特許第6484734号(P6484734)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6484734
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】基板搬送装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20190304BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
   H01L21/68 B
【請求項の数】18
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-26871(P2018-26871)
(22)【出願日】2018年2月19日
(65)【公開番号】特開2018-142700(P2018-142700A)
(43)【公開日】2018年9月13日
【審査請求日】2018年2月19日
(31)【優先権主張番号】201710115101.7
(32)【優先日】2017年2月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】309012351
【氏名又は名称】シャンハイ マイクロ エレクトロニクス イクイプメント(グループ)カンパニー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】リャン,シャオ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ヤン
【審査官】 儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−246274(JP,A)
【文献】 特開2015−008334(JP,A)
【文献】 特開2005−212943(JP,A)
【文献】 特開2006−206218(JP,A)
【文献】 特開平09−030606(JP,A)
【文献】 特開2004−288695(JP,A)
【文献】 特開2014−118279(JP,A)
【文献】 特開2013−166601(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0264360(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B65G 47/52
B65G 49/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板搬送装置であって、
マニピュレータとワークステージとの間に設けられ、かつ第1方向に沿って平行に設けられた基板上板移送テーブルおよび基板下板移送テーブルを有し、前記第1方向に垂直な第2方向に沿って、前記ワークステージと前記マニピュレータとの間で基板を移送するための基板移送テーブルと、
全体フレームと、前記全体フレームの前記ワークステージに近接した側に固定して接続され、かつ前記基板上板移送テーブルと前記基板下板移送テーブルのうちのそれぞれと接続され、前記基板上板移送テーブルまたは前記基板下板移送テーブルにより前記基板を移送する過程において空気膜を生成して前記基板を持ち上げるための基板移行空気浮上アセンブリと、を有する、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記基板上板移送テーブルおよび基板下板移送テーブルの相対位置は変わらず、全体として前記全体フレームに平行であり、かつ前記全体フレームに摺接される、ことを特徴とする請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項3】
前記基板上板移送テーブルおよび基板下板移送テーブルの前記マニピュレータに近接した側には基板移送アセンブリがそれぞれ設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項4】
前記基板移送アセンブリは、前記全体フレームに設けられた運動モジュールと、前記運動モジュールに設けられた複数の吸着盤と、を有し、
前記吸着盤は、前記基板を吸着し、かつ前記運動モジュールの運動下で前記基板を前記第2方向に沿って運動させるよう駆動するために用いられる、ことを特徴とする請求項3に記載の基板搬送装置。
