特許第6484776号(P6484776)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6484776-経口用組成物 図000007
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6484776
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】経口用組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/105 20160101AFI20190311BHJP
   A61K 36/185 20060101ALI20190311BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20190311BHJP
   A61P 3/10 20060101ALN20190311BHJP
   A61P 3/06 20060101ALN20190311BHJP
【FI】
   A23L33/105
   A61K36/185
   A61K9/20
   !A61P3/10
   !A61P3/06
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-121378(P2018-121378)
(22)【出願日】2018年6月26日
(62)【分割の表示】特願2017-229978(P2017-229978)の分割
【原出願日】2017年11月30日
【審査請求日】2018年7月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏哉
(72)【発明者】
【氏名】長崎 歩
(72)【発明者】
【氏名】高垣 欣也
【審査官】 柴原 直司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−014165(JP,A)
【文献】 特開2017−141199(JP,A)
【文献】 特開2017−012144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 33/105
A61K 36/185
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ターミナリア加工物と、(B)滑沢剤及び/又は(C)賦形剤を含有し、(B)及び/又は(C)の合計量が(A)、(B)及び(C)の合計量に対して9.09質量%以上であることを特徴とする経口用組成物であって、(A)ターミナリア加工物が、(A)、(B)及び(C)の合計量に対して10質量%以上であり、(B)滑沢剤の含有量が(A)、(B)及び(C)の合計量に対して1.01質量%以上であり、(C)賦形剤が少なくとも糖アルコールを含有し、前記組成物が錠剤、チュアブル状剤のいずれかであること特徴とする経口用組成物。
【請求項2】
(A)ターミナリア加工物と、(B)滑沢剤及び/又は(C)賦形剤を含有し、(B)及び/又は(C)の合計量が(A)、(B)及び(C)の合計量に対して9.09質量%以上であることを特徴とする経口用組成物であって、(B)滑沢剤の含有量が(A)、(B)及び(C)の合計量に対して1.01質量%以上であり、(C)賦形剤が少なくとも糖アルコールを含有し、組成物中に含まれる没食子酸又はその塩の含有量が0.8質量%以上であることを特徴とする経口用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターミナリア加工物を含有する経口用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、成人病予防、糖尿病対策、血糖値低下、肥満解消等への関心がますます高まりつつあり、様々な健康食品が開発されている。健康食品においては、それらの効果を有する機能性素材の開発が求められている。例えば、難消化性デキストリンには整腸作用や高コレステロール血症の改善作用等が知られている。昨今では、1つの商品で複数の効果をもたらす健康食品の需要が急速に高まっている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】アサヒ飲料株式会社 ニュースリリース 「新提案!2つのヘルスクレームでW(ダブル)のトクホ『アサヒ 食事と一緒に十六茶W(ダブル)』4月15日(火)新発売」ホームページ(URL: https://www.asahiinryo.co.jp/company/newsrelease/2014/pick_0205-2.html)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つの成分で複数の効果をもたらす成分として、本願出願人はターミナリア加工物に着目した。しかしながら、ターミナリア加工物は吸湿性が高く、製剤化した際の保存時の安定性に問題があり、また、特有の苦味を有するものであり、その解決方法の検討が必要であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願出願人は、上記課題を鑑みて鋭意検討を行った結果、ターミナリア加工物と、滑沢剤及び/又は賦形剤とを含有し、滑沢剤及び/又は賦形剤の配合量を調整することにより、保存時の安定性が高く、しかも苦味を抑制できる経口用組成物を製造できることを見出し、本発明に至った。
