体4の凹溝22の形成予定部分に前記吸収体凹部20を設ける場合、上記凹溝22の形状に沿って吸収体凹部20を設けるようにする。
【0054】
上記形態例では、前記吸収体凹部20は、図2に示されるように、有底の凹溝状に形成していたが、図15に示されるように、表面側から裏面側にかけて貫通したスリット状に形成してもよい。前記吸収体凹部20をスリット状とした場合、前記エンボス部21は、図15に示されるように、吸収体凹部20の底面に配置される吸収体凹部20を貫通した不透液性裏面シート2に対して施すようにする。前記吸収体凹部20をスリット状に形成し凹溝22の底部に吸収体4が介在しない場合であっても、凹溝22の底面に介在する透液性表面シート3を通じても尿が吸収体4に吸収保持されるとともに、この凹溝底面の透液性表面シート3に吸収された尿が凹溝22に沿って拡散するため、吸収性能の低下は極僅かに抑えられる。特に、本失禁パッド1のように透液性表面シート3を波形状に形成し、凹溝22の底部においても波形状を維持するようにした場合、尿の吸収性や拡散性の低下はほとんど生じない。
【0055】
前記凹溝22を形成する際に透液性表面シート3の表面側から施すエンボス部21のエンボス幅Aは、吸収体凹部20の溝幅Bとほぼ同等としてもよいし、図16に示されるように、吸収体凹部20の溝幅Bより小さなエンボス幅Aで付与してもよい(A<B)。すなわち、透液性表面シート3の表面側からエンボスを施した状態で、図16に示されるように、吸収体凹部20の両側面と、この吸収体凹部20内に介在する透液性表面シート3との間にそれぞれ、空間(バッファーゾーンZ)が形成されるようにしている。このバッファーゾーンZは、図17(A)に示されるように、凹溝22内に流入した尿が透液性表面シート3を透過して吸収体凹部20の側面と透液性表面シート3との間に一時貯留される空間として利用可能であり、このバッファーゾーンZに一時貯留された尿は、吸収体凹部20に沿って前後方向に拡散するとともに、吸収体凹部20の側面を通じて吸収体4内に吸収保持されるようになる。このため、一気に大量の排尿があった場合でも、尿が前記バッファーゾーンZに一時貯留されることにより素早く吸収できるようになる。
【0056】
また、前記吸収体凹部20が圧搾によることなく形成されているため、図17(B)に示されるように、前記吸収体凹部20内に尿が浸透して吸収体凹部20周辺のポリマー8やパルプが吸水することにより膨張した場合に、圧搾によって底部にパルプやポリマーの高密度領域が形成されたものに比べて、底部の盛り上がりが極めて小さく抑えられるようになる。また、この吸収体凹部20に対して、透液性表面シート3の表面側から吸収体凹部20の底面に対しエンボス部21が施されているため、吸収体凹部20の両側面が内側に膨出しても、吸収体凹部20内に介在した透液性表面シート3の張力によって膨張しようとする吸収体凹部20の両側面をしっかりと押さえ込むように作用するので、両側面の膨張も小さく抑えられるようになる。従って、吸液時に膨張したポリマー8やパルプによって吸収体凹部20が塞がれて尿の吸収性が低下するのが防止できるようになる。
【0057】
更に、本失禁パッド1では、凹溝22を形成するエンボス部21の圧搾によって凹溝22の形成領域に設けられた波状断面を伸長するようにしているため、エンボス圧搾時に透液性表面シート3が吸収体凹部20の側面に接していると波状断面の伸長が妨げられる場合がある。これに対して、上述の通り凹溝22のエンボス幅Aを吸収体凹部20の溝幅Bより小さくし、吸収体凹部20の側面と透液性表面シート3との間に前記バッファーゾーンZを設けることにより、透液性表面シート3が吸収体凹部20の側面から離間して、エンボス圧搾時に波状断面の自由な伸長が行われるようになる。
【0058】
前記エンボス幅Aと前記吸収体凹部20の溝幅Bとの比A/Bは、0.5以上1未満、好ましくは0.5以上0.8未満とするのがよい。これにより、吸収体凹部20の側面と透液性表面シート3との間に浸透した尿が一時貯留されるとともに、高吸水性ポリマー8やパルプが吸水して膨潤した際に緩衝領域となるバッファーゾーンZ、Zが、適度に形成されるようになる。
【0059】
上記形態例では、失禁パッド1を例に挙げ説明したが、本発明に係る凹溝構造は、図18に示されるように、綿状パルプまたは合成パルプなどからなり、たとえば砂時計形状(または長方形状等)のある程度の剛性を有する吸収体4と、該吸収体4の肌面側(使用面側)を覆うように配設された尿などを速やかに透過させる透液性表面シート3と、前記吸収体4の非肌面側(非使用面側)に配設され、少なくとも吸収体4の全面積を覆うように配設されたポリエチレンシートなどからなる不透液性の防漏シート2と、この防漏シート2の外面側(非肌面側)に設けられた不織布からなるとともに、おむつ外形を画成する外面バックシート2aと、前記吸収体4の形状保持および拡散性向上のために、前記吸収体4を囲繞するクレープ紙や不織布等からなる被包シート5と、前記吸収体4の略側縁部を起立基端とし、かつ少なくとも尿排出部位を含むように長手方向に所定の区間内において肌側に突出して設けられた左右一対の立体ギャザーBS、BSを形成するサイド不織布7、7と、おむつ後側(背側)両側部に設けられた機械接合式のファスニングテープF、Fとから主に構成された使い捨ておむつ1Aにも同様に採用できる。また、図18ではテープ式の使い捨ておむつを示したが、パンツ式の使い捨ておむつにも同様に採用できる。また、図18では、上記形態例のうち代表的な凹溝構造について図示したが、上記形態例で説明した全ての変形例を同様にして採用できる。
【符号の説明】
【0060】
1…失禁パッド、2…不透液性裏面シート、3…透液性表面シート、3a…凸部、3b…凹部、4…吸収体、5…被包シート、7…サイド不織布、8…高吸水性ポリマー、10…内側立体ギャザー、11…外側立体ギャザー、12・13…糸状弾性伸縮部材、20…吸収体凹部、21…エンボス部、22…凹溝
図1
図2
図3
図4
図5
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