【請求項5】
前記運動モジュールは、モータとスクリュの組み合わせである、ことを特徴とする請求項4に記載の基板搬送装置。
【請求項6】
前記基板上板移送テーブルおよび前記基板下板移送テーブルは、前記第1方向に沿って設けられるとともに高さが同一な基板ガイドアセンブリ、および前端空気浮上アセンブリをそれぞれ有する、ことを特徴とする請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項7】
前記基板ガイドアセンブリは、平行に設けられた複数のガイドローラ列を有し、各ガイドローラ列は、前記第2方向に沿って間隔を開けて設けられた複数のガイドローラを有する、ことを特徴とする請求項6に記載の基板搬送装置。
【請求項8】
前記前端空気浮上アセンブリは、空気膜を生成して基板を持ち上げるために用いられる、ことを特徴とする請求項6に記載の基板搬送装置。
【請求項9】
前記基板上板移送テーブルおよび前記基板下板移送テーブルは、前記基板ガイドアセンブリと間隔を開けて分布された基板位置調節アセンブリをそれぞれさらに有する、ことを特徴とする請求項7に記載の基板搬送装置。
【請求項10】
前記基板位置調節アセンブリは、前記ガイドローラ列と間隔を開けて分布された複数のボールトランスファ群を有し、
各ボールトランスファ群は、前記第2方向に沿って間隔を開けて設けられた複数のボールトランスファユニットを有する、ことを特徴とする請求項9に記載の基板搬送装置。
【請求項11】
各前記ボールトランスファユニットは、支持ホルダと、前記支持ホルダに設けられた複数のボールトランスファと、前記支持ホルダが上下に運動するよう駆動するシリンダと、を有する、ことを特徴とする請求項10に記載の基板搬送装置。
【請求項12】
前記基板上板移送テーブルおよび前記基板下板移送テーブルは、前記第1方向に沿って前記基板ガイドアセンブリの両側に設けられたエッジ保護アセンブリをそれぞれさらに有し、前記基板が第1方向に偏移することを防ぐために用いられる、ことを特徴とする請求項6に記載の基板搬送装置。
【請求項13】
前記エッジ保護アセンブリは、前記第1方向に沿って前記基板ガイドアセンブリの両側に設けられた複数のT型支柱を有する、ことを特徴とする請求項12に記載の基板搬送装置。
【請求項14】
前記基板上板移送テーブルと前記基板下板移送テーブルの構造は同一である、ことを特徴とする請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項15】
以下のステップ、
S1、マニピュレータが基板を基板移送テーブルに置くステップと、
S2:基板移送テーブルに設けられた基板移送アセンブリは基板を吸着し、かつ前記基板をワークステージの方向へ運動させるよう駆動するステップと、
S3:前記基板が前記基板移送テーブルの前記ワークステージに近接した側まで運動するとき、基板移行空気浮上アセンブリは空気膜を生成し、前記基板を突き上げ、かつ前記基板移送アセンブリにより前記基板を第2方向に沿って前記ワークステージまで移送するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の基板搬送装置の搬送方法。
【請求項16】
前記ステップS2において、前記基板移送アセンブリにおける吸着盤は前記基板を吸着し、続いて、運動モジュールは、前記基板をワークステージ側へ運動させるよう駆動し、前記基板の運動は前記基板搬送テーブルにおけるガイドローラが転がるように駆動し、前記基板の移動をガイドする、ことを特徴とする請求項15に記載の搬送方法。
【請求項17】
前記基板移送テーブルは、第1方向に沿って間隔を開けて設けられた複数のボールトランスファユニットをさらに有し、
各前記ボールトランスファユニットは、支持ホルダと、前記支持ホルダに設けられた複数のボールトランスファと、前記支持ホルダが上下に運動するよう駆動するシリンダと、をさらに有し、
前記ステップS1と前記ステップS2との間に、前記ボールトランスファユニットにおけるシリンダが前記支持ホルダを上昇させるよう駆動し、前記基板を前記ボールトランスファの平面に置き、位置調整を実現し、続いて、前記シリンダが前記支持ホルダを下降させるよう駆動し、前記基板を前記基板移送テーブルに置きなおすことをさらに含む、ことを特徴とする請求項15に記載の搬送方法。
