特許第6484629号(P6484629)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6484629
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】便座アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A47K 13/12 20060101AFI20190304BHJP
   A47K 13/30 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   A47K13/12
   A47K13/30 A
【請求項の数】9
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-534220(P2016-534220)
(86)(22)【出願日】2014年10月7日
(65)【公表番号】特表2016-538072(P2016-538072A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(86)【国際出願番号】KR2014009431
(87)【国際公開番号】WO2015076494
(87)【国際公開日】20150528
【審査請求日】2017年8月21日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0143520
(32)【優先日】2013年11月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512332297
【氏名又は名称】コーウェイ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】COWAY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン, ヒジュ
(72)【発明者】
【氏名】ジン, ソンウォル
(72)【発明者】
【氏名】キム, ヨンピョ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン, ダウン
【審査官】 中村 百合子
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録実用新案第20−0410526(KR,Y1)
【文献】 実開平04−115493(JP,U)
【文献】 特開2013−066549(JP,A)
【文献】 特開2010−268940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 13/00−17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデの外形を形成し、その内部に設けられ、その一側部に形成されたヒンジ結合孔を有する便座連結部を備えるビデハウジングと、
前記ビデハウジングの内側に固定され、シャフトを備えており、前記シャフトの外周面に形成された環状の結合溝を有するヒンジ部材と、
前記シャフトに回転可能に連結された便座とを備え、
前記ビデハウジングは、内側に突出して前記結合溝に挿入される結合突出部を有しており、
前記便座は、前記ヒンジ部材を媒介にして前記ビデハウジングに回転可能に設置され、前記ヒンジ部材のシャフトを中心に回転し、
前記シャフトは、前記ヒンジ結合孔を通って一端が前記便座連結部の外側に突出する、便座アセンブリ。
【請求項2】
前記ヒンジ部材は、前記シャフトの他端から径方向外側に延び、且つ軸方向に前記シャフトの一端に向かって延びるハウジング結合部を含んでおり、
前記結合溝は、前記ハウジング結合部によって前記シャフトの外周面に形成されている、請求項に記載の便座アセンブリ。
【請求項3】
前記結合突出部は、前記ヒンジ結合孔の円周に沿って形成された円筒状の形状を有する、請求項に記載の便座アセンブリ。
【請求項4】
前記結合溝に挿入される環状のリングをさらに含む、請求項1に記載の便座アセンブリ。
【請求項5】
前記環状のリングがゴム材質で構成されている、請求項に記載の便座アセンブリ。
【請求項6】
前記シャフトは、その内側に電線通し孔を備える、請求項1に記載の便座アセンブリ。
【請求項7】
前記便座は、発熱装置と、該発熱装置に電力を供給するための電線とを備え、
前記電線は、前記電線通し孔を通って連結される、請求項に記載の便座アセンブリ。
【請求項8】
前記ヒンジ部材は、前記シャフトの他端から軸方向に延びる電線ダクトをさらに含む、請求項1に記載の便座アセンブリ。
【請求項9】
