(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6484849
(24)【登録日】2019年3月1日
(45)【発行日】2019年3月20日
(54)【発明の名称】樹脂成形装置
(51)【国際特許分類】
B29C 49/48 20060101AFI20190311BHJP
B29C 49/62 20060101ALI20190311BHJP
【FI】
B29C49/48
B29C49/62
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-215052(P2014-215052)
(22)【出願日】2014年10月22日
(65)【公開番号】特開2016-78403(P2016-78403A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年8月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【弁理士】
【氏名又は名称】矢田 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100189186
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】大野 慶詞
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 秀次
【審査官】
▲来▼田 優来
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−231543(JP,A)
【文献】
特開昭55−095537(JP,A)
【文献】
特開昭61−086236(JP,A)
【文献】
特開昭63−309434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C33/10,33/18,49/48,49/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂成形装置であって、
シート状のパリソンを押し出す一対の押出装置と、
前記一対の押出装置のそれぞれから押し出される2枚の前記パリソンを所定形状に成形する型締め装置と、
圧縮空気を生成し、生成される前記圧縮空気を送出するコンプレッサと、
前記コンプレッサから送出される前記圧縮空気を流通させることによって真空を発生する真空発生器と
を備え、
前記型締め装置が、前記パリソンを成形するキャビティと、前記キャビティに接続される細管と、前記細管を介して前記キャビティに連通する真空吸引室とを有する金型を含み、
前記真空発生器が、前記圧縮空気を高速で放出するノズルと、前記ノズルから放出される前記圧縮空気を流通させることによって内圧を低下させるディフューザとを有し、
前記真空吸引室と前記ディフューザとが、配管を介して連通している樹脂成形装置。
【請求項2】
前記コンプレッサが、前記真空発生器への前記圧縮空気の送出を制御する切替え部を有する請求項1に記載の樹脂成形装置。
【請求項3】
前記真空発生器が、前記配管に連通する貫通孔を有し、
前記貫通孔が、前記ノズルの先端部の近傍に配設されている請求項1又は請求項2に記載の樹脂成形装置。
【請求項4】
前記ノズルが、前記ディフューザ内の圧縮空気流路と同軸に配設されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の樹脂成形装置。
【請求項5】
前記ディフューザの内径が、前記ノズルの内径よりも大きい請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の樹脂成形装置。
【請求項6】
前記一対の押出装置のそれぞれが、前記パリソンを挟圧しながら前記型締め装置へ送出する一対のローラを有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の樹脂成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形装置および樹脂成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえばブロー成形あるいは真空成形による樹脂成形装置は、真空吸引室を有する金型を備え、該真空吸引室は金型のキャビティ面に形成された複数の細管に連通されるようになっている。金型のキャビティ面に対向される熱可塑性樹脂は、真空吸引室を真空状態にすることによりキャビティ面に吸引され、該キャビティ面の凹凸に応じた形状に成形されるようになっている。そして、金型の真空吸引室には、電気を駆動力とするたとえばオイルロータリポンプ(油回転ポンプ)を用いた真空発生装置によって得られる真空圧に応じた圧力を発生させている。
【0003】
しかし、このように構成される樹脂成形装置は、その真空発生装置が大掛かりな初期投資を必要とし、配管が複雑になるとともに、常に負荷がかかるため、低寿命でありランニングコストが高くなるという不都合があった。
【0004】
