(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
(1.
発明の分野)本発明は、概して、医療デバイスおよび方法に関する。より具体的には、本発明は、逸脱している心臓弁および他の循環弁の機能を改良するための人工デバイスおよび方法に関する。
【0003】
器質性(1次性)または機能性(2次性)のどちらかの僧帽弁機能不全(例えば、逸脱、逆流、およびディザリング(MVI)であるが、これらに限定されない)は、心収縮中の左心房内への異常に肥厚した僧帽弁尖の変位を特徴とする弁膜性心疾患であり、これは、個々の弁尖の接合不良と、背圧に対する弁の漏洩とをもたらすことがある。古典的および非古典的に広く分類される種々のタイプのMVIがある。MVIの非古典的な形態では、MVIは、合併症のリスクが低く、食事の配慮によって多くの場合最小限に保たれることが可能である。古典的なMVIの重大な症例では、合併症は、僧帽弁逆流、感染性心内膜炎、鬱血性心不全、および、まれな状況で、通常突然死をもたらす心停止を含む。大動脈弁も、逸脱を患うことがあり、静脈循環弁は、接合不良を特徴とする損傷した弁または「機能不全の」弁により引き起こされる慢性静脈不全につながることがある類似の症状を患うことがある。
【0004】
上で特定される症状のうちのいずれかを患う患者体内の弁機能を改良するための、具体的には、心臓弁(僧帽弁および大動脈弁の両方を含む)ならびに静脈弁の接合を改良するための装置および方法を提供することが望まれる。これらのうちの目的の少なくとも一部は、以下に説明される本発明によって達成される。
【0005】
(2.
背景技術)米国特許第6,419,695号、第6,869,444号、および第7,160,322号ならびに米国特許公開第2012/0197388号および第2013/0023985号は、全て、本発明に関する開示を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
人工弁デバイスおよび移植方法の説明が提供される。本発明は、概して、僧帽弁逆流と、三尖弁逆流を含む他の弁膜疾患との治療のために使用される場合が多い医療デバイス、システムおよび方法を提供する。
【0008】
人工弁デバイスは、支持リングフレーム、留め具または弧状構造に縫合される単一尖から成る。リングフレーム(これ以降、デバイスリングと称される)は、半径方向に自己拡張可能であり、その結果、デバイスリングは、心房壁に対して拡張することが可能である。弁デバイス尖(これ以降、デバイス本体と称される)は、心膜あるいは他の生物学的または人工的材料から作製され、天然標的弁尖のように形作られる。デバイス本体は、移植後にデバイス本体の有意な重なりが生じるように、標的尖よりも大きなサイズにされる。
【0009】
本明細書に記載されている本発明は、概して、経皮経カテーテル送達システムから成り、接合補助デバイスおよび移植可能なデバイス本体は、送達および動作構成の両方をとることが可能であり;送達構成は、経皮経カテーテルを介する移植部位への送達を可能にするために、十分に小さなサイズである。
【0010】
デバイスリングは、概して、金属(例えば、ニチノール)、ポリマー(例えば、ポリウレタン)、または有機物(例えば、心膜)から作製される。治療部位において、デバイスリングは、概して、アンカによって、標的弁の環状基部に固定され、アンカは、デバイス自体の一部であるか、またはデバイスとは別個であってもよい。
【0011】
デバイス本体は、概して、金属、合成物質、または有機物から作製された埋込骨格を伴ういくつかの実施形態では、ならびにデバイス本体の収縮逸脱を防止するために特殊設計された下部段部を伴ういくつかの実施形態では、合成物質(例えば、ダクロンまたはポリウレタン)または有機物(例えば、心膜)から作製される。
【0012】
デバイス本体は、天然弁の尖のように血流経路に沿って房室方向に概ね配置され、開弁構成と閉弁構成との間で前後に移動する。
【0013】
移植中、デバイスリングは、(例えば、経中隔アプローチによって)心房側から標的弁の小孔上に近接して位置付けられるべきである。デバイスの挿入後、デバイス本体の尖は、血流内で標的弁尖と同期して移動する。標的弁の閉鎖後の収縮期に、デバイス本体の重なりは、標的弁の対向する尖の縁部により止められる。それによって、デバイスは、効果的逆流領域(ERO)と重なり、弁の逆流を最小化または排除する。
【0014】
天然尖の接合不良によってもたらされる間隙を閉鎖または縮小するために、デバイス本体は、天然尖の間に配され、それによって、天然尖のうちの少なくとも1つに対して接合する表面を提供する一方で、弁の領域における第2の天然尖の機能に効果的に取って代わり、デバイス本体は、収縮期中に弁を塞ぐ。
【0015】
他の用途の中でも、本明細書に記載されている接合補助デバイス、デバイス本体移植、および方法は、天然僧帽弁尖のうちの少なくとも1つが密封できる人為的接合区域を生成することによって機能性および/または変性の僧帽弁逆流(MR)を治療するために構成されてもよい。本明細書における構造および方法は、本用途に大いに適合させられるが、代替実施形態は、心臓および/または身体の他の弁(三尖弁、末梢血管系の弁、下大動脈などを含む)における使用のために構成される場合がある。
