特許第6484747号(P6484747)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6484747照明制御システム、照明制御方法および照明制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6484747
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】照明制御システム、照明制御方法および照明制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20190304BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   H05B37/02 C
   F21V23/04 500
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-110734(P2018-110734)
(22)【出願日】2018年6月8日
【審査請求日】2018年8月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518108265
【氏名又は名称】尾▲崎▼ 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 洋一
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−249062(JP,A)
【文献】 特開2002−231465(JP,A)
【文献】 特開平09−251894(JP,A)
【文献】 特開2017−022058(JP,A)
【文献】 特開2017−021932(JP,A)
【文献】 特開2014−044916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
F21V 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数の入力部を含む操作装置と、複数の照明装置と、を備える照明制御システムであって、
前記操作装置は、前記照明装置に対する操作信号の生成を行う信号生成手段と、
通信部および無線ネットワークを介して、前記操作信号および前記入力部を識別するための識別情報を送受信する信号通信手段と、を備え、
前記照明装置は、受信した前記操作信号および前記識別情報を格納する信号管理手段と、
前記操作信号に基いて、前記照明装置の照度を調整する照度調整手段と、を備え、
前記信号通信手段は、前記識別情報を前記照明装置に送信した際、前記照明装置の照度に係る情報を、受信し、
前記信号生成手段は、複数の前記照明装置の内、所定の照度を有し、点灯状態を示す前記照明装置が1以上有る場合、少なくとも、点灯状態を示す前記照明装置を、消灯状態に遷移させる操作信号を生成し、
複数の前記照明装置の内、所定の照度を有し、点灯状態を示す前記照明装置が無い場合、複数の前記照明装置を全て点灯状態に遷移させる操作信号を生成することを特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
前記信号管理手段は、前記照明装置に係る電源がオン状態へ遷移した後に複数の前記入力部が押下されることを転機として、前記入力部に対応付けられる前記識別情報を、有効識別情報として登録し、前記入力部が連打されることを転機として、連打された前記入力部に係る有効識別情報の解除が行うこと、を特徴とする請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記照度調整手段は、前記有効識別情報として登録された、前記識別情報に対応付けられた前記操作信号に基づき、前記照明装置の照度を調整することを特徴とする請求項2に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記信号生成手段は、パルス幅変調信号を生成し、
前記識別情報と、前記パルス幅変調信号を含む前記操作信号と、を対応付けることを特徴とする請求項2または3記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記信号生成手段は、所定の点滅パターンを示す前記操作信号を、生成し、
前記照度調整手段は、前記点滅パターンに基づき、前記照明装置の照度を調整することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の照明制御システム。
【請求項6】
前記入力部は、LED光源を備え、押下に応じて当該LED光源に係る照度が上昇することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の照明制御システム。