【請求項18】
以下のステップ、
S10:前記基板が前記基板移送テーブルの前記ワークステージに近接した側まで移動するとき、基板移行空気浮上アセンブリは空気膜を生成し、前記基板を持ち上げ、かつ前記基板移送アセンブリにより前記基板を第2方向に沿って前記ワークステージから基板移送テーブルまで移送するステップと、
S20:前記基板移送テーブルに設けられた基板移送アセンブリは前記基板を吸着し、かつ前記基板をマニピュレータの方向へ運動させるよう駆動するステップと、
S30:前記マニピュレータは、前記基板移送テーブルから前記基板を取り外すステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の基板搬送装置の搬送方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフォトリソグラフィ装置技術分野に関し、具体的には基板搬送装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィ装置における重要な構成部分として、基板移送テーブルの安全な搬送は、フォトリソグラフィ装置の生産効率を高めるために極めて重要な作用を果たす。基板移送は通常、ローラテーブルまたは空気浮上テーブルにより、ワークステージとマニピュレータとの間におけるガラス基板の引き渡しを実現する。集積回路製造業の急速な成長に伴い、搬送が必要な基板はますます大きくなっており、これにより移送テーブルの搬送速度および安全性能もさらに高い要求が求められている。現在使用されているローラテーブルまたは空気浮上テーブルには不十分な点があり、このうち、単一のローラ移送テーブルでは基板搬送過程における順調な引き渡しが保証できず、一方、単一の空気浮上ワークステージを採用することはコストが高く、広く普及させ使用することには不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、基板搬送装置をおよび方法を提供することで、既存の技術における課題を解決する。
【0004】
上述の技術的課題を解決するため、本発明の技術的解決手段は以下のとおりである。基板搬送装置であって、マニピュレータとワークステージとの間に設けられ、かつ第1方向に沿って平行に設けられた基板上板移送テーブルおよび基板下板移送テーブルを有し、前記第1方向に垂直な第2方向に沿って、前記ワークステージと前記マニピュレータとの間で基板を移送するための基板移送テーブルと、全体フレームと、前記全体フレームの前記ワークステージに近接した側に固定して接続され、かつ前記基板上板移送テーブルと前記基板下板移送テーブルのうちのそれぞれと接続され、前記基板上板移送テーブルまたは前記基板下板移送テーブルにより前記基板を移送する過程において空気膜を生成して前記基板を持ち上げるための基板移行空気浮上アセンブリと、を有する。
【0005】
さらに、前記基板上板移送テーブルと前記基板下板移送テーブルの相対位置は変わらず、全体として前記全体フレームに平行であり、かつ前記全体フレームに摺接される。
【0006】
さらに、前記基板上板移送テーブルおよび前記基板下板移送テーブルの前記マニピュレータに近接した側には基板移送アセンブリがそれぞれ設けられる。
【0007】
さらに、前記全体フレームに設けられた運動モジュールと、前記運動モジュールに設けられた複数の吸着盤と、を有し、前記吸着盤は、前記基板を吸着し、かつ前記運動モジュールの運動下で前記基板を前記第2方向に沿って運動させるよう駆動するために用いられる。
【0008】
さらに、前記運動モジュールは、モータとスクリュの組み合わせである。
【0009】
さらに、前記基板上板移送テーブルおよび基板下板移送テーブルは、前記第1方向に沿って設けられるとともに高さが同一の基板ガイドアセンブリ、および前端空気浮上アセンブリをそれぞれ有する。
【0010】
さらに、前記基板ガイドアセンブリは、平行に設けられた複数のガイドローラ列を有し、各前記ガイドローラ列は、前記第2方向に沿って間隔を開けて設けられた複数のガイドローラを有する。
【0011】
さらに、前記前端空気浮上アセンブリは、空気膜を生成して前記基板を持ち上げるために用いられる。