【0006】
本発明の概要は、以下の通りである。
<1>(A)ターミナリア加工物と、(B)滑沢剤及び/又は(C)賦形剤を含有し、(B)及び/又は(C)の合計量が(A)、(B)及び(C)の合計量に対して7質量%以上であることを特徴とする経口用組成物。
<2>(A)ターミナリア加工物と、(B)滑沢剤及び/又は(C)賦形剤を含有し、(B)及び/又は(C)の合計量が(A)、(B)及び(C)の合計量に対して7質量%以上であることを特徴とする経口用組成物(但し、ショ糖脂肪酸エステル、還元麦芽糖を同時に含有する場合を除く)。
<3>(A)ターミナリア加工物が、(A)、(B)及び(C)の合計量に対して10質量%以上であることを特徴とする<1>又は<2>のいずれかに記載の経口用組成物。
<4>(B)滑沢剤が、ステアリン酸又はその塩、脂肪酸エステル、ナタネ硬化油から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の経口用組成物。
<5>(C)賦形剤が、デンプン又はその誘導体、セルロース又はその誘導体、糖アルコール、二糖類から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の経口用組成物。
<6>さらに、(D)流動化剤を含有することを特徴とする<1>〜<5>のいずれかに記載の経口用組成物。
<7>(B)滑沢剤と(D)流動化剤の合計量が、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量に対して1質量%以上であることを特徴とする<1>〜<6>のいずれかに記載の経口用組成物。
<8>組成物中に含まれる没食子酸又はその塩の含有量が0.1質量%以上であることを特徴とする<1>〜<7>のいずれかに記載の経口用組成物。
<9>錠剤であることを特徴とする<1>〜<8>のいずれかに記載の経口用組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ターミナリア加工物と、滑沢剤及び/又は賦形剤とを含有し、滑沢剤及び/又は賦形剤の合計量をターミナリア加工物、滑沢剤及び賦形剤の合計量に対し7質量%以上とすることにより、保存安定性が高く、しかも苦味を抑制した経口用組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】保存安定性試験後の比較例1、実施例3の写真を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の経口用組成物について説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではない。
【0010】
(A)ターミナリア加工物
ターミナリアとは、シクンシ科モモタマナ属の広葉樹である。本発明においては、例えば、Terminalia bellirica(belerica)、Terminalia catappa、Terminalia tomentosa、Terminalia citrina、Terminalia phellocarpa、Terminalia copelandii、Terminalia brassi、Terminalia ivorensis、Terminalia superba、Terminalia arjuna、Terminalia chebula等を挙げることができ、これらの中でも、Terminalia bellirica(belerica)、Terminalia chebulaが好ましく、血糖値上昇抑制効果や中性脂肪上昇抑制効果を奏するTerminaria belliriccaが特に好ましい。また、本発明においては、ターミナリアの果実を用いることが好ましい。本発明の経口用組成物におけるターミナリア加工物の含有量は特に限定はないが、好ましくは5質量%以上95質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上90質量%以下である。
【0011】
本発明のターミナリア加工物は、粉砕物、搾汁、抽出物等の処理物を使用することができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられる。搾汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することにより得ることができ、使用できる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。本発明においては、血糖値上昇抑制効果や中性脂肪上昇抑制効果を効果的に発揮する点から、水、メタノール、エタノール、又はこれらの混合溶媒を使用することが好ましい。抽出の際の温度は、室温から抽出溶媒の沸点以下の温度まで、適宜調整することができる。本発明においては、市販品を使用することができる。
【0012】
(B)滑沢剤