【請求項7】
1または複数の入力部を含む操作装置と、複数の照明装置と、を備える照明制御方法であって、
前記操作装置は、前記照明装置に対する操作信号の生成を行う信号生成ステップと、
通信部および無線ネットワークを介して、前記操作信号および前記入力部を識別するための識別情報を送受信する信号通信ステップと、を備え、
前記照明装置は、受信した前記操作信号および前記識別情報を格納する信号管理ステップと、
前記操作信号に基いて、前記照明装置の照度を調整する照度調整ステップと、を備え、
前記信号通信ステップは、前記識別情報を前記照明装置に送信した際、前記照明装置の照度に係る情報を、受信し、
前記信号生成ステップは、複数の前記照明装置の内、所定の照度を有し、点灯状態を示す前記照明装置が1以上有る場合、少なくとも、点灯状態を示す前記照明装置を、消灯状態に遷移させる操作信号を生成し、
複数の前記照明装置の内、所定の照度を有し、点灯状態を示す前記照明装置が無い場合、複数の前記照明装置を全て点灯状態に遷移させる操作信号を生成することを特徴とする照明制御方法。
【請求項8】
1または複数の入力部を含む操作装置と、複数の照明装置と、を備える照明制御プログラムであって、
前記操作装置を、前記照明装置に対する操作信号の生成を行う信号生成手段と、
通信部および無線ネットワークを介して、前記操作信号および前記入力部を識別するための識別情報を送受信する信号通信手段と、として機能させ、
前記照明装置を、受信した前記操作信号および前記識別情報を格納する信号管理手段と、
前記操作信号に基いて、前記照明装置の照度を調整する照度調整手段と、として機能させ、
前記信号通信手段は、前記識別情報を前記照明装置に送信した際、前記照明装置の照度に係る情報を、受信し、
前記信号生成手段は、複数の前記照明装置の内、所定の照度を有し、点灯状態を示す前記照明装置が1以上有る場合、少なくとも、点灯状態を示す前記照明装置を、消灯状態に遷移させる操作信号を生成し、
複数の前記照明装置の内、所定の照度を有し、点灯状態を示す前記照明装置が無い場合、複数の前記照明装置を全て点灯状態に遷移させる操作信号を生成することを特徴とする照明制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明制御システム、照明制御方法および照明制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、屋内環境における、居住者の健康、快適性または生産性の改善を目的として、屋内の照明装置を、無線ネットワーク環境下に置く試みがなされている。
【0003】
また、ユーザごとに適切な調光を行うために、照明装置の調光を制御する調光制御装置であって、前記照明装置に対応する位置情報を受信した無線端末から、前記無線端末が受信した位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段により得られた位置情報に基づき、前記無線端末から所定範囲に含まれる照明装置の調光を、前記無線端末ごとに設定された目標照度に応じて制御する調光制御手段とを有する調光制御装置に関する技術が知られている(引用文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特願2012―205109
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しがしながら、照明装置および操作装置を、無線ネットワーク環境下に置く際、信号中継の用に供される通信装置の配置が、要される場合がある。このとき、照明装置および操作装置は、通信装置を起点とした通信可能範囲内での配置が要される。
【0006】
また、複数の中継装置を配置し、リレー形式で無線通信を実施した場合、無線通信可能範囲は拡充されるものの、中継装置の配置により、その他の用に供される家具等の空間配置自由度が制限される恐れがある。
【0007】
さらに、故障に伴う、操作装置または照明装置の交換作業を行う際、操作装置または照明装置の交換が容易であることが、求められる。
【0008】
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、配置・交換の自由をより高めた照明制御システムを提供することを、解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、1または複数の入力部を含む操作装置と、複数の照明装置と、を備える照明制御システムであって、操作装置は、照明装置に対する操作信号の生成を行う信号生成手段と、通信部および無線ネットワークを介して、操作信号および入力部を識別するための識別情報を送受信する信号通信手段と、を備え、照明装置は、受信した操作信号および識別情報を格納する信号管理手段と、操作信号に基いて、照明装置の照度を調整する照度調整手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