【0016】
第1の具体的側面では、本発明は、天然弁輪に取り付けられるように構成されているアンカと、アンカに取り付けられ、アンカが天然弁輪に取り付けられているときに第1の天然弁尖の上面にわたって置かれるように構成されている単一弁補助尖とを含む人工弁接合補助デバイスを備えている。単一弁補助尖は、十分に可撓性を有し、その結果、単一弁補助尖は、弁を通る血流に応答して、第1の天然弁尖と連動して移動し、第2の天然弁尖と接合する。このようにして、弁の逸脱は、軽減されることができ、漏洩は、最小化されることができる。
【0017】
人工弁接合補助デバイスのいくつかの実施形態では、アンカは、天然弁輪に取り付けるために自己拡張するように構成される。他の実施形態では、アンカは、天然弁輪に縫合されるように構成されてもよい。自己拡張するアンカおよび縫合されるアンカの両方について、アンカは、弁輪を完全にまたは部分的に囲むようにさらに構成されてもよい。弁輪を部分的に囲むアンカは、多くの場合、アンカを定位置に保持するのに役立つバーブまたは他の組織穿通要素を有するが、バーブも、完全に囲んでいるアンカ上に含まれていてもよい。
【0018】
アンカは、移植後に無期限に弁輪に取り付けられ続ける十分な強度を有する金属、ポリマー、または他の生体適合性材料から形成されてもよい。弁補助尖は、典型的には、人工心臓弁に使用されるタイプであり得る可撓性材料(例えば、組織(例えば、安定化を助長するように処理された心筋)および種々の合成ポリマー)から形成されるであろう。弁補助尖は、尖の片面または両面の全体または一部にわたって取り付けられる金属または高分子補強構造で補強されてもよい。
【0019】
本発明の第2の具体的側面では、患者体内の弁接合を助長するための方法は、例えば従来の超音波技法または他の撮像技法を使用して、患者体内の逸脱している弁を特定することを含む。単一人工弁補助尖は、逸脱している弁の第1の天然尖の上面にわたって移植される。単一弁補助尖は、弁を通る血流に応答して、第1の天然弁尖と連動して移動し、第2の天然弁尖と接合するであろう。このようにして、弁の逸脱は、軽減されることができ、漏洩は、最小化されることができる。
【0020】
本発明の弁接合を助長するための方法のいくつかの実施形態では、天然弁は、僧帽弁または大動脈弁等の心臓弁であってもよい。他の実施形態では、天然弁は、静脈弁、典型的には、末梢静脈弁であってもよい。
【0021】
以下で詳細に図示されているように、切開外科手術において、移植することは、単一人工弁尖を移植することを含むが、より典型的には、単一人工弁尖を、血管内で、経中隔的または経心尖的に前進させることを含む。
【0022】
血管内で、経中隔的または経心尖的に導入されたとき、移植することは、通常、天然弁輪内で単一人工弁尖に連結されるアンカを自己拡張させることを含む。アンカは、弁輪を完全に囲むように拡張されるか、または弁輪を部分的に囲むように拡張されてもよい。どちらの場合も、特に、アンカが輪を部分的に囲むとき、アンカは、1つ以上のバーブあるいは他の組織穿通要素を含んでもよく、1つ以上のバーブあるいは他の組織穿通要素は、アンカを輪に固定することを補助するために、アンカが拡張するにつれて天然弁輪を穿通する。代替的に、いくつかの場合では、移植することは、単一人工弁尖に連結されるアンカを天然弁輪に縫合することを含んでもよい。
【0023】
本発明の第3の具体的側面では、人工弁接合補助デバイスを天然弁部位に送達するための方法は、送達デバイス内に拘束されたアンカおよび単一人工弁補助尖を有する人工弁接合補助デバイスを提供することを含む。送達デバイスは、天然弁部位に前進させられ、人工弁接合補助デバイスは、天然弁部位において送達デバイスから展開される。人工弁接合補助デバイスは、天然弁尖の上面にわたって単一人工弁補助尖を位置させるように天然弁輪内で拡張するアンカを有する。単一弁補助尖は、弁を通る血流に応答して、第1の天然弁尖と連動して移動し、第2の天然弁尖と接合する。このようにして、弁の逸脱は、軽減されることができ、漏洩は、最小化されることができる。
【0024】
人工弁接合補助デバイスを送達するための方法のいくつかの実施形態では、天然弁は、僧帽弁または大動脈弁等の心臓弁であってもよい。他の実施形態では、天然弁は、静脈弁、典型的には、末梢静脈弁であってもよい。
【0025】
以下で詳細に図示されるように、前進させることは、単一人工弁尖を、血管内で、経中隔的または経心尖的に前進させることを含んでもよい。
【0026】
展開することは、典型的には、人工弁接合補助デバイスを拘束から解放し、その結果、アンカが、天然弁輪内で自己拡張し、それにより、第1の天然弁尖にわたって、単一人工弁尖を定位置に保持することを含むであろう。アンカは、弁輪を完全に囲むように自己拡張してもよい。代替的に、アンカは、弁輪を部分的に囲むように自己拡張してもよい。いずれの場合でも、特に、部分的な拡張の場合、アンカは、アンカが自己拡張するにつれて天然弁輪を穿通する、1つ以上のバーブを含んでもよい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
天然弁輪に取り付けられるように構成されているアンカと、
