(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6484764
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】調節式圧力解放掛け金
(51)【国際特許分類】
F16B 2/10 20060101AFI20190304BHJP
E05B 51/02 20060101ALI20190304BHJP
F16B 1/02 20060101ALI20190304BHJP
B64C 1/00 20060101ALI20190304BHJP
E05C 19/02 20060101ALI20190304BHJP
E05B 63/00 20060101ALI20190304BHJP
E05B 15/04 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
F16B2/10 D
E05B51/02 A
F16B1/02 Q
B64C1/00 A
E05C19/02 Z
E05B63/00
E05B15/04
【請求項の数】18
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-527858(P2018-527858)
(86)(22)【出願日】2016年8月24日
(65)【公表番号】特表2018-532964(P2018-532964A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】US2016048274
(87)【国際公開番号】WO2017035178
(87)【国際公開日】20170302
【審査請求日】2018年2月14日
(31)【優先権主張番号】62/210,135
(32)【優先日】2015年8月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516343516
【氏名又は名称】アーコニック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARCONIC INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドー,タイ
【審査官】
大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0242097(US,A1)
【文献】
国際公開第2012/096986(WO,A1)
【文献】
米国特許第05765883(US,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02551199(EP,A1)
【文献】
国際公開第2011/069103(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/10
B64C 1/00
E05B 15/04
E05B 51/02
E05B 63/00
E05C 19/02
E05C 3/24
F16B 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一端部と、前記第一端部の反対側の第二端部と、第一および第二側面部材であって、前記第一および第二側面部材の各々が、外面と、内面と、前記外面から前記内面に延在し、前記第一および前記第二端部の間に設けられる細長い溝とを含んでおり、前記第一および第二側面部材はその前記内面の間に空間を形成する、第一および第二側面部材と、前記第二端部に配置されており、第一および第二凹型曲面を含む基礎部分であって、前記第一および第二凹型曲面の各々が、前記第一および第二側面部材のうちの対応する1つの外面に隣接して配置されており、前記基礎部分は前記第一および第二凹型曲面の中間に設置され、前記空間に延在する第一溝を含む、基礎部分と、前記第一端部に配置されており、第二溝を含み、前記空間に延在する取り付け部分と、を有する筐体と、
前記第一端部に近接して前記筐体に回転自在に取り付けられており、前記筐体の前記第一および第二側面部材の間に配置されるボルトであって、前記ボルトは、曲線部分と、前記曲線部分上に設置された第一端部と、直線部分と、前記直線部分に設置された第二端部とを含んでおり、前記ボルトは、前記ボルトの前記直線部分が空間の中を延在し、前記ボルトの前記第二端部が前記筐体の前記取り付け部分の前記第二溝の中を延在し、そこから突出する第一位置と、前記ボルトの前記曲線部分が前記第二溝の中を延在し、そこから突出し、前記直線部分が前記第二溝の外に配置される第二位置の間で回転自在に移動可能である、ボルトと、