このような構成とすることで、信号中継の用に供される通信装置を、別途、配置することなく、同一の照明装置に対して、複数の操作装置と、無線ネットワークと、を介した、照明制御を実現する。
【0011】
本発明の好ましい形態では、信号管理手段は、入力部の操作により、入力部に対応付けられた識別情報を、有効識別情報として登録することを特徴とする。
このような構成とすることで、照明装置ごとに、操作装置を登録することができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、照度調整手段は、有効識別情報として登録された、識別情報に対応付けられた操作信号に基づき、照明装置の照度を調整することを特徴とする。
このような構成とすることで、照明装置ごとに登録された操作装置を介した、照明操作の操作を受け付けることができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、信号生成手段は、パルス幅変調信号を生成し、前記識別情報と、前記パルス幅変調信号を含む前記操作信号と、を対応付けることを特徴とする。
このような構成とすることで、照明装置または操作装置の電力効率を損なわず、照明制御できる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、信号通信手段は、識別情報を照明装置に送信した際、照明装置の照度に係る情報を、受信し、信号生成手段は、複数の照明装置の内、所定の照度を有し、点灯状態を示す照明装置が1以上有る場合、少なくとも、点灯状態を示す照明装置を、消灯状態に遷移させる操作信号を生成し、複数の照明装置の内、所定の照度を有し、点灯状態を示す照明装置が無い場合、複数の照明装置を全て点灯状態に遷移させる操作信号を生成することを特徴とする。
このような構成とすることで、複数の照明装置を一括して制御できる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、信号生成手段は、所定の点滅パターンを示す操作信号を、生成し、照度調整手段は、点滅パターンに基づき、照明装置の照度を調整することを特徴とする。
このような構成とすることで、照明装置と操作装置と、のペアリング処理の結果について、視認性を担保した上で、ユーザに通知することができる。
【0016】
本発明は、1または複数の入力部を含む操作装置と、複数の照明装置と、を備える照明制御方法であって、操作装置は、照明装置に対する操作信号の生成を行う信号生成ステップと、通信部および無線ネットワークを介して、操作信号および入力部を識別するための識別情報を、送受信する信号通信ステップと、を備え、照明装置は、受信した操作信号および識別情報を格納する信号管理ステップと、操作信号に基いて、照明装置の照度を調整する照度調整ステップと、を備えることを特徴とする照明制御方法。
【0017】
本発明は、1または複数の入力部を含む操作装置と、複数の照明装置と、を備える照明制御プログラムであって、操作装置を、照明装置に対する操作信号の生成を行う信号生成手段と、通信部と無線ネットワークを介して、操作信号および入力部を識別するための識別情報を送受信する信号通信手段と、として機能させ、照明装置を、受信した操作信号および識別情報を格納する信号管理手段と、操作信号に基いて、照明装置の照度を調整する照度調整手段と、として機能させることを特徴とする照明制御プログラム。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、空間配置自由度を維持しながら、操作装置と、無線ネットワークと、を介して、調光等を含む照明装置の操作ができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る照明制御システムの構成図の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る照明制御システムの構成図の一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る識別情報の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る操作装置の一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る照明および有効識別情報管理を行う際の処理フローチャートである。
図6】本発明の実施形態に係る照明制御の処理の一例を示すシーケンス図である。