【0012】
さらに、前記基板上板移送テーブルおよび基板下板移送テーブルは、前記基板ガイドアセンブリと間隔を開けて分布された基板位置調節アセンブリをそれぞれさらに有する。
【0013】
さらに、前記基板位置調節アセンブリは、前記ガイドローラ列と間隔を開けて分布された複数のボールトランスファ群を有し、各前記ボールトランスファ群は、前記第2方向に沿って間隔を開けて設けられた複数のボールトランスファユニットを有する。
【0014】
さらに、各前記ボールトランスファユニットは、支持ホルダと、前記支持ホルダに設けられた複数のボールトランスファと、前記支持ホルダが上下に運動するよう駆動するシリンダと、を有する。
【0015】
さらに、前記基板上板移送テーブルおよび前記基板下板移送テーブルは、前記第1方向に沿って、前記基板ガイドアセンブリの両側に設けられたエッジ保護アセンブリをそれぞれさらに有し、前記基板が前記第1方向に偏移することを防ぐために用いられる。
【0016】
さらに、前記エッジ保護アセンブリは、前記第1方向に沿って前記基板ガイドアセンブリの両側に設けられた複数のT型支柱を有する。
【0017】
さらに、前記基板上板移送テーブルと前記基板下板移送テーブルの構造は同一である。
【0018】
本発明は、基板搬送装置の搬送方法をさらに提供し、以下のステップ、
S1、マニピュレータが基板を基板移送テーブルに置くステップと、
S2:基板移送テーブルに設けられた基板移送アセンブリは基板を吸着し、かつ前記基板をワークステージの方向へ運動させるよう駆動するステップと、
S3:前記基板が前記基板移送テーブルの前記ワークステージに近接した側まで運動するとき、基板移行空気浮上アセンブリは空気膜を生成し、前記基板を突き上げ、かつ前記基板移送アセンブリにより前記基板を第2方向に沿って前記ワークステージまで移送するステップと、を含む。
【0019】
さらに、前記ステップS2において、前記基板移送アセンブリにおける吸着盤は前記基板を吸着し、続いて、運動モジュールは、前記基板をワークステージ側へ運動させるよう駆動し、前記基板の運動は、前記基板移送テーブルにおけるガイドローラが転がるよう駆動し、基板の移動をガイドする。
【0020】
さらに、前記基板移送テーブルは、第1方向に沿って間隔を開けて設けられた複数のボールトランスファユニットをさらに有し、各前記ボールトランスファユニットは、支持ホルダと、前記支持ホルダに設けられた複数のボールトランスファと、前記支持ホルダが上下に運動するよう駆動するシリンダと、をさらに有し、前記ステップS1と前記ステップS2との間に、前記ボールトランスファユニットにおけるシリンダが前記支持ホルダを上昇させるよう駆動し、前記基板を前記ボールトランスファの平面に置き、位置調整を実現し、続いて、前記シリンダが前記支持ホルダを下降させるよう駆動し、前記基板を前記基板移送テーブルに置きなおすことをさらに含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明により提供される基板搬送装置は、マニピュレータとワークステージとの間に設けられた基板移送テーブルと、基板移行空気浮上アセンブリと、を有し、前記基板移送テーブルは、X方向に沿って平行に設けられた基板上板移送テーブルおよび基板下板移送テーブルを有し、前記基板上板移送テーブルおよび基板下板移送テーブルのマニピュレータに近接した側には基板移送アセンブリがそれぞれ設けられる。基板移送テーブルおよび基板移行空気浮上アセンブリを設けることにより、基板移送テーブルがワークステージとワークを引き継ぐ過程において、基板移行空気浮上アセンブリがガイドローラと協働することで、基板がマニピュレータとワークステージとの間で高効率に、安全に搬送され、しかも移送サブシステムのコストを大幅に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1a】本発明の実施例1における基板搬送装置の構造概略図である。
図1b】本発明の実施例1における基板搬送装置の構造立体図である。
図1c】本発明の実施例1における運動モジュールの構造立体図である。
図2】本発明の実施例1における基板上板移送テーブルの正面図である。
図3】本発明の実施例1における基板上板移送テーブルの側面図である。