なお、本発明に関連する技術として、たとえば下記特許文献1に開示されたものが知られている。特許文献1には、成型品を吸着パッドにより吸着保持して取り出す成型品取出し機において、吸着パッドの成型品に対する吸着保持は、負圧発生装置内において圧縮空気を通過させる際に発生する負圧によって行っている記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−233817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、簡単な構成からなり、必要なときに真空を発生させることができ、高寿命でランニングコストの低い樹脂成形装置および樹脂成形方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の樹脂成形装置は、圧縮空気を生成するコンプレッサと、前記コンプレッサに接続され、前記コンプレッサから前記圧縮空気が送入されるノズルと、前記ノズルから高速で放出された前記圧縮空気が流入して圧力低下による真空を発生させるデフューザとを有する真空発生器と、前記デフューザに真空吸引室と配管を介して接続された金型と、を備えることを特徴とする。
【0008】
(2)本発明の樹脂成形装置は、(1)の構成において、前記コンプレッサが、前記真空発生器の前記ノズルに前記圧縮空気の送入を制御する切替え部を有することを特徴とする。
【0009】
(3)本発明の樹脂成形方法は、コンプレッサによって圧縮空気を生成する工程と、前記コンプレッサからの前記圧縮空気を真空発生器に送入し、前記圧縮空気の高速流入による圧力低下によって前記真空発生器のデフューザに真空を発生させる工程と、前記デフューザの真空の発生に応じて金型の真空吸引室に真空を発生させる工程と、を備えることを特徴とする。
【0010】
(4)本発明の樹脂成形方法は、(3)の構成において、前記真空発生器への前記圧縮空気の送入が、前記コンプレッサに備えられた切替え部の制御によってなされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
このような構成からなる樹脂成形装置および樹脂成形方法によれば、簡単な構成からなり、必要なときに真空を発生させることができ、高寿命でランニングコストを低くすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の樹脂成形装置の実施形態1を示す側面図である。
【
図2】本発明の樹脂成形装置の型締装置の部分であって、パリソンが金型のキャビティ面に吸引されていることを示した断面図である。
【
図3】本発明の樹脂成形装置の型締装置の部分であって、一対のパリソンによって成形品が形成されていることを示した断面図である。
【
図4】本発明の樹脂成形装置に備えられるコンプレッサと真空発生器との関係を示すブロック図である。
【
図5】本発明の樹脂成形装置に備えられる真空発生器の構成を示す断面図である。
【
図6】従来の樹脂成形装置における真空形成方法の一例を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0014】
(実施形態1)
図1は、本発明の樹脂成形装置の実施形態1を示す側面図で、一部において断面図で示している。
図1に示す樹脂成形装置10は、いわゆるブロー成形を行うための装置となっており、押出装置20と、押出装置20の下方に配置された型締装置40とから構成されている。押出装置20から押し出された2枚のシート状の熱可塑性樹脂のパリソン50(50A、50B)を型締装置40に送り、該型締装置40によりパリソン50(50A、50B)を所定の形状に成形するようになっている。
【0015】
ここで、一方のパリソン50Aを押し出す押出装置20と該パリソン50Aを成形する型締装置40と他方のパリソン50Bを押し出す押出装置20と該パリソン50Bを成形する型締装置40とが左右対称のほぼ同様の構成となっている。それ故、左右の同様の構成部材には同番号を付し、図中左側の各構成部材には符号Aを、図中右側の各構成部材には符号Bを添えて表すようにする。そして、図中左側の各構成部材を主として説明し、必要に応じて図中右側の各構成部材との関係を示すようにする。
【0016】
まず、押出装置20Aは、ホッパー21Aが敷設されたシリンダー22Aと、シリンダー22A内に設けられたスクリュー(図示せず)と、スクリューに連結された油圧モーター23Aと、シリンダー22Aと内部が連通したアキュムレータ24Aと、アキュムレータ24A内に設けられたプランジャー25Aとを有する。ホッパー21Aから投入された樹脂ペレットが、シリンダー22A内で油圧モーター23Aによるスクリューの回転により溶融、混錬され、溶融状態の樹脂がアキュムレータ24Aに移送されて一定量貯留され、プランジャー25Aの駆動によりTダイ26Aに向けて溶融樹脂を送り、押出スリット27Aを通じて連続的なシート状のパリソン50Aが押し出されるようになっている。
【0017】
押し出されたパリソン50Aは、間隔を有して配置された一対のローラ28Aによって狭圧されながら下方に送り出されて型締装置40に垂下されるようになる。押出装置20Bも押出装置20Aと同様の構成となっており、押出装置20Bからのパリソン50Bは、押出装置20Aからのパリソン50Aとほぼタイミングを同じくして押し出され、パリソン50Aとともに型締装置40に垂下されるようになっている。
【0018】
型締装置40Aは、2つの分割形式の金型41A、41Bを有し、各金型41A、41Bは各パリソン50A、50Bを間にして互いに近接する方向(図中α方向)へ駆動できるように配置されている。各金型41A、41Bはそれらキャビティ42A、42Bを互いに対向させた状態で配置されている。金型41Aのキャビティ42Aの表面には、パリソン50Aによって成形される成形品の外形に応じた凹凸部(図示せず)が設けられている。