図7】本発明の実施形態に係る照明制御および有効識別情報管理を行う際の信号管理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を用いて、本発明に係る照明制御システム1について説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0021】
本実施形態では、屋内環境ENVにおいて、複数の操作装置2を介して、複数の照明装置3を制御する場合について説明する。操作装置2および照明装置3が、1対1、1対多又は多対1の場合であっても、本願に係る照明制御方法を利用することが可能である。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る照明制御システム1の使用例を示す。照明制御システム1は、操作装置2と、照明装置3と、により構成される。屋内環境ENVには、操作装置2(2A、2B、2C)および照明装置3(3A、3B、3C)が配置される。
【0023】
なお、一軒家、マンション、アパート等の住宅環境、または、ホテル、ホール等の商業利用施設において利用することができ、照明制御システム1が利用されるサービス形態には、特に制限はない。
【0024】
図2は、本発明の実施形態に係る照明制御システム1の概要を示す図である。図2(a)は、照明制御システム1のハードウェア構成図を示す。操作装置2は、交流電圧源により駆動する操作回路C2を有する。操作回路C2は、電源モジュールC21と、操作モジュールC22とを、有する。
【0025】
電源モジュールC21は、交流電圧100∨を直流電圧12∨に変換するAC/DCコンバータと、直流電圧12∨に降圧するレギュレータとを、備える。
【0026】
操作モジュールC22は、データ処理部C221と、信号制御部C222と、通信部C223と、入力部C224とを、有する。
【0027】
データ処理部C221は、フラッシュメモリ等の記憶装置と演算装置とで、構成される。さらに、データ処理部C221は、PWM(Pulse Width Modulation)指示信号Spを含む、操作信号を記憶し、操作装置2が有する入力部を識別するための、識別情報も併せて記憶する。
【0028】
信号制御部C222は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等のスイッチ素子を含み、PWM指示信号Spに基いて、スイッチ素子のオン/オフを制御することにより、入力された直流電圧をPWM信号Spwmに変換する。このとき、ローパスフィルタ等のフィルタ回路を挿入することで、ノイズを含むPWM信号Spwmを復調するような構成が好ましい。なお、PWM制御における、PWM周期およびデューティ比の上限と下限については、特に制限はない。
【0029】
通信部C223は、アンテナ、高周波回路および発振回路を含む無線通信モジュールを有する。また、通信部C223は、MAC(Media Access Control)アドレスや、データ処理部C221に格納された専用ファームウェア等を併せて備え、PWM信号Spwmを含む操作信号、ならびに識別情報の送受信に供される。なお、演算装置が、信号制御部C222における、PWM信号Spwmを生成する機能を、代行するような構成としてもよい。また、データ処理部C221、信号制御部C222ならび通信部C223を構成する、種々の回路素子に、特に制限はない。
【0030】
照明装置3は、照明回路C3を有する。照明回路C3は、電源モジュールC31と、照明モジュールC32とを、有する。電源モジュールC31は、交流電圧100∨を直流電圧12∨に変換するAC/DCコンバータを備える。なお、当該直流電圧は、照明回路C3の構成に応じて、レギュレータ等により降圧されることが好ましい。
【0031】
照明モジュールC32は、データ処理部C321と、照明部C322と、通信部C323と、信号制御部C324とを、有する。
【0032】
データ処理部C321は、操作モジュールC22から送信されたPWM信号Spwmおよび識別情報を記憶する。
【0033】
照明部C322は、操作モジュールC22から送信された、PWM信号Spwmに基いて、点灯、消灯、調光を含む、LED(Light Emitting Diode)光源の照度調整を行う。このとき、温度補償回路等を挿入し、照明部C322の温度上昇や、周囲温度の変化による、照度変動を補正するような構成としてもよい。照明制御に係るフィードバック回路に、特に制限はない。
また、信号制御部C222が有する機能の一部は、信号制御部C324が代替するような構成としてもよい。そのとき、操作装置2は、通信部C223を介して、PWM指示信号Spを送信し、照明装置3における信号制御部C324が、PWM指示信号Spに基いて、PWM信号Spwmを生成する。
【0034】