図4a】本発明の実施例1における基板がワークステージに近接した状態の概略図である。
図4b】本発明の実施例1における基板がワークステージに近接した状態の概略図である。
図5】本発明の実施例2における基板上板移送テーブルの平面図である。
図6】本発明の実施例2における基板上板移送テーブルの側面図である。
図7a】本発明の実施例2におけるボールトランスファユニットが上昇したときの状態の概略図である。
図7b】本発明の実施例2におけるボールトランスファユニットが下降したときの状態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に図面を踏まえて本発明を詳細に説明する。
【0024】
実施例1
図1a‐図3に示すように、本発明は基板搬送装置を提供するものであり、マニピュレータ1とワークステージ2との間に順次設けられた基板移送テーブル3と、基板移行空気浮上アセンブリ4と、を有し、前記基板移送テーブル3は、X方向に沿って平行に設けられた基板上板移送テーブル5および基板下板移送テーブル6を有し、前記基板上板移送テーブル5および基板下板移送テーブル6の前記マニピュレータ1に近接した側には基板移送アセンブリ(図1cに示す)がそれぞれ設けられる。具体的には、前記基板上板移送テーブル5および基板下板移送テーブル6の両者の相対位置は変わらず、全体として全体フレーム8に平行であり、かつ前記全体フレーム8に摺接される。前記基板上板移送テーブル5および基板下板移送テーブル6はX方向に沿って移動可能であり、基板上板移送テーブル5は、マニピュレータ1における基板7をワークステージ2へ移送するために用いられ、基板下板移送テーブル6は、ワークステージ2における基板7をマニピュレータ1へ移送するために用いられる。前記基板移行空気浮上アセンブリ4は全体フレーム8に固定して接続される。基板移送テーブル3および基板移行空気浮上アセンブリ4を設けることで、基板7がマニピュレータ1とワークステージ2との間で高効率に、安全に搬送され、しかも移送サブシステムのコストを大幅に低減させる。
【0025】
基板上板移送テーブル5は、基板下板移送テーブル6の構造と同一であり、マニピュレータ1における基板7をワークステージ2へ移送する必要があるとき、基板上板伝送テーブル5および前記基板下板伝送テーブル6全体が摺動し、基板移行空気浮上アセンブリ4に対応する位置まで基板上板移送テーブル5を摺動させて作業を行う。ワークステージ2における基板7をマニピュレータ1へ移送する必要があるとき、基板上板移送テーブル5および基板下板移送テーブル6全体が摺動し、基板移行空気浮上アセンブリ4に対応する位置まで基板下板移送テーブル6を摺動させて作業を行う。
【0026】
基板上板移送テーブル5および基板下板移送テーブル6は、フレームに固定されることで一体としてもよく、単にロッド状物などを介して直接的に接続してもよく、両者の相対位置が変わらなければよく、本発明は両者の具体的な接続方法を限定しない。
【0027】
基板上板移送テーブル5と基板下板移送テーブル6の構造は同一であり、一方、作業過程は逆の過程である。以下に基板上板移送テーブル5の上板の作業過程のみを例とする。
【0028】
好ましくは、図1cに示すように、前記基板移送アセンブリは、運動モジュールと、前記運動モジュールに設けられた複数の吸着盤と、を有し、前記運動モジュールは、全体フレーム8に設けられてよく、吸着盤は運動モジュールに設けられ、運動モジュールの運動により吸着盤の運動を駆動し、吸着盤は基板を吸着することで、基板の運動を駆動する。ここでは簡単な直線運動であるが、直線運動を実現可能な多くのモジュールがあり、例えば、モータとスクリュの組み合わせである。マニピュレータ1が基板上板移送テーブル5に基板を置くときに、基板移送アセンブリは吸着盤により基板を吸着し、続いて、運動モジュールは、基板をワークステージ2側へ運動させるよう駆動する。
【0029】
図4a−4bに示すように、前記基板移行空気浮上アセンブリ4は全体フレーム8の前記ワークステージ2に近接した側に設けられ、かつ前記基板上板移送テーブル5に接続され、基板7が基板上板移送テーブルのワークステージ2に近接した側まで運動したもののワークステージ2に到達していないとき、好ましくは、基板7の片側が基板移行空気浮上アセンブリ4に到着するときに、基板移行空気浮上アセンブリ4が空気膜を生成し、基板を浮き上がらせるとともに、運動モジュールは、基板をワークステージ2へ運動させるよう継続して駆動することで、ワークステージ2へ順調に引き渡す。