【0019】
また、金型41Aにおいて、キャビティ42Bの回りには環状の突起からなるピンチオフ部43Aが形成されている。金型41Bのキャビティ42Bの表面もパリソン50Bによって成形される成形品の外形に応じた凹凸部(図示せず)が設けられ、キャビティ42Bの回りには環状の突起からなるピンチオフ部43Bが形成されている。これらピンチオフ部43A、43Bは、パリソン50A、50Bによって成形される成形品のいわゆるパーティングラインを形成するようになっている。
【0020】
また、金型41A内には真空吸引室45Aが形成され、真空吸引室45Aは金型41Aのキャビティ42A面に散在して形成された複数の細管46Aに連通されるようになっている。また、真空吸引室45Aは金型41Aのキャビティ42Aが形成された面と反対側の面に取り付けられた真空発生器48Aと連通孔(配管)47Aを通して連通されるようになっている。真空吸引室45Aは連通孔(配管)47Aを通して真空発生器48Aによって減圧されるようになっている。同様に、金型41B内にもキャビティ42B面に散在して形成された複数の細管46Bに連通された真空発生器48Bが形成され、該真空発生器48Bは金型41Bのキャビティ42B面と反対側の面に取り付けられた真空発生器48Bと連通孔(配管)47Bを通して連通されるようになっている。真空吸引室45Bは連通孔(配管)47Bを通して真空発生器48Bによって減圧されるようになっている。
【0021】
ここで、たとえば真空発生器48Aは、
図4に示すように、コンプレッサ60から圧縮空気が送入されるようになっており、この圧縮空気の送入にともなって金型41A内の真空吸引室45Aに圧力低下による真空を発生させるようになっている。コンプレッサ60には切替え部60Pが備えられ、この切替え部60Pの制御(たとえば、ON、OFF)によって必要なときに真空発生器48Aに圧縮空気を送入できるようになっている。
【0022】
そして、コンプレッサ60から真空発生器48Aへの圧縮空気の送入経路において、順次コントロールバルブ62及び切替えバルブ64が備えられている。コントロールバルブ62は、コンプレッサ60から導入される圧縮空気(正圧エア)の流量を調整できるようになっている。たとえば、コントロールバルブ62は、圧縮空気の流量を300l/min〜1500l/minの範囲で調整することによって、コントロールバルブ62からの圧縮空気(正圧エア)の圧力を1.2Bar〜4.0Barに調整できるようなっている。
【0023】
また、切替えバルブ64は、真空吸引のタイミングでON、OFF切替えを行って真空を発生させるバルブであり、この切替えバルブ64の操作によって、−30kPa以上の真空圧、好ましくは−35kPa〜−95kPaの真空圧を得、成形時の転写性を良好にできるようになっている。このようにコントロールバルブ62と切換えバルブ64を併用することで所定のタイミングで所望の真空圧を得ることができるため、成形するパリソンを構成する樹脂の種類、肉厚、金型の形状によって真空圧を最適な範囲に調整することが容易となる。また、加飾のカーペットあるいはシートをインサート成形する際は、真空圧は−60kPa以上とすることが好ましい。なお、真空吸引室45Aの詳細な構成については後述する。
【0024】
図2は、
図1に示す樹脂成形装置10のうち型締装置40を抜き出して示した図である。
図2において、垂下されたパリソン50Aに対して金型41Aが図中α方向に駆動し、金型41Aのピンチオフ部43Aがパリソン50Aに当接したときに、真空発生器48Aによって真空吸引室45Aを減圧し、パリソン50Aをキャビティ42A(
図1参照)の表面に吸引させるようになっている。これにより、パリソン50Aはキャビティ42Aの表面の凹凸部に応じた外観形状が得られるようになる。金型Bも同様の動作をし、パリソン50Bはキャビティ42B(
図1参照)の表面の凹凸部に応じた外観形状が得られるようになる。
【0025】
なお、
図3は、金型41A、41Bがさらに近接され、金型41Aのピンチオフ部43Aと金型41Bのピンチオフ部43Bがパリソン50A、50Bを介して当接するまで駆動された場合を示している。これにより、キャビティ42A内のパリソン50Aとキャビティ42B内のパリソン50Bとで成形品が形成されピンチオフ部43A、43Bに挟持された部分がパーティングラインとして形成されるようになっている。本実施形態では2枚のシート状パリソンを用いた特殊なブロー成形方法について説明を行ったが、通常の円筒状のパリソンを用いた一般的なブロー成形方法における真空吸引に適用することが可能であり、型締め後にパリソン内への加圧エアの導入と併用して金型キャビティの表面から金型とパリソン間の空気を真空吸引することで、複雑な形状、微細な表面形状、ブロー比の高い成形し難い形状であってもパリソンの破れや、外観の低下を生じることなく成形することが可能となる。
【0026】
図5は、真空発生器48Aの構成を示す断面図である。
図5において、真空発生器48Aは、上述したように、たとえば金型41Aの面に真空吸引室45A(
図1参照)に連通される連通孔(配管)47Aを被うようにして取り付けられている。真空発生器48Aは、圧縮空気流路71を備え、その一端の真空発生器48Aの側面にはコンプレッサ60(