滑沢剤とは、錠剤用の粉末を圧縮する際に打錠機杵臼と錠剤間の摩擦を緩和し、スティッキングなどの打錠障害を防ぐために使用するものである。本発明に使用できる滑沢剤としては、上記目的を達成することが可能な成分であれば特に制限はなく、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸又はその塩、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール、ショ糖脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル、植物油脂、硬化油、タルクなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよし、2種以上を併用してもよい。滑沢剤は、市販品を使用することができる。本発明においては、得られる組成物の保存安定性の向上、苦味改善の観点からステアリン酸又はその塩、脂肪酸エステル、ナタネ硬化油が好ましく、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ナタネ硬化油がより好ましい。
【0013】
本発明における滑沢剤の含有量は特に限定はないが、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上である。
【0014】
(C)賦形剤
賦形剤とは、組成物の取扱いあるいは成形の向上や服用を便利にするために加えるものである。本発明に使用できる賦形剤としては特に制限はなく、例えば、デンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、デンプン分解物等のデンプン又はその誘導体、デキストリン、還元パラチノース、還元麦芽糖等の糖アルコール、乳糖、麦芽糖等の二糖類、ビール酵母、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース又はその誘導体、精製白糖、軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、沈降炭酸カルシウム等などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。賦形剤は、市販品を使用することができる。本発明においては、製造性の向上や組成物の保存安定性の向上、苦味改善の観点からデンプン又はその誘導体、セルロース又はその誘導体、糖アルコール、二糖類等の糖類が好ましく、アルファー化デンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、還元パラチノース、還元麦芽糖、乳糖、麦芽糖がより好ましい。
【0015】
本発明において、(B)滑沢剤及び/又は(C)賦形剤の含有量は、(A)ターミナリア加工物、(B)滑沢剤及び(C)賦形剤の合計量に対し、7質量%以上であればよく、好ましくは10質量%以上である。また、95質量%以下が好ましく、より好ましくは90質量%以下である。上記配合比とすることにより、得られる経口用組成物は保存時の安定性が高く、しかも苦味を抑制することができる。
【0016】
本発明において、(A)ターミナリア加工物の含有量は、(A)ターミナリア加工物、(B)滑沢剤及び(C)賦形剤の合計量に対し、ターミナリア加工物の有する効果を十分に発揮するため、5質量%以上が好ましく、より好ましくは10質量%以上である。また、93質量%以下であればよく、好ましくは90質量%以下である。
【0017】
(D)流動化剤
本発明においては、(A)ターミナリア加工物、(B)滑沢剤、(C)賦形剤の他に(D)流動化剤を使用することが好ましい。本発明における流動化剤とは、混合末や顆粒の流動性を改善するために使用するものである。本発明に使用できる流動化剤としては特に制限はなく、例えば二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。流動化剤は、市販品を使用することができる。本発明においては、製造性の向上や組成物の保存安定性の向上、苦味改善の観点から二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸カルシウムが好ましく、二酸化ケイ素、リン酸カルシウムがより好ましい。
【0018】
本発明において、(D)流動化剤を含有する場合は、組成物中に0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が特に好ましい。また、(A)ターミナリア加工物、(B)滑沢剤、(C)賦形剤及び(D)流動化剤の合計量に対し、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が特に好ましい。
【0019】
また、本発明においては、保存安定性の向上、苦味改善の観点から(A)ターミナリア加工物、(B)滑沢剤、(C)賦形剤及び(D)流動化剤の合計量に対し、(B)滑沢剤と(D)流動化剤を合計で0.5質量%以上含有することが好ましく、1質量%以上含有することがより好ましく、1.5質量%以上含有することが特に好ましい。
【0020】
本発明の経口用組成物は、没食子酸又はその塩を含有することが好ましい。没食子酸又はその塩としては、合成により得られるものや、天然物から抽出したもの、抽出物を酵素等により処理したもの等、特に制限はないが、血糖値上昇抑制効果や中性脂肪上昇抑制効果の観点から、ターミナリア加工物由来の没食子酸又はその塩を含有することが好ましい。本発明における没食子酸又はその塩の含有量は、組成物中に0.001質量%以上が好ましく、より好ましくは0.01質量%以上であり、特に好ましくは0.1質量%である。また、没食子酸又はその塩は、組成物中に30質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以下であり、特に好ましくは10質量%以下である。