第一および第二圧縮バネであって、その一方は前記筐体の前記第一凹型曲面の中に配置され、その他方は前記筐体の前記第二凹型曲面の中に配置され、前記第一および第二圧縮バネのそれぞれは端部キャップを含む、第一および第二圧縮バネと、
前記第一および第二圧縮バネの間で前記筐体の中に配置される調節機構であって、前記調節機構は、第三圧縮バネと、前記第三圧縮バネの一方の端部に設置された中央キャップと、前記第三圧縮バネの反対側の端部に配置されたナットとを含む、調節機構と、
前記第一および第二圧縮バネの前記端部キャップおよび前記第三圧縮バネの前記中央キャップの中を延在するピンおよびローラーであって、前記ピンおよびローラーは、前記筐体の前記第一および第二側面部材の前記細長い溝の中に摺動自在に配置されている、ピンおよびローラーと、
を備えている掛け金。
【請求項2】
前記ナットは、前記筐体の前記第二端部にねじで固定される、請求項1の掛け金。
【請求項3】
前記第三圧縮バネに対する前記ナットの負荷は、前記筐体の縦軸に対して前記ナットを回転させることで調整されるように構成される、請求項2の掛け金。
【請求項4】
前記ナットは、止めピンによって前記筐体にさらに固定される、請求項3の掛け金。
【請求項5】
前記ボルトはその直線部分に形成され、前記曲面を成す部分の一方の端部に隣接した刻み目を含み、
前記ボルトの刻み目は、前記ボルトがその第一位置にある時に前記ピンおよびローラーを受け止めるように構成される、請求項3の掛け金。
【請求項6】
前記ボルトは、リベットによって前記筐体に回転自在に取り付けられる、請求項5の掛け金。
【請求項7】
前記ボルトは、前記ボルトの前記第二端部に圧力を掛け、前記ピンおよびローラーと接触するように前記ボルトを回転させ、前記ピンおよびローラーが前記ボルトの前記刻み目に係合するまで前記ピンおよびローラーを押すことで、その第二位置からその第一位置に回転されるように構成される、請求項6の掛け金。
【請求項8】
前記ボルトが、前記ボルトが前記筐体の前記側面部材の細長い溝に前記ピンおよびローラーを押し、前記第一、第二、および第三圧縮バネによって負荷が掛かるように、規定負荷が前記ボルトの第一端部に掛かった時にその第一位置からその第二位置に回転されるように構成される、請求項7の掛け金。
【請求項9】
前記ボルトが、前記ボルトの前記第二端部に圧力を掛け、前記ピンおよびローラーと接触するように前記ボルトを回転させ、前記ピンおよびローラーが前記ボルトの前記刻み目に係合するまで前記ピンおよびローラーを押すことで、その第二位置からその第一位置に回転されるように構成される、請求項8の掛け金。
【請求項10】
第一端部と、前記第一端部の反対側の第二端部と、第一および第二側面部材であって、前記第一および第二側面部材の各々が、外面と、内面と、前記外面から前記内面に延在し、前記第一および前記第二端部の間に設けられる細長い溝とを含んでおり、前記第一および第二側面部材はその前記内面の間に空間を形成する、第一および第二側面部材と、前記第二端部に配置されており、第一および第二凹型曲面を含む基礎部分であって、前記第一および第二凹型曲面の各々が、前記第一および第二側面部材のうちの対応する1つの外面に隣接して配置されており、前記基礎部分は、前記第一および第二凹型曲面の中間に設置され、前記空間に延在する第一溝を含む、基礎部分と、前記第一端部に配置されており、第二溝を含み、前記空間に延在する取り付け部分と、を有する筐体と、
前記第一端部に近接して前記筐体に回転自在に取り付けられており、前記筐体の前記第一および第二側面部材の間に配置されるボルトであって、前記ボルトは、曲線部分と、前記曲線部分上に設置された第一端部と、直線部分と、前記直線部分に設置された第二端部とを含んでおり、前記ボルトは、前記ボルトの前記直線部分が空間の中を延在し、前記ボルトの前記第二端部が前記筐体の前記取り付け部分の前記第二溝の中を延在し、そこから突出する第一位置と、前記ボルトの前記曲線部分が前記第二溝の中を延在し、そこから突出し、前記直線部分が前記第二溝の外に配置される第二位置の間で回転自在に移動可能である、ボルトと、