前記アンカが前記天然弁輪に取り付けられるときに第1の天然弁尖の上面にわたって置かれるように構成されている単一弁補助尖とを備え、前記単一弁補助尖は、十分に可撓性を有し、その結果、前記単一弁補助尖は、弁を通る血流に応答して、前記第1の天然弁尖と一致して移動し、第2の天然弁尖と接合する、人工弁接合補助デバイス。
(項目2)
アンカは、前記天然弁輪に取り付くために自己拡張するように構成されている、項目1に記載の人工弁接合補助デバイス。
(項目3)
アンカは、前記天然弁輪に縫合されるように構成されている、項目1に記載の人工弁接合補助デバイス。
(項目4)
アンカは、前記弁輪を完全に囲むように構成されている、項目1に記載の人工弁接合補助デバイス。
(項目5)
アンカは、前記弁輪を部分的に囲むように構成されている、項目1に記載の人工弁接合補助デバイス。
(項目6)
前記単一弁補助尖は、組織から形成されている、項目1に記載の人工弁接合補助デバイス。
(項目7)
前記単一弁補助尖は、合成ポリマーから形成されている、項目1に記載の人工弁接合補助デバイス。
(項目8)
前記単一弁補助尖は、組織または合成ポリマーから形成された本体を備えており、補強構造をさらに備えている、項目1に記載の人工弁接合補助デバイス。
(項目9)
前記補強構造は、金属補強構造を備えている、項目8に記載の人工弁接合補助デバイス。
(項目10)
患者における弁接合を助長するための方法であって、前記方法は、
前記患者体における逸脱している弁を特定することと、
前記逸脱している弁の第1の天然尖の上面にわたって、単一人工弁補助尖を移植することと
を含み、前記単一弁補助尖は、弁を通る血流に応答して、前記第1の天然弁尖と一致して移動し、第2の天然弁尖と接合する、方法。
(項目11)
前記天然弁は、心臓弁である、項目10に記載の弁接合を助長する方法。
(項目12)
前記心臓弁は、僧帽弁または大動脈弁である、項目10に記載の弁接合を助長する方法。
(項目13)
前記天然弁は、静脈弁である、項目10に記載の弁接合を助長する方法。
(項目14)
移植することは、切開外科手術において前記単一人工弁尖を移植することを含む、項目10に記載の弁接合を助長する方法。
(項目15)
移植することは、前記単一人工弁尖を血管内に前進させることを含む、項目10に記載の弁接合を助長する方法。
(項目16)
移植することは、前記単一人工弁尖を経中隔的に前進させること含む、項目10に記載の弁接合を助長する方法。
(項目17)
移植することは、前記単一人工弁尖を経心尖的に前進させること含む、項目10に記載の弁接合を助長する方法。
(項目18)
移植することは、前記天然弁輪内で、前記単一人工弁尖に連結されているアンカを自己拡張させることを含む、項目10に記載の弁接合を助長する方法。
(項目19)
アンカは、前記弁輪を完全に囲むように拡張される、項目18に記載の弁接合を助長する方法。
(項目20)
アンカは、前記弁輪を部分的に囲むように拡張される、項目18に記載の弁接合を助長する方法。
(項目21)
アンカは、前記アンカが拡張するにつれて前記天然弁輪を穿通する、1つ以上のバーブを含む、項目18に記載の弁接合を助長する方法。
(項目22)
移植することは、前記単一人工弁尖に連結されているアンカを前記天然弁輪に縫合することを含む、項目10に記載の弁接合を助長する方法。
(項目23)
アンカは、前記弁輪を完全に囲むように縫合される、項目22に記載の弁接合を助長する方法。
(項目24)
アンカは、前記弁輪を部分的に囲むように縫合される、項目10に記載の弁接合を助長する方法。
(項目25)
人工弁接合補助デバイスを天然弁部位に送達するための方法であって、前記方法は、
送達デバイス内に拘束されたアンカおよび単一人工弁補助尖を有する前記人工弁接合補助デバイスを提供することと、
前記送達デバイスを前記天然弁部位に前進させることと、
前記天然弁部位において前記送達デバイスから前記人工弁接合補助デバイスを展開することとを含み、前記人工弁接合補助デバイスは、天然弁尖の上面にわたって前記単一人工弁補助尖を位置させるように前記天然弁輪内で拡張するアンカを有し、前記単一弁補助尖は、弁を通る血流に応答して、前記第1の天然弁尖と一致して移動し、第2の天然弁尖と接合する、方法。
(項目26)
前記天然弁は、心臓弁である、項目25に記載の人工弁接合補助デバイスを送達する方法。
(項目27)
前記心臓弁は、僧帽弁または大動脈弁である、項目25に記載の人工弁接合補助デバイスを送達する方法。
(項目28)
前記天然弁は、静脈弁である、項目25に記載の人工弁接合補助デバイスを送達する方法。
(項目29)
前記単一人工弁尖は、血管内に前進させられる、項目25に記載の人工弁接合補助デバイスを送達する方法。
(項目30)
前記単一人工弁尖は、経中隔的に前進させられる、項目25に記載の人工弁接合補助デバイスを送達する方法。
(項目31)
前記単一人工弁尖は、経心尖的に前進させられる、項目25に記載の人工弁接合補助デバイスを送達する方法。
(項目32)
展開することは、人工弁接合補助デバイスを拘束から解放し、その結果、前記アンカが、前記第1の天然弁尖にわたって前記単一人工弁尖を定位置に保持するように前記天然弁輪内で自己拡張することを含む、項目25に記載の人工弁接合補助デバイスを送達するための方法。