照明部C322は、1または複数の、特定波長の光波を放出する化合物半導体を材料とするLED素子で構成される。なお、LED素子は、蛍光体を具備する構成としてもよい。さらに、照明部C322を構成するLEDチップの外観については、COB(Chip On Board)やSMD(Surface Mount Device)等のパッケージング方法や、蛍光体、封入樹脂の有無について、特に制限はない。また、照明モジュールC32の外観についても、電球形、テープ形等、特に制限はない。
【0035】
通信部C223およびC323は、2.4GHzの周波数帯域を用いて、無線通信を行う。このとき、Bluetooth(登録商標)やZigbee(登録商標)等の無線通信規格、メッシュネットワーク形式や、P2P(Peer to Peer)形式等、種々の無線通信の構成としてもよい。本発明の実施形態に係る無線通信は、2.4GHz帯だけでなく、5.0GHz帯やミリ波帯等の周波数帯域を用いてもよい。
【0036】
本発明の実施形態に係る無線通信は、操作信号および識別情報に加えて、照明部C322の照明ステータスに係る情報を含むフラグ情報の送受信に用いられる。このとき、照明モジュールC32から送信されたフラグ情報は、データ処理部C221に格納される。
【0037】
なお、本形態の実施形態に係る電圧は、直流交流を含め、商用利用の範囲で、特に制限はない。また、操作装置2および照明装置3は、消費電力の微小さから、リチウムイオンバッテリー等の二次電池、または、太陽光を含む電磁波、熱等の環境エネルギーをリソースとした発電素子により構成される電源モジュールC21、C31を有する形態としてもよい。
【0038】
図2(b)は、照明制御システム1の機能ブロック図を示す。操作装置2は、信号生成手段201と、信号通信手段202と、登録要求手段203とを、備える。照明装置3は、信号管理手段301と、信号通信手段302と、登録受付手段303と、照度調整手段304とを、備える。
【0039】
信号生成手段201は、信号制御部C222において、照明制御のための操作信号の生成を行う。操作モジュールC22に対するユーザ操作により、点灯、消灯または調光に係る指示が操作装置2に入力された場合、当該指示に基いて、点灯、消灯または調光に係る操作信号を生成する。操作モジュールC22には、点灯、消灯、点灯/消灯、調光、等のための1または複数の入力部が設けられている。信号生成手段201は、入力部に対応する識別情報と、操作信号とを対応付ける。
【0040】
本実施形態では、信号生成手段201において、調光を行う為の操作信号として、PWM信号を生成するが、例えば、調光を指示する操作信号を照明装置3に受け渡し、照明装置3側で当該操作信号に基いて、PWM信号を生成してもよい。
【0041】
信号通信手段202は、通信部C223を介して、操作信号および識別情報の送信を行う。識別情報とは、操作装置2が有する入力部を識別するための情報である。このとき、操作信号および識別情報は、2.4GHz帯の周波数帯域を利用した無線通信により送信される。さらに、信号通信手段202は、照明装置3の照明ステータスに係る情報を含むフラグ情報の受信を行う。
【0042】
図3(a)は、操作装置2に格納された識別情報の一例を示す図である。1以上の入力部を有する操作パネルに対して、固有のパネル識別番号PIDが対応付けられる。さらに、入力部に対して、スイッチ識別番号SIDが対応付けられる。識別情報は、パネル識別番号PIDと、スイッチ識別番号SIDとの組合せによって構成される。
【0043】
登録要求手段203は、ユーザ操作を転機として、操作装置2が有する入力部に対応付けられた識別情報を、照明装置3において、有効識別情報として登録または解除する処理命令を含む、操作信号を生成する。有効識別情報とは、識別情報の内、対応付けられた操作信号に基づき照度調整を実行する、所定の識別情報を指す。
【0044】
信号管理手段301は、データ処理部C321において、操作信号および識別情報の管理を行う。信号管理手段301は、操作装置2が有する入力部に対応付けられた、識別情報を、データ処理部C321に格納する。さらに、信号管理手段301は、有効識別情報として格納された識別情報に対応付けられた操作信号を照度指示として受け付ける。
【0045】
図3(b)は、照明装置3に格納された有効識別情報の一例を示す図である。照明装置3は、識別情報を、有効識別情報として格納する。このとき、照明装置3が有効識別情報として登録できる識別情報の数量は、所定の数量を上限とすることが好ましい。
【0046】
登録受付手段303は、登録要求手段203により有効識別情報としての登録または解除に係る処理命令の対象となる識別情報を、有効識別情報として格納する。このとき、照明装置3が有する有効識別情報の数量が所定の数量を下回る場合、当該識別情報を有効識別番号として登録する。また、当該識別情報が、有効識別情報として既に登録されていた場合、有効識別情報としての登録を解除する。さらに、照明装置3が有する有効識別情報の数量が所定の数量と同値であった場合、登録受付手段303は、有効識別情報としての識別情報の登録に係る処理命令を受け付けない。