【0030】
図1a−3に示すように、前記基板移送テーブル3は全体フレーム8に摺動するように設けられ、全体フレーム8により支持され、全体フレーム8にはX方向に沿ってスライドレールが設けられ、基板移送テーブル3の底部には前記スライドレールに対応するスライド溝が設けられ、上下板の必要に応じて、基板移送テーブル3は全体フレーム8に対してX方向に沿って移動し、このうちの基板上板移送テーブル5または基板下板移送テーブル6を、マニピュレータ1とワークステージ2との間、かつ基板移行空気浮上アセンブリ4に対応する位置に位置させる。前記基板上板移送テーブル5および基板下板移送テーブル6は、X方向に沿って順次設けられるとともに高さが同一の基板ガイドアセンブリ9、および前端空気浮上アセンブリ10それぞれをさらに有し、ここで、基板ガイドアセンブリ9は、平行に設けられた複数のガイドローラ列を有し、各ガイドローラ列は、X方向に沿って間隔を開けて設けられた複数のガイドローラ91を有し、具体的には、マニピュレータ1は基板7をガイドローラ91の上方に置き、このとき、基板移送アセンブリにおける吸着盤が基板を吸着し、続いて、運動モジュールは、基板をワークステージ2側へ運動させるよう駆動し、基板の運動によりガイドローラ91が回転するよう駆動して転がるようにし(図中では時計回り方向に転がることを示す)、基板7の搬送にガイドの作用を果たし、ガイドローラ91の良好なガイド性により基板7をY方向に沿って運動させ、しかもX方向に沿った移動を防ぐことで、移送精度を高める。
【0031】
引き続き図2‐3を参照されたい。前記基板上板移送テーブル5および基板下板移送テーブル6は、X方向に沿って前記基板ガイドアセンブリ9の両側に設けられたエッジ保護アセンブリをそれぞれさらに有し、前記エッジ保護アセンブリは、X方向に沿って前記基板ガイドアセンブリ9の両側に設けられた複数のT型支柱11を有し、即ち、T型支柱11は二列設けられ、X方向に沿って基板ガイドアセンブリ9の両側に分けて設けられ、各列のT型支柱11はY方向に沿って間隔を開けて配列され、T型支柱11の上端は基板ガイドアセンブリ9よりも高く、搬送中の基板7を保護し、X方向に偏移することを防ぎ、搬送の安全性をさらに高める。
【0032】
本発明により提供される基板搬送装置の搬送方法は、以下のステップを含む。
S1:マニピュレータ1が基板7を基板移送テーブル3に置き、具体的には、本実施例は主に上板の過程についてであり、このとき基板7は基板移送テーブル3の基板上板移送テーブル5に置かれ、基板上板移送テーブル5におけるガイドローラ91に接触するステップ。
【0033】
S2:基板搬送アセンブリは前記基板7を吸着し、かつ前記基板7をワークステージ2の方向に沿って運動させるよう駆動し、具体的には、前記移送アセンブリにおける吸着盤は前記基板7を吸着し、続いて、運動モジュールは、基板をワークステージ2側へ運動させるよう駆動し、基板7の運動は同時にガイドローラ91へ力を附勢し、ガイドローラが時計回り方向に沿って転がるようにし、基板7の搬送にガイドの作用を果たし、ガイドローラ91の良好なガイド性により、基板7をY方向に沿って運動させるようにし、しかもX方向に沿った移動を防ぐことで、移送精度を高め、全過程において、基板ガイドアセンブリ9は、X方向に沿って基板ガイドアセンブリの両側に設けられたエッジ保護アセンブリにより基板を保護し、X方向に偏移することを防ぐステップ。
【0034】
S3:前記基板7が前記基板移送テーブル3の前記ワークステージ2に近接した側まで運動するとき、基板移行空気浮上アセンブリ4は空気膜を生成し、基板7を持ち上げ、かつ前記ワークステージ2まで送るステップ。基板7が基板移送テーブル3の前記ワークステージ2に近接した側まで移送されるとき、まず、前端空気浮上アセンブリ10が空気膜を生成し、基板7を持ち上げ、かつ基板移行空気浮上アセンブリ4の上方まで送り、続いて、基板移行空気浮上アセンブリ4が空気膜を生成し、基板7を持ち上げ、かつワークステージ2まで送るということを説明する必要がある。
【0035】
実施例2