前記筐体の中に配置されており、圧縮バネと、前記圧縮バネの一方の端部に設置された中央キャップと、前記圧縮バネの反対側の端部に配置されたナットとを含む、調節機構と、
前記圧縮バネの前記中央キャップの中を延在するピンおよびローラーであって、前記ピンおよびローラーは、前記筐体の前記第一および第二側面部材の前記細長い溝の中に摺動自在に配置される、ピンおよびローラーと、
を備えている、掛け金。
【請求項11】
前記ナットは、前記筐体の前記第二端部にねじ留めされる、請求項10の掛け金。
【請求項12】
前記圧縮バネに対する前記ナットの負荷は、前記筐体の縦軸に対して前記ナットを回転させることで調整されるように構成される、請求項11の掛け金。
【請求項13】
前記ナットは、止めピンによって前記筐体にさらに固定される、請求項12の掛け金。
【請求項14】
前記ボルトがその直線部分に形成され、前記曲面を成す部分の一方の端部に隣接した刻み目を含み、前記ボルトの刻み目は前記ボルトがその第一位置にある時に前記ピンおよびローラーを受け止めるように構成される、請求項12の掛け金。
【請求項15】
前記ボルトは、リベットによって前記筐体に回転自在に取り付けられる、請求項14の掛け金。
【請求項16】
前記ボルトが、前記ボルトの前記第二端部に圧力を掛け、前記ピンおよびローラーと接触するように前記ボルトを回転させ、前記ピンおよびローラーが前記ボルトの前記刻み目に係合するまで前記ピンおよびローラーを押すことで、その第二位置からその第一位置に回転されるように構成される、請求項15の掛け金。
【請求項17】
前記ボルトは、前記ボルトが前記筐体の前記側面部材の細長い溝に前記ピンおよびローラーを押し、前記圧縮バネによって負荷が掛かるように、規定負荷が前記ボルトの第一端部に掛かった時にその第一位置からその第二位置に回転するように構成される、請求項16の掛け金。
【請求項18】
前記ボルトは、前記ボルトの前記第一端部に圧力を掛け、前記ピンおよびローラーと接触するように前記ボルトを回転させ、前記ピンおよびローラーが前記ボルトの前記刻み目に係合するまで前記ピンおよびローラーを押すことで、その第二位置からその第一位置に回転されるように構成される、請求項17の掛け金。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本発明は、「FINE-TUNED, ADJUSTABLE LOAD PRESSURE RELIEF LATCH(微調整された負荷調節式圧力解放掛け金)」という名称の2015年8月26日出願の共同所有、同時係属仮出願第62/210,135号に関し、その恩恵を主張し、その内容が引用により援用される。
【0002】
本発明は掛け金に関し、より詳しくは圧力解放掛け金に関するものである。
【背景技術】
【0003】
ハッチ、ドア、アクセスパネル、エンジンカウリング、およびレードームといった航空宇宙機体の外面に設置される、取り外し可能かつ移動可能な要素は、掛け金を使用する。望ましくは、規定負荷に到達した時に自動的に開くことが可能な掛け金を使用する。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、微調整された負荷範囲性能を提供する、微調整された負荷調節式圧力解放掛け金に関する。前記圧力解放掛け金は、飛行機エンジン室内部に高圧が蓄積された時に飛行機エンジン室のドアを確実に開くことができるようにして、飛行機エンジンの喪失を防止するために使用される。前記圧力解放掛け金は、要求される負荷に組み立てレベルにおいて可能な限り近くに微調整することができる。前記圧力解放掛け金は、工具、例えば標準のマイナススクリュードライバーが損傷したり、破壊されたりしないように、工具を用いるための経路を含む。一実施形態では、前記掛け金は航空宇宙機ドア、エンジン室といった航空宇宙分野での使用に適合される。別の実施形態では、前記掛け金をその他の分野および用途で使用することができる。
【0005】