【0047】
照度調整手段304は、操作装置2から送信された操作信号に基づき、LED光源に対して、点灯、消灯、調光を含む照度調整処理を行う。このとき、信号管理手段301により受け付けられた、有効識別情報として登録された識別情報に対応付けられた照度指示に基づき、LED光源の照度を調整する。
【0048】
図4(a)は、本発明の実施形態に係る操作装置2の内、点灯または消灯に係る照明制御を行うための操作装置2の一例を示す。操作装置2は、入力部P11、12、13および14を含む、操作パネルP1を有する。操作パネルP1と各入力部とはそれぞれ、パネル識別番号PIDとスイッチ識別番号SIDが対応付けられている。入力部P11、12、13および14は、タッチパネル式のインターフェイスを有し、ユーザによる押下が行われることが好ましい。
なお、ユーザ操作による入力部の指定は、ポインティングデバイスによる入力等、入力方法に、特に制限はない。
【0049】
入力部P11、P12、P13は、それぞれ、屋内環境ENVにおける照明装置3の照明制御を行う為に操作される。例えば、屋内環境ENVを、エントランス、ベッドルーム、バスルームで構成される部屋とした場合、図4(a)における、入力部P11、P12、P13は、それぞれ、エントランス、ベッドルーム、バスルームの照明制御のための入力を受け付ける。当該照明装置3が消灯状態である場合、当該入力部の押下により、当該照明装置3は点灯状態に遷移する。一方、当該照明装置3が点灯状態である場合、当該入力部の押下により、当該照明装置3は消灯状態に遷移する。
【0050】
入力部P14は、屋内環境ENVにおける複数の照明装置3に対応付けられた入力部P11、P12、P13の照明制御に係る入力を受け付ける。全ての照明装置3が消灯状態にある場合、入力部P14の押下により、全ての照明装置3は点灯状態に遷移する。照明装置3が点灯状態にある場合、入力部P14の押下により、全ての照明装置3は消灯状態に遷移する。このとき、全ての照明装置3の内、1つでも点灯状態の照明装置3があった場合、入力部P14の押下により、全ての照明装置3は消灯状態に遷移する。
【0051】
入力部P11、P12、P13、P14は、照明装置3を示す、外観または文字情報を示すことが好ましい。また、各入力部と照明装置3の組合せに制限はなく、複数の入力部と、同一の照明装置3とを、対応付けるような構成としてもよい。
【0052】
図4(b)は、本発明の実施形態に係る操作装置2の内、調光に係る照明制御を行うための操作装置2の一例を示す。操作装置2は、入力部P101、P102、P103、P104、P105およびP106を含む、操作パネルP2を有する。操作パネルP2と各入力部とはそれぞれ、パネル識別番号PIDとスイッチ識別番号SIDが対応付けられている。
【0053】
各入力部は、それぞれ、客室としての屋内環境ENVにおける、リビングルーム、ナイトランプ(レフト)、ナイトランプ(ライト)の調光に係る入力を受け付ける。ナイトランプは、ベッドを含む寝具の近傍に設置された、照明装置3のことを指す。ナイトランプ(レフト)、ナイトランプ(ライト)は、それぞれ、2以上のナイトランプの内、ベッドの左端、右端に近接したナイトランプを指す。入力部P101、P103、P105は、押下により、当該照明装置3の照度を上昇させる、調光制御に係る入力を受け付ける。入力部P102、P104、P106は、押下により、当該照明装置3の照度を下降させる、調光に係る入力を受け付ける。
【0054】
図4(a)、(b)が示す、操作装置2は、操作装置2が有するLED光源により、各入力部が点灯するような構成としてもよい。また、ユーザによる押下に応じて、各入力部の照度が上昇し、視認性を向上させるような構成としてもよい。
【0055】
図4(c)は、操作パネルP1の一例を図示したものである。操作パネルP1またはP2は、タッチパネル部PX1と、制御部PX2と、パネル枠PX3と、パネルボディPX4と、パネル取付枠PX5と、を有する。
【0056】
タッチパネル部PX1は、ユーザにより入力部押下が行われる際に、ユーザの指等との接触部の機能を発揮する。制御部PX2は、1または複数の入力部を、同一の基板で支持する。パネル枠PX3とパネル取付枠PX5は、操作パネルP1またはP2を、屋内環境ENVにおける壁面等に取り付けるための固定具としての機能を発揮する。パネルボディPX4は、入力部と、通信部、信号制御部またはデータ処理部とを、電気的に接続する機能を発揮する。
【0057】
本実施形態における照明制御方法の手順について、図5にて図示する。
【0058】
図5(a)は、照明装置3に対する、操作装置2に対応付けられた有効識別情報の登録に係る処理を示す。