実施例1と異なるのは、図5‐6に示すように、前記基板上板移送テーブル5および基板下板移送テーブル6は、前記基板ガイドアセンブリ9と間隔を開けて分布された基板位置調節アセンブリをさらに有することである。具体的には、前記基板位置調節アセンブリは、前記ガイドローラ列と間隔を開けて分布された複数のボールトランスファ群を有し、各ボールトランスファ群は、X方向に沿って間隔を開けて設けられた複数のボールトランスファユニット12を有し、ここで、ボールは基板の調節過程に受動的に適応し、位置調節過程において生じた摩擦により基板を損傷することを防ぐ。各前記ボールトランスファユニット12は、支持ホルダ13と、前記支持ホルダ13に設けられた複数のボールトランスファ14と、前記支持ホルダ13が上下に運動するよう駆動するシリンダ(図示せず)と、を有する。具体的には、支持ホルダ13は、全体フレーム8に固定され、マニピュレータ1が基板7を基板移送テーブル3に置くときに、先ず、ボールトランスファユニット12におけるシリンダは支持ホルダ13が上昇するよう駆動し、基板をボールトランスファ12の平面に置き、位置決めシリンダおよび締め付けシリンダの協働により、基板はボールトランスファの平面で指定位置まで移動し、これにより位置の調整を実現するが、実現方法はこれに限定されない。この実施例における基板は長方形であり、基板の二つの辺には位置決めシリンダが設けられ、基板の他の二つの辺には締め付けシリンダが設けられ、基板を置くときに位置決めシリンダに正確に合わせ、その後、締め付けシリンダが運動し、位置に位置決め微調整を行う。図7aに示すように、ボールトランスファは任意の方向に回転可能であるという良好な特性を有するので、調整過程において、基板を傷つけることを防ぐ。基板7の位置調整完了後、シリンダは支持ホルダ13が下降するよう駆動し、図7bに示すように、基板移送テーブル3におけるガイドローラ91の位置に基板7を置きなおし、このとき、基板移送アセンブリにおける吸着盤はシリンダの駆動下で上昇するとともに、吸着盤による真空が開始され、基板を吸着し、続いて、運動モジュールは、基板移送アセンブリおよび吸着された基板をともにワークステージ2側へ運動させるよう駆動するとともに、基板の運動はガイドローラ91に力を附勢し、ガイドローラが時計回りの方向に沿って転がるようにし、基板7の搬送にガイドの作用を果たし、ガイドローラ91の良好なガイド性により、基板7をY方向に沿って運動させるようにし、しかもX方向に沿った移動を防ぐことで、移送精度を高める。
【0036】
以上を総合し、本発明により提供される基板搬送装置および方法は、マニピュレータ1とワークステージ2との間に順次設けられた基板移送テーブル3と、基板移行空気浮上アセンブリ4と、を有し、前記基板移送テーブル3は、X方向に沿って設けられた基板上板移送テーブル5および基板下板移送テーブル6を有し、前記基板上板移送テーブル5および基板下板移送テーブル6の前記マニピュレータ1に近接した側には基板移送アセンブリがそれぞれ設けられる。基板移送テーブル3および基板移行空気浮上アセンブリ4を設けることにより、基板移送テーブル3がワークステージ2とワークを引き継ぐ過程において、基板移行空気浮上アセンブリ4がガイドローラ91と協働することで、基板7がマニピュレータ1とワークステージ2との間で高効率に、安全に搬送されることを実現し、しかも移送サブシステムのコストを大幅に低減させる。
【0037】
本発明において本発明の実施形態を説明したものの、これらの実施形態は提示したのみで、本発明の保護範囲を限定しないものとする。本発明の精神を逸脱しない範囲内において各種の省略、置換、および変更を行うことはいずれも、本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0038】
1 マニピュレータ
2 ワークステージ
3 基板移送テーブル
4 基板移行空気浮上アセンブリ
5 基板上板移送テーブル
6 基板下板移送テーブル
7 基板
8 全体フレーム
9 基板ガイドアセンブリ
91 ガイドローラ
10 前端空気浮上アセンブリ
11 T型支柱
12 ボールトランスファユニット
13 支持ホルダ
14 ボールトランスファ


図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7a
図7b