前記ヒンジ部材は、ボルト孔を有する固定部をさらに含み、前記ボルト孔を貫通するボルトのねじ結合によって前記ビデハウジングに固定される、請求項1に記載の便座アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便座アセンブリに関し、より詳細には、ビデハウジングと便座をヒンジ結合する別個のヒンジ部材を介して水分が内部に侵入するのを防止することができる便座アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
トイレの便器には、利用者が腰を下ろすことができる便座を備えており、このような便座は、便器の上に取り付けられている。
【0003】
最近、トイレ内を快適にすると共に、利用者の間で衛生習慣とすることを目的としたビデ技術を通じて、便座が持続的に開発されている。
【0004】
一般に、ビデ(bidet)とは、男性/女性の利用者が用便を足した後に自身の外陰部や肛門を洗浄するための便座をいう。男性/女性の利用者が用便を足した後では、適度な温度の温水が衛生器具の中央部分から供給され、利用者が手を使う必要性がなく、円滑に洗浄したい部分を洗浄する。
【0005】
便座は、男性/女性の利用者が用便を足すときに利用者の臀部と直接接触するため、利用者が便座に座ると、利用者が冷たさを感じることがあるという問題がある。この問題は特に、冬の季節に深刻化する。最近では、このような問題点を解決するために、便座の内部に熱線などの発熱装置を設けて、便座を暖かく維持している。
【0006】
ここで、便座の内部に設けられる加熱装置は一般に電気で作動するため、電気を供給するための電線を必要とする。このような電線は、安全と美観の点から外部に露出しないようにすることが好ましい。
【0007】
一方、ビデの内部に設けられ電気によって作動する各種装置は、ビデの設置環境の特性上、水分に容易に晒される。したがって、ビデの内部に水分が侵入するのを防止することができる構造が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、容易に電線を配線することができるとともに、ビデの内部に水分が侵入するのを防止することができる便座アセンブリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による便座アセンブリは、ビデの外形を形成し、その内部に設けられ、その一側部に形成されたヒンジ結合孔を有する便座連結部を備えるビデハウジングと、該ビデハウジングの内側に固定され、シャフトを備えており、該シャフトの外周面に形成された環状の結合溝を有するヒンジ部材と、前記シャフトに回転可能に連結された便座とを備え、前記ビデハウジングは、内側に突出して前記結合溝に挿入される結合突出部を有しており、前記便座は、前記ヒンジ部材を外界にして前記ビデハウジングに回転可能に設置され、前記ヒンジ部材のシャフトを中心に回転し、前記シャフトは、前記ヒンジ結合孔を通って一端が前記便座連結部の外側に突出している。
【0011】
本発明による便座アセンブリにおいて、前記ヒンジ部材は、前記シャフトの他端から径方向外側に延び、且つ軸方向に前記シャフトの一端に向かって延びるハウジング結合部を含んでおり、前記結合溝は、前記ハウジング結合部によって前記シャフトの外周面に形成されることができる。
【0012】
本発明による便座アセンブリにおいて、前記結合突起は、前記ヒンジ結合孔の円周に沿って形成された円筒状の形状を有することができる。
【0013】
本発明による便座アセンブリは、前記結合溝に挿入される環状のリングをさらに含むことができる。
【0014】
本発明による便座アセンブリにおいて、前記環状のリングは、ゴム材質で構成することができる。
【0015】
本発明による便座アセンブリにおいて、前記シャフトは、その内側に電線通し孔(a wire transfer hole)を備えることができる。
【0016】
本発明による便座アセンブリにおいて、前記便座は、発熱装置と、該発熱装置に電力を供給するための電線とを備えることができ、前記電線は、前記電線通し孔を通って連結されることができる。
【0017】
本発明による便座アセンブリにおいて、前記ヒンジ部材は、前記シャフトの他端から軸方向に延びる電線ダクトをさらに含むことができる。
【0018】
本発明による便座アセンブリにおいて、前記ヒンジ部材は、ボルト孔を有する固定部をさらに備えることができ、また、ボルト孔を貫通するボルトのねじ結合によって前記ビデハウジングに固定されることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施の形態の便座アセンブリによれば、ビデの内部への水分の侵入を防止することができ、便座の内部の発熱装置と関連する電線を容易に配線することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例による便座アセンブリの斜視図である。
図2】本発明の一実施例による便座アセンブリの分解斜視図である。
図3図1のA−A’線に沿う部分断面図である。