(項目33)
アンカは、前記弁輪を完全に囲むように自己拡張する、項目32に記載の人工弁接合補助デバイスを送達する方法。
(項目34)
アンカは、前記弁輪を部分的に囲むように自己拡張する、項目32に記載の人工弁接合補助デバイスを送達する方法。
(項目35)
アンカは、前記アンカが自己拡張するにつれて前記天然弁輪を穿通する1つ以上のバーブを含む、項目32に記載の人工弁接合補助デバイスを送達する方法。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本願の図面は、以下の参照番号を使用する。
(00)尖補助デバイス
(01)デバイスリング
(02)デバイス本体
(03)僧帽弁後尖
(04)僧帽弁前尖
(05)左心室
(06)左心房
(07)デバイス尖重なり
(08)腱索および乳頭筋
(09)心房中隔
(10)心室中隔
(11)デバイスストラップ
(12)アンカシステム付き誘導カテーテル
(13)送達カテーテル
(14)アンカポート
(15)誘導カテーテルの取り付け用4x開口部
(16)正中アンカシステムの誘導カテーテル
(17)アンカ釘
(18)誘導釘の誘導カテーテル
(19)誘導釘
(20)アンカシステム付き誘導カテーテル
(21)心筋
(22)正中アンカ
(23)側方アンカ
(24)連結要素用送達カテーテル
(25)連結要素用操向可能送達カテーテル
(26)連結駆動要素
(27)デバイスストラップスばね要素
(28)デバイスストラップヒンジ
(29)連結位置
(30)周辺補剛材
(31)屈曲補剛材
(32)誘導要素シース
(33)誘導要素係止
(34)ねじアンカ要素
(35)ねじアンカ駆動部
(36)誘導要素シーススロット
(37)誘導要素係止フィードスルー
(38)アンカ駆動スロット
(39)ヘリカルねじ要素
(40)係止スロット
(41)操向ワイヤ
(42)ねじアンカシステム
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の原理に従って組み立てられた人工尖補助デバイスの第1の実施形態を図示している。
【0029】
【
図2】
図2Aおよび
図2Bは、拡張中期中(
図2A)および収縮中期中(
図2B)に左心房から見られるような、僧帽弁の僧帽位置に移植された人工尖補助デバイスを図示している。
【0030】
【
図3】
図3は、拡張中期中に左心房から見られるような、僧帽弁に移植された人工尖補助デバイスを側面から図示している。
【0031】
【
図4】
図4は、ポリマーから加工された1対の僧帽弁補助デバイスのプロトタイプの写真である。
【0032】
【
図5】
図5Aおよび
図5Bは、模擬の収縮中期中(
図5A)および拡張中期中(
図5B)に豚の左心房から撮影された、補強された高分子人工尖補助デバイスの写真である。
【0033】
【
図6A】
図6Aは、尖補助デバイスを僧帽弁輪に添着するためのストラップを図示している。
【0034】
【
図6B】
図6Bは、経皮送達のためカテーテル内に圧縮されている
図6Aの尖補助デバイスを図示している。
【0035】
【
図7A】
図7Aは、送達のために送達カテーテル内に構成されている、弁補助デバイスの遠位部を図示している。
【0036】
【0037】
【
図8】
図8は、アンカストラップ上の正中アンカ要素および側方アンカ要素を伴うデバイスストラップを図示している。
【0038】
【
図9】
図9、10A、10B、および11は、代替デバイスストラップの設計を図示している。
【
図10】
図9、10A、10B、および11は、代替デバイスストラップの設計を図示している。
【
図11】
図9、10A、10B、および11は、代替デバイスストラップの設計を図示している。
【0039】
【
図12】
図12は、豚の心臓における展開後に左心房から見られるような、代替僧帽弁補助デバイスの写真である。
【0040】
【
図13】
図13は、
図11に示されているものに類似するさらに代替の僧帽弁補助デバイスの写真であり、展開された状態で示されている。
【0041】
【
図14】
図14から16は、また別の代替尖補助デバイス、および誘導カテーテルを含む展開システムの側面を描写している。
【
図15】
図14から16は、また別の代替尖補助デバイス、および誘導カテーテルを含む展開システムの側面を描写している。
【
図16】
図14から16は、また別の代替尖補助デバイス、および誘導カテーテルを含む展開システムの側面を描写している。
【0042】
【
図17A】
図17Aは、補助デバイスが送達カテーテルから解放された後であるが、アンカの始動に先立つ、僧帽弁補助デバイスの係留部分の側面断面図を図示している。
【0043】
【0044】
【0045】
【
図19】
図19Aから19Dは、送達サイクル中に種々の場面で視覚化されている、別の代替僧帽弁補助デバイスと送達カテーテルを含む送達システムとを図示している。
【0046】
【
図20】
図20は、
図19の僧帽弁補助デバイスに類似しているが、3つの連結送達カテーテル上に支えられている僧帽弁補助デバイスを図示している。
【0047】
【
図21】
図21Aから21Dは、僧帽弁補助デバイスを心筋に添着するために使用される係留機構で終端する連結要素の代替実施形態を図示している。