まず、操作装置2および照明装置3の電源をオンにする(ステップSTEP11)。
【0059】
異なる2つの入力部が押下された場合(ステップSTEP12でYes(Y))、信号通信手段202および登録要求手段203により、入力部に対応付けられた識別情報と、識別情報の登録に係る処理命令を示す操作信号の生成とが、照明装置3へ送信される(ステップSTEP13)。ユーザによる押下が、1つの入力部のみに対して行われた場合(ステップSTEP12でNo(N))、押下が行われる直前の状態へと遷移し、操作装置2および照明装置3の電源状態はオンのままとなる。
【0060】
なお、入力部の押下は、照明装置3の電源がオン状態になってから所定時間、操作モジュールC22側で受け付ける、というような構成が好ましい。なお、押下される異なる2つの入力部は、当該識別情報に対応付けられた入力部を含む。
【0061】
登録受付手段303は、操作装置2に係る識別情報を受信した後、有効識別情報の登録処理フェーズへ遷移する。なお、登録に係る処理は、データ処理部C321における識別情報の格納を含む。
【0062】
データ処理部C321において、有効識別情報として登録されている識別情報の数が、所定数未満である場合(ステップSTEP14でYes(Y))、登録受付手段303は当該識別情報を、有効識別情報として、データ処理部C321に格納する処理を開始する(ステップSTEP15)。このとき、有効識別情報としての登録が開始されたことを示す情報を、フラグ情報として操作装置2に送信するような構成が好ましい。
データ処理部C321において、有効識別情報として登録された識別情報の数が、所定の数と同値であった場合(ステップSTEP14でNo(N))、識別情報の登録処理フェーズは終了し、操作装置2における入力部の押下が行われる直前へと遷移し、操作装置2および照明装置3の電源はオン状態のままとなる。
【0063】
有効識別情報の登録処理が開始された場合、照度調整手段304は、所定の周期時間等により表現される点滅パターンを示す操作信号に基いて、照明部C322の照度を調整する(ステップSTEP16)。有効識別情報の登録に係る処理が行われている間、点滅処理は継続される。当該点滅処理が完了した後に、有効識別情報の登録処理が完了する(ステップSTEP17)。
このとき、所定の点滅パターンを示す操作信号は、識別情報とともに送信される構成が好ましい。また、当該点滅パターンは予めデータ処理部C321に格納され、ステップSTEP16において、照度調整手段304により参照されるような構成としてもよい。
【0064】
有効識別情報の登録要求または解除要求に係るユーザ操作は異なる構成が好ましい。具体的には、登録要求の場合は、異なる2つの入力部が長時間、押下されることを転機として登録要求に係る信号が生成される。また、解除要求の場合は、識別情報に対応付けられた入力部が連打されることを転機として解除要求に係る信号が生成される。
なお、有効識別情報の解除要求に係る処理は、図5(a)が図示する処理フローチャートの内、登録件数に依る処理の条件分岐(ステップSTEP14)を含めず、1つの入力部の連打を転機として、有効識別情報の解除に係る処理命令を示す操作信号および識別情報の送受信が行われる構成が好ましい。
【0065】
図5(b)は、照明制御を行う際の処理フローチャートを示す。
まず、操作装置2および照明装置3の電源をオンにする(ステップSTEP21)。
【0066】
操作装置2における入力部が押下されることにより(ステップSTEP22でYes(Y))、PWM指示信号Spが信号制御部C222へ入力され、信号生成手段201は、PWM信号Spwmを、操作信号として生成する(ステップSTEP23)。
なお、入力部の押下が行われない場合(ステップSTEP22でNo(N))、操作装置2および照明装置3の電源をオン状態のままとする。
【0067】
生成された操作信号および入力部に対応付けられた識別情報は、信号通信手段202により、照明装置3へと送信される(ステップSTEP24)。
【0068】
信号管理手段301は、操作信号および識別情報を受信した後、データ処理部C321に格納された有効識別情報を参照する。受信した識別情報と、データ処理部C321に格納された、有効識別情報と、が一致した場合(ステップSTEP25でYes(Y))、照度調整手段304は、受信した操作信号に基づき、照明部C322の照度およびその経時変化を調整する。受信した識別情報と有効識別情報と、が一致しない場合(ステップSTEP25でNo(N))、操作信号に基いた照明制御は実行されず、操作装置2における入力部の押下が行われる直前の状態へと遷移する。
【0069】
本実施形態に係る1または複数の照明装置3に対する照明制御の処理手順を示すシーケンス図を、図6に示す。
【0070】