図4】本発明の一実施例によるヒンジ部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1から3に示すように、本発明の実施の一形態における便座アセンブリ100は、ビデハウジング110と、シャフトに回転可能に連結された便座130と、ビデハウジング110に固定されて便座130をビデハウジング110に回転可能に連結するヒンジ部材120とを含んでいる。
【0022】
ビデハウジング110は、ビデの外形を形成するもので、その内部には、水供給源から水の供給を受けて水を貯蔵する貯水部(図示せず)や、前記貯水部に貯蔵された水を利用者の肛門または外陰部に噴射するノズルアセンブリ(図示せず)、前記ノズルアセンブリを作動させるための各種駆動装置などを設けることができる。
【0023】
ビデハウジング110はまた、その内部に少なくとも一つの便座接続部111を有することもできる。便座接続部111の一側部には、ヒンジ結合孔111aを形成することができる。さらに、ビデハウジング110は、ヒンジ結合孔111aの円筒形状の内側に沿って突出する円筒状の結合突出部111bを有することができる。ヒンジ部材120がビデハウジング110に結合されると、円筒状の結合突出部111bは、結合溝124(後述する)内に挿入されることができる。
【0024】
便座130は、ビデハウジング110に回転可能に連結されることができ、この実施の形態では、便座130は、ヒンジ部材120を介してビデハウジング110に連結されることができる。
【0025】
便座130はまた、その内部に発熱装置131も有することができる。男性/女性の利用者が用便を足すと、便座130は、利用者の臀部に直接接触するが、発熱装置131が表面の温度を調整するよう作動して、保温効果を得ることができる。ここで、発熱装置131は、熱線ヒータ(a hot wire heater)により構成することができる。しかしながら、本発明は、これに限定されることはなく、電気を供給することによって便座130の表面の温度を上昇させることができるものであれば、当業者に公知の他の発熱装置を用いることができる。発熱装置131は、電気によって作動することができ、便座130は、発熱装置131に電気を供給するための電線(図示せず)をさらに含むことができる。
【0026】
図1図4を参照すると、ヒンジ部材120は、ビデハウジング110の内側に固定されることができ、ヒンジ結合孔111aを貫通して便座連結部111の外側に一端が突出するシャフト121を有することができる。
【0027】
シャフト121の内側には、電線通し孔122を設けることができ、電線通し孔122には電線(図示せず)を通すことができる。このように、電線通し孔122を介して電線(図示せず)を通すので、電線(図示せず)を露出させることなく、配線が容易となる。
【0028】
ヒンジ部材120はまた、シャフト121の他端から径方向外側に延び、シャフト121の一端に向かって軸方向に延びるハウジング結合部123も有することができる。これにより、環状の結合溝124をシャフト121の外周面に形成することができる。言い換えれば、結合溝124を、シャフト121の外周面とハウジング結合部123との間に形成することができる。これにより、ヒンジ部材120がビデハウジング110に固定されると、結合突出部111bは、結合溝124に挿入される。このように、結合突出部111bが結合溝124に挿入されるため、ビデハウジング110の内部に水分が侵入するのを防止することができるシーリング構造が形成される。
【0029】
一方、ヒンジ部材120は、シャフト121の他端から軸方向に沿って延びて形成された電線ダクト125をさらに含むことができる。電線ダクト125は、電線通し孔122を通る電線(図示せず)の一部分を収容するもので、配線を容易にすることができる。
【0030】
他方で、ヒンジ部材120は、ボルト孔126aが形成された固定部126をさらに含むことができ、ボルト孔126aを貫通するボルト(図示せず)のねじ結合によってビデハウジング110に固定されることができる。
【0031】
本発明の実施の一形態による便座アセンブリ100は、結合溝124に挿入される環状のリング140をさらに含むことができる。リング140は、ゴム材質で構成することができる。すなわち、リング140は、ハウジング結合部123と結合突出部111bとの間に配置され、シーリング構造を形成し、ビデハウジング110の内部に水分が侵入するのをより効果的に防止することができる。
【0032】
上述したように、本発明の実施の一形態による便座アセンブリ100によれば、ビデハウジング110の内部に水分が侵入するのを効果的に防止することができると共に、便座130の内部に設けられる発熱装置131に電気を供給する電線(図示せず)の配線を容易にすることができる。
【0033】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4