図4参照)からの圧縮空気が送入される送入口72が形成され、他端の真空発生器48Aの側面には該圧縮空気が送出される送出口73が形成されている。圧縮空気流路71の一端の近傍には圧縮空気流路71と同軸にノズル74が配置されている。ノズル74から送出口73までの圧縮空気流路71はデフューザ75として機能するようになっている。
【0027】
送入口72から送入された圧縮空気(図中符号Pで示す)は該ノズル74によって流経が絞られて放出(高速噴出)され、デフューザ75へ流入することにより該デフューザ75内は圧力が低下し、真空が発生するようになっている。この場合、圧縮空気流路71内の減圧は、コンプレッサ60(
図4参照)からの圧縮空気の量の増大に応じて増大させることができ、その制御を容易にすることができる。
【0028】
一方、金型41の連通孔(配管)47Aは、圧縮空気流路71のノズル74の先端部の近傍における内壁面に設けられた貫通孔76に連通されるようになっている。また、金型41Aの連通孔(配管)47Aが形成された周辺面と貫通孔76が形成された真空発生器48Aの周辺面の間には、弾性を有する樹脂製の筒状パッド77が連通孔(配管)47Aおよび貫通孔76とほぼ同軸になるように介在されている。筒状パッド77は、連通孔(配管)47Aと貫通孔76との気密性を確保して連通を図るようになっている。
【0029】
上述したように、真空発生器48Aの送入口72にコンプレッサ60(
図4参照)からの圧力調整された圧縮空気を送入することにより、ノズル74の近傍の圧縮空気流路71内は減圧され、この減圧は、金型41Aの真空吸引室45A(
図1参照)内の空気を、連通孔(配管)47A、筒状パッド77及び貫通孔76を通して引き込み(図中符号Qで示す)、減圧させるようになる。
【0030】
なお、金型42Aに取り付けられる真空発生器48Bも上述した真空発生器48Aの構成とほぼ同様となっている。
【0031】
このような樹脂成形装置10は、コンプレッサ60によって圧縮空気を生成する工程と、コンプレッサ60からの圧縮空気を真空発生器48A、48Bに送入し、圧縮空気の高速流入による圧力低下によって真空発生器48A、48Bのデフューザ75に真空を発生させる工程と、デフューザ75の真空の発生に応じて金型41A、41Bの真空吸引室45A、45Bに真空を発生させる工程と、を経る樹脂成形方法によって樹脂成形を行うことができるようになっている。
【0032】
そして、このように構成された真空発生器48A、48Bは、コンプレッサ60からの圧縮空気の送入を行うときにのみ真空引きが行われることから、エネルギーロスを低減させる効果を奏する。また、真空発生器48A、48Bは、構成が簡単なノズル74とデフューザ75とを主として備える構成となっており、占有面積、ランニングコスト、イニシャルコストのいずれにおいても従来の真空発生器よりも大幅に低減させる効果を奏する。さらに、構成が簡単になることから、配管レイアウトの自由度を高くでき、寿命を長くできる効果を奏する。
【0033】
ちなみに、
図6は、従来の樹脂成形装置における真空形成方法の一例を示したブロック図である。
図6において、符号80はブレーカ、符号81はオイルロータリポンプからなる真空装置、符号82はタンク、符号83はバルブ、符号84は金型を示している。ブレーカ80のオンによって真空装置81が駆動され、タンク82内が所定の真空度になった際に、バルブ83を解放させて金型84の真空吸引室84A内に真空を発生させるようになっている。この場合、真空装置81のオイルロータリポンプは常時駆動され、真空吸引室84Aの真空発生のタイミングはバルブ83の操作によって制御するようになっている。このため、真空装置81の駆動に要する電力消費は大きくなってしまうことを免れない。これに対して本発明の場合、必要なときにおいてコンプレッサ60(
図4参照)を駆動させるだけで、金型41A、41Bの真空吸引室45A、45Bを真空にすることができ、電力消費の大幅な低減を図ることができるようになる。
【0034】
(実施形態2)
実施形態1では、真空発生器48A、48Bは、それぞれ、金型41A、41Bに取り付けて用いられていることを示したものである。しかし、これに限定されることはなく、真空発生器48A、48Bは金型41A、41Bと物理的に分離させて用いるようにしてもよい。この場合、真空発生器48A、48Bは配管を通して金型41A、41B内の真空吸引室45A、45Bに接続されるようになる。
【0035】
(実施形態3)
実施形態1では、いわゆるブロー成形に本発明を適用したものである。しかし、これに限定されることはなく、たとえば真空成形等においても適用できることはいうまでもない。
【0036】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0037】
10 樹脂成形装置
20、20A、20B 押出装置
21A、21B ホッパー
22A、22B シリンダー
23A、23B 油圧モーター
24A、24B アキュムレータ
25A、25B プランジャー
26A、26B Tダイ
27A、27B 押出スリット
28A、28B ローラ
40、40A、40B 型締装置
41A、41B 金型
42A、42B キャビティ
43A、43B ピンチオフ部
45A、45B 真空吸引室
46A、46B 細管
47A、47B 連通孔(配管)
48A、48B 真空発生器
50、50A、50B パリソン
60 コンプレッサ
62 コントロールバルブ
64 切替えバルブ
71 圧縮空気流路
72 送入口
73 送出口
75 デフューザ
76 貫通孔
77 筒状パッド