【0021】
本発明の経口用組成物における没食子酸又はその塩の含有量は、通常知られている没食子酸又はその塩の分析法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することができる。例えば、液体クロマトグラフィー法で分析することが可能である。なお、測定の際には装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
【0022】
本発明においては、(A)ターミナリア加工物、(B)滑沢剤、及び(C)賦形剤の他に経口用組成物に使用可能な成分を使用できる。例えば、ターミナリア加工物以外の動植物由来成分、結合剤、崩壊剤、各種担体、安定(化)剤、界面活性剤、可塑剤、可溶(化)剤、還元剤、緩衝剤、甘味剤、基剤、吸着剤、矯味剤、抗酸化剤、光沢化剤、コーティング剤、剤皮、湿潤剤、湿潤調整剤、充填剤、清涼化剤、着色剤、着香剤、香料、糖衣剤、等張化剤、軟化剤、乳化剤、粘稠化剤、粘稠剤、発泡剤、pH調整剤、稀釈剤、分散剤、崩壊補助剤、崩壊延長剤、芳香剤、防湿剤、防腐剤、保存剤、溶解剤、溶解補助剤、溶剤、帯電防止剤、保湿剤、付湿剤等を挙げることができる。
【0023】
本発明の経口用組成物の形態としては、例えば、錠剤、顆粒剤、細粒剤、粉末剤、ソフトカプセルやハードカプセル等のカプセル剤、チュアブル状剤、粒状剤、棒状剤、板状剤、ブロック状剤、固形状剤、丸状剤、カプレット状剤、スティック状剤等を挙げることができる。これらの中でも、錠剤、顆粒剤、粉末剤、カプセル剤、チュアブル状剤の形態が好ましく、錠剤、チュアブル状剤が特に好ましい。また、本発明の経口用組成物は、食品、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、健康食品として使用することが好ましい。
【実施例】
【0024】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0025】
表1に示す各成分を混合した後、打錠機を用いて、1粒あたり250mg、錠径8mmの錠剤を製造した。なお、ターミナリア加工物はターミナリアベリリカ(Terminalia bellirica)果実の水抽出物を使用し、ステアリン酸カルシウム、還元パラチノース及び二酸化ケイ素は市販品を使用した。ターミナリアベリリカ抽出物を高速液体クロマトグラフィー法で分析したところ、没食子酸が8.4%含まれていた。
【0026】
【表1】
【0027】
(1)安定性評価
比較例1〜3及び実施例1〜3の錠剤を、プラスチック製のカップに入れ、温度40℃、湿度75%の条件下で15時間静置した。表2の項目及び評価基準に従い、保存前後の錠剤の性状を評価した。評価項目を表2に、評価結果を表3に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
表2において、「+:わずかに変形あり」とは、錠剤の表面が変化する程度の変形を示し、「++:変化あり」とは、錠剤の角が取れる程度の変形を示し、「+++:明らかな変形あり」とは、錠剤の角が取れ、錠径が変わる程度の変形を示す。表3より、温度40℃、湿度75% 15時間保存後の比較例1〜3は錠径が広がり、形状が大きく変形し、容器への付着が発生した。一方、同一条件で保存した実施例1〜3は錠径にほとんど変化はなく、また、形状変化もほとんど見られなかった。このことより、本発明の経口用組成物は、保存安定性が高い組成物であることがわかった。
【0031】
(2)官能評価
比較例1及び実施例1,2,4の錠剤について、官能評価を実施した。具体的には、比較例1を基準とし、以下の判断により苦味が改善されたか否かを判断した。評価結果を表4に示す。
0点:改善されていない
1点:やや改善されている
2点:改善されている
3点:明らかに改善されている
【0032】
【表4】
【0033】
表4より、本発明の経口用組成物は、ターミナリアベリリカ抽出物由来の苦味が改善された組成物であることがわかった。
【0034】
(3)製造性評価
比較例1〜3、実施例1〜4について、製造性の評価を行った。比較例1は原料を臼に入れ辛く、打錠し辛いものであった。比較例2,3は比較例1と比べて各原料の混合物は取扱いやすいものの、打錠の際に臼との摩擦があり、また一部欠けた錠剤が得られた。一方、実施例1〜4は各原料の混合物が取扱いやすく、また、欠けのないきれいな錠剤を得ることができた。
【0035】
以下に、本発明の経口用組成物の製造例を示す。いずれも実施例と同様の製法にて製造することができる。
【0036】
【表5】
【0037】
得られた組成物は、いずれも保存時の安定性が高く、しかも苦味が抑制された経口用組成物を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明によれば、ターミナリア加工物と、滑沢剤及び/又は賦形剤とを含有することにより、保存時の安定性が高く、しかも苦味が抑制された経口用組成物を提供することができる。
【要約】
【課題】
本発明は、ターミナリア加工物を含有し、保存時の安定性が高く、しかも苦味を抑制できる経口用組成物を得ることを目的とする。
【解決手段】
(A)ターミナリア加工物と、(B)滑沢剤及び/又は(C)賦形剤を含有し、(B)及び/又は(C)の合計量が(A)、(B)及び(C)の合計量に対して7質量%以上であることを特徴とする経口用組成物。
【選択図】
なし
図1