【0048】
【
図22】
図22は、周辺補剛材を有する成形された材料から形成されるデバイスを図示している。
【0049】
【
図23-1】
図23Aおよび23Bは、ねじアンカシステムの断面を示している。
【0050】
【0051】
【
図24】
図24は、連結要素用の操向可能送達カテーテルの実施形態を示している。
【0052】
【
図25】
図25は、下大動脈から血管内経中隔アプローチを介して標的領域にデバイスを送達する操向可能送達カテーテルを示している。
【0053】
【
図26】
図26は、動脈血管送達アプローチを介して標的領域にデバイスを送達する操向可能送達カテーテルを示している。
【0054】
【
図27】
図27は、経心尖アプローチを介して標的領域にデバイスを送達する操向可能送達カテーテルを示している。
【0055】
【
図28】
図28は、僧帽弁の閉鎖中の僧帽弁補助デバイスの上方変位を最小限にするために、僧帽弁補助デバイス本体の周囲に可撓性のある補剛を有する僧帽弁補助デバイスを図示している。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、外科的および/または経皮的に送達可能な人工尖補助デバイス100を描写しており、人工尖補助デバイス100は、僧帽弁輪または他の弁輪あるいはその付近の組織に取り付けるためのアンカとして役立つデバイスリング101と、天然の(例えば、僧帽弁)尖の機能を改良するためのデバイス本体または人工尖102とを有する。尖材料は、ダクロンまたはポリウレタン等の合成生体適合性ポリマー、または心膜等の処理された自然固定材料、あるいは/ならびに移植可能な弁における使用について当技術分野で公知の他の材料のいずれかから選択されてもよい。デバイスリングは、概して、金属(例えば、ニチノール)、またはポリウレタン等のポリマーから作製される。いくつかの実施形態では、尖は、尖が自然固定材料から成るとき、リングに縫合される。尖がポリマー材料から成るとき、尖は、デバイスリングに縫合されるか、成形されるか、または接着剤の使用を通して貼り付けられてもよい。代替的に、デバイスリングは、尖に挿通されてもよい。可撓性尖102は、天然尖と接する。
【0057】
図2Aは、拡張中期中の左心房から見られる僧帽位置におけるデバイスを描写している。デバイスリング201が、僧帽弁前尖204の周囲で左線維輪と接し、左心室205が、開放弁を通して見られることができる。デバイス尖202が、後尖203の反対側、僧帽弁前尖204にわたって着座する。
図2Bは、収縮中期中のデバイスを描写する。
【0058】
図3は、拡張中期中の僧帽弁位置におけるデバイスを側面から図示している。左心房306内のデバイスリング301は、僧帽弁後尖303の反対側、僧帽弁前尖304にわたりデバイス本体または尖302を保持し、尖302は、左心室305内へ延在し、2つの僧帽弁尖の間の重なり307において捕捉されている。腱索および乳頭筋308は、自然尖を抑制する。心房中隔309および心室中隔310も、図示されている。
【0059】
図4は、ポリマーから加工された僧帽弁補助デバイスの2つの実物大模型の変形を示している。描写されているように、デバイス本体402は、ポリマーリング401に貼り付けられる。代替的に、デバイスリング401およびデバイス本体402は、完全なデバイスとして成形されてもよい。図示されているように、デバイス本体は、異なるサイズの天然僧帽弁に適応させるために、2つの異なるサイズに工作される。
【0060】
図5Aは、僧帽弁補助デバイスの、拡張期中の左心房からの上面図を示しており、僧帽弁補助デバイスは、ブタの心臓の僧帽弁尖504の上方の僧帽弁左線維輪内へ縫合されるデバイスリング401およびデバイス本体402を備えている。僧帽弁補助デバイスは、デバイス本体が僧帽弁後尖503の反対側の僧帽弁前尖にわたって着座するように配向される。左心室505は、開放弁を通して可視である。
図5Bは、拡張中期中の同一の弁を示す。
【0061】
図6Aは、尖補助デバイスを僧帽弁輪に添着させるための代替手段を提供するデバイスストラップ611を図示している。この配列は、弁リングが輪に縫合されることを要求せず、それによって、尖補助デバイスを取り付ける、より簡素な経皮的手段を促進する。デバイスストラップ611は、正中または中間アンカ622と、2つの側方アンカ623とから成る。アンカは、心臓組織を刺してデバイスストラップを定位置に係止するように設計された「バーブ付き」構造である。
図6Bは、アンカストラップ611を備えている、経皮送達のために構成された尖補助デバイス600を描写している。デバイス本体602は、正中アンカ622において半分に折畳されたデバイスストラップ611の周囲に巻き付けられている。僧帽弁補助デバイスは、送達カテーテル613内に拘束され、送達カテーテルの遠位端にあり、僧帽弁補助デバイスは、誘導カテーテル612に貼り付けられるか、またはそことは別個であり得る。僧帽弁補助デバイスが貼り付けられている場合、動脈ステントの解放のための、当該技術分野において公知の電気分解可能連接の使用等の切り離し手段が提供される。ストラップは、ニチロールまたは適切な弾力性のある他の材料から成る。心房への送達時に、デバイス600は、誘導カテーテル612を用いて、送達カテーテル613内から押し出され、正中アンカ622を僧帽弁輪組織内へ押し込む。送達カテーテルは、次いで、側方アンカ623および弁本体602を解放するために、近位に移動させられる。側方アンカが解放時に広げられるにつれて、側方アンカは、それ自体を輪組織内へ埋没させる。