一実施形態では、掛け金は以下を含む:すなわち、第一端部、前記第一端部の反対側の第二端部、第一および第二側面部材(これらのそれぞれは、外面、内面、および前記外面から前記内面に延在し、前記内面間の細長い溝を含み、前記第一および第二側面部材はその内面間に空間を形成する)、前記第二端部に配置され、第一および第二凹型曲面(これらのそれぞれは、前記第一および第二側面部材のうちの対応する1つの外面に隣接して配置される)を含む基礎部分(前記基礎部分は前記第一および第二凹型曲面の中間に設置された第一溝を含み、前記空間に延在する)、および前記第一端部に配置され、第二溝を含み、前記空間に延在する取り付け部分を有する筐体;その前記第一端部に近接し、前記筐体の前記第一および第二側面部材の間に位置して前記筐体に回転自在に取り付けられるボルト、ここで前記ボルトは曲線部分、前記曲線部分に設置された第一端部、直線部分、および前記直線部分に設置された第二端部を含み、前記ボルトは第一位置(この位置で、前記ボルト前記直線部分が前記空間の中を延在し、前記ボルトの前記第二端部は前記筐体の前記取り付け部分の前記第二溝の中を延在し、そこから突出する)と第二位置(この位置で、前記ボルトの曲面を成す部分が前記第二溝の中を延在し、そこから突出する、前記直線部分は前記第二溝の外に配置される)の間で回転自在に移動できるようになっている;第一および第二圧縮バネ、ここでその1つは前記筐体の前記第一凹型曲面の中に配置され、その他方は前記筐体の前記第二凹型曲面の中に配置され、前記第一および第二圧縮バネのそれぞれは端部キャップを含む;前記第一および第二圧縮バネの中間の前記筐体の中に配置された調節機構、ここで前記調節機構は第三圧縮バネ、前記第三圧縮バネの一方の端部に設置された中央キャップ、および前記第三圧縮バネの反対側の端部に配置されたナットを含む;および前記第一および第二圧縮バネの端部キャップおよび前記第三圧縮バネの中央キャップの中を延在するピンおよびローラー、ここで、前記ピンおよびローラーは前記筐体の前記第一および第二側面部材の前記細長い溝の中に摺動自在に配置されている。
【0006】
一実施形態では、前記ナットは前記筐体の前記第二端部にねじで固定される。一実施形態では、前記第三圧縮バネに対する前記ナットの負荷は、前記筐体の縦軸に対して前記ナットを回転させることで調整されるように構成される。一実施形態では、前記ナットは止めピンによって前記筐体にさらに固定される。
【0007】
一実施形態では、前記ボルトは、その直線部分に形成される前記曲面を成す部分の一方の端部に隣接した刻み目を含み、ここで、前記ボルトの刻み目は前記ボルトがその第一位置にある時に前記ピンおよびローラーを受け止めるように構成される。一実施形態では、前記ボルトはリベットによって前記筐体に回転自在に取り付けられる。一実施形態では、前記ボルトは、前記ボルトの前記第二端部に圧力を掛け、前記ボルトが前記ピンおよびローラーと接触するように前記ボルトを回転させ、前記ピンおよびローラーが前記ボルトの前記刻み目に係合するまで前記ピンおよびローラーを押すことで、前記ボルトの第二位置からその第一位置に回転するように構成される。一実施形態では、前記ボルトは、前記ボルトが前記筐体の前記側面部材の細長い溝に前記ピンおよびローラーを押し、前記第一、第二、および第三圧縮バネによって負荷が掛かるように、規定負荷が前記ボルトの第一端部に掛かった時に、前記ボルトの第一位置からその第二位置に回転するように構成される。一実施形態では、前記ボルトは、前記ボルトの前記第二端部に圧力を掛け、前記ピンおよびローラーと接触するように前記ボルトを回転させ、前記ピンおよびローラーが前記ボルトの前記刻み目に係合するまで前記ピンおよびローラーを押すことで、前記ボルトの第二位置からその第一位置に回転されるように構成される。
【0008】
一実施形態では、掛け金は以下を含む:第一端部、前記第一端部の反対側の第二端部、第一および第二側面部材(これらのそれぞれは、外面、内面、および前記外面から前記内面に延在し、前記内面間の細長い溝を含み、前記第一および第二側面部材はその内面間に空間を形成する)、前記第二端部に配置され、第一および第二凹型曲面(これらのそれぞれは、前記第一および第二側面部材のうちの対応する1つの外面に隣接して配置される)を含む基礎部分(前記基礎部分は、前記第一および第二凹型曲面の中間に設置された第一溝を含み、前記空間に延在する)、および前記第一端部に配置され、第二溝を含み、前記空間に延在する取り付け部分を有する筐体;その前記第一端部に近接し、前記筐体の前記第一および第二側面部材の間に配置された前記筐体に回転自