操作装置2が有する入力部に対して、ユーザによる押下が行われた場合、当該入力部に対応付けられた識別情報が、照明装置3に対して送信される。照明装置3は、ハンドシェイク通信の一環として、照明装置3の照明ステータスを含むフラグ情報を、操作装置2に送信する。このとき、フラグ情報は、照明装置3が有する照明部C322が、点灯または消灯状態のいずれかにあることを示す情報を含む。具体的には、操作装置2は、照明装置3が所定の照度を有する場合、当該照明装置3が点灯状態であると判定する。
【0071】
操作装置2は、照明ステータスに係る情報を受信した後、照明ステータスに係る情報に基いて、操作信号を照明装置3に送信する。操作装置2は、点灯状態の照明装置3が1以上有る場合、消灯指示を示す操作信号を照明装置3に送信する。操作装置2は、点灯状態の照明装置3が無い場合、点灯指示を示す操作信号を、複数の照明装置3に送信する。
【0072】
なお、操作装置2は、点灯状態の照明装置3が1以上有る場合、点灯状態の照明装置3のみに対して、消灯指示を示す操作信号を送信するような構成としてもよい。
【0073】
図7は、操作装置2に係る有効識別情報の登録を、図示している。図7(a)、7(b)、7(c)はそれぞれ、照明装置3における電源のオンオフを示す状態、識別情報の登録要求の有無に係る状態、照明装置3における照明部C322の状態、を示している。
【0074】
図7(a)において、照明装置3の電源がオン状態になったとき(図5(b)、ステップSTEP21と同様)、図7(b)が示すとおり、識別情報の登録要求が実行されることで(図5(b)、ステップSTEP22でYes(Y))、操作装置2に対応付けられた識別情報の登録処理フェーズが始まる場合がある。
当該識別情報の有効識別情報としての登録が行われた場合(図5(b)、ステップSTEP27)、照明装置3における照明部C322の点滅が行われる(図5(b)、ステップSTEP28)。このとき、照明部C322は、図7(c)が示すような、所定の点滅パターンに基いて、制御される。初期時間T1、点滅時間T2、単位点滅時間T3、末期時間T4の値はそれぞれ、特に制限はない。
【0075】
識別情報の登録処理フェーズ中の、初期時間T1の間は、登録準備処理として、操作装置2から送信された識別情報の受信、および、データ処理部C321における有効識別情報の参照が行われる。点滅時間T2の間は、有効識別情報として識別情報が登録されるような構成としても良い。このとき、末期時間T4の間は、登録が完了したことを通知し、単位点滅時間T3の設定により、固有の点滅パターンが表現される。
なお、入力部または操作信号に応じて、初期時間T1、点滅時間T2、単位点滅時間T3、末期時間T4を異なる値とするような構成としてもよい。
【0076】
本発明によれば、空間配置自由度を維持しながら、操作装置2と、無線ネットワークとを介して、調光等を含む照明制御ができる。
【0077】
さらに、照明具と操作部を、異なる部屋に割り当て、制御することができるため、自由度の高いインテリアデザインに寄与する。
【0078】
さらに、配置・交換の自由をより高めた照明制御システムを提供ことができる。
【符号の説明】
【0079】
1 照明制御システム
2、2A、2B、2C 操作装置
3、3A、3B、3C 照明装置
C2 操作回路
C3 照明回路
C21、C31 電源モジュール
C22 操作モジュール
C221、C321 データ処理部
C222、C324 信号制御部
C223、C323 通信部
C224 入力部
C32 照明モジュール
C322 照明部
NW ネットワーク
201 信号生成手段
202、302 信号通信手段
203 登録要求手段
301 信号管理手段
303 登録受付手段
304 照度調整手段
ENV 屋内環境
PID パネル識別番号
SID スイッチ識別番号
P1、P2 操作パネル
P11、P12、P13、P14、P101、P102、P103、P104、P105、P106 入力部
PX1 タッチパネル部
PX2 制御部
PX3 パネル枠
PX4 パネルボディ
PX5 パネル取付枠
T1 初期時間
T2 点滅時間
T3 単位点滅時間
T4 末期時間
【要約】
【課題】
配置・交換の自由をより高めた照明制御システムを提供することを解決すべき課題とする。
【解決手段】
1または複数の入力部を含む操作装置と、複数の照明装置と、を備える照明制御システムであって、操作装置は、照明装置に対する操作信号の生成を行う信号生成手段と、通信部および無線ネットワークを介して、操作信号および入力部を識別するための識別情報を、送受信する信号通信手段と、を備え、照明装置は、受信した前記操作信号および識別情報を格納する信号管理手段と、操作信号に基いて、照明装置の照度を調整する照度調整手段と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7