【0062】
図7Aは、送達カテーテル713内の、送達のために構成される弁補助デバイス700の遠位部を図示している。デバイスストラップ713は、送達中、正中アンカ722を備えている2つの突起の間の中間点で屈曲される。デバイスが心筋721内へ押し込まれ、送達カテーテル713から解放されるにつれて、正中アンカの突起722は、正中アンカを心筋721の中に係止するために広がり、側方突起723が心筋を刺す。
図7bは、その展開された構成における尖補助デバイス700を図示している。
【0063】
図8は、正中アンカ要素822および側方アンカ要素823がアンカストラップ811上に備わっているデバイスストラップの一バージョンを図示している。
図8のデバイスストラップは、輪に合致する湾曲形状を要求しないほど、十分に短い。
【0064】
図9、10A、10B、および11は、デバイスストラップの代替設計を表している。
図9は、ワイヤ(例えば、ニチロール、または高歪みに耐えることが可能な類似材料等)から加工されるデバイスストラップを含む。正中アンカ要素922は、ばね要素927上のアンカストラップ911上に備わっている。送達構成のとき、側方アンカ923は、それらが互いに離れる方に向くようにともに引っ張られ、ばね要素927は、中間アンカ要素を開くように圧縮される。送達中、開いた正中アンカは、心筋に押し当てられ、次いで、送達カテーテルは、側方アンカ923を解放するように後ろへ引き下げられる。これは、ひいては、正中アンカ要素が閉鎖することを可能にし、それによって、組織を把持する。送達カテーテルからの解放時に、側方アンカ923は、加えて、それらが心筋組織に穿通するように、その位置へ揺動する。
【0065】
図10Aおよび10Bは、
図10Aにおける送達された構成および
図10Bにおける送達可能な構成の代替デバイスストラップ1011を描写している。デバイスストラップ1011は、正中アンカ要素1022の中心に、ヒンジ要素1028を備えている。いくつかの実施形態におけるヒンジ要素は、係止機構を備えており、その結果、
図10Bの展開可能な構成から
図10Aの展開された構成へ移ると、ストラップが、展開された構成に係止され、正中アンカが、把持する構成に係止される。いくつかの実施形態では、ばねが、送達カテーテルからの解放時に、展開された構成へデバイスストラップを促すために使用される。他の実施形態では、デバイスストラップ1011は、送達カテーテルからの解放時に、展開された構成に操作され、係止される。
【0066】
図11は、プロトタイプの僧帽弁補助デバイス1100の画像である。デバイス本体1102は、ダクロンフェルトから加工され、デバイスストラップ1111は、ステンレスワイヤから加工される。画像では、中間アンカ1122は、見やすくするために送達構成から側方に90°屈曲されている。ダクロン層の間の定位置に保持されるデバイスストラップ1111は、示されているように糊によって貼り付けられる。代替実施形態では、層は、縫合、溶剤溶接、熱溶接、超音波溶接されてもよく、または他の好適な手段でされてもよい。
【0067】
図12では、代替僧帽弁補助デバイス1200は、展開後の左心房から見られるように示される。この実施形態では、デバイスストラップは、
図11のステンレスワイヤに類似するステンレス鋼線から成る。この構成では、側方アンカは、アンカストラップ1211の各端部上の1対のアンカから成り、1対の正中アンカ1222が下向きに向けられ、それら全ては、心筋組織1221に掛止される。本実施形態では、デバイス本体1202は、デバイス本体の一部をデバイスストラップの周囲に巻き付き、それを定位置に縫合して係止することによって、デバイスストラップ1211に貼り付けられている。側方アンカ1223は、影響を受ける心筋組織の動きを抑制する作用を最小限にするために、ともに圧縮される。
【0068】
図13では、
図11に示されるものに類似する別の代替僧帽弁補助デバイスが、展開状態で示されている。僧帽弁補助デバイス1300は、正中アンカ1322が1つしかなく、心筋における側方アンカ1323の掛かりを増やすために側方アンカ1323が広げられている点で、
図12の僧帽弁補助デバイスと異なる。
【0069】
図14から16は、また別の代替尖補助デバイス1400と、誘導カテーテル1412に備わっている展開システムとの側面を描写している。
図14は、送達カテーテル1413内の、送達構成における僧帽弁補助デバイス1400を図示しており、僧帽弁補助デバイス1400は、送達システムを組み込む誘導カテーテル1412の遠位端に貼り付けられる。弁本体1402は、送達カテーテル1413内での装填を促進するために襞を付けられた。誘導カテーテルおよび送達システム1412は、中央区分またはデバイスストラップ1411に貼り付けられる。
図15では、送達カテーテル1413から解放された後の、展開中の僧帽弁補助デバイス1400が描写されている。