在に取り付けられるボルト、ここで前記ボルトは曲線部分、前記曲線部分に設置された第一端部、直線部分、および前記直線部分に設置された第二端部を含み、前記ボルトは第一位置(この位置で、前記ボルト前記直線部分が前記空間の中を延在し、前記ボルトの前記第二端部は前記筐体の前記取り付け部分の前記第二溝の中を延在し、そこから突出する)と第二位置(この位置で、前記ボルトの曲面を成す部分が前記第二溝の中を延在し、そこから突出する前記直線部分は前記第二溝の外に配置される)の間で回転自在に移動できるようになっている;前記筐体の中に配置され、圧縮バネ、前記圧縮バネの一方の端部に設置された中央キャップ、および前記圧縮バネの反対側の端部に配置されたナットを含む調節機構;および前記圧縮バネの中央キャップの中を延在するピンおよびローラー、ここで前記ピンおよびローラーは、前記筐体の前記第一および第二側面部材の前記細長い溝の中に摺動自在に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、閉鎖位置で示された圧力解放掛け金の一実施形態の上面斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された前記圧力解放掛け金の底面斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示された前記圧力解放掛け金の上面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示された前記圧力解放掛け金の、線A−Aに沿って切り取り、矢印の方向から見た側面断面図である。
【
図5】
図5は、前記掛け金が開放位置で示され、
図1から4に示された前記圧力解放掛け金の上面斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5に示された前記圧力解放掛け金の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1から4に示した通り、一実施形態では、圧力解放掛け金10は、第一端部14および前記第一端部14の反対側の第二端部16を有する筐体12を含む。前記筐体12は第一および第二側面部材18、20を含み、それらのそれぞれは前記第一端部14から前記第二端部16に延在し、外面21、前記外面21の反対側の内面23、前記外面21から前記内面23に延在し、前記第一および第二端部14、16の中間の細長い溝22、および前記第一端部14に近接して設置され、前記外面21から前記内面23に延在する穴28を含む。空間30は前記第一および第二側面部材18、20の前記内面23の間に形成される。一実施形態では、前記筐体12はその第二端部16に形成された基礎部分32をさらに含む。前記基礎部分32は第一および第二凹型曲面34、36を含み、そのそれぞれが前記第一および第二側面部材18、20のうちの対応する1つの外面21の隣に配置される。前記基礎部分32は、前記凹型曲面34、36の中間に設置され、前記基礎部分32の上面39から前記空間30に延在する溝38をさらに含む。一実施形態では、前記溝38の形は実質的に長方形をしている。前記筐体12は、取り付け部分40の上面43から前記空間30に延在する溝42を有する取り付け部分40および複数の取り付け穴44をさらに含む。一実施形態では、前記溝42の形は実質的に長方形をしている。
【0011】
一実施形態では、前記圧力解放掛け金10はボルト46を含む。一実施形態では、前記ボルト46はJ字形である。別の実施形態では、前記ボルト46はU字形またはその他の適切な形状を有してもよい。一実施形態では、前記ボルト46は弓状/曲線部分50に設置された第一端部48および直線部分54に設置された第二端部52を含む。一実施形態では、前記ボルト46は、直線部分54の中で、前記曲線部分50の一方の端部の隣に形成されたボルト刻み目56を含む(
図4を参照)。一実施形態では、前記穴28に中に挿入されるリベット60によって前記ボルト46の前記第一端部48が前記筐体12の前記第一端部14に取り付けられることができるように、前記ボルト46は前記筐体12に回転自在に取り付けられる。一実施形態では、前記ボルト46が第一位置にある時に前記ボルト46の前記直線部分54が前記空間30の中を延在し、前記ボルト46がその最初の位置にある時に前記46の前記第二端部52は取り付け部分40の前記溝42の中を延在し、そこから突出する。