図15では、送達カテーテルから解放された後の、その広げられた展開構成のデバイスストラップ1411が描写されており、そこでは、弁本体1402も開かれている。デバイスストラップは、誘導カテーテルおよび送達システム1412にまだ貼り付けられている側面から見られる。
図16は、デバイスストラップ1411の、中央係留部分および係留特徴を図示している。デバイスストラップの本区分は、送達中、僧帽弁補助デバイス1400を誘導カテーテルに添着するため、および展開時に僧帽弁補助デバイスを心筋に係留するために使用される。デバイスストラップの係留部分は、アンカポート1414と、誘導カテーテル取り付け特徴1415とを備えている。
【0070】
図17Aは、補助デバイスが送達カテーテルから解放され、かつデバイス本体が開かれた後であるが、アンカの始動に先立つ構成の、僧帽弁補助デバイス1400の係留部分の側面断面図を図示している。補助デバイスの係留部分は、前述の説明のようにデバイスストラップ1411から成り、始動可能なアンカ機構は、以下の特徴:釘誘導駆動部1418と、1つ以上のアンカ釘1417と、釘誘導部1419と、アンカ釘駆動部1416とから成る。図示されている本区分は、アンカ釘が誘導部を通過する区分を備えている。これらは全て、誘導カテーテル取り付け特徴1415において、デバイスストラップ1411に貼り付けられる誘導カテーテル1420内に備わっている。図示されているように、誘導カテーテルは、僧帽弁輪においてまたはその付近の地点において、機構を心筋1721の方へ向けるように操作される。
図17Bは、アンカの展開後のデバイスを図示している。
図17に描写されている適切な整合後のアンカの展開は、以下のように達成される。アンカ誘導釘駆動部1418およびアンカ釘駆動部1416は、同時に、誘導カテーテル1420から心筋組織内へ、誘導釘1419がデバイスストラップ1411に対して着座するまで押し出される。アンカ釘駆動部1416は、次いで、遠位に押し出され、アンカ釘を、釘誘導部1419を通して前方へ、そして心筋内へ押し込む。アンカ釘は、自身が釘誘導部を通過するにつれて変形され、それによって、アンカ釘を心筋組織内に係止する。
【0071】
図14から17Aおよび17Bの断面に類似する実施形態の係留部分の断面は、
図18にその完全に展開された構成で図示されている。本実施形態では、ただ1つの駆動部のみが、誘導釘およびアンカ釘の両方を作動させるために要求される。本機構は、アンカアセンブリを用いた心筋の穿通に対して、アンカ釘を作動させるために要求される力の増加に依拠する。展開中、釘誘導部1819と、アンカ釘1817とから成るアンカアセンブリは、アンカアセンブリがデバイスストラップ1811の上面に対して着座するまで、心筋内へ押し込まれる。この時点では、アンカ釘の突起は、一直線であり、釘誘導部の直線部分内に含まれている。着座して、したがって、心筋を穿通すると、作動の力は増加し、アンカ釘1817は、釘誘導部を通して押し出され、それによって、
図18に示されているように、アンカ釘の遠位端を変形させる。
図18に示されている断面は、送達カテーテルの取り付け位置を組み込む断面からずれて回転される。
【0072】
図19Aから
図19Dは、送達サイクル中の種々の段階において視覚化されている、送達カテーテルに備わっている別の代替僧帽弁補助デバイスおよび送達システムを図示している。
図19Aは、僧帽弁補助デバイス本体1902を伴う送達システムの遠位端を図示しており、僧帽弁補助デバイス本体1902は、1組の送達連結要素(不可視)の周囲に巻き付けられ、送達カテーテル1913から部分的に押し出されている。
図19Bでは、僧帽弁補助デバイス本体1902は、送達カテーテル1913から完全に押し出され、部分的に広げられている。
図19Cでは、図示されている僧帽弁補助デバイス1900は、完全に広げられ、連結要素1924に繋留されている。僧帽弁補助デバイス1900は、この時点では送達カテーテルに対して90°で配向され、送達連結要素1924は、可視である。
図19Dでは、僧帽弁補助デバイス1900は、送達カテーテルを僧帽弁補助デバイスに対して引っ張るかまたは連結要素を送達カテーテルからさらに押し出し、次いで、送達カテーテルから送達される連結要素の長さを均等にすることによって、90°回転された。この形式では、僧帽弁補助デバイスの配向は、定位置に僧帽弁補助デバイスを添着する前に、僧帽弁輪との整合をより良好に促進する角度範囲を通して調整されてもよい。
【0073】
図20は、
図19の僧帽弁補助デバイスに類似するが、3つの連結送達カテーテル2024で支えられている僧帽弁補助デバイスを図示しており;デバイスは、次いで、アンカ設置ツール(示されていない)を使用して、アンカ位置2029において、係留要素を介して定位置に貼り付けられる。
【0074】
図19および