【0012】
一実施形態では、前記圧力解放掛け金10は前記筐体12の前記内部の中で、後述される第一および第二圧縮バネ78、80の中間に、前記掛け金10の縦軸に沿って配置される調節機構64を含む。一実施形態では、前記調節機構64は中央圧縮バネ66、前記圧縮バネ66の一方の端部に配置された中央キャップ68、前記中央キャップ68に取り付けられ、前記細長い溝22の中を延在するピン74およびローラー76、および前記圧縮バネ66の反対側の端部に配置された調節ナット70を含む。一実施形態では、前記調節ナット70は前記筐体12の前記第二端部16にねじ留めされ、止めピン72によってさらに固定される。一実施形態では、前記中央キャップ68および前記ローラー76は、前記筐体12の前記溝22によって導かれ前記ピン74の周囲を旋回する。一実施形態では、前記ピン74および前記ローラー76の組み合わせにより、前記掛け金10がその閉鎖位置にある時に前記ボルト46の前記ボルト刻み目56に係合する大きさおよび形状が構成される。
【0013】
一実施形態では、前記圧力解放掛け金10は前記第一および第二圧縮バネ78、80を含み、そのそれぞれは前記筐体12の前記基礎部分32の凹型曲面34、36のうちの対応する1つの中に配置される。前記バネ78、80のそれぞれの一方の端部は、前記基礎部分32の凹型曲面34、36のうちの対応する1つの後部内側部分81に対して配置される一方で、前記バネ78、80のそれぞれの他方の端部はそこに取り付けられた対応する側面キャップ82を含み、これは前記ピン74の対応する1つを受け止める。一実施形態では、前記ローラー76は、3つの圧縮バネ66、78、80からの負荷の結果として前記ボルト46と常に接触している。
【0014】
一実施形態では、前記中央圧縮バネ66上の前記調節ナット70の負荷は、標準的な六角レンチ、スクリュードライバー、または同種の工具を用いて、前記筐体12の縦軸に対して時計回りまたは反時計回りに前記ナット70を回転させることにより調節することができる。必要な負荷に到達すると、前記調節ナット70は前記止めピン72によって所定の位置に固定される。
【0015】
図5および6に示した通り、一実施形態では、前記掛け金10は規定負荷時に、その第一閉鎖位置からその第二開放位置に開くことができる。「規定負荷」の例として、エンジン室内部に圧力が蓄積し、規定圧力に到達すると、前記掛け金10は圧力を解放するためにエンジン室ドアを開くように押す。規定負荷に到達すると、前記ボルト46は時計回りに回転し、前記ピン74、および前記筐体12の前記側面部材18、20前記細長い溝22の中で前記筐体12の前記第二端部16に向けて前記ピン74によって導かれ、前記ローラー76と前記ボルト46の前記ボルト刻み目56との係合が解除されるまで、前記圧縮バネ66、78、80によって負荷が掛けられる前記ローラー76を押す。前記ローラー76は、前記圧縮バネ66、78、80による負荷時には前記ボルト46との接触を維持し、前記ピン74が前記筐体12の前記溝22の端部で停止するまで前記ボルトを反時計回りに回転させる。その後、前記圧縮バネ66、78、80は収縮し、前記中央キャップ68、前記ピン74および前記ローラー76を一方向のみに移動させる。この方向は、前記ボルト46から離れ、前記筐体12の前記第二端部16に向かう方向である。
【0016】
一実施形態では、マイナスドライバーといった標準的な工具によって、あるいは指による手動で、前記リベット60の周囲を旋回する前記ボルト46の前記第二端部52に圧力を掛けて反時計回りに回転させることで、前記掛け金10をその開放位置から閉じることができる。この関連で、前記ボルト46が前記ローカー76と接触する時、前記ボルト46は前記ローラー76が前記ボルト46の前記ボルト刻み目56に係合するまで前記ピン74および前記ローラー76を押してやる。その後、前記ボルト46は閉鎖位置に保持される。
【0017】
本願明細書で述べられる実施形態は単に典型的な事例にすぎず、当業者は本発明の精神および範囲から逸脱することなく、多くの変更および改変を施すことができる。そのような変更および改変のすべてが、添付請求項で定義されるように、本発明の範囲内に含まれることを意図している。