図20のデバイスは、いくつかの異なる手段によって定位置に貼り付けられてもよい。これらは、以下のいずれかを含むが、そのいずれかにも限定されない。デバイスは、僧帽弁内に適切に配置され、続いて、僧帽弁輪形成バンド(示されていない)が配置されてもよい。弁輪形成バンドは、次いで、弁輪形成バンドと僧帽弁壁との間に僧帽弁補助デバイスを係止するように定位置に貼り付けられる。この形式で使用可能なバンドの1つは、Valtech Cardiobandである。代替的に、係留要素が、第2の送達カテーテルを介して送達され、僧帽弁補助デバイスの取り付け縁部を心筋に係留するために使用されてもよい。アンカ要素は、以下の構成:Rosenmanの米国第6478776号に説明されている、ヘリカルアンカ(但し、キャップを含む)と;Grossの米国第7988725号に説明されているヘリカルアンカと;本明細書に説明されている拡張可能釘アンカと;Moralesの米国第6986775号に説明されているステープルアンカとのうちのいずれかであってもよいが、これらに限定されない。
【0075】
代替実施形態では、連結要素は係留機構内で終端されてもよく、係留機構は、次いで、僧帽弁補助デバイスを心筋に添着するために使用される。
図21は、そのようなデバイスを図示している。
図21Cでは、僧帽弁補助デバイス2100が送達カテーテル2113内から送達され、デバイス本体が広げられ、操向可能連結要素2130が、送達カテーテルの長手方向軸に平行な平面に操作された後が図示されている。展開中、デバイスの連結位置は、僧帽弁輪またはその付近に整合され、僧帽弁輪が心筋と相対するように操向される。そのような構成では、終端の係留機構は、本明細書において先に説明された係留手段のいずれかを備えてもよい。
【0076】
図22に示されているようにデバイス本体が、成形された材料から成るとき、周辺補剛材2230は、デバイス本体2202内に成形されてもよい。周辺補剛材2230に加えて、曲げ補剛材2231がデバイス本体内に組み込まれてもよい。代替的に、曲げ補剛材は、デバイス本体のいくつかの長手方向の断面に沿って備えられてもよい。いくつかの実施形態におけるそのような補剛材は、デバイス本体の近位表層と遠位表層との間に挟み込まれる。僧帽弁補助デバイス2200は、デバイス本体2202と、アンカ駆動部2225によって展開される、アンカ要素2238を伴うデバイスストラップ2211とから成る。ヘリカル係留ねじ2239が心筋組織内へ貼り付けられた後、誘導シース2232および誘導係止部2233は、取り外され、アンカ要素駆動部2225の回収が可能となる。
【0077】
図23Aおよび23Bは、ねじアンカシステム2342の断面を示しており、ねじアンカシステム2342は、ねじアンカ要素2334と、ねじアンカ誘導要素2333および2332と、ねじアンカ駆動部2335とを備えている。
図23Aは、アンカ駆動スロット2338に位置するがそれに係合されていないねじアンカ駆動部2335を示しており、
図23Bは、駆動スロットに係合されている駆動要素を示している。誘導要素係止部2333および誘導要素シース2332から成る誘導システムは、駆動部の駆動スロットへの整合および係合を促進する。誘導係止部2333を取り外し、次に、誘導シース2332を解放し、誘導および駆動要素が係留要素から取り外されることを可能にすることによって、係留要素を展開した後、これらの誘導要素は、駆動要素の長さを横断する内腔に沿ってねじ駆動アンカ2335を通り抜け、アセンブリから取り外される。
図23Cは、ねじアンカ要素2334の送達構成を図示しており、
図23Dは、ねじアンカ要素2334の作動構成を図示しており、ヘリカルねじ要素2339が、
図23Aおよび
図23Bにおいて前述されているように、ねじアンカ駆動部2335を使用して展開される。
【0078】
図24は、連結要素用の操向可能送達カテーテルの1つの実施形態を表している。操向は、カテーテル2425の屈曲を生じさせる操向ワイヤ2441を引っ張ることによって達成される。当該技術分野において公知の代替カテーテル操向システムも、採用されてもよい。
【0079】
図25から
図27は、3つの異なるアプローチを使用して、本明細書に説明されている尖補助デバイスの送達を描写している。
図25は、下大動脈から送達される血管内経中隔アプローチを介して標的領域にデバイスを送達する操向可能送達カテーテルを示している。示されているように、送達カテーテル2513の遠位端は、左心房と右心房との間の中隔を通過させられた。その後、僧帽弁補助デバイスは、送達カテーテルから送達され、次いで、僧帽弁補助デバイスが、僧帽弁後尖2503にわたってかつ僧帽弁前尖と後尖との間に位置するように配向された。デバイスストラップ2511は、僧帽弁後尖2504の周囲で左線維輪と整合させられた。ねじアンカシステム2542が、次いで、僧帽弁補助デバイスを定位置に添着するために使用される。
図25に描写されている送達カテーテル2513は、当該技術分野において公知の操向可能カテーテルである。
図26は、動脈血管送達アプローチを描写しており、
図27は、経心尖アプローチを描写している。
【0080】
図28は、僧帽弁の閉鎖中の僧帽弁補助デバイスの上方変位を最小限にするために僧帽弁補助デバイス本体2802の周囲に可撓補剛要素2831が備えられた僧帽弁補助デバイスを図示している。デバイス本体2802は、繊維、ポリマーシート、または組織から成り、補剛機構が、示されるように定位置に縫合されてもよい。いくつかの場合では、補剛要素を覆うためのバイアス材料が採用されてもよい。補剛要素は、ポリマー材料、超弾性材料、またはそのような材料の組み合わせから成ってもよい。